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1955-07-26 第22回国会 参議院 決算委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月二十六日(火曜日)    午前十一時二十九分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            青柳 秀夫君            谷口弥三郎君            岡  三郎君            中川 幸平君            石川 清一君    委員            石井  桂君            小沢久太郎君            大谷 瑩潤君            鹿島守之助君            木内 四郎君            西川彌平治君            白井  勇君            白波瀬米吉君            長島 銀蔵君            宮田 重文君            飯島連次郎君            島村 軍次君            常岡 一郎君            三浦 辰雄君            久保  等君            小林 亦治君            木島 虎蔵君            白川 一雄君            市川 房枝君   国務大臣    大 蔵 大 臣 一萬田尚登君    運 輸 大 臣 三木 武夫君    建 設 大 臣 竹山祐太郎君   政府委員    内閣総理大臣官    房会計課長   土屋  昇君    調達庁次長   安田  清君    北海道開発政務    次官      松田 鐵藏君    北海道開発庁企    画室主幹    柏原益太郎君    自治政務次官  永田 亮一君    自治庁長官官房    会計課長    石渡猪太郎君    防衛政務次官  田中 久雄君    防衛庁経理局長 石原 周夫君    法務政務次官  小泉 純也君    法務大臣官房経    理部長     竹内 壽平君    大蔵省主計局長 森永貞一郎君    文部政務次官  寺本 広作君    文部大臣官房会    計課長     北岡 健二君    厚生政務次官  紅露 みつ君    厚生大臣官房会    計課長     堀岡 吉次君    農林政務次官  吉川 久衛君    農林大臣官房会    計課長     武田 誠三君    通商産業政務次    官       島村 一郎君    通商産業大臣官    房会計課長   出雲井正雄君    運輸大臣官房長 山内 公猷君    郵政政務次官 早稻田柳右エ門    郵政省経理局長 八藤 東禧君    労働政務次官  高瀬  傳君    労働大臣官房会    計課長     澁谷 直藏君    建設大臣官房会    計課長     齋藤 常勝君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君    常任委員会調査    員       林  道雄君   説明員    会計検査院事務    総長      池田  直君    最高裁判所事務    総局総務局総務    課長      磯崎 良署君    日本専売公社副    総裁      松田 令輔君    日本専売公社審    査部長     内藤 敏男君    日本国有鉄道総    裁       十河 信二君    日本国有鉄道経    理局長     石井 昭正君    日本電信電話公    社総裁     梶井  剛君    日本電信電話公    社経理局長   秋草 篤二君   参考人    農林漁業金融公    庫総裁     山添 利作君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和二十八年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   ―――――――――――――
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまから第三十二回決算委員会を開会いたします。  昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算  並びに昭和二十八年度政府関係機関決算報告書  を議題といたします。  前回までに質疑をいたしまして、質疑は一応終了したのでありますが、委員懇談会並びに理事会におはかりいたしました結果、審議の締めくくりといたしまして当委員会として、ただいまお手元に配付しました案のような警告決議を行い、政府反省と自粛を促そうということに相成ったのであります。この警告決議案に御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議はないものと認めて、さよう決定いたしました。  では、これから政府に対し順次昭和二十八年度決算について警告を行うことにいたします。  本委員会は第二十二国会が再開されまして以来、過去三ヵ月にわたりまして、三十数回の決算委員会を開きまして、会計検査院から提出しました昭和二十八年度決算検査報告を慎重に審議いたしました。その結果といたしまして、幾多批難事項の中におきまして、特に政府各省に対しまして特別の注意をしていただきたいといろ諸点もございましたので、委員会におきましていろいろ偵電な審議の結果、特にその中で大蔵大臣農林大臣建設大臣運輸大臣防衛庁長官並びに日本国有鉄道総裁に対しましては、この二十八年度の決算につきまして厳重なる警暫を発するということになったのでございます。  まず、全般的な各省各庁並びに政府関係機関に対しまする一般的な警告を、本委員会総意として発する次第であります。   昭和二十八年度の決算において、各省各庁及び政府関係機関における不当経理会計検査院検査報告に掲記したものだけでも合計二、二三二件、その批難金額は概計百四十八億円に達しており、実体はその数倍に上るものと推定される。これら各省各庁及び政府関係機関のろちには経理の逐次改善されているものもあるが、概して改善の跡は認められない。収納未済補助金等不当経理予算の不経済、非効率使用など同様の事態が毎年繰り返されているのは遺憾に堪えないところである、速かにその原因を究明し、責任者に対しては適正な処分を行い、事後是正処理迅速適確にし、今後、制度運用改善内部監費励行などにつき適切な具体策を早急実施し、不当事態の絶無を期することを要望する。  一般各省各庁並びに政府関係機関に対しまする警告は以上であります。  次に、   昭和二十八年度決界に関し大蔵省に対し左の警告を発する。  昭和二十八年度決算において各省各庁に多額の繰越を生じ、又幾多の不経済事項が行われた事実に鑑み、三十一年度総予算編成に当っては厳密合理的な基礎に立ち必要な調整を行うべきである。  以上が大蔵省に対する警告であります。
  4. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 御指摘の点はまことに、ごもっともでございまして、昭和三十一年度の予算編成に当りましては、御趣旨に沿いますよう万全の努力をいたしたいと存じております。
  5. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に、防衛庁に対し警告を発します。    昭和二十八年度決算に関し防衛庁に対し左の警告を発する。  一、九百億余円に達する厖大なる国費を消費する防衛庁は、予算経済的効率的使用について特段の考慮を払い、不正、不当経理絶滅を期し、不当不正を引き起した責任者に対しては厳正な処罰をもつて臨むべきである。  二、会計経理について特に次の諸点につき留意を要望する。   1、予算編成及び執行に当っては、厳密合理的な基礎に立ちずさん、放慢であってはならない。   2、物資調達については、周到な調達計画原価計算を策定し、形式的な装備表に依存し過ぎることなく常に使用の実情に合致させ、広く内外諸物資価格を把握し、購買価格の決定及び納品の検収を自主厳正にし、不急不用又は高級に過ぎる物資調達せず、又反対に粗悪使用に堪えない物資を納入させることなく、経理の適正を期すべきである。   3、内部監査には特に意を用い、その機構及び構成員強化を図り、これが運用には実効を期すべきである。  以上が防衛庁に対する警告であります。
  6. 田中久雄

