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1955-06-30 第22回国会 参議院 建設委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月三十日(木曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————    委員の異動 六月二十八日委員前田穰君は死去され た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石川 榮一君    理事            石井  桂君            赤木 正雄君            近藤 信一君            武藤 常介君    委員            小沢久太郎君            西岡 ハル君            酒井 利雄君            宮本 邦彦君            村上 義一君            湯山  勇君            田中  一君   国務大臣    建 設 大 臣 竹山祐太郎君   政府委員    建設政務次官  今井  耕君    建設大臣官房長 石破 二朗君    建設省計画局長 澁江 操一君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省住宅局住    宅建設課長   鎌田 隆男君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本住宅公団法案内閣提出衆議  院送付) ○住宅融資保険法案内閣提出衆議  院送付) ○公営住宅法第六条第三項の規定に基  き、承認を求めるの件(内閣提出、  衆議院送付) ○委員派遣承認要求に関する件   —————————————
  2. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  日本住宅公団法案住宅融資保険法案、「公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を求めるの件」を議題に供します。  前回に引き続きまして、総括質問を続行いたします。質疑のおありの方は逐次御発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 今配付になりました資料の御説明をまず願います。
  4. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 先般御要求のありました入居者所得別職業別地域別という内容をあげたわけでありますが、これは公営住宅につきましては、公営住宅法に基いて、第一種については家賃の六倍から十五倍以下で三万二千円以下、二種は一万六千円以下。要するに、二種は一種の半分程度の安いところを限界にいたしております。最大は特別であります。従って、これは低家賃という意味で、職業については特に限定がしてありませんし、地域はいずれも全国であります。これの基礎公営住宅法であります。  公庫住宅の方は、これも住宅金融公庫法の十八条に基いておりますが、これは公営のように法律限定をいたしておりませんが、法律趣旨から政令その他実際の運用の基準を申しますと、当初償還金の六倍以上ということになりますから、大体公営に準じたような考え方で行くわけであります。産労住宅については対象がはつきりしておりますから、限定をしておりません。職業また同様でありまして、地域全国であります。関係条文は今申し上げた通りでありまして、これは産労については、融資対象になるものは、入る人よりも資金を借りてこれを建つものの側が対象になっておりますから、そういう規定をいたしております。  公団住宅につきましては、賃貸分譲とありまして、賃貸の方は、性格的に申すと、公営住宅の従来やっておりました中層耐火アパートをここへ持ってきたという思想で立案をされておりますから、「家賃の支払のできる者」というのは少し表現が適切でないかもしれませんが、要するに公営及び公庫考え方基礎にいたしておりまして、法律には限定をいたしておりませんが、備考欄に書いてありますように、大体家賃の六倍以上の所得というようなところで政令基準をきめたいと考えております。それから分譲は、大体の性格産労住宅にとっておりますから、産労住宅考え方と同じように、限定をいたしておりませんし、職業は、これは前回も問題になりましたように、勤労者ということを法律明明にしておりますから、これも明らかでありまして、地域については、これも法律に申しておる通りであります。  それから厚生年金国家公務員政府機関住宅は、これは申し上げるまでもなく、それぞれの性格によってそれぞれの規定をいたしております。  これが大体、簡単でありますけれども、御要求に対する要点であります。
  5. 田中一

    田中一君 公営住宅は、これに「家賃の六倍以上十五倍以下で三、二〇〇円以下」ですか……。
  6. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 三万二千円でございます。まるが一つ落ちております。
  7. 田中一

    田中一君 これは月収三万二千円以下という意味でありますね。
  8. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) さような意味であります。
  9. 田中一

    田中一君 そうすると、一種の場合にはとにかく幾ら以上ですか。一番上は三万二千円。一番下は幾らになりますか。
  10. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは家賃の六倍という方が一番下になりますから、千円の家賃であれば六千円、二千円であれば一万二千円。
  11. 田中一

    田中一君 だから、一種標準家賃を教えて下さい。これは全部、一種から、賃貸のやつの標準家賃……。
  12. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 政府委員から……。
  13. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 昭和三十年度の公営住宅標準家賃の計算について申し上げます。御承知通り一種、二種に分れておりますほか、いろいろの規格の公営住宅があるわけでありますが、一番初めの第一種について申し上げます。  木造につきましては家賃が一千七百八十円程度に相なります。それから簡易耐火平屋建でございますが、これは一千七百六十円、それから簡易耐火の二階建のものにつきましては二千九十円、それから中層耐火一般というのがございますが、それは二千四百円、それから中層耐火簡易、これが千六百円でございます。以上を平均してみますと、一千七百九十円ということになっております。なお、御参考までに、これを昨年の一種平均家賃と比較してみますと、昨年は二千三十五円です。中層耐火がことしが去年に比べて減りました等の関係もありまして、減っておるわけであります。  第二種でございますが、木造については千八十円、それから簡易アパート、これが八百十円、それから耐火の分につきましては千五百円。これを平均しますと九百六十四円と相なりまして、昨年の九百七十四円に比べまして、若干減っておるわけであります。なお、昨年の第二種公営住宅で一番安いのは木造の九百五十円でありましたが、今年は簡易アパート耐火建築簡易アパートを作りましたが、これは八百十円と相なっておるわけであります。  これを一種、二種を平均しますと、千五百六円と相なっております。昨年の総平均の一千八百四十四円に比べまして、三百三十八円の低下を予定いたしておるわけであります。
  14. 田中一

    田中一君 私の聞き違いかもしれませんけれども、一種の方の木造は千七百八十円ですか。
  15. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 第一種木造千七百八十円です。
  16. 田中一

    田中一君 これは間違いないですね。一階建の簡易は千七百六十円ですね。
  17. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) そうでございまます。
  18. 田中一

    田中一君 この木造は何坪になっておりますか。
  19. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは十坪です。
  20. 田中一

    田中一君 簡易耐火建の方は。
  21. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 同じく十坪です。
  22. 田中一

    田中一君 私はこの資料だけで言うのじゃないのですが、われわれの通念からいって、木造よりも簡易耐火構造の方が、少くとも今後奨励するものと、いろいろな意味において利益があると考えておるのです。また国が補助してやっている以上、この方がいいと思うのです。ところが、木造の同じ十坪のものの方が家賃が高くて、簡易耐火の方が同じ容積を持ちながら家賃が安いというなら、なぜ木造をやめて簡易耐火にしないのです、みな。
  23. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これはやはり地方の要望もありますから、両方を求めに応じて置いておく方がよかろうと考えて、こういうことにいたしました。
  24. 田中一

    田中一君 なるほどその半額は国庫の補助であって、半額は地方負担になっておりますから、一応地方の要請といいますか、希望をいれなければならぬということはわかりますけれども、そこで私は政府住宅政策という根本の問題が、明確に、何といいますか、指導精神というものが確立していないと思うのです。
  25. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 反発するわけではありませんが、昨年は木造が二万二千戸でありましたのが、今度は一万六千戸に考えております。また今お話耐火の方は昨年は、千九百戸でありましたものを七千七百戸にふやしておりまして、御指摘のように、家賃耐久年数からして木造の方が高くなるわけでありますが、地方実情を無視するわけにはいきませんが、政策としては耐火建築を数倍増加をいたしておるつもりであります。
  26. 田中一

    田中一君 これは今日ここでもらいませんけれども、二十九年度までのまあ主なる標準家賃を表にしてお出し願いたい。これは今日でなくてもけっこうですから……。
  27. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 今ここでわかっておりませんけれども、御入用でございますれば、資料で提出いたします。
  28. 田中一

    田中一君 この資料で、あなたの方の関係でないところの資料ですが、むろんこの国家公務員住宅所得限定はないと思いますが、まあ低給でも国家公務員ならいいと思いますけれども、大体高額所得者国家公務員住宅宅に入っているのが通例なんです。たとえば、その例を申し上げますと、ここで調査員、参議院で調査員ははいれません。しかしながら、専門員ははいれるというような形のものがあるわけなんですね。従って、国家機関で作るところの、自分で全額作る場合でも、何というか、国家公務員でありながら所得制限があるわけなんです。あるいは職階の制限といいますか。これはまあこういう形のものが現実に現われておるわけなんですね。  厚生年金住宅、これはもう対象がきまっておりまして、ただ厚生年金保険の被保険者というのではなくて、これはおおむね被保険者にじかに供給するのではなくて、これはそういうものを団体として扱っておるところの会社にやっておるものが多いのですね。地方起債でこれをまかなっておりますから、従ってこれを要求する、本年度三十億でしたが、これを要求する都道府県にこれをこれだけの大きさにして渡し、そうして八割五分の割合で経営者側にこれを貸してやるのです。実情はこういうことに間違いございませんか。
  29. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 摘要の欄に書いてあります通り、被保険者四百人以上を有する事業者住宅組合健康保険組合地方公共団体から転貸を受けまして、住宅を建て、そうして貸すことができるわけでございます。
  30. 田中一

    田中一君 この内容はわかりませんか。この内容というのは、どのくらいで貸したとかいう……。
  31. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 実は手元に詳しい資料を持っておりませんので、厚生省につきましてできるだけ詳しく調べまして、提出いたします。
  32. 田中一

    田中一君 それからこの政府機関現業関係職員住宅ですね。これも一つは、実際はただでき上ったものから実賃を算定するというのではなくて、実際の社会政策一つとして、賃貸住宅あるいは文化住宅家賃というものは幾らが妥当であるか、同時にまた、国民生活国民所得から幾らのものが妥当なる家賃であろうかというところを、研究なさらないことはいかぬと思うのです。私は研究したものと思えないのです。今言う通り政府機関住宅とか、あるいはこの今の国家公務員住宅とか、厚生年金住宅というものをずっと見た場合に、でき上った経費でもって、でき上ったものはペイするという形でもって家賃をきめるのではなくて、実際に国民生活に対して、今日の低額所得者に対して幾ら家賃ならばいわゆる維持し得る、生計費のうちの幾ら家賃が正しいかというような研究は、なさったことはございますか。
  33. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) もちろん、公営住宅家賃をきめますなり、公庫家賃、それから公団家賃、こういうものをきめるにつきましては、お話通り、これに入る者の生活という、払える限度というものがあるわけでございますし、といって、それだけを考えてこの家賃というものをきめるべきものでもないかと思いまして、それぞれの公営住宅公営住宅の目的に沿うような妥当の家賃考える。公庫住宅につきましてもやはりそういう考えをとり、その他今回新設の公団住宅につきましても、単に経営が成り立つというだけの一点張りでやっておるつもりはございませんので、そこにも書いております通り、まだ正確にはきめてはおりませんけれども、大体公庫一般融資が当初償還金の六倍以上の所得のあるもの、これだけは所得がなければ償還金の支払いにも困るだろう、これが一番下である。またそれから公営住宅一種につきましても、やはり家の六倍以上程度収入のある人に入ってもらうというふうに考えておるわけでありますが、大体公団住宅につきましてもそういう考えでおるわけであります。家賃を何%負担させるのが適正かという問題も、なかなかむずかしい問題でございまして、非常に議論の多いところとは思いますが、公営住宅について申しますと、大体家賃の五%ないし一七、八%というようなところで収入の方と比較しますれば押えられておる結果に相なっておるかと思うのであります。
  34. 田中一

    田中一君 この公営住宅では全然収入のない者は入れないと書いてあるのですね。収入というものを立証するにはどういう方法をとっているのですか。
  35. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お尋ねの点、まあ全国画一的な方法もとっておらぬわけでありますが、公営住宅を管理いたします地方公共団体におきまして、それぞれ具体的の事情をよく調査してやっておることと考えておりますが、必ずしも一律の方法にはよっていないと思います。
  36. 田中一

    田中一君 それでは、あなたの方で通牒で、政令もあるのですから、政令なり省令なりをもってこの基準によるのだということを出しておるはずです。官房長専門でないからおわかりにならないが、じゃ鎌田君に伺いますが、どういう形で、収入はあるということの立証をする、認定をする方法をとっていますか。
  37. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 公営住宅入居方法に当りまして、まず第一に、公募いたしますと、それに入居希望者申し込みをいたしますときにその様式がございます。これは今官房長からも申し上げましたように、各地方公共団体において一律ではございません。いろいろの形式がございますが、まあいろいろな形にはなっておりますけれども、大体、必ず書かなければいけないことは収入の欄でございまして、まず収入月収どのくらいあるかということを書き込むような欄ができております。それでまずこの入居希望者申し込みをいたしまして、それにつきまして地方公共団体、大体の地方公共団体はそうでありますが、非常に怪しげなものにつきましては、個々に調べておるような事情もございます。そういうことによって収入を査定しておるわけでございます。
  38. 田中一

    田中一君 何か、住宅金融公庫では納税証明ですか、そういうものをつけておるかと思いますけれども、公営住宅は、認定ということは、その理事者の、その地方の単なる認定でもって収入をきめておるということですが、立証するものは何もないのですか。
  39. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) これは地方公共団体が取り扱っておりますので、地方公共団体は、御承知のように、いろいろの地方税関係がございます。そういうような関係もありまして、その税務の方と関連をとりまして調べておる例もございます。
  40. 田中一

    田中一君 この二種住宅はどうです。
  41. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 二種住宅の方は、ここに書いてありますように、一万六千円以下となっておりまして、これはかりに所得がゼロでも、入れないというわけにはいかないようになっております。一万六千円以下ですと、この二種の方は特別でございまして、下の限界がございませんから、こういう例はあまりございませんけれども、ゼロの場合でも入れないという理由にはならないのであります。
  42. 田中一

    田中一君 公団住宅は大体四千二百円から四千五百円程度賃貸料で貸すのだというように、かって建設大臣が答弁しておりますのは、それで間違いございませんか。四千二百円から四千五百円程度、これで間違いございませんか。
  43. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 今資金関係でできるだけ低くするように努力をいたしておりますから、まだきちっと申し上げられませんが、四千円程度で十分行くつもりで考えております。
  44. 石井桂

    石井桂君 ちょっと……。前にさかのぼるのですが、公庫住宅ですね。公庫住宅家賃につきまして、今どういう標準収入を確かめておるかという田中委員の御質問がありました。それに関連して、私はこういう先例を聞いたのですが、ここに書いてありますように、償還金の六倍以上取っておることは確かだ。しかし税金証明書を持ってこいとこう言うものですから、場所によっては収入としては確かに六倍以上だ。しかし税金の方は六倍ではないのです。その中には一万円とか七千円とかが旅費という名目で支給される。どうしてもその証明はとれない。とれないが、実際は支給している所では六倍以上だということで証明書をつけてやるにもかかわらず、どうしても受け付けてもらえない。こういうのはあまりやかまし過ぎる。今の田中さんの御質問は、おそらく不確かなものがあるがという御質問のようでありますが、私のは、あまりやかまし過ぎてしまって、そうして社会政策のために建てている用をなしていないのじゃないかと。そういう実例は私は持っておるのでございますが、そういうことは御方針としてはどうなんでございましょう。公庫住宅です、つまり。
  45. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) よく事情を取り調べてから申し上げるのが当りまえでございますけれども、まあ私の方の考えといたしましては、単に必要な資料を取ってやれという程度でございまして、お話通り収入証明に単に納税関係の書類だけを取ってやることがいいかどうか、よほどこれはもう一ぺん考えてみなければいかぬかと思います。よく事情を調査いたしまして、なるべく御趣旨に合いますように善処いたしたいと思います。
  46. 田中一

