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1955-07-31 第22回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月三十一日(日曜日)    午後一時三十八分開会     —————————————  出席者は左の通り。    理事            松岡 平市君            矢嶋 三義君            天田 勝正君            三浦 義男君    委員            雨森 常夫君            伊能繁次郎君            剱木 亨弘君            榊原  亨君            高橋  衛者            横川 信夫君            横山 フク君            赤木 正雄君            上林 忠次君            小林 武治君            森田 義衛君            阿具根 登君            大倉 精一君            藤田  進君            戸叶  武君            山下 義信君            菊田 七平君            鈴木  一君    委員外議員   千葉  信君     —————————————    議     長 河井 彌八君     —————————————   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡辺  猛君   法制局側    法 制 局 長 奥野 健一君     —————————————   本日の会議に付した案件委員長砧一驚見舞の件 ○矢嶋三義君の列国議会同盟会議への  出席を差しとめることを議長に要求  することの動議     —————————————
  2. 松岡平市

    理事松岡平市君) ただいまより議院運営委員会開会いたします。  昨日閉会になりました幾日、突如本委員会を開きましたのは、実は先ほど委員長理事打合会でも申し上げましたが、昨日おそくなりまして、郡委員長負傷がはなはだしい、控室で私に、今後の委員会運営が困難だと思うから、理事である松岡運営をまかしたい、代理さしたい。こういう申し出がございましたので、直ちにその手続を踏むことにいたしました。委員長負傷がかなり重態であるというようなことでありまして、いろいろな事態からこのことは相当重大なことである、これの善後措置あるいは将来のかような事態の防止というようなことをすみやかに、当委員会に起った事柄でありますので、各委員にお集りを願って御相談を申し上げるということは、緊急ぜひしなければならぬことであろうと私判断いたしましたので、突如本日の委員会を開くように手配をいたしました。  本日もっぱらこの問題につきまして各委員のいろいろな御意見を吐露していただきまして、こういう事態についてのまあお互い気持、将来かような事態が繰り返されないためには、どういうことを講ずべきかというふうな点、各般にわたって、御論議を願えれば幸いだと思います。
  3. 阿具根登

    ○阿具根登君 私は委員長のこの意見をお聞きして、それに対する考え方をまとめて行くということになれば、原因をまず探求して行かなければならない、こういうことになって来ると思うのです。そうすれば、まず内閣委員会運営のあり方は正常であったかどうかというようなことになって参りますならば、この委員会では遺憾ながら私はそういうことは論議することはできない。事実その場におった人はおったにしろ、私はなかなかできない。結果から見れば、まことに遺憾なことであった、そういうことは言えると思いますけれども、ただそれのみをとって、それで詮議をされるというならば、そのよって起った原因をまず探求しなければならない。なぜかなれば、ここでそういうことになったということは、その原因がもとでそういうことになったと思う。その点について、どういうふうに委員長はお考えになるか。
  4. 松岡平市

    理事松岡平市君) お答えいたします。  他の委員会のことについて調査その他が必要であれば、また適当に皆様方にお諮りいたしまして、さような措置を講ずる必要がある場合には講ずることにいたしますが、ともかく本委員会でやり縛る範囲のことはあると思います。特にこの委員会委員長委員会議事運営に当って重大な負傷をして、ただいま入院しておるという事態が起きておるのでありまして、私は原因その他の探求についても、いろいろ論議がございましょうが、そのほかにも、こういう事態について、どうしておくべきか、本委員会は、委員長に対してこれはお互い委員会運営について一半の責任を負う者ばかりであります。こういうものが、このままほおっておいていいものかどうかというようなこともありましょうし、私はただいま阿具根君の言われたような事柄だけで、本委員会を開くことはできないとは考えておりません。
  5. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 私は本日の議運におきまして昨日の問題についていろいろ委員長お話しをするためにこの議運を御招集になったと思います。  つきましては、今委員長が中されましたように、昨日の議運におきまして郡委員長委員長としての職務を遂行し、委員会開会中におきまして、身体に傷害を受けるような不祥事が起ったのでございまして、われわれ議運委員の一員といたしましては、この際やはり議運委員会として委員長に対しまして、ある程度の儀礼をもって、それに、あるいはその方法等はここで御相談すればいいと思いますが、少くとも議運代表者なり、それは委員長に対してお見舞なりのことは、当然あってしかるべきだと思いますので、その点につきまして皆さんとお諮りを願いたいと思います。
  6. 藤田進

    藤田進君 その点についてですが、私は率直に申し上げて、どうも昨日担架で出られるというようなことの、その間のつながりが、実に疑いを持っているのですよ、私は。信じられないのですよ。今の新聞発表肋骨軟性が折れたとか。なぜならば、長い間みんなあそこで郡氏自身が大きな声で笑いもし、またたまには怒って怒語を発し、そうしてこんな、ここへ傷を負わしたと言っても、それが事実誇張されていた、確かに。ところが、奥の、中のことは見えないからではあるけれども、大きな声で笑いもし、あるいはまた大きな声でどなったりして、みんな実に何というか、冗談話も出たりして、あの二十分ですかねあそこで、何ともなかった。また、本人がどうもからだの調子が悪いからということであの議長部屋を出られたのじゃないのですよ。本人は知らないのに、自由党が呼びに来られて、相談があるからちょつと帰ってもらいたいということで、押し分けるようにして帰られた。今度担架に乗って出て来た。けさ新聞を居ると、骨がどうなっておるというようなことで、これはかって衆議院では確かに各党とも何かすると騒いだというようなことで、派手にアピールして物事をやった前例があるだけに、どうも今度の場合さような重態のようなことが前後の事情から私には信じられないのですね。それだけを申し上げておきたい。
  7. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は、今のお話は非常に残念に思うんです。われわれ参議院議員は、計画的にそういうことを誇張しようと思うような人はおそらくないと思います。実は私はけさ病院に行きました。これは捨てておくことはできん。というのは、きのう私は廊下からして郡委員長担架で自動車に乗られるところを見た。非常に驚いた。それで私はけさ行きました。行きまして、左の肋骨軟骨が二つ非常にひびが入っておるということを聞きまして、そういう事実が私にははっきりしています。またかりにも、ここから見ていまして、そこに郡君ずいぶんがんばってこうしておりました。いかにも元気よくしておりました。しかし、自分控室に帰られて痛みが増すということはありましょうし、少くともこの現場の情状を見て、これは作為的にああいうふうな形をとられたというふうな疑いを持つことを私は遺憾に思うんです。
  8. 藤田進

