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1955-06-14 第22回国会 参議院 外務委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十四日(火曜日)    午前十時三十一分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石黒 忠篤君    理事            鹿島守之助君            小滝  彬君            羽生 三七君            苫米地義三君    委員            大谷 贇雄君            草葉 隆圓君            梶原 茂嘉君            後藤 文夫君            佐多 忠隆君            曾祢  益君            羽仁 五郎君            野村吉三郎君   政府委員    外務政務次官  園田  直君    外務大臣官房長 島津 久大君    外務省条約局長 下田 武三君    外務省国際協力    局長      河崎 一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       渡辺 信雄君   説明員    厚生省薬務局麻    薬課長     市川可知男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○千九百三十六年の危険薬品の不正取  引の防止に関す集約の批准につい  て承認を求めるの件(内閣提出、衆  議院送付) ○航空業務に関する日本国カナダと  の間の協定締結について承認を求  めるの件(内閣送付予備審査) ○船舶滅失又は沈没の場合における  失業補償に関する条約(第八号)  の批准について承認を求めるの件  (内閣送付予備審査) ○海員の雇入契約に関する条約(第二  十二号)の批准について承認を求め  るの件(内閣送付予備審査) ○海上使用することができる児童の  最低年齢を定める条約(千九百三十  六年の改正条約)(第五十八号)の  批准について承認を求めるの件(内  閣送付予備審査) ○船員健康検査に関する条約(第七  十三号)の批准について承認を求め  るの件(内閣送付予備審査) ○国の援助等を必要とする帰国者に関  する領事官職務等に関する法律の  一部を改正する法難案内閣送付、  予備審査) ○在外公館名称及び位置を定める法  律等の一部を改正する法律案内閣  送付予備審査) ○商品見本及び広告資料輸入を容易  にするための国際条約への加入につ  いて承認を求めるの件(内閣送付、  予備審査) ○観光旅行のための通関上の便宜供与  に関する条約批准について承認を  求めるの件(内閣送付予備審査) ○観光旅行のための通関上の便宜供与  に関する条約に追加された観光旅行  宣伝用資料輸入に関する議定書  の批准について承認を求めるの件  (内閣送付予備審査) ○国際情勢等に関する調査の件(濃縮  ウランの受入れに関する件)     —————————————
  2. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) それではただいまから外務委員会を開会いたします。  千九百三十六年の危険薬品不正取引防止に関する条約批准について承認を求めるの件を議題といたします。  本件について御質疑のおありの方は順次御発言お願いをいたします。
  3. 羽生三七

    羽生三七君 この条約内容的なことは別として、麻薬関係で今現に日本でどういうことが起っておるのか、そういう現状についてお知らせを願えれば幸いだと思います。
  4. 下田武三

    政府委員下田武三君) 厚生省の係官を至急に今呼びますから厚生省の方から……。
  5. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) その他御質疑の方はございませんか。——ございませんでしたらば、ただいまの羽生委員の御質問について厚生省の方が御説明に来られるまでの間、これは一時中止をしておきます。     —————————————
  6. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 次に、航空業務に関する日本国カナダとの間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。  まず政府から提案理由の御説明を願います。
  7. 園田直

    政府委員園田直君) ただいま議題となりました航空業務に関する日本国カナダとの間の協定締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  政府は、昭和二十八年四月以降カナダとの間に航空業務に関する協定締結のための交渉を東京において行なって参りましたが、昨年末に至り交渉当事者間の意見がまとまりましたので、その結果に難き、本年一月十二日にオタワにおいて、この協定が、わが松平大使カナダピアソン・外務大臣及びマーラー運輸大臣との間で署名されるに至りました。  この協定は、さきに国会の御承認を得ました日米日英日タイ日スウェーデン等航空協定と同一の目的及び意義を有しておりまして、その内容大差はございません。カナダは、サン・フランシスコ平和条約第十三条(b)に基き、暫定的にわが国乗り入れの一方的な権利をもっておりますが、この協定締結により、わが国は、カナダとの関係においてこの片務的状態を解消して、わが国航空企業も、カナダ航空企業と平等の条件でカナダ乗り入れを行うことができるようになるわけでございます。  よって、この協定の御承認を求める次第であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御承認あらんことをお願いいたす次第であります。
  8. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 本件に対しまする質疑は次回に譲りたいと思います。     —————————————
  9. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 次に、船舶滅失又は沈没の場合における失業補償に関する条約(第八号)の批准について承認を求めるの件  海員の雇入契約に関する条約(第二十二号)の批准について承認を求めるの件  海上使用することができる児童最低年齢を定める条約(千九百三十六年の改正条約)(第五十八号)の批准について承認を求めるの件  船員健康検査に関する条約(第七十三号)の批准について承認を求めるの件  以上四件を一括して議題といたします。  まず政府から提案理由説明を聴取いたします。
  10. 園田直

