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1955-03-31 第22回国会 参議院 大蔵委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年三月三十一日(木曜日)    午前十一時一分開会   —————————————   委員の異動 本日委員菊川孝夫君及び木村禧八郎君 辞任につき、その補欠として河合義一 君及び平林太一君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     青木 一男君    理事            西川甚五郎君            山本 米治君            土田國太郎君            平林  剛君    委員            青柳 秀夫君            岡崎 真一君            木内 四郎君            白井  勇君            藤野 繁雄君            宮澤 喜一君            片柳 眞吉君            小林 政夫君            杉山 昌作君            前田 久吉君            岡  三郎君            河合 義一君            松澤 兼人君            中川 幸平君            平林 太一君   政府委員    大蔵政務次官  藤枝 泉介君    大蔵省主計局次    長       正示啓次郎君    大蔵省主計局法    規課長     村上孝太郎君    大蔵省主税局長 渡邊喜久造君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    日本専売公社監    理官      宮川新一郎君    農林省畜産局長 原田  傳君   参考人    商工組合中央金    庫理事長    村瀬 直養君    商工組合中央金    庫理事     加藤 八郎君    中小企業金融公    庫総裁     坂口 芳久君    国民金融公庫総    裁       櫛田 光男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○国営競馬特別会計法を廃止する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○期限の定のある租税に関する法律に  つき当該期限を変更するための法律  案(内閣提出衆議院送付) ○国債整理基金への繰入及び補助金等  に関する特例期限を変更するため  の法律案内閣提出衆議院送付) ○租税及び金融等に関する調査の件  (商工組合中央金庫、中小企業金融  公庫及び国民金融公庫昭和三十年  度資金計画に関する件)  (葉たばこの減収加算金制度に関す  る件)
  2. 青木一男

    委員長青木一男君) これより大蔵委員会を開きます。  国営競馬特別会計法を廃止する法律案期限の定のある租税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例期限を変更するための法律案、以上三案を一括議題として、前回に引続き質疑を行います。
  3. 木内四郎

    木内四郎君 日本中央競馬会からの納付金の問題ですが、あれはどういうふうにして計算するのですか。
  4. 原田傳

    説明員原田傳君) 日本中央競馬会から競馬の益金を国に納付いたします方法でございますが、まず馬券売上総額のうち二割五分というものを、それが控除率でございますが、控除いたしまして、そのうち全体の一〇%五に当るものを国庫に納付する、こういう方法になっております。
  5. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、売り上げの中から経費を引いた一〇%ですか。
  6. 原田傳

    説明員原田傳君) 馬券売上高そのものの一〇%五になります。
  7. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、日本中央競馬会経理いかんによってその納付金の額が変るということはあり得ないのですか。
  8. 原田傳

    説明員原田傳君) 経理いかんにかかわらず売上高そのものから直接に国に納付する、こういう仕組みになっております。
  9. 木内四郎

    木内四郎君 納付金に直接関係なければ、農林省のほうでその競馬会経理に対して容喙するような実権はないわけになりませんか。
  10. 原田傳

    説明員原田傳君) 国庫納付金そのものに対します影響は一応ないように見られるわけでございますが、納付金の一四%なにがしかを最も効率的に運用いたしまして競馬の業績をあげると、こういう意味におきまして、やはり経理上の問題につきましても農林省が監督をする必要があるのではないかと、かように考えております。
  11. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、あなた方、最近競馬会経理について検査なり監理をされたことがありますか。
  12. 原田傳

    説明員原田傳君) 昭和二十九年の九月の十六日から十二月末までの分につきまして、最近経理監査をいたしております。
  13. 木内四郎

    木内四郎君 何かその結果問題はありませんでしたか。
  14. 原田傳

    説明員原田傳君) 経理全体につきまして特別に支障を認めたふしはございませんが、収益の点につきまして、貯蔵品でありますとか備品等の評価の点につきまして、若干調査をいたしました上で、計算上の整備をいたしたいというふしはございます。
  15. 木内四郎

    木内四郎君 そういうこと以外に、この経理が非常に乱脈だというようなことはなかったですか。
  16. 原田傳

    説明員原田傳君) いわゆる経理乱脈であったという点につきまして格別顕著なものを見出してはおりませんが、運営上いま少し合理化し得る余地があるのではないか、こういう感じを持った点は若干ございます。
  17. 木内四郎

    木内四郎君 そういう合理化というようなことでなくて、乱脈であって目に余るというようなことはなかったでしょうな。
  18. 原田傳

    説明員原田傳君) 目に余るというような点は見出しておりません。
  19. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、新聞で一時競馬会経理が非常に乱脈である、私は実は当時の理事長ですか、会長ですか、安田さんという人を個人的には知らないのですが、非常にりっぱな人格者だと聞いておるのですが、競馬会長老として競馬会経理が非常に乱脈であるということを理由にして詰腹を切らしたというようなことが伝えられておるのです。河野農林大臣は、肥料値下げについても、私ども肥料の値を下げられるということは結構なことだと思っておるが、それにはまたおのずから方法があるだろうと思う。法制上いろいろな手続があるだろうと思いますが、機構法制上の制度法律上の手続その他を無視して極言をすれば暴力革命的手段と言っても差しつかえないような、それに類似したような方法で、法制制度機構というものを無視して肥料値下げについてもいろいろなことをやられたように報ぜられておる点もないじゃないのですが、競馬会の点についてもあなた方が調べられて、何ら眼に余るようなことがないと言われるにかかわらず、それを新聞などに報じて、経理乱脈だからというようなことで、競馬会長老詰腹を切らしたようなことが報ぜられておるのですが、そういう理由になるような経理乱脈というようなことはなかったということですね。
  20. 原田傳

    説明員原田傳君) 新聞の報道の内容につきましては、私どもも非常に刺戟的なことが書かれておりましたので、非常に心配いたしまして、果してそういうお話があったかないかということにつきましても調べてみたのでございますが、経理乱脈をきわめておる事例等として引用されております事実は実際存在しないということをはっきり認めております。それから全体の問題の空気といたしまして非常に刺戟的な記事が出ておりますが、実際の問題はそういう刺戟的な話でない、かように私は了承いたしております。
  21. 木内四郎

    木内四郎君 この問題は国庫のほうにも多少の関係もあるし、それから人の名誉に関する問題でありますので、私は一応競馬会納付金関連して伺ったのですが、そういうことはないということを伺って、安田さんのために非常に喜ぶのです。と同時に、そういう根拠のないことをどの程度理由にしたかわかりませんが、少くとも新聞に報じて、そうしてそれをもって人の名誉を傷つけるような方法でこれを退任さしたというようなことは、私は政府当局として非常に遺憾だと思う。そういう点を私は強く指摘いたしまして私の質問を終ります。
  22. 平林太一

    平林太一君 畜産局長一つただしてみたいと思ったのですが、いまもお話があったのですが、河野君が農林大臣になって第一に天下に呼号したことは、競輪、それからゴルフマージャン、こういうことが非常に弊害があるということで、大きく取り上げられたようでありますが、もちろんゴルフマージャンの問題はこれは別問題であって、あなたに関係のある問題じゃない。競馬の問題について、畜産局長として、河野声明というものに対してどういうふうな感じを受けたか、あの声明に対して考えておるか、どういうものを看取したか。それから河野君が今何かこれを立案して、競馬に対する処置を……、むろんこれは抑制しようとしておることだが、これに対して率直に畜産局長の、職務上どういうふうに考えたらいいかということは、これはあなたの立場をも私の方では総合したあらゆる政治的な考え方で申し上げるわけであります。農林大臣河野君の意見は必ずしも絶対妥当であるというようなことはしばらく検討しなければならない。国会としてはぜひ正確な結論を持ってもらわなければというので、一つ伺っておきたいと思う。
  23. 原田傳

    説明員原田傳君) 競馬の問題につきましては、この競馬運営というものを健全な姿にしなければならないということが、沿革的にも古くから問題となっております点でございまして、いろいろの変遷を経まして現在の姿になっておるわけでございますが、私どもといたしましては、やはりこの競馬運営というものを健全な姿にもって行きまして、ややもいたしますと、これについて行き過ぎがありますために、いろいろ世論から指弾を受けるというようなことが起きがちでありますので、そういう点をしっかり整備いたしまして、健全な運営にもって行きたい、かように考えております。
  24. 平林太一

    平林太一君 畜産局長はいわゆるこの河野君から意見を徴されたことがありますか。この問題に対して、河野君、いわゆる農林大臣就任後ですね、当然農林大臣としてあなたの意見を徴したことがあるかどうか。
  25. 原田傳

    説明員原田傳君) 部内のこれは事情でございますが、はなはだ抽象的になりまして申しわけございませんが、畜産局所管事項につきまして、必要に応じて時々大臣から御指示があり、あるいはこういう事項についてどういうふうに結論が出るか研究をするようにということで、その一部といたしまして、競馬制度の問題につきましても、いろいろ御指示なり、お尋ね等も受けたことがございます。
  26. 平林太一

