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1955-10-06 第22回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十月六日(木曜日)    午前十時四十五分開会     —————————————    委員異動 九月十九日委員田中啓一君及び松浦清 一君辞任につき、その補欠として井上 知治君及び棚橋小虎君を議長おいて 指名した。 九月二十日委員森崎隆辞任につき、 その補欠として若木勝藏君を議長にお いて指名した。 九月二十一日委員湯山勇辞任につ き、その補欠として亀田得治君を議長おいて指名した。 九月二十三日委員井上知治辞任につ き、その補欠として田中啓一君を議長おいて指名した。 九月二十九日委員若木勝藏辞任につ き、その補欠として森崎隆君を議長おいて指名した。 十月三日委員寺尾豊辞任につき、そ の補欠として青山正一君を議長おい て指名した。 十月四日委員千田正辞任につき、そ の補欠として大山郁夫君を議長おい て指名した。 本日委員大山郁夫辞任につき、その 補欠として千田正君を議長おいて指 名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     江田 三郎君    理事            白波瀬米吉君            戸叶  武君            千田  正君    委員            大矢半次郎君            重政 庸徳君            関根 久藏君            田中 啓一君            飯島連次郎君            奥 むめお君            溝口 三郎君            清澤 俊英君            三橋八次郎君            森崎  隆君            東   隆君            菊田 七平君            鈴木 強平君   国務大臣    農 林 大 臣 河野 一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君   説明員    農林省農林経済    局長      安田善一郎君    食糧庁長官   清井  正君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○農林水産政策に関する調査の件  (昭和三十一年度農林省関係予算に  関する件)  (新年度米国余剰農産物受入れに関  する件)  (米穀の需給及び管理に関する件) ○委員派遣承認要求の件     —————————————
  2. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  最初理事補欠互選の件についてお諮りいたします。昨日千田委員辞任され、本日再び委員に選任されましたが、理事が欠員になっておりますので、その補欠互選を行いたいと思います。  理事補欠互選方法成規手続を省略して委員長から指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御異議ないと認め、千田君を理事にお願いいたします。     —————————————
  4. 千田正

    千田正君 ただいま前官房長、今の経済局長から、大臣が帰って来られてから後における農林省内における機構のいろいろ整備に関する御発表がありましたが、さらに先般来大臣の不在中ペンディングになっておりましたところの農林水産関係の具体的な問題につきまして、帰って来られてから処理された問題が何と何であるか、この際御発表を願いたいと思います。
  5. 安田善一郎

    説明員安田善一郎君) 昨日の異動経済局長を拝命しましたが、便宜、前からの沿革もございますので、私から御報告を申し上げます。先月及び先々月の参議院農林委員会からの御意見もございまして、河野農林大臣外遊を終って帰りましたならば、事務当局として案を具しまして、農林大臣の御決裁また御判断をいただきまして処理をしようと申し上げましたことにつきましての具体的経過を御報告申し上げます。  第一には、三十年度予算に関しまする保留分はどういう意味保留であるか、またその保留してあるのは今後どうする措置をとるつもりであるか、こういうことがあったと思います。この保留を当時してあると取り扱われましたその意味は、先般の委員会おいて私は御説明を申し上げたつもりであります。  第二には、水産庁の漁港に関しまする公共事業費は、第一に継続事業についての予算施行、第二には、新規事業予算つけ方とその配分、その後者の方が残っておりましたが、これは全部既定予算おいて、使う意味おい処理をいたしました。農地局関係保留分というのは、大蔵省概算一割くらい節約の意味保留しておいて、これを補正予算等あるいは災害対策等に使いたいと、こう申す案が出ましたが、閣議ではこれを取り上げることをいたしませんで、農林省も必ずしもこれに賛成するものではないので、別個の意味保留がしてあると、こう申し上げましたが、主として県営と団体営新規事業の分を何カ所やるかということについての保留でありまして、約百億以上の保留がしてあったと思うのであります。これはまだ一部完全に施行いたしておりませんが、それをこの前、私が保留と申しますよりは、未施行と申し上げましたが、その趣旨に従いますように、事務的立案を終りつつありまして、一部のものは別としまして、大半を終りまして、大臣の御処理をお願いするということにしましたのが、不日これが施行されるように、またここの委員会論議大臣に御説明もし、その通りであると、こういうことを御承認をお願いして、特に新規事業大蔵省主計局折衝を終っておるのでございます。  その次は、長期計画食糧増産目標を下げるのではないか、それは賛成でないという御趣旨申し入れ決議をいただきました。農林省におきましてももちろんでございますが、これは渡米中におきましても私から大臣に電話及びその他の通信によりまして御意見を伺い、情勢を報告いたしておったのでありますが、第一次試案に盛られました長期計画中、ざらにこれを農業水産業、林業、畜産という産業を、単に六カ年計画で立てるばかりでなしに、より長期農業その他の農林水産業を含めましての目標を立てるということについての農林案を策定いたしまして、経審の次長以下ともよくお話いたしまして、高碕長官にも数次御説明、御折衝及び最終までには至りませんが、おおむねの了解を得まして、当委員会のお申し出に沿うように処理しておりました。政府全体としてまだ確定いたしておるものではありませんし、長期計画がやや年次別計画等おいてぼやけて、この取扱い各省で行われつつありますので、それではだめじゃないかという逆の推進をいたしておるところでございます。河野農相にその御意見を伺い、御判断をいただきまして、その通り処理をせよということで進めておるわけでございます。また、ずっと過般からの関係を申し上げますと、溝口委員その他の各委員から、前国会おいても関連して御要望と御指導を受けました外資導入分、そういうものの土地改良等は、その他の資金計画とは別に立てるべきではないかということにつきましても、第一次試案の場合とは違いまして、これを明確に分けて考えるように計画の内部としては案を立てるように進めておるのでございます。  それから第三といたしましては、災害対策のことでございますが、旱害対策及び北海道水害に関しまする対策でございます。これの処理をすみやかにと思いながらいたしておりまするやさきに、二十二号台風等被害もございまして、政府民主党それから各党に、こういうことでいろいろのお願いも申し上げ、役所の中でもその案について成案を得るように督励をいたしているのでございますが、北海道水害旱害対策におきましては、必要なものは予備費要求大蔵省へ持って参りまして、一部は北海道庁におきまする調査と私の方の調査が一対十も違うような部分がございまして、まことに処理がしにくいので、北海道庁からのさらに詳細なる御要望及びその基礎資料要求いたしておりますが、道庁からどうも出て参りませんので、農林省出先機関を督励いたしましてやっているのでございますが、予備費要求についてはそのように処理をいたしております。一部要求済み、一部まだ未定ということでございます。  災害融資の方につきましては、融資手配をいたしておりますが、これも金額の点でどうも一対十のような点がありまして、この問題で具体的な最終決定を見ない段階でございます。  また米の安売りにつきましては、必ずしも安売り要求が県から参りませんで、今回は水害は別としまして、二十二号台風は、風害も別としまして、旱害北海道水害につきましては、代金延納でいいのではなかろうかというところで今進めております。  また自作農資金をこの災害融資に回すということにつきましては、その措置をとりまして、農林漁業金融公庫業務規定、これは認可をいたしましてその業務の仕方につきましては、農地担保を必ず取るかどうか等の点も御論議がございまして、この点は保証人及び担保、その双方か、そのいずれか、一方でよろしい、そういうことにいたしたのでございます。で、災害対策にも活用するつもりでございます。  救農土木事業等冬季賃金落し、こういうものを……冬季に限らないかもしれませんが、賃金収入をはかるようにという御要望もございましたが、北海道におきましては、冷害等のように作物の被害を受けますときは収入がございません、仕事もまたございませんので、必要であろうけれども、今回は予備費要求をいたしまして、災害復旧事業初年度分を行いますので、それを行えば単独のそれ自身を目的にした救農土木事業は要らないのじゃないかという大蔵省意見がございまして、それも一理あると思いまして、ちょっとむしろその方に傾きつつあるようですが、それも研究中でございます。  簡単に申し上げますと、旱害及び北海道水害対策は、各事項別処理をしまして具体化しつつあるものあり、その他のものありということになっているわけであります。特に融資ワクにつきまして、あるいは農業共済早期支払いにつきましては、この間も茨城の陸稲ぐらいが概算払いができるものではないかということを申し上げましたが、その通り今でも思っておりまして、その手続をいたしております。二十二号台風に関しますものとあわせまして、災害金融農業共済とは従来の災害対策及び前国会政令指定をすればいいような被害事項政令指定をすれば新たな単独立法が要らないような基本法をお作り願いましたので、それの運用を進めておるのでございますが、政令指定事項につきまして、ただいま北海道で申し上げましたようなふうに、まだ準備が整わないものがあるわけでございます。また草資源に関しますることにつきましては、先ほどの開会前の懇談会におきまして分課規程改正と関連してお話し申し上げました通りでございます。まだあるかと思いますが、また御指摘によりまして、追加をさしていただきたいと思います。
  6. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっとお尋ねしますが、去年の米の代金延納分被害地に対してあるのですが、ところがその中で北海道の方は今年また一部分同じ所が水害でやられた。で、これは十月三十一日までに去年の分は支払うようになっているのですが、そういうことは法律改正をしたってとても間に合わぬのですが、何か行政的に措置をお考えになっておるわけですか。
  7. 安田善一郎

    説明員安田善一郎君) 連年被害の所につきましては、償還分を延期するという趣旨のことにつきまして、対策を講じ、具体化しようと思って研究中でありますが、方法につきましては、江田委員長から今御意見がありましたような点もございますので、借りかえというような形などを考えておるわけでございます。
  8. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止
  9. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは速記を始めて。  それでは二十二号及び二十三号の台風被害につきまして、当委員会から調査派遣をいたしたいと思いますが、これにつきましては議運の申し合せもあるようでして、できるだけ他の関係委員会とも連絡をとって同時に派遣議員参議院委員を代表するというような実質も兼ね備えて派遣できるようにしたいと、こういうような議運の方の申し合せがあるようですから、その趣旨に沿いますように、関係委員会なり議会事務局の方と話し合いいたしまして、日程及び派遣委員氏名等委員長の方へ御一任願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それではそういう工合にいたします。     —————————————
  11. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それではなお安田局長の方から先ほどの当委員会申し入れ措置についてなお追加すべきものがあるようなお話ですから、追加してお聞きいたしたいと思います。
  12. 安田善一郎

