運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-07-21 第22回国会 参議院 決算委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月二十一日(木曜日)    午後二時十六分開会     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            青柳 秀夫君            野本 品吉君            岡  三郎君            中川 幸平君            石川 清一君    委員            石井  桂君            西川彌平治君            白井  勇君            長島 銀藏君            宮田 重文君            飯島連次郎君            三浦 辰雄君            大倉 精一君            亀田 得治君            久保  等君            近藤 信一君            木島 虎藏君            市川 房枝君   委員外議員            八木 幸吉君   政府委員    防衛庁次長   増原 恵吉君    防衛庁人事局長 加藤 陽三君    防衛庁経理局長 石原 周夫君    防衛庁装備局長 久保 龜夫君    建設省営繕局長 木村 惠一君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    防衛庁調達実施    本部長     武内 征平君    会計検査院事務    総局検査第一局    長       保岡  豊君    会計検査院事務    総局検査第二局    長       上村 照昌君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件昭和二十八年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまから第三十一回決算委員会を開会いたします。  先ほど懇談会で申し上げましたように、明二十二日午後一時から大蔵、決算連合審査会に参加いたしまして、補助金等に係る予算執行適正化に関する法律案を審議いたすことになっておりますので、御出席をお願いいたします。  まず、昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算  並びに昭和二十八年度政府関係機関決算報告書 を議題といたします。  本日は保安庁の部を審議いたします。批難事項として検査報告書に載っておりますのは、第十八号から第四十七号まででございます。本日防衛庁から御出席の方々は、増原次長石原経理局長久保装備局長加藤人事局長武内調達実施本部長建設省からは木村営繕局長会計検査院からは上村検査第二局長がお見えになっております。  では御質疑をお願いしたいのでありますが、本日本委員会の請求に基きまして、防衛庁の方から調達に関するきわめて膨大で詳細な資料の御提出を願ったのでありますが、この案件はいずれ継続調査事項となるやに私は了解しておりますが、この資料の概略と申しますか、この中のいろいろな用語上の問題、それから調達される方のシステムだけでも簡単に一つ説明を願えればけっこうだと思います。
  3. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) それでは昭和二十七、二十八、二十九年度中央調達品購入調書と申します資料について簡単に御説明いたします。御要求によりまして三カ年度分を出したのでありますが、実はできるだけ早くというととで、ちょうど整っておりますような資料をもとにして作りましたので、各年度で若干作り方、編集の仕方が違いますので、その点あしからず御了承願いたいと思います。  最初昭和二十九年度中央調達物品、これはほとんど全部が御存じの調達実施本部になって以来の調達のものでありまして、これは百万円以上の、中央調達実施本部の。ただし七月以前は各幕僚監部でありますが、その調達物品を全部網羅いたしております。  それでただいま一ページだけを御参考に申し上げますと、この表の作り方は大体大分類武器車両通信燃料繊維糧食といったような大分類をいたしまして、それを各会社別に、ちょうどそういう資料がございましたので、各会社別いろは順に区別して載せております。ですから契約月日の、必ずしも日付を追っておらないので御了承願いたいのであります。そこで品名数量金額とそれから契約月日と、それから契約方式一般競争指名競争随意契約ともう一つ特に書いてございますが商議、ネゴシエイションでございますが、当初一般競争もしくは指名競争で落札しない、その結果商議の方で契約が成立しました。これは一応随意という形になるのでございますが、誤解も受けやすいので、ことでは特に指名競争から、一般から、随意というふうに表示をいたしてございます。なおついででございますが、中央調達いたしますものは、糧食の大部分、それから修理部品の一部を除いた大半はこの中央調達ということでありまして、しかも百万円以下のものも若干ございますが、おもなものは大体この中に入っておると御承知願ってけっこうと思います。こまかい内容については、御質問に応じてお答えいたしたいと思います。  それから昭和二十八年度の分は、これは第一幕僚監部の分と第二幕僚監部の分とに分れておりまして、それぞれ幕僚監部調達した分でございますが、これも同様に百万円以上の分の調達品目でございまして、これは会社別でございませんで、同様に大分類は、武器通信繊維機械燃料糧食、備品といった、そういうふうな大分類でおおむね日付を追っているつもりでございますが、若干入れ繰りがあったと思いますが、それから契約方式については、同様に一般競争指名競争随意契約、それから商議、この四つに分れておりますが、便宜上ここで一般競争はA、指名競争はB、随意契約はC、入札不調等により商議の結果随意契約になりましたものはD、こういうふうな表現にいたしまして、同じく数量金額会社名契約年月日契約方式これだけを全部掲げてございます。  それから昭和二十七年度分につきましては、実はこれも前に一応整えた材料によりましたので、若干資料も、全部伝票を繰るのに時間的余裕がなかったものでございますから、資料の都合上、車両繊維、石炭、糧食だけにつきまして、同様に品名数量、それから契約方式供給相手方等をこの分類に従って並べた次第であります。二十七年度について若干資料が簡単であるのはお許しを願いたいと存じます。こまかい点については御質問に応じましてお答えを申し上げたいと思います。
  4. 山田節男

    委員長山田節男君) 上村検査第二局長にお尋ねいたしますが、二十九年度においても現在の防衛庁予算執行についての早期検査をやっておられますか。
  5. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 二十八年度につきましては、検査報告を出してある通りでございますが、二十九年度につきましては、現在検査をやっている最中でございまして、大体まとまりますのがやはり今年の終りころになるのじゃないかと、かように考えております。
  6. 山田節男

    委員長山田節男君) 早期検査は……。
  7. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 早期検査とおっしゃる意味がちょっと理解いたしかねるのですが。
  8. 山田節男

    委員長山田節男君) 他の官庁の場合と同じように、やはり予算執行年度に、二十九年度予算執行中に、年度中に並行して検査をされたかどうか。
  9. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 二十九年度については、もうすでに大体防衛庁の方で、決算なり決算見込みが確定しているわけだろうと思いますが、この分については早期検査とは申されませんで、一応やっているわけでございまして、三十年度の分につきましては、現在進行中のもので大きいものは、船あるいは航空機関係があると思いますが、こういうものについて、十分な必らずし検討はできておりませんが、予備審査的にある程度進めているわけでございます。
  10. 山田節男

    委員長山田節男君) 各委員の御質疑をお願いいたします。
  11. 岡三郎

    岡三郎君 会計検査院にお尋ねいたしますが、二十八年度は重点を三百九十四億円を占める物資器材調達において実施し、およそその四〇%について検討したと、こうあるわけですが、四〇%をいろいろと検討するということになっておりますが、あらかじめ大体どういうふうに四〇%なら四〇%ということを手配するわけですか。
  12. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 四〇%と申しますのは、むしろ結果的に申し上げた方があるいはおわかりがいいのじゃないかと思いますが、検査いたします場合に、計算の証明その他によりまして、大体どういう方面をやろうというようなことは、もちろん目をつけているわけでございますが、四〇%をやろうということで必ずしも出発したわけじゃございませんで、そういう今申し上げましたような観点から検査していった結果が、大体四〇%ぐらいという趣旨でございます。
  13. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、初めに大体検査の目的というものをやはり立てられると思うのです。大体日数をどのくらいにして、まあ人員をどうするというふうにやられると思うのですが、そういうふうにして一応検査していった場合に、やはげいろいろと不当事項とか、遺憾血事項というものが出てきた場合に、それじゃそういったものに当った場合に、さらにそれから拡大して調査する、こういうふうな方法をとっておられるのですか。
  14. 上村照昌

    説明員上村照昌君) ただいまのお尋ねのようにやっているわけでございます。
  15. 岡三郎

    岡三郎君 その結果として、これは総括的に価格算定規格決定購入数量検収方法等について、遺憾な事例が第一幕僚監部に多かったと、とういったような点について、防衛庁の方としては、第一幕僚監部に多く見うけられたというこの結果に対して、どういうふうな御検討があったか、一つ回答があったらしてもらいたいのですが。
  16. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 第一幕僚監部の方に何と申しまするか、検査におきまして多かったことは御指摘通りでございます。そこでこの第一幕僚監部に何がゆえに多かったかという点に相なるわけでございますが、御承知のように第一幕僚監部――陸上幕僚監部でございますが、これの持っておりまする装備器材というものは非常に何と申しまするか、種類が多く、数量相当多いということがございまして、第二幕僚監部――この当時はまだ第二幕僚監部しかございませんが、こちらの方の調達は船を――この当時はまだ航空機はございませんので、大体船舶関係を中心といたしました比較的その種類、幅におきまして狭かったという点もあるかと思っております。いずれにいたしましても、御指摘のような結果が起っておりまするので、ただこれは二十九年度以来、従来から申し上げておりますように、調達実施本部におきまして物品調達の方に取上げることにいたしておりますので、これは陸と言わず海と言わず、同じようにやるわけでございまして、そこに特に従来の成績を考えまして、十分価格の点、あるいは規格の点その他むずかしかったところにつきまして、特別の注意を払いまして調達に当るわけでございますので、陸だけが特に悪いというふうな結果は今後できるだけないようにしたい、まあこれは海についても同様でございまするが、そういう点につきましては今後いろいろ注意して参りたい。ただ会計検査院の御指摘の点でもございまするが、いわゆる装備定数というようなものは、これは陸上幕僚監部に存在するものでございます。この点は前々から申し上げておりますように、そこら辺の装備定数というものにつきましての検討を別途部内でやっておるわけでありまして、特に検査院の御指摘をこうむっておりまするとの点につきましての特段の改善をいたすつもりでおるわけでございます。
  17. 岡三郎

    岡三郎君 今の点について私検査院の方にお聞きしたいわけですが、第一幕僚監部に遺憾な事例が多く見受けられた、こういった点について何か結果的に指摘される欠陥があったかどうか。
  18. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 第一幕僚監部が多いといいます点は、物資調達が多いということがまず第一点でございますが、それからあるいは価格の点、それから物品を多く調達した面、それから規格の面、かような面が相当のってくるわけでございますが、価格の面にいたしましても、この価格の項で書いてありますように、物品調達相当新らしいもの等の関係上、検討が十分でなかったという点でございまして、さらに不急物品の点につきましては、調達する場合に調達数量がどれだけが適当であるかという点についての十分の検討が行われていない、その基本になりますものは多くの場合編成装備表というようなものが関連をもっておる。これは陸の方の関係にただいまお話のような関係で非常に多い、こういうことでございます。それから規格の点につきましても、これは主としてそのものに対する検討が行われなかったということもありますが、米軍規格を範にとられる面が非常に多いというような点が相当の影響をもって検査報告に掲載されておる事項が多くある、かように考えておるわけであります。
  19. 岡三郎

    岡三郎君 年度初めにこの購入計画を立てられるときに、大体予定価格算定して購入されるということがきまりとなっておると思うのですが、予定価格の立て方について甘いのではないか、つまり適正価格算定を十分考慮すべきであるとこの決算報告書に書いてある。その予定価格随意契約をした場合の価格とが非常に似た関係契約されておる、こういうところから考えて、予定価格の立て方がすぐ契約価格に影響してくる、その積算が厳密、周到なる調査を行なっているかどうかという点について十分考慮すべきではないかというような指摘を受けているわけです。それで予定価格を立てられる場合に、どの程度検討せられておるか、その点を一つお答え願いたいと思うのですが、物品に対する購入の場合の予定価格というものをどの程度厳密に立てられておるかどうか。
  20. 武内征平