    政府委員田中久雄君) 御指摘の各点につきましては深く意を用いまして、今後におきまして再びかような事故が起らないように絶滅を期したいと考えております。  なお、防衛庁といたしましては、昨年度におきまして調達実施本部が独立の附属機関として、物資調達方面を担当することと相なりまして、さまざまの点が改善に向っておる次第でございます。なお、根本的にこの方面に当っても部内検討中でございます。予算編成及び執行の適正並びに内部監査の施行につきましても、せっかく努力中でございます。今後一そうの努力をいたしまして、再びさまざまの間違いが起らないようにしたい所存でございます。
  7. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に、農林省に対し警告を発します。    昭和二十八年度決算に関し農林省に対し左の警告を発する。  一、農林省決算一般会計及び各特別会計を通じ連年多額不当整理指摘され、政善の跡が認められない。この事態に対し抜本的な方途を講ずべきである。殊に不当経理については責任の所在を明確にし、責任者に対する処罰を厳正にし、事後是正処置適確迅速に行い、将来の改善につき適切な具体策を早急実施すべきである。これがため内部監査機構及構成員強化運用実効を期すべきである。  二、七百二十億余円に上る各種補助金等について特に次の諸点につき留意を要望する。   1、補助金等予算編成及び補助対象に再検討を加え、多種類に上る補助項目及び零細補助の非効率なものは整理し、総花的配分を取止め真に緊要な事務事業に収約を期すべきである。   2、公共事業費殊に災害復旧事業費補助金等につき事業主体の中にはその取得及び使用に関する誤った観念を持つものが多い。これを早急に一掃すべきである。   3、国の側における査定の適正、殊に実地査定励行を徹底し、そのためには現存査定官機動的配置及び強化を企図すべきである。   4、不当交付補助金等返還等是正処置迅速適確実施すべきである。  三、食糧庁関係においては次の諸点につき留意を要望する。   1、外国食糧の輸入に関して累年巨額国損を生じている。速かに適切な是正改善措置を講ずべきてである。   2、その第一着手として現在主食不適格の滞貨病変米十五万余トン九十三億余円につき早急に具体的処置案を樹立実行すべきである。  四、農業共済保険においては、次の諸点につき留意を要望する。   1、本共済保険制度が理論上は合理的であるが、実際の運営及び効果において、必ずしも適切でなく、農民にも未だ十分に理解と協力を得ていない現状に鑑み、更に適切なる根本方策検討樹立する要がある。   2、農業共済運営上差し当って損害評価掛金徴収共済金支払健全化につき各関係団体に対し、適切なる具体策を指示して改善を期すべきである。  以上が農林省に対する警告であります。
  8. 吉川久衛

    政府委員吉川久衛君) ただいま御指摘諸点まことにごもっともでございますので、ただいまの御決議趣旨を体して善処する所存でございます。
  9. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に、運輸省に対して警告を発します。    昭和二十八年度決算に関し運輸省に対し左の警告を発する。  一、運輸省監督行政は全般に消極的であり、例えば日本国有鉄道に対する関係においても最近に至って漸く日本国有鉄道経営調査会を設けて諮問機関としたに過ぎない。また造船融資の問題も積極的な監督の欠如がその一因をなしている。   次に公共事業費補助金等については連年多額不当経理が摘発され、改善の跡が認められない。この事態に対し、抜本的な方途を講ずべきである。殊に不当経理についてはその、原因を究明し、責任者に対する処罰を厳正にし、事後是正処置適確迅速に行い、将来の改善につき適切な具体策を早急実施すべきである。これがため内部監査機構及び構成員強化運用実効を期すべきである。  二、公共事業費補助金等について特に次の諸点につき留意を要望する。   1、補助対象事業に再検討を加え、非効率なものは整理し、総花的配分を取止めて真に緊要な事業に収約を期すべきである。   2、災害復旧事業費補助金等につき、事業主体の中にはその取得及び使用に関する誤った概念を持つ者が多い。これを早急に一掃すべきである。   3、国の側における査定の適正、殊に実地査定励行を徹底し、そのためには現存査定官機動的配置及び強化を企図すべきである。   4、不当交付補助金等返還等是正処置迅速適確に実施すべきである。  以上が運輸省に対する警告であります。
  10. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) ただいま御警告に相なりました運輸省監督行政の上における経理監査強化せよ、あるいは公共事業費に対する重点的使用あるいは査定適正化等の御警告は、全くわれわれといたしましても、その御警告趣旨を体して、行政刷新をはかりたい所存でございます。
  11. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に、建設省に対する警告を発します。    昭和二十八年度決算に関し建設省に対し左の警告を発する。  一、治水関係事業において直轄事業補助事業とを通じ綜合的治山治水計画の線に沿うよう企画立案することが望ましく、また工事対象が総花的に分散され事業の進行が遅延することを防止し、真に緊急適切な事業を選定すべきである。    公共土木災害復旧事業費補助金等不当経理については実地査定励行により逐次改善の跡も見られるが、更に善処すべきである。殊に不当経理についてはその原因を究明し、責任者に対する処罰を厳正にし、事後是止処置適確迅速に行い将来の改善につき適切な具体策を早急実施すべきである。これがため内部監査機構及び構成員強化運用実効を期すべきである。  二、約三百八十億円に上る公共土木災害復旧事業費補助金等について特に次の諸点につき留意を要望する。   1、補助金等予算編成及び補助対象に再検討を加え、非効率なものは整理し、総花的配分を取りやめて、真に緊要な事業に収約を期すべきである。   2、災害復事業費補助金等につき、事業主体の中にはその収得及び使用に関する誤った観念を持つものが多い。これを早急に一掃すべきである。   3、国の側における査定の適正、殊に実地査定励行を徹底し、そのためば査定官強化を企図すべきである。   4、不当交付補助金等返還等是正処置迅速適確に実施すべきである。  以上が建設省に対する警告であります。
  12. 竹山祐太郎