    田中一君 これは今四千円程度公団住宅家賃だというお話でございますが、まあどういうものを作るかの問題についてはあとで伺いますが、少くとも社会的な使命を持つところの住宅建設ですね。そこで、ただ建設費によるところの計数だけでもってきめちゃならぬと思うのです。これは私の方から出しています法案にも、むろんこのコストの低減ということは十分に検討して、また無理なくらい押し込んで、これはりっぱな建築技術家政府機関にもおるのですから、やってくれということをお願いして、そうして低額所得者にも負担し得る、家賃というものは最低の線を押えて考えているわけなんです。そこで今伺ってみると、たとえば国鉄、電電、その他郵政省あるいは国家公務員住宅、数々の住宅政策というものがあるわけなんですね。あっていながら、これを十分にまだ御研究になっていないと、私はこう断定するわけなんです。家賃というものはどこまでも建設費に対する計数から割り出したところの家賃であると、こういう考え方を捨てないので、従って個々にみんな違うのです。たとえば、二十九年度の家賃はこれでございます、二十八年度はこれでございますと、同じものでありながら違ってきているのです。全部そこで、まあ大体経済事情というものも一応安定した線がある。同時にまた、もしこれが非常なる大きな変動があれば、変動があったときに考えればいいので、むろん終戦直後のああした七坪、六坪のバラックとは、これは比較になりません。少くとも公営住宅法がしかれて、それから今日まであるいは公団というものができて、公団がまた不燃建築重層アパートを作った段階にまで至って、住宅政策、いわゆる過去の自由党内閣時代のものも、それから新しく民主党内閣の大幅に政策として大きく打ち出しているところの観点からいっても、過去のものも今日のものも、あるいは三十一年度のものも、含んだやはり基準というものを作らなければならぬと思うのです。というのは、しいていえば、耐用年限、あるいは何といいますか、何年間で修繕にかかるというようないろんなものも考慮しながら、ばらばらでない家賃というものの算定を今すべきだと思うのです。  そこで建設大臣に伺いますが、非常にばらばらで、今伺っても、二十九年度よりも三十年度は安くなりますよ、こう言っておる。しかし二十八年度、二十七年度、二十六年度、こうしたものから見る場合は、よほど高低があると思う、家賃に。こういうものを是正するというような意図、こういうものはございませんか。
  47. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) あるいは御趣旨を取り違えておるかもしれませんが、私はやっていきますと、住宅政策は非常に幅の広いものでなければならぬと考えておりますから、これを一本に画一的に、一定基準一定家賃にするということは、非常にわかりやすくていいことなのですけれども、現実政策の面からいうならば、要するに家賃をいかに安くするかということが私は努力をすべき目標であると考えまして、昨年度に比べても、公営住宅等については、できるだけ家賃を引き下げていくということに努力をいたしております。公務員住宅あるいは政府関係機関等については、いろいろ御批判はありましょうが、われわれはもちろん研究対象としていろいろの角度から検討をいたしておりますが、これを一定の方式に統合をしたがいいかどうかということについては、決してわれわれも放置いたしておるつもりではありませんが、今の段階としては、それぞれの資金住宅に焦点を合わせてやっていく、しかもなるべく家賃は安くするという線で進めて参っておるつもりでありますから、ばらばらのようなお感じは、あるいはいろいろな種類について家賃がいろいろ違っているからばらばらだというふうにごらんになれば、これはいたし方ありませんが、この中を一貫するものは、政策としてはできるだけ低家賃に持っていく。しかしその資金の成果、政府財政投融資額等からおのずから段階がつくということは、これはやむを得ませんし、また一面からいえば、国民のそれぞれの層があるのでありますから、それぞれの層に応じた家賃考えていくということも、あながちこれはばらばらであると考えておらぬようなわけでありますので、しかしできるだけこれを整備していくということについての御意見については、われわれももちろん努力をいたさなければならぬと考えております。
  48. 田中一

    田中一君 こういうことがあるのですね、少くとも国がきめましたところの公営住宅建設には、二分の一の補助金では建たないというのです、どっちみち。従って、家賃ばらばらになることもあるのです。同じ九州地方なら九州地方であっても、福岡とあるいは鹿児島とが、立地条件が同じ条件であっても、他の条件でもって、国の二分の一の補助金だけで建たない。従って県費の方が、地方負担の方が余分にかかっているという例がたくさんあるのですよ。その場合に、やはり任意に、県の基準によってものをきめておるのですが、そこでそういうものも全部勘案しまして、過去のものと現在のものと、たとえば昨年のものと今年のものと家賃が違う。もしこれがいわゆる民間投資ならば、その償却ができたものはその分だけいわゆる、何といいますか、資金を回収すれば、さらにできるわけです。逆に公営住宅の場合に、古くなれば古くなるほど悪くなっていき、どうしても維持補修に金がかかる、従ってこれは安くできないというようなことになるわけですね。  これは鎌田君に伺いますが、実態というのはどういう方向に進んでおりますか。私は下手をしますと、木造の建物と簡易耐火のものと比べて見ますと、この場合には簡易耐火の方が安い、そうして木造の方は五年なり十年たつと、ますます地方公共団体維持管理の費用もかさんでくるのじゃないか。二十円なり十円なり家賃が違うけれども、こんなものでは及ばない。地方公共団体負担というものが木造を作る場合にどんどんふえる。従ってこれが全体の家賃というものの算定に、総額にプラスされていくというようなことがあるのじゃないかと思うのですが、これは実情はどうですか。
  49. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 一つは年度区分による建設費が違うために、前に作りました公営住宅と最近作ったものが、同じものでも家賃が違っていくじゃないかというようなお話であったと思います。確かに物価の変動に伴いまして、同じものを作りましても、値段が年度によって違うことは、今までもございます。そういう点につきまして確かに不合理を感じますので、私どもは、年度区分をある程度たちましたときにプール計算をするというようなことも、いろいろ研究をいたしております。が、しかし何いたしましても、住宅というものは、家賃がきまりまして入りましてから、つまり古いものは上げなくちゃプールにならないわけでありますが、古いものを上げるということはちょっとなかなか困難なことにぶつかると思うのであります。実情がいろいろ違いますけれども、総体的にいえば、一度きまりました家賃を上げることに非常に困難性を感じております。そういうような関係から、理論的には確かに安いときにできた家でも家がいいのだから上げて、最近できるものとプールしたいというのは、これは確かに理論上成り立つことなんでありますが、実際問題として非常にむずかしいことで、これにつきましてはいろいろ研究をいたしております。  それからもう一つの御質問の本造と簡易耐火構造関係でございますが、これは先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、木造よりも簡易耐火構造の方が、同じ十二坪作りますときには若干高くつきます。一戸当りどうしても高くつきます。ただ耐用年限関係上、ここに出ておりますように、ほぼ同じの家賃になっております。これは耐用年限だけではありませんで、今お話しの修繕費を加えまして、その結果が同じようになっておるのであります。簡易耐火構造につきましても、耐用年限の期間中ある一定率の修繕費を一律にずっと計算いたしましたものをここに加えてございます。そこで耐用年限が長いのでありますから、簡易耐火構造の方がやはり耐用年限期間をずっと考えますと、終局には修繕費の合計額は木造よりは若干総額が多くなります。でありますから、初めの十年間くらいはほとんど修繕費は要らない。しかし将来何年かたちましたとき、やはり大きな修繕が起ってくると思うのでありまして、そういうことからある率をきめまして、その修繕費を積み立てておるような形式になっております。木造の方は確かにいたみが早いので、何か早く修繕費が出てくるようなきらいがございます。五年くらいのところで一度ちょっとした修繕が出てくる。これは災害が起らない場合としまして、平年としてそういう現象がございます。そこで修繕費の関係考えてみますると、木造の方が早く出てくるようなきらいがございますので、そういう感じがいたしますが、合計といたしますと、長年の間にはどうしても修繕費は加算せざるを得ない、こういうふうに考えております。
  50. 田中一

    田中一君 いろいろこの資料について伺ってみますが、今建設大臣も、公団住宅賃貸の方は四千円程度ということであります、これは相当、後にまたお伺いしますけれども、私は四千円よりもっと安くなる方法があると思うのです。ただこれはあなたの方の建築研究所で、私は伺っていろいろ相談してみたのですが、安くいけるというのです。建設費が安くいくと同時に、今度は政治的に妥当なる家賃というものをそういうものから見て判断すれば、もっと安くいけるのじゃないかと、こう考えるのですが、これは一つ十分あらゆる機関を総動員して、現在のあり方だけで近視眼的な見方をしないで、やはり四十二万戸の大きな計画なんですから、十カ年計画なんですから、大局を見通しながら家賃の決定ということはしていただきたい、こういう工合に考えております。
  51. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 私は率直に申しますれば、三千円台にできるつもりでおります。そういう努力をいたしておるつもりでありますが、あとでまたうそを言ったじゃないかと言われても困るから、非常に安全率をもって申し上げましたが、お話のように、三千円台にする見込みで努力いたします。
  52. 石井桂

    石井桂君 関連して……。公団住宅なのですが、予算案が通りますとき、この運用部資金の方の、賃貸住宅に対して五%増してどこかを減らしたような操作をしたのではないですか。三〇%というところを三五%にするというようなことが、何かの新聞出ておりましたが。
  53. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 公団が借り入れます資金の総額についてはもちろん異動はありませんのですが、賃貸分譲の割合をどの程度の配分にした方が一番両方に有利かというようなことで、検討いたしております。お話の点は、賃貸住宅の民間資金分譲住宅の民間資金の割合の異動についてかと存じますが、お話通り、この差し上げました資料には、賃貸の方にも一割程度の民間資金を予定しておるように書いて差し上げておりますが、こういたしますと、これは御承知通り短期に相当高い、ほかのものに比べて高い利息のつく金でありますから、資金繰りの関係上、どうしても当初の五年間を四千円程度以下におさめるためには、資金繰りの関係でちょっとつらいというような関係上、これを五%程度に落しまして、分譲住宅の方と預金部資金関係で入れかえた方が適当じゃないかと考えておるのであります。
  54. 石井桂

    石井桂君 それによってどのくらい家賃が下りますか、大体でいいですが。初めに承ったときには、家賃は四千二百円と私は聞いたのですが、五%運用部資金を増すことによって幾らになりますか。
  55. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 賃貸住宅家賃は七十年間で償却するということにしておりまして、総体の点について申し上げますと非常にむずかしくなりますが、簡単に申し上げますと、当初の五年間この一〇%の民間資金を返すということと、五%しか返さぬでもいいということの違いは、月二百円ということです。
  56. 近藤信一

    ○近藤信一君 家賃の問題が盛んに論ぜられておりますので、私もちょっとお聞きしたいのですが、公団住宅についてですが、結局これは国民生活と相マッチした家賃というものが考えられなければならないと私は思うのです。そういう点からいくと、私はやはり幾ら低額者の人でも家がなければ困るのですから、低額者の人ほど私はよけい住宅に困るのではないかと思う。そこで私がちょうど昨年ルイスビルの市営住宅に行きましたときに、そこの住宅で、これは公営住宅なのですが、やはり家族数によって家賃が一応減額される。いわゆる家族の多い者ほど生活が苦しいのであるから、家族の多いほどだんだん、二人、三人、四人と多くなっていくほど家賃が安くなっていくと、こういうような家賃基準というものが置かれておる。実際に政府が、生活困窮者または住宅困窮者のために住宅を建てるということであれば、また勤労者のためにこういう方途をとられるということであれば、そういう点をお考えになるお考えはないかどうか。
  57. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ごもっともな御意見でありますが、まあ今まで考えましたところは、極力全体を引き下げるという努力をいたしておるわけで、これ以上そういう点でやるとすれば、いろいろな仕組みをまた別途に考えなければならぬかと思いますので、よく御趣旨の点は検討いたしてみたいと考えております。
  58. 田中一

    田中一君 この政府の四十二万戸住宅建設促進のスローガンから、民間でも相当大幅に住宅建設に対する意欲といいますか、事業会社が食指を動かしているのです。一番大きな問題としましては、第一相互が資金をまかない、それから東急が土地を提供する、そしてある一建築会社がその請負をするというような形の会社ができたことは、御承知通りです。そして政府にも相当それを遂行するためのいろいろな意味の陳情がきていると思うのですが、たとえば五万戸を自分の電鉄の沿線に建てるから、農地を地目変更して宅地に直してくれといったようなものがきておると思うのです。そういうことは建設大臣も聞いていますか。
  59. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) まだ直接伺っておらぬものもありますが、いろいろなそういう民間の、関東にも関西にも請負住宅建設に関する民間のいろいろな組織ができて努力をしておってくれることは、承知をいたしております。なお、農地の問題についてもお話を聞いておりますが、これは農地全体の問題として、いつか答弁申し上げましたように、私はできるだけ現実に即して、ほんとうに宅地のために必要な地域限定をするならば、これについてはできるだけ一つ農林省と法的な処置といういかめしい議論をしないで、話し合いで円滑に進めて参るという基本的な了解を得ておりますから、そういう線で協力はいたして参りたいというふうに考えております。
  60. 田中一

    田中一君 東急が先般政府に向って要請している一つの問題として、ことに建設省所管の問題としては、緑地地区の指定を解除してくれ、そうしてその緑地における建蔽率というものを緩和してくれ、こういうことを言ってきているのです。これは建設大臣、どうお考えになりますか。こうした要望にこたえて……。
  61. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは東急が申したからということでなしに、当初から検討をいたしておりまして、先般も申し上げましたように、約八百万坪に近い緑地を地域別に検討をいたしまして、すでにそれぞれの手続を了して開放をいたしておりますので、東急の具体的な問題をしいて取り上げなくても、われわれはわれわれの見地でさような処置をいたしておりますから、もう緑地の対策としては私はこの程度が一応の段階だと考えております。
  62. 田中一

    田中一君 いや、私が伺いたいのは、東急などが自分の沿線に五万戸の家を建てるからといって、東急の、一営利会社なんですね、こういう申請をしてきている。政府なり政府公団ができ上りまして、公団がやる場合のものは別でございます。伺いたいのは、そういう電鉄の沿線二千メーターまでは農地の開放をしてくれとか、あるいは緑地というものを解除して、結局自分の方に出してくれということなのでしょう。きっと。そういうことは望ましいかどうか、むろんそういうものを国がやるならこれは別の問題でございます。
  63. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 私の理解するところでは、農地についても先ほど申したようなことであって、向うで抽象的に、何か便宜な方法はないかということであり、緑地の問題についても特に東急のどの部分をやってくれというような注文は聞いておりません。そういうことであるべきではないと考えておりますから、今申し上げましたように、緑地の立場から必要最小限度のものを開放をいたしたということで、今個々のそういう要望に対してやるというふうに考えておりませんし、また東急もそういうふうに理解をしておると私は承知いたしております。
  64. 田中一

