○
政府委員(正
示啓次郎君)
お答え申し上げます。ただいま
委員長から御
指摘の
通りに、
昭和二十八
年度及び二十九
年度の
予備費の
使用につきまして、
支出を
決定いたしました
金額のうち、若干の
繰り越しを生じておるわけでございまして、この点は憲法第八十五条に明らかに定められております
通りに、国費の
支出は事前に
国会の
議決を経なければならぬという根本的な
制度に対しまして、
予備費支出は大きな
一つの例外であるという事実にかんがみまして、その
使用の
決定に当りましてきわめて慎重でなければならぬという御
趣旨は、全く私
どももその
通りに心得ておるわけでございます。ただ御
承知の
通り予備費は
予算外に生じました、
支出でございまして、しかもきわめて緊急に
処理をいたさなければならぬという
性質を持っておるのであります。そこで私
どもこの
決定に当りまして、当面する
二つの
要請があるわけでございまして、
一つは
早期に
支出を
決定しなければならぬという点であると同時に、
先ほど申し上げましたように本
制度の
根本趣旨にかんがみましてきわめて慎重でなければならぬ、この両面の要求に対しまして、常に最善を尽して参るのでございますが、たまたまかような
繰り越しを生じておることは御
指摘の
通りでございまして、この点はまことに遺憾に存ずるのでございます。ただこれらの点につきましては、毎
国会におきまして
決算委員会等におきまして御注意もございますし、私
ども本来十分その点は研究、
工夫をこらして参るべきものと心得ておりまするので、だんだんと
改善を見ておるというふうにも考えておるのでございます。しかしながら、ただいま御
指摘の御
趣旨を体しまして、今後におきましてはこの
予備費使用決定の各ケースにつきまして、
関係各
官省庁とも一そう緊密に連絡をとり、第一線の
現実の
事態をもできるだけ把握をいたしまして、その
使用の
決定に当りましては
十分実情に沿い、なお本
制度の
根本趣旨は逸脱いたさないように十分心得て参りたいと存ずるのでございます。御
指摘の点につきましては上司にも十分連絡いたしまして、今後一そう戒心をいたして参りたいと存じます。