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1955-05-20 第22回国会 参議院 農林水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月二十日(金曜日)    午後一時五十五分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     江田 三郎君    理事            秋山俊一郎君            白波瀬米吉君            戸叶  武君            千田  正君    委員           池田宇右衞門君            大矢半次郎君            重政 庸徳君            飯島連次郎君            溝口 三郎君            清澤 俊英君            三橋八次郎君            森崎  隆君            東   隆君            棚橋 小虎君            菊田 七平君   国務大臣    農 林 大 臣 河野 一郎君   政府委員    農林大臣官房長 安田善一郎君    農林大臣官房会    計課長     武田 誠三君    農林省農林経済    局長      大坪 藤市君    農林省農業改良    局長      小倉 武一君    農林省畜産局長 原田  伝君    農林省蚕糸局長 塩見友之助君    食糧庁長官   清井  正君    林野庁長官   柴田  栄君    水産庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       倉田 吉雄君    常任委員会専門    員       林  達磨君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査の件  (昭和三十年度農林水産関係予算に  関する件)     —————————————
  2. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それではただいまから農林水産委員会を開きます。  昭和三十年度農林水産関係予算案の件を議題にいたします。この件につきましては、去る十日の委員会において吉川農林政務次官及び武田会計課長から一応説明を聞いたのでありますが、委員各位の御要求によって河野農林大臣出席を求めておりましたが、本日ようやく御出席を得ましたので、この問題について直ちに質疑に入ることにいたします。
  3. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 昭和三十年度予算説明を聞きましたところが、大体におきまして百十五億五千七百二十三万九千円という昨年度に比較いたしまして減額を見ておるのであります。しかもその説明の中において高度の重点主義のものはそれぞれ残す、しかしながら、その他は一年送りにすると、こういうような説明をしばしば聞いたのでございます。申すまでもなく農村経営に対しましては、一年ぐらいは草は取らなくてもものはできる、あるいは養蚕には一回ぐらい給桑をおこたっても蚕は繭になる。また肥料は多少一割くらい減らしても実るということの例はありますけれども、これを十分に施肥施肥、また給桑給桑、それぞれ実行して初めて予期の効果があるということは私どもは常に知り得ているのであります。おそらく河野農林大臣の御就任によりまして、全日本農家農業政策においては完璧を期することができるだろうと皆期待しておったのであります。私も日ごろの政治的御手腕から御信頼を申し上げてかく期待したのにもかかわらず、一兆円のワク内にとらわれたと申しますか、あるいは緊縮予算は結構でありますけれども、日本現状から申しまして、生産には十分に力を入れてこそ初めて日本の国力が増進し、また国民の五割に近い農村自給度を高めまして、そこに国民生活の安定、食生活の安定はいわゆる国民生活の安定となって、明るい日本が打ち出せることであると思うのであります。巷間伝うるところによりますれば、余剰農産物を輸入して日本農家に対するところの生産コストを低めるというようなうわささえ今日されておるのでありまして、はなはだこの予算決定を見るときに、たれしもそこに不思議な現象と感ずるのでございます。ことに補助の打ち切りのごときは、今事業計画の途上にある各般の事業が停滞して、もしこの事業を継続するには、来年度において倍額費用を計上いたしまして事業の継続をしなければならないということが順次そこに現出してきます。たとえば災害のごときにおいても、福島県にすでに凍霜害が出、山梨県に凍霜害が生ずるというがごとく、日本各地には昨年度災害が少いが、今年度災害が必ず生ずることがないと断定する者がありましょうか、おそらく今年こそはかえって災害が続出する憂いを多分に持っておるのでございます。ことに気候によって相当農産物の減収をみなければならないような事態に追い込まれておりますところの現状からかんがみますときに、この減額予算に対してはおそらく日本の全農業団体及び農民あぜんたるを得ないのでございます。まず農林大臣から、この点を一つ簡明に御答弁を願いたいと思います。
  4. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 御質問にございましたように、この予算農林行政運用の上において満足すべき予算とは考えておりません。おりませんが、何を申しましても、一般日本自立経済達成の大眼目のために一応緊縮予算を組んでいこうという方針をきめましたので、その方針にのっとって農林行政運用に比較的影響の少い、またあとで取り返しがつくというようなものについてあんばいを加えて、こういう結果になったわけでございます。ただ一点ここで申し添えておきたいと思いますことは、すでに政務次官事務当局からそれぞれ御説明は申し上げたことと思いますが、ただいま池田さんのお話の中で、ことしやっておかなければならぬものをはぶいてあと廻しにしたという考えではないのでございまして、たとえば土地改良費用のごときでも、やったほうがいいものはございます。ございますが、いずれも数年にわたって完成をする事業でございますので、それらにつきましては年度を一年おくらしましても、来年予算倍額にすることによって、それは仕事が追い付いて行くだろうというような含みで延ばすことにいたしたものもあります。さらにまた、この土地改良につきましては、ただいま御指摘のようなこともあるかもしれませんが、私といたしましては、全国に比較的まばらに予算を分散しておるきらいもないことはないのでございまして、これらにつきましては、効率的に、重点的に考え完成年度を早めて行きたいというようなこと等も運用の上において考えたいと思っております。さらに災害復旧の点につきましては、御指摘通り、早く直しておけば今年の災害に対して影響が少くて済むというようなこと等はむろんあると思いますが、これらにつきましても建設省その他等の関係からにらみ合わしまして、ここに計上いたしましたようなわけでございます。その他御質問がありましたら順次お答え申し上げることにいたしたいと思います。
  5. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 大臣にちょっとお伺いいたしますが、われわれが大臣お話を聞いておると非常に言葉の上ではよくわかるのですが、効率的といわれることは、何でも結果のよくあがるという意味ですか、それは私が思うのは、日本の全体の農村を見廻しますと、どっちかというと、何を作っても非常に有利である地方は、これはどっちかといったら大臣のよくいわれる農家経済というものを基本にして考えておるということを前回のときにおっしゃったのですが、そうすると、何を作っても有利であるという地方と、それからまた米麦なら米麦を作らないと、ほかのものではなかなか土地柄において、また僻地であるという意味からできない。ところがそこは反当収穫にしてもそう効率的にはなかなか行かぬが、しかしながら、その地方はどうしても普通農地というものが主であって、土地改良などをどうしても進めてと行かなければならない、だから従来の考え方では、二十町歩以上というようなものをどうしてももっと低めて、そうしてそういう比較的有利な地方のみでなしに、山間僻地までもとにかく土地改良をやって行きたい、こういうふうな考え方をして進めてきておったのですが、しかし大臣お話を聞いておると、どっちかというと非常に有利な地方のみが効率的ということに当てはまってくるのですが、今回のお考えでは、二十町歩以下というものに対しての土地改良というようなものに対してはどういうようなふうにお考えになっておるのか、承わりたいと思います。
  6. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それは私の申し上げましたことを二つを一つにお考え下さる点からだと思うのでありまして、土地改良について考えますれば、今御指摘のように、たとえば小規模開墾をやるにしましても、これは従来幹線だけはできておるが、それに付随するものはできていないというようなふうにして、これを小規模開墾に移すときに枝葉をうけまして、そうして効率的に有利に持って行こう、こういう考えでございました。それからもう一つ農業経営の点につきましては、私はかねて申し上げておりまする通りに、多角経営にして、そうしてその各地農業事情によって効率的に有利に指導するようにして行きたい、こういうふうに言葉は同じ言葉を使っておりますけれども、それが土地改良の場合と農業経営の場合には違った考えでおりますから、そういうふうに御了解願いたいと思います。
  7. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 今回、大臣に御就任になった当時、これは新聞が書いたことでしょうけれども、多額の費用を投じて食糧増産のみをやるのはあほうの一つ覚えだというようなことを、あなたがおっしゃったのじゃない、新聞が書いたのでしょうが、そういうようなことが新聞に出たことがあります。そうして、それだから自分としては養蚕とか畜産とかいうものに今後力を入れて行きたい、こういうようなふうに書かれておったのですが、とにかく何となしに一般のものがあなたの声明されたことに対しての感じは、どうも世界的に食糧が非常に安いのだから、だから内地にそうあっちもこっちも無理に補助金を出して、そうして土地改良をやったり、いろいろなことをやるよりも、安い米を入れたらいいじゃないか、そうしてその半面養蚕であるとか、畜産であるとかいうものをやればいいじゃないか、こういうようなふうな感じを受けておるので、これを実際に推し進めて行くと、従来の日本農業政策というものと、あなたの今推進されようという政策とは非常に大きな変りが結果の上に出てくるのじゃないか、こういう感じを持っておるのですが、それは大臣は実際のところはどういうことなんですか。
  8. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 一つこの点は明確にお答えをいたしまして御了解を得たいと思います。私は農林行政の基本的な考え方は、農家経済の安定に置きたいということであって、むろんそれが今までのように国家的要請によって、国際的な環境等から考え食糧増産を絶対しなければならぬという国家的な要請を今まで強く打ち出されておりましたその農林行政を、漸次農家経済の安定、いかにすれば農家の所得がふえ、収入がふえ、農家経済が安定をして行くかという面に切りかえて行きたい、こういうことが一つの基本的な考え方でございます。それが食糧増産と非常に矛盾するかといいますと、私は今お示しになりましたように、米を作ること以外にほかのものはできないというところでは米を作って行くべきだ、しかし米を作るよりもほかに有利適切なものがあって、その方をやれば非常に経済が安定するが、今までのように作付において強制するとか何とかいうようなことは漸次変えて行かなければならぬ、こう思うのでございます。ただここで考えなければなりませんことは、畜産をやる、養蚕をやるにいたしましても、全然米を作らんで全部畜産をやってしまえとか、養蚕をやってしまえというような考え方ではないのでございまして、これはどこまでも多角経営にして農家経済に強靱の度合いを付けて行きたい、こういう意味奨励をして行きたいということでございます。ただむやみに、外国の米が下ったから外国の米に依存すればいいじゃないか、国内ではどっちでもいいじゃないか、どっちでもいいじゃないかというような考え方ではないのでございまして、私はこの点についてさらに言葉をつけ加えますれば、今申し上げますように、これ以上食糧自給度を強力に強めて参ろうということはけっこうなことでございますけれども、それが農家負担においてそれを推進するというような結果になることは避けなければならない。これが農家負担にならぬようにするには、強大に補助率を高めて、たとえて申しますれば、現在の払い下げ米価を上げるということは、これはなかなか許されることではありません。これは国民生活安定の上から許されることでない。さればといって食糧増産の方に強力に推し進めるために生産費がどんどん上って行く、上って行く生産費を償うように買って行くと、私は今後の米価決定生産費中心にしてなるべく考えて行きたいと、こう考えておりますから、そうしますと、そこにどうしても二重価格というようなことになりがちでございます。といってこれに対する国家負担が一体どうなって来るかというような点等を見合わせますと、そこに結論が出て来るのじゃないか。これをしからばといって国家財政負担を抑えますれば、そうすれば農民負担において、農民犠牲においてやらなければならぬことになって来る、農民犠牲においてやることは避けなければならぬ。国家負担においても一定の、ある程度の制約を受けるということになって参りますから、そこに弱い強いが出て、農林大臣が負けたとか、大蔵大臣に抑えられたとかいうような、ただそれだけの面子ならよろしうございますが、それだけの影響が全部農民にかかって来るというようなことになりますから、それを考えまして、そうして農業政策農林行政、その根本の考え方はあくまでも農家経営の安定という面でやって参りまして、そこに国家的要請があってやる場合には、国家財政負担を惜しまずにやってくれるかどうだというような、基本的な閣議決定に基いて行くべきだというふうに、こういうふうに私は考えておるのでございまして、ただ単に米を作ることはきらいだとか、安い米を持って来さえすればよろしいというようなことは毛頭考えていないのでございます。その必要な度合いにおいて日本国内生産の必要な限度において外国から持って来ればよろしいのだ、外国からなるべく安い値段で有利適切なるものを買って来ればよろしい、買って来たものが安いからといって、それに影響を受けて国内米麦決定を何ら考える必要はないと、こういうように考えるわけでございます。
  9. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 まあ大臣から話を聞きますと、一応わかるのですが、しかしどうも承わっておると、従来のはつまり国家的立場において農業経営を非常に強く進めたけれども、農家のいわゆる経営主体にして考えたら、まだまだ何というか、多角経営とか何とかいう面に余地が非常に残っている、こういうような印象を受けるのですが、そういう国家的というよりも、むしろ農家経済ということを主にして今後の農業政策をやって行く、こういうことのようですが、そうすると、まあたばこは専売であるから、一概にいえないが、たとえて申しますと、たばこの耕作をうんと農家が有利であるからということでやれば、それを大いにやったらいいじゃないか、こういうことに考えられるのですが、そうですか。
  10. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) たばこの、特定なものを今お出しになりましたが……。
  11. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 一番わかりやすい例として……。
  12. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) たばこ価格決定に当りまして他の農産物と見合って決定されるものと思います。従ってこれが非常に有利で、たばこさえ作ればいいじゃないかというわけに行くようには考えておりません。しかし他の農産物につきましても、政府価格を指示し、価格考えて行きます場合には、おのずからその間には関連性を持って参りますから、私は一方に偏するというようなことはなかろうと思っております。ただここでお考えをいただきたいと思いますことは、麦については多少違いますけれども、米については今まででも政府価格決定しております。そこに政府自身価格決定し、そうしてこれを今度は変えることにいたしておりますが、従来のように供出制度をとっておりまして、そうして有利に売ろうとすれば、やみだと言ってこれに罰則を設けております。そういうふうに、あらゆる方面から縛っておいて、そうしてこれに増産要請をする。そうしていよいよ出来秋にきめるときには、今言う通りにいろいろな制約を受けるというようなことにして、他の方はあまり奨励をせずにおくということでは、農家経済の安定を中心にしておる農林行政の推進ということには考えられる面が少うございますと考えますので、私は他の産業と同様に、農林行政におきましては、農家自身経済を安定するという方向に持って行きたい、他の産業においてもそれぞれの立場々々によって行政は運営されておるのでありますから、その間におのずから国家的要請のある分につきましては、国家においてその負担をするということでやるべきだと、こういうふうに考えるわけでございます。
  13. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 重ねてお伺いしますが、あなたのそういう、従来とは多少変って農家経営ということをあくまでも主体にして考えるという立場から今度の予算をおきめになったのですか。
  14. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私の基本的な考えを申し上げたのでございまして、それに一遍に全部基本的な私の考え通りに全部やったかというと、そういうわけにはいたしておりません。そういう私の考え方に参るように順次移行して参りたいと、こういうふうに基本的にはそう考えておりますけれども、ことしの予算につきましては、御承知通り、われわれ農林大臣就任するようになりましてから、期日もあまりございませんし、その間に選挙等がございましたので、十分に予算自身に検討のいとまもございませんでしたし、また大蔵省との折衝の間におきまして、従来の慣行等もございますし、たとえば補助費等におきましても、三百種類にも及ぶ補助費になっておりますので、それらについていろいろ急に変えるということにつきましては混乱いたしますので、大体私はそういう面で養蚕であるとか、畜産であるとかいうような、従来比較的に奨励の面が薄かったものに力を強くして行きたいというような考え方予算の編成をいたしたのであります。
  15. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 その次にお伺いいたしますが、今度の米の申込制をとられたということは、何ですか、そのあなたの根本的のお考えは要するに麦のようなふうにするのがいい、しかしそこまでは行けないから、それでまあ一歩を進めてああいう制度にしよう、こういうふうにお考えになっておるのですか。
  16. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 失礼ですが、もう一遍。
  17. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 米の今度の予約制度ですね。現在麦は一定政府価格をきめておいて、そうして割当制度をやっておるわけですね。ああいうふうにするのがいいと思うが、そこまでは今行けぬから、そこでまずあすこまでの制度に改めよう、こういうふうにお考えになって今度の制度ができたのかどうか、その点を……。
  18. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私自身考え方としましては、これも先ほど農林行政について申し上げましたように、理想は自由販売に、世間で申します言葉ならば間接統制に行きたいという考え方を持っております。しかし、それに進みますには、いろいろの準備をいたさなければならぬ点が非常に多いのでございます。また一般国民諸君の御理解と御協力がなければいかぬわけでございますので、相当準備と期間が要りようだと思うのでありますし、さればと申して、そうしなければならないのかと申しますと、私はそれに代るべき適切な案があって、そうしてそれで円滑に行政ができるならば絶対にそれでなければならぬというわけではないのでございます。でありますから、ここにいずれお願いいたしまする予約買付制と申しますか、今回政府がきめました制度、この制度は実を申しますと、前内閣の当時に各方面の権威の方々がお集まりになって、そうして内閣に御答申になりましたつまり案があったわけでありますが、それを昨年の末に有力な方々にお集まりを願いまして御意見を拝聴いたしましたところが、こういう制度でやることが一番穏当、妥当だろうという御意見、御答申がありましたので、私もこれをしさいに検討いたしまして、これならばやって行けるだろうということから、今の予約買付制度でやって行こう、こういうことは駄足のようでございますけれども、御承知通り、わが国の食糧問題におきましても、米の需要度は麦との関連におきまして非常な速度で私は変っておると思います。これが二年、三年、五年たちますれば、また食糧情勢というものが相当変化があると私は思うのであります。そういうことでございまして、過去の実例から、この戦前の実例に徴してみましても、同じ制度が同じように相当長期にわたってこれが施行されて参った例は私はないと思うのであります。必らず客観的な条件が変って来るに即応して変えられておるように思いますので、今は、この制度でけっこうやって行けると申しましても、二年、三年、四、五年先になりますと、そのときの人口でありますとか、米、麦の関係でありますとかというようなこと等々から、また変えなければならぬ問題が出て来るだろう、そういうふうな変動を予想される、変化を予想される食糧政策において、一つ目標としてどっちの方向に、どういう方向に行くべきかということを定めて、それに順応して行くようにして行く必要があるだろう。その目標は何においておるかと申せば、私は前段に申し上げましたように、間接統制と申しますか、自由販売と申しますか、内地米においては自由販売、それを価格で調節して行くということで行くべきであるという一つ方向は定めて行く、ただしその方向を定めておるから、すぐに来年はそっちへ行くのか、三年目にはそっちへ行くのかというと決してそうではない。この制度が円滑に現在の客観情勢でうまく行くならば、これを続けて行っても差しつかえない、こういう考えであります。
  19. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 今度のあの予約制というものに対しては、一般の受けている感じは非常にやわらかに感じておる。そうすると、結局今までのようにああいう強制割当をしても、なかなか政府の意図するだけのいわゆる米が集まりにくかった。ところが今度予約制ということになりますと、結局それを価格に非常な一つの魅力を持たせるか、そうでなければ、いわゆる供出後というものに対して相当今まで以上の取締りをするか、何かそういう措置が講じられないと、非常にやわらかに感じているけれども、しかしそのやわらかに感じるという半面には、米が政府が意図するだけの数量が集まりにくいのではないか、こういうふうに考えられるのですが、米価に対しては今度従来と変って何か考えられるのか、あるいは予約してその後の問題に対しては従来よりももっと強い取締りをされるということになりますのか、その辺のところはどうなんですか。
  20. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えいたします。基本的な考え方といたしましては、農家自覚によりまして、自覚と申しますと、協同組合精神でございます。協同組合精神農民自身の御自覚によりまして、御協力を願うという農民運動によって私はその目的を第一に達成するように進めて行きたい。しかし農民諸君にそういう御自覚、御協力を願いますには、政府自身としてもこれに対応するだけの心がまえで行かなければならぬ。そういうふうに政府自身もそういうふうな考え方で行きまするし、農民諸君におきましても、従来の供出制度で一応くずれた考え方を、まあくずれたというのは具体的に申せばやみ売りをして、そうしてただもうかることならば少々脱法行為でもやるというようなふうになりかけております。個人主義的になりかけておりますものを、農村はあくまでも協同組合精神によって、共同精神によって、共同の利益を達成しょうというようなことで抜けがけをして、ある者がもうける、出した者が損をするというようなことがないように、農村の方においても現在相当完成せられて参りました農民運動、すなわち協同組合運動の育成強化をはかりまして、それによって所期の目的を達したい。従ってくどいようでございますが、政府といたしましても、この点に即応して十分な考え方を、可能な考え方をして行かなければいけない、こう考えております。
  21. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 心がまえとおっしゃるのは、農民運動という、いわゆるそういう精神的なものによられるのでしょうか、そうじゃなしに、やはり結局は政府に売った方が得だ、しかも非常に安心だという一つ農民の何か魅力、いわゆる価格的に魅力がなければいかぬのじゃないかと思うが、その点に対しては従来のようなふうな、非常に米価審議会の間でなかなかのめないとか、何とかいうようなむずかしい米価によって、こういう問題が本当にスムーズに行くということは非常に困難だと思うのですが、何か米価に対しては相当従来とは変った方式と申しますか、そういうことでおやりになるのですか。
  22. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 最終の米価決定については幾ら幾らにするつもりだということはまだ決定いたしておりませんが、私の考え方といたしましては、ここで予約をするに当って考えられることは、ある程度の前渡金をいたします。第二には減税をある程度したいと思います。予約していただいた方には……。第三番目には価格差をつけて行きたいと思います。第四番目には、基本的な米価についての考えでございますが、これらについて、ある程度農業団体の首脳部の幹部諸君に十分連絡をとりまして、ある程度御納得を得た価格に、もしくは条件に合致するように政府としてはやって行くのでなければなるまいと思います。ただしかし国家財政の制約を受けますので、十分ということはむろん不可能だと思いますけれども、今農業団体の方で御決定になっておりまする一万二千五百円というようなことを御決定になっておるようでございますけれども、これらについてはむろんその通りにやれるかやれんかということは、これからの考え方でございますが、おのずから一昨年のあの凶作のときに決定された米価でありますとか、昨年の平年作のときに決定された米価でありますとかというような、過去において参考になるべきものもありますから、これらを十分しんしゃくいたしまして適当なところに決定して行きたい、こう考えております。
  23. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 最後にお尋ねいたしますが、大臣は今までのだれであったかの質問に対しても、減収加算金はお出しになると言明されたのですが、それはもうおきまりになったんですか、それを一つ伺いたい。それからいま一つは、さいぜんの政府供出した、供出したというか、予約したあとの米は従来通り取締りなんですか、あるいは自由になるんですか、その点もう一つ……。
  24. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えいたします。あとは自由ではないのでございます。これは従来と同じことで、予約してないもので非常に豊作であったという場合には、予約以外の売り渡しをしていただかなきやならぬ。農家が自分でお使いになる以外のものは全部政府に売っていただかなければならぬ、これはその通りであります。それから減収加算の問題でございますが、これは今衆議院においていろいろ御議論もありまして、政府におきましても、実は今朝も閣議においていろいろ審議いたしまして、その結果少数の閣僚に、具体的に申せば経審長官、松村、竹山両大臣、それに根本官房長官、この四人を委員にいたしまして、この四人の委員において農林、大蔵両省の両大臣の間の調整をして、この問題解決の案を作る委員を作りまして、それによって今折角検討中でございます。
  25. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 先ほど大臣は、農家経営多角経営にして行く、非常な現金収入を不断に得る方法は結構だが、畜産奨励して大臣の御承知通り、乳価の値下りによって非常に酪農問題を通じて現在畜産農家は困っておる。この問題はどういうふうに御処理をなさるか。なるほど政府としては保温殺菌を二百九十カ所設けて、それから地方の小学校までも給食用にこれを向けるという御方針のようにも聞いておりますが、まずこの酪農問題その他の畜産上におけるところの今日農民の苦しんでいる問題をどう御処理下さるか、この点を一つ聞きたいと思います。
  26. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 酪農関係の問題はあと回しにいたしまして、実は畜産で問題になっておりましたのは、そのほかに卵の問題があったのでございますが、この卵の方は最近ようやく需要が増して参りまして、価格が上回って参りました。そのためにある程度前途が明るくなってきました。これにつきましてもこのまま再びまた価格が下るということがあってはいかぬということで、これは明年度からは冷凍の奨励というようなこともしていきたいというようなことで実は考えておるわけであります。今の酪農の問題でございますが、酪農製品につきましては余剰農産物と一緒に参ります。もしくはアメリカの方から参りまする脱脂粉乳というものが非常に悪影響を及ぼしまして、これが学童給食に回る過程におきまして、実は事実でありまするから申さぬわけにはいかぬと思うのでありますが、横流れするらしいのでございます。そういうものが国内の需給関係に非常に悪影響を及ぼしますので、それこれ原因、結果をにらみ合せまして、今学童給食の問題について根本的に考え直していきたい。むろん横流れさすことは絶対にいかぬのでございますけれども、どうしてもこれが広い範囲にだんだんわたっていくものでありますから、これは絶無ということは言いかねますので、そこで農林省といたしましてはこの学童給食とにらみ合せて、酪農製品を買い上げをして、そうして学童給食もしくはその会計の中で、アメリカからただ来る脱脂粉乳とこれをにらみ合せまして、そうして国内産の酪農製品を買い上げをしていく。そうして国内価格の調節をしていきたい。これを折角文部、農林の関係省において今協議中でございます。この国会には結論を出して御審議を願いたいと、こう考えております。
  27. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 次に今の多角経営で、日本の青森から鹿児島まで果樹園芸ということが非常に国土柄適産であって、これがりんごあるいはみかんあるいはその他の果樹によってやはり健康の上から申しましても、農家の現金収入から申しましても効果上るの現段階にあるのでございますが、食生活の改善からいっても、やはり学校の給食のことにも相なりますが、この果樹園芸に対しまして、積極的の方法をとられておるというふうには聞くが、どんな方法をとるか。また生産過剰の場合には果汁というようなものにして一般国民に利用させるかという点について、大臣にちょっとお尋ねします。
  28. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいま御指摘になりましたようないき方で私も大へんけっこうだと思うのでございます。今さしあたり予算措置におきましては積極的にまだ考えるまでに至っておりませんが、将来はそういうふうにして考えていきたいと思います。
  29. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 次に今の白波瀬君に関連してですが、農協を通じて予約売り渡しの制度を強力にする、こういうお話でございますが、農協の中には赤字の出ている農協もある。これらの農協に対しましてはどういうふうな手段をとりますか。  やはりそういうものでもこの赤字を相当に見てやって予約制度の取扱いをさせるかどうか。  それからいま一点は、予算のことをちょっと聞いてみたのだが、予約制を強力に施行するには、やはり市町村に予約に対する協力体制を作らなければならないことはすでに御承知通りだ。この体制は、農業委員費用が半減されておりまするが これらの委員が今まで割当をとったのでありますが、これをどういうふうに利用するか。それから検査制度についてはもっと強力なる検査をして、親切丁寧、庭検査の程度までこれを施行して、徹底的に農民協力体制を作っていかなければならない。それから格差についてはこれは最も適正なる、厳重な、効果の上るような検査をしてやらなければならないと思うが、この三点についてどういう方法をおとりになりますか。
  30. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 農業協同組合の中に一部御指摘のようなものがありますることはその通りでございます。従って再建整備計画によりまして、すみやかにこれらを効果あらしめて、そうしてこれをして協力していただくようにやっていただきたいと、こう考えておりますが、なかなか直せばまたあとから出てきたり、いろいろございまするけれども、こういうものは事業を十分に円滑にやらすことによって、むしろ効果が上っていくだろうというふうに組合運動、精神運動等を通じてやっていきたいというふうに考えております。
  31. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 予約制度協力体制を作るかどうか、農業委員会をどういうふうに活用するかということは。
  32. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これは御指摘のように、推進協議会を農村に作ることにすでに考えております。その場合における農業委員会立場でございますが、これは農村自体の利益のためにやるのでございますから、また農村自体の農業経営自体のためにやる制度でございますから、むろん従来通りにこれを有力な協力団体として御心配願わなければならぬことはもちろんでございます。その際に予算が足らぬじゃないかということでございますが、これは御指摘のような点は、私は実はそう考えるのでございますけれども、これは地方財政交付金の方に回ったことを、決して私は満足すべき状態とは考えておりません。おりませんけれども、事情はお察しの通りでございまて、しかし私はこれは必要がないからああしたのだとかもう大してこれは頼むことはないのだというようなふうには考えておらないのでございまして、その点は御了解願いたいと思います。なお地方長官等にも十分お願いをいたしまして、この制度を有効に十分に活発に活動のできるように、地方長官に御協力を願うようにお願いしたいと思っております。  最後の検査制度につきましても御指摘通りでございます。格差につきましては今回は契励金制度をむしろやめまして、価格差によって一つその所期の目的を達するように考えていきたいというくらいに、大蔵省とすでに打ち合せ済みのことでございますので、この点については適切妥当な価格差をつけてやっていきたいと、こう考えております。
  33. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 減税の問題をいま一つ聞いてみたい。今大臣から供出者に対してはできるだけ減税の方針をとろう、こう言っておりますが、大蔵当局からは質問しても、まだそういうことをやっておらぬ。ちょうど二十九年度産米は二十八年度産米に対しましては、かえって米の価格は上ったが、農家の現金収入は減額されてしまった。やはり減税はどこまでも、ただ声明だけでなくて減税は十分に断行するように、大蔵当局にしっかり……今日の農林予算減額されたようなことで、あとでまじめな農家がだまかされたというようなことのないように、私はこの際念を押しておくが、大臣一つしっかり本腰を入れて決意を持って実行に当ってもらいたい。この点はどうお考えですか。
  34. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これは大蔵当局がお答えしたかもしれませんけれども、私といたしましては、この予約制度を推進して参ります上におきましては、減税の処置を一部加える必要があるということで、ある程度話し合っておる段階でございますから、従ってそういう答弁をしたかもしれませんけれども、結論においては私はそういうふうにしていきたい。ただし今御指摘のように、あとでだまされたということのないようにということでありますが、これは絶対そういうことのないように、責任を持ってやるつもりでございますから……。
  35. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 二十九年度食糧増産費の減額は、大臣も申されておるように、愛知用水をやる予定の三十億の余剰農産物売却代金を保留してある、これを加えると昨年よりも上回るというようなお考えのもとに私は編成せられたのではないかと思う。そうでないと言われるかもわからぬが、少くとも大蔵省のほうでは、そういう頭できておるのではないかということを非常に疑っておるのです。その減額は、重点的、効率的に事業を施行して万全を期する、それからあるいはまた来年伸びるための本年は基礎工事だ、減していいというようなことで、実に私ども了解に苦しんでおる。重点的、効率的な施行は、これは前内閣からもやっておる。ただその限度があると思うのです。この点はよく注意していかなければならぬと思う。土地改良事業、主として干拓事業等は、御承知通り、非常に継続性と計画性を帯びた事業で、重点的、能率的が急にして、その限度を過ごせば、これは二年後あるいは三年後に非常なマイナスを生じてくるということをお考えになって、効率的、重点的についての限度を十分お考えになっていかねば、将来マイナスをきたす面が生じてくるということを私は憂えるのです。なお、一方では重点的、効率的を唱えて、また一方では五年先にしか米ができぬ愛知用水、まあ今仮定ですが、そういうようなものに三十億も金を加えて今年から始めるということになると、わからんですね、重点的、効率的に今年度予算を使うということは。むしろ私はそういうものはやらずに、その三十億をこういう小事業に持ってくれば、どのくらい助かるか。なお生産量も愛知用水の五年後の三十万石を超える効果があると私は思う。その点どうお考えでしょうか。
  36. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これはどう申し上げたらよろしいか、愛知用水は既存の計画とは関係ないのでございます。ただ、土地改良事業費が多いか少いかといえば、事業としては愛知用水の事業も入りますけれども、愛知用水は御指摘通りに何十年先のことで、そういうふうなものであって、われわれ農林行政運用の上において、すでに計画しておりまするまたわれわれが考えて参っておりまする土地改良費とこれを、混淆して考えていきたくない。これはこんなことを申し上げていいかどうかしりませんが、大蔵当局にしてみれば、なるべく予算を削減するには、あれも入っているじゃないか、来年からはあれも一緒にしてどうだこうだということを言うかもしれませんが、私自身は少くともそうは考えておりません。これはあくまでも余剰農産物の価額、特に別個にアメリカから入れましたものを、それを使うだけだということであって、その返還については将来にわたってやることであって、さしあたりの問題じゃないのだというふうに考えておりますから、それを今重政さんお話しのように、効率的に、能率的にやるならば、あんなものやったっていつになるかわからんものを、やらなくてもいいじゃないかということになるかもしれませんが、問題は二つ全然別なんでございまして、そういうふうにお考えいただきたい。従って来年度予算の編成もしくは予算の処置をいたします場合に、愛知用水に対して国家からこれに対して予算措置をするというときに、それが全体の土地改良費のワクの中に入っているのだから云々というような考え方はしてもらいたくない、こういうことでございます。
  37. 重政庸徳

