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説明員(
小熊孝次君) ただいま
提案理由の
説明がございました三
特別会計につきましての一部
改正につきまして、
補足説明を申し上げたいと思います。
まず
厚生保険特別会計法の一部を
改正する
法律案でございます。それはお手元に
新旧対照表が配布してあると思いますが、これによりまして御
説明した方がよいかと思います。
第四条でございますが、これは
日雇健康勘定におきますところの
歳入歳出区分の
規定でございます。今度
改正になります
部分は、
日雇健康事業の
保健施設費、あるいは
福祉施設費に充てるための
業務勘定への
繰入金、この
規定が追加になるわけであります。この
会計は、
施設関係の
経費というものは
業務勘定において経理いたしておりますので、
日雇健康勘定におきまして、たとえば健康のためにいろいろな
施設をする、あるいは
診療所を作ると、こういうような場合におきましては、その
所要経費を
業務勘定に
繰り入れまして、
業務勘定においてこれを建設する、こういうようなことになるわけでございます。従来この
規定がなかったわけでありますが、今回この
規定を設けまして、
経費の
支弁がこの
日雇健康勘定においてできるように
処理いたしたい、このような建前で
改正をお願いしておるわけであります。
第六条は、これは先ほど申しました
業務勘定につきましての
歳入歳出の
規定でございます。ただいま申し上げましたように、
日雇健康勘定から入って参りますところの
保健施設あるいは
福祉施設に充つるための
繰入金をこの
業務勘定におきますところの
歳入として
規定いたしたわけであります。これが第六条の
改正点であります。
第九条の
改正点につきましては、これは
業務勘定におきまして、いろいろな
業務の取扱いの
経費、あるいは、ただいま申し上げましたようないろいろな
施設関係の経理をやっておりますが、
決算の結果
剰余金が生じたと、こういうような場合におきまして、この
会計におきましては
業務勘定において
積立金を積み立てるということをいたしませんで、各
勘定すなわち
健康勘定あるいは
日雇健康勘定あるいは
年金勘定の
積立金に組み入れる、こういうようなことにいたしておるわけであります。で、従来
日雇健康勘定につきましては
規定がございませんでしたので、これは他の
健康勘定あるいは
年金勘定と同じように、
業務勘定において
決算上の
剰余金が生じたという場合におきましては、
日雇健康勘定のこの
積立金に亀
繰り入れることができるようにしようと、こういう点の
改正でございます。それから九条の二項は逆の場合でございまして、
業務勘定におきまして
決算上
不足が生ずると、こういうような場合におきましては、
健康勘定と
年金勘定の
積立金から補足するという
規定は従来ございましたが、
日雇健康勘定の
積立金から補足するという
規定でございませんでしたので、これを他の二つの
勘定と同じように、
日雇健康勘定に
積立金がございましたら、その
積立で補足しようと、こういうように
改正いたしたいというのがこの第九条の要点でございます。
第十一条でございますが、これは
借入金の
規定でございます。第一項の方で「
日雇健康勘定二
属スル経費ヲ
支弁スル為
必要アルトキハ政府ハ同
勘定ノ負
担二於テ借入金ヲ為
スコトヲ得」と
規定してございまして、その具体的な借り入れの
限度につきまして従来二項の
規定があったわけでございます。このたび
日雇健康勘定におきまして、
保健施設費とか
福祉施設費に充つるための
繰入金というものが
経費として
支弁できるということになったわけでございまして、その
経費につきましても
借入金ができる、
借入金の
限度のうちに含めると、こういう
趣旨におきまして、
保険給付費のほかに「
保健施設費又
ハ福祉施設費二
充ツル為ノ
業務勘定ヘノ
繰入金ヲ
支弁スルニ不足スル金額ヲ
限度トス」と、このように
改正いたしたいと思うわけであります。
次が十八条の六でございまして、これは
先ほど提案理由の
説明にもございましたように、この
特別会計におきますところの
健康勘定の
赤字が
昭和二十九年度におきまして約四十億に達し、それから
昭和三十年度におきましていろいろ努力いたしましたが約三十億、こういうような実情になっておるわけでありますが、そういうような場合におきまして、
一般会計から七カ年度間にわたりまして十億円を
限り健康勘定に
繰り入れることができると、こういうような
措置を講じたい、こういう
意味で十八条の六の
