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1955-06-14 第22回国会 参議院 農林水産委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十四日(火曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     江田 三郎君    理事            秋山俊一郎君            白波瀬米吉君            三浦 辰雄君    委員            青山 正一君           池田宇右衞門君            重政 庸徳君            関根 久藏君            田中 啓一君            飯島連次郎君            奥 むめお君            溝口 三郎君            亀田 得治君            清澤 俊英君            小林 孝平君            三橋八次郎君            東   隆君            棚橋 小虎君            菊田 七平君   国務大臣    農 林 大 臣 河野 一郎君   政府委員    農林大臣官房長 安田善一郎君    農林省農業改良    局長      小倉 武一君    水産庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    農林省農業改良    局特産課長   徳安健太郎君    食糧庁総務部長 新沢  寧君   —————————————   本日の会議に付した案件連合審査会開会の件 ○農林水産政策に関する調査の件  (農林省関係職員定員に関する  件)  (米穀の管理方式及び米麦価に関す  る件)  (水産業対策に関する件)  (昭和三十年度農林省関係予算に関  する件)   —————————————
  2. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  最初に、農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求める件を議題にいたします。本承認案件は去る六月二日内閣から予備審査のため提出され、六月十日の本会議において重光外務大臣から趣旨説明があった後、佐藤清一郎清澤俊英東隆及び木村禧八郎の諸君から質疑が行われ、即日外務委員会予備付託なつたものでありますが、この協定わが国農業に重大な関係を持っておるものと考えられますので、当委員会としてこれが取扱い方をどうするか御協議願いたいと存じます。ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  3. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記を始めて。  この取扱いにつきましては、ただいまの懇談によりまして、本院規則第三十六条に基き農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求める件について外務委員会連合審査会開会することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ただいまの決議に基き、委員長外務委員会に申し入れることといたします。なお、これと並行いたしまして、当委員会におきましても関係当局出席を求めて質疑を行うことにいたしますが、これの日程は後日に譲ります。   —————————————
  5. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 次に農林省関係職員定員の件を議題にいたします。この件につきましては、先日来委員会の問題になつたのでありますが、本日は食糧庁関係資料が提出されましたので、重ねて問題にいたします。先ず農林当局から資料説明を願います。
  6. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 先日お手元に資料をお配りいたしましたので、その資料に配きまして簡単に御説明申し上げます。食糧庁職員といたしましては、行政機関職員定員法に基きます職員と、定員法範疇外に属しますいわゆる常勤非常勤職員と両方あるわけでございます。定員法に基きます職員につきましては、これは前回官房長から御説明いたしました通り本庁から在外公館要員として派遣されます者は二名減となり、奄美群島復帰に伴う政府職員引き継ぎ暫定措置等に関する政令、定員を引き継ぎましたことによる増八名、差引純増といたしまして六名という変化があっただけでございます。定員法以外に属します職員につきましては、本年度食糧庁といたしましては新たに輸入食糧受け入れ方法を、現地の検査によるのではなくて、着きましてからの検査の結果、受け入れるという仕事、それから病変米検査を強化するための仕事の増、それから横浜及び名古屋に新らしく政府施設といたしまして輸入食糧荷揚げ施設サイロと書いてございますが、荷揚施設を作りましたのでありますが、そのために相当仕事の増が生じて参りました、そのために常勤労務者並びに非常勤職員につきまして相当増員を見ているわけでございます。表にございますように常勤労務者につきましては本庁におきまして十三名、食糧事務所におきまして百八十七名計二百名の増員をいたしております。また非常勤職員につきましては延べで書いてございますが、本庁八十四名、食糧事務所におきまして八百八十名の増をいたしておるわけでございます。なお実際の実行上におきましては輸入食糧検査にいたしましても、あるいは荷揚施設運営につきましても、常勤労務者あるいは非常勤職員だけでは運営が困難でございますので、実際上の計画におきましては、内部配置転換によりまして正規職員をこれらの仕事のために充当する、またそのかわりに配置がえをいたしました地方食糧事務所等には常勤労務者非常勤職員等をそれのかわりといたしまして配置するというようなことをいたしまして、実行上は輸入食糧検査並びにサイロ施設、ともに政府職員常勤労務者非常勤職員それぞれによりまして必要な人員配置いたしまして事務運営支障のないようにいたしたい、こういうように考えておるわけでございます。なお、輸入食糧検査につきましては、実際に増をいたしました人員のほかに、各事務所事務繁閑によりまして機動的な人員配置をいたしたいということで、特にそのための旅費を計上いたしまして、約百十名の者を港の事務所輸入検査のために、時々入港船の工合によりまして増加応援のために派遣するというようなことを、あわせて考えておるわけでございます。かようにして本年度におきます食糧庁事務分量増加に見合いまして、人員配置並びに他の事務所からの増加応援ということによって支障なく運営いたして参りたい、こういうように考えておる次第でございます。以上簡単でございますが、本年度におきまする食糧庁関係職員の増減につきまして御説明を申し上げた次第でございます。
  7. 小林孝平

    小林孝平君 今度新たに作られましたサイロの問題について最初にお尋ねいたしますが、このサイロ運営あるいはサイロ関係作業というのは、従来の食糧庁職員のやっているサイロとは全く違うわけなんですね、そこで今事務繁閑に応じて従来の職員配置転換をしてやると言っておられますけれども機械運転管理とか、あるいはその他船舶の給水等作業、あるいは具体的にはいろいろの機械作業、特に電気関係機械操作などということは、全く従来の食糧庁職員の経験しないところであって、またその専門家がおらぬわけなんです。それを配置転換して見てもできないのじゃないですか、仕事は。こういろやっぱり専門の人を配置しなければ、誰でもいいというわけにいかぬと思うのです。その点いかがでございますか。
  8. 新沢寧

    説明員新沢寧君) お話のございました通り、新しくできました荷役施設は、従来食糧庁のやっておりました仕事とほとんど全く実質的に違う仕事でございまして、機械操作電気操作と、専門技術を要する部面が非常に多いということはお話通りでございます。それで、私どもといたしましても、できるだけこの専門分野には専門技能を持つた者を充てたいというふうに考えておるわけでございます。たまたま食糧庁職員構成等を調べて見ますと、いろいろ戦後におきましてはあらゆる学科を卒業した者、修得した者が食糧庁職員として入っておりまして、電気関係機械関係技能を修得した者もかなりいるわけでございます。それで、第一次的にはそうした食糧庁の現職員でありまして電気機械等の課程を修了した者、そういう専門学等を修了した者を配置転換をいたすということを考え、そういう者を相当現に配置転換によって充足をしておるわけでございます。もちろん非常に複雑な仕事でございまして、また膨大な事業量を持った仕事でございますので、食糧庁の現におりますそういう経歴を持った者だけでは足りない部面がもちろん出てくると思うわけでございます。それらにつきましては、なお食糧庁の中の人員配置等関係におきまして、若干の充足し得る余地もあるわけでございますので、特に他庁関係運輸省等の多少のそういう専門技術を持つた者の受け入れもするというようなことを考えまして、できるだけすみやかに態勢を整えて参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  9. 小林孝平

    小林孝平君 これは理想的とまで行かなくとも、一応このサイロを無事に運転するためには、一体どれだけ新たな専門技術を主とした人々が要るのですか。
  10. 新沢寧

    説明員新沢寧君) ただいまのところ専門技術者それからその他の比較的技術を必要としない者等を込めまして、横浜だけで八十二名、もちろんこのほかに人夫のようなものも相当数必要とするわけでございますが、常勤的な者としては八十二名といろ数字を一応計画をいたしておるわけでございます。八十二名というものにつきましては、現在のところ二交代制ということで計画をしておるわけでございますが、今後仕事の模様を見まして再検討をしなければならない面が出てこようかと思いますが、一応現在の計画といたしましては八十二名でやって参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  11. 小林孝平

    小林孝平君 二交代制……ちょっと聞きにくかったのですが、二交代制というのは何ですか。
  12. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 常時ではございませんが、荷役施設でございますので、船が着きますと連続作業をしなければならないわけでございます。昼夜運転をしなければならない日が出てくるわけでございますが、そういうふうなときには、勤務体制としまして普通の政府職員とやや違った勤務体制をとらなければならないわけでございまして、交代制をとらなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。現在の計画では現場要員につきまして二交代ということで、八十二名という人員計画しております。
  13. 小林孝平

    小林孝平君 この八十二名のうち、今はほとんど全部配置転換によってやるわけなのですか。
  14. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 私ども計画といたしましては、大多数のものを配置転換で充足いたしたいというふうに考えております。もちろん若干の職員につきましては、特に専門技能を非常に高度に必要とする部署につきましては、全部が全部配置転換のみで行き得るとは考えておりませんが、先ほど申し上げましたように、食糧庁職員の中にも電気機械専門の学校を卒業した者、あるいはそういう職業経歴を持つた者が多いわけでございますので、できる限りは食糧庁内部配置転換によってこの人員を充足いたしたい、こういうふうに考えております。
  15. 小林孝平

    小林孝平君 かりにそういう今の配置転換をやるということでやりましても、その仕事は非常に従来の食糧庁仕事とは違うわけなんですね。それで、たとえば完全な電気機械操作、そういうような特別な技能をもってやるのですから、そうすると給与体系は一般の職員と変ってくるわけですね、そういう点はこの配置転換の結果、新たにそういう職場へ行かれたら、その給与を変えられるのですか。
  16. 新沢寧

    説明員新沢寧君) お話し通り、非常に普通の公務員の仕事と質的に異った仕事をやりますために、給与体系あるいは勤務体制につきまして違った考え方をしなければいけないというふうなことは、全く御指摘の通りでございます。目下人事院折衝いたしておりますが、まだ折衝中の段階でございまして、最終的な結論を得たわけでは、ございませんが、お話し通り仕事の態様に応じました給与体系上の処遇というものを考えなければならないということで、折角折衝中でございます。
  17. 小林孝平

    小林孝平君 そうするとその待遇を今度折衝していられるいろいろな条件というのは、具体的にはあれですけれども、大体標準として、たとえば三公社現業と同様な条件をもってこの作業を行われるというふうに考えて、そういうところと同様な仕事をやっている職員と同じような待遇をされるというように交渉しておられるのですか。
  18. 新沢寧

    説明員新沢寧君) この仕事は全然今までの食糧庁仕事と違った仕事で、現業的色彩が非常に濃いわけであります。また専門的技能を非常に必要とする仕事でありますので、それらの仕事の質を考慮いたしまして、給与の点など考えて、また現場作業危険性ということも考えて、それらの特殊手当ということも交渉一つの項目としてやっているわけです。
  19. 小林孝平

    小林孝平君 そのやっておられることはわかりましたが、具体的にその交渉標準は、三公社現業職員と大体同じになるようにやっておられるのですか。
  20. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 三公社現業という例をお示しになりましたが、仕事質等も考えあわせてやらなければなりませんので、すぐに三公社現業そのままどうこうという比較は、今ちょっと申し上げかねるわけでございますが、もちろん仕事性質をよく認識いたしまして、給与の改善あるいは特殊手当等交渉をいたしたいというふうに考えているわけでございます。
  21. 小林孝平

    小林孝平君 その特殊の条件を考えておやりになることはわかるけれども、同じ三公社現業事業所における同様な仕事をやっておる職員と均衡をとるようにやるということは、これはおかしくないと思う。だからそういうふうにおやりになるのかどうか具体的にお伺いしておる。
  22. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 仕事質等におきましてそういう先例は十分に参考にいたしまして、それに準じて給与待遇を得られるようにということでやって参りたいと思います。
  23. 小林孝平

    小林孝平君 それから他の建設省あるいは郵政省ですか、運輸省から、現在食糧庁からそういう技術者配置転換というか、割愛してもらってやるとおっしゃいましたけれども、そういうものは具体的にいつやられるのですか。いつからその人を得られるのですか。
  24. 新沢寧

    説明員新沢寧君) サイロにつきましては現在ようやく試運転段階に入りましたわけでございますが、他省からの人員転換配置転換等につきましては至急にやりたいと考えておるわけでございますが、先ほど来お話のありました待遇問題につきまして、ある程度目鼻がつきませんと具体的な折衝に入り得ないために、現在待遇問題その他の点につきましての折衝を先にしておるわけでございます。できるだけ早い機会に待遇問題の結論を得ました上で、関係の省、専門技術家を擁しております省との折衝に入りたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  25. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと小林君待って下さい。  さっきからいろいろなことを言っておられるのですが、一体サイロあるいは着検病変米検査というような新らしい仕事のための、それに必要な定員は何ぼなんですか。
  26. 新沢寧

    説明員新沢寧君) いろいろ定員見方につきましては、当初食糧庁見方としましては相当人員の増を考えたわけでございますが、いろいろ財政事情等もありまして、できるだけ最小限度で行い得るという限度におきまして、できるだけ最小限度人員ということにいたしました結果、サイロ関係につきましては百十五名、これは横浜名古屋と両方ございますが、それにつきまして百十五名という人員を予定いたしております。  それから輸入米検査につきましては、各港を通じまして百三十六名。そのほかにほかの事務所からの応援と申しますか、他の事務所繁閑を見まして応援を派遣するという人員を百十名、常時百十名という人員を予定しております。従いまして輸入検査関係につきましては実員は百三十六名でありますが、事実上は二百四十六名の人間でやって行くということを考えております。  それから病変米検査につきましては二十四名。これらを合せまして実人員といたしましては二百七十五名。それに他の事務所からの随時の応援百十名を加えまして、三百八十五名が動員可能となりまして、新しい仕事をまかなって行きたい。こういうふうに考えておるわけでございます。
  27. 江田三郎

    委員長江田三郎君) この二百七十五名とそれから常勤労務者がここに書いてある分と、非常勤職員がここに書いてある分とほかに人夫と、こういうことになるわけですか。
  28. 新沢寧

    説明員新沢寧君) ただいま申し上げましたことは、実際に実行上決定いたしました人員を申し上げているわけでございまして、仕事性質から申し上げまして、今申し上げた人間相当の部分が正規職員が従事するというのが一番いいわけでございますが、実際の予算上におきましては、正規職員増員ということができませんで、全部常勤労務者非常勤職員ということで、今の二百七十五名というものが充足されることになっているわけでございます。そこで実際上の措置といたしましては、地方食糧事務所には正規職員といたしまして二万名余りのものがいるわけでございまして、仕事の内容によりまして常勤労務者、あるいは非常勤職員をもって行い得る仕事部面もあるわけでございますので、この新しい仕事部面に対しまして、地方事務所から正規職員配置転換で入れよう、そのかわりにそこには常勤労務者非常勤職員をかわりに入れまして、彼此融通して、従来の仕事も、新しい仕事支障なく行なって行くようにいたしたい。こういうふうに考えて、実行上の措置をいたしているわけでございます。
  29. 江田三郎

    委員長江田三郎君) あなたの説明を聞くと、非常に融通無碍に言われるのですが、そうすると、私ちょっと聞いておってよくわからぬのですが、今言われました二百七十五名は、これだけ定員がいるんだが、しかしそれは常勤労務者と、非常勤職員とで二百七十五名を出していくと、そうしてただし実行上はその常勤労務者なり、非常勤職員は、よその方の正職員配置転換でやって行くと、こういうのですか。
  30. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 新しく二百七十五名の増があったわけでございますが、三十年度におきます増は、正規職員の増は一名もありませんで、全部が常勤労務者非常勤職員であったわけでございます。しかしながら新しく人員を必要といたします新しくふえました仕事部面につきましては、質的に常勤労務者非常勤職員だけでは行い得ない仕事性質が多々含まれておりますために、二百七十五名の常勤労務者非常勤職員がふえましたけれども、実際上は地方事務所におきまして非常勤職員常勤労務者で充て得る仕事分野と入れかえをいたしまして、新しい仕事分野にも正規職員地方から配置転換をいたす。そのかわりに新たにふえました常勤労務者非常勤職員を、その欠を補うために地方配置がえをいたす、こういうふうに考えているわけであります。
  31. 江田三郎

    委員長江田三郎君) つまり地方なり、本所の方では二百七十五名という、この正規職員は要らぬものがおつたということなんですか。
  32. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 要らぬものがいたというわけではございませんが、仕事性質によりまして、もちろん正規職員がやって行くのが一番いいというふうに考えられるわけでございますが、仕事性質によりましては、必ずしも正規職員ではありませんでも、常勤労務者でやり得る仕事分野もあるわけでございますので、そういう分野につきましては、常勤労務者を充てる。正規職員でなければ果し得ない仕事分野仕事正規職員でやるということによって、実質的に仕事性質によりまして、食糧庁全体の職員適正配置仕事をやって行きたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  33. 江田三郎

