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1955-07-15 第22回国会 参議院 決算委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十五日(金曜日)    午後二時一分開会     ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            青柳 秀夫君            岡  三郎君    委員            石井  桂君            大谷 瑩潤君            西川彌平治君            白井  勇君            飯島連次郎君            島村 軍次君            三浦 辰雄君            久保  等君            近藤 信一君            小林 亦治君            木島 虎藏君            市川 房枝君   政府委員    大蔵省主計局司    計課長     柳澤 英藏君    厚生政務次官  紅露 みつ君    厚生大臣官房会    計課長     堀岡 吉次君    厚生省公衆衛生    局長      山口 正義君    厚生省引揚援護    局長      田邊 繁雄君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大澤  實君   参考人    日本開発銀行総    裁       小林  中君    日本開発銀行理    事       中村 建城君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○連合審査会開会の件 ○昭和二十八年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまから第二十九回決算委員会開会いたします。  まず委員会の議事に入る前に今後の当委員会におきまする決算審査の取扱いについて御協議申し上げたいと思います。  実は前回委員会でお諮りしました今国会中に各省の、あるいは特別会計政府関係機関決算報告審査報告をすべきかどうか、理事会にお諮りいたしまして、本委員会にお諮りしたんでありますが、そのときに多少御意見のある方もございました中に、ごもっともなような点もありますので、あらためて当委員会に懇談して御相談申し上げよう、こういうことになっておりましたのであります。その前に一つ今後の日程でございますが、きょうが十五日で厚生省開発銀行、残っておりますのが国有鉄道防衛庁でございます。国有鉄道は月曜日の十八日の午後一時、防衛庁のほうは二十一日の木曜日の午後一時からにいたしまして、二十一日に予定しておりました各省への警告決議、それから審査報告議決でございますが、これを二十五日月曜日にしていただきまして、二十一日には防衛庁関係をやる、こういうことにいたしたらどうかと思うのであります。もちろんそういたしますと、間にブランクができまするが、のちほどまた御相談申し上げたい。例の補助金に関する法律案が出ておりますので、それらもまた本委員会として、また連合審査会問題等もあればやりたいと思いまするので、今できております日程は、防衛庁は二十一日の午後一時、各省警告決議審査報告議決に関しましてはこれを二十五日の午後一時ということにしていただきまして、従って二十七日に予定しておりました審査報告の問題でございます。これが前回多少御意見もございましたので御伺いしたいと思うのでありますが、大体残っておりまするものは、さよう日程一つ進みたいと思うのでございますが、それに関連いたしまして、この二十八年度の決算報告に対する審査報告を、二十二回国会の今期において報告すべきかどうか、この問題をまずお諮りしたいと思うのでありますが、まず国有鉄道防衛庁日程、これをいかがにいたしましょうか。国有鉄道防衛庁、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山田節男

    委員長山田節男君) そういたしますと、その次にはこの各省警告決議、それから審査報告議決を願うことでありますが、これを今会期中に審査報告いたしますれば、各省警告決議審査報告議決を二十五日にやるかということでございますが、これは審査報告を今国会会期にやるかどうかということに関連いたしまして、皆さんの御意見を承わりたいと思います。
  4. 島村軍次

    島村軍次君 きょうまで二十九回にわたって熱心に審査を進めてきて大体相当終了したと考えられますので、一体決算審査が従前から非常に遅れて参ったということは、われわれ非常に遺憾に思っておったのでありますが、今回は委員長ほか皆さんの御熱心によってスピードに進みまして、大体本会期中に終了することが得られれば、本会期中に審査報告を進めるのが筋だと考えられますので、ぜひ会期中に本会議にかけて、報告するようなことに運んでいただきたいことを提議いたします。
  5. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 ただいまの島村さんの御意見と同様でございまして、島村さんが提議とおっしゃったから賛成になるわけですけれども、きょう自由党のこちらの院の人々が集りまして、熱心にやってきたから、できれば本会議で上げていただきたい、こういう大体の意見でございます。
  6. 小林亦治

    小林亦治君 この十八日の国有鉄道ですか、それから二十一日の防衛庁、これらはとうてい一日で、従来からのことを考えても片づけるわけにいかぬと思うのです。調査事項にぜひ加えていただくことによって、二十八年度の決算は、ただいまの両委員のおっしゃるように、会期の再延長という話もよりよりありますが、おそらくそれはないものと私どもは思っておりますので、本国会中に調査事項をなるべくたくさん残して、二十八年度を議決するような運びに持っていってもらいたい。
  7. 岡三郎

    岡三郎君 ただいまの問題について、きょうわが党としても決算委員が集って協議したわけです。その結果、今小林委員が言ったように、調査事項としていいろいろと検討されるべき問題もあるので、それは後日決定するとして、今会期中に審査報告をすることをわれわれとしても承認するという結論に達したのでございます。
  8. 木島虎藏

    木島虎藏君 私のほうも同じよう意見でございまして、ちゃんときりをつけたほうがいいじゃないか。
  9. 山田節男

    委員長山田節男君) そういたしますと、大体各会派とも全会一致で同じ意見が出ているわけでございますから、さよう取り計らいます。
  10. 小林亦治

    小林亦治君 もう一つ註文があるのですが、二十五日の報告書議決の場合に、従来もそうであったのですが、やはり各省大臣出席するように、書面で御要求願っておきたいと思います。
  11. 山田節男

    委員長山田節男君) これは前にもお諮りしたことがございますが、この一般会計決算特別会計決算、それから政府関係機関決算報告書、これは非常に多数に上るわけでありますが、その中で特にわれわれ決算委員会として審査の結果、当局者に対して重大な決意をもって、改めることを努力しなければならぬというものを選び出していただいて、それに個別的に警告決議を発しようということにお諮り申し上げたのですが、今のところでは農林、建設、運輸、それに防衛庁並びに政府関係機関としましては国鉄、この五者に対しまして警告決議を廃する。それがためには大臣並びに総裁、これを呼んで警告決議を渡すということにいたしまして、他の者に対しましては、もちろんこれは総括的ということもございますが、これもでき得べくんば、私は参議院の演算委員会出席して、当委員会審査の結果によって出ました当委員会意見は、やはり聞かすべきだ、これもさよう取り計らいたいと思っておりますが、御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 山田節男

    委員長山田節男君) ではさよう取り計らいいたします。  それでは審査報告を今国会でいたすということについての条件がございましたが、継続調査としての案件をどうするかという問題がございますが、もう前国会以来、当委員会に継続されておりますのが国鉄民衆駅に関する件、各省庁の内部監査に関する件、それから病変米に関する件、それから郵便逓送自動車請負契約に関する件、それから国有財産虎門公園地原形復旧に関する件、この五件がございますが、それに加うるに、今国会審査の結果、これは継続して調査すべきだという案件といたしましては、第一、国庫補助金に関する件、それから次には農業共済再保険に関する件、それから防衛庁物資調達に関する件、国鉄外廓団体及び運賃滞納に関する件、この四つを従来の五つのものに加えまして案件としてきめていただいて、休会以後にこの問題について当委員会において調査をいたす、かようにいたしたいと思うのでございますが、この案件につきまして、もし御意見あるいは追加等ございますれば、御意見承わりたいと思います。
  13. 岡三郎

    岡三郎君 新らしい調査案件異議ないのですが、前国会以来の調査案件中、八の郵便逓送自動車請負契約に関する件は、その後どうなっているか、十分にわからないのですが、私の意見としては、やはりここに並列しておくほどのこともないと思うので、こういうのは実質的にその案件をやるということになればともかく、削ってもいいのではないかというふうに考えるのですが……。
  14. 小林亦治

    小林亦治君 腹としてはこれは岡委員のおっしゃることもわかるのですが、まだ決定的な結論というものをつかみとっていないのですから、一応やっぱり加えておいたらいいと思います。それからそうおっしゃれば、七の病変米、これも同じことなんですが、先国会ですか、決議をやりっ放して、その後の状況というものは、本国会でまだ聞いておりませんから、やはり前のに加えて全部残した方がいいと私は考えるのです。判ったとなると、どうもそれを看過してしまったようにとられても……。
  15. 山田節男

    委員長山田節男君) これは他の委員の御意見もあるだろうと思いますが、今国会はたしかこれに郵政省の外廓団体として郵便逓送会社、これのみならず、まだほかにも三社か四社あるわけです。ちょうど東委員がこの問題を非常に熱心にやられまして、私もちょっと研究してみたわけですが、実はまだ結論が出ていないわけなんです。ですからこれは一応けりをつけるならば休会中にもう一回ぐらい審議していただいて、これを中心にまだ三つか四つかあるようですから、これを、やはり一応けりをつけて、現状現状のままにしよう、それにはこういうふうにするという程度の一つ意見をまとめてやったほうがいいのじゃないか、だらだらして自然消滅したというと、ちょっとわれわれの権威にもかかわるようだから、一つ休会中でも古いのから結論をつけたらどうかと思います。
  16. 岡三郎