    政府委員園田直君) ただいま議題となりました船舶滅失又は沈没の場合における失業補償に関する条約(第八号)、海員の雇入契約に関する条約(第二十二号)、海上使用することができる児童最低年齢を定める条約(千九百三十六年の改正条約)(第五十八号)及び船員健康検査に関する条約(第七十三号)について提案理由を御説明いたします。  船舶滅失又は沈没の場合における失業補償に関する条約は、一九二〇年に国際労働機関、すなわち、いわゆるILOの第二回総会で採択された条約でありまして、その目的とするところは、船舶滅失又は沈没により海員失業した場合に、船舶所有者船員失業期間中、賃金と同じ割合で補償金を支払わねばならないと規定することにより海員を保護しようとすることであります。  次に、海員の雇入契約に関する条約は、一九二六年にILOの第九回総会で採択されたものでありまして、主として海員利益保護の見地から、船舶所有者海員との間に行われる海員雇契約成立要件契約内容等を一定の規制の下に置くことを目的とするものであります。  次に、海上使用することができる児童最低年齢を定める条約は、一九三六年にILOの第二十二回総会で採択されたものであります。この条約は、同じ名称を有する条約で大正十三年にわが国批准したものの全文改正条約でありまして、その改正趣旨は、前条約において十四才未満の者の船舶における使用を禁止していたものを十五才未満の者の使用禁止にまで及ぼすことであります。  最後に、船員健康検査に関する条約は、一九四六年にILOの第二十八回総会で採択されたものでありまして、その目的とするところは、健康証明書を保有する船員にのみ船舶乗組を認めることにより船員の健康を保護しようとすることであります。  以上四条約目的とするところは、それぞれただいま簡単に御説明申し上げましたとおりでありますが、これら条約内容は、いずれもわが国内法において既に規定せられ実施されているところであります。従って、わが国がこれら四条約当事国となることには、特に法律的の意義があるわけではありませんが、これらの条約批准することにより、わが国が公正な国際労働慣行を遵守している実情を広く世界に知らせ、また、将来もそれを維持してゆくことを国際間に約束いたしますことは、ILO憲章趣旨に沿った国際協力を進める点からいいましても、また、わが国海外における信用を高める点から見ましても、きわめて事宜に適するものと認められます。  以上の点を了察せられ、御審議の上すみやかに御承認あらんことをお願いをいたします。
  11. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 以上四件に関しまする質疑は次回に譲りたいと思います。     —————————————
  12. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 次に、国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官職務等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対し御質疑のおありの方は順次御発言を願いたいと思います。
  13. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 条約内容は別として、実質上そういう必要の起っておる地方及びその実情等について簡単に御説明願いたいと思います。
  14. 島津久大

    政府委員島津久大君) この法律が実施になりましてから今日まで約一年半でございますが、その間に適用いたしました件数は二十七件ございます。地域別に申しますと、台湾関係が十二人でございます。タイが九人、フランス関係が三人、その他ペルー、アルゼンチン、イタリア方面が一名ずつ。経費関係から申しますと、二十八年度の予算額が百八万でございまして、支出いたしましたのが十四万、二十九年度は二百四十万の予算に対しまして、支出いたしましたのが七十三万、三十年度の四、五月の暫定の予算が三十二万、その程度でございます。
  15. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) ちょっと私からお伺いいたします。これは別に予算措置を伴う必要はないのでございますか、何かありましたか。
  16. 島津久大

