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1955-07-12 第22回国会 参議院 決算委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十二日(火曜日)    午後二時二十三分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事            青柳 秀夫君            谷口弥三郎君            岡  三郎君            中川 幸平君            石川 清一君    委員            石井  桂君            大谷 瑩潤君            西川彌平治君            白井  勇君            宮田 重文君            三浦 辰雄君            久保  等君            木島 虎藏君            市川 房枝君   政府委員    農林大臣官房会    計課長     武田 誠三君    農林省農林経済    局長      大坪 藤市君    農林省農地局長 渡部 伍良君    農林省農業改良    局長      小倉 武一君    農林省畜産局長 原田  傳君    食糧庁長官   清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    農林事務次官  平川  守君    水産庁生産部漁    港課長     林  真治君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和二十八年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十八年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   ―――――――――――――
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは、ただいまから第二十八回決算委員会を開会いたします。  二十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十八年度政府関係機関決算報告書を議題といたします。  本日は農林省所管の部を審議いたします。検査批難事項は、第九百三十号から第千八百八十号までであります。この件につきましては、前回におきまして一応質疑終了ということになっておりますが、なお、本日あらためて残った問題についての御質疑をお願いいたしたいと存じます。なお、本日出席政府委員は、向って右から、農林省武田会計課長小倉改良局長渡部農地局長清井食糧庁長官大坪農林経済町長厚生省楠木環境衛生部長会計検査院小峰検査第三局長がおみえになっております。では順次御質疑をお願いいたします。
  3. 岡三郎

    岡三郎君 実はきょうは農林大臣に御出席を願いたいと思っておったのですが、所用があっておられない様子ですので、きょうは農林省全般について、一体だれが責任をもって御答弁をなさるか、それを一つ確めておきたいと思います。
  4. 山田節男

    委員長山田節男君) お答えいたしますが、実は河野農林大臣出席要求しておきましたが、今衆議院の農林委員会出席されておりまして、その方から退席し得る機会があれば、なるべくすみやかにこちらの方へ出席いたしますからと、こういう連絡がございました。後ほど河野大臣も当委員会みえることになっております。
  5. 岡三郎

    岡三郎君 概括的に補助金法案というものを政府が提出するというふうになったことについては、政府も再三再四検討した結果、十分反省したと思うので、この点はよかったと思うのですが、実際問題として、農林省がこの問題について今後どの程度具体的に改善していくかという問題は非常に重要だと思うのです。われわれがここで決算報告書を審議して、そうして一応重要な点については、時間に制約されておるので、不十分ながらも、とにかく審議して、そしてやがては決算報告書に対して承認するか承認しないかということになるわけなんです。かりに承認したということになれば、それでまあ終ったということで、当局側は解放されたということになる、そういうふうな状態が繰り返されてきたと思うのです。しかしその間において、それぞれの部局において一応努力をしておるのは当然だし、改善の跡も見られるのですが、なかなか農林省関係においては件数も多いので、顕著な改善の跡が見られない、そういうふうにわれわれは今まで言ってきたわけです。それできょう私が聞きたいのは、ここにいろいろと要求に応じて御努力していただきまして、各種の調査報告書をいただいたわけですが、農地局関係になると思うのですが、現実に建設省あたり件数も割合に整理されているから、机上査定を全廃して、米田河川局長あたりは、今年度から全面的に実地査定をやって不当事項の絶滅を期すと、こう言っておるわけですが、農林省の方としては、具体的に人員との関連上いろいろあるが、都道府県関係部局をいろいろと多角的に利用する方法もあるだろうと思うのです。そういった点について、本省としてはどの程度机上査定をやめて実地査定にするのか、それからまた中間検査とかいろいろとありますが、会計検査院の調べを待たないで、自主的に内部機構改善し、相いましめて、そうしてそういう点についての改善をしていってもらいたいと思うのですが、その間にできた資料がここにいろいろとあるわけでありますが、もう一ぺんはっきりと聞いておきたいと思うのです。
  6. 山田節男

    委員長山田節男君) ただいまの岡君からの御質問は、後ほど河野大臣がおみえになって、全般的の御質疑について御答弁があると思いますが、今の質問に対しまして、かなり責任をもって発言をし得る政府委員がおみえになっております。清井食糧庁長官初め、大坪農林経済局長渡部農地局長小倉改良局長武田会計課長、その他おのおのがおられるのですから、あなたたちの持ち分といってはなんですが、大体農林省のそういう重要な一部局の最高の責任者として、今の岡委員質問に対してどういう一体具体的な抱負をお持ちになっておるか、この点は重要だと思いますので、この点については大臣のもう了解を得ておるという点を一つ順次御答弁願いたいと思います。どなたでもよろしゅうございますが。
  7. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ただいま農地局関係の例をお引きになってお話しがありましたので、私の方の関係を申し上げます。  昭和三十年度災害査定専門職員を十一人増員することにいたしております。これは当初要求ではもっと要求したのでありますが、配置転換その他人員の差し繰り上、本年度は十一人でとどまっておるのであります。そうしまして昭和二十八年度のいわゆる十万円以上の災害地七万件あまりありましたが、それのうち、約二五%を実地査定しておるのであります。通例の年でありますと三万件か四万件でありますので、その率をもっていたしますれば、ここに十一人を増加し、これと地方農地事務局係官、それから府県係官を動員いたしますれば、相当大幅に実地査定ができることと思います。ことにちょっとこれは事実問題としてお聞き願いたいのですが、ことしみたいに災害の発生がまばらでありますれば、私の方といたしましては全部実地査定をやりたいと思います。これが一町に十数府県、二十数府県ということになりますれば、全体の査定を待って補助金交付指令を出しておったのでは実際の事務がおくれますが、しかし職員も増しましたので、少くとも昭和二十八年度ぐらいの人員の貸し借りを府県相互にやり、それを今の増員した査定官をもってやるとしますれば、少くとも半分以上はできる。しかしそれでは満足できませんので、来年度厚生省建設省等の大規模の事業でも相当査定官を増しておりますので、それとの均衡等も大蔵省によく説明しまして、否定官を増すことに努力いたしたいと思っております。
  8. 岡三郎

    岡三郎君 昭和二十六年度補助金返還ですね、これはまあ大体完了しておる報告書が出ておるわけですが、昭和ニ十七年、八年、この納入未済額ですね、これをどういうふうにして、まあいつまでということもなかなかむずかしいでしょうけれども、それを整理する大体の目途はいつごろにおいておるのか。そうしてどうしても納入しないというものに対しては、やはりある一定期限を区切ってこれを何とか整理しなければ、結局私はだらだらしてしまうのじゃないかという考えを持っているわけですが、その整理する方法、時期等についてお答え願いたいと思います。
  9. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 返還命令を出しましたものの、何と申しますか、収納をいつまでに完了させるかという時期のお尋ねでございますが、これにつきましては、今いつまでという、何と申しますか、特定の時期を限って予定をはっきりしたものは出ておりませんが、二十八年度検査院から批難を受けましたこれらの補助金返還命令につきましては、別途お手元に差し上げてございます資料にございますように、大体昨年度末から本年度の初めにかけて返納命令を出しておるのでございます。従いましてこれから徴収方につきまして、できるだけ県庁あるいは事業主体である市町村等督促をいたしまして、徴収の確実を期して参らねばならないわけでございますが、私どもといたしましては、府県なり市町村財政の許しまする限り、できるだけ早く返納をしていただきたいというように考えておるわけでございます。従ってわれわれとしても、今までこれらの収納につきまして、必ずしも計画的にやって参っておらなかったという欠陥がございますので、今後につきましてはできるだけ計画的にある目標を立てまして、この返還の確実を期するように努めて参りたいというように考えております。それらの正確な時期とか、そういったものにつきましては、しばらく私どもの方といたしましても、府県等実態ともにらみ合せまして計画も立てて参らねばならぬというように考えておりますので、しばらく御猶予を願いたいと思います。
  10. 岡三郎

    岡三郎君 いろいろとむずかしい点があると思いますが、まあ地方自治体の財政の困難あるいは特定団体の経済的な事情等もあると思うんですが、返還がおくれている原因について一つお知らせ願いたいと思います。どういうわけでおくれているのか、その事情一つ説明願いたいと思います。
  11. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 非常にたくさん件数がございますので、それを適当に分類をいたしまして調べましたものがございませんので、的確に一つ一つお答えができませんのでございますが、多くの原因といたしましては、やはり地方財政赤字その他が原因になっておる場合が相当あるというように考えております。それから個々の団体等につきましては、返還資力等のほとんどなくなってしまっておるというようなものを、過去の長年かかって取り立てのできませんものについては、入っておりますので、もし御必要でありますれば、ちょっと時間がかかるかもしれませんけれども、それらの原因につきまして、ある程度分類的に調べまして、資料としてお出ししてもよろしいかと思います。
  12. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の岡委員の御質問について、これは御参考のために申し上げますが、きょうきまって政府が提案しようという補助金の適正に関する法律案が出るわけであります。これを見ましても、やはり期限を定めということが各条にみな出ておるわけです。期限を定めなければ今あなたがおっしゃるような、ただ一体赤字財政だ何だということは、これは考慮の必要ないのです。それでは今言ったようにわれわれがやかましく言っておる事務簡素化の点、会計検査院が指摘するまでもなく、われわれはやはりそういうことをかなり……、これは親切ですよ、まあ一面から言えばやはり期限を定めて返還させるのでなくては、ほんとうのこれは返還命令にならぬのです。どうもこれはあなたの方で何というか、返還さすような期日がなくちゃならぬ、期日のない返還というものは、これはほんとう返還命令じゃないのです。そこをわれわれが前からこの問題にしているのですよ。ただ向うの事情でどうのこうのだから取れないということではこっちは了承できないのです。この点を含めて一つ答弁いただきたいと思う。それはどうなんですか。
  13. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 私の方で納入告知書を発行いたします際に、何月何日までに納入するようにというように期限は切ってあるわけでございます。ところが現実問題として、その日までに納入されてないということになりますと、現在それに対しまして特に制裁的な規定というものが欠けているのでございます。従いまして私の方といたしましても、まあ手不足というようなこともございまして、なかなか督促が十分に行われてないという面もあるわけでございますが、ずるずる、ずるずる延ばされますと、結局時効の中断その他をやって参る必要も出てくるほどに延ばされてしまうというような実態になっておろうかと存じます。
  14. 山田節男

    委員長山田節男君) 実はこの間ここに参考人を呼んで、これは建設関係の場合ですが、補助金の何といいますか、架空な申請をして金を三百数十万円取ったわけです。これに対してここへ呼んでみますと、還付命令はいただいております、そうしていろいろ町会でまあ共有林を売って金を払おうか、しかし一方においては何払う必要ないのだというようなことで、新しい町長が就任以来いろいろもんで、還付命令というものは現にもらっておる。ところが今言ったように、補助金というものに対する国民観念が非常に誤まっておるのです。そのうちにこうしてもんでおれば、別に差し押えもするわけじゃないのだから、今日まで実は参りました。しかし今日こうして参議院に呼ばれて、いろいろ御質問を受けて早速帰りまして共有林を売ってお金をお返しいたしますということを町長が弁明して帰っております。大体その実態がそういうものじゃないかと思うのです、このあれを見ましても。ですからその盲点をどういうふうにつくかということがいわゆるあなた方のところの返還金を還付させる一つの途があると思うのです。だからこの点を、やはり実態に触れたやり方をどうするかということがないと、今言ったようにどうしても納得できない。ですから従来はこうであったけれども法律ができなくても、農林省全体の補助金還付命令についてはどういう措置をするのだ、差し押えまでするのだということならそれでいいから、何かもっとやり得るのだという、納得するような方法がお考えあれば、これは会計課長もとよりですが、他の諸君もこうあるべきだと思うというようなことを一つ忌憚なくおっしゃっていただきたい。どうですかその点について、どなたでもいいですが……。
  15. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 私どもといたしましては、その返還命令、出しました金を確実に返してもうということのために、司法上の手続その他をとるということももちろん可能であるし、やるべきものはやるべきであるという気もいたしますけれども、一方で時間的な問題、あるいは経費問題等もあるわけでございます。全部を全部そういう形にまで持っていくということもなかなかむずかしいのではないかというように存じますが、今後、たとえば今度の補助金適正化法律にもございますように、今後の補助金の執行に際しまして、その点を勘案いたしますとか、いろいろ相手方地方庁等につきましてもぜひ返さなければならないというような気持も起き、かつそういう決意をしてもらえるような方法を別途のそういう行政的な方法におきましてもとって参りたいというような私個人といたしましても気がいたします。なお、府県に対しましての今の返還金徴収でございますが、二十八年度まで実は府県の方に支払い委任をしておりまして、従って府県府県あてにその歳入徴収を、あるいは納入督促をしておったのでありますが、府県歳入徴収官あて納入督促をしておったのでありますが、二十九年度から農地事務局でこの徴収をやってもらうように改正をいたしております。で、直接相手方から農林省徴収をするというような方向に制度改正をもいたしておりますので、こういった制度等もできるだけ十分に活用いたしまして、納入の一日も早いことを期したいというふうに思っております。
  16. 岡三郎