    岡三郎君 大体わかりましたから、まあ、そういう事情ならば、一応適当な機会にけりをつけて整理してもらいたいと思うわけです。
  17. 山田節男

    委員長山田節男君) 承知しました。  それから今の国有財産虎門公園地原形復旧に関する件、これは今国会、当委員会にも法務省総務局長が参りまして報告をいたしました。その判決があったらば、さっそく国会に御報告申し上げ、勝つか負けるかというような御質問もあったわけですが、法務省当局としては勝つ見込みがございますということを言うておりましたが、これもやはり判決があってのちに、また一つ今申し上げた郵便逓送自動車の問題と同じようぐあいに一つけりをつけていただく。それから広い意味で申しますと、これ以外には、例えば国家経理の是正に関する件という大きなワクを設けておいて、そうして随時これ以外の問題が起きた場合に各委員取り上げていただいて、これをやろうとおっしゃれば、さらにこれよりまた殖えるかも知れないというワクを設けておいたらどうかと思います。こうも考えるのでございますが、いかがでございますか。   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  18. 山田節男

    委員長山田節男君) よろしゅうございますか。ありがとうございました。それではさように決定いたしたいと存じます。  それから最後にこれは今日お手元に出たと思いますが、例の補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案、本日大蔵委員会に付託されたのでございます。もちろん、この問題に関しましては当委員会がもっとも関心を持ち、それからこの法案が出るに至ったのも、実は当委員会がなにしたために出たわけです。実は大蔵省当局からも、本決算委員会に対して非常にこの点について感謝の意を表して来ておられます。そのことも合せて御報告申し上げますが、これを大蔵委員会のほうに付託されますと、どうしてもやはり連合審査会として当委員会もこれに参加いたしまして、当然われわれの意見を申し述べることについて御異議ございませんですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 山田節男

    委員長山田節男君) それではさようにいたしまして、先ほど申し上げました日程に重複しないように、大蔵委員長のほうへ連合審査会開催の申し込みをいたすことにいたします。  それから例の各省に対する警告決議及び審査報告日程として二十七日にありますが、事務当局の都合もございますので、二十九日――三十日もあるかも知れませんが、二十九日といたしたらどうかという御意見でございますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」「委員長一任」と呼ぶ者あり〕
  20. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは大体二十九日ということにベッド・ラインをきめて……。  以上が懇談申し上げたいと存じました事案でございます。     ―――――――――――――
  21. 山田節男

    委員長山田節男君) 次に、昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算  昭年二十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十八年度政府関係機関決算報告書  を議題といたします。  本日は厚生省の部を審議いたします。出席の方には紅露政務次官、それから楠本環境衛生部長堀岡会計課長山口公衆衛生局長田辺援護局長会計検査院上村検査第二局長出席されております。  では、各委員から御質疑をお願いいたします。  前回委員会で問題になりました援護局関係の問題で、ここに資料が出されておるようですが、あの案件につきまして、実は、厚生省当局から重ねて一つ説明願いたいと思います。
  22. 紅露みつ

    政府委員紅露みつ君) この前のときに遺族援護、遺家族の年金につきまして繰り越しが約六億でございましたと思います。これについて御質問をいただいたわけでございますが、結論を得ずに今日に持ち越しております。いずれ詳しいことは援護局長が今出席をいたしますので御報告をさせていただきたいと存じますが、大体不当に繰り越しがあるではないかとお叱りをいただいたわけでございますけれど、初めての裁定をいただきますまでは、遺族方々も大へんに心配をいたしまして、裁定があったということになりますと、急いで取りに見えるのでございますが、二回目からになりますと、安心というものもございましょうかして、急いで取りにこられない、どうも延びる傾向かございますので繰り越しも常にそのくらいになる。決してこれはよけいに放漫に繰り越しておるわけではございませんが、いつ取りにくるかわからない。むしろもっと早く取りにくるべきで、こちらもそれを推進しているのでございますが、どうも安心をいたしますと、二回目からはそうした傾向が出ておる、こういうことが大きな原因になっておるわけでございまして、詳細は今援護局長が見えましたので、続いて御説明をさせていただきたいと存じます。
  23. 田邊繁雄

    政府委員田邊繁雄君) ただいま政務次官が御説明申し上げました点に補足いたしまして御説明申し上げたいと思います。お手元にさし上げてありまする印刷物の中に、昭和二十八年度の遺族援護費繰り越しせられました理由につきまして、これは書いてあるのでございますが、当初の予算額が二十八億四千二百万円に対しまして、繰越額が六億五十万円というのは相当多額の繰り越しように考えられるのでございますが、実は遺族援護法は、御承知の通り昭和二十七年に軍人恩給の復活するまでの暫定的措置ということを主眼として立法されたのでございまするから、軍人恩給復活後においての援護法恩給法との関係につきましては、いろいろの調整が必要であったのでございます。しかして軍人恩給裁定になりますまでには、相当の日数を要しますので、恩給裁定になるまでは、援護法裁定になりました金は打ち切らずに、そのまま継続支給いたしまして、恩給が支給せられるようになった場合におきましては、その恩給費の内払いとみなすというふうにされたのでございます。従って裁定がどうしても多数に上ります関係上、遅れますので、当初予定しておりました二十八億四千二百万円では、恩給の内払い的な経費も支給できないので、二十八年度におきましては三回にわたって計七十五億九千三百万円の金を恩給費から移用いたしまして支払ったのでございます。従いまして二十八年度当初の予算額恩給からの移用額と、それから二十七年度においての若干の裁定が遅れた関係上繰り越された金額とを合計いたしますと、百四十四億六千万円の経費が二十八年度における予算と相成るわけでございます。しこうして恩給から繰り越しまする経費は総額七十五億九千三百万円が三回にわたって移用されております。二十八年九月十二日、二十九年三月九日、二十九年三月三十一日の三回にわたって移用を受けております。しこうしてその三月三十一日における移用額が最も多額でございまして四十億でございます。これをきめます場合には、三月三十一日末における最低の見込み数を精密に計算をいたしまして、本年度内において遺族年金証書本人に渡るであろうという数を計算いたしまして、そうして従ってそれだけの金が必要であろうということで計算したわけでございます。この見込みにつきましては、あるいは証書を書くために時間を要するとか、あるいは裁定が若干遅れたということで、多少の遅延等もあるかとも思われますが、これはあまりにそう大して裁定が遅れたからとかなんとかということはなかったのではないかというふうに思われます。三月一日以降、三月に入りましてから毎日々々の各郵便局における金の支払い状況等も堪案いたしまして、貯金局のほうと相談いたしまして移用額を決定いたします関係上、実績を基礎として算定しておりますので、大した見込み違いはなかったのではないかと考えます。しかし現実に六億五千万円という繰越額を生じたということは、それだけ現実支払いをしなかったということでございますが、この支払いをしなかったということは、裁定見込数が間違っておった、従って移用額見当が間違っておったということよりは、むしろ証書本人手元に渡っても、いろいろの事情で受け取りにおいでにならなかった方があるのではないかということが想像されるわけでございます。その説明といたしまして、お手元に差し上げました表の二枚目の一番最後に二十九年の三月から三十年の三月に至る各月の支出状況を書いてございますが、二十九年の三月は遺族年金の半年分の支給期でありまする関係上、四十九億二千七百万円に相なっております。四月の月が九億二千八百万円例月に比べて多くなっております。従って三月に支払わるべきものが四月において大乱分が支払われた、こう考えておる状況でございまして、当初遺族年金裁定に与りましては、二百万に上る遺族年金弔慰金裁定でございまするので、あらゆる工夫をこらしまして、中央、地方の各機関におきてまして総力を動員いたしまして裁定事務を急いだのでございまするが、事務か膨大にわたりまする関係上、裁定は済んでも通知書を書く、あるいは証書を書く、国債連絡のために通知を書くという作業裁定作業とが必ずしも並行的に進まないという関係がございまして、当初その間にちぐはぐがあったのでございますが、なれるに従いまして漸次軌道に乗りまして、中央裁定いたしましてから一月ないし二月の間に遺族年金証書及び国債証書本人手元に渡るようになったと思うのでございます。しかし多数ある御遺族の中に、いろいろの手違い等から、その期間がおくれるということが起りがちでございまするので、その点につきましては絶えず関係事務の係の者に連絡をいたしまして注意をいたしまして裁定が済んだ場合においてはそれぞれの必要な通知本人遺族手元にすみやかに到達できるように心がけまた努力もいたしておる次第でございます。  以上はなはだ簡単でございますが、補足説明さしていただいた次第であります。
  24. 山田節男

    委員長山田節男君) これは前回たしか小林委員からの御質問があったのだと思うのですが、この援護費の件についても、一般恩給局で扱っておる恩給支払いにつききましても、国会に対しまして、非常に手続が煩瑣であって査定がなかなか時間がかかる。これは今田辺局長も言われるように、いろいろその方に携わる人の人数が不足しておるとか、いろいろな点もあろうと思います。それから今紅露次官がおっしゃったように、こうきまったので安心してしまって取りに来ないということも、これは事実だろうと思う。しかしわれわれが常に陳情請願の形式で、よく手続煩瑣のために、その日の生活に困っておる者まで徹底しない、これは県庁の世話課を経由するのかどうか知りませんが、県としてはそう言ってきませんけれども、個人としていろいろの申し出があるわけであります。この点はやはり対象とする人が相当生活の楽でない方々ではないかとわれわれは思っておるものですから、前回よう質問も出たのだろうと思います。なお、この点に関しましては人をふやすということはなかなかむずかしいかもしれませんが、手続をもう少し簡素にして一つ時機を失しないようにしてもらいたいというのが当委員会としての切望だろうと思います。今の田辺局長の御意見もよくわかりますが、なお一層御努力を願って援護費の性格上一つ早く渡るように迅速におやり願いたい。繰り越しが出るということは一応わかりますけれども、決算委員会として、こういうふうに出てくれば、一応われわれは審議しなければならないのですから、当委員会としてその点を特に要望して善処していただきたいと思います。  それから私はもう一つこれは会計課長から、医療施設費補助で二億七千六百三十五万円余繰り越されているというのですが、この点と、それから二十九年度はどうなっておるか、この医療施設補助ですね、この繰り越しが二十九年度はどうなっておるか、これを一つあわせて御報告願いたいと思います。
  25. 堀岡吉次

