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1955-06-14 第22回国会 参議院 内閣委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十四日(火曜日)    午前十時五十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     新谷寅三郎君    理事            植竹 春彦君            宮田 重文君            木下 源吾君            松原 一彦君    委員            中川 以良君            長島 銀藏君            上林 忠次君            野本 品吉君            千葉  信君            田畑 金光君            松浦 清一君            堀  眞琴君   政府委員    運輸大臣官房長 山内 公猷君    建設政務次官  今井  耕君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       川島 孝彦君   説明員    建設大臣官房文    書課長     鬼丸 勝之君    中央気象台長  和達 清夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人の出頭に関する件 ○国家公務員に対する寒冷地手当及び  石炭手当支給に関する法律の一部  を改正する法律案千葉信君外五十  二名発議) ○建設省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出) ○国家行政組織に関する調査の件(中  央気象台の機構及び運営等に関する  件)   —————————————
  2. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まずお諮りいたしますが、先般木下委員から御要求がありました富士山麓演習場の問題について調査をいたしますために参考人出席を求めたいと思います。この参考人をだれにするかということにつきましては、お差しつかえなければ委員長に御一任願いまして、山梨県当局及び関係の町村の代表者及び地元の代表者を選びたいと思うのでありますが、御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) それではさように決定いたします。なおこの調査につきましては二十三日以後にいたしたいと思います。   —————————————
  4. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案千葉信君ほか五十二名発議法律案議題といたします。  本案について発議者から提案理由説明を求めたいと思います。
  5. 千葉信

    千葉信君 ただいま議題となりました国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の御説明を申し上げます。  御承知のごとく、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当につきましては、一般給与とは別個に、昭和二十四年法律第二百号によって定められているのでありますが、その施行以来最近に至るまでの間に法律趣旨並びに東北地方その他の寒冷度の著しい地域実情等にかんがみ、若干の改正を要する点が認められて参ったのであります。  第一は、北海道に在勤する国家公務員に対しては寒冷地手当とあわせて石炭手当支給することになっておりますが、東北地方その他寒冷度の著しい各地域におきましても、冬季暖房用の経費、時に薪炭等購入代金生計費に与える影響は著しいものがあり、同一労働、同一給与の原則から言っても、これらの地域に勤務する公務員については北海道における石炭手当に準じて何らかの手当支給する必要が認められるのであります。現に各公社並びに郵政、林野等現業職員に対しては先年来この措置がとられてきたところであります。  次に、石炭手当あるいは今回新に設けようとする薪炭手当のいずれも一般給与とは異なり、実費弁償的な性格を有するものでありまして、これに所得税を課する事は適当でなく、また実際の支給状況を見ても著しい手取額減少または不均衡を生じている実情であります。一方国家公務員給与体系につきましては、さきに人事院において給与準則勧告国会に提出されているのでありますが、石炭手当等についてはこれを準則の中に含まず、別個の取扱いを予想しておるのであり、昭和二十四年法律二百号が当時議員提案として制定された経緯もありますので、この法律施行以来その実施に伴って改正の必要を認められてきた諸点について、今回同じく議員提案による法律改正を行なって、その責めを果したいと考えてあえて提案いたした次第であります。  次に、改正の主要なる点について御説明申し上げます。改正点の第一は、寒冷地手当及び石炭手当とは別に新たに薪炭手当を設けることとし、その支給範囲北海道以外の地域で、人事院勧告に基いて内閣総理大臣の定める地域に在勤する者とし、その支給額については世帯主たる職員に対して薪一棚及び木炭百キログラムその他の職員に対して薪〇・四棚及び木炭四十キログラムをそれぞれ時価によって換算した額の相当額をこえないこととし、その他必要な事項人事院勧告に基いて内閣総理大臣が定めることといたしております。  次に第二点としては、附則において所得税法第六条の改正を行い、この法律に基く石炭手当及び薪炭手当並びにこれらの手当に類する給与については命令で定める金額範囲内において、いずれも所得税を課さないことといたしております。なお以上二点のほかに、他の法律との関係その他若干の改正を加えているものであります。  以上本法律案提案理由並びにその要旨について御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。
  6. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 本案に対する審議は後日に譲ります。   —————————————
  7. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、建設省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  建設省からは、ただいま文書課長鬼丸君に出席いただいておりますが、官房長の石破君、また政務次官がやがて出席せられることになっておりますから、どうぞ御質疑を願いたいと思います。
  8. 木下源吾

    木下源吾君 それではお尋ねしますが、この法律案施行の結果、直接定員の上に増減が伴うのか、もし増減ありとせば、その部局及び数はどんなものであるか。それから第三条の十八号に、これらの宅地制度に関する調査及び企画と、こういうふうになっておるが、この宅地制度は多分に農林省との関係がある所管の事務であるが、農地制度とこの関係について、農林省との間の調整連絡はどういうふうになっておるか、こういう点を一つお伺いします。
  9. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。まず第一点の、この改正法律によりまして定員が増加するかどうか、増加するとすれば、どういう部局が増加するかというお尋ねでございますが、宅地関係につきまして、宅地事務に従事する職員として十三名を増加されることに相なっております。従いまして、建設省といたしましては、組織令改正によりまして、宅地課という仮の名称でございますが、そういう一課を設ける予定考えております。第二点のお尋ねの、農林省との宅地関係事務の話合いの点についてのお尋ねでございましたが、この点は従来建設省におきまして、宅地の利用の調整という事項を所掌いたしておりますので、この場合の宅地という概念と同様でありまして、住宅問題、住宅対策の一環としての宅地対策としまして、農林省との緊密な連絡をとっておりますので、今回の設置法上の改正につきましては、従来の概念範囲におきまして、農地以外の宅地制度につきまして所掌いたすというふうに考えております。
  10. 木下源吾

    木下源吾君 ここでまあ宅地事務などについては十三名、若干の増員になるのですが、一方建設省では営繕関係の方が今減員しようというような構想がある、これらとの増減ですね、また配置転換等を行なって著しい首切りを行わないのか、こういう点を一つ……。
  11. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。すでに御承知かと思いますが、行政機関職員定員法改正法律案提案されておりまして、この法案の中に建設省関係定員規定がございますが、ただいまお話のございましたように、営繕関係職員は、営繕業務量縮減に伴いまして、二百二十名を段階的に来年の三月末までに整理される案になっております。これとその他若干、河川関係十名、あるいは道路関係五名というような新規の増がございまして、差引これは来年の三月末まででございますが、差引きいたしますと、全体に対しまして百九十二名の減員ということに相なります。
  12. 木下源吾

    木下源吾君 ここでその業務量縮減と、こういうように今おっしゃったのですが、それは何か予算金額で表わされているのか、その他の方法で何か表わしているのか、いわゆる業務量というものが人員減のおもなる要素になっているようですが、この業務量というものはどういうものであるか、あなた方がやっておるそれを一つお知らせ願いたい。
  13. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 営繕関係業務量と申しますのは、営繕工事の施工の業務という意味でございますが、本年度の営繕工事、これはまあ予算関係で見ますると、昨年の三六%減に相なっております。その減少いたしましたものは安全保障費関係事業でございまして、これに伴いまして、この減少しました当時の実際の減り方と申しますのは、工事実施する関係で急速には減りませんので、段階的に工事実施面が減って行く。それに応じまして減員をする、こういう予定に相なっております。
  14. 木下源吾

    木下源吾君 ここでの減員臨時職員との関係はどうなっておるか。従来定員だけを責めて、そうして一方において臨時職員にほとんど普通の職員と同じような仕事をさしておる、こういうのが各省でたくさんあるのです。定員だけでしぼって、実際は臨時職員等でふえる、そういうようなことはないのかどうか。ただいまの御答弁では予算が少くなったからと言っておりますけれども、必ずしも予算の面だけでその比率で減員するということは妥当であるとは言えない。予算がなくてもやはり一人なら一人が必ず必要な面もあるわけなんで、仕事は半人分でも一人は一人ということになる。それらの基準をもう少し明確にしていただきたい。それから今の臨時職員との関係と、それをただ一律の首切りというのではなかなか首切られる方も納得いかぬと思うのですが、その点を少し明確にしてもらいたい。
  15. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) ただいまお尋ね予算が減りました率に応じて考えておるのかという点でございますが、これは御趣旨通り予算が減りました割合通り人員を減らしますことは、全体の業務実施支障を来たすおそれがありますので、その割合に応じて減員するものではございません。その割合から申しますと、もっと大勢の人員を整理しなきゃならぬわけであります。大体三百数十名の減員予算の減り方に相応するものであると考えております。しかしながら、全体の監督、総括的な事務もございすし、やはり最小限度減員をとどめたようなわけでございます。それからなお臨時職員につきましては、営繕関係の一番仕事が忙がしいころには数百人おりましたが、だんだん整理いたして来まして、今後も臨時職員をふやして定員減の分を穴埋めするというようなことは毛頭考えておりません。その点御了承願いたいと思います。
  16. 野本品吉

    野本品吉君 付属機関のことでちょっとお伺いいたします。地理調査所であるとか、土木研究所建築研究所、これらの付属機関規模と申しますか、構成と申しますか、それから従来の付属機関によって研究されました代表的な事項があると思うのです。それが具体的に建設省仕事を進めて行く上においてどういう効果をもたらしておるか、こういうような点について各機関について一応の御説明が願いたい。
  17. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。建設省付属機関といたしましては、御案内のように土木研究所建築研究所地理調査所とございますが、お尋ね規模組織またおもな研究事項、あるいはそれらの研究された成果建設省行政面にどういうふうに役立っておるかという点につきましては、ただいまここに詳細な資料を持ち合せておりませんので、印刷物等資料で後刻御説明申し上げたいと存じますが、いかがでございましょうか。
  18. 野本品吉

    野本品吉君 なお今お伺いしましたのは今までのことでありますが、今後の研究の主力を注ぎたいとお考えになっているような項目についてもあわせてお願いしたいと思います。今一つお伺いしますが、地理調査所というのを特に千葉県に置きます理由はどういうことでありますか。
  19. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。私も地理調査所が当初千葉県に本拠を置きました詳細な沿革につきましては今承知いたしておりませんが、実は本省との事務連絡なり、あるいは人事交流等の面からも千葉県にありますることはかなり不便な点がございます。まあ当初は東京は御案内のような戦災直後の状況でございまして、適当なまあ庁舎がなかったというような関係でやむを得ず千葉県のいなかの方に居を卜して今日に至っております。今申し上げましたような諸種の不便がございますので、まあ何とか東京の適当な場所移転をいたしたいということで、今までいろいろ努力されておりますが、まだ実現に至っておらぬような状況でございます。
  20. 野本品吉

    野本品吉君 東京移転されるという希望があるのに、東京への移転が実現できないというのは何か特殊な事情がありますか。
  21. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。主として予算関係の問題であるというように承知いたしております。
  22. 野本品吉

    野本品吉君 それから、この種のことについては民間研究団体も相当あろうと思いますが、これらの民間研究団体との連係と申しますか、協力といいますか、相互関係がどんなふうになっておりますか。
  23. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。民間研究団体と当初付属機関研究機関との連絡あるいは協力関係につきましては、それぞれの付属機関におきまして、おもに学界あるいは特殊な事項につきましては民間研究機関等と緊密に連絡をしてやっておるように承知いたしております。ことにこの各技術関係学界とは不断によく連係をとって、研究の上にも相当役立たせておるように承知いたしております。
  24. 野本品吉