    岡三郎君 ただいま会計課長が、言ったように、返還を促進させるためにいろいろと調査をされておるだろうと思いますが、いろいろと局が複雑であって、なかなか会計課長のところで一括することはむずかしい点もあるかと思うのです。ただ単に私たち要求する資料を提出するために作業をするというのでは、さなきだに急がしいと思うので、無理をしてくれなくてもいいと思うのですが、しかし実際に能率が上るようにやってもらいたいと思うわけです。私先ほど言いましたが、二十五年度は全部返ったというように言いますが、全部が全部そうでもないらしい、今調べましたところが部局によっては整理されたところがあるようですが、農地局関係でもだいぶ残っておるというふうに見るわけです。もう二十一五年度あたりのは整理済みでないと、これはやりきれぬじゃないかと思うのです、あなたの方が実際は。その間に会計課長がかわる、農地局長がかわる、みんな人がかわって残滓だけが残っておる、跡始末であなたたちがきゅうきゅう問い詰められるというのは、これも不公平だと私思うのですが、都響が変って未整理のものがどんどんどんどん残ってきておるということになりますと、だれかがいつかは整理しなければならぬということにならざるを得ないと思うのですよ。それでたまたま現在の当時者がそういう措置をしろとだいぶ言われて、えらいこっちゃと、こういうふうに思われる点があるかもしれんけれども、実際はそういう時期が来ておると思うのです。やはり先ほど委員長が言ったように、期間を定めてそうして強硬に措置するものは措置する、それからそうでない部面については情状酌量する点があるとするならば、その点は十分関係当局と話し合って整理するなら整理するというふうにしないというと、いつまでたっても解決がつかないと思うのですが、法案が提出されて可決されたあとでするというよりも、まあそうした方が早いとは思いますけれども、それまでにも一つ期限を定めてもらいたいと思うのですが、具体的にいうと、大体二十五年頃の未納金、また二十六年頃の未納金に対しては、今でも督促しておるんですか。これはどうなんですか。
  17. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 二十五年、あるいはそれ以前のものにつきましても、私の方としては全部督促はいたしております。ただ件数が非常にたくさんございますものですから、一々につきまして、その何と申しますか、ぎりぎりせっぱ詰ったような督促方法がなかなかとれないで、やや形式的に流れる面も出ておるということは、今後、お話しのようにどうしてもとれないということにつきまして、ある程度整理をして、特に問題のあるもの、あるいは金額の大きいものについてはできるだけ力を入れて、重点をそこにおいて徴収に努めていくというようにやって参らねばならないかと存じておりますが、現在一応督促はいたしておるということに相なっております。
  18. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ただいま農地局関係の御説明がありましたが、実は二十五年、六年と遅れておるのは、二十五年の中には、これは分割払いということにしておりまして、その意味で遅れておるというのであります。二十六年では訴訟をやっておるというようなのが相当残っておるのであります。そのほかのものについても、一定の時期がきますれば、私の方では、何と言いますか、相当きつくやっております。
  19. 木島虎藏

    木島虎藏君 ちょっと関連して。今のお話を聞きますと、そんなに返さぬのがずいぶん前のがありますと、その後また災害が起り、補助の必要が起ってくるというようなことで、返さぬところにまた補助をやるというようなことはあったですか、ないんですか、そういう事実は……。
  20. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 私の方ではありません。そういう場合には、もしあれば差し引いて交付するより以外ないのです。
  21. 木島虎藏

    木島虎藏君 ああそうですか。
  22. 岡三郎

    岡三郎君 この点につきましては最終質問になると思うのですが、新しく補助金関係について法律が施行されるとしても、その前のを整理しておかないというと、どうも不つり合いになるのではないかという私は考え方を持っているんです。つまり新しい法律が出発してぴしぴしやるということになれば、その前のやつが未解決だというと、どうも目ざわりで、二十八年、九年、ことしの三十年、法律を施行する前のものに通用するというわけにはいかないと思うのです。そうなるというと、未整理のものは非常に目ざわりになってくると思うのです。それですから同じことを何べんも言うようですが、一つ、少くとも二十八年度分については、これは農林省当局全体、一つ考え方を一致して、とにかく大ざらいを一ぺんやってみるという、一つ期限を定めてやってみるというふうにしてもらいたいと私は思うのです。これはあなた方を占めるということでなくして、何としてでもそうしなければ、あとの問題が起ってきたときに、そういった問題が法律的な関係事項になる。それ以前のものがいつまででも多量に残っておるということでは、非常に工合が悪いと思う。そういう点で一つはっきりとその点は処置できるように、この際しておいてもらいたいと考えます。これは何も農地局関係だけでなくて、他の部局全体に通ずる問題だと私は思うのです。それだけこの点について希望しておきます。
  23. 山田節男

    委員長山田節男君) これは私からも重ねて申しますが、大臣が後ほどお見えになれば、決算に対する要望等もありましょうが、まあ法案がこれは出されるにしても、何しろ日にちも短いことですし、こういうことでなくても、ほんとうにこの還付命令に対しては、やはり相当強硬な手段をとらないことには、特に今の補助金に対する国民一般観念が間違っているわけですかつ、ことにこういう法案が通って法制化される前に、やはり少くとも二十八年度以前の、ここにずっと出ておりますが、相当な金が、先刻から農林省関係においても、約八千万円あるわけです。これは一つ今、岡委員から言われたように、自発的に何かこの法が一つ出る前に、具体的にやるのだということを、やはりここで示していただきたい。そうしなければ、やはりいつまでも決算を承認することができないわけですから、われわれとして非常に苦しいのです。だからこの点も十分お考えになって、一つ関係当局と今協議していただいて、農林省としても、どうするかということを、今国会中にできるだけ早く一つお示し願いたいとお願いいたします。
  24. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) ただいまの委員長並び岡委員からのお話の点につきましては、私どもも省内で各幹部の方にお集まり願って、できるだけ早く、どういう方法でぴっしりきめつけていくかということをきめていきたいというように存じます。
  25. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 資料の一部をお願いした立場から、ちょっときょう配ってもらった農林省からの回答の分についてお聞きしたいのです。それは私はこの決算報告の百八十三ページにある(3)の長崎県の小浜町のところの漁港復旧について、百二十七万九千九百七十三円は、三十年度以降の交付金予定額から減額するという回答があるわけなんですよ。そこで私はこのときに、こういった過大設計見積りをして、そうしてさらでだに足らないこの漁港復旧工事の金の配分によけい取っておいて、そうして後年度にいわばもう約束をさせるようなやり方をするということは、何か戒めなきゃならぬのじゃないか。従ってこの三十年度以降の交付金予定額が減額するとあるが、一体二十九年度にはこの小浜町の漁港について、どれだけ復旧経費を見たのですかということをお聞きしたのに対して、この一体回答というものは、今まで印刷になっておる回答というものをガリ版に逆に直しただけにしかなっていないのですね。これは一体今までお聞きしておりますと、ずいぶん誠心誠意、各委員のいろいろな注意やら、また質疑を通じての警告に対して、えらくまあ恐縮されて、これからやるというようなことを言っておられるけれども要求している資料自身は、ただ印刷してあるやつを、今度はガリ版に直して配っておるということだけで、果してそういうことをわれわれ期待していいのかどうかとさえ思うのですよ。一体この何ですよ、あなた、この検査番号は、千六百六十三号ですよ。そして検査報告は百八十三ページ、この小浜町に対しては、二十九年度一体幾ら復旧の金をつけたんですか。それを聞きたかった。ところがそんなことはさっぱり載っていない。どうなんですか。
  26. 山田節男

    委員長山田節男君) 説明員説明さしてよろしゅうございますか。
  27. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 ええ。
  28. 林真治

    説明員(林真治君) 長崎県の小浜のただいまの関係でございますが、資料の作成の内容が御趣旨に反したということではなはだ申しわけないのでありますが、この件につきましては、否定工事費が六百四十万円でございまして、これに対しまする国の負担率が六割六分七厘でございまして、すなわち国庫負担額が四百二十六万八千八百円に相当するわけであります。これは二十六年に発生しました災害でございまして、二十七年、八年両年度におきまして、俗に申しまする仕越し工事をもって四百六十七万五千円の仕事をしたわけであります。これに対しまして二十八年度までに交付いたしました負担額が二百二十四万一千円でございまして、これまでのことにつきまして検査院側の御指摘を受けて、問題が今回の問題となったわけであります。昭和二十九年度におきましては、事業も施行いたしておりませんし、従いまして国の補助金は交付いたしておりません。三十年度におきましてもまだ交付をいたしていないのであります。すでに二十八年までに仕事をいたしまして、それに対してまあ交付いたすべき補助金の一部を交付しているわけであります。従いまして百九十一万九千円という事業費に対しまする国の負担に相当いたします百二十七万九千円余りというものは、査定事業に対しまして今後交付すべき予定となっておりますものから差し引いて交付をしないようにする、こういうことで処理をつけたわけでありますが、今お尋ねになりました昭和二十九年度におきましては、事業も施行いたしておりませんし、また国の負担金も交付をいたしていないわけでございます。
  29. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そういうことであれば一体百二十七万九千九百七十三円といういわゆる国庫の負担金のやり過ぎた分といいますか、つまり出し過ぎた分、これについては一体どういうふうな扱いになるわけですか。これはいずれとるというふうに説明にはなるだろうが、ずいぶん私は何かちぐはぐな回答でもあるし、今のような二十九年もやらない、三十年もやらない、一体どういうふうになっているのですか。この百二十七万九千という金は。そうずると向うへ貸し付けたということはないけれども、要するにただ国費を出しっ放しになっちゃっているのだ、こういうことになるのですか。この扱いほどうなるのですか。私が第一回のときに聞いたときに、漁港というものは継続費でございますから、翌年にも従ってやるのでありまして、その中のから差し引くのですと、こういうもっともらしい答弁なんです。だから私は一体どのくらい出したんだろうか。二十九年度にはどのくらいお出しになり、三十年度にどのくらいおつけになる見込みがあるのですか、それをお聞きしたいと言ったら、そのときわかりませんから書類で回答します。それじゃ資料としてお願いしますといって、出たのを見ると、今まで印刷になっているやつだけをただガリ版に逆にしただけであって、それで今聞くというと、二十九年もやっておらぬ、三十年もやっておらぬ、こういうのですから、私はさっき申し上げた通り、決して皮肉を言うために言うのじゃない。皆さん方としては、その当時の責任者じゃない皆さん方ではあるけれども、やはり役所の組織としてはあとを受けた者は、今までやったいわば不始末と申しますか、一応なったらいろいろな処理をやっていかなければならぬ責任を持っているのだから、まことに御迷惑ではあるけれども、しかしあなた方が大いにやらざるを得ない立場なんです。だから十分何というか、先ほど来聞いていると非常に恐縮して、今後あやまちなからぬことを期したような御答弁に対しては、はなはだどうも符節の合わない回答文であり、処理の仕方であると私は思う。
  30. 山田節男