    委員長江田三郎君) くどいようですが、もう一ぺん聞きますが、一体正規職員というものは、一つの理由があって正規職員になっているだろうと思います。都合によって正規職員がいつでも常勤労務者に変ったり、非常勤職員に変ったりするなら、正規職員なんていうものはきめる必要がないことなんで、そういう正規職員というものが一たんきまっているものを、二百七十五名というものを勝手に融通できるということになるなら、正規職員という制度はなくてもいいことになるじゃありませんか、極端に言えば……。つまり今の正規職員は不必要なものを二百七十五名入れておったということになるのか。それともむちゃくちゃをして二百七十五名というものを、さらに、実質的な減員ですよ、正規職員の……。新しい仕事で二百七十五名というものが要るなら、それをよそから持ってくれば実質的には食糧庁減員になりますね、今までの仕事から言うと……。つまり今度の制度は、実質的に従来の食糧庁仕事分量は同じであるにもかかわらず、新しい仕事は別にして、旧来仕事だけを考えると、旧来仕事分量が変らないのに、正規職員の二百七十五名を減らして行く実質的な減員であると考えてい
  34. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 食糧事務所に現在正規職員といたしまして、約二万四千名余りの者がいるわけでございますが、確かにお話通り二万四千名余りの人が必要だから二万四千名余りの人がいることは間違いないわけでございますが、しかし現在それらの正規職員がやっております仕事をつぶさに調べて見ますと、一人々々の場合につきましてはなかなか計算上出て参りませんが、事務所全体なり、あるいは食糧事務所の支所、出張所という単位をとってみますと、分量的に申しまして、たとえば四人の正規職員でやっていた仕事を、三人の正規職員と一人の常勤労務者でやるというような事務的な配分関係もでき得るわけでございます。ただいまのは例で申し上げたわけでございますから、数字とその関係はそのままにお聞きとりいただかないようにお願いしたいと思いますが、たとえて申しますと、そういうようなことが非常に食糧庁仕事といたしましては、何と言いますか、質的に高い部面と、非常に現業的な仕事とが入りまじってあるわけであります。特にその傾向は末端に行きますと、より多くあるわけでございます。そういうような点から、実際上他予算上のことで非常勤職員がふやせないからそのまま引っ込んでこういう結果になつたと言いますよりも、十分検討した上で今申し上げたような仕事性質に応じまして、正規職員転換がこの二百七十五名全部じやございませんで、それの半数内外ということになろうかと思いますが、その程度の人間配置がえによりまして事務支障はないように工夫ができるという結論に到達いたしましたので、三十年度増員関係につきましては、正規職員の増ということではなくして、常勤労務者非常勤職員の増ということで予算の要求をしているというわけでございます。
  35. 江田三郎

    委員長江田三郎君) たまたま今度の場合の二百七十五名というものが出ているんですけれども、今のお話を聞きますと、二百七十五名というものがなくても食糧庁仕事というものは仕事配分等を考えれば、まだまだ人員は節減できると、あなたのおっしゃるのはそういうことになりますが、それだと、大いに節約をしてもらわなければならぬ、国民の金を使っているのですから……。しかしそう簡単に言い切れますか。これは総務部長責任ある答弁をしておいて下さいよ。今の食糧庁定員の中には今度は二百七十五名というものが問題になつたけれども、今のお話で行くというと、事務の質を考えたらまだまだ配置転換やその他事務の何やかやで減らす余地があるというお話ですが、その通りでいいのですか。はっきりしておいて下さいよ。
  36. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 私の申し上げましたのは将来のことでなくて……。
  37. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 将来じゃありませんよ。
  38. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 現実の本年度折衝過程におきまして検討いたしました結果、本年度に関します限りは可能であるという結論に到達いたしましたために、こういうような予算の要求をしているわけでございます。将来の問題につきましては、またそのとき十分慎重に検討してきめなければならぬと思いますが、必ずしも今回のことが将来も引き続き行い得るということは、私ただいま直ちに申し上げるだけの自信を持っておりません。
  39. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 総務部長、インチキを言わないで下さい。たまたま二百七十五名というものはどうにもならないからこういうことにしたというならわかりますが、あなたの言うように、食糧庁仕事の中には質的にいろいろのことを考えれば、節約の余地があるというならこれははっきり大きな問題になってくるのだから、そういうような検討をして、一体どことどこに節約の可能性があるのか、資料として、もう一ぺんはっきり出して下さい。資料として出せますか。
  40. 新沢寧

    説明員新沢寧君) なかなか仕事の内容的のものを一ぺんに資料として提出するということは、とてもむずかしいわけでございますが、今申し上げたように、今回の場合の結論といたしまして、やって行けるというふうな判断に到達いたしましたので、こういうふうな案を考えているわけでございます。
  41. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 資料として出せぬことはないでしょうが……。この二百七十五名の中に何ぼ持ってくるか知らないが、持ってくる場所はどういう理由で今まで仕事の必要以上に常勤労務者がおったのだということが説明できるわけでしよう。二百七十五名の中の何ぼ出すか知りませんが、そういうような他の類似の職域について同じ問題が出ますから、なぜこういうところから、今までの定員の中から持ってこれるのかということが、はっきり説明できると思うのですよ。これは食糧庁の方は、今度の減収加算だけでも、三十二億九千万円というものを食糧庁の特別会計の中から出しておるというような問題も出ておりますし、一体今後食糧庁の会計というものはどういうことをされるのか、われわれから見ると、わけがわからない。とにかく特別会計の中から、一たん要求した特別会ものが、たちどころに出てくるという会計ですから、われわれとしては、非常に疑問を持っているわけです。たまたま今のようなことをおっしゃるなら、一体人員についても、この二百七十五名の中の半分であるか、何ぼであるか、今はっきりわかりませんが、それが持ってこれるというものなら、どういう場所から持ってこれるということがはっきり出るわけでしよう。その資料が出ませんか。
  42. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 何と申しますか、将来のことと言うわけでございませんで、現在の配置転換ということでございますればお出しすることができます。
  43. 三浦辰雄

    ○三浦辰雄君 今のやりとりを伺っておって、われわれも解せないのですが、結局これは人の使い方で、こういうふうに定員法内の定員定員法以外の職員、いわゆる常勤労務者非常勤職員、こういうふうにあって、それらの線が一応押えられている形にはなっているけれども、実質はこのほかに、これに類似するものが相当この定員法で実情に沿わない線で押えられているために、従ってその波がだんだんと寄って来て、常勤労務者あるいは非常勤職員の、ここに載っている数字以外にも、これに類似するような人たちがあって、事実重要な仕事をやっている、こういうような現場にとかくありがちな、たとえば建設関係の現場についてもあるわけなんですが、そういったものを頭に入れているから、事実どこかからひねり出せるようなふうなことを考える。しかしそれは陰のことなんだから、表にはそういった説明もできないので、今総務部長の方では、全く説明にならないような説明をしておらざるを得ないのではないかと思うのですが、その点は、打ち割ったところ、どうなのですか。
  44. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 私どもの方にはここに出しております定員法による職員、それから常勤労務者非常勤職員のほかに人夫がございますが、人夫は文字通り人夫でございまして、今おっしゃったような意味合いの、質の高い仕事をやります職員が、これらの範疇以外の形で勤務するということはないわけでございます。ただ実態上の問題といたしまして、高度の仕事をやりますものにつきましては、経験年数のたくさん経た者、従ってすでに正規職員としまして相当年月を経た者が従事をする、また実際上は、本来ならば正規職員が従事することの望ましい職域につきまして、たとえば農産物検査等につきましては、本来ならば正規職員がその仕事に従事するのが望ましいわけでございますが、それの補助的な部面につきましては若干の、一、二年の勤務を経た者につきましてその応援的な仕事をやるというようなことで、そういうような部面につきましては常勤労務者が従事をしておるという例はあるわけでございます。今回の例におきましても結局そういうことでございまして、仕事の量なり、質なりが変ってくる、あるいは仕事の量と人員との関係におきまして、人員にゆとりがあるからこういうような操作ができるということではございませんので、新しい仕事で、経験年数のたくさん要する分野には経験年数の高い人を入れる、しかして補助的な職務の分野には常勤労務者等をもって充足をする、こういうようなことを考えて申し上げておるわけでございます。もちろんだんだんそういうことがとめどもなくできるということではございませんので、それには限度があるということは申すまでもないことでございます。ただこれ以外に、ここに現われておる数字以外に、隠し定員がありましたためにそういうような操作ができるということではないわけでございます。
  45. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 私お聞きするのはただそういう問題だけでなしに、その今のあなたの考え方は非常に危ないのじゃないかと思うのです。サイロの先ほどの小林君に対する答弁を聞いておりましても、これは電気の専攻であるとか、機械の専攻であるとか、そういう専門家でなければ……。ほとんどが専門家だという話でしよう、そうして現在の食糧庁の中には電気やその他のことを前にやっておった者もあるといいますけれども、そういう諸君はそんな電気機械のことを離れて十年たっているとか十五年たっているとか、長い間たっておるわけなんです、職員である以上は。昔電気の学校を出たとか、あるいは機械の学校を出たからといって、そう簡単にこういう近代的な設備が使えるものかどうか非常に危ないものだと思うのです。現にこの間の試運転の状況を聞いてみても、石川島の工場の諸君が来ているから試験ができたというだけであって、今の諸君では何もできないというのが実情なんじゃないか、そういうところにもって来て職員であった昔電気の免状を持っておった者を寄せ集めてみたところで、日本にこういう電気の設備がたくさんあって、そこの勉強をしておる人ならよろしい、そうじゃないのでしよう。日本にまだ二つ目か三つ目なんでしよう。二つ目でしょう。日本でまだ誰もやったことのないような仕事をやるのに、昔電気の何々学校を出た免状を持っておるという諸君を全国から集めて、これを一体運転できるものかどうか、もしまかり間違って運転が一日かかれば、船の滞船料というものはありましようし、いろいろなものがありまして、結果的には大変なロスになるのじゃないかと思うのです。ちようど黄変米の問題で、あとになって会計検査院から叱られて、今ごろになって病変米検査人員増員するように、同じことを繰り返すのじゃないかと思うのです。何か定員ということでたじたじとしてしまって、そうして一番肝心な優秀な技術者でなければならぬところにもってきて、優秀でも何でもない電気の教科書の何ページか読んだことがある人間だけを集めて何ができるかということなんです。一体自信があるのですか、その点どうなんです。
  46. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 先ほどお話し申し上げました通り、現在の食糧庁職員だけでこの問題の施設が完全に動くということは非常に困難だと思っておるわけでございます。ただ実際上の問題としまして、何といいますか、要所要所の責任的な部署につく者につきましては、それぞれの経験年数を経た十分な経歴のある人を入れておかなくちやならぬということを考えておるわけでございます。それで先ほどほかの省からの人の派遣をお願いするというような交渉をやりたいということを申し上げておるわけでございまして、もちろん食糧庁人間だけで十分な運営ができるということは考えておりませんので、そういうような専門的な部署に、高い責任と知識を持った者を入れるということは十分考えておるわけでございます。
  47. 江田三郎

    委員長江田三郎君) しかしよその省から持ってきて、どこからか持ってきて、よそから持ってくる者は、これは常勤労務者食糧庁定員をどこか減らして、そうしてよその者をもって定員に入れるというのじゃないのでしよう。定員は、食糧庁の中で正規職員定員は、よそから持ってくるのは常勤労務者ですか、そういうような食糧庁職員よりもっと高い専門家をもって常勤労務者として使うという態勢がとられますか。常勤労務者より以外入れられぬはずですよ、この説明で行くと。ごまかしちやいかぬですよ。
  48. 新沢寧

    説明員新沢寧君) もちろんそういう高い地位につく人を入れる場合には常勤労務者ということで入れられませんので、正規職員という中に組み入れなければなりません。
  49. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それは説明が違うじゃないか。
  50. 新沢寧

    説明員新沢寧君) ただ正規職員としてのポストの常勤労務者の組みかえにつきましては、先ほど来申し上げたように地方におきまして比較的補助的な職務に属する仕事につきましてはそれを常勤労務者仕事に譲ることにいたしまして、正規職員としてのポストーをあけまして、そういう人事の仕組みにいたしたい、こういうふうに考えているわけであります。全体的な食糧庁配置転換について目下全体的な観点でやっておるわけでございます。
  51. 江田三郎

    委員長江田三郎君) もう一ぺん聞きますが、あなたの答弁違いますよ。一つその表を書いて人の出し入れを数字でずっとやってごらんなさい。ここで常勤労務者を入れて、持って行って、そうして食糧庁正規定員からこっちへ持ってきたり何かするんですか、食糧庁正規定員というものは従来の食糧庁正規定員なんぞどこに持ってきたって食糧庁の人なんです。よそから持ってきた正規定員であればそれだけ現在の食糧庁正規職員を何人か減らさなければ、その埋め合せができぬのじゃないか。そういう算術はだれだってできますよ。私の言う計算は違いますか。
  52. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 食糧庁の現在の職員から欠員がございませんと、委員長のおっしゃる通りでございますが、常時膨大な職員を擁しておるわけでございますから、若干の欠員というものは常時出て参るわけでございます。そのうちで最小限度必要な人員につきましてはそういう専門技術家を欠員充足という形で出して行きたいというふうに考えておるわけでございます。
  53. 江田三郎

    委員長江田三郎君) これは総務部長あなたはサイロを本当に正規運営をして行こうというのか。とにかく定員というワクがあって大蔵省がやかましいから仕方がないから最小限のことだけを、最小限というか、今のやりくりだけでやって行こうというのか、どっちなんですか。そういう形でやって行ってサイロ運営支障を来たさぬという確信がありますか。サイロの故障を起すということがあるかもしれませんよ。下手すると故障だけではありません。機械が大きな故障を起したり、荷役のサイロ作業がうまく行かなければ、船の係船というものはすぐ二日や三日違ってくるわけじゃありませんか。一日船をつないでおけばなんぼかかかるんですよ。百文惜しみの何とかというのがあるんですよ。
  54. 小林孝平

    小林孝平君 委員長一人で発言しているが、もう少しほかの人にも発言さしたらどうです。
  55. 江田三郎

    委員長江田三郎君) その通りにいたします。
  56. 東隆

    東隆君 これはどういうことになるんですかね。サイロが二カ所できるようですが、着地検査の場合とサイロの場合と仕事が非常に違っておりますから、今お考えになっているところから行くと、農林省の定員を、本定員の方は着地検査の方は当然ふやさぬ。それからサイロの方の場合はおそらく現業的な仕事でありますから常勤労務者である、こういうような考え方が強いわけであります。そこでサイロの場合に、私はこれは一時保管の形で、そうしてそこからおそらく小口に麻袋だの何だのに入れて運び出したり、いろいろな問題もできてくる。それで、ここには常設的にやはり人がいなければならぬ。事務系統の者とか、それから実際にいろいろな仕事をやらなければならぬとか、それから船が着いたときに機械操作して出し入れをするとか、それから出すときにまた当然そういうことが行われる。そういうような者は、これは休む時がそうないと思うのですが、そうすると、一応その仕事の分担がきめられると思うのです。そうすると、どういうような仕事にこれは分けられているか、そいつはわかるのですか。
  57. 新沢寧

    説明員新沢寧君) この細かい資料を今日準備して参りませんでしたが、機械配置系統に応じまして、それぞれ作業分量等を見まして、実際の部署々々に応じた所要人員を出しまして、総体としまして、横浜につきましては八十二名という人員を出しておるわけでございます。お話通り、その中には技術部面に属する者、事務方面を担当する者、それぞれいるわけでございます。ちょっと今日、申しわけありませんが、詳細な資料を置いて参りましたので……。
  58. 小林孝平

    小林孝平君 これはほかの事務と違いますから、電気関係技術者は何名要る、それからほかの機械操作をやるのは何人要る、それは何人部内にそういう免状を持って配置転換できるのがいる。まあ、もっともその問題も、先ほど委員長が長々とやっておられたような根本的な問題がありますけれども、それはあとにして、一体見込みがあるのかないのか。それじゃ運輸省あるいは建設省からどれだけ持ってこられるのかというのを、具体的に出してもらわないと、委員の方の審議がはかどらぬのじゃないですか。委員長、そういう資料を要求されまして、それからとつくりやられたらどうですか。それでなければわかりませんよ。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  59. 江田三郎

    委員長江田三郎君) いや、ぼくの意見ですか。
  60. 小林孝平

    小林孝平君 あなたの議事進行に関して。進めるために……、それでないといたずらにきめつけてみてもきめ手がないのです。
  61. 江田三郎

    委員長江田三郎君) きめ手はあるのだけれども、君の方があまりものを言うなと言うからきめぬのだよ。
  62. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちょっとおくれて来て議論がどこから出たかわからぬけれども、大体現在やっているこのサイロの問題は間に合っているのか合わないのか。現在間に合っているのですか。それは済んでいるのですか。
  63. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 実行計画といたしましては八十二人の人員と、そのほかに人夫約三、四十名の者をもって運営いたすというふうに考えておるわけでございますが、まだ試運転段階でございますという点もございますが、五月末日現在では約半数の者が充足されたわけでございまして、あとこれに現在の人員と同数ぐらいのものを今後至急に充足してもらうということになっておりまする
  64. 清澤俊英

    清澤俊英君 今試験中だから、これから本当の定員をきめるというわけなんですね、一口に言えば。そういうふうに解釈していいですか。ちょっと耳が遠いものですから細かいところはわかりませんが、あまりめんどうなことを言わないで、わかるように一つ聞かして下さい。
  65. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 正式に動かしますためには八十二名の人員を必要といたしますが、五月末で充足いたしておりますものは四十三名でございます。現在まだ試運転中でございますので、取りあえず四十三名でやっておりますが、本運転に入りますときにはこれではとうてい足りませんので、至急残りの人員を充足しまして、本運転支障なく行くようにしなければならない、こういうように考えております。
  66. 小林孝平

