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政府委員(
石破二朗君)
日本住宅公団法案に従いまして順序を追いまして御
説明申し上げます。
まず印刷物の第一ページをお開き願いまして、目次がありますが、第一章として一条から九条までの間に総則を書いております。第二章に
管理委員会のことを
規定いたしております。第三章に参りまして、
役員と
職員のことを書いております。第四章に
業務を
規定いたしております。第五章に
土地区画
整理事業のことを
規定いたしております。第六章に財務及び会計、第七章に監督に関する事項、第八章に補則、第九章に罰則、それに附則と、こういうふうに大分けにいたしております。
第一章総則でございますが、第一条はこの
法律の
目的、それから第二条で法人格、第三条で事務所、第四条に
資本金、第五条に定款、第六条に登記、第七条に解散、第八条に名称使用の制限、第九条に民法の準用、この一条から九条までを総則に
規定いたしておるわけでありますが、まず第一条の
目的、先ほど大臣が御
説明申し上げました
通り、この
住宅公団は、「
住宅の
不足の著しい地域において、
住宅に困窮する
勤労者のために耐火性能を有する構造の集団
住宅及び
宅地の大規模な
供給」を行う。さらに、「健全な新市街地を造成するための
土地区画
整理事業を
施行することにより、
国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与する」これを
目的といたしております。法人格は公法上の法人、かように
考えております。事務所は東京都に本部を置きまして、必要な地域に従たる事務所を置くことができることといたしております。
第四条
資本金でありますが、「公団の
資本金は、六十億円と公団の設立に際し
地方公共団体が
出資する額の
合計額」といたしております。
政府は公団の設立に際しまして、ただいま申し上げました六十億円を
出資すると、かようにいたしております。三十年度
予算案にその額が計上されておるわけであります。公団は
建設大臣の認可を受けまして
資本金を増加することができる、かようにいたしております。「
政府及び
地方公共団体は、前項の
規定により公団一がその
資本金を増加するときは、公団に
出資することができる。」それから第五項に参りまして、公団に
出資するときは、「
土地又は建物その他の
土地の定着物をもって、」これらの現物をもって
出資の
目的とすることができることといたしております。それから、この現物
出資がありました際の評価に関する事項を六項、七項に
規定いたしております。評価
委員その他評価に関する必要な事項は
政令で定めることにいたしております。
第五条に、定款として
規定すべき事項を一から十まであげております。定款の変更は、
建設大臣の認可を受けなければ効力を生じない。なお、当初の定款は、これはあとの附則の方で御
説明申し上げますが、準備
委員が
建設大臣の認可を受けることにいたしております。
第六条に、登記のことを
規定いたしております。
第七条は解散でございますが、これに関しましては、公団の解散に関する事項は、第二項に
規定したもののほかは、別にその必要が生じた際に
法律で定めることにいたしております。第二項にこの
原則を
規定いたしておるわけでありますが、「公団が解散した場合において残余財産があるときは、これを公団に
出資した者に対し、
出資の額に応じて分配しなければならない。」かように
規定いたしております。
第八条は、名称使用の制限の
規定であります。
第九条は、必要な民法の
規定を準用いたすことにしておるのであります。
第二章に、
管理委員会のことを第十条から第十一ページの十九条まで
規定いたしております。
管理委員会の
規定でありますが、公団には最高の
議決機関といたしまして
管理委員会を置く、第十一条の権能、権限でありますが、定款の変更、
予算、
事業計画及び
資金計画、決算、これらの事項を
委員会の
議決事項といたしております。
管理委員会の組織は
委員五名と公団の総裁をもって組織する、かようにいたしております。
第十三条に参りまして、
委員の任命は
建設大臣がこれを行ない、なお、この「
委員のうち二人は、公団に
出資した
地方公共団体の長が共同推薦した者のうちから任命しなければならない。」かようにいたしております。第十四条は、
委員の任期に関する
規定でありまして、二年であります。
それから第十五条に、
委員の欠格条項を
規定いたしておりますが、これらは類似の法人に関する
規定と大体同様でありますが、あらかじめお断りしておきたいと思いますが、普通の例では、
