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1955-07-29 第22回国会 参議院 商工委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月二十九日(金曜日)    午前十時五十五分開会     —————————————   委員の異動 七月二十九日委員藤田進君辞任につ き、その補欠として阿具根登君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     吉野 信次君    理事            古池 信三君            高橋  衛君            山川 良一君            三輪 貞治君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            深水 六郎君            松平 勇雄君            加藤 正人君            上林 忠次君            河野 謙三君            阿具根 登君            海野 三朗君            栗山 良夫君            上條 愛一君            小松 正雄君            白川 一雄君            苫米地義三君            石川 清一君    委員外議員   一松 政二君    衆議院議員   内田 常雄君   国務大臣    通商産業大臣  石橋 湛山君   政府委員    通商産業大臣官    房長      岩武 昭彦君    通商産業省重工    業局長     鈴木 義雄君    通商産業省鉱山    局長      川上 為治君    通商産業省石炭    局長      斎藤 正年君    労働政務次官  高瀬  博君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       内田源兵衛君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○石炭鉱業合理化臨時措置法案内閣  提出、衆議院送付) ○重油ボイラー設置制限等に関す  る臨時措置に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○国土総合開発促進に関する請願(第  二六〇号) ○総合開発事業等促進に関する請願  (第一六七九号) ○北奥羽地域総合開発促進に関する  請願(第七一六号) ○只見川特定地域総合開発促進に関す  る請願(第四七号)(第一一五号)(第  二三二号) ○只見川電源開発工事促進等に関する  請願(第六五号)(第二三四号) ○只見川電源開発工事促進に関する請  願(第一四一号) ○石油資源開発に関する請願(第二七  二号) ○電気料金引下げに関する請願(第五  五号) ○只見川電力電源地方に優先確保す  るの請願(第四八号) ○只見川電力電源地方に優先確保す  るの請願(第一一八号)(第二三三号) ○日中貿易協定に関する請願(第二三  六号) ○日中貿易促進に関する請願(第六六  一号) ○日中貿易協定締結促進に関する請願  (第一六三七号) ○中小企業金融機関拡充等に関する  請願(第二一三号) ○中小企業振興対策に関する請願(第  九四四号) ○中小企業協同組合法中一部改正等に  関する請願(第一五七二号) ○発明振興対策に関する請願(第一五  一五号)(第一六九〇号) ○国産麻製品使用に関する請願(第一  六四五号) ○オリンピック等派遣費充当のため  の特別自転車競技開催許可に関する  請願(第一六七三号)     —————————————
  2. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それではこれより開会をいたします。  まず、石炭鉱業合理化臨時措置法秦  重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律案  これを議題にしまして質問をお願いしたいと思います。  その前に、重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律案につきましては、衆議院修正があったようですから、幸い衆議院から内田君が見えておりますから、修正の大体の御説明を願ったらいいかと思います。
  3. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) ただいま御紹介がございました私は衆議院商工委員会自由党所属理事内田常雄でございます。  政府提案重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律案につきましては、先般来衆議院におきまして慎重審議を重ねて参ってきたのでございますが、その審議の過程におきまして、これから申し上げますような大体三つの点にわたる修正が適当であるというような結論に達しまして、多数によりまして、衆議院といたしましては修正可決をいたしまして、貴院にお送りをいたしたような次第でございます。  修正案の概略を御説明を申し上げます。修正の部分は大ざっぱに申しまして三つございます。  第一点は、原策の第四条修正でございます。すでに御承知のように、この法律案原案は、重油ボイラーに無制限重油を供給をいたしまして、本来重油消費しなくても済むような場合に外貨を要するところの重油を浪費をすると申しますか。よけいに使う、あるいはまた地方におきまして石炭合理化という問題が起って参りまして、政府におきましてもそれに関する法律をお出しになっておる際に、いたずらに重油消費をこれ以上増大をいたして、他面における石炭合理化を妨げるようなことがないというような配慮でできていると私ども承知をいたしておりますが、その点に関しまして政府提案は、第二条、第三条、第四条におきまして、重油ボイラーの問題に触れているのでございますが、第二条、第四条は、これから新しく重油ボイラー設置する場合、あるいは今まで石炭重油も両方たけるような混焼ボイラーと申しますか、併用ボイラーと申しますか、そういうものを備えているものが、これから重油しかたけないボイラー設置することを押えていくという規定のようであります。新しいボイラーを作ったり改造することを押えているのであります。そのことに対しましてわれわれの修正いたしました第四条原案は、既存重油ボイラーを、政府が必要と認める場合には改造を命ずるとか、あるいは既存重油ボイラーに対して重油消費をさせないとか、あるいは重油消費量を抑え込むと申しますか、減少するような指示命令を出すというふうな規定でございまして、われわれの到達いたしました意見からいたしますると、二条、三条のように、これから新しく重油をたくものを規制するのはこれはもっともであるけれども、第四条政府原案そのままでありますと、御承知のように昭和二十七年ごろ以来政府指導勧奨をして、従来の石油ボイラー重油ボイラーに直させ、その結果企業合理化ができたり、あるいは輸出が伸びたり、またいい品質のものができたり、あるいはまた企業のすべてがその重油ボイラーにマッチするようなふうにいろいろ手直しをされてしまったものを、通産大臣が必要と認めたということだけでこれを逆転換と申しますか、再転換する、押え込むということは、これはある場合には必要であろうけれども原案の形のままにおいては行き過ぎではなかろうかということで、原案に対しましてお手元に配付されておりまするが、第四条によって通商産業大臣権限を発動する場合に考慮をしなければならない三つ事項を新しく差し込んでいるのでございます。この事項につきましてこまかく御説明申し上げるまでもありませんが、たとえば四条を発動いたします場合に、石炭への再転換が容易であるかむずかしいか、あるいは石炭へ再転換させる結果、生産能率が落ちるとか、操業度が落ちるとか、あるいはまた製品品質に影響を及ぼして輸出が妨げられるかというようなことを十分考慮して、これらの事項によって通商産業大臣権限を発動すべき場合を、別に定める審議会基準を作っていただいて、その基準にのっとって通商産業大臣権限を発動する、かようにいたしてございます。言いかえますと、原案の第四条は、通商産業大臣自由裁量ということになっておったのでありますが、これをさような無制限自由裁量規定とすることなしに、一定基準範囲においてやるといういわば法規裁量のような形に直しましたことが修正の第一点でございます。  第二点は、原案第六条の修正でございます。原案第十六条は、これはすなおに読みまして、必ずしも政府原案のこの法律の体系の一つとしてマッチする規定であるかどうかということをわれわれは非常に懸念をいたしたのでございます。政府原案の第六条によりますると、通商産業大臣は、必要の場合には、重油生産業者輸入業者または販売業者に対して重油出荷とかあるいは販売価格について指示命令ができるという、考え方によってはおそるべき規定である。油の需給統制規定と申しますか、あるいは価格統制規定と申しますか、さらに考えますと、一種総動員法規のようなものが率然としてこの第六条に入っている。これは運用のいかんによっては非常に危険を伴うことである。これは慎重にこの条文については考えなければならない。かような見地から、出荷とか販売価格等に関する指示命令というような規定衆議院修正案におきましては削りまして、第二条、第三条、第四条等におきまして、重油を抑え込む措置を講ずる半面に、緊要な用途にどうしても重油を供給しなければならない場合には、政府がこれを円滑にする措置をとるような一種サービス規定と申しますか、訓示規定と申しますか、親切な規定というような形に直したこと、これが第二点であります。  第三点は、附則のこの法律施行期間でございますが、これは前々から時限立法になっておりまして、この法律施行後十年以内に廃止する、こういうことになっておりました。ところが一方この法律関係を持ちますところの石炭合理化特別措置法の方におきましては、これも時限立法でありますが、この方は五カ年の時限立法になっております。五カ年のうちで、ことにこの法律規定並びに通商産業大臣の御説明によりますと、石炭合理化特別措置法の中でも、坑口開設制限に関しましては、これはいやしくも国民企業の自由を制限する条項であるから、事の性質にかんがみまして、ことに坑口開設制限は三年しかやらないという規定もあり、御説明もあったのでありまして、さようであるならば、この石炭合理化法律と相対応すべき重油措置に関する法律期限も、十年というのでは均衡を失しているので、少くとも石炭合理化法と同じように五年間であるべきである。あるいはさらに坑口制限を三年とするというようなことを考えますと、重油ボイラー制限も三年でいいのではないかという考えさえも持ったのでありますが、これは法律の全体の建前から、石炭合理化と同じように五年ということで期限をそろえた。以上の三点が修正の要点でございます。  この修正につきましては、正直に申しまして、衆議院におきましてもいろいろ意見がございまして、私どもが所属いたします自由党としては、重油制限につきましては、これから新しく重油消費するような方面に対しましては、これは原案通り規制をしていってもよいであろうけれども既存重油ボイラーを抑え込むというようなことは、これははっきりした除外例を設けた上においてなすべきであり、たとえ法規裁量といえども、そこに政府裁量の余地を残すということは適当ではないというようなことで、実は一、二、三、四等のはっきりした除外例を設けるような考え方で参りましたけれども、民主党その他とも協調いたしまして、妥当なる修正といたしまして、参議院にお透りしたようなところに到達をいたした次第でございます。何とぞ衆議院修正の意のあるところを御了解を願いまして、貴院におかれましても御同調を願えますならば幸いでございます。一応趣旨を御説明申し上げました。
  4. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 御質問をお願いします。なおこの両法案は非常に関係が深いと思いますから、両法案に関して同町に御質問願ってけっこうだと思います。
  5. 河野謙三

    河野謙三君 衆議院の先生に伺いますけれども、今の修正の精神を伺いますと、修正者の方では、政府がこの両法案の基本としているところの三十五年までの総合燃料対策、これとはほとんど無関係にこの修正をされたように伺いますが、その点はどういうふうになっているのですか。
  6. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) お答えを申し上げます。実はただいま申し上げましたように、政府原案におきましては四条六条等が非常に行き過ぎ規定になっているように考えまして、これらの運用につきまして石橋通商産業大臣を初め、政府委員諸君質問を続けて参りますと、運用の実態においては、実は石橋通産大臣に関する限り、あるいは川上鉱山局長とか、ここにおります斎藤石炭局長がそのいすにとどまり、また今日のお考えを変更しない限りは、四条、六条もこれによってむちゃなことをしようとすることはない。たとえば四条は、通商産業大臣が必要と認めればいかなる事態のもとにおいても重油ボイラー改造を命じたり、あるいはせっかくある重油ボイラーに油を供給しないような指図ができるとありますけれども、今の通商産業大臣を初め現当局諸君におかれましては、さようなむちゃなことはしないつもりであるというような御答弁もございまするし、従って今お尋ね石炭重油消費に関する今後五カ年の総合エネルギー対策と申しますか、それらの立て方につきましても、この法律で何でもできるということで、むちゃくちゃに重油を抑え込むという建前から計画を作っておらないということがはっきりといたしたわけであります。果してしからば、これは石橋大臣のような聡明の方がおられる間は私ども安心でございますけれどもいつおかわりになるかわからぬ。あと大臣なり、局長なりが、読んで字のごとしということで第四条六条等を非常に大幅に動かすようなことになると、これは大へんなことであるから、石橋大臣なり局長なりが説明されるようなお考えであるならば、ここでお考え通り修正しておいた方が、世間のためにもよかろうという趣旨修正でございます。従いまして、この裏付けになります重油の今後の消費見込み筒というようなことにつきましては、通産大臣のおっしゃることがおっしゃる通りであるとするならば、この修正によって数字上著しい変更はなかろう、かように私どもは判断しているわけであります。
  7. 河野謙三

    河野謙三君 私はあなたから具体的に、われわれが予備審査の際に政府から聞いているのと全然違った具体的な御説明をされましたから、それを私はそこに矛盾を感じてお尋ねしたい。というのは、政府の方では、重油消費規制については、既設のものでさえも不用のものはもちろんのこと、さらに積極的に政府総合燃料五ヵ年対策ですか、これの一環として、ある程度はこの既設のものも不用でなくて、これは業者からいえばこの方が得であるというものも、高い見地から見た国の経済からいえばこれも切っていかなきゃいかん。具体的には、現在のさらにここから切っていくと、こう言うのです。それをあなたの方で、今までやっておるものは既得権として認めてやっていこう。これから新設のものについては大いに規制していこう、こういうことをはっきりおっしゃった。政府説明するのは違うのです。政府は減らしてくるというのです。あなたは今までのものは認めていこう、これからの分は規制しよう、そういう御説明があった。
  8. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) もう一ぺん詳しくその点を私ども考えを申し上げますが、今あなたの御質問は、私の申し上げた一面だけでありまして、この四条修正にも明らかなように、われわれは既設のものは大所高所から見て油を使わなくていいものであってもこれは全部認めていこうという趣旨ではございませんで、既設のものであることを第一条件、しかも第二条件としては、既設のものにそのまま油を使わしていくことが、今度は国民経済全体のためから、あるいは輸出の伸張とか企業合理化とか、あるいは単価の引き下げとかいう面から石炭にこれを再転換させるならば、国民経済全体からいっても非常に損であるというような事態のもとにおいて、一定基準のもとに、通商産業大臣の判断を加えてこれを規制することでありまして、既設のものは何でも、これは既設のものであるがゆえに不用であっても重油を供給するとか、重油ボイラー改造を認めないということではございません。この点は十分一つ了解を願いたいと思います。四条書き方もさようになっておるわけでございます。
  9. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと修正者政府とは規制方法について同意だということになるのですね。
  10. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 方法手段と申しますか、規制の対象になるものについては同じだという理解に到達をいたしました。たとえば、これは一例でございますけれど、衆議院の問題になった一つの例に染めものがあるのでございます。京染め、堅牢染めといったようなもので、これは世界諸国に日本のさような一種染め方によったものが、そういう布帛類繊維類輸出をされるのでありますが、この輸出を維持しようとすれば、どうしても重油ボイラーを使った堅牢染めでなければその輸出向きにならないと、これはどうすべきであるかというような御質問もございましたが、通商産業大臣の御説明によりますると、第四条によれば、おれが必要と認めたらそんなものでも何でも制限できるように文字からはいくかもしれないけれども、さようなものは自分は重油規制する必要は認めないので、さようなものは従来通り重油を使わしていくのだ、こういう御説明会議録に載っておる。その他四条修正基準制限しております一、二、三等につきましては、通商産業大臣説明をだんだん承わりますると、やはり内容については意見一致で、事態を変更するものではない。ただ条文の現わし方を、通産大臣のおやりになろうと思う通り表現し、国民の各層を安心せしめるためにかような事態に沿った修正をした、かようなことでございます。
  11. 河野謙三

    河野謙三君 修正者の方でも御承知でしょうが、輸出入取引法改正で、政府原案公取同意を求めるというやつを協議と直しましたね。それについて通産大臣は、これは協議としても同点を求めると同様の効果をおさめるように、それは公取と十分の意思の疎通をはかってやる。内容的には現状と同じだというような——そういう表現ではありませんでしたが、そういうお言葉があって、われわれはよく納得したのです。今度のあなたの方の指示権審議会にかけるということは、これはちょっと違うのですね。これはいかに通産大臣がどういう御答弁になるか、私はあとで伺いたいと思うが、審議会意思というのは通産大臣は何といっても左右できない。ところが指示権を持っていなきゃならぬという政府原案、この総合燃料対策一環として絶対的な線があるわけです。通商産業大臣燃料対策をその絶対的の線の範囲内でやるということは、指示権がなければできないわけです。この指示権を削って審議会に移すというのは、そこで総合燃料対策は崩れてきておると思うのですが、それについては何か御論議ありましたか。
  12. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) もちろん十分な論議があったのでございまして、通商産業省でおきめになった総合燃料対策というものは、通産大臣一人の主観的な頭でおきめになったものではない。総合燃料対策であるから、この種の機械には石炭を使わせる、この種の機械に対してはどうしてもエレクトロン、電力を使わせることがいいとか、この種の企業にはこれはどうしても油を使わせるのがいい、あるいはまたこれは単にボイラーとか鉱工業ばかりでありませんで、水産業とか輸送方面、どうしても油を送らなければならぬものがあるのでありまして、国民経済全体から無理のないところできめられた、われわれも納得した。通産大臣一人の頭で、石炭を今後五千万トンどうしても消費させるために、たとえば重油消費は五百五十万キロ以上には、水産用とか鉱工業用とかいうものを加えても、それ以上はびた一滴も供給しないというのは、われわれはとうてい納得できませんでしたので、総合燃料対策というのは大所高所から国民経済を豊富にし、円滑にするためにきめられたものであるかどうか。そのためにはあらゆる面に無理がないかどうかということを詳しくお尋ねをいたすのでありますが、無理のないところへ国民経済が自然に発展するために大きく織り込んでいくと、こういう趣旨お答えでございましたから、従って私たちもそのお答えを信頼をいたし、それと合うように審議をいたしたい。  それからただいまの御質問のうちにございましたことでございますけれども輸出入取引法修正で、通産大臣公正取引委員会同意を得なければならないという点を協議に直しました点でありますが、それも昨日お話しの衆議院の同志から説明をいたしまして、御納得がいただけたことになると思いますが、これにつきましても私どもも全く参議院のお考えと同じでありまして、そのために付帯決議におきましても、十分公正取引委員会意見を尊重しなければならない付帯決議までもつけ、またそれに対する通産大臣からの御意見の表明もございまして、ただこれは実施になってそれに及ぶつもりはございませんが、公正取引委員会同意ということでいつまでも一体カルテル行為あるいは組合統制規定等がきまるということは、これは迅速を尊ぶ輸入取引の面として非常に支障を与えるので、これに対しまして参議院である期間除外例を設けるという御趣旨に賛成されるという御意見でありますから、皆さん方の御意向を尊重するように衆議院側も努力をいたすつもりでございます。  要するに今度の修正についてのただいま河野さんからのお尋ねについては、われわれは、政府があまり抑えつけるということでやっておりませんので、大臣がかわっても局長がかわっても、今後目的にはずれないようにということで修正をいたしたものでございます。
  13. 河野謙三

    河野謙三君 いや、政府のわれわれに示しました総合燃料対策というのはもちろん政府の案でありますけれども、それは政府がこういう燃料対策を立てるまではおのずと天下の識者の意見を聞いてわれわれに示す。それで衆議院の方でもこの政府燃料対策というものについては一応肯定したわけでございます。その前提に立ってこれから燃料対策を速めていくわけですね。ですからそうであるならば、この政府指示権がなければ私は崩れてくると思うのです。われわれはこの総合燃料対策というものを前提に是認していないわけです。是認してかかっておるのなら、その総合燃料対策の遂行上政府としては指示権がなければ、さらにこれからもう一人おしゅうとさんを持って、審議会にかける。審議会意見総合燃料対策とは全然別個の答申が出たら一体どうなりますが。
  14. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) もう一度御説明申し上げます、この第四条のが修正によります一号、二号、三号というものは、これは審議会答申といいますか、審議会意見をも拘束するものでございます。またこの四条によりましても、通商産業大臣指示権があることを前提といたしておるのでありまして、この通商産業大臣の発動する指示権をも拘束するわけでしょう。言いかえますならば、通商産業大臣が朝起きて大へんごきげんがいいから、そのときはこんな重油は切る必要がないというので発動させる。夕方疲れてごきげんが悪いから何でもかでも皆切ってしまえということで通商産業大臣指本権を発動されては困りますので、そこでこの適当と認める合理的な基準を設けることを四条にうたってあると同じように、審議会答申におきましても、審議会にどういうりっぱな人が集まられるか、これはこれから通産大臣がおきめになることでありましょうが、いかなるりっぱな方であるとしても、これらの方がまたむやみに判断して答申をされないように、一定基準に沿うか沿わないかということで答申をされる。最初に申しましたように、その四条規定は、通商産業大臣自由裁量という考え方法規裁量一定の法規の範囲内における合目的の範囲内においての裁量ということにいたしたわけでございまして、河野さんの御心配はなかろうと、まあお言葉を返すようですが、思いますが、御了承をお願いいたします。
  15. 河野謙三

    河野謙三君 暑いときにまことに同じことで失礼ですけれどもね、審議会というものは通産大臣を拘束する力はないのですか。審議会権限というものはどういうことなんですか。
  16. 吉野信次

    委員長吉野信次君) お願いですけれども、時間があまりございませんのですが、なるべく御答弁は簡潔にお願いいたします。
  17. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) ただいまの点お答えをいたしますが、審議会はもちろん権限があるのでございますが、審議会権限通商産業大臣指示権限とを、非常に幅の狭い一定範囲の間で両者の意見を合致させるというところにこの四条規定を織り込んであるわけであります。あとからまた、実は山川委員の方から、お前は一つ数字的の説明をせよというお話が先ほどありましたが、それはまた後ほど……。一応私は河野さん、誠意を尽してお答え申し上げます。何とぞ御了承願います。
  18. 河野謙三

    河野謙三君 私は大事なことであると思うのですがね。かりに審議会答申が、政府が持っておるところの総合燃料対策のワクをはみ出して答申がされた場合に、それは通産大臣はそれさえも審議会答申を採用しなければいかぬというために拘束を、法律上は別として、まあ法律上も問題ですが、徳義上からも、その拘束を受けなければならぬということになっておるのかどうか。
  19. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) さようなことになっておりません。審議会答申する範囲は、この四条の一、二、三に書いてある基準に合致するものでなければならないのでありまして、たとえば今七の重油ボイラーを使ってある製品を作っておる、その製品品質もいいし、またそれは輸出をされておるのであるが、これを石炭ボイラーに切りかえても何ら品質も落すことはないし、あるいは輸出を妨げることがないという、こういう事実の判断に基きまして審議会答申をいたしますならば、これは通商産業大臣もそれを採択なさるでありましょうけれども、それに反して、石炭ボイラーにかえてしまったならば、これは輸出も妨げられるし、品質もがた落ちだというような際には、石炭切りかえを答申されましても、この場合にはこの法律に基く審議会答申権の外でありますから、この場合には、通商産業大臣法律上その答申をとる必要はないというふうなことになる次第でございます。
  20. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと極端に言いますと、審議会というものは盲腸みたいなものですね。
  21. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) そそうではございません。
  22. 河野謙三