    小林孝平君 さっき私が申し上げたように、具体的にこの資料を出していただいて、それで果して動くのかどうかということの検討をしなければ、机の上で八十何名だとか七十何名どこから持ってくると言われても、話が進みませんよ。世間で非常に変なうわさが飛んで、このサイロがむしろ動かない方がいいのじゃないかという話が伝わっているから、そういうわさもあるくらいだから、よほどよくこれで動くか動かぬか、一つ資料を出してもらって検討したらどうですか。
  67. 江田三郎

    委員長江田三郎君) そういう資料が出ますかなあ。サイロについてその部署別の人員ですね。着工検査についてはよろしいかな。
  68. 小林孝平

    小林孝平君 着工検査についても、まあやはり程度は違いますね。そういうサイロほど専門のあれは要らないのですけれども資料をもう少し……。どうせやればいろいろ御注文が出る。だからあらかじめついでに資料を出されたらいいじゃないですか。
  69. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは食糧庁の方へ要求いたします。この定員の問題を審議するのに必要だと思われる詳しい資料をあらゆる面にわたって出して下さい。大体あなたの方は、この前も資料を要求しましたが、間に合わない。いつでも資料が間に合わぬというのは、委員長のひが目かもしれませんけれども、どうも問題をそらそうとするような傾向が見えますので、この際一つ各般にわたって詳細な資料をお願いいたします。
  70. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 今の資料要求について大体私は異議はないのだけれども、半日かかって今までの論議を聞いておっても何のことを言っているのだかきっぱりわれわれにはわからない。こういう無駄な論議に時間を使うことなしに、今度資料ができてきたら、きわめて簡明率直な説明一つ求めてみたい、そのためには資料の準備を十分にしていただきたい。特に病変米検査のための関係資料も、この与えられた数字だけから見ると簡単には納得ができない。これらについても十分な資料の要求を一つされることをつけ加えて要求しておきたい。
  71. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ただいまそういう要求がございましたが、ともかく午前中の話を聞いておっても問題がわからぬという状態ですから、食糧庁の方でも十分その点をお考えになって、あとから資料の追加要求が出ない程度に、十分考えをもって資料を提出して下さい。いつまでに出ますか。
  72. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちょっと定員とは違いますが、ここにあります着地検査というのは黄変米等を中心にした米の検査だと思いますが、外地から入ってくる米麦一切を検査するのかどうか……。
  73. 新沢寧

    説明員新沢寧君) お話通りそうでございます。米麦一切の検査に……。ただこれはお断わり申し上げておきますが、従来も輸入食糧検査官は名港におつたわけであります。ただ検査の方法は従来は着地の検査所がございまして、それを一応点検するという程度の仕事と、それから数量の検査等であったわけでございますが、それが着地の検査が最終的で、それをもって政府が買い入れをするということになりましたために、検査が精緻になりましたために増員されまして、これだけの人間で米麦の検査をやっているという意味のものでございます。
  74. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは私ここでこれを進めて行くのに一ぺん現地を見た方がいいと思うんだ、そうすれば頭へ入れるのに楽だし、実情を見るにも楽なんだから一つ現地を……、定員法のこのこまかい資料の出る前に、一つ現地を見る方法を考えてもらいたい。
  75. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 今の清澤委員お話の点はこの前懇談できめておりまして、サイロ及び着港検査の現場を見ると、こういうことになっていますが、たまたま適当な船の入る時がまだございませんので、それを待っている状態でございます。なお、これは本委員会の正式付託ではないのでございまして、内閣委員会の付託になっているのでございますから、われわれとしましてはこの委員会質疑をし、さらにあるいは連合審査等を要求するかどうか、そういう点も協議しなきゃなりませんので、従って食糧庁から出してもらう資料はいつでもいいというわけじゃございませんが、総務部長いつ資料出ますか。
  76. 新沢寧

    説明員新沢寧君) 今週中には……。
  77. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それじゃ今週中にさらに食糧庁から詳細な資料を出していただいて、もう一ぺん質疑を続けたいと思います。その上でこの定員の問題をどうするかということをお諮りいたしたいと思います。   —————————————
  78. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 大臣が見えましたからして昭和三十年産米の管理方式及び昭和三十年産米麦価の件を議題にいたします。  さきに閣議の了解によって本年産米の価格は本月十五日までに決定することにとりきめられたとのことでありましたが、最近の新聞報道によりますと、なかなか問題が低迷いたしまして、米価だけでなしに事前売り渡し制度の細目もまだきまっていないようでございますが、だんだん時期も切迫いたしておりますので、私どもとしましても強く関心を持っておりますので、本日は農林大臣から政府の方針について明確な御説明を願いたいと存じます。
  79. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 米価の決定につきましては先般米価審議会の懇談会の御意見を拝聴いたしまして、一応予約制度を実施する以前に米価の決定をする方がよろしい、ぜひそういうふうにやれということの御意見でございましたので、私といたしましてはこの旨を閣議に報告をいたしまして、閣議におきましては一応六月の十五日を目途として、そうしてこれを決定するようにとり運んで行こう、ついては経済閣僚に事前にこの問題について大体の意見の一致をみるように懇談会をもってやることにしようということに了解をしておったのであります。ところが問題は非常に重要なことでもございますし、われわれといたしましては与党たる民主党の意見も十分にとりまとめて、その意思をくんでやることも必要でありまするし、かたがた各位御承知の通り予算の修正を自民両党でいたしました等の関係もございまするので、自由党の側に対しましてもぜひ一つこの米価問題についてもあらためて懇談をしてやろうということを民主党の幹部の方から申し出をしてある。よくこれを両者の意見をとりまとめて政府の方へ申し出をする、この申し出の原案をもって閣僚懇談会の原案にしてやるようにというようなお話もございましたので、実は政府は政府独自の見解に立っていろいろ調査研究を進め、準備を現在進めておるわけでございますが、一方ただいま申し上げましたような事情で自由党と民主党との間にそういうお話のあることも私承わりましたので、今日までその結果を待っておったのでございますが、時日も切迫いたしましたので、ただいまも実は民主党の幹部会に出席をいたしまして、そしてこのままでは非常に困る、取り急いで一つその結着を見るように希望するという旨を申し出いたしました。まあそういうことのお話をここで申し上げることが適当かどうかは存じませんが、実は民主党の幹部の申しますには、本日自由党と民主党との間に、いわゆる幹部の四人が集まっていろいろ打ち合せをする機会がある。その機会にこの米価の問題について最も重要問題として、これについて意見の交換をし、両者の意見の一致するようにきょう一つ取り運びをするから、その決定を待ってもらいたい、こういうことでございました。そこでその決定の有無によりまして、民主党の方においてはその結果のいかんによりまして、もし自由党との協調ができれば協調するし、今朝の新聞にありますように、予約制度の根本について自由党側においていろいろ意見があるということでありますれば、これはとうてい政府としてはその問題に入って論議をするということは、われわれとしてはすでに閣議で決定し、全国にわたってこの準備をそれぞれ進めておるわけでございますので、とうていそういうわけに参りませんから、民主党独自で一つ臨みたいという希望意見を申し述べてただいま参つたような次第でございまして、多少おくれましたけれども、たるべく急いでやりたいと、こう考えておるわけでございます。
  80. 清澤俊英

    清澤俊英君 先般来新聞などを見ておりましてもそうですが、ただいまの御説明を聞きましても米価懇談会の方で、先般の御説明ではまだ正式の審議委員もきまっていない関係上、正式の懇談会も持てない、こういうような関係で十分米価審議会の決定するものを尊重する、こういう御意思を表明せられた。今お話を聞いておりますると、懇談会もまだたな上げ、それをぐんぐんと民主党の考え方だとか、自由党の考え方だとかいうので進めて行かれる形が見えております。従ってまあ新聞などではこれは政治折衝できめるのだ、いわゆる政治米価できめるのだ、米価審議会というものの権威というものをどこにお認めになっておるのか、要らないのか、要らぬのならやめてしまつたらいいじゃないか、これをどうお取扱いになるつもりか、まずそれを伺いたい。
  81. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 従来の慣行が、米価審議会に諮問をいたす場合に、政府としては何千何百円の米価を適当と思うがどうですかという諮問をしているのが従来の例でございます。政府の案を、この案で妥当なりやいなや、可否いかんという諮問をいたしておりますので、一応政府として相なるべくは原案をもって審議会に臨むことになっておりまするので、今年もそういう処置に出たいと、こう私は一応考えますものでございますから、そこで今御説明申し上げましたように、各方面の意見を承わって、それで政府原案を一応作って、それを米価審議会に可否いかんと諮問を申し上げることがいいんじゃないか、こういう考えでございます。
  82. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうしますと、今新聞など見まして、大臣の言われる折衝の米価というものは、これは審議会に出す原案を作っておる、こういうことに解釈してよろしいのでございますか。
  83. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 大体そういうつもりでおるわけでございますが、ただ一つここで申し上げておきたいのは、あまり政府の原案ができることがおそくなれば、あまりといっても程度がありますが、それができなければ審議会を開かずにいる方がいいかどうかということについて、私も今お話のように従来の例は政府では九千何百円とか、一万何千円とかいうことで諮問をしておりますが、諮問の仕方にはもう一通りあるのじゃなかろうかということも考えますので、一方は一方で進め、米価審議会の御答申は御答申で別に頂戴して、そうして決定して行くといろ行き方があるのではないかと考えますから、一方の決定、一方の党の方の申し入れがあまりおくれるようならば、別途並行して米価審議会を開く方法もあるのじゃなかろうかと、こう考えております。
  84. 清澤俊英

    清澤俊英君 いずれにしても米価審議会の意向は一応問うと、こういうことになりますので、従って明日がお約束の十五日だと思うので、それには間に合わぬと思う。大体いつごろまでにこの価格を大臣としては決定しようという腹がまえでおられますか。
  85. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 私は一日も早い方がいいと考えておりますから、いつごろまでというようなことでなしに、なるべく早くと考えております。これは決してなるべくという言葉でごまかすのではないのでございます。可及的に早くきめたいと、こう考えております。
  86. 清澤俊英

    清澤俊英君 この決定はもう植え付け時にございます農民は、非常に待っておるのです。しかもこの決定は十五日と何べんも大臣は公約をしております。今度はなるべく早くじやどうもおかしいじゃないですか。大体いつごろにきめて、大体何日くらいまでに決定するという御予定を持たなければ、だんだんおくれてしまいませんか、ということは、大臣は場合によってはこの際は暫定米価にしておいて、本米価は秋になってきめたいというようなお考えもあるのでしょうから、だからこういうことを聞くのです。
  87. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) これは十五日ということを、公約々々とおっしゃいますが、これはどの速記録をお調べ願ってもわかりますように、私はなるべく早くきめるということで、十五日を目途として閣議におきましては、政府におきましては準備を進めております、こう申し上げておるのでありまして、これは十五日でなければならぬとか、十六日になつたらいかぬとかという問題じゃないと思いますが、これはなるべく早い方がいい、ただし今のお話のようにここで暫定的に米価をきめておいて、九月にするようなことをお前は考えているのじゃないかということをおっしゃますが、私は初めはそう考えておったのでございます。おつたのでございますが、しかしこれは時節でやるべきではないというので、米価審議会の懇談会を開きまして懇談会の御意見が、これは事前にきめる方がよろしい、そういうことでございましたから、その御意見に私は従いまして、そこでこれは予約の前に、予約するときには米価をきめて、そうして契約をすべきだということにきめたのでございますから、私はそれで行くことに自分ではきめております。決してこれをなおざりにしておいて、そして議会が済むまでこのままずるずる行くだろうとか、そういうことを考えておる人があるかもしれません。しかし私はそういうことは断じて考えておりませんし、そういう手続をしようとは思っておりませんから、所管大臣といたしましてはもう一日も早い方が事務運営上スムースに行くものだというふうに考えておりますから、そこで今申し上げましたように、場合によれば米価審議会、両方並行して行くことも考えていいのじゃないかというふうに考えておりますので、なるべくならば前例によりまして、政府の案をきめて、それを米価審議会に諮問をして、可否いかんという諮問が従来の慣行のようでございますから、私はこれはどうもおかしいような気もしますけれども、それが従来の慣行のようでございますから、その慣行通りにやって行うと思っておりますけれども、もしその方の決定が少しおくれるようならば、米価審議会の方に対してどういうふうにきめることが妥当とお考えになりますかという諮問をして、両者並行してでも急いで行きたい、こういうふうに私は考えております。
  88. 小林孝平

    小林孝平君 この米価の問題は結局事前売り渡し制度に関連するのでありますので、事前売り渡し制度の根本についてちょっとお尋ねいたします。  この予約制度でやりますと、この予約数量というものは一体食管法の第三条とどういう関係になるのですか。従来の供出割当との関係はどういうことになるのですか。それは全然関係ないのですか、あるのですか。
  89. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 法律関係になりましたなら、あとから事務当局からよく御説明申し上げますが、一応の私の常識として心得ておりますことは、予約をいたしまして、その予約してきまったものをあとから第三条に振りかえて、そうしてその裏づけをして行くと、こういうふうに考えております。
  90. 小林孝平

    小林孝平君 そうしますと、これは結局従来の供出割当と大した違いないのですね。きわめて自主的に予約の申し込みを受けてやるというけれども、結局それには背後に強制力があって、強制割当をきめた数字は強制的に強制力があると、こういうことなんですね。非常に重要な問題だと思うんです。これは従来のこの制度を理解したものは、それは九九%の人まではこれは何らの強制力のないものだと、こういうふうに理解していると思うのです。
  91. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 契約をするのでございますから、強制力があるとか、ないとか言っても、約束をしたらばそれは供出する義務を負っていただかなければならぬと私は思うのであります。その割当をするのに従来は割当をした。今度は自主的に全国の農民諸君が共同販売の精神によって政府の方に売り渡すことにしてもらおうと、こういうことでございます。でございますからその点は、今お話のように強制的に、強制力をもって云々ということを主体に考えておらないということでございます。
  92. 小林孝平

    小林孝平君 自主的に話合いをやってきめるのですから、それなら何も大臣の今おっしゃったことから言っても、あとから第三条の、法律上のこまかいことはいいんですけれども、第三条の割当の裏づけをするということはおかしいじゃありませんか。必要ないじゃないですか。
  93. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 契約を履行にしていただくために、むろんその契約をそのまま履行していただければけっこうでありますし、ゆえなくして契約不履行になるということになりますと、決して違約金をとるわけでもありませんし、何をしようという罰則、罰則じゃありませんが、罰のような関係の契約はしないのでございますから、だからこちらはただ予約の約束を、契約をしていただく人には前渡金を差し上げますとか、ないしは減税をいたしますとかというようなことで、報奨的な条件をつけておりますから、なるべくそれで双方合意で自発的にやっていただくということにして行きたい。しかしそれをゆえなくして不履行になるというような場合には、これは一方において全体の配給の計画も持っていることでございますから、そういう意味から今申し上げたようにして行きたいと、こういうわけでございます。
  94. 小林孝平

    小林孝平君  私は大臣とこまかい法律上の問題を論議しようと思いませんけれども、それなら普通のこれの契約をするというなら、普通の民法の規定による違約の場合のいろいろの条件によってやればいいことを、特にこの米について第三条を適用するというような、非常に強制力を持ったことをやる必要はないんじゃないですか。何もそれなら従来の供出制度と、何ら変るところはない。その数量をきめるときに、自主的な申告を求めてやればいいので、特にこういう新しい制度をやられる必要はないと思うんですね。
  95. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 従来の制度は、どうも行き詰まってしまってうまくないということは大方の御意見で、私はどなたも御了承だと思うのであります。で、それではうまく行かぬから、何か別途考えなくちゃいかぬというところまでは、もうすでに数年前からその御意見になっておったことは、私はそう了承するのであります。そこで私といたしましても、実は私個人といたしましては、自由販売の方向に行きたいということを考えましたが、事重大な問題でございますから、各方面の権威のある方々のお集まりを願って、その御意見を伺いましたところが、前内閣の当時に御答申になりましたことと、今回私がお集まりを願いました各委員の方々の御答申とが、全く一致いたしまして、今度の制度でやることが一番適当であろうということの御答申でございました。私は事情を承わりまして、もっともであるというふうに考えましたので、この制度で、この食糧の問題を扱って行くことが一番妥当であると考えましたので、この処置をとった次第であります。
  96. 小林孝平

    小林孝平君 その従来の説を、それを変える、従来のあれが行き詰まつたということは、まあこれは行き詰まったかもしれません。しかしその結果新たなる制度をやる、おそらく答申をしたもの、あるいは政府の要綱を見ましても、この予約制度が、さらに予約した数量を、第三条でもって追つかけてこの割り当てをするというようなことは、少しも答申にもないし、それからだれもそういうふうに理解しておらないのです。そうしてこれは一体どうするのだろうということで非常に疑問に思っておったのですが、大臣から初めて、おそらく初めてじゃないかと思うのですが、正式にこの第三条の適用をする、こういうことになりまして、これは非常に重要な問題だろうと思うのです。これの是非については後ほどまたお伺いいたすことにしまして、非常に正式にこの予約というものを第三条の規定を適用して、要するに割り当てをする、正式な法律に基いての割り当てをするということをお聞きしまして非常に参考になりました。またいずれお伺いいたします。  それからもう一つは、買い上げ予定数量の二千三百五十万石という数字のは、これはどういう数字なのですか。
  97. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 最近の実績から想定いたしまして、そういう数字をとりました。
  98. 小林孝平