    説明員安田善一郎君) 三十一年度予算要求のことでございますが、農林省の三十一年度予算要求に関しまする省内作業は、いささか大臣外遊もございまして、また本格的に今回は河野農相農政的政策を入れたいという御意向を私ども承わっておりますので、申し上げる段階に至っておりませんけれども、しかし大蔵省予算編成各省予算要求、こういうことについて、おくれるのはどうかと思いまして、まず事務当局で標準予算的なもの、その他従来の予算項目をいかに処理するかということ、これを中心にして農林漁業金融公庫原資等につきましても含めまして成案を得ておるのでございます。御報告申し上げたいと思いまするのは、そのうちの試験研究予算のことでございますが、それをも含めまして、いわゆる政策的新規要求のむしろ大きいものは、まだ作ってはおりません。こういうことの前提のもとにただいま事務当局で作っておりますものは農林漁業金融公庫へ一応一般会計から二百億繰り入れるということを含めまして、この分は三十年度公庫資金取扱い等考えまして、必ずしも一般会計が必要だとは思いませんが、それでつまり折衝を始めるのがいいだろうということを考えまして、新規政策予算を除きまして千五百七十億見当で作りつつありまして、近く農林次官大蔵省主計局総括的説明を開始するようになっております。しかし本格的に三十一年度農林予算はどうだと、こういうことにつきましては、特に新たに力を入れてやるところが抜いてありますので、先ほども実は申し上げなかったのであります。しかし試験研究につきましては終戦前は人件費事務費が三対七とか四対六とかいうのが普通であったのが、戦後は人件費が重なることもあり、また試験研究予算のあり方が悪いというようなことがありまして、御指摘がありましたように六対四とか、あるものは七対三とかいうふうになっておるのでございます。この点に非常に重大な御留意をいただきまして、決議申し入れ、また御意見を伺ったのでございます。この分はじみであるが、重要なものでありますので、私どもとしましては昨年度総括しまして農林水産関係試験研究費三十九億円でありましたものを、五十五億円の要求をすることにいたしました。その人件費事務費事業費と申しますか、研究費の割合は、研究費の方に重きを置いて五・五が妥当だろうというふうにいたしました。しかしこの五・五というのはいろいろ各試験場新設、拡充、古い試験場業務強化、各種の態様を持ちまするものを、それぞれ個別に当りまして出ましたものを、結果平均して参議院の御意見とはどうだろうということを比較するために、便宜計算しただけでございまして、あるものは三対七のものもあり、あるものは依然としてまだ新設過程等もございまして、五・七対四・三というようなものも、あるものの平均でございます。ところが、別途科学技術庁新設の議が政府部内及び民主党からございまして、あるいは単独にこれを置こうとか、経済企画庁経済をとりまして、経済科学企画庁として原子力研究をもあわせようとか、各省にまたがる試験研究基本的事項総合調整とか、研究系統化とか、科学技術行政強化とかいう面の議も一部出ているのでございます。これもにらみ合せまして、なお補正することがあるということをつけ加えて大蔵省と話しております。また目下大臣からは、新聞にも一部出ておりましたように、農林水産関係試験研究機関だけでもこれは他の試験研究機関と別個に、単独にある要がある。いろいろな性格から見て要がある。国費を投入することが多いということも必要である、こういう基礎の上に立ちまして、ちょうど農林省試験研究に関します何と申しますか、科学企画庁というわけにも行きませんが、科学技術庁か院というような考え研究いたしておりますし、水産研究所は今東海区とかいろいろの地区の研究所だけでありまして、中央研究所がございません。それで、それらのことを考えて、その分も変更して、たぶん中央水産技術研究所を設置して、東海水産研究所はこれを昇格せしめるか、言いかえれば廃止するような……廃止しない方がいいかもしれませんが、中央機関を設ける、こういうこと等を加えて、新大臣意向を加えまして、一部練りなおすことを前提に、以上のような措置をとっております。  さらに、第二点といたしまして定員のことがございまして、非常勤職員常勤労務者定員との関係はどうだということが前国会からの問題でございまして、参議院農林委員会からも横浜のサイロ施設等を御視察願ったこともあるかと記憶しております。これは行政管理庁申し入れまして、きのう文書課長交替いたしましたが、食糧庁総務課長文書課長に起用いたしまして、この方面のベテランでもございますから、事務的にはまず第一に行政管理庁文書課長との間におきまして、農林省全体のその種の問題の定員をいかに扱うかということについて、今週から協議をするように私が行って話して参りました。向うももっともである、国会は尊重すべきであるという趣旨からいたしまして、その協議に応じて何かいい名案を一つ両者研究しようじゃありませんかということになっているのでございます。  これらについて、以上のように進んでいることを御報告をつけ加えさせていただきたいと思います。
  13. 千田正

    千田正君 今の三十一年度予算総額は変更せずに、大臣が帰って来てから大臣政策を盛った一つ農林省の新らしい予算面の盛り方を考える。総額を変更せずに、総額内で操作するつもりですか。それとも新らたなるそこに構想が出た場合においては、さらにあなた方今まで考えておったのにプラスするというお考えもあるんですか、どうなんですか。
  14. 安田善一郎

    説明員安田善一郎君) 何分来年度予算予算規模ということとか、歳入等につきましてまだ閣議で最高の意見がきまりませんので、その中の内閣の一員である農林大臣としても、最終的にどういうふうに扱うかをまだおきめになっておらないのでございますが、私どもとしましてはただいま局別に先輩、学識経験者のお方々の御意見を十分取り入れるための特別の行政の、あるいは政策調査会をやっているのであります。農業改良局につきましてある種の成案を得ました以外は、まだよく成案を得ておらないのでございます。しかしこれは早急にできるものはできる、次年度に回すものは回すということで取りまとめることを大臣が大体御指示なさった段階でございまして、新規予算はただいま外にしたいと思っておりますが、信用基金制度が今非常にたくさん出ておりますので、これらは整理しなければならぬと思っております。
  15. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは大臣が見えましたから予定の日程に入ります。  最初に新年度米国余剰農産物受け入れに関する件を議題にいたします。先に河野農林大臣はわざわざアメリカに出向かれまして、新年度米国余剰農産物受け入れ交渉に当られ、日本時間では去る十月一日右の交渉の結果について、日米両国間に仮調印が行われたようでありますが、米国余剰農産物受け入れにつきましては、かねて当委員会おいても多大な関心を払い、前国会おい政府から提出されました農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査に当りまして、外務委員会連合審査申し入れ、その結果外務委員長に対しまして五項目にわたる申し入れを行なって善処を求めたような次第でございます。また今回の受け入れ交渉については、各方面にいろいろな批判もあるようでございまして、その一端につきましては、これを取りまとめて資料として委員の皆さんのお手元に配っておきましたが、本日は農林大臣の御出席を得ましたので、まず最初農林大臣から御自身わざわざアメリカに出向かれて交渉に当られました趣旨交渉経過及び結果、並びに今後の方針等につきまして御説明を伺い、続いて質疑に入り、これらの問題を明らかにいたすことにしたいと存じます。
  16. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 最初に御あいさつ申し上げます。御承知通り休会後しばらく海外に参りまして留守をいたしましたので、いろいろ御審議等に御迷惑をかけたことがあったかもしれませんが、また本日はよんどころない用事のために出席がおくれましていろいろ御迷惑をかけまして相済みませんでした。  ただいま委員長から余剰農産物受け入れについて、これが交渉てんまつ並びにこれに対する各般の問題について御説明を申し上げるようにということでございましたが、政府におきましては御承知通り明年度余剰農産物受け入れにつきましては、今年度余剰農産物受け入れの経緯、並びに国会方面の御要望等も十分考慮いたしまして、基本的に考えましたことは、これはもう申し上げるまでもないのでありますが、必要の最小限度受け入れよう、それから受け入れ方に当ってはその円資金農業関係に少くとも半分以上のものを使うようにしようということを大体基本的な考えにして案を立てたのでございます。そうしてその案に基いてアメリカ側折衝をすることにいたしまして、私の出発する前に大体高碕君米国の駐日機関との間にいろいろ話し合いをいたしまして、その話し合いの進行の状態を受け継ぎまして、私がワシントンに参りまして、アメリカのそれぞれの機関話し合いをいたしたのでございます。私が出発いたしますときには、十分アメリカのそれぞれの機関に直接にこちら側の要望を率直に申し入れしまして、そうしてアメリカ側善処を促すという程度で実は話し合いは終るだろうという期待を持って向うに参ったのでございます。ところが御承知通り重光外務大臣中心とする日米交渉経過から見まして、非常にアメリカ側といたしましては、こちら側のいろいろな申し入れをなるべく聞き入れるというような、非常に、何と申しますか、善意にすべての問題を片づけることに協力するというような方向にありますので、話が私の希望条件もしくは意見向う申し入れをいたしましたものを、ほとんどの点についてこちらの言う通り向うは応諾するというような結果が、交渉中に出たわけでございます。従いましていろいろあとから御質問によってお答えいたしますが、まずこちらの予期しておった程度の問題をほとんど向う側としては了承するというような結果になりましたので、まずこの辺で交渉を妥結することが妥当であろうと考えまして、新聞ですでに御承知通りの結果をもって、両国の間の取りまとめといたして参ったわけでございます。その他いずれ議会に提案をいたしまして、詳細は御審議願うことになろうと考えまして、その際にまた申し上げなければならぬだろうと思いまけすれども、従いまして、ただいま申し上げまする農村関係にこの円資金を使用するということにつきましては、これは何もアメリカ了解を得てやることじゃございませんが、一応基本的には大ワクは話し合うということになっておりますので、その大ワクすなわち愛知用水あるいは土地改良費については前年総額の一割ということになっておりましたものを、今年は二割にいたそうということにいたして、私といたしましては、大体相当積極的に仕事をしなければならぬ考えから、二割の資金が要るようであるという考えのもとに、二割を使うという申し入れをしましたところが、二割使うことに異存はないというので、この点は取りまとめをいたしました。その他たとえば山林関係でありますとか、水産関係、肥料関係、テンサイ糖というようなおよそ私が今後の農林行政を運営いたしますのに必要な資金、これらに使うことについては、むろん先方でとやかく異存があろうはずもなし、大ワクおいて大体半分程度のものを使うということについては、むろんこれには正式に会談によってきめるものでございませんが、話し合いをいたしましたが、大へんけっこうだというようなことで、いずれも了承……了承ということは悪いと思いますが、向うは賛成をしておるというのが実情でございまして、従って明年度予算の編成、また明年度の事業の計画に当りましては、これらの資金を使いまして、具体的に、全般的に農林漁業の振興にこの金を使ってやって参りたいと、こう考えておるわけであります。その他いろいろございましょうが、お尋ねによりましてお答えを申し上げたいと思います。
  17. 清澤俊英