    河野謙三君 通産大臣は必ずしも拘束を受けないということになるのですね。今の米価審議会よりももっと悪いかもしれない。米価審議会が何年たっても、米価審議会意見というものは政府が採用したことがない、それは予算の関係で拘束を受けるかもしれないか……。
  23. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) お答えいたします。米価審議会のようなことにならないために、四条法規裁量には一、二、三という基準を入れてあるのでありまして、米価審議会にはかような規定がない。ですから二万円、三万円という米価の答申もかってでありましょうが、米価五千円という答申もかってにできるでありましょうし、そこに答申とそれを採用せんとする政府との間に非常なもんちゃく、矛盾が起きるのでありますが、さようなことのないように十分配慮いたし、また法律の専門家とも御相談いたしまして、かようなものを作ったわけであります。  なおまた一言申し添えますと、これは蛇足でありますが、先ほど輸出入取引法につきましてのお話がございましたが、それと同じように、この審議会に対しましては、先般石油資源開発株式会社の設立に関しまして、われわれは審議会は不要であるという結論でありまして、政府原案修正いたしましたのに対して、参議院当局におきましては、審議会ですか、委員会は必要であるということで修正をされまして、われわれも会期末切迫の折柄、皆さんの御意向を尊重いたしまして、これは左から考えますのと石から考えるのと多少の考え方の違いもありましょうが、御意見を尊重いたしまして、評価委員会でしたか、審議会でしたかを、石油資源開発会社法の場合にも、本院の御意見を尊重いたしまして入れたようなわけでありまして、さような見地からも、ぜひ一つわれわれがただいま誠意を尽して御説明いたしましたような事情でございますから、御納得をこの程度でいただきたいと存じます。
  24. 河野謙三

    河野謙三君 私は審議会がいかぬというのじゃないのですよ。それは国民経済国民の生活に重大な影響があるものは、これは財政法にあるように、すべて国会の審議を待つべし、一一国会の審議を待てなければ、せめて審議会のような制度を作って国民生活に影響のあるものは審議会の議を経るというのでしょう。私は原則的には認めるのですよ。ところが今度の場合には、燃料総合対策というものは一つの限界がきまっている、政府の方に。その限界を侵すようなことが審議会にあったならばどうかということを私は聞いておるのです。それについては納得いきませんけれども、ほかの委員の方にもいろいろ御質問があるから、あらためて政府に伺うことにいたしますが、一点通産大臣に伺っておきます。  通産大臣は、今後審議会答申を作った場合に、審議会意見というものは終始尊重される、尊重はもちろんですが、終始採用される御決意ですか。
  25. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) むろん、しかしながら、お話しのように全体の燃料総合対策に反するような答申があった場合には、これは困ると思います。ですから今内田衆議院議員から御答弁がありましたように、そういうことは常識的にないと私ども考えます。ですからこういう専門家の審議を受けることはこれはけっこうと思いますが、しかしそれらの問題の範囲はおのずから限定されるものと信じておるわけであります。
  26. 海野三朗

    ○海野三朗君 今のに関連してちょっと。ただいまの審議会というものは、そういたしますというと、通産大臣のいわゆる補助機関、つまり参考にそれをただ設けたというだけにすぎないことになると思うのですが、そうなんですか。審議会というものは審議会意見というものは、ただ参考に供する、都合の悪いときにはそれは採用しないのだ、いわゆる便宜上ただ設けた機関にすぎないのですか。どうなんです。そこを通産大臣にはっきり私は伺いたい。審議会意見というものを尊重すると言われたけれども、それは結局するところ、通産大臣の参考機関にしかすぎないというか、つまり補助機関だということでありますか。
  27. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) お答えいたします。修正案を見ますと、「審議会の組織、権限及び運営に関する事項その他審議会に関し必要な事項は、政令で定める。」これからこれを政令で定めるわけでありますが、私どもの今の見解では諮問機関だと考えております。
  28. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 ちょっと関連してちょうど河野君の御質問の要点に触れる点で質問しておきます。ただいま、私初めから伺っていないのであるいは少しピントがずれているかもしれませんが、第六条の質疑応答を伺っておりますると、政府原案に対て衆議院修正案とも運用上においては大した大きな開きはないのだ、こういう御説明があったように伺っております。
  29. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 今やっているのは四条です。
  30. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 四条ですか。四条でもいいです、全体の考え方のことを言っておりますから。……そういうお話がありました。おそらく六条、七条についてもそういうことであろうと思いますが、この私どもが受けておるところでは、原案者の意向と修正者の意向との間には意識的に相当強い懸隔があると私どもは見ておるのです。それが実際委員会における質問応答の過程で答弁に立たれるときは、大した変化はないのだということをおっしゃるのは、これは法律案をなるべくイージーに可決決定に持っていきたいという御所存であろうことはわかりますけれども、真意を隠して言葉でカムフラージュをしようということは、私は親切なやり方ではないと思うのです。きのうでも、実は輸出入取引法において、私はそこまで申し上げませんでしたけれども同意協議の問題でも、これははっきりと意識的に違えて運用をやろうということが肚の中にあるわけです。ですから修正者ははっきりとこのことを言明せられるべきだったと思う。それから通産省当局もその点をはっきりと使い分けをして、原案においては同意であったけれども協議ということに衆議院で改められた以上はその精神にのっとって運用せざるを得ない、こういう言明をせられるのが、委員会の審議においても紛糾は招かないし、一番率直で、涼しい格好で法律案というものの審議ができたと思うのです。ただいまも、きょう伺っておりまするというと、そういう格好が大へんできて、昨日と違う点は、通産省の方が今度は修正に対して寄られているようでありますが、そういうものの性格を変えるようなものの修正が行われた場合に、それをカムフラージュするような発言というものは、私どもとして率直に受け取りかねるのでありますが、その点はどういうふうなお考えなんですか。
  31. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 衆議院におきまして非常な慎重な質疑応答の結果でございますが、原案四条というものは率直に読んでみましても、これには例外がないのでございます。たとえば二条、三条に新らしくボイラーを作ったり、また石炭重油混焼ボイラーに直します場合、つまり新らしいものをこしらえます場合にはいろいろな除外例原案においてはございます。しかるに既存重油ボイラーを、政府が指導、勧奨し、また当該企業におきましては非常に金を使ったり、思い切った決心のもとに行なったこの重油ボイラーの場合には除外例がないのでありまして、わずかに重油の使用量が著しく少い者に対しては、この限りにあらず、すなわち微量消費者に対してはこの限りにあらずということがあるだけでありまして、あと通商産業大臣が必要であるかどうかということだけに四条の発動をかけているのでございまして、私は先ほど大へん卑俗な言葉で申しましたように、朝起きてきげんがよければ全部通してくれるが、夕方きげんが悪ければ全部抑え込むというような質問を私どもがいたしましたところが、そうではないのだ。二条、三条というものは何人といえども新設をしてはいかんと書いてあるから、そこではっきり除外例を法制的には置き得るし、置くことが容易であるけれども四条は何人といえどもという書き方になっていないために、除外例は法制上ははっきり置いてないけれども運用のあり方としては、何べんも申すように、重油から石炭に無理に切りかえさせた場合には輸出がだめになるとか、品質ががた落ちになるとか、操業度が低下するとか、それはいやしくも通商産業大臣といって閣僚に列しているわれわれがやることであるから、そういうようなことをやるつもりはないのだ。これはいろいろの例は省略いたしますけれども電力の部門とかあるいは鋼材の部門とか、いろいろな部門においてどうしても重油を使わなければならん場合があるのでありますが、それらのものについては、自分はそういうようなものを石炭ボイラーに直すことがどうしても必要だと認めるようなばかなことはしない。こういうお話で、だんだん突き詰めて参りますと、法律原案の書き方いかんにかかわらず、通商産業大臣の御意思は、われわれが修正をいたしました四条基準のようなものを、これを自分ももととして、基準にしてやるつもりである、かようなことに落ちついて参ってきたのであります。  しからば、これは法律でひとり石橋通産大臣運用するばかりでなしに、だれが大臣になられても、局長になられても、運用の適正を期せられることを、せっかく行政法規を作るのでありますから、それでよかろうというようなことで、かような修正に持ってきたわけであります。  なお栗山さんはおいでがなかったから同じことを申し上げますと、私は自由党でございますが、私どもといたしましては、この四条修正をもっと強くして、審議会を設けて、基準を定めて、その基準にのっとって通商産業大臣指示を発動するというようなことでなしに、どうしても通商産業大臣指示権の及ばない除外例を一、二、三とはっきりしてしまおうというようなことまで考えまして、民主党とも打合せました結果、われわれの行き過ぎを引っ込め、また民主党の諸君の御理解も願って、そしてこの程度の修正案ができたのであって、おそらく参議院の皆さんにおきましても御理解が願える、かような趣旨から修正を出したものでございます。
  32. 河野謙三

    河野謙三君 審議会の問題についても、この修正案を受け取った政府の方の見解は、今の通産大臣のお話しではっきりしたわけなんです。お開きのように通産大臣はこの審議会審議の幅というものは総合燃料対策の根本方針を侵さない範囲内において審議をしてもらい、その範囲内においての答申を受けるのだ、今こういう御答弁でありましたが、修正者の力は、審議会というものはそういう幅の中においての答申ということでいいのですか。
  33. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) まあ大体さようなことでしょう。
  34. 河野謙三

    河野謙三君 大体って、大体にも大体でないにも通産大臣は……。
  35. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 議論になるかもしれませんが、お答え申し上げますが、総合燃料対策というものは、むろん政府がきめられたものはきまっておりますが、国民経済大体を行うのに、それぞれエネルギーの供給源でありますとか、あるいはエネルギーのメリットでありますとか、そういうものを総合経済的に毒えてできるものと思います。従って政府がきめられた総合燃料対策というものを、われわれもプリントにしていただきました。数字がずっと載っておるものでございますが、それはあの通り実行することが国内供給のエネルギー資源とかあるいは輸入エネルギー資源との関係、あるいは国外関係、あるいはそれらの使用効果、効率等をも考えられて適当なものであるという前提のもとにわれわれは了解をいたしておるのであります。従ってこの第四条規定によって非常にその無理をすることがなくなったわけで、きわめて重油規制のやり方というものが大所高所から経済的にできるわけで、それによって与えられた結果が、政府が所期しておる総合燃料対策と当然合致しなければならない、こうわれわれは理解をいたしておるのでございます。
  36. 河野謙三

    河野謙三君 いや、その現在示されている総合燃料対策は、これは今後の世界の経済、日本の経済の動きによっていろいろ座標がズレることは当然ですね。たとえばここで意見を言うと、三十五年までに石炭を五千万トン掘る、そうして石炭を安くしょうとしますけれども石炭を安くしょうと思えば、いい鉱区をやれば一番いい。極端に言えば日本の石炭の出炭量を下げることによって一番安くなるのだ。いいところだけ掘ればいいのだが、それを五千万トンにまでもふやしておいて、悪いところへ手をつけて安くしょうということはこれはできない相談だ。そんなことはできっこない。そういう議論は別にして、総合燃料対策というものはそのつど政府が持つわけで、その政府が持つ総合燃料対策の基本の範囲内において審議会答申を受けると、こういう通産大臣の御意見に対しては修正者の方は御同意になるかどうか、それを伺っておきたいのです。
  37. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) どうも御質問趣旨が百パーセントまで私わかりません。大体お気持は、私も大所高所から国のためを考えておりますし、河野先生もさようなことでありましょうから、それは私は一致しておるものと考えております。  なお御理解の便利のために、総合燃料対策につきまして一つの数字を私が申し上げてみますと、総合燃料対策並びにこの重油規制法によりまして……。
  38. 河野謙三

    河野謙三君 ちょっと発言中ですが、私は総合燃料対策の内容の説明を聞くのじゃなくして、審議会運用なり権限というものの幅を聞いておるのであって、そこで私は続いて申し上げます。  今通産大臣がおっしゃったことに修正者の方も大体同意であるとすれば、審議会というものはこれは政府の御用機関ではありませんか。お前たち審議しろ、委員はおれが任命する、審議会諸君はここからここまでの幅の審議をして、政府の立てておるところの総合燃料対策範囲を逸脱してはいかぬ、そういう場合には採用しないということを初めからいって、これは御用審議会ですよ。私は審議会を作る以上は、審議会は幅を持つべきでない。先ほど米価の話があったけれども、米価審議会消費者、生産者、学識経験者で、その米価が二万と出ようと三万と出ようと、そんなことに米価審議会のワクをはめるべきじゃない。審議の初めからワクがないのが当り前だ。私はそういう審議会は、こういうのは前例がないと思う。お前たちここからここまでの範囲内の審議をしろ、こういうことでしょう、大体は。私は審議会はいいのだが、そういう審議会なら、ちょっとこれは考えなきゃならぬと、こういう最後に私は意見を申し上げたわけです。そうなりはしませんか。
  39. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 河野さんの御理解になっている限りにおいては、私はさようになっていると思います。
  40. 河野謙三

    河野謙三君 御用審議会ですな。
  41. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 御用審議会と、いいますか、政府がこの法律によって委員も任命をいたしますし、さらにまたその運営権限等は内閣の、いわば一種の閣令でありますところの政令でもって定めるということでありますから、政府が作って政府が任命する委員会であるから、御用機関だと言えばこれはそれまでのことであると思います。われわれのように選挙で上ってきたような者と違いまして、政府の任命することでありますから、その意味においては御用機関であると思います。
  42. 河野謙三

    河野謙三君 何というか、そういう捨てぜりふで……、私はけんかしているのじゃなくて、せっかくの審議会を、天下の学識経験者を、権威のある人を選ぶ以上は、そういう失礼な、私は審議会委員を任命し、そういう失礼な審議会運用ということは、私は過去において前例がないと思うし、その点については……。
  43. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) それじゃ一つ補足して申し上げますが、たとえば第三条、第四条審議会委員の問題でありますが、通常の審議会委員を選びます場合には、たとえばその需給双方の代表でありますとか、それに学識経験ある者というふうに双方を入れるのでありますが、この審議会におきましては、いたずらに利益代表のような形になりまして、結論がどこに到達するかわからない。先ほど米価審議会の例が出ましたが、私はこの方の専門家じゃありませんから、その見当は違いますが、米の消費者あるいは生産者というようなものは、常に違った角度から意見を出すということで非常に困るわけでありますけれども、この審議会はさような需給双方の代表者、業者の代表という観点に立たないで、学識経験のある者を集めて合理的の結論を出していただこうということをねらっておりますから、その趣旨はこの四条にも言っておるのでありまして、いやしくも審議会であれば、審議会の何人かが判断をする結論はどういう結論に達しても、それを政府に突きつける、政府はそれをのまなければならない。またその結果、お話しにありますように、総合燃料対策計画というものを崩しても、それはやむを得ないということになることは必ずしも適当ではありませんので、ここでは一定の幅を与えて、いかなることを基準としてこれらを制限したらいいかどうかということを審議会に作ってもらう。そうしてその審議会が作られた基準に従って通商産業大臣趣旨を発動する。しかもその基準としては、いかなる観点から基準を作るかというと、この法律に書いてありますような三つ事項を、基準の何といいますか、スタート・ポイントとしてきめる。まあこういうふうにできるだけ合理的に、おそらくは河野さんがお考えになっているところと同じ結論に達するような趣旨で作ってあるわけでございまして、私の表現が悪うございますけれども、御理解を願います。
  44. 河野謙三

    河野謙三君 これでやめますから、答弁が満足いってもいかなくてもやめますが、一言だけ私は最後に申し上げますが、審議会というものは、私はこういう期待を持っているのです。今、あなたがおっしゃるように、消費者とか生産者というものに片寄らない、ほんとうに第三者的な、公平な人をもって審議会を構成すると、こういう修正者の御意見は私は非常にいいと思うのです。そういうりっぱな方が出たのなら、そういうりっぱな方によって構成される審議会によって、政府の立てた総合燃料対策にさえも大いに影響力を持つような審議会であることを私は望んでいるのです。私はほんとうはそうなんですよ。ところがそうでないという修正者の御答弁であり、また通産大臣は立場上これもあるべきだと思うのだが、おれの立てた総合燃料対策について手をつけさせない、それの範囲内においてやるのだ。こういう審議会なら不見識きわまるものであって、そういう審議会なら私の期待したものと違うじゃないか、こういうことなんです。私は修正者の方に今伺って驚いたのですが、そういう不見識な審議会をいいとされて修正をされたとは毛頭思っていなかった私はこの審議会について修正者の御意見を聞いて失望しつつこの質問を一まず打ち切ります。
  45. 小松正雄

    ○小松正雄君 私は修正をされました先生に対してお尋ねしておきたい。  ただいま議題となっておりまする石炭鉱業合理化臨時措置法案とそれから重油ボイラー設置に関する法案とは、まず劈頭にあなたがおっしゃられたように、総合燃料対策一環としての法案であるとしていろいろなところを修正したのだと、こういうことをおっしゃったのですね。それを私は信じて今お尋ねしようとするのであって、総合燃料対策のために政府が両法案を一緒に出して、そしてこれが一緒に審議して議決されなくては、どちらかが審議の過程に立ってまあ通過せなかったということになれば意義はないと、かような考え方を私は持っており、また政府もさように考えてここに提案されたと、かように私考えまするので、そこであなたのおっしゃったことを中心として、私はここで三、四点お尋ねしてみたいと思う。  まず、重油規制をしようというのが政府のねらいであり、また重油規制をするということは、重油をたいているかまを改造するか、新らしくこしらえるかというようなあり方から政府としてはこの重油規制をしようと、こう考えておると思います。そこで重油規制の量をまず総合燃料対策から考えまして、五カ年後にはどの程度ここに減ればいいとお考えになっておるかということをまずお伺いしたい。
  46. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私どもの方としましては、鉱工業につきまして、大体三十五年度におきまして現在よりも七十万キロリッター程度減らしたいというふうに考えております。
  47. 小松正雄

    ○小松正雄君 そういたしますと、またこの五カ年後には石炭というものは、政府は、あわせてただしておきますが、石炭は五カ年後にはどれだけ必要になると考えられるのか。
  48. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) すでに資料としてお配りしてあると思います。四千九百万トン、三十四年度におきまして四千九百万トンというふうに考えております。この数字の中には、今鉱山局長からお答えいたしました油の節減によって需要の増加する分を八十七万トンあるものと計算いたしまして加えております。
  49. 小松正雄

    ○小松正雄君 そういたしますと三十四年度には四千九百万トンは可能である、その中で重油をわずかに八十七万トンですかを減らしていこうというのですか。
  50. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) 四千九百万トンの中には重油転換分として八十七万トンの分を尾込んである。ただし、もちろん重油転換で七十万キロ減りました場合に、石炭はそれは八十七万トンになるわけじゃございませんが、この七十万キロの油が転換される需要の中には、練炭でありますとか、あるいはガスでありますとか、あるいは電気でありますとか、そういった二次的に変形された形での石炭転換する分がございまして、その分はそれぞれ練炭なり電気なり、あるいはガスなりの石炭需要の中に見込んでございますので、そういうものを除きました分が八十七万トン程度だというふうに考えまして、それだけを織り込んであるわけでございます。
  51. 小松正雄

    ○小松正雄君 八十七万トンといいますと、重油にいたしますと、換算で、私のしろうとの聞いておるところで考えますと、四十四万キロリッターぐらいの重油規制をする、五ヵ年かかってボイラー改造から、あるいはまた新しいかまに切りかえたりして、そうしてようやくわずか四十四万キロリッターぐらいしかできないのか、石炭に対することから考えまする場合に……お尋ねします。
  52. 川上為治

    政府委員川上為治君) 先ほど申し上げましたように、私どもの方としましては、二十九年度、この鉱工業関係のものが三百七十万キロリッターぐらいでありますが、それは五年後におきましては三百万キロリッターくらいにしたい。そしてこのボイラー転換さして、あるいは今石炭局長が申しましたようにガスの方へ転換するとか、そういうものが出てくるわけなのでありますが、そういうものを全部ひっくるめまして、少くとも七十万キロリッターぐらいは削減していこう、こういう考え方でございます。
  53. 小松正雄

    ○小松正雄君 そういたしますと、本年度の石炭の需要というものはどれほどですか。
  54. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) これも資料として差し上げてあったと思いますが、約四千三百万トン程度の需要を見込んでおります。
  55. 小松正雄

    ○小松正雄君 四千一二百万トンが四カ年後には四千九百万トンに一応なるだろう、それだけ使用することになるだろうと、こういたしますと、六百万トンというものがここに生産をしてもいいということになりますが、ここにまたあなた方の言っておる石油の規制が、石炭と換算しての割合からいくと、今申しましたように四十四万キロリッターぐらいであって、この石炭の需要から考えますと六百万トン、六百万トンといったら、重油に換算すれば、その半分にして三百万キロリッターですか、に値すると思いますが、これはそこに二百四、五十万キロリッターというのはどういうことになるのですか。
  56. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) これは三十四年度と三十年度、あるいは昨年の二十九年度というふうなものに比べての増加額の大部分は、例の経済六カ年計画を策定いたします途中におきまして、各種物資の生産の増加を見込んであるわけでありますが、その生産の増加した場合におきます石炭の需要の増というふうなものが大半を占めておるわけでありまして、油の転換の分は、先ほど申しましたように、ボイラー転換分が八十七万トンでございますが、そのほかにセメントでございますとか、先ほどお答えいたしましたガスや煉、豆炭というふうなものにさらに若干増加を、転換分がございますから、その分をまあ全部ひっくるめまして、おそらく百二、三十万トン程度になると思うのでありますが、それ以外の分はほとんどそういった一般の生産の伸びに基く需要の増加であります。
  57. 小松正雄

    ○小松正雄君 そういたしますと、この四千九百万トンになっていこうとする五カ年間の年次別ですね、たとえば来年から石炭をどれだけふやしていくか、再来年からどうふやしていくと、こういうように考えておられるかということが一つ。それからそれに関連してボイラーその他の重油の節減をしよう、規制をしようというものが、年次別にどういうふうになっておるか、どういうふうなことを計画されておるかを二点あわせて御答弁を願いたいと思います。
  58. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) 本年度、昭和三十年度は、先ほどお答えいたしましたように四千三百万トンの計画をいたしております。三十一年度は四千五百万トン、三十二年度は四千六百五十万トン、それから三十三年産が四千八百万トン、三十四年度が四千九百万トン、大体このようになっております。
  59. 川上為治

    政府委員川上為治君) 重油の方につきましては、二十九年度が三百七十万使ったわけなんですが、三十年度におきましては三百三十四万キロリッター、それから三十一年度におきましては三百十五万キロリッター、それから三十二年度二百九十四万、三十三年度二百九十三万、三十四年度におきましても大体その程度、それから三十五年度におきましても大体その程度、三百万というふうに考えております。従いまして三十年度と三十一年度におきましてこの転換の方に主力を注ぎたいというふうな考えであります。
  60. 小松正雄

    ○小松正雄君 あとでいろいろ質問申し上げたいと思いますが、この修正をされた代表の先生にお尋ねしたいと思いますが、さっきも河野委員から鋭くこの審議会の内容について質問されておりましたが、あなたは今度のこの審議会というものの委員の構成については、あらゆる角度からの人選をすべきだと、かように考えておるかどうか。この審議会委員のメンバーはどういうふうな形ですべきだと考えておるかということですね。
  61. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 先ほどもちょっとお答えをいたしましたように、たとえば油の生産者であるとか、あるいは販売者であるとか、あるいは消費方面を代表する電力業者でありますとか、鉄鋼業者でありますとか、そういう方々をも入れる考え方も他方においてあるかと存じますが、この場合にはさような需給双方の代表者、あるいは利益関係代表者というものを入れますよりも、もっと中正的な立場に立って、これらの油を中心とする総合エネルギー問題について理解と学識ある人を委員に選んでいただく、かようなことでこの修正案はできております。ただその限りにおいて別に需要者代表は一入も入ってはならぬ、生産者代表は一人も入ってはならぬ、あるいは石炭関係の人が一人も入ってはならぬということではないのでありまして、これは衆議院におきましてもかような質問がございましたが、その選ばれる候補者が重油に関する権威者であります場合には、それは石炭あるいは重油の生産者、消費者というような方面が入ることもあり得るだろう。かような理解のもとに修正ができております。
  62. 小松正雄