    小林孝平君 従ってこれは政府がどうしてもこれだけの数量を配給するのに必要だという数字であるのか、あるいはそういうこととは別に、まあ幾らに米の値段がきまるかもしらんが、その値段あるいはこれだけの米は集められるだろうという数字なんですか。
  99. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 昭和二十九年産米が九二%の作柄であったことは御承知の通りであります。大体この作柄におきまして、二十九年産米の集荷が大体二千二百八、九十万石に行っておりますので、これから推算いたしましてまず供出制度で昨年のように運用して大体二千三百万石という数字でございましたから、そこでまず平年作の場合に九千三百五十万石くらいのところを集荷するということが一番自然の姿ではなかろうか、この程度を目途としてやることが自然の姿ではなかろうかということで、これを要請しておるわけでございます。
  100. 小林孝平

    小林孝平君 この二千三百五十万石か集める目標になっておりますが、おそらく農林省は計画されるときむろんこの数字より上回った場合、あるいはこれにぴったりした場合、あるいはこれを下回った場合、これはどうするがということで、当然計画されてやっておられると思うのです。そこで、かりに数字よりは上回った場合に内地米について配給数量を引き上げられますか。
  101. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) それは豊作の場合を考慮いたしまして、従来よりも予備費を実は三百億に増して持っておるわけでございます。豊作であれば余計その買い上げの数量の方はふえてくるということは当然だと思うのであります。
  102. 小林孝平

    小林孝平君 ふえた場合内地米の配給日数を引き上げるのかどうか、こういうことです。
  103. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) それはいろいろやり方がある、考え方はあると思いますが、豊作の程度にもよりましようし、それから集荷の状態にもよりましようし、それが今お話のように二千三百五十万石よりも相当にこの量が……。どの程度に上回るかということは、諸般の情勢を考えなければ今ここでにわかに申し上げかねますが、私として第一に考えますことは、政府としての持ち越し量を少し多くしたらどうだというふうに考えておるのでございます。これは御承知の通り従来早場米を非常に奨励しまして、そうして無理に早食いをしておるということは必ずしも食糧政策運用上正しい姿ではございませんので、ある程度は持ち越し米に回す、それ以上出て参りますればむろん配給増の方に回すということが正しい行き方じゃないかと私は考えております。
  104. 小林孝平

    小林孝平君 それで二千三百五十万石の政府のワクの決定が適切を得ないで非常に下回った場合は、配給量を切り下げられますか。
  105. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) これは今申し上げますように、凶作であってどう考えてみても国内の需要が満たされないという場合には、配給量を下げるということもむろんそういう事態が絶対ないということは言えぬかもしれませんが、まずまずそういうことなしに準内地米の輸入に努力いたしまして、そうしてこれによって補填して行くというのは当然やるべき処置と考えております。
  106. 小林孝平

    小林孝平君 後ほどまた私予算委員会でお尋ねいたしますので、一点だけ。そうしますと、さっきの第三条の適用をして追っかけて割り当てをやるということになれば、当然強権発動の規定も、場合によれば発動するということなんでございますね。
  107. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) これは従来からも御承知の通りに強権発動をしてやらなければならぬようなことでなしに、今回は予約制度で行くのでございますから、私はそういう事態が起らぬように、農民諸君も御協力していただけるものと思います。これは現在各府県のこの予約制度に対する関心は非常に深まって参りまして、すでに予約に応じて協力しようというようなことで、非常に全国にその意欲が強くなっておるという喜ばしい現状に現在はあるわけでございます。
  108. 小林孝平

    小林孝平君 私農林大臣のお気持はよくわかりますけれども、具体的にじやその規定を、この制度を廃止されますか。この予約制度は非常に関心が高まってそういうおそれもない、従来もそういう適用したあれはほとんどないというなら、この強権発動の制度は、この際廃止されますか。
  109. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) それは私の気持としてはそういうことはしたくないと思っておりますけれども、また例外な場合があるかもしれませんが、私はやる意思は持っておらないのであります。
  110. 小林孝平

    小林孝平君 結局じゃ従来通り置くということでございますね、結論は。その規定は。
  111. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) この際食管法については改正を加える意思は持っておりません。
  112. 小林孝平

    小林孝平君 それははなはだあとから問題になると思うのですが、食管法並びにそういう付属したそういう規定はすべて変える意思はないのですか。
  113. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 本法は変える意思はございません。それに付属する政令はむろん一部改正するところはあります。
  114. 小林孝平

    小林孝平君 今の強権発動の点はどうですか。
  115. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) ちょっと今政府委員がおりませんから後刻申し上げることにいたします。
  116. 小林孝平

    小林孝平君 政府委員は……。
  117. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 本法の第三条の規定は変えないわけでございます。
  118. 小林孝平

    小林孝平君 そうではなくて、そんなことはわかったのです。この食糧緊急措置令ですね、これによって強権発動を行なっているのですが、この規定はこのまま置くのですね。
  119. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) それはそのまま存置いたします。
  120. 小林孝平

    小林孝平君 そうしますと、この食糧管理制度というものは、この事前割当とか何とかいろいろなことを言われるけれども結論は要するに現行の食糧管理法並びにそれに付属する政令というようなものをそのまま存置し、これを適用し、そうして供出を行うということになると理解してよろしいわけですね。まあお聞きしなくてもそういうことになっておるのですからいいですが。
  121. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ほかにございませんか……。   —————————————
  122. 東隆

    東隆君  この米以外の問題をお聞きしたいと思うのですが、いいですか。
  123. 江田三郎

    委員長江田三郎君) どうぞ……。
  124. 東隆

    東隆君  それでは、この委員会は先週の土曜日に木更津沖の廃油によるノリの被害について現地を調査に参りました。それでこの方面のことについての農林大臣の意見をお聞きしたいと思うのですが、それからもう一つ、私は本年北海道で例のニシンが非常に凶漁で、それでこのニシンの凶漁はやはり農業の方面における凶作とこれは同様なものでないか。それで、これに対するところの対策というものは例の農村におきます農業災害補償法ですね。これと同じようなものが漁業の方面にないために、これに対するところの国家的な対策が行われておらない。こういうことも一つありますが、従ってそういうものがない場合に、当然国はこういうような凶漁に対して、対策を講ずべきでないか。こういうふうに考えますが、そういう点について農林大臣のお考えを伺いたいのですが。
  125. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) 木更津沖のノリの被害につきましては、私今事務当局からまだ詳細に話を聞いておりません。これにつきましてはいろいろ御意見もあるようでございますが、諸般の点を十分考慮いたしまして、何とか対策を考えなければなるまいと思っているわけでございます。  それから後段の北海道のニシン漁業の不漁につきましては、今お話のように、これを一般農作物の災害補償もしくは保険、これらと同様に考える意思はないか、こういうことでございますが、一方の保険の制度につきましては、幸い保険制度の調査会もございますので、その方面で取り上げて、もちろん御研究を願うことがよかろうと思いますし、また私といたしましてはこういう異例の不漁に当面いたしまして、事業を継続して参るのに必要ないろいろの補助、援助等をして行かなければならぬ事態にあります場合は、当然これについて一般農業と同じような考えで、政府としても善処しなければなるまいと、こう考えておりますが、一々実情をよく調査いたしまして、しかるべく一つ考えたいと思います。それで、根本的な、本質的な問題といたしましては、従来もこういうことは例があったことと私は思いますので、それらを十分前例等について考えまして、そして各方面の御意見も伺って、一つ対策を立てて行く必要があるだろう、こう考えます。
  126. 東隆

    東隆君 今のノリの問題は別といたしまして、ニシンの凶漁の関係とか、これは実は北海道だけに関連をしている問題じゃない。それで春の二月の終りごろからもう計画を立てまして、そして例のニシンとりの神様、これは東北方面ですけれども、これが日本海沿岸その他に皆参りまして、そしてやるわけでありますが、それが今年はほとんどとれません。帰る汽車賃もない、こんなようなことで、これは相当の問題になって、どういう解決をして行くか。これは私は今詳細なデータを持っておりません。これは考えようによりますと、東北一帯にかけて大きな問題でありますし、それからニシンそのものの関係は、これは食糧として非常に大きな問題でありますし、それから肥料の点、その他非常に大きな関係を及ぼすものですから、そういうような関係で私は徹底的に一つ調査をされて、そしてこれに対する対策を早期にやる必要があると思います。そういう点少し今までの関係水産庁長官から一つお聞きをした。
  127. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申し上げます。本年度のニシンの漁獲は昨年度に比しまして、昨年度が約十五万石でございますが、目下のところ三万石程度の見通しでございますので、昨年度に比較いたしまして非常な凶漁でございます。ただ価格関係におきましては、昨年度より約四倍近くに上っておりますが、しかしこのニシンの問題は資源の問題といたしまして、さらにわれわれも今後の漁獲の問題、ニシン漁業の問題として検討いたさなければならないわけでございますが、現在までの状態におきますと、この漁獲の状況、それからニシンの年令組成というようなものを検討いたしまして、将来の対策を立てて行きたい。かように考えておるわけでございますが、御説のように、この資源の問題として相当の問題を包蔵しているということはいえるわけでございますが、これは相当に慎重にいろいろのデータによって検討いたさなければなりませんので、軽々に結論を下せませんけれども、われわれとしては資源の問題を慎重に今年度の漁獲年令組成、その他の点からいたしまして検討しておるわけでございます。  第二段の経営の問題につきまして、北海道は御承知のようにニシン漁業のみに依存するということは、これはこういう場合におきまして非常に問題がございます。引きなわ漁業でありますとか、その他、それはそれぞれの地域によって違うと思いますが、北海道のそれぞれの地域におきまして科学的な方法を講じる必要があるのではなかろうか、かように考えておるわけであります。ただ御指摘の根本の問題につきましては、今北海道の部長を招致いたしまして、そうして現地の事情とまた直接指導される北海道の意見と、またわれわれの意見と目下いろいろの対策を考えておるわけでありますが、まあ主として今後の営業資金と申しますか、仕込み資金をいかにするかというふうな問題、それから今後の漁業の転換と申しますか、多角化と申しますか、そういう問題についての面をどうするかというふうな問題につきましていろいろ具体的に道庁の部長を呼びまして検討いたしております。
  128. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 関連質問。今資源の問題になっておるようでありますが、北海道のニシンは本年は非常な不漁であるということを承わって、われわれも心痛しておるわけであります。ところが九州においてイワシ漁業が近年非常な不漁であります。二年ほどほとんど皆無に近い状態であって、御承知のようにこれは終戦後相当規模を大きくして電探を使って、かなり船型も大きくなって相当数量をあげておられます。従いましてこれが戦前から戦後になりましても外貨獲得の面にイワシの製品というものは相当に海外に出ております。九州だけでも、長崎県だけでも九十万ケースほど出た時代がありましたが、今日では全然できないような状態になって参っておることは水産庁よく御承知だと思います。私どもは、かねてからイワシというものは日本の漁業の非常に重要な部面を占めており、またこれほど利用度の高い水産物はないと思っておるのであります。食糧としても、工業としてもいろいろな面に最も利用度の高い、また外貨獲得の面にも大きな役割を演じた魚種でありますが、かつて北海道の噴火湾あるいは九十九里の沿岸、さらにまた朝鮮の東海岸というものが世界でも有数のイワシ漁場であった、それがまず噴火湾が消え、次に朝鮮のあの膨大な漁獲のあったものがつぶれた、そうして今日では九十九里もほとんどだめだ、しこうして、辛うじて残っておったのは九州西海岸でありましたが、それが近年ほとんど皆無に近い状態になっております。私はかねがね、かように片っ端からこの大きな資源がつぶれて行くことについて、県当局にも警告を発しておりましたが、戦後何を申しましても食糧不足、あるいは外貨獲得という面から、こぞってそれに邁進しておるという結果が、今日の不況を招来しておるのではないかと考えます。これの処置につきましては、かつて不漁の時代もないではありませんでしたけれども、かようにほとんど壊滅に近い不漁になったことはなかったはずであります。しかしながら漁業者としてはこういうものについてかって政府の救済を受けた経験もないし、訴えても仕方がないというので、莫大な借金で長崎県あるいは福岡県、佐賀県、熊本県方面のこの種の漁業経営者はほとんどつぶれかかっております。しかもこれはわずかな金では救済できないのでありまして、相当大きな救済策を講じなければ救済もできない。しかしながら、今後イワシがとれれば、また一時を救済できて行くが、これが続いてくるということになりますと、単に漁業者だけでなく、長崎県の例をとりますというと、ほとんど沿岸全部の産業に影響する。農業にしましてもあるいは商工業にしましても、これに依存しているものが非常に多いのでありまして、これの不況ということは大きな影響を与えてくるわけであります。そこで私どもが最も懸念いたしますのは、これらの業者をどうして救済するかという一つの問題と、もう一つは深くさかのぼりまして、御承知のようにイワシは小さいチリメンジャコと称するこれくらいのものから、だんだん大きくなって小イワシ、中ば、大ばと、こうなって参ります。この小さいものを盛んに漁獲しておる。これは各地でやっておりますが、これらを何とか保護する方法をとらなければ、資源はもう無くなってしまうのじゃないか。これは長い問稚魚の愛護あるいは稚魚の保護ということは唱えられながらも、これを保護して行くためには相当の資金を要する。これはどうしても地方ないしは国の力をもってしなければ、これらのものをただ禁止してしまってもどうにもならないのでありまして、どれくらいの金が要るかということは今私ども急速にはわかりませんが、大体十億くらいの金をもってやれば、あるいはこの資源を保護することができはせぬか、かような概算を持っておる状況であります。そこで水産庁といたしましては今北海道のニシンの不漁と、それから西におけるイワシの不漁とはよく似た格好でありますが、これらの処置、それからもう一つ掘り下げた今の稚魚の保護、すなわち資源を維持するための政策というものはどういうふうにお考えになっているか。金がないからできないといって放っておく事態でないと考えるのです。これは外貨を獲得する面におきましても非常な損失でありますし、のみならず日本の沿岸漁業の救済というようなことから考えましても、どうしても等閑に付することのできない今日ではもう早急に手を打たなければならぬ事態になっておると考えますが、水産庁長官の水産という立場、及び農林大臣の大きな日本の産業という立場から御意見を承わりたいと思います。
  129. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申し上げます。ただいまの秋山委員お話はごもっともでございまして、実はイワシの問題につきましてはその漁獲量の減少がどういう理由に基くか。これは水産庁におきましても関係府県を動員いたしまして、また各水産庁自身の試験場におきましても共同的な調査をいたしておるわけであります。従来のように回遊状況の変化というふうな説もございますし、またその他の原因、冷水塊等の問題、いろいろの説がございますが、まだ残念でございますが結論的にその原因が突きとめておられたい現状でございます。しかしながらこれにつきましてはわれわれもその原因をいろいろ追及すべく、試験場々動員いたしまして調査しておるわけでございます。現在俊鶴丸の関係の調査もいたしておるような状態でございます。ただ御指摘の稚魚との関係がどうであるかということも、これは沿岸漁業との関係がございますし、また同時にそのイワシの不漁の原因の究明と非常に関連をいたしておりまするので、その原因の究明と相待って検討すべき問題だと考えておるわけでございますが、このイワシ漁業に対する転換といたしましては、従来ある程度カツオ、マグロに対する転換とかあるいはいろいろな漁業の転換を指導して参ったわけであります。しかしながらカツオ、マグロの転換も御承知のようにある程度の限度に達しておりましたので、さらに広くわれわれといたしましても海外漁場の開発と転換策を沿岸漁業全般として考えて参らなければならぬというふうに、いろいろ検討いたしておるわけでございます。
  130. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと大臣さっきから何かたびたび呼びにこられていて、四十分までおってもらうことになっておりますから、一つ大臣の方への質問だけお願いします。
  131. 亀田得治