    ○重政庸徳君 私も農林大臣はおそらくそういうお考えであろうと確信いたしておったのですけれども、結果的に見ると、ちょうど金もあまり変らん金を減額してある。だからこれは大臣はまだそこまで目が通らぬかもわからぬけれども、一つそういう方針を堅持しておやりになっていただかなければならぬと思う。それからなお愛知用水はこれは五カ年、今年度の三十年度は三十億の余剰農産物で割当ててあるけれどもが、なお今きまっておる余剰農産物は三年でしょう、大体。そうすると、あとのことはわからぬ、こうなる。なお、またそれに続いた大きな事業が、これはおやりになるかおやりにならぬかしらぬけれどもが、同じ性質のものが、続いてきておる。私の思うところではやらざるを得ない関係になっておるものじゃないかと思う。どの内閣ができても。ということになると、いまの区別をはっきりしていただかなければ、将来ゆゆしい問題になる。全国のこういう農民が希求しておることを、小事業者の犠牲においてそうして愛知用水とか秋田の八郎潟をやったということになったら、ゆゆしい問題だろうと思う。なお、法案が出るそのときに私は十分納得のいく御質問をしたいと思う。で、せっかく大臣おいでになったのだから、大臣がおいでの間に早く、その余剰農産物で出す。そのほかもし万一のことがあったらば、そういう一般会計で出すとか何とかいうぼんやりしたことでなしに、どういう方法で出すということを確定しておいていただかなければ、私どもは安心してそういうものに同意して賛成することはできぬというようになるのです。一つその点肝に銘じて、大臣がおられる間に解決していただきたいと思います。
  38. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 御指摘の点、十分肝に銘じて、(笑声)法案提出の際には、閣議で十分打ち合せをいたしまして、基本的な態度をきめて法案を提出することにいたすつもりでございます。
  39. 千田正

