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1955-07-07 第22回国会 参議院 社会労働委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月七日(木曜日)    午前十時四十六分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            加藤 武徳君            常岡 一郎君            竹中 勝男君            山下 義信君    委員            榊原  亨君            高野 一夫君            谷口弥三郎君            松岡 平市君            横山 フク君            田村 文吉君            森田 義衞君            阿具根 登君            河合 義一君            山本 經勝君            有馬 英二君   政府委員    厚生政務次官  紅露 みつ君    厚生省医務局長 曾田 長宗君    厚生省医務局次    長       高田 浩運君    厚生省薬務局長 高田 正巳君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君    常任委員会専門    員       磯部  巖君     —————————————  本日の会議に付した案件 ○毒物及び劇物取締法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○歯科技工法案内閣提出) ○歯科衛生士法の一部を改正する法律  案(内閣提出)     —————————————
  2. 小林英三

    委員長小林英三君) ただいまから委員会を開会いたします。  本日は、毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律案及び歯科技工法案議題といたします。  提案理由説明を願います。
  3. 紅露みつ

    政府委員紅露みつ君) ただいま議題となりました毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  改正の第一点は、現在毒物として本法の取締りの対象となっておりますもののうち、特に毒性の強烈なものにつきまして特別の規制を行うことにいたした点であります。  現在毒性の強烈な数種の毒物につきましては、政令で、主としてその使用の面において一般の毒物よりも強い規制を加えているのでありますが、法律で定める比較的簡単な手続を経ることにより何人も容易に入手することができる仕組みになっておりますために、適正な使用能力を期待し得ない者にも所持使用される可能性があり、このため保健衛生上不測の危害の発生を避けがたい結果となっているのであります。従いまして今後この種の新規毒物の増加する傾向にかんがみまして、この種の毒物につきましては、毒物劇物営業者研究者または適当なる使用者に限り、特定毒物の製造、輸入使用、譲渡、譲受、所持等を認め、かつ、保健衛生上必要があるときは、一定の品質、着色、表示等従来とほぼ同様の基準を設け、その基準に適合するもののみについて生産、流通を認めていこうとするものであります。  改正の第二点は、現在毒物劇物廃棄につきましては何らの規制も行われていないのでありますが、およそ毒物劇物廃棄いたします場合には、一定の適正な方法に基いて行われないときは、これまた保健衛生上種々の事故を発生させるおそれがありますので、政令で定める廃棄方法に関する技術上の基準に従って行うようにいたしたことであります。  以上が本法律案提案するおもな理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。  次に、ただいま議題となりました歯科技工法案につきまして、提案理由と、その要旨を御説明申し上げます。  わが国歯科医療の現況を見ますと、国民の大多数が歯科疾患に冒されていると言っても過言ではない状態でありまして、そのうち、義歯、充填、矯正に属する治療技術を必要とする患者はおびただしい数に上っているのであります。  わが国診療に従事している歯科医師の数は、人口約三千百名に一人の割合でありまして、この程度では国民歯科医療需要を満たすに不十分であり、また今後の歯科医師の需給の見通しも、将来の人口増加を考慮する場合必ずしも十分でないのであります。  しかるに近年歯科医療に対する国民需要がますます高まってきつつあります関係上、歯科医療中の歯科技工につきまして、歯科医師のほか、いわゆる歯科技工士に委託する場合が次第に多くなり、これら歯科技工士と称する人々の役割が漸次高まって参りまするとともに、その数が相当多きに上って参ったのであります。しかるに、これら歯科技工士につきましては、現在何ら法的規制が加えられておらず、またこれらの者の中で正規の職業教育を経た君はきわめて少数で、大部分は、徒弟見習として習熟した者であります。  従って、その技術内容も千差万別であり、国民歯科医療を確保する上に、はなはだ欠ける点が多かったのであります。  このような状態にかんがみ、歯科技工士資格を定めて、その資質の向上をはかるとともに、歯科技工業務が適正に運用されるように規律し、歯科医師業務を適正に補足させることによって、歯科医療普及向上に寄与しようとするもので、この法案提案いたしましたこれが理由でございます。  次に、その要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、歯科技工士免許は、都道府県知事の行う試験に合格した者に対して、都道府県知事が与えることといたしております。  第二に、歯科医師又は歯科技工士でなければ、業として歯科技工を行なってはならないことといたしたのであります。  第三に、歯科医師指示書によらなければ、業として歯科技工を行なってはならないことといたしました。  第四に、歯科技工を行う場所である歯科技工所につきまして、開設の届出義務管理者の設置義務等必要な規制をするとともに、これに対しまして行政庁一定監督権を定めております。  以上が、この法案提案しました理由及びそのおもな要旨でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。
  4. 小林英三

    委員長小林英三君) ただいま議題となっておりまする二法案質疑につきましては、次回以後に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小林英三