    政府委員堀岡吉次君) 二十九年度の繰越金額は今手元に持っておりませんので、数字は後刻調べて御報告申し上げますが、繰り越しにつきましては、実は大体の次第はこういう次第でございまして、対象はおうむね府県庁あるいは市町村というのが対象になりますが、そういう場合に、市町村ないしは県の予算編成相当おくれまして、ちょっと当初予算には、いずれにいたしましても補助額の決定も当方としてはいたしかねますので、通知がおくれる事態ももちろんこれはございますが、向うといたしましても、それを予算化しますにつきまして相当時期かおくれるのでございます。そういう関係上、予算そのもの施設費でございますので、繰り越し明許にはなっておりますけれども、実情はそういう関係繰り越しにされるという事態が大体の大部分の理由でございます。二十九年度の数字につきましては、後刻取り調べて御報告申し上げます。
  26. 山田節男

    委員長山田節男君) 確実な数字はおわかりにならぬでも、堀岡会計駅長の方で、大体もう二億五、六千万円以上残っておるかどうかという見当は、そういうことはわかりませんか。
  27. 堀岡吉次

    政府委員堀岡吉次君) 見当で申し上げて非常に恐縮でございますが、大体その経度の数字になっておるだろうかと思っております。
  28. 山田節男

    委員長山田節男君) 明許ですか。
  29. 堀岡吉次

    政府委員堀岡吉次君) 明許ではございます。繰り越し明許でございます。
  30. 山田節男

    委員長山田節男君) ほかに御質疑ございませんか……。――それでは私から楠本環境衛生部長に、これは要望でございますが、過日の農林水産委員会での質疑の場合に、例の食糧庁特別会計の外米の病変米の問題で、十五万余トンをかかえておる。これは金額にして九十億、これに倉敷を入れれば百億近いものになるのではないか。これをじんぜんとしてかかえておるということはますます国損を多くするのではないか。これに対してなるべく早急に処置をしろ、こういう意見が従来から強いわけです。ところがこの問題についで、食糧でありますから、厚生省が、この間もあなたもここに来て御説明になったように、病変菌に対する研究はなかなか結論はすぐ出ないという御意見、これはもっともですけれども、しかし食糧として配給できないようなものに、それは国損を忍んでも早く処理しろという意見がありまして、これについては会計検査院も協力して、もちろん厚生省の方の防疫の問題につきまして、三者会議の上、できるだけすみやかにということも、具体的に期日を示せという意見も出たわけであります。何と申しましても、百億近いものをあんなに死蔵して国損を日々ふやしておることは黙視できないというので、強く当委員会農林省に意見を申し入れたわけです。この点一つ農林省からいずれ協議があるだろうが、そういう趣旨で、良心的な結論は半年や一年では出ないが、それは一つ三者でよく協議を願いまして、この処理方について具体的な案を立てて、早急にこれを実行しろということになっておる、この点を一つお含みの上で、農林省と今後打ち合せ願いたいとお願い申し上げておきます。  ほかに厚生省関係につきまして御質疑ございませんか。――ほかに御質疑ないようでございますから、今議題としております厚生省の批難事項の第八百六十八号から第九百二十九号まで、これにつきましては一応質疑は終了したと認めることに御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 山田節男

    委員長山田節男君) 御異議ないものと認めます。  なお先ほどもお諮り申し上げましたように、本件に関しましての質疑は一応終了いたしましても、病変米その他継続調査として取り上げるものにつきましては、休会中あるいはその後におきましても、本委員会調査を継続することにいたしておりますから、さよう御了承願いたいと思います。  それは厚生省案件につきましては一応質疑は終了したことに決定いたします。ありがとうございました。  ちょっと速記を止めて。   〔速記中止〕
  32. 山田節男

    委員長山田節男君) 速記を始めて。     ―――――――――――――
  33. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは引き続きましで、前回より審査が残っております政府関係機関特別会計の中で、日本開発銀行の部を審議いたします。この間理事からの概略的な御説明もあったのでありますが、会計検査院の大沢検査第四局長にお尋ねします。この間造船融資についての御説明があったのです。なお、それに次いで電源開発のほう、それから鉱業方面への融資先についての調査をされたと思うのでありますが、いろいろありますけれども、主なもので残っているものとしては、電気業、鉱業、これについて調査されておれば、概略会計検査院側の調査の結果の意見を承わりたいと思います。
  34. 大澤實

    説明員(大澤實君) 開発銀行の融資の大きな部分を占めます運輸、電気、その他石炭鉱業、その中の運輸業、海運業につきましては、特に国が利子補給いたしておりますので、間接に利益を受けておるところの船会社を検査指定をいたしまして、各船会社について検査をいたしております。その結果は、この前運輸省関係のときにちょっと御説明いたしましたが、取りまとめ中でありまして、近いうちに、次の二十九年度の検査報告には御報告できると思います。電気業と石炭鉱業の方は融資先でありまして、直接相手方を検査指定するということはやっておりませんですが、開発銀行の本店なり支店につきまして、出てきておる書類の内容その他について検査をいたしたのであります。そのうち、電気業につきましては、二十八年度の検査におきましては、特に目立ったと言いますか、注意を要する点はありませんでしたが、二十七年度の場合には、各電力会社に対する設備資金の融資が、いわゆる適時に行われていない。少し余分に電力会社に融資がいっているのじゃないか。いわゆる設備資金の融資が資金需要期より少し早めにいっておるのじゃないかということを指摘して注意したよう事態もあります。それから石炭鉱業におきましては、大手筋の石炭会社におきまして、たとえば北海道炭鉱というような大手筋の会社におきまして融資を申請する場合には、たとえば自己資金三割、それから開発資金七割というようなことで融資申請いたしまして、こちらで、開発銀行で融資いたしますと、その年度におきましては、自己資金の方までが調達できなかった関係もありましょうが、事業費は七割の範囲の開発資金の範囲において事業していまして、結局三割分は残る、そうしますと、翌年度の今度はまた事業費の査定には残った分を含めて事業費を算定しまして、またそれの七割相当額を融資する、そうするとまたこの二十七年度、八年度、九年度にわたっての問題でありますが、また石炭会社は自己資金が、範囲までゆかずに借入資金だけの事業しかやっていないというような状態でありますので、融資額の算定におきまして、自己資金を使うということになっておりますれば、前年度において繰り越した分は、新年度の事業費の算定からは除外して融資をすべきではないかというように考えまして、以上二十八年度決算の検査の結果、開発銀行に対しまして注意を促したような次第であります。そのほかには特に申し上げることはございません。
  35. 山田節男

    委員長山田節男君) 小林総裁にお伺いしますが、先般たしか中村理事から総括的な御説明があったわけですが、なお、こういう開発銀行決算というよりか、むしろ御方針と現状につきまして、いろいろ資料をいただいておりますが、そのうちで今後どういう御方針をおとりになるかという問題、それから前回にも問題になりました復金からの承継した貸付金、これは資料によりますと、年々減少しているやに見受けられますが、これは中小企業金庫の場合においても農林中央金庫の場合においても、われわれ今まで審査の経過から見ますと、相当の悩みになっております。開発銀行といたしまして、復金からの承継した貸付、ことに回収が不可能で焦げつきになるようなものに対して、どうするかということについての御方針がおありになれば一つあわせてお伺いしたいと思います。
  36. 小林中

    参考人小林中君) 開発銀行におきましては、三十年度の開発資金融資の方針におきましては、個々の問題の融資の方針基準につきましては従来の方針と変りなく業務は進行いたしたいと思います。ただし大きな方針といたしましてはできるだけ重点的に基幹産業を考えまして、その方向に資金を流すことに極力努めて参りたいと考えておるのであります。従いまして三十年度におきましては、電力、船舶ともに二十九年度よりはあるいは電力におきまして四十五億、船舶におきまして十億の融資の減少を来たすのでありますか、これは石炭、鉄鋼、機械あるいは化学繊維等の基幹産業に重点を移しまして、その方向に昨年度よりは融資額を増額して参りたいというふうな考えで今日おるのであります。復命継承債権の状態につきましては、開発銀行創立の際に、復金から引き継ぎました総額は七百八十億円程度だと考えておりますが、現在におきましては三百億円台に減少いたしておるのでありまして、復金の融資を開発銀行が継承いたしました当時におきましては、相当の回収困難を予想されたのでありますが、その後財界が好転をして参りますとともに、各産業も安定をして参りましたので、私どもが予想をしておりましたよりも、現在までの状態におきましては回収は順調に参っておるのであります。ただし御承知の通り優良なものが回収が速度が早いということになっておりまするので、今後三百億円強の資金の回収というものは、従来のごとき速度で回収ができるやいなやは私ども自体が相当憂慮をしておるのであります。しかしながら大体において所期の目的は順次達成をされることとは思うのでありますが、ある経度といいますか、非常な小さいパーセンテージにはなると思いますが、最後にはそういうものがあるいは回収不能というような形におきまして、内部償却をしなければならぬというふうなことは考えておるのであります。
  37. 山田節男

