運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-06-28 第22回国会 参議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十八日(火曜日)    午後一時三十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     瀧井治三郎君    理事            左藤 義詮君            柏木 庫治君            永岡 光治君            三木 治朗君    委員           大野木秀次郎君            西川平治君            島津 忠彦君            津島 壽一君            久保  等君            八木 秀次君            石坂 豊一君            最上 英子君            八木 幸吉君   国務大臣    郵 政 大 臣 松田竹千代君   政府委員   郵政政務次官 早稻田柳右エ門君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省電波監理    局長      長谷 愼一君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君    常任委員会専門    員       柏原 栄一君   説明員    郵政大臣官房電    気通信監理官  行広 清美君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大沢  実君    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君    日本電信電話公    社運用局長   田辺  正君    日本電信電話公    社経理局長   秋草 篤二君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵便物国産愛用字句消印使用  に関する請願(第九号) ○鹿児島上屋久村に電報電話局設置  の請願(第五二号) ○茨城水戸谷中町に特定郵便局設  置の請願(第六七号) ○青森百石郵便局庁舎復旧に関す  る請願(第二〇五号) ○新潟西越村に無集配特定郵便局設  置の請願(第三五五号) ○宮崎東都農地区電話架設請願  (第四一二号) ○奈良黒滝村の電話施設改善に関す  る請願(第六三九号) ○滋賀県近江八幡郵便局庁舎新築に関  する請願(第七一七号) ○鹿児島薩摩求名地区公衆電話  を架設するの請願(第七七三号) ○鹿児島薩摩中津川郵便局電話  交換台設置請願(第七七四号) ○日本放送協会昭和二十八年度財産目  録、貸借対照表及び損益計算書並び  にこれに関する説明書内閣提出) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (昭和三十年度日本電信電話公社の  予算に関する件)   —————————————
  2. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) それでは逓信委員会を開会いたします。  本日はまずこれまでに本委員会に付託されました請願十件を順次議題として審査をいたします。  審査順序といたしましては、まず専門員から請願趣旨説明を聞き、次いで特に紹介議員さんから補足説明のある場合はこれを承わって、さらに所管当局意見を聴取し、質疑を行うた後、その取扱いを協議決定するという順序審査を進めたいと存じます。  それではまず、第九号、郵便物国産愛用字句消印使用に関する請願議題といたします。まず専門員をして説明をいたさせます。
  3. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明申し上げます。  本件請願者土岐章君、紹介議員柏木庫治君、請願要旨は「国際収支改善国家経済発展に寄与するため、国産品愛用国民運動を展開することは現下最大の急務と痛感されるところであるから、この趣旨国民各層に徹底させる方法として、郵便物国産品愛用字句消印を使用するよう取り計らわれたい」というのであります。
  4. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 紹介議員さんから特に何か御発言がございませんでしょうか。
  5. 柏木庫治

    柏木庫治君 国産愛用のことについてでありますが、現内閣国産自動車を使って外国ものを輸入するより国産品を使おうという、何か新聞に見えたこともあるくらいに、現内閣国産品を愛用することに、あの自動車のことができるできぬにかかわらず、力を入れておると思うのであります。私は英国が最も財政危機に瀕しましたときに、チャーチル首相内閣員の給料を削りまして、一面あの経済危機を完全に征服いたしまして、黒字の英国の今日の繁栄基礎にいたした国策は、国産品を愛用したというところに一番底力があったんだと思うのであります。ちょうど私ども英国に十日ばかりおりましたが、各方面において国産愛用が徹底しておる姿に敬意を表しました。これならば必ずや英国危機も乗り切るだけでなく、繁栄基礎ができるな、こう考えて参ったのでありますが、日本がちょうどそういう時期に際しまして、国産愛用運動が各方面で起るということは、まことに好ましいことであり、かくありたいと存ずるのであります。  郵便物消印国産愛用字句を入れますようなことは、郵政当局としては費用も相当かかるだろうし、苦労もあると思うのでありますが、私は、郵政省がこういう大きな国民運動に一方の役割をなすというところに、苦労に比較にならぬほどの大きな結果が現われると思うのであります。郵政省なんかがここに力を少し加えますことは、その郵便物を受け取る一人一人の心持ちの中に、この心持ちがしみ込んで、次から次に参りますならば、直接集配局を作るとか、普通局にするとかいうこれもまことにけっこうでありますが、郵政省にもこんな大きな仕事があるんだということを国民全体が認識することも、非常にけっこうなことだと考えるのであります。そこで、私の考えますのに、郵便局全体にこれを及ぼすというようなことは大へんな費用とも思いますので、せめて六大都市とか、あるいは東京、大阪を通過する郵便物だけでもこれをいたしますならば、日本全国に行き渡る、こう考えますので、方法のいかんなんかは郵政当局の賢明さに信頼をいたしまして、ともかくこれによって国民国産愛用精神を涵養し、また一面こういう大きな仕事が一たび動けば、郵政省仕事の中にあるということも好ましいことと思いますので、これを紹介し、かつお願いをいたしまして、請願をお聞き取りいただきたいと思うのであります。よろしくお願いいたします。
  6. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) それでは次に所管当局の御所見をお述べ願います。
  7. 早稻田柳右エ門

    政府委員早稻田柳右エ門君) ただいま柏木先生紹介の、郵便物国産愛用字句消印を使用することがいいんじゃないかという御請願がございましたが、趣旨の御説明のうちにもございましたように、国産品国民が愛用するということにつきましては、私どもも全く同感でございます。しかし、この請願にありまする郵便物にそうした消印を押すということについては、かつて郵政省公共性のある広告業務の一端として自動捺機刻印をして郵送したことがございました。ところがそれに対して国民の批判はずいぶん厳しいものがございまして、郵政省は、郵便差出人所有物に対してかってに刻印を押したというようなお叱りをこうむった前例もございますので、今もそういうような思想があるんじゃないか、かような考え方から、今日の段階においては、そうした国産愛用文字等刻印することは適当な時期ではないと、かような見解を持っておる次第であります。
  8. 柏木庫治

    柏木庫治君 私は今の説明を承わりまして、それが本音かと聞きたいのであります。郵便物の、これに一体国産を愛用するということが、何か広告なんかの利益を目的とするものでなくてですね、この内閣国産愛用に対しては力を入れておることと思うのでありますが、個人のだれも利益するのではない、しかし国産愛用のこれをして、国民が自分の出した郵便物云々の話は、実は郵政省当局者がこういうことをすることをうるさがって、以前あった何かのことにかこつけて、この問題を取り扱うのじゃないか、これは一体国民はこれに対して何人批判し、何人反対するかどうか、私は郵政省当局がこの国産愛用字句を、この消印を使ったことによって、これが国民非難の的になると本式に考えておっしゃっているのか、うるさいからせんでいるのか、これを一つ世論に問うてみたらいい。もっと真剣に国の産業に関し国民精神を向わせるところへ向って、郵政省が大きな力を持っているということが私は好ましい、国民全体がすることも好ましいと思うのであります。どうかそのほんとうのあり方について真剣な一つ議員諸君の御検討をお願いして、私はぜひほんとう精神を汲んで採用を願いたいと思います。
  9. 早稻田柳右エ門

    政府委員早稻田柳右エ門君) ただいまお説のうちにございました、郵政省がそういう煩瑣な仕事をやらなければならんので、国民非難に籍口して、あたかもこれを回避しているようなふうにお話がございましたが、郵政省といたしましては、決してそんな考え方は毛頭みじんも持っておりません。すなわち、先にも申し上げましたように、すでに一度やったこともあるほどでございまして、国民各位から非常に歓迎せられ、また皆様方におかせられましてもこれは最善の方途である、こういうことに相なりますれば、喜んでこれに協力させていただくことを拒むものではないことを付言いたしまして御了承いただきたいと思います。
  10. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 本件について御質疑ございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。
  11. 八木幸吉

    八木幸吉君 柏木委員請願賛成であります。
  12. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) ほかに御意見おありの方ございませんですか。——それでは本請願は、これを採択、不採択、保留の三つのうち、どれにいたしますか。   〔「採択」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  13. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) それでは採択に決します。   —————————————
  15. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に、第五十二号、鹿児島上屋久村に電報電話局設置請願議題といたします。  御説明を願います。
  16. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 本件請願者は、鹿児島上屋久村長深田直彦外一名、紹介議員島津忠彦君、請願要旨は、鹿児島県屋久島は、鹿児島市と奄美大島との中間に位し、本邦有数の漁場である関係上、電報電話取扱い数がきわめて多く、昭和二十六年に超短波多重電話が開通して本土との連絡が急速に緊密化している。また本島雨量全国第一位で、その地形と相待って電源開発の有力な候補地となっており、さらにまた本島海洋国立公園としても指定されており、木島の発展一大飛躍をとげようとしておるときに、電気通信事業の運営を一郵便局に委託することはまことに重荷であるから、本島上屋久宮之浦電報電話局設置してもらいたいという趣旨でございます。
  17. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 紹介議員から特に御発言はございませんですか。
  18. 島津忠彦

    島津忠彦君 請願趣旨にもございますように、この上屋久村のございまする尾久島は、鹿児島から約四十九海里離れておりまして、まあ太平洋の孤島でありまするが、請願の文書にもありまするように、将来電源開発上非常な開発資源がございます。只見川だとか熊野川あたり電源資源にむしろまさるくらいの電源資源を持っております。九州で第一番の高い山なのでありますが、夏期雨量が非常に多いというので、まだ全然開発されておらんところでありまするが、ただいま鹿児島県で電源開発の会社を作りましてやっておるのでありますが、そういうような見地から考えましても、電話施設は十分と増強せられる必要があると思うのでありまして、現在では郵便局委託業務をやっておりまして、きわめて微々たる電話施設でありますので、ぜひともここに独立した電信電話局を設けていただきたいというのがこの趣旨でございます。  どうぞよろしくお願いいたします。
  19. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に当局の御所見をお述べ願います。  ちょっと何ですが、政務次官が、内閣委員会の方で採決するのにちょっと貸してもらいたいというんですが、済めばすぐ帰ってきますから、御了承願いたいと思います。
  20. 行広清美

    説明員行広清美君) ただいまの請願につきましてお答え申し上げます。お話にございました宮之浦局におきましての公衆電気通信業務実情でございますが、現在の規模から考えますと、直営の電報電話局設置することはさしむき困難でございます。しかしながら、開発途上にあります同島の公衆電気通信サービス改善措置といたしましては、昭和三十年度におきまして、宮之浦局尾之間局におけるところの電話交換設備を拡張いたしまして、加入者増設を行いますほか、来年度当初において永田局交換事務を開始いたしまして御要望にこたえるように取り運ぶつもりでございますので、そのように御了承を願います。
  21. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。本請願はこれをいかように取り計らいましたらよろしゅうございましょうか。採択いたしまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) それでは採択に決しました。   —————————————
  23. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に、第六十七号、茨城水戸谷中町に特定郵便局設置請願議題といたします。  説明を願います。
  24. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明いたします。本件請願者水戸黒沢登君、紹介議員宮田重文君、請願要旨茨城交通株式会社上水戸駅前谷中町は、水戸中心街の一画を占め、また茨城交通線分岐点でもあって、附近には学校、官公署商店街住宅街を控え、飛躍的な発展を遂げつつあるが、通信施設がないため住民は非常な不便を感じておる。よって当町に特定郵便局設置してもらいたいというのであります。
  25. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 当局の御所見をお述べ願います。
  26. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 申請の地に無集配特定局をかりに設置いたしまするとしますると、ごく近くに水戸袴塚局との間の距離が僅々五百メートル余りしかありません。また、さしあたり現在のところ、ここに局を設置いたしましても、その享便人口として想定されるのは五千人程度でありまして、いずれも現在私ども設置の場合の基準として考えておるものにまだ達しておりません。将来著しく事情が変ればまたそのときに考えなければならぬと思っておりまするが、さしあたりのところ、ここに局を設置することは非常に困難な事情にあろうかと思われます。
  27. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 本件取扱いについて御意見をお述べ願います。——それでは本請願は、当局の御説明もありますので、もう一応検討する意味において留保することにいたしましてはいかがでございますか。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 これはどうですか。将来の参考の意味採択してもらって……。
  29. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 十分研究する意味において採択するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼者ぶあり〕
  30. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) それでは採択と決しました。   —————————————
  31. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に第二百五号、青森百石郵便局庁舎復旧に関する請願議題といたします。  説明を願います。
  32. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明いたします。本件請願者百石町長三村久太郎君、紹介議員苫米地義三君、笹森順三君、請願要旨青森百石局は、昭和二十八年九月五日の百石町大火の際類焼し、その後民家の一部を使用して現在に至っているが、今日までわずか一年半の間に四度も仮局舎の移転を行い、しかも現局舎は町の最南端に偏しておる上に、木造車庫を改造したものであるため、通風、採光ともに悪く、一般不便はもちろん、局員の健康、事務能率上にも悪影響を及ぼしておる。よって同局舎を国費をもって復旧されたいという趣旨であります。
  33. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に当局の御所見をお述べ願います。
  34. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 百石郵便局局舎が災害にあって現在仮庁舎になっておる、これを復旧する必要があるということは、十分私たちも同感しておるところであります。ただ、現在この附近においては町村合併が進行中でありまして、私どももこれとにらみ合わせてどの程度規模にするかということを決定しなければならぬわけであります。その帰趨を見まして善処いたしたい、かように考えております。
  35. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。−それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。
  36. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま郵政当局からの答弁がございましたように、位置規模等は一応検討余地はあるけれども、とにもかくにも早急に迫られておるという答弁でありますので、これはぜひ採択してしかるべきものだと思います。
  37. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 採択に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) それでは本請願はこれを採択することに決定いたしました。   —————————————
  39. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に、第三百五十五号、新潟西越村に無集配特定郵便局設置請願議題といたします。  説明を願います。
  40. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明いたします。本件請願者西越村村長山後政一君、紹介議員西川平治君、請願要旨新潟西越村は、教育、山林のモデル村として県から表彰されており、また陸上交通発展に伴い商工業も盛んで、人口は現在七千余を有しているが、本村の南西地区製材、鉄工、石油などの諸工場並びに商店が存在する経済的要地であるにもかかわらず、郵便局から二キロ半の遠距離にあり、住民不便は多大である。よって同地区に無集配特定局設置してもらいたい、こういうのでございます。
  41. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 紹介議員から特に御発言はございませんか。
  42. 西川彌平治

    西川平治君 特別につけ加えることはございませんが、一つ申し上げたいことは、石油五カ年計画等によりまするこれは重要な有望地点でございまするので、この方面の鉱工業が将来相当伸びる余地を持っているのでございます。しかも非常に郵便局から遠いのでございますので、坑夫の宿舎、その他ができますると、どうしてもここに郵便局の必要が迫られておる、かように考えますので、よろしくお願いいたします。
  43. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に当局の御所見をお述べ願います。
  44. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 設置する予定地をかりに西越大字稲川といたしますると、大体私たちがこういう市街地区において考えている標準に一応は合致するのであります。ただ現在いろいろな諸般の定員事情その他からいたしまして、全国的に設置基準に達しておるところでもまだ未設置のところが相当残っておりますので、すぐにこれを今年度なり来年度なりにかりに設置するということについては、技術上非常に困難であるわけでございます。しかしまあ場所がへんぴなところでございますので、通信の利用上種々御不便もあろうと存じます。さしあたりの問題としては、簡易郵便局というようなものでも適当に利用願えれば、その点については私どもとしても設置方を考慮してみたいと思います。
  45. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。
  46. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま請願趣旨を拝見いたしましても、特殊な事情にございますので、特にこれを早急設置方を一つ考慮してもらう意味採択賛成いたします。
  47. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 本請願はこれを採択に決定いたしまして、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ないと認めまして、さよう決しました。   —————————————
  49. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に第四百十二号、宮崎東都農地区電話架設請願議題にいたします。説明願います。
  50. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明いたします。本件請願者宮崎都農町東都農郵便局内土公仙丈君外八名、紹介議員三輪貞治君、請願要旨宮崎東都農地区は、本町中心地から約五キロ北方国道に沿い、戸数七百三十七戸、人口四千五百を有する一大部落を形成し、現在は各関係当局の理解ある援助によって、東都農郵便局を初め、同診療所巡査派出所国鉄東都農駅の開設など、一応文化施設が整い、戦前の辺境の地としての不便さが少くなったのであるが、電話架設要望は日とともに高まり、その加入の申し込みも四十六口に達する実情であるから、本地区発展のために、この際早急に電話を架設せられたいというのであります。
  51. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に当局の御所見をお述べ願います。
  52. 早稻田柳右エ門