    清澤俊英君 長く御苦労様でございます。今お伺いしておりますと、買い入れ数量等については、必要最小限度、それから円資金に対しては半分以上を農業用に使いたいという基本的な考えで行かれたというが、その基本は、資金が、買入れが基本になりますのか、農産物の必要性がまず基本になって、その基本を立てられたのか、そのどちらかということがまず一つ。  それから第二番目にお伺いしたいことは、大体行かれます際に立てられた基本計画、こういうものを買うというような基本計画と、あちらに行って交渉をせられたあとで、それが変更せられた点がありましたらそれをお伺いしたい。  それから第三番目には、あちらで大臣は仮調印をしてこられたように新聞に見えておりますが、そのことは当然閣議等の決定であちらにおられて仮調印の権限を付与せられた、こう私ども考えておりますが、その点がどうなっておるか、これを一つお伺いしておきたい。と申しますことは、実はもう大臣が帰られる両三日前かと思いますが、大体新聞等にもそういう意見がありますので、官房長官に仮調印のことについて大体どんなワクで仮調印させるつもりなのか、その点をお伺いしようと思いましたところ、そういう事実はないのだと官房長官は言うて、この農林委員会にそれを報告することを全く拒否せられておる。そういう事実がありますので、従っていつの時期か、そういうことがもし国内から出先の大臣に連絡があったとしますならば、その時期も一つ教えていただきたい、こう思います。
  18. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えいたしますが、順序はばらばらになりますが、仮調印の時期は私がこちらに帰って参りまして、閣議報告をいたしまして、閣議了解を得て仮調印の指令を向うに出しまして、仮調印をいたしたことになっております。よろしうございますか。  それから数量でございますが、数量は日本農産物として必要数量をはじき出しまして、その範囲内におい余剰農産物として受け入れに妥当な数量を基礎にして計算をしました。私が持って参りました数字と、向うに行って違った数字と申しますのは、大豆を買うつもりでおりましたが、飼料用大豆は向う余剰農産物としての受け入れが未確定であって、これは十一月以後にならなければ、それが余剰農産物として政府が収納するかどうかはわからないから、そのあとの話にしてほしい、これは今は日本余剰農産物として渡すということの約束は困難であるということになりましたので、これはやめにいたしました。それから飼料用として小麦を五万トン、トウモロコシ、コウリャンを六万トンということに考えて参りましたが、これはアメリカ側意見をいれまして、小麦、トウモロコシ、コウリャンというものを、品種別に数量をきめないで、日本が今後の事情によってほしいものを十一万トンを限度にアメリカ側は渡そうということにして、飼料用小麦が入り用であれば、飼料用小麦で五万トンと予定しておりましたのを八万トンもらうものもありましょうし、トウモロコシ、コウリャンを六万トンと予定しましたものを、これらをふやしてもらう場合もある。これは今後の日本の飼料需要の状況によって先方から受け入れるということにいたしまして、これはその案の方が妥当であると考えましたから、この数字を変更いたしました。小麦、大麦、大豆、コウリャン、トウモロコシにつきましては今申し上げた点が変更の点でございました。その他に変更はございません。  それから問題は綿花でございますが、綿花は実は私は不案内で、あまりよく事情がわかりませんので、特に通産省の繊維局長の同行を求めまして、この繊維局長中心に、わが国の繊維事情等を十分勘案していただきまして、そして本国政府の方と十分連絡の上で最終的に、数字は皆さんのお手元に差し上げてあるかもしれませんが、日本側の希望は、日本の繊維事情からいたしまして、明年度の綿花の使用量は大体一割減ぐらいになるだろうということが日本政府のそろばんでございます。そういうことであるから、アメリカ側としてもアメリカ綿を日本に輸入する分は前年の一割減、八十八万俵の一割減、八十万俵ぐらいを日本に、これは余剰と言わず一般全部、トータルが八十万俵ぐらいのものを日本に買ってほしい、前年度の使用量の一割減が日本の需要量だということであるならば、アメリカの分も平均して一割減ぐらい買ってほしいというのがアメリカ側の希望でございました。それに対しまして米綿は価格の点から申しましても品種の点から申しましても、日本ではもう少し……、それだけのものを買うことはどうもなかなか無理だろう、日本の需要がそれだけはなかなかないだろうというようなことで、それこれ話し合いました結果、日本の通産当局の御意見を拝聴いたしまして、通産当局の最終決定案をもって、これだけは日本として買おうということを決定いたしましたのがここに最終にとりきめました数字でございます。この点が多少出て参りましたときとは違っております。  それからあともう一つはタバコでございます。タバコにつきましては日本の専売公社並びに大蔵当局からは、タバコが豊作でもあるし、前年度の持ち越しも相当あるから今年は買いたくない、買う必要はないということでございましたが、これはタバコは買わない、必要ないということでいろいろ話をいたしましたが、だんだん各種の情勢を勘案いたしまして、昨年余剰として約二千八百トン、二千七百何トン買っておりますが、この約半分の千何百トンぐらいを一つそれじゃ買おうということで、これを変更してとりきめをしたということでございます。
  19. 千田正

    千田正君 今のタバコの問題ですが、御承知通り日本のタバコ耕作も非常に進んで参りまして、昨年はバーレー種が海外に輸出されておる、こういう状況なのである。さらに東北その他の比較的寒冷地帯と称せられる方面に向って、耕作面積の拡張を考えておるやさきなんですが、この葉タバコを輸入することによって、耕作面積の拡張であるとか、あるいはバーレー種の品種の改良というような問題に対して、影響を与えるかどうかということを、われわれは与えるのじゃないかということを心配しているのですが、その点は農林大臣はどうお考えでありますか。
  20. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私はこの程度の数字を入れましても別に今お話のようなことにはならなかろう。これは昨年からタバコの何か、ピースであるとかというようなものの売れ行きが非常に落ちておるということのために、米葉の消費が少し落ちているということだそうでありまして、これが少し消費関係が違ってくれば、すぐ入り用になるというような事情等も勘案いたしましていたしましたのでございまして、これをこの程度入れるからといって、それが非常にわが国のタバコ耕作面積云々であるとか、それからタバコの改良云々であるとかというようなことに影響のあるほどの数字とは、少しこれは独断で恐縮でございますが、影響はないという考えのもとに取きめをいたしましたのでございまして、これについていろいろ各方面で御批判もあるようでございますが、私は昨年に比べて、この程度のことはそう大したことはない。しかも帰りまして大蔵当局に説明しましたところが、大蔵当局もこれに同意を与えまして、最終決定をいたした次第でございます。
  21. 戸叶武

    戸叶武君 今のタバコの問題ですが、農林大臣は当初はタバコは買わないという方針であったが、アメリカとの交渉の過程において、昨年の半分くらいは買ってもよいだろうということに妥結したようでありますが、タバコはすでにストックが三年分もあるという説がありますが、現在農林大臣も、手持ちは相当あると言っておりますが、どのくらい手持ちはあるのですか。
  22. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) タバコは原料を、元来相当長期にわたっての原料を持っていることが慣例でございました。それが特別にひどく余っているということではないように考えております。
  23. 戸叶武

    戸叶武君 長期にわたってといっても、やはりタバコの品質の変化、そういう点も考えて、やはり三年以上ものストックを持っているということは、これはむだなことだと思うのですが、そういうところに少し無理があるのじゃないでしょうか。
  24. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今申し上げましたように私も専門家でありませんから、よくはっきりしたことは申し上げかねますが、消費が昨年から、これを原料にする消費が落ちた。これは永久にそれじゃ消費が落ちるものか、私はそうは考えませんので、消費の関係に変化があればすぐに入り用になるものであって、今申し上げますように、昨年買い入れたものの半額を買い入れようということでございまして、しかもこれはもし要らなければ使わなくて一向差しつかえない、極端なことを申しますれば……。という場合にはどういう影響が起ってくるかと申しますと、円資金関係で影響が起ってくる。このタバコを日本で買わないからそれじゃ要らないものを買う必要はないじゃないか。要らないものなら私は買わぬでいいと思うのであります。むろん買う必要もないと思うのであります。その場合にそれじゃ予算関係でどうなるか、その円資金に狂いがくるということでありまして、その円資金最終的に狂いがきたときに、これはひとりタバコだけではないのでありまして、ほかの受け入れ農産物につきましてもそういうことが言えるのじゃないか。これは余剰農産物受け入れの全体について、そういうことは大体確実な計算の上に立ってやっておるのでありまするから、そういうことは万々ないはずでございますけれども、異常な場合にはそういう事態が起らぬとも限らぬ。たとえて申しますれば、米綿の消費につきましても、米綿の消費が非常に変化を来たしてくる、そして一般と余剰の分の買い入れについてそれだけ必要がなくなってくるというような場合は絶対にないかというと、私は絶対にないと言い切ることはできないだろうと思うのでありまして、従って今お話の通りそういうむだなものを買っても、これ以上わが国の米葉の消費がますます減って行く、で、今持っているものがさらにストックになるというようなことが、将来の見通しとして出てきます場合には、あらためて考慮していいのじゃないか。一ぺん契約した以上は絶対にこれは買わなければならぬものだというほど厳格に考えなければならぬものじゃないのじゃないかという気持も私はするわけでございます。ただしその場合には、今も申し上げました通り受け入れ円資金に変更を来たしてくる、受け入れ円資金に変更を来たした場合はどうなるかという問題は、むろん重大な問題として起りますけれども、従ってこれは十分な計算の上に立ってやることでございますが、今おっしゃるように、将来においてさらに一そう消費が減退するようになれば、タバコのことでございますから、食糧と違いますから、必要ないのじゃないか、というような事態は、皆無というわけには参らぬ、こういうふうに私は考えるわけであります。
  25. 戸叶武

    戸叶武君 必要がない場合には買わなくてもいいのではないかという農林大臣の見解が正式に披瀝されたので安心しておるのでありますが、それとからみ合せて、この円資金関係に非常に影響があるから、こういうことをのまざるを得なかったのだというところに、それでは当初の農林大臣が持っていった案というものは、この円資金というものの関係を考慮しないで日本側だけの主張を単に盛り上げたというだけの、そういう簡単なものだったのですか。そうでなくて、私はやはりアメリカ側との今までの折衝の過程において、ある程度の妥結できるという点を固めて、そうしてアメリカへ行って農林大臣折衝されたのだと思いますが、アメリカに行っての折衝の結果というものは、こちら側から持って行った案から見ると、ずいぶん変っていると思うのですが、それは、こちら側における交渉アメリカに行ってからの交渉というものは、その間に大きな変化があったのでしょうか。
  26. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと私関連してお尋ねしておきますが、この買い入れなかった場合には円資金に影響があるという場合に、もともとわれわれの方が余剰農産物受け入れのときには、円資金農業関係、ということは、農業関係がやはりいわば被害者であるというような立場から言っておるわけでして、そこでたとえば綿花のような場合には、これは日本農業とは直接の関係がありませんので、綿花の買い入れが減った場合に円資金に影響を及ぼすという場合には、それは別途まあ話し合いがされておるところの農業関係へ投資される円資金でなしに、その他の方面への円資金に影響すると、こうも解釈されますが、そう解釈してもよろしうございますか。
  27. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えいたします。これは今後政府予算を編成いたしますまたは国策を遂行いたします上におきまして、昨年と違います点は、電源開発の資金を大幅に減して、これを農村関係の方に回そうと、こういうふうに考えておるわけでございますが、その際に、綿花の資金が、買い入れが減った場合に、それは農業関係の方も減すかどうかということは、必要性の順位において減すべきであって、今ただちにこれを按分して減そうとか何とかいうようなわけにはいかぬのじゃないか、しかし私といたしましてはこの受け入れました円資金の少くとも最小限度、半額以上のものは、議会関係の御要望もございますし、また私としてもぜひこれは農村関係に使うべきものだというふうに考えておりますので、その線は維持して参りたいと、こう考えておるわけでございます。  今お尋ねの円資金に狂いがあるということは、ちょっと私の申し上げましたことと少し食い違いがあるようでございますが、私の申し上げましたのは、今委員長のお尋ねのように葉タバコの買い入れ数量が、必要が全然ないということで、買い入れ数量が減った場合には円資金にその影響があるということは考えなければなりませんけれども、日米間の問題としてそれを買わないからどうだというような、他の問題に私は影響があるとは考えないと、逆のお答えから申せばそういうふうにお答えしたのであって、しかしこれはどこまでもわれわれとしては確実なつかみにおいてこの契約をしておりますので、これだけのものは当然受け入れてこれは消費されるべきものだ、消費の必要な限度においてやったのだ、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
  28. 戸叶武