    委員長山田節男君) それから開銀の融資につきまして、これは各貸し付けなさる事業体によってまた違うと思いますが、総括的に申しますと、非常に申し込みが多くて、実際の貸付を受けるものはパーセンテージからいうと、非常に低く過ぎはしないか、こういうようなことも聞くのでありますが、これは総括的に、総裁はこれに対してどういうような御意見をお持ちなのかお示し願いたいと思います。
  38. 小林中

    参考人小林中君) 開発銀行の融資申し込みの受付は非常に多い。これは見方によりまして多いとも見られますし、あるいは現在の日本の経済の様相からいきますと、それほど期待したほど多くはないのではないかというふうな感じもいたされまするので、ここに中村理事がおそらく数字を持っておるのでありますが、二十八年度、二十九年度の申し込みと貸付完了のパーセンテージは、今中村理事からその数字を申し上げたいと思います。
  39. 中村建城

    参考人(中村建城君) この決算関係いたしますが、あるいは新しいほうがおわかりいいかと思うのでございますが、たとえば最近の三十年度の数字を申し上げますか、申し込みと申しますのは、実は御承知の通り開発銀行に申し込みをするにつきましては、政府の基本計画に合致しなければ申し込みをしてもだめなんでございますか、たまには基本計画にないものか申し込んでくることもございます。その場合にはよく説明をいたしまして、申し込みを取り下げさせますから、これは申し込みの数字には入っておりません。それから申し込みをされますというと、それは各会社ごとにある計画について何億要る、そのうち自分の力で幾らできる、市中で幾ら借りる、残りは幾ら開銀に期待する。こういう数字を持ってきます。それを機械的に実は集計いたすのでございます。実際によく調べてみますると、計画自身の再検討を要する点もございますし、それから市中借り入れも、これは私の方は御承知の通り市中でなるべく借りて、市中が貸しにくいもののしりをみるということになっておりまするから、市中と話をしまして市中で借りられるものは、できるだけ市中で借りるようにいたしますものですから、申し込みの数字が非常に多くみえますのでありますが、それほど実質は多くないのでありまして、しかも私どもといたしましては、ある計画を認めますると、必ずそれが金的にできないことがあってはいけませんので、必ず市中ならば市中で幾ら幾ら貸すということを責任者から確約書を取りまして、何銀行は幾らこれを貸す、何銀行は幾らこれを貸すというふうに、そういう確約書を取りまして、計画数字は会社と話しまして幾らできると、そのうちたとえば自分の蓄積が幾らできる、あるいは増資で幾らできる、あるいは、社債で幾らできる。市中の貸り入れはどこの銀行から幾ら幾らできるか、銀行から確約書を持って参ります。そうしますと、差し引きか開発銀行の貸付額である。それでいいというのではない。従って申し込みは、会社の当初計画ができておりますので、それをそのまま数字にして発表しておりますので、非常に多くなっておりますが、実際は調べまして、最後に出しますのは会社と話し合いの結果出すものでございますから、当初申し込みの数字と貸し付けの数字との違いについてはそれほど実質の差はないと思っております。数字的に申し上げますと、たとえば昭和二十九年度は、これは実はここで申し上げにくいのでございますが、それは申し込みと処理とのズレがあるのでございます。たとえば今年で申しますと、昭和三十年度の申し込みがどんどん参ります。そういたしますと、それをだんだんと処理して参ります。たとえば来年の三月になりまして全部の処理が完了しない場合がございます。そうしますと、三十一年度に三十年度の分を繰り越しまして、私の方で調べたりあるいは折衝したりいたします。そうしますと、年度の申し込みはどんどん参りますが、処理は遅れるために、ある年度の申し込み額とある年度の貸し付け承諾額とを比較しますと、非常にパーセンテージが見かけでも少なくなるのでございます。従って今回ある年度の全部が完了したあとで、当該年度の申し込み額と貸し付け額を比較するのがよろしいと思うのでありますが、それに対応する数字が発表にはないのでございますね。もしたとえば三カ年程度の、たとえば昭和二十七年、二十八年、二十九年度、その年度に属する申し込みと、その年度に処理して貸し付けた額との比率が、もし必要でございましたら、改めて差し出してよろしゅうございます。ただいまここにございますのは、毎月の集計でございますので、年一度がズレておりまして、ただ比較いたしましても、ちょっとお気に召すよう数字は出ないと思います。御了承願いたいと思います。
  40. 山田節男

    委員長山田節男君) それは中村理事に特にお願いいたしますが、今おっしゃった資料を本委員会一つなるべく早く御提出願いたいと思います。そういたしますと、大体大まかなところで、たとえば電気企業に対する申し込みが何%、三十年度、二十八年度、二十九年度、大体どのくらいの申し込みに対して、実際貸し付けは何%ぐらいということは、はっきりはお答え願えないわけですか。九つの種類に分類されておるものを。
  41. 中村建城

    参考人(中村建城君) 開発銀行の融資対象に関する申し込み額でございますね。その融資対象に関する、うちの貸し付け額の比率から申しますと、これは、実は全く勘でございますけれども、おそらく七、八〇%は貸しておると思います。ただ発表しております数字は、会社の対象であるかどうかにかかわらず、会社の計画をもって参りまして、それをもって申し込みいたして参ります。それをあと分解いたしまして、そのうちのうちの貸し付け額を貸しますものですから、申し込みの発表数字とそれから貸し付けの発表数字と、それを比較いたしますと、これはやや貸し付けが小さくなっております。その点もわかるような資料を差し出したいと思います。
  42. 山田節男

    委員長山田節男君) お願いいたします。
  43. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 ちょっとお伺いいたしたいのでございますが、この年度末の貸付残高が、ここに拝見しますと、復金からの承継債権が四百八十億ばかりありまして、そのうち約八十八億円が滞り貸しになっておる、こういう会計検査院からの報告がございますが、こういうものに対しては、お見込みは取れるのでございましょうか。それともなかなかむずかしいのでございますか。
  44. 小林中

    参考人小林中君) ただいまのは二十八年度末の御質問だと思います。先ほど現在三百億ちょっとと申しましたのは、現状のお話を申し上げた。従いまして、その中で八十何億が滞り貸しということになっておりますが、それは契約時に元金の返済がないものがその数字になっておるのでありまして、多少期日は延びましても、順次そういうものは返済になりつつ、整理をされつつあると思っております。従いまして現在におきましては、三百億強くらいに減少しておりますし、また将来におきましても、そういうことで回収に順次努力をして参りたいと思っております。そういう数字が直ちに償却の対象になる数字ではないのでありまして、要するに契約時に元金が入ってこないというものの数字だと思っております。
  45. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 この会計検査院報告によりますと、年度末の貸付残高というのがございまして、開発資金独自でのは、千三百三十三億ということになっておりまして、それに対して滞っておるのは七億二千万円、それから見返り承継債権の力が千四百十億ばかりありまして、それの滞りは三億八千万円、これに比較いたしますると、先ほど申し上げました復金の関係が四百八十億に対して滞りが八十八億、非常にまあ金額が多いものですから、事情と申しますか、どういうわけであるか、あるいはまたこれは御継承になったんですから、なかなか大へんだと思うのですけれども、将来に対する見通しがどういうふうかという点については、御答弁がございましたのですけれども、そこのところをごく大要でいいのでございますけれども、お聞かせいただたきたいと思います。
  46. 小林中

    参考人小林中君) 三つの貸付項目がありまして、その間におきまして最も少い金額の復金承継の貸付に対しまして滞り貸しが最も多いという数字が現われておりまするのは、開発資金の貸付並びに見返り資金の貸付より、復金承継の貸付内容が複雑であり、かつ多少弱体であるということを現わしておるのであると思います。ただし復金自体におきましては、非常なこまかい貸付までいたしておりますし、また引揚者貸付等のものも相当含んでおりますので、そういうふうな数字が現われて来ておるのでありますが、私どもの見通しといたしましては、これが将来三年なり四年なり先になりまして、大体三、四十億くらいの償却をいたしますればよろしいのだというふうな考え方で、今仕事をしておるのであります。
  47. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 今一つお伺いしたいのは、この中小企業金融公庫ができまして、その方に引き継ぎになりましたのが百十九億八千万円と書いてございます。二十九年度の引継分が十六億二千万円、こうなっておりますが中小企業関係のはこれで全部引き継ぎが終ったんでございましょうか、それともまだ一部残っておるんでございましょうか、その点をお知らせ願いたいと思います。
  48. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問でありますが、これは御承知の通り、中小企業金融公庫が創立されまして、業務の区分をいたしました際に、中小企業金融公庫に属すべき貸付金の開発銀行債権を、中小企業金融公庫に譲渡をいたしたのでありまして、この数字が全部であります。
  49. 山田節男