    政府委員早稻田柳右エ門君) 御要望のありました東都農地区については、電話架設の必要は十分認められるのでありまして、この御要望を抜本的に満足していただく措置といたしまして、交換局新設も一応考えられるのでありまするが、今かりに同地区交換局を新設いたしますると、同一行政地区に二つの交換局ができて、将来加入区域合併問題等も生ずることが予想せられます。さような関係で適当ではないと存じます。現地の実情から考えまして、都農局飛び地加入区域というようなふうにいたしまして、加入希望者を集団開通することによって御要望に沿いたいと考えております。しかしながら、昭和三十年度におきましては、すでに建設資金の使途について計画済みであります。同地区電話架設に充てる余裕が現在のところはございませんので、昭和三十一年度以降においてできるだけ早く御要望に沿うようにいたしたいと考えております。
  53. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。
  54. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま郵政当局からの本件に対する見解を述べられましたが、十分必要は認めておりまするので、採択賛成いたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  55. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議はないものと認めます。採択に決しました。   —————————————
  57. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に第六百三十九号、奈良黒滝村の電話施設改善に関する請願議題といたします。  説明願います。
  58. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明いたします。本件請願者奈良県吉野郡黒滝村長田村亮三郎外四十三名、紹介者新谷寅三郎君、請願要旨奈良黒滝村は近時奥地開発の進展によって、木材の生産が増大し、これに伴い製材業貨物輸送並びに一般交通発展は、阪神地区並びに県内主要地区との交易がひんぱんとなり、各種施設は完備して、あらゆる仕事がスピード化してきたので、電話施設にはなはだしい不足を生じている現状であるから、交換台増設市内ケーブル延長等について、すみやかに改善せられるよう取り計らわれたいという請願であります。
  59. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に当局の御所見をお述べ願います。
  60. 早稻田柳右エ門

    政府委員早稻田柳右エ門君) 現在の黒滝局局内設備は行き詰っており、交換台増設しなければ加入者の増強は不可能でありますが、全国には局内設備が極度に行き詰って、交換台増設を必要とする局が多数あります。一方毎年の電気通信施設拡張改良予算が十分でないために、緊急度に応じて逐次交換台増設を行なっておる状況でありますので、早急に黒滝局交換台増設して、加入者増設をはかることは困難でありますが、さしあたり既設加入電話を相手とする共同加入については架設することができますので、これによって御要望に応じたいと思います。なお、今後建設資金の確保に努めまして、できるだけ早い機会に御要望に沿うよう努力いたします。また、長瀬、粟飯谷方面への市内ケーブル延長につきましては、現在黒滝局局内設備が行き詰っており、加入者増設が困難でありますので、黒滝局交換台増設の際、加入電話需要等検討いたしまして、計画を立てたいと存じておるような次第であります。
  61. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。
  62. 永岡光治

    永岡光治君 これは請願趣旨を見ましても、まことに同情に値するところがございますし、また当局におきましても、できるだけ励行したいという意向でありますので、この請願趣旨に沿って、これは施設改善でございますので、採択賛成いたします。
  63. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————
  65. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に第七百十七号、滋賀県近江八幡郵便局庁舎新築に関する請願議題といたします。  御説明願います。
  66. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明いたします。本件請願者、滋賀県近江八幡市長井上孫治郎君外三名、紹介議員西川甚五郎君、瀧井治三郎君、請願要旨、滋賀県近江八幡郵便局庁舎は普通の民家を借り入れたもので、建築年度も相当古く、現在まで改修に改修を加え、採光、通風等事務能率の上においても多大の支障があり、また電報電話局とも離れているため、関係者はもとより、市民の不便は論を待たない現状であるから、本郵便局庁舎を新築せられたいとの請願であります。
  67. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 当局の御所見をお述べ願います。
  68. 早稻田柳右エ門

    政府委員早稻田柳右エ門君) ただいま議題になりました近江八幡郵便局庁舎はきわめて狭溢であり、構造等も不良、老朽でございまするので、郵政省といたしましては、一日も早く改善の必要があると認めております。しかしながら、予算措置上、並びに他との振り合い等もございまするので、これらを勘案いたしまして、できるだけ早い機会において御期待に沿うよう改善をいたすよう考慮をいたしておる次第であります。
  69. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見のお述べを願います。
  70. 永岡光治

    永岡光治君 ただいまの請願趣旨もございますし、また郵政当局の御答弁の内容から伺いましても、一日もすみやかに趣旨に沿うように努力をしたいということで、採択賛成いたします。
  71. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  73. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に第七百七十三号、鹿児島薩摩求名地区公衆電話を架設するの請願議題といたします。  説明願います。
  74. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 説明いたします。本件請願者鹿児島薩摩薩摩町長戸子田等外一名、紹介議員佐多忠隆君、請願要旨鹿児島薩摩求名地区狩宿部落民の要望により、昭和二十六年回部落に簡易郵便局設置され、平易な郵便物、郵便貯金、簡易保険等の取扱いが開始されたが、同部落は町役場から約二十キロ、求名郵便局から約八キロの地理的不便な地にあるため、あらゆる面に立ちおくれているから、住民福祉の上からも町行政浸透の面からも、また非常災害時等における連絡上からも、本部落に公衆電話を架設せられたいとの請願であります。
  75. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 当局説明を求めます。
  76. 早稻田柳右エ門

    政府委員早稻田柳右エ門君) 御要望の狩宿部落に公衆電話を架設することは、交換取扱い局よりの距離があまりにも遠く、多額の工事費を要しますので、直ちに御要望に応ずることは困難であります。なお、この部落のような僻地で電話の普及してない地域は全国にたくさんありまして、電話架設の必要なことは十分認識いたしております。しかし建設資金が十分でないため、御要望に沿い得ないでおるような次第でありますが、今後資金を一そう効率的に活用いたしまして、僻地における電話普及促進等に対しても十分対策を検討いたしたいと考えております。
  77. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。
  78. 永岡光治

    永岡光治君 請願趣旨にもございますように、特別な僻地でもございますし、かたがた台風等の特別な地域でもございますので、この地域には特別な意味での電話設置が必要だろうと思います。なお郵政当局からの御説明の中にも、全国的にもこういう問題があるので、何とかこの解決をしたい、建設資金等の確保を得て何とか努力したいという意向がありますので、採択賛成をいたします。
  79. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————
  81. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に第七百七十四号、鹿児島薩摩中津川郵便局電話交換台設置請願議題にいたします。  御説明を願います。
  82. 勝矢和三

    専門員勝矢和三君) 御説明いたします。本件請願者鹿児島薩摩薩摩町長戸子田等外一名、紹介議員は前件と同じく佐多忠隆君、請願要旨鹿児島薩摩町は、昨年末旧中津川、求名、永野の三カ村が合併してできた新設町村であるが、地勢上から人口の分布状態が旧村役場所在地を中心とする地域に密集しており、町の治政と住民の連絡交通は峻悪な県道によるのほか、通信によっているが、中津川地区においては、現在の無集配局一カ所に一回線の分岐回線があり、他町村の宮之城局から佐志局を経て中津川局となり、同地区住民に対する通信連絡はまことに不便を来たし、緊急を要する場合は約八キロに及ぶ県道を飛脚便を発する現状であるから、すみやかに現在の中津川局へ本局からの直接回線と交換台設置を実現せられたいという請願であります。
  83. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 当局の御所見をお述べ願います。
  84. 早稻田柳右エ門

    政府委員早稻田柳右エ門君) 御要望のありました中津川局の交換事務を開始することは、同一行政区域内に永野局、求名局を含めて三つの交換局ができることになりまして、将来加入区域の合併問題を生ずることが予想され適当でないと考えます。従いまして、もより交換局の飛地加入区域とし、加入希望者を集団開通することによって御要望に沿いたいと存じます。しかしながら、昭和三十年度におきましてはすでに建設資金の使途も割当て済みでございまするので、同地区電話架設に充てる余裕が現在のところございません。昭和三十一年度以降において御要望に沿うようにいたしたいと考えております。
  85. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御質疑はございませんか。——それでは本件取扱いについて御意見をお述べ願います。
  86. 永岡光治

    永岡光治君 ただいま当局からの御説明によれば、三局の交換台になるので適当でないが、しかしなお電話通信改善の必要は十分認めて、何らかの方法によって措置したいという話でありますので、採択賛成をいたします。
  87. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  以上をもって請願を終ります。
  89. 永岡光治

    永岡光治君 そこで、私たちこうして請願を皆審議いたしておるのでありますが、たとえば、電話の問題にいたしましても、あるいはまた郵便局設置の問題にいたしましても、何と申しましてもこれはやはり定員だとか、建設資金の獲得が必要でございます。とりわけそういう問題につきまして特に御尽力いただかなければならないと同時に、私たち審議に当った委員も、国会議員の一員としてそれに協力しなければならぬと思うのですが、そこで私はちょっと当局にお尋ねしておきたいのでありますが、無集配局設置は非常に多くの要望がございますが、承わるところによりますると、戦時中で焼失をいたしまして、依然として特定局を問わず普通局を問わず、ずいぶんあるそうでありますが、その数が一体どの程度あるのか。  それからいま一つは、先ほども郵政局長お話の中にありましたが、置きたいけれども、定員がなければなかなかやれない、こういう話でありましたが、こういう問題について、やはり無集配局設置するということの方針をおきめになって、何カ年計画で何局置くのだということも必要かと私たち考えるのですが、もちろん当委員会における各委員もそういう場合におけるところの実現方については十分努力をされる、私どももまあしなければならぬとまた考えておるのでありますが、そういうことについての当局のお考えはいかがでございますか。
  90. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) おっしゃる通り、現在東京、大阪地区あたりにおきましては、戦災で焼失してそのままになっておるというような局舎がまだ相当ございます。計数的にちょっと見ましても、現在まだ戦争前の状況に達していない。東京、大阪あたりにそういうところがある。私ども一方、人口その他においては戦争前よりもはるかにふえておるというようなことから、やはり当分そういうところの復旧施設に重点を注いでいかなければならないと、かようにまあ考えておるわけであります。  で、窓口機関の問題については、これは要するに多々ますます弁ずべしで、なるほどたくさん窓口機関があればそれに越したことはないわけでありますから、しかし、これを置くためにいろいろやはり、現在の郵政事業の財政方面から見ましても、おのずからそこに負担の限界というものがある。そこで私はまあそう急に一ぺんにはいかないが、少くともわれわれ自身が持っておる内部の余剰といいますか、そういうものを生み出していった力というものは、やはりこうした公共的な施設の拡充にできるだけ使っていきたいというわけで、毎年内部の定員事情、その他も非常に苦しい中から割きまして、やはり三十局なり四十局なりの局を設置して参っております。今年も予算が成立いたしました後、またいろいろな定員内部の操作等をやりまして、少くとも昨年よりは少くない、一局でもたくさんの局を建てて、そうした要望に沿っていきたい、まあかように考えておる次第であります。
  91. 柏木庫治

    柏木庫治君 大臣がお見えになりましたから、大臣に私は大臣の御所見を承わりたいと思います。この請願第九号の問題で、政務次官見解は私は非常に不満である。何か事なかれ主義、言いのがれ主義というようなふうに説明を感じたのでありますが、何もしなければ、何も波風も立たず、苦労も要らないのでありまするが、鳩山内閣国産品を愛用するという意味で、自動車云々のことも一応新聞に載ったのでありますが、これは実現のできない問題もたくさんあると思うのであります。しかし私は現内閣国産品を愛用するということは、現内閣の最も力を入れておるところだと信ずるのであります。また先年来の英国の内政のいろいろの行きづまりが、チャーチルの思い切ったみずからの減俸と国産品愛用の最も大きな力で切り抜けたということは、そういうふうに私は信じておるのでありますが、この国産品愛用運動国民のものにする上から、流すだけでなくて、ほんとう国民のものにいたしますのには、郵便局の消し印にこの請願趣旨の消し印をするということが、私は現内閣のとっておる政策の一つであり、また国を興すあり方であり、まことに時宜に適したことだと考えているのであります。これを全部郵便局の消し印を変えるとかいたしますならば、これは大へんな問題だと思いますが、せめて東京、大阪だけくらいでもこのことが実行に移されますならば、日本全国の方々の目を通して、国産愛用心持ちも、国民として今のあり方も、いろいろの点において、心にしみ渡り、この運動国民のものになる大きな役割をなすと存ずるのでありますが、それには若干の郵政当局苦労をしなければならない。またその苦労をすることが、郵政省仕事国民全体の心持ちを動かしていくような大きな役割ができると思っておりますので、大臣はこのことについてどういう見解を持つのか、一つ御所見を率直に、もう言いのがれやら言いくるめやらはいやなんで、今の郵政大臣は新しい知識を持った国士ということを承わっておりまするので、一つ忌憚なくはっきりした所見を承わりたいと思います。
  92. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 柏木委員のお説、むろんしごくごもっともなことと思います。およそ国産品愛用、これは何に限らず、今日では強力にこれを進めていかなければならぬということは私も同感です。従ってこれは全国的に大国民運動として必要なる面における国産品愛用の思想を徹底せしめるということは、あらゆる機会、あらゆる方面のいろいろの利便を利用してやるということも、まことに必要なことと私は考えます。  ところで私も先般郵政局長のところでも、会議におきましてもちょっと私の私見を一言にして述べたのでありますが、私個人といたしましてはそういう考え方を持っておりますが、また私は役所というものに来て非常に痛感いたしますることは、やはりこの郵政省のごときどちらかというと長い間じみなと申しますか、仕事に従事して、そうしてその結果、省としてのおのずから伝統をたつとんでいくというような気風というものが生れ出ているように私は感ずるのでございます。私は大体非常に若い時分から横紙破り的なことをやって参ったのでありまするが、しかし年のせいもあるかと思いますので、役所の雰囲気に入って、そうして痛切に感ずることは、一面従来の自分の考えのようなことで間違っていると思うことを、これを打破していきたいという考えは依然残っておりますとともに、またその長い間の伝統をたっとび、また役所の規律といったようなこと、そういう規律、並びに私どもの性格と違う、非常な秩序をたっとんでそうしてやっていくこのやり方と、これは両々相待っていくところに真理がつかめるのではないかというふうなことを痛感いたしておるような次第でありまして、今お説を聞いて、むろん私ども常々同じような考えを持っているものでございますが、そうした見地から一つこれはよく考えて、これはおざなりでなしに、どうして悪いのだ、今までにやってみて結果がよくなかったからして、次第にまた変っておる、一つよく再検討をいたしましてやってみたいと思います。
  93. 柏木庫治

    柏木庫治君 私は伝統を守るということもけっこうであると思いますし、それから規律を守るということもまことにけっこうであると思います。しかし進歩し、発展し、横紙破るのでなくて、よりよくするための努力、みずからの仕事ほんとうに生かすための努力をいたすことは、これは規律を守らぬということでもなく、伝統を守らぬということでも決してないのでありまして、いつまでも今までやったことが一番いいがごとくに考えておることは、私は置き去りになることだと考えるのであります。こういう点をよく味わうていただいて、そうしてこれが伝統を破り、規律を破ることでない。よりよく発展していく、進歩していく一つであると考えていることを申し上げて、今の大臣のよく考えてということに信頼いたしまして、質問を終ります。
  94. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) それでは以上の審査の結果に従い、議長に提出する報告書の作成並びに本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。   —————————————
  96. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に、日本放送協会昭和二十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書議題といたします。  念のため申し上げますが、本件は放送法第四十条の規定により内閣から国会に提出されましたものでございまして、衆参両院におきましてはいずれも決算委員会に付託する決算と同様、両院の間に先議、後議の関係なく、本審査のため逓信委員会に付託されているものであります。  それではまず郵政大臣から御説明をお願いいたします。
  97. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 日本放送協会の昭和二十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明について概略御説明申し上げます。  日本放送協会のこれらの書類は、放送法第四十条の規定に基きまして国会に提出いたすものでございます。  協会から提出されました昭和二十八年度の貸借対照表等の詳細は、お手元の書類の通りでありますが、その概要について御説明申し上げますと、昭和二十九年三月三十一日現在における資本総額は二十二億五千四百余万円であり、これに照応する資産は五十六億六千三百余万円、負債は三十四億九百余万円となっております。  資産の内容をみますと流動資産四億二千五百余万円、固定資産四十七億二千百余万円、特定資産四億五千百万円、繰延勘定六千五百余万円となっております。また負債の内容は、流動負債二億六千六百余万円、固定負債三十一億四千三百万円となっております。  損益につきましては、事業収入は、ラジオ関係が六十八億五千三百余万円、テレビジョン関係が一千四百余万円、事業支出は、ラジオ関係が六十六億九千五百余万円、テレビジョン関係が三億七千六百余万円で、ラジオ関係においては差引当期剰余金一億五千八百余万円、テレビジョン関係においては、差引当期欠損金三億六千百余万円となっており、協会の事業収支全体から見ますと、差引当期欠損金二億二百余万円となっております。  以上で概要の説明を終りますが、何とぞよろしく御審査のほどをお願いいたします。
  98. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に会計検査院検査第四局長大沢君から検査の結果について御説明を願います。
  99. 大沢実