    政府委員島津久大君) 三十年度の予算に組みましたのは七百万円、先ほど御説明申し上げましたように、予算に対しまして実際の支出はかなり下回っておるような状態でございます。
  17. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 他に御発言はございませんか。——発言もないようでございますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 御異議ないものと認め、質疑は終了したものと決定いたしました。     —————————————
  19. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 次に、在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対し、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。——それでは私から一つ官房長に伺いたいと思います。アジア諸国その他比較的小さい国に大使館を置くということにつきまして、あちらの相手国希望をするからというて大使館をどんどん作るということは、国内関係に見ましても、また出先の外交機関の他国との均衡等についてかなり慎重を要するのじゃないかと思いますが、これに関しまして外務省ではどういうふうにお考えになっておりますか。
  20. 園田直

    政府委員園田直君) 戦前と戦後は各国におきましても、大使公使設置方針が逐次変ってきております。大使の幅が非常に広くなりまして、大使公使もその格差というものが縮まるばかりでなく、各国におきまして今までは大国の大都会に大使館を置くという考え方が、逐次小さい国であっても、その国との国際関係上、外交上必要であればどしどし大使を置くというように変ってきておるように考えております。特に外務省におきましては、アジア外交は最も電光外務大臣の重点とするところでございまして、戦後各植民地であったものが独立をした国々からは、当初に御承知通りに友好的な関係にございまして、そういう国々から、日本にも自分たち大使を置くから日本からも大使館を設置してもらいたいという申し出があるばかりでなく、あるいは賠償の問題、あるいはその他の会議等におきましても、密接に連係しております関係上、こういう方面大使館を増置をしたいという考え方から出てきたものでございます。もちろん大使館を設置するについては慎重に検討しますことは御意見通りでございます。
  21. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) もう少し伺いたいのでありますが、外交団関係におきまして、大使公使区別がなくなったのでありますか、どうでありますか。
  22. 島津久大

    政府委員島津久大君) 区別はなくなったわけではありません。ただいま政務次官から申し上げましたのは、戦前に比べまして大使館公使館比率大使館の方が多くなってきた、主としてそういう点を申し上げたのでございます。現在主要な国が設置しております大公使館比率を概略申しますと、インドは大使館が三十二ございます。これに対しまして公使館が十六。イタリア大使館が三十六に対しまして公使館が三十三でございます。ドイツは大使館二十八に対しまして公使館が二十七、フランス大使館が五十七に対しまして公使館が十八、アメリカは六十八の大使館に対しまして公使館が九館、イギリスは大使館五十に対しまして公使館が十四、大体そうように戦前大使館が非常に少く、従って格が、何と申しますか、高かったわけであります。それに比較いたしまして、戦後は大使館の数が非常に多くなった関係がございます。ただ外交団ではもちろん大使の方が公使の方より優位にあるのは従来通りであります。
  23. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) もう一つ伺いますが、こちらから大使館を置いてもらいたいという要望に対して慎重に御審議になった上でなるべく要望を充たすようにするということはけっこうだと思いますが、これと交換にこちらに駐在する外交使臣はやはり大使が駐在することになるのでございますか、どうなりますか。
  24. 園田直

    政府委員園田直君) その通りでございます。
  25. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) そういたしますと、日本駐在外交団の中において比較的小さいところの国の大使が大きい国の公使よりも上席になるといったことは、これは当然のことですね。
  26. 園田直

    政府委員園田直君) その通りでございます。
  27. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) そういうことは外交団の構成において異存が出るといったようなことはないのですか。
  28. 園田直

    政府委員園田直君) ございません。
  29. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) もう一つ伺いたいと思いますが、わが国大使公使人選の上におきまして、大使には比較的老練の、従って老令の人を出すというようなことにおいて、引退した外交官が再び花を咲かせるといったようなことについて弊があるというような考えもあるように思いますが、それらに関しまして外務省のお考えを伺っておきたいと思います。
  30. 園田直