    野本品吉君 これは住宅建築関係していることなのですが、私は住宅の急速な増加を必要とすることはむろん異存はないのですが、このことを単に住む場所という、建物という観点からばかり考えるのではなしに、私は住宅問題の解決というのは、社会における風教とか、道徳の問題に根本的な深いつながりがあると思う。従って住宅規模建物配置構造等について、今度の非常に膨大な住宅計画に対して、そういう配慮が払われておるかどうかということを伺いたい。
  25. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。住宅建設に当りまして、住む人の生活環境ということが非常に重要な一面をなしていることは御意見の通り御同感でございまして、今まで場合によりますと、そういう点が十分考慮されておったとは必ずしも言い切れない面がございます。今回の大規模住宅建設を行うに当りましては、特に住宅団地として、総合的な観点から、住民の居住者生活が便利に、また快適になるようにいろいろ考慮をはかりたいというふうに考えております。たとえて申しますと、大規模団地でありますと、単に住宅だけを建てて、これをなして能事終れりとするわけに参りません。やはり居住者の利便に供する施設なり、あるいは環境の美化といいますか、ある程度そういうことも考えなきゃなりませんので、特に宅地の大規模な造成、また公団等が特に行う予定にしております土地区画整理事業等を必要に応じて行いますのも、そういう総合的な観点から住宅街を新らしく形成して行こう、こういうような狙いで考えられておると思っておる次第でございます。
  26. 野本品吉

    野本品吉君 大体今承わってわかったのですが、人間入れ物を作るのじゃないので、人間がそこで住み、人間がそこで健康に成長し、愉快に働ける力を養う場所を作るので、私はそういう面について大きな住宅建築、あるいは集団住宅建設の際に、入れ物さえ作ればいいのだといろ考え方では困る、こういう点についてほんとうにお考えになっているのでしょうか。
  27. 今井耕

    政府委員今井耕君) お説はなはだごもっともなことでありまして、従来も相当そういう点につきまして注意を払っておったと存じますが、今後より一そう注意いたしまして、御期待に沿うようなふうにやって行きたいと思います。
  28. 千葉信

    千葉信君 先ほど木下委員質問に対する答弁によりますと、今度の法律改正に伴ってかなり減員の主たる根拠というのは営繕関係業務量等の中で、具体的には駐留軍関係営繕等事務量減少から減ってくる、その量はおよそ三六%と、こういうお話でしたが、今度のこの法律改正に伴って、業務量の新たにふえるところが第三条の改正によってかなりあると思うのですが、その点のふえる割合は今度はどのくらいになるのですか。
  29. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。今回の本法案の成立に伴いまして業務量が特にふえますものは、先ほど申し上げましたような宅地関係事務でございまして、その他の業務につきましては特に規定の上で非常に幅広くなっております。委託関係事務がございますが、これは当初の本来の事務支障を来たさない範囲において実施される予定でございますので、規定の上では非常に間口が広くなっておりまするが、実際問題といたしましては、当初の本来の仕事には支障を及ぼさないように運営して参りたいと考えております。なおその他の所掌事項追加事項につきましては、たとえて申しますると、建設工事用機械の貸付の事務にいたしましても、あるいは機械の運転の事務にいたしましても、これは実は従来すでに実施しておりましたのでありまするが、建設省の権限といたしまして、明確にこれを規定しておいた方が合理的であるというような考え方に基く改正でございます。従いまして、実質的には事務量増減はございません。
  30. 千葉信

    千葉信君 まあ宅地関係もあるけれども、委託業務委託工事を今度は大体今までより一歩前進してはっきりと法文化するわけですか。従ってそういう点からすると、営繕関係業務の場合を除いては仕事の量は少くとも今までよりは減るということは全然ない、むしろ逆にふえるという状態は具体的には計算されてないようですけれど、これはあるというふうに確認しなけりゃならぬと思うのですが、その点はどうですか。
  31. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) ただいまのお尋ねにつきましては、理論的には絶対量が減るということは申し上げられません。お話通り理論的にはふえる、若干でもふえるというふうに考えられまするが、委託関係仕事につきましては、先ほども申し上げましたように、そのときどきの人の余裕なり、あるいは施設の余裕を見まして、本来の業務支障を来たさぬように十分注意してこれを受けて参りたいと、かように考えております。特になおつけ加えて申し上げますと、建築研究所あたり人員も少うございますけれども、やはり本来の研究成果を高めます上にも、場合によりますと関連の事項につきまして民間からの委託を受けるということは役に立つ場合がございます。そういう場合に特に委託を受けてやりたい、かように考えております。
  32. 千葉信

    千葉信君 ただいまの答弁でけっこうですが、結局ただいまの答弁から言いましても、今のところ建設省としては、今までの所管してきた仕事営繕関係を除いては減るというようなことはほとんど予想されない、こういうことになりますと、これはさっき木下委員質問されたことに関連してくるのですが、ちょうど私が所用で席をはずした、その最中になされた答弁であります。建設省には相当膨大な臨時職員がある、この問題とそれから今度の定員法関係建設省設置法等改正関係十分臨時職員に対する具体的な方法考える必要があるし、またその措置をとらなければならない段階だったのではないかという質問だと思うのですが、その質問に対して、いや、臨時職員の問題については、それに対してはもうすでにその問題は解消してしまっているから、あまり問題はないというふうに御答弁になったそうですが、その通りですか。
  33. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 先ほど私がお答え申し上げましたのは、営繕関係臨時職員についてでございまして、これは逐次減少いたしております。今後ふえる見込みはただいまのところは考えられません。ただいまお話の膨大な臨時職員の申しますのは、ほとんど土木関係地方建設局仕事に従事しておる臨時職員でございまして、補助員というような名前で呼ばれておるというものでございます。これはお話のように、まあ数ははっきりしたことはなかなかつかめないのでございますけれども、まあ八千名程度前後の補助員がございます。この補助員の処遇その他身分保障等の問題につきましては、かねて人事院当局との話し合いもございまして、目下大蔵省に、全部というわけには参りませんが、それだけを準職員という形で身分を安定させるべく、目下交渉をいたしております。
  34. 千葉信

    千葉信君 答弁に先を越された格好ですが、まあ先ほどの木下君に対する答弁が、営繕関係職員の分だけだったとすれば、その点、私は果してそういうふうに建設省は従来営繕関係臨時職員に対してやってきたかどうかは知りませんけれども、その御答弁でも了承いたします。しかしそれ以外の問題については、ただいまの御答弁では私は無責任きわまる数字を並べての答弁で、はなはだ承服できない内容だと思うのです。今法案国会提案し、説明に当っておられる方々が、建設省として、最も重視しなければならない常勤労務者、それから非常勤労務者等数字について、うかつ千万な格好答弁をしておられるということは、これは非常に重大な問題だと思うのです。特にこういうふうに建設省設置法の一部を改正する等のお仕事をなさるときには、こういうときにこそ建設省所掌事務の円満な運行のために、広範な角度から検討されてしかるべきだと思うのです。そうして人事院の方と連絡をとって云々という御答弁がありましたが、建設省で今持っている最大の問題と言っても過言でないのは非常勤職員の問題だと思うのです。常勤労務者を含んでの非常勤職員の問題だと思うのです。御承知通り人事院の方からも行政措置要求に対する判定が四月の三日に出されたばかりです。なまなましい事実です。しかもその対象となっている常勤非常勤と呼ばれる職員の数というのは建設省は驚くほど多いのです。定員内の職員が今度の改正で九千九百七十四人になりますが、今までは一万百六十七人だったのであります。それが非常勤職員の場合には、建設省では四月一日現在で三万一千七百三人ですよ。これが常勤非常勤職員です。そのほかに常勤労務者という格好建設省が常時雇っている職員の数というのは六千六十七人おります。そうすると、今までの定員一万百六十七人に比べて、三万八千人という人員常勤労務者であるとか、非常勤労務者という格好で、便法々々というので使われている。問題が起らなければよろしい。問題が起らなければよろしいが、実はその問題については当該職員の方から、一般職職員ですから、人事院に提訴して行政措置に対する判定が行われる。三万八千人もいるのですよ。それをまあ営繕仕事が減ったからと言って、そっちの方で幾らか減ったかしれません、四月一日から……。しかし四月一日から明らかにこれだけ要る。それらの職員を全然今度の法律改正案の場合に問題にしないで、建設省設置法を出している。しかも今の鬼丸さんは、これはもう土木工事の簡単な労務に従事している人だというふうに御答弁ありましたがね。そうじゃないのです。人事院判定から言いましても、これはおそらくあなたは御承知だと思うのですが、人事院で行なった調査によりますと、大体常勤非常勤職員という格好で使われている人々を、若干の事業所でもって調査をした、その調査対象となったのは三万一千七百三人のうちの、ちょうどその事業所が数が少いので、その総体の数は千三百七十人を調査した。ところがその千三百七十人、その非常勤職員の働いているところには、その他の職員にどれくらいいたかというと、その割合というのは全然その逆になっているのですね。これは総体の数字もそうですが、定員法による職員の数、それから常勤労務者の数とは比較にならない多数の方々がここに働いている。そしてその仕事をしている事務の内容も、千三百七十名のうちの約三八%に当るものが、人員にして五百二十三名の者は事務をやっている。それから技術関係仕事をやっているものは四四%の五百九十九名、こういう格好です。それから九%に当る百二十七名だけが庁務、あるいは家政関係、つまり給仕さんとか、小使さんという格好仕事をしている、こういう実情なんです。しかもある建設事務所の出張所のごときは、正規の定員内の職員が全然いないのです。そうすると、この出張所の事務をやっている人も、帳簿をやっている人も全部これは常勤労務者、すなわち非常勤職員なんです。こんな格好で一体建設省設置法によるところの任務をほんとうに十分に達成して行けるかどうかということは、もう問題になると思うのです。どうしてこういう点をこの機会に解決しようとしなかったか、ここに問題がある。そしてこれは私ここであなた方を追及するばかりでなくて、これは一般職職員ですからね。その一般職職員の待遇の問題、勤務条件の問題について、はっきり人事院の方から判定が下されているのです。この判定に従わなきゃならぬことは当然の義務です。それを一体建設省はどう考えているのか、政務次官の方から責任ある答弁を求めます。
  35. 今井耕

    政府委員今井耕君) ただいまお説の補助員の問題は、かねてからいろいろ承わっておりますので、非常に心配いたしておる次第であります。なお人事院への提訴の問題も承わっておるのでありますが、とりあえず何とかいたしまして、そのうちの相当長い間勤めていただいておる方を準職員にしてもらうべく、今大蔵省方面と懸命の努力を続けておるわけであります。しかし根本問題といたしましては、現在の定員法そのものが現実に即応しておらぬ。それでこれを根本的に考え直すということでないと、ちょっとこそくなことでは解決がつかぬのであります。もちろんこれは建設省だけでなしに、ほかの農林省その他の関係もあります。大臣もその方面について非常に関心を持ちまして、閣議でも相当発言されておるようでございまして、今後根本的に一つ再検討する必要がある、かように考えておる次第でございます。
  36. 千葉信

    千葉信君 まあおっしゃる通り、実際この問題を解決するには、この建設省設置法改正等だけでは不可能で、やはり定員法自体に問題がある。で、定員法自体の問題については、少くともおっしやる意味は、今政府の方から提案されている定員法一部改正法案自体でも問題の解決にはならない。この定員法改正法案をもってしても、現状にはそぐわないものだというただいまの御答弁だと思うのですが、そう確認していいわけですか。
  37. 今井耕

    政府委員今井耕君) 根本的に再検討して、これを考え直すということが必要だと思います。目下といたしまして、まあこの程度で事をやりたいというのがほんとうの実情でございます。
  38. 千葉信