    ○亀田得治君 ちょっと一般問題について、先ほどの小林君の質問に関連したことを一、二点だけ大臣に、もし先に帰られるのならお聞きしたいと思いますが……。
  132. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私は今のように非常に減少してきた問題につきまして、今後これがもうとれないということになればいたし方ありませんが、戦後非常に漁撈技術が進んで参りまして、装備も非常に進んで、電探等の操置によってとっておるので、非常な乱獲になるということをおそれるわけでありますが、私は進んだ漁法を禁止するわけにはいかないだろう。もしこれを許すならば、一方において漁期をある程度制限するとか、あるいは魚の大きさを制限するとかの何らかの処置を講じないで野放しにすれば、今日のような状態になるということをおそれておった。従って今後もう水産というものは、カツオ、マグロがいいといえばカツオ、マグロに流れ込んで行く。そうしてまたたくまに飽和状態になる。そうしてそれを越してから、これは何とかしなければならぬというのであとから騒ぐというような格好でありますが、今日まだ未定ではありますが、あるいは今年の冬からイワシがとれるかもしれませんけれども、私は北海道、朝鮮あるいは千葉県、茨城県方面の実態から考えますと、非常に憂慮に堪えない。漸次つぶれてきている。従ってこの非常に大きな漁場をつぶすということになっては、人為的につぶすということになればこれはまた保護もできましようが、天然現象として減ってくるというのでは、いかんともしがたい。もしこれが今後幾らかでも復活できた場合においては、そういうような操作をしなければいけない。ただいまからといってそっちに野放し、やりっ放しということは、片っ端から資源をなくす。従ってさような進んだ漁法をとるということになれば、それに対するある程度の魚族の繁殖を保護して行く方法をとるべきであると考えますが、水産庁長官はそれに対して何らかお考えを持っておられますか。
  133. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) ちょっと私から……。これは別の機会に私申し上げたと思うのでありますが、日本の水産の現在の段階は、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へということで移行しつつあることは御承知の通りであります。さらにまたそれぞれの漁場において考えてみましても、終戦後非常に変化を来たして参りました。たとえば以西におきましても船が多過ぎる、カツオ、マグロが多過ぎる、北洋の方もみな行くというような状態で、しかもこれは沿岸の漁港の修築の状態等ともからみ合せまして、どういうふうに基本的に水産行政を持って行くことが妥当であるか、ここらで一ぺん根本から考え直して、将来の日本の水産のあり方について一つ基本方針を立てる必要に迫られているのではなかろうかということを私考えまして、実は今年度予算におきましても水産に対して私は比較的積極的に主張をいたしませんでおりましたことは、この国会終了後に直ちに各方面の権威の方々にお集まりを願いまして、一党一派に偏せざるほんとうの日本の水産行政の将来の基本方針を一つ御検討を願いたいということで調査研究の機関を作って、そこで一つ御方針を御審議願いたい、それに基いて農林省としてはこの行政を進めて行くことがいいのではないかというふうに考えているのでございまして、そういう際に、ただいま御指摘のようなこと、これらをあげて、重大な問題として、課題として、取り上げらるべきものだと思うのであります。それらの際に十分諸般の点について考慮をめぐらしまして、たとえば税金の問題等につきましても、ひどくたくさんとれたときに一ぺんに税金がとられる。しかし不漁が続いたからといって返してもらうわけではないので、そこに水産の企業の非常に不安定な感があるというようなこと等につきましても、方々からいろいろ意見を承わっておりますので、それらについても一つ十分に御審議を願って決定してやって行きたいと考えておりますが、どうか一つそういう際に十分御意見をお申し出願えたらけっこうだと思います。私といたしましては、最善の努力を払って行くつもりでおります。どうぞよろしく。
  134. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと申し上げますが、十二時四十分までという約束で来てもらっておりますから、簡単に一つ願います。
  135. 東隆

    東隆君 私は先ほどお聞きをいたしました問題についての緊急な対策として、資金の融通その他についてお考えを願いたいということの確認を一ついたして置きたいと思います。それから恒久的な対策として、私はどうも沿岸漁業に対しては共済事業、組合保険、共済保険関係をどうしても進めてもらわなければならない、これについてのお考え。それからもう一つは、沿岸の漁家を救って行くためには、どうしても水産関係の協同組合を強化して行って、そうしてそれにやはり相当の大きな船を持たせて、先ほどお話がありましたように、浅海漁業から沖合い漁業へ、沖合い漁業から北洋その他の部面に行く、こういうような態勢をやはり協同組合を中心にして立てなければだめだと思います。そういうような意味で、たとえば北洋におけるところの独航船の問題なんかも、単位協同組合の持っておるところの船に限ると、こういうような考え方に……、将来においては母船は全漁連が持つべきである、こういうような関係で、資本家漁業というものは、企業によるところの漁業は、決して沿岸に住んでおる漁業家の生活をよくするのでないと思います。そういうような意味で、私は農林省の、少くとも水産政策の基本になるものは、漁業協同組合を中心にして共済関係仕事をやって行くし、それから今の漁撈の方面においてもそういう考え方で進むべきである、こういう考え方を私は持っておりますが、これについての農林大臣のお考えをお聞きしたいのです。
  136. 河野一郎