    委員長山田節男君) 林君はいつ現職に就任されたのですか。
  31. 林真治

    説明員(林真治君) 現職につきましたのは五、六年前でございます。
  32. 山田節男

    委員長山田節男君) それではこの件については御存じなのですね。
  33. 林真治

    説明員(林真治君) ただいまの件でございますが、査定に対しまして、査定の率によりまして国が負担することになっているわけでございます。それに対しましてすでに、一部でございますが、実施したものについて今回の問題が起ったのであります。これをさしあたり百二十七万九千幾らというものを、すぐに還付いたしますか、あるいはなお約束をいたしましたものが今後に残されておりまする関係上、それから差し引きまして補助金の交付をいたさないという方法にするかという問題で、まあいろいろ関係方面とも御協議をいたしまして、こういう措置をいたした次第でございます。補助金の適正な使用ということに対しましては、十分できるだけそういう方面に努力をいたして参りたいということには考えているわけでございますが、この件につきましては、まあそういう関係で、いろいろ御協議いたしました結果、今後交付すべきものについて差し引きまして交付しないようにするというふうな措置をつけたわけでございます。
  34. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 こういう問題について協議した結果というと、何か勢い会計検査院の方に累がいくことになるわけですが、一体会計検査院としても、今日の段階ではこのくらいの種類の扱いというものはやむを得ない、こういうふうに見るものなのかどうか。一体御協議というのは、おそらくこういった種類の問題の御協議といえば、あなたの方にきまっているのではないかと思うのですがどうですか。
  35. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) ただいまの小浜のはそうむずかしいあれじゃないのでありまして、説明が正しいのですが、どうも御了解いかないようでありますが、これは六百四十万円の工事であります。それに対して国庫負担金四百二十六万八千八百円であります。検査しました二十八年度までに四百二十六万八千円のうち二百二十四万一千円しかいっていないのでありまして、圭配し引きますと二百二万七千八百円やり不足がある、こういう事態のところで検査したわけであります。検査しますと、四百二十六万八千円のうちから百二十七万九千円差し引く、こういうことになったわけであります。二百二万もまだやり不足があるところに、百二十七万差し引くということになりましたから、七十何万やらなければいけないわけであります。それを二十九年度も三十年度もまだお返しにならない。七十何万円かやれば検査の結果と合うわけであります。本来の二百二万ばかりやらなければいけないところを百二十何万か減りましたから、七十何万かやり不足がある、こういうケースであります。それで御質問の点は今のようなあれでいいんじゃないかと思います。そういうふうに当局も説明していたわけなんでありますが……。
  36. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうすると、今のは私として一応これ以上御説明は要りませんが、その処置については早くした方がいずれにしてもいいと思うのです。  それから同じ私のお願いした資料関係で、ちょっとまだ解せないので、これは説明していただけばわかるのかもしれませんが、千三百四十号から千三百四十五号までの四つを、途中二つ抜きますけれども政府回答書による二百三十五ページです。そのときにお聞きしたのだけれども、はっきりこの回答書が読めなかったので、教わるべく質問したときに、わからないので、それは資料で出しますということだから、その資料をお待ちしていたらきょうの中に入っているわけです。そこで二百三十五ぺージの千三百四十一をとりますと、一番上の欄は補助工事費から除外すべき金額、そうしてその次には、同上に対する補助金相当額で百三十二万一千何がしの工事量のうち、八十五万九千何がしが補助金相当額だと、そこで手直し工事を三十六万円さしたと、それでその下のところにいって、返還する工事費二十七万六千円とあって、そのうち返還する工事費のうち、補助金相当額というものが十七万九千何がしあるというこの表なんですが、これをきょうもらった資料によりますと、これまた何かはっきりしないのですが、私はこれはどういうふうに読めばいいのかという話をしたのです。これはこういうふうに読めばいいんですか、きょうもらった資料とあわせて見るというと、工事費が百四十三万円、そのうち補助工事費から除外すべき金額が百三十二万一千円、何かこういうふうにも読めるのですが、一体これは、きょういただいた資料とあわせて説明願いたいのです。四件と言いましたが、この一件を説明してもらえば大体同じものなんです。
  37. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) これはこういうふうにお読み願いたいのですが、大分両方とも説明が省略されているのでわかりにくいのですが、工事の査定額が百四十三万円であったのです。それからそれを清算すると、この本にあります百三十二万一千九百三十八円ですか、清算するとそうなったのであります。そのうちで措置のところを見ていただきまして、検査院で検査した結果八十四万八千円だけが正当に認められる工事ができておったと、こういうふうにお読み願いたいと思います。その下から四行目にカッコの中に書いてあります手直し工事三十六万一千円をやらしたのであります。なお、そうやりましても二十七万六千円というものがオーバーしておりますので、それに相当する補助金十七万九千四百円というものを返還さしている、こういうことになります。
  38. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 その点数字をちょっと当りながらやってみて下さい。私は数字当ってみてわからないものだから聞いているのです。一応そう読みたいところですがね。四件とも同じだからこれだけ聞けばいいのです。
  39. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) これはトータルが合わないのは、手直し工事が余計かかっているから、ということであります。
  40. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そうすると手直し工事三十六万一千とあるが、それはそれではないと。
  41. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) いや手直しですから、当初の計画とは違った数字が必要になってくるわけですね。すぐぴたっと手直しを加算すると、最初の百三十二万円にはならない。
  42. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 そこでです。そこで私はそのときもなぜこんなつまらないものを引っ張ったかというと、同じ農林省でもってお作りになる回答書の様式が局によって違うのですね。よその局ではこうやってすっと読むと、ちゃんと簡単な算術で答えが一応出るのですが、ところがこのあなたのところの分は、そういった何か同じ差引じゃ下のやつが出ないものですからね。私はそこで会計課としても、全体のこういった検査で指摘されたものに対する取扱いというものは、真剣さが足らないのじゃないかといったような意味を含めて、私は当時聞いていたのです。だから私は願わくは他の多くのように統一した形で、この報告を出されるときには、やはり責任の人はどうも前任者のやったことだけれども、これは役所として席をつないでるんだから、これはもう当然自分の責任であるというふうにお思いでしょうが、こういったものについては、やはり一応は眼を通して、今後をいましめるという態度がほしいという意味で、私はこんな御質問を、四つの数字をあげて資料を求めた、それに対するやはり同様に内訳の細かい答えになっていないものだから、依然として読めなかったという問題なんです。まあ今後は統一をとってわかるようにお願いをして、私はくどくど言うのはやめます。
  43. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 農林省のこの補助金の費目というのは、ここでみますと百三十三費目となっておりますが、この百三十三費目の補助の参りまする主体、事業主体というものは大体幾つくらいになっておるものでございましょうか。それはたとえば町村が主体になっておるのが大部分であるとか、そのほかに組合というとどういう組合が幾つくらいあるか、その点をちょっとお伺いいたします。
  44. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 御承知のように農林省の方は非常に多岐にわたっておりますので、大部分は一応県を通じまして市町村、あるいは末端の農業委員会なりあるいは農業共済組合とか、一部農業協同組合に参りますものもございます。それから全然県を通じないで、農協の中央会でありますとか、全国農業会議所というところへ流れて参る補助金もございます。で、大ざっぱに申しますれば、やはり件数なり金額としては県庁を通じて末端の市町村に流れていくというものが非常に多いというように存じます。
  45. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 この農林省補助を出されている金額も非常に多いし、またただいまの末端の市町村なりにいく政もきわめて多いわけでありまして、この補助の適正を期するということはずいぶん困難なことだと思うのであります。そこで農林省では考査制度というこのすり物を拝見したのでありますが、こういうことをやられて、不正、不法の行為の防止に努められていることは非常にけっこうなことで、極力やっていただきたいのでありますが、これも私考えまするのに、補助金が非常に数が多く、しかもその事業主体の中には非常にまじめにやっておるところもあるし、あるいは悪意というか、不注意というか、間違って中には自己の負担もしないで補助金だけとっている、あるいはその補助金を他の使途に充てておるというような、まことに遺憾な事態もございますが、こういうものの防止については、その補助金一つ一つ検討するのではなくして、総合的に検討して、もしその村が誤まったまずいやり方をしているところには、他の補助金もやらないというくらいの態度でおやりになれば、村としても注意するのじゃないか。それをただそういうことなしに、一つ一つだけでやりまして、それについての是正は求めても、まあこれもはっきりしない場合が多いのだと思いますが、他の補助はどんどんいくというのでは、いつまでたっても、私は是正が困難だと思う、それに対する御意見はいかがでございますか。
  46. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 町村に対します個々の補助金につきまして、一つ補助金についての執行の工合が悪いということに応じて、他の補助金は全部やめてしまうというところまで、特に悪質なものについては考える必要もあろうかと思いますが、各町村に対します補助金の配付につきましては、これは一応都道府県知事を経由して参っておりますので、直接農林省でそこまで制約を加えるということもなかなかむずかしい問題ではないかというように存じますが、補助金の、何と申しますか、種類なりあるいは目、その中のさらに細目というようなものについて、できるだけ統合いたしまして、なるべく予算の執行の場合にもバラバラに細かい補助金がいくことによって、つい適正な使用ができなくなるというようなことのないような、防止はできるだけ努めて参りたいというように考えております。
  47. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 この考査制度のすり物によりますと、ここに昭和二十九年から茨城県下で十二カ町村、佐賀、熊本県下で十二カ町村、山形、新潟県下で十七カ町村の査察といいますか、検査をやられて、いろいろの補助事業についての実地考査を行なった結果、補助金の使用状況等が適切でないと思われるものが相当発見された、で、これについては末端の補助金行政の実態を把握して、これが是正に努められるということが書いてあって、今お述べになった趣旨だと思いますが、私は補助金を間違ったら全部やめろということを申し上げているわけではないのです。ただかように補助金の種類が百二十三種類というようなものであって、それが今日おいでになっている農林省の首脳部の方は実際はこういうことを何もお知りにならないと思う。ただ全く部下の方、その部下の方も町村の実態までは知らない。全くの机上プランで、いろいろやはり進んでいるので、町村の方でもいろいろの事情でそういうことになると私は思いますけれども、結論的には国費が不正不当に使われて非常に困る事態が起っている。それを防止するのが一面皆さんのお務めでもあるし、決算委員会としても責任でございますので、どういう方法をとったら、ほんとうに合理的にゆくかということを真剣に検討いたしたい。そこで私が申し上げるのは、全部の補助金をやめろということを申し上げておりませんけれども、しかし何か非常に間違ったことに対しては、受ける主体が一つの人であるから、一つの人が誤まったことをやっているのに、他の方の補助は何もそういうことを考えずにゆくというようなことは、それでは何の戒めになりません。そこで省内の各部局において、考査制度をとられるのなら、その同における一つの連合的の何か審査を同時におやりになって、その内容にもよりますし、また来た実情にもよりますが、ほんとうに簡単な不注意のために誤まったような場合を、これは責めるわけにはいかないと思いますが、いただいた金を他の町村の費目に充用して平気でいるということは、全く町村側からいっても、これは道義上からも許さるべきではないと思う。そういうものに対しては、相当強い態度で、一応は農林省としても態度をお進めになって、しかし農村の振興ということは必要なんですから、そういうことを長くやる必要はない、向うが是正してくればむしろ積極的に補助もふやしておやり願いたいのであります。ただだらだらと何のけじめもなしに、補助金を机上で査定してゆくということはいかん、そうすると、非常にまずい事態が起って、会計検査院の指摘があって初めてわかるというようなことでは、私は何としても改善されないような気がしてならないのであります。そういうわけでございますから、考査制度をおやりになることは非常にけっこうでございますが、どうか受ける町村とも平素緊密なる連絡をとられまして、そして誤まりなきを期していただきたい。これを申し上げるのは、先日数カ町村の責任者にここに来ていただきまして、こういう問題が起る実情を聞いたところが、その町村長の人などの態度は、災害のときは非常に忙しくて全くめくら判で書類を出している。査定等についても、自分たちは技術官でもないので、一切まかせきりで、はなはだしきは判を係に渡してめくら判でその書類が中央の方に出ている。中央の方では、ただそれを受け取って、机上の査定でそのまま認めていく、これはだれの責任であるか、ちっともわからない。しかもその金額が五十万円とか百万円ならいいのですが、一億五千万円というような大きな額を申請してきて、それを認めて、しかも実際かかった金は三分の一くらいでいいというような事業がございまして、非常に私は何と言いますか、疎漏というのか、全く話にならぬような気がしているわけなんです。そんなわけでございますから、町村の方ももっと町村長が申請するときは内容をよく検討して、自分の責任で判を押す以上は、部下の責任じゃないわけなんです。だからほんとうに申請する権利があると同時に、申請する義務というものもあるわけであります。もし誤まった間違った不正な申請をした場合は、責任をはっきりするというくらいの態度で、申請も受け付けるし、査定される方も査定に対する権利と言いますか、お力を持っていられるのだけれども、誤まった査定をすればその人は責任を負うんだという決意のもとに書類を扱っていただきたい。そうでなければ、いつまでたっても、私はこういう問題は解決しないと思う。どうか一つ農林省の仕事はきわめて重要であり、全国の非常にこまかいところまでいきますので、一々こまかく目を通されることはできない。むろんこれはそれぞれの局に当る町村長なり、そういう方が責任をもって主務省にも申請されるというふうにお願いしたいんです。そうして府県の方に対する委任と言いますか、経由というような言葉がありましたが、それにつきましては、児の当局に対しても強く指示していただきたい。きまり切ったことかもしれませんけれども、私は何とかしてこういう補助事業が適正にいくことを心から希望するがゆえに申し上げるわけであります。それで、できますならば、これはちょっと決算委員会からは範囲がはずれるかもしれませんけれども補助金の数もあまりにも多過ぎるんじゃないか。これを見ましても補助金額が零細なため配分に困難を生じ、補助の効果があがらないということが書いてありまするので、これはまたいろいろな事情で広範な農林行政の建前から、そう簡単にはいかないと思いまするけれども部局で御研究になって、中央から見られた補助金と、地方が受ける補助金、地方側からも見て再検討されて、有効に、適正にいくような方途をとっていただきたい。こういう意味でどなたか一つ私の意見に対するお考えを述べていただきたい。
  48. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) ただいまの青柳先生からのお話につきましては、私どももできるだけ市町村当局に対しまして補助金の不正使用されることのないように、またそういう重大な不正使用というようなことがありました場合には、そういう町村に対して、ほかの費目についても、何と申しますか、不正に使われているんじゃないか、あるいは適正に使われないんじゃないかというような疑問も起るわけでございますから、そういう点につきましてはできるだけ注意をするようにいたしたいと存じますが、大部分の補助金が実は御承知のように都道府県庁にまず配分されまして、それが都道府県庁において名町村に対して配分されていくというのが一般補助金についての大部分の問題でございます。これらにつきましては、従いまして都道府県知事において、できるだけそういう点についての監督と申しますか、指導をしていただくようにお願いをいたしたいと存じますとともに、災害復旧その他の補助金につきましては現地査定、先ほど農地局長からもお話が。ございましたように、そういう誤まりの起って参りませんように、できるだけの努力をいたしますと同時に、そういった不正な事態の発生いたしました町村に対します一般の土木事業その他についても、先ほど一般の補助金について申し上げたと同じような考慮をできるだけ払い得るものについては払って参りたいというように存じます。なお補助金の費目の数につきましては年々だいぶ整理をいたして参りまして、これは災害関係の費目等の問題もございますが、二十九年度補助費目は全部で二百六費目でありますが、三十年度の費目としては一応百七費目というように整理をいたしてきているわけでございます。
  49. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 先日の参考人をここへ呼んでのときの話によりますと、県の部長は忙しいためか、ほとんど事案の内容についての綿密な事情は知りませんで、知らないものは私はあるいは忙しければやむを得ないと思うのでありますが、その心構えが非常に私はゆるんでいると思う。と申しますのは、補助金を交付する場合に検査をして、検査の結果、補助金を交付しているという。検査ということはきわめて大事なことなんです。ところがその検査についての県の責任者の意見は、自分がやったのではない、検査員がやった、その検査員も大体が適当な検査をしているのだから、そんな厳格なことはやっていない。もしその人を仮に罰するとすれば全部罰しなければならないというような、きわめてゆるんだ考えをもっておりました。私は人を責めることは慎まなければならぬと思うのでありますが、検査ということをやるのに、実際の検査をしないで、それで仕事が完全にできているのだというようなことを第一線の人がもし考えておったとするならば、だれもそういうことは見ていないのだから、わからぬで上までいってしまう。それを監督するのが全体の責任者の仕事なんだ。それをそうして、県の仕事をやっている人が、県の補助金をあずかっておれば、県の部長は全体の検査員にその趣旨を徹底してまじめにやれば、そういう誤まりは私は起らないと思う。ですからその問題に対しては県の部長の心構えというものが非常に私は落度があると思っております。そのまた県の部長に対する指示は主務省の皆さんがやっておられる。結局皆さんの強い一つ意思を県の部長に徹底されまして、県のところは直接主務省でおやりにならないでも、今私が申し上げたようなことでいくとすれば、非常に私は残念なことでございます。検査のことでございますが、すべてのことがそういうふうになっていくので、ここに出てくるようないろいろの問題が起るのだろうとかように思うわけでございます。もちろん人間のことでありますから、時に誤まりということがあるのは、これは何ともいたし方ありません。しかし防止できることはぜひ一つ防止していただきたい。それにはこの制度をお作りになっておりますが、今申し上げたように、一つ地方の関係部長をさらに一つ督励戒められまして、誤まりなきを期していただきたい。萎縮することはこれはいけませんから、私は萎縮するようなことを申し上げているのではない。正しいことをぐんぐん勇気をふるってやっていただきたいということをお願いしているわけなんです。どうか府県のことば別だということでなしに、府県責任も皆さんが負うというところのお考えで進んでいただきたいのであります。
  50. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) もちろん県の方に対します指導なり何なりの面で、われわれもこういう多くの批難事項あるいは補助金が適正に使われてないということについては、十分責任を痛感いたさねばなりませんし、また今後こういう事態の発生しないように府県御当局にいろいろ事務処理上お願いいたしますと同時に、私どもの方で改め得るもの、また気持の上でも万事締めなければならないというところは、ぜひとも締めましてやって参りたいと思います。なお、前回の当委員会におきまして、私の方の事務次官から申し上げましたように、補助金をどういうふうに適正に執行していくかということにつきましては、私の方の考査室が中心になりまして、現在いろいろ本省において改むべき点、あるいは府県御当局にお願いいたさなければならぬ点というようなものについて、考査の結果等に基きまして、いろいろと検討をいたしております。それができ上りますれば、それに基きまして、省内におきましても、その線に沿って、できるだけ適正な執行方法に努めますと同時に、府県御当局にもいろいろお願いをいたすというようにやって参りたい、かように考えております。
  51. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今いろいろと考査室の方では御研究で、われわれとしてはぜひその成果が早く出ることを期待するのですが、そこで一つ問題なのは、この間ここに参考人を呼んだ一つの案件で、阿蘇郡の例の白水村というのがありました。あれは一億二千、あるいは一億三千というように建設、農林にまたがっている。ああいった種類のものは、この検査によると、場合によれば、運輸省と建設省の間にあり、いろいろあるのですが、あれはどうもはたから見ると、いかにも何だか間の抜けた、ずいぶんルーズなやり方をしているかのごとき印象を受けるのですけれども、私ども前にやはり役所の飯を食っていたときには、そんなに気がつかなかったのだけれども、どうも突然ああいうふうにぽんと出ると、いかにもああいうケースが多々あるかのごとき印象を与えるし、事実あの検査自体はいろいろな問題を投げている。そこでおいでになっていたあの参考人の御答弁を聞いていても、いろいろと感じが、人によってそれぞれ違ったと思うのですけれども一体他省にまたがるものの調整という問題ですね。人手も足らず、実際にできるだけやるやるといっても、そう一挙に、人手がないからできないだろうと思う。これは一体どういう方法でやったらいいか。省内は今の考査室というものを拡充し、皆の一段の奮起によってある程度やれるが、今度は省と省との関係ですね。これは一体どういうふうにやっていくべきものか。一つ実効の上る手っとり早い方法はないか。一口に言えば連絡を密にすればというけれども、なかなかああいうどさくさのときには、あの白水の場合には、ずいぶん検討すべき印象をわれわれ受けたのですが、ほんとうに善意でもって、とにかく両方で忙がしいのに手間をかけるという場合が少くともあると思うのですね。何かそれをうまいこと、そうでなくても手が足りない際に協調し、そしてああいったようなことのないような行き方というものがあるか。またなければならんと思うのだけれども、どういうふうにお考えですか。この点一つ関連してお伺いしたい。
  52. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) お話が農地局の関係でございますので、お答えいたしますが、お話の通りちょっと想像ができないようなことでありました。これは結局、県庁の中の連絡がまずいというところから出てくるのでありまして、ちょっとした注意じゃないかと思います。結局それをある提携的な方法で自動的に連絡がいく、こういうふうにその方法を見出さなければならないと思いまして、この間のケースでありますと、指定河川である、しかしそれが同時に農業施設である。そこでつながっているところというところから、建設関係から否定に行ったのでございますが、そういうところこそ、念を入れて注意をして連絡をすれば片づく問題ではないかと思いますので、ケースをずっと拾いまして、こういう場合にはこういうふうに連絡するということで、私の方から各省と連絡をいたしまして、一つの方針を作り出そうと、今大蔵省その他と協議をしております。それにしましても、これはやはりやる人の心がけでありますので、そういう点についても今後注意いたしたいと思います。
  53. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 今青柳委員が、その一つの村で、ある一つの種類の工事について悪意のあるものがあったら、一つこらしめのためにほかの方も手かげんしたらどうかという端的な御意見が出たのでありますが、それはあなたの方じゃ、自分の農林省関係のものは考査室というものを拡充し、そうして横の連絡をさらにやって、そういうことのないようにさせたいというのだが、そこでこの間の例なんぞは、おそらく聞いておる委員のものは、あの部長諸君がいかにも地に根の生えたように長くいる人といったような感じまで手伝って、それはもうてっきり、大体間違いなく両天びんをかけたという、露骨にいうと多くの人はそういう感じを受けたのであります。私はやはりあのときなどは、一県でいわゆる水害対策本部というものを作って、各部長が一室にいて、夜昼かまわずやっておったのだから、私はそんなことは全くおかしな話だと解せないのですが、災害が起きたら、やはりそれぞれの担当部門で大いに活躍する、同時に総合的にやる、やるということを見るという、大げさに言えば機構、そのやり方というものを、その省の間、それから実際現場に近いほど大切ですからして、府県だとか、町村あるいは町村の連合といったようなところにやはり作る、そうしてそういうことは避けなければならないのだということをよほど厳重にやっていくことが、僕は実効が上るところの手っとり早い方法一つだろうと思っておるのです。とにかくあれは、出先にいる者がそんなに知らないでやっていくなんということはあり得ないですね、まあ善意といったような場合は、ごくほんとうにまれな場合ですよ。この間みたいな、一億二千とか一億三千とか、それぞれの査定するようなところを、まあ棒っくいがあったの、なかったのと、いわば醜態をさらして出しているようなこと、ああいうことは全く補助金政策というものに、ことに零細な農民の今日のおかれておる現状に対する補助金というものの効果あるいは使い方というものが、あらぬぬれぎぬさえきせられて、私は非常に残念とも思って聞いておったのです。だからどうか一つああいったような問題については、出先の方をよく、いつも総合的にやらせるという形を一段とお願いしたいと、私はこういうふうに思うのです。
  54. 大谷瑩潤

