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1955-05-28 第22回国会 参議院 商工委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月二十八日(土曜日)    午前十時四十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     吉野 信次君    理事            古池 信三君            山川 良一君            三輪 貞治君    委員            上原 正吉君            小野 義夫君            深水 六郎君            河野 謙三君            栗山 良夫君            藤田  進君            小松 正雄君            白川 一雄君   国務大臣    通商産業大臣  石橋 湛山君   政府委員    通商産業政務次    官       島村 一郎君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    通商産業省重工    業局長     鈴木 義雄君    通商産業省公益    事業局長    中島 征帆君   事務局側    常任委員会専門    員       林  誠一君    常任委員会専門    員       山本友太郎君    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       内田源兵衛君   説明員    通商産業省重工    業局車両課長  柳井 孟士君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○計量法等の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○自転車競技法等臨時特例に関する  法律の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付)   —————————————
  2. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それではこれより委員会を開会いたします。  まず計量法等の一部を改正する法律案、これを議題とします。  何か御質疑ございませんか、この計量法等の一部を改正する法律案について。
  3. 栗山良夫

    栗山良夫君 この際通産省に対しまして、計量行政についての基本的な考え方を伺っておきたいと思います。それはかつての度量衡法から発展をしまして、計量法が制定された当時に若干話題になったことがありますが、わが国の度量衡関係基本法としてはすべてのものをこの計量法一本にまとめる、そういうお考えで進んでおられるのか、あるいはその他特別な便宜措置として、他に同じような法律がただいまありますが、そういうものを将来も残していくというお考えで進まれるのか、この辺の考え方を伺っておきます。
  4. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) この点は先の委員会でもお答え申し上げましたが、現在計量法電気測定法別個法律になっておる歴史がございまして、また内容等も立て方において違っております。これについては現在それぞれ今後の改正方について研究いたしておる次第でございますが、できますれば、これについてもし可能でありますれば、これを統一的にする方向に持っていきたい、こういうふうな考え方で研究いたしております。
  5. 栗山良夫

    栗山良夫君 この問題については、電気測定法の方の直接関係責任者であられる公益事業局長としてはどういうお考えでございますか。
  6. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 電気測定法につきましては現在古い法律がありますが、電気測定問題が普通の計量と若干違う点もございまして、この前の計量法制定のときには別個にそのまま残されております。しかし電気測定法そのものにつきましても、最近の技術的な進歩等にかんがみまして相当内容に大きな変更を加える必要がございますので、目下検討中でございます。そこで両者一本にすべきか、あるいは別々でもよろしいかという問題につきましては、電気測定につきましては電気測定の方の立場から最も合理的な理想的な一応案を作ってみまして、そうしてそれがもし計量法の体系の中にスムーズに入り得るものであれば一本化しても一向差しつかえない。しかし、もしもいろいろな特性からいって非常に無理であるということになれば、おのずからまた別個法律でいかなければならぬということになるかと思いますが、その点は全然今のところ別でなければならぬというふうにこだわりませんで、とにかく電気測定法改正を十分練りまして、また一方におきましては計量法も根本的な改正考えておられると思いますが、その両案ができましたあとで、法律的にこれをどういうふうに進めた方が一番いいかという形につきまして研究していきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  7. 栗山良夫

    栗山良夫君 電気測定法そのものを、だいぶ古い法律なんで、これを新しい時代にマッチするように至急改正をしなければならぬというそのお考えは変っていないわけですか。
  8. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 目下そのつもりで改正案を研究しております。
  9. 栗山良夫

    栗山良夫君 その改正案を一応研究されて、ある成案を得られるのは大体いつごろになる見込みでございますか。
  10. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 今まで事務的な案が二、三できておりますが、これは主として公益事業局の方での案でございまして、これにつきまして計量法関係事務局、あるいは工業試験所といったような方面意見を十分またくみ入れまして案を作らなければならぬと思っております。その方面技術陣関係意見がまだ出ておりません。これが出ましてからまた協議をいたしまして内容をまとめるということになりますと、まだ最終的な成案を得ますのには数ヵ月を要するのじゃないかと考えております。
  11. 栗山良夫

    栗山良夫君 数ヵ月といいますとそんなに遠い将来でもないので、私どもがそれじゃ今の答弁から予測をいたしますというと、早ければ三十一年度の通常国会ぐらいまでには提出の運びになる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  12. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) できればそうしたい目標で進みます。
  13. 栗山良夫

    栗山良夫君 電気測定法改正案に対する通商産業省内部の今までの研究の概要あるいはその問題点等については、この電気事業の現状という電力白書にパラグラフを設けて書かれております。私も大体は承知しております。承知しておりますが、この中には賛成反対——通産省のただいま考えておられる案というものを一つ想定されて、その案に対する各方面から見た賛成反対意見が中立的に大体述べられておるわけですね、で僕はこういう書き方で問題を提示せられておることについては一応賛意を表するものですが、非常に重要な問題が入っていると思います。従ってこれを提案せられて結論を出される場合ただいまその処理に当ってはどういうような機構でやっておられるか、その点を承わりたい。
  14. 中島征帆

    政府委員中島征帆君) 現在の段階ではまだ公益事業局の担当のところでやっておりますが、各試験所等意見が一応出ましたならば関係部局と協議いたしまして成案を得たい、それを最終的にまた一般意見をどういうふうに聞くかということについてはまだ案はございませんが、できるだけ各方面意見を聞いた上で、十分検討を加えた上でやりたいと思います。
  15. 栗山良夫

    栗山良夫君 これは計量法をやりますときに、法律案を作るまでにそういうことがあったかどうかは知りませんが、少くともできてからはただいま審議会をもって各界の人が入ってこれを審議しておるわけですね。ですからこの電気測定法の場合でも部内で専門的な知識によって成案せられることはけっこうだと思いますけれども、その案についてやはり国内各界意見を十分に聴取して織り込まれるということが私は必要だと思うのですが、そういう工合に進められる意思があるかないか。これは一つ大臣がきょうおいでにならないので政務次官からお答えを願いたいと思います。
  16. 島村一郎

