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1955-06-02 第22回国会 参議院 商工委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二日(木曜日)    午後二時十五分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     吉野 信次君    理事      山川 良一君    委員            小野 義夫君            深水 六郎君            上林 忠次君            河野 謙三君            海野 三朗君            栗山 良夫君            上條 愛一君            白川 一雄君            苫米地義三君   政府委員    通商産業政務次    官       島村 一郎君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       内田源兵衛君   説明員    外務省アジア局    臨時賠償室長  高木 広一君    外務省経済局次    長       西山  昭君    通商産業省通商    局次長     大堀  弘君     —————————————   本日の会議に付した事件 ○特定物資輸入に関する臨時措置  に関する法律案内閣送付予備審  査) ○経済自立方策に関する調査の件(賠  償及び貿易に関する件)     —————————————
  2. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それではこれより委員会を開会いたします。  まず特定物資輸入に関する臨時措置に関する法律案、これを議題に供しまして、政府から提案理由説明をお願いいたします。
  3. 島村一郎

    政府委員島村一郎君) 特定物資輸入に関する臨時措置に関する法律案につきまして御説明申し上げます。  昭和二十九年度の国際収支は、前年度に比較しますと非常に改善を見たわけでありますが、今後特需は漸減傾向にあり、また世界各国景気動向輸入制限措置等考えますと、これを手放しに楽観することはできないのでありまして、政府としては、今後とも輸出の振興に大いに意をいたすことはもちろんのことですが、さらに不要不急物資輸入を制限することにより外貨使用節約に努め国際収支改善に努力いたさねばならぬと存ずるのであります。  従いまして、通商協定の締結に伴いやむを得ず輸入しなければならないバナナパイナップルカン詰等国民生活にあまり影響のない物資につきましては、当分の間その輸入数量はかなり制限されることになると思うのでありまして、そのためこれら物資国内における需給の不均衡が生じ、これら物資輸入すれば通常の利益以上の利益が生じてくるのはやむを得ないと考えられます。しかしながら、このような異常な利益は、外貨資金割当によって反射的に生ずるものといえるのでありまして、これが全部を関係業者に帰属させることは適当でないと考えられますので、政府としてはこの利益の一部を国庫に納付させてこれが有効な活用をはかることとし本法案を提案いたした次第であります。  本法案の内容につきましては、御審議の途上逐次御説明申し上げる所存でありますが、以下その概要について申し述べますならば、  第一には、この法律において「特定物資」とはバナナパイナップルカン詰等輸入数量が著しく制限されているために、その輸入によって通常生ずる利益をこえて異常な利益を生ずる物資をいうこと。  第二に特定物資輸入について外貨資金割当を受けた者は、一定額国庫に納付しなければならないこと。  第三には国庫に納付すべき一定額は、外貨資金割当申請した者が見積つた輸入価額及び輸入諸掛の合計額と、申請者予定国内販売価額との差額とすること。  第四に特定物資輸入について外貨資金割当を受けた者は、納付金を納付する保証として担保を提供すること。  第五に外国の輸出制限戦乱等のいわゆる不可抗力の事故によって特定物資輸入することができない場合には、その納付義務を免除し、またはすでに納付した納付金を返還すること。であります。  なお、本措置はあくまでも異常な利益に対する臨時措置でありますので、有効期間を三年に限定した次第であります。  以上が本法案提案理由及びその概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、可決あらんことを切にお願い申し上げる次第であります。
  4. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 御質問がございましたらお述べを願います。
  5. 栗山良夫

    栗山良夫君 この法案提出必要性を帯びた基本になるのは、不要不急物資輸入を制限して、外貨節約をはかろうというところにあるということが書いてあります。従って、たまたまこういう考え方一つとしてバナナバイナップル等が指摘されておるわけですが、この目的のためには、バナナパイナップルだけでなくて、さらに広範ないろいろだ商品があろうと思いますが、そういう類似の商品名をお伺いしたいと思います。
  6. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 当面考えておりますのはバナナ及びパイナップルカン詰でありますが、今後通商関係等からやはり不急ではございましてもこちらの輸出を伸ばしますためにどうしても買わなければならぬという場合が予想されますので、そういう場合に個々に慎重に検討いたしました上で政令で品目を追加して参る考えでおるわけでございますが、まあ現在考えられますものといたしましては、たとえば時計でございますとか、毛織物等につきましても考えられるわけでございますが、これらにつきましてはなお各般の事情を考慮いたしまして慎重に取り上げて参りたいと、こう考えております。
  7. 栗山良夫

    栗山良夫君 私がお聞きしているのは法律関係ないのです。全然国内生産のできないものと、それから国内生産が十分できて間に合うのに通商関係輸入したければならぬと、こういう二色あると思いますが、いずれも不要不急のもので輸入をしているものですね。そういう商品というものは具体的にどれくらいあるか、そして輸入額というものはどの程度になるか、これをお調べになったものはございませんかということです。
  8. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 現在輸入計画におきましては、雑輸入品といたしましてかなりいろいろのものを入れておりますが、品物の種類によりまして、バナナパイナップルカン詰のごときは非常にはっきりいたしましたケースでございますが、たとえば完成自動車でございますとかその他くだもの等につきましても一部入れておるものがございますが、これらもこれと同列に考えるかどうか、なお検討を要するかと思います。品物数量品目につきましては、ちょっとただいま資料を持ち合せておりませんので、取り調べまして御提出申し上げたいと思います。
  9. 栗山良夫

    栗山良夫君 調べて御提出を願うときに、商品名と、それから通商関係輸入を必要とする根拠、それから輸入実績金額、それから業者が普通の利益以上に利益を得ていると思われる金額ですね、これは輸入価格国内販売価格小売価格を書いていただけば、われわれ計算でもできるわけです。そういったものの提出一つお願いしたいと思います。それで大へん恐縮ですけれども、他の省に関係のあるものも一応できるだけ網羅してもらいたい。たとえば砂糖その他いろいろなものがあると思いますが、他の省に関係のあるものも一つ調べて下さい。
  10. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ちょっと、つかぬことを伺うようですが、バナナのようなものは多分台湾だろうと思いますが、あれは植物検査法というものはまだ生きているのでしょう。それで何かいろいろな国から輸入ができないのでしょう。あれは今どうなっていますか。今現実バナナという問題になっておりますが、これは台湾だけですか、それともほかの国もあるのですか、ちょっとお伺いします。
  11. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 現在は台湾だけでございます。
  12. 吉野信次

    委員長吉野信次君) しこうして、台湾との間の通商取りきめか何かでバナナというものは必ず買わなければならないことになっておるのだろうと思いますが、その数字をお示し願うのがほんとうじゃないですか。
  13. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 台湾との貿易協定が現在ございまして、本年の三月から四月の初めまで交渉いたしまして改訂いたし、新しい貿易協定ができておりますが、本協定によりまして総額約九千四百万ドル——片道九千四百万ドルの貿易計画を立てておりまして、その中で日本側で買います品物といたしましては、バナナが一年間に四百五十万ドル、パイナップルカン詰が百万ドル、こういう金額が計上してございます。これはやはり日本から相当海産物でございますとか、あるいは雑貨等につきましてかなり先方としてもあまり買いたくないものをこちらとしても買ってもらっておりますので、台湾としての重要生産品でありますバナナパイカンについてやはり貿易促進の見地からこれだけのものを日本側として輸入するという約束を協定でいたしておるわけでございます。
  14. 吉野信次

    委員長吉野信次君) もう一つ台湾側輸出をする場合、そのときは日本の商人がだれが行っても自由に台湾バナナが買えるものか、あるいは輸出台湾政府統制しまして、やはり輸出するについて許可でも受けなければ持って来れないようになっているのか、その辺はどうなっているのですか。
  15. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 台湾輸出物資につきましては、砂糖でございますとか、塩というようなものは国営貿易になっておりまして、先方国家機関が取り扱っておりますので、かなりきつい統制が行われておるわけであります。バナナパイカンにつきましては、これは民間貿易ということで、向う商社日本商社と自由に取引ができるわけであります。ただし、日本側としては別にそれ以上のことはございませんが、先方では日本に対してバナナパイカン輸出した民間業者日本に対する輸入権を得るというような制度実施しておるように聞いております。
  16. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それからもう一つ向う輸出する業者は、たとえば組合とか何か作って市場統制しておるという事実はないのですか。つまり、日本商社がわれと思わんものはだれでも向うバナナ市場に行けば買えるという性質のものですか、それとも何か向うは出す連中が市場をコントロールしておって、値段でも何でも向うが思うままというわけではないでしょうが、適当にきめるという建前になっておるかどうか、それを二つ伺いたい。
  17. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 特別の統制手段は講じてないように思います。
  18. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 事実問題を伺っておるのです。
  19. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 事実問題としましては、カン詰の方は製造業者が割合に少数でございますので、実質的にはかなり価格等については一律の価格で販売されておるように考えております。
  20. 吉野信次