    千葉信君 ただいまの御答弁、少しぼかそうとしましたが、しかし今政府のほうから提案されている定員法による建設省のあの定員では、これは実情に沿っていないということは今の質疑応答の中にはっきり出てきていますから、私はこの点はこれで、あとでこの問題について審議したいと思います。で、今具体的に問題となります点は、ただいまの御答弁では非常に人事院の方からも判定が出て、大臣を初め、非常にこの問題の解決については苦慮して、大蔵省とも折衝している。ところがそれでいいのですが、しかし今そういう職員を大蔵省と折衝して、そうしてそれらの職員に対して準職員扱いにしようということで折衝しておられる。もちろん三万一千人もおるこれらの常勤非常勤職員を大蔵省とどのように折衝をしても、直ちに解決がつかない。まあしかし、それらの何%かは準職員という格好で待遇の改善を行いたいと考えておられることは、これは一応大いに了承します。しかし一体準職員とは何か、準職員にも問題があるのです。建設省定員内の職員数の大よそ六割に相当する準職員がすでにいるのです。一万人の建設省職員に対して、そのほかに今おっしゃる準職員というのが六千六十七人いるのです。いいですか、定員内の職員が一万人いて、そのほかに六千六十七人の準職員がいて、その準職員がさらにその三万一千人の中から何ぼか六千人の方にプラスしょうとして大蔵省と交渉している。これで解決がつくと思ったら大間違いだと思います。実はこの常勤労務者六千六十七人、あなた方がまたこれにある程度常動的非常勤職員の中から持ってこようとしておられる、この常勤労務者自体に問題があるのです。これをふやしたところで決して問題の解決にはならないのです。これは人事院の下した判定にこたえるために、当然建設省の責務としてこの判定を尊重し、この判定に沿うために大蔵省と折衝して、そうして何がしかの職員をあなた方は準職員といっておられる、まあ正確には常勤労務者と呼ばれる、その常勤労務者に持って行こうとされているが、この常勤労務者自体にすでに問題があって、建設省では御承知のように、もう定員に比べるとその六割に匹敵するものがすでに建設省に在職しておるのです。だから、それを準職員に持ってくるのだという御答弁だけでは、これは全然問題の解決にならない。この点は一体建設省としては、すでに在職している六千六十七人の準職員非常勤労務者、この職員にプラスをされる常勤非常勤職員は、こっちの準職員の方に持ってくる。その職員をプラスしてそれらの職員を将来どう持って行くのか、この点が明確にならない、この点はいかがですか。
  39. 今井耕

    政府委員今井耕君) 全くお説の通りだと考えておるわけです。しかしまあ、これは根本的な大きな問題でありまして、ほかの省とも、あるいは政府といたしまして根本的に再検討いたしまして、やり直さねければちょっと解決がつきませんので、まあ一歩前進するという意味におきまして、ただいまのような大蔵省との折衝を進めているというのが現在の実情でございます。
  40. 千葉信

    千葉信君 まあ次官にこれ以上食い下ってみても少し酷なのでやめますけれども、しかし大体の結論としては、政務次官もこの建設省設置法の一部改正法案と同時に上程されている新しい定員の率を定める定員法改正法案のあの建設省関係定員では実情に沿っておらない。しかも実際の状態としては、建設省職員というのは、定員法に今度示されている定員の率の大よそこれの五倍半程度、今建設省に働いている職員の数から言うと丁度そうなりますが、新しい定員法によっても今度の数は九千九百七十四人、そのほかに常勤労務者、それから常勤非常勤職員というのが、建設省に現実に在職している職員の数というのは三万八千人である。この三万八千人の問題をこのままうやむやに処理するということは、少くとも先ほどのお言葉のように実情に沿わない。実際必要でありながら、こういう措置がとられているということは、これは公務員諸君の待遇の問題ばかりじゃなしに、建設省仕事の運営の上にも、所掌事務の能率的な運営の上にも非常に支障があろう。ですから、この点については私どもこの委員会に同時に一方の法案が付託されておりますから、私はきょうは政務次官から、少くとも新しい定員法建設省に関する限りは全然現実に沿ったものじゃないという御答弁をいただいたので、一応この辺で打ち切りたいと思います。
  41. 中川以良

    ○中川以良君 この第三条の二十八の二に「賠償及び国際協力に関する事務」が加えられておりますが、これは政務次官一つ伺いたいのでありますが、この提案理由の御説明の中にございますごとく、すでにビルマとは賠償及び経済協力に関する協定もできております。その他各地域にあるいはダムの建設とか、あるいは工場の建設、さらには住宅建設というような工事を引き受ける。それからまあ役務だけの提供、あるいは技術の提供、あるいは資材だけを持って行くというような場合もいろいろあると思います。こういったような新しい事務が当然ふえて来るわけでございまするが、これはまあ外務省が主体となってやっているのでありますが、建設省あるいは通産省、あるいは農林省、それぞれ関連をしているわけです。まあ各省とも自分の所管についていろいろ強く御主張等もあると思うのでありますが、建設省としては賠償問題、あるいは経済協力の問題に対してどういう方向にこれを処理されるか、あるいは業者を指導されるか、こういうような一つ基本的の御方針がどこにあるのかという点をまず承わりたいのです。
  42. 今井耕

    政府委員今井耕君) ただいまの問題は非常に重要な問題と考えるわけでありますが、建設省といたしましては、係りの者を外務省の方に出しておるわけであります。なお今後の実際の問題につきましては、海外建設協力会というものができておりますので、そういうものをよく指導連携をいたしまして、最善を期したいと考えている次第であります。
  43. 中川以良

    ○中川以良君 現に賠償の対象に、まだ的確にはきまらぬでしょうが、対象にされんとしているものがあると思います。こういうふうな状況はどういうふうになっておりますか。
  44. 今井耕

    政府委員今井耕君) 実際の詳細な点につきましては、よく承知いたしておりません。目下のところまだはっきりしたものはないように承わっております。
  45. 中川以良

    ○中川以良君 あるいは政務次官にお伺いをいたしましても、これは御無理かと存ずるのでありまするが、建設関係のものが賠償の対象になった場合、関係業者の指定とか、あるいは資材の選定とか、設計等に関しまして、直接日本政府が、かりにビルマの場合を取り上げた場合、ビルマと折衝をされて業者を選定になるのか、あるいは先方にそれらを自由に選定をさせるのか、これらが賠償が円滑に参ります上から申しまして、この基本的な方針がどうなのかという点は私は相当重要な問題だと思う。そういう点はどういうふうにやったら一番日本側としては都合よく参るのかという点についての建設省一つの御見識なり、御所見があると思うが、そういう点を一つ伺いたい。
  46. 今井耕

    政府委員今井耕君) ただいまの問題につきましては、現在はっきりした方針はきまっておらぬようでありますが、いよいよということになれば、こちらから業者の団体を指定しまして、そうして遺憾なきを期するのが適当であると考えております。
  47. 中川以良

    ○中川以良君 私はここに御質問申し上げるゆえんは、あるいはビルマ側としては自由にやるために国際入札をしてやろうという意向もあるのでございましょう。日本側としてはやはり日本の名誉のために、堅実な業者、りっぱな資材を持って行かなければならぬという考えも当然出て参ると思うのです。この辺の話合がうまく行っておりませんと、せっかく賠償問題が成立しても、それが軌道に乗って参らないのじゃないか、ですからビルマ側といたしましても、そういう複雑ないろいろな日本政府の干渉が入るなら、これはどうも賠償に対しては再検討を加えなければならぬというような考え方をすでに起しているように聞いている、こういう点は建設省建設省として、日本の建築業者の立場も考え、また日本といたしましても、名誉という点からいたしましても、りっぱなやはり一つ御意見をお出しになるべきではないか。これはまあ外務省の方に人を派遣してやっておられるということでございますけれども、早くそういう基本方針をおきめになって、ビルマ側と御折衝にならなければ、これは日本としての一番初めの賠償問題で非常に重要な問題であると思うので、慎重にこれは御配慮にならなければいけないのではないかというふうに考えているわけでありますが、こういう点につきまして、これは通産省側においても私は同様なことが十分にあると思う。で、外務省側が総括して折衝をしておられるでありましょうが、そういうような観点から、日本政府部内が建設省あるいは通産省、外務省といって、妙ないわゆるなわ張り争いで、この賠償が阻害をされるようなことがあってはならないが、また業者に迷惑になってもいけない。それから一方、こういう複雑なる情勢で、今申したようなビルマ側の意図が、当初考えておったように、喜んでやるというようなふうに出てこないというような懸念もある、こういう意味で私は御質問申し上げたのでありますが、まだ十分そういった御方途もないようでありますから、こういう点を一つ十分に御検討いただくように特に希望を申し上げておきます。
  48. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ほかに御質疑ございませんか。
  49. 中川以良

    ○中川以良君 ただいまの問題でございますが、あるいは何か御方針をおきめになっておられるか。それから現にこういうようなダムの建設が、前に賠償の対象になったというような問題があるのじゃないか、そういうような点がある程度はっきりしておりましたならば、一つ御明示をいただきたい。
  50. 今井耕

    政府委員今井耕君) ただいまの問題につきましては調査をいたしまして、この次に報告したいと思います。
  51. 中川以良

    ○中川以良君 今日でなくてよろしいのでありますから、もし何か資料としてお出し願えれば一番けっこうであります。
  52. 木下源吾

    木下源吾君 私は主として今の営繕関係減員が関心を持たれるわけです。それともう一つは臨職ですか、非常勤常勤の問題、そういうものの身分の問題ですね、この問題は一番重要だと思うのです。そこで営繕関係で百九十三名、実質的には切るというふうに先ほどお答えになっておりますが、大体仕事がなくなった、こういうふうにおっしゃっているのですけれども、聞くところによれば、やはり相当これだけ減員すると、あとは労働強化であるということも聞いております。これはまあ、そうではないとい言えばそれなりでありますが、ただ方針として、首を切るということになれば世間に通りがいいからというような形で、ぼんぼん首を切ったり切られたりでは、切られる者もたまらぬと思うのだな。なぜそう言うかというと、一方では首を切って定員を減らしているというふうに見せかけておいて、他面においては臨職だとか、そういうものをどんどん入れている。一方ではやはり一般職、そういうもので行けば、いろいろ政府の負担がよけいかかるから、いつでも要らなくなったらほうり出しても差しつかえないというようなものを使っておくのだ、こういうようにも考えられるのですね。しかし政府は人を使うことは、単に使わんがために使っているのではないのだな。仕事をやるために使っているのだね、そうすると、いつ首切られるかわからぬ、一方においては仕事は普通に同じ仕事をやっておって、そうして身分の保障もないし、給与も少いしというようなことになれば、仕事に身が入らないのだ、大体これはもう根本だと思うのです。そういうことで一体建設省が膨大な今の仕事の遂行に差しつかえないのかどうか、これは政務次官に私はとくとお考えをお願いしておかなければならならぬ、ただ人を並べておけばいいだけではないと思う。全体からみればあるいは人が多いかもしらん。多いかもしらんけれども、機構が悪い、組織が悪いから、そういうようになっているのかもわからぬ。そこに私はこの設置法の一部改正に対して非常な関心を持つのです。今もわずか宅地事務で十三名増加すると言われた、その点が、これはやがてここに臨職やそういうものがどっさり出てくる可能性が大きくある。ですからお尋ねするのは、営繕関係の百九十三名を、建設省仕事を遂行する上において、同じ建設省職員であり、そういう何ほどか専門的な知識を持っている人、あるいは技術を有しておるのであるから、新たに仕事がふえた方面にそれを転換して行くという方針がどういうようになっておるかという点が一つと、もう一つは、先ほどの不安定な身分保障もないそういう者を、急速にこれは定員の中に、ワクの中に収容するということと、もしも一般にこんなに人を多く使っておるということでは無能である、やり方が無能であると思われるおそれがあるならば、機構組織をもっとほんとうに生きて仕事が行くように改革する意思があるかどうか、この点を一つあなたにお聞きしておかなければならぬ。
  53. 今井耕