    政府委員島村一郎君) これは御意見通りに運びたいと考えております。
  17. 栗山良夫

    栗山良夫君 非常に簡単なお答えで具体的に内容がないので私も判断ができないのですが、従来こういう法律案を制定するときには、一応法律案に対する特別の審議会ですか、そういうものが構成されて法律案が立案されてきておるわけですね。従って私はそういう特別の機関を作って審議に当られるかということをお聞きしているわけです。
  18. 島村一郎

    政府委員島村一郎君) これはできるだけ念を入れまして、そうしてそういう機関を特別に設けてやることが当然のことであろうと考えられます。
  19. 栗山良夫

    栗山良夫君 僕の個人的な意見からいえばやはり計量行政の一本化という意味では直接行政を担当される部局がどういう工合になりましょうとも私はそれはあまりこだわる必要はないと思う。一番精密にしかも機動的に計量行政に対して百パーセント以上の効果を上げるような機構にされることは私は一向にかまわないと思いますが、しかし計量行政というものは一本化されるということが一番望ましいという考え方を持っておる。特に計量行政の場合には標準化の問題とあわせて国内だけじゃない、国際的なものがたくさんあるわけです。従ってそういう国際的に非常に複雑な問題を持っておる問題ですから、少くとも国内だけは一本化しておくということがむしろ望ましいという考え方を持っておる。私は、聞くところによりますと、最近ストックホルムで計量法とは直接の関係はありませんけれども、やはり機械部品等に対する標準化国際会議が開かれることになっておる。それをだんだんチェックしてみると、結局基本になるのはメーターシステムインチシステムということが問題になり、おそらくそう簡単には結論が出ないと思います。こういうわけなんで、この前の委員会アメリカとの関係を強くお聞きしたわけですが、支障はないとのお答え、しかし現実に支障がほんとうにないかといいますと、国内アメリカから入っているいろいろな重機械、軽機械等は全部部品インチを使っておる。ですから国内メーターシステムは大勢を支配しているけれども、関係する業者はインチシステム考え方でなければできないことになっておる。そこでそういう状態でありますから、アメリカとイギリスがインチシステムを改めない限りにおいては日本の今の従属関係にある状態では一本にしてもやはり日本メーターシステムを実際上は認められない、こういうことになります。非常に困った問題だと思いますが、少くとも国内態勢においては全計量の問題については一本化して、電気測定の面においてもやはり国際的なシステムに合せてそうしてこの計量法の中に入れるということはそうむずかしいことではないと私は思います。従ってそういうことをやるにはなるべく広い視野に立って意見を入れられて、専門的な知識の成果に対してさらに縦横からいろいろな意見が入って、そうしてりっぱなものをまとめられていくということが一番望ましいんじゃないかという工合考えます。ただいま政府当局の御答弁は私の希望と一致した見解を述べられたわけでありますが、私は了承しておきますが、今公益事業局長お話によりますと、成案は遠い将来ではなくて、早い機会に成案の道に進まれるように、従って迅速に機構一つお作りになって、法案が出て参りましたときにいろいろまた複雑な問題が提起されないようにあらかじめ一つ準備をしていただきたい、こういうことを申し上げておきます。
  20. 古池信三

    ○古池信三君 本法案につきましては質疑を終結して、直ちに討論採決に入られるように動議提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  21. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ただいまの動議に御賛成でございますか。   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  22. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 御賛成のようですが、それではただいまの動議は成立いたしましたから、本案については質疑を打ち切りまして、討論に入ることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 吉野信次

    委員長吉野信次君) じゃ、さように決します。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  計量法等の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔総員挙手
  25. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 全会一致でございます。よって本案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における委員長口頭報告内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他事後の手続につきましては慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名願います。   —————————————
  27. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それでは次に自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案議題にいたします。かねて委員から御要求の資料が本日お手元に配付になっておるようですが、これについて御質問がございましたらお願いいたします。
  28. 河野謙三

    河野謙三君 今、手元にいただいたばかりで詳細に検討するひまがないのですが、施行者収入並びに運営費等の明細を見ますと、場所によって非常に違うのですね。たとえば私の一番手元の例を申しますと、神奈川県におきまして、二ページのところですが、神奈川主催の分と川崎主催の分を見ますと、売上高はやや同じなんです。ところがこの開催者経費によりますと、神奈川県の場合と川崎市の場合はここに一千万円の開きがあるわけです。こういうのは一体どういうわけでこういうのが出てくるのですか。
  29. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 神奈川県の例を御指摘ございましたが、ほかにもいろいろございまして、地方のそれぞれの施行者状況によってある程度差異ができておる、こうわれわれは見ておるわけですが、しかしながら考え方としましてはあまり差異のあるようなところはなるべくならば経費切り詰めて、できるだけ節約してやっていただくというふうにしていくことが一番望ましい、こう考えるわけです。
  30. 河野謙三

    河野謙三君 大体大ざっぱに見ますと、売り上げ運営費というものは各地とも大体比例しておりまして、ところがここに今、一つ大きな食い違った点を私は指摘したのでありますが、こういうのが二、三あると思うのですが、こういうことについては何かこの裏にいろいろな、極端に言うと不正な事実がなければ、僕はこういう大きな問題は出て来ないと思う。片っ方は二千四百万円の運営費がかかって、片っ方は一千四百万円の運営費がかかっておる、しかも売り上げは同じである。こういうことについて、でありますから、私はこの間通産省に、こういう運営費、純収入についての経理内容について通産省が検討されておるかどうか、こういうことを聞いたのですが、これは監督責任は持っていないかもしれないけれども、少くともこれに対して、経理内容について目を通すくらいのことは通産省しておるべきだと思うのですが。
  31. 柳井孟士