    ○千田正君 農林、水産ともにこれは恒久的な日本産業であるだけに、そう山師の膏薬みたいにすぐきくようなことではないのであって、やはりただいまも重政氏のお尋ねにあったように、長い計画のうちに着々効を奏するような方法をとっていかねばならない、これは大臣もその通りだと思うのでありますが、特に私は水産の問題でお尋ねするのですが水産の行政のうちでやはり漁港修築というものは国家予算のうちの大宗をなすものとわれわれは考えております。ところが当初の計画の第一期計画もいまだに完成しないし、さらにその予算は今度の三十年度におきましては昨年よりも一割以上減額されておる。それで大臣としてのお考えは、特に日本のこの水産という問題は、敗戦後において、どうしてもやはり国内の農林と相待って水産の発展というものは日本食糧政策の根本をなすものである、こういう考えからいたしましても、その基本的な面としての漁港の修築は当然これは真劔に考えていただかなくちゃならぬ、どういうわけで減額されておるのか、こういう点について、あるいは今後においてこの問題を昨年度と同じに、あるいは一歩進んで、漁民の基地としての漁港の修築に対しては、農林当局としてのはっきりした計画を進められるかどうか、この点を一点まずお伺いしておきたいと思います。
  40. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 御指摘のように、水産の振興を期するために漁港整備をして参らねばならぬことは、もちろんでございます。が、しかし、これは言葉を返すようでございますけれども、災害復旧の方を割合に今年の予算であと回しにしたものですから、その面においては多少余計減っておりますけれども、漁港整備の方におきましては去年と同じ、ほとんど同様にとっておるわけでございます。これは今年の農林省予算の性質から見ますと、私としては決して軽視しておらないというふうに考えておるわけでございまして、公庫の融資等につきましては特別に考えていくというように考えておるわけであります。ただ、ここで一点、お尋ねにはありませんでしたが、申し上げて御了解を得ておきたいと思いますことは、私はこの漁港整備計画につきましても、漁船の形体、もしくは水産の経営形態が漸次大型化されていくというようなこと等々の漁業の将来等を勘案いたしまして、ここら辺で日本の水産全体について一ぺん考え直さなければならぬときじゃないかということを考えまして、実はこの議会終了後に、水産関係の先輩もしくは権威者の方にお集り願って、そうして日本の水産政策の基本的な考え方一つ答申願いたいというふうに、すでにそれぞれの関係の方にはお願い申し上げておるわけでございます。そういうことによりまして、たとえば以西底曳、カツオ、マグロの関係地方関係等々というようなものも加えまして、さらに日本の水産は基本的にどういうふうに運営して将来の計画を立てていくべきか、それと並行して、基地となるべき漁港についてはどういうふうにしてやっていかなければならないかということについても基本的に考えていきたい、こういうふうに思っておるわけでございまして、まあこういうことはどうかと思いますけれども、今年の予算はたびたびお小言をちょうだいいたしますように非常に消極的な予算でありまして、私としては自分の性質に合わないような予算でございますけれども、これは来年の予算の編成の際にはすでに大蔵大臣からも言明を得ておりますように、閣議におきましてはすでにそういう方向をきめておりますように、相当の拡大均衡の予算という財政政策をとっていくということになっておりますので、そういう際の準備として、ただいま申し上げましたような審議会等において方向意見決定して、そうして大いに一つやっていきたい、こう考えております。
  41. 千田正