    ○国務大臣(河野一郎君) ただいまの御意見、前段の融資の点、共済の点等については私は全く意見は同様でございます。ただ実情を調査いたしまして、どの程度にやって参るかということにつきましては、よく事務当局を督励いたしまして善処して参りたいと思いますが、ただ最後の協同組合の点になりますと、実は遺憾ながら少し意見が違うのでございます。これは率直に申し上げます。漁業につきましては、協同組合というもののあり方は一応けっこうなんでございますけれども、たとえば同じ沿岸に住んでおります者でも漁師さんの漁種が非常に違っている場合がありまして、これらを地域によって一つの単位の協同組合を作らしますと、その中において利害が相反する場合があるというようなことで、現行漁業組合のあり方について、だいぶ批判が各沿岸で行われていることを私は見聞いたしております。そういうような関係もありますので、これらにつきましては、これらの欠点を十分是正いたしまして、そうして御趣旨に沿うような方向に行くように再検討の必要があるのではなかろうか、こう考えておりますが、いずれにいたしましてもよく実情を調査し、また各方面の御意見も十分伺いまして、一つ、まあ善処という言葉はあまりいい言葉じゃありませんけれども一つしっかりやって行くつもりでございますから御了承いただきたいと思います。
  137. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それではこれをもって休憩いたします。    午後零時四十六分休憩    —————・—————    午後二時三十九分開会
  138. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それではただいまから委員会を再開いたします。  最初に、昭和三十年度農林省関係予算の件を議題にします。  これは三十年度予算政府原案が衆議院において修正されましたので、本日は、農林省関係予算の修正部分の内容について農林当局から説明を聞くことにいたします。説明が終りまして御質疑を願うわけですが、その際、せんだって本年度予算について改良局関係に対する質問がまだ残っておりますので、その質問もあわせてお願いいたします。それでは最初に政府当局の説明を聞きます。
  139. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 先般衆議院におきまして、三十年度予算修正が財政投融資計画を含めましてございましたが、農林省関係予算案の衆議院の修正につきまして、私どもの方の理解しておりますところにつきまして御説明を申し上げます。  まず、農林関係予算の総括といたしまして、農林省所管、北海道開発庁の公共事業の分、大蔵省所管でありますが、農林関係としましての農林漁業金融公庫出資、以上の三つを農林関係予算として御説明を申し上げます。  第一の農林省所管の一般予算及び公共予算両者について申し上げますと、その両者をもちまして、政府案は八百四十九億五千二百二十五万五千円でございましたのが、修正増額三十一億五千八百三十万五千円でございまして、修正によりまする結果、改訂額と申しますか、それが八百八十一億一千五十六万円でございます。そのうち公共事業を除きまするものは三百九十一億一千六百四十四万七千円でございまして、その分の修正増額が十八億七千八百十万円でございまして、その結果四百九億九千四百五十四万七千円になっております。公共事業におきましては、政府案が四百五十八億三千五百八十万八千円でございましたものが、修正増額分十二億八千二十万五千円でございまして、その結果は四百七十一億一千六百一万三千円でございまして、この分には災害復旧事業費を含んでおるわけでございます。  北海道開発庁の分といたしましては、農地開発の分の公共事業でございますが、北海道分の農地その他の公共事業の分でございますが、政府原案は五十七億九千六百九十三万九千円でございましたものが、修正増額二億三千八百万円、その結果六十億三千四百九十三万九千円となります。  農林漁業金融公庫出資につきましては、今回修正がありました分のかなり大きな分の考え方の一つの影響を受けまして、一般会計から九十五億の出資増を前年に引き続いてやることが政府案でございましたものを、八十五億を削減いたしまして、そのかわりに運用部資金を九十億円増すことになっております。その結果といたしまして、政府案九十五億円でありました出資金が十億の出資金にとどまる。その裏に運用部資金がさらに五億つけ加わって増すということになっております。その三者の合計といたしましては、農林関係予算といたしまして、政府案が千二億四千九百十九万四千円、修正部分としましては、主として農林漁業金融公庫の出資八十五億が減りますことの影響を受けまして、減が五十一億三百六十九万五千円でございます。改訂の結果といたしましては九百五十一億四千五百三十九万九千円でございます。そのうちで特にかなり重点を置かれました分といたしまして、公共事業費関係でございますが、当委員会でも種々政府原案について御意見のございましたことも反映をいたしたかと想像いたしておるのでございますが、災害復旧事業を除きますというと、と申しますのは、災害復旧事業については変化はございませんので、その分を除きますと大した変化がございませんので、増加をいたしましたが、その分を除きますと、食糧増産対策費におきましては、内地と北海道とございますが、内地で六億七千万円、北海道で一億四千万円合計で八億一千万円増加いたしまして、特に重点を置かれましたものは土地改良、開拓でございまして、その他耕地整備、開拓実施につきましておのおの増加が、土地改良では内地、北海道で五億、開拓では両者合計で二億、耕地整備が両者合計で七千五百万円、開拓実施については内地、北海道両者で三千五百万円ということになっております。  治山治水対策費といたしましては、これもまた相当の重点を置いて修正増額がせられたことになっておりますが、内地、北海道合せまして三億千二百万円の増加修正、そのうち治山、造林、林道おのおのございまするが、大体その三つは一億見当を目安にいたしまして、治山において内地、北海道合計で一億円、造林で内地、北海道合計で一億一千二百万円、林道で内地、北海道合計で一億円という簡明な数字でございます。  漁港整備につきましては、公共事業の一つでございますが、内地、北海道合計しまして二億五千万円、結局公共事業費全体といたしましては、内地、北海道合計で十三億七千二百万円の増でございます。  農林漁業金融公庫は先ほど申し上げました通りでございますが、一般予算の方につきましては、小団地開発事業費補助金におきまして、政府原案よりも一億三千万円増加修正になりました結果、二億四千五百八十七万五千円になりましたが、これは二百六十五カ町村につきまして、一町村当り平均いたしまして三百万円、その三割補助といたしまして、それからそれに事務費を加えまして、その事務費は七百三十七万五千円でございますが、その合計から政府案の原案を差し引いた差額という内容でございます。  農山漁村電気導入費補助金が二千四百八十万円増加の結果になりましたので、増加分は一千二百万円でございますが、これは離島におきまする電気導入事業の補助でございまして、職員〇・五人、これは従来の政府案の経費を約倍に増額する見当でできておるようでございます。  農業委員会費の補助金は、政府原案一が十億七千百万円余でございましたものが、九億六千九百十万円増になりまして、その修正によりまする結果としましては二十億四千万円余でございますが、これは政府原案が農業委員会職員の〇・五人分に相当する事務の国庫補助を行うとという建前でありましたものを、一・一人分の補助といたしまして、その人件費補助として八億六千四十万七千円になりますが、そのほかに都道府県の農業会議等の補助金を六千万円、職員研修費といたしまして、その補助金を二千七百万円、代表者会議の経費といたしまして二千百六十九万三千円というのを見込みましたものの修正増額でございます。  農業委員会予算の補助の増額修正に伴いまして、農業協同組合中央会の事業活動促進費も、農業団体の機能活動費も補助費としてともに計上しようということのようでございまして、これは大きく政府原案が五千万円でありましたものを一千万円増加しよう、こういうことのようでございます。  農村建設青年隊事業費補助金の修正増額がございまして、修正増加額は一千万円、その結果として二千二百九十七万円になりましたが、これは同建設青年隊を六隊増加することによりまする経費、特別技能者教育の経費を含めましたものでございます。農作物種子確保費の補助金につきましては、政府原案はすでに御承知の二億八千三百七十三万円でございましたが、さらに修正増加せられまして、一億五千百万円増加いたしまして、その計四億三千四百七十三万円となりましたが、これはしばしば当委員会でも御指摘になりましたように、政府原案におきましては、稲におきまして、原種圃のほか採種圃まで補助をいたしますることを除きましては、麦、大豆、レンゲ、菜種等におきまして、採種圃の補助を本年度地方の施行にまかせたらどうだろうという案でございましたが、今回の修正増額は麦、大豆の採種圃を九千百万円、レンゲの採種圃を四千二百万円、菜種の原種圃におきまして千八百万円、そういう内訳をもちまして、採種圃の補助費、また一部は原種圃の補助費をも含めて増加しようというものでございます。  農業生産力増強施設普及費補助金は、修正増額の内容といたしましては健苗育成の補助金でございまして、政府原案と差がありまするところは、増加が一億九千万円でございます。これは政府案と同様の単価、油紙の単価十八円でございまして、八百十五万五千六百坪の増加をするという建前でございまして、これは政府原案が千二百万坪の補助を予定しておりましたものを二千万坪の補助対象面積とするように、過般の健苗育成法に関しまする法律案の国会の御意思を尊重して実現化しようとする御意図と承わっておりまするが、これのほかに西南暖地とやはり同様の、多少地域によっての性質がございますが、趣旨は同様の健苗を育成しようというので、西南暖地についての六千町歩、その経費四千三百二十万円が含まれております。ただその後北海道につきまして一応見積りました保温折衷苗代ばかりでなしに、温床苗代をこの修正増額の内訳において補助を続けるようにしたらどうだろうというので、一部内訳だけが未定のものが残っておる次第でございまして、農林当局といたしましても国会修正の趣旨に従いまして、事務的に今整理協力中でございます。  次の農作物病害虫防除組織整備費補助金は一億の修正増加がございまして、政府原案と合せまして四億一千三百二十万三千円となっておりますが、これは防除器具の購入二千台の増加をねらっておるのでありまして、単価五万円ということになっております。  農業改良普及事業補助金は二千三百万円の増加でございまして、これはかねて各委員からもいろいろ御論議がございました農業機械化整備施設補助金の増額でございまして、四十六件につきまして、百万円ずつ二分の一補助の事務費をつけたものでございます。これは機械の費用を二分の一補助にして計算をされましたが、この中において事務費をつけるように何か考えてみようということになっておるわけでございます。  飼料自給経営施設費補助金につきましては、これは先ほど申し上げました農作物種子確保費補助金に照応いたしまして、自給飼料の飼料採種圃あるいは展示圃、こういうものにつきましての修正増加でございまして、二千万円、採種圃の方で千五百四十六万九千円、展示圃では十五地区、一地区が約三十万でございまして、四百五十三万一千円という内訳で計算することになっております。  草地改良事業費補助金は、修正が三千七百万円の増加でございまして、これは飼料自給経営施設費補助金と相待ちまして、さらに草地改良事業をもっとしっかりやれということでございまして、牧野機械の大体単価三百六十万円のうちの二分の一補助、二十セット分を見込んでありまして、そのほかに指導費が百万円ということでございます。次の養蚕経営合理化促進費補助金につきましては、私の方からも希望を申し上げまして、養蚕施設の補助金を特に桑園等につきましても、修正に当って織り込んでいただきたいということを申し上げて御採用になりましたが、二千八百万円の増額でございまして、これは一応この修正のときには動力防除器具、これは政府原案の内容と同じ内容でございますが、これの台数について対象の組合数をふやす、こういう建前でありまして、千組合、単価五万円、二分の一補助、二千五百万円、そのほかに展示圃で千組合、単価三千円で三百万円、こういう内訳でございましたが、政府原案においては動力噴霧器を中心にした防除器具の補助金が相当計上してあるから、苗木の補助を単価一円くらいでございますが、入れたらどうだという議がございまして、まだ多少内容としては研究のようになっておるわけでございます。  森林計画樹立費補助金は、千三百万円の増加でございまして、これは森林計画を樹立いたしまするために必要な測量費、調査費、このおのおの四十万町歩につきまして、政府原案によりまする単価がちょっと増加になりまして、測量費は一町歩が四十四円六十二銭、調査費が五十四円六十六銭、ちょっとはしたがございますが、おのおのその二分の一の補助でございまして、測量費は八百九十二万五千円、調査費が千九十三万三千円、そういう計算のもとに政府の案によります経費を差し引いた残りということになっております。有益鳥獣増殖費補助金は政府案としてなかったものでございますが、三百八万円、これは有益鳥獣の巣箱の費用でございますが、なおこのほかに森林害虫駆除費補助金が百九十二万円増加になったものがございます。衆議院の予算委員会におきまする議員案、修正案の提案者の野田卯一議員の御説明では、やはりこの森林の害虫を防除する意味で計上するのだという御説明でございました。  水産増殖事業費補助金につきましては三千万円の増加をいたしましてこれは種苗確保態勢整備、耕転整地、それから築磯投石、そういう三種のことにつきましておのおの九百二十四万六千円、八百十五万四千円千二百六十万円の増加でございます。  水産業振興費といたしましては、内容はマグロ漁業振興の補助金でございますが、一億五千万円の増加でございまして、これは他の水産業振興費に準ずるマグロ漁業振興費の補助金でございます。  土地改良費、開拓その他以下の公共事業費は先ほど御説明を申し上げました通りでございます。  北海道開発庁の所管経費は、今回の増加分につきましても、従来通りおおむね内地八割、北海道二割という目安を立てながら、しかし開拓等において重点が置かれることもあります。機械開墾等のことも考えて開墾助成費に重点を置いて、北海道などをその原則的な基準よりも多くしたことなどでございまして、内地分と見合いまして、それらの点を勘案して配分をされたと聞いております。  農林漁港金融公庫出資につきましては、原資の構成が変りますが、融資資金といたしましては五億円増加をすることになりました。これに伴いまして各政党と政府側とお打合せの結果、御意見を承わりまして、農林漁業金融公庫法の一部改正法律案を一応政府から御提案申し上げておりましたものを修正いたしまして、政府におきまして修正提案を申し上げたらどうかというのでその手続中でございます。その結果といたしまして、融資金額は政府原案より増すわけでございますが、政府の一般会計出資になる分が変更されますので、同金融公庫法の四条の改正規定中に、五百五十一億七百万円としておりましたものを四百五十六億七百万円に改ある要が出て参っております。また同改正法律案の付則第二項中、九十五億円と政府原案によりまして書いておりましたものを十億円に改めるという必要が出て参っておるのでございますが、今明日に閣議決定をして、国会の御了承を得て審議をお願いするように手続中でございます。この影響は、一般会計からの出資は減りまするが、運用部資金からの借入金によりまして、公庫の融資額はむしろ増加し、また融資ごとの利率につきましては、従来の金利の変更をいたしません。滞りがちの償却積立金を、今年度変更をする若干の取扱いによりまして、公庫業務に支障がない、または金利も変らないという、こういうことにしてやって行くことを予定しての修正でございます。  大体以上の通りでございます。
  140. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 食糧増産対策費の修正増額八億一千万円についてお伺いいたしたいのですが、土地改良、開拓等によって八億一千万円増額になっているようですが、政府原案が二十九年度に対して七億八千万円程度減額になったのですが、若干二十九年度が上回ったことになる。政府原案では米麦の増産が百一万八千石ということになっておりますが、この修正の結果増産数量はどのくらいになっておりますか、お伺いいたします。
  141. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 今回の予算に伴いまする増石は三万石余であると農地局の事務当局は目下のところでは思っているのでございますが、去年が土地の拡張、改良によりまして、去年の予算に伴う増産分として、一応予算のルールに従いまして認めておりますものは百十三万石で、本年度の政府案が百一万石、今回三万石増、三万数千石増と申しますのは干拓に少し重点がかかっておりまして、また全体といたしまして、将来を期しまする開拓、開拓実施、そういうものについての分の内訳増がございますので、結局においてはそういうことになっておるという見積りで今進んでおります。正確に申し上げますと、予算に伴いまする増産量と申しますか、灌漑排水及び土地改良によりまして、政府案によりましては五十二万八千石を予定しておりましたのを、今回の修正で五十六万五千石、開墾によりましては、やはり増産量は前と同じくらいに今のところは見ておいて、なお研究したいと、こういう意味でございますが、十九万一千石、干拓といたしましても同様でございまして、今度の予算ではすぐ増産量の期待が次年度に期せられない、将来に期したい、こういう意味をもちまして、従来の政府案通りで五万二千石、その計といたしまして、政府案で七十七万一千石を予定していましたものを八十万八千石と見込むのが妥当であると見ております。その結果といたしましては、なお資金融通からしまする被補助量、補助事業の増産分を、従来政府案におきまして二十四万七千石を見込んでおりましたが、これもさらに増加すると見込むのは無理であろうというので増加を見込みません。政府案によりまして百一万八千石、百一万石といっておりましたのですが、百五万五千石、三万七千石ばかりの増というのが関係予算の増産基準量で、目下のところは研究中でございまして、なお事業実施の仕方等につきましても原局で研究中でございます。  それから先ほどちょっと申し忘れましたのでございますが、予算の修正で二、三項目につきまして内訳がまだしつかりしておらぬといろ言い方で私が申し上げましたのは、修正案としては一応最初に申し上げました方のことで修正するということでございましたが、なおその予算の組み方、計上の仕方及び使用上において支障がないというならば、そういうことも考えたらというお話しが、私の方でも大蔵省の方でも出ておることをつけ加えて申し上げたわけでございます。
  142. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 経済六カ年計画の三十一年度の米麦の生産量は、ことしの基準の上に百五万五千石プラスして計上することになるのですか。
  143. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 経済計画の三十年につきましては、この間私が下手ながら御説明を申し上げたわけであります。三十一年度以降についてはまだ政府部内として一致したものができておりませんが、それの作業中のものを便宜いつもよく御指示、御指導をいただきまする当農林委員会であると思いまして、農林原案とほぼ経済審議庁の事務当局と打ち合せ中のものを、この間御説明申し上げたわけでございます。土地改良につきましては、その中の土地改良分の増産につきましては、今回の予算に伴いまして、生産量としての増産量が出て参ります分を基準数量に加えまして、そうして三十一年の経済計画の生産計画と申しますか、比産物の計画の方へ修正してあげるべきものと思っておりますが、別途耕種改善、言いかえますれば、農業改良局の施策によりまする分としまして、たとえば健苗育成のような場合の増産分は当該年度予算で、当該年度の生産量の計画が予定されて効果を表わすのである、自然条件の異常なことがなければ表わすものである。そのほか西南暖地、そのほか耕土培養等の土壌対策と申しましょうか、地方対策と申しますのは適当な度合いに見積りまして、ちようど農地の拡張改良のように次年度に効果を表わすものが一部ある、こういうふうに見たいと思っておりますが、ここに改良局長もおいでになりますが、減産防止的な意味の分も相当ございますので、経済計画の生産量の方の計画なり、目標数字としてはどのくらいがいいかということにつきまして、なお経審とともに、特に農林省の技術者の面の過去の試験場等の実績、一般的な生産期待量の見込み等につきまして検討中でありますが、溝口委員お話につきましては、農地関係の分はお話通りでございますが、耕種改善等について、なおそれに加えて修正をして行く作業が必要だと思っております。
  144. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 昨日の予算委員会で経審長官が言明しておられたのですが、経済六カ年計画の前三カ年の年次計画をこの一週間内に必ず国会へ提出するということを言っておられたのです。ここでもう三十年度はこの間御説明を伺いましたが、三十一年度、三十二年度はこの一週間のうちに政府として発表することになっておる。そこで私が今お伺いしておるのは、三十一年度に出てくる。米麦の増産は、土地改良、開拓では百五万石ときまってしまっておる。そのほかに耕種改善、これはできるだけ御努力をしていただいても、はなはだ三十一年度の増産数量は、人口増加その他で二百致十万石に対しては追つつかないだろうと思う。もう一つ重要な問題は、経審長官がたびたび予算委員会等で、思い込んでおるのは、六カ年計画で千三百五十万石を計上するのだということをしよつちゆう言っておられる。その点は私はまだ固まっていないと思っておりますけれども、もう数日のうちに前三カ年計画を具体的に数字を出さなければいかぬことになっておる。それは農林省としても至急に資料を提出するような時期に私はきておると思います。千三百五十万石で六カ年計画の前三カ年のうち、もうすでに三十年度、三十一年度はほぼきまってしまっておる。あの六カ年計画の千三百万石を、前三カ年で六百万石やるということになると、これはもう架空の数字になってしまう。今それを直して大体普通のベースのようなことにすれば、外米依存のような関係になると思いますが、できるだけ食糧の自給度の向上ということについては、農林省はどこまでもこういう数字をもう近いうちにこれを決定しなければいかぬようになると思うので、御努力をお願いいたしたいと思います。  そこでなおつけ加えてお願いいたしておきたいのですが、これは次回の農林委員会に審議されることになっておるのですが、余剰農産物受け入れについての問題があると思うのです。そこでこの経済六カ年計画というのは、前の説明では余剰農産物、外資導入に伴う増産のようなものは見込んでないような説明を経審でしておられるのですが、ほぼ今度は本年度から余剰農産物受け入れがきまって、大体年度計画もし、それに伴なって財政投資も非常に多額のものをして行かなければならぬような情勢になっておると思う。それで今度の経済六カ年計画に、その余剰農産物受け入れに伴って財政投資をして行かなければならぬような情勢になってきた場合に、前の食糧増産対策費のベースに食い入つちや困るのだという声は、これは非常に大きな声がある。どうしてもそれは区分をして行かなければならない情勢にあると思うのです。その方法はこの前にもお伺いしたけれども、はっきりしていない。私は今度経済六カ年計画の前三カ年計画を具体的に年度別に出すといえようなら、余剰農産物の引き受けも具体的にきまってきて、将来余剰農産物に伴う財政計画が起ってくるなら、新たに余剰農産物に伴う資金計画というものを経済六カ年計画に入れて、従前の千三百五十万石の前三カ年計画というものと二本建にして区分をしてもらうようにお願いしたい、これが一番いいのじゃないかというように考えておるのですが、その考えを伺いたいと思います。
  145. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 御好意のある仰せだと思いますが、先般経済計画の構想として経審がとりまとめて、各省からも意見を出して調整しましたものについて御説明をいたしましたが、あのころにおきまして、事務当局の作業としましては前三年の作業をほぼ終りつつあったのであります。その基礎は政府原案によりまする三十年度予算を元にいたしまして、三十年度のものを見込むと同時に、また経済計画は生産量の計画として表わしておりますので、改良局の分の、先ほど申しました地方の改善、土壌の改善に当りますものは三十年度分としては見込むのもいかがかと思って、一応原局の意見も尊重しまして、除いたもので四十何万石のネット増というようなものを出しまして、不明確であると溝口委員からも御指摘を受けましたが、本来から申しますと、二十九年度に土壌改善等を行いましたものの、三十年度の生産量としての増産量を見込むのがいいのじゃないかという空気もあって検討中でございました。検討中でございましたので、経済審議庁から出しておりますものは簡単な資料で、農林水産の指数しか出ておりません、増産石数などというふうに内訳を出しますことを一応省略してありましたものがございます。それなどをやはり将来経済計画がだんだん固まってくる、また固まってくるに応じて予算を左右する、と同時に、それを実現して行く方策も相当規定をするが増してくる、こういう考えも私どもとしても自覚をいたしまして、なを引き続いて研究中でございます。高碕長官は、昨日前三年の計画を間もなく出すということをおっしゃったようでございますが、実はまだ経審当局から私の方に連絡がございませんが、そういうこともあるかと思いまして、ただいま申し上げましたような予算修正が行われた場合の三十年度予算に伴う増産基準量、言いかえますと、三十一年の経済計画の生産量計算におきます生産計画に計上すべきその該当部分というのを計算中でございますが、それらを含めまして、事務当局同士では行き来をしないながらも、今修正中であります。また御指摘のように余剰農産物受け入れに伴います、言いかえますと、世銀による外資導入を加えました農業開発、これも別途法案を用意しつつ、財政投融資の計画では本年度は三十億を予定して、愛知用水あるいは可能ならば機械開墾を行いたく、あるいは次年度以降には八郎潟等を大体今のところでは六カ年計画、一部はさらに若干延びると思いますが、具体化するように法案その他御審議をお願いしたいと思っているわけであります。冒頭、先ほど申し上げましたように、経済計画の構想をほぼまとめましたときには、まず考え方をきめて、付表としまして、この経済指標を掲げて三十五年の目標を一応出しておりますが、それ自身もなお部門ごと、また役所でいいますると、関係庁ごとで最終目標も変える、しかし総合六カ年計画という建前は変えないようにする、こういうことになっておりましたが、これを三十年、特に三十一年以降の各年別の計画を表わすというのは、将来に期するということでございましたが、それを平素毎日検討して具体化しつつあるわけであります。その際そういう含みでございましたので、外資導入による農業開発の増産期待量を突つ込みで見ておるわけでございます。これは過般溝口委員からのお教えもございましたし、かねてそうも思っておりましたので、第一には農業面では生産量ばかりで表わすのは適当でない、経済計画、受益面積または事業計画というようなものをあげて生産を生み出しながら、そういうものの計画をもう一歩前に表わさなければならぬということなんです。また従来からやっておりました方式によりまする土地改良費をもって施行する食糧増産計画、そのほかに、三十五年目標で人口の増加の需要と耕地の改廃、施設の老朽化を見て少くとも自給して行く、さらにそれを上回らせようという目標のもとに、内訳をもっと……、それには年々到達して行くのにある年次が極端に急にふくらんだりしても実行はできないし、前半の三年と後半の三年では、事業の仕方を適切にいたしませんと食糧増産などということは非常にむずかしいので、前三年、後三年は各逐年の関係あるいは土地の拡張、改良あるいは耕種改良の分をどう受け持たせるかという割合いの問題、こういうものについてさらに適正を期するようにいたしまするとともに、外資導入を中心にして、その資金で農業開発をし、食糧増産をして参りまする分と、その他の、あるいはもう一つ加えまして自給強化の上において遅れがあるものをもう一度取り出して、それを別個に逐年にわたって埋めて行く、こういうふうの立て方にして、事業量または受益面積と生産期待量と申しますか、そういうものとの計画のみならず、財政投融資を含めた資金計画を目下計算中でございます。その考えでもちまして、経済計画もりっぱにすると同時に、それから受ける規制と申しますか、あるいはそれにのっとって確保すると申しますか、そういう積極、消極面両方において食糧増産に遺憾のないようにしたいと思っておるわけでございまして、農林省としましても、そう準備が欠けておったり、遅れておるわけではないのでございますが、なお技術面等でむずかしい点もございますので、御指導をお願いしたいと思っておるわけであります。
  146. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 官房長から御説明があったのですが、現実の問題としまして、余剰農産物受け入れについての食糧増産問題は、将来非常に困難な問題が出てくると思っております。今、官房長の御説明では、当初の予定通りに愛知用水、八郎潟、そして機械開墾等は世界銀行の借款、余剰農産物等で続いてやって行くというようなお話でしたが、これはやっていただきたいと思いますが、予定は農林省としては愛知用水、それから石狩川、八郎潟、機械開墾等は、全部で資金が六百億ということになっておる、本年度余剰農産物は三十億あるのですが、二十分の一なんです。二十倍の余剰農産物をもらえることは現状としては私は非常にむずかしくなってきたと思う。これをどうしても全部をみなやって行くということになると、相当多額の財政投融資を、財政資金を用意して行かなければ困る、私は六カ年計画を立てる場合に、漫然とした知識しか入っていないということになると、今までの年次計画の内地のベースをくずしては困るから、この上余剰農産物に伴う食糧増産というものはどういうふうに組んだということを、農林省は確信を持つた年次計画を立てられない、非常に危険な場合が出てくると思うから申し上げたのです。八郎潟とか、機械開墾というものをまぜて、もし将来確実にやって行くというなら、なおさら私は経済計画に入れて行く必要があると思うのです。その点をもう一遍お尋ねいたしたいと思います。
  147. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 目下のところは外資導入による農業開発計画は、世銀と余剰農産物資金見返り円だけで行うような計画であると同時に、その資金をまず確保しようという当初の案を、資金計画としてはほとんど改訂しておらぬままにきておるのです。言いかえますと、御指摘のように、三年目は百四十九億でございまして、約百五十億の資金を用意して、六カ年間六百五億の資金を要する、そういうふうになっておるのでありますが、目下のところきわめて具体的な姿を持っておりますものは、愛知用水、機械開墾八郎潟を入れて参りますと、相当の増産期待もせられる計画でございますが、ただいまのようなこともございまして、別途経審長官が予算委員会において、六カ年に三千億の資金、前後平均いたしまして一年度五百億円と言われたこともございました。直ちに私は経審の次長とその計数のよって来たるゆえんとか、その内容を打ち合せまして、まだ十分に経審は自信を持っておりません。合せまして、私の方で三年目あるいは四年目等に百五十億に近い資金が、今の日本の固有の財政資金以外に生み出されることのためには、世銀の資金は機械が中心でありますから、あとは先細りになります。余剰農産物は輸入自身もよく検討を加えませんと、日本の農業と、日本の食糧自給の点にも問題はありますし、数倍の食糧を輸入して、その一部を見返り円をもって農業開発をして八郎潟をやるとしましても、八郎潟と愛知用水の米麦合せて五十万石増産になりますという金額でございますので、それらの点もよく考えなければならぬ、アメリカには余剰農産物が三年間続くが、日本は一年しかきめておらない。受け入れ後は一年しか最終的にはきめておりませんので、今後どういうふうに資金を調達するかということとにらみ合せて、外資導入による農業開発を検討しつつ、何度も改訂を要するかもしれんと思っておるのでございます。そういう意味におきましても、溝口委員と同じ意見で、大臣その他上司にもその意見を上申いたしまして、また大臣、次官等からも同様に急速にこの検討をせよ、ただし愛知用水、機械開墾は着工して行く、そういう分についての既定の資金調達の方法を変えない、こういうようなことで長期計画と外資導入の農業開発と、今までのやり方、今までの基準によります食糧増産費とか、予算、融資、資金、こういうものの考え方と、あるいは機構も含めまして、法律案も含めまして、差し当りこれはやって行けるという分について本国会で法案その他の御審議をお願いする、その他は経済計画中心に極力遺憾のないようにしたい、こういうことで進んでおるのであります。
  148. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 外資導入による食糧増産については、次回の委員会でもう少し明確にしたいと思います。なお来週の外務委員会連合審査の申し出の関係もありますから、この際に将来の見通し等について食糧の自給をはかっていただくようにお願いしたい。こういう点は地元としても数年にわたる問題であったのです。ところがこれから先まだ、余剰農産物受け入れば本年度の分は一億ドルはきまったんだが、来年、再来年の分はそのときの情勢でないときまらないというようなことを外務大臣が答弁しておりますが、それじゃ愛知用水の計画も立たない、ましてほかの八郎潟とか、石狩川平野というものはお先まっくらになってしまっておる。手をつけた以上、どうしても早期に完成しなければいかぬということになると、私は経済六カ年計画を立てるについても、従来と変った考え方で、もう少し明確にして行かぬと、手をつけたけれども来年からは何にも保障されているものは一つもないようなことになる。この点、どうしても私どもとしてはこの際に明確な目標を立てて、そしてそれを実行して行けるようにしていく必要があると思いますので、くどいようでございますが、あらかじめその点を申し上げて、次回までに農林省の考え方をはっきりときめておいていただきたいと思います。
  149. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 余剰農産物による農業開発の問題ですが、これはまあ先般農林大臣に御質問いたしまして、大体従来やっておる北海道農業開発とは別個に考えるというはっきりした御回答を得たので、法案が出るときにまた十分御質問いたしたいと思うのであります。今出ているこの予算書の中の耕地整備事業助成費ですか、これはこの中には湿田地帯、あるいは特殊土壌、あるいは急傾斜、寒冷地帯というような法律による諸事業がこの中に包含せられておると私は思うのでありますが、ところがその内訳はわれわれは承知いたしておらない。これはきわめて公平に、はっきりしただれも納得の行く基準によって配分をやらねばいかぬと私は思う。おのおの議員は各地帯から出ておるので、これはわれわれが非常に関心を有しておる事柄なんだが、どういう基準でおのおの事業に、今申し上げましたようなおのおのの地帯に配分下さるお考えであるか、一つ承わりたいと思います。
  150. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 耕地整備は、耕地の交換分合にも、その他御指摘のようなものを含んでおるわけでありますが、積寒地帯、湿田地帯、急傾斜その他の各地帯一般の既耕地、これにおのおの配分するわけでございますが、また今回政府案においても新規に多年の懸案を二部解決しまして、小団地開発の事業費を計上いたしましたり、修正増額になりまして、さらにこれは増額をいたしましたり、小団地開発の方につきましては、予算は御審議中でございますけれども、米価対質のこともあり、本来の性質もありまして、積寒地帯、湿田地帯等を中心にその方面に約八割前後はどうだろう、その他のところは二割ぐらいでどうだろう、こういうようなふうで、内訳を農地局関係の分、牧野の関係の分、林野の関係の分と分けながら目下研究中でございますけれども、その他の分はまだ原局において検討中でございまして、まだ申し上げられるような段階ではないと同時に、御関心も深いと思いまして、今後も御指導をお願いしたいと思いますが、反面各方面の御意見を伺いまして、行政措置として適正を期することであると思っているのでございまして、今まだいたしておらない次第でございます。
  151. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 これは前申し上げました通り、議員はおのおのの地帯から出ているので非常に関心が深い。で、これをおのおのの議員が議論して行くというと非常にむずかしい問題になる。で、私は従来必らずしも公平な、納得の行く基準でこれの配分がなっておらぬと思っております。これは全体の事業と、現在残っている残事業というものを調べたら、おのずから明らかになるだろうと思います。これはやはり一つの基準を置いて、今積寒と湿田の方に八割を見込むというあの増産の考え方で八割やるんだ、こういう薄弱なことでなしに、全体の事業がどれだけで、残事業がどれだけあるという、一つ比率でしつかりした基準をきめて、どういう質問があってもそれには理論的に答えられるというような行き方で一つ配分をやっていただきたいということを、まだできておらぬのですから、これを切にお願い申しておきます。というのは、従来必らずしもわれわれが納得行く配分になっておらぬ、こういうふうに私は考えております。多くを申しませんが、一つそういう基準でお願いしたいと思います。
  152. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) ただいま申しましたのは小団地開発の新規予算の分でございまして、一応の目安でまだ検討中でございますが、その他につきましては重政委員と同様の考えを農林大臣持っておりまして、ちょうどこの事業費をつけ、事業の実施を効率化あらしめて、同じ予算でも増産量を多くしたり、また地方に公平を期するというようなことにつきましては、従来のやや漫然たるにおいがする色彩を省全体としてはっきりきめて、そうしてその基準のもとに厳正にやれというお達しが実は省内にございますので、それだから本年度の基準作りに慎重を期して、いまだ成案を得ない関係もございますので、ただいまの御示唆を十分いれまして、そのように措置することにいたしたいと思っております。
  153. 関根久藏