    戸叶武君 タバコの問題ですが、農林大臣は、できた結果から独自な見解を述べておりますけれども、社会秩序が回復して安定期に入ってくると、やはり嗜好品というものの範囲も拡大されて、タバコなんかはやはり今までのような調子では伸び悩んでくるというのは、私は当然だと思うのです。それにもかかわらず、まだピースが、嗜好が変ればというのですが、そのタバコをやたらにこれ以上日本人に吸わせる、これ以上数が増大するというような考え方でもっていけば、私は非常な間違いが起るのじゃないか、これは見解の相違だと言えばそれまででありますけれども、ただタバコを買わされてきたものだから、それに都合のよい弁解の辞をそこに述べるというだけでは納得がいかないのじゃないかと思いますが、そういう考え方で当初からタバコに対して対処しているかどうか。この点はやはりあらためて農林大臣からお聞きしたいと思います。アメリカへ行って協定した結果からそういう御見解を御発表になったのか、それとも、当初からタバコはもっと購買力が増大するものだというふうな見解の上に立っておられるのか。
  29. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私はあえて購買力が非常に増大するという考えは持っておりませんが、近時世の中が非常に不景気になって、ピースの一般の消費はともかくとして、高価なタバコの消費が落ちておるという関係からそういうふうになっておるということをよく聞いておりましたので、それは当然もと通りに復活するのじゃなかろうかというような考えを持っておりました。専門家でありませんから、この点についてのお答えは、別に一つ専門家をわずらわしたいと思いますが、しかし何にいたしましても、昨年買い入れました数量の約半額の数量でございますから、これは当然この程度のものは消費されるものだという見解に立って取りきめをいたしましたということでございます。
  30. 千田正

    千田正君 農林大臣には、最初これはタバコを買い付けるというお考えはおありになっておいでになったのですか。私はむしろアメリカおいでになってからいろいろ折衝の過程に、アメリカ側がタバコを買ってほしい、あるいはこれは州はどこか知りませんが、バージニア州かどうかわかりませんが、このタバコの生産地において、向うとしては相当豊作であると、だからこれをぜひ日本側に買ってほしいという向う側の意向によって変ってきたのですか。最初からやはりタバコを買い入れるという考えを持っておいでになったのですか。
  31. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 率直に申し上げますが、私自身としてはことさらにタバコについて買い入れをやめるというような必要はない、買うなら買ってよろしいという気持でおったわけであります。この程度のタバコを買っても、これで決してアメリカのバージニア州がこれで救済されるとかいう数字じゃなかろうと思うのでして、決してアメリカのこれだけの葉タバコを買い付けて、アメリカ余剰農産物の方のタバコの数字が悪くなるとかよくなるという数字ではないと思うのでありまして、その点は御了解願いたいと思います。これを買わされた買わされたとおっしゃいますけれども、これはアメリカが買わしておいて、非常にアメリカ側が得意になるほどの数字じゃないということは御了解願いたいと思っております。
  32. 千田正

    千田正君 それはもちろん私自身としましても、バージニア州の千五百トンぐらいのものは、日本が買ったからといってどうというわけではないのですが、初めからあなたが余剰農産物の中にタバコを、向うから申し入れがあった場合には買ってもよいというお考えがおありになったかどうか。そういう場合には、国内のタバコの生産者、たとえば耕作者に影響を及ぼさないという程度の数量で買い付けようという、こういうお考えおいでになったのかどうかということなんです。先ほどのお答えによるというと、昨年は二千七百トン、今年は千五百トンだから、半分ぐらいのことでありますから、大して国内のタバコの生産者、あるいはその他の問題には大した影響がないからこれを承諾してきたのだというまあ御見解のようでありますが、それならそれでけっこうでありますが、私はこれから農林大臣にお願いしたいのは、せっかく単作地帯におけるところのタバコの耕作の面積を拡張していって、さらに日本側から改良されたアメリカのバーレー種の葉を輸出していこう、最近輸出が好調になってきたこういうときに、あらためてアメリカからこういうものを買ってまで状況を転換させる必要はないじゃないか、私はそういう見解を持っております。幸いにしてただいまの御答弁によるとそういう耕作者に迷惑をかけず、さらに耕作反別の折衝ということもせず善処していこうというお考えのようであるからけっこうでありますが、当初からそういうタバコの問題がお考えの中にあっていらしたのかどうかということをもう一ぺんお尋ねしたいと思うのであります。
  33. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) あまり行き過ぎた御答弁を申し上げては恐縮になるかもしれませんが、私は米価その他主要農産物の価格の決定と、葉タバコの収買価格の決定の間に同一の基準がないということは、農業政策運用上遺憾であるということをかねて考えております一人でございます。そういう見地に立ちまして、葉タバコの耕作は他の農作物の耕作よりも比較的有利に取り扱われておる。でありますから、国内において葉タバコの耕作を要望する農民が多い、これを手放しにふやすということには同意しかねる点があります。そういう見地に立って基本的に農業政策は遂行していかなければならぬのではなかろうか、これが今回タバコもくるめた農産物価格を一つ十分検討してみようということを提唱いたしまして、企画庁中心にして農産物の価格の調査をする審議会を作りましたゆえんでございます。従いまして今タバコを作って海外に輸出する、私はけっこうなことと考えます。しかしそれが行き過ぎて一般の農作物に影響があるということは、むろん考えなければなりませんので、彼此相勘案いたしまして、まずまず前年度通りのタバコの輸入とは決して申しません、決して申しませんが、消費が落ちておるから半分ぐらいのものは買ってもいいのじゃないか、これを全然断わって国内でタバコの耕作の奨励をするというようなことになりますことは、現状のままでは必ずしも私は手放しで賛成できないというようなことも、実は私の思想の中には多少あったわけでございます。これらの点については御了承いただきたいと思います。
  34. 森崎隆

    森崎隆君 タバコの問題でもう一点結論的な意味で御答弁をいただきたいと思います。これは結局交渉の過程で、アメリカからやはりこの程度要求なら日本としては無理がないのではないかということで、当時の新聞の報道のように、押しつけられたものであるか、それともまあ農林大臣としては初めから腹ぐみとしてこの程度の抱き合せはよろしいという気持で行ったのか、その点を一つはっきりお伺いしたい。  第二点は、アメリカ経済から手数百トン程度のものはこれは問題でないということは、これは大臣がおっしゃった通りだと思いますが、翻って日本経済から考えますと、私はやはりこれなりに相当の影響はあると思いますが、ことに現在のデフレ経済の中におきましては、もう切り詰められるものは切り詰めていかなければならないことは、いまさら言わなくてもわかっておる点であるし、農林予算自体としても年々歳々縮減されて来ておる。そういう場合にはやはり為政者としてはどんなささいのものにつきましても、不必要のものは不必要なものとしてこれは節減することは当然である。この葉タバコの輸入につきましては大したことはないという考えで、現在の政府がとっておる緊縮財政措置の方針とこれは合致しているものかどうか、この二点を一つ伺いたい。
  35. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えいたします。私は先ほど来申し上げますように、要らんものを買う、向うが買ってくれと言うから買うということはこれは絶対すべきものではない。これはもう申し上げるまでもないと思います。出かけますときの腹づもりといたしましては、米も向うがどうしても買ってくれと言えば買ってもいいではないかということが私の腹づもりであったのであります。これについても要望はありました。ありましたけれども、これは買わない。しかし、ただ私は加州米は必要がありますから、これは買うことがいいじゃないかと思っております。しかし余剰農産物として受け入れの約束はする必要はないというので、これはやめたのであります。タバコについても同様であります。決して要らないものを買う必要はないのであります。これは入り用があるという場合に買う。決して、去年まで約二千八百万トンのものを買ったのが今年は全然要らないというような事態があろうとは考えませんので、これは必要は必ずあるのだというふうに、しかもそれを前年度通り向うはタバコは買ってくれるものとアメリカの方では思っておったようであります。しかしそれはおれの方では要らないのだ、ということで、しかしまあ、ということで、それじゃ半分ぐらいは買いましょうということにしたので、これは要らないというものを買うという気持は毛頭持っておりません。それは交渉全体の関連性から考えて、そして今申しますように、必要の最小限度のものを約束した、こういうふうに御了承をいただきたいと思うのであります。
  36. 田中啓一

    田中啓一君 三種質問がございますので一つずつお伺いしたいと思いますが、先ほど大豆の話がございました。これはまだ時期が、アメリカ余剰農産物として持てるか持てないかわからぬので、というお話でありましたが、もうすでに仮調印が行われましたのですし、今後アメリカが大豆を余剰農産物として持った場合でも、もはや余剰農産物としてお買いになる余地がないのではないかというふうにお話を伺いましたのですが、しかしまだそこがどうもはっきりしませんようでありましたが、その関係はどうなんですか。
  37. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 総額としてどういうことになるか私もあまり専門家ではありませんからわかりませんが、私が交渉いたしました交渉経過はいま申し上げましたようにまだ作柄が、九月一日でしたかの作況報告によると非常に悪い。八月のやつはよかったけれども九月は悪いから予定だけのものがとれないと……、なかった場合に約束はできないからこの話はペンディングしておこうということで、もし日本側に希望があるならば余剰農産物アメリカ受け入れた際にはあらためて話をしようということにいたしまして、これはあと回しにして他のものをきめたということでございます。従ってもしこちらが大豆について向うもその後豊作で余剰農産物アメリカ政府受け入れた、こちらの方も大豆をどうせ六十万トンか四十万トン入り用なものであるなら一つ余剰農産物として買って円資金一つ使おうじゃないかということが必要であるということになれば、交渉をすれば向うは応じてくれるという態勢にあるということに御了解願っていいのではないかと思います。
  38. 田中啓一

    田中啓一君 大豆の件はわかりました。よくわかりました。  それから贈与分のお話でございますが、今年も脱脂粉乳が主であるというようにこれまで伺っておりましたのですが、贈与分は何と何とになりましたか。それと同時に脱脂粉乳が主でありますが、今後これをどう持って行くか。来年の話は来年の話だとすればそれまででありますけれども、まあ一方におい大臣も一生懸命酪農の振興をはかっておられるわけであります。牛乳はおそらく急速に増加して行くであろうと思われます。が、なかなか消費との関係は必ずしもうまくいかないわけで、まあ学童用になま牛乳なり、あるいは国産の乳製品を使わせるなりいろいろそこに問題があろうと思うのです。だからまあ非常にこの問題に重大な関心を持っておられ、かつまた将来日本農業の発展の一つの方向として多大の望みを有しておられるわけでありますから、大よそだんだんこの問題はこうなって来るべきだというふうなこともお考えになっておるだろうと思うわけであります。そういった点を贈与分が何何幾らだということと合せてお示しを願えればけっこうだと思います。
  39. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 実は贈与の分につきましては今年度の分の何といいますか、協定の実施につきまして両者の間に意見の一致しない点があるようであります。それは学童の贈与の綿花の処理について意見の一致しない点があるようであります。御承知通り米についても意見の一致を見ない点があったのでありますけれども、これはまあ私向うへ行きましてこちらの言う通り向うがむろん同意をいたしまして解決をしたのでございます。いまの綿花の点については私は不案内だったからその点については交渉をいたさなかったわけであります。従って贈与分については今年度分がまだ未決定の分があるものですから、そこでそれを取りきめました上で明年度分についての話し合いをしようということで、それについてはまだ話し合いは全然いたしておりません。引き続き向うは贈与分について今年同様いたすという意味は表示いたしておりますけれども、その内容その他につきましては一切これに触れずに今年度分の取りきめが済んだ後に引き続き明年度の贈与分について話し合いをしようということで別れて参りましたので、ただいま田中さんからお尋ねの点については触れておりません。
  40. 田中啓一

    田中啓一君 今の今年が未決定だということはわかりますですが、しかし金額だけはきまっているのじゃないかと思うのですが、それも未決定でありますか。そういう点も明らかにしていただきたいのが一つ
  41. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今年ですか。
  42. 田中啓一