    委員長吉野信次君) なぜそういうことを聞くかというと、法律はこちらの輸入の場合はわれと思わん者は入札にだれでも高い者がビッドして権利を得る建前になっておるけれども、実際向うで買い付ける場合には、何か向うに連絡のある台湾人か何かでないと、あるいは表向きは古湾人でなくても台湾人のロボットのような者でないと事実持って来れんということになると、せっかくこういう制度を置きましても、やはり今までと同じようにここに書いてあるような多少の利益をただなにするような結果に終りはせんかという心配があるものですから、向う市場の出す方について絶対に自由なものかどうかということが私は一つの問題だろうと思って伺ったわけです。その点はもしわかればお話を願うし、もしわからなければ少し業者から実情というものをお取り調べの上に本委員会お話を願った方がよくはないかと思うのです。
  21. 海野三朗

    海野三朗君 今のにちょっと関連質問として、パイナップルのなまのやつを日本に入れて、日本カン詰を作った方がずいぶん高くつくのではないですか、そういうことはお考えになったことはありませんか。
  22. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 現在のところは、カン詰工業としましては台湾としてもかなり重要な産業になっておりますから、先方がなまのものをとりましてカン詰にいたしまして、カン詰日本及びその他ドル地域に対しまして輸出しておるわけです。お考えのようなことも考えられぬことはないわけでございますが、現実の問題といたしましては、先方側としてなかなかなまを出して日本カン詰工業によって行うということは実行問題としては非常にむずかしい問題ではないかというふうに考えておるわけであります。
  23. 海野三朗

    海野三朗君 そのカン詰ですが、台湾では皆ブリキ輸入してやっておるでしょう、輸入してカンを作っておる。日本ではブリキができるのだから、カン詰幾らでもできるわけです。ですから、そういう点もやはり政府としてはお考えになっていく必要があるのではないか。つまりカン詰を作るのに日本からブリキを買っておって、そうして向うカン詰を作って日本に売り出すというのでありますから、日本カン詰はたくさんできるのであるから、なまのままで作った方がはるかに安くつくのではないかと、そういうふうに私は考えられるのでありますが、そういう点は別にお考えになったことがありませんですか。
  24. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 実は農林省の方の生産産業でございまして、最終の検討はまだ伺っておりませんが、通商の面からいたしますれば、現在までのところそういう考え方検討したことはございません。御意見の点もございますので、よく研究いたしてみたいと思います。  なお先ほどの御質問の点は、私どももう少し詳細に実情調べまして御報告申し上げたいと思います。
  25. 吉野信次

    委員長吉野信次君) こういう問題については、密輸のルートが非常にあるものだろうと思うのですが、これを過去において何か検挙した事例があるかと思うのです。そういうものの数字、それからまたこれはちょっとわからぬでしょうけれども、それが九牛の一毛であるかどうか、こんなにもうかるものだと相当に密輸の事実というものはありそうに思うので、そこらの点も事実についてお調べ願い、それからなおこういう法律をかりに施行すると、同じ問題がこの法律によって起りますが、そういう点の取締りというものが万全を期せられるものかどうかというようなこともあわせてこの次までにお調べの上御報告願いたいと思います。
  26. 河野謙三

    河野謙三君 資料の要求になるのですが、栗山さんが要求されたものと同じことになるかもしれませんが、外貨割当の中の雑品といいますか、その他物資といいますか、これの明細をもらいたい。その中で特に摘要をつけていただきたいのは、不急不要の物資であって、先ほどお話通商協定等関係上やむを得ず買わされておると、こういうものと、不急不要であって買わなくてもいいのだけれどもまだ一部従来の何かの惰性で買っておると、こういうものは私はないと信じますけれども、多少まだ残っておるのではないかと私は心配するのです。そういうものを拝見したいのですが、それはできますか。たとえば化粧品であるとか、またよく話の出るゴルフの道具であるとか、そういうものですね。また一部菓子であるとか、こういうわれわれから考えて全く不急不要の物資である、こういうもので多少入っておりますね。そういうものについての一つ明細をもらいたいです。できますか。
  27. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 表を作りまして提出いたしたいと思います。一般的にはただいまお話のようなものは輸入は許可されておらないわけでございますが、お菓子とかウイスキーといいますものはやはり日英協定関係で無理をして買っておるような実情であります。なおホテル用品でございますとか、これは外人からの外貨獲得のために観光ホテルに対しまして若干の割当をいたしておりますが、そういうもので一般には不急考えられておるものも若手入っておりますが、一般的には不要不急のものは現在は輸入されておらないわけであります。大多数は通商協定の必要によりまして入れておるわけであります。なお表を作りまして提出いたしたいと思います。
  28. 河野謙三

    河野謙三君 まことにお手数ですけれども、いろいろ摘要をつけていただきたいわけですが、それでないとわれわれホテル用品がどうとかこうとか言いましてもそういうものはわからんのです。そうすると、いまだにこういう不要のものを入れているのかと、こういうことになりますから、一つお手数ですが、摘要をつけてください。  それからちょっとお尋ねするのですけれども、現在のバナナ輸入量通商協定によって四百五十万ドルですか、四百五十万ドルというものは、一応国内バナナ需要量というものの想定があると思うのですが、それに対してどのくらいの率になるのですか。バナナのいわゆる国内需要量に対して四百五十万ドルのバナナ数量というものはどのくらいの率になるのですか。
  29. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それに関連しまして、戦前の自由なときに、最盛期に何ぼ入れたか、それと比較してどうかということになればはっきりすると思うのです。
  30. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 資料が配付してございます。この参考資料といたしまして通商局から提出いたしました表の中で、七ベージ及び八ページにただいまのバナナの過去の輸入実績昭和十年以降のものをとってございますが、これは単位がちょっと抜けておりますが、一かごでございます。昭和十年当時で三百万かご、それから二百万かご、百万かごとなっておりまして、終戦後ずっと減りまして、八ページの方に参りまして、最近は二十七年が九十万かご、二十八年が四十八万かご、二十九年が六十六万かご、二十九年の輸入は大体四百万ドルでございます。これは数量で出ておりますし、輸入実績でございますから、若干外貨割当と時間がずれておりますから正確ではございませんが、現実輸入いたしました数字を申し上げますと、昨年は六十六万かごということでございます。従いまして、戦前は相当大きく買っておったわけでございます。最近の実績といたしましては、二十七年の九十万かご、これが約七百万ドル程度になっております。この辺がかなり大きな数字でございまして、実態としましてどの程度需要があるかということは、測定いたしますことがものがものでありますので非常に困難でございますが、大勢といたしましてはこういう数字でございます。
  31. 河野謙三

    河野謙三君 それからこれは非常にしろうとくさいことを聞くのですが、この入札ワンロットごとにやるのですか。
  32. 大堀弘

    説明員大堀弘君) なお実施の際に十分検討いたしたいと思いますが、年間四百五十万ドル、現在外貨予算実施半期ごとになっておりますので、かりに上期半期といたしますと、二百万ドル程度を公表いたしまして、それが大体半年くらいの間に実際に現物で入って参るわけであります。二百万ドル程度を公表いたしまして、それに対する申請を受け付けまして、その申請の中から納付金総額の多いものから逐次外貨割当をいたしていく、こういう扱い方になっております。
  33. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、ワンロットごとということじゃなくなるわけですね。
  34. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 大体におきましては半期ないし四半期くらいごとに金額をまとめまして実施いたしていく考え方でございます。
  35. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、この入札のときには、輸入価格というものはこれは決定していないわけですね。外貨割当は一応四半期ごと決定する、しかし向うから輸入するバナナ価格というものについては、CIFかFOBか知らんけれども、それは決定していないわけですね。それは業者の大体想定でやるのですか。
  36. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 実施の具体的な問題といたしましては、説例を申し上げますと、現在の輸入単価が、バナナでは一かごでございますが、CIFで七ドル五十セントでございますが、これが円貨にいたしますと二千七百十五円でございます。それに輸入諸掛り輸入税、それから輸入口銭、それを見まして総原価で三千四百八十二円、こちらの日本側浜相場は、最近の最低をとってみますと、大体四千六百円でございまして、それよりもう少し高いこともございます。五千円以上いっている場合も多いのでございますが、先ほど委員長からの御質問と関連いたすかと思いますが、今までの例から見ますると、向う相場でございましょうが、大体輸出価格CIFで七ドル五十セントというのが動かない値段でございます。従いまして国内価格によって差益が動いているというのが現状でございます。入札によりまして、国内で五千円に売れると思う人は、よけい納付金を納める、こういう計算をして申請をいたして参ります。その高い順に外貨割当をしていく、こういう工合になっております。
  37. 河野謙三