    国務大臣竹山祐太郎君) ただいまの御警告に対しましては、一々われわれもよく御趣旨を体して、今後の実行によってこれにおこたえいたしたいと思います。すでに本年度予算におきましても、この線に沿いまして災害査定官を倍に増員いたします等、また予算編成に当りましても、地方負担率を軽減いたします等、われわれでき得る限りのことはいたしておるつもりでありますが、なお、今後御趣旨に沿って善処をいたす考えであります。
  13. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に、日本国有鉄道公社に対し警告を発します。    昭和二十八年度決算に関し日本国有鉄道公社に対し左の警告を発する。  一、年間の収支二千五百億円を越える大公共企業体として部内に対する綱紀粛正業務統轄把握、部外に対する監督規制が不十分なところに最大の欠陥がある。洞爺丸紫雲丸の両事件及び検査報告批難事項外郭団体の問題等指摘された事項に鑑み、急速に改善を図るべきである。  二、日本国有鉄道運営及び経理に関し特に次の諸点につき留意を要望する。   1、部内綱紀粛正を徹底し、機構の改正、業務刷新統制能二化につき具体方策を樹立実施すべきである。   2、いわゆる外郭団体に対する世上の非難等にも鑑み、改革整備を行うべきである。   3、検査報告批難事項の多数が日本国有鉄道特殊関係ある団体との契約に関する事実に鑑み、これら特殊関係に基くことなく、公正明朗なる契約に改めるとともに、既契約に基く不当事態の回復については早急強力な処置を取るべきである。   4、民衆駅の運営は旅客の利便に奉仕すべきであるのに、まま構内営業本位に流れる傾向があるのは遺憾であり、是正すべきである。  以上が日本国有鉄道公社に対する警告であります。
  14. 十河信二

    説明員十河信二君) ただいま御指摘に相なりました点につきまして、特に綱紀粛正業務刷新等に対しまして、御指摘の御趣旨を体して、今後最善の努力をいたしておこたえいたしたいと勘考いたしております。
  15. 山田節男

    委員長山田節男君) 次にこれより昭和二十八年度決算三件につきまして、委員会として結末の議決を行いますため討論に入ります。  昭和二十八年度決算についての本委員会議決内容の案は、先般来委員懇談会並びに理事会において打ち合せた結果を取りまとめまして、ただいまお手元に配付してある通りでございますが、これより調査員をして朗読いたさせます。
  16. 林道雄

    調査員林道雄君) 本件を審査した結果、  1、会計検査院検査確認又は検査完了した一般会計特別会計及び政府関係機関決算のうち決算検査報告指摘された不当事項及び是正事項については会計検査院意見を同じくする。  2、右決算のその他の部分については異議がない。  3、今回の決算審査の結果明らかになったことは、会計検査院批難事項が累増しており、適正経理に対する政府当局者配慮努力が足らないことである。    決算委員会において従来論議のあった徴収措置予算経理、の施工、物件及び役務の調達補助金等経理等につき、その後も同様の不当事態が発生しているのはまことに遺憾である。特に防衛庁物資調達に関する著しい不当事例農林運輸建設各省公共事業費補助金等に関する多数の不当経理日本国有鉄道における不当契約等は注目すべき事項である。補助金等の問題については、決算委員会において昭和二十六年度決算にっき特に審議しその是正方内閣に要望したところであり、又防衛庁物資調達及び日本国有鉄道不当契約についてもすでに昭和二十七年度決算において批難対象となったものである。よって内閣に対して次の通り警告を与える必要があると認める。    昭和二十八年度決算においては、会計検査院検査報告不当事項又は是正事項として掲げたものだけでも合計二千二百三十二件、その批難金額は百四十八億円に達しており、不当経理実体はその数倍に上るものと推定される。決算委員会においてその内容を審査した結果、会計横査院の批判と意見を同じくするとの結論に達した。内閣はこのような事態について深くその原因を究明し、関係者反省を求めるとともにすみやかに是正改善措置をとることを要望する。    次に特に内閣注意を喚起したいのは、会計検査院によって指摘され、決算委員会においても問題となり、政府当局もその不当性を認めた事項について、その後政府側のこれに関する改善措置が遅々として進まず同種の不当事項が繰り返されているばかりでなく、個々の事項についての善後処置適確に実行されていないものが多いことである。これらば政府当局者会計検査院批難及び国会警告に対して反省努力が足らない結果であり、又不当事項関係責任者に対して適切な処分が行われていないことにも一因があると認められる。もちろん処罰だけで事態改善をはかることはできないが、今日のように公務員として職務の遂行に当然払うべき努力を払わず安易な方途についたため積極的又は消極的に国損を来たしているにかかわらず、温和な処置にとどめる状態のもとにおいては、綱紀粛正事態改善は到底望まれず、国民の不信は深まるほかはない。内閣はすみやかに国家公務員法による懲戒処分励行して右のような弊風を打破し、公務員の正しい規律を確立することに努める必要がある。    次に、補助金等に関する不当事項が年々多数に上っているが、これらのうちには補助金等を受ける事業主体の側の不実な申請又は不当な使用に基くものが多い事実にかんがみ、内閣はこのような道義を無視する傾向のびまんを防止するため事業主体の当事者にも処罰をもって臨むべきである。また各省庁の業務及び経理是正刷新は、会計検査院検査に依存するところ大ではあるが各省庁の内部指導内部監査により常時推進されることが望ましく、決算委員会において昭和二十八年度決算審査に当り特に各省庁の内部監査検討を加えた結果、その機構構成員及びその運用については、なお改善を要するものがあることを認めた。
  17. 山田節男