    政府委員園田直君) 在外公館設置方針が変りまして、戦後植民地であった小独立国大使館を設置するという観点から、大使人選等についてはまた慎重に考慮しなければならぬ問題があると考えます。各方面から老令の人々を採用して、そうしてこの増設をした大使館等に埋めるのはよくないという御意見等もございまして、そういう点については外務省として十分注意をいたしております。今までは大使に出て行った者が帰って参りますると、御承知通りに大てい休職となったのでございますが、今後は以上のような観点から、この人事をやりますに際しましても、老令の特殊な方を必要とすることは、これはもっともではございますが、一般人事方針としましては少壮はつらつたる大使を採用いたしまして、大使の職が終って本省に帰りました際には、再びまた一般事務官としてどしどし職につけるような方法でやりたいと考えております。
  31. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 私の質問はこれで終ります。  何か他に御質問がございませんか。
  32. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 小さなことですけれども、大使館昇格することは政令で一応実現しておるのですね。この政令と、それからこの法難関係はどうなるのでしょうか。政令実質的に昇格しておるのを形式的にこの法律で確認するというふうな形になるのでしょうか。言いかえれば、戦争前の告示に相当するようなのがこの法律である。実質的な問題はこの政令できまるということになるのでしょうか。
  33. 園田直

    政府委員園田直君) 仰せのごとく政令をもって昇格ができるようになっておりますが、それは政令昇格をするのが当然の措置であるとは考えておりません。いわゆる法律によって国会の御審議を願った上昇格その他をやるのが当然ではございますが、閉会中その他の事情でやむを得ない場合には許されておる政令をもって昇格する、このようにやるべきものであると解釈いたしております。
  34. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 そうしますと、政令で一応昇格をした場合は、対外的にはそれで実質的に大使館になっておるわけですか。
  35. 園田直

    政府委員園田直君) そうでございます。
  36. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 もう一つ別のことですが、ヴェトナムは現在実質上南北に分れているわけですけれども、ヴェトナムのわが方の公館北部に対してもやはり公館としての機能を出しているのでしょうか。それとも南に限られているのでしょうか。
  37. 園田直

    政府委員園田直君) 南部にのみ実際上は仕事をやっておるような関係でございまして、北部に対してはラジオやあるいは新聞等を通じて特に残留邦人引き揚げ等に関しては連絡をやらしてはおりますけれども、限られた方々の御意見を聞くと、ラジオ新聞等がほとんどお耳に入っていないような状態で、南部の方に個人的に連絡がついて、初めて日本在外公館のいろいろな庇護を受けておるというように報告を開いております。こういう点については十分注意をいたしまして、北部の方にも何らかの方法を講じたいと考えております。
  38. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 実際上機能はとまっている、こういうわけですね。
  39. 園田直

    政府委員園田直君) とまっております。
  40. 曾禰益

    ○曾祢益君 先ほど委員長からの御質問政務次官からお答えになったのでありますけれども、これは私は意見がましことを言って恐縮ですけれども、アジアの新しい国との間には、先方の希望があれば、日本大使を交換することもいいと思います。いいと思いますが、一方においては大使をふやして、世間からみるといかにも老朽外交官収容所みたいになってはいかん、この御注意はきわめてごもっともだと思うのですが、また同時に、今政務次官は若い清新はつらつのものを採用して、帰ってきたら大いに事務に使う、こう言われたのですが、それはそうでなければならぬと思うのですが、実際上は、やはり三級大使といっても、公使クラス大使といっても、一ぺんは非常に公務員としては最高級になるわけですね。それが帰ってきてからもう一ぺん局長に直すなんということは、一体今までの官吏的な観念からいって、そういうことは実際断行しなければならんと思うのですが、やるのかやらないのか。帰ってきたからといって、やはり大使として何々大使室——何々大使室というのが外務省にたくさんできて、事実上局長にも使えないというようなことでは、結局やはりその点困るのじゃないですか。そういう運用はどういうふうに考えておられるのですか。
  41. 園田直

    政府委員園田直君) 大使をたくさん作って、老朽外交官を採用することについては、すでに衆議院の方でもしばしば御注意をいただきました。なおまた、実際上の問題につきましても、個々に先輩の方々から具体的に御指導をいただいておりますが、外国の例を見ましても、大使というものの考え方を変えておりまして、よその国でも大使をやった者が、任務が終れば、またどしどし下級というか、一般事務官につく傾向をとっておりまして、すでにわが外務省におきましても、大使ではございませんが、朝海、木村、門脇、結城というような公使は帰ってきてから、また事務官にあててそれぞれ業務を割当て仕事をやらしておりますが、今後はやはりそういう昇格経費を節減して、名目上の栄誉的な大使をあてて、そして弱小諸国との提携を強くする意味におきましては、やはりどんどん若手の大使を作って、帰ってきたならば再びどしどし平気で普通の職につけるような習慣を作ることは困難かもわかりませんが、この際ぜひ皆さんの力をかりましてもやりたいと考えている次第でございます。
  42. 小滝彬