    河野謙三君 私が伺っているのは、国内価格だけは未決定だ、これは相場のことですから……、その他の輸入単価とか輸入諸掛りとか、そういうものはすベて決定済みの上で入札者入札に応ずるのかどうか、残る問題は、国内価格が一体幾らに売れるかという問題が残るだけであって、国内価格が高く売れると見込んだ人は高く入札するでしょう。そうバナナ相場が出ないと見込む人は安く入札するでしょう。その間だげが入札者の頭を使うところであって、それ以外の日本の港に入るまでのすべての単価諸掛りというものは決定されたもので、その前提で入札をするのかどうか、こういうことを伺っているのです。
  38. 大堀弘

    説明員大堀弘君) わかりました。ただいまの点は、輸入価格決定はいたしておりませんから、従いましてもし向うでもう少し安く買える場合には、納付金が多くなるわけでございます。そういう人は競争上有利な立場に立つわけでございまして、納付金を多く出しましても採算がとれるということで、買付価格がかりに七ドル五十セント以下に買った人は、競争上有利な立場に立ち得るわけでございます。そういう考え方でございます。
  39. 河野謙三

    河野謙三君 私がそれをお尋ねしているのは、先ほど委員長からもちょっと同様なお尋ねがありましたが、今のような御説明で行きますと、結局向う輸出業者というか、向う商社に特殊な関係のある人以外には、四半期なんというのは大きな幅で、入札をすることは私はできないと思うのです。これはよほど向う事情に詳しいというか、向う商社と直結した人でないと……、入札というのは、ごく限られた人、国内における特殊な商社だけがよくできることであって、一般商社入札ということにはならんと私は思うのですが、そういう御心配はございませんか。向う幾らで売ってくれるか、第一それがわからんでしょう。大体はこうだろうということはわかっているでしょうけれども、それから諸掛りやなんかの点は大して違わんでしょうけれども、それは第一、単価の問題で非常に危険があるでしょう。そういう点御心配はございませんか。
  40. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 現実取扱い実勢からいいますと、かなり入っておりますが、私どもの判断では、従来の取引実勢がどう大きく動くことはあるまいと考えております。なお御意見ごもっともでございますが、私どもとしましても、やはり先ほど申し上げました点を補足いたしますと、割当の際には一人当りの取扱い量を限定するとか、そういった一日の範囲をきめて行くということも加味して行かなければならぬかとも考えております。なおこの点はもう少し検討さしていただきまして、なお後ほどに正確にお答え申し上げたいと思います。
  41. 河野謙三

    河野謙三君 これは私この点で非常に疑問がたくさん起ってくるのですが、いずれにしても、この法案審議に当って、実施の細目については、追って政府検討するということでは私は納得行かんと思う。これこれこういう手続において、これこれこういうふうな実施をするのだということがわれわれによく納得行かないと、この法案が通過したあとにおいて、非常に弊害が伴うとかように私は思いますので、できるだけ一つ、立ち入るようでありますけれども、こまかく、実施その他につきましても、要項等ございましたら御説明いただきたいと思います。
  42. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちょっと参考までにもう一点伺いますが、この浜相場が平均六千円、最低四千六百円ということになっておりますが、これからさらに末端の小売相場というものが、一かごに換算すると幾らくらいに当るのですか。
  43. 大堀弘

    説明員大堀弘君) ちょっとここに今資料を持ち合せておりませんので、調べまして後ほどお答え申し上げます。
  44. 栗山良夫

    栗山良夫君 それからこの法案関係がないかもしれませんが、原則的なことをもう一ぺん、政府委員にお尋ねしたい。いずれこの法律案をこまかく調べて参りますと、いい点、悪い点がはっきり出てくると思いますが、問題はこういう、ある意味で統制を加えなければならないような品物輸入については、これはある意味においてはこそくな手段ともいえるのですが、こういう手段をとらないで、直接に国がこういう行為を行うことができなければ、国に代行するところの公団、こういうものをこしらえて、そうしてこれらの物資を専管した方が私はきれいであり、また実利があると思いますが、そういうことについてどういう御意見でございますか。そういうことをおやりになる意思がないかどうか。特に私は念を押しておきますが、ただいまの民主党内閣は公社を作ったり、公団を作ったり、特殊法人を作ることについては非常に御熱心なようだから、従って私はそういうことを尋ねてお伺い申し上げておきます。
  45. 島村一郎

    政府委員島村一郎君) これは実を申しますと、私ども当局といたしましても、実にうまくない行き方だとは思うのでございます。従ってその上前をはねるようなことも、これがただいまの場合ですから、やむを得ざる措置としてやるものの、将来は今のお説のようなふうに考えて行くことが妥当ではないかというふうに考えております。しかしながらまだ検討が済んでおりませんので、いずれよく検討いたしました上でお答えをいたしたい、かように考えておりますから御了承をお願いいたします。
  46. 栗山良夫

    栗山良夫君 民主党は経済の六カ年計画をお持ちになっている。それから民主党の政策というものをやはり進めて行くのには、拙速であるかもしれませんけれども、石炭関係についても、あるいはその外重要な法案については熱心におやりになっておることは承知しておる。ことに外貨節約という問題については、民主党のこれは公約であったわけです。従ってそういう重要な問題について、ただいま原則的には、私が思いつきのごとき質問をいたしましたところが、これについてもやはり将来はそういうことも考える必要のあることを大体お認めになっている、そういうことであれば、今からすぐでもそうこれは時間をかけなくてもできると思いますが、そういうものをすぐにおやりになった方がかえっていろいろの疑惑を招かなくていいのではないかと私は思います。そういうことをやればやるほどますますいろいろな取引上の疑惑等が起きてくる、従って非常にガラス箱の中に入れてきれいにしたいためにはそうした方がいいのではないかと私は考えるのですが、いかがですか。
  47. 島村一郎

    政府委員島村一郎君) 先ほどの提案理由説明で申し上げましたように、要するに暫定措置でありますので、できるだけ慎重にただいまの御質問の点は検討して参りたいと思います。
  48. 栗山良夫

    栗山良夫君 この問題については非常に大切なことなので、法案の内容に入ってからでもけっこうですけれども、適当な機会にやはり通商産業大臣なり、あるいは六カ年計画を推進されておる高碕経審長官に御出席を願って、そして民主党の基本政策との関連についてもお尋ねを申し上げたいと思いますので、従ってただいまの御答弁から一歩進んだいろいろな政府側の考え一つおまとめを願っておきたいと思います。
  49. 白川一雄

    ○白川一雄君 提案理由の中に異常な利益を全部関係業者に帰属させることは適当ではないという御趣旨から、第二条に「輸入価額に適正な利潤及び諸掛の額を加えた額と国内販売価額との差額」を納入させるということにたっておるのでありますが、国内販売価額というものが野放しだったりすると、結局それの値段をどんどん上げてくれば、結果において異常な利益の全部を関係業者に与えるという結果になるおそれはないのですか。
  50. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 今のに関連しまして、言葉をかえて言えば、そうやって納付金を納めたいけれども、あとで販売価額を政府に納めたよりもせり上げて不当な利益を得たときに、納付金の追徴を命ずるということになっておりますかどうか、そこをあわせてお聞きしたい。
  51. 大堀弘

    説明員大堀弘君) ただいまの御質問の点は、業者申請をいたします場合に、日本国内市場価格を見まして競争するわけです。現在は統制をいたしておりませんから、自由に販売できるわけですから、それから見ましてなるべくよけい納付した人が結局外貨の別当をもらえるわけですから、国内市場価格のぎりぎりまで競争が行われるというように私ども考えておる次第であります。かりに何かの事情国内価格が急に上った場合に、あるいは関係業者の方が利益を得るという結果が出るとも出ないとも何とも申し上げられないのですが、一般的にはただいま申しましたように、競争関係で一種の入札のような形がとられるのであります。そういうことで現在の価格統制を行っていない段階ではこういう措置がわれわれとしては妥当ではないかと考えましてこの法案を策定をいたしたのであります。  なおお尋ねの点の追徴という考え方は、この法案にはそういう考え方は出ておらないわけであります。
  52. 白川一雄

    ○白川一雄君 国内販売価額というものは非常に弾力性を含んでおるということが言われる、この法案によるとそこからまた異常な利益を得る場合もあるということも考え得るわけであると思いますが、どうでございましょう。
  53. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 国内の需給関係で、国内価格輸入を予定しましたときより上ったときに利益が出ることは当然であります。逆に国内市場が、需要が落ちまして、国内価格が下った場合には、やはりその危険を業者が背負わなければならぬという一種の競争価格入札制で行くような形にこの法案考え方をとっております。やはり利益も出る場合もありますが、危険もやはり背負っていただく、こういうことになっております。
  54. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それは、私あまり言っては何ですが、そこは、つまり需要供給があるときの議論で、今日のように非常に物が少い、少いというときに、その価格が、さっきお話があった通り価格が一定しておるということは、とにかくもう思うままの値段で消費者は買わされているのだな、それだから、これが今のように上ることも下ることもあるというのは、これが物がふんだんにあって、いわゆる需給の原則が市場に働くときの議論です。先ほどのお話のように、非常に物が少くて、そしてやるというときは、やはり売る人のきめ放題の値段で消費者は買わされる、こういうことではないかと思うのです。それだからもし、そういうことはないかもしれんけれども、なんせ前にやるのですから、入札はそれから何カ日たって入れるのですから、そのうち上げようと思えば上げられるのです。政府の忌諱に触れるかどうかしらんけれども、もし不当にもうけたというとき、損することがあるかもしれんからとってもよいというのは、少しどうかと、これは意見になりますが、その辺どうせ施行細目をおかれるときの問題でしょうから、そういうことはないかもしれませんけれども、やはりそういうこともお考えになった方がいいのじゃないかと思うのです。
  55. 小野義夫