    説明員柳井孟士君) 開催経費が非常に大きく違って参ります一番大きい原因は、競輪場を持っておりますところと、それから借りてやっておるところというのが一番違ってくるわけであります。持っておりますところは借り賃を払わなくて済むという事情一つございます。それからその次に大きく違って参ります事情といたしましては、記念競輪、記念行事的な競輪が年に何回か行われております。たまたまこれをやりました場合に宣伝なども若干大がかりになりましたり、それから招待がありましたり、そういう関係で変ってくる場合がある。この二つが一番大きい原因でございますが、しかし御指摘のように他の事情はあまり変らないのに開催経費かなり開きがあるというふうなものもございますので、これらは詳細に調べましてなるべく開催経費を一様に切り詰めるように指導いたしたいと思います。
  32. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、今の川崎の場合と、神奈川県の競輪、すなわち花月園の場合とここに一千万円の運営費開きがあるということは、今あなたがおっしゃいますように競輪場を一方は借りておる、一方は自分で持っておる、そういうために出たところの一千万円の差額である、こういうことをあなたは言い切れますか。
  33. 柳井孟士

    説明員柳井孟士君) この一千万円ぴたりがそれになっているかどうか検討しませんと何でございますが、それがおもな原因をなしておると見ております。
  34. 河野謙三

    河野謙三君 おもな原因といって、額にしてどのくらいですか、それは……。それはあとで、じゃ御説明いただけばよろしゅうございます、時間の関係上。次にこの表によりますと、これだけ大きな大ばくちをやって天下を騒がして害毒を流して、しかも自治体に入る収入というものはパーセンテージにして二%か三%、ひどいのになると赤字のところがある。金にして百万か二百万の金を、自治体のいろいろ福祉事業に使うためにわずかな百万か二百万の金を、収入を得るためにこれだけ天下を騒がして、そしてやっておる、こういうのが数字に出ておるのですが、一体こうことになってこれらの非常に振わない競輪場、これらに対しまして何かお考えになっておりますか。
  35. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) いろいろこれは各地方事情によりまして収益を上げているところと、ないところといろいろございます。これはそれぞれこういうものについてこれをどうするかということは施行者自体考えるべき問題と思いますが、政府としては振わない事業に対してこれを特にどうこうするというようなことは考えておりません。
  36. 河野謙三

    河野謙三君 これは非常に通産省としては無責任な話だと思うのです。この表を見ますとですね。言葉を重ねますが、運営費をかせぐために、競輪当事者の月給をかせぐために、飯の種をかせぐために競輪をやっておるのであって、自治体地方財政に寄与する、寄与すると言いながら、地方財政に寄与する面はほとんどないところが非常に多いじゃありませんか。事ここに至った場合にそれらの各地について積極的に政府が何らかの施策を講ずるのは当然の責任だと思うのです。われわれはこの表を見るまで、少くともどんな少いところでも八百万や一千万というものはその競輪主催地に大いに寄与している、臨時収入として寄与していると、こういう前提でわれわれは考えておるのです。ところがこの表を見てみると、赤字のところ、わずか二、三百万円の収入しかないところがたくさんあるじゃありませんか。しかもこれらのところの運営費は莫大な運営費がかかっておる。運営費をかせぐために競輪をやっておるのであって、競輪振興会当事者を養うために競輪をやっておるのであって、自治体地方財政に寄与する点はきわめて少いという点が非常に多いじゃありませんか。こういう点に関してどう考えるかということをお伺いするのです。
  37. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) お話の点でございますが、いろいろその施行者によりまして差異がございまして、たとえば赤字を出してどうしてもこれは競輪というものをやっても損がいくというふうなところは当事者考えまして、場合によってはやめているところもございますし、それからまあこの表がある時期をとりましたものですから、昨年の上半期のこれは一カ月開催平均で出しておりますので、その時期によりましてはあるいは収益を上げ得るところもあると存じますし、そういうふうな個々の各地方事情によって施行者が十分考えてこれはやっておることと存ずるわけでございます。
  38. 河野謙三

    河野謙三君 当事者考え方によってということは、私は非常に消極的だというのです。当事者というのは一体何をさすのです。振興会も含めて当事者でしょう。形式上は施行者でありますけれども実質的には振興会も含まれておるわけですよ。ですからこれらの人は競輪をやることによって運営費さえかせげばいいんですよ。ところが一般に国民の期待するもの、特にその地方競輪施行地の市民なり町民の期待するところは、それによって学校を建ててもらいたい、それによって道路を作ってもらいたい、住宅を建ててもらいたい、こういう期待があれだけの弊害のあるものをあえて黙認しているわけなんです。ところが学校も建たず、道路もできない、住宅も建たない、しかし競輪をやっておる、何の意味だということになるんじゃありませんか。これは当事者が当然考えるでありましょうけれども、同時に政府自体がこれについてこれらの土地競輪の存続につきましては十分私は考えなければならぬと思うのですが、そうじゃないですか。
  39. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) いろいろ実は競輪については根本的問題もございます。それらに関連しましてこういうふうな問題も十分審議会でこれは検討さしていただきたいと、こう考えます。
  40. 河野謙三

    河野謙三君 他の方の質問もあると思いますから、私は最後に申し上げますが、競輪の根本的な存廃の問題はあります。ありますけれども、かりに今後競輪を続けて行くにしても、今指摘したような場所につきましては競輪存廃の問題とは別に、その土地事情によってこれは私は一つ基準をきめて、その施行者に純収入パーセンテージにして五%を下った場合とか、八%を下った場合はどうするとかいう私は基準があってしかるべきだと、こう思うのですがね。そうでないと、それらの土地は百害あって一利ない競輪を続けるということになる。そういう一つ基準をお設けになるようなお考えありませんか。
  41. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 根本問題は十分研究いたします。ただいま御指摘の点につきましては十分同じような競輪について、開催経費等について相違があるような場合には十分これを検討して、経費切り詰めるように行政指導して行きたいと、こう思います。
  42. 河野謙三