    委員長小林英三君) 御異議ないものと認めます。     —————————————
  6. 小林英三

    委員長小林英三君) 次に、歯科衛生士法の一部を改正する法律案議題といたしまして、これに対して質疑を行います。
  7. 加藤武徳

    加藤武徳君 私は、前回の委員会に欠席をいたしまして、提案理由説明等十分腹に入っておりませず、また若干質疑があったのかもしれませんので、重複いたす点がありゃせんだろうかと、この点を案じてはおりますが、一、二質問してみたいと、かように思うわけであります。  まず質問の第一点は、題名変更でありまするが、従来の歯科衛生士法を今回の改正歯科衛生婦法、かように変更しようとしておられるふうでありますが、かような名称変更は、直接この仕事をいたしておりまする者にはずいぶんと響きがあるのであります。これはただ単に衛生士のみに関することではなく、その他万般の職業に対しましてずいぶんと響きを持つものなんでありますが、いかような理由によりまして、衛生士衛生婦と改めようとしたか、どのような御意図であったか、まずこの点を伺います。
  8. 高田正巳

    政府委員高田正巳君) ただいまお話のありました点については、実はこの前の審議のときもお話が出た次第でありますが、今回歯科衛生士の従来の仕事に加えまして、従来看護婦のみがやっておりました歯科診療の補助という業務を加えたのでございます。本来歯科衛生士は、外国においても全部女でございますし、現在やっておいでになるお方も全部女でございます。かてて今度看護婦仕事の一部を行うということにいたしました機会に、本来の姿というものをやはりこの際はっきりした方がいいんじゃないか、そういう趣旨からいたしまして、歯科衛生士はこういったことを行う女性をまあいうというようなことを法律案規定をいたしたのでございます。これに伴いまして、法制上の観点も考慮いたしますし、また実態との関連も考慮いたしまして、女性であるということを名前の上でも表わすことが適当であると考えまして、歯科衛生婦ということに提案をいたしたような次第であります。これに伴いまして題名も変えた次第でございます。ただこの前も申し上げましたように名前の問題は、今お話のように大へんデリケートな問題でございますし、歯科衛生婦という名前が決して最高の名案ともわれわれは考えておりませんので、今申し上げました趣旨にそむかない限りにおいては、あえてこの名前に執着するというつもりはございません。
  9. 田村文吉

    田村文吉君 関連外国ではあれですか、すべて看護婦とかそういうあれですね、それに女性とか男性的の名称をつけるのが習慣なんですか、どうなんですか。
  10. 曾田長宗

    政府委員曾田長宗君) 医療介抱者といたしましてもいろいろな種類がございますので、一がいに申し上げるわけにもいかぬと思いますが、たとえば看護婦のようなものでございますと、これは御承知ナースと言っておりますですが、ナースはこれは普通女子というふうに——女性名詞であると考えられているようでございます。また、いわゆる助産婦というようなものは、これはほとんど婦人に限られておりましてミッドワイフというふうに申しております。ドイツ語では御承知のようにヘーバメと申しております。それから看護婦はフレーゲリンと言って、女になっているようなわけでございます。もちろん精神病院あたりで働いております男子看護人は、男子のものに対しましては、メールナースとか、あるいはフレーゲルと言っておりますので、まあ大体おもなものは女性名詞がございます。また、それに対して男子の場合には、特別に男子であるということがわかるような名前も使っておるわけであります。それに対しまして歯科衛生士というものは、向うでは大体デンタル・ハイジニストといっておりますので、「ニスト」でございますと、男子女子名前だけ——この文字からは区別がつかないというようになっております。ただいま提案いたしましたこの案によりますれば、ハイジニストというものと、それからデンタル・ナース——大体女子意味しておりますデンタル・ナースというのと、二つの仕事をあわせ行わせようというところでございますので、まあ私どもとしましては、大体実態女子でございますので、「婦」が適当ではなかろうかというので、一応提案申し上げた次第でございます。
  11. 加藤武徳

    加藤武徳君 ところで、御承知のこの法律は、昭和二十三年にできたわけでありまするが、当時としては政府はどうだったのでしょうか。いわゆる衛生士婦人に限られるとは考えられず、男子衛生士もこれはあり得るんだと、かような観点から、今提案なさるような衛生婦とはなさらず、衛生士となすったのか、あるいはさようなところまでは当時はお考えにならずに衛生士となすったのか、この点はいかがでしょう。
  12. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 当時は実は私この方の関係仕事に携わっておりましたので、その記憶に基いてお答え申し上げたいと思います。こういう制度は、実はまだ日本ではいろいろそれまでの間に、翻訳その他で言われておりましたけれども政府の中での考え方としては、こういう形までは熟していなかったことは事実であります。従いまして、この構想というものは、それぞれやはり外国のやり方、外国の実際の運営の仕方ということを中心にして構想を立てざるを得ない、そういうことであったのでございます。そういった観点からいたしまして、実際問題として、この人たちが女であるし、また女の方が望ましい、女の適職であるということは、われわれ関係者十分承知をいたしておりました。ただ倉卒の間でございましたので、はっきりこれを女子と言い切ってしまうというところまでは、実はつきつめて考えておりませんでしたので、御承知のような形になったのでございます。
  13. 加藤武徳

