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政府委員(
北島武雄君) これは法的に申しますと、非常にややこしいのでございますが、実は今度ガットに加入すると申しましても、
関税及び貿易に関する一般協定というものは、そのものはまだ正式に実は発効していない。一九四七年の十年に
関税及び貿易に関する一般協定という規定ができました。その第二部の点につきましては、なお直ちに
各国がそれを実施できるかどうかという見込みも立ちませんでしたので、さしあたり暫定適用に関する議定書というので、暫定的に
関税及び貿易に関する協定を実施しよう。しかも第二部については現行の
国内法令の範囲内において実施する。こういう格好になっておりまして、今回
日本がガットへの加入と申しましても、正式に申しますれば、
関税及び貿易に関する一般協定への暫定適用に加入するということになるわけであります。
なお、先般の総合におきましてガットの規定がいろいろ改正されることになったわけでありますが、今度の改正協定は、三つの議定書、一つの協定というふうになっております。また、この貿易協力機関に関する協定を除きました他の三つの協定につきましては、これはまだ実は発効していないところの
関税及び貿易に関する一般協定の改正の条文でございます。これにつきましては、また
政府限りにおいてこれを受諾できるという
考え方をいたしております。
ただ貿易協力機関に関する協定につきましては、この加入によりまして、新らしく新たな義務を負い、権利を有するということになりますので、貿易協力機関に関する協定につきましては、この加入について
国会の御承認を経なければならんということになっております。しこうして三つの議定書につきましては、一応
政府限りにおいてこれを受諾いたしまして、それから最後にガットとして、予想しておるところでありますが、
関税及び貿易に関する一般協定の正式発効がその後において予想されております。その正式発効の際には、これを受諾するにはやはり
国会の御承認を求める必要がある、こんな格好になっておりまして、非常にややこしいのでございます。
お手元に参考資料として出してありますところの三つの議定書につきましては、これは
政府限りにおいて受諾いたします。貿易協力機関に関する協定につきましては、
国会の御承認を必要とする次第でありますが、最後に
関税及び貿易に関する一般協定が正式に発効する。これは規定が、実は十六条にあるのでありますが、この十六条によりまして正式発効する。その際の受諾は
国会の承認を要する、こういう
関係になっております。
実は今年の秋、または来年の春と申しましたが、
相当おくれる見込みであります。と申しますのは、貿易協力機関に関する協定は、ガット加盟国のうちの、貿易総額八五%以上を占める国がこれを受諾しないと発効しない、こういうことになっております。まだ発効の時期も実は未定な次第であります。そのような複雑な
関係になっておりますので、簡単に申し上げますと、非常にややこしくて、かえってわかりにくいかと思いますが、大体の
法律的
関係を申し上げますと……。