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説明員(
上村照昌君) 二十八
年度の
検査報告で
厚生省関係を掲記いたしましたのは、
補助金等の
経理に関するものが五十八件ございまして、そのほかに
保険給付の不適正なもの、
架空経理、犯罪の作合わせて六十二件になっております。
補助金等に関しますもののうち結核、性病及び
法定伝染病等予防事業に対する
国庫補助金に関しますものが二十九件ございまして、これらは
国庫補助の
精算に当りまして、
事業に伴う収入を差し引く場合に、その
措置がとられておられなかったり、あるいは
補助の対象とならない
経費が含んでおるような
事態から起っておるものでございます。
次に八百九十七号から九百十八号まででございますが、
国民健康保険事業に対する
国庫補助でございます。このうち
助成交付金、
振興奨励交付金、
再建整備資金貸付金等は、いずれも交付します場合に、まず該当するかしないかという条件がきまるのでありまして、さらに条件に該当します場合に、幾らほど交付できるかという算出形式がございまして、それに基きまして交付されたものでございますが、その基礎になっておる事実に間違いがありましたために、超過交付になったもの、及び施設等の
補助金で、設備をしていないのに、しておるというふうに
精算書を作って出ておったために、
補助額を返納する
事態が起っておる案件でございます。
〔
委員長退席、理事青柳秀夫君着
席〕
なお、このうちで八百九十七号、八百九十九号、九百十二号、九百十三号につきまして検査院で調べました返納額と、
厚生省の方のお出しになっております
説明書との金額にくい違いがございます。具体的に申し上げますと、
厚生省の方が少くなっておるわけでございますが、その点につきましては、検査いたしまして
検査報告を出したのちにおきまして、
厚生省で調べられまして、新たな事実に基きまして
厚生省でお出しになっておる金額で間違いないということを確認しておりまするが、この点
一つ御了承願いたいと思います。
次は、水道
事業でございます。これは九百十九号から九百二十五号まででございまして、そのうち上水道施設災害復旧
事業補助金につきましては、その
精算に当りまして過
年度において施行済みの工事を基本額に入れたり、あるいは被害がないのに
補助金が交付されたというような
事態が返納を要するものでございまして、次の簡易水道九百二十四、九百二十五でございますが、簡易水道災害復旧
事業補助金につきましては、
事業を中止された等のために返納を要する
事態になっているものでございます。なお、簡易水道災害復旧
事業補助金は、御
承知のように
昭和二十八年法律第二百十六号に基きまする
補助金でございまして、簡易水道が水害によりまして被害を受けた場合に、その施設等が復旧困難でありまして、公衆
衛生上支障がある場合に交付するものでございますが、実際これを交付しておられるものにつきましてみますると、水質の汚染という
事態に対して交付されておるものが相当あるわけでございますが、これらの分につきましては、百四十七ページに記載してございますが、五十九件のものにつきましては汚染しておるということはその後明らかではございますが、災害と因果関係があるかどうかという点が必ずしも明確になっておりません。と申しますのは、施設その他はもちろん被害があるわけではございませんで、水質の汚染でございまして、ものによりましては災害前に水質を
調査されるということも、これはなかなか困難で、実際問題の扱いはなかなか困難とは思うのでありますが、中を見てみますと、汚水等の入るような川からすでに飲料水をとっておったような
事態で、前とあとと災害関係でどういうふうにかわったかという点について、はなはだ疑問のある事能が、ここに記載しておりますように五十九件に上っておるわけでございまして、これらにつきましては、これが特殊立法ではございますが、今後かような
事態につきましては、十分その点について
配慮をして、便乗等の
事態の起らないようにやっていくべきではないか、かように考える次第でございます。
なお、
補助金等につきまして百三十六ページのところに書いてございますが、生活保護が御
承知のように保護費関係が相当厖大な
経費に上っておりまして、これを検査院として検査するということは相当
実情困難ではございますが、生活保護を適正にすると同時に、不必要な保護給付等につきましては、これを取りやめ、
経費を有効的に使う必要があるのではないかという考え方から、一部
調査いたしました結果、生活保護をいたします場合に、医療給付等におきまして保護を受ける当人の収入等は十分これを考慮した上で決定することになっておりますが、その考慮が必ずしも十分でなかった
事態、あるいは、看護婦がつき添います場合に、一人で数人につき添っているという
事態に対しまして、そのつき添った一人に数人分の看護料が支払われておるというような
事態もございまして、生活保護費の適正及び必要な生活保護を十分やっていくというために、かようなものについての
監督を十分やっていくというような面について考慮する必要があるのではなかろうか、かように考えているわけでございます。
次は九百二十六号の
保険給付でございますが、先ほどから
お話がございましたように、
厚生保険特別会計が
赤字のような
事態でございますので、果して
保険給付が適正に行われているかどうかという点について抜き検査をいたしたわけでございまして、検査をいたしましたものは受給者が七千二百十四名についていたしました結果、百一件、不正受給といたしましては八百十八万余円になっているわけでございます。これでごらんになればおわかりになりますように、一番大きい不正受給の原因は、
事業主との使用関係がないのに療養の給付をしたもの、これが八百余万円のうち五百八十余万円に上っているのであります。これらに対しましては受給者の資格を十分検討することが最も肝要であろうかと思います。この点につきましては、健康保険法等の改正もございまして十分やることにはなっているわけでございますが、現在の
厚生保険特別会計の現状にかんがみまして、十分にこの点に留意される必要があるのではなかろうかと、かように考えているわけでございます。
次は九百二十七号、国立旭川病院の
架空経理でございます。これは石炭代の名義で出しました金のうち七百九十八万余円を諸会議費、接待費、専門医を招聘する
経費等に使用されている
事態でございます。これにつきましてはまず考えなければならぬと思いますのは、石炭代が余って
架空経理が起ったという
事態から考えまして、
予算の適正配付ということをまず考えるべきではなかろうかということと、それから使われました
経費の内容を見てみますと、会議費、交際費等も相当ございますが、これらについては
予算の許す範囲にとどむべきでありまして、またその他病院としてはやむを得ざる
経費と思われる面もございますので、こういう点については十分留意して、他の
経費で節約できるものはもちろんその面で考慮し、どうしてもいかないものにつきましては
予算配付をする際等におきまして相当考慮して、架空の
経理をなされないようにすることが望ましいのではないかと、かように考えております。
次は九百二十八、九百二十九の
不正行為でございますが、この点については書いてある
通りでありまして、特に補足して
説明する点はないと思います。