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国務大臣(
竹山祐太郎君) 大
へん御
心配をかけました
台風も、
部分的には非常に
被害が激甚でありましたが、二十四号、五
号等おかげで大した
被害もなく済みまして、御同慶にたえない次第であります。
二十二号につきましては、だいぶもう時期もたっておりますから、詳しいことは省略をいたしますが、御
承知の
通り、
九州を縦断をいたしましたので、
九州、
四国、
山口、広島というふうに
被害を受けたわけであります。
おかげで
直轄河川で一箇所も破堤をいたしませんので、
河川につきましては大きな
被害はなかったわけでありますが、今度一番ひどいのは、
山口などについては瀬戸内海の、ほかもそうですが、
海岸堤防が非常にやられましたことと、それから今度の
被害の
特徴は、宮崎、
鹿児島に
おいて特にそうでありますが、
住家が非常にやられまして、今までにも例のないことはありませんけれども、特に今度は雨が少くて、風が五十メートル以上も吹きましたので、
鹿児島等は非常に
住家がやられまして、
住宅対策の方がむしろ大きな問題になりましたことが今度の二十二号の
特徴であります。
二十三号は、御
承知のように、比較的少かったので、主として
山口に集中をしまして、
豊後水道へ入りましてほとんど消えましたので、
高潮の害、ちょうど満月でありまして、
高潮の害によって
海岸堤防がやられたわけであります。同時に、その際
四国におきまして
高知、
愛媛、
南予の
方面が相当ひどくやられたわけであります。
二十五号につきましては、お
手元に差し上げてありますが、一時は非常に
心配をいたしましたけれども、全く本土にかからぬで急に速度を速めて太平洋に出ましたので、一時は出水の、利根川を
中心として
心配をいたしましたけれども、
手配を十分いたしておきましたが、荒川だけに警報を出した以外、そこまで至りませんで済みました。
被害の
状況から見ますと、埼玉、千葉、東京というところが二億台でありましで、若干
土木被害等を伴っております。
全体を通じまして直ちに
手配をいたしまして、
九州の方はちょうど
道路局長が参っておりましたので、直ちに
九州を一回り
現地の
調査をさせまして、帰ってからもちろんその
手配をいたしたわけであります。新しく置きました
災害査定官を四名、すぐ
九州に回しまして、
処置に早く手を着けるようにいたしました。
四国の方は
河川局長に
高知と
愛媛、
南予の
方面をすぐ回らせまして、これも
手配をいたしました。
山口は、私は昨日、一昨日と
山口に参りましたが、これも今申す主として
海岸堤防でありまして、全体の
対策としては、
予備金の問題は
おかげで、この間の
国会で御
審議をいただきました
災害国庫負担法が非常に
効果を発揮いたしまして、各県とも落ちついて、今までのように騒ぐ必要を感じませんので、事務的に
手配を進め得るのと、こちらは
査定官を早く、むしろこちらから催促をしておるような
状況で回らしておりますので、すべて事務的に
進行をいたしておりますから、
大蔵省に対しても必要な
つなぎ資金はすぐ出すようにあらかじめ
閣議で了承を得ましたから、これも
地方としてはすべて事務的に
進行をいたしておるような次第であります。今のところ、もちろん全体を通じましても、
予備金の範囲内に
おいて十分間に合う見当は確実でありますから、片づき次第、どんどん早く手回しをするようにいたしております。
住宅の問題につきましては、
新潟の問題と
関連をいたしますが、
新潟の大火につきまして、これまた突発の問題でありましたが、幸いにしまして、今度の
住宅対策のいろいろな施策が
おかげで非常に役に立ちまして、
公営住宅は、これは
災害の方も同時に申し上げますが、三割の
公営住宅は、ちょうど約千戸分の
予算が
災害用として留保されておりますので、そのうち数十戸使っております以外は全部ありますので、これで
新潟、それから今申す
台風地帯に必要なだけはすぐ
要求に応じて
手配をさして、
新潟も直ちに百戸はやるということで、すでにやっておることと思いますが、それ以外には例の
住宅融資保険が非常に
効果を発揮しまして、
新潟の第四銀行から
追加をしてくれということでありますので、すぐ二億、
資金の
追加を
手配をいたしました。それからなお公庫の金融につきましても、もちろん前例もあることでありますから、
地方の要望に応じてこれも対処する。それから
増築資金が、御
承知のように、新しく設けられましたので、これもまあそういうことを予想したわけではありませんけれども、この際でありますから、できるだけ活用してやったらよかろうということで、これも各県と