規定を新たに設けたわけでございます。
次が
船員保険特別会計法一部
改正の
関係でございますが、これはただいま申しました
厚生保険特別会計におきますところの
健康勘定に相当いたしますところの
船員保険特別会計におきますところに相当するような
給付の
関係におきましても、同様に
赤字が出ておるわけであります。これにつきましても、
昭和三十年度以降六カ年度間、毎年
一般会計から二千五百万円を限りこの
会計に
繰り入れることができるということにいたしたいと思うわけでありまして、これは二十九年度におきまして約一億五千万円程度の
赤字が出ておるわけであります。
次に
開拓者資金融通特別会計法の一部を
改正する
法律案でございますが、これにつきましても
新旧対照表によりまして御
説明申し上げたいと思います。
第二条の
改正でございますが、これは
先ほど提案理由の
説明にもございましたように、従来この
会計におきますところの
事務取扱費というものは
一般会計において
支弁しておりましたが、今年度からこの
会計において
支弁することにいたしたいと、こういう
意味におきまして、第二条の
歳入歳出の
区分の
歳出の部につきまして、
事務取扱費というものをこの
会計において
支弁するのだということを明らかにする
意味におきまして
改正をいたしたわけでございます。
第三条でございますが、「この
会計における
貸付金を
支弁するため、
政府は、必要な額を
限度として、この
会計の
負担で、
公債を発行し、又は
借入金をすることができる。」こういう
規定が従来できておったわけでありますが、こういう
会計におきまして
政府が勝手に必要な額を
限度として借り入れることができるということは、これは表現が適当でないので、他の
会計と同じように、一応必要な額はこの
会計の
負担で
公債を発行し、または
借入金をすることができるといたしましておきまして、第一項といたしまして、新たな条項をつけ加えまして、「前項の
規定による
公債及び
借入金の
限度額については、
予算をもって、
国会の
議決を経なければならない。」こういうように、他の
特別会計法と同じような書き方にいたした、これは事務的な一つの
改正でございますす。
第四条でございますが、これも
先ほど提案理由の御
説明にございましたように、従来この
会計におきましては、
貸付金の
償還金がありますと、右から左に直ちに自分のこの
会計の借りておりましたところの
借入金とか
公債の
償還金に充てなければならぬ。こういうような
規定になっておったわけでありますが、必ずしもこれは妥当でないので、
償還金がありましたならば、その
償還金をまた
財源として貸し付けることができるということにいたすのが妥当であろうと、このように考えまして、第四条に「
貸付金の
償還金は、
公債及び
借入金の
償還金並びに
貸付金の
財源にのみこれを充てるものとする。」というふうに、
貸付金の字句をここに挿入いたしたわけであります。
それから第七条でございますが、これも先ほどの
借入金と大体同じような
趣旨の
改正で、比較的事務的な
改正でございます。第七条の一項のほうで
大蔵省預金部を
資金運用部に変えておりますのは、これは従来の
整理漏れでございます。第三項におきましても同様でございます。それから一番末項におきまして、「第一項の
規定による一時
借入金又は繰替金の
限度額については、
予算をもって、
国会の
議決を経なければならない。」というのも、これも先ほど第三条の際に申し上げましたと同様の
趣旨で、こういう
規定を設けたわけであります。
それから第八条でございますが、これは
決算上の
剰余金の
処理等に関する
規定でございますが、この第二項が削られております。第二項は、
決算上の
剰余金があったならば翌年度の
歳入に
繰り入れるのであるが、その「
繰入金は、
公債及び
借入金の
償還金の
財源にのみこれを充てるものとする。」と
規定されておったものでありますが、先ほど申し上げましたように、
償還金は必ずしもこれは返すだけでなしに、また
財源といたしまして使える、こういうことにいたすというのが妥当と考えますので、この第八条の二項の
規定はこれを削除することにいたしたいと思います。それから第三項におきましてもただいまの考え方と同じような
趣旨で、「
貸付金の
償還金及び第一項の
規定による
繰入金を以て
公債及び
借入金の
償還金を
支弁するのに
不足する
金額」につきましては、これは
一般会計から繰入れると、こういうことになっておるのでありますが、これは先ほど来申し上げておりますように、
償還金というものはとにかく必らず返して行く、