    田中啓一君 はあ。つまり今新らしく協定した分です。あとでよろしゅうございます。  もう一つは、今の……どうせこれはまた脱脂粉乳が主となるでありましょうが、国内の酪農振興とどういう関係になってるかということについての大臣の御意向を……。
  43. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今年度ですか。
  44. 田中啓一

    田中啓一君 今年以降です。
  45. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今年度分の贈与の金額はきまっておる、これはもちろんきまっております。
  46. 田中啓一

    田中啓一君 幾らですか。
  47. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 田中さんのは三十一年度分のことをおっしゃったのじゃないですか。
  48. 田中啓一

    田中啓一君 三十一年度です。
  49. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 三十一年度分はきまって御承認を受けた通りです。総額はきまっておりますが、その中の贈与分の使用について……。
  50. 江田三郎

    委員長江田三郎君) いや、田中君の質問は、今度の新らしい仮調印をした分に対しての……。
  51. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) それは全然話に入っておりません。それは今申し上げた通りに明年度の分につきましては、今年きめた分がその使用方法についていろいろ意見の相違がある点がありますので、これがまだ未了解の分がありますから、それがすっかりきまった上で明年度の分については話し合いをしようじゃないかということで、全然それには入っておりません。
  52. 清澤俊英

    清澤俊英君 関連で……。そうしますと金額や贈与品はわからないが、とにかくある量の贈与があることは、これは話し合いはできておりますね。
  53. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 間違いありません。
  54. 田中啓一

    田中啓一君 もう一つお伺いしたいのは、たとえば今年、明年度の分として今仮調印をされた分の中の綿花十万俵、あるいは葉タバコ千五百トン、それに対して綿花二千万ドルとか、あるいは葉タバコ二千八百万ドルというような金額の数字があるわけでありますが、そうしてこれは国際価格によるのだと、こういうことにもなっているようでありますが、国際価格というのは変動するわけでありますから、安くなれば金額の方を押えて量がふえることになるのでありますか、それとも数量の方を押えて金額が減ることになるのでありますか、そういった点を一つお伺いしたいわけです。  それからなお、それはひいて小麦や大麦についてもあり得るわけでございまして、結局総じてこういうものはどっちをどうお動かしになるのでありますか。一応不安定の要素が三つあるわけですね、国際価格と数量と、それからおおよその配分の金額と、三つあるわけでありまして、どうこれが動く関係になりますか、それをお伺いしたい。
  55. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと関連してお聞きしますが、競争価格ということになっておりましても、これでまたトラブルを起すようなおそれもあるわけですが、まあそれを、三十年度の分は米について問題があったのをこの間解決をされたと、こういうことでございましたが、三十年度の米をどういう価格で解決をなさったか。それから一体今度の場合には金額で表示してありますけれども、大体の基準になる価格というようなものを想定されておるかどうかという点。それからもう一つは、この金額から当然大臣とせられては数量——金額でなしに麦の数量、そういうものを頭の中においておられると思うのですが、それは三十一年度の食糧の需給計画というものがあって考えられたのか、あるいはこの需給計画というものはこの数量をもとにしてお立てになるのか、どちらかということなんです。というのは私たち考えましても、小麦にしろ大麦にしろ昨年よりは今度の協定の額の方が金額にして多いわけでありまして、麦の場合には国内の需要を考え、麦でも米でもそうですが、むしろ他の通常の取引もあることですから、余剰農産物で入るものがあまり多いことはかえってこれは必要とは逆な方向に行っているのじゃないかというような印象も受けますが、こういうような金額をもとにしての出て来る一つの標準的な数字、そういうものを織り込んだ三十一年度の需給計画というものはお立てになってやっておられたのかどうか、そういう点はどうでしょうか。
  56. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 最初田中さんのお尋ねになりました点についてお答えいたします。  大体昨年と同様なケースでやったのでございまして、まず需給に必要な数字を出しまして、そしてそれをきめまして、それを時価——すなわち想定できる価格でこれを金額にかえまして、そうして金額できめておる。そういたしませぬと円資金受け入れ等につきまして不安定になりますから、一応その方に基礎を置いてやっておる。これは昨年と同じケースでございます。従って暴落すれば数量が非常に多くなることもあり得るわけでございますが、そういう場合にはあらためて考え直していいのではないかというふうに考えます。  それから委員長のお尋ねでございますが、むろんこちらの需給を基礎にして、そうしてどのくらいのものが入り用だろうかということをまず第一に考えまして、御説明申し上げました通りに大体四十五万トンというものの需給から計算しまして出しまして、それを取りきめいたしまして、今申し上げますような金額に算定いたしまして、それを金額として表示したわけでございます。  それから世界の市場価格ということになって来ますと米について意見がある、その通りでございますが、これは大体こういうふうに考えております。また今年の米の買い入れに当りましては一般として政府が入札いたしまして、それで一般としてあちらの米を買っております。その米の価格をもってアメリカ農産物を勘案して買うということにいたしておるわけであります。今年の決定もそういうことにしたわけです。
  57. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと今の小麦四十五万トンという場合の需給計画はあとで資料として出していただけますか。
  58. 清井正

    説明員(清井正君) 御承知通り余剰農産物の問題は七月から六月までのアメリカの会計年度の間で処理いたすことになっております。また私の方の需給計画は御承知通り米については同様に十一月から十月の食糧年度でいたしておりますので、その関係で私どもこの数字をとりましたにつきましては、最近小麦の関係の製品の消費が非常にふえております。また大麦についても同様に消費が伸びておりますので、そういうような傾向を勘案いたしましてこの程度の数字であれば、当然価格に影響なくして余剰あるいは通常としてアメリカから受け入れられるということで数字を決定いたしたような次第でありまして、今後の七月−六月あるいは十一月−十月にわたりまする需給計画につきましてはもう少し諸般の要素というものを見て決定いたしたいと思っております。傾向といたしましては相当需要がふえておるのでありますから、この程度は十分消化できるのではないかと思います。
  59. 江田三郎

    委員長江田三郎君) もう一ぺんお尋ねしておきますが、とにかく本年度の小麦は三十四万トンだったわけで、それに比べますと今年は相当ふえるわけで、そこで麦の需要というものはふえておるということをおっしゃいましたが、今後これから豊作での米という問題もあるわけでして、なかなかそう私簡単ではないと思うのです。で、大臣の方でこういうような数字を協定されまする以上、国内の需給を考えてと……もちろんそういうお考えがなければできぬことですが、そうすると大体正式の……三十一年度の需給計画というものはあとになりましても、ほぼこういう協定をされるときの基礎になった腹がまえの数字というものはあるはずと思う。それは資料としてお出しを願えませんか。
  60. 清井正

    説明員(清井正君) ただいま手元に資料を持っておりませんのではっきりした数字を申し上げかねますが、ただいま大臣から申し上げたような趣旨おいて支障なしということでいたしたのでありまして、ただいまはあくまでも想定の数字になりますが、さようなわけで想定の数字であるということを御了解願いまして、後刻また数字を提出したいと思っております。
  61. 戸叶武

    戸叶武君 それに関連をして申したいのですが、やはり飼料用穀物を十一万トン買い入れることは十一月以後にというような大臣の話でしたけれども、私は去年の暮から今年の初めアメリカに行ったときアメリカン・ソサエティーの人々と懇談する機会もあったのですが、アメリカ政府余剰農産物の処置の問題、特に農産物の価格の安定及び売り込みの問題、そういう点ではどうも商業主義的な大量生産に入っておる。小麦の生産者の利益を重点的に擁護するという建前に立って、中以下といわれておるところのこの酪農関係には、それから見ると施策に非常な差別があると思う。そういうところに酪農の製品というものが非常に価格が低落していく。海外に対しては結局ダンピングのような方式で入っていくようになっているというお話も漏れ承わっておるのですが、そういう関係関係があるかどうか知りませんが、小麦の方は非常に昨年よりは十一万トンも多く売りつけられておりますが、この飼料の問題も、アメリカにおける今の酪農関係の状態から見るならば、当然安く日本には入ってきてしかるべきものだと思いますが、今まで農林大臣は酪農振興には非常に力を入れておりますが、日本の酪農業者が一番悩んでいたのは、飼料の独占によるところの価格が高いことによって非常に苦しめられていたことと、もう一つアメリカから酪農製品のダンピングが行われて、日本市場が荒されていること、そういうことで酪農ということが非常に行き悩んで、一面においては森永、明治というような独占の横暴によって、事実上において酪農というものが振興はかけ声だけで進んでいない。こういう矛盾を今日本の酪農界ははらんでいると思うのです。それであるから、この問題に非常に力を入れている農林大臣のことだから、当然せめて飼料だけでもずっと安く入れることによって、日本の酪農に息をつかせなければならないという熱意を当然持ってアメリカ折衝されたと思うのですが、その見通しはどうなっているか。十一月ごろでなければはっきりしないと言われておりますが、若干の見通しはやはり持たれておると思うのですが、それを承わりたいと思います。これは日本の酪農界に対する影響というものが非常にあると思うのです。  もう一点は、やはり綿花の問題で、綿花を五万俵程度でというのを、十万俵買った。しかも昨年度から比較して、二十万俵くらいは少くとも要るのではないかと言われている際に、こういうふうな買い方をしている。このことは日本が綿花をパキスタンなり、インドなり、メキシコから買い付けている関係上、当然インド、パキスタン、メキシコ等から買い付ける綿花が少くならざるを得ない。しかるに貿易上の関連において、インドなり、パキスタンなり、メキシコなりに日本の輸出を盛んにするのには、当然綿花買付というものを少くすることはできないのじゃないか、こういう配慮はどういうふうになされてきたか。その二点を承わっておきたいと思います。
  62. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 初めのえさの点でございますが、これは御注意十分承わっておきますが、価格は御承知通り他の農産物と同じような点で決定されて買い付けることになると思うのであります。  それから綿花の点でございますが、これは実は私は綿花にあまり知識もございませんので、先ほど申し上げました通り、通産当局を同行いたしまして、それの示唆によりまして、この辺で取りきめされることが妥当であろうということに基いて、アメリカの提案を拒否いたしまして、日本側の提案通り最終決定した。むろんそれにはパキスタンでありますとか、その他諸国との間の点も十分勘案してこういう結論を出したということと思うのであります。
  63. 大矢半次郎