手配をいたしております。昨日も
山口に参りましたが、非常に
海岸の
漁村でありますから家がずいぶんやられておりますが、
公営住宅を建てろといっても、なかなか
地元の
負担が困難で十分にいきません。そこで私は
増築資金でやったらどうかというので、非常に喜んで、すぐ
検討をすると申しておりましたが、
漁村などはその方がどうも手ごろのように思っております。
それから
新潟につきましては、すぐ
住宅局長をやりましたのと、それから
計画局の係官が数名直ちにその翌日参りまして、
都市計画の、
復興のための
都市計画の準備に当らせまして、
県会、
市会が三日目だと思いますが、
臨時県会、
市会で
都市計画の
決定をいたしました。それに応じまして、
計画局は直ちに
計画を
現地に
おいてやるとともに、
大蔵省に対してこれの
予備金予算の
措置の交渉を始めまして、昨日最終的にこの
都市計画の問題はきまりました。当初約一億五千万円と
考えておりましたが、だんだん事務的に
整理をいたしました結果、
焼失面積は十一万坪で、
罹災総戸数が九百十二戸でありますが、これに対して
都市区画整理は十万八千坪、
都市区画整理事業費九千六百万ということに、これは
大蔵省ですでに
査定の
決定した額であります。当然この半分を
政府は
負担をいたすわけでありまして、これに対して
予備金で一千六百万、昨日話がつきまして、これは実は本年度中の
仕事の進捗から見てそれ以上はむずかしいという現実に立って、一千六百万、
政府は
予備金から出すということにきまりましたので、これについてもどんどん
仕事は
進行をいたしておるようなわけであります。
なお、
おいで下さるとお聞き及びになると思いますが、
前回の例によりまして、例の
借地借家臨時処理法の問題が、
新潟の方ですぐに問題が起りまして、
市会、
県会で
臨時処理法を適用しろという決議が行われたわけであります。これは
建設省としては
積極論でありまして、
法務省は相変らず
消極論でありました。しかし何といっても、これは
国会の議決を必要とするわけでありますから、今直ちに
政府がイエスかノーかということを申すわけに参らぬわけであります。しかし問題が問題だけに、この
方針が明らかになりませんと、紛糾がことさら大きくなるということでありますので、
地方の要請にこたえまして、一応これは
政府として
決定をすべきことではありませんので、
民主党の
政調会が
中心になりまして、
政府関係方面と
協議懇談をいたしました結論として、これは次の
国会に
おいて
新潟県選出の
両院議員の
共同提案に基いて、
前回も御
承知のようにすべてこれは
議員提案でありますが、この適用をするという、その場合は、
民主党としてはこれに同意するという態度のところまでを一応
決定いたしておるようなわけでありますから、
現地に
おいてはそういうことを心得て
都市計画の
進行に努力をいたしておるようなわけでありますので、これもあわせて御
検討おきを願いたい問題であります。
大体
災害の問題はそんなところでありますが、今度も
山口へ参りまして自然いやおうなしに耳に入った問題は、例の
補助金の
適正化の問題のその後の影響であります。まあ一方的にという見方もあるかもしれませんが、今度は
山口県、非常に
適正化におびえまして、なかなか
町村長がやりません。それで
堤防は切れているのだけれども、県がやれと言ってもなかなかやらぬという現状で、これは一に
適正化の問題の反響であります。私ばかりそういう言い方をするのはどうかと思いますが、今日も
閣議でそのことは率直に申しておきました。実は
一つおもしろい例は、
建設省の
査定官が行って、この前の
災害でここからここまで
復旧をするという
現地査定をして帰りましたものを、会計
検査院が行って、そんなにやる必要はないというので、ちょん切った。ちょん切ったところが、今度切れてしまってえらいことになっておりますので、
地元は非常に憤慨をしておるというような例もありますので、私は今日
閣議で
適正化そのものにだれも反対をするものはないであろうけれども、検察庁がえらいりきんで、
高知県では
町村長を引っぱったとかいうような、まあ何でもないときに引っぱっておるのでありますが、そういうことはほどほどにしないと、
仕事そのものに響いてくる。もう反省は十分にしているのだ。
程度を越えたことをしてもらっては困るということを、
閣議で実は一応発言をいたしたのでありまして、皆さんにも御
心配いただきましたが、私も
心配したような現象が起っておりまして、これについてはできるだけ行き過ぎのないように、
知事ともよく話をいたして
おいたわけであります。
大体ごく大ざっぱに申せば、それくらいで、
あと局長から詳しくまた御
報告申し上げます。