    田中一君 もう一ぺん念を押して伺いますが、むろん公団は本年度は二万戸でしょう。しかし、これが続く限り、相当大幅な、あらゆる財政投資もあるいは民間の資金も集めて、この事業を遂行していくつもりでおるでしょう。しかしながら、都市周辺のいわゆる平面的な宅地というものは限界があるのです。私はもう限界がきているんじゃないかと思うのです。で、そういう観点から見た場合に、民間会社は少くとも、政府公団ができ上って公団がやるものよりもおそらく高家賃になると思うのです。もしこれが公団がやるものよりも低家賃でいいものなら、これは公団なんかは要らぬと思うのです。私は少くとも公団の方がいいと思うのです。そこで公団がそういう場合に農地を使うならまだいいのですけれども、一営利会社がそういうものを使ってやることになりますと、これは問題が大きくなると思うのです。そこでそういう民間営利会社が住宅建設のために、自分の持っているものあるいは自分の資力によって買うならかまいませんけれども、政治的な運動をやって、縁地を開放したりあるいは農地の地目変更をしたりしてやるということに対しては、建設大臣としては歓迎しますかしませんか。またもし、そういう緑地のことは計画局長の方に言ってくると思うのですが、そういうものがきた場合には、それを承知するつもりですかつもりでないか、お伺いいたします。
  65. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 先ほど私申し上げましたように、緑地については個々の今いう具体的な注文を受けておりません。一般的にわれわれは自分らの立場で検討してすでに開放しておるのでありますから、この問題はそれで解決したといいますか、再びそういう注文をまた受けておりません、事実。それから農地の問題については、今私が申しましたように、一般的な問題として起ってきた事態に対処して、その地域が必要であれば、これは住宅のために双方納得のいくような方法をあっせんをするということは、これは政府がやるとまた会社がやるとにかかわらず、住宅政策全体の立場から申せば、できるだけ私はそういう宅地の供給ができることを、農家との間に円滑な話し合いがつくならばやることが、住宅建設推進のために二十三万戸の民間自力建設をわれわれは期待いたしておりますから、政府がやる以外のものはみんな押えてしまうということはいかがかと思いますが、ただ特定の者に特定のことをやってやる、といえば語弊がありますが、またそういう意味考えなければなるまいかと思っておりますが、いずれにいたしましても、首都建設の方で考えておりますように、一応八百万坪の緑地は開放いたしまして、もう少し将来の問題を考えまして、この首都建設の構想というものを具体化した上で、またいろいろな各方面の御意見に基いて地域別な土地利用の方法というものをもっと高度に一つきめていきたいということは、私も考えておりますから、これが永久不変の固定したものだとは申しませんけれども、当面今緑地の問題、農地の問題に対しては、さような考えで進んで参りたいと思います。
  66. 田中一

    田中一君 緑地に対する建蔽率の緩和などは考えておりますか、これは官房長に伺いたい。
  67. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 緑地地域として指定されたものにつきまして建蔽率の変更を考えておるかというお尋ねでございますが、先ほど大臣から申し上げましたように、東京都につきましては、終戦直後一定の緑地地域を指定して建蔽率をある程度で押えておるわけでございますけれども、その後の情勢の変化等によりまして、先般これを八百万坪程度解除いたしまして、その緑地地域としての建蔽率の制限を除外したわけであります。ただ、こうなりましても、やはり農地法の適用を受けるものは農地法の適用を受けることは、依然として受けるわけであります。
  68. 田中一

    田中一君 これは十分御理解があって官房長御答弁になっているかどうか知らぬですが、これは当面基準法の所管はだれですか。はっきり聞きたいのですが、来ておりますか。
  69. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 基準法の所管は住宅局でございまして、もちろん私が住宅局長の事務取扱いをいたしております。その点に触れませんでしたけれども、建築基準法によって、もちろん一定の建蔽率というものは制限があるわけであります。
  70. 田中一

    田中一君 緩和するというのですね。
  71. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 基準法の制限と緑地地域制限とは、目的も違いますし、従いまして、緑地地域の適用区域を除外したといたしましても、基準法は依然としてその所要の規制をいたしていくつもりであります。
  72. 石井桂

    石井桂君 この際四十二万戸計画に関連して、二十四万五千戸の民間住宅建設を期待されているのでありますが、貸家住宅が建たないと二十四万五千戸というのはなかなか消化しにくいだろうと思うのです。今政府で方策としては、租税対策と住宅融資保険法、この二つを考えられておるようでありますが、そのほかに何かお考えになっている対策はありませんでしょうか、貸家住宅を促進する……。
  73. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これはいろいろあろうかと思いまして、多方面に検討はいたしておりますが、当面いたしております問題は、地代家賃統制令の問題でありまして、これは住宅審議会等でもいろいろ御意見を伺っておるわけであります。この基本的な政策にマッチするように、どの程度の緩和をいたすことがよいのかということを今検討をいたしておりますので、これはあるいに御審議をいただくようになりますか、そこまで参らずにやりますか、まだ実は事務的な結論を得ておりませんが、手をつけなきゃならぬということはわれわれも十分承知をいたしております。その他の問題については、金融その他いろいろな問題があろうかと思います。なお、残された税法上の問題等もあろうかと思うわけであります。
  74. 石井桂

    石井桂君 実は最近に都内の様子を見ますと、少し敷地の用意がある人とか、あるいはこの際利回りのいい仕事をしたいという方が、アパートをときどき建てておるようであります。最近の住宅に対しては、地代家賃統制令の適用がない関係ですか、これはかなり高い住宅でも引き合うのですか、だいぶ建っているようです。そこで何か方策が立てられれば、住民の方にあまり困らないで、そうして政府の意図する政策に即応して建てていく気運がこれは盛り上るだろうと、こう思っております。われわれもずいぶんいろんな方面から考え研究しているのですが、なかなかうまい方法はない。そこで私ども、地代家賃統制令でありますとか、あるいは借地借家法の問題であるとか、いろいろ研究はしておりますが、なかなか借地借家法とか地代家賃統制令の問題を徹底的に変えるという案は浮かばないわけです。この点は一つ、なお一そう御研究を願って、具体的な成果を政策の上に盛り込んでいただきたいと希望をいたしておきます。
  75. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) まことにわれわれもその点が非常にむずかしい問題であるが、取っ組まなければならぬ。これは積極面と消極面とあると思うのでありまして、積極面については、今お話しのように、民間の住宅建設に対する意欲を高めそれを容易にするような政策考えなければならぬ。また一方においては、社会環境が変ってきて、アパート生活というものが日本の社会の中に新しい様相を示してきたのでありますが、それに対応するいろいろな法律その他の建前というものがそういうことになっていない。そのために、いろいろな公共施設との関係等において、不便といいますか、問題を起しがちでありますので、これらも住宅といいますか、新しい社会構造という意味において、何らかの、消極的な面ではあるけれども、一定基準というものを作ってゆくということを研究しなくちゃならぬじゃないかということを私も申して、今事務当局で研究をさしておりますが、なかなかこれも、さあ具体的に法律にするとかなんとかいうことになりますと、なかなか容易な問題ではありませんが、これはやはり時代の進歩に応ずる制度として、お示しのように考究をいたさなければならぬ。その他いろいろまた御注意をいただきまして、われわれとしても努力を進めて参りたいと思っております。
  76. 田中一

    田中一君 住宅債券を発行する意図はあるのですか。
  77. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは、御審議の法案の中に債券発行の規定を入れておりますことから見ましても、われわれは将来においてやりたいということは考えておりますが、今年度の予算の編成は、御承知のように、債券不発行という原則のもとに政府全体の構想が立てられたのでありますから、このことは将来の問題として、御審議の対象としていただいておるわけであります。
  78. 田中一

    田中一君 これは予算委員会でもあなたに伺ったのですが、ちょっとその数字の違いがあったので、もう一ぺん伺いますが、電電公社、国鉄は七分五厘の債券を発行しております。で、銀行、保険会社その他から九分以下の利子で借りるというふうに伺っておりますけれども、実際に生命保険会社にいたしましても、火災保険会社にいたしましても、現に電電公社の公債、それから国鉄も消化しておるのです。それはむろん、先般の参考人を呼んだときにも、実にこれはとんでもない迷惑な方策だとか金融界では言っておりましたけれども、しかしながら、何といっても、九分の利子のつく金を借りるよりも、七分五厘の公債の方が、国民負担が軽いことはこれは間違いございません。で、一方においては、この目的というものを勤労者のためにやるのだ、こういう規定をしておりながら、やはり高いものよりも安い金利の金を使った方がいいのじゃないかと思うのです。そこで本年度は政府の方針として公債を発行しないといいながら、あの自由党の要求によった二百十五億の組みかえ予算増額に対しましては、相当大幅にやはり市中銀行の金を集めているのですね。まあ公債形式を踏んでおらぬけれども、やはり今まで政府考えておりますところの金融政策といいますか、そういうものには破綻を来たしているといえるのです。そこで、なぜ民間資金を集めるために公債発行の方法に出なかったかということなんです。
  79. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは私は金融のことはしろうとでありますから、間違ったらお許しをいただきたいが、私のしろうとの理解といたしましては、お話しの国鉄及び電電公社においても、七分五厘の公債は消化をしないので、日銀に手持ちをしたり、大蔵省が持っておったりして、四苦八苦をしておる。あの膨大な国鉄をもってしても公債が消化をしないということは、これは事実であります。しかし大きな国鉄でありますから、事業の資金は公債によるという原則でいっておることは、これは一面当然だと思います。ところが、何しろ住宅公団というものができたてで、政府の金で家を建つというのでありますから、これが一般金融界から見てどれだけの信用と財産的な保証があるかといえば、これはもう一見しておわかりのことでありまして、そういう意味で、一応ただ法律で公債を出すんだといってみたって、これは生きた金融界においてそれが消化をしなければ何にもならぬ。また結局は政府手持ちになるわけでありまして、今の段階としては、いろいろ御議論はありましょうけれども、私はやはり民間資金をいかに好意的にこれに吸収してくるかということが現実の問題であろうと思います。  そういうわけで、今度はまず最も理解のある保険関係機関からこれだけの民間資金を入れ得たわけでありまして、これもお話のように、保険会社からすればもっと勝手なもうかる方へ回したいということは、これはもう当然なことでありますけれども、政府政策に協力を求めた結果、これだけまあ入ってきたということでありますから、九分五厘をできるだけ低くすることの努力はいたしますけれども、これは生きた金融というものを無視するわけにも参らぬと思いますから、こういうことでだんだんに民間資金を引き入れて、住宅政策政府のしっかりしたバック・ボーンがあるということを世間が認識をして参れば、そこに信用度も高まって参り、公債の消化もできるようになろうかと思うのでありますが、これを一番初めから、法律があるのだから、公債を出すんだといってみても、私はとうてい国鉄に準じて住宅公団が七分五厘の公債の消化などは思いも及ばない。そうなれば絵に描いたもちになりますから、そこでむしろ現実的にこの保険会社の資金を引き入れていくというこで出発をいたしたわけでありまして、これは決してこれで満足をいたしておるわけではありませんから、漸次この政策が安定拡大をいたすに従って、また社会の認識も変ってくるに従って、住宅へそういう資金がやすやす入ってくるということを努力をいたさなければならぬと同時に、これは私は全体の日本の経済の長期的な安定というものと関連がしてくると思うのでありまして、アメリカが保険会社等の資金で二十年、三十年という住宅の長期資金をゆうゆうと投資をいたしておるということは、やはり一般国民がそういう経済に対する長期の安定感というものを基礎にいたしておる。日本はとてもまだそこまで長期の安定感を民間資金が持ち得ないということは事実でありますから、そういう意味で、国全体の経済界の安定と並行して、やはり民間資金住宅へも流れ込んでくるように、制度や政策において強調していくことが政策のねらいではないかと、かように考えております。
  80. 田中一

    田中一君 今の段階では、この保険会社の金利は幾らになっておりますか。
  81. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 一応の約束は九分五厘ということで進んでおりますけれども、これは御承知のように、一般金融界の情勢もありますから、実際に臨む場合に、またその線に沿って話し合いをいたすことにいたしたいと思います。
  82. 田中一

    田中一君 地方の投資に対してはむろん起債をもって充てるというように御答弁があったようですが、これはむろん起債は六分五厘の金利はつくわけでしょう。
  83. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは一般起債と同様であります。
  84. 田中一

    田中一君 そうすると、今日地方財政再建促進法なども出ておりまして、何か別の方法をとれば、そしてまた赤字の上に赤字を作ることがないと思うのですが、この地方公共団体の出資に対する、六分五厘の起債というもの、これは何か六分五厘分の向うに、この前伺ったのだけれども、利益という言葉を使ったのです、利益か何かわからなかったが、何か受けるものがあるから六分五厘の金利を負担しても投資をしようという意欲がわくわけなんですよ。そこで、六分五厘の金利に対してはやはり地方負担でやっていくんだというお考えですか。
  85. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは保険会社が投資をするのと、地方公共団体の十六億の投資というものとは、非常に性質が違っておるわけでありまして、この公団は、住宅政策の基本をやはり政府が命令してやらない、公営住宅地方公共団体を主体にやらしているという従来の政策の基本線にマッチするようにあくまで地方公共団体政府と一体になってこれを進めていくということを、法律及びその裏づけとしての資金的組み立てにこれを表わしたわけでありまして、しかし現在の地方財政から申せば、公営住宅のような半分を持つことはやるべきでないということから、一割に、最低限度にとどめておるわけでありますから、地方公共団体がこの出資に財政的経済的な利益を期待するということは、初めから予期しないことであります。しかし、また別な見地から、地方財政を救済するということになれば、これはむしろ根本の公営住宅に対する半額地方負担という問題の方がまっ先に起ってくる大きな問題でありますが、現在の状態におきましては、地方財政再建ということもありますけれども、住宅政策の基本線はこれは社会保障政策の見地からいっても変えるべきでないということから、再建整備法の中においても、住宅資金的なものは別途にいわゆる整理をしない対象考えておるほど重要視をいたしておるわけでありますから、そういう公営住宅に対する地方負担と同じ立場における十六億の出資でありますから、これの金利が何ぼかかるかというようなことは、もちろん経済的な負担にはなりますけれども、私は当然持ってもらうべきものだという気持で考えておる次第であります。
  86. 田中一

    田中一君 私はこういうことを伺っておるのです。地方団体から投資がある所に優先して公団建設をするのかと伺っているのです、究極のところはです。だからこそ、六分五厘の借金に対する金利を負担するのだというような利益があるかどうかということです。これはかりに東京が応分の投資をする。東京では建たないということになれば、東京都は投資をしないと思うわけなんですが、従って、投資をする公共団体に優先的に公団建設が行われるのかどうかというのです。これが利益なんです。見返りの利益がなければ、六分五厘の利子を払って投資をするわけがないのです。それを利益というのです、私の方で……。
  87. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは私、質問の要点を取り違えて恐縮するのですが、そういう意味においては、もちろん出資は公団の活動とマッチすべきものでありますが、ただ機械的に一戸当り何ぼの出資をしなければ絶対に建たぬというような、あまり窮屈なことを考えるべきではないと思いますから、運営に当って地方実情に合うようになすべきだと思いますけれども、建前はどうだとおっしゃれば、お話通り、出資をした所へ持っていくというのが本来の建前だと思います。
  88. 田中一

    田中一君 そうしますと、大体国でもって、公団の方へあすこへ建てよ、ここへ建てよということを決して、そうしておまえの方へ建てるから出資をしろ、金はございません、それじゃ金を貸してやろう、こういう形でもって持っていくのですか。それとも、たとえばある一つの区域が自分の方から進んで投資をして、これだけの家を建てて下さいというような申し込みを受けるのか。どういう形で行くのです。
  89. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは、まあ実際の問題に応じての問題ですが、今の空気から申せば、建ててくれという希望の方が多過ぎて、それを実際に調整をするということの方になりそうであります。こっちから機械的に、頭からお前の方へこれだけ建つぞというようなことはいたすべきでもないし、しかしその間非常に計画的でなくなってもいけませんから、双方話し合いのところで適当なところになると予想をいたしております。
  90. 田中一