    藤田進君 それは遺憾に思われても、あなたがお医者さんでレソトゲンを見られたかどうかわかりませんが、私は見ていないので、私の感想を率直に申し上げると、きのうの事情からあまりに移り変りが激しいテンポにあったために、実に元気にあれだったのが担架で出られるというので、どうも過去衆議院ではいろいろなことがあったものだから、よく誇張視されておるというようなことがあったものだから……。
  9. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 今の藤田さんのお言葉を返すようですが、実は私議長委員長議長室へはいられて、いろいろな方がはいって来られるうち、自由党では私が一番先にはいった。菊川氏ども話をかわしましたし、吉田法晴氏とも私はちょっと議論をいたしました。皆さんが大ぜいでここの会議の跡始末について委員長に迫っておった。委員長ただ一人で、議長そばごらんになっておられたからおわかりだ。ただ一人で大きな声で皆さんからやられておるのでは、委員長とてもたまらんと思うので、私は委員長に、呼んで来るからと言って自由党に帰って、松岡委員長初め皆さんが来て、あの処理は円満にしないと委員長に済まないということで帰って、数名の者が来、さらにあのままにおいてはいけないというので、自由党委員長を引き取ったのでありまして、あのままの状態で、これは私は別にここで議論するわけではありませんが、十数名の方々が来て委員長を責めておるあの格好では、委員長としては我慢をして大きな声を皆さんの大きな声に受け答えするためにせざるを得ない。しかもそのまま取り巻かれていたのでは、苦しい状態におるので、私は同僚を呼びに行き、さらに引き取ったようなことをしたわけです。従ってその間の事情については私は一番よく知っておる。(「事実認識がまるきりでっち上げですよ、そんなことを言うならば」と呼ぶ者あり)
  10. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただいま藤田委員から発言がございましたが、それは藤田委員がそういう感じがされたということであって、私も議長部屋にはずっとおくれて参りました。確かに一部わが党の委員伊能委員言葉をかわしておるのを見ましたが、私は郡委員長にきわめて穏かに両者で話し合いしたわけで、そのときの感じから、そういう感じを持ったというだけで、先ほど具根委員が言われたように、この事態にくるところの原因経過、そういうものは検討すればどういうわけで、こういう原因経過をたどって、こうなったかということが明瞭になるでしょうが、ともかく結果として参議院の終幕がああいう形になったことについては遺憾であった、そうして、藤田委員はそういう感じがしたというだけで実際におけがをなさったとすれば、その委員長については、結果として非常にお気の毒だったということを、そういう気持を持っておるということには狂いがないわけですから、その点誤解されないようにお願いいたしたいと思います。
  11. 横山フク

    横山フク君 ここに専門家榊原先生がいらっしゃるところでございますし、また私は郡委員長を今日お見舞に上っておりませんので、ここで言うことは大変恐縮でございますけれども、打撲傷あるいは外傷といったものは、そのとき直ぐに痛みあるいは症状が出るものではございません。大ていそれから時間を経過いたしまして翌日とか、二時間、三時間をたつに従ってその症状が出てくるものでございます。  私の一つの例を申し上げて恐縮でございますが、私が自転車に乗りましてハンドルを何か電信柱にぶつけて、そうして倒れた。そうして私が起き上ってうちへ帰って参りましておふろへ入りましたところが、夜中からだんだん痛み出して、翌る日は熱が出てきて、非常に苦しんでお、医者さんを呼びました。ところがひざの上の膝蓋骨にひびが入ったということでございまして、それから二日、三日苦しみ通したのでございます。両方の肩を手に取られながら自分の用を達したような形でございまして、その日は、自分で元気に自転車に乗ってうちへ帰って、おふろに入り、何ら支障がなかった。外傷というものは、決してそのとき直ぐに出るものではございませんで、時間がたつに従って出るわけでございます。  でございますので、藤田さんが一応御疑念をお持ちになるのも私はごもっともと存じますが、こちらの議長室あるいはその他では、元気でいらしたかもしれません。そうして自分たちの方の部屋へいらして、そのときにも元気に皆に報告にいらっしゃいました。そうしてあとの奥の部屋へいらっしゃいまして少したちましてから、だんだん苦しくなったとおっしゃったのでございます。でございますので、その場所を御覧にならずに、あるいは外傷等に対してそういう経験をお持ちにならぬ方は、あるいはそういう疑いをお持ちになるかもしれませんけれども、そういうこともあるということは御了承になっていただいて、そうして信じられない、あるいはうそじゃないかというようなお言葉は、やはり私は残念に思うわけでございます。
  12. 藤田進

    藤田進君 それは一々お名前を申し上げませんが、私もけさ、こちらへ来て新聞を見て、心配を持ったわけです。速記がついているので誰がどうと申し上げませんが、大したことはないということなんで、私もそうか、それはよかったと思っていた。  ところが今ここへ来て重態だということをおっしゃるから、私はどうも信じられない節があるから。それは、大したことじゃないとおっしゃるのにも、程度はありましょうけれども、どうも私は言集を返すようですが、そんな重態かどうか、どうも確信持てないのです。
  13. 阿具根登

    ○阿具根登君 この問題は、これは専門家方々もおられるし、それを私は否定するわけじゃございませんけれども、皆さんごらんになっておりました。私も議長の直ぐうしろにおりましたが、なぐったりけったりしたことは私はないと思う。衛視の方が押されて、ひっくり返った。私もまたその下になった、そういうこともあるいはある場合もありましょう。しかし私が考えるのは、その負傷とか何とかそんなことは専門家方々の前で、きずも見ておらぬ私が言うわけにはいかぬけれども、私はそういうきずをどうして受けられたか、私はわからぬ。私もそばにおったんだから。皆さん御存じのように、そういうなぐったりけったりということはなかったと思う。しかしそれは告訴もされておることだし、裁判所に出ている。おそらくまたそういうしかるべき所で出てくるでありましょうから……。  それで藤田君も言われたように、まあこの委員会において委員長職務が勤まらぬようになったから、見舞でもしなければいけないということは私はわかります。しかしそれを甲乙、何だといって、反駁してここでやるというならば、よってきた原因を調べねばできない。それだから具体的には皆さんはもうすでに手続をとっておられるということをはっきり言っておられるのです。そうするとその問題は、もう伏せておいていただいて、議院運営委員会というものは非常に混乱になってきたのは何ゆえにか、将来起さないためにはどうすればいいかということを委員長考えてやっておられるだろうと私は思うのです。そうするならばまず内閣委員会ではなぜああなったか、なぜここではこうなったか、委員長はあそこにすわって一方的に押し切っておるのは誰も知っておられるはずです。ここで知らぬと言ったら、それは詭弁です。矢嶋さんが手をあげたのは一番早くあがっておる。なぜみんなが押しかけたか、こういう問題は、私はお互いに反省するところがたくさんあると思う。しかし私はここではそういう問題は今のところはまだ出ないのではないかと思うのですがね。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ほどから問題になっています郡委員長の病状に対する見舞の件でございます。私はまず第一にこれを考えておりました。しかし先ほど藤田さんにもああいう言葉がありました。それに対する別にお考えはありましょう。しかし私は少くともこの参議院議員運営しておる入が、かりにどうあろうとも、現在病院に入院して、しかもお医者さんの診断書まで恐らく出るでしょう。そういう方があるのです。何らその処置論議しないでいることは、非常にこれは困ったことだ、のみならず第一にそれはどういうふうにしたらいいかということを政党のいかんにかかわらず私は考えるべきことだと思います。
  15. 榊原亨

    榊原亨君 私はまあ、私の考えを申し述べさせていただくんでありますが、一応郡委員長自由党部屋へお帰りになりましてから、いろいろお話しになっておられますと非常に胸苦しいということを言われたのであります。そこで郡委員長は、御承知の通り幾らか心臓がお悪い方でありますから、私前から見ておりますから、それでは一つ心臓が悪いのじゃないかということで見てみますというと、この診断書にありますように右の第二、第三の肋骨のところに痛みがありまするし、深呼吸いたしますと息がとまるというようなことがありますので、これはひょっとしたら折れたかもしれんというようなことで川瀬院長にそれを送ったわけであります。従いましてそういうものはどうして起るかということを、ここでそういうことを述べるということはまだあとから問題になりましたら申し上げますが、それが重態であるか重態でないかということは生命に危険があるとか何とかいうことほございませんけれども、一応安静にしなければならん、その意味において、動いてはならんということは医学上のことであります。  従いましてそれがどういう原因で起ったかどうかということはこれは別問題でありますが、少くともここで郡委員長がこの議事運営をやっておられた際に、そういう突発事故が遡ったのでありますから、従いましてその原因がどうあろうとも、一応ここでお見舞をするということは、これはもう当然のことではないかと私は思うのであります。従いまして、それからあと原因がどうだとか、その原因は表へ出ればどうだとかいうことは、第二次的にこれはやるべきものでありまして、一応ここに現実的の面において、郡委員長がそういうふうな負傷をしておられるということでありますれば、この議運といたしましては当然お見舞をするということについては、別に異議がないのじゃないかと私は考えております。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  16. 阿具根登