    ○大谷瑩潤君 私はおおざっぱなことを一つ伺いたいと思います。実は私決算委員会に来たのは今度初めてなのでありまして、決算委員になって実に驚いたことは、各省において批難事項が非常に多い事柄であります。そのうちでも、実は農林省が非常に多いのでありまして、約九戸五十件という数に上っております。というような点に対して私は非常に驚いたわけであります。  そこで私は承わりたいと思うのは、各局長さんは決算委員会にこれまでおでましになって、いろいろ批難事項を皆さんから質問されたときに、説明はもちろんされまするが、将来においても気をつけますとか、改善しますとかいうことだけで、そのときそのときをまあ通ってきたのじゃないかと私は思うのです。それで昭和二十六年くらいからこの二十八年度に至る間に、農林省としての批難事項がどれだけくらい皆さん方の御尽力によって数が減ったかということに対して、数字的におわかりであれば、おっしゃっていただきたいと、こう思うのです。件数です。今なければあとで出していただきたいと思います。
  55. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 決算検査の報告件数につきましては必ずしも減少いたしておりませんが、検査を受けました総件数のうち、どれだけが批難事項になったかということで御判断を願いたいと思うのでありますが、それにつきまして、ちょっと今手元に資料を持ち合せておりませんので、後刻御報告を申し上げたいと思います。
  56. 大谷瑩潤

    ○大谷瑩潤君 それでは各局長さんにお伺いしたいと思うのですが、これから将来ですね、どういう方法をもってやれば、こういう批難事項を少くすることができるか。あるいは組織が悪いとか、人員が足らんとか、何かそこに批難事項の起るべき原因がなければならぬと思いまするが、さっきも青柳先生がおっしゃった通りに、人間のやることでありますからして、決して完全なものを、私はできるとは思いませんが、しかし何を言うても国家のとうといお金を使っておやりになる仕事でありまするからして、その上から言うても、あやまちを最小限度にとどめていかなければならぬという御責任が各局長さんにあると思う。それで皆さん方の、局長さんの、将来におけるこういう批難事項を少くするというのには、こういうところが隘路である、こういうところが非常に困るんだというようなお考えが、お気づきになっておるならば、一つ皆さんから承わりたいと思います。
  57. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 各局個々の補助金につきまして、いろいろ原因が……。
  58. 大谷瑩潤

    ○大谷瑩潤君 いや、補助金じゃないのです。全部の批難事項に対して……。
  59. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 全部のことにつきまして、それぞれのケースによりまして原因がいろいろ異なっておると思いますが、農林省関係批難事項の一番大きな件数と額を占めておりますのは、御承知のように、災害復旧に関します事柄でございます。で、これにつきましては農地局長からも再々申し上げておりますように、従来災害査定につきまして、人員の不足等によりまして机上奔走が非常に多かったということに起因する場合が相当大きいのではないかというようにまあ考えておるのでございまして、この点をできるだけ今後人員の増加をはかるなり、あるいは現有の人を最も機動的に動かして参るなり、そういった方面に、まず第一に手をつけて参らなければならないというように考えておるのでございます。  それからそれ以外の一般的な、普通の補助金につきましては、これは補助金の費目が非常に細かく分かれ過ぎてしまっておるというようなことも、まあ一つ原因であるかと思います。それからなお、会計検査院の方から多くの批難をいただいております一般補助金につきましても、災害関係に伴います災害対策の、たとえば種子購入補助であるとか、あるいは樹勢回復の肥料であるとか、そういったたぐいの災害に伴います対策の補助金というものに対する批難件数が相当多いわけでございます。で、これらにつきましては、実際に災害が起りまして、いろいろな手当が現実には進行している、そのあとになりましてから、実は補助金その他の金額等が決定されて、各県に配布されていくというような、補助金の指令等が事後になる場合がきわめて多いわけでございます。そういう時間的なズレ等によりまして、末端では現実に証憑書類がととのわないとか、いろいろな事柄が済んでしまったあと関係で、補助金の配布等が必ずしも適正に行われなかったというような関係等もあるわけでございます。これらにつきましては、予備費の支出なり何なりをできるだけ早く大蔵省の方にも御了解を願って措置をしていただかなければならないというようなこともあるわけでございまして、原因としては非常に多岐にわたるのではないか。しかし今申し上げましたような主要な点につきましては、できるだけ重点的に解決の道を講じて参りたいと、かように考えております。
  60. 大谷瑩潤

    ○大谷瑩潤君 局長から御答弁を受けることができなかったことは、私としては残念ですが、さっきも青柳委員からおっしゃった通りに、すべてのこういう批難事項に対する責任は、結局するところ私は局長さんにあるのじゃないかと、局長さんのやはり印が押されることによって、すべてが決定するのじゃないかと思いまするが、そういう点に対して何にもお答えをいただけなかったことは、私としては非常に残念だと思います。しかし今課長さんのお言葉で、そういう批難の起る原因についての事柄等に対しましては承わりましたが、将来のこういうものを防止しようという大きな抱負で事務をおとりになる、また責任をもって運営される局長さんの御意見を承わることのできなかったのは、非常に私は不満に存じます。  そこで、私は話を進めて、この考査制度というものが、参考資料にいただきましたが、この考査制度というものは第一の趣旨のところで拝見しますると、非常にまあ広範囲であり、しかも技術的な面も入り、かつまた精神的な官紀の保持等のことも入っておりまするが、こういうようなたくさんの仕事をおやりになる考査制度の人員の構成はここに出ておりまするが、役所としてはどういう方々がこの制度のメンバーにお入りになるのか、その点を一つ伺いたいと思います。
  61. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 現在の考査室につきましては、お手元に差し上げてございますように、必ずしも人員等について十分でございませんが、その構成でございますが、考査室の室長に当っておられますのは、大体局長級の方でございます。それからその下に二名考査官がおりますが、これは課長級の者が当っております。で、一人は技術官、現在の考査官の一人は農業土木関係の技術官の方であります。それからもう一人は、事務系統の課長級の者でございます。あと副考査官につきまして、同様に事務系統並びに技術系統の者を各局から最もエキスパートとみられます中堅職員を御推薦願いまして、それらの人をもって構成をいたしているわけでございます。
  62. 大谷瑩潤