    委員長山田節男君) 本議案につきまして討論の通告がございますので、順次発言を許します。
  18. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 私は自由党を代表いたしまして、昭和二十八年度の決算三案に対し承認を与えんといたします。しかしこれを承認するに当りましては、ただいま決議がございましたが、その決議趣旨に沿うて強く政府に次のことを要望いたすものでございます。  簡単に申し上げますが、政府のこの予算執行を見ますると、会計検査院指摘のございまするように、年々多数の不当、不正の事案がございまして、まことにこれは遺憾でございまするが、その中でも特に目立ちまするものは、補助金に関する執行がきわめてまずい点でございます。この国の予算は、申すまでもなく国民の貴重なる税金からなっておるものでございまして、一円、一銭といえども、これが不当、不正、むだに使われることは断じて許すことができないのでございます。しかるにこの補助金等につきましては、非常にその点が乱れておりまして、これを改めなければ、とうてい国民の期待に沿うこともできず、また国の繁栄もできないと思うのでありまして、この点は特に政府におかれまして、強くこれが改善努力をいたされたいのでございます。私がこの決算報告等を見まして、またそのうちの特に感じましたことは、これは根本的に国費に対する観念が一部誤まっておるのではないかという点でございまして、この点は特に一つ補助を受ける側におきましても、また補助を出される側におきましても、特に注意をいたされたいのでございます。もしも誤まって必要以上の補助を受けるがごときことは、まことに不名誉であり、恥であるという強い考えを持っていただきたいと同時に、これを査定される側におきましても、万全の注意をもって、周到な注意をもって、必要なるものはもちろんこれを交付しなければなりませんけれども、必要以上のものをむだに出すというようなことはまことに遺憾な次第でございます。その件数が相当多い上に、私が残念に思いまするのは、中に悪質なるものがある、この点でございまして、どうかこういう点につきましては、政府当局におかれまして特に注意をいたされたいのでございます。その査定に当られる方々においても、ずいぶん努力はされていると思いまするけれども、どうかこれに当っては、もし誤まった場合においては、職を辞するくらいの、強い責任感のもとにことに当るならば、かような誤まりをすることは減ってくると思うのでございます。どうかこの点に強い注意を払われまして、ただいつもすんだことだから、適当なる釈明をすればいいというような、一時逃れの気持ではなしに、真に努力したと思える強い気持のもとに、貴重なる国費の使途について、特段注意を払っていただきたいのでございます。この点を強く要望いたしまして、この決算承認いたすものでございます。
  19. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 私はただいま議題になっておりまする昭和二十八年度の決算三案に対しまして、緑風会を代表して承認をしようとするものであります。  この機会に希望を、と申しますか、私の所感の一端をつけ加えさしてもらいたいと思うのでありますが、先には、本委員会総意をもって、いわゆる指摘を多く受けた関係の官省に対して警告が発せられ、これについて、そのそれぞれの所管の大臣は、御指摘もっともであって、今後その点については特段注意をするという決意の御披瀝があった。おそらく前のこの決算の報告に当っては、それぞれこういつた、いつも今後はそういうような指摘を受けることのないように努めるということは、いわばきまり文句のように、そのつど決意が披瀝されてあるのでありまするけれども、その結果どこまで、どれだけ改善をされたかということは、先ほど審査の結論が報告されたところでもおわかりの通りに、なかなか改善のあとは、遅々としてそのあとを見るのに苦しむ。しかもこのためには人員の増ということについては極力慎しみ、あるいはさらには事態を整理しなければならないというような今日のいわゆる緊縮のさなかにあって、会計検査院機構を拡充して、そうして一局を設け、数課を増設しなければならぬといったような事態になっているのは、全く情ないというべきなのであって、私はこれらをもって、先ほど青柳委員からも討論で述べられたことは、私は同感なのであります。しかもその問題の一つとして私が指摘したいのは、政府執行機関というものの、局長あるいは部課長、係長といった、それらの間の一体責任というものが明らかにされてないという問題これは一つ研究をしなければならない。その責任感というものを十分にとるような体制を至急考えるべきじゃなかろうか、私はこの点を思うのであります。  ただ、たとえば一つの補助金の問題にいたしましても、はんこばかり十も十五もついているんだけれども、そのうちのだれが一体その問題についての責任者なんだということが、それぞれの官庁において必ずしも明らかになっていない。私はそういったような問題も大きな問題として取り上げなければならないだろうと思うのです。補助金が非常にずさんに使われているというこの事実、これは事実で、まことに遺憾だが、だからといって、その補助事業自身が補助対象にしてはおかしな事業であるということにはならない。私はそういった責任体制のもとに、また一面において受け入れ機関、地方公共団体なりあるいは関係団体なり、こういうものの受け入れ機関というものに対して、先ほど来指摘されておるように、いわゆる補助金というものについて、必ずしも適正な認識というものの上に立って、その合理的利用というものをやるという風潮がいささか欠如しておるのじゃないか、この点をどうしても啓蒙しなければならない。政府責任の体制を立て、そして受け入れ機関にその啓蒙による真剣な、この乏しいまた困難な財源の中から受けるその補助金等に対する考え方を真剣に考えれば、私はこういつた指摘される点がずいぶん減るんではなかろうか、この委員会で本年指摘されました二千数百の中から六件をとって、その当時その六件の指摘された代表的と申しますか、ものを選んで、わざわざ地方団体等から参考人として上京してもらって、この委員会の席へ出て、そうしてその案件について一体どこにそういった原因があるか、今後どういうふうにすれば、こういった問題を少くしていけるかということが真剣に討議されたのであります。私はその経験から見ても、さらにその当時の、たとえば村長さんでなくて、今度は町村合併によって新しい町長さんになったという人が呼ばれて、その当時のその県の土木部長ではなくて、新しくなった土木部長が呼ばれている、こういったようことでなしに、一段とあの経験からみて、私は当時の人に来てもらって、そのときの状況等を討議することによって、そういった指摘されるような事態の起った原因というものを究明するというようなことにすべきであるというような考えをもちました。さらにその前に当然すべきことでありますが、政府各省決算をやる場合に、現在のその職にいる人、これはもちろん役所のことでありまするから当然その人が、前者がやったことであっても、十分に知り、かつ反省を加え、今日こういうふうにやっているといったようなことを熟知していなければならないのに、前の人、あるいは前々の人であるということによって、その当時の事情、あるいは批難事項に対するところの説明というものがはっきりしない場合がたくさんある。私は民間のそういった団体にまで来てもらうというこの委員会のあの考え方を、もっと手近な、いわゆる政府部内におきますところのこの案件に対しての審議のときには、その当時の責任者であった人にも来てもらうといった道も開いて、そうして何とかして指摘されますような問題が年を追って少くなり、やがて会計検査院機構というものを縮小しても差しつかえないといったようなことになることを期待する、そういったことを期待いたしまして、私はこの三案に賛成をするものであります。
  20. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は社会党第四控室を代表して、昭和二十八年度歳入歳出決算三件に対し承認をいたします。  本日ここに三件の承認の締めくくりとして政府各機関の代表者をお招きして警告を発せられたわけでありまするが、何としても昭和二十八年度の予算執行に当っての問題でありまして、当事者としての責任感といいますか、そういったものがやはり審議の過程において稀薄ではなかったかという一つの感想を持っておるものであります。この点については、従前もそのような弊があったということも認めて、われわれ決算委員会としては、鋭意この決算審査に当ってきたつもりであります。従いまして、この警告決議を発した決算委員会としては、早急に昭和二十九年度の予算執行を審査すべき段階に今やきておると考えるわけであります。われわれは昭和二十八年度の結果にかんがみて、昭和二十九年度の予算執行が一体どのようになってきたか、どのようになっておるか、非常な関心を持っておるわけであります。さらにその結論として、昭和三十年度の予算が現在執行されておるわけでありまして、こういった問題について、果して政府当事者が改善を顕著にやってきているかどうか、こういう点に多くの関心を持っております。特にこの二十八年度の決算は吉田内閣当時の業績であります。多くの問題を持っております。一兆円になんなんとする国家予算の中において、完璧とは言えないとしても、これをもっと効率的に使用してもらいたいというのは国民の声だと思うのであります。そういうふうな中において、われわれが審議しておるわけでありまするが、鳩山内閣においても、特に組閣以来綱紀粛正というものを第一に掲げてきたわけでありまして、新生活運動もこれから着実に実行していこうというならば、先ず範を政府がたれなくてはならぬと思うのであります。口に新生活運動を唱え、口に綱紀粛正を唱えている政府が、単に組閣当初ゴルフ、マージャンを禁止しただけでは、私は国民に対して真に締めくくりをつけたとは言えないと思うのであります。従いまして私は今後これらの問題について、十分慎重審議検討されて、ただいま行政府機関の代表者から御答弁がありましたように、その言われた通りのことを一つ着実に早急にやってもらいたい、これがわれわれのお願いであります。われわれ決算委員会もさらに努力を重ねまして、国民の声に答えるべく、これからわれわれもさらに業績をあげるつもりであります。何とぞ政府におかれましても、繰り返しお願いいたしまするが、あと片ずけのついていない問題が多くあるのでありまして、一つこの点について特段の善処を要望いたしまして承認にかえる次第であります。
  21. 中川幸平