    田中一君 御承知のように、二百二十名の営繕局の首切りは、再三御説明を伺っております。そこで、これはまあ私が申し上げるまでもなく、親心として、大臣も二百二十名の諸君の行方については非常な強い関心を持っておると思うのです。そこで、いろんな民間資金の入れ方の工合、地方公共団体の投資の工合というものを見合わなければならぬと思いますけれども、一応六十億も政府出資というものがあるならば、これをかりにどういう形になりますか、たとえば市中銀行に預けておけば金利がつくのです。そんなものは金利は取らないのだと言われれば別ですけれども、どういう方法をとるか知りませんが、一応五、六百人程度のもの、あるいは七、八百人程度のものがまかなえるだけの、金をかけないでも、金利しておるだけでも人間が養えることになると私は見るのですが、これはむろん市中銀行には金を出さない、預けないぞと言われれば別なんです。そこで伺いたいのは、二百二十名の諸君をやはり一応安定した見通しをつけてやりたいのです。これは総裁がきまってからきめるというようなしゃくし定木なことはおっしゃらないで、大体あまり不幸な目にあわせないで、公団に相当数吸収させる見通しだというような点の御答弁が願えれば、非常に幸いだと思うのです。また、これが公団法の審議の進捗にはプラスになると思うのですから、一つ建設大臣から愛情ある御答弁を願いたいと思います。
  91. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 法律の御決定をいただく前に人の割り振りをいたすということを申し上げることは、国会を軽視することで、いかがかと思います。(「了承いたします」「御遠慮なく」と呼ぶ者あり、笑声)そういう御返事を申し上げるわけにはいかないと思いますが、できました暁におきましては、毎度申し上げておりますように、われわれは十分重要な経験者を活用するという面において考えておりますし、同時に、金利の点まで御心配いただきましたが、私の方から言えば、そういうことよりも、とにかく限られた日数にこの二万戸の建設をいたさなければならぬのでありますから、まあ希望を申せば、一日も早く法案と予算の御決定をいただければ、即日からでも全面的な機構の整備をいたして活動に入らなければ、これこそまたしりを叩かれるわけでありますから、さような点においては万遺憾なきを期したいと考えておる次第であります。
  92. 田中一

    田中一君 まあそういうしゃくし定木なことを言わないで、大体この程度は吸収されるであろうということくらいはおっしゃっていただきますと、あなたが懸念されるように、公団法の審議が非常に進みまして、一日も早く事業に着手することができると思うのです。予算もほぼ一両日中に通るでしょうし、並行してこれが通れば、その日から出発することになりますから、そういうしゃくし定木を言わないで、もう一ぺん親切な御答弁を願いたいと思います。
  93. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 別にしゃくし定本に申しているつもりもありませんが、これは官房長から先般もいわゆる営繕職員の整理計画を申し上げておりますように、三段階に区切って無理のないようにいたそうということをいたし、また特別退職と同様の予算的処置も講じ、それから恩給関係もこの法案の中にごらんのように盛り込んでありますから、一ぺんに急にガンとやりますと、双方の事務的な陣営も混乱をいたしますから、その点は十分事態に即応してやって参ることになろうかと思いますけれども、全体の人員につきましては、今のところ御心配をかけないで済むと確信をいたしております。
  94. 湯山勇

    ○湯山勇君 関連。この公団の運営に当っては、簡易保険でございますか、そういう方面との関連も非常に深いと思いますが、そういう郵政関係事業、郵政関係の仕事をやっておった人の公団への受け入れというのは、大臣からはおっしゃれないと思いますけれども、そういう関係の職員も必要だと大臣はお考えになっておられるでしょうか。
  95. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) いや、まあいろいろ方々から金を借りますから、金を貸す方はいろいろ強みもありましょうけれども、金の種類に応じてみんな職員を引き取らなきゃならぬというところまでは、正直に考えておりませんので、(笑声)こっちは家を建てることが商売でありますから、まあやっぱりそれを主体に行くべきものと考えておりますが、必要な連絡はとらなきゃならぬと思っております。
  96. 石井桂

    石井桂君 関連。公団へ吸収する職員のことでございますが、実は前からも心配しておりまして、建設省の本省の中でも、技術屋から言わせると、技術屋は事務屋より待遇が非常に悪いという声があるのです。これは非常に古い時代からはずっとよくなっておると思いますが、そういう声が一方にある。この際主として大ぜい行くのは技術屋でしょうから、その際にやっぱりそういうそしりのないように、事務と技術を同じように、車の両輪のごとく一つ起用していただきたいと思うのですが、それに対しての御方針があれば承わりたいと思います。
  97. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 何にしろこれは非常に短期間に思い切った仕事をしてもらわなきゃならぬのでありますから、何と申しても、腕でやってもらわなきゃならぬ。理屈言っておる間はないのでありますから、私は事務と技術関係が真の一本になった活動をいたさなけりゃ役所のような頭でやっておったんじゃできやしないという気持でおりますし、また今役所の中もそういう気合いで用意をいたしておりますから、御心配の点は十分心得て一ついたしたいと思いますが、どうぞまた気づかぬところはいろいろ御注意をいただきたいと思います。
  98. 湯山勇

    ○湯山勇君 もう一つ。それから公団の役職員に対する給与、退職手当の支給基準については、これは建設大臣が最後的な承認を与えるということになっておりまして、まず大臣がその責任者であると存じます。そこで公団職員の給与に対する基本的な考えでございますね、それは公務員と同じ程度にしようというように考えておられるか、あるいはもっと別な構想をお持ちになっていらっしゃるか。またこまいことはお伺いできないと思いますけれども、大体の基本的な考えだけでも一つお示しいただけたらと思います。
  99. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 実はその条文の入りました因縁をざっくばらんに申し上げますと、そんなにまで私は認可する必要を感じたのじゃなくて、金を出す方の大蔵省が、野放図にやられたんじゃたまらない、どこかで締めてくれと、こう言う。締めてくれといって、大蔵省に締められちゃったんじゃこれがまた仕事が動きませんから、そこで建設大臣というところで調和をとったようなわけでありまして、そういう成り立ちから押して、この意味はばかに窮屈なことを考えておるのじゃありませんで、一応そこへ締りがあるということを考えておる。同時に、今お話しのどのくらいにするかということも、実は何もきめておりません。きめておりませんが、これは世間の常識から見て、恩給を一部の者には継続をするとはいえ、大部分ほとんど恩給の職員じゃないのでありますから、そういう意味で世間並み公務員よりは割をよくして、短期間に思い切って働いてもらうという趣旨に合うようにいたすべきだと思いますが、これも今言うように、大蔵省が野放図にやられてもかなぬということも、これも無理からぬことでありますから、その辺の線で落ちつくものと考えております。
  100. 田中一

    田中一君 大体住宅金融公庫並みには行くんでしょうね。
  101. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) まあそこまで問いつめられると、どうもよくわかりませんけれども、これはまあそれよりは悪くするといったんじゃ、行き手もありますまいし、非常によくするといったんじゃ、また公庫の職員もおさまりますまいし、その辺は仕事の性質に応じて考えたいと思います。
  102. 石井桂

    石井桂君 関連。今の問題ですね、金融公庫の方は幾らか普通の地方公務員よりいいようですね。しかしこれは恩給はつながるのです金融公庫の方は。しかし公団の方は切れるのですから、公庫よりは幾分よくなければ人事の交流ができないと思う。従って、地方から優秀な技術屋が集まらなければ、公団は私は技術陣が貧弱になると思うのです。私は少くとも公団は金融公庫よりはいいベースでなければならぬと思うのです。その私の意見に対する一つお答えを……。
  103. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 十分その御注意はよくわかりますから、考慮をいたしたいと思っております。
  104. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記をやめて。   〔速記中止〕
  105. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記を始めて。
  106. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 少し違うかしれませんが、私どもが東京都の方々の町を歩きましても、せっかくペーブメントであった所を掘り返してしまって、また電話を敷設する、今度は水道の管を埋るとか、そういう所がたくさん見受けられます。それと同じような関係で、この住宅ができるのは非常にけっこうと思いますが、東京都は東京都全体に対しどういうふうに緑地帯を置くとか、あるいは今度建てる家はどういう地区に建てるとか、はっきりしていない。将来種々の関連においてまたやり変えるのは、これは全く愚の骨頂です。あの道路の問題にしても、そういうふうな構想も一応みんなお立てになってしかるべきじゃないか。  それからもう一つの問題は、私は衛星都市からいっても、ほかの戦災各都市にしても、相当住宅ができると思う。そういう構想は、どういうふうの財政、どういうふうの条例でできるか、もしおわかりになれば承わりたい。おわかりにならなければそれでいいですが、それを伺います。
  107. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 第一点は、まことにごもっともなことでありまして、事態は早く建てなければならぬということはありますが、お話のように、間違いのないようにいたしたいと思いまして、東京都については、首都建設委員会と歩調を合せまして、ある程度のところは今日までもいろいろ先輩の御努力できまっておりますけれども、これを将来に伺って一つすみやかに再検討をして、その線に誤まりのないようにいたしたいという努力を一方に続けておるようなわけでありまするので、緑地の問題や、あるいは衛星都市の問題や、道路交通の問題や、これは困難ではありますけれども、やはり真剣に取っ組んで、具体的にどこまでも解決をはかるための努力はいたしたいと考えております。  それから第二の、外国の諸条例につきましては、私はいい加減なことを申し上げますよりも、よく手元にあります資料及び調査をいたします問題等をそろえまして、後刻申し上げる方が適当かと思います。
  108. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 それでけっこうです。
  109. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 先ほど公団側の恩給の問題はずいぶんきつくなるというお話がありましたが、公団には十分にいい人が行ってもらわなければならない。それから公団から建設省へまた戻れば、恩給はつく。しかし公団に行ってそれっきりになる人も、これはないとも限らぬ。そういう場合に、いい人をやれば、今度やめる場合に、一日でもたとえば建設省に戻って、恩給をつけさせるとかなんとかいう、そういう措置も私は考えてもらわなければいかぬと思う。これは公団の方の、今後の公団にいい人を吸収する意味におきましては、大事だと思うのですが、そういう点について大臣はどういう考えを持っていられるか、ちょっと御説明願いたいと思います。
  110. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ごもっともな点でありまして、私は率直な感じを申すと、今までのやり方等についても反省をいたさなければならぬという意味は、やはりこういう現業的な政策は、中央のプラン・メーカーも必要でありますけれども、同時に、やはり実際現業に携わってみて、その体験をもとにして新しい政策を立てていくということが、建設行政などにおいては一番大事なことのように考えますから、また私は単なる恩給の処理は、公団から帰って恩給をつなげて、あとの最後を飾ってやるのだというような消極的な考えでなしに、中堅の諸君もみずから進んで公団に入るが、またそこで一つ苦労してきた者が役所に帰ってきて、将来のまた政策立案に当るというふうに、今度の恩給の問題は考えて、単なる恩給の最後を始末するといったような消極的なことにならぬようにいたしたいと考えております。
  111. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 それは大臣の今の消極的でないようにする、積極的に向うに行った人をまた戻してやる、それは私は非常にけっこうだと思います。しかしそういう人ばかりでもない人のために、ある程度の親心というものを出していただきたいということは、私は必要ではないか。そのことをまあ重ねて建設大臣にお願いしたいし、御答弁を期得しているわけです。
  112. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ただいまの御意見、私にも承知できますし、さように考えておりますから、御期待に沿うように努力いたします。
  113. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記をやめて。   〔速記中止〕
  114. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記を始めて。  それでは、この程度で休憩いたしまして、午後一時半から開会いたします。    午後零時二十八分休憩    ————・————    午後二時一分開会
  115. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ただいまから委員会を再開いたします。  まず、お諮りいたしたいと存じますが、東北地方水害調査のため議員派遣を行いたいと存じますが、御異議がありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 御異存がないようでありましたから、さよういたしたいと思いますが、つきましては、本院規則によりまして議員派遣承認要求書を議長に提出しなければならぬことになっておりますので、その内容及び手続等につきましては、これを委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが……。
  117. 赤木正雄

    ○赤木正雄君 内容といっても、人数なんかどうするんです。何人派遣するか、それをみんな万事委員長に一任するのか。
  118. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  119. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記を始めて。  では、さように決定いたして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 石川榮一

    委員長石川榮一君) では、さように決定いたします。   —————————————
  121. 石川榮一

    委員長石川榮一君) では、午前に引き続きまして、日本住宅公団法案住宅融資保険法案、及び「公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を求めるの件」につきまして、総括質疑を続行いたしたいと存じます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。  まず、日本住宅公団法案についてお願いいたします。
  122. 石井桂

    石井桂君 一般的な質問なんですが、従来は公営住宅補助金を国庫で二分の一、そのほかに今社会党から案が出ておりますが、家賃の方を収入の五%にしたいというような案が出ているようですが、そういうふうに国庫補助建設費の方にも補助を出し、同時に家賃補助をもするような例が、世界でどういう国にありますか、お調べがあったら一つ
  123. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 世界中全部調べたわけではございませんが、大体ヨーロッパ、アメリカその他の国々の住宅政策を調べてみますと、建設費補助をやっておる所はあまりないようでございます。日本の場合には、地方公共団体が財政的にそう諸外国の地方公共団体ほどしっかりしていないというようなことから、日本の場合は建設費補助をしまして建設資金をそこで解決すると同時に、また家賃問題にまでこれを及ぼしておる、家賃補助のごとくまた取り扱う、こういう二つの、一石二鳥の方法をとっておりますのは、日本だけのようでございます。この方法につきましては、実はイギリスあたりでも日本はどういう方法をとっておるかというようなことを聞かれまして、日本の場合はこういう事情からこういう方法をとっておるということを話しましたところ、まあ非常にうまい方法だといって、実はイギリスのある、やはり住宅研究者でありますが、そういう方も日本の方法をなかなかうまい方法だと、こういうふうにほめてくれたこともございます。  イギリスは、御承知のように、ほとんど公営住宅によってやっておりますが、イギリスの場合には建設費補助はございませんで、地方公共団体が自分の資金をもって建設をいたしまして、それが足りない場合には国から非常に低利の資金を借り入れるようになっておるのでございます。低利の資金、大体三分くらいの利回りの、借り入れの期間は六十年、そういう非常に長期の低利の金を借り入れまして建設をいたします。それでなおかつ、その地方一般家賃水準といいますか、そういうものと、今度今、六十年償還の三分の利回りというようなことで合わない部分、そういうものから出しました家賃が合わない部分につきまして、国が家賃補助という形をとっております。大体におきまして一戸当り——地方公共団体建設をいたしまして、その建設計画が国から許可されますと、一戸当り二十二ポンド毎年補助を受けるような規定になっております。もっとも特別な住宅につきまして、たとえば地方開発的なものとか、あるいは特別な場合、農業開発その他もありますが、そういうような特別な目的のためのものには、三十六ポンドまで補助をするようになっております。大体そんなようなのがイギリスの公営住宅のやり方でございます。  それからフランスにおきましては、全額国庫補助住宅をやっております。これは一部でございます。この第二次世界大戦によって滅失しました住宅を、この損傷を国が補てんをしてやるというような立場から、これは今まで私の住宅でありましたものが戦争によって破壊を受けたという場合、これはもとと同じ原形に復帰するだけの費用を国が個人補助をいたしております。これはいわゆる国設住宅みたいなものでございますけれども、そういう特別な例はございますが、フランスにおきましても、大体市町村に補助というような関係は、やはり家賃補助とかそういうことはありますが、建設資金補助はございません。ただ低利の資金地方公共団体に貸し付けるようなことはやっております。  それからドイツでございますが、ドイツはこれは地方公共団体といわず、また特殊な協会といわず、あるいは民間でできました政府が認可いたしました住宅会社、そういうものを一律に考えまして、ドイツの第一住宅建設法に基きまして低利の資金を貸し付けるようになっております。で、その貸付金によりまして住宅建設経営を行なっておりまして、で、坪当り幾らという家賃制限をいたしております。最近になって多少そのやり方は変ったかもしれませんが、大体そういう第一住宅建設法という法律、これは一九五〇年でございましたか、出しましたのがそういうことになっております。  それからイタリアでございますが、イタリアは御承知のファンファーニ法によりまして、政府が出します分、それから勤労者の雇用主が積み立てます分、それから勤労者自身がこれは住宅の要る人と要らない人とを問わず義務貯金で貯蓄いたします分、この三つの資金をもって住宅建設を促進しております。  なお特殊な例としまして、ドイツとイタリアには、例のマーシャル・プランその他によりましてアメリカの援助資金がございますが、そういうものが政府資金として住宅建設に回っております。  いろいろ申し上げましたが、これを総括いたしまして、国が建設費を直接補助をしているという例はあまりございません。ただ非常に低利の長期の資金を国が提供しているというのが大部分でございます。それで合わない場合には、家賃補助をやる。こういうやり方が多いようでございます。
  124. 石井桂