    ○小松正雄君 それでありますならばこの3に「審議会委員は、重油に関する学識経験者のうちから、通商産業大臣が任命する。」というふうに、あなたは特定的なことを入れてあると私は思いますが、その入れたあなたがそんな答弁をされるのはおかしいというようなことを考えざるを得ない。たとえばあなたの修正案に基いて、大臣がこの通りにやらなくてはならないというふうに考えられた場合は、この総合燃料対策の一角がくずれてくるのではないか。河野委員が言われたのはそこだろう。全く単に栄職経験者であるだけであって、重油であろうと石炭であろうと、国内の総合燃料対策に対して、重油のみに関する学識経験者だけでこの審議会というものが作られたのであっては、決して政府の意図される、この両法案をあわせての総合的燃料対策のその審議会のあり方というものにはならない。かえって逆にくずれていく。河野委員も言われましたが、私もさように考える。ですからこの字句はこういうふうにせずに、あなたがおっしゃられたようなことでなさるようにすることが私は妥当だと、かように考えますが、あらためてあなたはこの字句を変更しようとする考え方があるか。
  63. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 私の説明が十分御理解ができなかったようでありますが、私はただいま小松さんが御理解になったような意味で申したのではないのでありまして、つまり正面から石炭生産業者を代表する者、あるいは重油の精製業者輸入業者を代表する着とかいう響き方もあるけれども、さようなことにはいろいろ支障も生ずるので、書き方をかような書き方にして、その半面、人間はだれでも職業を持っていると思います。重油に関する学識経験者という職業はないのでありますから、必ずその方は学校の先生であるとか、あるいはまたしかるべき鉱工業の事業に従事せられておる方もございましょうし、あるいはまた石炭、油等の関係事業に従事せられている方もありましょう。要するにただある石炭なり油なりを使う代表者という見地から選ばないで、総合エネルギーの、これは重油法律でありますから、重油を中心とする総合エネルギーに対して理解、見識のある人、こういう角度から選んで参る、こういう趣旨でございますから御理解を願いたいと思います。
  64. 小松正雄

    ○小松正雄君 それはわかるのですよ。それはわかりますが、字句にはっきり明記してある。今私読み上げましたように、この審議会委員は、重油に関する学識経験者のうちから通産大臣が任命するのだ、こういうふうにあなたが修正されておりますが、この字句の変更をする考えはないか。ただいまあなたがおっしゃられたように、審議会の中には、単に学歴経験者であってもどうかということも考えられますが、いろいろ重油に関する、あるいは石炭に関すること等に関係のある経験者を入れることがよかろうと、こうおっしゃるなら、はっきりここで重油に関する学識経験者だけ、かように私はこれを考えておりますから、そういうことでなくして、石炭の方の者も入れる、あるいは労務者の代表も入れるとかしてこそ、総合燃料対策のために提案された両案が成立することに基いて、それらの関係のある者を入れてやるべきじゃないか。あるいは石炭の方にもそういう審議会ができるといたしますならば、重油の方の関係者、要するに重油を使っておった人たちも入れるとか、総合的にそういうものをあわせて入れるということから考えますと、あなたがここに明記されている、重油に関する学識経験者のうちから入れる、こういうふうに指示されているということの趣旨が私は考えに苦しむ。という意味は、それはまあ通産大臣がさっきもこの趣旨質問答弁された中に、決してそういうものではない、まあ諮問機関だと考えているというぐらいだから、簡単に考えているのだと思いますが、そういうふうに簡単に考えられていくべきものじゃないということを私は考えるのです。なおこの字句も一つ範囲広く何とかここで変えてもらうということにしておく方がいいのじゃないか、こういう意味でお聞きをしているわけです。
  65. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ちょっと今のに関連するのですが、それはやっぱりはっきりしておいた方がいいのじゃないか。委員には利益代表者を入れない、こういうのです。利益代表という観念と学識経験者という観念が違うのですから、今の御説明によると、学識経験者でも、何か業界に携わっておる人も入れるかもしれぬといえば、これは利益代表なんです。利益代表を入れるという考えをとる以上は、皆学識経験者で、たまたま利益の関係の御商売をやっている人であれば、それはよけいにとらなければならんということでないと、利益代表を入れないという精神は徹底しないように思いますが、さっきの御説明だと、そうは書いてあるけれども、まあその人が何か職業というようなものば皆持っているのだろうから、利益代表であっても学識経験者という面で入れるのだというけれども、利益代表をはじけば、それはやっぱり学識経験者は入れちゃいけないのだということが従来の解釈だと思うのですが、その点をはっきりお答えを願います。
  66. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 補足説明をさしていただきますけれども、私の答弁が先回った答弁をいたしましたために、誤解を生じたのじゃないかと思いますが、それはいろいろ議論がありました。お話のような議論もいたしました。書き方の、たとえば一つの案として、重油の生産者、消費者双方を代表する者、及び学識経験者というような書き方も一つの表現として考えておったのであります。そのことを私は先に申してしまったものだからごたごたしたのでありますが、さような表現で重油の生産者あるいは消費者、あるいは石炭の生産者、消費者というものを代表するということを書くことが適当でないという判断に立ちまして、そこでさような事業代表という立場を捨象しまして、重油に関して知識経験のある者という書き方にしたわけであります。あくまでその立脚点は、最初の選んだ立脚点は、業界代表という選び方でなくて、学識経験者という選び方でいこう、学校の先生、博士論文を出しているというようなことだけではなくて、いずれかの国内産業に携わっている人が入ってくることもやむを得ない、かように解釈される、かような結果になるのではなかろうかということを申し上げたわけでございます。
  67. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 その大体審議会の構成のもとが、修正者考えられていることが明らかになりましたが、私は率直に一つ伺いますが、この審議会委員というものは一体何名を予定せられておりますか。
  68. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 先ほど申しましたように、審議会の組織構成につきましては政令にまかしております。これは通産大臣、これはもともと政府原案法律でありますから、委員会の構成、人数等につきましては通産大臣ですか、政令でございますから、内閣におまかせするということでございます。
  69. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そういたしますと政府の方へ伺いますが、この法律案通りますというと、審議会委員は何名を予定されますか。
  70. 川上為治

    政府委員川上為治君) 大体十名ないし十数名と考えております。
  71. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 今十名ないし十数名というと、まあ十二名から十五、六名のところだろうと思いますが、大体この審議会というものは、今までの法律だと、大体委員の数というものは法律に明記されております、何名ということが。これも私の言っていることがまちがっておったら御反駁いただきたいと思います。私の承知している限りでは全部明記しているはずです。そうしてしかも明記された人員に対して、各種の委員会においては、その学識経験者なりあるいは業者代表なり政府の職員なり、そういうものが委員会に参加をする比率等も明らかにされている。少くとも私が今まで手がけた法律案一つも漏らしたことはありません。そういう意味で今審議会の運営の基本になるのは人であります。人数でもあります。その内容でもあります。従って審議会のことを徹底的にここで明らかにしようと思うならば、まず最初に人的構成の面も明らかにしなければ、これはおそらく意味のないことだと思います。従って修正提案者並びに政府当局は私の質問に答えてその点を一つ明らかにせられたい。
  72. 川上為治

    政府委員川上為治君) まだ政令につきましてはいろいろ検討中でございますが、まあ私の方としましては、先ほど申し上げましたように、政令におきまして、その人数につきましてもはっきりきめておきたい、それからまた大体どういう方面からどれくらい、またどういう方面からどれくらいという点についても、この政令においてなるべくきめるようにしたいというふうに考えておりますが、この第四条の場合、第六条の場合、これは委員のメンバーについて私は若干違う点がございますので、たとえば第四条転換についてのその諮問機関としてのメンバーとしましては、たとえば機関士でありますとか、すなわちボイラー関係に非常に専門的な知識を持っていて、そうして改造するなり転換することによって非常に影響があるというようなことをよく知っている、そういう専門の機関士とか、そういう者を私は委員のメンバーにある程度おかなければならないというふうに考えております。また一方第六条の諮問機関としましてのメンバーとしましては、これはどういう方面がきわめて緊要な用途であるか、あるいはそのためにどういう措置をとるかというような方面についての相当経験なり知識を持った人を選ばなければならないというふうに考えておりますので、この審議会のメンバーにつきましても、そういういろいろな方方が入られて、そうしてその参考の意見を述べていただくようにしたいというふうに考えております。
  73. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私のお尋ねしているのは、他の法律案において委員会を設ける規定のありまするときには、これに参加する委員の数というものはきまっているのです。しかもその構成の分野というものも大体明らかにせられておる。これは法難には明記されていないのだから政府としては、政令のときにきめられるその内容というものをはっきりここでお約束を願う義務があると私は思います。まあ今までの慣例からいいまして、もしそれができなければ法律案に明記されたい。それがないのだから、ここで口約束になりまするけれども一つ明らかにせられたい。その場合にまず総員を十五名なら十五名と明らかにせられて、その中で政府職員が何名入る、学識経験者が何名入る、学識経験者というのは先ほど博士論文云々と言われたが、私はそういう見解でなくて、学識経験者の中でも重油の理論的な性能分析なんかやっているような、そういう人ばかり幾らとってみたところであまり効用はないと思う。そういう意味でなくて、やはり重油なり重油ボイラーに対する運営の学識もなければいけない。そういう意味の私は学識経験者だろうと思いまするが、そういう人を何名予定するか。それでその中でやむを得ず業者の代表が学識経験者として入ることがありましょう。その場合には学識経験をかねた業者の代表というものは何名くらいを予定するか、最大限やむを得ないときには何名くらい予定するか、こういうことをはっきりやはりおっしゃっていただかないと、私らも安心して、審議会が円滑な仕事ができるであろうという見通しをつけるわけに参りません。
  74. 吉野信次

    委員長吉野信次君) これは政令に委任されておりますから、要するにただいまの栗山委員の御質問は、政令の規定事項というものを、今おっしゃられた点を明らかにして、この委員会に一つ出していただけばいいのじゃないか、ただそのときに、私さっき申し上げたのは、これは政府の方にお願いするのですが、まだ問題がきまらぬ点があるので、私は利益代表というものを入れないという建前からすれば、かりに重油ボイラーに対する非常なエキスパートがあっても、たとえばボイラーに対するエキスパートがあっても、その人がたまたま日本石油の重役になっておる、こういう場合には、これは学識経験者だといって入れちゃいけないと思う。それならば何のために学識経験者というものに限ったかと、こういう疑問を持っておりますから、その点もあわせて一つ、これは私疑問ですから……。
  75. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 修正提案、大へん私は失礼なことを申し上げますが、まああまり補足説明をしなくても、私らはこれがうまく運営されるように建設的な質問をしているのですよ。それだからもっと所信のあるところを具体的に明らかにせられたい。抽象的な説明を何べん聞いてもしょうがない。
  76. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) もう一度補足説明しますが、今の吉野委員長のお言葉の中に、たとえば非常なエキスパートがある、その人がたまたま長い間石油会社の役員をしているという場合なら、利益代表を加えないという思想からすれば、排除することになるのかとおっしゃいますが、私が申し上げましたのはそういう意味ではなくて、この条文を作ります際に、何べんも申しましたように、最初の角度を生産業者とかあるいは消費者の代表から選ぶという考え方でこの条文を作り、そこから出発するのかそうではなしに学識経験者という角度から出発して、その学識経験者の中には、先ほど申しますように学校の先生とかあるいは論文を書いている人というばかりでなしにおそらくいろいろな業界の仕事に従事されている人もあるだろうから、そこで出てくる分は、これは学識経験者であれば結果として業界の入も入ってくることがあるだろうということを私は申し上げた。これはひな型としまして、今御審議を願っている政府提案そのままの石炭鉱業合理化臨時措置法の第七十二条が石炭鉱業審議会規定でありますが、この七十二条に、「委員及び専門委員は、関係行政機関の職員及び石炭鉱業に関し学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。」とありまして、石灰鉱業合理化審議会の方も、石炭生産業者あるいは消費者の代表からという書き方をしていない。「石炭鉱業に関し学識経験のある者」を選んで、その中におそらくは石炭鉱山会社の経営者とか、これは政府の真意は知りませんが、石炭鉱業労務者の代表という者も入るかもしれない。この書き方が、やはり「石炭鉱業に関し学識経験のある者」という雷き方ですから、趣旨はそれは同じようなことになると思います。  それからもう一つ、栗山さんが、こういう修正案といいますか、こういう審議会の条項を見たことがないとおっしゃる。なるほど石炭鉱業合理化法には、七十一条に、審議会委員は三十人以内で組織する、と員数は響いてございますが、この修正案の石油の方の審議会委員は書いてございません。それは政令に委任したわけでございまして、国会の法制局の方では、政令に組織を委任する考え方もあり得る、おそらくあるだろう。なおつい最近衆議院におきましては、昨日本院の御修正になられた石油資源開発株式会社法に代せられました石油鉱業権評価審査会というのがあります。これは審議会でもいい、審査会でもいい、調査会でもいい、大体同じものでありますが、これにも「前二項に定めるもののほか、審査会の組織、運営その他必要な事項は、通商産業省令で定める。」と書いておりまして、員数が書いてないのでございます。従って当委員会におきましても、さような員数を書いてない審査会をお認めになっている。その点は同じようにお考えになっていいのじゃないかと思います。
  77. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 石油の方は、これはあなたが私の質問に対して、反論にお使いになりましたが、これは当りません。これは臨時的なものだし、今言ったようなそういう重要な、重要でないと私申しませんが、帝石という会社が国家のひ護を受けて今日まで育ってきたのに、いよいよ国策会社として石油資源開発会社を作るときに、法外な値段をもって譲渡せしめようというようなことがあったときには困るというので、これは老婆心から当委員会が作ったものであって、今あなたがこの重油関係審議会説明に対して引き合いに出されましたが、これは当りません。その点は、これはわれわれが修正するときのこの委員会の空気というものをよく知っているから、私が責任をもってそういう工合に逆にあなたに御答弁を申し上げている。  問題は、修正発議者は、政令に委任して通産省に問題をあずけられたわけだから、発議者の方からはこれ以上お聞きする必要がないので、政府側が、この政令で委任された、政令にまかされたものに対して、どういう構想でいくかということを伺えばそれで足りる。  審議会委員は三人でもできますし、五人でも十人でも十五人でも、三十入でもできるわけですから、そこのところをどうされるかということなんです。  特に私がなぜこれを心配するかと申しますと、石炭合理化法案と関連をいたしまして、将来五千万トンの出炭を予定されている。そうすると五千万トンの中には、相当劣悪炭が入ってくる、低品位の炭が入ってくる。これは現に福島の常磐炭鉱においては、あそこの低品位炭を、炭鉱合理化のための方策として、低品位炭を使う火力発電所の構想が始められて、四千あるいは五千カロリーの炭をもって火力発電所を作ろうという構想が常磐炭鉱の業者あるいは電力業者を中心に進められております、具体化されつつあります。われわれの今日持っている常識からいえば、四千カロリーの低品位炭で、いかにボイラーの性能が高くなって参りましても、そのままではなかなか参らない。これは若干の重油を添加してやって、そうして日本産業全体に最高能率を発揮するようなたき方をしなければならない。そういうときに、重油を許さないかという審議をするときに、これはそれを許されるか許さないか、まだそれは質問していませんよ、福島の問題については後ほど聞こうと思っておりますが、かりにそれがこの審議会の案件になった場合に、そういう重要なことまでもこの審議会通産大臣の諮問の上で結論を出さなければならない、そのときに審議会のメンバーというものが、今お聞きしているように、衆議院の院議できめて、これから一生懸命考えようというのでもたもたしておられるが、そんなことで当委員会が簡単によろしいというわけには参らぬ、こういうことなんです。
  78. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 審議会の構成については政令を十分にまだ検討しておりませんから、後刻なお研究いたしましてお答えをいたしたいと思います。
  79. 河野謙三

    河野謙三君 御検討中ならば、私はこの際申し上げておきたいと思います。どうも修正された衆議院の方の側の注文は、学識経験者であって、生産者でも消費者でもない、どこまでも学識経験者を選びたい、しかしそれは生産者にも消費者にも片寄らぬところでやっていきたい。これは希望はまことにりっぱであるけれども、これはまた無理ですよ。経験者というのは大よそ生産者、消費者の中に初めて経験者があるわけですよ。そうでしょう。生産者、消費者は、経験はあるけれども、これは公平ではない。学識経験者は公平ではあるけれども経験に欠けておる。そうでしょう。ところがその両方を希望するならば、どうしたって結論として、公平ではないが、生産者、消費者の立場から経験者を出し、そのまん中に経験は乏しいけれども、公平な学識経験者を出す、こういうことでいかなければ、あなたの方の説明はそういうことにはまらぬでしょう。
  80. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) これは私の方で修正を発議したものであります。この書き方はさっき委員長に申し上げたのでありますが、この院で御審議になっておる石炭鉱業合理化臨時措置法案、これは政府提案でありますが、この政府提案の七十二条にこの審議会のメンバーは「石炭鉱業に関し学識経験のある者のうちから、通産大臣が任命する。」とありますので、文章を合せてございます。従ってその選び方につきましては、この石炭鉱業合理化審議会について選ばれると同じ考え方重油の方の審議会のメンバーも選んでいただいてよかろうと私は港えます。文章を合してございます。
  81. 河野謙三

    河野謙三君 そうすると、先ほど学識経験者から出す、しかし消費者にも生産者にも片寄らぬようにしようという御希望がございましたが……。
  82. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) あなたはどっちがいいと思っておいでですか、それではお尋ねいたしますが、この学識経験者を選ぶとしたら、石炭の生産者あるいは石炭消費、あるいは電池の精製業者重油消費者から選ぶ、こういう表現の方がいいという御意見でございますか。
  83. 河野謙三

    河野謙三君 私ははっきり申し上げます。学識経験者から選ぶという表現はいいのですよ。しかしそれを具体的にする場合にやはり消費者、生産者から経験者を選び、そのまん中には経験には少し乏しいけれども学識経験者から選んで、そうしてやらなければ公正な運営はできない。これは先ほども栗山委員がおっしゃいましたが、人数を示して、その十人なら十人のうち消費者から何名、生産者から何名、まん中の学識経験者から何名ということはこれはすぐきまると思います。
  84. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 議論になって恐縮でありますけれども、常識経験がある者を選ぶので、たびたび申しますように、学識経験者である以上は、あなたのおっしゃるようにどっかの職場で経験をされておるにきまっておる。その入は石油鉱業の現役の重役であるかもしれません。あるいは石油鉱業の退職した重役であるかもしれませんし、それは一向差しつかえない。ただ角度を初めから生産者とか消費者の代表から審議会のメンバーを選ぶべしという書き方で学識経験中心の善き方、こうなって、またその方がよかろうという意見到達いたしまして、しかもこの石炭鉱業合理化審議会と同じような表現の仕方をとったわけであります。従って選び方等につきましては、この文章を解釈していただいて、任命をなさる通産大臣に適正にやっていただけば衆議院の方としてはけっこうだと思います。
  85. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと後刻通産大臣からこの審議会のメンバーをだれを選ぶかということでなしに、何人で構成してやるかについて後刻お示しを願うというお約束ができたのですが、その場合には修正者の方では、生産者とか消費者とか、それがいいか悪いかということはあまり強くは言わない、ただ学識経験者ということでやってくれ、こういうことであって、その場合に、生産者とか消費者は入れないという強い意思はないようでありますから、当然これは生産者なり消費者というものは入る。その中間に学識経験者が入る。こういう従来の各種の審議会と同じような構成でいかれることになると思いますが、そういうことになりますか。
  86. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) それは人間ですから、消費者でない人間もいないし、また何かの意味で生産者でないものもあるまいと思います。それに今修正者が言うように、選択の角度を、ある消費者の代表とか生産者の代表という意味でなく、同じ人であっても学識経験者として考えて選択する、こういうことだろうと思いますから、私もそのつもりでいいと思います。
  87. 河野謙三

    河野謙三君 そこが非常に問題なんですよ。学識経験者というだけで選ぶのか、公平という立場で選ぶか、その人を。ところがその人は消費者なり生産者なりに片足を突っ込んでおるということで、公平ということで選んだが、選んだとたんから片寄っておるわけです。だからそういうことをはっきりしてやらぬと、たとえば十の中の三・四・三こうやっていけば、まん中の四が学識経験者で、審議会の構成というものは公正に運営されますね。ところがはっきりしないで、生産者も消費者もなし、ただ学識経験者ということで選ぶと、学識経験者どころか、それがあにはからんや生産者なり消費者の初めからひもがついておるという形になって、審議会の構成自体が、出発したときから不公正になっておるということはいかぬと思う。だから初めからこれは消費者に加担する者である、これは生産者に加担する者でありということで選んだ者と、その中間の者と、人数の振り合いをきめておかなければならぬと思う。それは政令で、あなたの方で、まあおれの方にまかせろと言われればそれまででありますが、今栗山委員の言ったように大事なことでありますから、どういう格好で選ぶかということをおきめ願わなければならぬと思います。
  88. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私はこの審議会は今修正提案者のお話を聞いておるというと、非常に性格がばく然としてきておるのですが、私がおそれるのは、この法律案に対し、一たび国会に提案された場合に、これに絶対賛成の政府案に対して支持を送られた階層と、この法律案に対して徹底的に反対をせられた階層が明瞭にありますね。明瞭にあるでしょう。その場合に、この法律案に対して徹底的に反対をされた階層はどこであるかということは、私がここで指摘しなくともはっきりしておる。そういうところがら学識経験者の仮面をかぶって大ぜいの人が入って審議会を運営して結論を出した場合には、先ほど通産大臣はこの審議会がどういう結論を出そうと、通産省の重油に対するところの基方方針と相反するものが出た場合にはとらないとおっしゃった。そうすると、この審議会をせっかく設けても、いたずらに通産省と正面衝突をし摩擦を起すだけである。そういう審議会は私は作るべきでないと思う。そういう意味において審議会の構成メンバーというものについて私は非常に関心を持って通産省の回答を求めておる。そこで通産省としては、これは石炭局との関係もありましょうが、この法律案には政府職員を入れるということは書いてありません。従って政府職員がほんとうに入らなければならぬということであれば、法律案改正をしても私は政府職員を入れるべきであると思う。だから、学識経験者でも、この法律案に徹底的に反対をしておる会社の重役かあるいは職員か、それのひもつきになっておる人々を多数ここに入れたのでは意味がなくなってしまう。そういう意味で通産大臣に先ほど御質問申し上げたのでありまするから、後刻その具体的な考えについてお聞かせをいただくということでございまするから、われわれの考えておることを十二分に一つ構想の中に入れて、あまりそれ以上議論をする必要のないようにしてお答えを願いたい、こういうことを申し上げておきます。
  89. 山川良一