    委員長山田節男君) 少しこれは原始的な質問になるかもしれませんけれども、見返り資金というのが一千三百八十億円ございますですね。これはやはり年々減少しておるようでありますが、この見返り資金というものは、あくまで日本国政府の債務である、かようにわれわれは了解しておりますが、これは開発銀行としては、やはり何年間とこの貸付けの条件があったろうと思うのですが、ちゃんと元利返還の期日が何年かにきまっておりまして、そしてその間の金利といいますか、利子、利息ですか、こういったようなものは、これはやはりアメリカに対するわれわれ日本国の債務とすれば、そういう元利とも、これは利息も、アメリカに返還すべき債務とすべきか、この点はいかがなっておりますか。
  50. 小林中

    参考人小林中君) 見返り資金融資の対象は、大体内容は御承知だと思いますが、大部分が船舶融資でありまして、従って船舶融資は御承知の十五カ年の期限がありまして、その間三年の据え置き期間があるのであります。そういったような長期にわたる融資でありまして、開発銀行といたしましては、この債権の管理に十分万全を尽しておるのでありますが、それから上りまするところの利潤といいますか、利子収入等は開発銀行法によりまして、大蔵省の産業投資特別会計に繰り入れることになっておりまして、従って産業投資特別会計に繰り入れた上で処置するのは、これは大蔵省、政府の関係に相なるので、私どもは産業投資特別会計に繰り入れるまでの仕事をしておるという状態でございます。
  51. 島村軍次

    島村軍次君 今度、大蔵省とも関係ある事項ですが、例の砂糖の安定法律が出て、それが産業投資特別会計資金に回って、それが開発銀行でおそらく利用されるということに考えられておるのですが、そういう問題に関する現在の何か御計画なり、あるいは御方針がありましたら、お聞かせ願いたいと思います。
  52. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問でありますが、産業投資特別会計に砂糖の問題が繰り入れられるだろうとは思いませんが、実は特別会計から私どもが融資を受けております金額は、開発銀行が年々特別会計に納付いたしまする金額の半分ぐらいが融資の対象になって、半分しか手もとへは返ってこないのだ、半分は政府に使われるのだ、こういうよう関係になりまして、従って直接砂糖の資金の問題には、私どもは関係がないのではないかと考えております。
  53. 島村軍次

    島村軍次君 この本年度の、第四事業年度営業報告書によりますと、外貨保証をおやりになっているのが三件で、そうしてその内訳の説明が出ておりますが、日本航空会社に対するものがその一つであるようでありますが、これは本年度初めておやりになった保証でありますが、あるいは従来から継続しておやりになっている問題でありますか、その点伺っておきたいと思います。
  54. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問の日本航空会社に対する外貨の保証を開発銀行がいたしましたのは、この年度が初めてでありまして、電力融資に関しましては、すでに十分御承知のことでありまして、三件で関西中部九州という三つの会社に対しまして、保証ではありませんで、これは開発銀行が世界銀行から借り入れをいたしまして、そうして三社に貸し付けるというふうなことであります。
  55. 島村軍次

    島村軍次君 吉田前総理が昨年渡米されまして、いわゆる世界銀行から借り入れの話し合いをされたということでありますが、それの開発銀行との関係といいますか、それを受け入れる場合の今日までの経過なり見通しが、もしお聞かせ願えれば、一つお話を願いたいと思います。
  56. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問でありますが、吉田前総理が昨年渡米いたしましたときに、世界銀行との話し合いがどの程度ありましたか、その内容等は私ども承知しておりませんのでありますか、それが発端になりましたものか、あるいは改めて世界銀行と政府との話し合いになって参ったのでありますか、その間の事情はこれまたつまびらかにいたしませんのでありますが、現在世界銀行が日本の産業に融資をするというふうな問題が起っているのでありまして、これがまず第一に進捗いたすものと考えますのは、鉄鋼関係でありまして、八幡、鋼管並びに富士、川崎、住友、こういうふうなものか、その対象に現在取り上げられておりまして、具体的に話が最もスムーズに進んでいると考えられますのが八幡であります。その次が鋼管というふうな順位になっております。従いまして、今後鉄鋼関係が第一に具体的な結論に達すると考えまするが、それに続きましては、機械工業、あるいは石炭工業等の問題が直接開発銀行との関係において結びつけられるのではないかと、ただいま考えておるような次第であります。
  57. 島村軍次

    島村軍次君 これも原始的な質問かもしれませんが、日本の現在の経済情勢から考えますというと、開発銀行の受け持たれるべき役割も相当多いのじゃないかと考えられるのであります。その一つとして、たとえば防衛庁でいろいろ計画されておりまする日本のいわゆる防衛の充実のために、あるいはジェット機その他航空機の直接製造ということはなかなか困難でございます。そういう場合におけるある特定の会社がアメリカの会社と契約をして、そうしてこちらで防衛計画の一環を担うというような場合における資金の問題等は、今後開発銀行でお扱いになる御予定がありますかどうか。その点をもしわかりますれば、お知らせを願いたいと思います。
  58. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問でありますが、御承知の通りのMSA協定によりまして三十六億円の資金が、その軍事関係の資金として政府から開発銀行のほうに回っておりまして、これはもっぱらそういうただいま御質問のありましたような方向に融資をいたすこと相なっておるのでありまして、従いましてこの資金は本来の開発銀行の資金とは相当観点をかえて融資の査定もいたしておりますし、また、取扱上も相当特別な取扱いをいたしておる次第でありまして、現在それは進行中の状態であります。
  59. 島村軍次

    島村軍次君 最後開発銀行、将来に対して、今後日本の経済再建のために具体的にどういうような考え方で、従来やっておりまする各種の業務をどういうふうな方向で、いわゆる業務方針といいますか、あるいは今後にとるべき方針等について、政府の指示をお受けになることはもちろんでありましょうが、将来の一つお考えをある程度まで具体的に、一つ御方針がありましたら承わっておきたいと思います。
  60. 小林中

    参考人小林中君) 御承知の開発銀行の融資基準は基本的には政府のその年度におきまするところの産業基本計画に基きまして、この基本計画内における産業に対して融資をいたすというふうな建前でおりますもので、この点は開発銀行独自に産業対象を求めるということは不可能なことだと考えております。ただし開発銀行といたしましては、指定された産業の設備が完成をいたすような資金のつけ方をどこまでも努力していたして参りたいので、中途半端の資金を使いまして、広く少なくつけるというふうないき方でなしに、むしろ一つ一つの仕事を完成さしていきたいというふうな考え方で従来も資金の供給をいたしておりますし、今後もさように考えて参りたいと思うのであります。
  61. 島村軍次

    島村軍次君 もう一つ伺っておきたいと考えますことは、東南アジアの開発、あるいは南方と言いますか、世界経済の全体からお考えになりまして、将来開発銀行としてもちろん政府の方針に従うわけでありますが、たとえば世界銀行との間の円滑なる取引、あるいはまた外資導入等の点から、将来諸外国に営業の進展と言いますか、あるいは支店を設けるとか、どういう方向に、どう手を伸ばしていくとかというような問題に関して、お考えがありましたら、一つお伺いしたい。
  62. 小林中

    参考人小林中君) 開発銀行といたしましては、将来におきましては日本産業の開発並びに復興のために、世界銀行とは最も緊密なる連絡をとって参りたいと考えておるのでありまして、東南アジア地域の開発ということは、日本の将来の貿易その他の立場から考えまして、お説の通りまことに重大な問題であるとは考えるのでありますが、ただ開発銀行法によります開発銀行の融資は、国内の産業の復興並びに開発に限られておるのでありまして、かような観点からいたしまして、むしろ輸出入銀行の使命がややそれに近いというふうな今感じをもっておるのであります。
  63. 山田節男

    委員長山田節男君) この問題に関連しまして、私からも一つ質問いたしますが、先般日本輸出入銀行の賠償問題、いろいろ質疑が行われたおけでありますが、先ほど島村委員もおっしゃるように、成るほど現行法では国内の開発を意図しておる。これは現行法でそのままです。ところがたとえば今おっしゃった製鉄関係あるいは愛知用水の問題、そういうようなものが世界銀行から融資するということになれば、いきおい国内においては、あなたのところが、開発銀行が代理店と言いますか、委託されるというのか、そういうことになる。特に今後の問題として、例えばコロンボ・プランであるとか、ポイント・フォアであるとか、こういったような問題が起きた場合に、いきおい現行の法律にかかわらず、仕事の内容においてはこういう国際的な仕事になるのじゃないか、輸出入銀行の場合においても、現行法の制約にかかわらず、実際においてそういう必要が起きると思う。ですからこのことはやはり開発銀行としましても、賠償には関係はないとおっしゃいましても、あるいはそういう事態が起きてくるかもしれない。輸出入銀行ではまかない得ない部分が出てくるのじゃないかということが、この間も言われたわけでありますが、そういたしますと、総裁としては将来これは世界銀行はもとよりでありますが、どこの近代的国家でも、大体開発銀行みたいなものが、日本の勧業銀行、興業銀行よりももっと開発銀行……、東南アジア諸国に、ことにビルマでは非常に重点をおいてやっておるわけであります。こういうことに対する現行法の改正が必要ならば早く改正しておいて、そういう受入れ態勢、それが充実され、要求を満たすという、むしろこれは国際性をもたしたほうがいいのじゃないかということが、輸出入銀行の場合には言われておるわけであります。開発銀行に対しましても、そういうようなことが考えられるのじゃないかと、これは島村委員の御質問はそうじゃないかと思います。この点につきまして、われわれ決算委員会でありますけれども、過去の実績を見まして、将来の見通しについて、そういったような事実上の必要が起きた場合に改正やむなし、あるいは改正せざるを得ないということが一つのポイントだろうと思いますが、これについての小林総裁の御意見はどうですか。
  64. 小林中