    小滝彬君 島津官房長にお伺いしたいのですが、朝海君の例なんかとられたのですが、これは公使として、今のところこういうのも外務省予算の限度があってなかなかそういうふうにはいかない。技術的な点をお伺いするのだけれども、ああいう場合、また普通の局長にすると月給は下がるわけなんだが、それは手続の土では減額して下につけるということは差しつかえない、またそういう心組みでやっておられるかどうか、その点をこれは技術的の面だから、何も政務次官に聞く必要はない、実際の衝に当っている島津君にお伺いしたいと思います。
  43. 島津久大

    政府委員島津久大君) 給与の方から申しますと、公使の本俸と一般職の十五級あるいは十四級の六という十四級の一番上と、大差ない。実際上月五千円も違わないかと思っております。そのくらいのことはもちろんしんぼうする心組みであります。
  44. 小滝彬

    小滝彬君 今政務次官が言われたのは、それじゃ全権公使欧米局長事務取扱というようなことでなしに、本式にもう格下げしてもやってゆこうというところまでのお考えでおやりになるのかどうか、念のために……。
  45. 園田直

    政府委員園田直君) 将来はそうしたいと考えておりまするが、給与の面につきましても、そういう面からたとえば在勤加俸等をふやして大使給与の幅をうんと広げまして、下の線を逐次繰り下げてやるような方法考えてみたいと考えております。
  46. 小滝彬

    小滝彬君 非常にけっこうだと思うのですが、今まで私ら、曽祢君も同意見と思うのですが、大使がふえると  いうのは非常にいいので、対外的な関係で非常に好都合だと思う。ただその際にあまり四等、五等大使ができたらかえって格下げになって、外務省の立場が困るというような意見もあったかに私は承知しているのですが、そういう考えでなしに、多少月給が減っても資格を上げてやり、また融通性を持たせて、今政務次官がおっしゃったように、本省へ帰ったら、今までのことを言うのじゃないのですが、将来は格下げしてでも課長にでも局長にでも使うという方針でぜひお願いしたいと思います。
  47. 園田直

    政府委員園田直君) 御意見よくわかりましてございます。なお、私のただいまの意見事務当局とも内々相談しておるところでございます。
  48. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 関連です。私、昨年の秋ヨーロッパ、それからアメリカを回ったのですが、受けました印象は、ことに公使あたりには若すぎるのじゃないか、参事官、公使等はずっと若すぎるのじゃないか、大使老朽ということもありますけれども、それほど老朽ということよりも、シナのことわざに、年とったラクダは十匹のロバよりもよけい運ぶということがあるように、若いもの必ずしも優秀じゃない。ことに日本におきましては約十年ほど海外との交通が絶えたので、言葉だとか、外国語ですね、それから礼儀作法だとか、そういうものでかなりギャップがある。相当な年とっても優秀な人は採用することが望ましいのじゃないか、今の若い外交官、新進気鋭で、まあ日本で、国会あたりで暴れるのはいいかもしれないけれども、外交官というのはよそでは大てい公使が五十前後、大使あたり五十こさないのはないくらいでしたが、戦後最近の平均外交官の、大使公使平均年令は今どのくらいになっているのでしょう。諸外国のそれと日本平均とちょっと聞きたいのです。
  49. 園田直

    政府委員園田直君) 諸外国日本在外公館大使公使平均年令は今わかっておりませんから、あとで御報告申し上げますが、やはり在外公館大使公使等は専門的な、お仕事のことでございますから、一地に長く置いて専門的な経験と並びにいろいろな国との特殊関係を作るように考えておりますが、小瀧委員曽祢委員から御教授頂いたのは、そういう意味ではなくて、大使公使をたくさん作って古い外交官失業対策的なようなことをするなという御注意だと私は考えておりまするので、ただいまの御指摘とは何ら矛盾しないと考えております。
  50. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 平均年令一つ調べて御提出願いたい。
  51. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 日本の方はすぐわかりましょう。
  52. 島津久大