    河野謙三君 それから、この間競輪運営費と純収入の比率、特に運営費内容について積極的に私は監督してもらいたいという希望を申し上げたのですが、これについてはどうでしょう。今申し上げましたような、この表を見ましただけでもますますその通産省運営費内容について責任持ってこれを監督指導する必要があると、私は痛感するのですが、どうでしょう。
  43. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) その点については今後十分監督して遺憾なきを期したいと思います。
  44. 河野謙三

    河野謙三君 この監督指導する具体的方法はどういうことでしょう。
  45. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) ただいまお話ございました通り開催費等につきまして同じようなものでございましたならば、両方十分これを比較検討いたしまして開催費等切り詰めをはかる、そういうのが大体の考え方であります。
  46. 河野謙三

    河野謙三君 監督指導法的根拠がないといかんと思うのですがございますか、それ現在……。
  47. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 今の点の指導監督行政指導によって行いたいと、こう考えます。
  48. 河野謙三

    河野謙三君 それは行政指導で十分責任持ってできますか。
  49. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 十分やりたいと通産省考えております。
  50. 栗山良夫

    栗山良夫君 ただいまいただいたこの収支決算状況書ですね、この車券売上金額Aに対しましてその内訳の方はその一部分が載っておりますが、たとえば車券割戻し金ですが、そういう額だとか、そういうものはわかっておりますか。この、たとえば北海道の場合は七千二百四十五万八千七百円ですね、これに対して百分の三、それから施行者開催経費B納入金C施行者収入D、ところが、これだけでは一〇〇%にならないのですけれどもね。その内訳は……。
  51. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 御指摘の点は、実はちょっと間違いやすいのでございますが、車券売上額七五%は払い戻す方になっております。あと二五%がここに書きました方の、振興会交付金施行者開催経費、それから納入金施行者収入、こういうふうに分れます。
  52. 栗山良夫

    栗山良夫君 これで二五%にちょうどなるわけですね。
  53. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) さように存じます。
  54. 栗山良夫

    栗山良夫君 わかりました。
  55. 三輪貞治

    三輪貞治君 河野さんの質問に関連しますが、三ページの、立川市の次の、稲城村外四カ町村というんですか、これのごときは、施行者の純収入赤字になっておるにかかわらず、納入金は百十二万円も正規のものを納めておる。これは一体どういうことですか。競輪をやって、その上に、町村の経費の中から支出してまで納入金を納めているというかっこうですね。どういう指導をされておりますか。
  56. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは建前が、競輪の開催ごとに開催した売上額から納入するというふうにきまっておりますので、納入金は先に計算上出てしまいます。そういう結果、残ったところから開催費を催し引きまして、結局、結果として赤字が出てしまう、こういうことであります。
  57. 三輪貞治

    三輪貞治君 結局事実上の赤字でしょう、施行者の……。結局事実上の赤字なんでしょう、これは。
  58. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 事実上の赤字でございます。ただし、これは先ほど申し上げましたように、昨年度上半期の一開催の平均でございますので、時期的問題も同時にお考え願いたいと思います。
  59. 小松正雄

    ○小松正雄君 今日の競輪をやっておる競輪場建設に対する資金ですが、この資金は公共団体が一応出すものであろうと思いますが、公共団体の出しておる資金が、すでに今日では六十三ヵ所かの競輪場の、その資金が公共団体に償却として戻っておるかどうか。一応その施設の資金は回収されているかということをお尋ねしたい。
  60. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは償却というふうな立場から見ますと、かりに償却を十五年というふうに見て参りますと、競輪の設置されましたのが昭和二十三、四年でございますから、まだ半分程度しか償却されていないということも言えるわけでありますが、逆に、また売り上げ収益から見ましても、大部分投下した資本は回収されているというふうなことも言えるわけであります。しかしながら、それかと申しまして、ただいま申し上げましたように、償却という点から見ますと、これを廃止する場合、補償の問題等はないかという点については疑問があるわけであります。
  61. 小松正雄

    ○小松正雄君 そういたしますと、たとえば六十三カ所に設置された総額が、これがあなたがおっしゃるようなことを聞けば、大体全部済んでおる形になる、収益では。それが償却の方に回されておらずに、他の方面に回されておるために償却が全部できていない。こういうことであると思いますが、その内容、たとえば六十三カ所の出資資金が一億であるならば、それが七千万は償却の上、三千万は残っておとか、そういう具体的な数字がわかりますか。
  62. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 現存のところこの点はわれわれの方では調査いたしてございません。
  63. 小松正雄

    ○小松正雄君 私がこういうことをお問い申し上げることは、他の人は別として、私個人としては、この競輪法というのはすみやかに廃止すべきだという観点に立ってこれを申し上げるわけですから、そこで、今日とは言いませんが、後日それらの資料を調べられて、どのくらいぐらいまだ残っておるだろう、できればその六十三ヵ所かの区分別に明確に示してもらいたいということを資料として要求しておきます。  それから次にこれが廃止をされるということを前提といたしますと、いずれにしましても、これはもう何百年も続くものではありません。必ず時期的には廃止されるだろうと、こういうことを考えますときに、これらに従事しておる選手ですね。選手の方々の退職金というか、あるいは事故があって不具者になったり、あるいはその場合に、それらに支給する資金等は、この振興会という方か、公共団体という自治団体の方か、どもらかで積立てておるかどうかということですがね。
  64. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) この競輪制度の検討の結果、それが選手等にいかなる影響を及ぼすかというような問題、これに対する考え方というふうなものは、やはり審議会において十分検討いたさなければならないのでございます。御指摘の点の、何か積立金等しておるかというお話でございますが、これは振興会等においては現在しておりません。ただし、選手の協議会関係の団体におきまして、共済的な意味で若干やっておるというふうに聞いておりますが、この点の金額等は十分でないと、こういうふうに聞いております。
  65. 小松正雄

