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田中啓一君 地元の人から言っていただく方がよろしいということで今東さんから
お話があったわけでありますが、実は主要農産物の
価格安定ということはおそらくそれは品目でありますとか、方法でありますとか、いろいろ論はあろうと思いますが、大体の方向としては私はもう
国会はほとんど各党一致をしておるのであろうと思っております。でありますから、従来からやっておるものもできるだけこの際改善をしていきたいと、必要なればむろん法律の改正もやるという態度に出たいのでありますが、今のバレイショの問題はまあ今何分にもまぎわになって今年初めてではないのでありますが、言いだしたのは今でありまして、そこで今、
食糧庁長官の
お話のようなことで、できるだけ早くやるということでいくよりほかに今年はやむを得ないかもしれんと思いますけれ
ども、しかし今私が申しましたような広範囲な
一つこの際体制を整えるという意味から申しましても来年までには根本的に
解決をいたしたいと、来年間に合うように、その際に今のバレイショの問題といたしましてはやはり百姓が物を売る時期に安定しておらなければ何にもならぬのでありますから、それはカンショとの
関係においてバレイショの方は見送られてしまうということでは実は目的を達成せぬことになるわけであります。でありますから、どの程度まあカンショとの関連をゆるめてやれるかと、おそらく何か限界が
考えられるだろうと思うのです。でありますから、そういった点に主眼をおいて
一つ十分御検討を願いたい。そしてできればもう
一つのバレイショの
価格の
決定になる大きなものは種バレイショなんですね。何もバレイショそのものは種バレイショも食糧用も澱粉もかわるわけはないのでありますから、むろんそれはいろいろ種ということになればその上の注意が必要でありますけれ
ども、しかしバレイショに違いないのでありまして、これこそ
価格の影響をしあうことは間違いないところであります。それはどうしても八月の下旬には種を使う方と相談をし、
価格も
考えて配給
計画を立てなければならぬというものなんです。そのときに澱粉の方が幾らになるだろうということはみんな関心を持つわけでありまして、それがきまらぬと押し問答でさっぱりきまらぬということでありますから、これらの点も
一つ考えていただいて、そうして、バレイショの
価格というものを可能な限りカンショと切り離して早くつける、こういう点に主眼をおいて御検討願いたいと思うのであります。
それからなお今私申しました農産物
価格の安定という意味で、穀物としては大豆をもう
一つぜひ加えていただきたい。これはまあ今年アズキの商品取引所における上場物資としての問題として、非常に私は問題がある、こう思うのでありますが、大豆というものは、むろん、まだまだ自給には達しておりませんので、大豆の
輸入というものを
外貨割当を操作することによって、かなり買い上げてもいいんじゃなかろうかということがこれまでの
考え方でありますけれ
ども、百姓の方は
外貨をどう
政府が操作するかちっともわからない。おそらく百姓だけじゃない。多くの人もわからぬと思う。そこで、やはり、百姓としては適当な
価格でまず最低線はここだと、こういうことをどうしても一ぺん天下に明らかにしておいてもらいたい、こういう
要望はきわめて熱烈であり、かつまた大豆の増産自給態勢をとっていく上にもそれがぜひ必要である。そこが不安であってはやはりやっていかれませんと、こういう熱烈の
要望でありますので、豆類は大事でありますけれ
ども、まず大豆を入れるべきじゃないかと、こう穀物としては思われるわけであります。
それからもう
一つ問題になりますのは、牛乳の安定でありまして、いろいろ去年の秋からやっておるのでありまして、これはやはりイモ類と同じように、なまものはやりようがないのでありますから、製品の可能なものを
一つ可能な限りやってはどうか、こういうことでありまして、これも酪農の振興というのは、今
全国的な問題になりまして、そうして、おそらくこれは酪農家の一致した
要望であって、かつまた消費者から見ましても、乳の
価格が安定するということが必要なことじゃないかと、こう思いますから、これも
一つ十分の御考慮を願いたい。
それから、これは安定法そのものの話でございますが、
農林省がこうやって
価格の指示をやっておるということは、実は指示だけではないと思うのですね。安定法にやはり
関係するのですが、やはり、安定でありますから下だけではない、上も安定しなきゃいけないと思うのです。ところが、今イモの澱粉や菜種の売り方にどうも私は方法が適切ではないのじゃなかろうかと、でありますから、相当
価格が高くても
政府としてはものをどんどん出して押えぎみにしたいのだけれ
ども、会計規定に制約されてうまくいかないという点があるような気がしてならない。私実はあまり
研究しておらないのですけれ
ども、そういう気がいたしまして、
業界からもそういう話であります。ことに大勢から申しますと、まああんまり澱粉が高くて、あめが高ければ、それは消費の方が砂糖に転化されてしまう。そうすると、今度安くするからどんどんあめを食ってくれ、使ってくれといったところで、砂糖の方を使った
一つの慣習から、急に変ってはくれない。牛乳なんかでもそういう問題があって、だんだん今のように安くなれば清涼飲料としては夏は今年非常に飲んだわけなんです。あれは一種の清涼飲料の意味もあると思うのです。そういうむずかしい栄養理屈を言わないでね、ところがこれが高ければ、やっぱり安くて簡単にうまいサイダーや、この間のコカコーラみたいなものに転化する、こういうおそれもあるわけであります。でありますから、どうしても私はやっぱり相当の消費を開拓していく、
需要というものを十分に保持していくという見地から、ただ下の指示をするだけではいけないので、上の方も、これはまあ、米のような絶対的に押えなければならぬというほどには思わんのでありますけれ
ども、しかし持っているものがあれば、これは適切にこれでもって押えていくということは私はぜひ上手に、うまくやれるような制度に
一つこの際、安定法の改正と合せて切りかえていただかなければいけない。それからさらに申し上げたいことは、実は牛乳の方の
生産費が安くなるようにということで、自給飼料ということで一生懸命、この間も草地農業からえさの自給度の向上から大いに一日やったわけでありますが、どうも私はサツマイモにしましても、バレイショにしましても、どうも反当り収量の増加というものが篤農家の
方々が言われるようにはどうも増加しないのじゃないか。もうちょっと力を尽すわけにはいかないか。つまり百姓の方は収入を減らさんでももっとよけい売れるように、あるいは五割増産して二割方値段が下って、二割方収益も上るというような両方ともうまくいくような、それがおそらく根本的な問題であろうと思うのですね。でありますから、幸いこの点は改良
局長がお見えでありますから、この安定物資に対して、とかく世間の目は下の
価格指示のところばかりに注がれておりますけれ
ども、やはり反当りの増産というものをもっとやっていただいて、そうして消費を増していく。若干はやはり
生産者の収入も増加していく、こういうような点にもっと力を入れる余地があるのじゃなかろうか、入れるべきじゃないか、こういうようなことを関連して
考えますので、これら安定法そのものの、これまでのやつの内容の改善、それからもっと物資を取り入れる問題、それからさらに最高の安定の方の
一つもっとやりやすいように力を入れる点、それからもっと根本的な反当り収量の増加の点、こういうような問題につきまして、それぞれ所管から、ちょうど四つの局から来ていらっしゃいますから、
一つ御
意見をこの際伺っておきたいと思います。