    説明員(大沢実君) 日本放送協会の二十八事業年度の決算検査の概要を御説明申し上げます。  日本放送協会の各地方放送局合わせますと、全部で百有余の放送局があるのでありますが、会計検査院としましては重点を大きなところに注ごうということで、本部とそれから大阪並びに名古屋の中央放送局を二十八年度においては検査いたしました。これで事業費の大体八〇%程度の検査はでき得たものと思っております。  検査の結果を総合してみますると、おおむね経理は良好でありまして、ただ松山の中央放送局で職員のために約五十万円ほどの資金を詐取されたという遺憾な事件がありましたが、そのほかには不正事項というものは発見することはありませんでした。  ただ一つ日本放送協会に対しまして注意を発しました件がありますので、その概要をかいつまんで御説明申し上げますと、ちょうど本部の裏のところに建物を作った件でありますが、建設費の予算がなかったために、放送協会自身が建築せずに、ラジオ・サービス・センターに建物を作らせて、それを放送協会が借りるという方法をとっているのがありますが、これはむしろ予算措置を講じて、自分の建物とした方が有利ではないかという事件であります。その内容を申しますると、ちょうど本部のすぐ裏にNHKホールという新しい建物ができておりますが、それに並んだところに延九百五十五坪の建物を、これはスタジオその他が不足のために、必要に迫られて作ろうということになったのでありますが、建設費の予算がないというので、放送協会の敷地をラジオ・サービス・センターに貸しまして、そしてラジオ・サービス・センターがそこに約一億三千五百万円の建物を作りましたのですが、この一億三千五百万円の建物を作る場合に、放送協会としては、まず保証金としまして八千五百万円というものを出し、そのほかにいわゆるNHK交響楽団が千八百万円、日本放送出版協会が五百万円、ラジオ・サービス・センターが二千七百万円というものを出して建物を作ったのであります。しかし、この九百五十坪のうちで六百余坪というものは日本放送協会が使用しているのでありまして、このため使用料としまして年額千八百万円ほどのものをこのラジオ・サービス・センターに払っているということにしたのであります。これは建設費予算がなかったためにやむを得ない措置とは考えますが、建物のほとんど七割、八割というものを放送協会が使うような建物でありますから、むしろその建設費は放送協会が負担して、そして必要ならばラジオ・サービス・センターやその他にこの一部を貸与した方が採算的に有利ではないか、しかもその借り賃を計算してみますと、このラジオ・サービス・センターは、まず最初の三年間に自分の負担しました二千七百万円を元利ともに償還して、あとの十二年間にNHKが出しました八千五百万円、あるいは交響楽団の出しました千八百万円というような保証金を全部完済しまして、つまり十五年たちますと全部借款なしの一億三千五百万円の建物がラジオ・サービス・センターのものになってしまうというような計算の借り賃になっております。借り賃も少し高いと思いますが、根本的に見まして、これが何とかすみやかに予算措置を講じて、この建物をできれば全体、やむを得なければ現在使用しているところの部分だけでも日本放送協会の方で買収して、これを自分の財産にした方が有利ではないか、こういうように考える次第でありまして、その旨の注意書を放送協会会長あてに発している次第であります。  以上御説明申し上げました。
  100. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 本件に対する質疑は次回に譲ることといたしまして、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  102. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 次に、電気通信並びに電波に関する調査に関連いたしまして、久保委員から御要求がありました電信電話公社の昭和三十年度予算に関する件について前々回に引き続き御審議をお願いします。
  103. 永岡光治

    永岡光治君 ちょっと委員長その前に。ただいま議題になっている問題ではなくて、放送協会の決算報告ですが、これについて資料の提出を要求いたします。欠損は二億二百万円になっていますが、この措置をどうするのか、具体的に一つ資料の提出をお願いしたいと思います。
  104. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 了承しました。
  105. 左藤義詮

    左藤義詮君 やはり資料ですが、ラジオの使用の受信料の徴収不能の分がございますが、これの詳細な内訳、その処置等についての資料を……。
  106. 八木幸吉

    八木幸吉君 資料をお願いしていいですか。日本放送協会と今のラジオ・サービス・センターといろ建物の賃貸契約に関する一切の資料を……。
  107. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 了承いたしました。
  108. 長谷愼一

    政府委員(長谷愼一君) ただいま御要求の資料につきまして、早急に整えまして提出いたします。
  109. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) ほかにございませんか。
  110. 久保等

    ○久保等君 この前、前々回ですが、私当逓信委員会で公社の方へ資料の御提出を願ったのですが、その中に、昭和三十年度の予算案の中に駐留軍関係通信に関した施設の提供が予定せられておることにつきまして、内容等の資料を御提出願ったのですが、まだ御提出を願っていないようですけれども、御提出願えるのでしょうかどうでしょうか、まず最初にその資料関係でお尋ねしておきたいと思いますが……。おわかりにならなければまた後日お出し願ってもいいのですが、御答弁いただけるような準備があるのであれば御答弁願いたいし、その点ちょっとはっきりしてもらって議事の進行をはかりたいと思いますが……。
  111. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 今のはこの次にでも一つ……。
  112. 永岡光治

    永岡光治君 それはあれですか、要求した資料どうして出ないのですか。
  113. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) 要求されているのですけれども、そろっていないのです。
  114. 永岡光治

    永岡光治君 この前十六日ですよ、委員会は、二週間経過しているのですがね。
  115. 田辺正

    説明員(田辺正君) ただいまの資料は、早速そろえまして提出いたします。
  116. 久保等

    ○久保等君 ただいまの資料は御提出願ってからそれじゃまた内容等についてお伺いをしたいと思いますから、後日に譲りたいと思いますが、ただいまの問題念のために申し上げますならば、昭和三十年度の予算案の中で駐留軍の使用施設として予定されておりまするもの、これは一切含めまして、調達庁関係で百十七件ばかりあるようですが、この昭和三十年度の予算の中で特に通信関係関係したものといたしまして、場所としては九カ所ばかり予定されておる。それで敷地関係が四十五万坪余りの坪数が調達庁関係での調べによりますると一応記載されているわけなんですが、これらの内容について、特に電電公社関係になると思いますが、公社方面で特に資料の御提出を願いたいと思います。  その問題につきましては以上にしまして、大臣が特に御出席をいただいておりますので、大臣に主としてお伺いをいたしたいと思うのですが、前々回の逓信委員会で、大臣途中衆議院の予算委員会がありました関係で御出席になられて、私の質問も従って途中になっておるわけなんですが、当時の情勢も、よほど今日のまた情勢から考えてみますると変って参っておるようですし、特に昭和三十年度の予算問題について、この前大臣からも一応御説明を伺ったのですが、しかし情勢の変化と申しまするか、国会における予算の審議過程におきまして、衆議院の審議中、自由党、民主党の両党でもっての話合いで予算の修正が行われたということになりまして、今日参議院の方へ回って参っているわけですが、結論的に申し上げますならば、二百十五億の予算修正が行われたのですが、このことによって一体どういう影響が電気通信の事業関係に、わけても前々からよく当委員会でも問題になりました電信電話拡充五カ年計画、この非常に大きな一つの問題があるわけですが、これに対して郵政大臣としても非常な苦心をされているところだと思うわけなんです。ところが今度の昭和三十年度の予算の内容そのものにいたしましても、この前の逓信委員会でも私大臣に御質問をいたしておったわけですが、前年度と対比いたしてみましても、総額においてやはり約二十億近い予算面においては前年度よりも減額せられておるという実情にあるわけです。これについての大臣の考え方、これもちょっと先日承わりいたしたのですが、どうもはっきりしたかくかくの理由によって前年度程度予算を編成できなかったのだという御答弁は承わることができなかったわけなんですが、その問題はかりにその問題といたしましても、その後の事情が、ただいま申し上げたように衆議院における審議過程において修正が加えられた。従ってまたそれがさらにこの五カ年計画そのものに重大な影響があるのではないかというふうに考えるわけなんですが、その点について大臣の方から最初に一つ御答弁、御説明を願いたいと思うのですが、どういう影響があるかという問題です。
  117. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 予算を共同修正によって変更したその結果、政府として出すべきものをある部分は市中銀行の公募債によるというような面も出てきていると思いまするので、その点については影響はないとは言えないと考えております。しかし今日の金融情勢からみまするというと、昨年度公社の公募債が未消化に終ったという事実はございまするけれども、本年度は必ずしも銀行、金融界の現状から見まして、必ずしも悲観すべき状態であるとは考えませんのみならず、今日におきましては、われわれは予算編成の当初におきまして、特に大蔵省当局の注意を喚起いたしましたごとく、すなわち本年はどうしても前年度と同じような轍を踏むことのないようにという注意もしばしば、要望もいたしておりましたわけでありまして、今日におきましては興業銀行が幹事役となりまして、目下公募債の利回りなどについて公募債引き受け銀行等と折衝いたしておりますので、その利回りなども引き上げられることになると思うのでありまするので、いろいろこうした条件もかね合いまして、本年度は所期の公募債も皆消化できることと信じておる次第でございます。
  118. 久保等

    ○久保等君 ちょっと話が違うのですが、話が違うというのは、別の問題についてちょっとお尋ねしたいと思うのですが、今衆議院の方でまあ議員立法によって……、国際電信電話株式会社が今日発足をいたしておるのですが、この問題は発足当時、昭和二十八年の四月から発足いたしておるのですが、このときに二十八年度の予算で見てみますと、電電公社が現物出資を行うということで価額にして約三十二億円程度であったと思いますが、これを現物出資する、そこでそれに対するまあ株の売却代金は、電電公社に従って政府が売却してその代金を支払うということで、昭和二十八年度の予算の中に三十二億の売却代金も実は計上されておったわけです。私も実はその通り実施せられたものと了承いたしておったわけですが、ところがまあ御承知のように最近衆議院におきまして、いまだ売却をされておらない約十四億円程度ですか、これの株を電電公社の方に引き渡したらどうかというような意味で議員立法が今提案せられておるように聞いておるわけなんですが、これの問題も、私は電気通信事業五カ年計画という観点から見ても、二十八年度においては三十二億円予定しておったが、実はその株が思ったように売れなかったということによって、十四億程度今日に至るもなお残っておるという実情にあるのですが、この間の事情について郵政大臣の御存じの範囲内において一つお話を願いたいと思います。
  119. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) お話のようにただいま衆議院の方におきましては、議員立法としてそうした法律が出されようとしておることは承知しておる次第であります。その内容につきまして、お話しのように当初はこの現在売れ残っておる国際電電株式会社の株式を現在は売れないで政府が持っておる、従ってその配当といいますのは年八分の配当も政府の収入になったままになっておる現在の状態でありまして、これをもともと公社の現物出資によってできた国際電電株式会社でありますので これは早急に売り出して、広く一般国民に持たせていかなきゃならぬという建前になっておる法律のもとにおいて、今なおそうした株式が政府の手元にあってそのままになっておるということは思わしくない。むしろこれを公社をして安定株主として持たした方がより適当ではないかというような考えのもとに提案されようとしておるものであると存じておりますが、その後国際電電株式会社の方で、株主の総会でありましたか、大株主の懇談会でありましたか、開きました当時におきまして、あえてこれに対して反対という強い議論もなかったように承知いたしておりまするが、今日においてこれをそうした議員立法によって公社の方へ持たしめるということに対しては、どうも釈然としないという意味発言が株主からあったやに伺っておる次第でございまして、従ってその後そうした方面、また他の方面から、すなわち一部財界と申しますか、株主関係と申しますかの方面から、ややそういう法律の新しくできるということは好ましくないというような意見もちらほら出てきておる次第でありまして、そのために衆議院の方の委員会におきましては、その反対の根拠はいずれにあるかといえば、公社がそうした株をたくさん持って、公社は五分の二ということでございましたが、そうした大株主になっていけば、やがては国際電信電話株式会社の方へその株主権の発動によって諸種の圧力を加えて、時にとってはどういう、人事権などにも及ぼしやしないかという杞憂と申しますか、そうしたおもんばかりを持って、やや反対の声も出てきておるというような状態にかんがみて、委員会は小委員会を開きまして、小委員会の手元で、それではそうした株主権の停止という条項を入れたらどうだろうというようなことになって、現在はその辺で、まあいつになりますか、この三十日ごろにまたさらに委員会でも開かれますれば、それらのことについてさらに審議を重ねていくというのが現在の状況になっております。  むろんこの法律のことについては私はよくは存じませんけれども、むろん法制局その他いろいろの方面でいろいろ検討をいたしまして、そうした法律を出すことが果して妥当でありやいなやのことについて十分検討されておることだと考えます。
  120. 八木幸吉

    八木幸吉君 国際電信電話株式会社が相当もうかるのになぜあれを電電公社から民間に移したかという点が一つと、それからもう一つは、これらの株式を一般に売り出そうとしたのに一向売れぬものだから、新しく電電公社がその株を引き受けて大株主になるという点と、この二点について電電公社の総裁から御意見を伺ってみたいと思うのですが。
  121. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 国際電信電話会社を成立さすところの法案というものは、電電公社設立前に国会において可決されております。従って私どもはその法案に定められた通りに二十八年の四月から電電公社というものが分離したわけであります。  もちろん今お話しの通りに、当時相当国際通信というものは利益があがっておりましたが、それにもかかわらず、それを分離して、純民間会社として出発すべきものであるという法案でありまして、私どもはそれは既定の事実として考えるよりほかになかったのでございます。
  122. 永岡光治

    永岡光治君 今はどういうお考えでございますか。
  123. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) それは私見にわたるので、私から申し上げることはさし控えたいと思います。  現在におきましてその株式というものは、先ほど大臣からお話しがありました通りに、大蔵省が名義人となりまして、証券市場に売り出すことになったのであります。第一回に約十八億円ばかりというものを売り出して消化されました。さらに続いて第二回にあとの残りの十五億円というものを売り出したのでありますけれども、一千二百万円ばかり消化しただけであって、十四億というものはそのまま消化しないで残って今日までなっております。法律の規則といたしまして、なるべく早く処分するということが書いてありますけれども、その後約二年、会社設立後約二年もう経過しておりますにもかかわらず、いまだに処分困難な情勢にあります。  御承知の通り証券市場も非常に不振でありますし、また会社の配当が現在八分でありまするから、これを売り出すといたしましても、額面の五百円で売り出すことはなかなか困難であります。従って大蔵省でもやむを得ず保持しておられるのだろうと思います。そういう状態が今後いつまで続くかということにつきましては、私ども予測は困難なのでありまするけれども、現在五百円額面の株式というものは非常に売りにくい情勢にありますのですが、どこの会社もみな額面以下になっておるというようなふうでありまして、従って当分これは政府で保持していかなければならんようになってしまう。それならばむしろ私どもとしましては安定株主として公社が保有して、将来におきまして証券市場が回復したならばそのときに売り出すという方が、元来の財産の所有権は質的にはこちらにあるのでありますから、その方が正しいのではないかという考えを持っておるわけであります。
  124. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の十四億の金をその株式に固定して、何ら資金繰りの上において不都合はないかという点が一つと、それから今からさかのぼってお考えになって、国際電信電話会社というものが、法律案が先に通過しておって既定の事実であったから、その方針に従ってやった、こういうお話でありましたが、分けたことが一体よかったかどうかという点を、公社の立場からもしお考えを漏らしていただければ非常に幸いだと思います。その二点をお伺いいたします。
  125. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) この十四億円の株式を政府が持っておられるのを公社が肩がわりをするという場合に、現金の出入りは全然ないのであります。従って資金が固定するわけじゃなくて、現物出資をしましたものを名義上政府が売りさばく間だけ持っておられるということでありますから、これは公社の名義書きかえをするだけで、全然資金の固定はない。ただし、二十八年度の予算におきまして、初めからその財産が全部売却されるものとして、それを財源に見込まれたのでありますけれども、ただいま申し上げましたように、十四億の歳入欠陥が生じましたから、その当時におきまして歳出をそれだけ抑制したというにすぎないのであります。  また、ただいまの第二の御質問に対しましては、先ほどお答えいたしましたように、個人の意見を国会に申し上げるということもいかがかと思いますので、御遠慮させていただきます。
  126. 久保等