    ○大谷瑩潤君 そうしますと、これは各局にこういうものができておりますか。
  63. 武田誠三

    政府委員武田誠三君) 考査室は現在大臣官房に設置をされております。各局とは独立の形になっております。
  64. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 これはいろいろ多くの場所でずいぶん補助の仕事をやるから大へんなんだ。ですから私は前のときにもお聞きしたのですが、たとえば農林水産施設災害補助法でしたか、あれは十万円以上、そしてこの間の二十八年の特別災害の際には、あれはたしか農林関係は三万円というふうに下げたのでありますが、そこで考えられるのは、普通復旧というものは、三、五、二でやれというので、かなりの間は三、五、二というものはとにかく保ってきたけれども、最近は財政の都合等で三、五、二というのはなかなか実現しない。ところが農業、これは災害というのはおよそそうでありますけれども、特に農業関係災害は、早くやらなければ、いわゆるめしの種ができないというか、自分の作業場が全然なくなってしまうことなんですから、これはずいぶん災暖地にとっては命がけのこととして、何はともあれというので、相手伝い、寝ずのようにして、まずともかく役に立つような程度までは曲りなりにやろう、補助金を期待しつつでっち上げちゃう、こういうような特殊性が特に農林関係には多いと思うのです。そこで、あの農林水産施設災害補助法ですか、ああいうものを、今日の値段からいって、たとえば一カ所五十万円以上のところは、従来通りの形において、これはできるだけ実際において……、しかもスピードをかけてやる、しかしそれ以下、たとえば今でいえば十万円でございましょうか、十万円と五十万円の間のようなものは、これはいわゆる一口にいえば握りといいますか、大体な、大掴みなところで、これはもう県知事の責任において概算に基いて、その施行の責任は今度は府県でやらせる。こういったようなことをやるというのも、私は実行を担当される皆さんとしてはやはり考えていいのじゃないかというふうにも思うのです。根本には政府自身が災害に対して三、五、二というようなものを、これは守るのだといったような線が、そのときそのときの都合でなくできると、そうして今度は同時に五十万なら五十万以上というものは、従来のいき方でありますけれども、しかし災害の農業関係の特殊性として十万以上のものについての従来のようなものは、これは補助をするけれども、それはもう県知事さんの責任で、概算に基いて、もう個々の割り振り、設計その他から一切そちらで責任をもってやる、こういうふうにして、いわゆる分担を明らかにしてやっていくというような考え方、これなどもある程度においては人手を省きつつ、実在というものをやりながら、やっていく場合の一つ方法のように思うのですが、そういうことはどういうふうに考えられますか。
  65. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) ただいまのお話ですが、実は二十八年の災害の経験から、そういうことを私官房にいるときに立ててみたのであります。それはしかし結局かえって一定金額以下のやつは府県知事に渡しきりで、府県知事の責任でやるということになれば、かえって今の知事公選制度では逆の効果が出てくるのではないかということで、誰も賛成者がなかったのであります。それからもう一つは、一定規模以下のやつは、低利資金でやったらどうかという意見も出してみましたが、これについてもやっぱり補助金の方がいい、こういう意見でありまして、十万円以下のものにつきましては、これは二十八年の災害によりましてそういう細かいものをやっても、とうてい目がとどくことはできないから、その十万円以下を今年の災害でも取り上げてくれという想見がありましたけれども、それはやはり今度法律提案しておりますが、ああいう担保金融みたいな低利資金で、個々の農家が自分の農地を復旧して、長期低利で償還していくというふうにしたらいいじゃないかということを考えておりますが、今の十万円以上五十万円にするか、八十万円にするか、その間をほかの方に、補助金以外の方に、あるいは府県知事に渡しきりでやるということについては、これはそういう気持にみんながなっていただかないと、現在のところではそこまで思い切って踏み切る、あるいは大蔵省方面では十万円が安すぎるから三十万円以下のものは切り捨てろ、こういうふうな意見も出ておりますが、これもとうてい現在のところでは各地方の納得を得るところまでいかんようでございます。しかしこれらの点につきましては、どうしても国費が適正に使われる方法についてみんなが心を合せて考案しなければいかんのじゃないかということで、今後も研究してみたいと思っております。
  66. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 確かにそういった相談をかければ、そういう意見の出ることば、これは私どもも想像つくのですが、見方によれば、お役人さんというのは仕事熱心だから、やっぱり自分にやらせればというようなことで、また悪くいえば、いわゆる役人の縄張り根情などのようなことも言えるかも知れないけれども、そうでなく、今までやっていたのだから、やっぱり自分たちがやって、しかも今までの復旧というものがずっとできているのならいざ知らず、できないで、残事業、残業業でもうきているのですから、それと調整をとりながらやっていくという良心的な立場からいっても、切りかえに当ってはいろんな議論が出ると思うのです。だけれども今の国の補助金の不正使用といったようなものを、しかも刑事罰をつけてまでやろうじゃないかという空気になってきている、そういった法律でも、ましてや通れば、一つの、何と申しますか、時期だと、改革というか、やり方をかえるについての一つの時期だとは思うのです。何とかして自分たちの力でやろうとしてもやれないのをやりながら、しょっちゅう毎度、件数はどのぐらい減った、どのぐらい減ったと責められながら、そうして非常にだらしがないと怒られながらやっているのも、これも随分御苦労な話ですよ。ですから私は思い切って、あるときにはそういった線にかえていく方がいいのじゃないか、それは確かに民選の今日では、一時はずいぶん妙な現象もできないとはいえませんけれども補助金の例の適正使用という法律までできれば、一つの機会じゃないか、私は何かそういうふうに思われてならない。これは何も農林省だけではありませんが、ことに農林省関係というものは、私は十万円はもちろん対象にするなんというこまかいことまでしないで、あとは金融で行けとか何とかという声もありますけれども、今日の営農、農民の経済状態からいえば、これは私は十分もっと研究しなければ、そんなはした金に補助金を出さなくてもいいという今の農民経済じゃないと思うのですから、それはまあ別ですけれども、とにかくある段階で一つ児の方にまかすという点はやはり研究すべきものだと思うのですが、これはどうでしょう。小峰さんの方はどういうふうに考えられましょうね。今の話は知事公選でもあり、たとえば五十万なら五十万以上は直接国として実地実査をするという建前で厳重にやっていく、しかもスピードをかけてやっていく、そうしてそのもとにおいては三・五・二なら三・五・二、なんぼになるか知らないけれども、そういった比率は政府としては極力復旧に当っての初年度、次年度、三年度の方針のワクは守っていく、特別な大きなあれが出ない限りはこういうふうなものとの両建で、そういった机上査定等による問題、あるいは机上査定を奇貨となして、いろいろ便乗されるいろいろな計画ですね、これを排除していく。そうしてたとえば農業関係でいえば、五十万から十万までの間というものは、府県からの概算申請に基いて個々の補助やり方というものは、県知事さんの責任において絶対これは間違いなく目的を達しなければならぬ、こういう二段階の形において、二段階というか、二段階において責任の所在を明らかにしてやっていくというようなことですね。これは補助金の適正使用という問題が刑事罰を加えてやっていこうという方向を打ち出す今日としては、一つの時期ではなかろうかとも思うのですが、たくさん検査をされておる局長さん、小峰さんの方ではどういうふうに思われますか。
  67. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) ただいまの比較的小さいものを県にまかせる、こういう考え方は実は前から意見としてはあったのでございます。私どもの方でも実際検査しておりますものはそういうことを相当強くやっております。たとえばこれは五十万で線を引くか七十万にするかということは、これは問題と思いますが、二十八年災のときには、御承知の通り三万から十万までの臨時に採択したものは、全部県にまかしてしまったのでありますが、結局ああいったことをもっと金額を上げて恒久的にやったらどうかという意見は、私どもの部内でも相当強く言われてはおりますが、これは先ほど農林省からもお話がありましたように、いざ実行ということになりますと、なかなか踏み切れないのではないか、こう思っております。
  68. 山田節男

    委員長山田節男君) 平川次官にちょっとお伺いしますが、先ほど来青柳委員並びに大谷委員その他の諸君から、補給金の不正使用防止に対して各局長から一つ具体的な一つ何か考えを述べよ、こういう御要求があったのですけれども武田会計課長がきわめて抽象的な一般論的なことしか答弁できない。これはもっともなことだと思います。しかしたとえば農地関係ですね、これは補助金が非常に多いのです。先ほど三浦委員も指摘されておりりましたが、ここへ来て、農地部長と土木部長と市町村長を呼んで、これは熊本の白水村と長陽村の問題ですが、これは実際ここで口述さしてみると、片方では県庁の土木部長が行ってちゃんと査定決定の札を立てておるわけです。そこへ農地部長が行って、札があるにかかわらず、また札を二つ立ててきた、こういうような事態がある。これは私は根本においては、これは農地部長も土木部長も地方公務員である、国家公務員でないというような根本的な一つ関係があるかもしれないが、しかし少くともこういうことに関して、県の土木部長と農地部長が、しかも同じ所で二ヵ所にわたっておるけれども一つの川をはさんで二つの村が共同して災害復旧するという場合に、二人の村長が共謀し合って、それも一人の村長は三選し、片方は無競争でいっておる。土木部長は熊本県人でそこで長いことやっておる。農地部長も福岡県人だが、これも長いこと、六年も七年もやっておる。そういうところに、われわれが調べてみて、どうも末端において、農林本省とそういう県の実際責任を持ってやらなければならぬ農地部長との間に、どうもそこいらがもやもやして割り切れない。ここを将来一体どうするかということが一つの問題点ではないかと思う。これは渡部局長にも聞くべきかもしれないが、あなたは次官として今度こういったような補助金の不正使用の防止をしようという法律案については、これはあなたは賛成なさっておる。そういうような意気込みでいらっしゃるわけですから、一体将来、これは食糧庁も含むのですが、これほどいろいろな補助金を扱う農林省として、県農地部関係においては、この間も徳島県なんかを聞くと、国会で呼び出されて言っておるのですが、農地事務局を通じて本省に持ってくるというようなことで、われわれがここで実情を聞きましても、何といいますか、すべてがルーズになるような一つの形態、制度があるのじゃないかと思う。ですから、これは次官としても今度は相当な熱意を持ってもらわなければならぬ。一体、先ほどあなたお聞きにならなかったが、青柳委員、大谷委員、また三浦委員その他の諸君から、この点について非常に熱烈な御意見があり御質問があったけれども、各局長の諸君は具体的なる御説明がないわけです。だから次官として将来どういうふうにしようと思うのだということぐらいでもいいですから、農林大臣はちょっとからだの工合が悪いからというのでお見えにならぬので、それであなたに来ていただいたのですが、これは一われわれこの委員会は先ほど来非常に御承知のように何とか一つしたいということですから、あなたも協力するという意味で、率直にこういうふうにしたいということを言ってもらわなければ、これは承認するまでに時間がかかると思う。ですから、そういう意味で、今あなたがお持ちになっておるお考え、この補助金に関する法律が出る前においても、どういうふうにするのだということを、何か一応お考えがあるだろうと思う。あれば一つこの委員会にお示しを願いたい。
  69. 平川守

    説明員(平川守君) 農林省関係補助金は非常に、項目も多く目が届きにくい状態でありまして、しばしば御迷惑をおかけしておるわけであります。まず従来気づきました点は、一番不正不当の事案の多いのは災害関係でございます。これにつきましては、ぜひ一つ、一番そのまた原因をなしております机上否定をできる限り実地査定の上に立ってこれをやっていくことにしたい。これがなかなか案件が非常に多く、一時に発生いたしますために、しかも災害復旧関係は急を、要するというような関係からいたしまして、机上査定が大部分を占める、八割方を占めるということになっておりますのが一つの大きな原因じゃないか。これをできる限り実地査定を多くする。ことに金額が大きい災害に対しては、特に実地否定を励行する。そのためにはある程度機動的に技術者の配置等もできるように本省等の災害関係の者を本年も若干増員いたしまして、まず机上査定をできるだけ整理していく。それから一方監査を励行するという意味におきまして考査室というようなものも設けまして、これはどうしても抽出的な考査になりますけれども、事後検査をやりました結果は、やはりかなりいろいろな欠点がわかっております。今後、場合によりましては、さらに単に不正、不当を発見するだけでなくして、補助金そのものの出し方なりにつきましても、予算のときから検討する必要がある。昨年実施いたしました考査の結果等もだんだんまとまってきております。次の予算期までには一つ出して、予算編成そのものについてもこういう間違いの起らぬように編成をしていくというようなことも考えておるわけであります。どうもこの問題を絶滅するのに非常にいい案というのがなかなかちょっと簡単に出て参りませんで、恐縮でありますけれども、そういう現在非常に顕著に気のついておりますことを改めて参りたい。さらに事後検査を徹底して参りまして、若干の、ことに農村方面の補助金の使い方については、何と申しますか、受ける方でも多少麻痺しておるような点もあるわけです。これに対して厳重に注意を喚起する。返済等も非常に厳格に励行するということによりまして、最近はよほど従来よりも年一年と引き締ってきておるような形ですけれども、これをさらに徹底していくということが最も、回り遠いようでありますけれども、正当な方法ではないかというふうに考えております。
  70. 山田節男

    委員長山田節男君) これは今の段階ではそれ以上ほおっしゃれないかもしれませんが、今日は実は農林大臣出席を待っておったわけです。先ほど来の委員会の各委員質問を聞きますと、相当この点について熱心な御要望がある。この点は一つ各省とも協議されて、一つでき得べくんば、この法律の審議の過程においても、やはり出されるだけの決意を持たれて、できたら本委員会にお出しを願いたい。  それからもう一つ。今日は幸い清井食糧庁長官が見えておりますから、平川事務次官と御両方に御質問申し上げますが、昭和二十八年度決算において補助金と、それから防衛庁の調達関係、次は食糧庁の問題、外米輸入問題、この主食を外国から輸入する問題、これが百四十四億のいわゆる批難事項の中のこれが三大ポイントになっております。ことに食糧庁においては、会計検査院調査によりますと約十五万トンのものがストックされておる。しかも倉敷料は何億と払いつつあって、しかもこれは病変菌の問題で厚生省農林省でまだ見解がはっきりしないため、いたずらに、今後いつまでもこの約九十億円以上のものがストックされておるという、これはいかに原因があろうとも、国民経済からいえばこれほどむだなことはないのです。ですから、少くとも食糧庁長官として、十五万トン余のものをいたずらに、病変菌に対する厚生省の見解のはっきりしないうちはやむを得ぬということでは、われわれ委員会としてどうしてもこれは承認することはいかないのですから、当面清井長官は、この点についていろいろ研究されておるだろうと思うのですが、一体これをどういう過程で、何とかして国損を一時も早く減少せしむる意味で、何らかの具体策をお持ちにならなければいかんと思います。今どういうふうな状況になっておるか、平川事務次官としては、これだけのものが、巨額なものがそのままになっておるのですから、何か処置してもらう方策を示してもらいたい。金額も膨大である、また、二十六、二十七年度と続きまして、食糧庁の特別会計についてはわれわれ実は悩みの種になっております。この点について、二十八年度決算について、平川事務次官なり清井長官の何か具体的な御意見を一つ承わりたいと思います。
  71. 清井正