    平林太一君 そうすれば、競馬のこの問題について具体的にはどういうことを尋ねられたか、そういうことをはっきりいたしておきたい。農林大臣は、抽象的というようなことは、そういうことは納得ができないのだから、いやしくも法律改正して競馬法の一部を改正する、こういうことですから、農林大臣としては所管のいわゆる畜産局長に対しては、具体的にこの指示……、というよりも、むしろ事前に……、これは突然農林大臣になったんだから、本人はそんな事情を知っているわけはない。畜産局の事務的の詳細なことについてはそういうことはありましたか、具体的に。
  27. 原田傳

    説明員原田傳君) 競馬関係につきましては、現在の競馬のあり方というものは必ずしも満足な姿であるとは言えない。これについてどういう点をいかに改善したらいいかという点について十分に研究をするようにと、こういうお尋ねを受けております。
  28. 平林太一

    平林太一君 研究をするようにということで、それでその結果はあなたからその報告をいたしておりますか、河野君に。
  29. 原田傳

    説明員原田傳君) 問題といたしましても非常にむずかしい問題でございますので、私ども事務当局といたしましては、考えられる範囲におきまして、目下具体的な方法やり方等研究中でございます。
  30. 平林太一

    平林太一君 すると、研究の結果はまだ報告してない、こういうわけですか。
  31. 原田傳

    説明員原田傳君) 研究の結果をまだまとめて御報告する段階になっておりませんので、部分的には、こういう問題についてはこういう点が問題になりますという程度に、中間の御報告を申し上げたことはございますが、その程度段階でございます。
  32. 平林太一

    平林太一君 すると、現在この競馬法改正に対して相当進んだ具体的な案が、河野君の手元では、ある程度新聞に発表されておる。そういうことに対して、あなたの方は、あるいはもっとこれは具体的にお話になられるようなものがあるのではないかと思うのですが、どうですか。
  33. 原田傳

    説明員原田傳君) この競馬関係制度の問題につきましては、私ども農林省のみならず、いろいろ関係官庁もございますことでありますので、私どもといたしましては、確信のある具体案をまとめるまでは、部内における研究過程の取扱いをいたしております。
  34. 平林太一

    平林太一君 じゃ法案に対して、今せっかくこの競馬法改正法律案が、案として相当整備したものとして進捗しておる、こういうふうに私には思われるのですが、それをあなたの今の御答弁でありますと、そこに非常に了承しがたいものがある。畜産局長というものは立案の重要関係者としてですね、何かその程度の役割しかしていないものかどうか、その点も少しお漏らし願いたいのですがね。
  35. 原田傳

    説明員原田傳君) 研究過程がなかなかはかどっておりませんものにつきましては、まことに恐縮に存じておる次第でございますが、現状といたしましては、諸問題につきまして研究を進めておる、こういう状態でございます。
  36. 平林太一

    平林太一君 そうすると、この畜産局だけででき得ない、他の関係のいわゆる機関と、関係方面と、相互の研究を総合してやっていただく、こういうような今御答弁ですが、他にというのはどういうところですか。どういうものが該当するわけですか。農林省として。
  37. 原田傳

    説明員原田傳君) 一例を申し上げますると、競馬の健全な発達をはかるために、やはり取締り上の問題等考えられて参りますし、また制度運用いかんによりましては、財政問題にも関連を生じて参ります。また法制上どうであるかという問題も生じて参りますので、例を申し上げますと、そういう関係方面がございます。
  38. 平林太一

    平林太一君 そうすると、この財政方面にいわゆる地方財政、そういうものにこれは相当重大な影響を来たしてくることであるが、そういうことが最も重要に取り上げられて、取捨……、これは妥当な結論を出さなくちゃならぬと思いまするが、そういうことはどういうことになりますか。
  39. 原田傳

    説明員原田傳君) 御指摘の通り財政、特に地方財政等に非常にこれは関係が深い点がございますので、そういう点につきましては慎重に御相談をいたさなければならない、かように考えております。
  40. 平林太一

    平林太一君 そうすると、現在ではこの競馬法に対する改正に対する具体的な用意というものは、現在きわめて薄弱である。従ってこれは新内閣ができて、そうして、ことに選挙前でもありましたし、いわゆる一つの人心に対する心理的影響、そういうものをねらったという経度にとっていいわけですか、今の御答弁から伺いますと……。
  41. 原田傳

    説明員原田傳君) 研究過程が薄弱であるかどうかということにつきましては、私ども自分でそれに対してどういうふうに考えたらよいかむずかしいのでございますが、諸問題につきまして研究を進めておる、こういう状態でございます。
  42. 平林太一

    平林太一君 そうすると、今あなたに申し上げておきたいことは、いわゆる内閣が変って、そして大臣が変る。そうすると大臣というものはそういう過去の前例から見ますと非常に政治的にいろいろゼスチュアを使いますもんですが、ところがそのゼスチュア一つの権力、圧力となって、あなた方専門にやっておられる公正妥当なるこの行政的な厳正な事務的行為というものが歪曲されるということが出てくる。阻害されるという事態が出てくる。そういうことを畜産局長としては、いわゆる、事、畜産に関しては身をもってこれに当らなければならないということが極めてこれは重要なことです。でありますから、その点を今日よく質しておいて、あなたに対してわれわれの真意としてはそういうことを厳正に行わしめたい、そのためにはむしろ大臣の政治的な圧力とか、それから威圧とか、そういうようなものに屈服してはいけないのです。でありますから、そういうことを力づけるために申し上げておくわけです。これは競馬の問題だけではありませんが、しかし事は競馬に関する問題で、たまたま関連をして申し上げておくわけですが、だから今後の法案の作成に当っては最もあなたが重要なポストにあるのですから、あまり大臣が、河野あたりは平生の素質からいっても粗暴驕慢の人物であるし、(笑声)だから頭ごなしにやられてしまうというようなことになると国政を紊乱することになる。だから非常に大臣から言われたことに対して腑に落ちない、納得いかないというような点については、率直に当委員会でもってあなたの方から進んで経過を報告して、そしてこちらの方のいわゆる意見を求めるという態度でやられたいということを希望を申し上げておきます。(「議事進行」と呼ぶ者あり)それに対して……。
  43. 青木一男

    委員長青木一男君) 平林君簡単に。
  44. 平林太一

    平林太一君 あなたの今日までの経験上、今私が申し上げましたことに対して(「議事進行」と呼ぶ者あり)お考えがありますれば、それを承わっておきたいと思います。議事進行と言っても、今発言中じゃありませんか。発言が済んでからにして下さい。一つ畜産局長意見を伺っておきます。
  45. 原田傳

    説明員原田傳君) ただいまのいろいろ私ども仕事の面につきまして御心配をいただいておりますことにつきましては、ありがたくお礼を申し上げます。私どもといたしましては、事務当局としてなすべきことはなし、またなすべからざることはしない、厳正に私どもの責任を持っております仕事を取り進めていきたい、こういう考えであります。
  46. 青木一男

    委員長青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、三法案質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。  まず国営競馬特別会計法を廃止する法律案を問題に供します。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います……御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  国営競馬特別会計法を廃止する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。   〔賛成者挙手
  49. 青木一男

    委員長青木一男君) 全会一致であります。よって本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。   —————————————
  50. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に期限の定のある租税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案について討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  51. 平林剛

    平林剛君 私はこの法律案に対して反対をいたします。  この反対をする理由は、輸入重油とか原油等に対する課税特例は、大体において三月をもって打ち切るというのが私ども考え方であります。特に輸入原油重油などに対しましては、これに課税をすることは国内産業を保護するという趣旨にもなりますが、同時に、これに基本税率を課した場合には、国は約七十九億円程度の税収を上げることができるわけであります。この議題となった法律案提案説明の中でも明らかになりましたように、政府税制改正に対する大綱は、たとえば利子所得だとか配当所得に対する所得税軽減もしくは免除に対しては、かなり優遇の措置を講ずる考え方が含まれておりますが、一般勤労者あるいは中小企業者農民などに対する税金軽減についてはあまり見るべきものがございません。税制改正に関する法律案につきましては、別に検討する機会があると思うのでありますが、私どもとしては今日までに明らかにされた政府減税に関する態度は極めて遺憾に思うものでありまして、これは総選挙の際に鳩山民主党国民公約をした減税の構想から言いましても、大変国民を欺瞞するものだと思います。またさきの国会においてこの大蔵委員会では、中小企業者農民一般勤労者に対する税金軽減措置を講じなきゃいかぬという申し合せをした、あの時の考え方からいたしましても、零細な収入を得るところの人に対する税金軽減が軽く、利子だとか配当金に対する所得、つまり高額所得者に対する税金軽減のほうがかなりよいというような実態は、申し合せの精神にも私は反するものだと思います。  この意味で、今後政府国民公約をしたところの政策を実施するためにも、この際、輸入重油石油等に対する関税については踏み切りをつけて、ここに財源を見つけ、同時に国民に対する公約を果すという意味からも、この法律を通すわけにいかない。それで私どもとしてはこれに反対をするのであります。
  52. 小林政夫