    ○山川良一君 第四条運用についてでありますが、先ほど通産大臣がめちゃなことをするといけないからワクをはめたというふうに申されました。私は不幸にしてめちゃでなしに、当然やるべきことがやられずにきたことが今までの現状ではなかったかと思う。私はむしろ逆の場合を心配するのですが、今度は逆にこの法案の第四条の実施に消極的な場合があるといかぬから、それをおそれるから、その場合に備えてこのワクをはめられ、三つ事項はこれは原則として必ずやるということでございますか、該当するものは。
  90. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) お答えをいたしますが、必ずやるんだ、つまりこれに該当するものは指示をなしてはならないという趣旨ではございません。先ほどもちょっと申し述べましたように、正直——私は正直でありまするから正直に申し述べますと、最初自由党で出しました修正案修正は、今山川先生がおっしゃられましたように、この間ワクに該当したものは通商産業大臣指示できないように、次の各号に掲げる場合は通商産業大臣指示をなしてはいけないと、こういう表現をとったのでありますが、だんだん委員会等におきまして、あるいはまた各党間の打ち合せの結果によりまして、その修正素案を固めて参りまして、そうして審議会を置くことにいたし、また審議会の考慮の対象となすべき準則を立てるべき柱を三つ立てまして、そうしてかような柱に該当するものは一番指示の出し方に微妙なものがあるから、そのとき指示を出すべきかどうかという合理的な基準を作る。その合理的な基準にのっとって通商産業大臣指示をすると、こういうことでございまして、絶対排除ではございません。繰り返して申しますように、従来のあまりひど過ぎた自由裁量法規裁量に改めたということでございます。
  91. 山川良一

    ○山川良一君 むろん前段にその必要の限度においておるということになっておりますから、それはこれに合うものは全部やるということに解釈の上ではならないと思いますが、実際にこの三つ条件に当てはまるものを合せると五十万トンになり、実際規制は二十万トンだということになった場合に、その二十万トンだけをこれに該当するものにえり出されるということになると、通産省にお伺いするのですが、先ほど栗山委員から御質問がありましたが、その落ちる三十万トンは特に運動する者に落ちたということにこれはなりますまいか、そういうことで相当問題を起すと思いますが、その今の原則としてやるということでなしに、制限の必要の限度でやる場合にはどういうふうな運用をなさるつもりですか、それを一つ伺いたい。
  92. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは「勘案して定める基準に従い」ということになるのでありますので、しかもその審議会にかけてやることになるわけですが、私どもとしましては、 この一、二、三の条項について、たとえば第二項の条項によりますというと品質に非常に影響がある、あるいはまた輸出に対しましてそのために非常に影響があるというような点につきまして、十分その審議会において検討をいたしまして、ほんとうにそういうことになるということでありますれば、やはりその改造を命ずる勧告をするとか、そういうことはしないようにしていこう、しかしこれはすべて具体的に当ってみませんというとなかなかはっきりいたしませんので、具体的に当った上で一つそういう措置を講じたいということでございます。
  93. 山川良一

    ○山川良一君 それじゃそれで追及しません。  もう一つ最後に、制限を必要とする限度が、この一、二、三項を全部制限しても、なお所期の総合燃料対策の遂行に支障があるような結果がもし出てきたらどうなさるつもりか、これは提案者と通産大臣両方にお伺いしたい。
  94. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 私は山川先生、御心配になるようなことはないと確信はいたしているわけでございますが、これは今数字的に申しますと、先ほど鉱山局長から御説明がございましたように、咋昭和二十九年度の鉱工業関係重油消費量が三百七十万キロリッター、これを五ヵ年間に三百万キロリッターに縮める。言いかえると五カ年間に七十万キロリッター縮める、こういうお話でございました。そこでそういうことを私は頭に置きながらこの数字合せを、七十万キロを減らすために、数字合せをするために四条を発動して、重油でなければ企業が成り立たないものまでもどんどん切りかえるのかということを委員会におきまして追及しました。ところがたびたび申し上げますように、さようなむちゃなことは絶対にしないのだ。少くともおれが大臣である限り、おれが局長である限りしないのだ。しないで合理的なやり方をしていって七十万キロを減らすのだ、であるから心配ないのだ、こういうお話でありますから、心配のないところの修正をしたのでありますから、修正の結果の運用と、修正しないで、非常に乱暴な大臣なり局長がやられたらとんでもないことになるかもしれないような条文であったと思いますが、しかし今の大臣局長が運営される限りにおいてはその結果と、私ども修正による運営の結果が合う。少くとも私どものやり方でいきましても、政府のさきに言明された七十万キロリッターというものははなはだしいむちゃくちゃな切り方じゃないという政府説明が、われわれ議員として信じられる限りにおいては結果は同じだ、心配ない。かようなことを確信しております。
  95. 山川良一

    ○山川良一君 大臣答弁あと回しにしまして、私はやはりできた結果について責任を持つつもりでやらなければいかぬと思います。しかしこうなるはずだというだけではちょっと私ども納得できかねるので、それは私どももそうなるだろうということを一応信用いたしますが、万一そうならないときはどうするかということだけは考えにおいて物事をきめていただかなければならないと思うのです。そのことについてもし万一そうならないときはどうなさいますかということを……、仮定ですよ、これは。
  96. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) どうも私は政治家でありますれば、仮定の質問にはお答えできないというところでございますが、正直にお答えいたしますと、かりに政府は七十万減らすと言っている。しかも四条運用した結果が七十万キロ減らせない。すでにこの四条の運営のために作られた基準なり個個の具体的な処分というものが適正であったとするならば、私はその適正な処置の結果五十万しか減らされなかったということの方が、これは日本経済全体のためによかったと私は考えるのでありまして、あくまでも四条運用でいっていただきたいと私はこいねがうものであります。それはなぜならば、むちゃに切ってしまって、そのために日本の輸出ができなくなるとか、あるいは操業度の向上がはなはだしく落ちるということになってしまうことは、これは一方において石炭合理化石炭鉱業の整備ということがもちろん重大であることは重々承知しておりますが、角をためて牛を殺すという、日本経済全体を非常に非能率の経済にしてしまうことは、これはどうも私どもとしても承知できないと考えるがゆえであります。
  97. 山川良一

    ○山川良一君 ただいまのお話では、結果的に見ますというと、目的は石炭合理化のための燃料総合計画に合うようにすると言われますけれども、結果的にはそうならない場合もあるということを想定してこの修正案を作られたと考えてよろしいのでございますか。
  98. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 最初に申しましたように、そうではありません。必ず政府が計画せられ、また同時に出された七十万キロの鉱工業関係重油の節減というものは、この法律通りにやっても、政府が言明せられている政府考えを実行することを正直にここに書いただけでありますから、狂ってこないという想定に立っておりまするし、またそうなることを願っているものでありまして、私は決して油がかわいくて石炭がにくいとか、あるいは日本経済全体がかわいくて石炭がにくいとかいうことじゃなしに、議員の職責として、絶対日本経済を上げるという観点からだけ考えている結果であることを御了解願いたいと思います。
  99. 山川良一

    ○山川良一君 大臣から、済みませんけれども、今の所期の目的を達せないときにはどうなさいますか、消費規制が、この第四条に問題が……。
  100. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 今修正者からも言いましたように、これは衆議院においてもしばしばお答えしたのですが、われわれの方の電池ボイラー規制も、たとえばさっきも出ました染色関係のものというような、あるいは陶磁器とかいうようなもの、どうしても重油でなければ品質等に支障を来たして輸出には向かないというようなものまでを切るつもりで計算してはおりません。大体こまかいことは必要があれば政府委員からお答えさせます。ボイラーだけで百八十万くらいの油を使っているのです。その中の一部分を削るのでありますから、どうしてもこの三項に書いてありますようなものについては削らぬでもわれわれの予定数量には達するものと信じております。従って万一それがくずれた場合にどうするかということは今考えておらないのです。
  101. 小松正雄

    ○小松正雄君 この委員会は午後もやはり石炭重油は引き続いてやられますか。
  102. 吉野信次

    委員長吉野信次君) そのつもりです。
  103. 小松正雄

    ○小松正雄君 そういたしますと、私はただ今審議会委員の問題に関して一言だけ当局にお尋ねしておきたいと思います。石油の方じゃなくて石炭合理化法案に対する審議会委員のメンバーは大よそ三十人にされようとしているわけでありますが、その中に私はぜひ入れてもらいたい、大臣はぜひ私の言うことを聞いていただきたいということでありますが、それはここで私がどういう人を入れてくれということよりも、それらの代表の方々から大臣にも陳情あるいは要望が出ておると思いますが、問題はこの石炭鉱業合理化臨時措置法に関連して、非常に憂慮する人たちの叫びの声でありまして、その代表というのは、この法案がもし通過するといたしますると、第一に労働者、従業員が遅配、欠配をされておることであって、それらの金がもらえるかもらえないかということを非常に憂えておる。そこで審議会のメンバーの中にぜひこの職員の代表を入れてもらいたいということを私は強くお願いすると同時に、また公共団体の方からも大臣にもそういった陳情も出ておると思いますが、公共団体も、私が申し上げるまでもなく、この鉱業法案が通るということになりますと、あらゆる角度から、たとえば鉱山税、住民税、あるいはまた固定資産税、こういったものが減る、減ってくるが、かたわらにはそれらの炭鉱があったために炭鉱従業員がおった。そこで学校等を増築したとか、こういうことで起債を起してその町村でやっている。こういう意味合いからも、どうしてもこれらにこの石炭をよけい出させ、要するに石炭増産のみに政府が集中してきたその責任を、ここにぜひ政府のこの赤字に対する補填として、責任においてなさるべきだと、この石炭鉱業合理化臨時措置法案が通過いたしますれば、それによってこうむる被害を、公共団体としてはぜひ別途に予算化していただきたい。そういう意味合いからこの審議会の中にぜひ公共団体の代表を入れてもらいたい。さらにはこれと並行いたしまして、この炭鉱のあったために被害を受けて、鉱害を受けておる人たちの、これはもう偽わらざる農民、住民の叫びでありますが、これも大臣に多分陳情が出ておると思います。そこでこの法案に関連して、特にこの被害者の方では、あとで事業団に譲るとはいたしましても、その当時の買取の対象となる租鉱権あるいは鉱業権者が、果してその鉱害に対する積立金といいますか、賠償的なものをその中から納めるかどうか、納めなかった場合にはどうにもならないというような心配が非常に出てきておる。その意味合いからそれらの組合の全国の代表である人たちも、ぜひこの審議会のメンバーの中に入れてもらいたい、かように言っておるわけです。  要約して申しまするならば、公共団体の中からも入れてくれ、それからまた労務者関係からの代表も入れてくれ、それから鉱害の代表からも入れてくれ、この三つのこれを審議会の中に私は加えて下さいということを大臣にお願い申し上げますが、大臣ははっきりここで明確に私のお願いしておることについて、心からここに御答弁を願いたい。
  104. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) この委員は第七十二条に書いてありますように、「関係行政機関の職員及び石炭鉱業に関し学識経験のある者のうちから、」云云とありまして、やはり先ほども議論がありましたが、私どもとしてはこういう観点から委員をお願いしたいと思います。ですからそれを鉱害を受けた代表、あるいは労務者の代表、何の代表というような意味でなく、そういうことの十分公平に裁きのつく、公平な判断を下し得るような人をそれぞれの学識経験者としてお願いしたいと存じております。
  105. 阿具根登

    ○阿具根登君 議事進行について。私もまだ質問は全然しておりませんが、相当残っておりますし、小松さんの質問もこれで打切りだとは思っておりませんが、時間も相当たっておりますので、一応休憩に入って、午後から審議を再開してもらいたい、こう思います。
  106. 小松正雄

    ○小松正雄君 ただ一点だけ今のに関連して。大臣は今のお心持では学識経験者というものを中心にして入れたい、かように言われておりまするが、今私の三点あげました三代表を入れたからといっても、これが審議会の運営の上に支障を来たす、こういつたことでなくて、これらの人たちが入ってくれば、かえって運営にはあらゆる角度から、こういうことだこういうことだということを、学識経験者の中に三名ほどが入って、こういうことだこういうことだと進言すれば、かえってスムーズにこの審議会の運営ができるんじゃないか、もしこれがそういう人たちを入れてなかった場合は、でき上ってくるその審議会の何といいますか、あなたに対する答申の固めをしようとする中に、非常にそれは支障を来たすことがかえってほんとうに出てくるというようなおそれも私は多分にある。そういう意味において少くとも三十人もの人をもって構成されようとする大臣の意図でありまするから、三人くらいはぜひその中に入れてもらいたいということを重ねてここでお願いを申し上げて、その御答弁を聞いておきたい。
  107. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 御趣意は十分承わって、また委員の任命のときには十分各方面の御意見も伺って、この誤りのないことを期しますということだけをお答え申し上げます。
  108. 小松正雄

    ○小松正雄君 私の今お願いしておることを加えてもらえるかどうか、あなたのお考えを率直に、そういうあいまいでなくて、小松はそういうふうに言うけれども、それは何といっても学識経験者以外には入れられない、こういうふうに言うのであるか、あるいはそうであるなら三人の、中に一人ずつ三人くらいは何とか代表的に話し合った結果加えてみようとか、そういうふうな二つの建前からはっきりした答弁をここでおっしゃっておいていただきたい。
  109. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) 今大臣お答えをいたしましたことにちょっと補足して申し上げますが、要するに今大臣お答えいたしましたのは、各方面の利益代表者という形で選ぶのではなく、学識経験者という立場として出てきていただきたいということを申し上げたわけでございます。今お話しの労働問題とか、あるいは地方公共団体の問題とか、あるいは鉱害の被害者の問題でございますとか、こういうふうな問題は、合理化にとって非常に重要な問題でございますので、そういうふうな問題について十分の知識なり経験なりある人をそれは当然考えなければならん、委員会のメンバーとしては。ただそれを各方面の利益代表者という立場で選ぶということになりますと、たとえばまあその団体の決議に拘束されてその立場で固執する、合理化に反してもその立場を固執するというような態度でやられないようにと、そういう意味でさように申し上げたわけでございます。
  110. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  111. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記を始めて下さい。ただいま阿具根君からの議事進行についての御発言もございましたし、何でございますから、これで休憩をいたしたいと思います。  休憩前にちょっとお諮りいたしたいのは、委員外で山本經勝君、社会党の方、それから一松政二君、自由党、このお二人からぜひ質問をさせてくれということでございますから、だいぶ時も詰っておりますから、なるべくあまり長くならないように——何分々々と区切るということもぎごちないですから、あまり長くならないようにという委員長の希望を付しまして許したいと思いますが、いかがでございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 小松正雄

    ○小松正雄君 それは異議ありませんが、時間はある程度制限を言っておいてもらいたい。
  113. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 承知しました。時間のところまでは委員長におまかせ願いたいと思います。
  114. 海野三朗

    ○海野三朗君 私ずっと控えておいたのですが、質問を相当持っているのですから、どうぞそのようにお含み願いたい。
  115. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それでは暫時休憩いたします。午後は二時から開会いたします。    午後零時五十一分休憩      —————・—————    午後二時二十三分開会
  116. 吉野信次

    委員長吉野信次君) これより開会いたします。
  117. 古池信三

    ○古池信三君 私はこの際当商工委員会に付託されました請願につきまして、請願に関する小委員会における審査の結果を簡単に御報告申し上げたいと思います。  昨日、請願に関する小委員会を開きまして、政府関係官の出席を求め、慎重に検討いたしました結果、請願総数三十五件中、採択すべきものと決定した請願は二十四件でございます。  一々の請願の内容につきましては、かねて配付済みの請願文書表によってごらん願うことといたしまして、詳細の説明は省略いたしたいと存じます。  右採択と決定をいたしました二十四件の内訳は、国土総合開発関係のものとして請願第二百六十号、第千六百七十九号、第七百十六号、第四十七号、第百十五号、第二百三十二号、第六十五号、第二百三十四号、第百四十一号、以上九件でございます。  また資源関係のものといたしましては、請願第二百七十二号、電力関係のものといたしまして請願第五十五号、第四十八号、第百十六号、第二百三十三号、以上四件。  貿易関係のものといたしまして請願第二百三十六号、第六百六十一号、第千六百三十七号、以上三件。  中小企業関係のものとしまして、請願第二百十三号、第九百四十四号、第千五百七十二号の三件。  発明振興対策関係のものとして請願第千五百十五号、第千六百九十号の二件。  その他のものが請願第千六百七十三号及び第千六百四十五号の二件となっておるのであります。  これら採択いたしました請願のうち、請願第千五百七十二号は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要せざるもの、その他のものは、いずれも議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。  なお、この際小委員長より、請願審査中に気のつきました点について委員長に対し希望を若干申し述べておきます。  請願の中には、願意の趣旨はおおむね妥当と認められながら、審査の時期の関係で取扱いの困難なものが幾つかございました。たとえば、六月七日受理された請願第七百四十九号、南方向けすぎの輸出解禁に関する請願というのがございますが、この願意の趣旨は、針葉樹の輸出解禁措置から除外されたすぎについて輸出禁止を解除してほしいというものでありまして、すでに六月十日、すぎの輸出解禁の実現された今日、この請願内閣に送付する必要のないものとなりました。  また、五月十三日付で受理されている請願第三百九十六号は、織機合理化資金三億円を昭和三十年度予算に計上されたいとの趣旨のもので、昭和三十年度予算のすでに決定をみました今日、これを取り上げるわけにはいかなかったのでございます。  このように請願審査の時期の関係上、請願者の希望に必ずしも沿い得ない場合の起りますことはまことに遺憾に存じますので、委員長におかれましては、今後請願の取扱いに関し、かかることの起らないように御配慮をいただきたいと考えるのであります。  以上、希望を申し述べまして、私の報告を終ります。
  118. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ただいまお聞きの通りでございますが、ただいま小委員長が報告されました通り、本委員会で採択いたしましたもの二十四件、そのうち二十三件は内閣に送付する、そういう小委員長の御報告通りの手続をとってよろしうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 御異議ないと認めます。そう手続をいたします。  なお、ただいま小委員からお話しになりました点、委員長としてまことに申しわけないと思っておりました。予算の期日前にきたものは、委員長においてやはりそれに間に合うように、採否は別として、この委員会に皆さんにお諮りをしなければならんのでございます。まことにうっかりいたしておりまして申しわけございません。今後はそういうことのないように気をつけることでございますから、よろしく御了承願いたいと思います。     —————————————
  120. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それでは午前に引き続いて質疑に入ります。
  121. 上林忠次

    ○上林忠次君 今お尋ねしますことは、すでに何回ももう審議されたかと思いますが、私欠席しておりまして聞いておりませんので、まあ簡単にお答え願いたいと思います。  この重油ボイラー設置というのは、二十八年ですか、あるいは二十七年の終りごろから盛んに施設を行なったのでありましたが、そのときは政府はこれを慫慂、勧奨するという程度までの応援ぶりであったのでありますが、さようにして設備された重油ボイラーの施設、これが今度抑制されるわけでありますが、現在施設しているやつもこれを廃止するというところまで強硬な法案が出ておりますが、かような施設の廃止に対しまして何らの弁償、賠償の措置をとっておらん、企業だけでまかない、個人に大きな負担をかけておりますが、これは国民の、われわれ保障されております憲法上の自由の権利を侵害しているのじゃないか、かような点についてはどういう工合に政府考えておられますか。一方的に国民に犠牲をかけている、これはすでに答弁があったろうと思いますが、簡単に一つお願い申し上げたいと思います。
  122. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは第四条によりましても「指示」となっておりますけれども、いわゆる勧告でありまして、命令とは違いますので、命令でありますれば当然これは補償しなければならないと存じますけれども、勧告でございますので、別段補償する必要はないというふうに考えます。
  123. 上林忠次

    ○上林忠次君 これは何ですか、それじゃすでに設置されているやつが勧告されて、実行しなくてもいいというわけですか。
  124. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは私の方としましては、勧告でございますので、どうしてもその勧告された者がそれを実行しないということであれば、これはやむを得ないことであるというふうに考えております。
  125. 上林忠次

    ○上林忠次君 それでは業者間に相当不均等な立場で競争させるというような結果になると思いますが、すでに設置した業者は大体大企業者であります。相当余裕のある企業者が新らしい設備をしておるというようなことで、これから設置しようというのは、この競争に対抗するためにこれからいよいよ始めるという連中は新らしい施設を、ほとんどこれは勧告じゃなしに、新らしい施設ができないというふうになっておりますが、フェアーに競争ができないじゃないか。同じ立場で市場における価格の点で競争しようとしても、新らしいものはできないのだ。古いやつはいやならやめなくてもいい、現状のまま据えておいていいということになりますと、まあ商行為に対してフェアーな立場で競争させるということができないじゃないか。やるなら強行的に、これはすでに設置されたやつは、この条件に沿わないものは全部やめる、業種別に均等にこれを廃止するとか、あるいは特に輸出物に対して重油ボイラーを据えないと輸出ができないというような点は、現在据えてないものはじゃ据えなさいというところまでやってやらないと、立ちおくれの特に中小企業の連中はいよいよ悪条件に立つのじゃないか。
  126. 川上為治

    政府委員川上為治君) 強制といいますか、勧告におきましては、中小関係のものは一応除いてございます。それから私の方としましては、大体大きなものにつきまして、これはコストの面からいきましてもそう影響がないとか、あるいはその輸出関係からいいましてもそう影響がないというようなものに対しまして勧告をしていくわけでございます。それから現在持っていないものと、それから持っておるものとについては、相当そういうコストの面から見て開きがあるじゃないか、それは公平ではないというお話しでありますが、これはまことにおっしゃる通りでございまして、その点は私は若干の不均衡があるかと思うのですが、私の方としましては、一面において石炭合理化、そういうことによって石炭の価格をだんだん下げていって、そうして重油と大刀打ちができるようなところまで早急に持っていきたいというような考えを持っておりますので、今先生がおっしゃいましたような最初の段階におきましては、不均衡なところがありますけれども、だんだん不均衡をなくしていくように持っていけば、それで何とか調整はできるのじゃないだろうかというふうに考えております。
  127. 上林忠次

    ○上林忠次君 もう一つ、まあこれから作ろうという人は押えておく、作っておる人は勧告でやめなくてもいい、その辺が問題である、なまぬるいのじゃないか。まあ六年間のうちに七十万トンですか、六十万トンの節約をしていこうというような方向も、それではほんとうにマッチした計画が完成できないのじゃないか。半面これに対してかわるべき石炭の増産計画も支障を起してくる。やるなら同じ業態、業態と申しますか、同じ種類の業種に対してはボイラーは同じように規制していくというところまでいかなくちゃこれは中途半端じゃないか、そういうようななまぬるいことじゃ中途半端じゃないか、どうなんですか。そういうような勧告だけで、なまぬるい手でやっていくつもりですか、そういうふうな……。
  128. 川上為治