    政府委員清井正君) ただいま委員長からお話しを受けました点、まことにごもっともなお話でございまして、実は先般農林大臣が当初御説明申し上げ、またお答えを申し上げました中にもあったのでございますが、十五万トン余に上りますいわゆる病変米につきましては、大体九十億程度の総金額でありますし、しかもそれを倉庫に保管をいたしております関係上、一日々々と保管料がかさむというような事態であるわけであります。これが措置につきましては、実は厚生省の方にお願いをいたしまして、その結果を待って措置をいたしたいということで、実は待っておったのでございましたが、御承知のような事情で、一部につきましては厚生省側の御通知をいただいたのでございますが、その他のものにつきましては、まだ御通知をいただいていないような状態でございます。また御通知をいただきましたものにつきましても、私どもといたしましては、これは衛生上の見地はともあれ、実際配給いたすという立場から申し上げまするというと、御通知に接して直ちにこれを配給に回すということをいたすのもいかがかというようなことでございましたので、御通知はいただきましたけれども、別途食用配給という観点から、これを直ちに主食に配給をいたすということは控えておるような状態でございます。ところが御指摘の通り、それをそのままにいたしておきますれば、ますます国損を生ずるというような状態でございます。さりとてまたこれをすぐに主食として配給をいたすということも、これは実際問題といたしましてなかなかいたしかねるような事情もあります。そこで、先般来、実は部内におきましても、どういうふうに処置すべきかということにつきまして、いろいろ相談を実はいたして参っておるのであります。むろんこの点は私どもだけの相談じゃございませんし、なお厚生省方面の保健衛生上の見地も十分お伺いいたしまして、その密接な連絡のもとに処置をいたさなければならんと思うのでございますが、かりにこれを主食には配給できないといたしましても、あるいはこれを一般加工用と申しますか、そういうふうに売り渡すということも方法としては考えられるのでございます。もっともこの場合は主食として配給いたします場合よりも相当値引きをいたさなければならんような事態になるかと思うのでありまするけれども、保存をいたしまして国損を生ずるということと、値引きをいたしまして売却すること等によって、どういうふうな関係になるかということ等も、国損という観点からも十分検討する余地もございます。これは先般いろいろ御指摘を受けた点でございます。  私どもといたしましては、ただいま申し上げたような、主食という配給の観点からの問題と、国損という問題とにらみ合せまして、できるだけ早くただいま貯蔵しておりますものの処置につきましては進めて参らなければならんと考えておるのでございます。あるいは主食以外のものにつきましては、みそとか、しょうゆとか、一部のアルコール原料とか、その他一部穀粉の原料であるとかというようなことも考えるのでございますが、これまた人間の口に入るものにつきましては、厚生省等の御意見も十分聞いて参らなければならんと思うのでございます。そういったような関係でございまして、これを保存することによって起りますところの国損の将来の見通し、これを主食以外に売り渡すことによる、処置による利益等ということをあわせ考え、同時にまたこれを食用に供する側のこれに対する感覚ということも十分に考えて参らなければならんと思いますので、こういった事情を十分にらみ合せまして、いかに処置すべきかということにつきまして、先般来部内で検討いたしておるのであります。  先般の委員会におきましても十分委員長初め各位に御注意をいただきました。私どもせっかく内部において取り急ぎこの措置につきましていかがするかということに関しまして、研究いたしておるのでございますが、いまだはっきりここで御説明するまでの結果は得ておりませんけれども、とにかくこれは相当その対象になる筋合のものでございますし、早急にこの措置につきましては措置をいたさなければならん、こういうふうに考えまして、目下研究を急ぎまして、その結果を取り急いでおるような次第でございます。先般大臣からもこの点につきましてお答え申し上げたのもそういう御趣旨でございまして、いましばらく御猶予願いまして、この措置につきまして至急何らかの具体的な案を立てまして措置に入りたいと、こういうふうに実は考えておる次第でございますので、よろしく御了承願いたいと思う次第でございます。
  72. 平川守

    説明員(平川守君) ただいま食糧庁長官から御説明申し上げましたような事情でございまして、特に大臣からも、ただいまお話のありましたような金利、倉敷等のロスというものがあるわけでありますので、速急に措置をするというふうにその立案を食糧庁は命ぜられておるわけであります。ただいまお話しのありましたように、できるだけ早い時期に処分方法について決定をいたしたい、かように考えております。なお、今後こういう事態の発生を防ぐことが非常に重要でありまして、検査等についてさらに改善方法を講じたいということで、これも食糧庁の方で検討をいたしておるような次第でございます。
  73. 山田節男

    委員長山田節男君) ちょっとこの委員会に川崎厚生大臣が見えまして、これ、よしんばこれはもうこの病変菌はからだに、人体に毒はないといったところで、これは国民はおそらく配給を辞退するだろう、厚生大臣としては、たとえこれが病変菌は身体に害を及ぼさない程度のものだと言って配給しても国民は辞退するだろうし、厚生大臣としては、そういった一切配給させないということをはっきりここで言っておるわけです。これは一つの大前提です。厚生大臣もここで言明しておる。そうすれば、それのみならず、厚生省の楠本環境衛生部長だと思いますが、病変菌が果して身体に影響あるかどうかということは、モルモットか何かで試験をするのに少くとも六カ月以上かかる。で、なおその後聞いてみますと、半カ年では不十分だ、そういったような、厚生大臣は、もう国民の心理的影響を考えて絶対配給させませんということを言っております。しかもこれが害毒になるかどうかということもかなり長い年月を、慎重を要することになりまして、今あなたがここで速急に具体的に案を立てるとおっしゃるが、まずそういう大前提があれば、当然これは農林省としては、将来これは食糧として配給する、あの十五万トン全部そういう前提で案を立てられるということは、これは非常に私は厚生大臣の言明にも、同じ内閣でありながら意見が対立するわけです。ですからそういうことはもう一応前提から取り除いて、みそにするか、しょうゆにするか、アルコールにするか、たとえ少々国損を生じても早く処分して、これはもう半年なり一年なり倉敷料をとられて、しかもあの保管費というものは大へんな金になっておりますから、そういうことはどうも経済的に考えてこれが首肯できないのです。ですから早急にやるとおっしゃるが、もう厚生省でそういう態度がはっきりしておる以上は、それに基いてこれは具体的な案を、いわゆるそういうアクションを、行動をあなたたちはお起しにならなければならないと思うのです。今研究中だからとか何とかいうことではどうもわれわれ納得ゆかない。この辺どうですか、今の大前提の、厚生省の大前提というものがあるのですから、そのもとにおいてあなたたちがおやりになるならばどういうふうにするのか。あるいは厚生大臣はそう言うが、私の方ではあくまでこれはできるだけ配給に回すのだという御意向なのか、この点は一つどうですか、具体的にここでお答え願えませんか。
  74. 清井正

    政府委員清井正君) 配給に回すかということでございますが、この点は私どもといたしましても、先般の厚生省からの御通知によりますれば、一部の米につきまして、病変米につきましては、一割程度これを掲精いたしますれば配給いたしても差しつかえないような趣旨のお答えを得ておるのであります。しかし、これは一方また配給を受ける方の立場を考えながら私どもとしては配給いたさなければならないのでありますが、ただいまのお話しのありましたように、たとえこれが害がないというふうになりましても、おそらくこれは配給を受ける方ではこれは病変米だということで一極の恐怖心といいますか、非常な楯惧の念を持ちまして、おそらくこれは配給を辞退するということも考えられますし、しいてこれを配給に回すということにつきましては、かえってほかの米に対する不信ということも考えられるということもございますので、これは慎重に考えなければならない。すなわち、保健衛生という観点からと、別途の観点から主食配給ということも考えてやっていかなきゃならぬ、こういうような立場で考えておりますので、これを主食配給にすぐ回すということは非常に困難が伴うものと考えておるのであります。それでこれはやはり主食配給以外のその他の用途にできるだけこれを処分することがさしあたって一番適切な方法ではないかと、私は実は考えているのであります。  そういうようなことで、実は先般も大臣もはっきりお答え申し上げたのでありますが、この措置につきましては至急考えまして、関係方面等の意見も十分聞きました上に、速急にこの措置についていたして参りたい。なお将来の輸入方式あるいは検査方式につきましては、今後またかかる事態の起らないようにいたすことはもちろんでございまするが、さしあたって、現在ありまするところの病変米の処分につきましては、ただいま申し上げたような立場から、主食配給にやることはきわめてこれは困難なことであり、また不適当であるというふうにも考えられますので、主食配給以外の用途ができますれば、加工用その他に回すということにつきまして、多少これは値引きをしなければならぬことも起って参るのでございますが、そういうことをも含んだ上で、関係方面等の意見も十分に聞きながら、速急にこの措置をしていかなければならないというふうにただいま考えているのであります。  これをいたします場合にもいろいろな方法がございまして、なかなか技術的に考えますと、やはり処分の公平なり、あるいは価格の適正の問題なり、あるいは用途の適正の問題なり、いろいろと考えていたしませんと、問題が問題でありますだけに、やはり各方面に影響を及ぼすことも大きいのでございますので、実はいろいろ検討を重ねているうちに日がたっているのでありますが、これはただいま委員長初め、皆さんの御意見もございますのでありますし、私どもといたしましても、できるだけ早く具体的な結論を得まして、処分につきまして適切な措置考えていきたい、こういうふうに実は考えているのでありまして、大臣からもこの問題につきましては至急やるようにというお話を受けておるのであります。その趣旨に基きまして、至急結論に持っていきたい、こういうふうに考えておる次第でありますので、さよう御了承願いたいと思います。
  75. 山田節男

    委員長山田節男君) 速急ということを盛んにおっしゃいますが、たとえば今国会中にそういったような具体案を農林省としておきめになれますか。できればこれはもう二十五年、六年、七年と連続しておるわけです。ですから、何も決算委員会の承認を何とかという意味じゃありませんけれども、これは継続調査になっている。それでこれをさらに次の国会まで継続審査するかどうか、われわれ委員会としても協議しておるわけです。ですからその中で今の保管されている病変米をどうするのだということが、今おっしゃったように速急にきめるおつもりならば、できれば本国会中にこの具体的な案を決定された方が私はいいのじゃないかと思うのです。ですから今おっしゃる速急とは、今月中にもできるのか、あるいは休会になってしまうころに決定するのか、見通しはどうでしょうか。
  76. 清井正

    政府委員清井正君) お話しの御趣旨はよくわかるのでありまして、今までも検討を重ねて参りましたのでありますが、いまだ決定に至りませんことは、はなはだ恐縮に存ずるのでありますが、事が重要なことでございますので、いろいろな観点からの検討を重ねておりましたので、本日までおくれておったのであります。しかしこれはお話しの御趣旨の通り、できるだけ早く、一日も早くこの処分につきましてはきめなきゃならぬのでありまして、大臣の御趣旨もあり、一日も早くこれはきめるべく努力をいたしている最中でございます。これはいつまでというふうにはっきりお約束いたしまして、それができませんときには申しわけないことになりますので、はっきり申し上げることは、はなはだ私といたしましてもちゅうちょいたすのでございますが、この問題は非常にむずかしい問題になります。速急処分を要するという事の重要性にかんがみまして、できるだけ早く関係方面とも打ち合せをいたしまして、具体措置について決定をいたしたいと、こういうように実は考えておる次第でございます。
  77. 山田節男

    委員長山田節男君) 平川次官どうですか、早急心々ということを言われますけれども、もうわれわれ委員会で三年間もこの問題を審議しておるわけです。そのために継続調査になっております。ですから、今の清井長官のこともわかりますけれども、われわれはもう国会でそういったようなことでじんぜんとして国損を打ち重ねることを、そうか、いやしようがないというようなことは、少くとも参議院の決算委員会としては納得できない。これはきのうやきょう始まったことじゃない。すでに二十六年度からこの問題は起きている。なぜ早くしないのだということを、口をすっぱくしてこの委員会で言っておる。なお今日に至っても、厚生大臣があれほどわれわれにはっきり言っているのに、早急々々といったって、これじゃどうもわれわれとしては子供じゃないし、またこれだけの責任を持ってわれわれ審議しておるのです。そんなことで、ああそうですかということはどうも――私は本委員会を代表して申し上げるのですが、各員とも納得できないと思うのです。ですからどうですか、平川次官、もう少し清井長官のお答えに敷衍して、もっとあなた政治的責任においていつまでにはやりますということをここでお示し願えませんか。
  78. 三浦辰雄

    三浦辰雄君 相談している間に……。私この問題で前回のときには会計検査院小峰さんにお伺いしたことがあるのですが、その前に批難事項をもう一ぺん読み直してみますと、このそれぞれ菓子とかのりとか蒸留漕、旧式しょうちゅう、アルコールといったものにそれぞれの値引きされた値段で売っていることについての批難が載っている。そのところを見ますと、ものによっては砕米等の原材料用売り渡し価格を基準として売り渡すのが当然だのに、そのものの最も安い材料というような考え方、つまりアルコールならアルコールはイモのどういうものからできる、従ってアルコールというものの値段から逆算して売っているのは不都合だというような点も、一つ指摘の中にあるわけなんですね。この場合、結局大方においてアルコールにしかならない、あるいはこれは菓子にしかならない、これは蒸留酒といったような用途の大方の区分でですね、その用途、そのものを使う連中に対して、これはまた確実でなければなりませんでしょうから、たとえば指名競争というような方式において売る場合であるならば、これは先刻来からも黄変米の緊急処置をめぐっての問題、質疑等から見て、これはやむを得ないだろうというふうにお思いになるのですか、どうですかということを一点と、それからあのときにもお聞きしたんだけれども、これは行政の執行担当と検査というものの一つのはっきりした区分はわかるのですけれども、しかし、まあことによっては事前検査といったようなことでいろいろとあやまちなきように御指導なさっている。その立場からいうと、もう三年もごてついたというとおかしいけれども、問題になって困り抜いて、みすみす損すればとて益は増さないこの処理に当って、検査院としても思い切って勧告をやったらいかがですか。それで小峰局長だけの御返答もあれでしょうから、検査院の皆さん方と御相談なすって、適当な機会にそれについての御感想を、御相談の結果をこの席上お聞かせ願いたいということを申し上げたのですが、どうでしょうか。
  79. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 二十八年度の売り渡しの批難は、黄変米黄色い病変米であります。現在問題になっておりますのは白い、目で見てわからない病変米なのでありまして、当時、私ども黄色い病変米につきまして、こういう二束三文で随意契約でぼんぼん売らなくてもいいじゃないか。目で見てわかるのでありますから、極端な言い方をすれば、一つ一つよっても食糧に回せたわけなんであります。一%まではよろしい、今は考え方が変っているのであります。当時としては一%までは入っても差しつかえないというような判断をされていたわけであります。昔、麦で黒い麦が入って、輸入されたことがあるのですが、あのときは黒い麦をよりまして、無害という程度まで選別しまして主食に回したのであります。それから考えましても、当時の考え方であったらば、こんなに、一升二十五円くらいのがあるのでありますが、百二十円かけてわざわざ輸入したものを一升二十五円ぐらいで、サツマイモの切干しの代用品で売りとばさなくてもいいじゃないかというような考え方が強かったのであります。現在はだいぶ変ってきているのであります。目で見てわからんのでありますが、そこで考え方を変えなければいかんのであります。  それから、第二点の会計検査院もこの問題の処理に介入してはどうか、こういう御意見、これはその後委員長からも特にお話しございまして、私ども役所に帰りまして相談したのでありますが、やはりこの前私が申し上げましたように、会計検査院としてはそういうものに介入すべき能力もないし、またその立場でもない。こういうことで委員長事務総長からお答え申し上げたのでありますが、そのへんで一つ御了承願いたいと思います。
  80. 山田節男