    説明員武内征平君) お答えいたします。会計法に予定せられましたところの予定価格には御承知のように二種類ございまして、原価計算方式によるものと、それからもう一つ市場価格によるものと二つあるわけでございます。そのうち市場価格によるものにつきましては、私の方で毎月市場価格調査をいたしております。これが毎月価格調査報告書というのがございまして、これは金属機械理化学機械電気通信化学材料燃料、ゴム、皮革、繊維、食糧、用紙、事務用品梱包材料、こういう十二品目にわたりまして詳細に調査いたしまして、市価動きをこれでキャッチいたしております。大体この調査に基きまして、各幕僚監部から要求が出ましたものにつきましては、このカテゴリーに属するものにつきましてはこれに基いてやっております。従いまして市価によるものにつきましてはこの価格調査報告書を厳密に検討して、報告書に載せることによりまして、これを基礎にしてやるというのが一つのやり方であります。  もう一つ原価計算方式でありまして、これは市場品でないもの、これは先ほど装備局長からも御説明がありましたように、非常に防衛庁調達品につきましては市場品でないものが多いのであります。一口に車両と申しましても、自衛隊のトラックはシックス・バイ・シックス、六輪駆動と言いまして、おのおのの車に起動がかかるようになっておりまして、同じような形に見えましても、ステップが違うというような場合が多いのでありまして、従いまして幕僚幹部から要求がございますと、まずこれは原価計算方式によるべきであるか、この市価調査の、市場品分類に属するか、いずれかを検討いたしまして、そのどちらに属するかを分けます。そういたしまして、との原価計算方式によりますものは、そのスペシフィケーションで、いろいろ材料に何を使うとか、重さはどうするとか、この部分にはこういうものを使えとか、こういうスペックがあります。そのスペックから、例を自動車にとりますと、四トンの自動車には鋼材何トン使う、そうするとその鋼材材料幾ら幾らというふうに材料のまず計算をいたします。それからその車を作りますにつきましてのコストを調べます。コストの、単価を特に随意契約によりますものにつきましては当該会社のレーバーのコストを、一時間あたりの労働賃金を出しまして、これを直接賃金とし、それにつきまして一定の倍率のかかった間接工費を加えまして、材料費と工賃を合せたものに、これに会社のオーバー・ヘッドと申しまして、一般管理費も加えまして、それに何がしかの利益をみまして、これを総計する、こういうふうにしておるのであります。市場品によりますものは比較的簡単に出ますのでありますが、この原価計算をやりますにつきまして、品物によりまして、また会社によりまして非常に異なるのでありまして、そのときどきの、そのものによりまして、会社によりましてまたそのときどきの原材料動き等をよく見まして計算をいたしておるわけでございます。大体以上の二方式によりまして予定価格を作っておるのでございます。
  21. 岡三郎

    岡三郎君 検査院にちょっとお伺いしますが、今まあ予定価格算定方式を聞いたわけですけれども、検査院指摘している事項によると、業者側見積りをそのまま採用して予定価格算定し、これに基いて契約を締結しているため、その価格が必ずしも妥当と認められない事例が見受けられると、こう指摘されておるわけですが、業者側見積りをそのまま採用して予定価格算定したということは一体どこでわかったのですか。
  22. 上村照昌

    説明員上村照昌君) この例といたしましては二十四号のジープの購入がそれに当ろうかと思うわけでございまして、これはまあ外国で作ったものを購入するという関係上、防衛庁といたしまして資料その他がなかったという点はございましょうが、業者提出しました資料によりまして大体やっておる。しかしその資料を見た場合に、ある程度不思議に考えなければならん面があるにもかかわらず、その点についての十分の検討が行われていないというような事例から見まして、さようなことを申しておるわけでございます。
  23. 岡三郎

    岡三郎君 防衛庁にお伺いしますが、特殊物品については随意契約というのはやむを得ないというふうに考えますが、指名契約にしても、これは方法によってはやはり随意契約にほぼ近いことになってくるのではないかと考えられるわけであります。そういった点でいろいろ指摘されている事項の中でやはり随意契約とか、指名入札と言いますか、そういった点だけは十分検討していかけなればならぬではないかと指摘されているわけですが、こういった点において、どの程度改善されているか、具体的にそれをちょっとお伺いしたいのですが、具体的にやる場合に非常に膨大な、あるいは特殊な物品が多いと思うのです。特殊な物品とか、そこらのざらにあるものではない場合には随意契約価格を厳正に調査してやられることはやむを得ないと思います。指名入札の場合一般にどうなっているんですか、具体的な変遷ですね、いろいろやられた結果として、こういうふうにした方がいいんではないかといろいろ考えられた点があると思うのですが、それを伺いたい。
  24. 武内征平

    説明員武内征平君) 御指摘のように防衛庁調達におきましては随意契約が比較的多くありまして、昨年の実績の何を見ますと、契約件数が四千四百八十件になっておりますが、その中で随意契約が二千六十六件になっております。一般競争が四百六十一件、指名競争入札が千九百五十三件、こういうふうになっておりまして、随意契約が非常に多くなっております。しかし随意契約内容をさらに検討してみますと、最初から相手方会社が一軒にきまっておりまして、それと値を畳めたという場合と、一般競争入札あるいは指名競争入札に応じた、しかしながら当方の予定価格以内にその入札がおさまらなかったという場合におきましては、一般競争あるいは指名競争をして落札者がないという場合におきましては、会計法によりまして一番下の人から随契に移ってよろしいという規定になっておりますので、従いまして一般競争に付した、あるいは指名競争に付したけれども、予定価格以内の落札者がい安かったという場合において、随意契約に移った、こういう場合が多くあるのでありまして、先ほど申し上げました随意契約二千六十六件のうち特命と申しますか、最初から随意契約随契と申しますか、これが大体八百件前後であります。あとは一般競争乃至は指名競争になって参りまして、先ほどのような理由随契になった、こういうものであります。従いまして最初から随契でやったのは四千四百八十件のうち、約八百件くらいのものであります。それで一般競争に付します場合はとれは問題はないのでありまするが、指名乃至は随契にいたします場合の業者の選定が非常に問題になるのであります。指名競争にいたします場合におきましては、あるいは特命随契にいたす場合におきましては、ひとしく指名随契審査会というものが設けられておりまして、これは調本内部の一つ機関でございまして、この構成員は各幕僚監部調達関係課長乃至は担当官及び調本の各部長、関係課長、係員、それから内局の関係の部員がオブザーバーとして出られますが、ここにおきまして、この品物指名競争にするか、あるいは特命随契にするか、指名競争ににする場合においてはその会社範囲はいかにするかということを慎重に審議いたしましてきめるのでございます。もちろん指名にいたします場合におきましても、各幕僚監部から車なら車、自動車なら自動車というものを要求する場合におきましては、こういうメーカーを指名範囲に入れてくれという一つの希望的の意見は出て参ります。しかしそれを諸本の土から見まして、またその他の幕僚監部の目からみまして、公平に議論いたしましてその範囲決定する、こういうふうになっているのであります。その指名随契審査会指名範囲あるいは待命随契にするということがきまりますれば、この審査会から調本部長に答申があるわけでありまして、それで調本部長決定するということにはるのであります。もちろんとの随契にする場合におきましては金額の制限がありまして、物によりますが、一千万円あるいは二千万円以上の金額に上る場合におきましては、長官決裁を得て最後的の決定をする、こういうふうに慎重なる措置を講じているのであります。以上が大体指名随契決定いたしますところの手続であります。
  25. 岡三郎

    岡三郎君 今の一千万円以上は長官と申しましたが、その内訳はどの程度はどこときまっているのですか、つまり価格によって決裁する場所が大体中できまっておりますか。
  26. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいま調本部長が申し上げたように、原則は調達実施本部で誉めているわけでございますが、特に慎重を期するために長官決裁を要するといたしておりますのは、特許のあるようなもの、随意契約の中でもきわめて明瞭なものにつきましては二千万円以上については長官決裁を受ける。その他のものは、つまり技術上の理由であるとか、あるいは生産分野の問題でありますとか、いろいろ理由はございますが、特許といったような最もはっきりした理由以外のものについては、一千万円以上のものについては長官決裁を経て随意契約をするというふうなきめ方をいたしているわけでございます。
  27. 岡三郎

    岡三郎君 この資料で見ますと、たとえば毛布あるいは冬服等契約方式の中で、指名、ボーターラインで随意とあるのは、これはどういうわけですか。
  28. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) それが先ほど私、また調本部長から申し上げましたように、当初八社とか十社とか指名競争に付しまして、こちらの予定価格に、最低価格予定価格に達しない、そういう場合において一番札を相手にして商議をする。これは形式的には随意契約という形になるのでありまして、それで指名から随意という表わし方をしたわけであります。
  29. 岡三郎

    岡三郎君 まあどの物資にしても多量の購入をするので、まあたとえばガソリンなり重油にしても非常に莫大な消費をされるわけです。そうすると、まあ供給業者相当あるわけですが、相当多量に購入する場合において、大体業者の方にとってもいいお得意ですから、防衛庁としては市場価格に対して大量購入の場合においてはやはり値引きするのが私は常識じゃないかと思います。そういうことについてはどのようにお考えになっておりますか。
  30. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) まあ値引きと申しますか、原価計算の建て方からして、当然大量需要については、一般管理費等についても一般より安くするということがございますし、当然そういう結果になるのであります。ただ市場の状況ということも非常に支配しまして、物によりますが、たとえば石油、ガソリン、重油等につきましてはここ二両年非常に市況は回転不利でありまして、容易に大量に買うからといって値下げを要求するというようなことは、非常にむずかしいといったようなこともございます。それとまあこの辺が私どもの工夫のしどころでございますが、契約を締結する時期の問題、これなどにつきましては本年度はその点も注意しているのでありますが、できるだけ年間に平均して契約する、年度末に固まらないといったようなことも、値段をできるだけ安く買うという点から言えば非常に重要なポイントだと思います。石油につきましては、これは市況はそういうことでございますから、本年度特に気をつけている問題でありますが、繊維製品等につきましてもできるだけ市況を見て、しかもその中で最も回転が有利な時期に、しかも大量購入ということで、できるだけ予定価格を低くきめて競争させる、こういったやり方で、たとえ一銭でも安くという工夫は十分にいたしておるつもりでございます。
  31. 岡三郎

    岡三郎君 全体的に予算を効率に使う場合にはやはり経験から押して、大体買う時期というものが非常に重要になってくるのじゃないかと思うのです。それからまあ輸入品に対しては海外市況との関係で一がいに訴えませんけれども、やはり相当他官庁と連絡して、やはりそういった購入物品の市況なり、そういった全体の物価の推移とか、そういったものを精細に調査してやらなければ、年間を通して効率的に使う場合にはずいぶん差等が出てくるのじゃないかと、こう思うわけです。それで石油なら石油について考えてみた場合においても、一般市場から購入するという方法もあるでしょうけれども、自衛隊、防衛庁というふうな形になってくれば、そういった場合に普通一般の官庁で使うのとちょっと形態が違うのじゃないかと、こう思うので、それで具体的に物品調達についてでき得るだけ中間のマージンというものを排除していくというふうに取り扱っていくのが本来必要だと思うのです。それをもとにして再びまたもうけ仕事をしていくということなり、あるいは他にこれを応用をしていくということなら別だけれども、相当の多量なものを消耗していくということになれば、特に輸入物品なんかについては、外貨の割当の問題等もあると思うのですが、今度はB、C重油等については沿岸漁民については十万ドルの外貨の割当をして特別その措置をする。これはまた保護する場合には当然ですが、それをまた別の形でいった場合には、特殊物品について防衛庁みずからそういったようなワクをもらって云々ということはできないのですか。
  32. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 石油の問題につきましては、私どもも昨年来非常に頭を実は痛めておるのでありまして、私どもの率直な希望を申しますと、防衛庁の需要するものについては、年間十万ドル前後になるかと思いますが、外貨のワクを別にもらって、それで業者から入手する、こういうことを私どもは希望としては持っておりまして、もちろん通産省あたりともいろいろお願いはしておりますが、これは今岡委員のおっしゃったように、漁業の関係につきましても相当いろいろな折衝の末にああいう結論がやっと出たようでありまして、なかなかそういうところまでは急には持っていけないということで、少くともオクタン価の高い航空用の燃料につきましては、何とかそういう方法を講じてもらいたい、その他はできるだけ先ほど申し上げましたような購入の時期をうまく調整して、できるだけ安くかつ円滑に入手するという方法でいきたいということで、航空用の油につきましては大体話し合いがまとまった、こういうことでございまして、その他についてはそこまではまだ今日の段階ではいきかねる、こちらで購入する方法について工夫していく、もちろん現実の問題としては、たとえば年度末あたりにどうしてもやむを得ぬといったような場合には、通産省からいろいろ各メーカーにお前のところは持っているから出してやれとか、こういうようなあっせん等は大いにやってもらっております。
  33. 岡三郎