    政府委員川上為治君) これはまあ非常になまぬるいじゃないかというお話しですが、また一面におきましては、命令によりまして非常に強制するということもどうかというような気持もいたしますので、私どもとしましては、これはもう行政指導によって何とかしてそういうものに対しましては転換していくように、もちろん強制はいたしませんが、そういうふうに持っていきたいというふうに考えております。  それからさっきも申し上げましたように、石炭の値段もだんだん下ってくるということであれば、石炭を使ってもいいじゃないかということになりますというと、そっちの方に自分みずから転換していくようになっていくのじゃないか。  それからまた一面におきましては、この重油の全体の数量というものをしめますので、しかもそのしめた範囲内におきまして、たとえば六条におきましてはどうしても緊要な用途でありますとかそういうものに対しては確保の措置を講じますので、そうしますというとそれ以外の産業につきましては重油の量が相当窮屈になってくるというようなことになりますというと、勢い私はどうしても転換の方に持っていかなければならぬような状態に追い込められていくのじゃないだろうかというふうに考えますので、先生のおっしゃいましたように、これはなまぬるい点はありますけれども、いろいろな方面から攻めていけば、結局転換していくのじゃないだろうかというふうに考えておるわけであります。  それからどうしても新設しなければならぬというような場合におきましては、これは第二条の第五号のロというところで「設置が必要であってやむを御ないと認められる場合であって、通商産業省令で定めるとき。」ということによって、非常に特別な場合につきましてはこれで救ってやりたいというふうに考えております。
  129. 上林忠次

    ○上林忠次君 まあ先ほど申しましたように賠償の処置をとっておらぬというようなことで、なまぬるい手を打たざるを得ないということになるのでありますが、これでは業者間の公平な平等な競争。立場に立たせるというような点から見ますと、不平等な競争をさせるのだというような点で、私はその点もう少し何か政府で思い切った処置をとってもらいたい。果して、現在のまあ石炭にかえても支障ないボイラー施設を補償していく、そうして政府で賠償していくということになりますと、どのくらいの金がかかるのか。予算がどのくらいかかるのか。
  130. 川上為治

    政府委員川上為治君) これははっきりした計算は私の方でもしておりませんが、少くともそういう補償ということを全面的にやりますということは、これはおそらく数十億ではきかないのじゃないかというようなふうに考えられますので、これは非常に膨大な資金ではないかというふうに考えます。ただ私の方で大体勧告をしまして、そうして転換させる、その程度のものだけでも二十数億ぐらいは資金としてどうしても必要だというふうに考えておりまして、この資金につきましては第五条において極力その確保についてあっせんをしたいというふうに考えておる次第であります。しかしいよいよあらゆるものについて補償するということになりますというと、非常に大きな金額になってくるのじゃないだろうかというふうに考えます。
  131. 上林忠次

    ○上林忠次君 わずか数年間の間にこういうような大きな転換の時期が来たのでありますが、通産省としてはどういう工合に責任を感じておられるか。わずか二年あるいは二年半のうちにせっかく勧めて要らざる設備をされて、これをただで除去しろ、転換しろというような、これに対する責任をどういう工合に感じておられますか、どうですか。
  132. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) これはまあ一貫した行政としてはまことに相済まなかったことであろうと思います。しかしまあ前に重油転換するというときに、これもあの当時の事情としては万やむを得ない措置として当時の政府がやったことだと存じますから、一概に非難するわけにはいきませんが、かよう変化を見通し得なかったという点は確かに失敗であったということを考えざるを得ないと思います。
  133. 上林忠次

    ○上林忠次君 さような政府でやった施策が失敗だったというからには尻ぬぐいをしてもらわなきゃいかんじゃないか、わずかの資金の融通だけでお前らがまんしてやれということでは、政府としてはあまり不親切じゃないか、先が見えなさすぎるじゃないかと思うのですが、この点では私特に遺憾に存じますが、もう少し政府で補助金を出すとか、打つ手はないか、それに対してはもう少し考えてもらわなくちゃいかんじゃないか、案外それについての御努力が足らぬじゃないか、予算の折衝なり大蔵省との折衝なり、そういうような点をあまりに努力しておられぬと私は考えるのであります。もう少し熱のある、これまでの交渉の結果どうしてもこれしかできないというよう点がありますならばお述べを願いたい。
  134. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) これはまあ今政府委員から答えましたように相当の巨額に上るだろうということ、それからまあそれだけじゃありませんが、せっかく転換をしてきたものを強制的にまた再転換をさせるということは、まあたとえ補償するとしましても、なかなかやりにくいことでありますから、そこで行政指導によりまして差しつかえない、つまり転換が比較的容易である、ある濃度の資金をつけてやれば転換ができるというような向きにはできるだけ転換をしてもらう。またそれでも製品その他の関係からどうしても技術的に不可能である、困難であるというようなものにだけは、先ほどから修正案の中にもありますようにわれわれしいてこれを転換させようとはしておりませんので、まあなまぬるいという非難はありましょうけれども、この程度でこの際はやっていくのが実際的であると、かように考えております。
  135. 上林忠次

    ○上林忠次君 勧告だけで、ああいうようななまぬるいことで業者間の競争を、不平等な立場に立たせるというような点が大きな政府の責任を感じてもらわなくちゃいかん点じゃないか。もちろん重油が、少しでも規制されるのはけっこうでありますけれども、商社間としては、これは相当にコストに影響するのだということになりますと、これはことに競争場裏にあります商社間では大きな問題であります。さようななまぬるいことでやられちゃ困りますので、できます限り切るべきものは切る、ただ勧告程度、文字は勧告でありましても、相当強行してもらいたい。また必要なところには新設もしてもらいたい。新しく作るものは押えるというようなことはないようにやってもらいたい。私どもは商社間の不利な競争という立場に立って政府にお願い申し上げておきます。
  136. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 まず通産省あるいは修正案提案者に、どちらが適当かちょっとわかりませんので、適当だと思われる方からお答えを願いたいと思います。  この法律案で私が非常に厘用上心配しておることは、石炭合理化法案と併用をいたします際に将来必ず問題になるであろうと思うことが一つあるわけであります。それは先ほどもちょっと申し上げましたが、石炭がだんだんと燃料計画によりまして増産をされて、最終点においては五千万トンまで一応予定をせられております。そうしますとわが国の炭鉱の状況から申しまして、必ずしも高品位の石炭だけが目標にはならないと思います。低品位炭も当然まぜなければならない。また国家資源の愛用の点からいっても、低品位炭を高度に安定して出炭をし、活用するということを一つの政策として考えなければならぬと思います。そういう場合に、最近も問題になっているように福島の地区におきましては常磐炭鉱の不況を切り抜けるために、また常磐炭鉱の低品位炭の安定した出炭を期待するために、あすこに高能率の大容量火力発電所を設置したい、こういう空気が地元から起きております。私どもいささかその点については関心を持っておりまするが、おそらくただいま計画されるような大容量の高能率の発電所でありました場合には、低品位炭が使えないわけではありませんけれども、その低品位炭を無理に使うということになりますというといろいろなこれはロスが起きます。そこで重油との混焼をやりますことが、石炭重油をあわせ考えたときに、日本経済にとって一番能率的になる。この混焼の度合いはわかりません。これは純技術的な問題ですから、私はここで軽々に申し上げませんけれども、必ずそういうことがくるということだけは予見できるのです。そういった場合にこの法律案がありまするがゆえに障害になるというようなことがあってはゆゆしいと思いまするが、そういうことが絶対にないかどうか。  これは一例を申し上げたのでありますが、そのほかにも日本の産業界にはそういうことがあるかもしれません。私がこの案を見まするというと、第二条第一項五号のロに「設置が必要であってやむを得ないと認められる場合であって、通商産業省令で定めるとき。」というのに当るかもしれないと思います。そういったようなものを「必要であってやむを得ないと認められる場合」というような解釈せられるかどうか。またそういうものが通商産業省令の中で、今秋が指摘をいたしましたような場合を予定をして政令の規定事項とされるかどうか、こういう点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
  137. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) この常磐地区における今の低品位炭の発電所のことについては、なお政府委員から述べさせますが、概括論として今のお話しのように低品位炭を使うために重油が要るというのは、これは重油規制という、重油はふえるかもしれませんが、一方においてそれだけ石炭の需要をふやし、同時に産業も拡大するわけでありますから、そういう場合にはむろん重油を混焼するなり何なりすることを妨げるというような考えは持っておりません。おそらくこの今御指摘のように五号のロにこれは当ると思います。
  138. 川上為治

    政府委員川上為治君) 今大臣がおっしゃいましたように、今御指摘になりましたようなそういうその低品位炭を活用するというような場合におきましては、これはやはり混焼ボイラーというような形で重油をある程度使わせるようにした方がよくはないかというふうに考えまして、この第二条の第五号のロに該当するものとわれわれは考えております。たとえば新鋭火力、これはどうしましてもある程度油を使わなければなりませんので、こういうものもわれわれの方としましてはやむを得ないことであると、こういう工合に考えております。
  139. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 御趣旨はよくわかりました。それで私はやはりエネルギー資源の愛用というか、活用というか、こういう広い視野に立って考えるときには、やはり総合的な運用というものがなければ妙を発揮するわけにいかないと思う。従ってこういう場合のポイントを押える法律に対して、通商産業省の各部局が自説を固執して、そうしていたずらに論争を交えて、そうして総合的な大局的な見地を従来ややもすると怠りがちであったという例もないわけではありませんから、そういうことのないように、これは所管大臣である通産大臣が、あなたの監督下にある各部局を常に統轄せられて、運営についてはあやまちのないようにせられたいということを私は強く要請をいたしておきます。  それからもう一つ重要な点で伺っておきたいと思います。通産省に伺います前に、衆議院修正をせられた点についてちょっと伺っておきます。衆議院の方来ておられますか。
  140. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ちょっと今要求しているのですが、まだ見えておりません。
  141. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 これが来ておられないと工合が悪いのです。じゃまたあとから尋ねることにしまして、大臣の方に伺います。  この法律案を通読いたしますというと、やはりポイントになるのは重油ボイラー設置制限第二条、それから重油ボイラー改造制限第三条、それからもう一つは第四条重油ボイラー設置者に対する指示、これがありますが、そのほかに一番重要なのは第六条の重油生産業者等に対する指示であろうと思います。このただいま私が申し上げました二条、三条、四条、六条、このそれぞれの相関的な原案を提出された通産省の考え方というものをもう一度一つお聞かせを願いたいと思います。簡単でけっこうです。
  142. 川上為治

    政府委員川上為治君) 今の御質問は私の方としましては現在石炭重油関係につきましては従来から行政指導をやっておりますけれども、何かこの際に法律によりましてはっきりした線を出しておいた方がいいじゃないか、すなわち重油の分野というものと石炭の分野というものを、この際ある程度はっきりしておいた方がよくはないか、それには重油の中でも重油の使用の中でボイラー関係についてはっきりすることが一番いいのじゃないか、しかもボイラーにつきましては、たとえば平炉とかそういうものと比べますというと、輸出関係、あるいはそのコストのうちに占める燃料費の割合というものが比較的小さくありますので、やはりこの際ボイラーについてはっきりした線を出した方がよかろうということで二条、三条、四条につきましてのボイラーについての特別な措置をとったわけでございます。  それから第六条につきましては、これはこの重油につきまして行政的ないろいろな措置を講じて、そうして一定のワク内でやってゆくというようなことになりますというと、どうしても値段がある程度高くなるとか、あるいはまた獲得するのに非常に困難が生ずるとか、そういう問題が起きるわけでございますが、その際に特に緊要な用途等につきましてはある程度値段も適正価格で、しかも量を何とか確保してやらなければならないという措置をとらなければならないのじゃないかというふうに考えましたので、第六条においてそういう措置をとりたいということにいたしたわけでございます。
  143. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私の質問申し上げたのは、そのことも含むかもしれませんが、この四つの条文のうちで、通商産業省はどこに一番重点を置いておりますか、要するに起案者としてどこに重点を置いて運用せられようとしたか、衆議院修正案一つ問題にしないでいただきたい。原案提出のときにどこを一番中心にして運用しようとしたか、この点を伺いたいと思います。
  144. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私の方としましては非常に欲深いことを申し上げるようですが、これは二条、三条、四条とも同じような問題でありますので、これも非常に押えてゆきたい。それから第六条につきましても、従来行政指導でいろいろやっておるのですが、なかなか行政指導だけではうまくゆかない点がありますので、やっぱりその法律のバックを持った行政措置をとりたいというような考えをいたしますので、第六条も非常に重要なものとわれわれは考えておる次第でございます。
  145. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私の考え、大体この分析しているのは、この第二条と第三条と第四条は、これは重油を最終消費者が消費する場合の規制なんですよ。だから二条と三条、四条とは性格的に同じなんです。ところが第六条は、最終消費者にまで重油を供給するその過程におけるこれは制限なんです。だから二、三、四条と六条とは全くこれは問題が違うのですね。従って私が四つの条文を並べてどこへ重点を置かれるかといって尋ねたから今のような御答弁になったかもしれません。  そこでもう一ぺん重ねて二、三、四条をひっくるめて、これを一つ、それから第六条を一つ、こうした場合に、どこを重点に置いてやられるか、それを伺いたい。
  146. 川上為治

    政府委員川上為治君) これはこの法難の名前を重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律案ということにしたわけなんですが、実は私の方としましては第六条も非常に重要ですし、それから二、三、四条ひっくるめました条文につきましても非常に重要な法律だと考えますので、何かこれを一緒にしました非常にいい名前はないかと思っていろいろ検討したわけなんですが、なかなかいい名前が見つからなかったので、結局このような名前になったのですけれども、私ども一の方としましては、どちらも非常に大事な規定だと実は考えておるわけでございます。
  147. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それで大体原案提出者の意向はわかりましたが、要するに二、三、四条と、これを一束にして第一問、第六条をそれを対等に置いて第二問とした場合に、どちらも同じウェートで考えておられる。これ一つあと質問に関連しますから忘れぬように一つちゃんと覚えておいて下さい。忘れられると困る、忘れないようにちゃんと覚えておいて下さい。  そこでただいまこの法案が公けにせられましたから私のところへも、これは袋に一ぱい入っておりますが、賛成反対の陳情がたくさんきております。それを大分けいたしますと、今申し上げましたように二条、三条、四条の立場に立って反対をする人と、六条の立場に立って反対をする人と、これは完全に分けることができるのです。に分けることができる。そうするというと同じ反対でも、反対の趣旨がだいぶ違う。先ほど上林委員から質問がありましたような反対というのは、今まで通産省が重油の使用について勧奨をしておいて、今さら押えるということはけしからぬじゃないか、こういう意味の通産省に対する責任追及のことを含めての反対がありました。これは二、三、四条、六条というものは全然別個なんだ。それでそういうことを私分析しているのですが、通産省は私の分析が正しいとお考えになるか、間違っておるとお考えになるか、まずこれを一つ
  148. 川上為治

    政府委員川上為治君) 今先生のおっしゃいましたことも、これは私は真理ではないかというように考えております。この法案に対しましては、いろんな角度から反対もあれば賛成もあるかと思いまするが、先生のおっしゃることは、これはまた真理ではないかというふうに考えます。
  149. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そこで私は前段の二条、三条、四条に対する制限というものは、これは今まで通産省が勧奨してきた建前もあるし、事情了とせざるを得ない点もあろうかと思います。それからこの点私は反対の意向もよくわかります。少くとも事国策として重油に手をつけようとする場合には、第六条のこの精神というものがもし立案者の方針を曲げて運用せられるならば、この重油規制の目的を達成することについてはおそらく不可能になりはしないかということを私は考えますが、そういうお考えはお持ちになりませんか。
  150. 川上為治

    政府委員川上為治君) これは先生のおっしゃる通りに私も考えておりますが、どうしてもある程度の数量を占めるというようなことになりますというと、そこに価格が非常に上るとか、あるいはどうしても必要な方面に対しましてものが流れていかないとか、そういう問題が必ず起きて参ってきまして、現に昨年の四月からこういう行政指導をやっておるのですが、やはりそういう問題がときどき起って参りますので、私どもとしましては、どうしてもこれはある程度の需給調整ということになるかもしれませんけれども、そういうそしりを受けるかもしれませんが、どうしてもその緊要な用途に対しましては特別な措置を講じなければならないというふうに考えまして、もしそういう措置が講じられないということになりますというと、これは非常に産業界に問題を起すのじゃないかというふうに考えますので、私はやはり先生のおっしゃいますように、この第六条につきましては非常に重要に考えておるわけでございます。
  151. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 質問がだんだん深入りしてゆくのですが、衆議院提案者の諸君が見えていないというと、もう一ぺん同じことをやらなければならない。
  152. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 今要求していますから、もし何でしたらどうでしょう、質問を保留されて、来てからお続けになったら。
  153. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 政府の方からいただきました一人当りエネルギー供給見通しが、一番上に載っておる資料がありますが、これの四枚目に現状及び三十四年度における輸入炭、重油と国内炭価格の比較、これで見ますと必ずしも重油の方が国内炭に比べて高くない。しかも重油の方におきましては、この石炭合理化計画の完成時においては、むしろ将来において関税復活の場合の一キロリットル当り五百円を加算をいたしまして、むしろ高くなるという数字が出ております。それに比べて国内炭の方はだんだんに合理化が進むに従って安くなってゆく。まことに合理化を合理的に説明するための逆に持ってきたような数字が出ておりまして、こういう状態であったならば、別に無理をして重油ボイラー制限をしなくても、使用者が欣然として国内炭に切りかえていくということにこの資料では考えられる。この数字についてこれだけではどうも納得ができませんので、もう少し詳しく御説明を願いたいと思います。  こういう状態であってもなおかつなぜこういう制限をしなければならんかということもあわせて御説明願いたい。
  154. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) 重油石炭とのメリットと申しますか、総合的に見ました経済価値といいますか、そういうふうなものの比較と申しますのは、非常に困難でございまして、業態によりまして大へん違ってくるわけでございます。この表におきまして計算の比較の基礎といたしましては、同一のカロリーの場合に石炭重油の七五%の価値しかないものと、こういうふうに考えまして、それで比較いたしましてカロリー当りの値段の差だけ石炭の方が合理化が完成した場合には有利になるというふうに考えたのでございますが、その七五%という基準はどこにあるかと申しますと、同一なカロリーを、これはそのものの燃料としてポテンシャルには持っておるのでありますが、実際に使います場合の使用の効率というふうなものを考えた場合に、総合的に見て七五%程度が適当なんじゃなかろうかというふうに考えたわけでございます。しかしこれは非常に実は使用の実態によって違うわけであります。特に非常な大量をまとめて使うような場合には、これは若干の取扱い上の便、不便というふうなことよりも、燃料のカロリー当りの比較ということが非常に大きな要素になります。そういう意味では、たとえば電力用の需要というふうなものになりますと、これは七五%よりももう少しむしろ石炭が有利かもしれないというくらいでございまして、従って現在はこれ以上重油転換いたしますとか、あるいは新規の火力発電所について重油を使うというような計画は全然ございませんのであります。  ところがその反対の例を申しますと、ごく小規模のボイラーというふうなもの、あるいは特殊の炉というふうなものでございまして、特に市街地の中にあるというふうなものを考えますと、これは小運搬というふうなものは何と申しましても石炭の方が小運搬賃がよけいにかかります。あるいは貯炭場と貯油場と比べますと、そのスペースが貯炭場はよけい要るとか、あるいは石炭の廃棄が都会地にあります場合には不便であるというような要素が非常に大きく作用して参りまして、こういうようにカロリー当りの計算ではなりましても、そういった計算しにくいような要素が非常に大きく作用いたしまして、実際カロリー当りでは石炭の方が安くても、重油に執着してなかなか転換が困難である。ある程度強い勧告をしないとむずかしいというふうな面もあるわけでございまして、そのへんはどうも一律にこの通りで、この例でいいますれば、京浜の百十円、トン当り百十円でありますが、これだけ安くなったとして、全部がそれでは石炭転換するということになりますと、なかなかそういうふうにいかない面もあるというふうに御了解願いたいと思います。
  155. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 先にも申しましたように、この数字というのは実に単純に出されているわけですが、石炭の方は計画通りに二割下っております。重油の方は一向に下らない。ところがむしろただ単に輸入関税が復活した場合の値上り五百円だけを見て、実に単純に五百円足して上がる、こういうふうに書かれておりまして、この法律説明するには実に都合のいいような資料なんですが、しかしこの法律の六条はもちろん骨抜きにされましたが、しかし鉱山局長のお考えでは、これは修正をされても実効は上げられるのだ、こういう確信を持っておられるのか。そうするとこの六条の精神というものはやはり将来の緊急用途に対する重油の供給を確保するために必要のあるときには重油出荷または販売価格に関して必要な指示をすることができる、こういうふうになっているのでありますし、今までのいろいろな答弁の中でもCIF価格と最終の消費者価格との間の大きな開きは決して妥当ではない。もっと縮められるのだとしうことを言っておられる。しかもそれが研究中である、ごく近い機会にそういう改正をしたい、こう言っておられる。しかもまだ五年先になってもちっとも重油の方は価格は改善されない、むしろ五百円上るという勘定をされている。ここに重油の価格の見通しと国内炭の価格の見通しの間に非常に政治的な操作が加えられておって、同じベースに立って考えられていないのではないか。ほかにもつと重油の値段は下がるファクターはないのか、あるいは国内炭については必ずしも二割のコスト切り下げがそのまま消費者の方に二割影響しないで、もっと別なものに吸収されるファクターはないのか、こういうことを考えてみますと、全くこれは算術計算をしたにすぎないと見なければならん。その点についてはどういうふうにお考えになりますか。
  156. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私どもの方が現在どうしても重油の値段をある程度下げて、そうして事業者のためをはかってやらなければならぬということは、たとえば漁業向けのA重油、これはほとんど石炭と競合いたしません。そういうものにつきましては極力下げていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。それから陸上用のBC重油につきましても、どうしても輸出産業におきまして、そのコストの中に占める原料費が相当大きくて、どうしても重油の値段をある程度下げなければどうにもならぬというものにつきましては、われわれが特別な措置をとっていきたいというふうに考えているわけでございまして、それ以外の、たとえば一般ボイラー、そういうようなものにつきましては、私どもの方としましては値をそれほど下げていこうというような考えは今のところは持っていないわけでございまして、従いましてそういうものに関税をかけることにいたしましたが、それがそういうものに影響するようにわれわれは行政指導でもっていきたいというふうに考えているわけでございまして、ここで例に出しましたものも、実はそういうものとの比較というふうに考えておりますので、従来の価格に対しまして関税をかけるということになりますと大体五百円くらい上りますから、一万四百円というような計算をしているようなわけでございます。
  157. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 私は今までずっと総合エネルギー対策というものを、資料を見せていただき、説明を聞き、またこういう法難案の審議に当って港えることは、何か燃料対策について一貫したもの、そうしてもっと根本的な検討すべきもの、そういうことが抜けているのではないかという感じがしてならないのであります。石油の進出を中心にして、エネルギーの供給構造が変化してくるということについては、これはもう十分に納得もできることである。またこの前参考人の中で雀部教授でありましたか、そういうことは世界的な傾向であって、だんだん、言葉が悪いけれども石炭はすでにたそがれ産業みたいな傾向にあって、重油の方が上昇カーブをとっているのだという御説明がございましたが、私はこの重油石炭の持つ特殊な性格からして、そういったような一つの大きな燃料の使用分野におきまする比率がだんだん変ってきつつある。こういうような根本的なことを見のがしてはならないと思うのであります。だから一時的な重油消費規制したからといって、これが抜本的な石炭合理化になると考えたらこれは大へんな間違いでありまして、おそらく一回の注射は二回の注射を要求し、中毒症状になって、いつもこういうような人為的な操作をしなければならないという結果になるのではないか。それでは一番大きな根本は何かというと、これは栗山さんからこの前要求をされた資料の一番上に付けてありますが、一人当りエネルギー供給の問題であります。これが日本では現在一年一人当りのエネルギーは石炭に噂して一、一九トンであります。ところが次のページで見ますところの外国の同じ国民一人当りエネルギー消費量というものは、アメリカの七、八四トン、カナダの六、九二トン等と、実に比較にならないくらいの大きな数字でありまして、日本以上の、あるいは二倍以上の国民一人当りエネルギー消費量になっている国がたくさんあるのであります。このエネルギーの一人当りの供給量が一般の産業合理化等につれて上昇していくという一つの大きな産業上の計画がなければ、私は幾ら人為的なことをやっても、またやはり行き詰ってくる、こういうふうに考えるのでありますけれども、この表によるところの一人当りの供給カロリー量の上昇というものはまことに緩慢です。三十年度一、一九、三十五年度の完成時においても一、三六で、ほとんどこれは見るべき上昇はないのであります。こういうところに私は根本的なエネルギー対策の問題があるのであって、もう少しそういう面が帳本的に改革をされて、そういう画期的な計画に基く燃料対策が持たれないのであったならば、いつまでたってもこういう人為的な方法を繰り返していなければならない。しかもそれは朝令暮改という、好ましくない形で政治的に行われ、しかもこれによって迷惑するのは国民であり需要者である。こういうことが繰り返されてくるということを憂えますゆえに、この点につきましては通産大臣から一つ根本的な所信の御披瀝をお願いしたいと思います。
  158. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 三輪さんの御質問はごもっともでありまして、結局根本対策は日本の全体のエネルギー消費量がふえるというような政策を行うということが何につけても根本であります。決してこれを忘れているわけではありません。いろいろ批評もありますが、経済六カ年計画というものもそういうところへ一つ着目いたして実行いたしていきたいと考えておるわけでありますが、しかしさしあたりの問題として、しからば急激に日本のエネルギーの消費量を今日よりも急速に上昇させることができるかというと、これは希望としては抱きますけれども、実際問題としてはそう急速に上昇させるということも、私はそういうことを想定することも危険でありますので、そこで私どもとしては、差しずめの方策としては、今の石炭合理化の問題あれの一つ措置として重油をある程度規制して、むろん石炭の使用に対しても、どなたからか、栗山さんからもお話があったように低品位炭の利用というようなことに力を注いで参るつもりでおる次第でありまして、御趣旨はまことにその通りで、私も全く同感であります。
  159. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  160. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後三時十八分休憩      —————・—————    午後五時四十六分開会
  161. 吉野信次