    ○中川幸平君 私は日本民主党を代表いたしまして、昭和二十八年度決算関係三案を承認することに賛意を表したいと存じます。  昭和二十八年度の決算に対する会計検査院検査報告は、先刻委員長から言われたごとく、批難事項が大小合せて二千数百、国家に与えた損害が百数十億と推定され、もしこれを全般にわたって検査をしたならば、その数倍に上るであろう、国家の総予算の五%か七%か、多大の金がさような所に流れておる、まことに寒心にたえない。ことに各種の補助金の地方の状態を見ますると、おのおのの事業主体補助金を受け入れる観念に根本的に誤まりがある。また補助金を世話する国家の忠実な出先機関として働かなければならぬ地方公務員が、いたずらに地方事業主体に迎合して、七割補助ならば七割、八割補助ならば八割で事業が完結できるのとは逆の指導をしておる。のみならず、それ以上の水増しの設計をして中央官庁を欺いておる。かような事柄を繰り返しておったならば、一体国家の前途はいかようになるか。当決算委員会山田委員長は近来にない名委員長で、全く憂国の熱情をもって本委員会運営されておる。開会以来毎週三回、しかも長時間にわたって各省各庁の批難事項について審議を続けてこられました。議員の各位もこの委員会に関する限り、全く政党政派を超越して、これらの事柄は最も究明せんければならぬ事柄であるが、過ぎ去ったことはともかくとして、今後いかようにして絶滅するか、この観点に立って審議を続けられたことは、私はまことに同感をいたすのであります。かような観点から、先ほどの警告を発せられた、ごもっともである。われわれ与党の一員といたしましても、全く賛意を表する次第であります。政府におきましては、先に会計検査院機構を拡充され、また最近は補助金等に係る予算執行の適正化に関する法律案を提出され、この法律が成立いたしますると、全国に対して一大警告を発することになると思うのであります。しかしながら会計検査院の一部の拡張あるいはこの法律をもっていたしましても、十分な効果はとうてい望むわけには参りません。何としても政府各省各庁の自己監査の機構を拡充し、また一そう自粛自戒されて、これらのことが再び国会並びに国民の批判の的とならないように十分の努力を要望いたしまして、この三案の承認の賛成の討論といたす次第であります。
  22. 小林亦治