    大矢半次郎君 葉タバコの輸入については、先ほどから各委員からいろいろ御質疑がありまして、大体大臣のお考えもわかりましたけれども、なお私一点伺いたいと思います。それはもしも葉タバコの輸入が必要でなければやめてしまってもよろしい、ただ全体の資金計画に狂いがくるとすると、その点を考えなければならぬというお話でありましたが、もしも将来大豆の点につきまして、向うの作柄の関係上、相当輸入ができるというふうになれば、その方面からして全体の資金の問題がまた変ってくると思います。そうなりまするというと、私は第一着にこのいろいろ問題があるところの葉タバコについて、その輸入というものは、もう一ぺんお考え直し願った方がよいのではないか。大臣は葉タバコと他の農産物との価格の比較、それらを検討しなければならぬ。まことにごもっともではありますけれども、一方大蔵省として葉タバコの増産計画を最近非常に熱意を入れているのでありますが、それらとの関連は果してどうなっているか。私はもう少し農林大臣と大蔵大臣のその点について十分御協議なさった上でこれらの点は解決すべきものじゃなかろうか。農林大臣は先ほどの、少し言い過ぎかもしれないが、というお話がありましたが、私は多少その点は懸念される。従ってそういうふうに葉タバコの輸入について問題がある際でありますからして、大豆の輸入が将来多量になった場合には、まずこの葉タバコの輸入そのものを再検討していただきたいと思いますが、その点いかがでしょう。
  64. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 御趣旨十分考慮いたしますが、しかし先ほど来お答え申し上げました通りに、葉タバコにつきましては、大体この程度のものはむろん消費されるだろうということでやりましたので、しかしそれが、繰り返すようになりますけれども、葉タバコの消費の上から言って、こういうものはもう必要ないというようなことであれば、むろん考えなきゃならぬだろうと私は思うのでありますが、大豆を輸入する際に、もう一ぺん考え直したらということは、今ここでにわかに、それじゃそういたしますということはお答え申しかねるのでございます。  それからなおタバコの耕作面積のふえるということにつきましては、先ほど申し上げましたように、これは米の価格を農家の要望する通りに上げるとか、他の農産物について自由販売の方策がとられておりまして、そして政府がまたこれに対しての価格政策を自由にするということであればともかくといたしまして、一方において主食たる米、麦については、相当に政府は制約を加えておりまする現状において、価格の計算に、たとえばタバコにつきましては、生産費プラスある程度の農家の利益を加えて決定しておるようであります。すると、一方の米、麦につきましては、御承知のような価格算定方式をとって、これを基礎にして、いろいろな点を勘案してきめておるのでございますから、そういう点から参りまして、私は大蔵当局が手放しに葉タバコの耕作面積をふやしたくても、にわかに農林大臣としてこれに同意を与えることは困難だということに御了承いただきたいのでありまして、これは皆さんからたびたびお話のあります通りに、わが国の食糧問題解決のために全般的に考慮を払って進んで参らなければなりませんことでございますから、特殊な地方についてはむろん例外はございましょうけれども、全体的には今申し上げたようなことを勘案して決定して参らなければなるまい、こう思うのであります。
  65. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっとお待ち願います。この問題はいろいろまだ御質問があると思いますが、大臣はきょうは一時までという予定になっていますので、どうしても大臣がおられる間に、本年度の米の需給及び管理に関する件を議題にいたしたいと思いますので、いずれ本問題は後日政府から、協定の締結について国会承認を求められるようになると思いますから、その節十分な審議をお願いすることにいたしまして、この米穀の需給及び管理に関する件に移りたいと思いますが、どうでございましょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それじゃそういう工合にいたします。
  67. 千田正

    千田正君 もう一つ伺っておきたいことがあります。
  68. 江田三郎

    委員長江田三郎君) じゃ皆さんの御意向ですから、一つ御勘弁願いまして……。
  69. 千田正

    千田正君 いや、それはわかりますがね。あとほかにきょう以外に、農林大臣の御出席を願って、この休会中にお伺いする件があるのですが、そういう機会はありますか。
  70. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それはまた一つ大臣出席されるように申しておりますから、きょうはそういう予定だそうですから、それじゃただいまの問題につきましては後日あらためて審議をいたしたいと思います。     —————————————
  71. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 次に米穀の、需給及び管理に関する件を議題にいたします。  本年の米穀の需給及び管理、ひいては今後における米穀の管理方式につきまして、いろいろな所説が行われておりまして、生産農民及び消費大衆ともにその帰趨に重大な関心を払っておるのでありますが、たまたま政府は本年産米の超過集荷分の特定価格による希望配給及び第二次予約受付等を決定されたようでありまして、この決定についてもいろいろの批判がございますが、本日この点につきまして大臣から御所見を承わりたいと思います。
  72. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいま委員長からお話のありました点について大体を申し上げてみたいと思います。御承知通り、非常に天候に恵まれまして、未曽有の豊作に直面いたしましたことは、まことに欣快にたえない次第でございます。つきましては、予約集荷制度と申しますか、これもこの条件のもとに予想外に順調に進行いたしまして、御承知通りのような成績をおさめておるのでございます。従いまして、政府といたしましては、ここに集荷を予定されまする四百余万石につきまして、これをいかがいたすべきかということは十分考慮いたしまして、私といたしましては、この集荷されまする数字を直ちに消費者に向ってこれを配給することが妥当であるという考えのもとに、これを増加配給をするということに考えをきめたわけでございます。ただし、その売り渡し価格につきましては、御承知通り、今年の生産者価格を基準にいたしまして、それに各種の諸掛りを加えて一升百二十円が妥当であるということに決定をいたした次第でございます。それに基いてさらに第一次と申しますか、当初の、予約をいたしました当時に比べて、その後ますます天候に恵まれまして、豊作がいよいよ具体的に、しかも現実に多数の米を収穫いたしましたのでございますから、これはかねて当委員会におきましてもたびたび私から意見を申し述べました通りに、豊作の場合にはこれをさらに同一の条件によってこれを買い入れることが当然である、買い入れをいたしますという考えであるということを申し上げました通りに、私は第二次といたしまして、前回と同様の条件、ただしいて申しますれば、すでにもう取り入れておる、取り入れる直前でございますから、前渡金はこれをやめますけれども、その他は前回と同様の条件においてこれを政府に集荷するということに決定をいたして、その方針でやって参りたいと考えておる次第でございます。
  73. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 御質問ございますか。
  74. 奥むめお

    ○奥むめお君 その百二十円になさる根拠数字をお伺いいたしたいと思います。それから消費地で三日、生産地で一日、というこの御計画はどういう御精神でいらっしゃいますか。
  75. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 大体百二十円といたしましたのは、ただいま申し上げましたように、生産者から買い上げました価格に輸送賃でございますとか、保管料でございますとかというようなものの経費を加えました価格は大体百二十円になりますので、しいて申せば政府はこれには一切の負担をいたしませんで、買ったものにかかった金をかけて、それで配給をするということにしたその値段が百二十円でございます。それから消費地で三日、生産地で一日、これは今の四百二十万石を配給いたします場合に、生産地の方はすでに十五日分の内地米が行っておりますので、この方には一日加えまして、消費地の方の内地米八日分のほかに三日を加えるということにいたしましたわけでございます。大体目標をそういうふうにして希望配給をするということにいたしました。
  76. 奥むめお

    ○奥むめお君 大臣も十分御存じと思いますけれども、今年のように豊作でない、むしろ凶作だといわれているときでも生産地では配給の値段を下回って、かえって米屋からとらないでやみ米を買った方が安いという県がたくさんあるわけです。まして今年のような豊作では、農民がおそれていると思いますのは、やみ値が安くなるのじゃないかということですが、これで生産県で一日だけおとりになるという精神がわからないのだけれども、どういう精神か、もう少しくわしくおっしゃっていただきたいと思いますが。
  77. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今御指摘のような事情のところもある。しかしそれが全国ではございませんと私は考えますので、これを今特殊の例をもって、そういうふうに配給値段より安い場合もある、安い所もあったという特殊の例をもって全体を律するわけには参りません。やはり配給価格で受けておられる人、もしくは今度の希望配給を欲せられる人もいる。生産県と申しましても、生産県の都市におきましては、やはり米の配給を非常に大きな要素に考えておられますので、こういうふうな措置が妥当であろう。そこで配給を辞退される人があれば、その配給辞退については別に考えることが妥当であろう、こう考えます。
  78. 奥むめお

    ○奥むめお君 大よそ生産県でどれくらい、何割くらいとると予定を立てて……、消費県でも希望配給を全部とるという予定でございますか、その予定をざっと。
  79. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) むろん私は全部希望があるだろうと考えております。
  80. 奥むめお

    ○奥むめお君 私どもも豊作の喜びは農民とともに消費者にも公平に分けらるべきものだということを常に申しておりましたが、これはすべての消費者が、こんどは豊作だからきっと増配があるだろう、みなそれを待っていた。ところがそれが増配になったときに値を上げられはせぬか、あるいは希望配給になりはせぬかということをおそれていたことがちょうど行われた。で、私若い農林大臣が、米というたった一つ残されている社会保障をすべての人に確保するという線で、今年の豊作になぜこういう制度で発表なすったかということが非常に不満でもあるし、また主食を農林省がこの豊作のときに値上げして、しかも希望配給の形でお出しになるということは、私は政治としては下の下であると私は考える。それからまた政治というものは、希望配給、まあ、タバコ一つにも当らぬじゃないかという、こういう御意見も出ると思うけれども、しかし、やみを絶対に買わないということは、必要な人も買わないし、また買えない人も買わないし、また、相当理論的にもやみを頼らないという人もずいぶんいるわけなんです。政治の非常に不出来な悩みの中で、消費者がだんだんにやみに頼らないで、何とか政府の方針に沿って栄養改善もしていこう、あるいは代用食もとっていこうと思って努力している国民もずいぶんあるわけなんですね。こういう際に私は値上げをして、しかも希望をするならば高く売ってやろうという、この態度は何としても解せないし、多くの家庭の主婦もこれは反対を表明して、今日もここにたくさん婦人団体、四十幾つの婦人団体の代表が来ておりまして、大臣おいでになります前に、その気持をこの委員会に訴えて参りましたが、これについて大臣の御所見を承わりたい。
  81. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これは生産者価格の引き上げをしないで、消費者価格の百八円で配給できるような価格で生産者が十分生産費を償うような条件になっておれば一番私はけっこうだと思いますが、御承知通り生産者の方におきましては、だんだんと生産費が高騰いたしまして、すでに本年決定いたしました一万百六十円をもっていたしましても、必ずしも生産者は満足すべき価格ではないと私は思うのであります。してみれば生産者が生産費を償うだけに十分にすることもなかなか困難であるという現状も考えてみれば、一方において、消費者の側におきましても生産費の高騰は十分お考え願って、そうして他の物価と勘案いたしていただきますれば、私はここに従来の配給量については政府は大体——今年度の米穀特別会計をごらんになればおわかりの通り、大体百億程度のものを一般会計の方からインベントリーとしてくずしてこの会計を充当いたしておるわけでございます。でございますから、これ以上さらに今申し上げまする四百万になるか、さらに予約がふえていけば、さらに希望があれば私は差し上げていいのじゃないか、上げべきじゃなかろうかと私は考えておるのでございますが、それこれ勘案いたしますと、これを従来通りの配給価格で配給するということになりますれば国庫負担が非常に大きくなってそれは今の財政ではとうてい負担し切れない金額になるだろうというふうなことも考えまして、まず生産者が売る値段に今の当然必要である経費だけを加えたもので消費者にこれを差し上げるということが一番妥当ではなかろうかと、こう考えていたしたのでございまして、御希望のような御意見のあることも十分に了承いたしておりますが、一方には配給をやめて統制の方にいくべきだという議論もあり、いろいろな諸説がある中に、私はこういうふうにして中間的にものを考えて持っていくのがいいのじゃなかろうかというふうに考えて決定したわけであります。いろいろ御不満の点もあることも承知いたしておりますが、財政の面、各般の点を勘案いたしましてここらでがまんをしていただきたい。これによって少くとも都市におけるやみ値を下げることだけはできる。従来やみの米を買っておるものは一部だと仰せられるかもしれませんけれども、私は相当過激な労働に従事しておられる人は当然やみの米を買ってやっておられる。ことに今日の労銀の形成をいたしておりまする要素の中にはやみ価格も多少考慮に入れて形成をいたしておるような次第でございますから、すみやかにこのやみ価格を下げて、そうして妥当な価格にこれを引き下げるということが第一に必要なことであるというふうに考えましてこの措置をとったわけでございます。いろいろ御意見もおありと思いますけれども、まあ御了承いただきたいと思うわけでございます。
  82. 奥むめお