    加藤武徳君 ところで、現在の衛生士の数等でありまするが、免許を得ておりまする者の数や、それからもし男子がおればその数、これを御発表願いたいと思います。
  14. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 現在六百十名でございまして、全部女でございます。
  15. 加藤武徳

    加藤武徳君 衛生士男子では必ずしも適当ではないということはよくわかります。しかし職業の選択は自由だし、この免許を受けまする者が婦人にのみ限られるとは言い得ないのであって、かりに衛生婦と改めました場合には、今後は歯科衛生に携わります者は婦人に限られて、男子はその門が閉ざされるという結果になりますかどうか。この点をお伺いしたい。
  16. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) お話のような点を考慮いたしまして、実は今度の提案いたしました法案付則の二項に、男子である歯科衛生士については、この法律規定を準用する。看護婦の例にならって規定をいたした次第であります。
  17. 加藤武徳

    加藤武徳君 看護婦におきましても、原則としては婦人であるが、しかし精神病院等におきましては、そうでないこともよくわかっておるわけでありまするが、私は付則でかようなことをうたいまする措置をとらなくちゃならないような状況下で、衛生婦と改めることについては大いに疑問がある。この点だけを申し上げておきたい、かように思います。
  18. 山下義信

    山下義信君 関連して。今の名称の点ですね、加藤委員からもいろいろ有益な御質疑があったのですか、私も伺っておきたいと思いますが、この案を政府は立案するときに、関係者意見を聞きましたかどうか。あるいは歯科医師会団体とか、あるいは歯科衛生士団体といってはおかしいが、それらの人たちの、ある程度の意見を聞いてみたか、聞いてみないかということを伺いたい。
  19. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 四角ばってではございませんけれども、ある程度意見は承わりました。
  20. 山下義信

    山下義信君 そのときに何か異議がありましたか。強い異議があったにもかかわらず、政府はこの名称が適当だと思って提案をしたのか。当時はあまり異議がなかったのか。提案を見た暁において異議が出たことを承知しておるかどうかというような点について、率直に御答弁願いたい。
  21. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) その当時におきましては、格別の強い異議があるというふうには承知いたしておりませんでした。しかし提案になりました事後におきまして、いろいろこの名称の問題について御議論があるということは承知をいたしております。
  22. 山下義信

    山下義信君 私はこれは意見を申すのではないのであります。お尋ねをするのでありますが、名称というものはどっちでもいいという場合と、これでなくちゃならぬという場合と二つあると思うのであります。それで、これは不適当であるから、どうしても変えなくちゃならぬとうい場合と、どっちでもいい、大して固執せぬという場合とあるのです。先ほどからの質疑応答を聞いているというと、政府委員は、あえて固執せぬ、これがベストとは思っておらぬ、こういう御意見ですね、ということが御答弁の中にうかがわれるのです。私はこの場合の衛生婦と変えようとする立案者意図は、衛生士でもいい、衛生婦でもいい、どっちでもいいと思うてこの名称を変えようとしておるのか。どっちでもいいといえば語弊がありますが、大体婦生婦がいいが、しかし固執せぬという建前か、ここに歯科衛生婦という新たな名称を設けて、この名称のもとに非常に重大な意義目的とがあるという考え方でこの名称考えられ、この案が考えられたのかということを私は聞いておかなくちゃならぬ。従って私はこの名称の持つ意義が、女という「婦」の字が適か不適当かということ以上に、歯科衛生婦という、この「士」という、従来の名称を避けて歯科衛生婦という、助産婦保健婦看護婦というがごとく「婦」という字をこれにつけて、従来、保健婦助産婦看護婦というがごとき一つ制度女子の独得の職務とがあった。それとどういう関連があるのか、私は知らぬ、あなたの答弁を聞いてみなくちゃわからぬが、ここに歯科治療界一つ制度を立てる、この名称でなくちゃならぬという、こういう意義があるのかないのかということを聞いておかねば、「婦」というよりは「士」の方がいいというのでは、さむらいというよりは将軍というた方がいいかもしれない。「婦」というのは、女でも好きません。元来「士」というのは男につける名前だ。歯科衛生婦婦人諸君棒、「婦」というよりも私は「士」の方がいいというなら別問題だが、これは歯科衛生婦という、助産婦看護婦保健婦という、みな「婦」がついておる。衛生婦という読みならし方が、掃除婦に類似するというような、榊原委員などのきわめてユーモアに富んだ御質疑があった。なるほどそれもあるが、しかし、その下の「婦」というものは、これは私らしろうとが法案を見たときに、歯科衛生婦という一つのものができるのだ、それは従来の歯科衛生士を変えるのだといって、それはいいようなものだが、この法律案を見てみるというと、これは何らか相当遠大な目的と相当な理想というものがこれに盛られて、従って必要が生じてきて名称変更がここに企図せられた、こう考えなくちゃならぬ。それで衛生士というものでも、衛生婦というものでも、どちらでもよろしゅうございますというのは、これは意味をなさぬ。従来の歯科衛生士というものをおいたときの考え方と、ここで歯科衛生婦にしようという考え方とは、私は相当に基本的に考え方が違ってきておると思う。従って今度の考え方では、どうしても歯科衛生士という名称では不適当であるという判断のもとに名称を変えようとするのでなくちゃ、私は意義がないと思う。それで私は歯科衛生婦ということには——これは御答弁を承わって見にやわからぬが、非常に相当な、何というか、御企図があって、かなり遠大な、深遠な意義が含まれていると思うのだが、さっきからいろいろドイツ語やフランス語を聞いておってもわかりませんから、私は日本語の方の(笑声一つ当局のお考えを聞きたい。そうしなければ可否の判断ができぬ。一つおっしゃってみて下さいませんか。
  23. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 私たちが言い足りませんでした点を御指摘いただきまして、大へん恐縮に存じます。率直に申し上げまして、今度の改正の、名前関連をした改正の最も重要な点は、こういったことを行いますものは、「業とする女子をいう。」女子であるということをはっきりさせる、これが根本眼目でございます。それに伴いまして、法制上の建前からしましても、あるいはまた世俗的な考え方からいたしましても、名前もこれに即応する名前に変えることが適当であるというふうに考えた次第であります。そういう意味におきまして、いろいろな名前を実は考慮いたしてみたのでございますけれども、結局最も単純に、まあ「士」を「婦」に変えることが適当ではないか、かように考えて御提案申し上げた次第であります。私がこだわらないと申し上げたのは、女子であることが根本であるし、それに即応した名前が適当であるという考え方根本に立ちまして、しかしそういう範囲内において考えてみて、この御提案申し上げている名前最上名前であるかどうかということについては、必ずしも最上名前とは言うことを固執はしない、そういう趣旨で申し上げた次第であります。
  24. 竹中勝男