    小林政夫君 私は本案賛成をいたします。特に千林委員の指摘された石油関税復活については、復活することには反対です。増徴することには反対であって、このままの措置が継続されることを望みます。が、この点は緑風会を代表して言うわけではありません。まだ四、五月分については緑風会賛成をいたしますが、それから先は小林個人意見としてお聞き取りを願いたいと思いますけれども石油関税増徴には反対です。
  53. 松澤兼人

    松澤兼人君 私も大体平林君の意見と同様であります。私ども税制改正基本的政策というものの全体の見通しを政府がきめてから個々の問題について手続をとるべきであると思います。もちろん期限の定めのある租税の問題に限定されているという特殊な問題はあるにいたしましても、われわれは、たとえば軽減するものがある、で、他のものはどうなるかということについては一応疑問を抱かなければなりません。またこの中には物品税の問題があげられているのであります。われわれの基本的な態度といたしましては、奢侈的な物品税は除きまして、一般物品税減免税措置をとるべきであるという基本的な態度をとっておる。また先ほどお話のありました石油関税増徴の問題につきましても反対立場をとっております。全体的に考えてみまして、大企業に対しては恩恵的な措置が、中小企業あるいは零細企業に対してその恩典が与えられていない、こういう点でこの法律案に対しましては反対立場を披瀝いたします。
  54. 山本米治

    山本米治君 私は、自由党を代表いたしまして、本案賛成いたします。  この問題の内容につきましてはいろいろまだ検討すべきものがありますが、御承知のように、租税関係予算歳出の面とうらはらの問題でありまして、予算が御承知通りこま切れ暫定予算という段階にありますので、租税方面の改革も七月から本予算全体とにらみ合せて政府法案が提出されることと思いまして、これは単にそれまでの暫定措置として期限を一応延ばすという形式的なものでございますので、差しあたり本案には賛成いたすものであります。
  55. 平林太一

    平林太一君 私は、無所属クラブを代表いたしまして、本案賛成いたします。  賛成趣旨につきましては、ただいま緑風会小林君ほか賛成討論内容と同様であります。従いまして、本案賛成するものであります。
  56. 青木一男

    委員長青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議なしと認めます。それではこれより採決に入ります。  期限の定のある租税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  58. 青木一男

    委員長青木一男君) 多数であります。よって本案は原案の通り可決すべきものと決定いたしました。   —————————————
  59. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に、国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例期限を変更するための法律案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  60. 平林剛

    平林剛君 この法律案につきまして、私どもは社会党を代表して、反対意見を述べます。  特に補助金等に関する特例期限を変更することにつきましては、先の国会で該法律が成立する経過と結論からみまして、またここで、たとえ暫定的にいたしましても、期限を延期するということは、こういう期限法案に対する趣旨に反してくると私どもは思うのでありまして、この意味からこの法律案賛成することができないのであります。  また、財政を健全化させるという建前から補助金を整理するという趣旨には必ずしも反対をするわけではありませんが、今国会で暫定予算に対する附帯決議がまとめられましたことでもわかりますように、何でもかんでも整理をするという、そういう趣旨ではないと思うのであります。この期限を変更するための法律案によりまして、たとえば補助金等の臨時特例に関する法律第六条の新入学児童に対する教科用図書の給与が停止されているが、また延期されてしまう、こういうことになりますのは大変不当な結果を生むものでありまして、これまた鳩山内閣公約に対する違反であります。また補助金全般に対する検討が遅れた結果、こういう法律案を提出をするということは、政府自体の職務怠慢ということを私どもは言わざるを得ないのでありまして、こういう意味反対をいたすものであります。  国債整理基金への繰入、この法律自体については大して議論はございませんが、この補助金等に関する特例期限を変更するための法律案とくっつけてやったやり方につきましては、どうも考え方について大変疑問を持つものであります。国債整理基金への繰入そのものには特に反対いたしませんが、一括してありますから、私どもとしてはこれを反対をするものであります。
  61. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 私は本法案には賛成をいたしますが、それにつきまして政府御当局の法案の出し方について、一言特にこの際御考慮を願いたいと思うのであります。  ただいま平林君は、補助金の問題と国債の問題と合併になっていて、国債には反対じゃないけれども、片っ方に反対だから全体反対だ、こういうようなお話、実は私も同じような気持でいるわけでありまして、私たちとしては第二条の補助金の関係につきましては、そのもとになるところの補助金等の臨時特例等に関する法律、それが出たときに、昨年非常に議論をしたものであります。こういうような非常にいろいろな性質を持っている補助金、従って性格がいろいろに論議され、分割して考えなければならないようなものを、一括して法律とするということが、はなはだ困るじゃないかと、そのときにも、ずいぶん議論をした問題でありますが、今度はそれをまたさらに延ばすのだと、やはり一括してこられると、また期間が短かかった関係、あるいは暫定予算であるというふうな多少軽易に考えられるというような事柄、わからないではありませんけれども、特に今平林君もおっしゃった新たに入学する児童に対する教科用図書の給与というようなことは、二カ月延期いたしますということは、学年はもう明日から始まるわけでありますが、教科書は一日もないわけにいかないので、四月にはもう手を揃えてしまうというと、二カ月延期するということは一カ年延期ということにならざるを得ないようなことにもなるわけであります。従ってこれは賛成はいたしますけれども、ほとんど九割がいいから賛成はいたしますけれども、非常に割り切れない気持を以て賛成せざるを得ないというようなことがありますので、平林君と結果は逆になりますけれども、申し上げたいことはもう同じことなんです。これは今後の法案の提出に対してはぜひとも御考慮を願いたい。そういたしませんと、われわれとして、割り切れない気持で賛成をしばしばさせられるということになると、賛成できなくなるということにも相なるかと思いますので、特に御注意を願いたいと思います。
  62. 松澤兼人

    松澤兼人君 ただいま議題になっておりますこの案件につきまして、国債整理基金への繰入の点につきましては賛成いたしたいのでありますが、これも一括してありますので、補助金等特例期限変更の法律案、これがくっついておりますために、自然に全体に対しましては反対の意思を表明しなければなりません。補助金につきましては、あるときには大幅に補助金を支給しようという考えもあり、さらにそれを整理しようという考え方もあり、今回の暫定予算につきましても自由党側から補助金に対して付帯決議がついておる。一方では国全体としましても、財政上相当の比率になるし、地方財政の面から考えてみましても、補助金があるために余分の持出しをしなければならぬという問題も起って参ります。補助金そのものに対しまして根本的に検討を加えなければならない点が非常にあると思うのであります。暫定予算であるためにこの特例期限付きで延ばすということはわかるのでありますが、何と申しましても、少し時間をおきまして、四月一日前に補助金全体に対する政府考え方ということをはっきりさせなければいけなかったのであります。しかし今そういうことを申しましてもいたし方ないことでありますが、そういう意味から申しまして、補助金等に関する特例期限を変更する、この点につきましてはわれわれは反対の意思表示をいたします。従って案件全体に対しましても反対立場をとらざるを得ない、こういう結論でございます。
  63. 木内四郎

    木内四郎君 私は自由党を代表しまして本案賛成をいたします。国債整理基金への繰入に関する点はもちろんのこと、補助金等に関する特例期限変更についても賛成をいたします。  これはもともとわが党内閣当時に当分のうちということで提案をいたしたのでありまして、それを当時の事情によりまして、二十九年度と、こういうことになった事情等にかんがみまして私は賛成するものでありますが、ただしかし、この際指摘しておきたいことは、昨日質問の際にも申しましたように、現内閣におきましては、先ほど平林君、あるいは杉山君からも御指摘がありましたように、教科書の問題などにつきまして、選挙の前後によりましてはこれも全く違った態度をとり宣伝をする。それで選挙が済めばまたもとへ返ってこういう法案を出す。この公約違反といいますか、朝令暮改というか、破廉恥的な態度に対して私は非常に遺憾の意を表すると同時に警告を与えまして、本案に対して賛成をいたすことになります。
  64. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 先ほど私どものほうの会派の杉山君から賛成の御発言がありましたが、私はこの法案反対をいたします。それは大体平林さんなり、今、松澤さんの趣旨と同様でありまして、前段の国債整理基金への繰入の案件は賛成でありますが、補助金等特例法案につきましては、実体論はこの際おきまして、補助金整理というような大きな政策について、全体的な構想を示さずして、これだけをさしあたり延長する。しかも杉山君が指摘しましたように、二カ月延長することは少くとも一カ年延長することと同様でありますので、これはきわめて不見識というような感じを私は持つのでありまして、遺憾ながら後段に賛成ができませんので、従ってこの案件全体に反対をいたします。
  65. 平林太一