地方公共団体の
職員も欠格条項の一つにあげておるのが多いのでありますが、この公団につきましては、
地方公共団体の
職員を入れることも差しつかえないし、かえって、その方が便利な場合があると
考えまして、欠格条項からこれを除いております。
第十六条は、
委員の解任でございますが、それは
建設大臣が行います。そういたしまして、この解任の
理由は、第一項によりまして、この十五条の欠格条項に該当するに至りましたときは、必ずこれを解任しなければならない。積極的に書いてありますが、第二項で、「心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。」、「職務上の義務違反があるとき。」、これらのときは
委員を解任することができる、かように若干ニュアンスを変えてはおりますが、大体こういう項に触れましたならば、解任するという
規定をいたしておるわけであります。
第十七条は、
委員の報酬でありますが、これは報酬としては払わない。ただし、旅費その他職務の遂行に伴う実費は弁償するという
考え方であります。
第十八条は、
議決の
方法であります。
第十九条は、
委員の公務員たる性質を
規定いたしておるのでありまして、「
委員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する
職員とみなす。」と、かようにいたしております。
第三章は、
役員と
職員の
規定でありますが、これは二十条から十五ページの三十条まで
規定いたしております。公団の
役員は、総裁、副総裁、おのおの一人、理事五人以上、監事三人以上というふうに書いております。
役員の職務及び権限、これらは大体ほかの類似の団体と同様であります。
十二ページに参りまして、第二十二条の
役員の任命でございますが、「総裁及び監事は、
建設大臣が任命する。」副総裁と理事は
建設大臣の認可を受けて総裁が任命する、二十三条は、
役員の任期は四年、それから第二十四条の
役員の欠格条項は、先ほど
管理委員のところで御
説明申し上げました第十五条の一から四までのものに該当する者は、これを欠格とみなしております。それからその次に第二十五条の
役員の解任でございますが、大体先ほど申し上げました
管理委員の解任の場合と大体同じでありまして、それぞれの手続によりまして解任できることといたしております。
それから十四ページに参りまして、第二十六条に
役員の兼職禁止、「
役員は、営利を
目的とする団体の
役員となり、又は自ら営利
事業に従事してはならない。」かようにいたしてあります。第二十七条代表権の制限、第二十八条代理人の選任、これにつきましては
説明を省略いたします。
それから第二十九条は、
職員の任命でありまして、これはすべて総裁が任命する、かようになっております。第三十条に、
役員及び
職員の公務員たる性質、これにつきましては、先ほど御
説明しました
管理委員と同様に、刑法その他罰則の適用につきまして国家の公務員と同様にみなすという
規定であります。
第四章に、
業務に関する事項を
規定いたしております。第三十一条から十七ページの三十四条まで
業務について
規定いたしております。第三十一条、「公団は、第一条の
目的を達成するため、次の
業務を行う。」「
住宅の
建設、賃貸その他の
管理及び
譲渡」、それから「
宅地の造成、賃貸その他の
管理及び
譲渡」、それから第三号に「公団が賃貸し、又は
譲渡する
住宅及び公団が賃貸し、又は
譲渡する
宅地に
建設される
住宅の居住者の利便に供する
施設の
建設、賃貸その他の
管理及び
譲渡を行う」、それからこれらの「
業務に附帯する
業務」、さらに十六ページに参りまして、第五号に「
土地区画
整理事業を
施行すること。」、それから六号でこれらの本来の「公団の
業務の遂行に支障のない範囲内で、委託により、
住宅の
建設及び賃貸その他の
管理、
宅地の造成及び賃貸その他の
管理並びに
施設の
建設及び賃貸その他の
管理」を委任を受けてこういう
業務をやるということを書いております。なお、ここに書いておりませんが、附則におきまして、公団はその
業務の一部を、必要があります際には地方
建設局に委託することができるという
規定を、これは
建設省設置法の改正で入れております。本法の附則にその
規定をいたしております。なお、公団が
地方公共団体等に
業務を委託する関係につきましては、特別の
法律の
規定がなくてもこれはできるという解釈のもとに、それに関する
規定は別に入れておりません。
それから第三十二条でありますが、
住宅建設等の基準を書いております。「公団は、
住宅の