    ○阿具根登君 見舞の点は、榊原委員がおっしゃるのに私は賛成いたします。  しかし私はなぜかというならば、たとえば私みたいに気の弱い人間は、ここで松岡さんから叱られたら、心臓がどきどきしてあるいは勤まらぬことになるかもしれない。あるいはこれをこういう会議の中に、どの委員会でも、会期末になれば相当激論がされておる。そういうときにあるいは心臓の悪い人は倒れるかもしれないし、この暑いのに病気になって倒れるかもしれん。それによっても、やはり委員会としては委員をやっておるときに病気になって倒れたんだといった場合には見舞に行こうといえば、それは私は行くのは何もかまわない。それならけがをしたとか、何とか、それが重病人であるからと、私はさっき言ったように重病だと私は医者じゃないから、それは言い切れない。しかし私はおったのだから、そばに。だからそんなことは、皆さんも知っておられると思うのだ、そんなことはあり得ないと私は思っている。
  17. 藤田進

    藤田進君 それじゃこうしたらどうです。たってのあれでありますから、これが定足数を持った成規議運議決をしなければならぬ、そういう性格のものではない。これはまれなことだと思う。これはこういう案件については、理事会等できょうもおやりになったはずですが、何もまとまっていないとかなんとかいうことで、いきなりこんな従来ないような委員会のやり方ですが、これはまあ一つ方法でしょうからいいですが、理事会等でお話し合いになって、そしてどうするかをおきめ頂けばけっこうだと思う。  ここで議決をするというようなこと自体が私はどうもその意味がよく納得いかないです。
  18. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 今の藤田君の御意見もっともだと思うのです。それでまあ一応ここで委員長からこの問題をどう処理するかという問題が起りましたので、私としては一つの提案をしましたけれども、その具体的方法等につきましては、一つ理事会においてお諮り願いたいと思います。
  19. 小林武治

    小林武治君 先ほどからのお話がありますが、郡委員長がここの小ぜり合いで負傷した、あるいはけがをしたということは、これはまぎれもない事実であります。あなた方はそばにおってわからないと言いますが、私はこちらで見ていれば、郡委員長は相当こずき回されたと申しますか、相当突かれたり押されたりしておったことは事実であって、私はああいう、いわば暴力でないとするならば、実力と申しますか、腕力と申しますか、そういうものによってああいう負傷が出たということは、まぎれもない事実であります。従いまして私はかような事実については委員会としては大いに反省もし、また委員会として郡君をお見舞することをきめても一向差しつかえないと、こういうふうに私は思うのであります。皆さんそばにおられたかもしれませんが、私はこっちではっきり見ておった。議長にしても郡君にしても、相当もまれて、手を引かれあるいは肩を押えられ、こずかれておったことは事実であります。このことはどうしてもこの際はつきり申し上げておかなければならないと思います。  従ってこれは委員会においてはっきりとして何らかお見舞するということを協議されるのは当然なことだと思います。
  20. 鈴木一

    鈴木一君 私も見舞をするということについては異議がございません。従って理事会なり、相談をして、適当な措置をとってもらいたいと思います。それからまたあの事態に対する善後措置でありますけれども、多少の冷却期間をおいて、そして各党の本当の立場と申しますか、そういうところで大所高所から多少の冷却期間をおいたあとで、今後こういうことがないようなふうに、十分一つ御協議を願って、今後の問題には対処してもらいたい。今ここで十二時間たったかたたないかというような、こういうようなときにやっても、結局今、阿具根さんからも出たように、ああいう事態になった原因、結果まで調べなきゃならないというようなことになります。これはそういうことをやってみたところで、きようでとても結論が出るわけじゃないと思いますので、善後措置については多少の冷却期間をおいて各党代表の間に、十分一つ練ってもらいたい。  私はこういうふうに思います。
  21. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 お見舞の件については、一応提案された剱木委員、それからただいまの鈴木委員が言明された通り委員長理事懇談会としてするかしないか、するならばどういう形でするかということを具体的に話し合われることを賛成いたします。  従って本件についての問題はこの程度にして頂きたいと、かように考えます。
  22. 松岡平市

    理事松岡平市君) 郡委員長負傷に対するいろいろの論議がございましたが、ここに事務局に出ております診断書を一応御参考のために各位にお伝えしておきます。  一つ参議院医務室医師新城猪佐雄君から出ております。読みます。   一、右前胸部上部中等度発赤腫脹を認め、圧痛著明にして、同部の肋骨骨軟骨部骨折疑いあり。   二、右側肘関節部中等度発赤腫脹、及び約六糎の擦過創あり、皮下出血認む。   三、左側肘関節部に約八糎の擦禍創あり。   依って、右の症状により、外科専門医診断処置を必要と認め送院す。  こういうものが出ております。  それからもう一つは、東京都港区芝西久保明舟町二十三番地、川瀬外科病院医師川瀬潔君の診断書。    病名   一、右側第一、第二肋骨骨軟骨裂創骨折   二、右側肘関節内側軟部打撲皮膚擦過傷   三、左側肘関節内側皮膚擦過傷   四、左手背皮膚擦過傷   右骨折部完全治癒には約参ヶ月を要すると認む  こういう診断書が出ておりますから参考のためお耳に達しておきます。  この結論郡委員長に対して見舞をすることについては異議ない。その見舞方法等については、理事会において適宜各会派へ相談するように、かようにお話し合いになったものと理解いたしまして、委員長代理におきまして適宜処驚いたすことにいたしたいと思います。さよう御了承願います。
  23. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 私はこの際、少し昨日の問題につきまして、議長に質問いたしておきたいと思いますが、実は私どもとしましては、この前の警察法の問題のときから、また今回を通じまして、国会がああいう混乱に陥りまして不正常な状態において議会が運営されるということをきわめて遺憾に存ずるものでございます。またこのことは同時に国民全体に対しまして、議会に対する信用について非常に悪影響を及ぼすものと思いまして、議会の議員のわれわれとしましては、みなひとしくこれは自戒いたしまして正常なる運営を行うべきものと私は思う。そして十分頃しまなければならぬ、この点は私ども心からそう思います。  ただ警察法の問題のときにおきまして、御承知のようにわれわれの党は議長の振鈴と同時に、議場内に入りまして、数時間開会を待ったのでございます。しかるに議長はついに議場に臨むことができませんで、議場外から、いわゆる散会をするという異例な状態を行われたのでございます。また今回におきましても、議長室におきまして、あの多数の方が議長室に行かれて、おそらく議長は、事実上、国会を再開する御手段がとれなかったと思うのでございますけれども、しかしこのことは、実力によって国会の運営を左右するということは、私どもはあくまでこれを防止しなければならぬと同時に、また議会の権威のためには、あくまで議長におかれましては、たくさんのそのために衛視も、いわゆる警備も持っておるので、私はあくまで議会の権威のために議長といたしましては、あの際適当な処置をとられるべきであったと私は考えます。特に昨日は休憩中でございます。休憩のそのままにおきまして会議が終了するということは、これはあくまで避くべきもので、少くとも十二時近くになったら振鈴を押して、そうして、そういう意味において閉会の宣告だけでもするということが、私は国会の運営上望ましいことである。そ、れもまたできずして、国会が閉会になったのです。うやむやに終ってしまうという状況は、これは国会の名誉に対して私は避けたいと思うのでございます。で、昨日の状況を見ましたときに、私どもはいろいろの点について疑問がございました。たとえば、郡委員長が採決をされました。採決をされて、私どもは一応これに賛成いたしました。一応私どもは採決は成り立ったと考えたのでございますけれども、これはおそらく議長におかれましては、その採決は非常に完全な採決ではないとお認めになったかもしれません。しかし私はああいう、重要案件であるとお認めになる場合においては、議長職権においてその開会をすることは可能であると思います。特にまた、私どもとしましては、懲罰動議を出したのでございます。私は、事務局に十分前に持参いたしました。私のところの事務員が持って参ったのでございますが、不幸にして途中時間を要しまして、議長のところに届いたのがおそらく三分くらい前だったかと思います。事実、それに対して振鈴を押されて、本会議を開かれたとしましても、この議案の審議はできなかったと思いますけれども、しかし、少くとも閉会の場合における振鈴ぐらいは押してよかったと思いますのに、その閉会の振鈴も遂に押されなかったのでございます。この点私ども非常に遺憾に存じますけれども、しかし、実力行使というものに対しては私どもがあくまでこれはやはり議会の権威のためにこれを遂行するだけの熱意と、それから自分の職責に対してそれだけの責任感というものは私は必要じゃないかと思うのでございます。  そういう意味合いにおきまして、議長のとられました処置に対して、今さら私どもはとやかくどうということを申し上げるのではございませんけれども、ただ議長のお考えといたしまして、ああいう場合において、私は振鈴を少くとも押すべきであったと考えるのですけれども、この点について議長のお考えを一言お話を願いたいと思います。
  24. 河井彌八