    参考人小林中君) ただいま委員長の御質問、まことに御趣旨ごもっともだと存じます。実は戦争による被害の国内産業の復興並びに新規産業の開発等が順次進みまして、日本の国の経済が安定期に入って参りましたというようなことになりますと、二種の事業資金と即しましょうか、そういうものはある程度民間長期金融機関等においてまかなえるときがくるのではないかと私どもは考えますし、またさような状態が招来されることが、日本の産業のためにまことに喜ばしいことと考えておるのであります。従いまして現在の日本開発銀行のごとき、膨大なる資金を擁しておりまするので、かような資金が、国の海外発展とか、そういう問題に最も有効に使い得ることができれば、私どもは非常にけっこうな考え方ではないかと考えておるのでありまして、これは一つ私の私見としてお聞きを願いたいと思います。
  65. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 一言だけお伺いしたいのですが、今御質問の中にもあったのでありますが、愛知用水のことにつきましては、あれは開発銀行との関係はどんなふうになるんでございましょうか、その点を伺いたいと思います。
  66. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問でありますが、愛知用水の事業そのものは開発銀行の融資の対象になりかねるのでありまして、従いまして世界銀行からの融資は、開発銀行を通さずに、直接何か営団とか、あるいはそういうふうな形のものに世界銀行が融資をするという形態をとらざるを得ないと考えておるのであります。
  67. 青柳秀夫

    青柳秀夫君 まあこれは字句の、問題ですけれども、開発銀行という名からいって、また先ほどからのいろいろな御趣旨からいえば、今の法規はどうなっているか、まあそこはあれでございますけれども、やはり愛知用水なんということは、日本の非常に大きな開発事業ですから、率直にいえば、とにかく開発銀行が金融の方の中心になって、それでいろいろめんどうをみていただくことが、むしろ筋は通るんじゃないかという気がするのでありますけれども、愛知用水という関係では、全然もう関係なしにいかれる、何かこう農林水産ということもありますし……――、まあそういうことでなくて、広い意味で日本の経済を批准していくという意味からいえば、相当意義もありますし、それから電力関係なり、かなり近いものも含まれておりますから、また、あの用水は農村でもあるけれども、一面、名古屋の方の工業用水等にも関係ございまして、解釈はどうにでもなると思うのでございますけれども、そうすると今のところは全然関係がない、こうなっておるんでございますか。
  68. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問でありますが、愛知用水のごときは、まことに有意義な開発事業だと私ども心得ておるのでありますが、ただ開発銀行は私企業を対象とした融資ということになっておりまして、たとえば電源開発会社というふうなものにも現在融資はいたしておりませんので、さような形態のものは、かりに外資の場合には、政府の保証によりまして、直接それ自体が外資を導入するという形態をとらざるを得ないということでございます。従いまして愛知用水なるものに、私企業の形態になりますれば、これまた別の角度から考えなければならぬと思いますが、現在の構想をもっていたしますれば、開発銀行に直接の関連はなくなるのではないかと考えております。
  69. 島村軍次

    島村軍次君 簡単ですが、将来移民の問題が相当大きく取り上げられると思うのですが、移民の問題に関連していろいろ政府で計画されておるようですが、大きな大計画をされた場合に、私企業的な、これはまあ移民については私企業で成り立つかどうかという問題があると思うのですが、そういう場合には開発銀行の融資の対象になり得る見通しがあるものですかどうですか。
  70. 小林中

    参考人小林中君) 移民が私企業的形態においてされる場合にはどういうことになるかというような御質問だと思いますが、開発銀行融資の対象は、ある程度の利潤をその企業そのものがあげまして、そうして資金の返済のめどが立つものを対象としておるのでありまして、お説のごとくに、そういう形態でさような形になりました場合にはあるいは対象になるかとも考えるのであります。
  71. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっとこまかい問題ですが、昭和三十年度の営業報告書の中の、貸付の項のその他の最後に、人造米製造設備資金貸付一件千五百万円、額は非常に小さいのですが、人造米製造に貸し付けられたときの状況は、どうだったんでしょうか。
  72. 小林中

    参考人小林中君) 中村理事から詳細に御説明いたさせます。
  73. 中村建城

    参考人(中村建城君) ただいまのお尋ねの人造米につきましては、一時非常に米が足りないというので、非常に人造米の計画があったのであります。しかしながら、農林省は非常に慎重でございまして、ただ時の勢いで、前途見込みのないものは、人造米を作るからといって、それを国家資金で育成するというのはやはり無責任であると、慎重に考えられたらしいんです。そこでだんだんと実績その他をしぼりまして、数件推薦して参ったのであります。ところが私どもの方で調べてみますと、人造米そのものが果して永久的に、三年、五年続くもので、そうして三年、五年の収益で果して回収し得るものであるかどうか、われわれとしては、むしろ主食の中に入れまして、もし政府が一定の値段で買い上げるという方針を定めていただければ、そうすればコストと買上価格とを見ますと、これはもう三年でも五年でも、政府が買い入れる限りはこれは十分貸せるということを申し入れたのでございますが、そこまでの決心がつかなかった。そこで自由販売ではあるが、まあできるだけ指導する、その範囲で貸せるものに貸してもらいたいという話があったのでございます。そうしてやりとりしておりますうちに、あるものは事業の前途がどうもやはりうまくないというので、自発的にやめたものもございます。あるいは事業がうまくなくて転換したものもございます。最後に、現在でも人造米で十分やっているものも数社あるやに聞いております。そのうち最後までうちに融資を言ってきているもの一件だけは、これは何としても十分貸付に耐えまするし、十分に割合に短期に償還できますので、結局その一社だけを、農林省と食糧庁と話し済みの上で最後に貸しましたもので、これは現在おそらく自衛隊あるいはその他の方面で、相当外米代用に使っておりますので、この貸しました会社は十分やっておると思います。  さらにうちの貸付に頼らすしてやっておる会社も数社あるように聞いておりますが、これらは現在の食糧事情でも、外米輸入にかえて十分国内の需要を確保していけると思っております。その他のものもいろいろございましたが、結局農林省の推薦したものも、その後の需要の変化において自分でやめたというものも多うございます。最後に一件だけ現在やっている。そういう事情でございます。
  74. 岡三郎

    岡三郎君 その会社は何という会社ですか。
  75. 中村建城

    参考人(中村建城君) これは倉地澱粉といいまして、人造米を最初から手がけまして、非常に人造米を研究しております。これは農林省でも食糧庁でも確実な会社と見ております。
  76. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっと食糧事情が非常に悪くなったいわゆる不作の年、それから見るというとだいぶ貸し付けた時期がずれているように見受けられるんですが、まあ二十八年あたりで貸し付けるならばその趣旨もわかるんですが、二十九年度に貸したということになると、今まあ中村理事説明だと、これは心配ないんだ、しかし私どもから考えると、どうも人造米というものはその行く先、ことしあたりまた災害でもあれば別ですが、きわものではないかという感じがしているわけなんです。その後いろいろと事情を聞いてみるというと、人造米というものはそううまいものではないというふうに卒直に聞いているわけですが、回収は大丈夫ですか。
  77. 中村建城

    参考人(中村建城君) ただいま御質問通り、実は私どももあるとき凶作であったから人造米の方が計画が立ちましたけれども、しかしまた凶作がなくなれば人造米もなくなる、そうすれば貸した金が返らんというので、実は農林省も食糧庁も非常に慎重でありまして、非常におくれましたのも昨年の出来秋を見よう、そうして悪ければある程度やらなければならぬ、よければ残るものだけにしようじゃないかということで話を延ばしてきたのでありまして、実はうちに貸し付けを求めましたものも数社ありますけれども、それらはもうかりに現在程度まで多少、ある程度豊作であっても、外米にたよっている限りは、外米のあるものよりは人造米の方がいいということを認識して下さるところの消費者があるという確信を持ってやっている、その中の一つが倉地澱粉でございまして、実は先ほど仰せの通り、普通のものが抜けてなくなるとも、なおかつ十分な販路を持っているということがわかりましたので、しかもわれわれの方の資金にたよらずしては企業ができないというので一件だけ貸し付けている。実はそのほかにも数社やっているところがございますが、今度一年凶作であったからといって人造米の貸し付けの申し込みがございましても、われわれとしては簡単には貸さない、かように考えております。
  78. 岡三郎

    岡三郎君 それから昭和二十九年の営業報告小の「中小事業貸付」の二項の「水害復旧貸付」、この水害復旧の貸付について、まあ非常に急速に貸付を行なって当時の状態に適合したと考えるわけですが、この回収その他について大体どういうふうになされるのか、あるいは今後の見通しを伺いたい。
  79. 中村建城

    参考人(中村建城君) 炭は中小企業貸付は水害のときに特別措置を講じまして、非常に敏速にかつ応急的に貸したのでございまするが、これは大部分中小企業金融公庫に移管されたのでございますが、それは特に調べまして、回収が危いものには、必要とは思いますけれども貸しておりませんので、おそらく特別の事情が起らない限り回収にはそう懸念はないと考えております。
  80. 岡三郎