    政府委員島津久大君) 平均は計算をいたしますけれども、外務省の大公使の幅を大体申しますと、一番古い大使が明治三十二年外交官試験合格芳沢大使、一番若いところが昭和五年に外交官試験を合格いたしまして、これが公使の一番若いところで大体四十七、八才、これが飛び切り暑いところであります。
  53. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) ただいま鹿島委員の御要求はわかるだけ一つ何をしていただきたい。外国の年令はちょっとむずかしいかと思いますが、できるだけ一つ、そうしてお知らせを願います。鹿島委員、それについて御意見のときに御発表いただいて、その材料は……。御質疑はこの程度でよろしゅうございますか。ほかに御質疑ございませんか。——質疑がないようでございますから質疑は終了したものと認めてよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 御異議ないと認め、質疑は終了いたしたものと決定いたします。     —————————————
  55. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 一番初めの問題に戻りまして、これより千九百三十六年の危険薬品不正取引防止に関する条約批准について承認を求めるのに戻りまして、本件について御質疑があったのでありますが、ただいま厚生省から市川麻薬課長においで願いましたから、羽生委員どうぞ。
  56. 羽生三七

    羽生三七君 私のお尋ねしたいことは条約内容的なことじゃなしに、この条約の実体となる麻薬取締りの現状です。一体口承ではどういうふうになって犯罪がどの程度で、どういう規模のもので、どういうふうに取締られているのか、その大要だけお知らせ願えればけっこうです。
  57. 市川可知男

    説明員市川可知男君) ただいまのお尋ねでございますが、わが国におきましては現在この麻薬の取締りにつきましては厚生省の麻薬課が中心になりまして全国八ブロックに取締りの出先機関、麻薬取締官事務所というのがございまして、ここに百五十名の麻薬取締官を配属いたしておるのであります。なお、そのほかに各県に百名の麻薬取締員を配置し、これがもっぱら麻薬の取締りに専念をいたしております。そのほかに警祭官、税関、海上保安官、鉄道公安官、その他の司法警察権を持っている職員が麻薬の取締りに従事しているのでありまして、お互いに緊密な連絡をとりまして、麻薬の事犯の絶滅を期しておるのであります。  大体麻薬事犯で検挙した実績は昨年、昭和二十九年におきましても送検件数が千五百六十八件、送検の人員にいたしまして二千百三十九人であります。で、これは国籍別にしますと、日本人が千三百六十八人、中国人が二百三十七人、朝鮮人が四百九十七人、その他の外国人が三十七人、これは一昨年に比べまして約五割の増加を示しているのであります。このように麻薬事犯は検挙件数からみましても相当多くなっております。  なお、この事犯の対象となります麻薬の種類は非常に多いのでありますが、ヘロインがその八五%を占めるのでありまして、このヘロインは国内ではほとんど製造はされていない。従いましてすべて外国から密輸されるものであります。航空機とか船、そういうものによって国内に運び込まれております。  なお、この国内に入りますヘロインの密輸量というものは、国内における麻薬中毒者の消費量から比べてみますと、輸入価格にいたしまして約五十億円、消費者価格にしますとこの三倍乃至五倍という価格の麻薬が国内へ入ってきておるというふうに考えられるのであります。  なお、この入って参りますルートを私どもが検挙いたしました事犯から推定いたしますと、大体三つの系統に分かれるのでありまして、一つは朝鮮から入ってくる、一つは大陸から入る、ことに香港経由で入る。それからその他は南方地域から入ってくる、大体三つの系統でありますが、現在最も多いのは香港を経由してわが国へ入ってくる密輸というものが最も多いのでありまして、この密輸につきましては、先ほど申し上げました取締り機関が相協力して、国内に入らないように努力をいたしておるような状態であります。
  58. 羽生三七

