○青柳秀夫君 この考査制度のすり物によりますと、ここに
昭和二十九年から茨城県下で十二カ町村、佐賀、熊本県下で十二カ町村、山形、新潟県下で十七カ町村の査察といいますか、検査をやられて、いろいろの
補助事業についての実地考査を行なった結果、
補助金の使用状況等が適切でないと思われるものが相当発見された、で、これについては末端の
補助金行政の
実態を把握して、これが是正に努められるということが書いてあって、今お述べになった趣旨だと思いますが、私は
補助金を間違ったら全部やめろということを申し上げているわけではないのです。ただかように
補助金の種類が百二十三種類というようなものであって、それが今日おいでになっている
農林省の首脳部の方は実際はこういうことを何もお知りにならないと思う。ただ全く部下の方、その部下の方も町村の
実態までは知らない。全くの机上プランで、いろいろやはり進んでいるので、町村の方でもいろいろの
事情でそういうことになると私は思いますけれ
ども、結論的には国費が不正不当に使われて非常に困る事態が起っている。それを防止するのが一面皆さんのお務めでもあるし、
決算委員会としても
責任でございますので、どういう
方法をとったら、
ほんとうに合理的にゆくかということを真剣に検討いたしたい。そこで私が申し上げるのは、全部の
補助金をやめろということを申し上げておりませんけれ
ども、しかし何か非常に間違ったことに対しては、受ける主体が
一つの人であるから、
一つの人が誤まったことをやっているのに、他の方の
補助は何もそういうことを
考えずにゆくというようなことは、それでは何の戒めになりません。そこで省内の各
部局において、考査制度をとられるのなら、その同における
一つの連合的の何か審査を同時におやりになって、その内容にもよりますし、また来た実情にもよりますが、
ほんとうに簡単な不注意のために誤まったような場合を、これは責めるわけにはいかないと思いますが、いただいた金を他の町村の費目に充用して平気でいるということは、全く町村側からいっても、これは道義上からも許さるべきではないと思う。そういうものに対しては、相当強い態度で、一応は
農林省としても態度をお進めになって、しかし農村の振興ということは必要なんですから、そういうことを長くやる必要はない、向うが是正してくればむしろ積極的に
補助もふやしておやり願いたいのであります。ただだらだらと何のけじめもなしに、
補助金を机上で
査定してゆくということはいかん、そうすると、非常にまずい事態が起って、
会計検査院の指摘があって初めてわかるというようなことでは、私は何としても
改善されないような気がしてならないのであります。そういうわけでございますから、考査制度をおやりになることは非常にけっこうでございますが、どうか受ける町村とも平素緊密なる連絡をとられまして、そして誤まりなきを期していただきたい。これを申し上げるのは、先日数カ町村の
責任者にここに来ていただきまして、こういう問題が起る実情を聞いたところが、その町村長の人などの態度は、
災害のときは非常に忙しくて全くめくら判で書類を出している。
査定等についても、自分
たちは技術官でもないので、一切まかせきりで、はなはだしきは判を係に渡してめくら判でその書類が中央の方に出ている。中央の方では、ただそれを受け取って、机上の
査定でそのまま認めていく、これはだれの
責任であるか、ちっともわからない。しかもその金額が五十万円とか百万円ならいいのですが、一億五千万円というような大きな額を申請してきて、それを認めて、しかも実際かかった金は三分の一くらいでいいというような
事業がございまして、非常に私は何と言いますか、疎漏というのか、全く話にならぬような気がしているわけなんです。そんなわけでございますから、町村の方ももっと町村長が申請するときは内容をよく検討して、自分の
責任で判を押す以上は、部下の
責任じゃないわけなんです。だから
ほんとうに申請する権利があると同時に、申請する義務というものもあるわけであります。もし誤まった間違った不正な申請をした場合は、
責任をはっきりするというくらいの態度で、申請も受け付けるし、
査定される方も
査定に対する権利と言いますか、お力を持っていられるのだけれ
ども、誤まった
査定をすればその人は
責任を負うんだという決意のもとに書類を扱っていただきたい。そうでなければ、いつまでたっても、私はこういう問題は
解決しないと思う。どうか
一つ、
農林省の仕事はきわめて重要であり、全国の非常にこまかいところまでいきますので、一々こまかく目を通されることはできない。むろんこれはそれぞれの局に当る町村長なり、そういう方が
責任をもって主務省にも申請されるというふうにお願いしたいんです。そうして
府県の方に対する委任と言いますか、経由というような言葉がありましたが、それにつきましては、児の当局に対しても強く指示していただきたい。きまり切ったことかもしれませんけれ
ども、私は何とかしてこういう
補助事業が適正にいくことを心から希望するがゆえに申し上げるわけであります。それで、できますならば、これはちょっと
決算委員会からは範囲がはずれるかもしれませんけれ
ども、
補助金の数もあまりにも多過ぎるんじゃないか。これを見ましても
補助金額が零細なため配分に困難を生じ、
補助の効果があがらないということが書いてありまするので、これはまたいろいろな
事情で広範な農林行政の建前から、そう簡単にはいかないと思いまするけれ
ども、
部局で御研究になって、中央から見られた
補助金と、地方が受ける
補助金、地方側からも見て再検討されて、有効に、適正にいくような方途をとっていただきたい。こういう意味でどなたか
一つ私の意見に対するお
考えを述べていただきたい。