    ○小松正雄君 これは選手をして競技をなさしめる上においては、その元締めをする振興会というものが責任を持ってこれはやるべきであって、仕事をしておる人たちが自分のもらう給料から出して、それが共同的に、まただれかのためにというようなことは、これは当然私はそういうことをすべきじゃないと考えますが、どう考えられますか。
  66. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 今後の問題といたしましては、われわれとしましては、やはり審議会において十分この種の問題を根本制度のときに関連して研究して結論を出すべきである、こういうふうに考えております。
  67. 小松正雄

    ○小松正雄君 重ねてその点について要求しておきたいと思いますが、政府審議会にそれらのことを付託するというか、諮問機関である限り、そういうことを必要性として今後審議をする上においては、なすべきだというようなことを通達というか、示唆というか、審議会に示してもらいたいということをお願いしておきます。  それから、今、政府が、成立せられて、あらゆるこういう競輪に似たような賭博関係車券、馬券、こういったものを売るところの競技をする日数と言いますか、限定しようということが新聞に載っておりましたですね、たとえば、日曜であるとか、土曜であるとか、一週に二日なら二日ということに限定しようということが載っておったように思いますが、政府はそういうふうなことについて競技をされる各公共団体というか、そういうところに示達、通達しておられるかどうか。
  68. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) その点につきましては、これは土曜、日曜、休日開催ということで政府から示達いたしておりまして、大体その趣旨にのっとりまして、地方におきましては競輪は土曜、日曜を中心として、三日−四日という制度をこの五月から実施し、また密集地の東京あるいは名古屋、大阪というところにおきましては、土曜、日曜を中心として、四日ということを六月から採用するということで、まず第一歩を実施しております。政府としては、さらにこういうふうな趣旨にかんがみて、十分善処したいと、こう考えております。
  69. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  70. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 速記を始めて。
  71. 栗山良夫

    栗山良夫君 先ほどいただいた資料の中で一番おしまいについております開催経費支出明細書があります。この支出明細書の人件費、旅費、需要費、賞典費、雑費というものを各競輪場内訳を見ますというと、比率がずいぶんでこぼこがありまして、こういうような必要経費というものはでこぼこがなければできないのですか。
  72. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 実はこの表は取り急ぎましたため代表的なものをサンプルとしてお目にかけたわけでございまして、この一、二の例が、実を申しますと、競輪場所有施行者とそうでないものと三つに分けて出しておりますほか、同じものでも売上額によって、四千万円、あるいは六千万円、八千万円、二億五千万円というふうに段階を分けて、それぞれ違ったものをごらんにかけたわけでございます。
  73. 栗山良夫

    栗山良夫君 そういう心組みで作られていることはわかりますけれども、私が質問申し上げているのは、たとえば需要費というものがこういう高い比率で必要なのかどうなのか、あるいは賞典費というものはこういうパーセンテージのものが必要なのか。もっとこういうものを切り詰めることはできないのか、こういうことなんですね。やはり今、先ほど河野委員からも質問がありましたが、競輪の自粛というものは、施行者なり、あるいは振興会なり、そういう内部組織における自粛要望というものが相当強いものだと思うのです。そういう意味から言えばこういう内部の冗費を節約するというような、そういう指導というものはやはり必要じゃないかということを私は考えるものですから質問したのです。
  74. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 御指摘のように、いろいろ内容をごらんになると、ここにあります通り、いろいろな差異がございまして、われわれとしましてもできるだけ切り詰めるように、これは指導したいと考えております。現に需要費等につきましては、この切り詰め方については指導しております。
  75. 栗山良夫

    栗山良夫君 その切り詰め方の指導というのは何ですか。何かの基準が設けられてあってその基準によって指導されておるわけですか。
  76. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) たとえて申し上げますと、需要費の中には、消耗費とか、宣伝広告費とか、そういうふうなものを含んでおりますが、宣伝広告費のようなものは、できるだけ一つ切り詰めるようにというふうに指導しているわけです。
  77. 栗山良夫

    栗山良夫君 これは先ほど河野さんからも言われましたが、やはりそういう消極的なことでなくて、もっと積極的に、こういうパーセンテージに抑えろという、やはり比率でしぼるくらいの強硬態度をとらないと、私はちっとも自粛にならないと思うのですがね。たとえば前の一番上の表を見ても、先ほど質問がありましたように、A分のBが二〇%をこえておるところがあるかと思えば、一%を切れておるところもある。これはわずかに一%だけですけれども、これは金額から言えば大へんな金額なんで、こういうところに非難を受ける私は巣があるだろうと思うのです。だから規模の大小、開催日の事情によって若干の違いはあるだろうけれども、そこまで無理をしてやる必要は私はないと思いますね。それからこの点は、こういう公けの機関の仕事なんですから、経理のやり方にしても支出のやり方にしても、もっと厳正な基準をおいて、通産省は大へんいやな仕事でしょうけれども、これは強硬にやられる必要があると思うのですね。非常にいい資料が出たので、私も拝見をしながらびっくりしているのだが……。
  78. 小松正雄

    ○小松正雄君 はなはだ僣越でございますけれども、この法案に対しては私としてはいろいろ疑義がある。今日まで長い間にここまで発展してきたことが必ずしもよかったか悪かったかということをいろいろ考えますと、悪い以外にないというふうな感じが私はするわけであって、しかも内容は、この資料を出されたのに対して先輩各位からいろいろ御指摘されましたが、全くこの二カ年、たとえば一カ年になるかしらんが、延長をしたとしましてもよくなることにはならないのじゃないか。そういう意味から、今度の休会中にこの自転車競技に関する内容を一応調査をしていただきたいということを動議として提案いたしますから、みなさんに諮って下さい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  79. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 承知しました。
  80. 河野謙三