    竹中勝男君 おくれて参りまして恐縮ですが、その今の名称のことですが、私はやはり「婦」としないで「士」とした方が、これは理屈に合うと思うのです。私ども学校でも、文学士だとか、法学士というのを女子にも与えておるのですが、それで世間は資格が非常にはっきりしてくると思うのです。法学婦だとか、文学婦とは言わないんですね。(笑声)これはこの間歯科医師学校の、大学の学生たちが相当たくさん私どものところへ、やっぱり私を学校関係者だと思って来たんでしょう、ぜひ衛生士にしてほしい、衛生婦というのは、男子反対だし、女子学生反対だ、どうも品位が保てないと言うのですね。衛生婦では、この掃除をする人たちと間違われたりするおそれもある。(笑声)これは名称のことですけれども、やっぱり大事だと思いまして、そういう点をなぜどうしても「婦」にしなければならないかという理由が私にはわかりませんが、どういうわけですか。もうすでにお答えになられたかもしれませんが……。
  25. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) ただいま御答弁申し上げたのでございますから、簡単に結論的なことだけ申し上げたいと思います。今度の法案改正一つの重点は、女子であるということをはっきりさせる。こういったことの仕事をするのは女子であるということをはっきりさせる、これが一つ眼目であります。これに伴いまして、やはり名前女子に即応した名前に改めることが適当ではないか、法制上の観点からしましても、あるいは通常呼び名関係からいたしましても、そういうことが適当ではないかというふうな意味合いにおきまして、この名称変更を御提案申し上げたような次第でございます。理由はそういうことでございます。
  26. 山下義信

    山下義信君 私はほかにお尋ねしたいこともいろいろあるのですが、竹中委員の方から御質問がございましたから、関連してもう一つ名称のことで承わっておくのですが、この付則にあります。この付則の第二項に加えられた「男子である歯科衛生手については、この法律規定を準用する。」、こういうことですね。これはどういうわけでございますか。この歯科衛生手というのは、従来ありますのですか。どういうわけ……、今度新たにできましたのですか。歯科衛生手というのはどういうことになりますでしょうか。
  27. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) お答え申し上げます。現在免許を受けている人につきましては、全部女であることは、今申し上げた通りでございます。しかしこれを……それからこの本則において女子であることをはっきりさせるということにいたしました点も、今申し上げた通りでございますが、憲法上の問題、と申しますとやかましくなりますけれども女子にだけ許して、男子には全然この仕事を許さないのだということになりますと、憲法上の疑義等もございまして、これは看護婦の例にならいまして、こういう措置をしたのでございまして、従いまして歯科衛生手という「手」という名前は今度初めての提案でございますて、今後男子が出てくることをそう予想はいたしておりませんけれども法律上の問題としてこういうふうに書いた次第でございます。
  28. 山下義信