    岡三郎君 結局年間経費をどういうふうに効率的に使うかということは、防衛庁にとっては特に指摘される大きな問題じゃないかと私は再三再四言うわけですが、具体的に言うと、今のような特殊物品についではもう少し検討されて、そうしていい品物を廉価に購入して、しかも支障がないようにするというふうな計画というものは、他官庁との連絡の土にやはり十分考究される必要があるのじゃないかと私は思うわけです。これは防衛庁がいいか悪いかというととは別にして、国費を効率的に使うという面から私は指摘しているわけですが、そういった点で、このいろいろな特殊機械とかそういったものがあるのですが、先般衆議院の決算委員会で「梨」の問題なんかが出て、まあ思わざる物品防衛庁あたりは強制的というとおかしいが、いろいろな関係で買わされるということもなきにしもあらずじゃないかと、これは当て推量ですが、思うようなことも考えられるわけなんです、われわれから言えば。そういう点で不正行為とか不当事項ということばかりではなくして、私はもっと重要なことは、いかにして計画的によい品物購入するか、こういう面に対する配慮というものが一番重要じゃないかと思うのです。いわゆる表に出てこない問題ですね。だからそういう点で良心的にやはり防衛庁自体が内部を厳正にやるということが、まあ内部の士気を高める場合においても、一部の外部の国民が見た場合においても、一番現在要請されている問題であろうと、私はそんたくしているわけなんです。そういった点で一つここにある資料というものは十分検討さしていただきたいと思うわけですが、要はやはり購入する機構というものがだんだん膨大になっていきますから、機構というもの自体も絶えず検討されないというと、やはり工合が悪いのじゃないかということも考えられるわけです。そういった点で全体的にことに指摘されている会計検査院事項等を十分そんたくして、昭和二十九年度決算、あるいは三十年度予算の使用、こういった点について特段に配慮ありたいということを申し上げて私の質問を終ります。
  34. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の岡君の質問に関連して増原次長にお尋ねいたしますが、過日二十八年度決算におきましても、防衛庁費――保安庁費の大体六割見当が調達に使われるわけです。まあ今後この防衛隊の維持に必要ね物資はやはり相当ふえるということです。そういたしますと、ことに防衛庁自体として多量に購入しなくちやならぬ、しかも品質はよくて値段も妥当なものでなくちゃならない、こういうふうになりますと、非常にたくさんの種類のものを調達されなければならぬのです。たとえば今の飛行機用のガソリンや自動車用のガソリンや、あるいは自動車とか、繊維類とかいろいろ特に多量に消費されなければならぬものがある。それからあるいは外国から輸入しなければならぬものがもとよりあるわけです。とういうものを、たとえば輸入品をある商社のエージェントを通じて買うよりも、直接防衛庁として注文なさって買われる方が安くもあるし、また大量のものであれば、向うもその製造会社自体が来て責任を持って引き渡しするということもある。それからまた、たとえばジープを何千台購入しなければならぬという場合に、国内生産の場合には、これは特別の検査官をその製造機関に特に派遣される、要は予算執行をいかに効果的にならしむるか、こういうことから、これは現在まではそういうことは必要なかったかもしれません、将来やはり最も信頼できるものを調達する意味で、将来この自己調達を、自分で作る、たとえば昔で言えば製絨所があって、陸軍でも兵器廠とか、そういうものを持っておったわけです。そういう、スケールは違いましても、今日までの経験から、ある種類のものはやはり防衛庁自体で製作する、あるいは防衛庁自体がその製作に関与し、管理をして信頼のできるものを作る、こういうようなことが必然的に私は考えられるのじゃないかと思いますが、との調達実施本部調達する場合に装備局と非常に緊密な連絡を持って総合統一的におやりになることは非常にいいと思いますが、さらに将来一歩進めまして、今質問申し上げたようなことは防衛庁自体が製作する御計画になっておるようなことはないのでございますか。
  35. 増原恵吉

    政府委員増原恵吉君) 今委員長のお述べになりましたことは、私どもそれぞれ研究をいたすべき事項であり、また相当に研究をいたしたこともございます。大量に買うもので、昔の軍でありましたならば自家生産をやっておりましたようなものについてどうするかということは、実は発足の当初から一応研究題目といたしたのであります。当時は繊維製品関係、そういうものが最初の討議題目に上りましたのでありますが、購入の当初はまだ割当のありました当時でありますが、その後割当がなくなりまして、一般市場から指名競争もしくは一般競争で買うという状態になりました。当時一般市場は、ごくまれな場合を除いては、こういうふうな品物につきましては製品の技術、質、量におきまして少しの不安もないと申しまするか、量においてはあり余っておるというふうな時代でございました。この場合に生産設備の十分ありまする日本の生産機構の中においてその一部を買収する、生産機構自体を買収するということはもとより考えられますが、そういうことで防衛庁自体で調達をするよりも、一般市場から製品の規格を定めて購入することの方がむしろ適当であろうという考え方に討議の結果落ちつきまして、今までそういうことをやって参っておるわけであります。  油の問題につきましては、特にこれは先行きを考えまして、また従来の軍の経験等も考えまして、これは相当に何と言いまするか、いわゆる自家製造、自家調達ということを考える意味において研究をいたしてみましたが、これも現在の量におきましては、一般市場から購入をいたしまして、価格、質等の点で特別の不自由を感ずるほどのことはないということで、やはりこれも現在のような方法購入することが適当である。  一番問題になりますのは武器類であります。武器類については、なお最後的な結論を申し述べる段階に至りませんが、一応私どもの所要いたします武器は、現在はまだその大部分を米国のMSA供与によっておりまして、しかし米国側もだんだん修理部品、あるいはリプレース等は日本自体の手でなし得るものが多いから、そういうものは自分の手でやってくれないかという意向もございます。こうしたものの中で、いわゆる商業採算に乗りますものは現在においてもやはりそうした工場方面の生産品を買うことで行くことがよくないかというふうに考えております。  ただ一般の採算に乗らないもの、もとより法外に高い値段で買えば採算に乗らないということはないわけでありますが、常識的な普通の原価計算等に基いてやりまして、採算に乗らないようなもので防衛上はぜひとも調達をし備えつけなければならないようなものについてはどういう方法でいくべきか、この資金の特別融通なり、あるいは工場施設等の国による施設、これを民間に貸与して、いわば国有民営のような形でもっていく、あるいは工廠的な国有国営という形でもっていく、この点については実はまだ残念ながら防衛についての長期計画というものが策定されておりません状況でありまして、従いましてそういう武器類の需要の量の長期的な見通しというものが立ちかねておりまするので、結論に到達しがたいのでありまするが、ものによりましてはやはり国有民営的なものも考えざるを得まい。しかし場合によりましては国有国営的なものも必要ではないかと考えておりまするが、現在まで防衛庁のとっておりまする考え方は、やはり可能なる限りは民有民営の形でもって生産されたものを購入をする。もとよりただいま御指摘のありましたように、その場合特に大量のもの、あるいは製品の規格その他が相当むずかしいものにつきましては、防衛庁の方から適切なる監督官、指導官等も出しまして、製品の製造過程において検査、監督をするということはもとより行いたいと考えております。船舶の製造につきましては、現在もいろいろ監督官とか艤装具というようなものも出しまして、請負をいたしました造船会社と一緒となりまして、現在艤装に当っておるわけでございます。特来もっと効率的に予算を使用いたしまして、安くりっぱな品物をどういうふうにすれば入手できるか、しかも特殊の規格のもので防衛の目的を適切に果し得るものが入手できる場合については、なお一そう研究したいと思いまするが、大体の考え方は、一般市場から民有民営の形のものを購入をする、やむを得ないものについて国有民営なりあるいは国有国営の形を考えておる。私どもの方から検査官、監督官等を派遣をして、製造過程において適切なる検査、監督をしてりっぱなものを作るということは、現在においてもこれを実行しておる、こういう状態でございます。
  36. 山田節男

    委員長山田節男君) 外国から輸入しなければねらぬものについての直輸入ということは考えられませんのでしょうか。
  37. 増原恵吉

    政府委員増原恵吉君) この点御指摘をいただきました直輸入をいたすという形が私どもも一番いい形ではないかと実は考えたのでございまするが、現在までやりましたもの、これは航空機類が現在では主たるものであります。これは私どもの係官が向うへ参りまして、それも経験がある練達な係官を選んでこれを向うへ派遣をして、向うの市況、原価計算その他を誤まりなくにらんでやるということは実はなかなか実行上むずかしいところでございます。現在のところは、やはりそういうことになれた商社を通じて買うということの方がむしろ結果的に見ていいのではないか。ただしその場合でも商社の提出しまする資料等を関係各省等と連絡をして、しさいに点検をするということはもとより行うべきことでありますが、現在のところ必ずしも私どもの係官を直接派遣をしてやることが最もよろしいというふうに簡単に言い切れないようなところがあるという実情でございます。
  38. 山田節男