    平林太一君 国債整理基金等に関する特例期限を変更するための法律案、本法案討論に当って賛成をいたします。  ことに補助金等に関する特例期限を変更するための法律案はきわめて適切妥当の措置であると信じて疑いません。当局といたしましては、かような法律案を提出いたしましたことは、近来の事務的大成功である。かような賛成意見を述べまして、大いに礼讃、顕彰しておきたいと思います。賛成をいたします。
  66. 青木一男

    委員長青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例期限を変更するための法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  68. 青木一男

    委員長青木一男君) 多数であります。よって本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続は、先例により委員長に御一任を願いたいと存じます。  多数意見者の御署名を願います。   —————————————
  69. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に商工組合中央金庫、中小企業金融公庫、国民金融公庫昭和三十年度資金計画に関する件を議題といたします。  本件につきまして、村瀬商工組合中央金庫理事長、坂口中小企業金融公庫総裁、櫛田国民金融公庫総裁、加藤商工組合中央金庫理事の四名の御出席を求めましたが、いずれも参考人として、その発言を許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 青木一男

    委員長青木一男君) 御異議ないと認めます。  それでは資金計画等につきまして順次御説明を願います。村瀬商工組合中央金庫理事長
  71. 村瀬直養

    参考人(村瀬直養君) 商工組合中央金庫の業務に関しましては、かねてから種々御配慮をいただきまして、おかげをもちまして、大体状況は順調に推移いたしておりますることを厚くお礼を申し上げます。  昭和三十年度の資金繰りを申し上げまする前に、きわめて簡単にここ両三年の貸し出しの状況を簡単に御説明を申し上げます。と、政府指定預金の相次ぐ御預託増、それから資金運用部による商工債券のお引き受け等によって、貸出額は二十七年は百三十一億、二十八年は百五十二億円と、それぞれ前年に比しまして六二%あるいは四四%の増加を示しました。昭和二十九年に入りましては、経済界の不況を反映いたしまして、年間貸し出しの増加は六十八億円にとどまっております。  次に、昭和三十年度の資金繰りでございまするが、調達可能の資金源乃至資金需要等については未定の要素が多いのでありまするが、ただいまのところ、大体次のような予想をとっております。すなわち貸し出の予想につきましては、過去数年間の実績、業界の状況等を勘案いたしまして、年度間百二十五億円に増加を予定いたしております。これに対しまして、調達可能の資金といたしまして、六十七億円を計上し得るに過ぎませんので、差引資金の不足は五十八億円に相なっておるわけでありまして、中小企業界の切実なる資金需要、当金庫の深刻なる資金窮迫等を御賢察たまわりまして、次の五点について何分の御援助をお願いいたしたいと存じまする次第でございます。  第一に、政府出資の十億の増加についてであります。当金庫は再建整備によって政府出資はわずかに二百十万円になったまま現在に至っておりまするが、他方民間出資につきましては、当時同額の二百十万円から出当いたしまして、自後三回の増資によって現在約百十三億円に達しております。政府と民間出資比率は設立当初の半々に比しまして、民間が非常に現在は重くなっておるのでございます。また債券発行の余力は現在百億円でありまするが、三十年度における商工債券発行額を九十六億円と仮定いたしますれば、三十一年度半ばには発行限度に達することと相なるのでございます。  以上二点よりいたしまして、政府出資十億円の増資をぜひお願いいたしたいと存ずるのでございます。  次に資金運用部による商工債券の引き受けについては金融債全体のワクとの関係もあることと存じまするが、少くとも月三億円、年間三十六億円をぜひお願いいたしたいと存ずるのでございます。  第三に政府指定預金についてでありますが、昨年六月以降たびたび引き揚げを延期していただいておりまするが、来年におきましても本預金制度廃止の御意向のように伺っておりまするが、これにかわるべき措置のとられますまでは引き揚げを延期していただきたいと存ずるのでございます。  それから第四に、中小企業金融公庫への借入金の二十億円は、二十七年の十二月における一般会計の借入金が多く公庫設立の際に公庫への借入金に振りかわったわけでございまして、本年八月二十日までに返済することになっておりますが、これについても返済期限の延長をお願いいたしたいと存ずるのでございます。  第五に、資金運用部による商工債券の引き受け利率は市中の消化のものと同一の八分五厘と相なっておりますが、中金の貨し出し金利引き下げもできるだけ行いたいと存じておりますので、資金コスト引き下げのために六分五厘程度に引き下げを願いたいと、さような措置をおとりになりますようにお願いいたしたいと存ずるのであります。  以上、始終当面念願いたしておりますことを申し上げましたが、どうぞ何分にもよろしくお願い申し上げます。  なおお手に許お配りをいたしました表等につきましては、詳細担当の加藤理事から御説明をいたしたいと存じます。
  72. 加藤八郎

    参考人(加藤八郎君) ただいま理事長から説明申し上げましたことで尽きるのでありますが、お手元に差し上げました表がございますので、これにつきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。昭和三十年度資金繰予想表というのが一番上にあります。数枚の資料を差し上げてありますが、三十年度の資金繰りの予想を今考えてみますと、いろいろ未確定な要素が非常に多うございますけれども、一応作ってみますと資金のほうといたしましては、政府からの出資十億円をこの際ぜひお願い申し上げたいという意味で十億円を計上して予定に立てたのであります。債券の発行額は七十六億円でありまして、これは資金運用部の引受額が二十四億円という昨年と同額を一応計上いたしました。それから指定預金の引き提げは二十七億四千万円でございますけれども、三十年度中に全額が引き揚げられるという前提で計上いたしました。それから公金預金と申しますのは、各県市からの預金でございまするが、これは地方財政の逼迫に伴いまして逐次減って参りますので、三十年度中には六億円減少するということを予想いたしました。それから一般預金は、貸出金の大体一五%程度伸びまするので、貸出金百二十億と見た場合に十八億の一般預金の増加があると、かように見込んだのでございます。それから公庫借入金二十億円は、先ほど理事長からも申し上げましたように、この八月で期限が到来いたしまするので、これは八月にお返しすということに一応計上いたしました。それから日本銀行からの借入金十六億五千万円、これは別ワクとしていただいておりまする十七億円、最低歩合、第一次までの額一ぱいを借りるということに予定して十六億五千万円を計上いたしました。かような資金の状況でございまするが、一方貸出金のほうは、少く見ましても一年間に百二十億種程はぜひ非常であろうと考えまするので、内輪でございまするが、百二十億を計上いたしまして、なお有価証券の買い入れを五億円、合計いたしますると百二十五億円の運用があるのでありますが、それに対しまして資金の不足は、左の欄の一番最後にございまするように五十七億九千万円の不足ということに相なるのでございます。それでこの不足をどういうふうにしてまかなうかということに相なるのでございますが、このページをくくっていただきますと、備考欄に書いてございまするように、いろいろお願いを今理事長から申し上げたような事柄がここに出てくるのでございます。  まず第一に、その出資金の政府十億円をお願いする点は、これは一応欄には載せておきましたが、未確定のことでございまするので、ここにあらためてお願いをしておいた次第でございます。それから債券の発行は、先ほども一応二十四億円というふうに前年と同額を見込んだのでございまするが、これは従来の例から申しますると、四十億あるいは三十六億というようなふうに引き受けていただいておったのが、昨年減りましたので、これをやはり三十六億程度はぜひお願い申し上げたいというふうに考えております。それからなお資金不足の補填方法といたしましては、指定預金の二十七億四千万円の引き揚げも、何かかわるべき一応の措置をしていただいてからこれを引き提げていただくようにしていただきたい。それから中小企業金融公庫からの借入金の二十億は、これは八月の期限を延長していただいて、年度中に返さずに済むようにとていうことをお願いしたい、こういうような補填方法を講じいただければ百二十億の貸し出しができる、かようなふうに考えまして、はなはだずさんでございまするが、資金繰り表を立てて参ったのでございます。一応簡単でございますが……。
  73. 青木一男