    河野謙三君 私先ほどから通産省にいろいろ注文ばかりつけましたが、まあ、鈴木さんを私は知っているので、鈴木さんのような品のいい人が競輪とはあまりに肌が合わないと思うのだが……。(笑声)ところで私が伺いたいのは、通産省にいろいろ監督指導を積極的にやってもらいたいと注文をつけているのですが、一体あなたの局の中で競輪関係を担当している職員というのは何人ぐらいあって、それから今どういう仕事をしているのですか、それを一つ伺いたい。
  81. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 私の方に車両課というものがございまして、それが競輪を担当しておりますが、直接競輪関係しております職員は七人でございます。
  82. 河野謙三

    河野謙三君 その七人の方で、現存主としてやっておられる業務はどういうことですか。
  83. 柳井孟士

    説明員柳井孟士君) 主としてやっておりますことは振興会の、これはときによりまして御存じよりのようにいろいろ問題が変って参りますものですから、最近はずっと自転車振興会監督でございます。自転車振興会の連合会がございまして、その下に三十五の単位の振興会がございますが、この監督に重点を置いております。それから一方地方公共団体の施行者の方は地方公共団体でございますので、それぞれに公共団体としての監督機関を持ってその下でやっておられます関係上、比較的振興会に比べますと御指摘のように通産省監督は手薄でございます。施行者に対しましては一番現実に私どもがタッチしておりますのは日どりの調整でございます。日どりをきめますときに、数が現在非常に多うございますから、なかなか話がまとまらない。それで妥当なところに落ちつくように指導してやるというようなこと、それからいま一つは、これは法律上いろいろな手続が、開催をいたしますときには開催の届けが参ります。それが現在でございますと土曜、日曜を中心として開催し、平日は原則としてやるなという建前で指導しておりますから、そういう取りきめに違反するものはないかどうか、一々六十三カ所の競輪場から出てくる開催届を検討しておるわけでございます。それでこれに触れるようなものがありますと、変えさせ指導をするというふうなことをいたしております。おもな点は事務的にはそのくらいでございます。
  84. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、振興会監督をしておられる振興会経理内容等につきましても、もちろん今御説明のほかに経理内容監督等もしておられるわけですね。同時に施行者についての経理内容監督は現在までは積極的にしていない、これからはしようと、こういうことですね。  それから、もう一つですね、今のあなたのお仕事は局長の決裁ですか、それともこれは大臣決裁までいく問題もあるのですか。
  85. 柳井孟士

    説明員柳井孟士君) これは事の重要度によりまして、局長専決になっている問題もございます。それから大臣までいく問題もございます。大臣までいく問題は、最近の例で申し上げますと、競輪場新設の申請なんかがずいぶんございましたが、こういうものの取扱いは大臣まで持って参ります。それから土曜、日曜開催の原則をきめました場合、こういうときも大臣まで実質上参りました。そのほかの事柄は、日常の事務は大体局長の決裁でございます。
  86. 小野義夫

    ○小野義夫君 この問題は、いろいろ先ほどからの同僚各位の御質問を見ましてもいろいろあるようでありまするが、これは本則があって、いわゆる特例に関するものであるから、結局は最後のところにいけば本則に返ってくるという性格のものであろうと思う。そこで今ちょっとここで懇談をして、そうしてまあ委員各位のこの案に対する最後的な意見を懇談の形で調節してみたらどうかと思うのですが、皆さんの御意見、御賛同があれば……。
  87. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 私も、質問がまだ残っているようですから、質問だけ先に済ましてから、そういたしたいと思います。
  88. 栗山良夫

    栗山良夫君 小野君の御提案、私賛成です。ちょっと質問を、もう少し残っているところだけ質問しますが、局長のお話によりますと、この経理監査をやろうということですが、経理指導をやろうということですが、法律的にできることになっているのですか、たとえば今ここで話題になっている程度の突っ込んだ指導というもの、あるいは指導よりももう少し強い態度かもしれませんが、そういうものが振興会に対して、開催者に対してできますか。
  89. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 法律問題は、競技法の十五条によりまして施行者から必要な報告を求めることもできます。また検査をすることもできるわけでございます。ただこれに対して十四条で必要な命令ということを出せるかどうかは若干疑問がございます。しかしいずれにいたしましても報告をとり、十分調べて、そうして行政指導によって是正するということはわれわれとしてやりたいと、こう考えておる次第であります。
  90. 栗山良夫

    栗山良夫君 この競輪関係関係者が、それぞれの地区における相当な実力者が関係しておられるということは、だれも否定しないのであります。実力者という意味は、私はそれ以上申し上げませんが、とにかく実力者がおやりになっておる。従って国会である程度の決議が行われてもなかなか末端において徹底を期するということは困難な状態に私はあると思う。ましてや役所がおやりになろうと思いましても法律的なはっきりした行政権というものが、法律によって与えられていなければ、これはなかなか期待の通りには目的を達成することは困難でありますので、今局長がお読みになった条文はいろいろこれは問題がありますが、たとえばこの前に大臣は競輪場の許可権に対して、これはなかったはずですが、それを途中で、当時議員立法でありましたからいろいろ問題がありまして、大臣にそういう専管事項は渡せないということで、なかったはずです。それをだんだん改めて来てそこまでおろして来ておるはずです。だから今の事情というものは、これはやむを得ないけれども通産省がすべてのものを掌握して、そうして国民の非難を少しでもやわらげていき、あの振興会の内部における自粛を強烈にしむけていかなければいけないという私は気持を持っておるわけです。だからその点に対するやはり法律的な強権発動というとおかしいけれども、相当強い態度で自粛を迫ってやっていかないと目的を達しないんじゃないかと思うんですが、この点について政務次官はどういうふうにお考えになりますか。
  91. 島村一郎

    政府委員島村一郎君) お答えいたしますが、ただいまの御意見はまことにごもっともであると存じます。できるだけ行政指導の方で指導いたしまして、いよいよそれではまずいということになりましたら、そのときはやむを得ないというふうに考えております。
  92. 栗山良夫