    岡三郎君 中小企業にもいっているわけでございますね。
  81. 中村建城

    参考人(中村建城君) さようでございます。
  82. 岡三郎

    岡三郎君 最近における石炭の不況ですね、この不況につれていろいろと政府の方でも方策を講じているわけですが、特に石炭鉱業に関して相当今後貸付については御考慮なされる面が出てくるとも思うのですが、基礎産業部門としての鉱業面について焦げつきというふうな状態のものがあるかどうか。それからそういうものに対する措置というものがどうとられているか、こういう点についてお聞かせ願いたいと思います。
  83. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問で、仰せの通り現在の石炭業は非常に不況に悩んでおる姿であります。日本の石炭業の基本的考え方とも申しましょうか、私ども金融という立場の面から即しますと、優良な炭山に対しては思い切って資金を導入いたしまして、コストをどこまでも引き下げていく政策をとらざるを得ないと考えております。ただし現状におきまして、あるいは行き詰った炭鉱もあるのでありまして、さような炭鉱に対しましては、大企業の中にさような山がありまするものは、できるだけそういう山は廃山の方向に持っていくように私どもは考えたらよくはないかと思いまして、その力を優良な将来性のある大きな山に重点的に注ぎ込んでいくというふうな方向をとるべきだと、われわれ金融の立場からはさように考えるのであります。従いまして、現在行き詰っておりまする山に対しましても、その山自体が将来性があり、優良なものでありますれば、これを何とか援助をいたしまして、復興をさしていきたいというふうにただいま考えております。
  84. 岡三郎

    岡三郎君 将来のいろいろと政策をとっているわけですが、新鉱開発につ  いて相当の金が要るということから、まあできるだけ新鉱開発というものは手控えて、今までの取りやすく、比較的コストの安いところの山を取り切ってしまうというよう傾向が現在ないかどうか、そういった点で新鉱開発というようなところに金を貸すということになると、相当将来むずかしい問題であるので、こういった点は政府自体がいわゆる開発銀行からの出資でなくて、そういった面は国策として、特別に石炭にかかわらず、そういう地下資源というものに対する施策をとる必要があるのではないか、そういった点で今回石油資源については帝石などでやるというのはこれはなかなか経理上むずかしいというので、新しく石油の開発会社を作ろうというよう一つの構想がある。その法案が出てくる、こういうことになっているわけですが、石炭なんかについての新鉱開発工事資金の貸付、こういった面についての考えをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  85. 小林中

    参考人小林中君) 御承知のように石炭の歴史は日本におきましても相当古いものでありまして、今日私企業がほとんど国内の各炭層を所有しているというふうな形でありまして、新しく大きな炭層でも発見をされた場合には、あるいは国がこれを経営するというふうな考え方もしごく適当な考え方だとは思うのでありますが、現在の状態といたしまして、やはり私企業で、優良な炭層を持っておりまするところの私企業の開発を極力援助していくということより、ただいまは考えておりませんが、しかしながら、これは結局山自体の価値の判断でありまして、幾らかりに大会社でありましても、その大会社が開発するから無条件にこれを援助しようという考えは一つもありません。その山自体が優良であり、今後石炭のコストの引き下げ等に非常に役立つ山の開発であるということが前提に相なるかと思います。
  86. 岡三郎

    岡三郎君 イギリスあたりの方式も少し教えてもらってきたわけですが、新鉱開発という項に該当するかどうかわかりませんが、新しく自分の所有の山でも穴を掘っていくという場面については非常に金がかかる。特に戦時中乱掘した荒廃に帰しておるそういったものを継続することはむずかしいので、ある程度はそれをつぶして、新しいところに穴を掘っていくというようなところで、それはとても一企業ではなかなかやり得る仕事ではないというので、国営的な方向へ一応いっておるわけですが、日本の石炭鉱業の現状においては相当思い切った措置をとらなければ、これは抜本的解決はできないのではないかというような印象があるのですが、そういった点で、縦抗工事資金貸付の方に重点を置いてやられるということについては私も賛成するわけですが、新しいそういった穴を掘っていくという点についても相当これはむずかしい問題があると思う。そういった点で開発銀行として将来、どの程度こういった地下資源に対するところの資金供給を続けていくのか、こういった見通しはどうなんでしょうか。
  87. 小林中

    参考人小林中君) 仰せの通り戦時中は各炭鉱が乱掘をいたしまして、その乱掘の措置に各炭鉱とも非常に混乱をなめたのでございまして、従いまして乱掘のあまりひどいところでは坑口を全然変えまして、新しい坑口から掘っていくというふうにしなければならぬ状況になっておる山もありまして、現にその新坑口から炭を出すという計画も進んでおりますし、また現に行われておるのでありまして、開発銀行といたしましては、ただいまの状況におきましては、先ほども申しました通り、将来有望な山であり、十分採算のとれるもので、その炭鉱開発によりまして日本の石炭の単価が下り得るような山に向かって極力重点的に援助して参りたいというような考えに変りはないのであります。
  88. 岡三郎

    岡三郎君 最後に三十年度の営業報告のうち、電気事業に対する中で二件、十四億六千万円、事業自家発電業者に対する貸付を行なっておる、出家発電に対する御見解をお聞きしたいのですが。
  89. 小林中

    参考人小林中君) 御承知の終戦後におきましては、日本の電力問題が非常に大きな難問題として取り上げられて、政府におきましても電源開発に重点的に力を入れて参ったのでありまして、九電力並びに電源開発会社等におきまして極力電源の開発を促進して参ったのでありますが、その当時におきましては、ひとり電力会社のみの手で電源開発をしてもなかなか十分ではないであろう、そこである極度産業と結びついた、いわゆる自家発電というものを認められまして、各産業個々のものが電力の開発に乗り出したということで、自家発電というような項目で開発銀行も融資の対象にして参ったのでありますが、最近御承知の通り電力事情も一時から見ますると相当緩和をいたしておりますので、最近におきましては自家発電というものの対象が薄らいで参りまして、おそらく三十年度の融資の対象には自家発電というものはなくなる状態になって参ったのであります。
  90. 岡三郎

    岡三郎君 この二件の自家発電業者はどことどこですか。
  91. 中村建城

    参考人(中村建城君) これは姫川電力、姫川電力と申しますのは、昭和電工と東京電力に共同してやっておるものでございます。それから富山共同発電、これはいずれも二十九年度の継続工事でございます。前年度からの継続でございまして、それ以外にはそのほかに四国の住友共同自家発電、住友系の事業の使う電力を四国で作っております。この三つだと思っております。
  92. 岡三郎

    岡三郎君 四国の住友系の自家発電はなかなか問題を呼んだと聞いておるのですが、これは雑誌等で騒いでいるのだから大したものじゃないかもしれませんが、相当利権がからんでいるのではないかという話があるのですが、そういった点、どうでしょう。
  93. 中村建城

    参考人(中村建城君) 実は今問題になっておりますのと違うのでありまして、問題ないのに貸しました。問題になります点は開発銀行でなく、政府筋でいろいろお考えになっているように聞いております。
  94. 山田節男

    委員長山田節男君) お手元でもしわかればお答え願いたいのですが、開発銀行の資金貸付の金利は六分五厘ないし一割、もしおわかりになれば、アメリカ、それからイギリス、ドイツ、フランス、それから東南アジアのどの国かの金利を比較のために、日本の六分五厘ないし一割に対してどのくらいになっているか、おおかりでしょうか。
  95. 中村建城

    参考人(中村建城君) 実はここに資料を用意してございませんので、お答えいたしまして間違うといけませんから申し上げませんが、各国ともに開発銀行に似たような政府機関が多うございます。そして概括的に申し上げますると、その国の国債利回りよりも多少高い利子で貸しているのが普通のように聞いております。私どもの電気、海運に対しまする六分五厘も、そのラインに沿いまして、日本の国債利回りが五分五厘ないし六分、そこで少し高い六分五厘というところで貸しておるのでございますが、各国の資料は銀行に帰りますとございますから差し上げます。
  96. 山田節男

    委員長山田節男君) 柳澤司計課長にお伺いいたしますが、先ほどの御報告によると、見返り資金の利息は全部大蔵省の方に納める、これは納付金とみるものじゃないかと思うが、大体総額ですね、あるいはこの金はどういう形式のものか、おわかりになれば御答弁願いたいと思います。
  97. 柳澤英藏

    政府委員(柳澤英藏君) お答え申し上げます。ただいまの見返り資金……もちろん見返り資金特別会計の貸付資金につきましては、開発銀行の方に委譲せられまして、その分につきましての回収につきましては産業投資特別会計の方に入って参るわけであります。産業投資特別会計におきまして産業投資特別会計の各投資計画に従いましてこれを投資していく、かように相なっておるのであります。
  98. 山田節男

    委員長山田節男君) そうすると見返り資金の金利もやはり産業投資金に導入されて、その、資金に一部充てているということですか。
  99. 柳澤英藏

    政府委員(柳澤英藏君) 見返り資金の分は開発銀行の方に入って参りますが、その分につきてましては産業投資特別会計の方に入って参るわけであります。
  100. 島村軍次

