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飯島連次郎君 コンニャクの問題をあえてここに私が取り上げましたゆえんは、コンニャクは従来一部局に限られた農業生産物のように
考えられておりましたけれども、戦前と戦後の生産の増加ぶりを
調べてみますと、大体昭和七年から昭和九年までの平均生産面積に比べると、昭和三十年度におきましては、倍の約一万五千町歩
程度に栽培面積がふえておる。従って国内で需要するコンニャク粉の需要は恐らくこれで満たしておると私どもは
考えておるわけであります。一方これが県別の状況を見ますと、
一つの県に百町歩以上の作付面積を持っておる県が、全国ではすでに二十有余県にも及んでおりますし、主要生産地の農家経済に占めるコンニャクのウエートは、大体農家総収入の、少い県で六割、多い県では実に七割五分ぐらいの大きな経済上のウェートを占めておるわけであります。なお地域あるいは気候等の条件からして、コンニャク生産に従事しておる主要コンニャク生産地帯は、他の作物にこれをかえ得られないという実情にありますので、このコンニャクの農家経済あるいは地域的の特性というものは、日本農業の持つ
一つのこれはいわば宿命であると
考えるわけであります。ところが年々この栽培が増加をし、そして農家もこれによって山間地帯の脆弱な農業経営がやや日の目を見て参りましたのに、いつもこれに徹底的な脅威を与えているのはコンニャクの輸入の問題であります。この輸入のためにコンニャクの生産農家はもう夢寐の間も忘れることのできない脅威にさらされておるのが現状でございまして、私はそういう見地から二、三の点を確かめたいと思うのであります。
この件につまきしては、
先ほど委員長の御注意もありましたし、なお今度の国会で、去る五月十八日に、衆議院の予算
委員会におきまして武藤
委員から通産大臣あるいは農林大臣その他法務大臣等に対して、この問題に対する質問がありましたので、私はあえて重複を避けますが、問題は、こういう順調に伸びかかっておる、そして山間地帯の脆弱な宿命の農家に対する生活並びに経営の健全化に対して脅威を与えておるこの輸入の問題が、これは速記録を拝見いたしましても、衆議院予算
委員会における武藤
委員の質問に対して石橋通産大臣並びに河野農林大臣は、共に、当分の実情におきましては外地産コンニャク原料の輸入はしないというように承知してよろしゅうございますかという質問に対して、その
通りでけっこうであります。こういう答えを農林大臣はしており、なお石橋通産大臣は、ただいま農林大臣が言われた
通り、現状において輸入する意思はございませんとはっきり言い切っております。もちろん方針に変りはないと思いますが、通産省ではこれに何か変化がございますか、ございませんか。