    山下義信君 ですから、私はこの名称関係があるので、ただ従来は、歯科衛生手というところが、従来の法律によりますと、これは男子であっても、女子であってもできることになっておった。今度は女子に限ることにした。そこで女性を表わすために歯科衛生婦にしようという。そうすると今あなたのおっしゃったような理由によって、男子の場合をどうするかということが出てきたために、男子については歯科衛生手ということにして、女子規定を準用するということで、この一項目によって男子歯科衛生手にはこの全部法律の適用をかりにするというのですが、そうすると、理屈からいうと、この種の業態女子も許す、男子も許す建前になるのだが、準用と言ってもなるのだが、そうするとこれは名称がおかしいことになる。わしはへ理屈は言いません。女子歯科衛生士——「士」になりますと、男子が同じようなことで、「手」になるのですね、この歯科衛生手という。そして女子のする業務名称よりは、同様の仕事をする男子名称が落ちる。それなら、もし歯科衛生婦というのが不適当である、従って衛生士ということにかりに逆戻りするならば、歯科衛生手という男子に対しての特別の名称は要らぬと思いますが、どうですか。同時に女子に限るという必要もなくなるのです。それでなからねば平仄が合わぬ。歯科衛生婦というのが不適当で、歯科衛生士に戻ろうとするならば、歯科衛生士という名称はすでに男女共通であって、本法律案男子にも歯科衛生手として、この種の業態を許そうという、これは意図がそこに明らかなんですから、これは女子に限る必要もなければ、また歯科衛生婦という名称を設くる必要もなくなってくる。私はそういうふうなことに思うのですが、その辺のところはどういうふうなことになりますか。
  29. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 今御指摘のような疑義がございましたので、この名前の問題を使い分けた次第でございまして、その辺、私ども関係をいたしました法制上の見地から検討をいたしまして、こういうふうな使い分けをいたしたのでございます。しかしまあ法制上の観点については、いろいろの見方なり考え方というものがありましょうから、それが完全無欠で、ほかの考え方はだめだというところまでは私どもはまだ言い切ることはどうかと思いますけれども、いきさつはそういうことでございます。
  30. 山下義信

    山下義信君 わしがあなたの御用を勤めたのじゃ質問にならぬ。私がお尋ねするのは、これは歯科衛生婦という名称はやめて、かりに歯科衛生士という名前に戻るということになると、このせっかくの立案の趣旨が没却されて、そうしてこの種の業務に従事する男女の区別等にも彼此混乱しやしないかということをお尋ねしておる。それならばそれと、困るなら困るとおっしゃればいいので、私の質問通りのことを理由におっしゃってもらってもお答えにならぬ。
  31. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 失礼いたしました。そういうことになりまして、一面においては第二条の改正中の「女子」も落さなければならない。あるいはまたかりに残すとしても男女の混淆を来たすという——まあ前者でありますればまさしく困るわけでありますし、後者のような混淆を来たすというおそれもなきにしもあらず、あり得ると思うのです。
  32. 山下義信

    山下義信君 最後に私伺っておきたいのは、この男子歯科衛生手としてこれに準用するということですね。これはこの種の業務女子に限ろうとする原則と、男子になお一部この種の業務に従事することを認めようとする意図と、私はその辺に当局の御意図に少しあいまいな点があるように思うのでありますが、考え方としてはどうなんでしょうかね。
  33. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 率直に申し上げまして、女子に限りたいと思っております。ただ女子に限るということになりますというと、いわゆる男女の職業選択の自由についての憲法上の問題もありますので、いわばこういう抜け道と申しますと語弊がございますけれども、そういう趣旨からこの規定が置かれた次第でございます。
  34. 高野一夫

    ○高野一夫君 今の山下委員の御質問関連して参るわけですが、あるいは先ほど来話が出たのかもしれませんけれども、おくれて来ましたので重複したらお許しを願いたいと思うのでありますが、なぜ女子に限らなければならないかという理由一つ伺いたい。実際問題として女子に限られておる、あるいはできるだけ女子職業として与えようということはわかるけれども、この法律の原則として、なぜ女子に限らなければならないかということを一つ端的に御説明を願いたい。
  35. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 先ほど来申し上げましたように、歯科衛生士仕事は、いわば女子の適職でございますし、それから実際問題として、わが国におきましても外国におきましても、すべて女子がやっておる、実態はこういうことでございます。それにそういう意味からして、本来から女子であるということをはっきり法律上もいたしておいた方がより適切であったかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、倉卒の間でございましたので、現在の法律通りになっておりますが、これに今回看護婦仕事の一部をプラスをする、歯科診療の補助という事をプラスをする。これは保健婦助産婦看護婦法によりまして、看護婦仕事看護婦免許を持っておる者の仕事規定されておるのでございますが、この仕事を従来の歯科衛生士仕事にプラスをしてあわせてやらせようということになります関係上、患者の世話ないし診療の補助を行うことを業としておる看護婦の例にならいまして、この際看護婦と同じような考え方をはっきり法律上もいたしておくことが適当ではないだろうか、これは将来におけるいろいろな観点考えても、この際こういうふうにしておいた方が適切であろう、そういうふうな観点から女子であることをはっきりさせたわけであります。
  36. 高野一夫