    石井桂君 各国の住宅建設の例をあげて懇切に御答弁いただきましたことは大いに満足でありますが、結局そうすると、今日本住宅公団法と同時に出ております国設住宅法ですか、あの案のように、一国の国費を使う補助金を出して、あれは全部ですけれども、そういうことと同時に家賃補助をするというような例は、ほとんどないということですか。
  125. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 一つの家につきまして建設費補助家賃補助するという、二つのことを同時に行なっている例は、私まだ聞いておりません。
  126. 石井桂

    石井桂君 それではその問題はそれくらいにしまして、午前中に触れられた問題ですが、やはり国設住宅法には国で住宅を建てた場合に収入の五%で家賃を徴収する、そういう案のようですが、今度は翻って、今までやられた公営住宅法による公営住宅家賃を見ますと、そうすると、あれは家賃の六倍以上の収入ですか、ああいう標準がありますから、これを逆算しますと、一六%くらい、つまり収入の一六%くらいを限度として見ているわけです。そうすると開きが、社会党の案によると五%、現在の公営住宅法によると一六%ぐらいになっているわけです。従って、どのくらいな収入にどのくらいのパーセンテージの家賃をとったらいいかということは、午前中に触れられたのですが、あまりはっきりわれわれはきちんとした御回答に接しなかったように思うのです。そこでやはり住宅政策を作られる場合には、非常にむずかしい問題ではあるが、何パーセントくらいをねらいとしておるかということは、やはり大体の見当をつけなければならぬ、こう思います。戦前はたしか二割ぐらいまでは考えられておったように思うのですが、今全体の収入が非常に少くなってきておりますから、その例はとられないと思います。従って、午前中に触れられた問題ではありますが、一つ考えがあるならば、何パーセートぐらいをねらいとして住宅政策を立てておられるかということをお答え願れば、大へんけっこうだと思います。
  127. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 低家賃住宅を供給するということで全体を貫いておるつもりでありますが、特に公営住宅にその焦点を合せておりますが、これは法律に基いて今実行をしております現状と両方から、五%から一五、六%までを考えておるわけであります。
  128. 石井桂

    石井桂君 その問題はそれでは了承いたしましたが、ちょうど大臣もおいでになります機会をとらえまして、もう一点、何度も出た問題ですが、おさらいをして締めくくりをしたいと思います。今度の四十二万戸の住宅計画に、公営住宅の方においては特に地方公共団体負担考え、あるいは低家賃考えられて、非常に小さな住宅をどっさり作られるような計画であります。と同時に、公営住宅の方の、一番国民が要望した十二坪の耐火アパートを大へんどっさり減らしておられるような計画であります。これらは私どもどういうふうな御説明がありましても、どうもやっぱりなかなかそうですかというふうにぴんと来ないわけなんです。この問題についてできるだけ、今の予算で操作できれば、六坪の住宅はやめてそうして十二坪の耐火の方に改善してゆく御意思がありますかどうですか。今年はだめならだめでもいいのです。具体的に一つ、締めくくりとして、一応お聞きしたいと思います。
  129. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ただいま御指摘の、主として公営住宅について非常に小さい計画をいたしました点の御指摘は、われわれもこれが非常に満足なよりいいものだと考えたわけではありませんので、本造の八坪の家と簡易アパート耐火の六坪とは、大体その所要資金はほとんど同額のものでありまして、従って、今回の計画は、予算としての計画は一応われわれの考えでは立てましたが、この実行に当りまして、それぞれ地方の要望に沿うべきものでありますから、木造の方を希望する向きにはその方をふやすことには、何ら計画上から申しましても支障を来たすものではないと考えますので、これ全体につきましてもこれは一応の予算上のめどでありまして、それぞれ情勢は常に変化をし進歩をするものと考えますから、いろいろ御意見の点も十分尊重をいたしまして、実情に合うように予算の運用については考えて参りたいと思っております。  なお、中層耐火アパートを急激に減少をせしめたということについては、われわれも不本意であると申しますか、決してこれで満足をするというわけではありませんけれども、毎度申しますように、地方負担をあまり急激に増加しない範囲において公営住宅政策を実行し、同時に、一番希望の多い中層耐火アパートというものをこの際拡大してゆこうとしますならば、この公営住宅のシステムではどうしても大きな拡大ができません。そこでこれは実際に必要な最小限度にとどめまして、他の低家賃の家に重点を移します半面、中層耐火アパート公団のシステムで思い切ってふやしまして、両方から今までの国民の要請にこたえて参りたいという考えでありますので、若干公営公団とは実施の段階におきまして性格上多少の違いはありますけれども、実行の面からいいまして、従来の線を堅持いたすように努力をいたしまして、ただいまの御要求にこたえて参りたいと考えております。
  130. 石井桂

    石井桂君 ただいまの御答弁で了承いたしましたが、私は実は六坪の簡易耐火をやめて、そのまま八坪の木造をという、木造化を希望しておるものでは実はないんです。私といたしましては、日進月歩の今日でありますから、建設省の優秀な技術員を動員されまして、そして高層住宅一つ研究していただいて、これも研究の仕方によっては至急単価を下げることもできるだろうと思うのです。そういう方面から、一つ不燃化であり、安いものを、そして小さくないものをぜひお建て願いたい、こういう意味質問しておるんでありまして、直ちに私は木造簡易耐火は非常に賛成できないんですけれども、その他についてはすぐ木造へ移行して下さいということを要望しておるものではございませんから、つけ加えておきます。
  131. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) その点はよく了承いたしましたので、今後十分御趣旨に沿うように検討をいたしたいと思います。
  132. 田中一

    田中一君 まず第一に伺いたいのは、どんなものを作るかということなんです。むろんこれは、条件としては鉄筋コンクリートだろうと思うのです。それも中層といいますか、現在あるような中層の公営住宅と同じものだと思うんです。で、どういう程度のものを作るかということについて、まず最初に規模ですね、御説明願いたいと思います。
  133. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 具体的の問題は、政府委員から説明いたさせます。
  134. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 公団で建てることを予想されます住宅の形式は、大体まあアパートになろうかと存じます。しかもそれは平家のアパートではなく、土地問題その他から、なるべく高くいたしたい。ただ高さの限度がありますのは、御承知のように、非常に高くなりますと、またエレベーターとかその他の避難施設、その他にかなり金がかかりますので、やはり一番経済的な点はどの辺かというようなことから考えまして、四階ないし都心部あたりは五階、そのエレベーターなしというような、まあ中層アパート建設すべきであろうと存じます。  この中層アパートと高層アパートの問題につきましては、両方一長一短ありまして、欧米各国におきまして非常に論争の的になっております。また土地問題その他都市の構成からいたしましても、どうしても高層にすべきであるという議論もありますし、また育児あるいは生活その他から考えて、四階、五階ぐらいが適当であろうという論をなす人もございます。これは日本だけじゃございませんで、欧米各国におきましても、その中層と高層論は今日も火花を散らしておるような現状であります。
  135. 田中一

    田中一君 時間がありませんから、御意見でなく、どういうものを作るかという、作るものだけを御説明願いたいのです。
  136. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) そういうことから、四階建の中層アパートをこの際主体にいたして考えております。その大きさは大体十二、三坪のところを標準にいたしております。
  137. 田中一

    田中一君 一棟何戸ですか。
  138. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 地形によりましていろいろになると思いますが、大体におきまして一棟は二十四戸、あるいは場所によりまして三十六戸ぐらいと存じます。
  139. 田中一

    田中一君 そうすると、大体一番小さくて二十四戸、大きいので三十六戸ということですか。あるいは二十四戸以下に小さいものもあるのですか。
  140. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) 場所によりまして、あるいは三階建というようなことも起って参りますし、また敷地によりまして非常に幅のない所なんかが生じて参りますので、そういう場合には十八戸ぐらいのもできるかと存じます。
  141. 田中一

    田中一君 それから方式としては、大体集団化を考えておられるか、分散化を考えておられるか。
  142. 鎌田隆男

    説明員鎌田隆男君) できるだけ団地建設的に考えております。
  143. 田中一

    田中一君 この計画が、団地計画が、土地を求めてから考えられる団地計画か。一応、たとえば東京のような所ですと、絶対数が足りないから、土地によってきめてもかまわぬと思うんです。しかしながら、先般大臣が言うように、この法案に盛られるところの大都市中心主義というものをやめて、衆議院の方にもいろいろ要望があるから、地方にも分散しようというような御説明があったように伺っているんです。従って、土地を求めてその計画を立てるのか、一応の計画を立ててそれから土地を求めるという順序になるのか、どういう考え方を持っておりますか。
  144. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これはことしだけの計画でありませんから、来年度も引き続いて立てていくことでありますから、そういうことも考慮いたしますと、できるだけ計画を立ててそれに合うようなものをやっていくということが本体であろうと思いますけれども、まずことしは、何といっても数は多いようで少いわけでございますから、土地に現実に即したやり方をやっていくことになろうかと考えております。
  145. 田中一

    田中一君 団地計画を持つにしては、私はちょっと気がつかなかったのかもしれないのですが、これに付帯する施設ですね、たとえば三十六戸を十棟にすると三百六十戸になる。三百六十戸に対するほかの共同施設というものは考えられておらないように思うのですが、どこかにありましたかなあ。どうもこれにはないように思いますがね、ありましたかね。
  146. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) あまりぜいたくな共同施設のようなものはもちろんやるべきではないと思いますが、必要最小限度の住宅に付帯します所要の施設は、もちろん公団でやっていくつもりであります。
  147. 田中一

    田中一君 この法案のどこですか。
  148. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 十五ページの第三十一条の第三号の「公団賃貸し、又は譲渡する住宅及び公団賃貸し、又は譲渡する宅地に建設される住宅の居住者の利便に供する施設の建設賃貸その他の管理及び譲渡を行うこと。」というのが、業務の範囲として規定しております。
  149. 田中一

    田中一君 これはどの程度のものを考えておりますか。私の言っているのは「居住者の利便」ということを書いているが、「居住者の利便」ということはどの程度のことを考えておられるのですか。
  150. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 集団の程度にももちろんよりますけれども、共同の浴場が必要なような場合には、共同の浴場の施設を作りますとか、あるいは子供の遊園地のようなものを作りますとか、まあ大体それに類するような施設を考えております。
  151. 田中一

    田中一君 これは私の方で出しております法案には、はっきりそれは明示してあるんです。条件にしてあるのです。それで少くとも「居住者の利便」ということは書いてありますがね、これは必須条件じゃないわけですね。建てないでもいいのですね。これは行う業務を言っているわけでしょう。業務ですね。従って、することができるというのは、しないでもいいわけですね。従って、そういう、私の方で出しております法案をごらん願うとわかりますが、私の方でははっきりとこういうもの、こういうものはしなければならないと規定しております。そういう点が条件としてではなくて、仕事をする範囲をいっておるのであって、こういう点はどうなんです。実際において、たとえば何戸以上の場合にはこの程度の共同施設をするとかいうようなことの構想は、どうお考えになりますか。
  152. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お話しの通り、そういう点まで法律にきっちりきめておくというのも一つのやり方でありまして、もちろんそういう方法もあるとは存じておりますけれども、先ほどの御説明申し上げました通り住宅を集団的に作ることはもちろんでございますけれども、場合によりますと、集団性は失いませんけれども、少い場合もありましょうし、また極端なことを申し上げますれば、隣に適当な公園もあるというような場合もありましょう。浴場が隣にちょうどあるというようなこともあるかと思いますので、私どもといたしましては、そこまできちんとここできめておかなくても、いやしくも公団が二万戸の住宅を供給するという場合に、必要な浴場も近所にないとか、子供を遊ばせる所もないというようなことで、万一にも放置しておくようなことがありますれば、これは世間が許さないと思います。従いまして、私どもは必要最小限度のものはどうしても公団の仕事としてやっていき、公団としましても、そうして評判をよくしなければ世間の支持も得られぬわけでありますから、御承知通り、特にこの公団個々の内都の予算の執行と申しますか、これらにつきましては、公営住宅あるいは役所仕事とは異なり、若干のゆとりも持ち得る建前になっております関係等もありますから、実情に合せまして必要な施設を作っていく、こういうふうに考えております。
  153. 田中一

    田中一君 大体団地計画を主とするということはわかりますが、一応団地計画であるならば、付帯施設、共同施設というものはなくちゃならぬものです。分譲されたものに対しては、自分のものですから、自分がそこでどこにどうしようと、自分のものですからかまいません。分譲の場合はまた別に質問しますけれども、賃貸の場合には、浴室というものはつけないという前提ですね。
  154. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) もちろん、実際に合うようにつけるものもできてこようと思いますし、共同施設につきましてはできるだけのことをいたすつもりであります。これは今具体的にある地域のプランということになれば、御指摘の問題も申し上げられると思いますけれども、いろいろな構想は持っておりますけれども、全体的に今そういうものをきちっと組み合したものとして申し上げるだけの状況でないといいますか、実際に合うことを考えますものですから、事務当局としては何と何とつけるということを明確に申し上げられないだけで、これはせいぜい共同施設には努力をいたしたいと考えます。
  155. 田中一

    田中一君 私がこういうことをしつっこく伺うのは、この法律はどこまでもわれわれが考えておるようなものじゃなくて、ここに健全な新市街地を造成するための土地区画整理事業を並行して行い得ることになっておるのであります。ただ家を作るのじゃなくして、ここに大きな公団としての眼目がある。これはわれわれ反対ですけれども、少くとも一つ考え方として了承するわけなんですけれども、耐火性能を有する構造の集団住宅及び宅地の大規模な供給を行うとともに、健全な新市街を建設する。従って、これは必須条件なんですよ。これをうっちゃっておきますと、国がやる場合にはまだいいのですが、先ほど言ったように、営利会社がどんどんやる場合も考えなければならない。従って、そういう共同施設というものは、三百戸か四百戸というものがあれば、なきゃならないものだと思う。こういう意味から、そういうものを含んで新市街を作るのだという思想からいえば、そういうものも公団が親切にやるべきが正しいのじゃないかと思う。従って、法律に明記しても何ら支障があるものでないと私は考えておる。それで、それがないものだから、伺っておるのです。
  156. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) それは、法律に書いてありますのはそういう趣旨をうたっておるので、一々の具体的なものを盛り上げないということは、内容として、御指摘のように、新市街地を作るということを考えておることはもちろんでありまして、そのために必要な道路を初め十分御期待に沿うようなところまで持っていきたいという考えであります。
  157. 田中一