    委員長山田節男君) 増原次長に対して法務委員会から先ほど来出席要求されておりますが、のちほどまたこちらへ御出席できますでしょうか。
  39. 増原恵吉

    政府委員増原恵吉君) 出席いたします。
  40. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは一応法務委員会の方へ出席していただいて、のちほどまたお願いいたしたいと思います。
  41. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 増原次長にお伺いした方が適当かと思いますが、時間の関係でこちらへ戻ってこられるまで私おられるかどうかわかりませんので、経理局長にお伺いしたい。おわかりだったら一つ……。それは、購入装備品等調というのでありますか、航空機とか、艦船ですか、その他あわせて昭和二十九年末までに購入したものというのは、総計で四百八億余りになっておる。これだけの大きな装備品等を調達しておりますが、これは調達後の補修その他についても年々莫大な支出を必要とするのじゃないかと考えられる。これは累年増加する経費ではないかと考えられるので、さっき増原次長は当分現在のような民間調達方式でいきたいということを述べておりますけれども、古い例で言えば、陸軍の兵器廠、海軍の兵器工廠ですか、糧秣に関しては糧秣廠、そういった直営の方式は当分おとりになるという構想は全然ないのですか。
  42. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 先ほど次長が申し上げましたのは、主として完成品の購入を頭において申されたと思いますが、ただいまのお話の中で、修理維持と申しますか、そういうものに対しましては、これは物によって違いますが、武器車両、被服、機械類等につきまして、武器補給廠、施設補給廠、需品補給廠等がございまして、この補給廠で調達、支給、物品の受け入れ、それから各部隊への配給、保管、修理をやっておりまして、これにつきましては、時期を追うてということでございますが、私どもはある程度機械設備、要員を充実いたしまして、これは物によって今日行なっております段階は違いますが、ある程度の修理、部品の取りかえ等を補給廠、ごく末端のものについては部隊で行なっておるわけでありまして、その手に負えない分だけを高段階修理と申しますか、これを外部の修理に出しておるわけでございます。たとえば、被服の修理等につきましては、ほとんど一〇〇%部内で修理をいたしております。車両の修理につきましては、若干専門的になりますが、第一段階から第五段階まで修理の内容について分けまして、第三段階までは全部こちらでやる。第四段階も一部は部内でやりますが、第四段階と第五段階は外部へ出す。これもで透るだけ機械設備あるいは要員を充実して外注を少くしていくというような方向で修理その他については考えておるわけであります。その他の施設、器材等々につきましても、若干の差はございますが、考え方としては同様に考えておるわけでございます。
  43. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 では、完成品購入について二十七年から二十九年まで詳細な資料をいただきましたが、私どももまだ詳細にこれを検討しておりませんのですが、瞥見しますと、ずいぶんたくさんの相手方があるようですが、これらは今までの実績その他に応じて、もう少し整理をしていかれるというような考えはありませんか。
  44. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) この点は調達の大原則から申しますと、先ほど来お話も別の意味で出ておるわけですが、一般競争入札というのがむしろ本則だといったような考え方もあるわけでございますが、実を申し上げますと、予備隊ができました二十五、六年度当時は比較的一般競争入札を実はとっておったわけでありまして、その頃には、そのために粗悪なものが入る、机、椅子等のような、話は小そうございますが、粗悪なものが入るというような話もございまして、そのために、一般競争入札は原則としてはいいのだけれども、やはり指名競争もやらなければならぬというので、指名競争範囲がかなり広くなって参ったわけで、その意味でも、当時と比べますと、業者と申しますか、メーカーはある範囲に限定されてきておるわけでありましで、今おっしゃったお話につきましては、根本問題として、やはり物によりましては一般競争もしくは少くとも指名競争という原則はどうしても守っていかなければならぬのではないか、単に、メーカーの数あるいは相手を整理するということには必ずしもならないのではないか、かように存じております。
  45. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると、この契約方式の中に掲げられておる随契というのが非常に多いですね。それから指名というのがその次にありますが、これはどういう基準に基いて指名とか随契とかにするのですか。
  46. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 先ほど調達庁次長から申し上げましたように、昨年度の実績は、四千四百万件のうち、純粋の随意契約特命は約八百件でございます。その八百件の内容になるのでございますが、ちょうどこの二十九年度の表にございます初めの方は武器車両でございまして、武器車両のうち、特に武器につきましては、一番初めに出ておりますのは、ソーナーとか、試験用爆雷といったような、これはどうしても技術的見地から特定のところでやらなければならないというようなものでございまして、それから武器につきましては、比較的さようなものがどうしても多くなるのは自然の勢いではないかと思います。特にその中で、もう一つ目立ちますのは車両でございます。車両随意契約が非常に多いというか、車両の件数は、金額は割合に張っておる。それが原則として随意契約をとっておるということで、非常に件数も金額も多くなっておるわけですが、車両につきましては、予備隊発足以来、いろいろな経験の結果、あるいは技術上の問題、あるいは部品の補給の問題、それから生産分野と申しまするか、御承知かと思いますが、たとえば八十馬力程度のものについてはニッサン、トヨタ、あるいは九十馬力についてはいすずであるとか、あるいは百十馬力以上のものについては三菱とか、あるいは日野とか、そういったような生産分野が一応ございます。それに私どもといたしましても、相当大量の購入を、先ほど調達庁次長が申しましたように、全輪駆動とか、塔載通信機の関係のボルテージとか、いろいろな特別な注文がございまして、彼此考え合せまして、車両につきましては、やはりその系列を尊重して、随意契約によって技術の改善、発達をはかるのが一番いいのではないかということで、ジープはすでに御承知のように新三菱重工、それからその次の四分の三トンにつきましては、日産、トヨタ、二トン半については、いすず、トヨタ、大ものにつきましては、日野、三菱、日本といったような系列を作りまして、技術の改善と補給の円滑ということを考えておりまして、これははっきり原則を、方針を立ててやっております。との関係数量金額はかなり多い数量になっております。と申しますのは、その反対の例に繊維製品等をとりますと、この表をごらんになってもおわかりのように、大部分指名もしくは指名から流れました随意契約ということになっておりまして、そのほか武器以外にも技術的見地から通信機等に若干ございますが、通信機等につきましても、できるだけスペックが、つまり規格仕様を防衛庁独自のものができますれば、できるだけ二社以上の競争という方針をとっているわけでございますが、ある一定のときには随意契約ということも若干ございますわけで、ものによって簡単に申せませんが、ただいまお示しの表の中の初めの方に武器車両等については、特にそういう理由のために随意契約が多くなっている次第でございます。
  47. 大倉精一

    ○大倉精一君 今、ちょっと関連してお伺いするのですが、特に武器あるいは弾薬というものの、あるいは兵器と言いますか、そういうものの試作研究費というのは、これはあなたの方でお持ちになるのか、あるいは先方で持つのか、どっちがお持ちになるのですか。
  48. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) これは一がいに、今までの経過それからものの性質等によって、必ずしも一がいに私申し上げられないと思いますが、新しい武器、たとえば本年度予算に新しい特車、戦車といったような試作の予算を載せておりますが、こういった全然新しいものにつきましては、一応試作をさせ、これを実用試験をいたしまして、またこれをいろいろ改善していくといったようなことで試作をいたします。私どもの方で持つのが一応の順序ではないかと、かように考えておりますが、通信機あたりで若干従来のものをモディファイすれば、防衛庁独自のものに該当するといったようなことで、各社は独自に研究あるいは試作をされるというような場合も事実ありまするし、またそういったものについては、それを競争試作をさせて、そのものを、たとえばポンプなどを実はやった例もございますが、そのうちでいいものを、ものによっては随意契約、場合によってはスペックがきまりますれば競争入札といったようなことで調達する。その場合には試作は会社が持っているといったような結果にもなっているわけであります。ですから一がいにどちらと申せませんが、今までの経過とそのものの性質、その新しさの程度ということによって、そのつど判断するよりほかありません。
  49. 大倉精一

    ○大倉精一君 私はこの試作研究費という問題は相当重要問題と思うのですが、聞くことろによると、大体、特車なり、あるいは鉄帽なり、何なり新しいものの試作研究を命ずる場合に、その試作研究費、あるいはその施設費というものについて、大体十分の一より防衛庁は負担してくれない。従ってその製品については、これはやはりそういうものをかけた見積りをするようになってくる。あるいはまたそういう試作研究費というものを業者に負担させているがために、随意契約ということになって競争入札ができほい。とういうようなことも聞いているのですが、その辺で非常に重要な問題だと思うのですが、実情はどうですか。
  50. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいまおっしゃるような事態は、私どもも絶無とは考えておりません。そういったような声もまま聞いておりますし、私どもといたしましてはで承るだけ、もちろん予算は窮屈でありますが、できるだけこちらが必要と認めて、ただいまお話のような戦車とか、そういうものについてこちらが必要と認めて新しく図面を引かせる、あるいは研究試作させるというものについては、必要な経費は見るという考え方で参りたい、かように存じておりますが、やはりたとえば設計等を競争でやって、よりいいものを作りたいといったような場合に、窮屈な予算で二社に競争試作を、あるいは設計させるという場合には、予算に無理があるというような事態も、実は率直に申し上げますとないわけではありません。私どもとしては、考え方としてはできるだけそういう事態のないように、今お話のようにそういうことになりますと、そこにあと随意契約とか、そういった悪いひもと申しますか、そういったものもできないとも期しがたいといったようなことで、私どもとしてはできるだけそういうことのないように、そういった意味の試作は、あるいは設計については、できるだけ費用をこちらで持つという方向で参りたいと思っております。   〔委員長退席、理事岡三郎君着席〕
  51. 大倉精一

    ○大倉精一君 今の試作研究の場合ですね。たとえばこの批難事項にも上っている鉄帽の場合においても、大体二年間研究試作をした、それに要する研究費、設備費が、これが四千万円くらいかかっているというお話を聞いているんですが、大体鉄帽の場合にも、見積りの場合に、業者がそういう試作研究費、設備費を加えて、そうして見積りを出してきた、ところが非常に高いので、大体ここに書いてあるような格好でさや寄せをしてきたということも仄聞をしているんですが、そういう事実があったのですか。
  52. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 今の鉄帽の問題でございますが、これも先ほどのお話のこことやはり同じような問題かと思いますが、試作研究について会社がこれだけ要ったというものについて、これだけの品物について全部これをかけていくか、あるいはもっと――もちろん注文がこれで全然将来もないというわけでもありませんから、そういったものとあわせてかける、これだけにはかけないという考え方と、一面にはやはり予算というか、予算にも縛られて、できるだけ安い単価でということで、試作、研究自体をある程度原価計算面から想定する。こういう二つの面がございまして、必ずしも会社の言う通りの、試作研究費は持てない場合はこれは少くないと存じます。鉄帽の場合についてもその例外ではなかったと存じます。
  53. 大倉精一

    ○大倉精一君 なお、現在新しい特車を、試作研究中だということを聞いているんですが、この新しい特車に対する、試作研究費というものは、これは業者が持っているんですか、あるいは防衛庁が負担しておられるのですか。
  54. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) これは先ほどもちょっと申し上げましたように、本年度計画しております新特車の予算は、二両で約二億余りでございます。これにつきましては、一応設計から試作に至るまでの適正な経費をこちらで持つということにいたしております。もちろん会社側はこれだけ持とうといって、必ずしもその通り原価計算で見るかどうかは別といたしまして、どうしても会社としては、将来ということも考え、いろいろ独自の研究をするということも、これは必ずしもないわけではございませんので、その辺を適当に判断をいたして想定いたすわけでございますが、この場合は、原則として試作費等を適正な価格で盛ると、こういう原則で進んでおります。
  55. 大倉精一

    ○大倉精一君 現在、そういう試作研究を業者に命じているものは、相当数多くありますか。
  56. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 昨年度ぐらいから、アメリカからMSA援助供与でもらっております兵器についても、漸次国産化をしていきたい。これはもちろん財政上の制約がございますが、その範囲内で、あるいは日本の地形、あるいは日本人の体格に適する新しい規格武器を国産化していきたいという考え方を持っておりまして、これは昨年度から、また本年度予算におきましてもある程度盛り込みまして、本年度研究費は、若干、六、七億ふえている点もございます。主として今おっしゃったような戦車あるいは砲、あるいは海上自衛隊関係のもろもろの水中兵器等について、本年度から着手いたします試作は、かなりございます。
  57. 大倉精一

    ○大倉精一君 今、特車の試作という、大体試作が完成して実験もおやりになっておるようでございますが、その特車は現在の編成装備の必要上、やはり作られておるのか、あるいは将来の編成装備を予想して作られておるのか、どっちなんですか。
  58. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいまお話しになりました特車につきましては、これは今米軍から貸与、供与を受けておりますのはM24でありまして、約二十五トン足らずのいわゆる軽戦車、私どもは中特車と申しておりますが、これの代替と申しますか、そういうことがねらいであります。と申しますのは、先ほど申し上げましたように、日本の地形、あるいは非常に山の多い地形、あるいは日本人の体格等から言って非常に、一例を申し上げますと姿勢が高い。戦車そのものの姿勢が高い。これについてはずっと姿勢の低いものを作ろうといったようなこと、あるいは戦車砲につきましても、もう少し能力の高いもの、性能の高いものといったような要素を入れまして試作を始めようということでありまして、今の考え方は、ただいま申し上げましたM24という軽戦車を、もしいいものができますれば、順次それに置きかえていきたいということで、計画いたしたわけであります。
  59. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうしますと、今の試作中の戦車というものは、現在使用中のものを、そういうものに逐次かえていくというのであって、将来予想される編成装備とは関係がないわけですか。
  60. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) それは、そういった新しい特車が編成装備表に置きかえられるといったふうに考えていただけばいいと思います。
  61. 大倉精一