    委員長山田節男君) ちょっと今の小峰第三局長の御答弁ですが、今、三浦委員からの御質問のあった趣旨からみても、要は平川次官にしても清井長官にしても、結局変な処分の仕方をすればまた批難事項になりはしないか、そうなることをおそれているのです、率直にいえば。ですからそこで九十億も余っていて、それを処理して何億払ってもらえるにしても、それは会計検査院としても国損を処理されたと見ているわけですから、たとえば升当り百二十円につこうとも、二十五円じゃ安すぎるかもしらんけれども、せめて六十円なり七十円で処分する方法があるかどうか、平均ですね。そういうような、やはり批難事項になりはしないかということをおそれないように、誠意をもってやれば、これは会計検査院としても認める、認めるというとおかしいけれども、そのくらいの意味の協力をしないと、やはり常に会計検査院の方を向いていろいろのことを考えているから、批難事項にまたなっては困るというので、速急にやります速急にやりますというけれども、この案ができない。そこはやはり会計検査院としては協力といってはおかしいけれど承、どうせこれは国損を生ずるのですから、一日も早い方が国家のためにいいのだという見地から、十のやかましさを八にするとか、七にするくらいにして、一つ目をつぶってやろう。しかし事前にこういう処分をするということを、あなたの方で調べたのですから、これに対しましてこういう措置をしますということを農林省からあなたの方にする、それをあなたの力で検査官の会議にかけられて、この事態はやむを得ない、国家の損であるけれどもやむを得ない、それくらいのことは現行法でできんことはないと思う。それをあなたのおっしゃる通りに、事務総長からいわれた、何らはれものにはさわらん方がいいのだというような考え方は、ちょっと私は意外だと思うのです。この点は一つざっくばらんに、農林省の具体案を示したら、これはやむを得んだろうというくらいの協力をされんと、こういう問題はなかなか解決しないのじゃないか。これはむしろ私はこの問題に対する解決のネックは、会計検査院のこれに対する協力いかんに依存しているのじゃないかというくらいまでに考えておりますが、この点どうですか。
  81. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 農林省厚生省が十五万トンにも上る病変米をかかえ込んでおられる。それが処分できないのは、会計検査院批難するのがこわいからだという御意見のようでありますが、それはちょっと私としては意外でありまして、会計検査院からそんなに批難されるのがおそろしいのでこのストックをかかえているとはちょっと考えられないのでありまして、これは私どもとしては今まででもそうでありますが、いろいろ事前の御相談にはいつもいかなる場合にも応じているのであります。そして、ことに重要なものは検査官会議にかけまして御返事する。本件は非常に大きなこれは問題になっておるわけでありますが、こういうものについて検査院批難をおそれて処分をちゅうちょされるとはちょっと思えませんが、もう現在の段階になりましたら、私どもはこの黄色い病変米について文句を言ったとはだいぶこれは事情が違うのでありまして、私ども批難しているのは、ここでいう病変米であって、現在は事情が違うのだということはもう繰り返して申し上げているのでありまして、私どもとしては、決して黄色い病変米と同じように現在のものを取り扱おうとは考えておりません。もう現在になりますと、まあ二十五円なんというのじゃちょっと困るのでありますが、相当の損が出るのは、これはあるいは私から申し上げるのはまだ早いかもしれませんが、仕方がないということも言えるのじゃないかとも思います。これは早急に御決定になって、あらかじめもし御相談がございますれば、私どもとしての見解は十分に申し上げ得るんじゃないかと、こう思っております。
  82. 山田節男

    委員長山田節男君) 清井長官どうですか、会計検査院の御意向もこの委員会ではっきりしたわけですが、一つ早急にもう少し早くということを、これは私は少くとも行政の立場としては、会計検査院批難事項でいえば、これはもう当然注意されることはもちろんだと思います。今言われるように二十五円じゃ困るが、それ以上ならばいいというお答えがあったわけでありますが、一つとうですか。  これは平川次官にお願いいたしますが、これまでに打ちとけて言ってくれる会計検査院ですから、何とか一つ早くこれを処置していただきたい。これはもう今月の末までとか何とかということでなく、私たちはもう要するに三年も待っているので、あなたの方で早急々々と言うても、これはもう実際今さらそんなことをお聞きする耳を持たぬわけであります。当委員会の気持を汲んでもらわぬと、そんなただその場限りの答弁じゃ誠意がなさ過ぎると思います。
  83. 平川守

    説明員(平川守君) 清井長官とも今ちょっと相談をいたしておりましたが、やはりこの処分ということになりますと、具体的事務的に実際に処分のできる方法を講じなければなりません。全部が全部、今国会中にきれいにいたしますというわけにはちょっと参りかねるようでございますけれども、誠意をもって国会中に、できる限りの分量につきましてできる限り具体的な案を作って早く処分する。私どもも今そういう考えで、一方においてまた安く処分をするということによる批難もおそれておりましたわけでありますが、しかし実体的に考えてみますと、お話しの通り、かえってかかえておることによる損害が大きいじゃないか、農林大臣が特にその点を指摘しておられます、具体的の処分の方法等について、会期中にもできる限りの分量について具体的な措置案を考えたいというふうに考えております。
  84. 石川清一

    ○石川清一君 今お聞きしておりますと、大体農林省の肚もわかったのでありますが、いわゆる用途別処分計画試案、こういうようなものをもう今までもずいぶん研究されているのでありますから、二十日までぐらいにお作りになりまして、用途別処分計画試案といいますか、そういうものをお作りになりまして、一応会計検査院に伺いをしたり、輿論の反響を見る、こういうようなお考えを今お持ちになれますか、どうですか。
  85. 清井正

    政府委員清井正君) お話しの御趣旨はよくわかります。また、ただいま私ども、次官からお答え申し上げた通りでございまして、全部というわけにむろん参りませんが、できるだけの数量につきまして、私ども早くやりたい、少くともこの国会中におきましても端緒をつけて、できるだけの数量についてやっていきたい、こういうふうに実は考えておるのでありますが、ただ申すまでもなく、食品に売ります場合は、厚生省の方で基準を決定していたわけであります。その厚生省の決定に従って食品の加工原料として売るということになって、今までもそうしておったわけであります。食品以外の工業原料でありますと、これは私どもの方で単独にできるわけであります。これは非常に大きな値引きになるというようなことであります。しかもまだ加工原料といたしましては、年間の需要量が十二、三万トンしかございませんので、今あります十五万トンのうち、一部をすぐにやりましても、そう一ぺんによけいな数量ということは期待できないと思います。今申し上げたように、食品につきましては、厚生省の決定した基準によってやるということになりますし、食品以外の工業原料でありますと、相当の値引きをしなくちゃやれない。しかも年間の工業需要量あるいは食品加工需要量十二、三万トンということでございまするから、一。へんにすぐにというわけにはなかなかいかん事情があるのであります。従いましてただいまおっしゃったようなことを、具体的に今すぐに二十日までに出せとおっしゃると、ちょっとできるかどうか、自信がございませんが、いろいろ御意見もあり、また先ほど来委員長が申されましたように、できるものから端緒をつけていくということで、できる数量からこの国会会期中に端緒をつけてやりたいということで進めて参りたいと、こういうふうに実は考えておる次第であります。
  86. 石川清一

    ○石川清一君 今のお話しを聞きますと、相当多量であるから、毎年別処分にかかるから、そうしますと、今度は逆に全数量を月別処分、これは用途は別にしまして、月別処分計画試案ですか、そういうものをお作りになりまして、かね合わせたら大体できるんでないかと思うのであります。それはなかなかお作りになれませんか。
  87. 清井正

    政府委員清井正君) どういうふうなものが作れますか、ちょっと私どももここだけでははっきり申し上げられませんが、できるだけ具体的な計画を立てたいと思います。月別に果してできますかどうか、私一存でお答えできませんので、ことに食品加工のものにつきましては厚生省の基準に従っておりますから、厚生省のその基準に従って食品加工の数字をきめなければならぬというようなこともございますし、月別にこうということは、ちょっと私は自信を持ってお答えいたしかねますが、できるだけ具体的なものにいたしまして計画を立てて参りたいと思っております。  今まで持っておりましたものは、実は厚生省からの御調査によりまして、主食配給にできやせんかと思っておりまして、今まで保存しておったような関係がありましたけれども、今そういう事態でなくなって参りましたから、早急処分の計画も、ただいまここで申しました通り、できるだけ具体的な計画案を作りますけれども、ただいまお話しのような月別の処分計画案というものがどの程度できますかどうか、はっきりお答えできかねますが、とにかく具体性のあるものを作りまして端緒をつけて参りたい、こういうふうに実は考えております。
  88. 石川清一

    ○石川清一君 もう一つお尋ねしますが、病変の度合いといいますか、十五万トン以上のものの中には、選別あるいは等級をつければある程度つくと思うんです。これはつかなくてもむりにつけまして、これはもう廃棄処分にせんければならぬようなものも、かりにあるとつけて、そういうような非常に利用価値がない、こういうようなものから順次処分をしていく、こういう処分案は、これはお作りになれませんか。
  89. 清井正

    政府委員清井正君) むろん十五万トンの中には、いろいろ菌の度合によりまして、数量別の割合があるのであります。そういうようなことから、軽いものはなるべく食品に回すとか、重いものは工業用に回すとか、いろいろ考えられるのであります。そういう点を実は検討いたしまして、いろいろ相談しておったのであります。ただいま申し上げたような、やはり菌の混合度合によりまして、それぞれ用途が違って参りますから、それらを勘案いたしまして使って参らなければならぬ、こういうふうに考えております。
  90. 山田節男

    委員長山田節男君) これは平川次官に重ねてお願い申し上げますが、こうして各省の一般会計、特別会計の決算報告書に基く審議が次第に一応終りつつある。そうしますと、この国会で、この委員会において二十八年度決算、これの承認の議決をしなくちゃならぬ。で、これは各委員にまだお諮りいたしませんが、私いろいろ各省の決算の審査の経過を見ますと、農林省についてほこの問題が一番大きな懸案になっておるわけであります。これが少くとも今国会の審査報告をするまでに具体的なものが示されないと、承認の議決ができないじゃないかということを、私はひそかに憂えておるわけです。ですから先ほど来、今、石川君からもお話がありましたように、百億円に近いものですから、これに対する処理する方針はどうするのだ、食糧庁だけではいけないので、厚生省と、あるいは次官も入って処理要綱をちゃんときめて、これによってやりますということを、もう具体的なものが出されないと、決算委員会で承認することができないのです。こういう点もよく考慮されて、大臣にも御相談願って、できるならば今国会中に農林省の方も審査を終ることができるように御協力願う意味で、具体的なことをどうするのだということを各位にお示し願いたいと思います。お願いします。
  91. 石川清一

    ○石川清一君 農業共済のことについてお尋ねしたいのでございますが、前回のときにずいぶん御質疑があったようでありますが、これは水陸稲の耕作者が義務加入をしておるのでありまして、当然の権利として保険金を要求するようになっております。その間における評価であるとか、いろいろの査定については問題点がありますけれども、究極においては国の会計から支払いをすることになっておる。やはり権利に基くのでありますから、これは政府の政策的な予算のワクでなしに、下から決定して上ったものは全部そのまま丸のみにされなければならぬと思うのでありますが、今までの経過から見て、下から上ってくるものは農林省で予算等の関係で、政治的に押えたといいますか、調整をしたということがございましたかどうか、お尋ねいたします。
  92. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) 農業共済補償制度の問題につきましては、御指摘の通り、これは当然加入と申しますか、組合が成立いたしますれば、当該地域内に一定の面積を耕作しておる農民は当然加入するということになるのでございます。従いまして災害が発生いたしました場合には、その災害が定款で定めておりまする三割以上の被害となりました場合には、その被害三割以上の被害に応じまして、定款に定めておる一定の割合によりまして、共済金を請求し得る権利が生じてくるというのは、御指摘の通りであります。ただ組合員と共済組合との関係、並びに共済組合連合会と共済組合、それから共済組合連合会と国との関係でありまするが、国と連合会~の関係におきましては、いわゆる県を単位として再保険をいたしておるのでありまして、県の標準被害率をこえる大災害の部分につきまして政府災害保険金を支払うということに相なっておるのであります。従いまして、国は県が異常災害の場合はその異常分について保険金を支払うということに相なるのでございますが、その場合の被害の、いわゆる幾ら被害が県にあったという問題につきましては、各般の県内の資料を綿密に調査いたしまして決定する、こういうような関係に相なっておるのであります。  この共済制度の大体の立て方といたしまして、各農家の災害の金額が幾らであるかという問題につきましては、まず第一段階といたしましては、共済組合がこれを決定する。しかしながら、共済組合と連合会との災害の額についての考え方が違った場合には、上級段階の決定するところによる、こういうような大体建前に立っておるのであります。この点はいわゆる何と申しまするか、損害評価と申しまするか、実収高と申しまするか、非常に問題の多いところであるのでありまして、この点につきましては、いわゆる損害の評価というものをどういうふうにするかということが、この農業共済組合の制度全体の一つの眼目と相なっておるのであります。従って現在農業共済組合の制度協議会におきましてもこの点が大きな論点の一つに相なっておるのであります。  私どもといたしましては、いわゆる農業災害補償制度というものは、農民が不慮の事故によりまして損害を受けました場合に損害を補償して、農家の再生産を維持していくという根本思想に立っておりますので、この精神のもとにできるだけ一つ農民の利益を損わないように処置して参りたい、常々さように考えておるのでありまするが、損害評価の問題、これが非常に大きな問題でありますので、これらの問題につきましては一つ今後も大いに検討いたしまして、本共済制度の本来の目的に沿わないようなことがないように措置して参りたい、かように考えておるわけであります。
  93. 石川清一