    議長(河井彌八君) 昨日の議院運営委員会の、あの室内における実情というものは、これは参議院始まって以来の大醜態であったと考えます。  それで、実は私は委員長の隣にすわっておりましたが、委員長開会を宣して、それから多分継続審議の件をお諮りするということを言われたと思うのでありますが、その言葉すらも聞かれないほど騒擾をしたのであります。ここの側におられる諸君が直ちに、これは私から申しますれば非常な混乱をされたというようなことであります。はなはだ遺憾に存じます。そこで私は、自分考え方といたしましては、いたずらに時が経過するのをそのまま置いて、議場の再開をしないということは最もよろしくないことだと、剱木君の言われるように考えます。しかしながら、私といたしましては、少くとも小委員会を開いて、そして再開の目的を明らかにするということが必要であったというふうに考えております。ところが、それはすなわち議場の再開の前の必要な手続であって、その手続をとるということが、どうしても必要であるというふうに私は考えておりました。従いまして、だんだん時が過ぎまして、最後に今剱木君がおっしゃるように懲罰の動議というようなものが出て参りました。ところが、これが何分前でありましたか、もう十二時直前でありましたので、遂に開会するという形だけにおいてでもそれを開くことができなかったということを私は非常に相済まぬことだと、かように考えております。  率直に申し上げまして、大体さようなお答えをするよりほかないということなんでございます。
  25. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 その問題につきましては、私どもも将来の議会の運営につきまして、いろいろやはり考えさせられる点が多いかと思いますが、しかし過去のことについてとやかく言うつもりはございません。ただ一つだけ、もう一つ承わりたいと思いますのは、実はこれはほかの新聞を探しましたけれどもあまり載っていない。それからああいう混乱の際でございましたから、これは議長がおっしゃったのではなかろうと私ども思いますし、また新聞社の方も聞き違いもあったかと思いますので、これは私とやかく申し上げるつもりでお尋ねしておるものではございませんけれでも、この記事だけにつきましては、私ども今朝拝見しまして非常に実は憤激したのでございます。そのことは、議長の談といたしまして、本日の毎日新聞の朝刊でございますが、乱闘で負傷者まで出したが、国会の運営はどうあるべきかについてみな冷静に反省すべきであるという言葉がございました。そこで、この乱闘という言葉をお使いになったのであるかどうか。私どもは乱闘ということは、ある実力行為が行われて、それに抵抗した行為が行われて、両者の間においで戦いが行われたという形が乱闘であると思います。この前の警察法の問題につきましても、私どもは全くこれは隠忍自重しまして、議場にじっと待期いたしました。それから今回の問題でも、私もこの席におりましたけれども、松岡君も私も席を立っておりません。これは事実私の方におきまして、一人としてでも、あの実力行使に対抗した人はないと断言します。  その際におきまして、私は場合によりましては、いわゆる衆力行為に対しては応当防衛が成り立つと思います。しかし、昨日の郡君の態度だって正当防衛行為もやっておりません。これを乱闘という言葉で言われることは非常に残念でございます。おそらく、これは議長は、そういうことを言われたのでないと私は確信いたします。この点については、議長一つはっきりおっしゃっていただきたいと思います。
  26. 河井彌八

    議長(河井彌八君) 重ねての御質問でありますが、乱闘という言葉を用いたかどうか、私はそういうことは記憶がないというと逃げ口一上になってはいやですが、そんな気持は一切ないのであります。今お話し通り、これは私はある意味においては暴力、実力的行為が一方に起ったのだと思っているんです。しかしながら、それに対して、今剱木さんが言われるがごとく、他の議員の方がそれに対抗してやはり実力行為をやったとは私は考えておりません。従いまして、どうも一乱闘という言葉を言ったかどうかしりませんが、少くとも自分考えにおきましては、もっと言えば、この委員会内の一種の言葉はこれまたおとがめになるかしれませんが、騒擾のごとき事件が起った、乱秩の事件が起ったという意味でありまして、お互いになぐり合いをやったとかなんとかそういう意味でないことは、これは申すまでもないのであります。  従いましてそういうことを言ったかどうかということについては何とも申しかねますけれども、これだけの事実を、考え方をはっきり申しておきます。
  27. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 私は、議長のこのことをおとがめするという意味はございません。ただ新聞等におきまして、毎日でも「乱闘・郡委員長負傷す」とあります。こういう書き方からいたしますと、郡委員長が乱闘の中に入って抵抗して、そうして負傷したというふうにこの記事からいえば見えるのです。これは私は国民の中でもいわゆる第三者から見れば、そういうふうに考えるに違いないと思う。私どもはこれは誤まって、今後絶無とは申せません。たくさん議員がおりますから、わが党におきましても、あるいはそういうことが絶対ないとは保証できませんけれども、しかし私ども党内におきまして、少くともわれわれとしましては、国会に乱闘とかいわゆる暴力とか、実力行使というものは避ける、これは私どもの自粛目標でございます。そしてしかも今回の問題につきましてわれわれもまた乱闘で、しかも郡委員長があそこまで平然として、それで自若として、私は無抵抗にあれを受けられたと思います。はっきりここで見ておりました。それで何らの手出しということをやっておらぬわけであります。それはこの「乱闘・郡委員長負傷す」という言葉があることによって、これは非常に私どもは郡委員長に対しては相済まぬと思う。国会に対しては相済まぬと思う。  そこで私どもはいやしくもこの参議院の権威であられます議長におかれましては、今後そういうことを、言われるはずがないと思いますけれども、その点は一つ、十分御留意いただきますようにお願いいたします。  議長に対する質問は私これで終りたいと思います。
  28. 河井彌八