    羽生三七君 最近件数はふえておるのですか。
  59. 市川可知男

    説明員市川可知男君) 検挙件数はふえております。
  60. 羽生三七

    羽生三七君 検挙件数でなしに、実際に、まあ検挙件数が実態的にそういう犯罪が増加しておるということと正比例するわけですか。
  61. 市川可知男

    説明員市川可知男君) そう思います。
  62. 羽生三七

    羽生三七君 内容的にどういう方面に多く使われておりますか。
  63. 市川可知男

    説明員市川可知男君) どういう方面かと申しますと……。
  64. 羽生三七

    羽生三七君 犯罪との実態に結びつけて考えるとどういう方面に一番多く入る……。
  65. 市川可知男

    説明員市川可知男君) これはやはりその中毒者に最終的にはゆくわけなんであります。中毒者に媒介しておりますのは、たとえば医者とか薬剤師だとか、そういう正規の業者からゆくのは非常に少いのでありまして、大部分が密輸ブローカー、密売者、そういうものからゆくわけであります。こういうものはほとんど無職が非常に多いのであります。大体検挙人員の半数は無職という状況でございます。
  66. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 私一つ伺いたい。栃木県あたりで栽培しております大麻が、むろん広い意味の麻薬の原料になると思うのでありますが、GHQの時代に非常にストリクトな規制を受けまして栽培上困っておった。ただいまあれが原料になって麻薬が作られるという事実はあるのでございますか。
  67. 市川可知男

    説明員市川可知男君) ただいまの御指摘のは、これは大麻と申すのでありますが、これは麻の原料になる植物でありまして、これは戦前わが国においては取締りをいたしておらなかったのであります。これは大麻というのはインド大麻のことであって、日本の大麻はインド大麻ではないというような解釈で取締りをされなかったのでありますが、終戦後GHQによってインド大麻も巨木の大麻も植物学上は同じものである。従って取締りをしなければならぬということで取締りの対象になったわけであります。現在も取締りをいたしておるのでありますが、その後占領当時と違いまして、手続その他を緩和いたしまして、必要最小限度の取締りにしぼってきているのであります。なお、この大麻による違反でありますが、これはまだ日本人にはこれをたばこにして吸うというような習癖者はないのでありますが、しかし外国ではこの習癖者が非常に多いのでありまして、駐留軍等にこの習癖をもったものがいるという関係から、わが国における大麻違反というのは、大麻の裁培地から大麻を盗み出してたばこに作って、駐留軍に売りつけるというような事犯がございます。これは昨年度の大麻違反が、送検いたしましたのが十六件、人員にいたしまして十七人あるのでありまして、この違反の内容は不正所持が十人、不正取引が二人、不正栽培が五人ということになっております。国籍別は、日本人が十二人、朝鮮人が五人ということになっておりまして、そういうような事犯がございます。ただし日本人自身がまだこれをたばことして吸うような習癖は起っていない。なお、大麻にそのような麻薬のような性質の成分があるかどうかということにつきましては、実は東大の附属機関に依頼いたしまして研究をしたのでありますが、やはり麻薬と同じような麻酔性の物質がかなり入っているというような中間報告を受けているのであります。
  68. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 他に御発言はございませんか。——発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。  千九百三十六年の危険薬品不正取引防止に関する条約批准について承認を求めるの件を問題に供します。本件承認することに御賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  71. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 総員挙手でございます。よって本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によってこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 御異議ないものと認め、さように決定いたしました。  それから報告には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本件承認された方は順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     苫米地義三  小滝  彬     野村吉三郎  鹿島守之助     大谷 贇雄  草葉 隆圓     梶原 茂嘉  後藤 文夫     曽祢  益  羽生 三七     —————————————
  73. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 次に、商品見本及び広告資料輸入を容易にするための国際条約への加入について承認を求めるの件を議題といたします。  まず政府から提案理由説明を聴取いたします。
  74. 園田直