    ○千田正君 次にこの間のビキニの災害の補償の問題につきまして、根本官房長官に御出席願って御説明を承わったのですが、はなはだふに落ちない点があるのであります。それは御承知通り政府がマグロ業者その他の流通業者に対する配分については、いずれ閣議で決定して配分する、その問の暫定処置としまして預金部資金から融資をしてやろう、こういうので昨年末でしたか、三億数千万、これを融資したのでありますが、それは私の知っている範囲におきまして言うと、国から県に年六分五厘でこれを融資してやる、県がまた業者にそれを渡す際におきましては、全部合せて七分何厘、これを本年三月三十一日までの期限付きで貸したわけであります。しかし、その間において何ら配分が決定しておらない、ようやく決定したのは、この間でありますが、その決定した現在におきましても、利息をつけた金を国から借りて業者はやっておって、それもまじめに三月三十一日に返しておる。四カ月も放ったらかしておいて、配分の際は何らそういう面は考慮されておらない。しかもその配分は要求した三分の一程度である、これでは漁業者にとっては踏んだりけったりであって、まことに苦しい立場に追い込まれている。先般この問題について官房長官に尋ねました際には、何とかこの問題を考えよう、考えようが、その間まあ三カ月くらいの期限付きで融資でもしてがまんしてもらうよりほかないということを言っておるのでありますが、農林大臣はそういう諸般の事情はよく御承知通り、漁業なんというものは三月や四月の融資で効果を求められるということはとうてい望み得られないことで、事実融資となれば当然また利息をつける、こういう問題になってくるのであります。一方においては、いわゆる国のほうに対しては何ら国家補償を要求されないというような立場に追い込んでおって、融資に対しては金利をつけて融資してやる、これではどうもこの補償という問題については、はなはだわれわれは納得がいかない。それで農林大臣にお願いするのですが、これは一体この配分は十分でない、将来も、しからばアメリカなりソ連なりが日本の近海においてこうした実験はしないかというと、これは保証ができないのでありまして、先般もアメリカ側の発表によるというと、東太平洋の今度は水中におけるところの原子爆弾の実験をやる、こういうことを発表しております。あるいは再びまたわれわれはその被害をこうむらないということは断言できませんのであって、これはやはり何らかのそうした被害を受けた場合においては、国において考えてやらなければならぬ。相手国が十分なる賠償をしない場合においては、国内におけるところの補償というものを考えなければならない。そういう問題について、法律的に何か考えられるというようなことをお考えになっておられるかどうか。この一点と、もし補償ということは考えられないとするならば、当然これは融資か何かによって面倒をみてやらなくちゃならない、その際における三カ月とか、あるいは利息を相当つけるというようなことでなく、もう少し被害を受けた人たちの身になって考えていただくような方法を考えておられるかどうか、その点を一つこの際伺っておきたいと思います。
  42. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 御承知通り、実はこの問題は各省に関係がありますので、官房長官が中心となって便宜取り扱っていただいたのでございまして、官房長官からいろいろ御説明申し上げたことと思いますが、基本的に、総括的にただいま御指摘になりました問題につきましては、そのときの、事件の発生しましたときの状況、軽重等によって事情が違ってくると思います。しかし私といたしましては、日本の水産界の現状考えまして、なるべく一つ親切に万遺憾なきようにやっていきたいと考えておりますが、何分そうは申し上げましても、事農林大臣一人できまる問題じゃございませんで、常に御不満をお聞きするのでございますが、私としましては万全を期していきたい。実は今回の借りかえの融資につきましても、それぞれ関係当局からお話してあると思いますが、私としましては大蔵大臣との間に了解事項をとりつけて、そうしてやっているようなわけでございます。御了承をいただきたいと思います。
  43. 千田正