    議長(河井彌八君) 重ねての御発言でありますが、剱木君のおっしゃる通り自分考えております。  それは、実は私は郡委員長の隣にすわっておったのであります。従いまして郡委員長が正当防衛とか、ということであってすらも、そういうことすらもしなかったという事実を、私はそれが事実であると、こういうふうに考えております。従いまして今の乱闘という言葉が出ましたのは、それはどうも自分の責任であるかどうかしりませんけれども、はなはだ遺憾に存じます。  事実の真相は、剱木さんのお述べになりました通り、しこうして私もその通り考えております。言葉を慎しめということならば、これはもとより慎まなければならないと思います。それだけ申し上げます。(「委員長、今不穏当な言葉があるが、これは聞き捨てならぬと思う」と呼ぶ者あり)
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この問題については、ただいま議長のとられた処理について質疑がなされたわけでありますが、私は事の次第は、やっぱり明確にしなければならぬと思って、そうして議長のとられた処理に言及いたしたいと思います。  それに私は、昨日はこのいすにすわっていたのでありますが、郡委員長は再開を宣せられた、その瞬間において、私は「委員長」と発言を求めました。これがこの問題の一つのきっかけだったと思うのです。ここで私はちょっと伺いたいことがあったわけですが、ともかくそのときに委員長は、やはり議事法からいえば、私の発言が早いのですから、案件を言わない前なんですから、だから矢嶋の発言を許して、それが発言の内容が気にくわなかったならば、お諮りになって進めてゆく方法があったと思う。委員長が発言を許さないから、委員長どうして発言を許しませんかと言った、偶然傍聴に来ていた議員も、どうして発言を許さぬかということになった、私はそこで郡委員長の平素の運営振りをよく知っている、そういうことは、郡委員長は平素なさらない方なんです。国会末期になって、いつもありがちな、それぞれの政党会派の対立という空気が出てくるときに、この段階で、これでは平素の郡委員長としては困るというので、私は即刻ここで、こういう運営では困るというので、委員長不信任案を私は書いた。そうして右派の天田君の賛成を得て、そうして委員長の前へ出した。ここが一つの私はやはり山だと思う。  ところが一委員長はそれをちょっと見られて、そうしてごらん通りはねつけられた。そうして何べんも、そのときに二、三人、このあたりからだったのですが、何べんもこれを出して、そうしてこれをごらん下さい、これを議  事法からいって先議して下さい、こういうふうに私は言うと同時に、事務総長に対しても、これを先議すべきじゃないかということを事務総長に見せて、私は再三再四叫びました。これが  一つの山だった。  ところがそれを完全に拒否されて、そのときにもうわいわいという声で、誰が何を言っているか私ども耳に入りません。そこで委員長が採決した云々というようなことが剱木委員から御発言ございましたけれども、不明確だったとか、そんなものは、わからなかったと思うのです。そこで私は徹頭徹尾  に、これは委員長、議事法からいりて先議していだかなきやならぬということを申しました。そうしておったところが、どういうわけか自由党方々委員長を外へ連れて出られようとしたのですが、それでわれわれは閉会になったのか、休会になったのか何も承知していない。この案件委員長ぜひやっていただかにやならぬ。退場してはいかぬ、やっていただかにやならぬ。事務総長にも、そういうふうに補佐すべきである、そういうことを申しました。そうしたところが、それからしばらくして議運委員長はおられなくなって、隣の部屋に行って各委員といろいろ話された。そで第三の山がきた。  それで委員長に私見せて、これ、委員長どうしてもやらないといけませんよと言ったところが、委員長は、あのときはああいう段階では、なかなか取り上げられないからおれは取り上げなかったのだと言うから、それはしかし議事法にもとるじゃないですか、それじゃ今からでもいいから、すぐこれを委員会にもどして、ルール通りにこれから片づけていきましょうと、そういう問題が出たらば、気にくわなければ一分間で否決すればいいわけです。そういうことを言いました。それが私は第三の山だったと思う。そのときに不信任案、もどして、不信任案を処理すると、こういうルールでいけば、それは私は、議長は、本会議運営等はルールに乗るのですから問題なかったと思う。  ところが、そうしているうちにまた自由党方々が何人かいらっしゃって、党に報告だというので、その間二十分ぐらいあるわけですが、委員長自由党の方に連れていかれて、それで私はそのときにうしろから二度、声をかけました。これは自由党の問題よりも参議院議院運営委員会の問題だから、ともかく議運を再開して、そうして議事法通りこれをやりましようと言ったけれども、聞き入れられなくて、自由党控室に引き揚げられたわけです。従って、その際にルールに乗れば、議長は何か方途はあったと思いますが、それらの経過をたどって、ああいう事態になったとき、私は遺憾なことながら、議長としてはああいうきのうのような態度をとらざるを得なかったと思うのです。  もう一点申し上げたい点は、議長はさっきの発言、その何か非常に計画的に、何か騒擾を起したようにとれるような御発言でございますが、わが党の委員並びにこの付近に傍聴に来ておった議員諸君が、矢嶋の発言を許すべきだ、不信任が出たら、それを先議すべきだ、それをやらなければいけない。それでそういうふうにルールに乗せてやらにやならぬということを何回もみんな叫び、委員長、事務総長にそれを要請しました。そういうことになればあと何もそういうもみくちゃも起らなかったわけですが、それをどうも、まあ平素の委員長に似合われないわけですが、一方的に無視したところに、やれというのとやらぬというのと、ただ言い合うことで人が集まっただけで、それを計画的に意図を持って、頭をなぐったとか、あるいは足をけったとか、あるいはどこをついたとか、そういうような私どもは事態はなかったと、かように確信をいたしております。  その点だけ、議長は誤解されておるような御発言でございまするから、念のためにわれわれの所信を申し上げておきます。
  30. 河井彌八

    議長(河井彌八君) 何だか弁解がましいことを繰り返すことはいやですが、しかしながら私は諸君が、諸君と言っても、これもはっきりしなくちゃ悪いかも知れませんが、諸君と言ったかも知れません。諸君が、何か計画的にこの混乱事をやるというようなふうに考えておったかどうかということは、私にはわかりません。しかしながら、きのうのこの室内に起った現実を見ますると、委員長は、最後まで私には聞きとれなかったのです。隣におっても……。これより、何ですか、運営委員会開会しますと、それからすぐ引き続いて、それでずっとべらべら言ったのですよ。何々の件を議題にするという意味でしょう。たとえば、あれは何だ、継続審議のことを、にするということを言ったのでしょうと思います。そこへ矢嶋君が、委員長と言ったのです。(「いやそれは前だ」「間違いだ」と呼ぶ者あり)それは、それでもいい。だが、それからすぐ、どうかというと諸君は、非常にこれをやるのですよ。はなはだしければこれを持って、ばたばたやっているのですよ。そういうようなことが起ったことは、私は非常に遺憾に思ったのです。だから、私はここに立って(「それは別だ」と呼ぶ者あり)、だから僕は立って、諸腰やめなさい、そんなことを何でやるのだと、私は申しました。実際この院の秩序を保たなければならぬ議長といたしましては、そうやるはかなかったのだと考えます。  それから実は、遺憾に思うのは、私はそういうふうなことをちっとも考えていないのです。もしそれを考えているなら、私は院内の警察力というようなものを、私は持っておるのです。今剱木君も、その問題に触れたようでありますが、私は、これはそういう場合を考えれば、用意しておったはずです。私はそんなことを考えていない。全く諸君の、これはほんとうに議員としての紳士の態度に私は信頼しておった。ところがそれはそのときが早いかおそいか、とにかくこの本はだいぶ、これはけがをしていないのですが、これをずいぶんやったのです。中には、ひどい人は、これを投げつけて、人の顔に当てた事実もあります。というくらいにまでやられたということは、私は非常にいけなかったと思うのです。そして、私としては院内の、ハウスの秩序を保つことにおいて、万全でなかりしことを私は非常に申しわけない、こういうふうに考えております。それから私の室に入りましても、私はそう言ったのです。かような事態は、私はこう考える、これこそ国会の、これは最終の幕じゃないかというようなふうに私は考えました。実際そうなりはせぬかと思いました。そこで、これはだれかれを問わず、君の反省にあるのだということを私は繰り返して申しました。あそこにおられた方も反省だということを言われたのであります。これは私は大へんに同意を得たのでありまするが、おそかったということを私は今でも一残念に思っております。そういう状態、そういう私の考え方を、ここにはっきり申します。  そこで、あのエクサイトした瞬間における私の事実の認識というものは、あるいはときのズレというようなものがあったかもしれません。しかしながら全体を見まして、ああいう情ない状態というものは、私は今後、これは全く参議院からこれをなくしてもらわなければならぬ、それがすなわち反省だということを私は強く考えております。
  31. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 私はこの際、昨日の議院運営委員会における矢嶋三義君の行動は、議院運営委員会理事として、率先その品位を保ち、議事の円滑、公正な進行を援助すべき地位にあったにもかかわらず、まことに遺憾な点が多かったことは、参議院の権威と、その運営の公正を期する上に、まことに残念な事態と思いますので、私はかかる人物が参議院代表として、列国議会同盟会議出席することは不適当と認められるので、出席を差しとめることの要求を議長に提出することの動議を提出いたします。(「賛成賛成」「あなた自身がこういうことを言うから、今みたいなことをやらなければならなくなる」「おかしいよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
  32. 戸叶武

