○久保等君 こういう事態になったことを遺憾とするというのですが、私は全くそういう
説明をされることを遺憾とするのですが、問題はやはりこの
町村合併関係の通信
施設の問題についての、いわゆる私は大臣の認識がだいぶ違うのじゃないかと思うのです。少くとも今大臣は、将来景気変動でも来て、しかも景気がよくなったらその際に一つそういった
計画も考えるとして、今のところはいわば経済情勢の推移を運待て式に待って、一つ暮していくよりほかに当分やる方法がないじゃないかというような、きわめて投げやり的な御
説明にしか残念ながら実は受け取れないのです。しかし私は
町村合併に伴う通信
施設の問題こそはむしろ政治の基本であり、あるいは経済の基本であると思うのです。そういう山間僻地の通信
施設を整備拡充することこそが、むしろ僻地における農村の経済を私は振興するまず前提条件になっているのじゃないかと思うのです。それこそ町村の僻地においては経済活動をやろうとしても、あるいはまたいろいろ行政的な面の整備統合の上に立って活発に行政を行おうとしても、通信という問題が解決されない限りどうにもならないと私は思うのです。交通、通信というものが少くとも発展しないところに経済活動の私は発展というものはあり得ないと思います。しかも交通の発展そのものも、非常に僻地へ参りますとなかなかそう簡単には私は参らないと思うのです。だからその場合にはまず何を差しおいても、交通機関の発展の前提として、また通信の第一義的な発展ということをまず考えて参らなければ、私は経済の発展ということをただお念仏のように唱えたからといって経済の好転を期待するというようなことはできないのじゃないかと思うのです。そういうときに今度の
町村合併という問題で、私ほどの
程度今の
郵政大臣がお考えになっておるのか存じませんけれども、あしだけやかましく昨年以来言われておった問題、しかもただいまの
総裁の御
説明で私も非常にはっきりしてきたのですけれども、本
年度のというか、前年の
年度末における
町村合併に伴う通信
施設の整備統合に要する
予算というものが五百億円
程度にふえてきたというお話になっておるのですが、これは少くとも昨年の暮あたりにお聞きした
金額から見ると、その倍近い
金額にふえておるわけです。もちろんそのことは、先ほど申し上げておった際にも、おそらく
町村合併はここのところ急速に全国的に行われておるから、おそらく三百億
程度というふうな見積り方は甘いのじゃないかということを申し上げておいたのですが、また現実にそれならば五百億
程度だということが最終的な数字かということになると、これまた私は疑問だと思います。おそらくこれがさらに六百億、七百億という
金額にふえないとも限らないと思うのです。そういう非常に日々
町村合併が非常に活発に行われておりまする現状の上に立って、ただいま申されたように全然
計画はないのだ、もう少し景気がよくなってからもう一ペん考え直してみたいのだという
程度の大臣の考え方というものは、私はきわめて誠意があるないという問題以上に、どうも現実の状態に対する認識の把握の問題が根本的にちょっと私どもには納得できないような印象を実は受けるわけです。
まあ私何回も同じようなことを繰り返すようで、恐縮でございまするけれども、少くともやはり初
年度の
計画だけに、何カ年
計画かという一つの総体的な
計画をお持ちになって、初
年度としてはこの
程度だが、しかし来
年度は私はこの席上なら席上で、今年は五億であっても、来
年度は何カ年
計画に基く何億
程度の一つ
施設拡充を実施をするのだというようなことでも言われるならば話はわかるのですけれども、景気がもう少しよくなってからはっきりして参りたいという
程度の
説明では、これは御答弁になっておらないと思うのです。少くともまた
町村合併という問題は、単に局部的な問題でなくて、これは全国的な今日非常に地方自治の問題からいくならば、これは最重要な問題になっておると思います。また中央の政治においてもこういった
町村合併の問題については最重点をおいて考えて参らなければならない問題だと思うのです。せっかく
町村合併をやったけれども、行政面においてもその他の経済面においても麻痺状態におかれているということであっては、むしろ
町村合併が行われた結果不利不便が増長した。先ほど柏木
委員のお話にもありましたが、
町村合併が行われて通信設備の面では何か不利益になった面があるということになるならば、設備そのものは従来
通りであったといたしましても、行政区域が広くなったが、しかし通信
施設はそれに伴ってやはり整備統合されなかったということになるならば、私はむしろやはりマイナスが多くなったという結果にこれはなるだろう。今まではA、Bという二カ村がいわばお隣り同士の町村であったから、それがかりに電話の通話は市外電話であったということで、これはある
程度地元の方も満足しておったかもしれないが、一つに統合されて村になっていったとするならば、そういう問題がやはり市外という通話の観念ではその村の人たちに私は納得はできないと思いますし、またそれがために、そういう
一般の個人的な通話の問題ではなくて、行政面からくる、たとえば村が一つの学校になる、あるいは一つの役場になったが、しかし相変らずその村から分離されておりまする出張所、その間に通信をする場合にも、やはりこれが遠回りをして、従来と同じように市外地通話というような形で連絡をしなければならぬというようなことであったら、私はむしろ
町村合併が行われて非常に不便になったという結果になると思う。そういうことではこれはいわゆる政治の私は麻痺といいますか、非常に片手落ちになり、有機的な町村の
運営というようなことはとうていできかねると思うのです。そういう点から考えますると、非常に私は早急に解決をしなければならない緊急問題だと思うのです。ただその緊急問題に対しての解決方法はどうなっておるかという私の質問に対しまして、それは今のところちょっと予想も立ちかねる。五億をかりにこれを五百億かかるとするならば百年かかるわけです。将来これから百年たった場合の今後の村が一体どうなるのかというようなことは、私どもにはとうてい予想もできない。百年たってこれから
町村合併に伴う通信設備の整備統合の問題は解決しますという答弁では、これは大臣の答弁じゃないと思うのですが、そういうことでよろしい、またそういうことでもやむを得ないというふうにお考えになっておるのかどうか、大臣から一つもう少しはっきりした御答弁を願いたいと思います。