    政府委員今井耕君) お答えいたしますが、われわれも好んで定員を減らしておるわけではないのでありまして、実に非常に心配いたしておりまして、やはり定員を減らすならば、その人たちを何とか御迷惑かけぬようにしなければならぬ責任があるのでありまして、決して好んでやっているわけではないのでありますが、今の営繕の方の減員になる方につきましては、非常に立派な技術者の方も大勢おいでになるのであります。このような方を本当に生かして行く、こういうようなことから今回審議を願っておる。公団なんかができましたならば、そういう面にも働いてもらって、そうして十分に腕を伸ばしてもらいたい、こういうふうに考えているのでございます。なお、ほかの方面においてふやす場合には、それを転用したらばいいじゃないかという御意見もあるのでありますが、それぞれ特徴があるのでありまして、むやみに人さえ入れかえしたらいいというわけにも参らない点がありますので、まあお説も十分尊重いたしますが、実情に即応いたしますように最善の努力をいたしたいと考える次第であります。
  54. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 私、遅く参りまして、あるいは御説明があったのかと思いますが、もしそうだったら大へん失礼でありますが、ちょっと一、二の点をお尋ねしたいと思うのです。  まず第一に、建設省設置法の一部を改正する法律案提案理由の第二に、賠償の事務を行わせるために、統一的に総合調整いたして、この事務を大臣官房において処理せしめることといたしたことであります。こうあります。それから第三に、建設省所管の統計事務を強化するため云々、これもやはり同じように大臣官房におきまして統一的に行わしめることにいたしたのでありますと第二、第三の理由があげてあるのでありますが、定員法の一部改正法案の参考資料によりますと、建設省の中には増員が五十一名で減員が二百四十四名と出ております。増員がもっぱら住宅建設に関する事務を行わせるために増員するようにここに書いてあります。ところが賠償事務の方は、外務省の方に定員を供出するので一名減、そのほかには少しも賠償事務に関して定員を増加するとか、あるいはこれを回すということが出ていない。これは国家行政組織法の方にも出るのかと思いますが、少しも出ておりません。それから同じように、統計事務に関しても少しもその増員なり、あるいは職員をそちらの方に回すということが出ていないのですが、具体的には大臣官房の中に、たとえば賠償裸であるか、あるいは何とかというようなものが設けられるのか、同様に、統計についても同じように何らか大臣官房の中に課なり、その他のものが設けられるのか、その点がまず第一にお尋ねしたい点であります。
  55. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答えいたします。この行政機関定員法改正説明資料には、賠償事務、あるいは統計事務に関する職員の問題は直接に出ておりませんが、今回の設置法改正に伴います各局と官房の間の所掌事務調整によりまして、定員のやりくりによって措置考えるのでございますが、なお実情を申し上げますというと、賠償事務につきましては、現在事実上官房におきまして審議室という室がございますが、そこで所掌させております。なお統計につきましては、現在住宅局に指定統計を所掌させておりますし、それから計画局に、他の局に属しない調査統計、また統計全般の一般連絡調整のようなことを所掌させておりますが、これを官房にまとめまして強力に調査統計の事務を処理するようにいたしたい。こういう考えでございます。従いまして、現在定員の中からやりくり措置する、こういうふうに考えております。
  56. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 そうしますと、計画局の行なっている統計事務を大臣官房の方に移して一まとめにする、一口に言えばそうですね。そうすると、その官房の方に課をふやすのですか、それとも審議室、あるいはその他のところでこれを行わせるということになるのですか。
  57. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) お答え申し上げます。官房の方に、統計につきましてはまだ仮の名前でございますが、調査統計課のようなものを一課新設いたしたいと考えております。それから賠償関係につきましては、この設置法が成立いたしますれば、やはり一室を設ける予定考えております。
  58. 木下源吾

    木下源吾君 そうしますと、それは審議室のほかに別に賠償事務室とかいうのを設けるわけですね。
  59. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 国際協力室と申しますか、これも仮の名前でございますが、そういうふうに考えております。
  60. 木下源吾

    木下源吾君 もう一度お尋ねしますが、これは定員法の方にあるいは触れるかもしれませんが、たとえば国際協力室とか、あるいは調査統計課とかいうものが置かれる場合に、どのくらいの定員か、これはあとでなお詳しく定員法のときにお尋ねしますが、概略でよろしうございますから、ちょっとお述べ下さい。
  61. 鬼丸勝之

    説明員鬼丸勝之君) 調査統計の主管課といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、現状におきまして、住宅局で十三名の職員が指定統計の事務に従事いたしております。それと計画局に四名の職員一般統計の事務に従事いたしておりますので、これを合せまして大体十七、八名になりますか、それで一つの課を編成いたすことに考えております。賠償関係、その他国際協力に関する事務の室といたしましては、まあ定員のやりくりでございますが、おそらく五、六名程度の編成に相なるものと考えております。
  62. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 他に御質疑ございませんか……。暫時休憩いたします。    午後零時十分休憩    ————・————    午後零時四十三分開会
  63. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  国家行政組織に関する調査議題といたします。  本日は中央気象台の機構及び運営につきまして調査を行います。政府側からは、運輸大臣官房長山内君、中央気象台長和達君が御出席になっておられます。
  64. 木下源吾

    木下源吾君 先般気象台から係官がお見えになって、いろいろお伺いしたのですが、台長がお見えになっておられなかったので、今度一つ台長にお伺いしたいと思うのです。  問題点は、御承知のように気象の仕事が非常に重要であるにもかかわらず、何らかのためにその機能が十分発揮せられておらないので、現実には台風の被害だとか、あるいはその他農業、あるいは水産等の業務の遂行、仕事の遂行に、非常に困難をきたしておるというような実情はお認めになると思うのです。そこで何とかしてこれを充実して、十分な気象の観測、それから通信等を充足さしてもらいたいというのが基本です。そこで毎年日本に襲ってくる台風による風水害は、かつてのキティ、キャザリンを初めとして、また昨年の十五号台風は、例の北海道、青函連絡船の洞爺丸事件というような世界的な大惨事を引き起した。また梅雨前線による北九州、南紀州の大洪水、北海道、東北の凶作、冷害、関東甲信越の凍害、霜害など、相次ぐ気象災害に対して、国民から定点観測を初めとする気象事業を拡充整備してくれ、予報の制度の向上と気象情報を迅速に伝えてもらいたいという熱望が非常に盛んなんです。ところが実情はどうかというと、この前の定員法制定当時でも、船を動かすのには、船長、機関長、水夫がいなければならぬというような場合、一律に人員整理をしてしまって、そういう専門的な必要なものまでも整理したというような、ああいうことをやって、それがまた今日そのままになっておる。通信の施設はもうほとんど老朽化しておると言われております。農業の気象研究所が廃止されたままになっておる。山岳測候所もまたその通り、廃止とか、あるいは縮小されておる。また北方の定点観測も廃止したままになっておる。こういうことがあります実情は、かつての災害というものは当然もう免れないように仕組まれておるのじゃないか、ここに責任者である気象台の方々に十分お考えを願わなければならぬ。何故に一体こういうことにうっちゃっておかなければならないのか、直接何か米、魚が生産されないから等閑にされておるのか、あるいはまた機構組織に欠陥があるのか、こういう点について一つここで究明したいと、こう思うのであります。この点どういうわけであるか、機構、運営上の欠陥があるか、どういうわけであるか、これを一つ台長からお尋ねをしたい。  第二には、予算が、皆さんの努力もあろうけれども、非常に他に比べれば予算獲得の上において成績が悪いんだな。試みに、前年度の予算では二十四億、この予算でこういう気象の災害が完全に救われるかどうか。われわれはそうは考えないのだが、こういう点について、このくらいの予算で自信をもって、過去の失敗を繰り返さないことができるという確信をお持ちになるのかどうか、これは特に台長に一つお伺いしておきたいと思うのです。こういうことがあなたの口から国民へはっきりしていただくと、国民がまた災害を防ぐことができるという、予算措置から見てそうだというお考えが発表されれば非常に喜ぶ。また逆に、かかることではとうてい国民の期待に沿うことができず、今日まであったような、しばしばなる災害がまた繰り返されるおそれがあるということになれば、国民もまた新たな決意をせにゃならぬのじゃないか、こういう点について一つあなたの所信をこの機会に国民に知らしてもらいたい。こういう点が第二点です。まあこの二つから先にお聞きしておきましょうか。
  65. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 初めに気象の仕事に対して深い御理解を下さることを感謝しますと同時に、この仕事に従事しておるものといたしまして非常に重大な責任を痛感いたします。  お尋ねの第一番に、天災相次ぐにかかわらず、気象の業務に対する予算人員、あるいは施設の老朽化という問題、あるいは整備すべきものも整備できないという事情にあるという問題でありますが、これにつきましては、申し上げるまでもなく、われわれとしましてもこの仕事に忠実ならんとするには、どうしてもそれらのものを充実するということを必要といたし、そのためにあらゆる努力をいたして参ったと思うのであります。もちろんその中には重要の度合いもあります。たとえば山岳の気象観測というものは、その一部は高層気象観測の発達によって補うというような点もありますが、それはともかくとして、わが国のように天災の多い国におきましては、もともと気象業務の施設、つまり予算人員を含めまして施設を充実したいとわれわれは熱望しておるのであります。しかしこの点に関しましては、終戦以後のわが国の財政状態がこれを許さなかったと思われますので、一方われわれの努力、つまり気象事業というものはこれだけの仕事ができた、これだけ役に立つということをもっと世間にはっきりと認識願えるように努力できなかつた点においては、われわれは申しわけないと思っております。  その次の、予算が他に比して非常に少いのではないかというお尋ねでございました。私どもは予算につきまして、他とあまり比較研究いたしたことはございませんので、私ども自身の立場からこの予算が少いか、あるいは予算を得るということについて十分でなかったということを考えてみたいと思います。御承知のように、気象台は時代とともに業務内容も増大します。特に最近各方面からの気象のサービスを要望されることは日に増し多くなっておりますので、私どもの仕事を十分にいたすのには、私どもが毎年出しております予算だけの額は必要と存ずるのでありまするが、これも先ほど申し上げましたように、わが国全体の事情と思われますが、十分に通らないということは非常に私どもとしては残念なことであります。ですから、これをいたすのには、先ほど言いましたように、私どもはその実績において社会の認識を十分得まして、そうしてわれわれがその予算の獲得に十分努力して、実際においてその目的を達し、それによって社会の要望に沿うだけの仕事をいたしたいと存じております。これについてまあ機構というようなものがどうかというようなお尋ねもございましたが、私どもの考え範囲では、気象台の業務と内容、実力におきまして、十分なる責任をもって仕事をする上には、外局にしていただいて、さらに強力なる基盤において仕事をしたいというような熱望を持っております。
  66. 木下源吾