    戸叶武君 昨日の事態は、私たちが冷静に見つめて、お互いにとにかく反省しなければならないときだと思います。人をどうさばくとか、どうとかは、そのあとの問題だと思います。  私たちが、何がゆえに昨日の事態が生まれたか、議事運営に対して、われわれが反省すべき点は、どういう点にあるかということを、私たちが今お互いに話合いをしているときに、そういう議事運営のやり方を、伊能君のように強引な出し方をやっていたのでは、話合いに私はならぬと思うのです。そこにまで行く前に、もっと私たちは掘り下げて、お互いに話合わなければならぬのじゃないかと思います。  私は昨日の、多くの人たちは新聞に現われたような一つの、議長も言われましたが、あの騒ぎと思われる現象だけを追究しておられますが、いろいろの人の立場を異にしても、たとえば委員長になった人が、ああいうふうな強引な形において、自分の意思だけを押し通そうとして、委員会全体に諮ることをしないような議事運営をしたならば、そこに平静が保たれるかどうか、こういうことは、お互いに反省してみなければならないと思うのであります。  これは、私たちは、この前の不祥事件の、あの造船疑獄の際にまざまざと、衆議院においても、参議院の予算委員会においても、その情景を見たのです。青木さんのような立派な方で、予算委員会において、いつも私たちが尊敬するような議事運営をされる方が、あのときには非常に強引なやり方をして、予算委員会が騒擾のるつぼになったのです。郡さんも、青木さんに負けないような、温厚で紳士で、そうして平生はあんなような強引なやり方をする人ではないんです。今日の新聞紙上に現われているように、今回の衆議院参議院を通じての、何かこの議事処理に当って、背後に暗雲が漂うような印象が新聞にすら現われているときに、造船疑獄の背景と同じように、何か不気味なものに包まれて、強引な流れが底にひそんでいるような感じというものが、私たちはああいう空気をかもし出し、一つには、この委員会における運営において、委員長のとられた態度が、昨晩に限って郡さんともある方が、どうしてああいう強引なことをやるんだろう、あるいは郡さんじゃなくて、社会党の人が委員長になっても郡さんと同じようなことをやったならば、紳士揃いの自由党の方でも憤激すると思うんです。強引なやり方に対して憤激を覚えない人間というものはないと思うんです。そういう私は議事運営のやり方というものは、今後において、国会において、いつまでたっても私はこういう空気をかもし出す根拠だと思うのです。この際に、私たちはやはり民主的なルールによって、どうやってわれわれが議運運営して行くか、国会を運営して行くか、このことは議長がおっしゃったように、に、頭を冷して、他をさばく前にわれわれみずからをさばくつもりでもって、お互いに反省して、再びこのような悔を残すことのないように、私たちはお話しなければならぬと思うのです。  それを十分尽したのちにおけるいろいろな、またいろいろな提案ならば別でありますが、話の最中に、話合おうというお互いの歩み寄りができている場合に、そういうことをされることは、はなはだ遺憾であって、もっと私たちは冷静に話合って、今後の国会運営における責任の中心である議運のあり方、議長が言われるように、われわれの態度、これを、もっと私たちは掘り下げて、お互いに研究してみたいと思います。人をさばくことよりも、みずからをやはり反省して、私たちはこの国会におけるあやまちをなくさせるように努めたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  33. 藤田進

    藤田進君 私どもの会長から、一言皆さんに申し上げたいことがありますから、お許しをいただきたい。
  34. 松岡平市

    理事松岡平市君) ちょっとお諮りいたします。  今、委員外の発言の要求がございまするが、先ほど御承知のように、伊能君から一つの動議が出されております。これを動議として扱うことについて、私はまだ動議の賛成者等も出ておらぬと思うのです。(「出ています」と呼ぶ者あり)出ていますか。(「出ております」「承服できませんよ」「そんなばかなことを突如として出すことがあるか」「暴力だよ」「下げなさいよ」と呼ぶ者あり)  速記をとめて。   〔速記中止〕
  35. 松岡平市

    理事松岡平市君) 速記を始めて。  それでは、ただいま伊能君から提出されました動議に関連して、委員外でございまするが、千葉議員が発言を求められております。各位の同窓を得ましたので、発言を許します。
  36. 千葉信

    委員外議員(千葉信君) 私は、ただいま伊能君の方から出されました動議に関連いたしまして、私どもの党の人事等に重大な関連を及ぼす事項について、この際私どもの会派の会長として、伊能君の発言に関連して承服しかねる点を申し上げて、御答弁をいただきたいと思います。  ただいま聞いておりますると、昨日の議院運営委員会における混乱の問題に関連いたしまして、わが党の矢嶋理事の外遊について、これをこの議院運営委員会で取りやめることにしたいという御発言である。しかも矢嶋理事の議員としての資格について大きな侮辱に値する御発言があったわけでございます。この際議運矢嶋理事は、私どもの党派として決定している推選であり、しかもその外遊の問題等につきましても、ここで申し上げるまでもなく、御承知のような経過で各会派に割当てられて、各会派がこれを責任をもって推選して最終的に決定をみているわけでございます。そういうことになりますと、私どもの会派の人事にまで介入することに結論としてはなるわけですが、一体そういう出過ぎた他の会派の人事にまで介入するがごとき、そういう態度をとることが、自由党の党議として決定しておるのかどうか、それをまずお聞きしたいと思います。
  37. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 委員外議員の発言に対して、私答弁の限りでないと思います。別の機会に、もしお話のような点があれば、いかようにもお答えいたします。
  38. 千葉信

    委員外議員(千葉信君) 委員外であるから、委員外の発言に対しては答弁できないということであれば、私はこの席上で私どもの委員に、その同じ問題について伊能君に対して十分ただすところはただし、そうして私がわが会派の会長として承服できないような結論については、私はさらに重ねて発言のお許しを願って、伊能君に対してあくまでも追及しなければならないと思います。御了承願います。
  39. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の名前が出ましたから発言を求めます。  このことは名前は私の名前でありますが、単に矢嶋個人の問題でないと思います。なお私は社会党の第四控室議運理事としてのその勤務状態については、あるいは委員各位にいろいろの見方があるかもしれません。しかし私は、昨日の本会議におけるやや混乱しかかりました本会議におきましても、私は第四控室議運理事として、議場の秩序を保つべく努力したつもりでございます。さらに昨晩の事態が起ったこのことにつきましては、原因並びにその結果のいかんを問わず遺憾なことであります。それを申し上げます。  その経過については、私申し上げましたように、私ははっきりと議事法に基く発言をし、その議事法通り運営委員長並びに事務総長にお願いをし、さらに先ほど申し上げましたように、隣の議長部屋で、この問題を戻してルールに乗せましょうと、穏やかに議院運営委員長に要望し、むしろその収拾策に努力したと私はみずから信じております。従って私はただいまの伊能委員のお言葉は私第四控室議運理事として納得いたしかねる点が多々ございます。  さらに私はこういう案件を、この議院運営委員会で審議するそのこと自体に私は疑義を持っておる者でございます。私はこの席におることはできません。これだけを発言をいたしておきます。
  40. 天田勝正