    ○千田正君 これは農林大臣が特に御要求になったかどうかわかりませんけれども、われわれは常識的に考えますときに、国の特別融資、これはしかも政府決定して、決定して配分するまでは面倒をみてやろう、こういうので預金部資金のうちから一部貸付けていただいた、これは法律によってそれぞれの利息がついております。しかしこういうものの配分に際しましては、利息がついておって、利息を払ったという誠意に対しても、配分の際はこの利息を勘案して配分するのが至当じゃないかと、われわれはこう考えるのであります。四カ月も配分の決定を遅延したということは、これはあくまで政府の責任であるとわれわれは考える、その政府の責任であるところの遅延しておったのを、貸すときは利息をとる、当然配分の要求に対して出さなくちゃならないものに対しては利息をつけない、これはどうもわれわれ国民にとっては納得がいかぬのでありまして、それは配分を決定して、やる場合においては、利息をつけて国に返した分も考えてこれは配分すべきが至当じゃないか。もしそれがこの際はできなかったとするならば、次のこうした特別融資その他については長期のことを考えるか、あるいは何らかの補償の道を真劔に考えてやるのが、生産者の立場に立って農林大臣は強く内閣に主張するのが当然だと思いますが、その点についての御所信を伺っておきたいと思います。
  44. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今の金利でございますが、全部のものが全部融資を受けておればそれは分けるときまたそういうことも考えられ、農林省としても主張ができたかもしれませんが、融資を受けていないもの、もしくはそうでない役所関係もございますので、こちらの方では金を借りてある。借りないときは利息も要らない。それを自分でまかなってきたわけでございますからそういうことになったんだと私は思うのであります。そこで、今後の点についてはどう考えるかということについては、先ほど申し上げましたように、借りかえ資金等につきましては、私としましては相当深く考慮いたしまして、適切な処置をとるようにそれぞれ行政指導において考えております。これはちょっとここでは申し上げかねますけれども、これは事務当局からしかるべく指導がしてあると存じております。御了承いただきたいと思います。
  45. 東隆

    ○東隆君 私は河野さんが最近農家経済の安定を中心にして考えておるのだと、こういうお話でありました。私は大へん必要なこととこう考えるのですが、その場合に、私は国内でもって生産しておる農畜産物に対しては、今お話をなさったような形だけでは、私はかえって農家経済の安定にはならんと思うのであります。多角経営その他の方法だけでは、私はなかなか農家経済の安定はできないと、こう考えるわけであります。というのは、海外からの輸入が考えられますから。そこで、たとえば、MSAによる余剰農産物の輸入、これ一つ考えてみましても、非常に関係する方票が大きいわけであります。そこで、単にそういうものばかりでなくて、たとえば朝鮮からノリが入る。こんなような問題一つ取り上げてみても非常に大きな関係が出てくる。そこで、こういうようなものをずっと考えてみますときに、価格の面とそれから量の面で考えなければ、農家経済安定、漁家の経済安定は、これはどうしても考えられません。そこでどんな方法をお考えになっておられるか、それをお聞きしたいのであります。   〔委員長退席、理事白波瀬米吉君着席〕 先ほども酪農製品その他の問題については冷凍の設備をするとか、あるいはスキム・ミルクはこれを学校給食に向けて、そうして市場の開拓をすると、こういう意味だと考えたのでありますが、そのほかに私はいい施策がなければ農家経済の安定にはならぬと考えるのですが、何かいい方法がございますか。
  46. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) もちろん、御指摘通りでございまして、経営自体におきまして……生産自体におきましては先ほど申し上げましたように多角経営生産の方をやっていく。その生産されたものの価格政策については、もしくは流通過程においては、特に重要に考えなければならん。これは私全く同感であります。従いまして、それにつきましては、たとえば、関税政策について考えるとか、ないしは為替の割当について考えるとかというような面におきまして、生産費を割るような、国内価格を圧迫するようなことのないように、その面で十分考えていかなければならんということが第一点。  第二点は、流通過程におきまして、取引の改善の面に注意を払っていかなければならんということについては十分考えていきたい、こう考えております。御指摘になりました朝鮮からノリがくるといいますれば、国内のノリの生産にこれがどういう影響があるか。価格の面においてどういう影響があるかということに深い関心を払いまして、この問題に対処していかなければならぬというようなことにつきましては、私は十分注意して、いやしくも国内生産者に圧迫のないようにやっていきたい、こう考え行政指導をして参るつもりであります。
  47. 東隆