    ○高野一夫君 そうすると看護婦仕事をさせるというところまで拡大した場合に、便宜はいいかもしれないけれども看護婦の立場から、自分たち仕事が侵されるとか何とかいうような考え方が起らぬものでしょうか。看護婦には別個の法律があって、しかも学校を出て試験を受けて看護婦になる。ところが別に、歯科衛生婦か士かまだきまらぬとしても、その方は別個の法律で定められたる本業がある。その別個の法律で定められたる本業のかたわら、別な看護婦なら看護婦法律で定められた別個の仕事を兼務させるというか、あわせ行わせるということについてはどんなものでしょうか、こういうことは平気で行われて差しつかえないものかしら。
  37. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 今お話の点も十分慎重に検討いたしました。しかしながら看護婦仕事を一部行わせるわけでありますから、理屈からいけば立場が違うことになるわけでございますけれども、これによって看護婦との間に摩擦を起すことはないと確信をいたしております。
  38. 高野一夫

    ○高野一夫君 私の言うのは、その歯科衛生士には歯科衛生士法なる法律があって、そこで原則としてほんとうの根本仕事が定められておる。それで免許を受ける。一方の看護婦は別な法律があって、そうして試験を受けて免許を受けるわけだ。それだから、この看護婦の方は歯科衛生士の方の仕事はできない。歯科衛生士免許を受けた者だけが別個の法律で定められた看護婦仕事をやることが法律上差しつかえないかどうか、こういうことをお聞きしておるのです。
  39. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 簡単にお答えしまして言葉が足りませんでしたが、看護婦のおさめました学問技術、それから歯科衛生士のおさめました学問技術というものを比較いたしまして、歯科衛生士のおさめております学問技術によりますれば、当然歯科診療の補助程度の補助という仕事はできる素養を持っておる、そういうようなふうに判断をいたしておるのでいございます。その点は間違いないと思います。そういう意味におきまして、いわゆる技術的あるいは知識的にも看護婦仕事の一部であります歯科診療の補助をやらせるということについては心配はないと考えております。一面において、しからば看護婦衛生士仕事をやらせることについてはどうかと申しますと、看護婦はその方の技術なり学問なりというものをいたしていないわけでございます。いわば取りかえっこという意味において、看護婦に従来の歯科衛生士が行なっておりました仕事をやらせようということは、これは法律上も無理になるわけでございます。
  40. 加藤武徳

    加藤武徳君 私先ほど大体質問を尽したのですけれども看護婦助産婦は、その出発においてすでに婦人だといういきさつがあって、名称もそういう形で出発しておるのですが、歯科衛生士についてはここ七、八年、いわゆる衛生士としてその名称が固定化しておる現在、ここでにわかに衛生婦と改めよう、こういうところにけさから質疑応答がずっと行われておるような状況になっておると、こういう工合に思うのですが、私は重ねて言うようですが、その軽々な名称変更は非常に無理だということをもう一ぺん申し上げておきます。
  41. 榊原亨

    榊原亨君 先ほどの高野君の御質問関連してでありますが、ただいままで行われておりました歯科衛生士仕事婦人に適当であるということを先ほど医務局次長がおっしゃったのでありますが、予防をいたしましたり薬を塗ったりするということがどうしても婦人でなければならない、婦人に適当だというようなお考えでございましょうか。その点がはっきりしないと思うのでありますが。
  42. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 歯科医業ないし歯科衛生全般の範囲においてそういう仕事をやることが婦人仕事である、そういう意味でございます。
  43. 榊原亨

    榊原亨君 私の了解しておるところによりますると、こういう仕事は御婦人でもいいのでありますが、男でもいいのじゃないか。もしも、これがどうしても婦人の方が適当であるということになりますと、歯科医師の行います業務のうちの一部分は婦人が適当だということになるわけでありまして、そういう点から申しましても、これは男でも女でも、その方のタレントを持った者であればいいというふうに私は考えておるのであります。またもう一つ看護婦と申しましても、御承知のように、看護婦の中にも看護人という男があるわけでありまして、りっぱにこれは法律で定まっていると思うのでありますが、そういたしますとこういうものは、別にそう角かどを立てて、どうしても「婦」でなければならぬというような結論にはならぬと思うのでありますが、どうしてもやはり衛生士仕事婦人でなければならぬという、はっきりしたお考えがあるのでございましょうか。まあ大体が女だから女だというんじゃないですか。そこら辺のところを、もう一回、くどいようでありますが、御当局の御答弁を承わりたいと思います。
  44. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 十分事情も御存じの上での御質問かと存じますが、今後におきまする歯科衛生あるいは歯科医療全般の範囲内において、こういった仕事をやっていきます者、それと歯科医業のにない手であります歯科医師との関係、その辺を慎重に考慮いたしまして、なおかつ歯科衛生士の内外における実態というものを考慮いたしまして、女子であるということをはっきりさせることが適当であると考えた次第でございます。
  45. 横山フク