建設、賃貸その他の
管理及び
譲渡、
宅地の造成、賃貸その他の
管理及び
譲渡並びに
施設の
建設、賃貸その他の
管理及び
譲渡を行うときは、
建設省令で定める基準に従って行わなければならない。」
住宅の
建設、賃貸その他の
管理、
譲渡、
宅地についても同様でありますが、これらのことはすべてその基準は
建設省令で定める、こういうことにいたしております。
第三十三条には、
業務方法書を定めまして、
建設大臣の認可を受け、それによってやるという
規定であります。
それから第三十四条でありますが、これは公団が
業務を
施行する際に、関係の
地方公共団体の長の意見をあらかじめ聞かなければならない、かようにいたしております。「公団は、
住宅の
建設又は
宅地の造成をしようとするときは、当該
住宅の
建設計画又は
宅地の造成
計画について、あらかじめ、当該
住宅の
建設又は
宅地の造成をしようとする地域をその区域に含む
地方公共団体の長の意見を聞かなければならない。」、かようにいたしております。
第五章は、これに関しましては三十五条から参りまして、二十六ページの四十三条まで
規定いたしておりますが、これに関しましては
計画局長から別に御
説明を申し上げます。まことに恐縮でございますが、それに関する事項をあとにさしていただきまして、二十六ページの第六章財務及び会計以下、区画
整理に関する事項だけを抜きまして御
説明をさしていただきます。
財務及び会計に関しましては、二十六ページの第四十四条から三十二ページの五十五条まで
規定いたしております。
四十四条は
事業年度、これは国の会計年度と同様にいたしております。
予算、公団は、毎
事業年度、
予算、
事業計画及び
資金計画、これらを定めまして、
建設大臣の認可を受ける、かようにいたしております。
それから第四十六条には、決算に関する事項を
規定いたしております。第四十七条には、財務に関する諸表のことを書きまして、
建設大臣に所要の財産目録、貸借対照表、損益計算書を作成しまして、
建設大臣に出して、その
承認を受けることにいたしております。
それから二十八ページの第四十八条に参りまして、利益及び損失の処理と書いてありますが、「公団は、毎
事業年度、
経営上利益を生じたときは、前
事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として
整理しなければならない。」「公団は、毎
事業年度、
経営上損失を生じたときは、前項の
規定による積立金を減額して
整理し、なお
不足があるときは、その
不足額は、繰越欠損金として
整理しなければならない。」かようにいたしまして、利益がありましても、配当するということは
考えておりません。
それから第四十九条に、借入金及び
住宅債券に関する
規定をいたしております。
住宅債券に関しまして、差し
当りは、
昭和三十年度におきましては債券発行の
計画は持っておりませんが、必要のある場合には
住宅債券の発行もできる、かように
規定いたしているのであります。それに関しまして所要の
規定を設けておる次第であります。
次に三十ページに参りまして、第五十条に、「
政府は、公団に対し、長期若しくは短期の
資金の
貸付をし、又は
住宅債券の引受をすることができる。」かようにいたしております。
第五十一条に、債務保証に関する
規定を置いておりますが、「
政府は、法人に対する
政府の財政援助の制限に関する
法律第三条の
規定にかかわらず、
国会の
議決を経た金額の範囲内において、公団の債務について、保証契約をすることができる。」これに関しましては、
昭和三十年度
予算案の総則におきまして、民間借り入れ予定の五十二億円については
政府が保証するという、保証することができるという
規定が入っております。
それから第五十二条は、償還の
計画、第五十三条は、余裕金の運用、それから第五十四条に参りまして、給与及び退職手当の支給の基準、公団の役
職員はもちろん国家公務員ではありませんで、この給与及び退職手当金は、公団総裁の定めるところによるわけではありますけれども、公団の
性格にかんがみまして、「公団は、その
役員及び
職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定め、又は変更しようとするときは、
建設大臣の
承認を受けなければならない。」ことといたしております。第五十五条、三十二ページに参りまして、財務及び会計に関し必要なる事項を省令に譲る
規定を置いております。
三十二ページの第七章、五十六条、五十七条に、監督に関する事項を
規定いたしておりますが、これは