    木下源吾君 本年度の予算で、それで確信をもってこれまでのような、そういうことを防ぎ得るというようなことが言い得るのかどうか。それを一つあなたからお聞きしたい。しかも、気象による災害の何は非常に大きい。洞爺丸であるとか、あるいは四十七度以南のあの漁船が沈没したとか、大きい例をとって言えば、また小さくもたくさんあるのですよ。水害とか、そういうことがある。それで私はお聞きしているのです。今年ももうそろそろ台風時期になっているのです。国民は非常に心配しているので、それで今お聞きしたのですが、これでやって行けるのかどうか。私は具体的に今通信の設備が悪いとか、観測上にも不十分だという点も抽象的に申し上げたのですが、具体的にあなたから、こうこういうものはこうしてやらんけりや、われわれで責任を負えないんだというような点まで一つお話を願いたいと思います。それでもよろしい、これだけの、二十四億が今年ありさえすればいいんだ。これでまあある程度われわれは自信をもってやる、こういうふうならそれでもよろしいんです。それをお尋ねしたわけです。
  67. 和達清夫

    説明員和達清夫君) まあ確信というようなお言葉の内容が非常にむずかしいと思います。まあ気象事業は非常な多くのものの総合からできておりますので、一口に言えばパーセントの問題、私どもは予算が十分でないためにそのパーセントの少いことを非常に憂えております。これは苦しんでおりますけれども、できるだけ私どもの努力によってそのパーセントを上げたいと、こう考えてやっております。
  68. 木下源吾

    木下源吾君 それじゃ具体的に今伺いたいのは、他省と比べて、ほかの方とどうかということはわからぬとおっしゃっているが、旅費なども非常にあなたのところは一人当りの旅費などは少いんですな。ほとんど問題にならない数字が出ているのですな。ひとり旅費ばかりの問題ではないでしょう。ですから私は事業費においても、一人当りの事業費が他の研究所やら、試験所などに比べると、これまた非常に少い、こういう点はあなたおわかりになっておるのじゃないか、おわかりになっておらないのか、どういうものか、それを一つお聞きしたい。
  69. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 旅費につきましては、書類上から見ますと運輸省の平均になっておりますが、御承知のように気象の仕事は全国を通じてございますし、予報にしましても非常に技術的の打ち合せ、その他特に観測におきましては、山岳から離島その他始終見回りをいたしましたり、観測に出かけたりする特別の用がございますので、私どもはその平均では気象台は非常に苦しんでおるということを申し上げたいと思います。
  70. 木下源吾

    木下源吾君 事業量はどうですか。
  71. 和達清夫

    説明員和達清夫君) これも書類で出しますと、技術官庁と事務官庁と非常に違いますので、たとえば運輸部内におきましても、航空の関係などに比べますと気象台は半分でございますけれども、また他に比べると多いというようなこともありまして、これも書類の上ではどうもちょっと実情を申さずには申し上げることができないと思います。実情は先ほどと全く同じで、こういう庁費も非常に技術的なものでありまして、いろいろ高価な施設、機械等を使っておりますので、その点におきましては先ほど申し上げたのと同様であります。
  72. 木下源吾

    木下源吾君 私は今主として組合から出ておる資料でただいまお尋ねしておるのですが、非常に資料を見ますというと、気象台は惨たんたるものですね、予算の苦しいことは……。しかしそれでも本年の任務が果せるならばいいけれども、再三お尋ねしましても、気象台長からは、国民は安心してもいいという、そういう確信の言葉が聞かれない。それで私はやはり予算の不足、整備の不十分、こういうものを承認しておられるというように考えますが、そこで官房長一つお尋ねするのですが、従来これは文部省時代には研究が主体となってやっていたようであります。運輸省所管となってからは、これがいわゆる国力の回復のために実用に使われておると私どもは思う。そこで今実情をお聞きの通り研究に対する条件も備わっておらなければ、また日本の国力の回復に対する実際的な役割も果していないということになり、それがまた逆に非常な生命の危険とか、あるいは生産に安心して精進する、安心して生産が行われておらないというような状況である、そういうようなことであるならば、これは運輸省としても私は反省しなければならぬのではないかと思う。ことに洞爺丸事件とか、あるいは直接には宇野、高松連絡線はそうではなかったかもしらんけれども、濃霧のためというようなことをわれわれが聞けば、なおこれは無関係とは言えない、かたがた運輸省としても、気象事業に対する関心というものは、一体これは何ですか、刺身のつまぐらいにしか考えておらないのじゃないのですか。どういうわけですか、こういう点の一つ所信を言うていただきたいと思います。
  73. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 気象台が文部省から運輸省に移管になりましたのは昭和十八年運輸通信省のころでございまして、当時各省の大きな機構の改変が行われまして、運輸省におきましては運輸通信省、逓信省当時の鉄道省、そういうものが合体いたしまして、そのほか気象台もそのときに運輸省の所得になったわけであります。なぜ気象台がそのときに文部省の所管から移管になりましたかと申し上げますと、気象業務というものが交通関係、特に航空機あるいは海運の船舶と非常に密接な関係がございまして、特に世界の情勢を見まして、航空機というものは気象の予報を時々刻々受けて飛行しておるような状態であります。そのために運輸通信省に気象台が一緒になって仕事が始まったわけでございます。御指摘の通り文部省時代は研究機関的な性格を持っておるのでございまして、まだ現在行なっておりますような現業的な、現業的とも言い切れないのでございますが、そういうような現業的というような仕事の分野がまだそう拡充されておりませんでした。現実に気象台がそういう一般の気象予報というものに非常に大きなウエートがかかって参りましたのは、戦後特に日本におきます災害が多くなりましてから、そういう点が非常に多くなって参りましたわけでございまして、運輸省といたしましても、この気象の拡充ということにつきましては常々力を尽してきているわけでございますが、画期的な成果をあげることができないということはまことに遺憾であると考えております。ただいまお話のありましたように、刺身のつまというようなことではないのでありまして、年々各委員会におきましても主要業務の拡充につきまして、農林水産委員会の御決議をいただきましたが、運輸委員会におきましても常にこの点の御鞭韃を受けておりますので、大臣初め私どもといたしましても、できるだけこの気象業務の拡充をはかって行きたい、刺身のつまと言いますよりは、いつも気象の面は予算の折衝におきましては常に大臣を煩わしてやっているわけでございます。それでは何故これが画期的に拡充されないかと申しますと、やはり一般的な予算関係がありまして、まあ特に問題になります定点観測というような問題につきましては、一時の金が非常に多く要りますために、どうしても急速にその実現を見ることができなかったということは遺憾でございますが、こういうことを申し上げますと、手前味噌とのお叱りを受けるかもしれませんが、本年度は各省とも一般のそういう経費につきましては、前年度よりも大蔵省の査定は減らすということでスタートいたしておりましたので、この点われわれといたしましても、気象業務の拡充が非常に刻下の急務であるということを力説いたしまして、わずかではございますが、前年度に比較いたしまして二億円程度ふえたということでございまして、もちろんこの二億円というような額では十分に気象の現在の施設を新しいものに変えるわけには行かないのでありますが、将来ともこういう意図で続けて、気象業務の充実をいたしますためにあらゆる面から予算的な措置をいたして行きたい、かように考えているわけでございます。
  74. 木下源吾

    木下源吾君 お話を聞けばいろいろごもっとものようなことですが、まあ大体この文献によりますと、熊谷測候所、あるいは高田測候所などは、建築されて五十年もたっておって雨漏りがしてしょうがない。横浜の測候所でさえも窓の枠が腐ってしまって雨が吹き込む、こういうような状況になっている。これでは私は何としてもその弁解にはならぬのじゃないか、いわんや洞爺丸のようなことになってしまえば、どのくらいの損害になりますか、そういうことを見たならば、余分の金がどうのこうのと私は言っておられぬと思う。そんなことは言われないのではないか。そういうふうに的確に、まあそればかりではないが、もっと完備すれば災害の幾分かが防がれるとするならば、その点は理解してやってやらなければならないものではないかと、私はこう考えるのですが、どうも測候所というか、今の皆さんの考え方は、技術方面、あるいはそういう科学方面と言いますか、そういうものが非常になおざりのように考えるのですね。これはだんだん元のような悪い官僚制度が強くなって、復活してきて、そうして元のような、東大、高文というようなそんなのがだんだんはびこってきたためではないか、それではまことになげかわしくなる。もっと技術の面にほんとうに生きた仕事をしてもらわねければいかぬのではないかと私は思う。特に運輸省あたりは、どうしてもここで魂を入れかえてもらわなければ不安でどうにもならぬ。私は北海道だけれども、あそこへ寝台券を買って乗って行くのですが、少し天候が悪いと青森で泊って行く、もう不安でしょうがない。これは私ばかりではありますまい。それで先の方で寝台券を買ってきても函館で泊って乗るのです。大体信用できない。私ばかりではありますまい。このように国民は心配しておるのです。運輸省は一つ考えてもらわなければいかぬと思うのですね。気象台の諸君には鉛筆もない、暖房費も、印刷費も話にならないほどだ、みんなで出し合ってやっておるというのです。どうですか、その実情をお調べになりましたか。こういう財政上の機構の貧弱、そしてそういう予算でやらせる方が無理じゃありませんか、それだからこそああいう災害が起る。そして国民のたっとい生命に、あるいは農業でも漁業でも非常な影響をこうむっているのじゃありませんか、もう少ししっかりやってやる気はないのか、私は端的に、ほんとうに熱意があっておやりになるのかどうか、これを一つお聞きしたい。
  75. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) ただいま気象台の窮状を知っておるかどうかという御質問でございますが、運輸省全般といたしまして、庁費、旅費が非常に少い。これは私、官房長になりまして各省との比較におきまして知りまして、この点につきましては本年度非常に努力をいたしまして、各省御承知通りだいぶ、旅費につきましては一割五分の削減という予算の建前でございましたが、運輸省におきましては、二十九年度よりも幾分増額をいたしてもらいました。それはただいま御指摘になりましたような実情が、単に気象台だけでなくて各方面にあったわけであります。と申しますのは、まあそれではなぜほうっておいたかという問題もございましょうが、運輸省というものの成り立ちを御説明いたしますと、二十四年に国有鉄道が分離をいたしたわけでございます。それで国有鉄道が一緒のころにおきましては、特別会計におきまして、そういう費用を十分まかなえたという格好がございまして、一般の行政部費におきましては、あまり大きなそういうものはなかったわけでございます。新しい役所はそういう点におきましてはどこも非常に困っておりますのは、人頭旅費、人頭庁費のほかに、特別の庁費、旅費というものが少いということがそういう原因の一つでございます。たまたま二十四年に国鉄が分離いたしましてから後には、庁費、旅費を減らす、そういうものをふやさないという時代が非常に続きましたのと、定員の削減がありましたので、人頭の旅費も減ったという格好のために非常にそういう点が窮屈になりまして、各省に比べまして非常に少くなりましたので、この点にはあまり例がないと思うのでありますが、大臣までわずらわしまして、運輸省におきまして正常な業務をやるために庁費、旅費の増額を今回ある程度認めていただいたわけでございます。われわれといたしましては、それを見ましてもまだ十分な数字にはならない。今後ともますます努力をいたさなければならない。かように考えているわけでございますが、まあとにもかくにもある程度昨年よりふえましたので、ただいま御指摘のような点につきましては、予算の許す限り、できるだけ庁舎の修理もいたしたいし、業務の正常化をはかりたい。かように考えている次第であります。
  76. 木下源吾