    ○小林亦治君 私は社会党第二控室を代表いたしまして、昭和二十八年度決算三件に対して承認に御同意したいと存じます。  それはただいまのこの警告を発せられました通り各省庁及び各政府関係機関に対する警告並びに各省、公社それぞれの警告に対しまして責任者から神妙なるごあいさつがございましたので、やむを得ず承認するということなんでありまして、決して喜んで承認をするのではございません。私は決算委員であることが五年、しかも第十九国会から二十国会にかけて決算委員長の職について、この決算に関してはあとう限りの努力を払って参ったっもりなんであります。ところが年々繰り返されるこの決算の審査、それに関するところの当局の御弁明、あるいは特段決議をもって警告を与えたこともありまするが、同じことが繰り返されておるのであります。検査院の機構の拡充をはかり、政府に対しては厳重なる警告を発して、それが新しい憲法制定以来、ほとんど八回にわたる決算にもかかわらず、一向改まらない。発問も答弁も同じような繰り返し、かようになって参りますると、今日の決算機構ではすでにだめだということに相なってくるのではないか、これをおそれるのであります。毎年同じ警告を発して同じような答弁をいただいて、しかもなお改まらない、批難事項は年々増加する一途をたどっている。ことに昭和二十八年度におきましては、二千二百三十二件、かようになって参ると、いかに決算努力をしてもふえるのみである。こういう結論になると、委員各位からも仰せられました通り、これはもはや会計検査院国会決算委員会では不適当である。少くとも力が及ばない、こういう結論になったのであります。次にくるものは何であるかということをよく考えていただかなければならない。われわれも考えます。これではだめであるから、一大改革の断行をしなければならない、強い言葉でいえば、革命といいましょうか、もっとほんとうに申し上げれば大改革の断行ということになる。国の決算を爼上にのせ得るものは会計検査院と衆参両院の決算委員会のみなんであります。これをもって満足な決算の審査がだめだとするならば、これはよほど考えてもらわなければならない。だめであるにしても、官僚に対して私どもが望むものは、責任を持ってもらいたいということなんであります。不可能を検査院は責めておらない、不可能なことを決算委員は責めておるのではないのであります。可能なるものに対して、しかも批難に値するところの結果が出たというゆえんのものは、不注意であることと、怠慢であることと、しからずんばずさんであること、この三点に尽きるのであります。しからば不注意、怠慢、ずさんによって国に損害を与えたる者の責任はどうかといいますると、これは諸外国の立法例にもありまする通り、先ず民事上の賠償なんであります。賠償が適当でない場合にはその職を辞する、これ以外にない。この綱紀の締めくくりの二点がゆるんでいるから毎年同じような批難事項ができる。しかもお茶を濁したような結末に終っておる。国民はこれに対して怨嗟の声を放っておる、こういうことなんであります。先国会におきましても、懲戒処分の厳正ということを求めて、院議をもって決定したのでありまするが、依然としてその懲戒が厳正に行われておらない、こういうことなんでありまして、どうか政府部内、それから担当する各官僚諸君においても、この点を深くお考え願って、この次にはおそるべき事態が参るんだということを深く御留意願ったならば、私どもの憂うるところの革命あるいは一大改革の断行などという荒々しい事態が参らずして済むと思うのでありまして、自分一家の家庭を処理するの気持国費使用に当っていただかなければならぬと、今日よりこれを痛感する次第なんであります。前の国会の本会議で私も申し上げました通り、もうこのままの状態では官僚国を亡ぼすと言われても仕方がないのであります。一兆億予算政府関係機関特別会計、こういうものを合せれば三兆億を越える国の予算なのであります。その使い途が厳正に、アメリカのように一個の支出に対して特別にそれだけの会計検査をなすということで爼上に上げて検討しましたならば、不当支出、あるいは不経済なる支出というものの額は、これは想像ではなはだ恐縮なんでありますが、おそらく三、四千億を越えるのではないか、こう思われる。皆さんも御想像下さい。ぴんとくるものが必ずあるはずです。かようなことではとうていこれは現在の官僚機構、現在の国家機構をもつてしては、国民の血税を円満に使うということは不可能なんであります。ひとのやったことである、あるいは機構上の責任だけだ、こういう安きに甘んじて眠っておるのが今日の官僚の状態なんであります。民主党内閣も長い間の野党の努力が結ばれて、せっかく今内閣のひな壇におられるのですが、諸君が野党時代に叫んだところの抱負を一つ断行していただいて、われわれの心配するところを除かれたならば、これは国民のかっさいを得られるに違いないのであります。そのことをまず政府に希望しておきたい。  最後に、昭和二十七年度の決算が、昨年の十二月に結びをつけて、それからわずか半年あまりの間、膨大な二千二百三十二件というものを遺憾なく処理せられて、本日承認の段階に達しましたことは、山田委員長の熱心さはもちろん、各委員諸君の御努力と御熱意、これまたもちろんであります。なおまた事務当局、専門員を初めとする事務当局委員部諸君の御努力に対しては、国民に代って本席あらためて感謝の意を表したいと存じます。  以上所懐を述べまして本日の決算三件にやむを得ず今回限り承認をしたいと存ずるのであります。
  23. 石川清一