    ○小野義夫君 今の問題は皆非常に貴重な問題だと思って、その前に資料一つお願いしたいのですが、分布……今の輸入しまして、青物市場でせって、そして各府県にこれが渡る、その経路。横浜でそれをどういうふうにすぐ府県に直送されるものであるか、あるいは中央市場、東京あたりの青物商、に持って行く、またそこでせりが行われて行くが、その配給の段階と、それから先ほどどなたかからの質問で、最終価格は原料及び加工において、どういうふうな消費価格で買われたか、その間の大体手数料というようなものが、小売商はどのくらいもうけ、問屋は、卸屋はどうなる、それから市場取引状態はどうというものを、詳細な資料が出ておりますれば……、なかったらいいが、それを一つ。それからついでに私も委員長その他の方と非常に同じような心配をいたしますのは、やはり四半期というような大きな何で渡しますと、最高値で一人がとるということになると、その間は独占市場ですから、独占ということを野放しにするということは、これはいろんな規則の精神から見ても、そういう全く官製集中トラストというようなかっこうになるのだから、これはやはり何か適当な処置を伴わなければいかんように考えるのです。その辺の用意が、この法案では欠けておると思うのですから、むしろ先ほどの栗山君でしたか、つまり一応何かもう官僚商売というものはあきあきしておるから、そうでないような何かして、それに一定の手数料を政府がとりたかったら手数料をとって、そしてそれから先は、だんだんそういうまあ需要供給から輸入品というものは大体限られた商品ですから、何割何割というようなふうにたばこ専売みたいなことにはいかんけれども、大体そういうような大まかな統制経済といいますか、そういうことがなければ、これは非常に大きな弊害を、消費家というのは高くても何でも店頭に並んでいれば何でも言いなりに買っているというような現状ですから、そうすると生活がやっぱり向上の方へ、生活費が上る方へ傾くのですから、非常に悪い影響を及ぼすと思います。むしろ政府はとらん方がいいんじゃないか、自由競争さした方がいいんじゃないか、反対に私ども考えている。むしろそういうやつのもうけることを制限しちゃった方がいい、初めから。
  56. 上林忠次

    ○上林忠次君 関連して。ちょっと私もおくれて来ましたので何ですが、法案の内容はわかりませんけれども納付金の多いやつから順番に輸入さして行くというような話を聞きましたが、この単価の低いオファーから、単価の低いところからとったらどうか、しかも四分の一半期ぐらいじゃなしに、毎月か、あるいは二週間おきかの皆のオファーを見まして、単価の低いやつからとって行く、そういうようなことはないのですか、この法案には。納付金——前納金といいますか、納付金の額の多いところから許して行く、割当して行く、外貨割当をやるということを先ほどから聞いておりますけれども単価の低いところからやって行く、そうして競争させる、安いやつから商売さして行くというような条文はないのですか。
  57. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 御質問単価の低いものからという考え方は、法案にはとっておりません。納付金の多い人からという考え方をとっておるわけであります。これは割当の問題といたしましては、普通の場合は、実績で割り当てるとか、あるいは一定の基準で外貨割当をいたしますというような方法が輸入の場合に一般に行われておるわけでありますが、私どもはこういういわゆる利益の多い物資につきまして、外貨割当の方法については非常に議論が紛糾するわけでございまして、むしろこういったビッドの方式といいますか、一定の基準で納付金の多い人から逐次とるというふうにいたしました方が、行政権の乱用といいますか、いろいろトラブルも起らないで行けるのじゃないかという考え方を本法案でとったわけでございます。実はこれと並行いたしまして提案されております砂糖価格安定及び輸入に関する法案は、趣旨は同様でございますが、この法案につきましては、国内価格安定ということが非常に大きな要素になっておりますので、従いまして実施の場合は国内価格というものについて政府は標準価格を定めまして、それから逆算をして最低をとる、低額でとって行くという場合が原則になりまして、一部はやはり競争の余地を残して行くという考え砂糖の方は法安が作られております。バナナにつきましては、国内価格ということは砂糖のように国民生活にそれほど重大な影響のあるものでないという考えに立ちまして、国内価格安定という考え方をとっておりません。従いましてやはりビッドによりまして機械的に割当をして行くということの方が行政上適切な運用ができるのじゃないかという考え方に立っておるわけであります。
  58. 河野謙三

    河野謙三君 資料を見ながらぼつぼつ質問しておそれ入りますけれども、先ほど入札の場合まあ一応四半期ごとぐらいに区切ってというようなお考えであるかのように伺いましたけれども、今私が手元にいただいた資料によりますと、バナナ価格というのは非常に変動が激しいですね。たとえばこのいただいた資料の九ページにありますですね。一月、二月、三月、四月、こういう月別の価格の推移が出ていますが、このしまいの平均の浜相場というところに来まして一月が五千七百円で、二月はもう千百円になっている。こういうように非常に激しく価格の変動のある物資に対して四半期なんというような長期にわたって入札をやるというようなことは、私はさっき心配しましたように、入札者自体も非常にこれは危険だと思うのですよ。同時にその陰にまたいろいろな弊害が起る、こう思いますので、これらの価格の非常な激変があるということを前提で四半期なんということを考えになったのですか。
  59. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 一応先ほど申し上げましたような考え方でございますが、なお御意見の点ごもっともだと思いますので、なお実施の問題につきましてただいまの点は検討さしていただきまして、重ねて御答弁申し上げたいと思います。
  60. 河野謙三

    河野謙三君 それからちょっと教えてもらいたい。浜相場というのは一体どこの相場です。私はわからないのだが、私はこういう措置を今ごろとること自体がすでにおそいので、砂糖とかバナナなどこういうものを今ほっておくこと自体が私は怠慢だと思うくらいです。だから私はこういう考え方は賛成です。方法論はいろいろあるでしょうけれども。それは賛成でありますけれども、ただ実施につきまして私非常にむずかしい問題だと思う。
  61. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 浜相場と申しますのは、日本国内で通関いたしまして、通関した直後で販売されておる価格でございます。通関直後の卸の段階の価格でございます。  それから、なお、ただいまの実施の問題につきましては、実は昨年の上期までは台湾との貿易について一種の輸出入のリンク制を実施いたしておりまして、輸出した人に対して輸入権が行っておったのであります。これが一種の輸出保障のような形で行われておったのでありますが、その結果を見ますると、価格が非常に高く売れるものが値くずしをしましてかえって安くなる、また利益も多くは日本側業者でなく先方の方へおおむね吸収されてしまうというような結果になっておりまして、リンク制そのものは貿易政策全体といたしましても貿易の正常化という見地で好ましくないということで、去年の九月で打ち切りまして、こういう新しい体制に移りたいと思って今日まで準備して参ったわけであります。
  62. 河野謙三

    河野謙三君 私は今までほっておいたことはあなたの怠慢だというわけじゃないのですが、ただ、しかし、今までこういうことをほっておったことは、リンク制をやっておったにしても何にしても、非常に弊害が多かったですよ。はなはだえげつないこと言いますけれども、私はごく最近ですが、軽井沢へ行ってみたら、軽井沢で一番大きな別荘持っている人はバナナ屋さんだと、こう言う。そのバナナ屋さんどこだと言うと、ついこの間まで神田の古物市場バナナのたたきやったような人が、何かの縁故があって外貨をもらってバナナ輸入したところが、急に金ができて、その金が使い切れなくなったからこの別荘を買った、という話まで聞いた、うそかほんとうか知らないけれども、こういうバナナ業界だけでなくて、外貨割当の職権をめぐって非常に弊害か多いのです。ですから、私はこういう措置をするのはいいと思うのです。いいと思うのですが、ただ、今おっしゃるように、リンク別やったからよかった、過去はよかった、去年の九月からやめたからやらなきゃならん、去年の九月以前には必要はなかったということは受け取らない。そんなことは絶対受け取らない。  話が非常に議論になりましたが、浜相場というのは輸入業者国内バナナの問屋さんに売る相場の仕切り場所が浜相場ということなんですか。どこで取引価格が決まるのですか。輸入業者と問屋といいますか卸が取引する価格は。FOBじゃないわけですね。
  63. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 日本CIF輸入しまして、通関いたしまして……。
  64. 河野謙三