  74. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) 私どもの公庫は、一昨年設立いたしましてから一年半でございますが、皆様の御後援を得まして大体順調に事業は進展して参っております。お手元に貸し出しの一覧表をお配りいたしておきました。この表の中小企業金融公庫資金貸付申請受理及び決定状況月別一覧表というのをごらんいただきますと、このまん中にあります二本棒の右側をごらんいただきますと月別の貸し出しの状況を、金額を掲げてございます。ちょうど二十八年度中に累計百十二億円あまりを貸しましてから、二十九年度に入りまして、四月は十四億、五月十三億と、七、八月とだんだんふえて参りまして、九月ごろからは二十億、十月十九億、十一月二十一億、十二月は四十九億円と、こういうふうに資金の需要もふえて参りまして、年間を平均いたしまして、大体月十九億円程度の貸し付けをいたしましたのでございますが、この表でごらんになりまするように、十二月に四十九億円を貸しましたために、一月、二月、三月は非常に資金が少くなりまして、この表でごらんになりまするように、一月には六億四千万、二月には七億九千万、三月は資金運用部資金の節約の解除六億がございましたので、約二十億の貸し付けができる予定でございます。こういう工合にいたしまして、資金がございますれば、私どもの方では需要は幾らでもあるというのが実情でございます。しかしながら私どもの貸付け能力等もございまするので、この三十年度の予算の要求には月二十五億の貸し出しができるようにというつもりで計画をいたしております。  次に、次の表をごらんいただきますと、昭和三十年度の月別資金運用計画、これは左側の方は収入でございまして、右側は支出でございますが、支出は一応貸し付け平均二十五億というので出してございます。こうしますと、総計で三百億の貸し付けの資金が年間にできるわけであります。一番下の欄を見ていただきますと、これに対しまする資金といたしましては、三十年度中の回収金の合計が百十四億円でございまして、政府からの出資金と資金運用部の資金二百億、五十億と百五十億と、この二つを合せまして、二百億を政府から出資並びに投融資していただきますれば、月平均二十五億の貸し出しができるわけであります。その回収金の百十四億のうちには、先ほど村瀬理事お話になりました八月の二十億は計算いたしておりませんのでございます。いたさずに百十四億でございまして、そういう計算のもとに三十年度におきましては三百億をもって三十億を、貸付金総額において新規に貸して参りたいと、こう考えております。これがために、従来私どもの方は支店は大阪支店一つでございましたが、来年度におきましては札幌、名古屋、福岡の三つの支店を増設いたしますとともに、仙台、金沢、広島、高松等に事務員を駐在いたさせまして、円滑に仕事を運んでいきたいと考えております。なお一部の御要望にこたえまして、ごく一部でございまするが、できますれば普通代理貸のほかに、直接貸し付けをも開始して参りたいということを考えております。そういう意味でこの投融資の計画三百に伴う事務費、三支店の設置、その他につきまして、政府のほうに経費の関係予算の御承認を願っておるような次第でございます。  きわめて簡単でございまするが、三十年度の政府の方にお願いしておりまする予算関係の説明を終らしていただきます。
  75. 青木一男

    委員長青木一男君) 次に櫛田国民金融公庫総裁。
  76. 櫛田光男

    参考人(櫛田光男君) 櫛田でございます。国民金融公庫の現状並びに三十年度の希望等につきまして、この機会に申し上げてみたいと思います。  いつも私ども仕事内容につきましては、かねてから大へん御指導、また御激励にあずかっておりまして、ただ私どもの公庫の現状といたしましては、何と申しましょうか、金がない、人手が足りない、店がないというふうな、非常に常々その三つの点において不足がちでありますることをかこって参ったのでございますが、三十年度の一応の希望を申し上げます前に、現状がどうなっておるかということにつきまして少しばかり申し上げてみたいと思います。  お手元に国民金融公庫の現状というのがございますが、これは二月末の業務の状況を一まとめにしたものでございまして、一等最後のページをお開き下さいますと、横に長い表がございます。これが昭和二十九年度におきまする各月別の各種の貸付の申込、貸出、回収実績でございます。  なおこの最後のページの一つ手前、九ページでございますが、その左側の欄に貸付種類別貸出残高一覧表というのがございまして、これが本年の二月末の現在高でございます。諸貸し付け、合計いたしまして三百八十五億円に相なります。その中で普通貸付が三百十一億五千万円、その次の大口なものといたしまして、更生資金貸付が二十九億三千万円、それから恩給担保貸付が十八億五千万円と相な。ておりますが、私ども仕事の特質といたしまして、大へんに小口な、零細なお貸し出しを実行いたしておりまする関係上、お貸し出し先が、ここにございますように、件数にいたしまして六十二万件というふうに相なっております。この数字は、実は金融機関といたしましては異常な数字ではないかと存じます。と申しますのは、銀行、現在全体でもって八十数行あると存じますが、その銀行全体を合せまして、日銀のお調べによりますというと、その貸し付け先と申しますか、手形一枚々々を計算したわけじゃございませんので、貸し付け先を名寄せした数字だと存じますが、それが大体九十万、それを少し超すくらいの数字でございます。それとお比べ願いまして、私どものお貸し出し先六十二万という数字が、どういう数字になるかということは御想像がつくかと存じます。  かような関係からいたしまして、資金の点、まあ人手の点、又店舗の点等におきまして、常々不足をかこっているのでございます。  そこで昭和二十九年度の状況でございますが、別表に二十九年度実績表というのが一枚刷として、お手元に差し上げてございますかと存じます。この表は先ほど御高覧を願いました月別のこまかい数字、二月までの実績を一括いたしまして、それにこの三月、本日をもって終りまする三月分を、各支所の資金の需要状況等からかんがみて推定を加えまして、二十九年度全体としてのあらましの姿を総括したものであります。かようにいたして見ますというと、主として普通貸付について申し上げますと、年間を通じまして千六十一億の申し込みがございまして、それに対しまして、大体三百六十四億円、パーセントにいたしまして三割四分見当かと存じますが、かようなお貸し出しにとどまったと、まあこういうふうなことになろうかと存じます。その他の諸貸し付けを合せまして、申し込みが千百三十六億、これに対しまして四百五億のお貸し出しができた。その四百五億円の資金の内訳は、2のところに書いてあります通りでございまして、二十九年度といたしまして、予算政府出資二十億、資金運用部から九十一億円のお借り入れをいたしまして、合計百十一億円でございましたが、そのうち運用部からの過去の借入金の返済は二十二億円でございましたので、その残額八十九億円、貸付の回収金全体といたしまして三百十五億円でございました。合せまして四百四億円の資金と、並びに利益金の若干を充当いたしまして、かような四百五億見当のお貸し出しをいたしたと、かような状況に相なっております。全体からいたしまして、まあ大体三割四分見当のお貸し出しをいたしたということに相なっております。  そこで昭和三十年度のお見込みの問題でございますが、お手元に「昭和三十年度貸付資金要望について、」三月十八日付のものでございますが、一枚の紙がお手元に差し上げてあるかと存じますが、それについて申し上げたいと思います。昭和三十年度につきましては、御承知のように四月、五月分につきましては暫定予算措置が講ぜられました。昭和三十年度全体につきましては、何しろ私どものほうの貸付資金は全部政府資金に依存しております関係上、御要望申し上げておりますのでありますけれども、まだ何ら御内示等の措置がございませんが、いかようになりまするか存じませんが、私どもといたしまして、過去の実績並びに将来の需要、申し込みの状況等を推定いたしまして、少くとも最低限度としてこの程度は必要であろうかという金額を政府に目下御要望申し上げておるところでございます。その数字を土台といたしまして御説明申し上げたいと存じます。  簡単に申し上げますれば、昭和三十年度におきましては、新規資金として百五十億円、そのほかに過去資金運用部から拝借いたしておりまする借入金につきまして、期限の到来いたしまする分が三十八億円ございますので、予算的にはこれを合せまして、借りかえ資金等として三十八億円要りますので、これを合せまして百八十八億円、これだけはどうしても最低限度お認めを願いたいと政府にお願い申し上げているわけでございます。その新規資金百五十億のうち百億は普通貸付に充てたいと存じております。その根拠は、貸付資金、(I)普通貸付の所にございます通り、二十九年度の申し込み額が大体先ほど申し上げました通り一千六十億円でございます。最近の情勢におきまして、先ほど御高覧に供しました昭和二十九年度実績表の一等下の所にございます……、二十九年度一千六十億円という申し込みは、前年度、二十八年度八百六十八億円の申し込みに比較いたしますると大体二割二分くらいの増加に相なっております。二十八年度は二十七年度に比べまして三割五分の需要増加でございまして、最近の経済情勢にかんがみまして、その需要の増加の率は多少減ってきたかのように存じますが、最近に至りましてなお熾烈な資金の需要がまた現われて参りました。それらのことを考えまして、大体二割五分見当は申し込みが最小限度ふえるのではないか、かように計算いたしますと千三百二十五億と一応見たわけでございます。それに対しまして大体三分の一見当最小限度お貸し出しをしなければなりません。かように考えますと貸し付け所要額が約四百三十七億、回収金を予想いたしますると、大体三百三十七億円見当が回収できそうでありますので、その差額百億円というものはどうしても新規資金として政府に御面倒をみていただきたい、かように存じた次第でございます。なお、四百三十七億の貸し出しがかりにできたといたしますると、二十九年度の実績に対比いたしまして、普通貸付におきましては約二割の貸し出し増加と相なろうかと存じます。  なおその次に恩給担保貸付でございます。恩給担保貸付は一昨年の十月から始まりまして、さらにそれを消費資金の需要もまかなえるように法律の御改正がございました。昨年の五月十日からその点につきまして実行いたしたわけでございます。この点につきましては仕事を始めましてから短い期間ではございますが、きわめて要望が熾烈なものがございまして、毎月ふえて参りますような状況でございます。大体昭和二十九年度におきましては五十億見当のお申し込みがございました。これが三十年度におきましては少くともその二倍、百億見当、大体それに対しまして七割見当はどういうことがあってもお貸し出しいたしたいと存じまして、かようにいたしますと七十億円と相なります。過去の貸し付け回収金が二十億円見当に見込まれますので、その差額五十億円、これだけはまたぜひとも恩給担保貸付用として政府に御面倒をお願い申し上げたい、かように存じまして、普通貸付のために百億円、恩給担保貸付として五十億円、合計百五十億円、それに借りかえのための資金として三十八億、合計百八十八億円というものをお願い申し上げておる次第でございます。  なおこれに関連しまして、四月、五月分の暫定予算の実行問題につきましてこの機会に一言さしていただきたいと存じます。お手元に金融公庫昭和三十年度第一・四半期、四月、五月分の事業計画、資金計画が御高覧に供してあると存じますが、この暫定予算におきましては大体資金運用部から五億円の借り入れをお認め願いまして、それに回収金が全体で五十五億円見当あるかと存じます。そういったものを財源としまして、大体諸貸付が四月、五月二カ月分におきまして六十二億五千万円見当の貸出を一応予定いたしまして、この中で普通貸付が五十五億六千万円、恩給担保貸付が五億五千万円でございます。そこでこの普通貸付の点でございますが、この資金をもちまして大体五十六億弱の貸出をいたしますというと、月平均二十七億から二十八億ということになるわけでございます。昨年度の四月、五月の実績に比べまするというと、大体二割見当の増加には相なろうかと存じまするが、実はこの点につきまして、最近各支所から第一・四半期の月別の貸付につきましての見込みと申しますか、これだけはぜひ何とか本部のほうで面倒がみれないかという見込表をとってみたのでございます。その見込表を集計いたしますというと、四月、五月におきまして六十の店におきまして貸し付けを必要とし、またしたいという金額が実は七十六億円に達したのであります。その点からいたしまするというと、四月、五月はまあ二億円ほど足りない、かような状況に相なるのでございますが、何分にも資金運用部の財源その他の関係等から五億見当というお話でございますので、一応五十五億六千万、昨年度に比較いたしますれば四月、五月の実績と比較いたしますれば、ともかくも約二割の増加に相なりますので、一応この程度をもってプランを立てざるを得なかったということを付け加えさせていただきまして、私ども仕事内容からいたしまして、日に月に熾烈なる申込みが、また深刻な申込みが、また深刻な申込みがふえて参ります現状をよく御洞察いただきまして、私どもの最低限度の資金要望につきましてこの上ともどうぞ御指導、御援助たまわりますことをこの機会にくれぐれもお願い申し上げたいと思います。簡単でありましたが御説明を終ります。
  77. 青木一男