    ○横山フク君 先ほどから「婦」ということがだいぶ問題になってきております。私も本職が「婦」であるだけに聞き捨てならない。ことに前回の委員会に出席いたしておしませんので、聞きませんでしたけれども掃除婦云々ということが「婦」の中に出たということになりますと、保健婦看護婦助産婦というものに対しての掃除婦という比喩は非常に失礼な比喩じゃないかと思う気もいたします。これ以上「婦」という問題に対して——厚生省の方では女子に重点を置くという意味もあったし、ことに保健婦助産婦看護婦法の看護の面を新たに加えるという意味で「婦」をおつけになったのでしょうけれども、しかし厚生省の方でも、必ずしもこの「婦」にこだわるということはないと思う。これ以上この問題に対して質問をしないで、そうして御意見があるだろうと思いますので、これは皆様方の御意見で、どちらときめようとも、あまりこの「婦」を掘り下げるということは、私としてはおもしろくないと思いますし、その「婦」という問題をいやみにとるということは、私は、この名称の出発点が「婦」というのは何かいやだからということであったら、この歯科衛生士名前を変える陳情の方々のお考え違いだ。「婦」というのは決して悪い意味でないけれども、それが女子に限ったという意味で、男子の方から抗議が出るという意味であるならば、私はこの御意見に対しては傾聴させていただきますけれども、「婦」というのが、どうも少し下に下ったという意味での陳情であったらいけないし、皆様の御意見もそういう意味での御意見であったら、私は聞き捨てならぬ言葉だと思います。でございますので、これ以上の質問はやめて、そうしてあとはおきめ願うという形にやっていただきたいと思っております。
  46. 田村文吉

    田村文吉君 さっきお話のありました歯科衛生手という言葉は、どっか法律用語に出ているのですか。
  47. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 今回提案をいたしました改正案の付則の第二項にありますだけでございます。
  48. 田村文吉

    田村文吉君 現在男の人はなくて、六百二十人が全部御婦人だというのですね、実際問題は。新規に歯科衛生手なんという文字をここに持ち出してくること自体がおかしいのだから。そうすると、やっぱり今の横山さんのお話じゃないけれども、もう事柄はよくわかっているのだから、こいつも衛生士というのを衛生手に改めた場合に、あなた方の方で非常に世論の反撃を受けるとか、何かそういうような御心配があるのですか。衛生婦を衛生手に改めた場合にはどうなんですか。御不都合が出ますか。
  49. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 世論の点は別に危惧はいたしておりません。ただ、率直に申し上げますと、歯科医師の方の立場としては、大体先ほど来申し上げておりますように、この際女であるということをはっきりさせるということを強く希望しているように私ども承知しております。
  50. 田村文吉

    田村文吉君 ただ、法制上からいって、十分御研究になったんだろうと思うのですけれども、第二項で、今まで使ったことのない歯科衛生手という文字をここへ出してくるというのは非常におかしいですね。その点がちょっとおかしいから、そういう不都合を避けるならば、もう衛生手というものは御婦人が大部分なんだけれども、男が入ってもいいのだというふうに初めからお作りになっておいた方が楽なんじゃないか、それをあくまでもいけないとおっしゃる何か理由がございますかどうかということを伺っておる。
  51. 曾田長宗

    政府委員曾田長宗君) 先ほど来次長からいろいろお答え申し上げてあるのでございますけれども、私衛生婦というこの名称を使っていただくことがより妥当じゃないかというふうに考えましたことは、従来の衛生士看護婦仕事をあわせ行わしめるということが今回の改正一つの重点でございます。ただいまいろいろのお考えがございますが、看護婦の場合には、これは一応原則としては女子をいうということになっております。そして男子の場合は、これは特例ではございませんが、たしか保健婦助産婦看護婦法の六十条だと思いましたが、これに男子たる看護人——前の方は看護婦ということになっておりますけれども男子たるということがついたために、男子たる看護婦ということではおかしいのでありますから、男子たる看護人はという言葉がここに初めて出てきたわけであります。大体それにならいまして、この名称は原則として歯科衛生婦といたし、そうして、男子たる特別なものはということでありますが、男子たる衛生婦というのも妙でございます。それを終始一貫初めからこの歯科衛生婦とは云々の女子をいうというふうに言い切っておって、そうして付則の方の二項に男子たる衛生士はというふうな表現が許されるかどうかというようなことについてもいろいろ検討をしてもらったのでありますが、かえって非常に混乱を招くであろうというので、衛生人などという言葉も考えてみたのでありますけれども、それよりは衛生手の方が適当であろうというのでそういうふうに書き分けた次第であります。
  52. 山下義信