    ○石川清一君 私もただいま議題となっております会計三件につきまして承認をいたしたいと存じますが、先ほど小林委員からお話がありましたように、終戦以来十年の日本の会計報告をみて参りますと、累年会計検査院指摘をする案件が悪質しかもこまかくなっておる点をみまして、日本の行政の将来に大きな杞憂を持つものであります。日本が戦争に負けた原因の一つが、落第をした経験のない、失恋の経験のない、失業の経験のない日本のかつての官僚が、当時の軍の強い力に迎合して出世街道をまっしぐらに進んだ点にあったと言われております。私は確かにその面のあることを肯定をいたします。今日日本に与えられておる民主主義の持っておる半面の愚劣さといいますか、未成熟な愚昧さに迎合しようとする日本の国家公務員行政の態度と措置が、この点に現われておるのではないか。新らしい日本の民主主諦の行政の立場に立って同じような杞灘を私はいたしております。国家の主権がかつて天皇の手にあった絶対のときと、今日人民の個々の一人の一票々々にあるその主権さえ迎合しよう、あるいは便乗しようとする点においては、何ら私は変りがないであろうと存じております。今日二十八年度の会計の報告をみまして、これは確かに吉田内閣のとったものであります。しかしながら鳩山民主党内閣綱紀粛正を表にかかげて、行政整理、人員整理が行えないこの情勢の中で、この行政機構の中で、一兆円の一般予算をあげて国民の悲願である民族の繁栄と国家の完全なる独立をかちとるためには、重大なる決心を今日以後なさねばならぬと存じております。中小企業者の事情をみますというと、多数破算続出をし、失業者が潜在より顕在化に、おそろしい勢いでふえて参っております。この中で国家公務員並びに地方公務員のみが優然国の予算の中で惰眠をむさほることは許されないと私は思います。従ってかつて私は支那事変に参加して玄海灘を渡ったことがあるのでありますが、当事一つの船団を護衛して参るときには、たしか十五ノットの船でも最低の六ノットの船に調子を合せて進んでいかなければならない。今日の日本の産業の構造、あるいは地域的な産業の状態からみましても、当然政治の重点を後進の未開発の地域、あるいは遅れているところの産業に向けなければなりません。従って行政の能力の最尖端はそういうところに向けられるのでありまして、三十一年度の予算編成については、単なる行政的な財政のバランスをとるのみではなくて、財政の効率的バランスが、遅れている業種、遅れている地域のないように、地方公務員、国家公務員綱紀粛正とともに、実現を期されることを希望いたしまして賛成をいたします。
  24. 市川房枝

    ○市川房枝君 私もただいま議題となっておりまする会計三案に対して、承認に賛成をいたします。ただ先ほど小林議員が仰せられました通りに、私も不満ながら賛成を申し上げたいと思います。  この機会に、決算委員として審議に参加しましたことから、感想あるいは官庁の方々に対しての希望を、少し申し述べさしていただきたいと思います。私は今度初めて実は決算委員になりまして、具体的に会計検査院指摘されました検査報告によって、いわゆる批難事項、不正不当事項の審査をやったわけであります。それを拝見しますと、全く国民の一人々々の立場から憤慨にたえないことばかりでございます。国民たちが汗水をたらして納めておりまする税金が、こんなにたくさん不当な事業、あるいは不正な事業に費消されているということに対するふんまんがやる方なかったわけでありまます。これはまあ私ばかりでございませんで、同僚決算委員の方々も同じだと思います。  決算委員会におきましての御審議の模様を拝見しておりまして、委員長初め各委員の方々、いわゆる与党野党の別なく、熱心に国民の代表としての立場から御審査になりました御態度に対して、私は本当に敬意を表しているものであります。そういう考えをもって決算委員会審議に出ておりまして感じましたことは、それぞれの関係官庁の大臣あるいは代表者の方々がそれぞれ御出席になりまして、会計検査院批難に対しての御答弁、あるいは委員からの質問に対してのいろいろなお答えがございました。ところが、ある大臣は一体検査院からどういうことが批難されておるかということすら御存じなくて御出席になったと思われるような場合もございました。その他御関係責任者の方々も、私伺っておりまして、これは大へん失礼な言い分かもしれません。いや、そういう方々はこの二十八年度の決算について直接の御責任のない方が多くいらっしゃったのかもしれませんけれども、割合にこの批難事項に対して、それほど非常に悪かったのだ、済まなかったのだというふうな御様子が見えなかった。いや、それでも外側から見ますと、関係官庁の方はただ決算委員会に三十分なり、一時間なりちょっと小さくなっておればいいのだという話もあったように伺ったのでありますが、私初めてこの決算委員会におりまして、そういう感じを実は持ったのであります。  そこでいわゆる会計検査院からはっきり批難をされておる事項に対して関係の官庁も、それをお認めになっておるのに、それに対するいわゆる処罰というものが非常に軽い。いや、ほとんど処罰されていない。ことに批難事項の一番多かったのは、先ほどのこの委員会決議の中にもありましたが、保安庁に対しての批難事項が非常にたくさんございました。そのときに、私は今申し上げました非常に処罰が軽いといいますか、何ら行われていないというようなことについて伺いましたところ、不正事項ならば悪いのだけれども、不当事項なんだ、不当事項は本人が別に自分のふところにお金を入れたわけではないのだ。だからそれを罰するには当らないのだ、こういうような御答弁をいただきました。これは実に保安庁ばかりではありませんが、各官庁の批難事項に対する処罰というものが全体に非常に軽い。このことは私は非常に重大な問題であると思う。自分のふところへ入れないから大したことでないのだという考え方、結局政府のものなんだ、自分の金じゃないのだから、少しそれをどういうふうに使ったってかまわぬというような考え方がそこから生まれてくるのではないか。これはいわゆる日本の国民性とでも申しましょうか、自分のものであるならば大事にする、しかし人のものなら遠慮なく使う。政府の金なら自分のふところがいたむのでないから、むだに使うというような考え方が、これは現在の官庁といわず、会社その他の方にも私は現存しておるということも認めるのでありますが、これが一般のいわゆる公徳心がないのだ、自分のうちの植木ならば大事にするのだけれども、公園の植木ならば折って一向かまわないのだというふうなところにも出てくるのでありまして、非常にその根は深いし、これは非常に困難なことは思いますけれども、しかし私は官庁において不当事項だからあまり罪がないのだという考え方、これを私はどうしても改めていただきたいということを痛切に感ずるわけであります。実はそういうふうにずっと批難事項を拝見しておりますと、これも少し誇張になるかもしれませんが、実は私はどうもお役所の会計というものは信用ができないのである、辛うじて会計検査院だけは信用できる、その会計検査院内容はよくわかりませんが、という感じを実は持ったほどであります。先ほどきょうの批難事項決議に対しまして関係大臣、その他の方々から、今後決算委員会趣旨を重んじて、そういうことのないようにするというお言葉をいただきました。その通りにできますならば、大へんにうれしいと思いますが、しかし昨年の決算のときも同じように、こういう回答がなされて、こういうようなことが繰り返されただろうと思う。これは先ほどほかの同僚委員の方からお話がありましたが、それであるのに今年は昨年よりも批難事項がふえておるという事態、きょうこういう会合が行われましても、二十九年度の決算のときにはまたふえておるというようなことにも私はなりかねないのじゃないかということを実は心配するわけであります。従って関係官庁のそれぞれの責任の立場におありになります方々は、どうか国民がみな税金払っておるのだということを御念頭にお置き下さいまして、不当不正事項のないことはもちろん、節約といいますか、官庁の運営において十分注意をいただく、それでありませんと、実は国民は税金を納めることがいやになってしまう。国民決算においてのこういう批難事項を一々知らないからまだいいのでありますけれども、これをこまかく説明をいたしますというと、私はみな税金を納めるのはいやだ、こういうことになりかねないのじゃないかと実は心配をいたしております。  これをもって私の討論を終ります。
  25. 小林亦治