    委員長吉野信次君) これより開会いたします。  休憩前に引き続いて質問を願います。
  162. 海野三朗

    ○海野三朗君 大臣にお伺いしたいのでありますが、重油を使った場合と石炭を使った場合とでは非常なここに違いがあるのですね。カロリーの点から申しましても、また実際燃焼してみた場合においても非常な違いがある。違いがありまするから、今ここでその重油ボイラー規制案というようなものを持ち出したって、水は高きより低きに向って流れるのは原則でありますから、阻止し得ない。この阻止し得ないものを法案で縛るということはまことに当を得ないものであると私は考えます。それよりも、むしろ私はこれまで再三主張したのでありますが、関税の問題です。この重油を安く入れておいて、そうして一般大衆に使わせて、重油の使用によって非常な得があるのでありまするから、きゅう然として、世はあげて重油を使うようになってきたのです。ところが逆にそれを今度は規制しょうなんていうことは、関税の定率をそのままにしておいて、こういう法案をお出しになるということは、私はまことに当を得ないものである。あまたの法案中、これくらい愚案はないと考えるのであります。この重油ボイラー重油を使わせないようにしようというならば、何ゆえに関税を当りまえに取らないか。あの関税定率をやった時代と違いまして、その後すべての点について重油が輸入については安くなっておる。それは政府当局がよく御存じのはずである。それにもかかわらず関税を免除して、一割の低減をやって、二十六年以来ここにそういうだらしのないことをやっておって、そうして一般大衆に重油を使えばいいということはよく知れわたっている。従ってこの製品なんぞについても、重油を使った方がはるかに安く上るので、今日この重油ボイラー制限をお出しになるその前に、その関税の定率ということをやめて、法の命ずるところに従って当りまえに関税をお取りになるということが、重油を使わないようにする一つ方法であり、それをそのままにしておいて、ただ二分ぐらいの値上げとか、あるいは六・五%ぐらいの値上げとか、そういうような姑息な手段をしておられて、今後重油ボイラー制限されたって、重油にかわることはできない。石炭を使えば確かに能率は減退いたします。従って製品も高くつくのです。これは私がちょうちょうなんなん申し上げなくても、よく御存じのはずであると思いますが、こういうふうな姑息な手段をお出しになるということは、私はあまたの法案中、これくらいつまらぬ、ばかにした法案はないと考えるのでありますが、いかようにお考えになっていらっしゃるか。はっきりした御所見を承わりたい。
  163. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 御意見ごもっともでありまして、姑息という御批評を受ける点も、これはそうおっしゃられれば姑息とも言えるわけであります。しかし、しばしば申し上げましたように、重油の関税はもう長い間免除になっておりまして、またこれを使用する面は水産業等の面もありますから、その方の関税をにわかに上げることは影響が大きいので、これは上げたくない。また陸上の部面も、とにかく使われる限りは、今の輸出品に特に必要であるというような重要な点においては、今日ボイラー規制はいたしますが、依然として使ってもらわなければならぬ方面もございますので、そういう部面の価格を急激に上げるということを好ましくないと存じましたので、関税も姑息というお叱りでありますが、定率法通りには今回元へ戻さなかったわけであります。規制の方はなるほど無理も一面においてありますが、またしばしば申し上げましたように、ぜひ必要であるという部面についてはとれは重油を使うことは必ずしも制限しようといたしておらないのであります。ただ石炭でもけっこう間に合う、差しつかえないという部面については石炭ボイラーを使ってもらいたい、かように考えましてやったことでありまして、いろいろ諸般の事情と見合っておりますから、非常にずばりと割り切ったものでございませんから、なるほどこ息といえばこ息でないとは申し上げかねるのでありますが、しかしこれは現在の事情においては、この程度のやり方が実情に即応するものであると考えた次第であります。
  164. 海野三朗

    ○海野三朗君 重油を使いますれば製品の値段も下るのでありますが、は石炭をこのままにして使わせるというと、製品が高くつくのです。そういう点はいかようにお考えになっていますか。
  165. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 私はその専門家でございませんから、海野さんの方がはるかによく御承知でありますが、ただいま私の理解するところでは、これはものによりまして、それは重油を使う方が絶対にいいというもののあることも事実でありますが、しかし、石炭で差しつかえないものもある。石炭を使えば必ず原価が上る、一律にそうもいえないものだと考えます。
  166. 海野三朗

    ○海野三朗君 それは石炭を使いますよりも重油を使った方がすべての点においてよろしいのであります。これはもう私が申し上げないでも常識になっています。それならどれくらい効率があるかと申しますと、石炭を使った場合よりも二倍半乃至三倍の効果があります。そうして石炭を燃やしましたときにはアッシュが出ておりますから、アッシュに運ぶというような動作も要る。しかし油の方にはアッシュが出ておりませんから、労力の点においても非常に得をする。それですから重油規制法律をもっておやりになっても、大勢のおもむくところ、これはもう水が高きより低きに向って流れるやつをせきとめきれないと私は思うのです。それを無理に反抗して法律をもっておやりになるということは、ただいたずらに罪人を作るにしかすぎないのである。法の違反者を作るだけであって、何らプラスに私はならないと思う。  それよりも、もう一つ特にお伺いしたいと思いますることは、石炭の利用であります。過日も石炭局長からコーライトの問題もありましたが、しかしながら、この製鉄事業におきましては、粘結炭といたしまして、内地の炭でも相当のところまで利用できるのであります。そのことについての研究が以前にあっておるのだから、少くともその石炭行政をやっておられる通産省は、私からそういうことも前に聞いたならば、なぜ、愛知通産大臣のときも傾聴すると言っておられたのだけれども、今日またその研究者の本人を呼んでよく御調査にならないのであるか、その点も私は通産当局にお伺いたしたい。
  167. 鈴木義雄

    政府委員(鈴木義雄君) お答え申し上げます。ただいまのお話は、田所博士の御研究の、普通炭を急激に乾溜して、それによって粘結用のコークスを作る、石炭と同じような効果をあげるという方法かと存じます。この点につきましては、実は直接田所博士をお呼びしておりません点はあれでございますが、私の方としましては、博士の発表を十分に論文なりデータにおいて研究いたしまして、それから同時に、従来のこれに関係あります八幡製鉄所の研究所に連絡いたしまして、八幡においてこの方法の研究の結果を聞いております。八幡といたしましては、これを研究いたしました結果、相当効果があったという結論は出ております。しかしながら、これは、固さにおいて相当効果はあったという結論でございますが、その時の結論では、潰裂度においてはまだ十分ではないというふうに結論が出ております。しかしその後八幡といたしましては、同じような目的でほかの方法の研究もした。たとえて申しますと、粉コークスを利用する問題とか、また技術的の詳しいことは存じませんが、そういういろいろな技術的な研究もほかにもやり出したというような状況でございます。従いまして、私どもといたしましては、さらにこの問題については、非常に興味のある問題でございますので、業界とよく連絡し、さらに八幡その他従来のほかの同様の目的の研究等も勘案いたしまして、さらにこれの研究について考究いたしたい。また国の資源技術試験所等におきましても十分この問題について検討していきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  168. 海野三朗

    ○海野三朗君 ただいまの御返答は、私が申し上げるのは、研究者自身が過去十五年間もやったのであって、その事実は八幡製鉄所に問い合せたって、もぬけのからになったところに聞いてもわかりはしない。今、彼は高知県の工業試験所長をやっておる、十五年の研究データを全部持っておる。まだ発表しないこともたくさんある。それでありますから、通産省から呼んで、技術的によく検討をして、この石炭の活用ということにもう少し力をお入れにならなければならないのではないかということを、私は去年愛知通産大臣の時に力説した。ところがその後一度もお呼びになっておられない。どうも私はそういう点から考えますと、この石炭というものを活用するという点について、もう少し通産当局が身を入れておやりになってもいいのではないか。私はこういうふうに考えるのでありますが、その方面の担当でおられる政府委員の方にもう一度その御決意を承わりたい。鉄鋼の方で輸入している石炭が何十万トンか、何百万トンかあるのでありますから、それの方にこれを活用いたしますれば相当な石炭が役に立つと私は思うのであります。それをただお役所におって報告を量るというような、そういうふうなことでは私はいかん。私はそういう鉄鋼の方の実験をやって参りましたから、研究は理屈ではありません。実際やった人を呼んで聞かなければいけないでしょう。私は通産当局の今日までの誠意が欠けておると思うのですが、いかがですか。
  169. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) その点はたしかに海野先生のおっしゃる通りでございまして、われわれの研究が不十分じゃないかとおっしゃられても実はいたし方ないのでございますが、釈明の意味でもう少し申し上げますと、この前、海野先生からお話がございましたときに、これは製鉄業の原料コークスの製造の問題につきましては、主として重工業局の所管でございますので、その方にも話をいたしまして、それからわれわれの研究機関の方にも話をいたしまして、その研究の結果が、今、重工業局長からも御説明いたしましたように、田所博士の御主張なり何なりは一応見て、それから田所博士の理論とか、その後、八幡である程度試験も実際にやってみたその結果が、どうも全面的に今のところ粘結炭に切りかえ得るほどの効果は、今までやった結果では上っていないというふうなところの一応の結論がございまして、そのままになっておったわけでございますが、しかし、なおそれだけで一応満足しないで、それ以外に本人から直接お伺いすれば、もっと何かデータがあるかもしれんということは、まことにごもっともでございますが、今までのところ一応それで通産省の所管する範囲の技術者なりあるいは業界の技術者なりの一応の結論がそうなっておりましたものですから、そういう措置をとったのでありますが、なお今の海野さんのお話のように、研究者の御本人はもっとほかに何か材料をお持ちかもしれませんので、そういう面につきましては今後もっと積極的に接触をはかりまして、何かそういうものがございましたら見せていただきたいと思っております。
  170. 海野三朗

    ○海野三朗君 その石炭の研究をやりました田所博士を呼んで、よくその報告をお調べになる御決意がありますか。
  171. 斎藤正年

    政府委員斎藤正年君) さようにいたしたいと思います。
  172. 海野三朗

    ○海野三朗君 先に大臣からもお伺いいたしましたことにつきましてすが、関税免除の理由ですね、これは海上運賃は下っておるのです。関税を免除したのはフレートが高かったためにあったんでしょう、一番初めは。現在は当時から見ますと四千円も下っておるペルシャ湾から日本まで運ぶ場合にしましても四千円も下っておるのに、関税免除の意味がない。それを一ぺん下げたからといって、ずっとそれなりにやって……上げるほうは、だれだって上げてもらいたく思いませんよ。今日石油精製会社のほうは、この報告にも出ておりまするが、ほんとうに油太りしている。精製会社はこれは外国資本が過半数入っているんです。そしてしかも油太りしている。もっと関税をかけて、そして売り値を上げないように、行政措置でできるのです。私はそういう点をそのままにしておかれて、今日の石炭の苦況、それをお考えになるということは、片手落ちではないか。もっとそういう点に対して通産大臣は、はっきりした御決意を私はしてもらわなければならないと、こう思うのでありますが、二十六年の十月には六千円のものが三十年には二千円、四千円の開きがあるのですから、関税一割くらいかけたって困りゃしない。それからまた、ある会社は積立金だけ二十六億も持っている、もうけた現金が。そういうふうな油のほうの会社がぼろいもうけをして太っておるのに、石炭のほうが困ってきた。ところがそれを合理化法案を出してやられるというようなことは、たとえば今申しました重油ボイラーの場合につきましてもそうでありまするが、関税についてもそうであります。関税は急に上げられないと今おっしゃったんですが、立法の府にあるわれわれといたしましては、法律できまっておることをなぜ実行できないのだろう。もし実行しないのならばその法傘を改めたらいいでしょう。私は法としてきめた以上は、これはあくまでも実行するのが原則であると考える。通産大臣はいかようにお考えになっておりますか。
  173. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 仰せごもっともでありまして、なるほど関税を免除した一つの事情は、輸送費が非常に高かったということが理由であると聞いておりますが、これは現在の石油の状況で申しますと、関税をかけてその関税をどこで負担するかという問題は、これは税金の問題はいつもむずかしいので、はたして輸入業者、精製業者がそれを全部負担するか、それとも消費者に転嫁されるかという問題は、やはり需給関係の上から考えなければなりません。私どもは、できるだけ精製業者がこれを負担をして消費者に行かないようにしたいと努力はいたしますが、しかしながら一応現在の事情からいうと、普通の考え方からいえば消費者にかかってくる公算が多いのであります。こういうことでありますから、今までの石油が安かった、安すぎたということは、あるかもしれませんが、しかしながら急激にここで石油の価格に変動を与えることも、また産業界全体の上から申しますと必ずしも好ましいことじゃない、かように考えまして、まず徐々にやるべきものだ、かように決断をいたしまして、今度のすでに御審議を受けましたように関税の措置をいたしたわけであります。
  174. 海野三朗

    ○海野三朗君 私は今お伺いいたしましたのは、国法でもってきめてあるものをなぜこれができないのか、それを徐々におやりになるというようなお考えは、私はこの点については不満に思うのでありますが、国法できめたのであるからして、これを実行しない……二一六年以来、今年一年今年一年といって皆一割ずつ関税を免除してきている。それくらいであるならば、ちゃんと法律を改めたらいいでしょう。法律を改めていきなさい。法律が厳存している以上はこれを実行なさらなければならないのじゃないか。それからまた、一割の関税をかけたところで、生産の品目にどれくらい響いているかと申しますと、非常にわずかなんです。値上げは平均一%もいっておりません。そうしてこの関税の問題が起るというと、専門に関税を上げることに対して反対の仕事にばかり従事しているものがいるのであって、その会社の名前を出しているから、ぶつかってみると、さほどに考えていない。各会社から金をもらってそうして関税を上げないことの運動ばかり専門になってやっているものがある。私は、はなはだこれはよろしくない現象であると思うのでありますが、法律できまっていることをこういうふうにかけないということは非常に事重大であると思う。立法の府にあるわれわれは断じて承認できないことである。しからば、この法律できめたやつを減税するくらいであるならば、一般の勤労大衆の税金を安くしたらいいでしょう。私はそう思うのです。それで、法律できめた以上は、これをどうしても実行するだけの御決意を通産大臣に望むのでありまするが、通産大臣はそれは徐々にやるというふうにお考えになっていますが、つとめて近い次の機会にもこれを実行しょうというお考えがありますか。その御決意を私は伺いたい。これは戻すべきものとお考えになっておりますか。
  175. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) なるほど定率法があるのですから、それをまともに実行しろというお説はごもっともと思います。しかし、ことし特にその定率法の通りに戻さなかった理由は、先ほど申しました通りの事情でございますので、これは一年でございますが、当然来年はまた改訂をしなければならん。そのときに定率法に戻すか、それともお話のように定率法をやめるか、そういうことも一つ検討いたしまして決定をいたしたいと存じます。
  176. 吉野信次

    委員長吉野信次君) この際委員外議員の一松君に。
  177. 一松政二

    委員外議員(一松政二君) 私が過日本会議質問をいたしました関係上、一応委員外議員として発言をお願いをしたわけです。それに許可のありましたことを私は改めて感謝したいと思います。  石炭が基幹産業である、基幹産業であるから、これが非常に経営困難に陥っておるから、これを合理化しある意味において救済しなければならぬというのが、大体の御趣旨のように承わっておるのでありますけれども、一体、石炭業は過去においてなるほど増産その他で政府が世話をやいた時代もございますけれども、朝鮮事変があったりその後の模様を見ると、支那事変が起って以来、石炭は不足の時代ばかりを経てきて、石炭の余った時代はなかった。昭和三年から昭和十年ごろに至るまでが石炭がまず余って、当時捨て場に困るというような形容詞をつけなければならぬほど苦境にあったのが石炭産業だ。私は九州でボタ山が崩れて災害を引き起したように、ほとんど九州ではボタ山を改めて掘り直して、そうして石炭を掘り出して、かなり産をなした人もたくさんあるはずなんです。私はそのときに、なるほどもうけたら所得税でとっておるからいいということもありますけれども、もうけたときは、もうけっぱなしで、そうして困ってくると、すぐ政府に何かいろいろ理由をつけて救済策を業者がもってくるということについては、根本的に私は納得のいかぬ考えをもっているのでありますが、石炭は大体基幹産業という概念を、これを持つべきか持つべからざるかということに対して私は疑問がある。イギリスあたりでも石炭産業はあの輸出をしておったのが、イギリスの実情でありますけれども、今日は輸入国に転落してしまって、そうして重油と電気の競争に石炭が負けておる。各国ともにこれは負けっぱなしになっている。それは結局産業の自然の移り変りなのでありまして、日本でも、私どもがまだ世の中に出たころには、生糸は輸出の大宗として、日本じゃ何もかもおいて生糸だ生糸だという時代もあった。それから、その次が紡績業で、私は第一次欧州大戦のあとには、かなりクローズ・アップしたと思うのでありますが、石炭は従来の考えのように、基幹産業と考えることに多少の無理が出てきているのではないかと思うのですが、その点は一応大臣から承わっておきたいと思います。
  178. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 産業に移り変りがあることはお説の通りであります。石炭がほかの重油その他のエネルギー源に逐次浸蝕されているということも事実でありましょう。しかし、さりとて英国においても今やはり石炭を輸入してやっているのですから、石炭が不用になったわけではないと思う。日本においてもやはり石炭というものは現状においては相当重要なエネルギー源でありまして、やはりこの価格を合理的に引き下げ得るものなら引き下げてやる。またこの産業が健全な形になるものならしてやるという必要は、私は依然として存在すると考えております。今まで石炭業者がうまいことをして、まずいときになって云々という説もありますが、これは見方で、そういう点も確かにあって、非難に価する点もございますが、しかしながら、戦時中はずいぶん無理な掘らせ方をした。また戦後においても、戦争の直後においては、これは、ああいうどさくさで一時年産二千万トンもむずかしいということになりましたときに、これは当時私はやはり当局者でありましたが、これは相当金も注ぎ込みましたが、無理をして掘らせたというようなことで、ずいぶん国家の要請に応じて、特に山を荒らしたという点もあるだろうと思うのです。ですから、これは石灰業界から言えば、国家のために奉仕して非常なひどい目にあってきたのだと言われるでありましょうし、また朝鮮ブームころからの後のことを申せば、これは石炭業者はうまいことをした、こうも見られますから、相当議論の余地があるところと思いますが、私はそのどっちもその極端に考えずに、やはり石炭業界もずいぶん国家のために犠牲を払ってきておる点も、これは認めなければならぬと思うのです。それは一時もうけた、けしからぬということも事実でありましょうが、しかしながら現状においては、先ほど申しましたように、とにかく日本としてはまだ石炭業を捨てる時期ではない、かように考えましてこの法案を出したのであります。
  179. 一松政二