    ○大倉精一君 この批難事項を見ましても、編成装備に関係のないものを買っておるという批難事項がたくさん出ておりますから、また防衛計画に対しましても、六カ年計画というようなことを耳にしておりますけれども、国会における質疑答弁中では、まだそういうような計画ができていない。こういう答弁があった。そこで、その戦車を何台お買いになるかわかりませんけれども、そういうものを、まさか私は将来の編成装備に関係なくお買いになるとは考えないのですが、やはり私は将来の編成装備を想定されて、すでにもう試作研究も済んでしまって、そうして実際製作段階に入っておるということになれば、やはり将来の防衛計画と非常に関係があるのじゃないか、関係があって、そういう計画のもとに作っておられるのじゃないかと思いますが、その点どうなんですか。
  62. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) それは前に当委員会で申し上げましたように、装備計画委員会というものを作っておりまして、定数と同時に、現在は一応米軍から供与を受けたものの編成装備表ができ上っておる。これに対して、これは財政上の理由から、どういう時期に全部入れかえるかということは別といたしまして、日本的なものを、経済的なあるいは地形的あるいは体格的見地から、財政の許す範囲内でかえていきたいという考え方を、一つ根本に立てまして、別な例で申し上げるといいと思います。たとえば小銃の例をとりますと、向うから供与を受けておりますものが、五、六種類あります。これらにつきましても、その中で実際に使ってみて、そのどれか一つを実際にもちまして、これを将来使っていくという計画を立てておりまして、一応の結論を得ております。その結論に沿って私どもは今後あるいは試作し、あるいは大量生産は、いつの時期になるかは別にしても、一つの方向をきめて進めていきたいということで進んでいるわけでございますが、ただいま申し上げました新特車も、その計画の一環でござ、いまして、先ほど申し上げました、現在供与を受けておりますM24の定数は、ただいまの新戦車で置きかえていきたいという考えで、はっきりした計画のもとに進めておるわけであります。
  63. 大倉精一

    ○大倉精一君 そうすると、今の試作された戦車は、大体何両くらいお作りになる予定か、そいつはいつごろまでに納入させる御予定なんですか。
  64. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいまの申された試作中の新戦車につきましては、実はあるいは私御説明が足らなかったかとも思いますが、現在設計を進めておるところでございまして、大体本年度中に二両、試作品を完成する。そして今年度の末に増加試作と申しますか、そのでき上ったものにつきまして一度試験をして、若干改善するところは改善して増加試作として来年度五両作る。そしてこれを来年度のリクリエーションに充てていくということで、取りあえず計画いたしておりますのは今の二両と五両でございます。
  65. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは特車の製作は相当編成装備と作戦計画に関係があると思いますが、これを来年度五両作る。再来年度またそれを逐次増加していくということになれば、少くとも試作研究をやられるとするならば、相当私は大量に作戦的に必要があって試作研究をやられると思うのですが、この戦車を来年度五両、その次にまた来年度何両というのと、それから将来想定される防衛庁なり自衛隊の編成装備作戦計画というもの、これは密着しておると思うのですね。そこで防衛六カ年計画はまだできていないという答弁があったのですが、しかしながらそういうようなものが着々できておるというところを見ると、大体防衛計画の計画というものができておるのじゃないか。従って編成装備に合わしたところのそういうような重要な兵器、武器というものを着々試作をされ、あるいは作っていかれる。かように考えているのですが、そう考えて差しつかえございませんか。
  66. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) その点は現在の本年度予算通りまして、十五万定数でM24の総計数は四百両をだいぶこえておる数字でございまして、この四百両の取りかえ、補充だけを考えましても、大体寿命を十年と考えましても四十両、もう少し長くもっと思いますが、それにしても年間二十両、そういった取りかえをアメリカからの援助の状況によっては作っていかなければならないということになりますので、ただいまお話しの防衛計画というようは確定を待たないまでも、やはり日本的なものの試作をするということは必要じゃないかということで、ただいま申し上げました試作と増加試作を計画いたしたわけでございます。  その次の本格的生産ということにつきましては、当然そのと誉までには防衛計画とにらみ合せて、本格的な生産計画を立てたい。こういうふうなことに考えております。
  67. 大倉精一

    ○大倉精一君 現在防衛計画の確定を見なくても、基本的な研究試作をやるとおっしゃっているのですが、そうなれば緊急な研究試作でやる、防衛計画はあとからできる、こうなってくると、またぞろこういう編成装備に関係のないものを買うという事態も生じてくると思う。しかもその場合における試作研究費というものは、相当私は膨大ね費用がかかっておる。試作研究費というものは。そこでそういうふうな注意があったんですが、われわれ常識から考えて、飛行機を作る、ジェット機を作る、あるいは戦車を作る、あるいはこういうものを作る、軍艦を作るということになれば、やはりそれに照応するところの将来の作戦計画あるいはそれに即応するように作戦計画というものがあってこそ、初めて兵器というものをそういうような計画的な試作研究もやっていかれる。これはばらばらになるはずはないと思う。防衛計画と別個にこういうことをおやりになるのですか。これはまあ乏しい予算の中から私はちょっと常識的に考えられないのですが、その点はどうなんです。
  68. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) その点は繰り返して申し上げるようですが、現在の定数でも四百数十という定数でございまして、それをM24をこの新戦車に入れかえていとう。そしてこういう性能の新戦車は将来の用兵的に見て望ましいということは、用兵作戦的の見地から十分検討した結論でこういう性能のものが望ましいということで、その性能研究に従って試作をいたしておるわけでありまして、その本格生産の数量が一両年、三年後にどの程度になるかということは、これは防衛計画の決定を待たないともちろんきまらない問題でございますが、ただいま申し上げましたような、現在の定数を入れかえるという観点だけから見ましても、それからまた用兵上の性能の見地から見ましても、これだけの計画は立つし、また立てなきゃならぬ、こういう判断に基いておるわけでございます。
  69. 大倉精一

    ○大倉精一君 それでは将来のことは別にしまして、四百何十両ある戦車を、これをそういう新式の新しい性能のあるものに置きかえると、これは四百何十両というのは、これは今度の世界戦争で相当活躍した戦車がいろいろあるわけですね。それを今非常に乏しい予算の中で、そういう新鋭兵器にかえなければならぬという、そういう必要、要請というものは実際現状においてあるのですか。しかもそういうような最優秀兵器を装備することについては、相当それに即応するところの作戦計画を立てなければならぬが、それには仮想敵国というものがあるわけで、相手の武器、あるいは性能なり、何なりと見合ってこちらの戦車を作る、性能も考えなきゃならぬのですが、一体どこを――と言うと、まあ語弊があるかもしれませんけれども、どこの兵器を、性能を基準にして、今ただちにとういう四百何十両というものを、たとえ五両にしろ、十両にしろ、大きな費用をかけてやらなきやならぬか。おそらく二両は一億数千万円するだろうと思うのですが、そういうような逼迫した情勢が一体あるのかないのか。そうして一体仮想される、想定されるところの相手国の武器というものはどんなようなものなんですか。これを一つ説明願いたいと思います。
  70. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいまのお話でございますが、四百両をただちにここ数年間のうちに入れかえるとか、そういうようなことを考えておるわけではございませんで、やはりどうしても自主的な兵器を持つには、可能な面からいろいろの意味で日本の国に適した自主的な兵器に持っていかなければねらぬということの一つでありまして、それはどの程度に置きかえていくかということは、もちろん現在供与を受けておりますM24は、もちろん寿命のある限りは活用していくわけでありますし、どの程度に取りかえていくかということは、当然これは財政上の制約を受けながらやっていくわけであります。  それからもう一つ、お尋ねの仮想敵国、あるいは性能の研究をどういうふうに考えるかということでございますが、これはあえて仮想敵国ということでなくて、一応われわれの集めております情報の範囲内で、各国の戦車はどの程度の性能を持っておるか、あるいは戦車砲なりがどの程度の性能を持っておるものであるか、それをわが国の国情、地形事情から考えて、あるいはもちろん経済上の要素を考えて、あるいは日本防衛上の面を考えて、どの辺のことろを持つのが、一番そういうふうな見地から見ていいかということを検討いたしました結果が、ただいまそうした試作にかかろうとしておる計画の戦車の性能ということになっております。
  71. 大倉精一

    ○大倉精一君 今試作の戦車は、その作戦地域は、主としてこの日本の内地ですか。
  72. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) もちろんさようでございます。
  73. 大倉精一

    ○大倉精一君 それでこれは論議は非常に根本的になってくると私は思うんですが、そういうことは別にしまして、ごく軽く考えまして、日本の国防という場合に、国境のそとで戦わなければならぬといった場合には、その戦車は間に合うんですか。
  74. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 私ども今日の研究の段階では、もっぱら国内において防衛するという建前の防衛上の見地から研究いたしております。
  75. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはあなたにお尋ねするのは無理かもしれませんが、しかしこれはやはりもっぱら装備をするというふうなことになる、あるいはそういうものを作るということになれば、これはおもちゃじゃないんだから、たくさんの金を使って日本の国の防衛をしなければならぬので、その見地から日本の国のとの山川を走る性能だけの戦車でもって、日本の国の防衛は可能でありますか。まあそれは兵器担当の方だと私は思うのですが、その面から考えてですね、そういうものだけ作っておれば、日本の防衛は可能でありますか。
  76. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) もちろんこれは相手方の兵力なり、あるいは装備というものとの関連において考えないと、これは意味がないということでありましょうが、私ども今日考えておりますところでは、経済的要素というここと、機動性と、それから日本人の体格というものと、ある一定限度の、つまり現在の世界の情勢、対戦車砲でありますとか、そういったものをあわせて考えて、今日のところ、現在考えております性能の試作が最も適当ではないか、こう判断するのであります。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 いや、もうあまり多く質問しませんけれども、大体そういう考え方が、果してその兵器生産にいいか悪いか。たとえば経済的ということをおっしゃるのですけれども、私もまあ若干軍隊の飯を食ったのですけれども、たとえば戦車を作るということになれば、経済的にどうのこうのということよりも、むしろそれに優先して、一体この戦車はどういうふうに使うか、どういう性能に適用する戦車が必要か、それから相手国の仮想なんだが――その相手国が問題なんだが、どこの相手国かわからぬが、その相手国の火砲はどうだ、向うの対戦車砲はどうだというようなことを言って、その戦闘に勝利するようなものを作らなければならないと思います。それを今のように、経済力を考えてということになると、これは一体どういうことになるか、実は私は疑問になるのです。そういう考え方でこの試作研究をおやりになり、そして四百両一ぺんにかえるというわけではございませんけれども、毎年々々五両、十両といたしましても、やはり二十億やそこらは要るわけですから、そういう考え方でいいわけですか。との兵器生産の面は、やはりその用兵作戦の目的にかなうということを第一次要件として、兵器というものはこれは作らなきやならぬ、設計しなければならぬ、研究しなければならぬと私は思うのですが、その点のお考えだけちょっと伺っておきたい。
  78. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) その辺は大へんむずかしいところでございますが、やはりこれは地形との関係もございます。またたとえば日本でかりに六十トン、百トンの戦車を作る。そうすると、いかなるものがあろうとも、びくともしないというような考え方も、抽象的にはこれはあり得るかもしれませんが、これが日本の地形と、それから今の経済力――と申しますのは、できるだけ機動力の高いもの、これはある程度、むしろ数の問題にもなりますが、機動力の高いもので、むしろその数の多い方がより望ましい、まあ、こういったようなことを経済的と言うことは、あるいは適当でなかったかもしれないが、そういうふうな意味で申し上げたのであります。そういう見方は私はあるのではないかと思います。
  79. 大倉精一