    山下義信君 恐縮なんですが、質疑をいたさないつもりでおりましたですが、かつまた横山委員のなにもあるのでありますが、衛生婦の「婦」のことは申しませんから……。衛生手のことでちょっと私もう一度質問を追加さしていただきたいのですが、私は当局に伺うんですが、今度の御改正趣旨は、今おっしゃったように、看護婦業務を従来の歯科衛生士にやらせるんだ、言いかえれば、治療の補助をさせるんですね。私は治療の補助をさせることは、女子ならば弊害がない、従って、歯科衛生婦——横山さんごめんなさい。歯科衛生婦という女性のはっきりした名前をつければ弊害がないが、もし歯科衛生手といえども男子でもできる建前にして、歯科医師の治療の補助のできることにこれがなっておると、歯科医師に類似する男ができてきて、歯科医師やら、歯科医師の補助医師やらわからぬようなものが出てきて、非常に弊害があるのじゃあるまいか、そこで医師の治療補助をさせるということを、男子にそれを認めたならば、これは歯科医師でなくても、医師の場合でも同じであって、あれが看護婦であるから弊害がないが、男でも共通するような名称をつけておくと私はこれはゆゆしき問題、やはり歯科医師の場合でも治療の補助をさせる、今度のこの法律改正ということになれば、やはり女性ということが明確に打ち出されてあることが必要で、男子でもできる建前にすると、歯科医師に近い類似の職能をとって、歯科医師に非常にまぎらわしいものができるというおそれがあるのじゃあるまいかという気がしますが、この辺の当局にはお考えがあるでしょうか、ないでしょうかということを一つだめ押しをしておきたいと思います。
  53. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 実は先ほどから、今山下先生のお話のありました点を申し上げようと思っておりましたけれども、場所が場所でございますので、多少遠慮をして申し上げておりましたが、率直に申し上げますと、今御指摘の通りでございます。
  54. 横山フク

    ○横山フク君 名称問題のほかでございますが、今度の審議委員には、歯科医師だけが審議委員になるわけですね、国家試験の。この衛生士ですか、婦ですか、その人は審議会の委員には入らないわけですか。
  55. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 形式的には厚生大臣の試験になっておりますが、法律規定によりまして、また実態からいたしまして、知事にその仕事を委任をいたしておりますので、そちらの方で取り扱わせております。
  56. 横山フク

    ○横山フク君 そうすると、形式的には厚生大臣がする国家試験であるけれども、それは府県に委任した府県の試験ということになるのですか。
  57. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 委任によりまして知事の行う試験ということになるわけであります。
  58. 横山フク

    ○横山フク君 十一条には、厚生大臣は、「全部又は一部を、都道府県知事に委任することができる。」となって、全部を委任するとは書いてないのですね。それからもう一つは、「厚生大臣は、歯科医師国家試験委員に、前項の規定によって都道府県知事に委任した事項を除く外、試験問題の作製、採点その他試験の施行に関して必要な事務を掌らせるものとする。」と書いてありますけれども、そうなると都道府県知事に委任した以外のものが残っているはずですね、この法律には。
  59. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 法律的なことを申し上げて恐縮でございますが、厚生大臣が知事に委任をいたしますと、厚生大臣の持っておりました権限がそのまま知事に行きまして、その行った部分につきましては、厚生大臣の権限はなくなる、そういう格好になるわけでございます。そこでこの試験を行いますこれは全国全部に行わせるわけじゃございませんで、学校のありますところの知事に行わせるわけでありますから、そのほかの部分は、抽象的に考えれば、大臣に残っているということも言えるわけです。
  60. 横山フク

    ○横山フク君 それはわかりました。私それを派生的に伺ったので、最初に伺いましたのは、この都道府県でお願いするかもしれぬけれども、この試験の委員ですね、審議会の委員、これは歯科医師だけがなっておるように思うけれども、今度のここの衛生手というものができたらば、その人も試験の委員になれるのじゃないか、入れないのかということを聞いているのです。
  61. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) なれるわけでございます。
  62. 横山フク

    ○横山フク君 なれる、それはどこに書いてありますか。
  63. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 知事が厚生大臣の委任を受けまして行います試験につきましては、知事が条例等によってきめ、あるいは知事が定める機関によって行わせるわけでございますので、従ってこの法律関係にはならないわけでございます。ここに書いてございますのは、知事が行いますもののほかに、いわゆる便宜、このための特別の機関をこしらえるのもどうかというわけで、便宜歯科医師の国家試験の委員これに手伝わせる、そういうことを規定している趣旨でございまして、この歯科衛生手の試験のために特別の中央の委員会みたいなものをこしらえるということではないわけでございますので、この法律に書いてないわけであります。
  64. 横山フク

    ○横山フク君 それからこの学校、養成所の教育内容ですけれども、九百六十二時間、そうするとこれは二年間ですか。
  65. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 現在一年間でございます。
  66. 横山フク

    ○横山フク君 看護婦の方が千百五十時間ですね、そうして臨床が八十二週、外来が二十週、これは歯科衛生婦学校の方は実習は中に入っているわけですね。看護婦の方が三年間ですね。
  67. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) そうです。
  68. 横山フク

    ○横山フク君 こちらは一年間で、そして最初に入るのは高等学校から入るんですか、中学校から入るんですか、ここで見たのではわかりませんですが。
  69. 高田浩運

    政府委員高田浩運君) 高等学校から入るんです。
  70. 小林英三

    委員長小林英三君) お諮りいたしますが、本案に関しまする本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 小林英三

    委員長小林英三君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十九分散会      —————・—————