    河野謙三君 CIFじゃないですね。
  65. 大堀弘

    説明員大堀弘君) CIFじゃございません。通関後の値段でございます。これはなお後ほど専門家に説明させますが、何かバナナは青いものを入れてかまへ入れて蒸しまして黄色くして出すのでございますが、そこに何かかまで蒸す事業があるわけでございます。そこで仕切られるわけでございますが、そこの値段になっておるわけであります。
  66. 苫米地義三

    苫米地義三君 一点だけ伺います。先ほどリンク制が大へんよかったというのですが、この場合は、たとえば肥料を輸出する、この肥料の輸出国内価格より安くやる。そしてこういうものを持ってきてそれで埋め合せるといろのが従来の常套であったわけですね。ところがこっちの方からいくのは出血輸出をやるんだが、向うから入るものは輸出価格はわかっているけれども向うの市価は幾らであるかということはわかっていない。この八ページの表を見ますというと、二十七年、八年、九年とどんどん上っているのですね。それほど向うの市価が上っているのかどうか、その点を資料でもありましたら伺いたい。また輸出肥料がこの二十七、八、九の間に国内価格輸出価格とどれだけの差があったかということをついでに資料として出していたきたい。
  67. 上林忠次

    ○上林忠次君 今の浜相場というのはおかりましたけれども、そこで最後の線を押えて、それから逆算してある一定のマージン以外は国庫へ納付するということになるらしいのですが、もう一段下まで、卸までいって、末端までいって小売りまで抑えてしまいたいけれども、それはとてもできないだろう。末端の方はしようがない。末端の方の連中は需給関係で相当もうかることはあるだろうけれども、しようがない。少くとも卸まで押えたらどうか。卸すときの値段は青物市場で押えたらいいからすぐわかる、船が着いたときでも、卸にいくまでの中間を押えずに、卸まで押えなければならない。卸の利益は勝手だということになるようじゃ中途半端な法案じゃないかと考えますが……。
  68. 大堀弘

    説明員大堀弘君) ただいまの点は、価格の点は、実行問題といたしまして技術的に困難と考えられますことと、輸入業者もやはり国内で売りまして損を出しては困るでございましょうから、おおむね売りつないでいくという形で、自然国内価格に追随した差益というものが納められるというよらな結果が出るわけでございます。これは実行問題としましては、砂糖の場合もいろいろ検討いたしましたけれども、やはり輸入外貨割当のときにとるのが一番実行問題として可能な方法ではないかと、それ以上になりますと、非常に困難な問題が出てくると思います。さような見地から輸入の際にやっていきたいと思います。
  69. 上林忠次

    ○上林忠次君 実際の需給の関係を現わすのは、卸のところで初めて現われるので、需給関係の結果出てくる値段というのも卸のところで出るということになるわけでありまして、途中で熟成さしたりするというのは簡単な手段で、そこでは値段は出ないのだ、これは貿易商から中間、途中の操作は、これは簡単な操作で、この計算もすぐできる。最後の需給を反映する価格というのは卸で出る、卸までは追及せなきゃいかんじゃないか。それをもとにして諸掛りとマージンを引き抜いて、その差額を国庫に納付するということになって来なければ意味をなさんじゃないかと考えるのですが、その点一つどうですか。
  70. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 先ほど申し上げました通りでございますが。どうも輸入業者の結局国内に対する販売価格と申しますか、元卸のところで結局やっておるわけでございます。それ以上になりますと非常に数もふえますし、抽捉、が出離であると考えております。
  71. 小野義夫

    ○小野義夫君 こういう場合はどうでございますか。入札で為替の割当をもらいますね。ところでいろいろ現地と引き合ったりいろいろやっているうちに、こんなに高くちゃ輸入してもだめだから輸入しないと、その場合に、まあ為替をもらったものはお返しするとか、あるいは他に振りかえてくれとか、いろいろの処置はありましょうけれども、大体引き合わないから、せっかく割当をもらったけれども、自分は辞退するというような場合はどう処置するのですか。
  72. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 法の建前といたしましては、納付金の義務を免除いたします場合には、外国の輸出制限ないし禁止のありました場合、あるいは戦乱でも起りまして不可効力で入れられない場合は、これは納付金の義務を免除するという規定がございます。しかし個人の採算等によりまして義務を免除するという取扱いをいたしますと、入札の際に非常に不公平な結果が生まれるのではないかと考えておりまして、それは大体におきましては認めない考えでおります。
  73. 小野義夫

    ○小野義夫君 これはまあさきに不可抗力的なものが書いてありますけれどもね、台湾との通商条約で、ぜひともそのバナナを予定した金額までは日本は義務的にいやでも何でもバナナ輸入しなければならぬということになっているのか、それともバナナはまあ多少必要でないが、かりに砂糖の方を非常に熱望したから、砂糖に振りかえるとか、あるいは塩に振りかえるとかいうことがその条約面において可能でしょうか。可能なようにできておりますかどうか、通商条約において、そういうまあいろいろこれは国の動き方なり、市場の動き方でそういうことはあり得るわけですが、確定的にいやでもなんでもバナナをとらなければならない、他の商品をとることはできんということになっておりますか。
  74. 大堀弘

    説明員大堀弘君) バナナパイナップルカン詰の面におきましては、先ほど申し上げました数量だけは輸入許可をしなければならぬということだろうと思います。
  75. 小野義夫

    ○小野義夫君 台湾の方の日本に対するその条約上の義務ですね……、日本の……。
  76. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 日本台湾のものを入れなければならぬという義務を負っておるわけであります。
  77. 海野三朗

    海野三朗君 私は昨年十二月ビルマに行ってきたのでございますが、向うに行きましたところがバナナやパパイヤが実に安いのです。一例を申し上げると、百五十円だけ買いまして、四十人がたらふく食ってなお余った。バナナが食い切れない。あれほど硬いバナナがビルマにはあり、パパイヤはだれももぎはしません。なっているのを食おうともしない。あそこから持ってくれば相当日数はかかりましょう、かかりますけれども、こちらにきてからかまで蒸すというような手数も省けるのではないか、ビルマから、あるいはまたタイからでも、このバナナとか、パパイヤそういうものを入れれば、台湾から入れているのとどれだけの違いがあるかというようなことを、政府当局としてはお考えになったことがありませんか。
  78. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 現在ビルマからは米その他買っておりまして、ビルマとの貿易関係から申しまして、特にバナナ輸入しませんと、日本のものが出せないという通商関係にたっておりません。政府といたしましてはなるべく必要のないところからは買いたくないという考え方を持っているわけでございます。台湾につきましては先ほど申しましたように、台湾市場はやはり日本市場といたしましては相当大きな市場でございまして、六、七千万ドルの輸出が出ているわけでございます。その意味におきまして、やはり不要不急ではありましても、この程度のものを買うことが日台貿易を促進し、日本のそういった重要な市場を確保する意味におきまして、バナナ、パパイヤ等をある程度は買うことはやむを得ないという見地に立ちまして協定いたしたわけであります。
  79. 海野三朗

    海野三朗君 それはよくわかりますが、そうしますと台湾バナナというのはそれはひもつきのバナナになっておるわけですか。
  80. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 通商協定によりまして、これだけのものを年間に買おうという約束をいたしておるわけであります。ひもつきでございます。
  81. 海野三朗

    海野三朗君 そういたしますと、タイとかあるいはビルマの方から輸入する際には、政府では許す胸があるのですか、ないのですか。
  82. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 目下のところはバナナパイカン等につきましては、その他から入れる考え方はございません。
  83. 栗山良夫

    栗山良夫君 今までに慈善事業あるいは特定の宗教団体の活動を支援するというような意味で、こういうものの無為替輸入が許可された例がありますか。
  84. 大堀弘

    説明員大堀弘君) いろいろ引揚者の援護でありますとか、障害者の援護とか、そういった目的のために入れさしてもらいたいという希望は相当たくさんございましたけれども、昨年来考えてみますと一件もないと考えております。
  85. 栗山良夫

    栗山良夫君 それは今までに一件もなかったわけですか。
  86. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 私の記憶では認めた例がないと考えております。
  87. 栗山良夫

    栗山良夫君 これは不急不要な品物バナナパイカン以外の品物では……。
  88. 大堀弘

    説明員大堀弘君) バナナは数年前に例があったそうでありますが、弊害があるというのでそり後はやっていないわけでございます。その他の品物につきましてもそういう例は私はないと考えております。
  89. 栗山良夫

    栗山良夫君 たとえばアメリカの中古の衣料等、そういうものはあまり大して緊急の必要はないと思いますが、そういうものでも全然無為替輸入を許可したことはございませんか。
  90. 大堀弘