    ○大倉精一君 じゃこの問題はまあこの程度にしまして、そとで私は一つ業者との関係の事情についてお伺いしておきたいのですが、聞くところによれば、兵器製作にしましても、かえって業者の中に昔の兵器生産専門の技術屋がたくさんおって、それで防衛庁の方では昔のそういう人の部下だった人がおる。従ってもう注文する場合にも、何か設計を持っていっても、かえって業者の方のそういう専門家から注意を受けるとか、何とかいうことがあって、かえって頭が上らないという状況があるということをちょっと聞いておるのですが、そんなようなことがあるのですか。   〔理事岡三郎君退席、委員長着席〕
  80. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 確かに現在のメーカーと申しますか、昔の兵器生産者関係のメーカーに、旧軍人の方が若干おられるということは、これは事実であります。しかしながら私どもといたしましては技術研所及び各幕僚監部にできるだけ優秀な技術者を集めて、実質的な計画なりを立てて、それで行くように極力努力はいたしております。もちろん創立まだ日の浅いことでございますから、昔のようなわけには一朝一夕にしてはいかんと思っております。もちろん指導を受けるべきところは受けるにやぶさかでありませんが、しかしそのために特定の業者がどうであるとか、あるいはそのためにわれわれの考え方が曲げられるということ、そういうことが絶対に安いような指導を厳重にいたしております。
  81. 大倉精一

    ○大倉精一君 何か非常にそういうような業者との関係と言いますかね、防衛庁の方も苦労なすっておるようなんですが、たとえばもう政治的な問題も加わっているように聞いておるのですが、批難事項の鉄帽の場合においても、大体防衛庁の方がメーカーをこれこれと指定された、ところがある有力者の介添えがあって、そうして防衛庁ではあまり好ましくないがということで、どこかのメーカーにかえた、幸いにしてこれは試験に不合格であったから、メーカーに入らなかったという話も聞いておるのでありますが、そのような事実は前にあったのですか。
  82. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 私はさようなことは聞いておりません。
  83. 大倉精一

    ○大倉精一君 確かにこのときは私もちょっと聞いてみたのですが、神戸製鋼、大同製鋼、川崎というようなところに大体研究を命ぜられて、そうして今度は日曹製鋼というようはものですか、そういうようなものもまたある方面からの口添えによって中に入ってきた。これは試験の場合に不合格になったというようなことも聞いておるのですが、そういうことはあるのですか。
  84. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 私はさようなことは承知いたしておりません。
  85. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は今ここで資料をいただいて目下研究をしておるのですが、ここで一つさらに資料として要求したいことは、現在試作研究中のものにはどういうものがあるのですか、またそれをどこへ命じておるかというのをお出し願いたい。現在試作研究中のものあるいは試験が終ってこれから発注せんとするものがあると思いますが、それはどういうもので、どこへ命ぜられておるか。  それからもう一つは、この資料で、現在購入されたものの中の在庫状況をちょっと知らしてほしい。つまり補給廠かどこかでお買いになったもので、未だに残っているものですね、どういうものがお買いになった中で残っておるか、この資料は非常に困難ですか。
  86. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 今のお話の資料の初めの方は、これはできるだけ早く出しますが、まあ今お話のあとの方の分は、二十九年度――古いのは別として、二十九年度購入したものの在庫状況ということになりますと、これは容易ならぬ資料だと思いますが。
  87. 大倉精一

    ○大倉精一君 それで全部はむずかしいかもしれませんが、たとえば通信器材といったようは、そういうお買いになったもので、まだお使いになっていないものがあると思うのです。そういうものの在庫調べですね、出してもらえればいいんですが、その程度のことならできますか。
  88. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) そのうち編成装備品の関係とそうでない消粍品と両方ございますが、いずれにいたしましても、この品名の全部のうちで、特に問題のありそうなと御推察になるものをチェックでもしていただければ非常にけっこうだと思いますが、全部というとかえって資料自体が非常におくれることになりはせぬかと思いますが。
  89. 大倉精一

    ○大倉精一君 それではあとから大体私の方でチェックをしまして、あなたの方の可能な範囲でおわかりになるだけの資料をお出し願いたいと思います。  それで防衛庁関係はきょうはこれでおしまいになると思うのですが、資料に基いて継続調査一つお願いしたいと思います。
  90. 山田節男

    委員長山田節男君) さように決定いたしております。
  91. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私はさっきいただいた中央調達品購入調書のうちで、きわめて簡単な要求ですけれども、これはあなたの方で分類しておいでになる大分類がありますね、大分類ごとに年度別のトータルを知りたい、サム・トータル、それはすぐできますか。
  92. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) これはすぐ提出いたします。
  93. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 できたらお願いいたします、大分類ごとの年度別の。それからなお、それを拝見してからまたのちの機会にお尋ねしたいと思いますが、この大分類のうちで、これはさっき増原次長もちょっと触れておられましたが、たとえば糧秣、あるいは繊維もしくは燃料、たとえばそういったもののうちで、直接調達なさるようなものは、この大分類のうちに何かありませんか。あるいはたとえば石油ならみなメーカーとか業者から買っておいでになるようですが、これを燃料廠といったような構想に従って、直接精製をされるならば用途別のそういった計画、あるいは糧秣に例をとれば、回りくどい調達をなさるよりも、同じ政府関係ですから、それをもう少し直接のルートで買うことによって、多少でも経費が節減できるのじゃないかという意図からの質問ですので、そういうことについては従来より一歩前進するような考え方はありませんか。
  94. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) ただいまのお話のうちで、直接調達と申しますか、生産をするという考え方を多少でも検討している、と申しますのは、先ほど次長から申し上げましたように、燃料関係――燃料と申しましても、現在の所要量あるいは品質で、現在の民間の能率と比べてどうか、あるいは防衛上の特別の必要からみてどうか、これは非常にむずかしい問題であります、今日私ども結論を得たわけではありませんが、特にオクタン価の高い、たとえば一一五といったようなオクタン価の高いものについては、将来とも輸入ということになりましょうが、こういった問題については検討の余地があるのではないかというふうに考えておりますが、一般的にはもちろんいろいろの角度から常に論議はいたしておりますけれども、申し上げるほどの考え方は持っておりません。  それから今のもう一つの件は、あるいはとの前もお話の出ました米の購入のもっと経済的な方法はないか、こういうお話だと思いますが、この前申し上げました通りに、米につきましては各地の卸売業者から購入いたしておりまして、これを食糧事務所から直接購入するということになれば、もちろん若干のマージンの節約――一円か二円か三円でありますが、若干のマージンの節約等ということも考えられるのでありまして、実は私どもも前々から若干考えておったわけでありますが、今日まで結論を得ていない、と申しますのは、たとえば食糧事務所から卸しますのは、原則は、直接買います場合は玄米というのが建前でございまして、こちらで玄米で受け取って精白するというようなことも現実の問題として容易なことではないというようなこと、それから精白したものを直接食糧事務所から配給を受けるということも、これは農林省とは実は話をしたこともございます。しかし農林省といたしましては、帳簿の関係その他で必ずしも簡単にはいかないのじゃないかということも申しておりまして、実は結論を得ないままになっているのでございますが、この間のお話もございますし、あらためてそういう地点から検討してみたい。それから今度聞くことろによりますと、業務米の配給といったようなこともうわさに出ておりますし、そういうこともあわせて考えて、もう一度そういったことが可能かどうか、そういうことでたとえば二円でも三円でも安くする途はないかどうか、あらためて検討してみたいということで、せっかく検討にかかっているところでございます。
  95. 山田節男

    委員長山田節男君) 先ほど次長に外国から直輸入した方がいいのじゃないかという質問をいたしたのですが、たとえば今資料を見ておりますと、ジープを輸入している場合に、こうして第一次、第二次、第三次で四千七百四十二台、これはジープのトラックを輸入されているわけですが、この資料を見ますと、ジープ一台について十二万八千二百三十五円九十銭という三割の関税を払っているわけです。これは今申し上げましたように国の経資で買うのであって、これこそ免税にさるべきものじゃないか。これは私は非常におかしなものじゃないかと思う。これはやはり直輸入すればこういう必要はない。ガソリン、航空機あるいは自動車、あるいは船舶用の重油、こういうものに対しても、同じ税金で買うということになれば、莫大な税金をさらに使うということになります。これはどういうわけで、こうして防衛庁で使用するジープに対して輸入税を三割払わなくちゃいけないのか。との資料に出ておるのですが、こういったことが先ほど申し上げたように、ことにこれは安く手に入れるということは、国民の税金を使うのですから、免税であってもいいわけなんです。どういういきさつで、こういうように防衛庁の使用のジープが免税になっていないのか。そのいきさつはどういうわけでしょうか。
  96. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) 今の関税の点でございますが、これは現行法規では、かりに直輸入ということをやりましても、関税は現行法規ではやはり負担しなければならないと、かように考えております。この点につきましては、実は現在ジープには物品税がかかっておりません。この物品税を免除してもらうことも、当初大蔵省とずいぶんお話しまして、やっと特殊な、防衛庁のジープということではなく、こういう型のものはというような、これは省令にそういうように出ておりますが、そういうふうな、話合いをやっといたしまして、物品税だけは免除をしてもらったのであります。関税につきましては、私の承知いたしておりますところでは、直輸入にいたしましても、税を免除をしてもらうことは現行の法規ではもちろんできませんし、これは大蔵省との話になりますが、当時の物品税免除の経緯から見ましても、かなり大蔵省の考え方から言うとむずかしいのではないか、さように考えておったのです。
  97. 山田節男

    委員長山田節男君) ガソリン、重油の場合も、やはり関税の入ったものを購入されるのですか。
  98. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) さようであります。
  99. 山田節男

    委員長山田節男君) これは国費で購入するのですから税金を払う必要はないのであって、現行法でできないということをおっしゃいますが、結局との関税もやはり国民の税金が行くわけなんですから、ですから何もこれは不正じゃない、もう免税です。関税だけは免除するということはこれは当然じゃないかと思う。大蔵省がとの点を了承しないのですか。現行法でどうしてもできないというのですか。
  100. 久保龜夫

    政府委員久保龜夫君) さようであります。
  101. 山田節男

    委員長山田節男君) ほかに御質問ございませんか。
  102. 石川清一

    ○石川清一君 これは決算と少し離れますけれども、ちょっとお伺いしたいのでありますが、演習場の買収に伴う補償工費の支払いでありますが、今私に北海道から電話が参りまして、これは当然六月の二十九日に、もう部隊が入って、演習をどんどんしておるのでありますから、これは好意的に見ても支払いをしなくちゃいかぬのであります。ところがまだ支払いをされておらないために、労務者が集団的に工事場から去りまして第一工事区も、第二工事区もそういう関係で、工事費の支払いが遅れたために、工事ができない。とういうようなことになったのでありますが、まあ買収に伴う補償工費でありますから、若干問題はあるけれども、こういう点について損害が起きた、工事に支障をきたしているというような場合には、どういうようなお考えでおられますか。お伺いいたします。
  103. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 場所は富良野でございますね。
  104. 石川清一