    ○天田勝正君 私は、今まで何事も申し上げませんでした。そのことは、いずれにいたしましても、できた事態はできた事態であって、私どもといたしましては、昨日の実力行動ありといたしましたならば、しかもその行動者がわが会派の中にあったという場合においては、他の会派のことをとやこう言う前に、私の方は、まずその実力行使者の事柄について反省をし、また深く謝罪をして、その後に慰謝の事柄を申し述べる、こういうことを昨日の理事会においても明らかにいたしておったわけでありまして、そこでそういう気持から私は話し合いを続けたい、こういう考えをもって、じっと皆さんお話を伺っておったわけであります。決して私は伊能さんの出された動議が不当であるとか、とやこうの批判を差しはさむものでもなし、またはたして動議が出された以上、その内容等について私が質問するのが合法かどうかも、私は疑義を持ちます。けれども、一応私どもの気持としては、話し合いは一歩前進した。というのは、郡委員長見舞の問題にいたしても、結局いろいろ御意見がありましても、これは理事会にまかせられて実行をいたすということになっておる。この一つを見ても話し合いが進みつつある。こういう状況に私どもは判断いたします。  そこで、急に今質問等は、これは法規的にみれば、動議でありますからいかがかということになって、直ちに採決をするということになりますると、私はこれはどうも、直ちにその採決に加わるということはいたしかねる、こう思います。そこで委員長の計らいにおいて、この機会に一時休憩をされて、そうしてまた委員会を続行されるというのが最も望ましい形でございますが、そういうことの御了承が得られないとするならば、私どもは一応自分らのほうとして退席して、また私どもの反省をすべきことについては考えてあらためて出直す、こういう態度に出たいと存じます。  以上申し上げます。
  41. 藤田進

    藤田進君 伊能君に私から質問いたしますが、先ほど委員外発言をお許しいただいて、質疑をあなたに対して千葉わが党会派会長が言い出したわけですが、質問者がたまたま委員でない、委員外発言だというゆえをもってお答えにならなかったわけですが、私は簡結に申し上げますが、かような御提案は、自由党におかれて党議で決せられたものか、党議とするならば、どういう機関の御決定になっているのか、この点をお尋ねいたします。
  42. 伊能繁次郎

    伊能繁次郎君 お答えする筋合いかどうかについても私自身疑問を持ちますが、この点お答えしますれば、わが党の執行部、首脳部の協議の結果、かようになったわけであります。明らかに党の方針であるということを申し上、げます。
  43. 鈴木一

    鈴木一君 私、きのうは少し早く帰ったために、ぎょうどういうわけでこの委員会が開かれるのかわからないで来たのでありますが、今までの経過負傷された郡委員長見舞をすることは当然なことだと思いますが、そうきまったことは非常にけっこうなことだと思います。同時に十分話し合いをしようということで、これも非常にいいことだと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、多少の冷却期間をおいたほうが、冷静に判断もできるし、言い出せば双方にいろいろな理屈もあると思いますので、この際、もう少し冷却期間をおいたほうがいいと思っておったのでありますが、ここで話し合いをしようということで議事が進められてきたのでありまするので、せっかくそういうような機運が出ておるのでありまするが、今天田さんから休憩されて、もう一度相談されたらどうかというようなことでありますので、どうか一つ委員長においては、そういうような議事の取り運びをぜひお願いしたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  44. 天田勝正

    ○天田勝正君 ちょっと弁明で申し添えておきたいと思いますが、一応伊能さんから動議が出されて、それにまたさらに私が休憩の動議という形で申し出しており、動議に対する動議ということの繰り返しになりますので、私は御遠慮申し上げて、そこで先ほど申したようにできるならばということで、委員長の手元でお取り計らい願えぬかと申し上げたわけであります。それで実は、今藤田さんからの質問に対して伊能さんがお答えになったのですが、実はやはりお答えがないほうが私は話し合いを進める上においてまことに妥当だと、こう実は考えたわけです。わが方の態度は、このことをほんとうにきめてしまうと、なかなかその糸をほぐすに骨が折れる。実はそこで伊能さんがせっかく出されて、私はその内容を承服いたしませんけれども、ともかくその以前に、採決に入る前に一つ休憩をされて、委員長にしかるべく糸をほぐすようにお骨折りをいただけぬか、こういうことであります。  私はむしろ動議よりも御相談申し上げているわけであります。御了承を賜りたいと思います。
  45. 松岡平市

    理事松岡平市君) お諮りいたしますが、私は委員長代理でもございますし、なるべく委員会を円満に議事を運営してゆきたいと思って、特にまたできるだけ各員の多数の御意思に従うようにしてゆきたいと思うのであります。  ただいま伊能君から動議が出ております。動議は成立しております。これについて一応今質疑あるいは討論と考えられる論議が二、三の委員から開陳されております。おそらく直ちに採決し得べき状況下にあると思いますけれども、ただいま天田君あるいは鈴木君から暫時休憩の意図はないかと委員長に御要求もあっております。御相談を申し上げたいと思います。  暫時、懇談に移りたいと思います。速記をとめて。   〔速記中止〕
  46. 松岡平市

    理事松岡平市君) 速記をつけて。  ただいま暫時懇談に移りましてお伺いいたしましたところ、ごく小時間の間休憩をするということに各員の御意思があるようでございます。  暫時休憩をいたします。    午後二時五十九分休憩      —————・—————    午後六時八分開会
  47. 松岡平市

    理事松岡平市君) それでは、休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。  冒頭に、休憩前に理事会において郡委員長見舞の件を御一任を受けておりましたが、理事会で御相談申し上げました結果、本日議運の各会派代表一人ずつがそろって、一応の見舞品を持って病院見舞に行くと、こういうことに話し合いがつきました。  さよう御了承を願いたいと思います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 松岡平市

    理事松岡平市君) なお休憩前に伊能君から提出せられた動議につきまして、理事会において長い間にわたって数回休憩等もいたしまして、いろいろと論議を尽しました結果、ともかく委員会を再開して議事を続行するようにということになりました。理事会におきましては、いろいろ論議はございましたけれども、格段皆様方にあらかじめ今後の議事の進行について御参考に供するというような決定等はなされておりません。従ってこれより、先ほどの伊能君の動議を議題として議事を続行いたしたいと存じます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)  なおこの動議について、質疑等のおありの方は質疑をお願いいたします。  別段御発言がなければ、質疑は終了したものとして差しつかえございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 松岡平市