公債及び
借入金の
償還金を返して行くんだと、こういうような建前を必じしも取らない以上は、こういう
規定はあまり
意味がございませんので、この
規定を削除する。なお、この後段の方におきまして、
事務取扱費をこの
会計において
支弁する建前でありますので、その
事務取扱費を入れまして、ただ、しかしながらこの
会計におきまして、未だ収支相償うと、こういうような段階にはまだ至っておりませんので、
貸付金の
利子あるいは附属雑収入をもちまして
公債借入金の
利子、一時
借入金の
利子、
事務取扱費、
公債の発行及び
償還に関する諸費あるいは附属諸費を
支弁するのに
不足する
金額に相当する
金額は、
予算の定める所により
一般会計からこの
会計に
繰り入れるこことができる、こういうことにいたそうとするわけであります。
それから第九条は、これは
予算の添附書類等の
改正でございます。この
会計法は古いものでございますから、第九条の第一項の
規定におきましては、「帝国議会」とかあるいは「総
予算」、こういうような字句を使用いたしておりますので、これを訂正するというのが第一項の
改正でございます。第二項の
改正は、これは添附書類の
規定でございますが、従来は比較的簡単な添附書類で済んでおったわけであります。すなわち「
当該年度及び前年度における貸付計画表並びに前前年度末現在における第三条の
公債又は
借入金の発行額又は借入額及び
償還額表を添附する。」こういうことになっておりましたが、ほかの
会計の例にならいまして、「
歳入歳出予定計算書」あるいは「貸借対照表」「予定損益計算書」、こういうような書類の財務諸表をも添附するように
改正いたしたわけであります。
なお附則は、これは公布の日から施行することになっておりますが、第二条の
改正規定、すなわち
事務取扱費の分でございますが、これは今年度の
予算におきましては年度の中途でございますので、十月一日から施行する。すなわち半年分だけ
一般会計で
支弁いたしまして、あとの半年分をこの
会計において
支弁する、こういうふうにいたしたい。それから第二項は、これは添附書類の
関係で、前前年度とかそういうような言葉がございますので、その適用
区分を明らかにいたしたわけであります。
以上が
開拓者資金融通特別会計法の一部を
改正する
法律につきましての
補足説明でございます。
次は
資金運用部特別会計法の一部を
改正する
法律につきましての
説明につきまして
補足説明を申し上げます。これにつきましても
新旧対照表によりまして御
説明申し上げたいと思います。
これはまず第三条でございますが、これは
歳入歳出の
区分の
規定でございます。ここでまず削られております点がございます。すなわち「この
会計においては、
資金運用部資金の
運用利殖金、」そのあとに「第四条第三項及び第九条第二項の
規定による
一般会計からの
繰入金並びに」という字句が削られてございます。この
趣旨は、
先ほど提案理由にもございましたように、従来はこの
会計におきましては、
決算上の
剰余金がございましても、これを
郵便貯金特別会計の方に
繰り入れる。それから、あるいは
一般会計の方に
繰り入れる。これだけの
趣旨で、その代り
一般会計におきましては、
資金運用部特別会計の方に
運用資産の価額の減損というものがあったり、あるいは
決算上の
不足というものがありました際におきまして、それを自分で賄いできない場合においては
一般会計からこれを補足する、こういう建前になっておったわけでありますが、そういう
関係をこの際やめる、こういう建前におきましてこの
歳入の方の
規定が必要でなくなったわけであります。この第四条第三項と申しますのは、
運用資産の価額が減損いたしました際におきまして、この
会計におきまして
処理できなかったという場合には
一般会計から補足すると、こういうような建前になっておった
規定でございます。それで
一般会計から入ります金が
歳入になったわけであります。それから第九条第二項の方は、これは
決算上の
不足の場合の
処理でございまして、
決算上
不足があった場合に、やはりこれを
特別会計において自前で
処理できない場合におきましては、
一般会計でみる、まあこういうことになったわけであります。しかしこれは先ほど申し上げましたような
意味におきまして収支も好転いたしておりまして、現在のところ必要ございませんので、この
関係の
規定はやめる、こういうことでここを整理いたそうとするのであります。それから後段の方はこれは
歳出の
規定でございますが、これは「第四条第三項の
規定による
繰越損失の補てん金、」こうなっております。これも