    田中一君 そこでお伺いするのですが、大体今公団で建てようというものは公営住宅のものと似ておるように思うのです。そこでコストを安くするという構想から来るならば、一応工法なり、あるいは材料なり、それから加工の方面なり、いろいろ根本的な考慮がめぐらされなければ、先ほど建設大臣が言うたように、三千円台の家賃の家はなかなか建設費の面からみてもできないじゃないかと、こう考えておる。  そこで、まず伺いたいのは、団地計画でもって集団的に作ろうということが法律に明示されておるということになりますと、相当コストを引き下げてやられる工夫が可能だと思うのですが、あすこを一棟、ここを一棟というのでなくて、集団的にやられるなら可能なのです。そこで現在あるどういう材料を使おうと考えておるのか、セメントはそのままを使ってやろうというのか。御承知のようにセメントは今安いのです。しかし、本年のずっと秋になりますとどうなるかしりませんが、まだ国家予算が通らないために安いのでしょう。そこでそういう点を政治的に、少くとも低家賃の家を国民に提供しようという見地から、そうした建築材料の問題とか、それから主要な鉄骨、鉄筋あるいはセメント、そうしたものに対する政治的な配慮を行いつつ、これを完成しようと思いますか。これは公団ではできません。従って、国が、少くとも建設大臣がそのような何らかの政治的な配慮をして、低家賃の家を建設する考えを持っておるかどうか。また持っておるならば、どういう点でどういう工合に考えておるか。その構想があれば、伺いたい。
  158. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) お話通り、安くするというため必要な手段方法は、質が悪くならぬ限り、あらゆる面から考究すべきだと思います。従って、建築研究所等も総動員して私はやらせるつもりで、今までの技術を組織的に最高度に活用をする、役所の今までのやり方にとらわれないでやるという意味で、公団は運営をいたすべきだと考えております。また同時に、御指摘のように、ばらばらにやるのではありませんから、相当の規模のものを一括してやれますから、これは資材その他の面においてもできるだけ切り詰めてやるということは私は可能だと思いますが、この点については今後具体的に進める場合におきまして、御趣旨の点はもう、申すまでもなく、努力をいたすつもりであります。
  159. 田中一

    田中一君 大量生産ということになりますと、結局規格統一が一番安くなるのです。そこで一応のむろん規格を作って、勝手なまた建築が、これは言い過ぎかもしれませんが、建築家が芸術的良心を満足させるための家じゃなくて、全く国民に堅牢ないい家を安く供給するという解点から、公団の職員などの技術家にも相当、自分の広い意味の芸術的良心は満足させて十分でございますけれども、個々について勝手気ままな設計なんかをさせないような配慮を払うつもりでおるかどうか。これはむろん、こういう質問をするのは、低コストにするために念のために伺うことなんです。
  160. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 私は実はしろうとでありますが、建築研究所に命じておりますのは、お話のような、今後少くとも住宅建築に関して、資材において規格の統一の可能なものはやったらよかろう。そういうことを全面的に一つ今後はやるつもりであります。従って、公団においても、これはもちろん専門家の意見を十分尊重はいたしますが、そういうことでやっていきたい。できるだけ安くするということには努力いたしますが、しかし、この公団が作ったものが将来物笑いになるような家も、私は実は作りたくない。やはり中層アパートとして日本の水準を行く相当なものも作りたいという欲望も、これは当然持っておりますから、その辺のかね合いをよく考えまして、規格を統一する範囲においては一つ現在のあらゆる技術、あらゆる面から最高のものに持っていきたいということを念願をいたしております。
  161. 田中一

    田中一君 これはまあ法案を提案している建設大臣としてはよくわかりますが、それで最高のものを作るなんという夢はまずお捨てになって、実際国民が今住宅に困窮している、その困窮している国民が、せめて生命財産を守れるような堅牢な明るい住宅を供給するのだというような、非常に謙遜な気持であった方がいいと思う。あなたがそういうことを言いますと、設計者は主として自分の持っているところの芸術的な良心、ことに芸術的な良心を満足させるために、規格統一なんかいたしません。結局規格統一された美というものが、規格統一されたものの美というものを大臣としては目標になさらぬと、非常に勝手なことを言うようですが、言葉が過ぎましたらあやまりますが、非常に勝手なまねをする傾向か多々あるのですね。そういう点を一つ御考慮願いたいのです。そうして、規格統一するための、何か量産化するために規格統一するということのために、何か働きかけをするような意思はございますか。建築材料を作っている団体にでも、何でもそういう方面に……。
  162. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これはただいま建築研究所でそういう基礎的な対案を作らせておりますから、それが各方面の御意見を聞いて、これで統一をしていく方がいいということの見当がつきますれば、私は生産に関係する方面に、またあるいはそれは立法措置を必要とするならやっても、やることが日本の建築行政のために必要だと思えばやるべきだと思いますが、まだそこまでの準備が十分に整っておりませんが、できるだけ早くやることが住宅政策の一環として必要だと私は感じております。
  163. 田中一

    田中一君 今の御答弁、非常に私も賛成です。少くともそういうような考え方がないと、ロー・コストのものはできません。  そこで、もう一つ伺いたいのは、いわゆる公団式という——あなたの言う非常にいい、もう現在の程度で非常にいい公団式というような規格を作るべきだと思うのです。これは私賛成です。むろん内閣がかわって、今度われわれが公社というものをやる場合にも、あなたがやってたところの今度作る公団式というものを踏襲してけっこうなんです。踏襲したらいいんです。従って、われわれの時代が来て、われわれがそれをやる場合にも、現在の公団アパートというもの、公団住宅というもの、これがわれわれがそれを喜んで踏襲してやろうという気持をもっているのです。それで腹をきめて、規格が、住宅そのものの各部について、こまかいディテールにわたってもかまわない、各部について、公団標準寸法なら寸法、公団規格というものを一つ作られるような、大きな理想が私はほしいと思うのです。またそのような配慮をされなければ、りっぱな計画をもってこれを完遂しようということにならぬと思うのです。そこで、そういう意味の量産化への規格統一という点について、立法措置もあるいはしてもよろしいということについて、私非常に意を強くするわけでございますけれども、そうした形でいわゆる公団規格というものができ上って、これは非常に安いコストになるはずなんです。そうして実際に仕事をする場合には、直営方式でおやりになるつもりか、あるいは個々の請負人に出されるつもりか。これはむろん公営住宅と違いまして、公団が自主的に自分のアパートを作るのですから、どういう方式を考えておられるのか。
  164. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 率直に申すと、きちっとそういうことの限界をきめてはおりません。そういうことまで役所があまり指図することはいかがかと思っておりますから、一応の基本構想というものをわれわれは立法に伴って考えて、あとは公団の諸君の腕を思い切りふるってもらうということの方がいいと考えますから、直営とか、委託とか、あるいは請負とかというようなことについては、私自身あまりとらわれて考えておりません。これは一つそのときの情勢に応じて、一番安くていいものができる方法ならば、まかせてやったらいいじゃないかというふうに考えております。
  165. 田中一

    田中一君 これがコストを引き下げる大きな眼目なんです。ねらい方なんです。自分でやるのだという場合には、自分でやればそうやるがために、コストが安くなる場合があるのです。それから請負なら請負に出すのだといって、公団が持っていない力というもの、あるいは資材、器材、その他工法を取り入れた場合には、また安くなる場合があるのです。私が伺っているのは、こまかい問題とおっしゃるけれども、先ほど建設大臣が言ったように、三千円台で家賃をもっていきたい。あるいはおそらく大臣の気持としても、これが二千円台でもって家賃がきめられるならば、それが希望だと思うのです。従って、こういうこまかいことを伺うことが、安くていい家を作るということのねらいなんです。そこであえて伺うわけなんですがね。建築材料にしましても、それから施行面にしましても、注文する仕方が非常に大きな問題になるのですよ。これが安くなるか高くなるかの問題なんですよ。たとえば、私が調べた範囲におきましては、スチール・サッシュ、スチール・ドアなどは、規格統一をして計画的に発注をしてくれるならば、現在ある多くの個々の注文の品物よりも四割引きでお引き受けできますということを答申しておるのです。私の所へはこういう答申があるのですよ。これはむろん公社案のために、公社案も公団案も、少くとも安い家を作ろうというねらいなんですから、同じことでございます。これが非常に、幾らになるかが大きな条件になるわけなんです。で、発注そのものが一番大きな問題になるという、さきにも申し上げた通りですが、そういう点に対する御考慮は、公団にまかせるのだというのじゃなくて、法律の立案者がやはり当委員会などでこういううるさい質問をしているのですけれども、やはり一つの方針というものをやっぱり記録に残しておきたい、こういう配慮をするものだからお伺いするわけなんですから、今のような投げやりにしないで、自分の方針はこういうつもりでおるのだからこうしてやるのだというその方針を……。
  166. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) いや、決して投げやりや、小さい問題と考えて申し上げておるわけではないのでありまして、私は全住宅政策の見地から規格統一が必要であればこれはやろうと申したわけでありますから、そのくらいのことを考える以上、当然公団のやり方については、その中心的な立法をいたさなければならぬと考えておりますが、今の例にお引きになったようなことも当然予想してのお答えを申し上げておるわけであります。ただ、今ここで直営にするとか請負の形式にするとかいうことを私がお約束を申したところで、実行の面においてまた変えなければならぬことも起って参りましょうし、今国会で私がそうしたところまで公団の運営を束縛いたすことはいかがかと考えて、これはいずれ有能なる諸君が当ってやってくれることと思いますから、政府として全体の規格統一等をなすべきことはやらなければならぬということは申し上げたのでありますから、そういう線に沿って公団の運営に最高の能力と技術も合せて発揮できるように、われわれとしては十分、政府側ではそういう考えで臨みますし、実行の面においても今御注意のような点は当然考慮いたしてやるつもりであります。
  167. 田中一

    田中一君 これはそういう、何も言質をとらえるのじゃないのですよ。せんだっての質問に答えてあなたは、八百名程度の職員を考えておるというのでしょう。八百名程度あるいは直営でやるなら千名、千五百名になるかもわからない。従って、どのくらい職員を置くかということに結局制約されるのですよ。八百名程度ならばほぼ直営はできぬと思うのです。むろん民間の建設力に頼らなければならぬと思うのです。それを伺っておるのです。
  168. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 当然そういうことであろうということを予想して、実は私は慎重なお答えをいたしておるわけでありまして、直営方式で全部をやるということになれば膨大な人員を要することになりますが、今組んでおります予算の構想はそういう点はあまりとらわれてはおりませんけれども、そう膨大な事務費を公団がとるよりも、できるだけ今ある機構を活用いたしまして、政府負担は最小限度にして、家がたくさんいいものが建つということの方に私は重点を置いて考えますから、そこで今御指摘のような点については、場合によれば直営的な面も必要が起りましょうけれども、それにとらわれて考えますことはいかがかと思って、今申し上げておる次度であります。
  169. 田中一

    田中一君 次に、分譲する分ですが、これはむろん、今御説明があったように、アパート式四階ないし五階、エレベーターなし、十二、三坪程度、一棟二十四戸ないし三十六戸程度の団地計画の分譲地であるというふうに了解していいですね。
  170. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 大体そういうことを予算の基本として考えておりまして、これもだんだん欲が出て参りましょうから、場合によればもっと高層のものを建てる必要も起り、またそういうことも実行もしたいと思いますが、これは予算のいわゆる標準単価というふうに御理解をいただいていいと思います。
  171. 田中一

    田中一君 これは宮益坂のアパートでも問題になったのです。この分譲した部屋というもの、今法務府の方でお調べになったと思いますけれども、どういう形でこれが所有権というものが確認されることになっておりますか、御説明願いたいと思います。
  172. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 実は先ほども御答弁を申し上げたように、そういうことについて新しい立法措置を必要とするのではないかと、私はしろうとの勘で考えておりますので、それを今研究をさしておりますが、なかなかこれを分解してゆきますとめんどうなことになりまして、まだどういう立法措置をしたらいいかという点に到達をしておりません。しかし何かやらなければ、今の法律だけの建前では新しい社会機構といいますか、新しい生活体制に応ずる処置として不十分だということだけはばく然とわかっておりますが、十分御指摘のようなケースをいろいろ考えて、必要な措置をとりたいと考えております。
  173. 田中一

    田中一君 これは建設大臣、何も追及するのじゃないのですよ。よく御了解願いたいと思うのです。分譲しますと、やはりどこからどこまでが自分の所有権があるかということ、あるいは登記をする場合でもいろいろ問題があるのです。登記の面は今までの実例があります。今から三十年くらい前に、飯田橋の上の方にある文化アパート、あれに三階から下だけを抵当権を設定しまして、別々に登記してあるのです。そういうことが可能なんです。それから一部屋々々々分譲しますと、私の解釈は、私は何も立法措置は要らないという見方をしておるのです。これは私の方の出しております日本分譲住宅公社と構想は同じことなんです。これはそうした形の新しい立法措置をしなくても可能であるというふうな解釈をして、法律を出しておるのです。これは建設大臣質問しちゃいけないですから、石破官房長に伺いますが、どういう考え方を持って、どういう根拠を持って、部屋の一つ一つ分譲し、そうして個人の持つところの所有権というものを確認するかということについては、むろんこの法律を作った以上、十分御調査になったはずです。また調査なしにこういうものができ上るものではございません。これはまあ法律技術的の問題ですから石破さんに伺いまが、どういう根拠を持ってこうやっておるか。
  174. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ちょっとその前に、私の申したことに誤解があってはいけないので……。私も現在の法律制度のもとにおいて十分実行できるという前提で考えておりますけれども、だんだんと先のことを考えてゆくと、アパートの共同生活の態勢に応ずるようなためには、現行制度に進んで改正をする方がより便利なように考えられる、こういうことでありまして、お説のように、今の法制で十分消化し得るということを前提にしておることを、念のために申し上げておきます。
  175. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 分譲住宅アパート式のものを作り、しかも各戸ごとの分譲ということの場合が起り得るわけでありますが、そういう場合には、お話通り、各戸の個々の都屋については個々の所有権の登記の対象になるものと、かように考えております。廊下その他共同の部分につきましては、やはりこれは共有ということで措置する以外になかろうと思っております。
  176. 田中一