    木下源吾君 今、台長から機構上の外局ということを言われて、こういう点について、なわ張りでなく、問題点ですね。このようにこういう財政の窮屈なときに、機構の方で、通常の方でまたよくすることはできる。こう考えるならば、外局に対する御意見等も一つ承わっておきたい。
  77. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 直接、現在気象台が付属機関でありますから、これが外局に昇格したからということによりまして、予算がふえるということは、理論的には考えられないのでございます。あるいは予算を査定いたします財政当局が心理的にそういう点を考えれば別でございますが……。それで私どもといたしましては、機構の問題とそういう予算の問題というのは別に考えなければならないと、かように考えておりますが、先ほど和達台長から言われましたように、外局に昇格をするということにつきましては、運輸省も現在研究いたしているわけでございまして、と申しますのは、気象台というものの現在の運営もそうでございますが、一応主体的に、気象台というものが気象行政の主体として現実には業務が行われているわけでございます。ところが形式的には運輸本省の付属機関であるということと、もう一つ、気象の仕事が従前のように研究機関的な性格を離れまして、現在におきましては、先ほど申し上げましたように現業的色彩が非常に強い、私の見るところでは八割以上そういった傾向があるのではなかろうか。そういたしますと、その業務の実態に合せた機構を考えるということが現在の行政組織法のもとにおきまして適当ではなかろうか。それにはどういう方法で、どういう組織がいいかということもまた研究対象にならなければならないのでございまして、私といたしましては、現在のままで、そのままでいいというとは考えておりませんが、直ちに外局になるかどうかということも、これまた運輸省単独できめるわけでもございません。あるいは行政管理庁にも御相談申し上げなければなりませんし、また国会の御承認を得なければならない問題でございますが、そういう方向に向って気象台の業務が適切に行われるような点につきましては、機構の上からも慎重に検討いたしたいと目下検討しつつあるという点を申し添えさせていただきたいと思います。
  78. 木下源吾

    木下源吾君 給与の点をお伺いして私は終りたいと思うのですが、この気象台の給与はきわめて劣悪である。ことにほかの官庁だとか、一般職でも特殊な技術職でも、各省や民間との職域交流が容易にできるわけです。職員の更新が数年ないし十年ぐらいでできる。気象台では都会の方へ転職が非常に困難である。一生の勤務場所となるのであります。そこで勤務経歴が二十年、三十年となる。このために三十才代の中堅技術者が下級職に置かれている実情であるということをお認めになるでしょうか。しかしながら、人事院の職種の給与決定でもこれらの事情は一向考慮されておられない。で、こういうような点、また大蔵省にあっても標準予算というもので定員定額の一律平均的な考えで過去数年の頭打ち、いわゆる級別の定数がきめられ、予算に縛られて、成績がよくても昇給ができないというこの頭打ちですね、これが非常に多い。昭和二十八年九月の統計によりましても、その当時は五千三百九十二名のうち千二百十八名、すなわち二二%五が頭打ちであった。ところが越えて三十年になって五千百二名中に千五百十七名がこの頭打ちになつておる。それはパーセンテージにすると約三十%、この一点を見ても私は非常に特殊な状態だと、こう考えられるのです。こういう点をどうして一体あなたが監督ですね、責任者でありますが、打開するという御努力をなさらないのか。実際に私はそういうところに官房長の監督下にあってあなたにこの責任が十分にあるのである、もし責任がそうではないとするならば、いろいろの問題に一体台長にどういう点まで権限をまかしておるか、その範囲一つ聞きたいのであります。この間気象台の人員のことについて予報部長から聞いたのですが、気象台には現業要員はきちっと割り当てられていて、災害のときに予報を解説して伝達する要員並びに日常の民生教育要員が定員上一人もいないということの説明がありました。私はこの何は現業だけで用の足りる官庁とは考えていないのです。また一般の社会でも現業のみの官庁として要望しているのではないのです。現業と行政を兼ね備えた完全な官庁を望んでいるのであって、台長はこの点をどういうように考えておるか。今の業務を完了するのにはどのくらいの人員が不足しておるかというようなことを台長にもあわせてお聞きするのであります。これは給与の問題と同時に、職員定員、つまり不足ということを考えておるのではないか。私は当初定員法を作るときの状況を知っておりますために、そのままで、つまり押し込められて今でも甘んじて、そうして国民に安心を与えないでおるのではないか、こういうことを心配するのであります。これは給与の点は官房長、それから今の人員等の実情は台長、これだけお聞きして、私、終ります。
  79. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 給与の御指摘は資料を御配付いたしましたように、頭打ち二九・七%という数字になっております。運輸省におきましても、たとえば港湾関係におきましては四〇%近い頭打ちをもっております。全体の各省平均が大体二〇%くらいであります。運輸省の平均頭打ちになっております点を見ますと九%気象台から入るということになっておるわけでございます。それで頭打ちの問題は御承知のように職階制と給与制度というものが根本的な原因でございまして、私どもの方の港湾関係に頭打ちが四〇%もあるということは労務職が多いために高い級がとれないということが非常に響いております。それと、もう一つ昇給年限が現在の公務員制度におきましては非常に短かい関係上頭打ちの方を次の級に持って参りましても直ちにその級の高いところにいきまして、一、二級たちますとまた頭打ちというような状態になるという格好でございまして、頭打ちの解消につきましては気象台はもとより運輸省全般として何らか職員の動労意欲をかき立たせるためにも、私といたしましては解決しなければならない問題であるというふうに常に努力いたしておるわけでございます。それで気象台におきまして一般からどうして高いのであろうかと申しますと、気象台は御存じの通り三交替制をとっております。三交替制と申しますと、いわゆる一般職員がいわゆる役付職員の三倍もいるという格好でございまして、普通の官庁よりも、どうしても下級職に頭打ちというものが各所に出ておるという現状は了承していただけると思います。そういう階級の人が各省の振り合いでみますと二倍多くいるという格好になりますのと、もう一つ一般の省におきましてはただいま定員お話がありましたが、相当程度定員整理が強く参りまして、上の方がやめられた現状でございます。それに対して気象台は研究機関的な性格から、定員減が非常に少いために年をとられた方のやめられた率も少い。この表で御覧になっていただけますように、相当程度まあ高年齢の方が多い人的構成になっておりますのと、ただいま御指摘になりましたように、この気象台の仕事そのものが非常に長く勤務する体制でありますために、各省のように上のものがやめて下のものが入るという現象の、いわゆる循環と申しますか、そういうものが各省よりも少いというものもこの原因の一つではなかろうかと、かように考えております。しかし、とにもかくにも運輸省の平均よりも高い事実はおしかりの裏づけをいたしておるわけでございまして、私どもといたしましてもこれは気象台に限らず、港湾では四〇%も頭打ちをもっておりますので、何とかそういう点についての頭打ちを解消したいということは常々努力をいたしておるわけでございます。将来ともこの点につきましてはもちろん私どもの仕事としまして頭打ちの解消に努力をいたしたい、かように考えておりますが、根本的にはなかなか今の人事制度では困難な面もあるということを御了承を願いたいと思います。
  80. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 気象台が一番悩んでおる問題は人員の問題であります。なぜこの人員が不足しているかと言いますと、近来各方面から寄せられております要望が日に増して増大しているということは先ほど申し上げましたが、そういうようなことは国全体が気象というものを利用し、また気象というものを理解して災害を防止軽減しょうという機運に向って来た。また気象台の実際のサービスというものが、それに相当するだけ技術的に進歩をして来たということはあると思うのであります。このようにいたしまして日に増すいろいろな御要望にサービスをするというととが気象台としても非常に考えておるところでありまして、われわれとしてはできるだけのサービスはしたいわけでありますが、これは個々別々のいろいろの問題もありますので、そこにはどの線までできるかという点は問題があると思いますけれども、とにかく気象の仕事をしておるのはわれわれのこの気象機関だけでありまして、他に気象会社もできまして有料で気象のサービスをしておりますけれども、何と言ってもほとんど全部が気象台でいたしておる。そういうような気象台におきまして、今は現業のかたわら、そういうような一つ一つのサービスをいたすことは、ほとんど不可能に近いほど困難を来たしております。また、それは単に問い合せとか調査の依頼だけでなく、それをいたすために、あるいは同時通信の設備をもっていたすとか、あるいは近ごろいたしておりますが、テープレコードにして、電話でだれでもすぐ聞えるようにするとか、まああらゆる手段を考えてサービスをするということに資したいと思っております。まあそういうような関係から、現在におきましては、確かに相当の人数が不足をいたしておりまして、これが気象台員の仕事を過重ならしめていると思うのであります。先ほども気象台長は現状に満足しているようであるという仰せがありましたけれども、まあ私といたしましては、もちろんこの予算人員でもって満足しているわけではございませんけれども、われわれの任務としましては、できるだけ努力いたしまして、得られた結果で最大の実効を上げて、災害の防止並びに気象のサービスの完全を期したい、その一言に尽きると思います。
  81. 千葉信

    千葉信君 ただいま木下委員の方からいろいろ質問して、御答弁があった一般的な問題、まあ気象台の配分される予算が少いとか、それから定員の状態が任務の遂行に必ずしも妥当なものでないとか、あるいはまた官房長から御答弁のありました給与の問題、まあその中でも頭打ちの問題等については、他の現業職、運輸省関係の現業職等の状態から比べても、頭打ちの問題は、官房長は必ずしも気象台関係が悪いわけではないというようなことを御答弁になっていますが、私はこの問題に関連して、具体的に一ついかに気象台の職員の処遇が適正を欠いているかという問題を取り上げて質問して、この解決は早期になされなければなりませんので、他の気象台の問題と関連して、本委員会としてかなり重心を置いて問題の解決をはからなければならぬと思います。きょうは時間の関係もありますから、具体的な一つの問題についてお尋ねをいたしますが、御承知のように、政府職員に対しては、その給与については給与法が定められ、その定めた給与法によって政府に委任された事項については、政令の範囲内でその支給方法支給対象等を決定している。その方法がとられているわけですから、今私が質問することは、政令に委任されていて政府が解決できる問題、特に気象台等の関係については、これは官房長は責任ある立場でこの問題を処理しなければらなぬ立場である。しかも職責上はやろうと思えばできる。それはなぜかというと、政府職員の特殊勤務手当に関する給与法並びに政令の関係です。その特殊勤務手当の中に、全く他の官庁と同一な仕事をしておりながら、この政令がへんぱな取り扱いを決定しているために支給されていない給与、その一つに電気通信の有線無線の作業に関する特殊有技者手当政令によりますと、その政令の第五十八条を見ますと、「特殊有技者手当は、郵政、航空及び気象職員が左に掲げる作業に関し」と第一号から第三十四号までそれが掲げられている。そのうちのそれぞれの有線無線電気通信有技者に対しては手当支給する、それから航空業務に携わる者にも出ている、同じ仕事をやっているのに、気象台の場合には全然この政令の対象にはならない。それからまた四十八条の教務手当では、郵政省の職員訓練所等の場合と中央気象台研修所の場合の教務手当が、一体片方は支給されて、片方は支給されていない。これはどういうわけであるか。それから、また危険作業手当の場合も同様です。片方では「胴綱を使用して電柱上で行う作業」の場合には支給されている。ところが気象関係の同じく「橋上作業」、それから「高層観測のため高圧水素を使用する作業」、それから「低温低圧室内作業」その他三項目、それは調べればわかると思います。要するに問題は、この政令の第二条の関係からいって、そのワク内に入っておらないということはどうかということ。それから同時にその種類をきめた第四十一条に、同じく「郵政、航空」と並んで、「気象台」がある、これはもう給与法の建前からいっても、当然他の省庁の場合に支給対象に入っているとすれば、当然同じ職種が気象台にもあるわけですから、これは当然出すべき筋合いのものを政府は出していないということになると思う。この点一つ早急に私は解決する責務があなたの方にあると思います。これに対して一体どういうふうに処理されるおつもりであるか、お伺いしたい。
  82. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) ただいまのオペレーターの手当の件でありますが、これは私も非常に困っておる問題の一つであります。と申しますのは、ただいまお話しのように、運輸省内におきまして航空局の職員には手当がついている、気象台の職員には手当がない、海上保安庁の職員にもないという、同じ職員の中にへんぱな取扱いをするということは人事を取り扱っております私たちといたしましても、たえられない点でありまして、この点につきましては、ただしかし、ただいまのお話しのように、運輸省限りでできないということも御承知通りでございまして、人事院及び大蔵省としばしば強い折衝をいたしております。ところが目下まだ折衝中でございますが、現在の給与制度におきまして、人事院及び大蔵省の一般的な方向といたしまして、特殊勤務手当というものは整理をしなければならぬ。そういうときに新しいそういうものを認めるということは賛成しがたいという壁に当っておりまして、私といたしましては、それは私どもの職員でございますから、それについて航空局の職員のを減らしてくれという要求はいたしておりません。すでにそういう全体の方向は方向といたしましても、何らかそれにかわるべきものがあればよいのでございますが、ただ、あるものを減らすというわけにも参らず、ですから私といたしましてはそういった方向にかかわらず、気象台及び海上保安庁の職員にも同じものがもらいたいという折衝をいたしておりますが、ただいま言いましたような全体的な方向のために解決をいたしていないことは遺憾でございますが、この点につきましては話が終ったわけではございませんので、まだ折衝をいたしておるわけでございまして、私といたしましては何とかこの給与の平均ということは、同じ省におります者の待遇でございますので、平等にいたしたいというふうに考えております。
  83. 千葉信