    ○東隆君 私は今お話になった程度では非常に心もとないと思います。たとえば、中共との貿易関係、こういうようなものは、これは日程に上ってくると思いますが、その場合に結局向うからくるものは原始生産関係なんかが非常に多いんだろうと思う。これは農畜産物に非常に関係のある問題であります。こういうようなものが入ってきて、出ていくものは工業生産関係である、こういうふうに考えて参りますると、私は農、漁業のための生活安定その他をやるためには、法律的にあるいはその他によって、もっと強力なものがなければならない、こう思うわけであります。たとえば、価格指示政策というようなものは、これはもう少し広範囲に広げていかなければならぬ、こういうような考え方を持ちますし、また場合によっては需給関係を調整して、国内においてこれだけのものを輸入しなければならぬとかいうような、そういうことをはっきりときめるところの制度をこしらえる必要があると思う。こういうことをしないで、ただ単に関税その他によってやっていくということでは、非常に農家のあるいは漁家の生活の安定を破ることになると思う。今まですでに価格指示政策方面においても考えられておりますけれども、これは価格が比較的高いものですからそこで問題がございませんけれども、しかし今後非常に大きな問題が起きてくると、こう考えますので、その方面のことについてはどういうお考えですか。
  48. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) いろいろ御指摘ございますけれども、従来の自由経済時代、戦前の状態から見ましても、また今中共の関係をその当時から考えてみましても、わが国の農村経営もしくは農業生産と非常にこれが競合する場合が、今さしあたっては考えにくい。たとえば米にいたしましても、中共から入ってきた米はわが国の必要量の中の非常に低い量ものである。あるいは大豆にしましても、今価格方面において必らずしも妥当な価格ではありませんけれども、これにしてもこれは下ってきて入るにいたしましても、そうあれじゃない。その他の問題につきましてもコンニャク玉が入る。これは入れたくないというようなものは入れませんというようなことで、さしあたりは今私が申し上げましたように、関税の処置もしくは為替の処置等においてこれが適当に運営できるというふうに考えておるわけでございます。その他今御指摘のような事態が将来に起ってくれば、それはそのときにはまたそういう事態で考えなければならぬことがあるかもしりませんけれども、さしあたって私はここ当分の間にそういう事態が起らぬで、今申し上げますように為替の政策もしくは関税政策国内農家経済に非常な圧迫をきたすとかいうようなことがないのではなかろうか。ただし、そうは申しましても、一面におきましては保護助成の政策によりまして、生産費の引き下げにつきましては各種の農業生産につきまして、これは最善の努力をしていかなければならぬということは、農家経営安定の上から考えていかなければなりませんし、将来にわたってはあらゆる方面に向って私は大いに意を用いなければならぬということは、農業生産資材について極力これの引き下げに努力していく。もしくは税負担についても考えなければなりませんし、土地改良その他によりまして生産の効率化をはかっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
  49. 東隆

    ○東隆君 私は価格指示政策のようなものは、もう少し拡張していくべきではないか、こういう考え方をもつのであります。今あるようなものだけでなくて、あれに大臣も入れなければならぬ。それから先般問題になったようなアズキのようなもの、これも当然入れなければならぬ。そういうような問題で国内における生産をある程度つり合いのとれる形でもって保護しつつ輸入をするという態勢をこれはとっていかなければならぬ。それからそのために必要な一つの法律的な制度をこしらえて、需給の関係国民全般として各層の方面からの考え方を調和させた形でもって輸入量を決定するとか、そういうようなことをやらなければ、単にその場限りの形でもってやったのでは、これは計画が非常に国民の支持を得たものにならぬ、こういう考え方なのですが、この方面について私は農林大臣に大きくお考えを願いたい、こう思うわけであります。  それと私はもう一つこの機会にお聞きしたいのは、今度の予約買付制度を、食管法を改正しないでやるのだ、こういうふうに説明を聞いておるわけです。私は今回の場合のこの制度の改変は非常に大きなものでありますし、それに関連をして大きく国費が動くのでありますから、やはり当然法律を改正するとか、あるいはそのために規約その他だけでなくて、制度を改変する以上、法律的にこれを考える必要があると思うわけです。でないと、これはあまり大きく農林省のほうに権限を渡したことになるのではないか、こういうふうに考えますが、この点はどうですか。
  50. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 前段の御意見につきましては、私としましては価格支持政策というものは、たとえばアメリカにおきまする農産物価格安定法、日本におきましても一部の農産物につきましてはそういうものをやっております。これが世界的の傾向が将来どういうふうになっていくかということもむろん重要なあれになると思いますけれども、さしあたりは必要の限度においてやっていけば……。非常に要素が複雑でございますから、先ほど来申し上げますように、生産費の引き下げでありますとか、ないしはそれらの流通過程の改善であるとか、ないしはまたなさなければならぬやらなければならぬことも非常にございますので、そういうものとからみ合せまして、一つ農村振興を考えていくということになりまして、それらをすべてやっても、どうにもならぬ、どうしてもこうしなければならぬという段階がくれば、これはおのずから別でございますけれども、まあさしあたりはそこまで入らんで、いき得る限りはいったらいいではないかというふうな、これは意見が違うようになるかもしれませんが、こういう考えでおって、さればといって放任主義にしておくとか、農家がせっかく多角経営奨励して作ったものでみんな損をしているではないかというようなことで不安感を農村に与えるということは、これは避けなければなりませんから、政府がおのずからそういうことにつきましては、生産奨励する以上はそれに対する心がまえで、あくまでも今御指摘になったような段階まで入らぬにいたしましても、それと同等の効果を上げる意味において、関税政策であるとか、為替政策であるとか、その他の施策によって所期の目的を達していく。それがどうしてもいけない段階に至ったならば、そういうこともすでにわが国におきましても一部農産物価格安定のために法的措置も講じ、やっておるのでございますから、いろいろなものをそれにつけ加えていくことに決して私はやぶさかではございません。これで前段のお答えは御了承いただきたいと思います。  後段の予約集荷の制度について、これを法的に非常に大きなことをやるのであるから、法律改正によってなぜやらないかということでございますが、決して私はこれをやみからやみに、こういうふうな大改革を独断でやるというようなことを考えておるのではないのでございまして、十分各方面の御意見も拝聴し、ないしはまた国会におきましてはこの機会を通じまして、予算を通じて十分御審議、御議論を拝聴いたしまして、そうして運用にあやまちないことを期して行くのでございまして、決して行政府がこれによって勝手なことをして行く、法律改正の処置をとらぬで、勝手なことをしていくというようなことは一切考えておりませんので、その点はしばしばこの委員会で、もしくは将来この委員会において、十分御審議、御検討いただくということはもちろんのことでございます。ただそれを今の法律の運用によりまして同じ効果があげられる、同じ行政処置がとれるということでございましたので、決して他意あってやらないというのではないのでございまして、やらなくてもできるし、国会においては十分御審議、御議論、御検討願うのであるからという意味でただやらなかっただけでございまして、将来またどうしてもこれはやった方がよろしいということであれば、やることに反対というわけでないし、やることに決してやぶさかでないのでございますから、そういう意味で御了解いただきたいと思うのであります。
  51. 清澤俊英

    清澤俊英君 二、三点お伺いします。今の予約買付ですが、これは大臣はただいま御説明せられて、将来自由販売にすることも考えて、暫定的な中間処置としてこういう制度をとった、こういう御説明になっておりましたが、この制度をおきめになるときは米穀懇談会の、何でありましたか、懇談会の結果でか、そこははっきりしませんが、とにかくに懇談会の結論としてこういう制度をおとりになったことは間違いないと思う。そこで今大臣の言われた前提条件の、将来自由販売にする、がしかし、今その中間的処置としての予約買付と、こういう説明でございますが、懇談会に出て、農協が予約買付を引受けまする際には、何か五つの条件が出ている。それをちょっと読み上げてみると、「『国民生活安定確保のため、食糧の統制は継続し、集荷方式を改正し、これを民主的に行うため、予約集荷方式をとること。』『予約集荷方式の成否は価格にあるから、生産費方式による米価一万二千五百円を確保すること。』『早場米奨励金は従来の実績を確保すること。』『従来の免税措置は臨時的なものとせず、制度として恒久化すること。』『国民過半数の農民の保護と国民生活向上のため、食糧増産に対して積極的な財政投資を行うこと。』」こういう五カ条を前提条件としてお引き受けしたということと、ただいまの大臣の御説明と非常な食い違いが出ておる。   〔理事白波瀬米吉君退席、委員長着席〕 将来は統制を撤廃するのだ、だがしかしその中間制度としてのこういう制度ということと、統制は撤廃しない、統制は継続するのだということは、もう天と地の違いがありますが、これはどういうところからそういう間違いが出たのですか。これがひいては価格の問題あるいは早場米の問題、買付条件の問題が出て参ると思うのでありますが、まずこの食い違いに対して大臣はどう考えておりますか。
  52. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それはその会合においても最初に意見が交換せられまして、大体将来の目標をいずれに置いて制度考えるか、制度考えるときにその目標をきめる必要があるじゃないかというときに、その懇談会の席におきまして懇談会に御出席いただきました皆様方から、これは目標としては専売か自由販売かだ、その目標を然らば専売にいく方向考えるのか、自由販売にいく方向考えるのかということで、そこで論議せられたのでございます。そういう最終目標は今私申し上げましたように、専売という方向でなしに、自由販売という方向にいくことが妥当であろうということは、その席においてはそういう話し合いがあったのでございますが、ただし現状においては統制を継続していく、そのワク内において予約集荷制度をとるのだ。こういう結論となっておることでありまして、私の申し上げたことと委員会答申は、さしあたり予約集荷制度をとるのだが、その予約集荷制度というものは統制のワク内において予約集荷制度をとるのだという答申であると私は思うのであります。
  53. 清澤俊英