    委員外議員(一松政二君) 石炭が捨てられるものでもなし、幾らエネルギーが原子力その他でできましても、石炭が相当のエネルギー源であることに間違いないのは大臣のおっしゃる通りです。でありますが、私は産業を政府が施策をされる場合に、放っておけば倒れる、なくなる。これはなくなりっこもない、倒れっこもない、倒れる倒れると言って倒れたことはない。しかし中には一部倒れたものもありますが、その多くは金融によって倒れる。だから、金融の措置によってしばらく時をかして、そうして自力更生をさすのが私は本筋のように思う。過去においては私どもは、欧州第一次大戦のあとのいろいろな過去における施策を見ても、金融的に政府はめんどうを見ておるが、それでやはり結構立ち直ってきているのであって、あまり産業の苦しいということを端的にそのまま受け取ったといえば、またそうじやないとおっしゃるかもしれませんが、国家があまりに合灘化とかあるいは保護の手を差しのべることは、安易な考え方に堕する危険がある。今日は国をあげてほとんど安易な考え方がびまんしていると私は申し上げたいほどあるのです。すべてを国家の責任において決するような風潮があらゆる面において感ぜられるのであって、私は合理化を叫ばれる場合に、その根本は人事だ、人の心が合理化に向かなかったならば、いかなる施策も魂がないことになりますから、むしろ人によっては悪用する面があるいは買収その他で起ってくると心配している一人でありますけれども根本施策としては、私は金融措置考えてやって、そうして世の中のことは非常に変化いたします。昨年の九月、十月ころまでは、日本の造船業などというものは、たった二台か三台船台が動いておって、ほとんども政府業者もなすところを知らぬといっても差しつかえないと言ってもいいふうであったのが、今日は造船ブームで、そしてほとんど船台があかないのみならず、来年、再来年までも約束済みのような盛況にあることは御承知通りでございますが、私は石炭といえども、日本の産業界がいわゆる拡大均衡、日本の財政が拡大均衡に向う場合にはまた姿が変ってくると思うのです。であるから、本来からいうと、その期間の苦しい間の、健全なる会社は、私は金融的に措置をやる方が、将来を活かすゆんえではなかろうか。この法案の精神はそこにあるのかもしらぬが、日本の今の国民考え方が、もっと、まあベルトを締めるということをよく言っておりますが、日本人のベルトがゆるんでいることは、われ入とともに認めているところだと思う。そこの方が先であって、それを先にやって、しかるのちに救済策を考えるのが筋じゃなかろうかと思うのですけれども、その点に対してはいかがでしょうか。
  180. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 国民の気分が全体にゆるんでおる、産業界の気分もゆるんでおって、何かといえば国家の救済を求めるという気風が相当強いことは、もうあなたと同じようにはなはだ憂うべきことであると考えております。これは全く同感であります。しかし、この案も石炭鉱業を単に救済しようというのではなくて、今のお話のように、この際のただ一時の困難を逃れるためには、石炭業界からも、かねて言われているように、それは一時の救済融資をすれば、それでもいけるかもしれませんが、私ども考えはそうじやなくて、この際どうしても日本の石炭鉱業を活かす、そして日本の石炭というとにかく国内にある最も大きなるエネルギー資源を活用するためには、石炭鉱業を若返らせる必要がある。同じ金を出すならば、その金によって今後の石炭鉱業が若返るようにすることがいいのじゃないか、かように考えて、いわゆる合理化をやろう、こういうわけであります。
  181. 一松政二

    委員外議員(一松政二君) あとごくわずかですが、石炭鉱業を若返らせるのは、結局縦坑を掘るということを意味していることだと思うのですが、日本の石炭鉱業、いわゆる炭連で、いわゆる縦坑を掘り得る会社なり、それからそこのいわゆる鉱区というものは、ほとんどもう限られていると思う。その場合に一番問題になるのは、労働問題でございますが、今までは、これは私の意見になりますから、私は別に通産大臣答弁を必要といたしません。御参港までに聞いていただければけっこうでございますが、いわゆる粕屋の炭田における元海軍の新原炭鉱を鉄道が引き受けて、つい一昨年ころまでに縦坑を掘ったわけです。私もそれは視察いたしました。それでコストが安くなっておるかというと全然安くなっていないのです。それでなお掘った縦坑がある意味において全然むだになっておるといっても差しつかえないような状態になっているのを、われわれは、はなはだ遺憾に思う。もしこの合理化法案によって巨額な金を投じて、もしそういうことであったならば、私は大へんだと憂えている。そういう問題は、ひとえに労働問題に従業員諸君がこれに協力してくれるかどうか、あえて犠牲を甘んずるかどうか、要するに、その鉱区の中にいろいろな、非能率は斜坑を掘って、そうしてそこをとことこ歩いて行っておるのですから、実際かかる時間は多くなる。で、縦坑を掘って、中に車でもつければ早く行けるし、運搬の能率もいいわけでありまするが、集中生産を考えておっても、労働の集中に非常に手を焼いてしまっておるのでございます。そこで、日本のいわゆる大会社の大きな炭田の、しかも厚い炭田で、コールカッターで仕事のできる炭鉱で、ほんとうに能力にふさわしいような労働態勢と、それから不良な鉱区なり、あるいは同じ鉱区の中の不良な坑口を皆閉鎖してしまって、そうしてそれに集中的に掘るようなことがやれなかった場合は、かけた金だけがむだになるということなのでございます。私のおそれているのはそれが一番でございますから、どうぞそのことがほんとうに合理化になるように、従業員諸君の全面的な協力が得られるように一つ御心配を願いたい。私はそれだけを一つ申し上げておくことと、もう一つは、さっき私は海野さんの重油あるいは油のことについてお説を承わりまして、まことにその通りだと思う。今日重油が、まあ石油が世界的にほとんど余る傾向にあるほどにたくさん出て、こいつは当分少なくなりそうにない、世界的に供給がむしろ過剰になっても過少になる傾向はまずないように見られるので、列国ともに燃料にどんどん石炭から重油に移りつつある。これが先ほど海野さんが時代が逆行だと言われた大きな原因だと思うのです。それで私は、それが逆に不経済であって、高くつく方にかわっていっておることは、海野さんと同じにはなはだ遺憾に思います。そういうことでなしに、石炭がその競争にたえ得るような方向に私は持っていってもらいたかった。そうでないと私はその時代逆行のような気がしてしようがない。それと私は、もう一つだけ申し上げておきたいと思うのは、これは本会議でもちょっと指摘しましたように、通産省の総合エネルギー対策の中で、重油規制について非常に腑に落ちないことがあるから、これは一つ事務当局から承わりたいが、なぜあの大口の消費を増加させて、あの小口の重油ボイラー規制法で七十万トン、それから何か家庭消費その他小さなところの消費の百万トンというところのものを削ろうと思うのか、私にはそれが非常に了解に苦しんでおるところなんです。それから大口の消費、鉱鋼業などにおいて、あの中塊の発生炉によってそのガス発生炉を使って、石炭を使って、たしか戦時中は重油がないのですから、石炭に全部かかっていたに違いない。それで昔も発生炉を使っておったのですが、発生炉よりは重油の方がまた効率もよし、安くも上るし、取扱いもいいから、当然石炭から重油に変っていると思う。その方の消費はそのまま増すことを認めて、なぜ小さい方の中小企業にしわ寄せするような、ああいったような取扱いをすることになったのか、これは事務当局から一つ承わりたい。
  182. 川上為治

    政府委員川上為治君) 大口の工場につきましても、特定の炉につきましては、これはだんだんふやしていくという考えを持っておるわけでございますが、それはやはりその特定の炉につきましては、どうしても輸出に相当の影響を持っておる、また重油でなければ温度その他の点からいきましても、石炭よりも重油の方が実質的に見ましても非常にこれは違うという点、それから将来の産業の伸びという点から言いましても、どうしてもこういう特定炉につきましては、ある程度今後におきましても重油をふやしていかなければならぬというわけでございますが、しかし大口工場につきましても、たとえばボイラーというようなものにつきましては、これは相当削減していくという考え方でございます。たとえば電力につきましても、将来若干これは現在よりも切っていく。それからセメントにつきましても、現在よりもこれまた相当切っていくという考えでございまして、輸出、あるいはその技術的に見てどうしても重油でなければならないというような方面だけは、だんだん今後の産業の伸びにつれまして、それだけふえていくけれども、大口のボイラー、大口工場のボイラーというようなものにつきましては、これは削減していくというわけでございます。  それから私どもの方としましては、小口に「しわ」を寄せるというような考えはないわけでございまして、こういうものにつきましても、これは特にその微量需要につきましては、これは特に私どもの方としましては、特別に勧告なりそういう措置はとらない考えでありまして、これは法律にもはっきりその点は、うたっておりますけれども、しかし、たとえばビルでありますとか、そういうものについては、なるべく石炭の方へ転換できれば転換してもらうようにやっていきたいというふうに考えるのでございます。今申し上げましたように、大口につきましても二通りあるわけでありまして、一方はだんだんふやしていかなければならぬ、一方は削減しなければならぬ、こういうようなふうに考えておるわけでございます。
  183. 一松政二

    委員外議員(一松政二君) 今の答弁を伺っておりますと、直接端的に輸出産業なりあるいはそのコストに影響する燃料、熱量はこれを増加するが、間接に影響ある方は切るというふうに聞えるのですが、ところが、この物価体系というものは、いわゆる国民の生活費が基本になるはずなんです。労銀にしたって何にしたって、すべて生活費です。生活の合理化運動というものを今お互いに考えて生活を切りつめる、あるいは生活の、われわれのやり方なりあるいは浪費を防いだり、もっと合理化して、そうして、しんぼうしていくということが、今後まあ問題になるだろうと思うのですが、私は、間接のものは輸出に直接差しさわりはないようなお考え方は、私はちょっと納得がいきかねる。いかにも、まあ通産行政の中で為替の問題などでいろいろ御苦労なさっておるだろうと思うけれども、この生活費が、国民個人の各自の生活費が即日本の物価なんだ。端的にただ一つの商品の、直接のそのボイラーの部門なりあるいは発生炉の部門だけ御覧になって、それが安くつくからといったって、私は日本の物価体系がそれで安くなるとは思わない。それは、そのとき限りにおいては、その商品ではいいかもしれませんが、その商品が結局ば日本の全体の物価というやつの問題になってきておる。そうして、このコストをなすものはお互いに結局働いて、そうしてわれわれが、日本国中の九千万人の人間がお互いに食っていくことなんですから、食っていく費用が安くならなければ物価は下りゃしないですよ。それが結局は輸出にはね返るのであって、家庭用であるとか小さなものは石炭に置きかえたって、それが輸出の産業にはね返らぬとお考えになっておるように聞えるのですが、そうですか。
  184. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私は、そういうものがはね返らないということを言っておるわけではありませんけれども、問題は、影響するところがどの程度であるかという、その程度いかんによって、これはやるべきじゃないかというふうに考えるのであります。従いまして先ほども申し上げましたように、鉄鋼関係の特定な炉、これは温度その他の点から言いましても、どうしても重油を使わなければならない。それからまたコストの面におきましても、その燃料費というものが相当大きなウェートを持っているというようなものにつきましては、これは私は石炭よりも重油を使わした方がいいと思うのですけれども、しかしコストの面においてそれほど大きなウェートを燃料費として持っていないというようなものにつきましては、しかもそれは直接輸出に対して非常に大きな影響は持っていないというようなものにつきましては、これはやむを得ないけれども石炭の方を一つ使ってもらいたい、こういうようなふうに考えておるのでありまして、今、先生がおっしゃいましたように、いろいろなものに対してこれは間接に影響のあることはこれは事実でございますけれども、ここはやはり、非常に影響の大きいものと、それほど影響はないものと、こういうふうに分けまして、影響のないものにつきましては、極力これは石炭を使わせるようにすべきじゃないかというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
  185. 一松政二

    委員外議員(一松政二君) それじゃ議論になることはやめますが、私は石炭合理化するために、今の政府委員の話を聞くと、結局国民生活なりあるいは中小の企業のただ直接影響のないという、ないとまあ考えているようですが、それらの犠牲において私は石炭合理化するというふうに聞えるのです。そうして大きな産業の重油でなければならぬという、私は重油でなければならぬものはないと思います。戦時中には重油なんというものはほとんど言うに足らないほどしかなかったので、それで製鉄業をやっておったのですから、それで製鉄業で一番多く使うのは、確かに発生炉が一番多いのじゃないかと思うのです。それは全部石炭でまかなえるわけなんです。けれども、どうも中小企業を軽視して、大企業に偏重するように今の御答弁からは、うかがえる。で、私はこの重油規制に関してもう一段の考慮が願いたい。それから、この物価は生計費によるのであって、直接のそれはコストも十分わかります。十分わかりますけれども、鉄鋼輸出と言いますけれども、鉄鋼輸出が可能であるか可能でないかは世界のマーケットの動きが一番響く。非常に安くしなければならぬのですけれども、それはボイラー重油石炭と置きかえたから鉄鋼が輸出できないということは、私はそれは、それほど大きな問題じゃない。むしろそういうものこそ中塊なり、石炭と置きかえて、私は小さい方の中小企業にしわ寄せされることを避けられる方が、国民全般から見て、あるいは日本の物価体系から見て、その方が影響が大きいのじゃないかということを、これは意見になりますから、私それだけ申し上げておきます。きょうはそれで私は終っておきます。ありがとうございました。
  186. 山川良一

    ○山川良一君 ちょっと今の質疑応答の中に、この二法案を扱いますについて、根本問題に触れる問題があったと思う。それは炭鉱業者が困っておるから助けてくれというようなことを言ってきたから、これをやるのだというふうな意味だったと思うのです。それに対して通産大臣は、見ようではそういう見方もあるがと言う。人がそう見ているのか、通産大臣も見ようではそう見ておられるのか、その辺が明確でなかったのです。で、私は、私のことを言うて、はなはだ相済みませんけれども、大東亜戦争の始まる前の十六年に石炭統制令で引っぱり出されて、戦争中の石炭行政に参画してきたのであります。その関係で終戦直後に司令部に引っぱり出されて石炭対策協議したことがあります。そのときに大体われわれの主張がいれられまして、それが基礎になってその後の石炭行政が運用されたと私は思っております。と言うのは、その後も公私いろいろの立場でありましたけれども、しょっちゅう司令部のある限り引っぱり出されたり、こっちから押しかけて行ったりして、石炭行政のことを論じておりましたし、また政府で重要問題を決定される場合には、私は差しつかえない限り呼びつけられてその議にあずかっております。それですから、その歴代内閣がどういうふうな政策をどういう考えでとられたか、まあ私は知っているつもりであります。でありますから申しますが、それからなおこの法案について、大体こういう骨子ができ上るまでは石炭産業に従事しておりましたから経過を知っておるのでありますが、石炭産業の方で哀訴歎願したことはありません。むしろ今でも反対でありますが、まあ国がこうしょうというのだから、がまんせいというようなことで、きているのが事実であります。これは事実を申し上げておるのであります。それからなお、私は労働組合にも言い分があると思いますが、私は終戦後相当の期間石炭復興会議の議長をしておりまして、労働者の代表二百何十人を入れまして、石炭をどう持っていくかということについて真剣な討議をしましたが、その議長をしておりましたし、その後、団体交渉その他で労働組合の連中の意見も聞いておりますから、どういう気持でいるか、どういう気持で石炭産業に携わっているか、大体知っているつもりであります。そういうのを含めまして、私どもは、私どもはでなしに、石炭業者は、泣き言を言ったことは一遍もないと思います。私はこの法案というものは、従って見方によって、そういう過去の、どういうふうに石炭行政が行われたかを知らずに、そのときどきの見方で、石炭産業にえらい金を突っ込むじゃないか、また哀訴歎願しているじゃないかと見られるのは、何にも知らない人が見られるのはやむを得ないかも知れない。一松さんが所属される自由党内閣の終戦直後の内閣がどういう石炭行政をやられたか御存じかどうか知りませんが、その後の自由党内閣もありました。だから、その間にどういう政策をとられたか、それを振り返って見られると、大体おわかりだと思いますが、今の石炭業者が、哀訴歎願というのはひどすぎるかも知れませんから、だからこれをやることになったというような御質問でありましたが、それについて大臣はどうお思いになりますか。石炭業者が哀訴歎願したからこれをやろうと考えておられるのでありますか。あるいは二、三日前に参考人を呼びましたときに、町村の代表の者が、国原の罪ほろぼしのような形で跡始末をしなければならぬということを繰り返して言っておりました。私は国家自体だけの跡始末と思っておりません。けれども私が言うのではなしに、鉱業市町村連合会の代表者が言ったように、そういうことがあるのであります。ですから、まあ国としてそのことをやるべきだという見解でお出しになったか。それとも業者が頼んだからおやりになったか。その点について一つちゃんと御答弁願いたい。それがないと私この法案審議にちょっと私は考え方が別個になって来ると思います。
  187. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) お答えいたします。私ども石炭業者から、誰から哀訴歎願されたからこの法案を作るというようなことはしておりません。これは国家のために、それは石炭業が困っているのも事実でありますから、いろいろの中小炭鉱等から種々な救済措置を頼まれたこともありますが、それはそれとして、とにかく石炭業全体を生かすということが国家のために必要だ、こういう観点からこの法案を作ったわけでございます。
  188. 海野三朗

    ○海野三朗君 私が今大臣にお伺いいたしたいのは、つまりこの石炭行政に対する政府当局の無能であったということ、それは何であるかというと、西独は、豊富な石炭資源を持って、そうして反対にこの石油資源に乏しいわが国と非常によく似ている。それで特に石油に対しては非常な高率の関税を課して、そうして国内産業を保護しておった。この点から考えますると、今までは、かけるべき関税もかけないでぼんやりしておった。つまり、今日までの政府の罪ほろぼしと申しましょうか、無能であったことに対して気がつかれて、こういうふうな、この石炭合理化法案をお考えになったと考えてよろしゅうございますか。
  189. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) これは私がずっと政府におったわけじゃございませんから、前の政府が無能であったかどうとかいう批評はいかがかと思いますが、とにかく現状においては、かような処置をぜひとも必要とする、かような観点から出しましたのでございます。
  190. 海野三朗

    ○海野三朗君 それはよくわかります。あなたの御説明を伺うまでもなくよくわかりますが、今日まで石炭に対して保護政策と申しましょうか、そういうことは全部抜けておった。そうして今日になって、この重油ボイラーをどうこうしようというようなことにつきましては、私は内田さんにお伺いいたしたいのでありますが、実に古今未曾有の愚案である。しかしながら、私は今現実にやっていかなければならないでありましょう、これはよくわかりますが、今日まで石炭に対しての保護政策というものがやられていなかった、こう考えるのであります。いかがなものでございましょう。
  191. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 海野さんから私にお尋ねのようでございましたけれども石炭合理化特別措置法衆議院の方は無修正で可決をいたしまして、その他に私ども今ここでいろいろ申し上げるところはございません。私は本日この法案関係のありますところの重油ボイラー規制法案修正点に関しましてここに参りましたので、私からの発言は差し控えたいと思います。
  192. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 先ほど栗山委員から修正者に対して御質問があるというので来てもらっているわけですが、まだ見えないですから、その間ちょっと修正者に私どもの方からも一、二点お伺いしたいと思います。  第四条の「次の各号に掲げる事項を勘案して定める基準に従い」云々という修正がありまして、三つ事項があげてあるわけですが、その一つに「その者が、重油以外の燃料を使用することができるボイラー設置しているかどうか。」というのがあります。それは、「その者が、重油以外の燃料を使用することができるボイラー設置して」いないときには、この制限をしな  いということを意味するのですか。
  193. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) お答え申し上げます。そういう趣旨ではございません。ただ一般的に考えますと、今日重油ボイラー設置をいたしておりますものは、そのものが好んでやってきた場合よりも、昭和二十七年以来、政府の方が、石炭ボイラーではとても用が足りない、石炭の供給が当時の炭労ストその他に関連して非常に逼迫いたしたり、また先ほどどなたかからもお話がありましたように、いろいろ国際経済競争場裡に立ってやって参りますためには重油ボイラーにした方が適当であるというような点から、政府の強い勧奨によって前の石炭ボイラーをつぶしてしまって重油ボイラーだけにしてしまったというのが多い現状におきましては、今度あらためて他の角度からこれの転換政府指示します場合には、このほかの予備ボイラーがあるかないかという点を考えて、そうしてこの事項についての、予備ボイラーを持っていないものについての指令を出すか出さぬかの基準を別に審議会で作っていただいて、その上で指示を出すべきである、こういう趣旨でありまして、ただいまのお尋ね通り、予備ボイラーのないものは全部指示をなさない、こういう趣旨ではございません。
  194. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 第七条の重油ボイラー規制審議会委員のことですが、第三興において「重油に関する学識経験者のうちから、通商産業大臣が任命」せられることになっているのです。「重油に関する学識経験者」というのはどのような種類の人を予定しておられるのですか。具体的な名前でなくて——もちろん、そんなものはきまっているわけはないのですが、まあ、抽象的なことでいいですが。
  195. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) お答えをいたしますが、この問題は今朝ほど大分論議のありました問題で、結論的に申しますと、ただいま御審議に相なっておりまする政府提案石炭鉱業合理化臨時措置法案の第七十二条に、石炭鉱業合理化審議会、その委員についての規定がございますから、それにも同じように、「石炭鉱業に関し学識経験のある者のうちから、通間産業大臣が任命する。」という規定がございます。それと同じような考え方で、われわれの審議会を作ります際にも、委員の選び方を政府にやっていただければ、結構であると考えます。
  196. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 重油に関する学識経験のある者のうちで最も多く存在しておられるのは、重油の精製、販売その他関係事業をなしておる人の中に多いと思われるのです。そういう油に関係しておる人も入り得ると考えていいのでありますか。
  197. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) お答え申し上げますが、これもけさほど大分皆さんからお話が出ましたが、正直に申しまして、この審議会委員についての規定をわれわれが修正におきます際に二つの考え方があったわけであります。その一つは、重油の生産者とか輸入者とか消費者とかいう需給双方を代表する者とか、あるいはこの重油のみならず他のエネルギー資源の生産需要に関係ある業界等から出す、あるいはまたそれらに関係ある労働界から出すというような規定の仕方もあるわけでありますが、ことにさような考え方を避けまして、重油に関し学識経験があるという規定にいたしましたのは、この選択の最初の考え方で、重油について十分な学識経験のある方という角度において、その結果として、あるいは重油生産業者、あるいは消費関係ある鉱工業者、あるいはまた、重油のみならず、現にあるいは過去において石炭、電気その他のエネルギーの事業に関係のあった者が入ってくることは、重油に関して学識経験のある人物である限り、それを妨げることにはならないだろう、かような想定を持っております。
  198. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 栗山委員が見えましたからやめますが、第四項の「審議会に関し必要な事項は、政令で定める。」とありますが、その政令の案はできておりますか。
  199. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 三輪君に申し上げますが、午前中に同じように政令のことについて質問がありまして、政府側の方でよく研究をしまして、今おっしゃったようなことを答弁することになっておりますから、どういたしましょう。栗山委員が見えておりますから適当のときに今のことについて……。
  200. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それでは……。
  201. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 内田代議士にちょっと伺いますが、第六条を衆議院において修正せられた意味をもう一度御説明いただきたいと思います。
  202. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) けさほど修正要旨を申し上げる際にも申し上げましたが、重ねて申し上げます。政府原案の第六条に、通産大臣重油出荷または販売価格について必要な指示ができるという規定があるのであります。この規定は二つの点から相当再検討を要することと考えます。一つは、この法律というものは重油ボイラー設置制限に関する法律でありまして、初めからの建前が、重油の需給調整とかあるいは価格の統制をしようということで出発している法律の体系をなしていないのであります。さような法律の体系において、ここに突如として今申しますような一種の総動員法的なものが入っておることは、これが適当ではないではないかということが一つありまするし、もう一つは、この六条自体の規定として、かような権限を、今のような石橋通産大臣その他の局長のような立派な大臣局長にお任せするのならいいが、そのような法律を残しておいて通産大臣運用自在に、需給の調整、価格の調整をやることになりますと、これは大変危険であるということで、修正案のような修正を必要とする結論になったわけでございます。
  203. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 そうしますと、もう一度端的に表現すれば、衆議院修正された意向というものは、第六条は重油ボイラー設置制限等については直接関連がないので、本来なら要らない条文だ、こういう意味ですか。
  204. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 正直にそのような考え方もございました。しかしこれに対して、この法律は、二条、三条あるいは修正された四条におきまして、重油をどこまでも押えつける法律である、これはその通りで、たとえば四条の、いろいろな基準等を設けて運用する条項におきましてもその通りであります。ところが重油に関する行政というものは、押えつけるだけが必ずしも能ではなしに、押えつける反面において、たとえば水産用重油でありますとか、その他、どうしても競争の円滑をはかるために、政府が行政的な努力をするのが、適当な面もあるのでありますから、そこで五条までの押えつける面と関連をしまして、一極のサービス規定と申しますか、政府の行政の心がけの規定としてこれを残したわけでございます。立ちましたついでに、ちょっと私の考え方を申し述べさせていただきますと……。
  205. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 よろしいです、時間がありませんから。  そこで通産省に伺いますが、通産省は、第六条を起案せられたときのお考えと、衆議院修正せられたこの第六条の規定と、二つを比較いたしまして、もちろん原案が通産省の考えておられることを率直に行政に移す場合に一番いいというお考えのもとに、おやりになったと思います。思いますが、そういう考え方からいたしました場合に、衆議院修正案で十分に原案のときの考えを行政に移すことができるかどうか、そのお考えを伺っておきたい。
  206. 川上為治