    ○小林亦治君 冒頭に申し上げようと思ったことを申し落しましたから簡単簡単に……。  本委員会の二、三年来努力を払った問題でありますが、補助金の適正使用に関する法律案は、国会委員会に付託されて審議の過程にあるのですが、ただ本決算委員会の本会議の報告があさってあたりになろうかと思うのでありますが、もしあさって委員長が御報告になるまでに、この法律案が通ったならば格別ですが、もし通らない場合には、本委員会としてもこの法律案の通過に多大の関心を持ち期待をしておるということを委員長御報告の中にお加え願いたいと思うのです。特に昨年度におきましては、谷口弥三郎委員が小委員長として、暑いさなかこの補助金の問題について審議をされたのでありますが、どなたか委員の方々からの御発言にもありましたように、批難事項の圧倒的多数は補助金に関するものが多いのでありますから、この点も差しつかえなければ御報告の中に挿入せられて、当委員会の要望というものを一つ強調していただきたいと、これは委員長にお願いをしたいのであります。  以上であります。
  26. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいま小林君の御動議でありますが、この件に関しましては、過日の委員会でも御報告申し上げました通り、参議院の青木大蔵委員長と私が衆議院の大蔵委員長の松原君を訪聞いたしまして、この補助金の適正を期する法律案に関しては、参議院の方ではもう超党派的に大蔵委員会で一時間でもってこれは採決できてるという御発言がありまして、ぜひ衆議院の方で早く本審査を終えて参議院に少くとも二十八日までに回していただきたい、こういう実は申し入れをいたしたのでございます。なおその結果、衆議院の方に対しましては各会派の国会対策委員長に対しまして本決算委員会の諸君からこの点を特に強調をして早急に本審査に移れるように督促をしていただいたような次第でございます。それでただいま小林君の御動議でございますが、大体もし議決な得まするならば、本決算の報告を二十九日の本会議でいたしたいと思います。その間ただいまの小林君の御動議なんかも、各会派から一つ衆議院に対しまして早くこの法案を参議院に送っていただくようにお願いをいたしたいと思いますが、二十九日の本会議に報告が行われるまでに、万一この法案が参議院に本審査として回らない場合は、今の小林君の申されました発言の内容委員長の審査報告に含むことに御異議ございませんか、お諮りいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 山田節男

    委員長山田節男君) ではさよう決定いたします。  以上をもちまして、通告していただきました討論を終ったわけであります。ほかに御発言がなければ、これをもって討論は終結したものと認めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算並びに昭和二十八年政府関係機関決算報告書を問題に供します。右三件はいずれもお手元に配付しました案の通り議決することに賛成の方の挙手をお願いいたします。   〔賛成者挙手〕
  29. 山田節男

    委員長山田節男君) 全会一致と認めます。よって昭和二十八年度決算三件は全会一致をもって配布の案通り議決されました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容につきましては、審議中にありました各委員の御意見を十分織り込みますこととし、また規則第七十二条により議長に提出すべき報告書内容につきましては、ただいまの本委員会議決内容によりこれを作成することといたしまして、いずれも委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりまするから順次御署名を願います。
  31. 山田節男

    委員長山田節男君) ちょっと速記とめて。    午後零時四十七分速記中止    ――――・――――    午後一時二分速記開始
  32. 山田節男

    委員長山田節男君) では速記を入れて下さい。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時三分散会    ――――・――――