    説明員大堀弘君) なお調べてからはっきりいたしたいと思いますが、過去においてはそういうケースがあったということです。最近ありますのはやはりこれは先買の形で行われておると考えておりますが、無為替でやるというケースは、たとえばケア物資等で持ってきました場合に、教会等が扱っておるというケースは若干あるのじゃないかと思いますけれども一般にはそういう例外を認めたことはないと考えます。
  91. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると、普通の外貨割当ではなくて優先外貨方式で割り当てた例はありますか。
  92. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 優先外貨方式、現在特別外貨割当と言っておりますが、これにつきましては、外貨予算の編成の際に特別外貨で入れ得る品物のワクをきめておりまして、その品物につきましては一般競争によって特別外貨を持っておる人が入れることができるという取扱い方でございます。
  93. 栗山良夫

    栗山良夫君 その中に、今申し上げましたような用途のために割当申請して許可されたというのがありませんか。
  94. 大堀弘

    説明員大堀弘君) これは特別外貨の場合は所定の品物につきましては優先外貨を持っている人がどなたでも買えるという建前になっております。これは一種の自由取引のような形で行われておりますが、しかしただいまのような目的を持ってやっているということはないと思います。
  95. 栗山良夫

    栗山良夫君 われわれが耳にしておるのは、政府のそういう非常に強い外貨統制のもとに輸入されていてもこういうような状態が起きるわけですが、その方式によらないで外国の物資日本へ入れて相当な利潤をあげておるのではないかと思われるような事例を、私直接知りませんが、いろいろな暴露雑誌等を通じて承知をしておるのですが、これはもし示せということならそういう雑誌を持って来て読み上げればこれは切りのないことですが、活字になって国民に公表されておるわけです。ああいうものについて通産省は、今のお話を聞いておると全然ないように思いますがね。そうすると暴露雑誌の方がうそだということになるわけですか。どちらがほんとうなんですか。
  96. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 外貨割当をいたします場合に、先ほど来お話もございましたように、日本国内価格輸入価格の差益の多いものがかなり現在あるわけでございまして、そういうものにつきましては外貨割当する際にどういう基準でやるかということが常に問題になったのであります。私どもとしましては、こういうものにつきましては現在のところは最も公平な方法でやる以外にない。従いまして過去の輸入実績なり、一定の基準によりまして機械的に申請を割り振っていく、あるいは申請によって振り割けるという以外に方法は現在ではないわけでございまして、その結果としては、あるいは割当を受けた人が相当な利潤を受けておるというケースもこれはあるかと思いますが、私どもとしましてはこういう問題は最も注意を払っておる問題でございまして、基準の公正ということ、基準によりまして機械的に割当をして行くということを通例としてやっておるわけでございます。
  97. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はこれが国内問題として処理されていく分においてはまだわれわれも若干納得し得る余地があるのですが、そういう事件というものは大体第三国人が介在しておる。そうして利益の大部分というものはそういうところに吸収されるということが指摘されておるので、これならばやはり本質的に考えていかなきゃならん、こう私は思っているんです。従ってもう一ぺんもとへ戻りますが、こういう不急不要の物資で、しかも相当な価格の変動等によって思わぬ利潤を求めることができるというふうなもの、こういうものについては、先ほどのことをもう一ぺん繰り返すわけですが、国がやるかあるいは国の代行機関である公団がやるか、あるいは特定業者に委託をさせて、そうして少くとも第一次の卸売りの点ですね、その辺も国がやって、あとは国が公売に付するか、あるいは最終公定価格というものをきめて流す、そういうことをした方が一番きれいじゃないかと私は思うのですがね。どうなんでしょう。こういうややこしい制度をとらないで、もっと率直簡明な制度をとった方がいいように思うのですが、いかがでしょうか。
  98. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 先ほど政務次官からお答えした通りでございますが、これはやはり全体といたしましては貿易の現在の、外貨の非常に窮屈な状態のために全体が非常にゆがめられたかっこうになっておるわけでございます。現在の客観情勢から参りますればだんだん貿易も正常化し、国際競争力も増してきまして、将来の問題としてはもっとノーマルな貿易が行われなければならぬと思います。現在の異常な状態に対処いたします暫定措置といたしまして、本法案も三カ年という期限で、暫定措置といたしましてこのような形をとうしていただくようにお願いをしている次第であります。
  99. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 先ほどお話があった砂糖の同様の法案ですね、あれば通産大臣は関係ないのですか。権限は……。
  100. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 砂糖につきましては、差益徴収という方法は、本決案におけると同様の点につきましては、大体通産大臣が所管することになっておりまして、価格安定につきまして安定価格帯、価格の勧告制度を作っております。価格の問題につきましては農林大臣……
  101. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 私のちょっと伺いたいのは、農林水産委員会で何か法案がかかっているわけですね。その同一の法案をこの委員会説明をする機会があるのですか、ないのですかということを伺っているのです。通産大臣として……。それを伺いたい。この委員会にはそういうものは説明しないでおやりになるのか、あるいは通産大臣はこの通産委員会にそのことについて説明があるのかないのか。
  102. 岩武照彦

    政府委員(岩武照彦君) 御要求によりましては、この委員会で御説明したいと思いまするし、また合同審査等の機会もあるかと存じますが、この法案に関連いたしますので。冒頭にお話しするのはわかりましたが、砂糖関係の方は輸入の差益徴収と価格安定と両方の目的を持っておりまするので、農林、通産両大臣の共管ということで、国会の御審議は農林委員会に付託されておるわけであります。その他の特定物資の方は、当委員会の方へ。これは農林大臣に関係がございませんで、通産大臣だけでございます。それからなお両方の差益を扱いまする特別会計、これは大蔵委員会の方に付託されておるわけであります。以上三つの法案が一連の関係がございまするので、それぞれの当該委員会でもその関係を御説明申し上げますが、なお御要求によりましては、連合審査等に対しても十分……。
  103. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 私の言うのは要求じゃないのだ、要求の前に通産大臣のやはり権限を持っておられるというのなら、要求がなくても進んでこの委員会説明されるのがほんとうじゃないかという、こういうただ老婆心までの私は注意なんです。要求するしないはこっちの方のこれは決めることなんで、その前にそういう……。ことにあの法案については、商人筋の方から通産委員会に陳情もあるものですから、それだからやはり政府は進んであの法案というものについてやはり説明された方がよいのじゃないかと、こう思って伺ったのです。
  104. 岩武照彦

    政府委員(岩武照彦君) 先ほどの御答弁を訂正いたしまして、通産大臣の方からも、砂糖につきましては輸入差益等の問題につきましてご説明の機会を持ちたいと思います。
  105. 海野三朗

    海野三朗君 ただいまのバナナのことについてもう一度お伺いしたいと思うのです。先ほど私がビルマやタイそのほかから、バナナをもし入れたい場合に、その方はいかに考えておられるかということに対しまして、その方は許さないというような御答弁であったと思うのでありまするが、そういたしますと、台湾から入れるバナナというものはいわゆるひもつきなんであって、そうすると商売上から考えますると、安い方のものを買わせるようにするのがほんとうじゃないですか。私は何も、ひもつきであるならば向うで値を上げるかもしれない、どうしてもそれだけ日本で買って行くのだということになれば、値を上げるかもしらぬ、そういう際にはやはり安い方から買うようにだんだんしむけて行くのが政府の態度でなければならないと私はそう思うのでありますが、政府当局はそういうふうにお考えになりませんか、いかがですか。
  106. 大堀弘

    説明員大堀弘君) 台湾から買いますことは、結局台湾に対する日本輸出がそれだけ大きく伸びるわけでございまして、そういう見地に立って協定上買わなければならぬということになっておるわけであります。その他の地域につきましてはほかに買うものはたくさんございますし、特にバナナを、国内的に見まして不急不要である、バナナをその他の地域から買うということは、国家経済から見まして外貨をそれだけよけい払うことになりますので、値段の問題よりも外貨の問題からいたしまして適当でないと考えておりまして、従いまして台湾以外からは目下のところ買う考えは持っておらないわけでございます。
  107. 海野三朗

    海野三朗君 台湾以外から買わなければならないというのじゃないです。私のお伺いしたいのは、同じバナナであるならば一方台湾の方が高い、それからたとえばビルマとかタイとか、そういう方面がずっと安いという際に、その方面から入れたいという申請があった際にその方を許可しないかどうであるかと、それを私は聞きたいのです。とにかく台湾のはひもつきであるから高くても買わなければならないのだというのがあなたのお考え、私はその考えがそもそもいけないのじゃないかと考えるのでありますが、安ければやはり安い方に自然と流れていくのが自然の道ではないかと、こう考える。それで、台湾を一時にぶち切ってしまえとかそういう考えじゃありません。ありませんが、安いものが一方から入るというときには、その方面にやはり流れて行くのがやむを得ないのじゃないか。それを政府が、いやお前の方は、ビルマの方からは買うものがあるから、安いけれども買っちゃならぬということは、それはどういうものであるかと私は思うので、その点についてのあなたの御所見を承わりたいのであります。
  108. 大堀弘