    理事松岡平市君) 異議なければ、この動議について、それぞれ賛否を明らかにして御討論を願います。
  50. 藤田進

    藤田進君 私は、ただいま委員長から諮られておりますが、この事案自体が、当議院運営委員会において扱うべき事案でない。越権のさたであるということをまず劈頭申し上げておきます。従って、私は討論にかえて、私どもの会派がどういう考えとこれに対する態度をもっているか、この際明らかにいたしておきたいと存ずるのであります。  この提出の動機が、あまりにも個人的な感情的なものであって、およそ国会の運営に何らの関係のない、そういうところに端を発している。ことに国民が今日要求しているのは、民主的な議会の運営と、その結果国民の民生の安定と、この点に集中されているこの段階に、今二十二国会は、衆議院における前々国会のあの混乱のあとを受けて、お互いに自粛自戒して国民にこたえようとしていたやさき、衆議院からの送付並びに政府提出は非常なる遅滞をして、議案そのものも参議院における審議時間がきわめて短時間で、これに加えて多くを占める保守系委員長におかれては、あまりにも法案の通過をあせるばかりで、その審議もほんとうに地について、しかも、納得のいく民主的な運営でなくして、いきなり質疑打切り、討論、採決と、こういう非民主的な、多数をもって押し切らんとする様相は所々に出て参りました。医薬分業の問題と取っ組んだ社会労働委員会においてもしかり、内閣委員会においてもしかり。院の運営をせんとするこの議院運営委員会自体が、まことにかような筋の通らぬものを事案としてここに採決という事態を前にしております。私はこういう提出の動機とこの扱いにおける幾多の改善すべき点を指摘して、皆さんの反省を求めたい。同時に、われわれも多数の意見に従うと同時に、少数の意見に対しては十分なる尊重を要求しておきたいものであります。  この提案がどういうわけで違法であるかという点を若干申し上げておきたいと思います。国会法並びに参議院規則、ことに参議院規則には、おのおの各種委員会における担当が書かれておる。しかも、これはしかしほんの最近に改正せられたものであって、その参議院規則第七十四条を見ても明らかなように、またこの法制定、規則制定の経緯に徴しても明らかなように、運営委員会は、議院運営に関する事項、国会法その他議院の法規に関する事項、国立国会図書館の運営に関する事項、裁判官弾劾裁判所及び裁判官訴追委、員会に関する事項、これに限定せられております。ここに出ている内容は、要するに特定議員に対して院の権威と運営に対する遺憾な点を断定し、しかる帰結として、列国議会同盟に出席することを不適当と認めてこれを拒否せしめる懲罰事犯に該当する内容をもっているものであります。この事実は、しかも、無根です。この事実は何ら鮮明と立証をされていない。こういうものは、次でいう第七十四条十六に示されている懲罰委員会、議員の懲罰に関する事項、ここにこの事案がもし提案せられるとすれば提出されるべきところである。議院運営委員会は、いわゆる議運族として幾多の批判を受けている。何でも、議運であればできるかの印象と錯厳をもっている、これがまさに現われであります。私は、列国議会同盟自体が、議員をもって自主的に連盟を結成して加盟している団体なんです。参議院議長は単に顧問に過ぎない。衆議院議長がわれわれ議会同盟の会長なんです。団長なんです。それが参議院議院運営委員会において、かような動議によって何ら拘束もできないし、また不当な違法な扱いであると、こういうものに対しては、その手続においても賛成することができませんと同時に、かような運営がなされるということ自体が、将来に国民の求めているのとは正反対の方向に行くのではないかという点を憂えるものであります。多数の暴力とはまさにこのことを言うのではないか。  また第三に、内容の問題ですが、矢嶋三義君は、ここに指摘してある事実だけを考えてみても、全くその事実は無根です。終始私とともに、昨夜の場合も、私のすぐ隣に、その矢嶋三義君の隣に議長、こういう状態において、こういう指摘してあるような事実は絶対できません。また提案者の方としても、その立証は絶対なされていない。単なる言いがかりです。かようなことを認めてできた内容と、同時にその動機等一貫して考えるときに、私どもは、この事案に対して採決に参加することはできません。皆さん方の、将来の民主的な運営と、ますます民主的な議会運営の猛反省を促して、この採決に加わらないという態度を明らかにしておきたいと思います。
  51. 天田勝正

    ○天田勝正君 ただいま矢嶋三義君の一身上に関する動議が提出されておるわけでありますが、本来、ここに至る昨晩の本委員会における事態にかんがみて、今後の本院の運営並びに本委員会運営に遺憾なきを期そうという前提から私は出発しておると存ずるのであります。  私どもの会派はそういう観点に立って、まずそれならば、事を責めるよりも他の会派のあるいは個人を責めるよりも、みずからが反省すべきことは反省しようと、こういう態度で臨んで参りましたことは、今朝来の三たびにわたる理事会及び先ほど委員会におきまして、明らかにいたしたところであります。先ほど戸叶委員からも申し述べられたように、私どもの会派は、この際、他の会派所属の個人を裁判をするがごとき、糾弾するがごとき態度を避けたい、こう考えております。そこで私は繰り返し申し上げたのは、わが会派においてはその混乱の渦中に巻き込まれないようにそれぞれお互いが努力して注意をいたしたのでありますけれども、しかし、もし皆さんの側から見た場合に、さような者があったならば、まず第一にこれを謝罪をして、そののちにおいて今後の本院並びに本委員会運営の遺憾なきを期するところの御意見も申し上げたい、こう申し上げて参ったのであります。  ところが、残念なことには、先ほど矢嶋三義君個人を責むるがごとき動議が出され、しかも、その内容におきましては、あたかも議員たることが不適格な内容であろうかと思うのであります。少くとも、国会議員は、一定の国民の支持を受けて当選して参り、その代表者として国政に参画しておるものでありまして、それである以上は、何人といえども同じく平等に万国議員同盟に出席するところの私は能力と識見と人格をもっておるものと、こういうふうに労えなければならないと思うのであります。ところが、今回の動議を見ますると、それに出席まかりならぬということでありますから、これは議員としてのさような識見も能力もないものと断定したものと考えざるを得ない。私どもの会派は、今にわかにこの動議を出され、さような断定ができる状態にあるかということを考えた場合に、私どもの位置から、この席を離れない状態において、何らそういう事犯等を見ることもできず、また提案者からも、それらの具体的な御説明は動議提出に当ってなかったのであります。そういう不確実なものをもっていたしまして、この際いわゆる議員の息の根をとめるがごとき決定をいたすということは、はなはだ遺憾しごくであります。  私どもの会派といたしましては、私どもの会派それ自体に対して、また所属の議員に対して、かくかくの遺憾な点があるから謝罪せよというお申し出ならば、その事実に基いていつでも快く謝罪をいたしますけれども、私は冒頭に申し上げましたように、また先ほど戸叶君が申されましたように、この際みずからは反省いたしますけれども、顧みて他を打つがごときことはいたしたくないという立場から、この採決には加わらないことを申し述べまして、反対いたしておきます。
  52. 鈴木一

    鈴木一君 私は伊能君の動議が決して昨日の事態の解決にはならぬと、逆にわざわいを将来に残すような結果になるというような観点から、理事会におきましては再三再四撤回方をお願いしたわけであります。また天田委員とともに、本日結論を出さないで、もう少し冷却期間を置いて、もっと慎重に審議したいということをお願いしたわけであります。けれども、ついにいれられるところとならず、こういつたような結果になったことははなはだ遺憾に思います。  今のこいうふうな状態において、こういうようなことをやることは、決して将来のためにならないというふうな観点から、私は今までの社会党両派の議員同様に、採決には加わることはできません。
  53. 松岡平市

    理事松岡平市君) 他に討論はございませんか。  それでは、討論は終局したものと認めて差しつかえございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 松岡平市

    理事松岡平市君) 討論は終局したものと認めます。よってただいまより、伊能君から提出されました矢嶋三義君が国会の代表者として、列国議会同即会議出席することは不適当と認められるのでその出席を差しとめることを議長に要求するという決議をいたすことの動議を採決いたします。  本動議に賛成の諸君の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  55. 松岡平市

    理事松岡平市君) 全員の挙手でございます。よって本動議は全会一致をもって決議されました。  本日の委員会は、これをもって散会いたします。    午後六時二十四分散会