    栗山良夫君 それでは大体わかりましたから……。  先ほど小松君から御提案がありましたが、こういう問題についても当委員会でさらに掘り下げて調査をしようと、こういう動議が出ておりまして、いずれ委員長がこの動議について取りなしをされると思いますが、その中でただいまの政府答弁の趣旨を体しながら委員会としての検討をする、そうして目的の達成できるように努力していただきたい、こういう工合に了承いたして質問を終ります。
  93. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それではほかに御発言がなければ、質問は一応これで尽きたものと見てよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それでは御異議がないと認めまして、さよう決定いたします。  ちょっと速記をとめて下さい。    午前十一時四十八分速記中止    ————・————    午後零時五十五分速記開始
  95. 吉野信次

    委員長吉野信次君) それでは速記を始めて。  それではこれより本案討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
  96. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はただいま問題になっておりまする自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして賛成をいたすものであります。しかし私の賛成は決して積極的な賛成ではないが、諸般の事情を勘案してやむを得ず賛成を申し上げるということを冒頭に先ず申し上げておきます。従いましてそのやむを得ない点につきましてはすでに委員会審議の過程において明らかにせられておりまするので、そういうやむを得ない事情のもとにおいて賛成をいたしまする以上は、この法律が、運営にあたりましていろいろ欠陥を持っておりまするから、その欠陥を是正するために必要な調査あるいは措置等について格段の努力をせられたいということを二、三申し上げておきたいと思うのであります。そのことにつきましては参議院において従来競輪問題を扱って参りました特別な立場、特別な考え方からいたしまして、私は各議員諸君の御賛成を得まして本委員会法律案可決の場合に、あわせて決議を行いまして、その意思表示をいたしたいと考えるのであります。その決議案の内容といたしまするところは二つの項目に分れておるのでありまするが、これを読み上げてみたいと思うのであります。    付帯決議案  一、競輪、競馬、オート・レース、   モーターボート・レース等一切の   射こう的行為は現下の社会情勢に   かんがみ速かに禁止もしくは制限   せらるべきであり、特に競輪につ   いて政府は現行制度に検討を加え   その改廃に関し次の通常国会まで   に適切な措置を講じなければなら   ない。  二、競輪施行者並に自転車振興会等   の運営および経理の現状は遺憾の   点少くないと認められるから、政府   は速かに必要な措置を講じ、これ   が監督を強化し、競輪の健全な運   労を図るよう善処しなければなら   ない。ということであります。この決議案につきましては委員長におきまして、私が討論を申し上げましたあと委員会にお諮りをいただきたいと考えるわけであります。決議案の趣旨並びに私の意見につきまして、以下若干申し述べさしていただきたいと思います。  決議案の第一項に盛られました競輪その他の射幸行為を禁止あるいは制限をいたしたいということは、今日相当に頽廃しておりまする社会情勢の一端がこれから起因されておるということが、社会問題として指摘をせられまして、大きく国民の世論を動かしておりますることは、われわれがよく承知をいたしておることであります。従いましてこの議論につきましては、何人といえども特定な利害関係に立つ立場の人以外には、反対をせられる方はなかろうと私は考えます。従いましてそういう大きな国民の世論の前に立って、国会は、その最高機関としての任務を果しますために努力を払いますことは当然のことであろうと私は考えるのであります。  そこでその内容の問題でありまするが、今日競輪の問題を扱いますというと、すぐに非常に赤字で悩んでおりまする地方公共団体の財源等の問題にこれが言及をせられまして、地方公共団体の財源が乏しいがゆえに、競輪のあがりによってこれを行わなければならないという非常に強い結論が出て参りまして、なかなか問題にならないのであります。しかし本日政府当局から提出をせられました資料等を見ましても、地方公共団体の財源に寄与しておりまする額というものは、地方公共団体の全体の歳入からみまするならば、そう大きな額であるとは言えないのであります。特に内容を調べてみまするというと、一番赤字に悩んでおります貧困県におきてましては競輪等による財政の寄与は非常に乏しいものがございまして、どちらかと申しますと富裕県においてその利益を享受しておるというような実情にありますから、従って地方財政赤字克服の問題とは一応切り離してでも、この社会悪を改善しまするための一つの重要なる問題点であるといたしまするならば、これは違った観点からやはり問題を進めて行ってその解決をはかるべきであるという考えを私は持っておるのであります。と同時に、さらにこの法律案が二年の期限を付せられておりまするが、私どもは、二年の期限が参りましたときにはぜひとも廃止をいたしたいという強い意思を持っておるのであります。しかし従来の経緯にかんがみまして、漫然と二年を経過いたしますときには、とうてい廃止に至らないわけであります。自動的にまた期限の延長ということが行われるとみなければならぬのであります。そこで、この委員会におきましてこの法律案のいよいよ結論を出すわけでありますが、このときに委員会の意思といたしまして、二年先にはこの法律を改めるものかあるいは廃止するものか、そういうことについてのはっきりした態度というものを求めたいと思うのであります。しかしその態度は、二年の期限が迫りましたときに求めても、これは不可能なことであります。従って政府当局に強く要望いたしまして、ただちに改廃するところの諸般の検討を開始せられて、そうして次の通常国会、三十一年度の通常国会の会期中にこの改廃に対するところの政府としてのいろいろな調査、研究の結果というものを、国会で明らかにされまして、そうして国会においてその結論に基いて、国会がみずからとり得る態度というものが表明できるようにせられたいという意思でございます。従いまして政府当局においては数年来参議院の通商産業委員会、ただいまの商工委員会になりましてからも、熱心にその問題に取り組み、議論をいたしましたこともよく御承知のはずでありますから、それらのいろいろな意見を十分にそんたくせられまして、そうして当委員会の意思に合致いたしまするような措置をとられることを強く要望申し上げておきたいと思うのであります。  それから第二点といたしまして、私が提案の中に求めました点は、自転車振興会並びに施行者の運営、特に経理が若干乱れておるという点につきまして指摘せざるを得ないのであります。と同時に、これが改善につきましては、政府は必要なる措置を加え、これに対して善処せられたいという強い意思を申し上げたいわけであります。  この法律案をこの委員会審議せられまする過程におきましても、ただいまの競輪の運営のやり方が悪いからこれを健全化したいということがよく述べられました。しかし私は非常に極端な表現を試みて恐縮でございますが、競輪そのものは少くともその持っておる性格からいたしまするならば、これを健全化することはおそらく不可能である、もしこれを健全化いたして参りまして射幸行為から漸次スポーツ化への方向へ持って参りますならば、おそらく今日のような競輪に対する魅力というものは失われまして、そして競輪が期待をいたしておりまする車券売上高というものは非常に減少してしまい、そうして所期の目的は達せられなくなってしまうということになると思うのであります。従って徹底した健全化ということは行なわれないと思いますが、しかし今競輪を廃止しようという一つの目途を持っておりまする場合には、社会悪を少しでもためるためにも、相当強い態度をもってやはり健全化を進めて行かなければならない。そして競輪というものについての射幸的な魅力というものを国民からなくして行く、そういう努力を政府当局はとるべきであり、そして二年たちましたころになりますれば、もはや射幸心を持って競輪場へ足を運ぶ国民はなくなる。こういう態勢にしていただくことが一番スムースに問題を解決する道ではなかろうかと考えるのであります。特に健全化を求めまするのは、車券を買う国民一般の心理の問題とは別に、競輪を運営いたしまする振興会なり施行者の内部におけるところの健全化が最も必要であろうと私は考えます。従って今日いただきました資料を見ましても、その車券売り上げ金額が始末をせられておりまする数字を見まするというと、その振興会に交付せられておりまする金額は一定でありますが、その交付金内容がどういう工合になっておるかということについてはまだ調査を十分いたしておりません。これは小松君の御動議によりまして、競輪全体の問題を取り上げて調査を続行するように動議が出されておりまするから、その機会に徹底的な取調べをいたしたいと考えますが、特に施行者開催経費等におきましても、各開催地において著しい金額の開きがあります。またその経理の内容を見ましても非常に使途項目においてアンバランスがあるわけであります。これらのことはこのまま存置をいたしますというと、施行者なり、あるいは振興公等の内部において、とかく云々されておるような金銭の浪費あるいはその他好ましくない事態が起きておるのではないかという憶測をさらにたくましゅうせざるを得ないような数字になっておるわけであります。従って健全に経営されておる方々は大へん御迷惑であろうと思います。その方々との調整をする意味においても、この決議案文において十二分に一つ政府は運営並びに経理のやり方等においても措置をせられたいと思います。それから政府当局の説明によりますと、行政指導によってこれを行い得ると、こういう工合におっしゃっておりますが、おそらく今日までの経過から見ますというと、行政指導によって行い得る限界というものは相当狭いものであろうと考えるのであります。従って特に決議案において必要なる措置をとると申し上げましたことは、相当強い態度で監督に臨んでいただきたいのでありますが、その監督に臨むための必要な措置をおとり願いたいということであります。もし、そのために法律改正等の必要があるということでありますならば、われわれはそれに協力をいたしますことはやぶさかでないわけであります。従いまして、さように理解願いたいと思います。  以上で大体要旨は終ったわけでありますが、最後に私は第一点のところにおいて申し落した点があるので、付け加えておきます。とにかく競輪が始められましてから、今日までの間いろいろ問題がありましたが、とにかくこれに関係された多くの人々が、熱心にその振興のため努力されてきたことについては、これを認めなければならぬと思うわけであります。選手諸君、あるいは振興会の諸君、さらに施行者の諸君の努力というものを、これをむげに退けるというわけには参らぬと思います。従って二年先に競輪の根本的な改廃を目ざして結論を出されるように求めたわけでありますが、そのときには競輪の選手をはじめ、関係者諸君の身の振り方につきましては、これは十二分なる配慮を行わるべきであると私は考えるわけであります。また、自転車の競技法が、日本の自転車の産業的な育成のために設けられたことも、これは大きな目的でありまするから、従って自転車産業の振興につきましては、政府は格段の別途の措置を講ぜられることが必要であろうと思うわけであります。  通産大臣がお見えになっておりまするからお聞きをいただいておるわけでありますが、どうかただいま申し上げましたような決議案を提案をいたしまして、その提案の趣旨を申し述べたわけでありまするから、政府責任者として善処をせられるように強く要請をいたしておきたいと思います。
  97. 吉野信次