    千葉信君 人事行政の立場からとか、あるいは給与政策上将来の方向をどうしようとかこうしようとか、まあ私もあなたのおっしゃる内容が何を意味しているか、具体的な内容は知っている。しかしそういう方向へいこうという今の意見や努力がかりにあるとしても、一方では現実の問題としてはその制度が現存しているわけです。しかもその制度が公平に行われていないために、片一方が非常に不公平な扱いを受けているという事実がある以上、この問題はごく一般的な方向の問題、あるいは給与政策をどうするかというような、そういう問題と切り離して解決しなければいけない。全体の問題の方向をどうこうするということはあとの問題です。しかも同じ省庁内において官房長が言われるような差別が行われているということは、これはもう能率増進の上からいっても、ほんとうに国家公務員法なり、その他の法令が公務員諸君に期待している職務能率の向上なんということはこれは口頭禅に終るわけです。この点一つ私どもの委員会としてもこの問題については無関心ではおれないし、現実の問題ですから、具体的な問題ですから、官房長一つこの問題については至急解決してもらうように努力してもらいたい。私どもも、もし必要があればこの問題については随時取り上げますから、そのおつもりでどうぞ一つ……。
  84. 上林忠次

    ○上林忠次君 先ほど気象台の現在の仕事の仕組み、組織、いろいろなことを聞いておりますと、数年来各官庁の行政整理で人を相当減らしたと同じように気象台も減らされていると、それでしようがないと、予算も少いし、人員も節減されたと、しかし、しようがないでは私は済まされないと思う。気象台のやっている仕事は大学で一部やっているかもしれませんが、気象台が単独で唯一の日本の観測機関であるということを考えますと、予算が節減されたり、人員が減らされたり、それで仕事がゆがめられてしようがないじゃこれは相済まない。これは官房長の方の熱意が足りないんじゃないか、仕事に対する熱意が足りないんじゃないか。去年あたりも一般行政官庁と同じような行政整理を受けて整理をされているということを聞いております。またその際産業気象というような直接国の産業の発展に寄与すべき部分が減らされてしまった、なくされた。また観測所の一部が整理されたというようなことも聞いたのですが、先ほど来の官房長のまあもらっただけでやるんだ、現在の気象台の仕事はただ観測をやっているだけだ、国の産業のためにやりたい仕事もたくさんあるが、十分な金がないためにできないというようなさびしい話を聞きまして、私もう少し気象台として日本の大きな産業の発展の一翼をになっているんだという気持でやっていただきたいと思うのですが、農業気象の部がなくなったとか、産業気象の部がなくなったとかということを聞いておりますが、そのいきさつはどういう工合でなくなったのですか。またこれから復活しようとする気持があるのかないのか、その辺のところを少しお話願いたいんです。これは気象台長からと官房長から……。
  85. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 具体的な業務の内容につきましては台長から説明願うことにいたしまして、全体的な面につきましてお話申し上げたいと思います。先ほど台長から詳しく御説明申し上げましたように、気象台の今までやっておりました仕事、役所が考えておりました仕事と、社会が要求いたしております仕事というものとある程度ギャップが出てきました。端的な例を申し上げますと、気象台におきまして測候所はその地方の気象予報と申しますか、そういうものはまあやらないように昔からずうっとできておったわけでございますが、まあ非常に気象に対して関心が強くなりますと、測候所があるのに気象予報を出せないのはおかしいと、まあいわゆる定員に見られない仕事を地方の要望に従いましてやって参ったわけでございます。これを私悪いと申し上げているわけではございません。そういうわれわれサービス官庁といたしましては、できるだけ地方の要望に沿うということはわれわれの使命でございます。しかしそこに非常に無理が出てきている現状でございます。そこで毎年気象台といたしましても、そういった点の定員の増加要求はいたしているわけでございますが、御承知のように今年はございませんが、毎年のように定員減というものが出て参りまして、まあそれを見るから気象台の定員減は非常に少く済んできたという反面的なこともあるわけでございますが、今言いましたように業務量が非常にふえて参りました。そのために現業で働いておられる方々の勤務というものは相当つらくなっているという事実は私自身もよく承知いたしております。しかしそれじゃそのままどうして定員を減らすようにわれわれが黙認して参ったかというおしかりが今の御質問であると思いますが最近の例を申し上げますと、二十九年の整理、現在の定員法に載っております整理の場合でございますが、この場合に気象台にいたしましても、そういう現業をやっております仕事と、一般われわれと同じように管理の面の仕事と二つございまして、ああいう全般的な整理をいたします場合には、やはりこれまた各省の何と言いますか、平均化と申しますか、平等と申しますか、そういうものを考えることも必要でございまして、特殊のそういう現場をやっておりますところは、あの場合には対象の外になっておりまして、それであの当時六百人ばかり管理要員が気象台におったわけでございますが、それが整理の対象となりまして、百二十六人減ったわけでございます。その点におきましては、われわれといたしましても、現業というものの特殊性を常に整理の場合には考えておるわけでございますが、ただ気象台の業務そのものがただいま御説明いたしましたように昔と違いまして、現実に仕事が多くなって来たのに、一部でもそういう定員が減れば響くというそういう点は免れないのでありまして、本年度もちょっと予算をここに持っておりませんが、ある程度の増員はちょうだいいたしたのでございますが、将来とも御鞭撻をいただきまして、この面からの気象業務の充足も運輸省といたしましてははかりたいと、かように考えておるのでございます。
  86. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 気象台の人員の少くなりましたのは、主として第一回の行政整理に千二百人やられたことがございます。その後その補充がつきませんのに、ただいま官房長からお話がありましたように、数次にわたっての行政整理をやられて、その後は、初めも私どもずいぶん努力をいたしましたが、その後は初めのことを申し上げまして、必死の努力を傾けて現業の方はパーセンテージが非常に少い、あるいはないときもございました、しかしどうしてもいつでも非現業の方は他との振り合い上、若干のものは免れない、そういうふうにして減って来たのが現状であります。またその際には、観測所も二十数カ所減らさざるを得ない場面に立ち至ったし、また農業気象研究所、その他もそうなった。それらのうちには、戦争前から戦時中を通じて持っておりました若干は、あるいは、戦争後におきましては、重点の低いものも含んでおったことも事業でありますけれども、現在におきましては、各地からの測候所新設の要望が、その要望書が山積するほどになっておる現状であります。ともかくも日本の気象事業は戦争後平和的な気象事業に打ち出したのでありますが、戦時の気象事業は確かに非常に膨大なものであった。それが平和にかわるときに、どのくらいにすれば至当であるかということの判定が、われわれの申し上げるのが十分理解していただけなかった点において今日まで尾を引いておる。しかも終戦後気象に対する期待関心は日増しに多くなっているというのが現状であると思っております。私はこの気象事業がどういう仕事をしてどれだけ役に立っているかということをほんとうに正しく認識さして行く、ただ気象は重要である、これを充実すれば天災が防げる、もちろん結果はそうなるといたしましても、どういうところで役に立ち、どうして防げるかということを正しく認識していただいて、その上で、私は私どもの申し上げる拡張、あるいは整備を認めていただきたいと私は願う。それには私はいつでもこの実績を上げて、そうして理解を深めていただこうと申し上げておるのでありまして、もちろん私はここでこれだけ設備がなければ責任が持てないとまで言いたいくらいの気持もいたすのでありますけれども、やはり私は正しく見ていただいて、そうしてこの気象事業を完遂したい、特にわが国が世界にも類例のない、これは申し上げてはばかりないと思うのです。これだけの気象の災害を受けて、また気象を利用している国状からいいましても、この狭い国土に、これだけの人が住むのには、気象でも利用しなければとうていやっていけないということは明らかだと思うのでありまして、諸外国が何パーセント気象事業に使っている、あるいは諸外国の定点はこういう目標に使っているというだけではなくて、わが国の気象独特の見地から、これだけの費用が要るということを見ていただきたいということを熱望する次第であります。
  87. 上林忠次

    ○上林忠次君 気象観測所を廃止するというようなことは大問題でありまして、長い、百年にも近くなるような間観測しているのでありまして、にわかにこれをなくするということに十分な検討をされたことと思います。現在ある測候所でも、ほんとうにその地方の観測効果はむだだというようなところもあろうと思いますが、その点は私らが申し上げなくても検討されておると思いますが、廃止すべき点は廃止していただいてけっこうであります。  ただ予算が削減されたからといって、取り返しのつかんような、途中で長年のデータが無意味になってしまうというようなことのないようにお願いしたいのであります。私先ほども申しましたように、気象台のやっておる仕事はどこでもやっていない。特に気象と産業との関係ということは、どっかでやらなくちゃならぬ問題で、しかもどこもやらんというような点を考えますと、やはり気象台で必要な予算はとってもらって、何とか日本の、世界で一番複雑なむずかしい気象条件にある日本の国として、生産——特に農業生産でありますが、また航空気象、あるいは海洋気象はもちろん必要でありますが、特に最近この被害の多い農産物の状況考えまして、何とかこれを未然に少しでも防げるようにやってもらうためには、もっと研究をやってもらわなければいかんじゃないか、先ほども申しましたように、ただ気象の観測だけというような現在の業務ではないかと私は考えるのでありますけれども、数年来の被害状況を見ておりますと、災害のくるところはきまっておる、特にひょう害、あるいは霜の害というようなものは、これは道がついておる。私らは地方の視察に行きまして、もう数年の後には何か新しい今の原子核の分裂の際のエナージを使って、これを防止できるというようなことにもなるであろうと思う。気象台でせっかくやってくれておるのですから、心配するならば、それまでは現在の気象の予報で、できるだけの仕事をするよりほかしようがない。しかしながらやっておる、状況を見ますと、ああいうようなものをやっておる状況を見ておりますと、昔と同じ、ほとんど変ったことのないようなことで予報しておるというふうな状態で、もっと何かこれはあの災害を防止する手があるのではないか。そういうような方面の研究はどこで一体やっておるのか。気象台はこの前文部省の管轄にありましたときの研究所がなくなったら、今はどこもやっていない。これに対してはどういうふうにお考えでありますか。来年からでも、今年からでも、産業気象というものを研究してもらう、これに重点を置いてもらうということを皆さんに努力してもらいたい。これに対して台長どういうふうに考えておられるのでありますか。
  88. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 気象台におきましては、管理業務をいたしておる者も、現業におる者も相当技術の高い技術者がおりまして、それらの者は皆いつもその仕事を改良進歩させ、また新しい方式を考えるような研究も余暇にはいそしんでおります。しかしそれを専門にする研究員は、気象研究所というものがありまして、百人ばかりの、これは全部含めて百人であります。それくらいの研究所において研究いたしております。これで十分とは申せませんが、少くとも研究所も持っておるのでございますから、われわれといたしましては、この研究所において十分世間の御要望に沿い得るような研究に重点を置くというようにもう少し思考いたしたいと存じております。先ほどから何か進歩しないようなおしかりで、表面的に全くその通りで申しわけありませんが、言いわけを言わしていただくとすれば、気象も昔から見ればずいぶん進歩をしていろいろやっておるのであります。それだけ、技術が進歩すれば進歩するだけこまかい要求が出ておりまして、いつも少しまだ及ばないというところでありまして、言いわけよりも実際が大切でございますから、これから十分努力いたしまして御要望に沿いたいと思います。
  89. 上林忠次