    ○奥むめお君 重ねてちょっと私の意見を……。非常に見解の相違であるし、私は政治のために非常にこれを悲しむものでございますけれども、やみ価格は希望配給としてこうなさることによってむしろ上るのだということを私は申し上げてあとに譲りたいと思います。
  83. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) はなはだ意見を差しはさんで恐縮でございますが、私は今の内地米を増加分として百二十円で売り、さらに業務用米を前回申し上げましたように百三十円にいたしておりますが、これも百三十円を下げまして業務用米も百二十円程度に下げる、あらゆる角度からやみ米は絶対に百二十円前後まで下げたいというふうに考えて、諸策を集中しようと考えておるわけでありますが、どうかぜひやみ価格の下るように御協力いただきたいと思うわけであります。
  84. 東隆

    ○東隆君 希望配給価格を百二十円にする問題について奥さんからお話がございました。私も百二十円にするのは、配給の建前からいって、政府は食管会計の赤字をなくするために考え出されたことであって、そうしてほんとうに国内の食糧問題を考えた場合には、それとは別な形が出るのではないか、こういうふうに考えているわけであります。そこで私は少し地方の問題になるかもしれませんが、生産県は従来十五日内地米を配給いたしておったわけであります。そこで北海道について考えてみまするときに、今まで北海道は消費県として扱われておりました。そこで消費県として足りませんので、内地米は非常に少くなって、そうして大部分のものは輸送その他の関係で外米が入ってくると、こういうような形でもって、北海道の米は実はあまり上等でないところに加えてまた外米が入る、こういうのがこれが北海道のおそらく食糧事情だった。ところが、ことしは御承知のように相当な生産を上げております。もし政府でさらに買い上げをされる計画を行いまするならば、もっと出るのじゃないか、こういうことも考えておるわけであります。で、従って消費県は完全に生産県に変ったと、こういうような形になっておりますが、この際私は生産県並みに十五日内地米を配給する計画を立てることが、私は輸送の方面おいても今まで政府の方で説明をされておったいろいろな理由は根拠がほとんどなくなってしまいました。そういうような点を勘案されて、どうしても一つ十五日これは道米を配給をすると、こういうことを一つ御考慮願いたい、こう思うわけであります。これは実は非常にたくさんお米がとれて、そうしてしかも北海道の米は貯蔵もあまりよくききません。そういうような点もお考えになって、これは当然やることがやはり国の面からいってもいいことだと、こう考えますので、その点を、いい答えを一つお願いをいたしたい。(笑声)
  85. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 北海道でございますとか、まあ特異な例と申しますれば宮崎県でございますとかいうような、天候によって豊凶の非常に差のある道県、これらにつきましては、ときに生産県となり、ときに消費県となるという県がありますことは今御指摘通りであります。従いましてこれらにつきましては、まあどうやるがいいかということは非常に私も考慮いたしまして、まああとからお小言を受けるかもしれませんが、一つの数字を作るがよかろう、五カ年平均というようなものを作りまして、五カ年平均の数字がどうなっておるか、その五カ年平均を基準にして、そうして個々に北海道とか宮崎とかいうような、いわゆる中間県の配給日数をきめるのが妥当であろうということで、実はせっかく検討中でございます。今一躍して生産県にこれがことしはなっているのだから、生産県並みに今までは非常にそうでなかったものを今度十五日にしたらというのも一応うなずける御意見かもしれませんけれども、これは全国的に見て、他の府県から苦情の出ないようにいたしませぬと困りますので、それらの県については最近五カ年間ぐらいの平均数字をとって、その平均数字を基礎にして、個々に配給日数をきめたらよかろうということに考えておるわけでございますから、どうか一つその辺のところは御了承を願いたいと思います。
  86. 江田三郎

    委員長江田三郎君) ちょっと大臣、お尋ねしておきますが、先ほど奥委員の御質問には、買い入れ価格に諸掛りを加えた、こういうことでありましたが、買い入れ価格については、たとえば食糧庁の計算では、農家の手取り価格の平均は二十八年が一万六百七十四円、二十九年が九千八百八十七円、三十年が一万百六十円ということで、二十九年と三十年と比べれば百七十三円しか違わない。従って一升当り一円七十三銭しか違わない。それが消費者価格において百七円が百二十円になるというのはどういう計算になっておるのか、諸掛りという内容について詳しいものを後刻資料としてでも出して下さい。(「今聞きましょう」と呼ぶ者あり)出して、説明一つお願いしたいと思うのです。
  87. 清井正

    説明員(清井正君) ただいまお話のありましたものを別に資料としてもお出しいたしますけれども、手元の数字として一応御説明申し上げます。一万百六十円と申しますのは基準の価格でございますので、これを三等の裸の価格にいたしますというと、九千八百五十五円になるわけでございます。それに早場の奨励金も御承知通りつくわけでございますけれども、実はこの早場の奨励金が当初石当り二百十円と計算をいたしました。ところが当初の予定よりは相当大幅に早場奨励金がつく米が政府に売り渡されるという見通しがつきましたので、この二百十円という当初の予算のときの予想が三百七円に上ったのであります。そこで今の九千八百五十五円に早場奨励金、奨励金というと語弊がありますが、早場米の格差でありますが、それが一石当り三百七円であります。それからただいま申し上げましたのは、九千八百五十五円というのは裸ですから、包装の百八十七円を足しまして、それから等級間の格差を一応予算的に九十二円くらいになるという計算をいたしておりますので、この九十二円を引きますと基本価格といいますか、基礎の価格が一万二百五十七円になるわけであります。石当りの基本価格が一万二百五十七円であります。そこに政府経費が七百五十六円ございまして、それからその他ロスが当然計算されますので、これが百二十二円、これは予算上計算されたものであります。その政府経費とロスの合計が八百七十八円でありますから、基本価格の一万二百五十七円にこの政府経費とロスの八百七十八円を足しますと、これを足しました合計が一万一千百三十五円であります。これが政府に売る価格でございます。ところが、卸、小売を通じますのでその販売マージンがありますので、そのマージンが六百十三円、それからその他のロスが七十一円、マージン、ロスの合計が六百八十四円でございます。そこで政府に売る価格の一万一千百三十五円に販売マージンとロスの六百八十四円を足しますというと、結局消費者の手に渡ります石当り価格は一万一千八百十九円ということになるわけであります。それが石当りでございますから、これを十キロ当りに直しますというと八百四十二円四十一銭となるわけであります。ただいまの配給は零または五で切っておりますので、二円四十一銭というのは八百四十五円ということになる計算になっておるわけであります。これが基本価格からずっとそれぞれの経費を積み上げましたいわゆるコスト価格でございます。ただしこれは平均的な計算でございますので、政府が正式に販売価格をきめますと端数等について若干計算が違って参ることはあるかもしれませんが、この点は御了承願いたいと思います。いわゆる平均の価格がこういう計算になる、こういうことで御了承願いたいと思うのであります。
  88. 東隆

    ○東隆君 先ほどのお答えは、私は五カ年平均を基本にされることは、これは一向差しつかえない。しかしそれを、基本が出て参りまして、その上に現実にある数量を考えてやるのがこれは正しいやり方なんですから、私はそういう意味で今の農林大臣の発言をそういうふうに理解をいたしたいわけであります。そこで私は今年の豊作に関連をして、またいろいろな事情から米の予約買付制度を廃止をして統制を撤廃をする、こういうような方向が起きてくるのではないか。こういうことをおそらく全国の農民がみんな心配をしておるだろうし、関係団体も集まっていろいろ協議なんかもしたようであります。二十二国会が終了いたしますと、直ちに大蔵省では何か研究会のようなものを開かれて、統制撤廃の方向へのいろいろのことを研究をされたように聞いております。いろいろな事情があるようでありますが、農林大臣は予約買付制度の現状そのものについてどういうふうにお考えになっておるか、その辺のところをここではっきり一つお伺いいたしたいと思います。
  89. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 大蔵事務当局とか、大蔵当局が云々という記事を新聞で見まして、私ははなはだ遺憾に考えまして、これは厳重に大蔵大臣を通じてそういうことのないようにということを申し入れをいたしております。いやしくも米に関する、食糧に関する政策は、大蔵当局が財政上の見地から決定するようなことは絶対にこれはいたさせもしませんし、私も、そういうことは考えておりません。この点は一つ了解願いたいと思います。しからば将来これをどうするか、どういう含みで現在の食糧政策を運営しておるかということでございますが、私は食糧問題、ことに米の統制撤廃というような非常に重大な問題は、そう軽々に決定もできませんし、また軽々にその方向をきめるべきではないというのが現在り心境でございます。今年非常に豊作であったからその豊作を契機にして統制撤廃の方向に行くべきだというようなことをしきりに論ぜられる人もありますけれども、これは確かに一つの機会ではあるかもしれませんが、チャンスであるかもしれませんが、これをもって統制撤廃ができるというようなことは絶対に私は考えません。というのは、統制撤廃をするか、しないかということのためには、まず第一に米の統制を撤廃したならば、将来の米価はどの程度に安定値を求めるかということを、どういうふうに合理的に、生産者も、消費者も納得のできる安定値の決定がどういう方向できめられるかということが一番大きな要素だと私は思うのであります。この方向を見出すことが一番大きな要素であって、しかも御承知通り国内は豊作であったにいたしましても、なおかつ相当量の外米の輸入を必要すると今日の日本の現状におきましては、政府の意図がどの程度に価格を決定するかということによりまして、外米の輸入の仕方があると思うのであります。おそらく今日のような豊作のときに外米をなおかつ輸入をし、しかも急激に下ろうとしておる外米を安く買って安く売るようなことをいたしますれば、米価はどこまでもかつての欧州戦争のあとの時代におけるような急激な農産物の下落をわが国に持ち込むようなことになるでございましょうし、その結果非常に農村恐慌も招来するようなことになることも保せませんから、断じてそういう不安を農村に与えるようなことはすべきではない。どこまでも政府の方針が将来の米価はどういう方向でどういう計算で安定値を求めるのだ、それが妥当である、これが消費者の側から考えても納得のできる線であるということをきめて、そうしてその上に農業経営を完全に、安心して営めるということをまず政府はきめなければいかぬのではなかろうか、こう私は考えております。ところがなかなかこれはむずかしいことでございまして、一朝一夕によくすることではないと思うのであります。さればといって、むずかしいからやらぬでいいというわけでもないと思いますので、せっかく一方におい農産物全体の価格安定政策、これの審議に実は乗り出しておるわけであります。これは一つの準備行為だと私は思います。諸般の情勢がととのいませぬ以上はやるベきではない。今この農産物が非常に豊作である、米も四百万石、五百万石よけい買えたからこれを持っておってそうして一気に統制撤廃をやるべきだというようなことには私は軽々に賛成はできない。そうでなくて、米は今申し上げますように十分に豊富になって、世界的にも十分豊富になったということであれば、これをもってやみ価格だけは少くとも押えなければいけない。そうして正常とわれわれが考慮できる食生活を国民全体が安んじてできるような方向に食糧政策は持っていくことがまず前提である。かくいたしましてやみ価格を押えて、そうして食生活の安定感を得て、その上で統制撤廃の必要があれば統制撤廃をすべきであるし、そういうケースで食糧問題の運営が妥当であるというならば、その面で食糧問題の政策の運営をしていいのじゃなかろうかということで、私といたしましてはただいま直ちに食糧、米の統制撤廃を急いでやらなければならぬような条件がすぐととのっているとも考えておりませんので、いつでもやればやれるように準備はしておく必要があるだろう。ということは、統制を撤廃した、統制をしておるということが、同じように国民の食生活の上に影響なしにいけるような政策が一番いい政策であると考えておりますので、この点についてただいま御説明申し上げましたように、まず第一に政府が負担なしに円滑に農家の収穫した米を都市に持って参りまして消費者の手に渡してやる、しかもその価格は百二十円がいいか悪いかは生産者の議論もいろいろございましょうし、一応生産者価格を一万百六十円ときめました以上はそれを基礎にしてなるべく中間の諸経費を節約することによって積み上げた価格で消費者側にこれを渡す、こういう方向を順次馴致していくことが妥当ではなかろうか、こう考えておるわけでございます。
  90. 江田三郎