    委員長吉野信次君) ほかに御発言もございませんければ、討論は終結したものと認めてよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 御異議ないと認めますから、これより本案採決に入ります。  自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、これを問題に供します。本案衆議院送付通り可決することに御賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成挙手
  99. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 全会一致、可決確定することにいたしました。  なお慣例によりまして本会議報告書、それから議長への報告書、その内容、それを委員長におまかせを願いたいと思います。  それから本案に御賛成の方の署名もよろしくお願いします。
  100. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 次に栗山委員から付帯決議がお聞きの通り提案になっております。これを議題に供したいと思います。栗山君の付帯決議に御賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成挙手
  101. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 全会一致と認めます。よって栗山提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、通商産業大臣から発言を求められましたから、これをお許しいたします。
  102. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 自転車競技法に関する改正法律案につきましては、非常に御熱心なる御質疑をいただきまして、原案を衆議院修正の通り御可決下さいましたことを厚くお礼を申します。  なお、その付帯決議として、ただいま御説明を承わりました三カ条については、十分政府として了承いたしまして、御期待に沿うように努力いたしますから、どうぞ今後ともその点についても一つ御協力をお願いいたして、簡単でございますが、ごあいさつといたします。
  103. 吉野信次

    委員長吉野信次君) 本日はこれにて散会をいたします。    午後一時十九分散会