    ○上林忠次君 これはよその官庁の例でありますけれども、常勤臨時職員、そういうのがふえた。先般からあちこちの省に出ておるのであります。それの待遇の問題が出ておりまして、どこでも常動的臨時職員というものを持っておる。気象台の方でもああいうような行政整理で年々削減を受けております。ほかの官庁ではこれでやっていけない。一応内閣の選挙のときの政綱か何かで行政整理をやる、建前は行政整理ということでやっておりますので、一応定員は減らしている。しかしながらそれでは仕事をさばけないというので、常動的臨時というのも相当使っている。今その待遇の問題で、今ごろになってうるさい跡始末の問題が出ておるわけであります。さように気象台はあまりまじめ過ぎて、仕事はふえている、高層気象の方もやらなければならぬ、海洋の方もまた重点的にやらなければならぬというようなふうに、仕事はどんどんふえておるのに予算の削減を受けるというようなことで仕事はできない。手を上げてメンファーズというような状態のように聞いておりますが、私はほかの官庁がああいうような裏道を歩みながらも自分の仕事にそれだけの熱意を持って自分の責任を全うしょうということをやっておるのに対しまして、気象台の方はどうも働かせないような立場に置かれるならば遊んでやれというような状態ではないかと思うのでありますが、こんなことがあっては困りますので、必要な予算はがんがん取ってもらって、先ほどもお話が出ましたように、洞爺丸一隻沈んだ、大きなあの損害だけでも気象台の方に予算を出すなら、これは大きな日本に経済的な効果を与える。別にこれという要望もありませんけれども、気象台の任務が日本でたった一つ仕事場所としての気象台であるということを十分腹に置いてもらって、予算の獲得、人員の獲得に努めていただきたい。私たちもこの気象台の仕事が円満にいくためには十分の努力をしたいと考えておるのであります。
  90. 和達清夫

    説明員和達清夫君) いろいろ御忠言、御激励ありがとうございました。ただ一つこれは私個人の問題でございません。気象職員というものは一生気象の仕事をいたしておりまして、そしてこの仕事のために生涯捧げてみんなやっております。ですから予算がなくても、人員が足りなくても、私ども仕事をしなくていいと言いましても、あるいはやめろと言ってもほとんど聞かずにその観測に努めてやっておる、これをやめさせる方に苦労するぐらい、私でなく、気象職員一般の気質の、気風のために、熱意がなくてやらないというようなことだけは一つ御認識いただきたいと思います。
  91. 上林忠次

    ○上林忠次君 今年は去年よりも一億ばかり予算がふえておるというようなお話を聞きましたが、どういうような方面にそれをお使いになる予定でありますか。
  92. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 二億まとまって一カ所にふえているわけじゃございませんで、各項自につきましてふえておりますが、おもなものといたしましては通信施設の増強が一番大きいのじゃないかと思います。そのほか、これは額はわずかでございますが、気象台が三交替制のために超過勤務手当が全然ついておりません。それで昨年も非常にその点に困りましたので、本年度、三交替と言いながらもほとんど休めないので、昨年のような状態でございますと、勤務に当らなければならぬ、制度では出ないというようなことでは、現実ができないということで大蔵省に認めていただきまして、たしか五百万円だったと記憶いたしておりますが、その程度のものは入っております。もちろんわれわれといたしましては五百万円ではまだ十分ではないというふうに考えておりますが、そういうふうにこまかく分れておりますので、どの点に二億円が入りましたかは、こまかい予算を御説明しなければならないと思います。
  93. 上林忠次

    ○上林忠次君 私、希望を申し上げますなら、さしあたり日本の今の、国としての大きな問題であります食糧の増産、食糧増産のためには相当な予算を使っておりますけれども、反面病虫害で相当減殺される生産、あるいは気象のために、天災のために減殺されるマイナス、これは相当大きいのです。こういうような方面には大蔵省はお金を出したがらない。開墾をする、開拓をするとか、ああいう派手な、増産と直結した派手な問題ですと、一応聞くのですが、まあこれは具体的に申し上げますなら、今の土地でも大きな開拓、開墾をしなくても現在のままで薬剤を少しよけいやるということで五%くらいの増産はできるのじゃないか。農薬を少しもっと安くして、あるいは国庫の補助を出してやるということをするなら、そんな大きな畑の造成をやらなくても、すぐこれは相当なパーセントの増産ができる、増産効果が上るわけであります。さような方には目もくれないというようなことで、なかなかこの気象台あたりの研究用の費用というのも出したがらんのでありますけれども、さような点はうんとあなたの方からも、この必要性を納得するまで大蔵省に説いてもらって、どうでも予算を取ってもらって、農業気象の一つ専門の部を作っていただいて、その方からも増産の一翼をになってもらうということをお願いしたいのであります。いかがですか。
  94. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 農業に対する気象の件について一番大きいことは、長期予報だと私は思っております。しかも長期予報をただ出すだけじゃなくて、これがよく農家に浸透しまして、その活用法を講ずること、このために現在仕事は進めておりますが、これは予算がついておりません仕事であります。ことしも要求いたしましたが、不幸にしてこれは通りませんでした。しかし、まあわれわれとしましては、こういう方面からまず第一にできるだけ努力したい。そのほか凍害の問題もありますし、風水害その他いろいろございますが、これらは共通の点もございますので、その方面から農業の方に力を注ぐ。また農業は気候の問題がありまして、狭い範囲の気候、こう云う問題もいたしておりますが、御意見によりまして今後ますます努力したいと思っております。
  95. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 ちょっと座をはずしておりまして、大へん恐縮ですが、あるいはすでに同僚委員の中から質問として出されてお答えになったと思いますが、ただその研究の部門でございます。私はあまり資料を持っておりませんのでよくわかりませんが、予報関係と、それから研究関係と、おそらく気象台としては一番大きな部門じゃないかと思うのですが、予報関係の方ももちろん重要ですが、しかし研究部門というやつが、予報関係の場合にもおそらく土台になるのじゃないかと思うのです。私は最初二年間だけ学術会議の会員になっておりまして、研究費が、これは気象台と限らずですね、どこでも、官庁関係もそうだし、民間に対する研究費等もきわめて補助が少いということでしばしば問題になり、スタック等でもこれは問題になったと思うのです。今年の予算の中での予報の方面と、それから研究の方面に使われる大よその費用というものはどのくらいになっておるのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  96. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 申しわけございませんが、ただいまちょっとお答えしかねます。あとで資料を……。
  97. 堀眞琴

    ○堀眞琴君 これはさっき木下委員からの質問にもあったのですが、何と言っても一番土台になるのは研究、予報に関する研究、気象に関する研究ということが一番大事だと思うのです。従ってもう予算も組まれたことで、本年度はどうにもならぬということが一応は考えられると思うのですが、しかし気象台のみなさんがたが立派な研究をされるためには、どうしても金が必要なんだし、その点、これは気象台長さんにもお考えおき願わなければならぬし、同時に運輸省の官房長にも、たとえば補正予算なり、これは組むか組まないか私どもにはわかりませんが、ともかくそういう場合がありましたら、ぜひとも研究部門の費用を拡充していただかなければならぬと思います。で、研究者というものは、これはどこでもそうなのですけれども、ことに気象台はその点では非常に顕著だと思うのですが、苦しい生活の中で研究を続けていられるわけですね。文献等についてもおそらくそれほど十分するのです。私も学校の教員を長いことやっておりましたので、研究室の生活というものがどんなにみじめかということですね、少し運輸省の官房長あたり実際ごらんになっていただきたいと思うのです。実際さっき雨漏りとかあるいは暖房ができてないとか、いろいろとお話しがありましたが、そういう設備もさることながら、まず肝心の資料、文献等がなかなか手に入りにくいというのが現状ではないかと思うわけです。立派な研究をするためには、どうしてもこれを拡充するということが前提にならなければなりませんので、ぜひ補正予算あるいは三十一年度の予算にぜひとも責任を持って手当をしていただくようにお願いしたいと思います。官房長、ちょっと……。
  98. 山内公猷

    政府委員(山内公猷君) 全体的の数字、計算がちょっとできもまんのでありますが、気象研究所庁費といたしまして、国会に今、御承認を求めております高といたしましては、三十年度要求額一千百八十五万円要求いたしております。これは庁費だけでございますので、その他人件費その他は別の項目に入っておりますので、抜きませんと全部の費用は出ませんので、後刻その点につきまして御説明申し上げたいと思いますが、ただ現在予算書で気象研究所として出ておりますのは、庁費といたしましてそれだけ出ておりますことを御報告申し上げまして、後にまた御説明申し上げます。  研究所の何と申しますか、そういう費用が少いということは、実は私もいろいろ直接に、このほか運輸技術研究所というものも私の責任の機関になっておりますので、まあこの方面の予算の折衝も常に私代表者として、あるいはまあ協力者として大蔵省にやるわけでございますが、どうしてもこれは緊急性が、非常に予算的に財政当局で納得していただけないということで、堀先生も御経験があられれば御了承願えると思いますが、しかし長い目でこういう交通技術というようなものを見てみますと、たとえば船舶を輸出するにいたしましても、車両をこれから外国へ輸出するにいたしましても、こういう技術的な進歩がありませんと、どうしても運輸省の交通の安全並びにそういう生産というものが伸びないので、われわれといたしましては、この点について、私担当いたしておりますせいもありまして、非常にいつもお願いをいたしておりますが、ただ緊急性があまりにも、少いとは考えておらないのでありますが、当面の現実的な問題より、これは非常にまあ何年か先をねなう研究が多くなるものでありますから、まあ十分にその点におきまして達成されておらないわけでございまして、この点は研究所全般に言えることでございます。御指摘の通り、日本における技術研究の尊重の度合が低いという点の認識をわれわれ自体改めてかからなければ、日本の復興、再建というものも非常に手おくれになるのではなかろうか、かように考えておりまして、この点も御鞭撻いただきまして研究所全般の問題といたしまして私どもの方も気象研究所に限らず運輸技術研究所その他の施設内容を充実してゆきたい、かように考えておる次第でございます。
  99. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 他に御質問ございませんか……。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後二時十一分散会    ————・————