    ○石川清一君 さようでございます。
  105. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) ちょっと私その件聞いてないものですから、至急取り調べまして、どういうわけでそういうことをやりましたか、至急取り調べますようにいたします。
  106. 石川清一

    ○石川清一君 まあ至急というのは、あしたも至急、また一月先も至急でありますが、事実工事は早く終らなければ、今工事に一番いい時期であります。すでに、御承知のように部隊は六月二十九日に、火砲を、もう集団部隊訓練として撃っている。そのほか駐屯キャンプの部隊ばかりでなしに各地からきているのでありまして、その工事の計画や、総体の金額については、すでに防衛庁も了解をしている。もう承認をしている。従って工事は一日も早く終らしたいと思ってやっているのでありますが、担当している請負者の保持能力にも、ある程度よると思いますが、演習場買収に伴う補償工費ですから、すでに演習場が、買収事務も終って使用している建前から見て、初めの話合いからすれば、これはもうお払いを、当然全額してもいいのでありますが、それができないとしても、工事に支障をきたすようなことがあった場合に、好意的に協力をし、部隊が演習場を使っているのに、ちょっと何かげせないのですが、至急とは、工事に支障をきたさないように至急やるというのですか。
  107. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 早速本日取り調べまして、私どもの方は電話でもできますから、事情を、本日中にでむ、どういう事情か確めます。
  108. 山田節男

    委員長山田節男君) ほかに御質疑ございませんか。――御質疑はないものと認めます。  では昭和二十八年度決算保安庁の部、検査報告批難事項、第十八号から、第四十七号までの質疑は一応終了することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議ないものと認めます。  なお、委員会の申し合せによりまして、防衛物資調達に関しまする件は継続調査議案といたします。それではさように決定いたします。     ―――――――――――――
  110. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に参議院の二十八年度決算について審議を行います。  本件に関しましては、事務総長から特に自発的に申し出がありましたので、本委員会において審議するごとにいたした次第であります。  まず会計検査院側から参議院二十八年度決算について御説明を求めます。
  111. 保岡豊

    説明員(保岡豊君) 昨年の九月の二十九日から十月の一日まで三日間、参議院の二十八年度決算につきましてこちらに参りまして実地検査をいたしたのであります。  その結果特に申し上げるような問題もなかったのでありますが、その検査の終りましたときに注意していただきたい事項を十件ばかり申し上げたのであります。それにつきましては大部分のものが現在までに是正されているという報告を受けております。この注意事項につきましてほかの官庁にいたしました注意事項につきましてはことで申し上げたこともございませんので、参議院についてだけ申し上げるのもいかがかと思いますけれども、特に概要だけ述べさせていただきますと、先ほど十件と申しましたもの、歳入に関するものが一件あります。それは宿舎費で有料とすべきものを無料としていたというもの、それから歳出につきましては三件ばかりあります。  一つは速記の用紙でありますが、これを年度末に至りましてまだ残がありますのに八十万枚ばかり買った、これはほかの官庁にもよくある例でありまして、どうせ要るものであるから買っておこうというのでありますが、それで越しになったものが約半年以上越しになったという結果を起しております。金を物にかえて寝かしておくことはちょっと困るし、その年度で要らないもの、また残があって来年初めまでには十分つなげるという場合には買わない方がいいんではないかという注意を申し上げたわけであります。  それからもう一つ年度区分を誤まったものと申しますか、年度違いと申しますか、印刷局に議案の印刷を頼みまして、二十七年度中に入っておるのでありますが、五百万円ばかり印刷局からも納入告知は来ておりますが、それを流用すれば、大蔵省に承認を得て流用すれば払えないことはなかったと思うものを、二十七年度中に払いませんで、二十八年度予算から支出負担行為を起し、支出をしている例があるわけであります。  もう一つは会議費でありますが、各委員会などにワクを分けましてそれでやっておる、会議費に使った数カ月後に支出負担行為を起し、支払いをやっているのが数カ月後といたしますと、ワクが変更になったりまた内容もそういうものではいかぬというようになったりすることがありますし、架空経理の原因ともなると考えますので、これも今後注意していただいたわけであります。  その次に現金の取扱いに関するものでございますが、小切手の取扱い等を含めまして二件ほどあります。小切手の取扱いは小切手振出等事務取扱規程によりまして規定されておる通りに、小切手取扱いの補助者を支出官が命じていなかったという件でありますが、これはもうすでに是正されて命ぜられておる報告を受けております。  次に証人などの旅費の支払いでありますが、この旅費の支払いをするのに、会計課の職員が受領代理人となりまして、委員部の職員を通じて渡して領収書を取っていた、この渡すまでがまだ公金でありますので、その間非常に不安である。今まで悪いことがなかったけれども、非常に不安であるということでありますので、この点は直していただきたい、前渡資金官吏を設けてやればいいではないかという注意を申し上げたわけであります。  次に物品の取扱い及び整理に関して二件ばかりあります。物品の帳簿と現品の不符合がかなり多いので、前々から問題になっておりましたが、昨年度もまだ整理が終っておりません。その後整理ができたという報告を受けております。  それから畳のしまいどころが悪くて腐らしたという件もあります。  次に国有財産に関する件が二件ばかりあります。いずれもただ整理の問題でありますが、四千七百万円ばかりの土地を購入いたしまして、すぐ台帳に登載しなければならないのに、それを登載していなかった。これも年度末までには整理されておるようであります。  それから大蔵省の所管となっておる宿舎費は、歳入として国会に入っておるのでありますから、それは国会所管にすべきものである。それが国会所管にしていなかった。これも現在では是正されておる、こういうことであります。  以上、ほかの官庁では申し上げないようなことでありますが、今御質問がありましたので特に申し上げました。
  112. 山田節男

    委員長山田節男君) 続いて参議院側の説明を求めます。
  113. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 昭和二十八年度の本院関係決算につきまして概略御説明を申し上げます。  二十八年度の経理方針としましては、二十七年度決算の結果にかんがみまして次のような措置をとり、一そう監督を厳にしてあやまちなきを期した次第であります。  すなわち従来は、支出官は会計課長、支出負担行為担当官は会計課の所属職員でありましたが、二十八年度におきまして、前者を、つまり支出官を庶務部長、後者、つまり支出行為担当官を会計課長に格上げいたしまして、機構上の整備をはかりますこともに、会計課内に照査係を新設して、内部監査の励行に努めた次第でございます。  次に二十八年度決算の数字につきましては、決算報告書で御承知のここと存じますが、なお、御参考までにお手元に一枚紙の資料を差し上げましたので、ごらんをいただきたいと思います。  ただいま会計検査院の方から検査につきましての口頭をもっての若干の注意をいただきましてお話が出たわけでございますが、それぞれ直ちに改善措置をいたした次第でございます。  まず第一に議案類の印刷費についてでありますが、これは過年度支出になっております。つまり会議録、議案類等の印刷が年々増大しておりますので、十分な予算がこれに伴っておりませんために、印刷局に対する二十七年度分の支払いを二十八年度で支出した点であります。これはその後におきまして、つまり二十八年度分及び二十九年度分におきましては予算措置を講じまして年度内にそれぞれ支出を完了いたし、今年の三十年度も同様にいたしたいと考えておるわけであります。  第二に御指摘物品の整理につきましては、不用物品及び各部課供用物品の整理につき注意を受けたわけでありますが、これは二十九年中にその整理を完了いたしております。  第三に給与、旅費の現金支払いのための資金前渡官吏を設置するよう慫慂を受けたのでありまして、衆参両院協議いたし、同時にその設置をはかった次第であります。  第四に無料宿舎につきまして、公邸等の付属舎に居住しておる者につきまして、従来無料宿舎の扱いをしていたのでありますが、これもその後他の職員同様宿舎料を徴収することにいたしました。  最後に新庁舎の増築について御説明を申し上げたいと存じます。本件庁舎は議員の面会所、政府委員案、事務局、法制局の事務室等に充当の目的をもちまして、地下一階、地上五階の鉄骨、鉄筋コンクリートで建築するものであります。右の工事は当初地下一階、地上三階の計画で作りまして、二十八年度分として二千二百万円、二十九年度分として一千万円の予算を計上いたしました。しかるところ衆議院との関係もありまして、地上五階に計画変更の議が起ったためと、それからまた国会会期との関係等もありまして、二十八年度分は未着手のまま二十九年度に繰り越しをいたし、二十九年の五月に着工いたしました。その間二十八、二十九両年度分を合せまして予算を二千百万八千円に補正等によって減少されまして、該金額分は現在工事を終了いたしております。なお、三十年度分は四千万円の予算を計上しておりまして、国会が閉会になりましたならば直ちに着手をする予定にいたしております。なお、二十九年度施行の内容は現議員面会所、ただいま厚生課が入っておりますが、これの移転と新庁舎の七、五スパン分の基礎工事、それから土留工事等であります。三十年度工事といたしましては、その残りの基礎工事の四、五スパン分及び地階、地上一階までの鉄骨、地階全部のコンクリート打ちまでを施行する予定であります。  なお、それから申し添えておきますが、旅費、会議費等委員関係経費につきましては、議院運営委員会で割当を決定いたしまして、その範囲内で経理をいたしておる次第であります。  以上概略でありますが、参議院事務局の歳出決算につきまして御報告を申し上げました。
  114. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいま出席の方は参議院からは芥川事務総長、渡辺庶務部長、並びに浅井会計課長が見えております。会計検査院側は安岡検査第一局長が見えております。  御質疑をお願いいたします。
  115. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) もし委員外の発言を許されるならば五分ばかり発言したいのですが。
  116. 山田節男

    委員長山田節男君) 八木君の委員外の御発言の御要求がありましたが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) 事務総長にお伺いをいたしたいのですが、今事務関係の国会の建築の御説明がございました。私はあの建築、はなはだうかつでありますけれども、あの建築には実は反対なんでありますけれども、今もその問題を予算委員会で総理の御意見を伺ってきたのですが、かりに三十一年度からあの工事をこういう予算が取れなければ一体どうなるのですか。参議院側の予算は私よく存じませんが、参議院、衆議院を合して二億九千万円の大体予算の工費だ、こう承わっておるのですが、年々二千万円とか四千万円とかいうように地盤を固め、コンクリートを持って鉄骨を建てて、かりに三十一年度予算が一文も取ればいというのならば一体どうなるのか、その辺のことを一つ、私はやめる方の側であるから、そういう点は一体どうなるのですか。この間も予算委員会でそのことを聞いたら、主計局長さえも、あれは予算は四千万円ですというようなことをおっしゃった。年々の予算のことはあとでお伺いしますけれども、全体では二億九千万円と私は伺っておるのですが、参議院閥係がそのうちの一億五千万円になるか、幾らに止るか存じませんが、来年の予算がとれなかったら一体どうなるか、地盤、鉄骨の関係はどういうふうになるか、その辺を御説明いただいたらいいと思います。
  118. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) ただいまの八木委員の御質問にお答えいたします。ただ八木委員の御質問はやめるという前提のもとに立っての御質問でありますので、まだその段については検討いたしておりませんが、衆参両院、今度は建物は同じ設計でありまして、一階から五階まで、現在のところただいま申しましたように、本年度四千万円を追加して、私の方はまず約六千万円しかまだ消費しない段階でございますが、衆議院の方はそれよりも約三千五百万円二十八年度において予算がよけいとれておりますので、工事がやや進捗しておる結果になっております。これは来年度において大蔵省との折衝の上、衆議院に追いつくように実はいたすつもりでわれわれは努力をいたしておるわけであります。大体でき上りまでの予算が参議院だけでありまして、約三億一千万円の予定にいたしておりまして、この計画そのものは大蔵省も了知の上、年々予算折衝に当るということになっておりまして、これは議院運営委員会のもとに庶務小委員会がございまして、庶務小委員会において御承認を得ておるのであります。もしこれが途中でやまった場合にはどうなるか、これは仮定の問題でありますから、お答えするのも困難でありますが、かりに途中でやまりましても、今の工事では下の方から私の方は積み上げていっておりますので、来年度の、今年一ぱい四千万円使った姿は地下とそれから地上一階がコンクリートが完成しておるという状況でありまして、その後予算を、鉄骨をさらした姿になるかどうかということは、次年度予算によって決定いたしまするが、予算がもしこないというような場合には、何か研究をして、そこで使用できるようにいたさなければならぬと考えております。今のところ計画は、衆参両院ともそれぞれ委員会の承認を得て、五階ということで方針を決定されておりますことをお答えいたします。
  119. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) もう一点伺いますが、参議院だけで三億円というふうに今伺いましたが、さようでございますか。
  120. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) さようでございます。
  121. 八木幸吉