    ○関根久藏君 養蚕経営合理化促進費補助金の二千八百万円の修正ですが、先ほどの御説明によりますというと、一部は展示圃へ回し、一部は苗木に回すかどうか、まだ未定だというお話ですが、もう一度一つ詳しく御説明を願いたい。
  154. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 先ほど、あとでちょっと補足を申し上げましたのが実はむしろ本体でございますが、国会の修正でございますので、実質上におきましてはお願いやら要請やらに事実上私ども参りましたけれども、最後にきまりましたのは、自由党案を中心としまして民主党と話がつき、また国会で御審議になって採決されてきめられたものが行政府の私どもの方に下ってきたものでございまして、その増額修正した二千八百万円は、動力防除機具、千組合、五万円単価で二分の一補助二千五百万円と、展示圃、千組合、三千円単価で三百万円、こういうことを実は国会から承わっておるのであります。別途並行いたしまして修正案ができました際に、国会の方からの一部からも御要望がございましたと聞いておりますが、私どもも動力噴霧器はなお整備を要しまするが、繭糸価格の安定、最近の養蚕事業にかんがみまして、桑園の手入れ、老朽桑園の改植等価についてもっと養蚕面に力を尽していただきたいという希望を、かねがね事務当局が持っておりましたからということで、農林省の大蔵省に対する当初要求で実現しなかった苗木の補助金について御要請を申し上げたこともあるのであります。そこで一応動力噴霧器と展示圃の補助金で二千八百万円だけれども予算の使用上なお今後差しつかえないことで運用ができる仕組みがあったら苗木も考えようと、そういうことでございまして、実はその後かなりむずかしいものでございますから、原案は、目下の案は何としても動力噴霧器と展示圃ということでございますが、研究を申し上げておって、いい方法があれば、そういうことでもいいということを聞いておるということを申し上げたのであります。
  155. 関根久藏

    ○関根久藏君 それでは何ですか、今お話し予算の運用上うまい方法があれば、そういうふうに使ってもよろしいというのは、それはどなたがおっしゃるのですか。
  156. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) これは衆議院の方から大蔵省へ来まして、大蔵省の方から大蔵省の事務当局が衆議院の民自両党の提案者の方と行き来がございまして、細目の算出基礎について、大蔵事務当局が委任を受けておった分があるそうでございます。これが国会審議上とか、権限上とか、そういう法令の権限上の問題になりますと、ちょっと私のあれは適当でないかと思っておりますが。
  157. 関根久藏

    ○関根久藏君 そうしますというと、話し合いがつきますればそういうふうにできるわけですか。
  158. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 法令上とか、国会の権限上、予算審議の建前上等からそう支障がないということになればできるから、考えてみようということのようでございます。
  159. 関根久藏

    ○関根久藏君 いずれにしましても、養蚕経営合理化促進のうちの、それはまあ動力噴霧器とか、あるいはその他の何もそれは必要でありましよろし、相当の役はするでありましようけれども、基本的にはこれは改植の問題であろうと思います。ただ項目だけを並べて、そっちもあっちもということはそれはあるいは恰好はいいかもしれませんけれども、非常に効力が削減されると思うのであります。まあとかくの議論があったのでありますが、例年やっておりました改植のあの助成です。あれは理窟ではいろいろ理窟もつけられるでしょうけれども、あれがどのくらい日本の養蚕業の経営の合理化に役に立つたかしれないと思うのであります。まあ一つ今度の予算についても、委員長にもお願いするのですが、実際上それが一番よろしいと思うのでありますから、皆さんの議を一つまとめて、今お話のことが実現し得ますように一つ御心配願いたいと思います。まあ養蚕合理化の問題につきましては、全体からいってこれが一番必要な問題だろうと思う。それはもうみんな農林御当局も蚕糸当局もそれはきっと御承知だろうと思う。どうか一つ何とか方法を立てまして、その金がそっちに使われますよう、権限とか、あるいは法律上どうとか、修正の権限はどうとか、そういうことももちろんあるでありましようけれども、終局においてはそれがあれに使われますように一つ御心配願いたいと思います。
  160. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 私の申しましたことをもっと端的に申しますと、養蚕経営合理化促進補助金というのは、予算上は目でございまして、目の中をどう使うかということは、予算修正の立案者の方、あるいは国会の方の政治的なことも必要でございましょうが、それに合せまして予算の使用上のことになりますので、両者を兼ね合せまして、苗木に使ってもよろしい、老朽桑園の改植の補助金に使ってもよろしい、こういうことになりますとできることだと思います。農林省といたしましては、修正に当りましても老朽桑園の改植の予算としていただきたいということを申し出た経過もございまして、なお私どもとしても努力したいと思いますが、参議院の御審議過程におきまして、衆議院の方と意見を交換されまして御尽力願えますれば、予算の項目という関係につきましては可能なことだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  161. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと官房長にお尋ねしておきますが、一体目の内容というものははっきりしたものがあるのですか。今の養蚕の問題はそうおっしゃいましたが、ほかの問題についてもちゃんと、たとえば説明資料をあなたの方で普通の予算資料を出されますが、こういうようなはっきりした説明がついているのですか。
  162. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 実は私の方にお聞き願うと非常に正確を期せられない点がございますが、金額の方が先にきまって、中は使い得るならば多少の余地を残したものになっておるかに聞いておるのであります。私がそうお答え申し上げたから、それだからどうだというふうに立論の根拠にする価値はないかと思うのであります。
  163. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 今養蚕の問題について関根委員の方からお話がありましたが、たとえば草地改良事業費補助金の問題につきましても、最初の政府の予算の内容である草地改良のための大きな機械を入れる、その補助金を出しておる。そういう出し方でなしに、それも必要かもわからぬが、たとえばクローバーであるとか、その他のものの種子の補助金等も考えなきやいけないんじゃないか、ということは、この委員会でも問題にされておりましたが、今、関根君に対して、養蚕に対してお答えになったように、この草地改良事業費等についても、そういうようにこの委員会なり、あるいは衆議院の委員会等で大体皆さんの見解がまとまれば、それを尊重して、そのように農林省としてはやって行くということなんですか。
  164. 安田善一郎

    政府委員安田善一郎君) 間違っておりましたら、即刻また訂正してよろしくお願いしたいと思っておりますが、きょうまで私どもがまだ関係をして折衝をしておりまして、また参議院の農林委員会にもあえて御説明を申し上げましてお骨折り願えればありがたいと思っておりますことは、可能であると見通して申し上げておるのでありますが、第一には温床苗代の点もございます。第二には養蚕の苗木のこともございますが、御指摘の点もございますと思いますが、かりに私がここで意見を申し上げますと、次のような方法でお願いしたら可能かと思うのでございます。それは参議院の方から農林委員会ですか、予算委員会ですか、あるいは院議でありますか、衆議院の方へお話し願いまして、それが所期の目的が達するような内容であるとして、大蔵省の方へ示達願いまして、大蔵省と私どもの方で今度は内部で話をすれば、農林省としては望むところであろうと思います。
  165. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記をやめて。    〔速記中止
  166. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記を始めて。三橋さん改良局から見えておりますから……。
  167. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 本年内地産のタマネギの種が大へん不足したので、外国から輸入し、その種が日本の気候風土に合わなかったために早く抽苔いたしまして、だいぶ被害をこうむつたということは非常に遺憾に存ずる次第でございますが、ああいう種類の種は一体どれくらい入って、各地にどういうふうに分布をして、どういう被害を受けておりますか、お伺いしたい。
  168. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 入りました量は百二十石でございまして、それによりまする被害の状況についても、ごく概略でございますけれども、県といたしましては、静岡県、岐阜県、大阪府、和歌山県、兵庫県、こういった県でございます。面積は全部で八百三十四町歩であります。
  169. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 岐阜県の本巣村、糸貫村一色は約四十町歩くらいでありますが、そのくらいの被害でございますか、その後の抽苔率は一〇〇%でございますか、いかがでございますか。
  170. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) ただいま局長から御説明申し上げました面積というものは、輸入種全体で八百三十四町歩と申しておりますが、このうちにはやはり種類によりまして、抽苔しないものがございますが、目下その点については各県に照会中でございます。今  エキセルという品種が大体岐阜県に入っておりますが、これは一〇〇%が抽苔いたしております。
  171. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 これは一〇〇%抽苔しましたら、ほとんど金にならぬということになりますか、いかがでございますか。
  172. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) これは全部金になりません。
  173. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 そうなってきますというと、地元農家は大へん困ると思いますが、それに対する救済措置でもお考えでございますか。
  174. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) 実はこれにつきましては、ちょっと従来の経緯があるのでございますが、実は昨年は御承知のように非常に天候不良で、国内のタマネギの採種量が減収いたしまして、そのために非常に価格が暴騰したわけであります。で、種苗業者の方で、輸入のタマネギの種子を相当入れたというので、私の方でいろいろ調べまして、これにつきましては非常に抽苔の危険性が、いわゆる春まきのものが多いものでございますから、秋まきを  いたしますと抽苔するというので、各県の経済部長、農林部長あてに、私の名前で実はそれに対する注意を喚起いたしまして、指導上遺憾なきを期してもらいたいということを言っておるわけであります。それにもかかわりませず、相当の被害が出たわけであります。これにつきましては、目下被害が出ました農協、それから種苗業者との間で賠償の問題が進んでおりますので、われわれの方といたしましても、側面的にこれを援助いたしております。それから第二点といたしましては、できれば営農資金の融資というようなことも考えたいと思って、目下省内で金融課とも相談をしておるわけであります。ただ資金のワク等の関係がありまして、なかなかむずかしいので、農業手形というものの利用というようなことも目下検討中でございます。
  175. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 しかしこれは本巣村、糸貫村一色の方の一つの方は、知っているか、知らないで植えたのかしりませんが、外国産の種じゃないということを初め言って耕作さしたということでございますが、ほんとうでございますか。
  176. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) それは当初は国内産ということで取引をしているようであります。
  177. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君  国内産でないということをはっきり知っておりますると、農林省の方から注意してやれば被害は幾らか軽くなるのでありますけれども、こういう注意が行っておりましても、国内産であるというようなことで栽培するというようなことになりますと、これは種屋に重大な責任があると思うのですが、そういう種屋に対して何か本省の方で忠告するというようなお考えがございませんか。
  178. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) これは実はその種が国産だということで一応受け入れておりますが、その後、御承知のようにタマネギは播種いたしましたから、十一月、十二月に苗を定植するわけであります。なお定植するときには、すでにこれは外国種というようなことがはっきりしておったということを私どもの調査して参りました者が言っております。従って一部の人は非常に危険を感じて定植しなかったというものもありますが、一部は定植したという、こういうことになっております。従いまして、これはやはり種苗業者に非常に重大な責任があるわけであります。われわれといたしましても、できるだけそれについては警告を発する、そういうことをやりたいと思います。
  179. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 種屋の保証しているのを見ますると、一二%とか、二〇%というものを預託しているという話を聞いておりますけれども、農家からしますると、これは種代の方はごく少い方で、その後栽培し、収穫し、その金をさらに稲作の方に使って増産しようというような、そういうことから考えまして、今のことは非常に支障の起る問題だと思うのでありますが、ぜひ一つ営農資金の融資というようなことにつきましても、特にお考えを願いたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
  180. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 営農資金と申しますと、災害が起りました場合に特別立法に基くものがございますが、これは特別の災害とということで、本年度で申しますれば、凍霜害、水害あるいはひょう害というようなことになっておりまして、今回提案いたしておりまする法案に基きます営農資金の融資ということは、法案の文言から申しましてもむずかしくなります。ただ信連、農協を通じます営農資金の融通、これは十分可能でございますので、現地の方にも連絡をいたしまして、そういう点のあっせんはいたしたい、かように存じております。
  181. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 なお輸入している商社もかなりの数に上っておるようでございますけれども、これらの商社に対しましても、やはり農林省の方ではいろいろな御注意をやっておられますか。
  182. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) これは私の方は実は輸入するときに相当警告を発しまして、新聞などにも書いたので、むしろ逆にその当時は営業妨害というようなことを言われたこともあるのでございます。やってみました結果におきましては、品種によってはそういうふうに一〇〇%抽苔、品種によっては、和歌山県あたりではうまくいっている例もあるわけであります。従いまして、これにつきましては、やはり農林省といたしましても、もちろんこの種苗業者を呼びまして、そうして実情を聞き、またこれに対します警告は発しております。
  183. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 輸入タマネギ二十七種類につきまして大体栽培試験をやっているというのですが、今年入りまして被害をみました品種につきましても、当然試験の成績は出ておるわけでございますか。
  184. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) この試験の成績につきましては、入りました品種の、一、二欠けておりますが、大部分のものについてはやっております。
  185. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 なおまたこういうものは、いろいろ金がかかるかもしれませんけれども、できました有名品種は、逐次とって試験をして、こういうことのないように今後一つ技術的にも注意を払っていただきたいと思います。
  186. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと私お聞きしますが、特産課長の方では定植は、これはまあ本巣村ですか、どこですか、注意をしたのに、知ってやっているのだということをおっしゃいましたが、一体あなたの方が出された通牒というのですか、何というのか知りませんけれども、エキセルというのは一〇〇%抽苔するという、そういうことをおっしゃっておりましたが。
  187. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) いや、それは言っておりません。ただ、今私申し上げた、ちょっと誤解があるかと思いますが、これは私の方から言ったのではなくて、自発的に生産者が、定植の時期に抽苔するということがわかって、一部はそういうのでやめておるということが実態調査の結果わかった、こういうことであります。
  188. 江田三郎