    清澤俊英君 これは重大な問題である。現に先般一道十一県の北海道、東北、北陸の農民大会といいますか、農業団体代表者大会、その席上において責任のある人が統制は日本の実情として撤廃しない、統制は継続する、これが前提だ、こう言って私に書いてくれた。甚だそれは大臣の言われることと根本的に間違っておるのですが、これは今大臣と議論してみても仕方ありませんから、後ほど委員長に何とか案を立てて参考人を呼ぶようにしたいと思いますから、これは一つ調べて下さい。次に……
  54. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私が先ほど来お答え申し上げておりますること、また今お答え申し上げましたことは、私は少しも食い違いがないと思うのであります。今、将来永久に統制でいくのだということをその答申にも書いてない、そのときにも書いてない。その目標はどちらに置いてこれから懇談会を進めていくか、案を立てる目標をどっちに置くか、すなわち統制全廃を最終目標とするのか、統制撤廃を目標にしていくのかという話をしたということを、今ここで私は委員会の内容を露骨に申し上げたのでございます。ただしその結論として出ましたところは、今お読みになりましたようなものが、この統制撤廃をして、今自由販売にしてやるということじゃない、統制を続けていくんだ、統制を続けていくワク内においてこれを考えるのだ。先ほどから私が申し上げます通り、統制撤廃を来年やるとか、再来年やるとかいうようなことで話をしているのじゃなく、考えてもおりませんし、この制度でうまくいくならばこの制度で続けていって結構でございます。またこの制度を一部修正することによっていくならそれも結構であります。ということを申し上げておりますし、統制を撤廃するということはなかなかいろいろな準備もありますし、いろいろな問題について考えなければならぬ点がありますから、これは早急にできることじゃないということを申し上げておったのでございまして、その間に私は食い違いがないと、こう思うのでございます。
  55. 清澤俊英

    清澤俊英君 まあそれはそれであとでよく調べまして再質問しようと思います。そこで、ここで出て参りました価格の問題その他五項目の問題に対して、大臣はどういう責任をとっていられるつもりですか。現在米価は九千七百三十九円と予算米価はきまっておりますが、今後修正なされて、申し合わせと合せられる御意思あるのかないのか、その他爾余の条項はおわかりだと思いますが、それに対する御見解をお伺いしたいと思います。
  56. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいま御朗読になりました点は、そういう要望が農業団体からあったことは承知いたしております。しかしそれにつきましてはただいまお話になりましたように、たとえば価格につきましては政府予算米価として九千七百三十九円ということにしておりますが、これは例年ありまするように予算米価でございまして、それを実際決定いたします場合には、いろいろな要素を加えまして、そして決定するのでございますから、これは一致する場合はないのであります。ただし、然らば一万二千五百円というその要望通りに必ず実行できるかということは、これはわれわれといたしましては諸般の情勢を勘案いたしまして、先ほどお答えいたしましたように米価決定して参りたい、こう考えております。
  57. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと今の清澤君の質問関連してお尋ねしますが、この予約制度をやって、ここ来年あるいは二、三年うちに統制撤廃をするのではないのだということですが、かりにこの予約制度を、今考えておられる制度が成功しなかったということになったら、自由販売の方へ持って行かれるのですか、あるいは今まで通り方向へあと返りをされるのですか、そうこの制度というものは四つも五つもいろいろな制度があるべきものじゃないと思いますが、その点はどうお考えになっておりますか。
  58. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それはただいまもお答え申し上げました通りに、今二十九年産米で実行いたしました供出割当制度は、これはもうすでに制度が行き詰まっておるので、これではなかなか運営ができないという結論に立って前内閣の当時から御審議がありましたし、ないしは私もまた各方面意見を十分伺って、それらの専門の方々からこの制度答申を得たのでございます。これを実行してうまくいかなかったときにはどうするかというお尋ねでございますが、これはこの制度を実行いたしまして、どこが悪いかということ等についても十分考慮する必要がありましょうし、またどこを直せばいいかということもございましょうし、先ほども申し上げましたように、自由販売をやるといいますには、いろいろ条件が整わなければにわかにできないことでございますから、これがまずかったというて来年すぐ、まずいから自由販売に行けるというようなふうには考えておりませんので、その事態に処しまして、いろいろ勘案していかなければならないだろう、それまでに暫定的にまた直すか、またはこれを一部修正することによって、いい案が生まれてくるかということは、各方面のまた御意見も十分拝聴いたして善処して参りたいと、こう考えるわけでございます。
  59. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっとくどいようですが、そういうやってみてうまくいかなかった場合には、それをしさいに検討して、各方面意見を聞いて新しいまた方向を打ち出すということですが、もう二十九年度にやった方式というものはこれはもう決定的にだめだからということですから、そちらへあと戻りはしないで、やはり自由販売といいますか、統制撤廃といいますか、そちらの方向へ向いて一つずつ決定して行くと、こういうことですか。
  60. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それは先ほどから申し上げましたように、大体そういうことに御了承願っていいのじゃないかと思うのであります。ただやってみてまずかったらというような軽率な考え方はいたしておりませんので、これはおよそ想像のできる国内の権威者の方々、もしくは専門家の方々にお集まり願って、十分御協議、御意見を拝聴いたしまして、そのまた答申によってやっておるのでございますから、これでまず行けるとか、またこれで行くためには各方面の非常な御協力をいただけるものなりということで、当面政府として考えられる、もしくは成功し得る方策は、これよりほかにはないということを考えておるわけでございます。
  61. 清澤俊英

    清澤俊英君 それで大臣のところへは、一番米どころであります。道十一県の東北、北陸の農業団体の代表者大会の陳情書が参っておると思います。懇談会の際に提出したものを基本にしたものと同じものが大体要求になっておりますが、これが実現しない場合には、決議として、われわれは事前売り渡し申し込み制に協力することはできないことを表明する、こうなっておりますが、大臣は今いろいろ国内の有力なる団体等がこれに参加してきめてあるのだから間違いなくうまく行く、こう御発言なすっておるが、その発言を実現いたしますには、今の決議が非常な重要性を持つと思いますが、大体この要求に全部とは申しません、納得し得るくらいのものは出してやる腹がまえがあるのでございますか、それがなければ私は実現ができないと思うのです。できないと書いてある、これは重大問題です。問題は九月から始まるかしりませんが、予約はじきに始まります。重大問題ですから、大蔵省に押されてあれもだめだこれもだめだと言われてはだめになるのだから、これは腹がまえだけは一つがっちりお伺いしておきたい。
  62. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) その要望書につきましては重大なあれを持ちまして、この制度が成功するようにいたさなければならぬと考えておりますことは当然でございます。しかしその要望書の中にも第一にありますように、生産費中心にして米価をきめろ、こうあるわけでございます。でございますから、そこでその第二段には、一万二千五百円を割ってはいかぬ、それも重要に考えろということでございますので、それらを、いろいろの要望の趣旨を体して善処して参りたいと、こう私はお答え申し上げておくわけでございます。また政府の方におきましては、政府の方でいろいろありますけれども、また政府といえども最初に私が申し上げましたように、農民諸君の御協力がなくしてできることではないのでございますから、これは諸般の情勢を十分各方面から検討いたしまして善処して、農民諸君の御協力を願い、政府としてやり得る可能の最大限度を誠心誠意いたしまして、そうして目的の完遂に邁進して参りたいと、こう考えておるわけでございますから、御了承願います。
  63. 清澤俊英

    清澤俊英君 まことに結構な御答弁ありがとうございました。そこでそれをスムースにするためには、何か特別の懇談会のごときようなものをお持ちになる方がいいのじゃないかと思いますが、それに対するお考えを願いたい。と申しますことは、なかなか含みのあるうまいことを言っております。一万二千五百円を参酌し五月末日まで決定発表する。この参酌ということはなかなか意味深長であります。そういうようなものもありますので、何らかの機関を設けて御懇談になれば、おそらく一つ大体うまく行く方法は出るのじゃないかと、こう思いますが、大臣どうお考えになっているか。
  64. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) むろん私は御注意もございますので、農業団体の幹部の方々とは遅滞なく連絡をいたしまして、いろいろ御意見も伺っておりまするし、また近日御決定いただきまする米価審議会の委員決定いたしましたならば、米価審議会の委員諸君にもお集まり願って、その御懇談の結果も拝聴いたしまして、そうしてやっていきたいと、こう考えておるのでございます。
  65. 清澤俊英