    ○久保等君 大臣から私の質問に対して、現在議員立法されんとしている法案に対する提出の経緯の御説明があったのですが、議員立法なるものに対する審議は、今後また当委員会において十分審議する機会があると思いますので、またその際、政府の考え方なり、また提案者に事情等も十分伺いたいと思います。  特にこの機会に大臣にお伺いいたしたいと思うのは、むしろその議員立法に至る前の事情について、すなわち三十二億円、昭和二十八年度に予算の中に計上せられておった資金が、結果的には実は手に入らなかったという状態になっているわけですが、その残された十四億の株が売却されずに今日に至ったというその間の事情は、ただいま総裁の御説明でほぼわかったのですが、一体二十九年度の市場の状況、あるいはまた政府の考え方なり態度というものは、これは松田大臣にお伺いするのは若干無理じゃないかと存じます。しかし、少くとも二十九年度においても、実は二十八年度で未消化の株式が二十九年度に持ち越され、しかもそれが今日に至るも全然消化されないままにまた三十年度に及んでいると思うのですが、二十九年度は無理であったけれども、三十年度はきわめて楽にこれがおそらく市場に売り出され、消化できるだろうというふうに大臣はお考えなんですか、どうなんですか、その見通しは。
  127. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 私どもといたしましては、先ほどあなたの御質問の要旨はそこにあるのじゃないかと実は考え違いをいたしましてお答え申し上げたつもりでございますが、この点につきましては、大蔵当局に懇々この公募債の消化について前年の轍を踏まないようにということを、特に繰り返し要望いたしました。その結果でありますか、ともかくも今回は大蔵当局においてもこういうあっせんをしてくれまして、そうして現在、今申し上げましたように幹事銀行として興業銀行が、この公社の公募債についてこれを引き受ける各銀行に対して特別に折衝してくれまして、その利回りなども、これを現在は七分のところを七分五厘にするというような措置も講じてくれようといたしている次第でありますので、今回は消化できるのではないか、また昨年と今年と比較いたしますと、やはり向うの預金の状況などもよほどよろしいようでありますし、また日本銀行の貸出等も昨年に比べてよほど少くなっているというような状況でありますので、今年は消化できるものと考えている次第であります。
  128. 柏木庫治

    柏木庫治君 ちょっと関連して大臣にお尋ねいたしますが、その株を売り出すのは、今のお話では、大蔵省がその事務をやっているのでしょうが、国際電信電話株式会社もその売り出すことにタッチして努力するとか、あるいはそこから売り出すとか、何とか売り出し方法を大蔵省だけが今やっているんですか、どうですか。
  129. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) この株式は大蔵省の方から売り出しております。
  130. 柏木庫治

    柏木庫治君 それには国際の方は関係することができないんですか。
  131. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 大蔵省がみずからあっせんをしてやっているのであります。その責任においてやっているのであります。
  132. 柏木庫治

    柏木庫治君 私の聞きたいところは、大蔵省が売り出して、そういう結果になったが、もし会社が直接それをやったならば、結局同じことが、そこに努力とか、方法とかということで、結果に変りがあるんじゃないか、こう思うので、大蔵省だけが担当すべきもので、会社の方はそれはやっちゃならぬのかと、そういうことです。
  133. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) ちょっと、その点は関係官の方から答弁をさせます。
  134. 行広清美

    説明員行広清美君) ただいまお話の点でございますが、先ほどお話にも出ておりましたように、国際電信電話株式会社の株が売れないという理由がどこにあるかということになってくるわけでありますが、その理由は二つあったかと思うのでありまして、その一つは株式市場の実情が不振であったということがございまするし、もう一つは配当が八分であったということでございまして、その配当の八分というのは利回りからいたしますと八分でございますから、そう低いものではないのでありますが、総体的に一般の企業が再評価が十分に進んでおらない関係で、株の利回りというものがそう落ちてこなかったというようなこともありまして、八分の利回りに比べるとやや有利になっておったという実情もあったのでございます。従いまして大蔵省といたしましては、二回にわたりまして努力をして参ったように見受けておりますが、しかしながら今申し上げましたような実情でございましたので、その消化がはかばかしく行われなかった、特に第二回目に非常に不振であったということでございます。従いまして国際電々の方でかりにそのような売り出しをやったといたしましても、あるいは結果としては同じではなかったかというふうに思えるのでございますし、また現在法律の建前といたしまして、これは政府が責任をもってなるべくすみやかに有価証券の市場の実情を見て売るという建前になっておりますことを付け加えておきます。
  135. 柏木庫治

    柏木庫治君 今の点についてちょっとお尋ねいたしますが、国際電々の方で八分は、あの会社の普通何と言いますか、成績から言うて、配当の方に力を、こういうことは、私は株式のことはよくわからないから知らないが、相当な利益の中からあるいは積み立てとか、内容をよくするとか、配当するとかというふうに方針があると思いますが、そのやり方は普通の会社としてながめたときに、積み立ての方、あるいは会社を強くするために内容の何とかという方に力を入れて、配当の方は無関心というんじゃないですが、配当をとめていると、こういうような、しかもそれが相当長い期間とめるんではないかというようなこととか、傾きとかというようなことはどうですか。
  136. 行広清美

    説明員行広清美君) 国際電信電話株式会社の経営方針ということにつきましては別問題といたしまして、私ども会社監督の立場から見た点について申し上げたいと思いますが、御承知のように法律の建前によりまして、国際電信電話株式会社の利益金の処分につきましては、郵政大臣が認可することになっております。それで従来過去二カ年にわたりまして、利益金処分の認可をいたします場合におきましては、配当は八分になって参ったわけでございます。この点につきましては、私ども監督者の立場から見た場合におきまして、会社といたしましては、このような設備の点とさらにまた設備を運用いたしまして、電報とかあるいは電話を扱うというふうな、そういった企業体として民間会社で発足したのはこれが初めてでございまして、従いまして、私どもといたしましては、現在までのところにおきましては、このような企業体の経営的な基礎というものが十分に確立される必要があるというふうに考えまして監督して参ったわけでございます。その点から考えた場合におきましては、結局会社の内部保留というものと、利用者に対するサービスの改善というものと、株主に対する配当というものがバランスがとれているかどうかという点を重点として考えて参ったわけでございますが、現在までのところにおきましては、大体においてそのバランスはとれておった、ことに内部保留については相当の重点がおかれて参りまして、大体バランスがとれて参ったのではないかというふうに考えておりますが、しかし今後におきましては、この問題をいかに考えていくかということにあったのでありまして、今後におきましての経済情勢の推移なり、あるいは企業の経営の実情を十分考えまして、一つの見通しを立てた上におきまして、配当の問題も考え直していくべき時期ではないか、このように考えている次第でございます。
  137. 柏木庫治

    柏木庫治君 もう一点だけ、今あなたの監督の立場からごらんになってバランスがとれている、そのバランスのとれておるところを郵政大臣が許可したのですから、これはそうでありましょうが、そうすると、これからバランスをとるのに一割に上る可能性の方が多いか、七分、六分に下る可能性が多いか、監督者の立場から、今までの業者とバランスをとって強くするところは強くした関係上、会社の健全性と申しますかを少しもそこなおない意味において、あなたの監督者としての見通しは、配当を上に上げる可能性が多いか、下る方が多いかということについての、責任をもってもらうわけではないが、監督者の立場から想像を一つ承りたい。
  138. 行広清美

    説明員行広清美君) ただいまの問題は非常にむずかしい問題でございまして、私どもといたしましても、軽々には申し上げかねる問題であるかと思うのでございます。ただ一つの仮定として申し上げますならば、と申しますと、従来のような通信の利用がございまして、従来通りの収益が上るというふうに考えてみた場合におきましては、今後逐次配当の面はよくなってくるような傾向にあるのではなかろうかということは一応推察されるのでありますが、しかしこれは先ほど申し上げましたような前提なのでございますので、何ともお答えいたしかねるというわけでございます。
  139. 久保等

    ○久保等君 大臣、私の質問に対して、非常に大きな網をかぶせるような答弁が行われているので、どうもぴんとこない。私は非常に具体的な数字をあげて御質問いたしておりますので、その具体的な数字に対する明確な一つ答弁を逐次お願いしないと、何も一切がっさい含めたような大きな抽象論で答弁されたのでは、私はこれは実は大臣の真意を理解できないのです。従って今私の御質問申し上げておりまする焦点は、国際のあの十四億という消化できない株が現在あるという現実がここにあるわけです。ところでこれが昨年一年間、第二回目に売り出したのが、時期はいつであるか存じませんが、とにかく十五億円のうち一億円だけ市場に売却できたけれども、十四億残ったのだというこの事実は、どういうところに原因があったか、特に二十九年度における事情をどういうふうに郵政大臣としてはお考えになっておるか、その点を一つ御説明願いたいと思うのです。
  140. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 同じことを繰り返すようでございまするけれども、私といたしましては、昨年度においては、やはり二十八年度の年末における国際収支の非常な大きな赤字が出たというようなことが、ついに急拠一兆円予算を編成するという結果となって、その一つの事実だけでも、これは新企業に対する非常な制肘となったのではないかと私はかように考えて、これも漠然たることを申し上げておるようで、まことにあなたの御質問にぴんと来ないとお叱りを受けるかもしれませんけれども、私といたしましては、そういうような考え方をいたしております。
  141. 久保等

    ○久保等君 どうも大臣は一年ばかり数字がズレているのではないかと思う。今の御答弁はおととしの暮あたりの話ではないかと思います。要するに急拠一兆円予算を編成したというのは、それは昨年の正月ごろから、特に今までの、どちらかと言えばデフレじゃなくて、逆に放漫と言っては語弊があるかもしれませんが、インフレ予算的な予算であったものを、国際収支改善だという、当時の内閣説明によると、そういう説明がされておるのですが、この国際収支改善をはかるという意味で、この際一つ財布を締めなければならんというのが、二十九年度予算の編成当時の吉田内閣の基本方針だったと思うのです。昨年の暮ではなくて。
  142. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 一昨年、二十八年度でした。
  143. 久保等

    ○久保等君 だから年度にして一言えば、二十八年度の暮ごろからそういうことを考えて、二十九年度から一兆円予算という形に非常にワクを固くしぼってきたのです。たしかに国際収支の状況はあまりかんばしくなかったという状態であったと思います。しかし二十九年度は今度は当初から国際収支の問題について非常に政府としてはこれは最重点をおいた形で予算の編成も行いまして、すべての経済施策というものはそこに集中されておったと思うのです。しかし少くとも二十九年度の一カ年においてほとんど消化されなかった、売れなかったという事実は、私はもう少し郵政大臣としてはどういうところに原因があったか、ただ単に一兆円予算という緊縮予算であったから、これは金融市場が悪かったのだという程度の御説明しか、大臣のただいまの御答弁にはなっておらないと思うのですが、あるいは先ほど来の御答弁以上を出ないとすれば、二十九年度は要するに非常に金融市場が不況であった。従って十四億という株の売却はできなかったのだ、そういうように郵政大臣としては判断をしておる、考えておる、原因はそこにあったのだという御答弁なんですか。念のために一つ確かめておきたいと思います。
  144. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 大体さようでございます。
  145. 久保等

    ○久保等君 まあそうすると、十四億というこの株の問題について、三十年度においては一体これが市場に売り出した場合に消化でき得る見通しがあるのか、やはり市場はこの十四億という問題についても二十九年度と同じような見通ししか期待できないのではないかというように郵政大臣は御判断になっているのかどうか、この十四億の株の問題について私は大臣の見通しをお伺いしたいと思います。
  146. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 私は財界の一般趨勢、または証券界の一般趨勢について先の見通しを的確につけるだけの充実した資料も持ちませんし、またこれに対して的確な判断を下すことは私はいたしかねます。しかし国際電電の株式につきましてはいろいろ伺いまするところによると、これを安定株主として公社が持つ場合には、国際電電の株が上るのではないか、そうした場合にはむしろその消化が急速にできるのではないかという、その道の専門家の意見も伺いました。私はその一事をもってして、この株式は必ず売れるということには、にわかに断定を下し得ないと考えておりまするけれども、今度の公社の公募債につきましては、これは政府の、大蔵省当局の力の入れ方いかんによっては、私は必ず消化できるものと信ずる次第であります。
  147. 久保等

    ○久保等君 まあ大蔵当局の期待的な臆測は特に郵政大臣から私は承わらんでもいいと思いますが、今の御答弁も電電公社が株を持った場合というようなことを前提にしたような答弁であったと思うのですが、そうじゃなくて、そういう問題を抜きにして、今は大蔵省が保管しておるわけです。だから大蔵省でこれをやはり二十九年度と同じように一般市場に売り出すというような方法をとった場合に、果して二十九年度と違って昭和三十年度は金融市場が情勢が違うのだから、これはもう十分に消化できるだろうというふうに郵政大臣はお考えになっておるのか、それともやはり昭和二十九年度も一兆円予算であったし、今年も一兆円予算だ、従ってやはり大きな期待は持てないのではないか、前年度も本年度も五十歩百歩だというふうにお考えになっているのかどうか。御答弁は簡単でけっこうですが、郵政大臣の、少くともこの株については、単に大蔵省の経済情勢の判断、あるいは大蔵省の考え方というものに支配される性格のものではないと思う。少くともこれの処分、それからこれがどういう結果になるかというような問題については、郵政大臣としては特別の関心というよりも責任があると思うのです。だからこの問題についてどういうふうに経済事情を二十九年度と三十年度を対比した場合に、郵政大臣はお考えになっておるか、この点を一つ簡単に明確に御答弁願いたいと思います。
  148. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) この十四億円の株式は今まで大蔵省は保有しておって、これを売り出したこともあるにかかわらず、消化できないということは、現在におきましても、これをこのままにおいて消化できないのではないかというふうに考えます。
  149. 久保等

    ○久保等君 そうすると、金融市場というものは前年度も本年度も大体五十歩百歩だという御判断なんですね。
  150. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) この国際電電の株式についてはさように考えております。
  151. 久保等