    説明員大堀弘君) なるべく安い所から買い付けるということは一般的にはおっしゃる通りでございまして、たとえば綿花でありますとかスクラップであるとか、そういったものはできるだけ安いことろから買う態勢に参っておるのでございますが、そういうものにつきましても、たとえば砂糖の例をとってみますると、キューバ糖が一番安いわけでございます。しかしながらキューバから百万トンの砂糖を買いましても輸出は一千万ドルも出ないというのが現状でございまして、インドネシアなり台湾はキューバ糖に比べますと一割以上、二割も高いのでございまするけれども、これらの地域から買います場合は、輸出がそれだけ伸びるわけでございます。従いまして外貨の見地からいたしますると、やはり高くても、通商政策からいって高い所から買った方がいいというケースがあるわけでございます。バナナの場合は台湾に対する輸出考えまして、特別に例外として輸入を認めておるわけでございますが、その他の地域につきましては、目下のとこと、そういった特別の輸入を認める必要がない通商関係になっておりますので、特に値段は安いものを買うというよりも、外貨節約の見地からやはりかりに高くても台湾から買う方がいい、こういう考え方になっておるような次第であります。
  109. 海野三朗

    海野三朗君 いや、あなたのお話はわかりましたが、それなら今キューバ糖の例をお出しになったから私はお伺いいたしますが、ビルマの方では日本から買いたいものがたくさんある。たくさんあるけれども向うから買っているものは米がおもなんでしょう。そろすると、向うからそういうものを入れれば何も金を払うわけじゃないですから、日本からのやはりバーターで行くわけでありますから、一向差しつかえないのじゃないか、ビルマの場合には。それはビルマについては、どういうふうにお考えになっておられますか。
  110. 大堀弘

    説明員大堀弘君) ビルマにつきましては、米その他現在買い付けておりまするもので相当程度買っておりますが、これで現在程度輸出を維持して行くのに適当であろう、それ以上バナナを買って物を出すという考え方までは、通商関係からいってそこまで考え方を進めておらないわけでございます。
  111. 上林忠次

    ○上林忠次君 すでにだれかの質問があったかもしれませんが、この四半期ごと入札するということになっておりますけれども、これじゃほんとうに安いものを買うという単価を下げるような競争というのはあまり行われないということになるのじゃないかということを私は考えるのですが、一カ月ごとにビッドさして安いやつから買うて行くということにしなければ、四半期ごとにきまった入札をしてしまいますと、そう安いものをとったところで高いものをとったところで、単価はどうでもいい、どうせマージンは金で三%、二%近いやつをかけるでしょうから、値段の安いものを無理にとらなくてもいいのじゃないかと、下げるという競争がそこに行われないのじゃないかと思うのですが、そういうようなことはどういうようにお考えになりますか。私は時期をもっと短くしたらいいのじゃないか、入札の時期を短くして、ときどきの最低の線をつかんで行くということにしたいと、本当に安いバナナが入らないのじゃないかという気がするのです。
  112. 大堀弘

    説明員大堀弘君) ただいまの割当の期間の時期でございますが、これはなおよく考えさしていただきまして、次回までにはっきりしたお答えを申し上げます。  なお、先ほど説明を落しましたが輸入につきましてはCIF七ドル五十セント以下という一つの買い付けの最高は実行面として考えているわけであります。
  113. 栗山良夫

    栗山良夫君 砂糖のことについて一つお聞きしたいのですが、輸出入銀行の今年度の貸付内訳表を示して頂きたい。これは砂糖バナナパイナップルの、これは砂糖も含んでいるわけですが、それの輸入納付金それから特殊物資納付金別係の特別会計、産業投資の特別会計、さらに輸出入銀行の出資、こういったずっと関連のある内容について内訳表を御提出していただきたいというのが第一点。  それから第二点は、従来までに砂糖リンク制の行われた具体的な手続とか方法というもの、それから輸入砂糖の全数量中に占めるリンク砂糖の割合ですね、これを一つ、これは昨年の実績でいい。なぜそういうことを申し上げるかと申しますと、われわれの承知しているところでは、全数量に対してリンク制の砂糖は三〇%あるいはそれ以下であると思っておりますが、このリンク制砂糖のために砂糖値段が非常に高騰しておるという工合にしょっちゅう言われているわけですが、実際は七〇%程度の、普通の商取引、普通の採算で合う砂糖があるわけであります。にもかかわらず、わずか三〇%のリンク制砂糖のあおりを食って全数量が非常に高騰しているということは、ちょっと理解ができないわけです。このことは、業者に非常な利益を許しているということになるわけですが、三〇%の砂糖だけで特別に利益を得ておるというならまだ話はわかりますが、普通にノーマルの状態で利益を上げるべき七〇%についても不当の利得があるということについては問題があるので、その辺の関係を明らかにする資料をお願いしたい。あと、砂糖質問はその資料がそろいましてからしたいと思います。
  114. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記を止めて。   〔速記中止〕
  115. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記を始めて。
  116. 海野三朗

    海野三朗君 昨年十二月に日本から賠償使節団として稲垣平太郎君がビルマに行きました。その後久留島秀三郎氏がこの委員会に出まして報告されたのを聞いたのであります。そのときの結論は、ビルマではいろいろな要求があったが、ことごとく日本にまかせるから、一刻も早くやってもらいたいという要求であった、こういう報告に接したのでありますが、それからもう半年も経過しているのでありますが、どういうふうな手を打たれているのであるか、それを一つお伺いしたいと思うのであります。
  117. 高木広一

    説明員(高木広一君) ただいまの御質問に対して御回答申し上げます。  おっしゃいましたように、この四月十六日に批准の交換がありまして、協定が発効した次第であります。なお、それに先立ちまして昨年の暮からこの協定実施細目に関しまして関係各省が寄りまして案を練りまして、今年の一月十六日に先方に通達したような次第であります。ビルマの方といたしましては、担当官がアメリカへ出張する関係上、三月の中旬からその審議を開始いたした次第であります。ただいま双方細目の取りきめについて進めている次第でございます。なお、ビルマ政府の方の意向といたしましては、賠償要求物資は全部ビルマ側といたしまして、予算措置を講じるということになっております。その関係で現在ビルマの関係当局におきましては一生懸命になって日本に賠償要求として申し出る予算案を検討中でありまして、六月中頃には多分できるだろうということを先方が言っておられるようであります。なお実施細目の取りきめに関しましては、最初に申しましたように、日本側といたしましては賠償、経済協力及び一般規定に関して詳細なる日本実施取りきめ案といいものを作って先方に出したわけであります。先方といたしましてはむしろ個々の問題を取り上げた交換公文の形でやりたいという申し出がございまして、それに基いて今先方のその方式をのみましてやっている次第であります。で、御承知の通り今度の賠償は現物及び役務の提供ということになっている次第でございます。現在までに大体双方意見の合ったところといたしましては、まず賠償実施計画というものを作る、そうしてそれに基いてビルマ政府が面接……今日のところではビルマの賠償ミッションというのが東京に参りまして、それが直接日本民間業者から買入れる契約をする、契約ができればそれを日本政府に審査のために提出する。日本政府はそれが賠償協定その他の条項に合致すれば、それを認めて、支払義務を日本政府が負うとこういう建前になっております。相当最初におきましては実施取りきめの意見の差がございましたのですが、非常に歩み寄りまして、今日では支払い方法について若干まだ意見の合致がしておりませんですが、先般現地からのこの問題の促進のために提案がございまして、これに基きまして各省さらに寄りまして案を作って現地へ送りまして、これについてビルマ政府で今検討中でございます。近くそれに対する回答が来るものとこう存じております。
  118. 海野三朗

    海野三朗君 そういたしますと、つまり向うでは、業者に面接交渉したいという希望なんでありますか。
  119. 高木広一

    説明員(高木広一君) さようでございます。先方としては、ビルマ賠償ミッションだけがその買付をやると、こういうことをはっきり申しております。
  120. 海野三朗

    海野三朗君 その直接、やるからして、どんなことが起ってもいいように、責任は政府の責任でないということになるかもしれぬけれども、結局いわゆる今日までの海外における不評判というようなもの、つまり、満州、朝鮮において過去に日本商社がやった、そういうふうなことがちょっとでもありますというと、東南アジアに対してはぬぐうべからざる汚点を残すことになる、そういうことがありまするが、そういう点は外務省当局としてはお考えになっていないのでありますか。
  121. 高木広一

    説明員(高木広一君) その点よく考えております。それでビルマ・ミッションが日本業者から直接買う、いわゆる直接方式と申しておりますが、これはビルマ側の希望でございます。しかし、その方式で今おっしゃいましたように賠償がうまく実施されるようにということをわれわれ担当の者は心配して、あらゆる手を打っておる次第でございます。この賠償が誠意をもって履行されるように、日本側もビルマ側もその点ではいささかの意見の差もなくやっておる次第でございます。
  122. 海野三朗