    島村軍次君 簡単なことを伺うのですが、貸付についてはこれは各件ともに大蔵省の承認を得られるのですか。
  101. 小林中

    参考人小林中君) 融資の決定は、各件ともに大蔵省の承認を得るという手続をとりません。銀行自体が自主的に決定いたします。
  102. 島村軍次

    島村軍次君 おおよそのワクを、事業計画を作って、その範囲内において開発銀行みずからでやられる。そういうことですか。
  103. 小林中

    参考人小林中君) そうです。
  104. 島村軍次

    島村軍次君 その事業報告にあります十ページ、産業機械製造設備資金貸付三件、八千八百万円、これはどういう性質のものかということと、それから農機具製造設備資金貸付一件、一千万円、これはどういうところへ貸し付けておられるのか、具体的に場所がわかれば……。
  105. 小林中

    参考人小林中君) ただいまの御質問は中村理事から詳細に御説明申し上げます。
  106. 中村建城

    参考人(中村建城君) まことに申しかねるのでございますが、機械工業というものが非常に種類が広うございまして、どういうふうに分類したか、手元に資料持っておりませんので、御必要でございましたら後日提出いたしたいと思います。
  107. 島村軍次

    島村軍次君 あとで、今質問申し上げた点かおわかりでしたら私の方に一つ、あとでけっこうですから……。
  108. 中村建城

    参考人(中村建城君) 承知いたしました。
  109. 岡三郎

    岡三郎君 今のに関連して……。こういったように今の農機具の問題、あるいは人造米というようなもの、あるいは農林漁業金融公庫なり、あるいは農林中金なり、そういったものとの関係でどうなるのですか。そういったところがまあ貸し出していくべきだと思うし、農林省あたりでやる場合においてはそういう方向が正しいと思うのですが、そういった点どうでしょうか。
  110. 中村建城

    参考人(中村建城君) 概して申しますと、私どもの方は農林漁業金融公庫、あるいは中小企業金融公庫が業務範囲というものをきめております。そこで貸せるものはそこで貸しまして、そこで救いがたいもので、しかもうちの方で認められておりますものをうちで出すということになっております。人造米につきましては、農林漁業金融公庫の業務内容によりますと貸せないことになっておりますので私の方で貸しました。たとえば漁船などは三百四十トンまでは農林漁業金融公庫で貸し出しますが、それ以上の大型は開発銀行で貸す、そういう協定をいたしております。カツオ、マグロ船などは三百四十トン以上は開発銀行で貸しております。それ未満の場合農林漁業金融公庫で貸しております。それは政府機関の金融公庫がたくさんございますので、協定があって協定に従ってやっておるので、理論的にわかりにくい点があると思いますが、事実上そういうことになっております。
  111. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 ちょっとお尋ねしたいと思います。この前資料を要求して、きょうは大へん詳細な資料をいただきまして、このいただいた資料を拝見して大体わかったような気がするのですが、特に債権のうち、復金とそれから見返り資金、これの債権がまだかなりあるようですが、この中の回収困難と思われるような不良債権と目されるようなものが金額にしてはどのくらいあるのですか。
  112. 小林中

    参考人小林中君) 最終的に今の日本の経済状態から考えまして、回収が不可能と考えられまするものは、これはしかし実際に最後まで努力をしてみませんことには確実なる数字を申し上げるわけにも参りませんが、私どもの予想といたしましては、復金から承継いたしましたものの債権の中で四十億前後くらいのものがさような中に入るのではないか。また見返り資金承継の債権はほとんど今日の状態では私どもは回収はでき得ると考えておるわけでございます。
  113. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それからこの今の復金債権の非常に回収困難と目されるのは、これは推定でしょうけれども、約四十億、こういうものの最終的のつまり損失補償といいますか、そういうことはどういう処理が大体合法的にあるのですか。
  114. 小林中

    参考人小林中君) 現在の開発銀行におきましても、貸し例れ準備金制度を政府が認めてくれまして、そこにそういう種類の将来あるであろうと考えられるものの準備の積立金をしておるのでありまして、従ってさようなものがもし将来ありといたしますれば、その準備金から落すということに相なるだろうかと思います。
  115. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 貸し倒れ準備金というのは、これは別にこういう復金その他、見返り資金等から引き継いだこういう不良債権を必ずしも目当てにしなくても、これは法定で積立てなければならないし、こういう四十億といえば必ずしも少い不良資産でないように考えるのですが、これもそういう特別積立てでこれは可能な見通しですか。
  116. 中村建城

    参考人(中村建城君) 実はただいまここに資料を持っておりませんが、復金から承継いたします際に、復金自身の積立金がございまして、それは私どもに受け継いでおるのでございます。これは今、額は覚えておりませんが、約四十億でございまして、まずこれならば将来貸し倒れがありましても、つまり開銀になってからでも、営業利益の積み立てに及ばないでいくのではないかと、かような推算で引き継ぎを受けたのであります。その後も開銀の利益のうちから、政府の認可を受けました、ただいまは年度末貸出高の一%でございますが、それを貸し倒れ準備金といたしまして別に取っております。従って復金の方は、開発銀行になってから積み立てたのに及ばないと思いますが、かりにそれを立てましても、ただいま本年度におきまして百億をこしておりますので、まず貸し倒れのために影響を受けることはないと思っております。
  117. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると少し具体的に伺いたいのですが、たとえば復金から継承した運輸業という業種でございます。それで延滞率を見るとこれがずば抜けて大きくて二〇・七%という数字が示されておりますが、これは特に運輸業でこういう高い延滞率が出ているというのは、復金の継承資金に関してはどういう理由に基くものですか。
  118. 中村建城

    参考人(中村建城君) この数字を見ますと、運輸業は総貸出高に対しまして約二割、それから三十年、本年の三月末に対しまして七二%でございますが、慨しまして貸し出しのうちで、比較的優良なものはどんどん回収されておりますので、本年三日末あたりはいいものは返しました。あとの悪いものでございますから、特にパーセンテージが多いのでございますが、内容につきましてはここで私詳細にお答えする資料を持っておりませんが、復金自体には外航船はあまりございませんので、内航船関係で、その後内航船がうまくいかないために滞っているところがあると思いますが、現実には貸し倒れになるものがこの中で幾らあるかということは、ここに資料を持っておりませんが、必ずしも運輸業が特に貸し倒れになるのが多いとは存じておりませんのでございます。御了承願いたいと思います。
  119. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると今の運輸業というのは主として外航船関係なのですか。
  120. 中村建城

    参考人(中村建城君) 復金、自体は外航船というものはむろんないと思います。内航船舶が多いと思います。内航というのは国内でございます。
  121. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それから見返り承継のうちでは化学工業が特に一割と、三割という高率の延滞率を示しておりますが、これは化学工業の中で業種はどういうものですか。
  122. 中村建城

    参考人(中村建城君) 実は内訳を持っておりませんので、はなはだ申しわけないのでございますが、今頭に浮びますのは、当時アメリカに輸出ができるというのでアルギン酸というのを海軍からとる、これが一応政府の奨励を受まけして、輸出して外貨を稼ぐということで、できたのはできたのでございますが、アメリカに輸出するには価格が折り合わないために実は失敗したことがあるのであります。おそらくそれが主ではないかと思いますが、金額的には大したことはないと思います。あるいはそれが今の化学工業の中に入っておりますので、それがおもなものではないかと思っております。
  123. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それから大体復金の貸し出し状況ですか、それを拝見すると、全部を総括して各年度とも大体電気業と運輸業というのがぬきんでて多いようでありますが、この傾向はやはり将来とも当分こういうことでいくお見込みですか。
  124. 小林中

    参考人小林中君) 私からお答えいたします。大体従来は開発銀行の融資の七〇%ないし七五%くらいは電気業あるいは海運業に融資をして参ったのでありますが、本年度に入りまして、先ほど申しましたように、前年度から見ると電気業において四十五億、海運業において十億融資の資金が減少しておりまして、それが逆に石炭、鉄鋼、化学繊維あるいは肥料、機械等に増加をしておりまして、前年度と本年度を比較いたしますると、電気、船舶が減少をいたしまして、その他基幹産業か増加をしておるという傾向をたどっておるわけです。
  125. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 二十七年度から三十年までの年度的な傾向を拝見すると、特に総括的に貸し出しの件数が激減をしておって、しかも金額がこれと逆行してふえておる。たとえば件数を一つの例にとりますと、昭和二十八年の三月末には九千百三件という件数で、そしてその総額か二千六百九十三億あまりになっておるのが、昭和三十年三月末にはこれのほとんど七分の一あまりに減って千二百七十六件、総額で三千五百七十五億あまり、こういうふうになっておりますが、これはつまりどういう実態を示しておりますか。
  126. 小林中

    参考人小林中君) 御意見通り数字で、非常な減少を来たしておるのでありますが、これは御承知の中小公庫が設立されまして、従ってその中小公庫に開発銀行の融資の一部が移管をされたのであります。で、今日のその中小公庫に移管をされた融資の内容は、その個々のものは非常に具体的には少額でありまして、そして件数が非常に多いということで、従って件数から見まするとそういうふうな減少を来たし、金額から見ますと件数と比較にならないような、小金額が減ったというふうなことであります。
  127. 山田節男

    委員長山田節男君) 大体質疑は終了したものとみなして御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは日本開発銀行昭和二十八年度決算報告の審議につきましては、一応質疑を終了したものと認めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 山田節男

    委員長山田節男君) それではさよう決定いたします。お願いしました資料はなるべく早く御提出願います。ありがとうございました。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時二十八分散会