    委員長江田三郎君) エキセルについてはあなたの通牒ではどういう通牒を出されたのですか、大体の種類の試験はなさっておるのですか、エキセルについては…。
  189. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) 私の方から出しました試験成績の結果は、大体六品種についてやっております。エキセルにつきましては、これはイエローバーミユーダの改良種で、それとよく似た黄色扁平種であります。前種よりも抽苔は少いように改良されたものであって、泉州黄と同時期に播種していいが、しかし非常に密植して収量を上げることができる、こういうことが書いてありますが、これは一つの品種別のあれでありますけれども、一応一〇〇%抽苔するということは書いてないのです。ただこれは本年の天候からみまして、タマネギだけじゃなくて全般的に、たとえばキャベツでありますとか、そういうものの抽苔も非常に多いので、絶対に一〇〇%抽苔するということは言い切れないのです。
  190. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それは特産課長、今読んだことを率直にもう一ぺん読み返してこらんなさい。さっきのあなたの言うのは、エキセルは一〇〇%抽苔したというのですよ。あなたの方で出しておる通牒では、一〇〇%エキセルは抽苔しないように品種改良ができておるのだ、前種のやりと同じようにやればいいのだ、そして玉が小さいから密植しなさいという指導じゃないですか、本巣村では玉が小さいものは密植しなければならぬというので、密植したのでしょう。写真を見たところでは非常に密植しております。あなたの方の指示通りやったところが、抽苔しないという話が一〇〇%抽苔してしまっているじゃないですか。どうも農林省は、ちゃんと事前に注意した、注意したということをおっしゃいますけれども、それはとんでもない注意をされたことになるのですよ。それは一体どうするのですか、今読まれたことをもう一ぺん読んでごらんなさいよ。
  191. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) その前に、八月の十六日に出した通牒があるのですが、これはそういうことを全般的に書いております。それはちょっと読みますというと、「タマネギ種子については主産地における作柄からその需給事情は相当不円滑を見られていることは御了知の通りである。しかしこれに関する一、二の主産県を除くタマネギ種子の生産状況は平年作に近い作柄を示している模様であるので、需給状況は平年の需給関係に比べ四—五割程度の供給減を示すものではないかと思量される次第である。ついては価格関係から需要の減退も見込まれるが、種苗業界において外国産タマネギ種子の輸入を計画されているものが全国で十指に余る模様である。しかしながら本省にてこれまでタマネギ種子について国費をもって導入試作した成績(二十七品種)及びこれまでの農業試験場における輸入タマネギ種子の試験成績等より見ると、秋まきとするものは一般に苔立多く、又球の大きさもスパニッシュ種のごときものを除くほか、一般に小玉となるものが多い成績を示しているのが普通である。勿論輸入タマネギ種子すべてがこのようであるとはいい得ないが、これらのことに十分御留意の上、一般には輸入種子によるタマネギは播種期に注意し、大苗として大玉を目的とするより、小苗で密植気味とし、小玉の生産を目標とすることに注意すべきであると存ぜられるので、以上お含み置きありたく内報する。」、大体こういうことを一応前段として、これは播種の当時に言ってやつたのです。その後一応の成績が一つ出ましたものですから、これをやってやったのですが、これは御指摘の通り……。
  192. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それは特産課長、苦しいですよ。それは播種の当時にそういう通達を出して、定植のときは抽苔しないように品種改良ができておるから、密植して小さい玉をうんととれと出しているんじゃないですか、それは何ぼ前のものを読んだって、あとから出したものが、定植の前に出したものがそういう注意になっておるから、そういう言いわけは立ちませんよ。従ってあなたの悪口ばかり言うのが目的ではないのですが、私はこの跡始末については本省に責任があると言うのですよ。さらに、あなたは種苗業者に警告を出したと言うが、警告ではないでしょうが、これはあなたの方でも報告を取られたからわかっておると思うのですが、との本巣村の場合は国内産の証明をつけているじゃないですか。輸入種について国内産の証明をつければ、私は種苗法というか、何と言いますか、法律の名前は知りませんが、それによってどうしなければならぬということもはっきりしているじゃないですか。何も業者を罰金を取ったり、前科一犯にするのが目的じゃないですけれども、このことについては今問題になっておる種代をどうやらしてやるということだけでは私は済まぬと思うのですよ。三橋委員からも言われましたように、種の金はわずかですよ。その種がりっぱなタマネギになると思って育てただけ使ったが大きいということなんです。そこで両方の村の経済状態というものは、これで大へんなことになっているんですから、ただ種の補償をすれば足るというような考え方でなしに、まず第一に、これは業者の方が明らかに法律に違反した一つの詐欺行為をやっておる、特産課の方も、あなたは洋行しておらんかったかもしれませんけれども、とにかく特産課という名のある所は、これについてはなはだお粗末な指導をしてきたんだから、もっと何とかしなければ済まぬだろうということですよ。改良局長どうされますか。
  193. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 外国産のタマネギの種を輸入いたしまして、それを国産というふうに称して売つたということにつきましては、かねてそういうことがあるのではないかというふうに聞いておりましたですが、最近になりまして、それが事実であるということが明確になりましたので、そこの処置も考えなければなりませんが、一番大事なことは、生産者の受けた損害についての話し合いでございますが、私どもできれば生産者と種苗の供給者の間に入りまして、その辺のことにつきましての必要なあっせんもいたしたいと、かように考えております。
  194. 江田三郎

    委員長江田三郎君) とにかく地元の方では今まで県に対してもいろいろやってきたけれども、さっぱりどうもいい工合に世話がしてもらえぬというので、困って国会の方へ陳情書を持ってきた、内容を聞いてみると大へん困っておるようですから、これは何か特産課長の言われるような、種子代のどうとかいうことで解決のつく問題ではございませんから、一つ今後十分にこの問題に対しては親切に、あとが立って行くように指導をやっていただきたいと思います。どういう結末をつけられるのか、それを一つよく見ておきます。
  195. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 これは国内用の種子として不適当なものは、輸入することに対して何か制肘を加える法律はないですか。
  196. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 法律上種子の関係で特にそういう制限を加えるという法律はございません。ただ為替管理の面から、輸入方式のいかんによりましてはできないこともございませんが、現在の方式ではそれも困難かと思います。
  197. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 今後これは日本の商社がタマネギの種を買って朝鮮へ輸出するというなら、これは別ですけれども、日本の農家がこれを栽培するということにつきましては、いろいろこういう問題が起る可能性が多いと思うのですね。技術的にわかっておりましても、それを商社が輸入しまして農家に売りつけるというようなことであれば、農家はこれは作るということで、そしてあとでこういう問題が起ってくると思うのですが、何かこれに対して将来お考えございませんですか。
  198. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 差し当り為替管理の面から言いましての外貨割当の方法を変えることによってできる余地はございますので、そういうことにした方がいいかどうかということについて至急検討を進めたい、かように思っております。
  199. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 なお、まあタマネギの問題にまた帰りますが、タマネギの種などは非常に高いもので、しかも国内農家の需要に満たないために、外国から輸入しなければならぬというようなのは非常に不経済なわけでございます。タマネギの採種に対しまして、何か本省の方で補助か、助成かやっておられるのでございますか。
  200. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 農林省として特別助成という措置はございません。
  201. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 そうなってくると、もう外国から輸入するよりほか道はないということになるわけですね。何かこれに対しまして、こういう貴重な種の生産に対しましては技術的に援助をしてやるとか、あるいは金の方で採種奨励をしてやるとかいう、そういう方法の計画はございませんですか。
  202. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) こういうことはしょっちゅうあるようでは非常に困りますので、そういうことももちろん恒久対策としては考えなければならないと思いますけれども、御承知の通り、タマネギの採種は非常に金のかかる、場合によってはまた非常に反当収入も莫大な金額に上るようでございまして、普通一般の農作物についての種子の確保のために助成をしている金額を考えましても、ほとんど意味をなさないとも思いますので、なおその点についてどういう方法があるかということについては十分検討しなければならぬと思っております。
  203. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 タマネギの採種は日本では一部分に限られておるようでございますが、採種適地の調査をなさったことがあるのでございますか。
  204. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) この問題は、実はまだ戦前に長野県に指定試験地を設けまして、タマネギの採種の試験をやったことがございます。御承知のように、岡山県あるいは長野県、こういうところで各タマネギの栽培地帯の生産者と採種地帯の生産者との間で、委託採種をするというような道を講じておりますが、これらにつきましては、まあ農林省でも積極的に御援助をするということはやっておりますけれども、補助金の、あれは戦後はなくなりました。戦前はずっとそれを長野県の指定試験でやっておりました。
  205. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 よく御存じでございましょうけれども、愛媛あたりの島嶼あたりも御調査になれば、採種ができるところがたくさんあると思うのですけれども、タマネギ作が割合島の方でなく、本島の方にあるのでございますから、あの方は種取りはしておりませんけれども、島嶼部の方は採種適地は私は相当たくさんあると思うのでありますけれども、ああいうところからでも種取りの指導をしてやりますと、わざわざ岡山あるいは信州のあたりに買いに行かなくても済むことになると思うのです。なおまた取った種は自由販売をさせておるわけですな、今は……、そうですか。
  206. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) もちろん自由販売でございます。
  207. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 いずれにいたしましても、この問題の被害をこうむった農家というものは経営上非常な障害にぶつかっておるわけでございますから、何とか農林省の方でも特段のお考えをいただきまして、もちろんこれは災害補償法などというような法律にはかからぬと思いますけれども、災害補償法を適用するときのような気持をもちまして、これからの営農が順調に行くように、御配慮を特にお願いいたしたいと思います。
  208. 東隆

    東隆君 私はこの間のアズキの問題ですが、実はあれは先日解け合いになって、そうしてその後どういうふうになっておるのですか、その状況もお聞きしたいし、それからあれと同じような条件にあるものは、私は大豆もそうでないかと思っております。それから昨年サツマイモの不作からカンシヨ澱粉が非常に少なかった、これも投機の非常に対象になつた。で、こういうようなものを穀物市場でもって上場することがいいかどうかという問題は、私は考えなければならないと思います。それでアズキのことについて農林省の方でおとりになったことを少しお聞き申し上げておきたい。
  209. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 申される通り、東京の穀物取引所におきます小豆の取引の問題でございますが、五月になりましてだんだん取引価格が上って参りましたので、私どもといたしましても、何とか処置をしなければならぬということで、折々取引所と相談をいたしておりました。その一つといたしましては、証拠金の予納制度をとるということを実は取引所といたしましてきめて、それを実施する段取りにしておった実は翌日のことでありますが、十二日に異常な取り組みができまして、整理がつきかねるという状態になりまして、取引所でしばらく小豆の取引を停止するということになったのであります。これはもちろん根本的には一昨年、昨年と不作が続いたというような状況のもとで、お話のように小豆を上場をするかどうかというようなことまで論議しなければならないような状態でありましたので、はなはだ私どもといたしましても、何と申しますか、監督上の責任に遺憾な点があったのであります。その後、この大豆と澱粉につきましては、十七日から再開をするということになったのであります。ちょうど十七日は取引所の定時の総会がございまして、役員の改選期にもなっておるということでございまして、なお話し合いがつかなかったのであります。私どもといたしましても、小豆の上場につきましてどう処置すべきか、いろいろ勘案いたしたのでございますが、私どもの方から積極的に上場を停止する、あるいはすぐ取引所を開けということにつきましては、かえっていかがかと思われるような事態も危惧されましたので、取引所の自主的な解決に待っておったのであります。なおしかし依然として小豆の取引は再開されない。こういう状態でございましたので、たしか二十三日でございましたか、こういうことでは公的な色彩を持っておる取引所といたしましてはなはだ遺憾なことであるから、おそくとも二十六日までには再開ができるようにというふうに指示を実はいたしたのであります。そうこうしているうちに、いろいろ取引所といたしましては理事会でございますとか、あるいは仲買人の総会等がありまして、多数の意見として解け合いをするということになりまして、二十七日でございましたかに小豆の取引を再開するということになったのであります。ただし再開と申しましても、これはこれまで立っておった建玉の整理をおもにやって行くということで、ただ申告が出て参りまする十月以降につきましては、新規の取引も認めるということにいたしまして、端境期の期間は新規の取引をやめまして、これまでの建玉を整理するという意味においての買い戻しであるとか、あるいは反対売買ということでやって現在に至っておるわけでございます。なお澱粉等につきましても、カンショ不作、こういうことから問題を起している点もございました、いつでございましたか、この間澱粉の価格が上りました場合には、やはり証拠金の引き上げという措置を講じまして、現在のところはこのまま取引が継続でき得るのではないか、こういうふうに思っております。
  210. 東隆

    東隆君 今の農林省でもって指導的な立場に立つ態度というものは何ですか、証拠金の引き上げくらいしかないのですか、実は小豆の場合も、北海道で生産されるものが凶作が二年続いた、こういうふうなわけで品物がないわけですね。非常に品物が少くなっているので、これに似通ったものを海外から輸入して、そうして相場をくずそうと思えば、これは政府の考え方によって外貨の割当てをすることによって、そうしてまた大きなものが独占的な形で、輸入をいつするかということによって非常に違ってくると思うのです。相場の動きがみんなそういうふうなものによって動かされる、国内における生産の状況によって動かされるのではないのですね。私は農林省はそういうような場合には、少くとも穀物市場に上場をされないようなものについては、もっと強い何か指示権みたいなものがなければならぬと思うのですが、そういうものはないのですか。
  211. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 取引所に対しまする指示といたしましては、仲買人関係等におきまして過当な投機取引きをやる、こういった場合に取引を停止するとか、あるいは取引所全体の運営が非常にまずい、違法行為があったといった場合に上場をやめる、あるいは取引所全体の営業を一時休止するといったような法律上の権限はございます。なおそのほかに、役所のそういった権限のほかに、取引所といたしましてできますことは、先ほど申しました証拠金の引き上げ、それから証拠金をあらかじめ納めるという予納制、それからまた建玉の制限といったような措置が取引所が自主的にできる措置であります。法制上あるいはこの取引所の業務規定上はいろいろな措置ができることになっておるのでありまして、今回の小豆あるいは澱粉等の問題につきましては、今申しましたような法律に基きまして役所が指示するというよりも、取引所が自主的にできる範囲においてやっておるのであります。
  212. 東隆

    東隆君 その小豆、澱粉、大豆のようなもの、これはどうですか。改良普及局長からどういうようなものを穀物取引所の対象物として考える方がいいかどうか、これは非常に農林省のものとして、私は穀物市場の関係というのは流通部面というより、かえって見ようによっては生産の面とは非常にかけ離れたもののように考えるので、農林省の立場としてああいうようなものをどういうふうにお考えになっていますか。
  213. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) お話しのように、余り少いものにつきまして取引所の上場をするということは、これは不適当であることは申すまでもないことでございます。今御指摘の小豆、大豆、澱粉等がそういうものであるかどうかということになりますと、確かに、特にそのうち小豆につきましては、いわば日本の特産みたいなものでありますので、朝鮮、中共等の一部を除きましては、大体にない、ころいうような状況でございます。他の取引所に上場されておる商品と比べまして量が少いのであります。ただ普通の作柄でございますれば、これでも十分的確に行くのではないかということで上場を認めておるのであります。過去のことは別といたしましても、たとえば本年さらに小豆が不作であるといったようなことがありますれば、お話しのように上場を停止するといったことも考えなければならぬ、かように考えております。
  214. 東隆

    東隆君 私は中共貿易とか、何とか日程に上って参りますと、大豆あるいは青島小豆とか、そういうものは当然入ってくると思います。そうすると、これは一番影響を受けるところは、畑作地帯が一番影響を受けるのです。特に畑作の関係から行けば、北海道、東北なんか非常に多いのです。そういうような地帯における畑作専業の農家が、これは非常に投機的な穀物市場のやり方によって影響を受けてくるわけです。それでかえって年度初め、その年の生産数量、そういうものをある程度農林省がつかまえたときには、需給関係を十分考えて、そうして輸入量その他を決定する、こういうことをやらなければ、ああいうものはいつも非常に大きな変化を来たしますね、今回の場合でも少し品物を持っておって、売りの方に回った者が非常に困っておるのです。北海道の今度の解け合いでもって非常に損害をこうむっておる、そういうようなことが起きて参りますので、私は未然に国でもって、ことに農林省でもって監督をされるようでありますから、農林省の立場から私は考えるべきではないか、こう思うのです。その点一つどういうふうにお考えになっておるか、お聞きしたい。
  215. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) お話し通り流通過程の制度でございます。取引所は農林省が所管しておりますのは、御指摘のような生産地、生産者との関係も十分考慮してのことであろうと私は存ずるのであります。生産に悪影響があるような取引所の運営あるいは制度の立て方ははなはだまずいのでございます。そういうことは今後もないように十分検討を加えて参りたいと思います。北海道の小豆の解け合いの問題につきましては、生産地の方にずいぶん迷惑をかけているので、はなはだ申しわけなく存じておるのでありまするが、実は私どもも六月になりますれば、六月頃から九月一ぱいは新規の取り引きは臨時にやめるといったような措置を実は考えておったやさきに、あああいう問題が起りまして、はなはだ申しわけなく存じておつたわけでありますが、今後の問題といたしましては、ただいまお話しのように、需給の計画といったようなものは、これは外貨予算関係上当然であるのでございまするし、そういう計画等と生産の見込みというものとを十分にらみ合して、遺憾のないように指導して行きたいと、かように存じております。
  216. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと速記をやめて。    〔速記中止
  217. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十三分散会