一般会計の方から繰越、この
会計の繰越損を補足するために、
一般会計の方から
歳入で入って来たという場合におきまして、やはりこの
会計におきましてはその繰越損の補てんを
歳出をもって補てんすると、こういう建前にならざるを得なかったわけでありますが、今回
歳入の方でもそういうことをこれはやめるということになりましたので、
歳出の方においてもこの
規定を削除する、この分を削除する、こういうことにいたそうとするわけであります。
それから第四条でございますが、これは
運用資産の価額の減損の処置の
規定でございます「
資金運用部資金に属する
運用資産で価額の減損を生じたものがあるときは、この
会計の
決算上生じた
剰余をもって賞却し、
決算上の
剰余がないとき、又は
決算上の
剰余をもってその全額を償却できないときは、第八条第一項に
規定する
積立金をもって償却しなければならない。」こういうことになっておりましたが、これは第八条第二項というものがなくなりますので、これを第一項というところを削ると、こういう
趣旨でございます。それから第三項が直ちに出て参るのでありますが、これは実は
新旧対照表は若干読みにくいと思いますが、実は第二項におきまして、
積立金をもってしても損失を補てんできないという場合には、これは繰り越すのだということが書いてあるわけです。それで第三項で、前項の
規定によって繰り越した損失というものは
決算上の
剰余をもって埋めるわけでございますが、それでも埋められないときには、
一般会計から
予算の定めるところにより必要な
金額を
繰り入れて補てんする、こういうことになっておったわけであります。しかし先ほど申し上げましたように、現在の状態におきましては、そういう必要もございませんので、繰越損がありました際に、今年度におきまして
決算上の
剰余ができましたならば、それをもって埋める、この程度で差支えない、こういう
意味におきましてこの
改正をいたしたわけであります。
それから第八条の
改正でございますが、これは
決算上の
剰余が生じました場合の
処理について
規定しておるわけであります。これが今回の
改正の中心になるところでございまして、従来はこれは非常に読みにくくなっておりますが、要するに
決算上の
剰余金がございましたならば、ただいま申しましたような
運用資産の価額の減損とか、そういうものを埋める。それから前年度からの繰り越し損がありましたならば、それも埋める。そうやって最終的に残ったところの
剰余金の二分の一というものは、これは自分で積み立ててよろしい、あとの二分の一は
一般会計に納めるのだと、こういうような形になっておったわけであります。これを
一般会計に納めないで、全額積み立ててよろしいというのがこの八条の
改正の
規定でございます。その
一般会計へ入れるという
規定は、この八条の二項でございますが、これは今回削除いたしたわけでございます。
第九条でございますが、これは
決算上の
不足の
処理でございますが、ある年度におきまして
決算した場合におきまして、
決算上の
不足が生じた場合に
積立金から補足をする、こういうことにいたしまして、従来ございました第二項の
規定、すなわち、それでも
不足するときには、
一般会計からその補足することができない
金額に相当する
金額を
予算の定めるところによりこの
会計に
繰り入れて補足する。こういう
規定を削除いたそうとするものであります。
附則のほうで若干
改正いたしておりまするが、これは先ほど申し上げましたように、
決算上の
剰余金の二分の一は自分の
会計において積み立て、それからあとの二分の一は
一般会計へ入れるというのが従来の原則でございましたが、当分の間の
暫定措置といたしまして、
郵便貯金特別会計の
歳入不足がございます場合には、その
郵便貯金特別会計の方で、その
剰余金の
限度におきまして
繰り入れまして、
残額につきましては、
一般会計の方へ入れる。こういう附則になっておりましたが、根本的な原則といたしまして、
一般会計の方には
繰り入れない、自己のところで積み立てると、こういうことになりました
関係から、ここに書いておりまするように、「この
会計においては、当分の間、毎
会計年度における
郵便貯金特別会計の
歳入不足をうめるため、その
不足額に相当する
金額を限り、
予算で定めるところにより、
当該年度の
歳出として同
会計に
繰り入れるものとするというふうにいたしまして、あとの
規定は、これを削除いたしておるわけであります。
以上簡単でございますが、三
特別会計法の一部
改正につきましての
補足説明を終りたいと思います。