    委員長青木一男君) ただいまの御説明について質問のある方はお述べを願いたいと思います。
  78. 小林政夫

    小林政夫君 商工中金の金利を引き下げるために、政府出資金利を引き下げるためのみではないでしょうけれども政府出資だとか、あるいは資金運用部資金の低利貸し出しや、低利商工中金債引き受け、こういうような要望がありましたが、このおっしゃった通りにして、従来の貸し出し金利と比べて、どの程度の要望があればどの程度の金利が軽減できるかという推算をなさっておればお知らせ願いたい。
  79. 村瀬直養

    参考人(村瀬直養君) その点まだはっきりした何が出ておりません。いろいろ今研究しております。
  80. 小林政夫

    小林政夫君 まあ御要望の趣旨を貫くにはそういうことがはっきりすれば非常に強い主張になると思いますけれども、何かありましたらお知らせ願いたい。
  81. 村瀬直養

    参考人(村瀬直養君) ただいまいろいろの方面から研究をしておりますが、なかなか金利の引下げはむずかしい問題でまだどういう方法がいいか、いろいろの方法研究しておりますので、何分にも全面的に引下げるということがなかなか実行が困難でありますから、どういう方法でやっていくかということについて、いろいろ案を作って研究をいたしておりますものであります。まだ結論になっておりません。
  82. 小林政夫

    小林政夫君 中小企業金融公庫のほうで、先ほど坂口さんのお話だと支所を設ける、またできれば直接貸もやりたい、こういう御意図があるようなお話でしたが、われわれ中小企業金融公庫を作ったときは、大体中小企業金融機関の日銀的存在、特別会計に代るべき存在、中小企業運転資金のプールだというので作ったわけで、特別会計では所在の明らかでないものもあるので公庫にするんだ、だから直接貸はやらないという、こういう建前で了承して作ったわけですが、その後いろいろおやりになって、直接貸もやらなければならん、こういうお考えになられた事情というようなものはどういうことなんですか。
  83. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) 今お話になりましたできましたときの経緯を、私どももいろいろ方々から伺っておりました。今度の私どものほうが三十年度の予算を組みます際に考えました当初の気持では、つまり昨年の秋に政府の方にこういう予算の交渉をします当初には、そういうところまでは、直接貸をやるところまでは考えておりませんのでございましたが、各方面から全部代理貸となりますと、どうしても代理店を通してやるのには困るようなものもあって、直接やってほしいというような意見が非常に各方面から起りまして、そういうようなところから、ごく一部だけでも、一部と申しますか、その御要望の一部分だけでもおこたえできる程度の直接貸をしてはどうかということになりまして、最近に直接貸を多少でもやろうじゃないか、その要望にこたえてやろうじゃないかということになって参りまして、実は私どもまだできましてから一年半でございまして、職員等も充実いたしておりませんので、これをやりますことにつきましては、商工組合中央金庫さんや、あるいは興業銀行さんのほうの御援助も得なければなりませんので、そちらの方面にも人的な関係もお願いしつつ、一般の要望の中のごく一部分だけでもおこたえできるような方向に進みたいと今のところ考えておる次第でございます。
  84. 小林政夫

    小林政夫君 直接貸をぜひやってもらいたいという要望はどういう……、都会の悪い面があるということだけ言われましたが、どう不都合なのか、代理業務をやっておる金融機関が過去の取引実績のあるところだけを対象とする、新規貸出というか、縁のない、受託金融機関と縁のない借入れ希望者にサービスをしないということですか。
  85. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) いろいろの要望がございますが、一番の理由は今お話になりました代理店と代理店である銀行とか、銀行等の代理店の取引のないものに対して、必ずしも十分にいかないという非難からきておる要望が一番多いかと思います。
  86. 小林政夫

    小林政夫君 私はもちろん中小企業金融を大いにワクを拡大しなければならないと思うのですけれども、かえって金をつけてスポイルしておる企業がたくさんある。おおむね非常にあなたの方の受託金融機関というものは窓口が多過ぎるくらい拡がっておって、そのいずれの受託金融機関とも取引をやったことのないものが、直接あなたのほうに借入れを申込むということを承諾するというか、それを取上げて審査するということになると、これは相当問題じゃないですか。また国民金融公庫等の支所の拡大という点から言っても、一番制約されるのは人の問題なんですね。それをあなたのほうが今もお話しになったけれども、陣容の整備の点から言っても、直接貸し出しをするということはかなり困難があるし、無理ではないかというふうに思っております。それから甲方式、乙方式で、乙のほうをしっかりおやりになれば、何も直接貸しを、そう望ましいというか、やろうということをやられる必要はないので、方々に支所を設けられることすら、われわれは初めの公庫を作ったときの経緯から行くと、行き過ぎだという感じがするのですが、支所の必要というものはどういうことなんですか。
  87. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) 私ども支所を支店と申しておりますが、支所を作りましたのは、まず大阪に昨年作りまして、代理店との連絡は非常によくなりましたのです。今度も支店を作りますることは、昨年の暮から考えておりまして、その支店を作りますのには、代理店との連絡をよくしたい、その点私どもでも支店が必要だと、こう考えておりましたので、それにつけ加えまして、直接貸しをやりますのには、さらに支店が必要だと、こういうふうに考えたのでございまして、支店ができましてから、代理店と私どものほうとの意思の疏通は非常によくなりまして、大阪の例を見ますと、あの近所の代理店は非常に喜んでいるようでございます。ほかのほうは支店がないために、九州あるいは札幌からわざわざ私のほうとの直接の連絡に苦労されているような点から考えまして、昨年商工中金さんのほうにお願いいたしまして、札幌また福岡、名古屋に、私どものほうの職員を置かしていただきまして、相談室を設けまして、これも相談室と言いましても、代理店との連絡におもに力を入れさしております。そういう意味で今度作ります支店を一括いたして、おもな仕事は、代理店との連絡の関係でございます。それにつけ加えまして、直接貸しまた乙方式の貸付につきましても、あるいは本店だけでやっておりまして、これは到底むずかしいことでございますので、そういうところからも支店が必要じゃないかと考えて今度作ることにいたしました次第でございます。
  88. 小林政夫