    田中一君 大体今のことでいいと思うのですが、私も一応そういうふうに理解しておりますが、そこでわれわれは民法二百五十二条にあるところの持分の問題、共有の問題というものにはっきりと規定しております通り、必然的に管理する組合といいますか、団体といいますか、あるいはそうした共有部分に対しては相談する会といいますか、そういうようなものができなければならぬと思うのです。ですから、共有部分に対する管理というものは、建設大臣が言っておるように、一番重大な問題です。共有の部分ですが、これに対しましてはどんな構想を持って、また分譲されたものの運営について考えておられるか、伺いたいと思います。
  177. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) お話通り、実際問題としてはその辺のところが一番肝心なところでありまして、一棟二十四戸ある場合に、それぞれ持ち主が違った、一番極端な例をあげますと。そういう場合に、共同施設を何らかめいめいで相談でもして共同で管理するというような方法をとらなければ、これは非常に住宅としては不適当のものが生まれるだろうと思うのです。これは実際問題としてやってみなければわかりませんけれども、私どもの考えとしては、少くとも一棟とか二棟とか、そういうものはたとえばある事業会社なら事業会社に一括して分譲するという例が多いと思いますが、そうでなく、分れて分譲する場合ももちろんあるわけでございまして、そういう場合には、やはり分譲を受けた方が共同施設を管理するに一番いいような方法をとってくれるだろうと思います。お話通り、あるいは組合であろうとか、あるいは共同の管理人でも置いてやろうとか、いろいろの方法考えられるだろうと思いますが、その場合々々に応じまして、やはり公団としても分譲したという責任だけはあるわけでありますから、その辺のところもよく考えまして、一ぺん分譲したらこっちは知ったこっちゃないというような態度にならないように、適当に善処したいと思います。
  178. 田中一

    田中一君 それでいいと思います。  もう一つ伺いたいのは、土地の問題です。宅地の問題です。宅地はかりに一棟全部だれかに売った場合でも、あるいは個人々々が分譲して買った場合でも、宅地に対する所有権といいますか、借地権といいますか、こういうものはどういう形でこの法律で規制しておりますか。公団分譲分の、分譲住宅分譲した場合に、借地であれば借地権、所有地であれば所有権というもを、家を買った者に対してどういうことになるかというんです。どこまでも公団が所有し、借地権を所有しかつ借用しているのか、どういう法律規定していますか。
  179. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 法律には具体的に規定いたしておりません。原則としましては、土地をもやはり同時に売る。それは共有の格好でもって使用するということになります。場合によりますれば——これはまあ先のことでありまして、そこまでは決定していませんが、場合によりますれば、土地は公団でそのまま持っておるというような場合も考えられないことはないと思います。原則としては売るつもりであります。
  180. 田中一

    田中一君 これはね、売るとなりますと、また一つの新しい問題が起きてくるんです。これはやはり、あまり金をうんと持っている者が十三坪の家を買うわけじゃないんでしょうから、やはりある程度勤労者本位にこれは家を分譲してやろうという考えなんでしょうから……。ところが、地価が高い所だと、買い切れない。全然買えないときがあるんですね、地価が高いと。そこで今度は、もしかりにこれが借地であった場合、必ず借地には建てないという原則が立っているはずなんですが、ある場合には借地でも建てなければならぬ場合がある。そういう場合に法律で規制しませんと、いわゆるまた貸しになるんです。土地の所有者から見ますと、公団が借地権を持っておって、そうして今度は建物を持っている者、いわゆる自分の家を持った者に当然この借地権というものは、民法の規定からいっても、平気でもってずっとついてくるものなんです。自分の家を持っている者についてゆくものです。かつまた四階の人が持っておる借地権というものと、一階の人の持っておる借地権というものは、割合はどうなるかというような問題になりますと、これはうるさい問題が起きてくる。その場合は一応法律でもって、分譲するときは法律できちっときめておかぬと、いろいろなケースが出てくるだろうと思う。これは問題になると思います。その点はどどう考えておられますか。これは全部宅地というものは公団で買うのだ、自分のものだという前提のもとに、そうしてそれは必ず売るんだというような前提があれば、これは一応解消できます。
  181. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 先ほどもちょっと申し上げました通り公団が事業に要します資金として予定しております、百六十六億というものを予定しておるわけでありますが、これらの点を考えるに当りましては、この所有の土地は買い取るというつもりで考えております。お話しの点、なるほど非常にめんどうな、権利関係が非常にめんどうな問題がたくさん起ると思います。しかしながら私どもといたしましては、なるべくそういう権利関係の錯綜するやり方は避けようと思っておりますが、この法律に不足する部分はすべて民法の原則でやっていこう、かように考えております。
  182. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 今の点は私は簡単に考えているのです、土地付で売っていくんですから。そうしませんで、これをいつまでも公団が持っている性質のものじゃないと思います。それからいろいろ特異なケースは考えられましようけれども、それはまたそのときの話で、それからまた貸しをするだろうということをいいますけれども、これは木造じゃないんだから、一たん建った以上は少くも数十年そのままでいくべきものですから、なるべく簡単に始末をしていきたいと考えております。
  183. 田中一

    田中一君 これは問題なんですよ。たとえば戦後二十四、五年くらいまでに作った公営住宅あるいは住宅営団から引き継いだ住宅なんというものは、これはただでやっても、もらってくれ手がないのです。家賃の三百円なり五百円のものを、もうお前にくれてやるといっても、その人はもらわぬのですよ。なぜもらわぬかというと、木造住宅の維持費が高くつく、それよりも三、四百円の家賃を払っていても、地上権というものがどこまでもついていく。国有地でも民有地でも、地上権というものは十坪の家なら十坪、また出入りの道路、こうしたものは民法上の権利として自由に使えるのです。道路というものは公共性あるものであって、これはつぶすことができません。こうした事例と同時に、また二階の人と一階の人とは所有者が違った部分でも、この場合には土地に対する所有権というものの問題、一階の人と二階の人と、その上の立体的に……一階、二階、三階、四階の人は、その買った土地を使う場合に、どういうふうに自分の権利を主張するか。これは共有土地なんですね。一階と四階が非常に経済的な価値が違った場合、その場合はそれをどうするかという問題が残るわけです。そういう点はどういうふうに考えていらっしゃるのですか。
  184. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 先ほど申し上げました通り、土地その他共同施設はやはり共有になるわけでございます。買った人の共有になるわけでございまして、この間共有の関係は、御承知通り法律といたしましても非常に民法の上におきましてもむずかしいことに相なっておりますが、私どもは一応民法にすべてを譲って、その民法の規定するところに従って処理していく以外には、現在のところは方法はないと、かように考えております。
  185. 田中一

    田中一君 これは、買った人があした売ってかまいませんか。
  186. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 法律では、御承知通り、禁止してはおりませんけれども、実際問題として、まあ買ってすぐ売ってもいいというようなことになりますれば、悪い言葉で申しますと、ブローカー式のものが起る余地が多分にあると思います。従いまして、この法律の三十二条にもありますし、またこの法律の三十二条にはそれらの点についても建設省令で定めることになっておりますが、この規定に基きまして、建設省令なりあるいは個々の契約なりによりまして、買った人がすぐ転売してもうけるというようなことの起らない処置をとりたいと思っております。たとえて申しますれば、一定期間はこれを転売は許さぬとか、転売する必要が起った場合にはもう一ぺん公団に買い戻し権を保留しますとか、それらの措置を講じまして遺憾のないようにしたいと思っております。
  187. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ちょっとつけ加えますが、これはもう私は常識で考えても、二十何年という償還を、年賦償還で売るのですから、一時金で買ってくれる金持ちがあれば別問題だが、それは契約のときにちゃんとそういうことはいたしますから、実際問題としては大した心配はないと私は思っております。
  188. 田中一

    田中一君 実際問題が起るから、伺っているのです。実際に起るのですよ。これは公団は数多く家を建てればいいということが主眼なんで、従って、金持ちが住宅投資をしようとする場合、何の苦労しないで国がやってくれるならば、安い一時金で買ってしまうおそれが多分にある。今伺ったのですが、政令で支払いは二十四年ときめるといっても、金のある人は、ある時期に有利と思えば、残金を払って自分のものにしますよ。会社の場合でも、自分の会社の従業員のために買うのだからといえば、売るでしょう。二十四年以前には絶対に一時金を払ってもまけないという政令があれば別です。しかしながら、政令があったにしても、政令よりも法律の方が僕は強いと思うのです。そこで民法の所有権というものは、ただ政令でもつて所有権が移ったものに対して、一時払いで買ったものに対して、政令でどうきめようとも、左右されるものじゃないと私は思うのです。そういう点はどうなっているのですか。
  189. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) なるほど、法律にそういうことまで事こまかに規定しておくというのも一つ方法でありますけれども、私どもは法律的に申しまして、法律に根拠があり、さらに政令及び譲渡の契約に基いて設ければ、それで十分だと思いますけれども、なおそれの具体的な実行方法でございますが、私どもはこれを譲渡をいたしましても、この担保権というようなものも設定しておくつもりでございますし、さような不都合のことは起らぬように処置したいと思います。
  190. 田中一

    田中一君 それはあなたの言っているのは、二十年、三十年で分譲をするのだという前提から言っているのですが、一時金では売らないという政令を作るのですか。法律は一時金じゃ売らないということには書いてないと思います。それじゃ、一時金じゃ売らぬのですか。
  191. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) まあお話通り、非常に初めから妙な目的で公団住宅分譲を申し込んで、そしてそれを一時金払ってしまって、払ったあとはなるほどもちろんその担保権を設定できません。そうした場合に売り払うということが、まあまれなケースとしてはそういうことも考えられぬではありませんけれども、私どもは譲渡します際には、もちろんその相手方もよく見きわめた上で譲渡いたしたいと思いますし、さような不都合なことは起らぬものと、かように考えております。
  192. 田中一

    田中一君 私は、あなたのおっしゃる通り起らぬかもわからない。起るかもわからないのですよ。従って、政令で二十四年と言いますね、あなたは。二十四年分譲というものは分割払いというものを一つ条件にするんだと。十年でもって、自分が金ができましたから一ぺんに払いましょう、こう言っても、もらえないということをきめるなら別です。しかしながら、そういうものはないならですね、公団というやつは、成るべく早く二十三万戸というものを民間の自力建設に待つというような方針から言いますれば、これは三年たって、金を三年分払って、あとの金は、十年分ならあと残っている七年分を、何とか調達してできましたから、これを一ぺんに払いますと言った方が、公団設立のためにもいい。りっぱに効果が上るのですよ。ましてや、二十三万何がしというものを民間自力建設に待つというような考え方を持っておる住宅政策であるならば、民間資金を吸収するのは、それは一つ方法ですよ。従って、そうした場合には、きょう買ってあす売っても、そういう権利がはっきりと自分の所有権になった場合には、契約もくそもありませんよ、自分のものですから……。それでなおかっ政令で売ってはならないときめようとするならば、これは民法上からいっても、その抑制ができないのじゃないか、こういうことを伺っておるんです。
  193. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) お話の点はよくわかりましたから、要するに政府政策を悪用されないように運用に努力をしていけばよかろうと思いますから、御注意の点は運営に際してもよく注意をいたして参りたいと思います。
  194. 田中一

    田中一君 こういうことがあり得るケースなんですよ、実際にですから、これはもしそういうことをお考えになるなら、政令で二十四年以前には絶対これは転売は許さぬということになるなら、転売を許さぬということは、法律的には、二十四年前には金はもらいませんということなんです。それじゃ矛盾があるのです。民間資金の導入なり、あるいは民間自力建設というものをねらっておるところの民主党の住宅政策と矛盾がある。そこで法律上の欠陥ではなかろうかと僕は指摘している。なるほど、事実においてはそういうことが起きないかもわからないが、起きる余地があることは間違いないと思うのです。そういう点についてどうですか。
  195. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 御心配の点ごもっともでございますけれども、実は数年来実施いたしております産業労働者住宅につきましても、その辺の法律上の規制は別につけていなかったかと承知いたしておりますが、おかげさまで現在までのところ、産業労働者住宅につきましては、そういう御指摘のようなことが起ったということは全然聞いておりませんし、先ほど大臣がお答え申し上げましたような趣旨によりまして運営いたしますれば、決してさような事例は起るまいと私ども確信いたしております。
  196. 田中一

    田中一君 それじゃ、起らぬと思います。起らぬと思いますが、立法上そこに食い違いが出はせぬかと言うのです。起らないからいいんだというのじゃなくてですよ、それじゃ政令でもって、かりに償還期を二十年ときめたら、二十年前には一切金はもらわないということをはっきりと政令できめますか。きめるという御返事願えればけっこうです。そうすれば、その心配はないのですが……。
  197. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) もちろん。そういう意味政令を作る意思は毛頭持っておりません。
  198. 田中一

    田中一君 おらないでしょう。そこで、今言う立法上盲点がありはせぬかというのです、私の申し上げているのは。実際ないからといって、もし悪いやつがいて、やろうとすればできることなんですよ。悪いことをやろうとすれば悪いことができるという立法は、これはやはり避けなければならぬのですよ。今かりに産業労働者住宅に対しては二年やったがありませんという。その買っている会社が今景気がいいから、ないかもわからない。景気が悪くなれば、一つの財源として売るかもしれない。これはあり得るのですよ。あり得るということを前提にしなければ、そこに犯罪というものが、いろいろな不祥事が起るのですよ。やはり法律を作るにはそこまでの親切さや完璧さを持たなければいかぬということを言っている。そういうものを作るから犯罪が起るのですよ。
  199. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) くどいようでございますけれども、先ほど申し上げました通り、産業労働者住宅については、現在までのところ支障なく運営もできておりますし、なるほど法律を作ります際には万全の措置をば、いろいろの場合を考えていかなければならぬのは、御指摘の通り、もちろんのことではありますけれども、また一方、ほとんど起りそうもない、前例から、やってもしようがないというようなのに、新たな規定を厳重な規定を入れることもこれまたいかがかと思いますし、またさらに一歩進みまして、それをかりに法律で禁じたといたしましても、実際にそれを売ってしまう場合、これが果して、違法は違法でありますけれども、その場合無効かどうか、とこういうことになりますと、ほんとうはこれは無効にせぬと所期の目的が達成せられぬわけでございますが、そこまでいきますと、一般の売買の原則その他民法の諸原則等からも、いろいろむずかしい問題が起ろうかと思います。もちろん、私どもは法律を作ります際に、そこまで検討は正直なところいたしておりませんが、まあ産業労働者住宅で支障なく参っておりますので、この程度で差しつかえない、かように考えている次第でございます。
  200. 田中一

    田中一君 悪意もあるし、善意もあるのですよ。その会社がつぶれまして、まあかりにその債権者が何とかしたいと思うときには、とろうという善意の場合もあるのですよ。法律を作る場合にはそこまでも配慮をしないと、いたずらに悪を流す。法の盲点を作ることは、これを避けなければならないと思いますよ。  こういうことは、私はその点も、われわれ法律を作るのにずいぶん苦労をした方なんです。そこで、十年間は売ってやらない、十年というものは。十年前には金はもらいません。せめて十年間は買った者が、分譲を受けた者が住まなければならぬという規制をはっきりしているんですね。十年たてば、その程度ならば売ってもいいのじゃないかという規制をしているんですよ。そういう点について、われわれも非常に苦労をしたところなんですが、そういう点も、そこまでしませんと、立法をする人は、結局国民がいやおうなしにそれに従わなければならぬ。そこまでの配慮が望ましかったというのですよ。今さらこれを修正しようというものじゃございませんけれども……。
  201. 石井桂