    ○久保等君 それで問題が一つ片づいたと思いますが、そうすると、国際の株というものは先ほどの質疑応答の中からも出ておりましたように、経営状態というものは非常にいいわけです。赤字経営ということでなくて、非常にいわば将来の問題についても、ただいま委員の方からも御質問がありましたが、とにかくドロップはしないだろう、上昇して行くだろうという経営状態におかれておると思うのです。現に国際の株の配当にしても利率八分というような点は、これは電々公社の債券の場合とは非常に違った有利な利回りになっておると思うのです。ところが郵政大臣のはっきりした御答弁によると、この株すら二十九年度と三十年度を比較してみた場合には、やはり情勢の変化、特に経済情勢の好転が期待できないであろうという郵政大臣の情勢判断であるとすると、私はその前に、郵政大臣が何かの非常に大きな漠とした期待の持てるような経済事情に対するお見通しというものは、だいぶ違ってくるのではないだろうかと思うわけです。ところで昭和二十八年、九年といった過去の経済事情がどうであったかという問題が、やはり今後の経済事情を判断する場合に大きな情勢判断の基礎になるだろうと思う。それで一つの参考的な意味でお伺いをいたしたいと思うのですが、なお、その前に私はやはりこの十四億という問題については、この際、郵政大臣にも十分な御反省とお考えを願わなければならん点は、建設資金の確保の問題として、非常に昭和二十八年度以来、電気通信事業の問題については、最も重要な、私は至上命令になっておるかと思うのです。ところがこの十四億という金が眠っておったと、極端に言えば言えるかと思うのでありますが、これは今日建設資金に非常に苦慮をしておる実情の中にあって、十四億の問題が、大蔵省がどの程度努力をしたか存じません。しかしまたこの問題については郵政大臣並びに大蔵当局にこの問題について非常に怠慢があったのではないかということも一応考えられております。しかしそれが一切金融市場の実情のためにそうなったので、郵政大臣としても大蔵大臣としても、それこそ、先ほど昭和三十年度の場合については非常に大蔵当局が何か積極的にお考えになっておるような御答弁があったのですが、しかし今まで特別に眠っておったのではないと、二十九年度の場合においても非常に努力をされたのではないかと思うのですが、しかし結果から見るならば、第一回の売り出しから見るならば、わずか一億円しか消化できなかった。十四億円が未消化のままに残っておる。これは単に株券が消化できないという問題だけではなくして、建設資金の調達の問題について非常に大きな支障を来たしたということは、これは私はいなめないことだと思う。だからこのことについてはよほど郵政大臣としては、年度途中で郵政大臣になったからというお気持も腹の中にはあったかも知れません。しかしそれでは済まされない。松田郵政大臣というよりも郵政大臣という立場でこの問題については非常に大きな責任があると思うのですが、その点いかがですか。
  152. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 今日公社が必要なる電気通信事業基礎設備等を拡充するために、特に五カ年計画なり八年計画なりに対して急速にこれらの基礎設備に対して力をいたさなければならんということを重々私も承知いたしております手前、いくらかでもこの十四億円の金が、この株式が市場に売り出され、消化できて、それが建設資金として回るようなことになれば、しごくけっこうだと思って、さようなふうになればいいことを私は念願しておる次第であります。
  153. 永岡光治

    永岡光治君 関連して電電公社の総裁の方にお尋ねしたいのですが、国際電々の株十四億円をお持ちになろうとしているわけですが、これの売りさばき市場が安定されてから、それを見て売り出そうと、こういうお考えのようでありますが、今の大臣のお話を承わっておると、これはやはり努力はしたいのだというのですが、電電公社で発行しようとしている建設公債とこの十四億の売りさばきについては同様のウエイトをもって消化されるように努力をするつもりなのかどうか。大臣と総裁の二人に一つお尋ねしたいと思うのです。
  154. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 十四億の株式をかりに公社が持つといたしました場合に、これを売りさばくためには、現在衆議院でこれから審議されようとします法案によりますると、郵政大臣の認可を受けて初めて売り出すことができるのであります。しかもこの株式というものと社債とはだいぶ意味が違いまして、社債の方は七年間に償還することになっておる。株式の方は売却はできますけれども、しかし大体が償還ということの全然ないものであります。配当つまり利回りということが主になって参ります。従って株式——配当と同一に取り扱うことはやや困難じゃないかと私は思います。しかも証券市場が回復するというときを待つわけでありますから、株式の方は証券市場に売却する。社債の方はそうじゃなくて金融市場に主として売却される。従って相手方が全く違うのであります。それを一緒に論ずることはちょっと困難ではないか。ただ念のために申し上げますが、社債もほんの一部分証券市場で取り扱って一般に売り出しております。ですからそういう点ではちょっと似たところがありますが、これはきわめてわずかな部分でほんの二、三%程度であります。
  155. 永岡光治

    永岡光治君 今久保委員の質問の中で、建設資金の確保の問題に非常に重点をおかれて質問をされておりますので、その意味から私は関連して質問しておるわけですが、この十四億の株式も売れれば、これは建設資金に回るわけですね。そういう意味建設資金の確保という点についてはさらに努力をしなければならん。それは市場の対象は違いましょうけれども、近く政府は資金統制委員会というか、資金委員会か何かを作るらしく私は予算委員会で承わっておりますが、もちろん民間の証券市場というものでどこまで達成できるかということは問題でありましょうけれども、同じウェートでやる決意があるのかどうか。その辺のところをこれは郵政大臣になるかもしれませんが、どうですか。これは大臣どういう御決意なんですか。問題は、電電公社の建設資金を確保しなければならんということは非常に熱心に私ども主張しておる建前から、どういうお考えでおるかということを一つお伺いしたい。
  156. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 本年度はとにもかくにも一応一兆円のワクに縛られて、何かと窮屈でありましたけれども、明年度におきましてはすでに大蔵当局も相当一兆円を上回る予算の編成を目途としておる次第でありますし、また今年度の二年間のデフレ政策の結果、今後においては多少明年度の予算を目ざして相当明るい見方もできるのではないかとも考えまするし、そうした状況において、少くとも今日最もその必要性を痛感しておる電気通信事業の拡大に向って、さらに一歩強い前進をしていくように努力していきたいと考えております。
  157. 永岡光治

    永岡光治君 ウェイトをどこにおくかということ、イエスかノーかを伺っているのです。
  158. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) さらに今日までよりは一そう努力をしてウエートをもっと持ってやっていきたいと、こういうふうに考えております。
  159. 久保等

    ○久保等君 ちょっと余談になって恐縮なんでございますが、今の永岡委員の質問に対しての大臣の御答弁によると、明年度の予算に対してのだいぶ見通しを郵政大臣としてここで発言せられたのですから、これはちょっと郵政大臣の今後の経済計画というものに対しての見通しについて私はお伺いしておかなければならんという気がするのです。民主党内閣は六カ年計画を発表しておられたのです。その計画を一応見ますと、前半、後半というようなものの考え方をいたしておるわけです。前半というのはやはり三カ年を予定し、後半というのも三カ年を予定しておるのです。特に最初の三カ年というものは六カ年計画の中のいわば地固め的な経済計画を第一期と言うか、前半期と言いますか、重点をおいてやるのだ。拡大均衡へのいわば基礎固めをやるのだということが言われておるわけなんです。ところが第二年度までは、一年度、二年度は非常に固く一兆円予算で縛ってきたが、明年度、三十一年度については、先ほどの大臣の言葉をかりて言えば、相当大幅に上回る予算であるということを言われておるのですが、これは私民主党内閣の閣僚の中で明年度予算についての抱負を表明せられた大臣としては初めてではないかと思うのですが、一体郵政大臣としては、しかも金融関係について無関係の閣僚ならいざ知らず、特に郵政大臣という私ども考え方からすれば、大蔵大臣に次ぐ金融財政方面の重要なかつ有力な閣僚の一員だろうと思うのですが、郵政大臣が、明年度予算については、昭和三十年と違って非常に飛躍的な拡大均衡の年だと、いわばインフレ予算を編成するのだというふうな御見解をお持ちなのかどうかですね、ちょっと御参考までに承わっておきたいと思うのです。
  160. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 決して私はインフレ予算を主張しているわけではございません。しかし本年度の予算は、地固めの年として二年間デフレ政策をやった結果、明年度の予算の編成については、相当一兆億円を上回る予算編成をやるという方針は、すでにたびたび閣議の間にも問題になりましたし、大蔵大臣から予算委員会において発言しておることも一再ならずであります。そういうわけでありまして、私どももそうした趨勢を見ておるわけでございます。
  161. 久保等

    ○久保等君 その問題は、今後の問題ですから、あまり触れないでおきたいと思いますが、ただ郵政大臣のお言葉にもあるように、相当大幅というのですから、相当大幅というからには相当大幅だろうと思いますが、いずれにしてもその点は参考までにお聞きしておくにとどめたいと思うのです。  次に、公社の方から私今までの経過について若干御説明を願いたいと思うのです。昭和二十八年度、九年度と五カ年計画の二年度すでに実行して参っておるわけなんですが。この間における電電公社債の消化状況、それからこれはほかの省といいますか、管轄外の問題になるのですが、もしおわかりだったら、国鉄のやはり社債についても御説明を、もしいただければ願いたいと思うのですが、二十八年、二十九年。
  162. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) お答えいたします。私どものいわゆる電電債、二つございますが、ただいまの御質問は公募債だと思いますが、公募債につきましては、昭和二十七年度は予算二十億であります。失礼いたしました、昭和二十七年度はございません。昭和二十八年度からでございまして、これが予算は七十五億でございます。これに対しまして消化済みは六十八億五千万円、従いまして売れ残りは六億五千万円、それから昨年、昭和二十九年度でありますが、これは予算で七十億でございます。そして売れ残りが二十七億五千万円、従いまして発行済額は四十二億五千万円、こういうふうになっております。それから国鉄の関係でありますが、これは電電債、国鉄債と区別されておりますが、実際問題は発行条件も全く同じでありまして、去年の売れ残りも私どもと同額の二十七億五千万円の売れ残りが国鉄にもございます。ただし国鉄は予算額は百二十億でありまして、すなわち二十九年度の公社債全体では百九十億、それに対しまして合せて売れ残りが五十五億というふうになっております。
  163. 久保等

    ○久保等君 ところで先ほどの質問の方にまた戻ってくるわけなんですが、それに加えて今度の二百十五億の修正が行われたという、まあ新事態が出て参っておるのですが、この方面の公共企業体関係、今の御説明を伺うと、条件、そういったようなものは国鉄と電電の場合にはもう全く同じような状況におかれておるかと思うのです。従って全く証券市場あるいは金融市場というような方面を考えてみましても、これは政府として当然私は一本に考え、また両者を十分ににらみ合せながら考えておられる問題だと思うのです。ところで先ほどの郵政大臣の御答弁だと、二百十五億の予算修正に伴う影響が、こういった方面についてもあるという説明が、きわめて抽象的になされておったのですが、数字的にどういう変化になっておるのか、郵政大臣からお答え願えれば、郵政大臣からお答え願いたいと思います。
  164. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) その点につきましては、私はただいま的確な数字を持ってあなたの御質問にお答えいたしかねます。
  165. 久保等

    ○久保等君 それでは公社の方からでもよろしいんですが。
  166. 梶井剛

    説明員(梶井剛君) 私の聞き及んでいるところを申し上げますと、当初予算編成当時におきましては、国鉄が八十億、電電公社が七十五億、合わせて百五十五億の公募債を募集することになっておりました。それが予算編成がえになりました結果、国鉄の社債が四十五億ふえまして百二十五億、で電電はやはり七十五億でありますから、両方合計して二百億になったというわけでございます。
  167. 久保等

    ○久保等君 そうすると、ただいまの総裁の御答弁によると、四十五億ばかりさらに金融市場に公募される債券がふえたというような形になって来ていると思うのです。これも非常に三十年度の公募社債の消化について悲観的な材料の有力な一つだと思うのです。それで私は非常に基本的な問題からは腑に落ちない問題はあるんですが、少くとも公共企業体という事業は、これは私も政府事業とほとんど変らない実は使命と性格を持っておる事業じゃないかと思うのです。また特に現場事業といいますか、企業性の強い事業であり、しかも公共性があるというところの経営形態として公共企業体という形態が、比較的日本の場合においては新しい形として生れて来ていると思うのです。しかしこれに対するやはり私は政府の考え方というものは、やはり政府がむしろ陰の人として実質的に私は非常にいろんな意味においてこれに対して政府は育成あるいはまた支援をしなければならん問題だと思うのです。ところが予算を拝見してみますると、残念ながら、政府が事業投資をして、すべての予算はいわば政府資金によってまかなわれておるという形になっておったと思うのですが、公社になってからは、公募公債、公募社債という一つの手が外部資金を得る方法として道が開けておるんですが、しかしこれはいわば私は補助的な意味で、自己資金でやればこれはもちろん問題ないと思うのです。しかし自己資金でやり得ないとするならば、これのやはり足りないところは政府そのものが金融債の引き受けと、あるいはまた貸し付け等による金融債の引き受けといったような、いわば政府の第二段の方法が考えられなければならんと思う。それからさらにこれがなお資金において不足するという場合に、民間からの私は資金を集めるという方法も考えられると思うのです。ところがどうも数字的にはそういった点が一切がっさい金融市場に依存しておる。外部資金の調達については金融市場に依存しておる、民間の市中銀行に依存しておるという実情にあるんですが、この点について郵政大臣としては私はどういう一体御所見を持っておるのか、非常に根本的な問題なんですが、お伺いしたいと思うのです。
  168. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) お説については私も賛成でございます。大体本年度は財政の都合で、あるいは昨年度もそうでありましたけれども、やむを得ず公募債に、そうして金融市場にある資金を頼らなければならないという状況は、決してこの公社の最も必要なる通信事業を推進せしめるゆえんでない。できる限りこれは政府の金融債の引き受け等によって、あるいは貸付金によってこれをまかなっていくということの方が望ましいことである。またそういう方向に向って努力していかなければならぬと考えておりまするが、本年度においては、少くとも政府の財政の都合もきわめて逼迫せる年であったのでやむを得ませんけれども、この好転をみる場合には、必ずお説のような方針に向って進んでいかなければならぬと、かように考えておる次第であります。
  169. 久保等

    ○久保等君 まあ抽象的には私の申し上げている点に賛成だと言われるんですが、ただ、だから問題は、具体的に三十年度の予算の問題について、私は郵政大臣がどの程度の努力を払ったのか、少くとも予算の数字の上に現われておる点だけを見まするならば、全然いわば政府の協力というようなものが具点的な数字の上には現われておらないわけです。しかも前年度の場合に、先ほどの御説明によりますると、とにかく七十億円の公募社債のうち、年度の途中において二十七億円ばかり政府から差しとめられたということによって、まあこれは当然に金融市場の状況を政府は判断してそういう措置をとられたと思いますが、いわば公募公債そのもののワクも縮めたという結果になっておるわけなんです。そうすると前年度は二十七億余りの未消化という事態が出て参ったわけなんですが、それがさらに本年度の場合において、全く金融債の引き受けというようなこともなされておらないし、また郵政大臣としては特別な立場におられますが、簡保あるいは年金の運用の問題について、郵政大臣としての立場から、これに対しても具体的な数字としては全然現われて参っておらないんですが、こういった方面に対しても、郵政大臣としては、私は何らの御善処がなかったのかどうか、非常に疑問に思われるわけなんですが、大臣はどんなふうにお考えでありますか。
  170. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 私はこの予算編成の当時はまだ就任旬々の際でありまして、一面には私は電電公社の従来の事業運営についての状況もこれをつまびらかにせず、また建設資金の獲得等についてもその経緯を十分に知りませんでしたから、あるいはただいま努力はしなかったんではないかというおしかりに対しては、もっともな点もございまするけれども、しかし私といたしましては、当時しばしば強く主張することは、総裁からいろいろと説明を受けまして、その必要なるゆえんを力説して、大いに努力をいたしましたのですけれども、まあ力足らぬのでありまして、はなはだ御期待に沿い得ないことは遺憾に存じております。
  171. 久保等

    ○久保等君 個人的な話になると、これはもう全く郵政大臣というよりは、松田さんの私は苦衷なり立場というものは理解できるんです。しかしそれはいわば、どちらかといえば個人としての問題であって、郵政大臣という、いわば機関の立場からいたしますならば、これはその前には武知さんが郵政大臣をしておられたんですが、武知郵政大臣はきわめて短期間の郵政大臣であったわけですから、個人的にはそうしたいろいろ苦しい立場も私はわかる。しかし私はこれだけ大きな事業もかかえ、しかもこれだけ大きな事業の、しかも今日の特殊な莫大な建設資金を必要とする電気通信事業について、直接これを監督する立場、しかもこれの財政的な面に対しては、特殊な非常に強い立場を持っておられる郵政大臣としては、私は過去のことは別にいたしましても、昭和三十年度の予算が、まあ一部は現に執行されておるとしても、本予算がまだ参議院を通過しないという状態にあるだけに、これからの私は執行問題があると思います。従って郵政大臣としては、この問題について、少くとも私は計画は着実に……、この計画そのものについての意見も、これはもういろいろございます。また非常に私どもも基本的な郵政大臣の拡充計画に対するお考え方そのものについても、これは非常に大きな意見を持っておるわけです。しかし私はそういう問題は別としても、政府が企画せられ、それで国会に出されておる予算、これの執行問題については、これはもう少くとも私は今後の問題として、これは郵政大臣として私はもう絶対これを実行して参らなければならない非常に大きな責任があると思います。その点郵政大臣はいかようにお考えでしょうか。
  172. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) もちろん公社の五カ年計画その他現在計画しておる諸計画に対して、これを完成していく上についての私は特別の努力を払わなければならぬという責任を痛感はいたしております。また今おっしゃいますように、郵政省としては全国から郵便貯金その他の金を集めて、これが全国の産業振興のために、産業投融資の形において用いられておる金の大きな部分が郵政省によって集めた金であることも事実であります。さればといって、それゆえにその資金を直ちに電電公社の事業計画の方へ振り向けていくということのためには、また大蔵当局なり、あるいは大蔵大臣をしてこの通信事業に対する格別の認識を新たにしてもらうその努力も続けていかなければならぬと考えております。そういう意味合いにおきまして、今後の計画に対しては、その完成に極力努力はいたしていきたいと考えております。
  173. 久保等

