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木下源吾君 先般気象台から係官がお見えになって、いろいろお伺いしたのですが、台長がお見えになっておられなかったので、今度
一つ台長にお伺いしたいと思うのです。
問題点は、御
承知のように気象の
仕事が非常に重要であるにもかかわらず、何らかのためにその機能が十分発揮せられておらないので、現実には台風の被害だとか、あるいはその他農業、あるいは水産等の
業務の遂行、
仕事の遂行に、非常に困難をきたしておるというような
実情はお認めになると思うのです。そこで何とかしてこれを充実して、十分な気象の観測、それから通信等を充足さしてもらいたいというのが基本です。そこで毎年日本に襲ってくる台風による風水害は、かつてのキティ、キャザリンを初めとして、また昨年の十五号台風は、例の
北海道、青函
連絡船の洞爺丸事件というような世界的な大惨事を引き起した。また梅雨前線による北九州、南紀州の大洪水、
北海道、東北の凶作、冷害、関東甲信越の凍害、霜害など、相次ぐ気象災害に対して、国民から定点観測を初めとする気象
事業を拡充整備してくれ、予報の制度の向上と気象情報を迅速に伝えてもらいたいという熱望が非常に盛んなんです。ところが
実情はどうかというと、この前の
定員法制定当時でも、船を動かすのには、船長、
機関長、水夫がいなければならぬというような場合、一律に
人員整理をしてしまって、そういう専門的な必要なものまでも整理したというような、ああいうことをやって、それがまた今日そのままになっておる。通信の施設はもうほとんど老朽化しておると言われております。農業の気象
研究所が廃止されたままになっておる。山岳測候所もまたその
通り、廃止とか、あるいは縮小されておる。また北方の定点観測も廃止したままになっておる。こういうことがあります
実情は、かつての災害というものは当然もう免れないように仕組まれておるのじゃないか、ここに責任者である気象台の方々に十分お
考えを願わなければならぬ。何故に一体こういうことにうっちゃっておかなければならないのか、直接何か米、魚が生産されないから等閑にされておるのか、あるいはまた機構
組織に欠陥があるのか、こういう点について
一つここで究明したいと、こう思うのであります。この点どういうわけであるか、機構、運営上の欠陥があるか、どういうわけであるか、これを
一つ台長から
お尋ねをしたい。
第二には、
予算が、皆さんの努力もあろうけれども、非常に他に比べれば
予算獲得の上において成績が悪いんだな。試みに、前年度の
予算では二十四億、この
予算でこういう気象の災害が完全に救われるかどうか。われわれはそうは
考えないのだが、こういう点について、このくらいの
予算で自信をもって、過去の失敗を繰り返さないことができるという確信をお持ちになるのかどうか、これは特に台長に
一つお伺いしておきたいと思うのです。こういうことがあなたの口から国民へはっきりしていただくと、国民がまた災害を防ぐことができるという、
予算措置から見てそうだというお
考えが発表されれば非常に喜ぶ。また逆に、かかることではとうてい国民の期待に沿うことができず、今日まであったような、しばしばなる災害がまた繰り返されるおそれがあるということになれば、国民もまた新たな決意をせにゃならぬのじゃないか、こういう点について
一つあなたの所信をこの機会に国民に知らしてもらいたい。こういう点が第二点です。まあこの二つから先にお聞きしておきましょうか。