    小林政夫君 代理店の決裁、支店限りで決裁できるのはどうですか、どの範囲までが支店限りで決裁をできることになっているのですか。
  89. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) ただいま甲方式は全部支店限りで、今大阪だけでございますが、甲方式は一切大阪でやらしております。乙方式につきましては、今審査の者がおりませんものですから、東京でやらしております。東京の本店のほうに持ってきております。甲方式は全部まかしております。そういう意味で代理店との連絡は非常によくなりまして、代理店はすぐに貸付けをして大阪で決裁いたしますから、非常に敏速になって参ったようなわけでございます。
  90. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、乙方式は将来今もお話のあった増設される支店にはまかさないのですか。
  91. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) 先ほども申しましたように、乙方式をやらすためにも支店が必要だと考えまして、これから支店に金額の小さいものにつきましてはまかしたいと考えております。
  92. 小林政夫

    小林政夫君 どの程度
  93. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) そこまでまだ具体的に考えておりませんです。ただいまのところは大阪だけが支店でございますから、大阪についてもなるべく早い機会に金額の小さいものについてはまかしたいと考えております。
  94. 小林政夫

    小林政夫君 その直接貸しをやるという考えは一本年度、三十年度からやるつもりなんですか。意見を加えて申し上げると、乙方式の決裁すら支店でできないような状態で、直接貸しまでやるということは無謀だと思うのだけれども、その点はどうなんですか。
  95. 坂口芳久

    参考人(坂口芳久君) 私も非常にむずかしい問題だとは存じますが、準備をいたしますれば、どうにかやってゆけるのじゃないか、それに各方面から御後援をいただきますれば、先ほども申しました通り、前に十分の経験のある金融人をお迎えできますれば、本年中に開始できるのじゃないかと考えております。
  96. 山本米治

    山本米治君 加藤理事にお伺いしたいのですが、債券発行のうち、資金運用部引き受け以外は市中に期待されているわけですが、いまどういう先に引き受けてもらってやっておるか。またその状況はどんなものですか。ちょっとお伺いしたいのですが。
  97. 加藤八郎

    参考人(加藤八郎君) いまのお尋ねのございました消化先の関係を簡単に御報告申し上げます。利付債券と割引債券と非常に違って参りますけれども、利付債券のほうは主として金融機関にお願いしておるのでございます。それで銀行、普通銀行関係でございますが、その合計が大体発行総額の三六%程度が銀行でございます。それから資金運用部の引き受けは大体五八%ございまして、あとの残りは相互銀行であるとか、あるいは信用金庫であるとか、保険会社であるとか、あるいは個人というようなところに消化をお願いしておるのでございます。大体六割は資金運用部、あと三割五分が銀行、あとの残りがその他の金融機関なり個人というような状況でございます。割引商工債券のほうは、殆んど全部が一般の個人会社、その他の消化でありまして、とり立てて金融機関が多いとか、どうこうというようなことはございません。相互銀行であるとか、信用金庫、あるいはその他農協関係なんかでも相当ございますが、何と申しましても、大部分が一般の消化というふうに申し上げてよろしい状況でございます。
  98. 山本米治

    山本米治君 もう一つだけ、中小企業金融公庫のほうはまだ歴史が浅いようでございますが、そのほかに二つの国民金融公庫、商工中金のほうの貸付不能といいますか、つまり焦げつきはどの程度ありますか。その点をちょっとお伺いしたいのですが。
  99. 加藤八郎

    参考人(加藤八郎君) 中小企業関係一般の不況を反映いたしまして、逐次ふえつつございまするが、大体四%から五%の間を往復しておるような状況でございます。貸出残高にいたしまして……。
  100. 櫛田光男

    参考人(櫛田光男君) お答え申し上げます。現在におきまして償却すべきところにまで行っているものはございませんが、期限経過後半年をたっているというのが大体普通貸付にいたしまして三%見当でございます。この傾向は実は少しずつふえてきておりまして、一昨々年には大体一彦でございます。一昨年あたりからふえて参りました。昨年かなりふえて三%程度でございます。ただ更生資金貸付というのがございます。引揚者に対する貸付でございますが、これは大体残高が三十億近くございますが、いまのところ延滞になっておりますものが大体五割見当ございます。これは昭和二十二年、二十三年、二十四年、初期の場合に貸しましたものが大体滞りがちになっております。大体そういう現状でございます。普通貸付のほうは先ほど申しましたような三%見当というのが現状でございます。
  101. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 ちょっと商工中金のあれですが、三十年度の貸出金百二十億というのは、これは純増だろうと思いますが、三十年度の大体貨出額、回収額と、ちょっと二十九年度のをお教え願いたいと思います。
  102. 加藤八郎

    参考人(加藤八郎君) 百二十億と申しますのは、これは純増の分でございまして、この計算では、貸出総額が千五百二十億、回収が千四百億ということで、百二十億の貸出純増と、かように見込んだのでございます。それから昨年の実情ということでございますが、これは年度で申しますると、昭和二十八年度の実績は、貸出総額が千三百六十三億、回収が千二百五十八億でございまして、その差額が百五億の増加でございました。
  103. 小林政夫

    小林政夫君 国民金融公庫の代理金融機関ですね。これには決裁というか、その最終決裁をまかしておられないようなんですが、あるいはどの程度まかしておられるのか、その点はどうなんですか。
  104. 櫛田光男

    参考人(櫛田光男君) 代理者に対しまして、その規模なり、その地方の状況なりによって差別はございますが、大体二十万から三十万、一件あたり二十万円から三十万という程度を代理者に専決いたさしております。
  105. 小林政夫

    小林政夫君 さしてくれないのだというので、さしてもらうように言うてもらいたいという要望があったのですがね。
  106. 櫛田光男

    参考人(櫛田光男君) 先ほど申し上げましたほとんど全部が二十万円でございますが、三十万円というのが、代理者でありますとか、そういうところの地方の状況によりまして、まかしておりまして、最高三十万、そこで二十万ないし三十万円というところで専決をおまかせしているというのが現状でございます。   —————————————
  107. 青木一男

    委員長青木一男君) 大体御質問が終了いたしましたから次に葉タバコの減収加算制度の継続に関する件を議題といたします。
  108. 平林剛

    平林剛君 葉たばこの減収加算制度の継続に関する請願がさきの国会内閣に送付されておりました。これはまあ御承知のように福島県の耕作者の方から来た請願でありますが、反当り二十五キロの減収があって非常に困っていると、そして昭和二十八年度においては実施した加算金の救済方式があったが、二十九年度がないから、そういう意味で生産意欲についても減退を来たしているから、何とかしてほしいという請願であります。でこれについて内閣に対して検討を要請いたしておいたわけでありますが、この結論がどうなったかを今日はお伺いいたしたい。
  109. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) ただいま平林委員から御質問ありましたのでお答えいたします。本年度の葉ダバコの収納状況は、量目におきまして一億一千二百六十五万キログラムでございまして、補正予算に計上いたしました額、一億一千六百十一万七千キロ・グラムに対しまして、若干の減少になっておるのであります。一番問題になりまするのは、反当収入金が昨年度に比べ、あるいは平年に比べて、いかがであるかという点になるかと思うのでございますが、今年の作柄は、全体といたしましては、反当収入金が四万七千百八十五円になっております。昨年の反当収入金は四万二千九百三十四円でございまして、若干上回っております。これに対しまして平年の反当収入金は四万八千七百五十一円でありまして、この数字から二十九年度の豊凶係数というものを出してみますると、平年作に対しまして九六・八%になっておるような現状でございます。全体といたしまして、作柄はさほど悪くなかったと思われるのでございますが、御指摘になりました、福島、郡山、仙台、福岡の地区におきましては、減収が著しくございまして、ただいま申しましたような豊凶係数九六・八%の平均に対しまして、七〇%から七五%というような数字になっておる地域がございます。また品種によりまして異なっておりまして、第一在来種におきましては、豊凶係数は一一三・三%になり、第三在来種は一〇四・九%になり、黄色種は九九・七%というようなことで、大体平年作あるいはそれ以上になっておるのでございますが、第二在来種が七九・五%、バーレー種が八四・九%というような数字になっておりまして、作柄の状況が、種類によりまして、地域によって非常に差異を示しておるのでございます。私ども政府の側といたしましても、また公社といたしましても、たばこ専売事業の円滑な発展をはかり、財政専売の目的を完遂いたしますためには、その根幹として、葉タバコの生産を確保するということは、最も大切なことと考えておるのでございます。昨年は全国的に非常な被害がございまして、当時の状況をもっていたしまして、何らかの措置を講ぜざる限り、今年度の葉タバコ生産に対する耕作者の意欲が、著しく減退されるであろうと思われましたので、生産高が八五%未満のものに対しまして、一定額を支給いたしたわけでございますが、今年の作柄は、ただいま申しましたような事情でございまして、全体といたしましては、まあ良好な成績である。局地的にひどいものがある。またその局地的のひどい中におきましても、平年作程度の収穫高をあげている方もございまして、ここで一律に減収加算金を出すというようなことをいたしますると、まじめな耕作者との間に不均衡が生じますのと、米麦等の他の農作物に対する影響等もありまして、財政事情その他を勘案いたしまして、減収加算金というような形で補給をするという策はとらないことといたしたのであります。ただそれだけでは、公社がいろいろ指導いたしまして、組合、耕作者団体に対していろいろな事業を富ましておりますが、ただいま申しましたように、災害がひどくて減収が多かった地域の組合におきましては、組合運営の経費にも事欠くというような実情にありましたので、予備費より二千五百万円程度流用いたしまして、耕作者団体に対する交付金として出しまして、福岡、福島、郡山、仙台等の管轄地域の団体に交付する措置をとりまして、本年はこの程度をもってごしんぼう願いたい、かように考えている次第でございます。
  110. 平林剛