    ○久保等君 私は電気通信事業に対する資金の問題について、政府の金融債の引き受けについては、これはもう私は当然やられなければならない問題だと思うんです。もちろん政府当局は各般の事情をしんしゃくしながら金融債の引き受けという問題については考えて参ることは、これは当然だと思います。今の大臣の御答弁によると、何か金融債の引き受けを行うがためには、特別に大蔵当局の理解を求めなければならぬというようなところに非常に力を入れられたような御答弁なんですが、普通のノーマルの状態においては、とにかく金融債による政府の援助というようなことは、これは行うべきが本筋じゃない人だが、しかし特に電気通信事業建設資金に非常に困っておるという特殊事情から考えると、この際一つ特別に大蔵当局にも考え直してもらわなければならぬじゃないかというような御答弁だったと思いますが、そういう程度の認識しか私は今の内閣通信事業に対してお持ちになっておらないのかどうなのか。そこで郵政大臣が特に非常に苦労しているんだというような意味での今の御答弁なのかどうなのか。私は少くともこの五カ年計画等にしても、今の鳩山内閣ではないにしても、当時の吉田内閣そのものが、私は非常に大蔵当局でも、慎重にこの問題を練りに練って、しかもこれをぜひ一つ五カ年計画を推進しようという固い決意で参っておったと思います。当時これに対して、少くとも国会内における空気としては、私はどなたも御異存のない、実は意見の一致した問題であったかと思うんです。しかもこの問題についても、おそらく今日の内閣は、当時の吉田内閣の方針を、私は少くともこの問題に関する限りは、やはり踏襲してこられておると思いますし、また今後もこれを踏襲して参りたいというお考え方じゃないかと思う。そうすると、あらたまって特別に何かしらこの際何かPR運動を政府内部においてもやらぬことには、どうもまだそこまで理解と認識が持たれておらないというような印象を受ける御答弁だったと思うのですが、そういうように理解してもよろしいのでしょうか。
  174. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) われわれ郵政当局として公社の仕事を推進していくことに対しては、われわれは一番大きなウエイトと申しますか、をもってこれを推進していきたいと考えまするけれども、大蔵当局、あるいは政府、内閣といたしましては、やはり国全般の各種の産業に対してそれぞれ、最もわれわれがこの郵政事業、並びに公社の事業に対してウエイトを置くと同じように、それぞれウエイトをもってそれの推進に当っておる次第でありまするから、そこに予算の配分等においてわれわれの考えて、われわれの要望しておるほどにそれが十二分に満たされてない場合のあることも当然いたし方がないという考えも今日のような財政の状況においては考えざるを得ないのであります。
  175. 久保等

    ○久保等君 言葉の端をとるようで恐縮なんですけれども、全部が全部郵政大臣の思っておられる通りにはなかなかいかないのだということも、これはわかるわけなんですが、しかしそういう抽象的な問題じゃなくて、やはり数字の面から郵政大臣よく一つお考え願いたいと思うのです。一体この昭和三十年度の予算の内容を眺めてみた場合に、建設資金、この建設資金の五百十三億のうち、内容にしてもこれをよく検討して参りますると、自己資金、まあこれがほとんど大半を占めておるわけなんです。しかし自己資金といってもその中にはやはり金融市場に影響のあると思われるような受益者負担、あるいは加入者負担といったような制度が、これは今日非常に私もこの問題については恒久的な賢明な策だとは思わないけれども、前々からこの問題についてもやかましく申しておることなんですが、受益者負担という形で非常に莫大な金を加入者なり受益者なりから取り立てる、有無を言わさず取り立てるということで、今苦肉の策で建設資金の調達に当っておるわけなんですが、これも非常に大きな私は債券の消化という面から見るならば、やはり問題がある問題だと思うのです。しかしこれも一応別枠として、自己資金的なものとしてこれを計上した場合、残されるものは一体何か、外部資金で一体どこからもって来ているかという問題になるわけなんです。ところがほとんどとか、少しばかりでも、それなら一体出ておるかという問題になると、数字的には私は一銭も出ておらないと思うのですが、その点どうでしょうか、郵政大臣。
  176. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) そういうふうにおっしゃられればなるほど自己資金を中心としてやっておられる面が非常に多いのでありまするけれども、強い公共性を持った企業体でありまするから、政府資金を中心としてそれに多く依存しなければならぬという考え方もできまするけれども、同時にまた企業性の相当強い点もあるのでありまして、今日まで各般の戦後の復興ができて参りました中において、通信仕事も相当復旧いたし、また近代化されてやって参っておるのでございまして、今後も一面外部資金によって新しい施設を建設していくという面も進めていかなきゃならぬと同時に、自己資金によって大いに企業の合理化をはかってやっていかなきゃならぬということも、これまた当然やっていかなければならぬことと考えておる次第であります。
  177. 久保等

    ○久保等君 大臣の御答弁はどうも非常にぐるぐる遠くの方を回っておられるような御答弁なんですが、私の御質問いたしておるのは外部資金の問題について。もちろんこれは独立採算制を建前としている企業的な事業ですから、まず経営をみずからの力によって資金の調達を行う、従って自己資金をむしろ中心にして考えていかなければならぬということも十分わかるわけなんです。ところが問題はやはり私は公共事業としての重要なこの電気通信事業、これに対する資金の調達の問題について、政府が私は相当やはり努力をしなきゃならぬ問題があると思うのです。で、これも本年度の予算についての話なんですが、五カ年計画から参りまするならば、これは百七十一億外部資金を調達しなければならぬという実は計画であったわけなんですが、第三年度目の建設資金については五百七十九億要る中で百七十一億ですが、これは外部から調達しなければならぬ、従ってこの問題については政府としては政府資金の貸付なり、あるいはまた金融債の引き受けなりという方法を講じてでも、百七十一億はぜひ政府の努力によってこれを調達しようという計画であったと思うのです。ところが本年度の予算とこれを突き合してみますると、総額において五百十三億という金額になっておるわけですが、その内容としての外部からの資金というものが七十五億円予定されておる。七十五億円しか予定されておらない。わずかに、百七十一億予定されておったものが七十五億しか実は組まれておらない。しかもこの七十五億は郵政大臣の前々からの経緯をお伺いいたしますと、この五億という五億には郵政大臣としての非常な苦心のあったことは、これは私も知らないわけではございません。しかし七十五億そっくり、しかもこれが公募社債によってまかなっていくんだということになっておるわけでありまして、町村合併がたった五億の、前々から私が口をすっぱくして言っております約五百億、今日の町村合併に伴う建設資金が必要じゃないかという情勢の中にあって、第一年度目にこれに充てる資金はわずかに五億しか予定されておらない、この五億も当初は全然削られておったのを郵政大臣もいろいろ努力されたようですが、これがわずかに五百億のうち五億だけが町村合併のために一応予算を計上した、この予算というものはどこから持ってきた予算かというので、予算検討してみると、これは金融市場で一つ募集して金を集めるんだということになっておる。そうすると、百七十一億円の当初の計画から考えて七十五億円になったというところに一つの大きな問題がありますが、同時にこの七十五億円しか外部資金は調達できないという姿になった七十五億円の内容というものは、これはまた全然政府資金の貸付もなければ、それからまた金融債の引き受けもない、それでそれこそ一般の金融市場から公募するんだという状態におる、私はこの姿を見た場合に、一体第三年度目における五カ年計画の実施の可能性について郵政大臣として、私はどういうふうにお考えになっておるのか、これは非常に私は問題だと思うのです。これは非常にむずかしい数字でもありませんし、また非常にこまかい数字でもないわけです。しかも先ほどから郵政大臣が政府資金なり、あるいは金融債の引き受けばかりに依存されたり、またそういうものを中心にして考えるような考え方には大臣としては若干疑義のあるような御答弁だったんですが、つまりそういうお考え方については、むしろある点においては全面的に賛成申し上げてよいんですが、それならば、一つ副次的な資金調達の方法であるけれども、政府の調達された、それこそ外部資金というものは何なのかということを、これは具体的に言えば、全然そういう資金というものがここに計上せられておらないという結果しか出てこない。これは答弁をどうするもこうするもないので、明々白々の事実ではないかと思う。私はこのことが、少くとも基本的な考え方としては、郵政大臣としても、むしろ郵政大臣そのものが納得できない、むしろこういう予算を出したことについては不本意であるということを申す以外に答弁余地がないのではないかと思うのですが、いかがですか。
  178. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) お話しのようにまことに町村合併にいたしましても、多額の費用を要することと思いまするにかかわらず、わずかに五億円、しかもそれは公募債によるものであるということに対しておしかりを賜わったわけでありまするが、私も当初は四十億円御承知のように要求いたしたのでありますが、それはなかなか満されないので、せめて半分でも、あるいは十億でもと言ったのが、ついに五億円にしぼられてしまったようなわけでありまして、そこで私はそれに最後に承服いたしました時に、強くこれが消化の点についてだめを押しておいたような次第であります。
  179. 久保等

    ○久保等君 この三十年度の予算の外部資金の問題については、私今質問を申し上げた通りの実態、実情にあると思う。そこで郵政大臣もまことに残念だという、簡単な私は言葉に結論は尽きると思います。いろいろ言葉の言い回し方があってもそうだと思います。だから大臣としては、きわめてこれは不本意であり、まことに残念であるけれども、結果的にはこうなったのだという御答弁に尽きるかと思いますが、そうだとすると、私はこの経過を見た場合に、非常に極端な言葉の表現で恐縮ですけれども、郵政大臣という立場に立って、この問題を考えた場合に、郵政大臣そのものの立場から考えた場合に、いわば踏んだりけったりという実情になっておるのではないかと思うのです。しかも二百十五億の衆議院における修正にしても、これが明らかに私はやはり金融市場において四十五億だけ国鉄と電々の社債の消化の面に非常に大きなしわ寄せがされておるというふうに考えたのです。この点はいかがでしょうか。郵政大臣は、私は二百十五億のあの修正に伴って、公共企業体関係の国鉄と電電の両公社の予算に対して四十五億を私はさらにプラスされたしわ寄せだと思うのですが、その点どういうふうに御認識になっておりますか。
  180. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 私は国鉄の方の状況については大蔵大臣とも話し合ったことがございまするが、何しろ料金の値上げを完全に押えられておるし、そうして赤字が継続しておる、新線の建設にしても契約したものに対する解約までしなければならぬというような状況にもあるというような状況にある一面、またいろいろ資金を要することなどもあって、むろんそれに対してついにああした修正のなにも出て参ったのでありまするが、必ずしもそれによって郵政事業の方にそのしわ寄せを持ってきたとは私は考えておりませんのでありまして、これは今度の予算の編成上、本年度はやむを得ない状況であるからということで、こういう結果になったのであります。
  181. 久保等

    ○久保等君 私質問しておるのは、そのしわ寄せのすべてが郵政大臣のところにしわ寄せされてきたというような意味で申し上げておるわけじゃ、さらさらないのですけれども、大臣先ほどからも言っておられるように、やはり日本の国内の金融市場なり証券市場というものは、これは一つなんですから、そこに売り出される社債にしても、やはりこれはもう一体不可分の関係があると思いまするし、また影響を受けるわけです。そうした場合にこの公募公債を発行するという問題について、同じ条件で、電電の場合にしても国鉄の場合にしても、売り出されるわけですから、その場合に電電と国鉄とで総額百五十五億の予定であったのが二百億になった、四十五億プラスされた、多く金融市場で消化してもらわなければならないという状態になってきたとするならば、一体電電事業の方にそのうち何億かしわ寄せされ、国鉄の方に何億しわ寄せされるかということを、今直ちに数字をもって判断することは不可能と思う。従って私はそういう御答弁を求めておるのではなくて、事少くとも電電と国鉄、両公共企業体に対して四十五億だけはより負担が多くなったのだ。従ってそれだけのしわ寄せをされてきたのではないか。これは議論の余地のない私は事実ではないかと思う。従ってそういう意味で、私はやはり郵政大臣の立場といいますか、電気通信事業そのものの建設資金の問題についても非常に大きなしわ寄せが金額的にはっきり、これこれは電電、これだけは国鉄ということは言えないにしても、両者合わせて四十五億だけしわ寄せされたことは事実ではないかということを申し上げておるわけであります。大臣、その点はいかがですか。
  182. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) もちろんそういうことは言えるかと思います。われわれの方といたしましては、例の金額だけは極力この線を要請してその消化をしていくと申し上げる以外にないのであります。
  183. 久保等

    ○久保等君 そこで今までの経過というようなことは、これは何べん繰り返してみたところで私は返ってくる問題ではないと思う。といって予算はまだ参議院で審議中ですから、そこでの問題もあるかと思いますが、しかしそういう問題に対しては私は触れようとは思わないのですが、一にかかって今後の問題についての郵政大臣の、しかも私に対する御答弁は、具体的なしかも明確なる一つ私は御答弁をお願いしてやまないわけなんです。先ほど来申し上げておりまするように、経過そのものはもう非常に私は何というか、基本的な政府の態度そのものがだんだんくずれて、しかも郵政大臣が非常に努力をされておることも私承知しておりますし、また事実努力をされたとするならば、努力のかいにもかかわらず、結果というものは、こういう私の質問に対しての大臣が非常に明朗な御答弁がされないほど私は現実というものは非常に苦しくなってきておると思う。がしかし、少くとも出ておる、いいにしろ悪いにしろ、この結果というものに対しては、私は今後の問題に対しては一体郵政大臣はどういうような気がまえでもってやられようとするのか。先ほど来の御答弁によりますと、大蔵大臣の特に認識を願っていろいろと努力をしておるのだと、それで先ほど一番冒頭の御答弁によりますると、今後の公募社債の問題にしても、でき得る限り有利なようにするために興業銀行あたりが中心になって努力してもらっておるというような御答弁もあったのですが、私はこの程度の御答弁では、果して郵政大臣が真にそれならば七十五億の公募社債の問題にしても完全に消化し得るという確信を持っておるかどうかということについて、私は非常に大きな疑問を持っております。郵政大臣はこの七十五億の公募社債の消化の問題についてどういう具体的な方法、それからはっきりしたお見通しを持っておるのか。先ほど来の御答弁では、私はもちろん大臣が、先ほどの答弁はほんの九牛の一毛的な具体的なことを言ったにすぎないのであって、とにかく結果として、結論として言えることは、自分が絶対責任を持って、この消化という問題については確信を持って責任が負えるのだというふうにお考えになっておるのかどうなのか、このあたりの一つ郵政大臣のお考え、所信というものを承わりたいと思う。
  184. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 繰り返して申し上げるわけでありますが、この公募債に対しては必ず消化できる、この根拠としては数字的にこれこれの方法、これこれの方法と一々あげるわけには参りませんけれども、大蔵当局において、大蔵大臣にもしばしば要請いたして参ったのでありまするし、大蔵省といたしましては責任をもってこれが消化に努力をするという、その言明に私は信頼し、なお強くその実現を要請してやって参るつもりでございます。
  185. 久保等