    委員長江田三郎君) この際ちょっと今の東君のに関連してお聞きしておきますが、そうすると新聞あたりで見ますと、今度の希望売り渡しですか、希望配給、こういうことに関連して大蔵省の方ではこれは統制撤廃の前提をなす措置であると考えてこれに同意をしたというような意味のことが出ておりますが、そういうような大蔵省との話合いは今の農林大臣のお答えではなかった、こう解釈してよろしいか。それからまた農林大臣はそういうことをお答えにならぬでも大蔵省は一方的にそういうことを考えてこれに同意をしておる、さようなことがございますかどうか。  それからもう一つお尋ねしておきたいのは、河野農林大臣は非常に直感の鋭い政治家なんですから、私は一つ大臣の直感をお尋ねしておきたいのですが、一体米の統制を撤廃するのに備蓄米というのはどの程度のものがあったらできるというふうにあなたの方では直感をなさっているか、その点をちょっと念のためにお聞きしておきたい。
  91. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 大蔵当局がいろいろなことを申しておるようなことが新聞に出ておりますけれども、この処置を決定いたしますに当りましては大蔵大臣と私との間には無条件でございます。一切の条件はございません。将来どうするこうするということの制約を受けてこの処置をきめたのではありません。これははっきり申し上げます。  それから今、委員長から直感云々ということを言われましたけれども、これはどうも答弁を差し控えた方がいいんじゃないかと思いますが、私は政府が米の統制をやめまして、そして先ほど申し上げましたような価格政策の上に立って消費者、生産者に妥当な価格で売り渡し、買い入れをできるように政府が施策いたしまするためにはだいぶん世間で言うておられまする御意見とは私は違いまして、あえて内地米を内地米の操作にするために備蓄する必要は、あればあった方がいいでございましょうが、なくても差しつかえない。これは価格差によりまして外米もしくは準内地米、台湾、朝鮮、中共、カリフォルニアというような準内地米を持つことによって十分可能であるというふうに考えますから、内地米をあえて多量に備蓄する必要はないというふうに私は考えます。しかもこれらの米の生産、もしくは我が国の買い入れ条件が順次よくなれば有利に買付ができるのでございますから、もし統制を撤廃するような必要があるとしますればその際における備蓄は今申し上げますようにいろいろなことから議論をされますので、天災地変もしくは国際的に異常の場合等を考慮してこれだけ入り用だからあれだけ入り用だろうという議論をされますのでこれは際限がないわけでございます。しかし戦前の平常の場合のことを考慮して考えますれば五百万石以上のものは必要はないんじゃなかろうか。ただ戦前のように一般の米穀商あたりに貯蔵されておりますものは非常に将来、これからは米の公定がだんだん幅が少くなりますから、思惑米が減って参りますから、そこで貯蔵されますものが減って参りますから、それは勢い政府の方がかわって持たなければならぬというような事情もございましょうし、これらは将来の政府政策の置きどころである程度の幅を持たして政策を運用してよろしいということになれば民間の保有がふえるでございましょうし、なるべく幅を縮めて政府が思い切って強力にこれに干渉、圧力を加えて強力に米価の安定を期するということになれば今の蚕糸価格安定政策でもおわかりの通り、民間の商売があまり活発でなしにただ自然に流れるままになるということになり、協同組合等を通じてこれに十分な備蓄をさせるというような施策をとりますれば比較的そういう点いろいろな要素が生れてきますから、今にわかにここで政府がどれだけ持てばよかろうというようなことはなかなか最終決定はつけにくいのじゃないか。むしろ私は協同組合等を強化してこれに内地米を十分に持つ力を与えて、そうしてこれらを平均して流すという政府の施策に即応して協同組合が米を出していくということにしていけば案外その持つ量が少くてもいけるのじゃなかろうかというふうに実は考えてみたり、またいろいろ研究もございましょうし、いろいろ皆さんの御意見もあることと思いますので、私一存ではこういう重大な問題はなかなかきめにくいと考えますし、決をとりにくいのじゃなかろうかと思うわけでございます。
  92. 江田三郎

    委員長江田三郎君) そうすると、備蓄について内地米でなくてもいいというお考えですと、今の予約申し込み量が二千七百幾らになっておりますが、私どもは今度の第二次予約によってさらに相当量の売り渡しの申し込みがあると思いますが、そうやってふえたものは今後消費県三日、生産県一日というのをふやすことにお使いになりますか。
  93. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私は先ほど申し上げました通りにやみ値はどこまでも押えなければいけないという立場から、これはできるだけ売り出てしいくことの方がいいのじゃないかというふうに今は考えておるわけであります。
  94. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私は東君の質問に対する大臣の答えで大体了解ができたようにも感ずるのですが、しかし私は若干念を押しておきたい。それはせっかく実りの秋を迎えて全国の農村ではかなり安堵の色が見えておりますが、しかしわれわれが回ってみると若干その中に不安の質問にしばしば遭遇する。それはどういうことかというと、一体来年の米はどうなるだろうか、こういうことです。その来年の問題について農家はかなり敏感に今考慮しておるくらい農家の経済は今年豊作であったからといってふところ工合は必ずしもよくない。これはもう前渡金の二千円の行方等を考えてみてもすぐわれわれ経済的にうなずけることでありますが、そういう折も折どこから出たのかしりませんが、こういう漸進的の統制撤廃の試案が作成されておるということがわれわれの耳に入っておる。それはいかにももっともらしい伝わり方でありまして、すなわち三十一年産米は予約集荷による現行管理方式をとる、それから第二、三十二年四月に流通制限を撤廃する、第三、三十二年十一月には直接統制を廃止する、こういう構想に基くいわゆる漸進的統制撤廃という試案がひそかに練られておるということがわれわれに伝わっておるから、そういうことが間接的な波紋を描いてそれぞれの不安を起しておることは、あるいは消費者あるいは生産者の指導者の階層にそういう不安を与えておることは事実なんです。昔は火のない所に煙は立たないと申したけれども、こういう煙は全然火のない所から出ておる煙であるかどうか、まあ文明開化の世の中ですから、別に火がなくても煙の出るということはあり得る。一体こういうことは農林大臣は下に向ってお命じになったことがあるかどうか、この点が一点。  それから第二には、そういうことを直接命じられたことがないとすれば、大臣は少くとも今後、今の想定による昭和三十二年くらいの見通しとして、こういう構想で、いわゆる漸進的の統制撤廃の構想をひそかに持っておられるかどうか。おらないなら、この点はっきりおらないということをここでお答え願いたい。
  95. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいまいろいろお話がございましたが、私の旅行中のことは存じませんが、私自身はそういうことを絶対に考えたことはございません。また下僚にそういう命令を出したこともなし、下僚からそういう進言を受けたこともございません。全然火のないことでございます。ただし、それが大蔵省でどう言ったか、どこでどう言ったか、それは私は知りません。農林省に関する限りそういうことは絶対に存じませんし、農林省でない限り、わが国の食糧政策が今のようなケースで考えられたことはあり得ぬことだと御了承いただきたいのであります。  しからばお前はどう考えておるか、こういうことでございますが、私は先ほど申し上げました通りに、米の問題についての政策は先ほどお答え申し上げた通りでございます。しかしこれはお互いに失礼な申し分かもしれませんが、政党に所属いたしておりますので、政党で決定をいたしますれば、その決定に基いて政策を運用することになりまするから、私の考えとは別に党の方針がきまれば、その方針に基いて政策の運用をしなければならねことはある、こういうことは御了承いただいておきたいと思うのでありまして、私が絶対にいたしませんと申しましても、党できめればその通りやるというようなことはこれはやむを得ません。しかしその場合でも、私は私の政治的立場におきまして、少くとも消費者にも生産者にも、作った米は大体——統制が撤廃になろうがなるまいが、どのくらいで売れるのだと、どのくらいで買えるのだという安心感を与える政治でなければ絶対いけない、これだけははっきりいたさなければなるまいと私は思うのであります。統制を撤廃すれば、撤廃後の米価の安定値はどこにあるべきかということが先にきめられて、そうしてそのきめられた方式によってすべての生産者も消費者も安心感の上に立ってこの問題が論議される、またはされなければならないというものであると思うのであります。でございますから、統制を撤廃するとかしないとかいうことはむろん大事な問題でありますが、それより先に撤廃をしたら生産者は幾らで米が売れるのだ、幾らで買えるのだということをまず政治家がきめる方式を考えて、そうしてそれに対して国民の納得を得て、次の段階として撤廃の問題を扱うべきだ、こういうふうに私は考えております。
  96. 江田三郎

    委員長江田三郎君) なお農林大臣は一時から他の会合があるということになっておりますから、その点お含みの上で御質問願います。
  97. 清澤俊英

    清澤俊英君 ごく簡単です。たまたま農林大臣が政党の意向ということを中心にいたされましたので、先般ある公式の会合に際して、民主党の政調会に属するお方の発言がありました。名前は遠慮しますが、報告せられましたところによりますと、合同問題等を中心にして、自由党では前々から統制撤廃ということが一つの看板になっている、従って民主党の政調会においては、統制撤廃をやるかやらないかということで、いろいろ今審議のまっ最中で、大体の意向は統制撤廃という空気が強い、こういう報告を受けておったのでありますが、その後各省農業団体等の動きも非常に活発になって参っておりますので、相当変更もしておりますが、できますればその民主党のしかも農林関係の最大責任者としての大臣がついておられることでありますから、その民主党の政調会の意向は大体今どんなになっているか、これは大臣が今言われたのでありますが、大臣はこうこうこういう理由で、今考えておらない、統制という問題に対してはそういう方向で考えておって、今すぐ撤廃するとは考えておらないと、こう言われるが、ただし政党がきめた場合にはと、こう言われた限りにおいては、今一つ聞いておいた方が、お漏らしができればお漏らししていただいた方が、八千万国民は非常に安心する。その点についてお漏らし願いたい。
  98. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) せっかく研究中のようでございます。
  99. 江田三郎

    委員長江田三郎君) それでは農林大臣はよろしゅうございますか。まだいろいろあると思いますが……。
  100. 千田正

    千田正君 希望だけを言っておきます。農林大臣に水産物輸出等に対して、アメリカにおける問題、それから南米その他に対する海外移民の問題等について、後日機会を与えていただいて、その点について伺いたいと思いますから、その点申し入れておきます。
  101. 江田三郎

    委員長江田三郎君) では農林大臣は他の会合があるようですから、大臣だけ御退席願うことにします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  102. 江田三郎

    委員長江田三郎君) 速記を始めて。  本日はこれで散会いたします。    午後一時十八分散会