    清澤俊英君 その次にちょっとお伺いしておきたいのは、私もはっきりわかるようなわからぬところもありますが、農家経営の安定のために多角経営奨励する、そういう方針をとる。この多角経営をやります場合に、農民の自主的な考え方奨励しておやりになるのか、あるいは基本的な土壌調査等を中心にして、あるいは気候風土、国内生産の寡多の状況、いろいろなものを中心にして、積極的な政府指導として多角経営を進められるのか、そのいずれかを一つ先ずお伺いしたい。
  66. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) その点につきましてはもちろん政府といたしましては、指導奨励はいたします。農業改良普及員その他機関もございますので。しかし決して強制してみたり何してみたりすることはございません。繰り返して申すようでございますけれども、農業改良普及員その他を督励いたしまして、そうして十分御相談に乗って、例えば試験場等においても十分試験もいたしますし、どうやることが一番有利であり、適切であろうというようなことを十分勘案いたしまして、そうして農家経済の安定のために、昔で申しますれば副業の奨励と申しますか、というようなことをやっていきたいと、こう考えております。
  67. 清澤俊英

    清澤俊英君 これはまあ基本的に言えば適地適作というようなものが中心になりますが、そういう場合がかりに出て参りますと、そこの基本的なこういう経営の方法がよろしいのだというようなことはちょっと農民には受け取りがたい。相当な規模のもとに資料と調査を積んで、そうしてそこで指導して行かなかったら、これは失敗するのじゃないか。ただ改良普及員が思いつきの、この思いつきというのはあまりにひどい言い方ですけれども、今までありましたような多角経営だけをやっておりましたならば、次々に失敗して行くのじゃないか、こういうことが考えられますが、その点はやはり、今言われた範囲のことで多角経営をさせる、こういう意味合いなのですか。
  68. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私は総括的に養蚕奨励畜産奨励ということを、またさらに、先ほど適地適作によって果樹であるとか花卉というようなものも考えたらどうだというような意見もあったわけでありますが、これらにつきましては、それぞれの地区に試験場等もありますし、それらを通じて十分に試験研究の結果が農業改良普及員によって奨励されておる、制度そのものとしては、機構としては、私は整っておると思います。で、これによく血液を通すようにしてそうしてやっていきたい、国の方針としては適地適作、多角経営という意味でやっていきたい、こういうふうに考えるのでありまして、ただ単に思いつきをやって、失敗をしたらそれなりだというようなことはむろん避けなければならぬということについては、全く私も考えなければならんと思っております。ただその際にお前そういうことを考えておるが、日本の国の従来の慣行からいって、相当補助金をつけてそうして補助奨励していかなきゃなかなか目的は達せられぬじゃないかという考え方がおありと思いますが、それはその通りだと思います。例えば温床苗代にしましても、初めは補助金をつけて、そうして相当の期間補助奨励していって、所期の目的を達するようになったというようなことでございますから、そういうふうにしていかなければならぬと思っておりますが、しかしこれは私の基本的な考え方を申したのでございまして、できれば将来はそういう面でやっていくようにしていきたい、こう考えておるわけでございます。
  69. 清澤俊英

    清澤俊英君 そこで大体が農民の自主的な考え方中心にして、それに政府の援護的な指導で多角経営をしていく、こういう御方針と思いますが、そこで今の農民はやはり米の生産が一番経済的だと考えておるらしいです。従ってただいまの米穀懇談会の際にも五項目を定めて要求しておりますが、実際は食糧増産に対して積極的な財政投融資をしてくれ、土地改良その他のことをやってくれ、ことに寒冷地帯等の零細地区におきまして、山間部等においては小団地の改良事業に対して徹底的な補助をしてもらいたい、これが経営の安定だと、こう考えておるとき、三十年度予算などで積寒費が六億ばかり減っておりましたり、食糧増産対策費が七億か八億ばかり減っておるという状態ですが、農民の意欲を中心にする増産対策ということと矛盾しておるのがそこに起りはせぬかと思う。これをどうお考えになるか。
  70. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これは予算の金額で申しますれば確かにそういうふうになっております。がしかし先ほど来申し上げましたように、運用におきまして、例えば土地改良の面におきましては減ってはおりますけれども、今御指摘のように小団地の開墾につきましては、新らしくそれをやることにいたしました。すなわちこういうふうに大きな事業の方においては多少チェックしていかなければならん面があるかもしれませんけれども、運用においては緊急に所期の目的を達する面に金を使うようにしてやって参りたい、そういうことで効果を上げるようにしていきたい。こういうふうに考えております。  まことに申しかねますが、御承知通り衆議院の方で減収加算のことで小しもめております。それで五時から農林省の委員会が開かれますので、まだ政府部内のことを、党との関係がありましてその調整に十分にまだ私ども話し合わなければならん点がありますので、四時までで一つおしまいにしていただきたいと思います。
  71. 清澤俊英

    清澤俊英君 それならばほかの方はやめまして、その減収加算に対して衆議院にお話しせられる前に、衆議院の約束の問題はどうなっておりますか。概略、そこを一つお伺いしたいと思います。
  72. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これは先ほども申し上げました通り、今朝の九時から閣議を開きまして、そこでいろいろ意見の交換をいたしました結果、閣内におきましては経審長官、松村文部大臣、竹山建設大臣それに根本官房長官、いずれも農村問題に非常に研究、理解のあります方々委員にお願いいたしまして、これらの方々で農林、大蔵両大臣の間の意見の調整をして、そうしてこの問題を解決するように、委員に充てまして、これらの諸君が昼休みに集まられましていろいろ意見を交換せられまして、今党の幹部との間に意見の調整をやっておる最中でございますので、まだ結論が出て私がここで申し上げる段階にはなっておりません。官房長官が大臣室で待っているから早く来いと言ってきましたようなわけでございますので、この程度でお許しを願いたいと思います。
  73. 江田三郎

    委員長江田三郎君) なお、減収加算の問題につきましては当委員会といたしましては、すでに申し入れを満場一致の決定でいたしておるわけでありますから、委員会の今さらの意思は申しませんが、十分尊重してやっていただきたいと思います。なお、ちょっと急がれますから、清澤君が質問したことに関連して一点お伺いしておきますが、新らしい今度の事前売り渡しをするための米価その他減税措置、奨励金等の問題については、大体いつごろまでに決定される方針でありますか。先ほどの東北、北陸、北海道の農民大会では五月末日ということを要求しておりますが、これはどうなっておりますか。
  74. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 大体私の考えはすでに別の機会に申し上げておるのでございますが、減税でありますとか、価格差と申しますか、ないしはそれから予約前渡金でありますとか、というようなものにつきましては、今月中に決定をいたしたい、これは多少一日、二日おくれるかもしれませんが、遅滞なく決定をいたしたい、そこで一番大事な基本的な米価でございますが、この米価決定につきましては、これは今ここで今月うち、もしくは来月初め予約をいたしまする前に決定することが妥当か、ないしはまたこれを十月、いよいよ清算をしなければならぬぎりぎりのときに、今年度の豊凶の見通しであるとか、ないしは生産費の状態であるとかというようなものを考慮して、そうしてそこで本当に決定をして、そうして農家に代金の支払い決済をした方がいいかということにつきましては、多少各方面意見にもまちまちなものがございますので、これらを先ほど申し上げましたように、米価審議会の懇談会ないしは農業団体の幹部の方々意見を調整いたしまして、今きめた方がよろしいということであれば今きめることにいたしまするし、また今は先ほどお示しになりました九千七百三十九円、予算米価をある程度考慮いたしまして、そこで基本的な平年作の場合に大体想像できる米価でこれを決定しておいて、そうして予約の対象にこれをいたしまして、そうして最終的な米価決定は今申し上げましたように本年度の作柄等をある程度見通しをつけて、そこできめたほうがいいかということについては、今まだ私自身も実はきめておりません。これは各方面の御要望によりまして、その決定のいかんによりまして、今きめた方がよろしいということであれば今きめることにいたしますし、先まで延ばして、豊凶の見通しが一番大きな問題でございますから、これらを見通してやった方がよろしいということであればその見通しをつけてやりたい、こういうふうにいたしておるわけであります。いずれにしましても、予約集荷の、予約の契約に支障のない程度のことは今早くきめなければいかん、こう考えております。
  75. 江田三郎

    委員長江田三郎君) もう一点お伺いしますが、予約ということですから当然基本米価が暫定的にでもきまらぬとこれは契約にならぬと思うのでして、農民大会の決定も五月末日までにきめろということを言っておるのは、やはりそういう意図だろうと思います。そこで今大臣のおっしゃるように、米価審議会その他の決定を尊重していかれるということなら、それで問題ございませんが、一つその線でどこまでもお行きになるように、たとえば今上程されておるところの三十年度予算の国会審議等との関係で妙に政治的配慮をお加えにならないように、これは委員会の意思というより私個人の意思でありますけれども、その点はお願いしておきます。  なお、今お聞きのように農林大臣は減収加算の問題について、これから会議があるそうですから、われわれとしましても、これが少しでも農民の利益になるように決定していただきたいと思いますから、早く御出席を願った方がいいと思いますから、いろいろまだ問題があると思いますが、この程度にしたいと思いますがいかがでございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午後三時四十八分散会