    ○久保等君 どうも郵政大臣、一番最初の請願を審議しておるときにも言われておったように、郵政大臣は非常に横紙破り的な非常なファイトと非常な実行力を持っておられるようなお話を承わっておりますし、また私かねがねそのように拝承いたしておるわけなんですが、少くとも先ほど来、私の御質問申し上げておることは、これはあるいは郵政大臣から見れば、私の申し上げていることが横紙破り的な質問かもしらぬが、私は決して横紙破り的な質問じゃなしに一応の従来の経過から筋道を立てて御質問申し上げておると思うのです。質問の要領はきわめて下手ですから、論理が一貫しない点があるかもしれませんが、ただ、しかし私の質問せんとする気持だけは郵政大臣には十二分に御理解願えているのじゃないかと思います。従って私の質問に対しまして郵政大臣から満足のいただけるような御答弁を得ても、その御答弁をした郵政大臣というものは必ずしも横紙破り的な答弁をしたということに私はならぬのじゃないかと思うのです。ところがその横紙破りでない答弁程度答弁もできないということになってくると、一体松田郵政大臣どこにありやという印象を実は強くいたすわけなんです。しかも前々から申し上げておりますように、郵政大臣は電気通信関係の法の規定に待つまでもなく、単に一般事業官庁の所管大臣と違った立場にあることは、これは郵政大臣も重々御承知だと思うのです。ところが先ほど来の御答弁によると、大蔵当局のすべて言明に信頼し、郵政大臣の態度というより大蔵大臣、大蔵当局の態度に、すべてが何か予算関係がかかっておるような印象を受けるのですが、一体郵政大臣はそういう御認識なのですかどうなのですか、これは念のために一つ承わっておきたいと思います。
  186. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 多くの金を扱っておる省において、しかもそのうちの大部分大蔵省をしてこれが運営に当らしめておるという立場から申し上げますというと、あなたのおっしゃるように、相当の効果等に対しても、あるいは金融債引受等に対しても、特別の、格別の発言権を持っておるのではないかといったように私は承わったのでございますが、むろんその認識を持っておらぬことはございません。またあなたの非常な御熱心な通信事業の発展のために努力せられることは、まことにありがたく思っておる次第でございまして、従ってあなたと同様の熱心を持って私も今後この事業の推進に努力して参りたいと、かように考えております。
  187. 久保等

    ○久保等君 たびたび郵政大臣に言葉を返すようで恐縮なんですが、発言権を持っておるとかなんとかいう問題じゃなくて、私は郵政大臣というものは電気通信事業に関する予算そのものについての編成権、それから調整権、こういったようなことをお持ちになっておると思う。もちろん大蔵当局と相談しなければならぬという問題はありますけれども、少くとも強力に大蔵当局に対して発言権を持っておるのだという程度の私は権限と責任じゃないと思うのですが、その点いかがですか。
  188. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 予算の編成に対してはむろんわれわれもその責任をになっていかなきゃならぬことでありまするから、そういう見地において強く必要なる仕事に対する予算の配分に対しては努力をいたして参っておるのであります。ただその直接衝に当る大蔵省の予算の編成権は、まず慣例において、法の上において、大体において認承されておる建前上、われわれの要求はむろん強くいたしますが、また政府としての一員としてその責任は負っていかなきゃならぬ建前上、もちろんおっしゃるように責任を感じておる次第であります。
  189. 久保等

    ○久保等君 そういう努力の点は別として、私のお伺いしているのは、法制的な問題について今の場合御質問をいたしておるのです。そこで少くとも電気通信事業というものが政府事業であったときから、今度は公社という経営形態に変った、いわば電信電話公社法というものができたという、このことによって、郵政大臣の立場、さらには権限と責任という私は問題を考えてみた場合には、郵政大臣にそれがあるのじゃないか、内閣の中におけるいわば権限の所在がどこにあるか、責任の所在がどこにあるかという問題になれば、これは郵政大臣にあるのじゃないか。それは法が明記するところじゃないかという御質問をいたしておるのです。その点郵政大臣どのようにお考えですか。
  190. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) それはお話のように郵政大臣に責任があると考えております。
  191. 久保等

    ○久保等君 そうだとすると、私は先ほど来の御答弁は、そういう立場に立って郵政大臣が御努力になっておると了承いたしたいのですが、しかし先ほど来の御答弁だと、残念ながらそのようには受け取れないわけなんです。決して私ひがんで物事をお伺いしているとは思わないのですが、とにかく大蔵当局の今後努力に期待したいというようなことが言われておったり、また大蔵当局の言明を信頼したいというようなことも言われておるのですけれども、私はもしそれが結果的にうまくいかなかったという場合には、これは大蔵当局の責任じゃなくて、政府内部のことを申し上げるならば、郵政大臣に私はやはり責任が当然かかってくるのじゃないかと思うのです。いかがですか。
  192. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) それは郵政大臣にもむろん責任があると考えます。しかし財政当局たる大蔵省にもむろん同様に責任を持ってもらわなきゃならぬと考えます。
  193. 久保等

    ○久保等君 もちろんそういう言葉で抽象的にいえばなると思うのです。しかし主たる責任、従たる責任といいますか、そういう言葉の表現をするならば、私は郵政大臣に主たる責任があるというふうに考えるわけなんですが、郵政大臣いかがですか。
  194. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 私は予算の配分、これを金融債の引き受け等によってやらないで、公募債にこれをやるということに対しての責任は、今申し上げるように、これは大蔵当局に強く、私の方といたしましては、そうした公募債の処理等について、直接の担当省である大蔵省においてこれを強くやってもらうことに、私の方といたしましては努力して、直接のこの衝に当る大蔵当局にこれを強く要請していくという建前以外にやり方はないと考えております。
  195. 久保等

    ○久保等君 そうだとすると、郵政大臣も非常に私は大勢順応というか、大蔵当局順応というか、もちろん内閣そのものに対する連帯責任があるという郵政大臣の一面の責任はこれはわかります。しかしここで問題にしておるのは、その一面じゃなくて、私は郵政大臣といういわゆる行政大臣としての郵政大臣の立場についてお伺いをしておるわけですし、また、郵政大臣のそういう立場における御決意と今後の御努力というものについての御所信を承わっておるわけなんです。ところが、すべて問題は、集中的にお話をいたすならば、公募社債の問題に限定されてくるかと思うのですが、この問題についても大蔵当局の努力をまつより方法はないというような御答弁なんですが、私はそれでは郵政大臣の責任は果されないと思うのです。それならば、一体もしそれが実行できなかった場合はどういうことになるのか。郵政大臣はどのようにその場合にお考えなんですか。
  196. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 予算の編成権というものが、もし総理にあるとか内閣のみにあるとかという建前になっておりますれば、私はお話のようになると思うのでありまするけれども、同じ一つの省の大蔵省において予算というものをあんばいしておるという、そうして長い間の慣習によってその力がますます大蔵当局に集中されておるという現状をもってしては、私は大蔵当局に主たる公募債の処理の責任を担当してもらわなければならんと思います。
  197. 久保等

    ○久保等君 だから、その技術的な公募社債の消化の問題について主として大蔵当局が当るということは、これはまあ私は事務的な分野としては当然かもしれませんけれども、しかし、これはただ、一つの資金の調達の方法として公募社債という方法をとっておるわけなんです。従って、これがもし思うようにいかなければ、また別の方法を考えなければならんと思うのです。いずれにしても、資金の調達の総体的な方法という問題について、手段という問題については、私はこれは郵政大臣が責任を持ってやらなければならん建前になっておると思うのです。長い今までの伝統といいますか、歴史といいますか、そういうならわしというものは、あるいは郵政大臣の言われるような状況にあろうかと思うのです。しかし私は、この法の建前からいって、一体、郵政大臣の今答弁せられるようなことが正しいというように御判断になっておるのですか。それとも現実はなかなか思うようにいかないという意味での御答弁ならばある程度了承できると思うのですが、法の建前は私はそういう状態ではないと思う。それならば一体、従来の、前の郵政大臣の当時と今日の郵政大臣の立場というものは全く同じかということをお伺いしなければならんわけです。一体それでは郵政大臣として法の建前上そうなっておるのだというふうに御認識になっておるのでしょうかどうでしょうか。
  198. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) それは以前の郵政大臣も今日の郵政大臣も、おっしゃるように大臣としての責任があると、かように考えております。
  199. 久保等

    ○久保等君 そういう意味の質問じゃないのですよ。郵政大臣という言葉を使ったから適当な言葉の表現じゃないと思うのですが、逓信大臣という当時の電気通信事業に対する予算に対する権限ですね、そういう立場と、今の郵政大臣として電気通信事業をこれを監督するという立場は、私は非常に違っておると思うのです。すなわち、これは、はなはだ条文を引用して恐縮なようですが、「予算の作成及び提出」という問題を取り上げて考えましても、日本電信電話公社法の第四十一条の第二項に明記するところによれば、少くとも郵政大臣というものは、予算の提出を受けたときには大蔵大臣と協議して必要な調整を行う、それで閣議の決定を経るのだというような形になっておるわけなんです。これは私は、前の逓信大臣が政府事業としてやっておった当時の電気通信事業に対する予算関係の立場と、それから今の郵政大臣が電気通信事業に対する予算に対する立場というものは、これは非常に違っておると思うのです。これはまた公共企業体としての電電公社を作った大きな眼目の一つでもあるのだと思うのです。ところが、その点がどうも郵政大臣のただいまの御答弁によると、だらだらときて前からのしきたりがあって、どうも思うようにはなかなかゆきませんというような御答弁になってしまっておると思うのです。そこらに私は非常に松田郵政大臣の立場の御認識というものが違っておるのじゃないかと思う。その点どのように大臣お考えでしょうか。
  200. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) それは公社の場合におきましては、この予算に対しては調整を行なって大蔵当局と折衝してゆくと、かように考えております。
  201. 久保等

    ○久保等君 調整を行なって大蔵大臣と協議するのじゃなくて、大蔵大臣と協議しながら、郵政大臣が最終的に調整を行い、結論を出すという立場なんです。だから、そこに私は、主従の関係という言葉を使うならば、郵政大臣が主であって、大蔵大臣が少くともこの電気通信事業関係した予算については従たる立場だと私は思うのです。大蔵大臣が受け身の立場だと思うのです。そういう立場に立つならば、資金調達の問題について、私は主たる責任が郵政大臣にあるのじゃないかという御質問をいたしているわけなんです。それを郵政大臣が両方に責任があるのだという程度答弁をされるものですから、私も非常に何かほどくり返したような御質問をして恐縮に思うわけなんですが、まず私はここに郵政大臣の立脚点がなければならんと思う。先ほど郵政大臣ちょっとそういう誤解を生むような御答弁であったと思うので、その点一つ明確にしてもらいたい。
  202. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) お話のように、郵政大臣は責任をもって大蔵当局と協議して公社の資金調整を行う、その責任をもっているということについてはお話の通りでございます。
  203. 久保等

    ○久保等君 そこで、いろいろ従来からのいきさつというものからいけば、大蔵当局のならわしは、なかなかこれは郵政大臣の苦しい立場があるように、現実は非常にむずかしいと思うのです。しかし少くとも法律の建前、法制の建前が、しかもこれは最近できた一つの制度だと思うのです。国鉄の場合と同じ公共企業体であっても違う特殊性があると思うのです。その歴史的発展過程というほどの長い歴史的な問題じゃありませんけれども、戦後における公共企業体の生まれて参った経過ということから考えていった場合に、やはり新しい一つの傾向といいますか、新しい一つの姿がこの電気通信事業の公共企業体の上に出てきていると、思うのです。従って、これは私は一日も早く法の建前のような形の運営にもっていかなければならんと思う。その場合に、それこそ郵政大臣の本来の持前を生かしていただく一つの課題がここにあるのじゃないかと思います。郵政大臣がやはりそういう持ち前を生かしていただいて、法の建前にのっとった形での運用をやっていただかなければならん、ここに私は郵政大臣としての一つの今日の特殊事情下における課題があると思うのです。軌道に乗ってしまった姿じゃないと思う。そこに郵政大臣としての悩みもあろうかと思うのですが、そういう事情におかれていると思う。先ほど来、予算の数字をあげてお伺いをいたしましたが、いろいろなとにかく紆余曲折を経て、だんだんだんだん末細りになってきて、町村合併というような時局的な特殊的な計画が、当時の経緯から見ればまさに龍頭蛇尾になっている。しかし計画は龍頭蛇尾になっているが、現実それ自体は厳然として残っていると思うし、将来はますます、むしろ町村合併の問題は非常に全国各地から、強い要望という程度じゃなくて、反撃的な強い陳情が出てくるのじゃないかということさえ懸念されるおけです。本年の場合においてはわずかに五億しか計上しなかった。この五億で、一体いつがきたら解決できるか。五億の数字で割った場合には、おそらく何百年という数字が出てくるのじゃないかと思います。そういう計画計画の中に入らないと思う。今考えられる現実だけでも五百億の資金を要するという町村合併、しかもこの町村合併は決して局部的な小さな問題ではないと思う。前々回にも力説しておきましたので、繰り返して申し上げようとは思いませんけれども、そういう現実を考えただけでも、百年かからなければこの町村合併の問題は解決しない。今当面している問題は百年かかるという状況におかれている。ところが、この五億円も、あるいは、ひょっとすると空手になる。何といいますか、約束手形が空手形になるかもしれないということになるのじゃないかということを私は憂えて、今、実は大臣に御答弁を願っているわけなんです。だから、それは今のところ百年もかかるような状態の計画であるだけに、この五億なら五億という問題を一つとってみても、私は金輪際、郵政大臣という立場からしても、これを不渡り手形にすることはできないのだという決意は、当然郵政大臣としてお持ちになると思う。ところが大蔵当局にやってもらうので、大蔵当局がやるといっているから私は大丈夫だ、信頼しているという程度では、一体そんなら、どうしてくれるのだという郵政大臣に対する御要望があった場合に、やる思とって信用しておったら、実は大蔵当局にペテンにかかりましたという、来年の三月頃になっての御答弁で、郵政大臣が満足できるかどうかということになってくると、私は郵政大臣の性格としても、私はまさかそういうことは、郵政大臣としての御答弁としては、ここでの御答弁はできかねると思います。そうして参りますと、とにかく非常にだんだん龍頭蛇尾になってしまっているこの五百十三億という予算の外部資金の調達の問題についての公募社債の問題については、もしこれが不消化に終る、消化できなかったという事態になった場合、私は、何としても、別の方法を講じても、これを穴埋めするという、やはり大臣としては固い決意がなければならんと思う。その点いかがでしょうか。
  204. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) お話のように、全く現在の状況をもってすれば、所期の計画を達成することがいつのことかわからぬということは、私も痛感いたしております。従ってその計画のほんの一部を達成するにすぎない公募社債によるこの資金は、あくまでもこれを獲得してその実現を期するようにやって参りたいと考えております。
  205. 久保等

    ○久保等君 ところで、これは私、まあ今まで電気通信事業対郵政大臣という関係を主としてお尋ねしておったのですが、郵政大臣は申し上げるまでもなく、いわゆる郵政事業の所管大臣としての立場もお持ちになっているわけですし、それから今国会に出されております簡易保険、それから郵便年金の運用の問題についての範囲拡大の提案がなされているわけです。この項の中に、長期信用銀行法に基く銀行に対する金融債の引き受けといったようなことも、今度新らしくぜひ一つこのワクを広げたいのだということで御提案になっているわけです。予定するところは差しあたり二十億程度だというようなことも、今国会に実は御提案になっているわけです。従って私は、そういう問題ともにらみ合せて、先ほど来、大臣が非常に苦しい答弁をされておるほど御苦労されているとするならば、私はやはり郵政大臣という立場の妙味をこういう面においても十分にお考え願わなければならないのじゃないか。またお考えになるのが当然じゃないかと私は思う。ところが先ほど来繰り返して申し上げますように、今の状態ではそういう方面からの資金の調達というようなことは全然考えておらないというところに、私は何か郵政大臣が、非常にそのまん中に、つい立てを置いたような形で、ものをお考えになっているのじゃないかというふうに考えるわけなんですが、先ほど来お伺いしておりまするこの公募社債の消化の問題について、郵政大臣としては、私はとにかく絶対この七十五億の資金調達の問題だけについては、これは責任をもって消化するのだ。従って万一こういったことが消化できないというような事態ができた場合には、そういう別の面からの金融債の引き受けによって、その足りない面をカバーしていくというようなことも含めて、絶対この七十五億の問題については、町村合併の問題については、わずかに五億円しか計上せられておらない。七十五億の問題については、これはもう絶対一つ責任をもって、郵政大臣としてはその責を果したいというふうに固い決意をお持ちなのかどうなのか、お伺いをしたいと思います。
  206. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) お話のように、簡保その他、年金積み立ての金の運用について、その範囲を拡大するという法案を御審議願っておる次第でありまするが、これが御承認を得て、そうしていきまするならば、おのずから一般の資金の運用の面に対しても、まあ郵政省は乗り出してくるといいますか、長期信用銀行等にもそういう融資の途を開くことが許されるということになりまするならば、おのずから今おっしゃいますように、そうした金を将来こうした通信事業の拡張といったような方面にも範囲を拡げていくことができるのじゃないかということも考えられまするし、また、そういうことをやることになるについては、さらに今あなたのおっしゃるように、こうしたことをも含めて、大蔵当局にこの公募債の引き受けについての実現を責任をもって要請していくことに対して、新たなる角度から大蔵当局に要請して実現ができると、かように考えております。
  207. 久保等