    委員外議員(八木幸吉君) 私は予算の問題もあまり明るくありませんけれども、毎年わずかずつ持っていって、結局実は三億円の工事になり、鉄骨も一番上まで上げてしまうんだというのは、しかし、議院運営委員会庶務小委員会を決して軽視するわけでも何でもありませんが、予算がとれないのにやらなければ、あくまでおさまりがつかんぞといったようなやり方は、実は私としてははなはだ遺憾なことでありますけれども、これ以上申し上げる必要はありませんから……。どうもありがとうございました。
  122. 白井勇

    ○白井勇君 議運できまるもんだというお話ですから、事務総長にお聞きしてもどうかと思いまするが、私は金がないという話ばかり聞いておったんですが、こういうふうにたくさん余って参りますのは、ここにあります通りに、議員のたとえば欠員によりますもの、あるいは職員の関係のやつなんか、これはどういうふうな欠員になっておりますか。
  123. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 二十八年度の議員の欠員と職員の欠員について予算が余ったわけでありますが、これは年度々々で違うのでありまして、該問題は、議員の関係と申しますと、林了先生と工藤鉄男先生と、加納金助先生がなくなられまして、これは予備金の方の支出の面にはっきり出ております。それから職員関係としましては、この年は宿舎もふえるというので、宿舎の関係で定員をもらっておりました。その予算を使うのがおくれたために金が浮いてきた。大体毎年におきまして、十一、二名の欠員は人件費に一応盛っておるという現状であります。その関係予算が二十八年度には非常に大きく余ったような格好になっておることを御了承願います。
  124. 白井勇

    ○白井勇君 各委員会で割り振っております旅費ですけれども、あれはこの二の旅費に入りますか。
  125. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) さようでございます。
  126. 白井勇

    ○白井勇君 そうしますと、私今まで関係しておりました委員会では、旅費がなくて実際実地調査をしなければならぬところへほとんど行けないとか、あるいは行きたい人がありましても、人数を制限しなくちゃいかぬということばかりを私は聞いておるのですが、足りないのかと思ったらこれだけ余っている。なぜこれはもう少しうまく、これは議運の責任ですが、あなたにお聞きしても……。
  127. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 事務関係は私が全責任をもって資料その他を作製して、議院運営委員会庶務小委員会の御了承を得、さらに議院運営委員会に報告をして、速記のつくところにおいて御決定をいただいておりますので、これは毎年度同じでございまして、旅費につきましては約二割を留保いたしております。その残りを委員会の数に応じまして、委員の数に応じて按分して、各委員会に分けておるわけであります。そして、それによってそれぞれ御出張願う。たとえば、臨時に突発して、災害等で出ていかなければならぬ、あるいはハウスで決定して出ていかなければならぬ、こういう場合はその留保分で、議長の命で出ていただく場合、あるいは議決で出ていく場合等でございます。そういうふうにして、議院運営委員会に正式にお諮りして決定をみておることを御了承願います。
  128. 白井勇

    ○白井勇君 そうしますと、私はもう少し効率的に使ったら、こんな六百万円も余すようなことなしに、各委員会に割り振って、必要な調査をやってもらったらいいじゃないか、こう私は書いたくなるのですが、これはどうですか。ことに二十八年度なんかになりますと、災害も非常に多かった。これは非常に困ることだと思う。
  129. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) ちょっとお手元にお配りしました六百万円、ただいま申しましたこの旅費の中には、議員の欠員によるもの、これは滞在雑費も全部旅費に入っておりますので、六百七十四万という数字が出ておりますが、二十八年度における議院の委員旅費の不用額になりましたのは二百二十万円であります。もちろんそれも相当金額残っているじゃないかということでありまするならば、これは議院運営委員会の方で御相談願う、こういうことにいたしたいと思います。
  130. 山田節男

    委員長山田節男君) 参議院の物資調達については、競争入札が原則とされておると思うのですが、随意契約もございますか。
  131. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 原則としては競争入札でやっておりますが、会計法の二十九条に基きまして、指名競争入札、たとえば、非常に優秀な自動車を手に入れたいというような場合につきましては、これは随意契約になっているというように御了承願います。
  132. 山田節男

    委員長山田節男君) 自動車に使用するガソリンは、これは競争入札になっておりますか。
  133. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 競争入札になっております。
  134. 山田節男

    委員長山田節男君) 自動車に使うガソリンが、非常に質が悪くて、ある委員長のごときは、エンジンをこわすので、よりいいガソリンをみずから買うというような実は例があるわけです。そういう、いたずらに経費を惜しんで、機械のエンジンの方をいためるような粗悪なものを使うのは警戒しなければならん。私は現在そういう例を知っておりますが、こういった点は、いたずらに値段が安いというよりも、やはりエンジンをいためないような程度のものは、これは購入する必要があるのじゃないかと思いますけれども、こういう点は、これは私一つの注意事項にねりますが、現にそういう例を私知っているわけなんであります。この点は特に御注意願いたいと思います。  それから予算執行上において、議院運営委員会、あるいは議院運営委員会の小委員会等で、事務総長に対して予算執行上について、ある指示を与えたり、支出を要求するとか、こういう事実は過去において、少くとも二十八年度決算において、そういう事実はありませんか。
  135. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 議院運営委員会の庶務小委員会におきましては、予算要求する場合、それから予算を、旅費、会議費等を割り当でる場合、その場合に私どもが案を持ちまして御決定を願っておりまして、執行そのものについて、運営委員会の庶務小委員会から私の方に御指示があった例はございません。
  136. 山田節男

    委員長山田節男君) そういたしますると、予算執行上、予算において款項目がきまっておれば、大体款項目を変更するような、議院運営委員会、あるいはその小委員会が、事務総長に対して変更を指示するというようなことはいまだかつてないわけですね。
  137. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) いまだかつてございません。
  138. 白井勇

    ○白井勇君 これは、会議録ですね、これはやっぱりあなたの方の何か一つの監督下にあるわけですか。これはあれですか、大体会議がありましたら、何日ぐらいまでにわれわれの手に入れるという目途のもとに、いろいろ速記や印刷の方等手配してあるのですか。
  139. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 会議録は法に基きまして原本をわれわれは備えつけて、記録部長から事務総長に提出し、事務総長からそのときに議場におられました議長及び副議長の御判をいただきましてその原本を永久に保存する義務があります。これは厳重に保存いたしております。なお会議録の作製でありますが、現在本会議は、午前に済みました本会議は翌日の午後にはお手元に配るように極力馬力をかけております。これはあるいは前々……もっと前かもしれませんが、なるべく早く本会議の会議録をお手元に届けるようにいたしております。なおたとえば予算委員会等非常に急がれる、あるいは決算委員会でも同様でございましょうが、特に急いで資料を提供しろという場合には、若干そこに力を入れましてやっておるわけでありますが、現在は早いので三日、平均して一週間くらいでお手元に行っておると思います。
  140. 白井勇

    ○白井勇君 これは私こっちへ入ってから見ますと、非常に早くなりましたね。今のお話の程度のものじゃないかと、私、思うのですが、早くなった割合に、これは私のように言葉の悪いものはしようがないのですが、相当やはり誤字というものが多いようです。ほかの方の場合を見ましても、まあ私は多少誤字なんかがありましても意味がとれるのですから、一日も早い方がいいのだと思っておりますけれども、これは私、速記録を見まして、職員の金がないのだったら、これだけ余っているのだから、むしろそういう方面に足りなければ人手も増してやれるのじゃないかと、ちょっと簡単に考えたものですから……。
  141. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) その点についてはもう少し説明を加えたいと存じます。実は本会議等の例を申し上げますと、本会議の会議録がこうやって速記にとって、夜になりまして大体翻訳ができて、それを夜に印刷局へ――印刷局の出店ではなくて本局の方へ持ち込みまして、本局の方では夜待っていてもらいまして、夜の作業をして活字を組んで、それから印刷をする、それが衆参両院がそれにかかっていくわけでありまして、そのときの情勢でだいぶ変って参るわけであります。その関係がありますので、これはわれわれの方の、速記の方のスピードだけではきまらない面がありまして、速記の方の陣容等につきましては大体これで十分という数字に今なっております。あとは印刷局の方の能力の面が関係して参ります。できるだけ努力はいたしますが、今のところ精一ぱいという感じがいたします。
  142. 石井桂

    ○石井桂君 事務総長、国会図書館の工事についておわかりでございましょうか。
  143. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 私もあそこの建設委員会の委員をいたしておりますからわかることは若干わかりますが、その方は一つ図書館の方にお聞きを願いたいと存じます。
  144. 石井桂

    ○石井桂君 ちょっと、国会図書館が、昨年ですか、懸賞設計をやって、そうして一等の当選案に基きまして工事を進めた。ところがその一等当選案をとり入れようとすると、設計者の設計料の予算がとってない。そのために設計がおくれて図書館が土を掘るだけで先へちっとも進んでおらぬ、このことは、どなたがその予算を作る責任者か私にはわかりませんけれども、やはり作るということで進んでおれば、設計料も払えないような予算を組むのは、非常に当を得ていないと私は思っております。それらの事情がおわかりになればおわかりになっている範囲だけでお聞かせ願えれば、大へん幸いに存じます。
  145. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 当時懸賞の当選者の選定につきましては、私も委員として参画いたしておりましたが、あれが決定してから相当長きにわたって設計が決定しない、こういうことのようでありますが、これは責任者はあくまで図書館長なのでありまして、予算を獲得するのは図書館長でありまして、私も若干意見がございますけれども、これ以上申し上げるのは差し控えさしていただきたいと思います。
  146. 山田節男

    委員長山田節男君) この歳出関係に、最後にその他というので約五千七百万円でありますが、この中でおもなものはどういったようなものでありますか。
  147. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) その他の五千六百九十二万七千円のうちでおもなものを申し上げますと、議会雑費が五百八十九万六千円でございます。議会雑費と申しますのは役員の、国会常任委員長役員手当でございます。それから閉会中に行います審査雑費、これが七百五十万円ございます。それから立法事務費が、これは大口でありますが、これが三千万円ございます。これは各党にお分けしておる費用でございます。大体おもなものはそういうところでございます。なお若干こまがいものもございますけれども、一応おもなものだけを申し上げました。
  148. 山田節男

    委員長山田節男君) ほかに御質疑ございませんか。――ほかに御質疑ございませんね。  それでは参議院の昭和二十八年度決算につきましては、これを認めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 山田節男

    委員長山田節男君) それじゃ御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。  本日の決算委員会はこれをもって散会いたします。    午後四時四十八分散会