    平林剛君 そうすると、昭和二十九年度に、昨年と同じようなことが今までとり得なかったということは、一つにはタバコ全般を見て、平年作に近いからやらぬ。これは米の減収加算も二十九年度は実施していないからやらぬ。まじめな人が損するというのは、去年だって同じことでしょう。去年の実施した場合でも、部分的に見れば、そういうことはあり得るはずです。ですから今年特にそれを理由にするというのは当らないと思うのです。先ほどあげた二つの点がやはり理由ということになるわけですね。
  111. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) さようでございます。
  112. 平林剛

    平林剛君 そうすると、私は、今言いましたところの品種をいろいろごちゃまぜにすれば、パーセントはかなり高くなっているけれども、しかし第一在来種とか、バーレー種とかいうものにすれば、昨年よりもっとひどい人たちがあるわけですね。そういう人たちから見れば、これは政府のやり方というものが、昨年は実施したけれども、今年は実施しないというように、一貫した態度がないというふうに見られるのじゃないですか。こういうことについては、今のとった措置だけで足りると思っているわけですか。それをお伺いしたいのです。
  113. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) ただいま御答弁申し上げました線に至りますまでには、耕作者団体はもとより、関係の向きからも種々御意見、あるいは御陳情がございますのですが、先ほど申し述べましたような点を勘案いたしまして、今回はまことにお気の毒な耕作者の方がおられるのでありますが、一応この辺のところでごしんぼう願いたい、かように考えている次第でございます。
  114. 平林剛

    平林剛君 こういう点については、では、政府の方としては検討したのですか。たとえば今年もできないという理由の中に、米の減収加算がされていないからという、一般農業者に対する比較で理由をつけておりましたけれども、大体において一般農業者に対しては、台風、冷害被害農林業者に対する金融であるとか、供出米に対する租税の特別措置などを実際は行なっているわけですね。この点からいったら、タバコの耕作者に対する取扱いというものは、これに相当するものは見当らないと思うのです。またもう一つは、私らよく関係者から話を聞くのでありますが、タバコ耕作者に対する所得というものは、割合とはっきりしているわけですね。ですから、その収納代金に対する課税というものが、割合に厳格に行われる。ところが一般の農作物に対する課税というものは、見込みで行われるから、そういう意味でも、かなり不利益といいますか。割が悪い方にある。ですから、そういう意味では、一般の米の減収加算がないから、直ちに葉タバコ耕作者にもしないという理由は、どうも納得しかねるわけですが、こういう点についてお伺いしたいと思います。
  115. 宮川新一郎

    説明員宮川新一郎君) 御指摘の点でございますが、米につきましては超過供出につきまして免税の措置があり、また一般の米麦の生産をしておる農家の所得というものは把握をいたしがたいが、葉タバコの耕作者の所得は非常にはっきりしておる。そういう点で米麦耕作者に対して葉タバコ耕作者のほうは税金の負担が重くはないか、また低利融資の点は、もう損をしておるようだから、何らか均衡を考えてもう少しやってやらにゃいかんのではないかという御趣旨と拝聴したのでありますが、葉タバコの生産確保の問題は、冒頭申し述べましたように、国家的に見ましても、この確保ははかる必要があることは、もとよりのことでございますが、米の確保、国民の生活必需品である米の確保に比べますれば、いささかその確保の要請が劣るのじゃないか、これは正直に申し上げていいのじゃないかと思います。そういう関係で、超過供出した農家に対する免税と同じようなものを葉タバコの生産収納に対して設けるということは、なお検討を要するのじゃないかと思うのであります。それから耕作者の所得がはっきりしておるということは、まことに御指摘の通りでありまして、法律によりまして生産したものは全部公社に納めねばならんことになっておりまして、丁度我々俸給生活者と同じように所得がはっきりいたすわけであります。で、この点につきましては実は国税庁等とも逐次折衝を重ねておるのでありますが、葉タバコ生産に伴います経費の見方といたしましては、収納代金の五割程度を経費として控除を認めておる段階でございますが、これに対しまして米の、米麦等につきましては、およそ三割程度しか経費控除を認めていないというふうに聞いておるのでございます。それによって果してなおかつバフランスがとれているかどうかという問題が残っておるのでございまして、なお、所得を把握する点において米麦耕作者との間の均衡を得せしめるよう、なお、国税庁方面とも折衝を重ねたいと思っておりますけれども、ただいまのところ、そういうふうな事情になっております。なお、わずかではございますが、乾燥室建設のために低利資金二千万円程度を二十九年度に支出をいたしておりまして、これまた金額はわずかでございまして、なお、アンバランスが残るじゃないかという御指摘もあろうかと思いますが、まずその辺のところも織り込みまして、今回このような措置で御しんぼう願いたい、かように考えておる次第でございます。
  116. 平林剛

    平林剛君 どうもただいまの説明で私は納得しがたい点があるのです。特に一般の農家の米麦の供出と、タバコの耕作とを必ず天びんにかけてどうこう、こういうわけじゃありませんけれども、しかし全般的に見たら国の財政に対する寄与の面では縛られて仕事をしておる。しかもその取扱いも古い大正時代からの法律で縛られて、変ったのは罰金の点だけなんで、新たに重く課する、そういうようなところで仕事をしておるわけです。ですから私はそういう意味でも、もっと例外、加算の制度を昨年はやって、今年はやらんというようなことも、やはり本質的な問題としてもう少し検討する必要があると思うのです。専売公社も今何か特別の措置を講じたいと努力しておるように聞いておるのでありまするが、もちろんこれは十分ではないし、本質的な問題としては違っておると思うのです。いずれ私どもはこの問題については、やはり根本的に解決するためには収納価格の問題が一番議論になると思うのでありますが、この措置についても別に検討をいたして、いずれ政府に対しても要望いたしたいと思いますから、どうか今のようにあくまでもいけませんという態度でなく、柔軟的な態度をもって善処してもらいたい。これはかなり多くの人たちの利害に関することで、今年は少いですけれども、やはりこういうものに従事しておる人たちの方のために、だからこそ賠償価格というものがあるのですから、そういう面から見ると、やはり簡単に今年はこれでいいんだというふうに済ますわけに行かないと思うのです。またいずれ別の機会に要望したいと思います。今日はこれで質問を打ち切りたいと思います。
  117. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 今宮川さんがおっしゃったように、今年は全国的に平均すれば大した不作ではないということ、また種類によりましても違うし、地方によっても違う、一律的な減収加算はやりにくい、これはごもっともだと思います。しかし、たとえば東北地方、特に福島県を中心にした松川葉とか、或いは福岡、佐賀、長崎の黄色種というものは、地域的にいっても一県或いは東北全体というような相当広い地域、種類にしても相当まとまっている種類、これらのものについては、全般からいってごく小さい例外だというので、例外としては私は相当大きな例外になっておると思いますが、従って全国的、一般的といっても、ごく小さい例外だけを拾っても相当大きな問題になる。こういう実際二千四百万円の交付金というものは、これはけっこうなお話だけれども、これは組合がもらうもので、減収をした耕作者自身については、まあ届がないとみなければならない。減収した耕作者自身の今後の耕作意欲というか、営農資金も行き詰るということになりますので、それは今平林さんがおっしゃったように、別途の機会にお願い申し上げたいということと、私たちの考えておりますその点は一度お含みおき願って、またその際は特別の御考慮を願いたい。それだけを一つ申し上げておきますから、御了承願います。
  118. 青木一男

    委員長青木一男君) 本日はこれで散会いたします。    午後零時五十八分散会    ————・————