    石井桂君 なお、私、今の田中さんの触れている問題とちょっと違うのですが、思い出しましたので……。住宅の土地が非常に今高騰を続けているのですが、これはほうっておきますと、どんどん高くなって、あべこべにブレーキになるのじゃないか。何か地価を統一、抑制する方策がお持ち合せになっておりませんか。
  202. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは非常にむずかしい問題だと思いますが、高騰は困ることでありますけれども、うっかり人為的な措置をすることによって、逆に刺激をして高くするようなことになってもいかがかと考えて、慎重に検討はいたしております。われわれの今の立場からいいますならば、公団ができまして百万坪の土地造成を一挙にやるというようなことによって、宅地の総体的な供給を多くすることが、一方、宅地の全面的な高騰を押える一つの方策ではないか。もちろん、それだけでとめられるとも考えられませんけれども、供給をふやすということを一方でやらないで、法的に規制をすることは、なかなかこれは微妙な心理を考えて、いかがかと考えておりますが、よくその点についても慎重に注意をいたして参りたいと思います。
  203. 石川榮一

    委員長石川榮一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  204. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記をつけて。
  205. 石井桂

    石井桂君 なお、私は住宅をうんと建てるために、住宅行政機構というようなものが強固で、あることを熱望するものでありますが、最近地方行政機構の改革という名の下に、住宅を担当している部局あるいは課がつぶされる所がひんぴんとしてあるのです。このことは非常に遺憾でありまして、建設省におかれましても、一つ大臣におかれましても、そういうことのないように、この住宅を建てますときには、今建てていかなければならぬときに、その部局が小さくなることがないように、これは地方公共団体のことですから干渉もできないでありましょうけれども、そういうことがないように、よくお話し合い下さればわかることと存じますので、それを要望しておきますと同時に、この住宅公団法の中には土地の区画整理の事業があるのです。東京都におきましてはかなり人員なども、それに対する機構なども完備されておるようですが、地方によりましては、それをまかなうこともできない陣容の所もあるように聞いております。そういうようなことでありますと、公団法を施行するのにいろいろな支障が起きて、予想もしないような障害が出てくると思いますので、老婆心ではありますが、ぜひ一つそういう方面に、大臣初め皆様の御配慮をいただきたい思います。
  206. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 御注意の点は、よく心得て努力をいたしたいと思います。
  207. 村上義一

    ○村上義一君 一、二点お伺いしたいのでありますが、公団住宅建設をしまた宅地の造成をする場合に、都心でする場合、郊外でする場合、さらに相当離れて衛星都市建設式にする場合等あるように伺っておるのでありますが、この都心の場合はよろしいが、その他の場合で最小限度のパブリック・ユーティリティの施設がない場合があると思うのです。そういう場合に、そこの住宅に入るという場合に、直ちに必要な水道、ガス、電気、あるいはさらに電話電信等の設備であるとか、あるいはまた相当大規模の場合には小学校も考え得ると思うのです。こういうようなものについてどういったようなお考えをお持ちでしょうか、一応伺っておきたいと思います。
  208. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ごもっともな御注意でありまして、できるだけちょこちょこ食い散らすようなやり方をしないで、公団としては家も建てなければなりませんけれども、やる以上は、お話しのように、相当整備をいたした都市の建設ということをやって参りたいと考えておりますから、建設省の各部門の行政もこれに協力をいたすはもちろん、学校の問題ももちろん、交通の問題等、一つ総合的に進めて参りたいと考えておりますから、御注意の点はよく実行の面において努力をいたしたいと思うのであります。
  209. 村上義一

    ○村上義一君 さらにもう一点伺っておきたいのですが、ロンドンで衛星都市を作った場合に、パブリック・ユーティリティの施設費が住民一人当り、日本貨幣に換算して約百万円要したと聞き及んでおるのであります。こういうことはとういて現状においても不可能であると思うのであります。またそれほどの必要もないのじゃないかと思うのであります。大体に考えまして、これは衛星都市というても実は通勤都市だと思われるのであります。従いまして、相当遠隔の地にこの通勤都市を造営せられる場合に、通勤ということはこれまた欠くべからざる点だと思うのであります。で、おそらく現在の交通機関による、またよれるような所を御選定になることと思うのでありますが、しかし現在の交通機関は需要に対してその施設がきわめて貧困でありまして、非常に御承知通り、ラッシュ・アワーでは今座席効率三〇〇%ということになっております。で、国鉄で実例を見ますれば、京浜線の三〇〇%の座席効率を今二割減少するために、つまり二四〇%にするために、五年の日子と四百億円を要するのであります。そういう計画ができておるように承知いたしております。これはなかなか容易にいかぬと思うのでありまして、都市の規模の大小によりますけれども、相当な規模でこれを造営するという場合には、なるべくすみやかに交通機関によく計画をお話しになって、これに適合する施設を直ちに計画を立て、実施しまするように、連絡をおとり願うことがきわめて必要だと思うのであります。まあこれらの点については御如才もないと思いますが、ぜひ一つ遺憾なきを期していただきたいと思います。
  210. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ただいまの点は一番重大な点と考えておりまして、実はいろいろそういうことも内々研究いたしておりますが、微妙な問題があるだけに、具体的に取り上げてはおりませんけれども、その点を一番重要視いたしておりますので、いよいよ実施という場合におきましては、御注意の点を十分考えて参りたいと存じます。
  211. 田中一

    田中一君 第八条に名称の、類似名称の使用を制限しているのがありますが、日本分譲住宅公社というものは、これは類似名称でございますか。
  212. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは法律御審議のお立場でどうぞお考えをいただいて、われわれはわれわれの法律考えて参ります。
  213. 田中一

    田中一君 そうしますと、ここでもって少くとも法律でもって名称に対して制限を加えておるということは、これは重大な問題なんです。従って、この制限を加えようとするならば、この範囲からこの範囲のものは類似名称なりということを明示しなければならぬと思いますが、建設大臣に伺いますが、それをはっきり御明示いただけませんか。
  214. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ということよりも、私はむしろ提案者に伺いたいのは、あの法案のねらうところは、今日現存している政府その他の機関を根本的に改められての上の法律と心得ておりますから、そのときには公団も当然に指定をされることとわれわれは承知をいたしておりますから、どうぞそういう意味で御審議をいただきたいと思います。
  215. 田中一

    田中一君 では、日本分譲住宅公社の方はこれは了解しました。それで、他の類似名称というものはどの範囲かということを、はっきりと御明示願いたいのです。
  216. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) まあその法律のねらいとしておりますところは、これによって善意の第三者が不測の被害をこうむるということを防止しょう、こういう趣旨から出ていることはもちろんでありまして、不測の第三者がこれと間違えさえしなければこれは差しつかえない。従いまして、非常に間違いやすいというのが類似という範囲に入るわけでありますが、さて、そこで具体的な問題といたしますれば、解釈は非常にむずかしいことになろうかと思います。まあここでそれを簡単に例を申し上げますと、非常に誤解を呼びますので、一応考えてはおりますけれども、これは該当する、これは該当しないという御答弁は、差し控えさしていただきたいと思います。
  217. 田中一

    田中一君 もし、これに非常に類似の名称が登録されて、法的な根拠をもって登録されておったならば、どういたしますか。
  218. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) この法律通りますれば、やはり類似のものに用いられないことになるわけであります。ただ、先ほども申し上げました通り、かりに類似するものを作りましても、これが実際社会に害を及ぼすということになりませないならば、これは別に問題にすべきではないとも考えられます。要するに、これに類似した名前を使ってこれが社会の善意の者に影響を与えた、不測の損害を与えたということを防止しようという趣旨でありますから、具体的な事例が起りました場合によく検討して参りたいと思います。
  219. 田中一

    田中一君 これと同じような名称を付している団体法律があれば、それを一つ説明願いたい。
  220. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは私どもの知っている限りは、これはこういう特殊立法によるやつは、これはほとんど例外なく入れております。
  221. 田中一

    田中一君 どんな法律ですか、例外なくというのは。
  222. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) たしか住宅金融公庫法におきましても、これと同様の趣旨規定をいたしているかと思います。
  223. 田中一

    田中一君 ほかには。
  224. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 一々ここに法律を持っておりませんけれども、こういうものについてはすべてといっていいほど、こういう規定をいたしていると思います。
  225. 石川榮一

    委員長石川榮一君) それでは、日本住宅公団法案に対する総括質問はこの程度で終りたいと思ますが、御異議ございませんか。——それでは、そういうようにいたします。   —————————————
  226. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 次に、住宅融資保険法案総括質問に入ります。御質疑のある方は御発言を願います。
  227. 田中一

    田中一君 この法案につきまして、金融機関、いわゆる銀行、保険会社、無尽会社、信用金庫、労働金庫及び信用協同組合というものが当然貸さなければならないということに解釈してよろしいか。貸してくれれば借りてよろしいと——貸したものに対してはこういう保険をしてやるというのか。どちらに考えているのですか。貸さなければならないというのか、この法律趣旨が貸さなければならないという強制をしようという趣旨のもとにできているのか。貸した場合には、十分の八までの負担を未回収の場合には保証しようというのか。どちらから出ているのですか。
  228. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 金融には私は法律の規制をするということはやるべきじゃないと、——まあ別の場合にはやる場合も起りましょうけれども、これはあくまで貸してくれた金に保険をするということ。しかし期待としてはこれによって住宅資金が積極的に回るということを期待をしておることは事実であります。
  229. 田中一

    田中一君 こういう法律が一方的に政府の意思で出た場合、銀行がこれを聞かないという場合には、これはむろん今御答弁のように、貸さない場合にはやむを得ませんよと、こういうことなんですね。貸さない場合にはやむを得ませんよ、借りた場合には保証しますということなんですね。そこで、そうならば、政府は第二条第三号にあげたところのこの金融機関にどういう働きかけをしておったか、またどの程度の了解を受けておるのか、また借りる人間の所得というものに条件があるのか、あるいは財産というものが貸付の対象になるのか。一応相当深くこの金融機関とは話し合いをしたものと考えられるのです。全然話し合いをしないでこんなものが出るものとは思いません。従って、どの程度の了解を各金融機関から受けておられるのか、伺いたい。
  230. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 実は建設省は金融の方の直接の行政官庁ではありませんので、この法律の金融の面については大蔵省でありますから、そういう意味で、銀行、会社、その他に対するこういうものをやることについての話し合いは、大蔵省からやってもらうことにいたしまして、どういう相談をしたか私一々確かめておりませんが、十分理解と協力を期待してこの制度をいたしたわけで、私もあらゆる機会において話し合いはいたしておりますが、各方面の金融機関が協力をしようと言ってくれておるようなわけであります。
  231. 田中一

    田中一君 私はこの法律は非常によろしいと思うのです。一応民間自立建設二十四万何千戸のうち、どのくらいこれによって建設されるかは別といたしましてですよ。ただ、こういう法律を作りましても、いわゆる自主権を持つところの金融機関が貸さない場合には、何にもならぬと思う。従って、こういう法律を作った場合には、要は貸すような政治的な、あるいは政治的と言っては語弊があるかもしらぬけれども、要はこれを実行さすための法律以外の働きというものが実効をあげるのであって、ただこれをやれば貸すであろうということだけでは、どうもわれわれは了承できないのです。そうしますと、ただ公約した民間自立建設の幾分かはこれでもって促進されるであろうということに尽きると思うのです。そこで、今大蔵大臣にものを頼んだからあそこで措置してくれるだろうというならば一つ委員長、大蔵大臣にここに来てもらっていただきたいのです、ちょっとの時間でいいですから……。
  232. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) 大蔵大臣にまかしておるという意味ではありませんけれども、私がやるよりは、金融機関担当の大蔵省も協力をしてもらうことが実効をあげるゆえんでありますから、大蔵省の方からもできるだけの協力、連絡をしてもらっておるわけであります。同時に、銀行がやるかやらぬかという問題は、これは強制はできません。しかし、御承知のように、住宅政策政府が強力にやるためには、金融機関に対して、貸付の順位を変更して住宅を優先的に扱ってやれということも、すでに金融機関に政府の見解として指示をいたしておりますように、あらゆる面からこれを指示していけば、このことは十分実行可能であると、かように考えております。
  233. 田中一

    田中一君 そうあってほしいと思います。そこで大蔵大臣にちょっとでも、五分でも、時間があればちよっと来てもらっていただけませんか。私はこれは非常にいいと思うのです。いいと思いますから、これをやはり大蔵大臣がそこまでの思いやりがあるならば、それを確約したいと思いますから……。
  234. 石川榮一

    委員長石川榮一君) それでは、大蔵大臣に交渉しますが、それはあと回しにしまして、総括質問を続行して下さい。
  235. 田中一

    田中一君 この保険料の百分の三以内というのは、大体どのくらいな保険料金にするおつもりですか。
  236. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これは本会議の際も申し上げましたように、百分の二で今のところは政令で実行をする考えでありますが、将来実行してみてもっと安くて済むように努力をしてできればできるだけ低くいたしたいと考えております。
  237. 田中一

    田中一君 これは結局借りる者の負担ということに了解してよろしゅうございますか。
  238. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) まあ私どもといたしましては、できればこれは金融機関の方に、この百分の二という保険料は持っていただきたいのでありますけれども、必ずしもまあそうともいかぬようでございまして、中小企業等の場合の前例を調べてみますと、ある程度役所側で、政府において借り手の方にしわ寄せにならないように規制をしておるようであります。建設省としましても、そういう配慮のもとに所要の規制をいたしまして、借り手の方にこれが全部負担にならないように適当なところで制限をしたいと、かように考えております。
  239. 田中一

    田中一君 それはどういう方法です。百分の二というものは、二分というものは借り手の方にかからないような措置というのは、どういう方法をとるのですか。
  240. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 方法といたしましても、これからまあやることでありまして、まだかっちりときめておるわけではありませんけれども、通産省等におきましては通達でやっておるようであります。向うの例は保険料の三分の二以上は借り主の方に転嫁してはいけないというようなことでやっておるようでございます。
  241. 田中一

    田中一君 そうすると、百分の二は借り手にかかるということですか。
  242. 石破二朗

    政府委員石破二朗君) 百分の二全部をその借り主の方へ転嫁さしてしまうことのないように、百分の二のうち、その三分の二以上を借り主の方に転嫁してはいけないということで指導をしておるようであります。
  243. 田中一

    田中一君 ここに掲げております金融機関というのは、銀行、保険会社、無尽会社、信用金庫、労働金庫、信用協同組合ですか、現在日本では金利の統制はいたしておりません。従って、貸付金というものは別々になると思うのです。大体建設大臣の了解しておりますところの金利、今ここに上げたところの五つか六つのものは現在どのような形で融資をしておるか、金利のことがわからないものですから、御説明願いたいと思うのです。
  244. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これはいろいろな金融機関がありますし、ケース、ケースがみんな違いますから、調査をいたしましてまた御報告をいたしたいと思いますが、一々はちょっとわからないと思います。
  245. 田中一

    田中一君 それではこの点につきましては、資料一つお出し願いたいと思います。  それからここに、これはだれでも借りられるというようになっておりますから、農業協同組合も預金事務、金融事務を扱っておりますけれども、農業協同組合をここから抜いたということはどういう理由によるのですか。
  246. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) これも理論的には入れてもいいと思いますけれども、初めてのことではありますし、金額が制限をされておりますから、まず一番住宅の不足しておる方面からやっていこうということで、今回この中に加えることをいたしませんでした。
  247. 石川榮一

    委員長石川榮一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  248. 石川榮一

    委員長石川榮一君) それでは、総括質問は終了いたしましたが、次の定例日七月五日に午前十時から開会いたしまして、総括質問の残りの一部と、逐条審議に入ります。  今日はこの程度で散会いたします。    午後三時五十七分散会    ————・————