    ○石川清一君 私はそういうことを聞いておるのではないのです。今まで最終的に政府の特別会計で決定をした場合に、予算がないからというて損害を、政治的に手心を加えたことが今まであるかどうか、そういう点だけお尋ねしておるのであります。
  94. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) そのいわゆる予算の面で評価と申しますか、損害額の決定について手心を加えたというようなことは全然ありません。これは共済制度の建前といたしまして、農家に災害が発生いたしますれば、当然その法律の規定に基きまして支払うシステムになっておりますし、また財源に不足が生じました場合には、あとで別途一般会計で補充するというような建前にもなっておりますので、今まで予算上の都合で評価そのものに査定を加えたというような事実はないと存じております。
  95. 石川清一

    ○石川清一君 それでは昭和二十四年でしたか、農業災害補償法ができてから毎年の決定は、下からそれぞれの段階の契約を経、そして最終的に下から上ってきた数字を妥当として全部決定したという自信を持っておるのでありますね。
  96. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) 昭和二十二年度から大体この制度をやっておるのでありまするが、ごく最近に至りますまでは、大体において各組合からあるいは連合会からの申請を基礎といたしまして、ほとんどそれを再審査することなく実行いたしておったのでございまするが、最近におきましては、いわゆる統計調査その他から見まして、損害の額の見方につきましていろいろと県なりあるいは単位組合から上っておりますものと、われわれの統計調査その他の資料とが非常な食い違いが生じておりますので、それらの点につきましては、いろいろな資料に基きまして、それを基礎といたしまして、各県あるいは共済組合の方といろいろその資料に基きまして協議をいたしまして損害額を決定しておる、こういうような事情に相なったわけであります。
  97. 石川清一

    ○石川清一君 会計検査院にお尋ねしたいのでありますが、今話しがありましたように、やはり客観的な、あるいは統計事務所等の資料をしんしゃくして協議決定をした、こういうように修正の答弁がありました。その協議の内容については私はお尋ねをしませんけれども、二十八年度と二十九年度の冷害にしても、いわゆる二十九年度は非常に冷害がひどい、これはもう統計の数字でも明らかになっておるんでありますが、それでも保険金が少なかった、こういうような事例がある。その事例を私はあげてどうというのではありませんが、そういうような点から見まして、会計検査院が指摘をしておる二十八年度の共済金の支払いの事項について、この不正といいますか、この責任一体だれが背負うべきものであるか、この点を会計検査院にまずお尋ねします。
  98. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 共済金は結局被害各組合の組合員からの申告が基礎になるわけであります。組合がそれをまとめまして、そして県の連合会に出すという段階を経るわけでありますが、県の連合会が各単組の出した被害額を査定するということは相当やっておるようであります。相当に内容を見ますと、水増しというとちょっと語弊がありますが、ふくらまして申告するというのがかなりあるようであります。これは検査の結果でも相当に事実がわかっておるのでありますが、それを連合会で非常に骨を折って査定をするというようなことはあるようであります。そうして結局昨年から私どもも初めて統一的な検査をやり始めたのでありますが、その結果によりますと、どうも制度の本来の基盤がくずれかかっておるのじゃないだろうかというようなことさえも考えられるような現状なのであります。先ほどお話しがありましたように、義務加入であるにかかわらず、組合員からは掛金をとっていない、そして災害を待っているというと語弊がありますが、災害があって上から金が下りてきますと、それまでの赤字を組合が全部まず解消してしまう。余った金を組合員に配付する、こういうようなのが非常に多いのであります。そうなりますと、本来義務加入ということを本質としているこの制度の基盤がくずれかかっているのじゃないかという懸念さえ持たれるような状態であります。  個々の例につきましては決算書でもたくさんあげてございますから、ごらん願えばいろいろなケースがわかるわけであります。昨年で実は私ども驚いたので、本年も共済の検査を引き続きやっておりますが、このお手元に資料としてお出ししてございますが、一月から五月末までに十六府県、これの二百五十六組合を見たわけでありますが、そういたしますと、そのうち二百二十八組合について指摘事項が出る、ほとんど全部、差引二十八組合が指摘事項がなかったのでありますが、この二十八組合のうち宮崎県が二十組合、宮崎県というのは非常にこれはしっかりやっているのでありますが、全然指摘事項がない。従って二十八組合で指摘事項がない中で二十組合が宮崎県、こういうことになるわけであります。それ以外の十四、五の府県ではたった八つしか指摘事項のない組合がなかった。ほとんど全部がたとえばここに書きましたように共済金を組合員に全く支払っていない、こういうようなところさえ相当にあるのであります。それから一部払っていないとか、あるいは規定通りに払わないで平均割で払ってしまうとか、こういうようなことをやっておるのでありまして、こういうような点から考えまして、どうもこの制度は制度として見ると非常にけっこうな制度だと思うのでありますが、なかなか実際の運用になるとなかなかうまくいっていない面が非常に多い。こういう印象を検査の結果受けているわけであります。
  99. 石川清一

    ○石川清一君 前回も会計検査院にお尋ねして、速記録にも載っておる。今お聞きしてもその通りです。この制度については相当農林省でも検討されておるようでありますが、今まで指摘された事項並びに昭和二十九年度の支払いにおいて指摘をされるであろうと予想されるいろいろな事項を通じて、これに対して経済局長は今までのような形でお過しになりますか、それとも会計検査院調査に従って明らかになってくる事態に対して、先に警告をするなり、それぞれの指導をするなり、処置をとるなり等のお考えを持っておられるか、それともそういうのを進めておられるのか、お尋ねをいたします。
  100. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) お答えを申し上げたいと思いますが、農業共済組合の襲業並びに運営の問題につきまして、いろいろ会計検査院並びに行政管理庁からその非違の点に対しまして御指摘を受けておりますことにつきましては、まことに遺憾に存じ恐縮をしておる次第でございます。ただこの問題をどう処理してゆくかという問題でありまするが、まず第一には、当面の問題をどうしてゆくかという問題と、もう一つは恒久的な問題としてこれをどういうふうに取り扱ってゆくかという二通りに分ける必要があると思うのであります。  当面の問題といたしましては、まず農業災害補償制度は、御承知のように農家の不慮の災害に基く救済を行いまして、農業の再生産力を維持してゆくというきわめて重要なる制度でありますので、当面の問題といたしましては、これが本法律の目的に従うように運営をしてゆかなければならないかように考えておるのでありますが、まず現在一番当面の組合の問題といたしまして、いわゆる非違の原因となっておりますのは、掛金がなかなか農民から実際問題として集まりにくいということに相なっておるのであります。掛金が集まりにくいのは、一つは農民がなかなか現金を出しにくいという問題と、ちょうど保険事故が発生いたしまするのが――保険契約を締結しますのが田植え時期でありまして、農民がその時分に現金を持っていない、こういうような関係があるのでありまするが、しかしこれは共済制度というものが成り立つためには、どうしても保険金をまず確実に支払うということが前提になってくると思うのであります。この問題につきましては、お手元に差し上げてありまする本年の四月に農林次官通牒をもちまして、農業共済組合制度についていろいろ会計検査院、行政管理庁から非違の事項を受けているので、特にこういう点について今後は遺憾のなき措置を期してもらいたいということを各県に通達いたしておるのであります。  同時にもう一つの問題といたしまして、いわゆる共済金を完全に支払っていない。一応農民は、被害金額は査定しながらも、その査定した金額の一部を事務費に回しますとか、あるいはその査定の通りに支払わないで反別割に支払う、こういうような点があるのでありますが、これがいわゆる空転組合、あるいはそれに近い運営ということになりますので、この点は厳に慎しむということにいたしてもらいたいということを強く要望いたしておるのであります。つまり共済金を完全に支払いますことと、掛金を確実に農民から徴収する、この二つの制度を確実に守っていただきたい。同時に農業共済制度の運営の問題につきましては、損害評価という問題が一つのポイントをなす問題でありまするが、これはいわゆる損害評価というものを確実に農業共済組合において実行をするということが、この共済組合の前提をなしておるのでありまするが、この点につきまして、いわゆる現実にほんとうの評価をしないで、机上的な査定をして損害評価をしておるというような事例もあります。この点につきましては厳に慎んでもらいたい、こういうことを強く指示いたしておるのであります。  同時に組合の機構の問題といたしましては、現在の組合が大体これは町村を地区といたしておりますが、非常に区域が狭いために、事務費なり何なりを十分にまかない切れない、こういうような弱体の組合が多いのでありまして、従ってこれがいわゆる農業協同組合なりあるいは市町村なりのいわゆる別動隊的な形で運用されているような格好になっている組合が非常に多いのであります。これは組合自体が非常に弱小でありますために、仕方なしに協同組合なりあるいは町村なりの陰に隠れたような運営の仕方になっておる。従って組合職員にいたしましても、特に役員につきましては、いわゆる専任者というものが非常に少い。あるいは兼務でありますとか、あるいはもうほとんど常勤というものはいないような形になっておりまするので、組合の本来の性格といたしましては、組合の地区を、もう少し組合が独立の計算ができていくような組織に拡充して参りたい、こういうことが必要でありますと同時に、職員並びに理事の執行体制を整備充実していく、こういうことをねらいまして、私どもといたしましては、町村合併に即応いたしまして、できるだけ合併をした町村を目途として組合の合併をして参りたい、こういうことを指導いたしておる次第であります。  つまり現実の指導問題といたしましては、共済掛金を完全にとり、保険金を完全に支払う。同時に組合の機構を整備いたしまして、できるだけただいままで検査院なり、あるいは行政管理庁なりが指摘されました事項が少しでも少くなりまするように、組合の充実と、それからそれに基く制度の適正というものを強力に指導して参っておるような次第でございます。
  101. 石川清一

    ○石川清一君 簡単でよろしいんです、この間もお聞きしましたから。それで政府部内では今度補助金適正化で、その適正でないものには刑事罰も辞さない、いわゆる刑事罰が適正だ、こういうような形で政府部内ですでに提案がなされる。実は私も農業共済組合長をやったことがあるのであります。だから実感はよく存じておるのでありますが、会計検査院の報告をずらっと見ておりますというと、これだけは大体同じようなケースで、このまま放っておくということは何だか手落ちのような感じがいたします。これは権利に基いて当然やっておるのでありますけれども会計検査院のこの報告をずらっと見た場合、あるいは一般に受ける印象というものは、やはり補助金の横領といいますか、詐欺的なものと同じようなものを持っておるのであります。もちろんこの中には損害の査定評価というものは戸主的にいたしますので、見解の相違ということ縛っていけばいけないこともございません。しかしながら、これはやっぱりそういうものを持っておるのでありまして、経済局長は担当の責任者として、これだけはまあ精神訓示をしておいたらよくなるから、もうほっかぶりをしておいてもよかろう、こういうふうに思っておられるのか、簡単にお答え願いたい。
  102. 大坪藤市

    政府委員大坪藤市君) 共済組合につきましては、いわゆる共済組合の補償制度の仕組につきましていろいろと問題がございます。この点につきましては、御承知のように農業共済の協議会で目下内容につきまして御検討中でございます。従って今後農業共済組合の補償制度をどうするかという問題は、これは大きな問題として今後検討していかなくちゃならぬと思いますが、現在の組合につきましては、これはただいま申し上げましたような方法によりまして、できるだけ御指摘のありましたような非違のないような措置をとって参りたい、かように存じておるわけでございます。
  103. 石川清一

    ○石川清一君 もう一回聞きますが、そういう問題が出ておるのであります。現に今私が申しましたように出ておるのでありまして、二十九年度の支払いについても会計検査院の今までの報告を見ると減らない、こういうような予想であります。これをこのままにしておきますというと、今後なんぼいかにりっぱな組織、りっぱな運営の方針が出ても、これはとうてい維持することが困難だと思う。それでお尋ねをしておるのでありますが、今おっしゃったような精神の訓示ですか、それでよくなるというて、見ておられるんであったらそれでけっこうだと思う。しかし私はそうは現実がいかない。会計検査院が検査した上で処置している。またそういうふうに横領のようなことが新聞にもうどんどん出ております。会計検査院ばかりでなしに、われわれもこれはやはり正直な組合、この制度を守るために取り上げねばいかんと思うのでありますから、われわれが取り上げる以前に、問題を起す以前に、やはり経済同等で適正ないわゆる信賞必罰の措置が急速にあっていいんじゃないか、こういうような気持でお尋ねしたのでありますが、これ以上お答えいただくのは無理だと思いますから、また次にお尋ねをいたします。
  104. 山田節男

    委員長山田節男君) この二十八年度の今われわれが審議している問題について、小倉局長は当時経済局長だったのじゃないですか、そうですね、これは平川農林次官に申し上げますが、合計二百億ばかり、事務費その他において約二百億ばかり出ている。ところが会計検査院の報告を見てみますと、まことに農林省の全体の補助金の乱脈以上なんです。乱脈といいますか、インチキ性が多いわけです。そのときに大枠君が大いに協同組合連合会の会長を呼んで訓示をいたしますというようなお話があったので、今石川君から御発言があったのですが、これも一つの方向でしょうけれども、そんななまやさしいものじゃないのです。一つこれに対して根本的な施策を立てろということがこの委員会でありましたので、先ほど大坪君から言われたように、四月十三日付の依命通牒があるわけです。こんな――こんなと言っては悪いけれども、われわれが見るには、この制度がいいか悪いか、これは大蔵省に文句を言っているわけです。これは根本的に再検討する必要があります。今度の補助金の整備に関する法律があるけれども、これは入らんのです。これを入れなくちゃいかぬということが石川委員の意見です。ですからこれはやはりあなたの方で根本的に一つの再検討をしないと、これはもう農林省、建設省の補助金の乱脈以上の……今言われたように今度九割のものが指摘された。この事態は、ですからこれも私非常に食糧庁の特別会計と同じように、何ら具体的に……われわれが承認するということは、これはしかし変だと思うのです。ですからこれはやはり大臣に諮られて、こんなべらぼうなことを放置する、われわれとしては黙視することはできない。今石川委員の言われたような御意見を皆さんが持っているわけです。これに再検討を加えるということは、これこそ至急におやり願いたい、かように存じます。  どうですか、まだ御質問ありますか、時間もありませんから、それではまだ御質疑のある方もあると思いますが、次回に譲りまして、本日はこれをもって散会いたします。    午後五時二十九分散会