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田中一君 できるならば、こういう今申し上げたような簡単なものですから、
議員提案になっておりますから、
政府にこれに対する
質疑を行なっていただければもっと
内容の的確な御
説明があると思いますから、
一つ政府に向って御
質疑いただくようにお取り計らい願いたいと思います。
〔
理事石井桂君退席、
理事赤木正雄君着席〕
この
実態を申しますと、まあ非常に率直に申し上げます。この
法律を
改正しようという意図は、御承知のように、たとえば
清水市庁舎というものをある
学校の
先生が
設計監理をしている。そうしますと、莫大もない数千万円の
設計勘定というものを取っている。これは一応、
名目は
実験研究という
名目でやっております。しかしながら、数千万円の
設計勘定を取っている。あるいは各
役所の、
建設省にもあると思いますけれども、
役所の
方々が
内職に、自分の権力をもって取るんじゃないでしょうけれども、一番信頼される
技術を持っているからという
理由でありましょうが、
内職に
建築士という
資格を持っているからできる。そうしてまあ
報酬をもらっておるのではなかろうかと思う節がたくさんございます。そこでこの
法律は、
報酬をもらってやる場合には
建築事務所を持たなければならないということがはっきり
建築士法に書いてあります。書いてありますけれども、
盲点といいますか、この
法律も
資格法と
業法と二つ織り込んであるために、その点が
資格を持っている者が
報酬をもらわずに
仕事をする場合と、
資格を持っている者が業として
報酬をもらいながらその
仕事をやっていくということが、同じものなんです。同じものでありながら、今言うように、
法律が今までの
法律ですと、完全にそれが守られない。いわゆる闇の
建築士事務所的な行為が
建築士の間に行われて、これを何とかして正しい方向に、間違いのないように、
盲点をなくしていこうという
考えでもって、立案されたものでございます。しかしながら、これが
改正されましても、やはり信頼に基くところの
依頼者というものが、
学校の
先生なり、役人なり、
建築士の
資格を持っている
方々に御依頼することはあり得ます。あり得ますが、それはどこまでも
報酬をもらわないでやる場合に限る。
報酬をもらう場合には必ず
建築士事務所を持たなければならない、かように
規定してあるのでございます。
他の
条文につきましては、もうその形、その目的を、何というか、織り込むための事務的な
条文でございます。
実態としてはたくさんございます。現在お
手元の
資料にありますように、
一級建築士の
免許を取得している方は、これは
資格でございますが、集計しまして二万二千七百四十一名でございます。二級
建築士の方は四万一千七百六十一名、現在ございます。そのうち、
一級建築士が業として
建築士事務所を営んでいるものはどうかと申しますと、
一級建築士二万二千七百四十一人に対しまして、五千三百四十八人にしか過ぎません。そうして二級
建築士の場合を御覧になればわかりますように、四万一千七百六十一名の
資格を持っている
方々がいるにもかかわらず、
業務を営んでいる者は六千百七十六人しかございません。その六千百七十六人と五千三百四十八名だけがこの
業務を営んでいるわけでございます。六万に上るところの
方々が、やはり同じように
報酬をもらいながら、
設計監理をしているという
実情が明らかになっているのでございますから、そこでいわゆる
保護法という、
業務を営んでいる者を保護するという面もございますけれども、もしも十分な
責任が持てぬものですと、あるいは
台風その他でもって大きな
災害があるのじゃないかという点を考慮いたしまして、この
改正を出したわけでございます。