    政府委員川上為治君) 私どもとしましては、従来の行政指導の経験からいたしまして、原案の第六条がどうしても必要である、いろいろ検討しましてこういう規定を入れたわけでございますけれども衆議院の方でこういう修正を受けたのでございますが、この衆議院の院議に対しまして、われわれとしましては十分尊重してやらなければなりませんけれども、結局、今、内田先生からもお話がありましたように、政府原案の第六条でありますと、どうもいろいろなことで需給調整的なことをぼんぼんやることになりはしないだろうか、それはまた非常に困るのじゃないだろうか、しかもその審議会等にもかけないで政府の方でぼんぼんやるということは、これはどうも行き過ぎではないだろうかというような御心配がありまして、そしてこういう修正になったと思うのですが、結局この修正におきましても重油のワクというものは、これはどうしても全体的に縛られますので、そのためにどうしても必要なところに数量が確保できないという面が出てくるかと思うのでありますが、そういう場合におきましては、修正された第六条の趣旨としましては、政府としては、なるべくあっせんとかそういうことをやって、一つそれが円滑にいくようにしてもらいたい。そうして原案の第六条的なことはよくよくのことでなければやっては困るというふうに私どもはとっておるわけでありまするので、私どもといたしましては、その趣旨に応じまして、第六条を運用する場合におきましては、極力あっせんとかそういうふうな方法によって数量を確保し、あるいはその価格を安くするように持っていきたいというふうに考えておるのでございますが、どうしても、それで、なかなかうまくいかない場合におきましては、私は、やはり価格についても、数量の確保についても、最後的にはそういう勧告なり指示なりをしなければならないかと思うのであります。そういう点までも含めて六条においてはこういうふうな修正をしたものと私どもの方では解釈いたしておるわけでございます。
  207. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 通産省のお話だと、そうしますと、衆議院修正は一応修正として、この法律案の期待しておるところの目的を速成する場合には、万やむを得ない場合には第六条起案当時の考えにのっとって行政を行うこともまたあり得る、こういうお話だと湾えまするので、その点は了解をしましたが、しかし衆議院修正案の精神というものは、今の通商省のお考えとは大分聞いたところ違うようです。  もう一ぺん重ねて伺っておきます。この法案重油の最終使用者であるところの方々の自重を要求して、重油の使用量を規制をして、そうして石炭合理化法案と相並んでエネルギー資源の総合的な調整をはかろうということにあるわけであります。従って第二条なり第三条、第四条、こういうところに規制があるわけです。従ってこれを逆にとれば、第二条、第三条、第四条重油を使う設備というものが規制をせられるわけだから重油の必要な量というものは自動的にきまってくるわけです。従って業者というものがほんとうに国策に殉じて協力をするという意思であれば、第六条の規定は必要はないと思います。ところが、ただいまの重油の需要の旺盛なところから見ますと、二条、三条、四条規定というものが果して誠実に守り得るかどうかというところに私は問題があると思います。これは今までいろいろな、重油に限ったことじゃありません、そのほかの産業界の動向を見てみると、なかなかそう工合よくいくものではありません。たとえば最近問題になっておる綿業の操短の問題にしても、なかなか通産省が行政指導をして考えておるような工合には行っていません。その他、砂糖の問題にしてもいろいろあるでしょう。従って究極するところは強力なる行政指導を要請しなければならないことになってくる。従って第六条というものが通産省が要るというお考え到達されたということは私どもはよくわかる。ただ衆議院修正されたほんとうの気持というものはどこにあるかということがよくわからない。ただいま午前中に、午前中というか、休憩前に、私、通産省に質問したのであります。二条、三条、四条のことについて相当強い反対があることを承知しております。と同時に、第六条について相当強い反対があることを承知しております。ところが二条、三条、四条の反対は、重油の設備を持っている最終の使用者の声、第六条は業者の声であります。あるいは生産業者なり、輸入業者なり、販売業者なり、そういう人の声であります。そういう声を私はここに一ぱい持っております。なぜこの人たちが反対するかという真意を考えると、いろいろなケースが私は想像されると思います。一つは何かというと、需要供給の原則から言って、供給の方が需要よりも不足してくるわけです。そういう状態になってくるときに、当然価格の値上りというものが起きてくる。これは否定することはできないと思います。そういうときに、生産業者なり、輸入業者なり、あるいは販売業者は、不当な利潤を獲得するようなことがあっては大へんなことでありますから、従って指示価格というものを設定するということは当然必要になってくる。これはなぜ業者が反対せられるか。反対せられるという意味を逆に悪く解釈すれば、その間隙を縫ってぼろもうけをしようという精神があるのじやないかと曲解されてもやむを博ない幾多の事例があるわけです。そういうことになぜ衆議院皆さん方が賛成をせられたか、そういうことが私ども理解がつかないことが一つ。それからもう一つは、出荷だとか販売価格指示というものが、罰則を伴っていない単なる指示であるとしても、指示に従わない業者に対して、政府が石油外貨の割当権というものを行使して割当を制限する、こういうようなことがあった場合には、業者としては非常に手痛い。従ってそういう行政措置が行われないように第六条をふんわりと使う、こういう意味の反対陳情なんです。その陳情をなぜ衆議院皆さん方は取り上げられなかったか。総合エネルギー対策として、ぜひともこれをやらなければならぬ。日本の石炭企業を安定線に乗せて、そうして輸入エネルギーと国産エネルギーとを完全に調整して、産業振興に役立てようという精神のもとにこの法案ができて、合理化法案と不離一体の形ができておるとすると、今あなたが言われておるようなそういう法律解釈でなくて、もっと率直な気持で第六条というものについて原案の精神そのまま率直に受け取って協力せらるべきだ。それができないということは、現にここに持っておりますが、生産業者なり、輸入業者なり、販売業者の、ある意味においては政府の政策に協力いたしかねる考え方について、衆議院修正案に同調せられた諸君というものは協力しておられる、こういう工合に考えざるを得ないような気持になるのです。この点について明白に一つお話しを願いたい。
  208. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) お答えをいたします。衆議院に所属する議員といたしまして、虚心に栗山君の御質疑を聞いておりますと、いかにもわれわれの修正が、衆議院の院議をもって修正したものが、石油の生産業者販売業者輸入業者等のぼろもうけを助けるために修正をしたようなお話でありまして、はなはだ侮辱的なお言葉のようにも聞えますが、私は本日は説明者の立場に立っておりますので、議論は避けて御説明申し上げます。大体この法律の六条は、輸入価格の指示あるいは出荷指示ということがございます。なるほど重油の輸入が、為替の事情、今日は為替の事情はあまり考慮する必要はないようでありますけれども、しかし総合エネルギー対策見地から、これをだんだん抑制する必要がある場合に、重油の需要が旺盛であるならば、いかにも価格の引き上げが起るから、何らか政府で手を打たなければならないし、またそれが適当でありましよう。しかし同じような問題が栗山君御承知の砂糖の輸入の問題、あるいはまた現に衆議院商工委員会で慎重に審議いたしておりますところの台湾からのバナナ、パイナップルの輸入問題にもあるのでありまして、現に並行審議をしております石炭価格についても政府指示するという規定はないのであります。標準炭価という幅のあるものを作る。しかもその標準炭価というものは、どこかの一炭鉱の標準炭極をとってみて、一つだけ作って、それを非常に幅の広い判断の資料にするというような行き方で、直接政府が炭価を指定するというような考え方はとっておらない。また砂糖につきましても同じでありまして、これは砂糖の安定帯価格というものを作るようにわれわれは承わっておる。砂糖の輸入価格あるいは国内販売価格について政府指示するということになっておらない。またバナナ、パイナップルについてもさようなわけで、いかに不急不要品であれ、国民に買われておるもので、それについても価格の指示というものは行わないで、もしここに輸入利益が多くあがる場合には、それを入札の形によって政府に納めさせるという構想になっておるのでありまして、今の政府考え方、われわれの考え方、私は政府党ではありませんけれども考え方からいたしますならば、栗山さんのお考えのように、その重要物資あるいはその輸入の不足のために価格が騰貴するおそれのある物資についても、これは一々政府の強権をもって価格を指定するとか、あるいは需給調整をしようという考え方を何が故に重油だけにするか。何も今の重油でやるなら、重油に限らず、砂糖につきましてもやるべきである。バナナ、パイナップル、石炭についてもやるべきだ。その他、探せば重要な物資はあるはずでございます。従って、ことに申し上げたいことは、昨年あたりまで国際的下足物資の需給の調整に関する法律というようなものさえありましたが、これも昨年は廃止してきておるのでありまして、その際、私ども考えを同じくする者といたしましては、これは重油であれ何であれ、ここで価格統制を作って、もし価格を指定いたしまして、それでも価格の上った場合には、それこそ戦争直後の価格差益に関する規定までも置かなければならない。政府は指定価格をある場合にはキロリットル一万円とし、次にはこれを一万三千円にしたならば、石油を保有する者に同じ政府が指定しながら三千円の価格差益として吸い上げなければならないことになりまして、非常にここに大きな政府の政策の転向をしなければならないことになるわけでありまして、そこで栗山さんのお話は私はよくわかりますけれども、おっしゃるように重油というものは外貨の割当によって握られているものであり、また重油の販売につきましても、御承知のように販売業者の中小企業等協同組合というものがある。この協同組合で、販売価格の協定なり、あるいは出荷数量協定なり、いろいろできますものですから、これによりまして政府があっせんしてやることによって私は十分目的は達し得られる。もし政府が政策を転向して、重油なりその他の物重要資につきまして、価格統制あるいは物資の需給の調整をおやりになるならば、重要物資の需給調整法というようなものを堂々とお出し願いたい。あるいはまた価格統制法というものをもう一ぺん復活して論ずべきである。それを重油ボイラー設置制限等のこの法律のところにごそっと入れてきて……それでたびたび申し上げますように、石橋通産大臣川上局長のようなりっぱな方が運営せられるならば、これは間違いない、われわれ常識ある者の考え方で行われるでありましょうが、こう法律に書いてしまえば、これはこの法律を動かすものは内閣であり、また一官僚であり、とんでもないことを招来するということを、私ども、まじめに心配をいたしまして、そうして原案の六条をかような規定修正をいたしたのであります。多少の言い過ぎがございましたらおわび申し上げますけれども、私ども修正の立場を率直に申し上げておるのでありまして、決して販売業者輸入業者から陳情を受け、それにのっとってぼろいもうけを助けるというような考えは毛頭ありません。
  209. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私は衆議院の院議で決定されたことについて、とかくを言って衆議院の決定に言いがかりをつけて、衆議院を侮辱しようという考えは全然ありません。ただ問題は、経済現象として結果がそうなりますよということを私は言っておる。(衆議院議員内田常雄君「その点についても御説明申し上げました」と述ぶ)それをあなたお認めになりませんか。結果的にはそうなるということを、私が言った通りに。  それからもう一つは、私は、今あなたが言われた通りに、砂糖も石炭も少くとも外貨で占めている以上は、これはある意味においては統制経済です。外貨を通じての。そういうものは強力に私は統制経済方式をとるべきだと考えている。社会党の党員として考えている。しかし今民主党なりあるいは自由党の党の政策からいって、そういうことは、にわかに行えないでしょう。この点も私は党員として他党のこともよくわかりますから、そういう無理は言わない。言わないが、なぜ重油に対してだけこれを行わなければならぬかということは、あなたも経済に詳しい者として御理解願えると思うが、国際石油カルテルの影響によって、よほど強い行政指導力を持たなければ、いかんともなし得ない状態にあるということをお気づきになりませんか。この間、石油資源開発株式会社法を審議するときも、この委員会で一番問題になったのはそこですよ。アメリカの油田のパイプが日本国の石油なり重油の小売店のパイプへ基本的につながっている。イランの石油パイプが日本の末端の石油タンクまでつながっている。これは日本の経済力の力をもってしてはいかんともなし得ない状態です。私は、日本の独立は、この石油のパイプを経済的にも切る状態にならなければ、日本の真の独立はないとすら考えている。そういう状態にあるから、従って少くとも重油に関する限り、そういう強力なる外国の力によって、日本の国内の重油の需給調整というのはうまくいかない。これがはね返って日本の石油工業というものが不安に陥るということならば、これは涙をのんででも、自由党、民主党の方々は、第六条の、この政府原案の精神にのっとって、そうしてエネルギー政策というものについて協力せられるくらいの襟度があってほしいと私は思う。
  210. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 私はこう考えます。石油、原油というものは、石炭なり電気なりと並んで非常に重要なるエネルギー資源である。従って、重油というものが大部分外国からくるがゆえに、あなたのおっしゃるように、パイプが外国につながっているがゆえに、重油は重要であるけれども、これは切るということには、私は賛成できないのであって、もしその間に輸入利益等が生ずる場合におきましては、これは先般一部の実施が行われつつありますように、原油なりあるいは重油の輸入関税でありますとか、あるいは輸入関税の復活でございますとか、あるいは新設でありますとか、あるいは消費税の問題、消費税の新設でありますとか、あるいはまたこの砂糖なり、バナナ等について行われますように、政府に対する輸入特別利益を納付するという方法でやっていけばいいのであって、これが外国につながるがゆえに重油切るべしという意見には私は賛成できない。
  211. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 賛成できる、できないの問題じゃなくて、物事の筋道を立てているのですよ。そこで、あなたは、生産業者輸入業者あるいは販売業者の請託を受けて、彼らが利潤をあげるということについて何も衆議院は協力する考えでこれをやったことではないとおっしゃいました。私はそうだと思いますよ。思いますが、結果において一つ間違えばそういうことになる、必ずなる、なるからこそ砂糖でもそういう現象になって、今国会においても問題になっている。砂糖は石油ほど国際カルテルの力は強くないと私は見ておりますが、それでもそういうことになっている。わずか百万トンの需要に対して九十五万トン、五万トンの需給バランスの調節をするについて不足額があるがゆえにこういう現象が起きているわけです。従って今二条から三条、四条、この項目を使って、そうして重油の使用の規制を行う。しかも重油業者という者は、日本へどんどん重油を入れて売りたい。こういう気持がある。そのときに、もし一つ運用を間違うならば必ずそういうことが起きてくる。そこで私どもが非常に心配をしている。そういう経済現象、自然的な経済現象というものを、あなたは賛成する。賛成しない、それは勝手だけれども、そうでなくて、もっと率直にこういうことをお考えにならないかということを申し上げているのです。
  212. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 私はきわめて率直な立場で申し上げているので、あなたが一つの立場から自分の考え方、思想を押しつけようとなさっても、あなたと私とは立場が違うから、私は私であなたに御納得できるように申し上げている。従って、あなたが言うている点、わかる点もあるけれども、それが外国につながるがゆえにというような御議論で展開されましても、私には納得できないので、重油を全部封ずるという議論になってしまうのです、あなたの議論からいけば。またあなたが極端な表現をなされたけれども、今までこの法律がなくて、ここまできている……(栗山良夫君「極端じゃありませんよ、君の方がよほど極端だ」と述ぶ)極端な表現をしているじゃないか。(「極端とは何だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  213. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ちょっとお静かに願います。お静かに。速記をとめて。   〔速記中止〕
  214. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記をつけて。
  215. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 私もある程度これは考えて、筋道を立てて説明しているのですよ。僕は決して思いつきで質問しているのではない。石油開発会社法のときから僕はずっと一貫して総合エネルギー対策というものを、私は二十二年に参議院議員になってから、終始一貫して私がやっている一つの政治生命をかけておる仕事なんです。私は非常に熱心にやっているんだ。君はどれだけ熱心かどうかは知らないけれども、僕は熱心にやっているんだ。その中で先ほどの重油というものと石油といべものとは、国際カルテルの影響を受けて、パイプがつながっているからこうだということを私の話の中へ入れて質問したときに、あなたはそれを認めているじゃないですか。認めておいて先ほどの答弁は何だ。国際カルテルというような筋道をとって私が質問することについて答弁できんといったじゃないか。そういう支離滅裂な答弁をしておいて、そうしてあなたは提案者でありながら食ってかかるとは何だ一体。そん不謹慎なことがあるか。
  216. 内田常雄

    衆議院議員内田常雄君) 大へん私の言葉が不用意でありましたために……。
  217. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 速記録を見て下さい、速記を。あなたの言葉は支離滅裂だ。
  218. 小松正雄

    ○小松正雄君 これは、はなはだ私がこういうことを申し上げることは、同僚諸君に対して僭越かと思いますが、時間も相当過ぎて来ましたし、どうせ、あしたもやらなくちゃならんと思いますので、各位にお諮りを願って、本日はこの程度で散会をいたしてもらうように動議を提出いたします。
  219. 白川一雄

    ○白川一雄君 会期ももう時間で数えるくらいしかないのであります。しかし十分審議をするためにその時間もできるだけ有効に使わなければいかんと思います。もしこれで散会するのでしたら、引き続いて理事会を開いていただいて、明日すぐ審議に入れるように委員長の方でおはからいを願いたいと思います。
  220. 河野謙三

    河野謙三君 私はこの今の小松さんの動議には賛成いたしますが、ちょっとせっかく通産大臣御出席ですから、この問題と離れて、私から考えて非常に緊急だと思いますことを、しかも重大だと思いますことを一言お尋ねして御答弁をいただきたいと思いますが、これは待間にすれば私がお尋ねすることは一分か一分半、おそらくそれに対して御答弁も三十秒もあればいいと思います。それだけ一つお認め願いたいと思います。よろしゅうございますか。
  221. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 河野君。
  222. 河野謙三

    河野謙三君 通産大臣一つお尋ねしたいのですがね。きょう私が聞くところによりますと、われわれ委員会の関係の、特殊物資、それから農林関係の砂糖ですか、この法案が継続審議になるやに聞いておりますが、継続審議になるという前提で私はお尋ねするのですが、そうなった場合に、次の臨時国会でおそらくこの議案も再び審議になると思いますが、その間の、特殊物資、今の場合、バナナ、砂糖、これらの関係業者の超過利潤というものは、これは放任しておくのですか。その間においては政府はどういう措置をおとりになるのですか。
  223. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) 今のお尋ねの両案が継続審議になるということは、まだきまっておりません。私はさようにまだ報告を受けておりませんから。しかし万一そういうことがありましたら非常に困る。これはもう実際処置に非常な困難をすると、実はあなたと同じようにそういううわさも聞かないじゃありませんから、腹の中では内内前後処置について苦心をしておるわけです。
  224. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、政府においては、もし継続審議になった場合に、次の通常国会でこの案が否決か可決か決定するまでの間において、これは今その間の対策は持ち合せが今のところない、こういうふうに了承をしていいんですか。
  225. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) いろいろ考えておりますが、まだ結論に達しておりません。
  226. 河野謙三

    河野謙三君 そうすると、会期は明日一日と私承知しておりますが、そうしますと、明日この委員会が閉会になるまでには、その間の処置について何かお答えいただけますか。
  227. 石橋湛山

    ○国務大臣石橋湛山君) どういう結論が出ますか、それまでにはとにかく結論が出るにしろ出ないにしろお答えいたします。
  228. 河野謙三

    河野謙三君 私はこの際なぜそういうことをお尋ねするかというと、この法案がとにかく衆議院にしろ参議院にしろ継続審議になることによって、政府がその間の措置について具体的の御説明がないと、われわれの立場においては、われわれが継続審議に持ち込んだことによって、関係の砂糖会社やバナナ業者に不当な利益を与えたという、結果的にはそうなる。そういう非難を受けることはわれわれ困りますから、この間のことをはっきりと政府から、明日まででけっこうですから、時間一ぱいでけっこうですから、一つ適当に御相談の上、御答弁願いたいと思います。
  229. 小松正雄

    ○小松正雄君 関連して。それは河野委員のおっしゃることもそうだと思いますが、この責任は少くともいつも衆議院にある、こういうふうに転嫁しておくことの方がやはり明確じゃないかと思います。
  230. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それでは、ただいま小松委員からのお話、動議というやかましいものでもないでしょうけれども、そういうお話があって、白川委員からのお話もありますので、委員長といたしましても、何せ言うまでもなく会期はあすに迫っておるんですから、ちょっとそう申しては何ですけれどもあと味の悪い、何かきまりがつかないままで、このままやってもちょっと困ると思いますので、ぜひ一つ白川委員がおっしゃったように、あとこれからどういうふうに審議するかということを理事の方にお残りを願って、お打ち合せをしたいと思います。そういう含みをもちまして本日はこれにて……。
  231. 古池信三

    ○古池信三君 大体今の委員長のお話、私、賛成なんですが、いよいよあす一日しか会期がざいませんから、今までの例によりますと十時から開会といっても実際の議事に入るのは十時半あるいはそれ過ぎになることが多いのです。ですから、そういう点を念頭に置いて、明日は少し繰り上げて、九時半くらいから開会することをお願いしたいと思います。
  232. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記を止めて。   〔速記中止〕
  233. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記を始めて。本日はこれにて散会いたします。    午後七時三十一分散会