    海野三朗君 そういう際に、やはり政府がこれを十分監督しつつその契約をさせるという態度をとっていらっしゃるのですか。
  123. 高木広一

    説明員(高木広一君) 監督と申しますと非常に言い過ぎかもしれませんですが、賠償の実施に関しましては、先ほど申しましたように、最初にどういう賠償を要求するかという案が策定されるわけで、それに従ってビルマ側が買い付けると、こういうことでございます。われわれとしては、それができる限り理想的に行くように、悪徳業者が不信なことをしないように、あらゆる万全の策を講ずるべく、いろいろとビルマ側にも進言もしたのでございます。しかしながら、ビルマ側から見ますと、日本のいろいろ善意に言ったことも、向うの方からすれば、何というのですか、ビッグ・ブラザー、強国が、兄貴が押しつけるというふうにとることもございまして、われわれとしては理想的にはこうした方がいいと思うところも、ある程度はビルマ側の申し分も聞いて相当譲り、今日では賠償契約及びこれの履行に関して業者との取りきめについてはビルマ側とそう本質的に差のないように意見が統一した次第であります。
  124. 海野三朗

    海野三朗君 今ビルマの賠償については大体説明していただきましたが、この貿易関係につきまして、ココム品目の拡大については、外務省ではどれくらいの骨を折っておられたのでありますか、それをちょっと伺いたい。
  125. 西山昭

    説明員(西山昭君) お答えいたします。ココムの関係につきましては、絶対禁輸品目と、それ以外の、禁輸品目に該当しますけれども、特認の条件を備えまして、ココムの審査で具体的に輸出の許可をとらせる品目がございまして、ココムの特認品目につきましては絶えずココムの会議におきまして交渉いたしておりまして、大体におきまして三十品目程度の範囲におきましては、従来かなりの成功をしておると考えております。
  126. 海野三朗

    海野三朗君 具体的に一つお伺いいたしますが、日本のカーボンブラックについて業者が非常に因っておるので、そのカーボンブラックの輸出について、ココムの方には見本をやって、外務省が向うにワクを外してくれるように要請したということを聞いておりますが、その後カーボンブラックについてはどうなっておりますか。
  127. 西山昭

    説明員(西山昭君) カーボンブラックにつきましては、特認品目としまして交渉中ではございますが、他方アメリカとの関係によりまして、アメリカの法律によりまして、アメリカからの輸入をします国に対しまして、その国が同様のカーボンブラックを中共に輸出します場合には、アメリカからの輸出をとめることができるという法律がございまして、その点で現存若干問題が起っておりますのでございますが、日本側といたしましては、相当多額のカーボンブラックを日本の工業上必要品としましてアメリカから購入をいたしておりますし、また購入せざるを得ない事情でございますので、その間の調整をどうするか目下工夫しておる次第でございます。
  128. 海野三朗

    海野三朗君 このカーボンブラックに限らず、その他ずいぶんひどい制限がココムから課せられておるわけでありますが、今、国内では中小企業者がほんとうに困っておるので、私はそういうことに対して、日本人が食って行けない状態に追い詰められておる現在において、外務当局としてはどんなふうにお考えになっておるか、また在外公館の人たちも、アメリカの国会でこの日本輸出品についていかなる規則が法案として上程されておるかというようなことについては一向むとんちゃくなようである。去年でありましたか、あの絹の薄物についてはアメリカでは輸入禁止というところの法案が一年前に国会を通っているのに、一年後においてようやく日本で騒ぎ出して、そうして委員長がアメリカ大使館に行ってそれを緩和することを懇請したと、しかし結局やはりそれが禁じられてしまったというようなことは、外務省としましては非常な手落ちであると私は思うのであって、つまりこの経済方面のことは一向関しないというような態度でおられるやに私は見受けるのでありますが、その点に対しては外務当局はどういうふうに考えていらっしゃるか、ただ旅券を出すときに出すとか出さないとかでいばってみたり、そんなことをやるのが外務省のあり方ではないと私は思う。そうしてこの経済上のことについての外交については一つも考慮を払っていない。外務省のあり方がそもそも私はいけないと考える。しかし外務当局はどういうふうにお考えになっておるか、あなた方のような高官の人たちはどういうふうにお考えになっておるか、それを一つお伺いしたい。
  129. 西山昭

    説明員(西山昭君) ただいま御指摘がございました通りに、外務省といたしましても特に終戦後の国際関係は経済関係が大きくございまして、経済関係をはずしましては国際関係というものは実質的には成り立たない、またあり得ないという工合に考えております。従いまして経済関係、ことに経済外交というものに対しましては第一の重要性を置いておるわけでございまして、仕事の面から行きましても戦前の何倍あるいは何十倍というふうに仕事もふえておるわけでございまして、また在外におきましては各省の方、特に通産省からも優秀な方を左外公館に出していただいておりまして、いわば政府一体になって経済外交をやっておるわけでございます。昨年の可燃性織物につきましては、たまたま、ただいま御指摘がありましたような一年間の時間的なズレがあったことはたしかでございますが、非常に多量の仕事をやっておりまして、一々コングレスの法律に目を通すひまがなかった点も、もちろん政府としての失態ではございますが、人が足りなかったり、その他の関係もございまして、また他方におきましては、従来この種の問題は日本の直接の関係ある業界の方々が、多分に直接の利害関係からすぐ感づかれる問題でございまして、われわれとしましてももちろん政府として積極的にいろいろの法律あるいは外国の政策を自発的に努力して調べますことはもちろんでございますが、他方業界とも一体となりまして、業界の方からいろいろ陳情を受けましたり、あるいは相談を受けまして、それにも刺激されて相手国政府と交渉する、こういういろいろのやり方があるわけでございますが、どういったわけか本件につきましては業界におきましても問題とされる雰囲気が非常におくれまして、遺憾ながら時間的におくれたわけでございます。しかしながらその後全力を尽しまして議会方面、政府方面に対しまして猛烈に運動いたしますし、これから日本輸出業者とも一緒になりまして、盛んに工作をいたしました結果、可燃性織物につきましてはテスト期間の短縮、あるいは可燃性を不可燃性にする工夫、その他いろいろこれは努力いたしまして、可燃性織物の法律が適用になります前に、非常に結果を心配したのでありますが、現在におきましては、輸出実績から行きますと、むしろ法律の施行以前よりも伸びておるような事情でございます。今後いろいろ問題はございますが、われわれとしても万全を尽したいと考えておる次第でございます。
  130. 海野三朗

    海野三朗君 私はもう一つお伺いいたしたいのは、ただいま可燃性織物についての御答弁はよくわかりましたが、国内生産をして物が売れなくて困っておる。それが今日の中小企業の現状であります。それは何かというと、結局輸出貿易が全部縛られておるからであって、縛られた結果はどうなるかというと、日本中がもうこの中小企業が総くずれになるよりし方がない、背に腹ばかえられない、こういう際に当ってつまり外務当局の一つ決意を私は伺いたい。われわれ同胞皆死んでしまう。この前米の配給が悪かったときには規則を守って死んだ裁判官があった。規則を守ってわれわれ日本人が飢え死にしても差しつかえないのであるか、これは外務省がもっと努力をしてこれに善処すべきものであると私は考えるのであるが、外務省ではただそういう方面だけに考えて、経済の方に対しては非常に冷淡であるかのごとく考えられる。今日の現状がそうなんですから、町を歩いてごらんなさい、東京の町のどこでも実に物資がはんらんしておるじゃないか、はんらんしておりながら売れない。そういうふうな現状をどういうふうに見ておるか、私はこれは捨てておけない大問題であると思うのでありますが、その点についての、つまりココムの範囲を広めるということに対しても、もっと渾身の努力をささげてもらわなければならないのじゃないか、私はそう考えられるが、外務当局の御決意を一つ伺いたい。
  131. 西山昭

    説明員(西山昭君) 全く御同感でございまして、今日の日本の一番大きい問題としましては、いかにしてもう少し輸出を伸ばし、生活水準を上げるかということであろうと思います。そのためには外務省といたしましてはもちろん、関係の各省とも十分お打も合せをしまして、あるいは経済協定を作るなり、あるいは通商航海条約の促進、あるいは貿易使節団を派遣するとか、あらゆる考えられる点を工夫いたしまして、少しでも輸出が伸びるように努力をいたしておりますし、また今後も続けて行く所存でございますが、何分にもいろいろの相手国の貨幣事情外貨事情その他から申しまして、日本輸出はほしいけれども支払い能力はない、あるいは国内産業と競合して、日本輸出に手心を加えてもらいたい、そういういろいろの利害関係の衝突がございますと同時に、また他面におきましては日本の産品の若干の国際的な割高の問題、そういう問題もございまして、これらの点も通産省その他におかれまして鋭意改善に工夫していただいておるわけでありますが、何といたしましても、日本の客観事情が非常に不利な条件にございますので、対外的にはさらに努力いたしますと同時に、国内的にもその辺の調整を努力する必要があろうかと存じております。
  132. 海野三朗

    海野三朗君 あとは外務大臣の御出席を願って、それから経審長官に……。今日は質問を保留いたします。
  133. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ほかに御発言ございませんでしたら、本日はこれで散会いたします。    午後四時九分散会      —————・—————