    ○久保等君 いや、どうも郵政大臣のその程度答弁では、これは私、率直に申し上げて、郵政大臣が先ほど来御答弁しておる材料は悲観的な材料だけしかないですよ。まあ具体的にいろいろ、国債の問題についても、さらに十四億の消化自体につきましても、二十九年度と三十年度とは経済状況というものは決して好転しておるとは思わないというような郵政大臣の御答弁なんです。それから、さらにまた、新しい事態として国会における予算修正、そういったようなことによって、さらにまた証券市場、金融市場というものが非常に不安の度を加えてきたというような情勢になっておるわけです。そういう状況の中にあって、他力本願的な考え方でいかれるとするならば、私はこれは、今のような情勢というものが結果においてやはり、私の今危倶して御質問申し上げておるような結果に終る可能性が非常に大きいと思うのです。これはまあ、特に先ほど来の具体的な悲観的な材料は、これこそ大蔵当局の主たる立場における問題だと思うのですが、そういうことの中に置かれておればおるほど、私は、やはりこの問題については、郵政大臣がどういう具体的な方策を持っておられるか、また、どういう決意を持っておられるのかという問題に、むしろ私はほとんどすべてがかかってきておると思うのですよ。ところが大蔵当局に新たなる決意を要請をして参りたいと思っておりますという程度の御答弁で、これは私は、少くとも郵政大臣の、ほんとうに誠心誠意、しかも熱意をもって、加うるに、郵政大臣のほんとうの御性格をプラスして実行するのだというふうには、私は残念ながら受け取れないのですが、私のそういう判断がへそ曲りのようなものの判断の仕方なんでしょうか。それとも一体郵政大臣の言われることの方が正しいのでしょうか。どうなんでしょうか。
  208. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) せっかくこの公募債の消化に対しては努力いたしまするから、そうしてそれが消化できると確信いたしますから、御了承願います。
  209. 久保等

    ○久保等君 まあ、去年も年の半ばになって、二十七億程度の公募社債の差しとめを政府はやったわけです。従って結果的にそれだけ不消化という事態が出て参っておる。毎年予算は、執行する過程において、年の半ばになると、いや、一割天引き、二割天引きの節約を行なっておるというようなことが、政府のこれこそ慣行として毎年ある程度なされておる。そういうようなことも考えると、私は昭和三十年度の場合においても、年度途中においてそういうようなことが考えられる。しかも市場の状況というものは非常に暗い状況にあるとするならば、私はこれこそ郵政大臣が、まあここでの答弁としての言葉の先の問題ではなくて、本当に私は非常な努力と決意とをお持ちにならんと、これは消化できないのじゃないかというふうに考えるわけなんです。それで、今まで大臣のやってこられた具体的な方策は、先ほどの御説明によると、興銀あたりを中心にしてやってもらっているのだ、できるだけ協力してもらうように頼んでおるのだ、利廻りの点についても若干有利なふうに一つなんとかやるのだというようなことも、大蔵省と話し合っておるのだというようなお話があったんですが、しかしそれとても七分ちょっと上廻る程度のもので、国債の場合には先ほどもお話があったように八分だ、しかしそれにも及ばないような程度なんです。だから、こういったようなものに、ただ単に、ここで、この委員会におけるその場における答弁としての答弁という問題では、私は済まされない非常に大きな問題があると思う。本当に私は、郵政大臣が先ほど来悲観的な材料を幾つかあげましたが、そういうような悲観的な材料があるんだけれども、そういう悲観的な事情を乗り切ってやるのだというはっきりした一つ御答弁をお伺いしたいと思うのです。もちろん、ここで郵政大臣が、何億はどう、何億はどうというようなところまで、私は数字をあげてまでは御用意がなければ御質問はいたしませんけれども、まあ胸を叩いて、任せておけというような程度の御答弁でも、大臣の本当の決意いかんによっては、私はそれでも答弁はけっこうだと思う。何もそろばん片手にどうのこうのという質問をいたしておるわけではない。ただ先ほどの大臣の御答弁程度では、非常に大蔵当局への他力本願的な、もし私のそれが誤解であれば非常に幸いですけれども、他力本願的なようなお話じゃないかという危惧を持つわけなんです。どうでしょうか。大臣の本当の決意と明言を一つここでお願いしたいと思うのですがね。
  210. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 私も非常な決意をもって本年度は昨年度のような失態のないように努力をいたすつもりでございます。
  211. 久保等

    ○久保等君 私も、もう大臣のその決意は、これは言葉の表現ではなくして、本当の異常な決意でやられようという御意味だと理解いたしたいと思うのです。そこで、まあ、ただ残念なのは、今のところ具体的な方途、具体的なここで御説明が願えない点は、これは非常に残念に実は思うわけなんです。少くとも予算を政府が練りに練って国会に出された。それで国会においても、さらに衆議院の審議も終り、参議院にきて、いよいよ最後の段階にまでもう差し迫っておるわけなんですが、内容は先ほど来何回も繰り返して申し上げるように、だんだん縮小されて、しかも去年の予算と対比してみても、予算規模において十八億ばかり少くなっておるという点を眺めた場合には、私は、見方によっては、またそれだけ去年よりは実現性があるのだということも言えると思う。この予算の数字の大きいか、小さいかという面だけを、昨年と本年とを比べた場合には、その点において非常に間違いなくやれるのだということを裏づけておるのだと思う。しかしまた一面においては、先ほど申し上げたように、市場の状況というものは、これまた非常に非観的な材料が加わっておる問題がある。そうしてみると、去年よりは予算規模が小さくなっておるから、三十年度の場合においては比較的やりやすいのだという結論にはならんと思う。十分天びんにかけてみると、まあまあ同じということになる。そうすると、五百十三億というのは、去年の五百三十一億よりは十八億円少くなっている。けれども、しかし、これが果して実現できるかどうかという問題は、郵政大臣が特別の具体策をお立てにならぬと、去年と同じような推移に委せるならば、また大蔵当局の言明に依存し、大蔵当局だけの努力に信頼する程度では、とても実現の可能性がないのじゃないかというように考えるわけであります。従って、郵政大臣がぜひ、本来ならば、この席上なりあるいは予算委員会の席上でもけっこうですが、とにかく政府提案をされた際に、公募社債の問題についての消化方途については、こういう具体的な策を持っているのだ、従って金融債の引き受けというような面において努力はしなかったけれども、また政府資金の貸し付けという面でも努力はしなかったけれども、しかしとにかく民間の努力を得て、ぜひ資金の調達には、結果的にとにかく責任をもって、郵政大臣が実現をするのだということを、私は少くとも予算提案とともに、その裏づけとして郵政大臣から、御説明があってしかるべきだと思うのであります。ところが残念ながら、その資料なり、あるいはまた御説明は受けられないわけなんですが、今の御答弁で、私は単に公募社債の方法というだけでなくて、問題は七十五億なら七十五億の資金の調達という問題なんですから、それがどういう方法においてやられるかは別としても、少くとも結果的に簡保あるいは郵便年金の運用権が郵政大臣のもとに私は今後現存している立場という、特殊な有利な立場があると言えば有利な立場があるかも知れませんが、そういう郵政大臣の立場と、それから予算の執行の監督、それから予算の編成等における郵政大臣が最高の終局の責任者としての立場で、これはどんなことがあってもやはり実現を願わなければならぬのじゃないか。非常にくどい御質問を申し上げたり、あるいはまた非常に非礼にわたるような問題を引用して、郵政大臣に御答弁を願って、恐縮なんでございますけれども、私の郵政大臣にぜひ求めたい点は、郵政大臣も十分御理解願えると思うのでありますが、私は七十五億のこの問題については、ぜひ明年の三月末になって、やはりどうも努力にかかわらずこういう結果になったのだという程度の御答弁にはならないように、もちろん郵政大臣も明年の三月まで御就任になっておられるかどうか、これはもうきわめて最近のように世上騒々しいと、別問題ですが、しかし私は、そういう問題は、これはまた別の問題として、松田郵政大臣という私はやはり大臣に、その面を信頼したいと思いますし、それこそ私はあげて期待をしたいと思います。ぜひ一つこの問題については、口がすっぱくなるほど申し上げますけれども、郵政大臣が責任をもって消化をする、ないしは消化できなければ、今申し上げたような具体的な方法によって、ぜひ大蔵大臣の努力云々じゃなくて、郵政大臣の努力と決意によって解決するのだという一つ答弁を、きわめて簡単でけっこうですから、一言、繰り返してくどいようですが、大臣に最後の答弁を願いたいと思うのであります。
  212. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 非常に御熱心なる久保さんのお考えに対しては、まことに感謝にたえません。私もただ口の先で申し上げたわけではございません。実は先般ちょっと、一日大阪へ郵政関係のことで参りましたときにも、個人で行ったのですが、郵政関係の方を十数人集めまして、そのときにも、それとなくお話をしておいたようなあんばいでありまして、決していいかげんな考えでお答え申しているわけではないということを申し上げて、御了承願います。
  213. 久保等

    ○久保等君 いいかげんな考え方ではもちろんないことは、もう重々承知いたしておるわけです。だから一つ念のために、簡単にお答え願っておきたいと思うのです。要するに責任をもって郵政大臣としては、私はこの公募公債の方法を、今の場合に考えておるけれども、七十五億の資金調達の問題については責任をもってやる、責任をもってやるという簡単な御答弁だけを願っておきたいと思います。けじめの意味でもぜひ願いたいと思います。
  214. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 七十五億の資金は最少限度だと思っておりますので、責任をもってこの消化に努力したいと存じます。
  215. 久保等

    ○久保等君 時間を非常に私ひとりで独占をしてしまって恐縮なんですが、しかし今日特に私も、よんどころない用務で不在にいたさなければならなかったところを、実は出て参ったような関係で、郵政大臣にも御迷惑をかけていると思いますが、まあその点は一つ御了承を願って、私、公社の方に、先般の逓信委員会の席上で局舎関係の資料をお出し願うようにお願いを申し上げたんです。しかしこれはなかなか簡単に出る資料じゃありませんし、私またそのとき申し上げておいたように、十分に的確に今日の状況を把握した、権威があるといっては失礼だけれども、とにかくしっかりした資料をお出し願いたいということをお願いしておいたわけです。従って、この問題をここで取り上げようとはさらさら思わないんですが、しかし、そういう問題もあるわけでありまして、私は郵便局局舎の問題、これもまた別の機会に十分に大臣から実施の具体的な問題等についても御答弁を願いたいと思います。今日は差し控えておきたいと思いますが、郵政も電通も、局舎という一面から見ますと、これまた非常に大きな問題があると思う。たとえば、電報電話局局舎問題、これまた何十年計画になるか、何百年計画になるかしりませんが、そういう問題がある。これまた一つ許された予算の範囲内において、三十年度は三十年度でまたやっていかなければならない問題があると思います。これも後日の機会に十分にいろいろ郵政大臣からも御所信のほどを承わって参りたいと思いますが、そういう事情もありますだけに、ます先決の昭和三十年度の予算の大ワクをどう確保して参るかという問題、また確保したものをどう現実にはフルに執行していくかという問題もあろうかと思いますので、先ほど来非常にくどいような質問を申し上げたわけですが、まあその点、御了承願って、時間もございませんから、簡単に郵政大臣に、また話が全然別ですが、松田郵政大臣が御就任になって以来、私は一ぺんもお伺いしていないので、ちょっと古いお話でございますがお伺いいたしたいと思います。それは大臣就任早々ですが、お引き継ぎを受けて御承知だと思いますが、ただ簡単に経過と結論だけを念のためにこれもこの席上で伺っておきたいと思います。  私、今まで御質問をいたす機会がなかったものですからお伺いするんですが、例のマイロクウェーブの問題です。このマイクロウェーブの問題は、大体吉田内閣当時、塚田郵政大臣当時から問題になっておったんですが、前大臣の武知郵政大臣にも一ぺん委員会でお尋ねして、はっきりした御見解を承わっておったのですが、さらに松田郵政大臣になり、あの問題に対しての、簡単でけっこうですが、経過と結果と言いますか、大臣のお考えを承わることができれば非常に幸いだと思います。
  216. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 現在公社で計画しておる……
  217. 久保等

    ○久保等君 失礼しました。例の正力構想に基くマイクロウェーブの問題について、委員会でも非常に問題になったわけですが、この問題について、当時衆参両院とも、そういった正力構想に基くマイクロウェーブについては、全面的に、法制の建前からいっても、法律上の建前からいってもおかしいし、また通信事業という非常に重要事業が、アメリカからの外資なりあるいは技術的なそういったようなものに依存した形で日本の国内に設備をするというような問題になると、これはそれこそ日本の百年の将来にとって非常に大きな禍根を残すのではないかということで、それぞれ決議もいたしたりなんかしたような経過があるわけです。そういう問題でありまするだけに、私どもも非常にその後の推移についても重大な関心を払っておるわけなんです。たまたま松田郵政大臣にお伺いする機会が今までなかったものですから、第二次鳩山内閣になってから松田郵政大臣からの御説明も承わっておりませんし、また私、御質問もいたしておりませんので郵政大臣御存じのこととは思いまするが、御存じでしたら御説明を願いたいと思います。今日でなくてけっこうですが、御用意があれば一つ御答弁を願います。
  218. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) その問題につきましては、私も従来の経緯について多少伺っておりまするし、またいわゆるマウンティン・トップのマイクロウエーブに関する資料その他も機会あるたびごとに見ておるのでありまするが、いまだ私はマウンティン・トップ式のマイクロウエーブは現在日本に必要なりという結論には達しておりません。現在電々公社でやっておることを推進していけば今日のところでは足りるのではないかという考え方を持っておる次第であります。
  219. 久保等

    ○久保等君 この前、というか、武知郵政大臣の当時に伺った御答弁では、まあ当時武知郵政大臣御就任早々で、内容の細かい点はどの程度御理解になっておったかしりませんけれども、御答弁としては、とにかく国会において衆参両院ともいろいろ検討検討を加えて、その結果が、とにかく大局的に見て、また法制的に見て、また通信事業という重要な特殊基幹産業の建前から考えて、衆参両院で絶対そういうことはまかりならぬという結論であるとするならば、現在、現内閣はいわゆる民主政治を標榜する建前からいっても、これは国会の決議というものについて全面的に私どもも従って参りたいという簡単な御答弁があったわけです。私は簡単な御答弁ではございましたが、その点で十分に御決意のほどを了承いたして今日に及んでおるわけなんですが、ただいまの郵政大臣の御答弁も、その考え方において、それからまた御決意についても、私は同じものだと御了承いたしたいと思いますが、そういうことでしょうね。
  220. 松田竹千代

    ○国務大臣(松田竹千代君) 私はまだ本当にこれに対して検討を加える時間を有しませんので、まだ一度も外へ出たことはないくらいでありまするから、現在の日本におけるマイクロウエーブの実情というものも自分で見ておらぬというような状況でございまするので、何とも申し上げられませんけれども、そういう従来の経緯もあり、かたがた公社の推進しておるマイクロウエーブによって十分その用を満たし得るものであると考えておりまするから、それでよいものと考えております。
  221. 瀧井治三郎

    委員長瀧井治三郎君) ほかに御発言はございませんか。別に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時九分散会    ————————