建設大臣が監督することに関しまして、所要の、監督上必要な命令を出すこともでき、または報告検査を求め、あるいは立入検査もできるような
規定を置いております。
第八章に補則を
規定いたしております。三十七ページの六十一条まで補則を
規定いたしておりますが、五十八条は、建築
基準法、
宅地建物取引業法の適用につきましては、公団は、国とみなす、第五十九条、これが非常にややこしい
規定でありまして、別の機会を得まして詳しく御
説明申し上げたいと思いますが、ここに
規定しておりますことをごく概略申し上げますと、現に国家公務員であり、あるいは地方公務員である者でありまして、恩給の十七年という期間が完了していない者ではありますけれども、その通算の期間が始まりかけた者、何と申しますかそういう資格を持っております者が公団に入りまして何年間か勤める、その後、国の行政
機関もしくは
政府機関もしくは
地方公共団体にもう一ぺん帰りました際には、公団に勤めた期間を恩給所要の十七年なら十七年という期間を計算する際には、それを加算すると、こういうわけであります。現に国家公務員として十二年勤めた者が六年いて帰りますと、そしてまた国家公務員になりまして、一年しますとちょうど十七年になるわけであります。そういう場合には公団在職中もその十七年の期間計算の中にはそれを加算する、こういう趣旨のことを
規定しております。これに該当しません者は、すでに恩給の受給権と申しますか、十七年がすでに経過しておる者、これが公団に入りましても、恩給通算等には全然関係がありません。それから、また現に、全然恩給十七年を開始しておらぬ者は、出入りしても全然関係がありません。それからまた公団に行きっぱなしになりましてやめた者もこの
規定は受けない。こういう
考え方がいろいろ込み入っておりますので、別に御
説明の機会に詳しく御
説明申し上げたいと思います。三十六ページの第六十条の
規定は、納付金の関係であります。
それから第六十一条には、大蔵大臣等との協議でありますが、
建設大臣が公団を監督するにつきまして、国の財政に関する事項等につきまして、大蔵大臣に事前に協議するという
規定であります。
それから第九章に罰則のことを書いておりますが、これは大体類似の団体と同様
程度の罰則を課することにしております。
次に、三十八ページの附則でありますが、第二条に設立の手続を書いております。設立
委員を任命して諸般の設立手続を行わせることを
規定しております。
四十ページに参りまして、第三条に
業務の特例を書いております。「公団は、第三十一条に
規定する
業務のほか、当分の間、
日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定第七条の
規定に基き
政府が接受することに同意したアメリカ合衆国
政府の
職員の居住の用に供する
住宅の賃貸その他の
管理を行うことができる。」これにつきましても別に詳しく御
説明申し上げたいと思いますが、ただここには賃貸その他の
管理を行うことができるといたしたのでありまして、もちろんこれを新築する等のことは
考えておりません。なお、これに該当する
住宅は約百六十戸
程度と
考えております。
第四条には、三十年度の
予算等に関する経過
措置を
規定しております。第五条、六条、七条、八条、九条、これらはいずれも税法上の減免
措置のことに関しまして
規定をしております。
第十条は、
土地収用法の関係でありますので、
計画局長から御
説明申し上げます。
第十一条には、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する
法律の一部を改正いたしまして、公団の発行する
住宅債券を引き受けてもらいますとか、
住宅公団に対する貸し付けができることにいたそう。かように
考えております。
第十二条には、やはりこれも区画
整理関係でございますので、後に御
説明することにいたします。
四十四ページに参りまして、
建設省設置法の改正でありますが、これは公団設置に伴いまして、所要の改正をいたしたものでありますが、ただ、中に先ほど申し上げました
住宅公団の
業務を受託することができるという
規定を入れておりますのと、四十五ページの終りの方に、
住宅公団の監理官というものを置くということを、この
建設省設置法の改正でうたっております。第五条の三といたしまして、新たに「第三条第二十三号の五に
規定する事務のうち
住宅公団の
経営一般の監督に関する事務を行わせるため、公団の監理官二人を置く。」かようにいたしております。四十六ページに参りまして、この監理官は
職員の中から任命する、かようにいたしております。
私の所管します部分だけの御
説明を終ります。