    政府委員園田直君) ただいま議題となりました商品見本及び広告資料輸入を容易にするための国際条約への加入について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この条約は、第七回ガット締約国団会議において、一九五二年十一月七日にジュネーヴで作成されたものでありまして、一九五三年二月一日から同年六月三十日まで署名のために開放されましたが、その後は、国際連合事務総長に加入書を寄託して加入することになっております。  この条約は、わが国が、さきに当事国となっている税関手続の簡易化に関する国際条約第十条の見本に関する規定を拡充したものでありまして、商品見本及び広告資料輸入に関する規則を国際的に統一し、もって国際貿易の拡大を促進することを目的としたものであります。わが国は、この条約当事国となることにより、わが国商品見本及び広告資料に対し、他の締約国による統一的な取扱を確保することができ、もってわが国商品の海外進出と一そうの国際貿易の振興とをはかることができるわけであります。  この条約は、いまだ効力を生じておりませんが、十五カ国の条加をまって、近く効力を生ずるものと予想されております。わが国といたしましても、以上に述べました利点を考慮に入れ、この際この条約に加入し、商品見本及び広告資料交流の分野における国際協力の実を挙げることが必要であると考えます。  以上の事情を了承せられ、慎重御審議の上本件につきすみやかに御承認あらんことを希望する次第であります。
  75. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 本件に対しまする質疑は次回へ譲りたいと思います。     —————————————
  76. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 次に、観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約批准について承認を求めるの件  観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約に追加された観光旅行宣伝用資料輸入に関する議定書批准について承認を求めるの件  以上二件を一括して議題といたします。  まず、政府から提案理由の御説明を願います。
  77. 園田直

    政府委員園田直君) ただいま議題となりました観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約批准について承認を求めるの件及び観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約に追加された観光旅行宣伝用資料輸入に関する議定書批准について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  この条約及び議定書は、国際連合主催のもとに客年五月から六月にかけてニューヨークで開催され、わが国も代表を参加せしめた国際会議において作成されたものでありまして、わが国は、客年十二月二日、特命全権大使沢田廉三をして署名をいたさせました。  まず、前者の条約は、外国からの観光客等、一時旅行者が携帯搬入する身回り品、嗜好品、みやげ品の一定品目、一定数量につき、再輸出を条件として、または消耗品の場合には再輸出を条件とせずに、免税輸入することを当事国が相互に承認することを内容としております。わが国は、この条約当事国になることにより、外国からの観光旅行者に対し通関上の便宜を与え得ることとなるため、わが国の観光事業を発展させる上に大きな利益を受けることになります。  次に、議定書は、観光旅行海外旅行の奨励を目的とする無料配布用宣伝資料を免税輸入すること、及び同目的の無料展示用宣伝資料を、再輸出を条件として一時的に免税輸入することを当事国が相互に承認することを内容としております。わが国は、この議定書当事国になることにより、これらの資料海外に向け容易に輸出することができるようになり、わが国への観光客誘致運動を従来よりも一そう活発に実施し得る利益があります。  よって、この条約及び議定書批准につき、御承認を求める次第であります。右の事情を了承せられ、慎重御審議の上、本件につき、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
  78. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 以上両件に対しまする質疑は次回に譲りたいと存じます。     —————————————
  79. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。  本件につきまして、昨日外務当局にいろいろ御質問いたしたのでありますが、その際、時間の都合上、委員長は岡田委員の御質疑がなおあったようでありましたが、打ち切りをいたしましたし、羽仁委員から新たに質疑をいたしたいという申し出がその後ございました。この際、御質問を願いたいと思いますが、両君御欠席でございます。羽生委員、何か岡田委員の御質疑について、かわって御質疑でさましたら願いたいと思いますが。
  80. 羽生三七

    羽生三七君 岡田君の真意を曲げるといけませんから。
  81. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) それでは、岡田君は間もなくみえるそうでありますから、それまで待ちたいと思います。ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  82. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) 速記を始めて。  これより国際情勢の調査に関しまして、羽仁委員から御質問がございます。
  83. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 昨日伺いましたところによりますと、衆議院では外務大臣は、議員の質問にお答えになりまして、濃縮ウラニウムの受け入れに関する正式調印は、ゼネバの会議の後にせられたいという学術会議の意向を尊重せられるという御趣旨の御答弁がありました。ところが昨日の本委員会におきましては、政務次官より、仮調印はおそらくはゼネバの国際会議以前になるだろうというお答えがあったのであります。この二つのお考えというものが、もし政府が良心的にお考えになっているとすれば、どういうふうにこれを解釈したらよろしいのですか。国会を愚弄せられるというふうなことは毛頭ないことだと思うのですが、もう少し詳しく御説明が願いたい。特に仮調印ということとそれから正式調印ということとは、昨日の御説明では技術上いろいろこまかいことがあるので、正式調印はあとになる。そういうことで、もしあるならば、すなわち、その本質的な点においては、仮調印において本質的なことが決定されると思うのですから、いろいろこまかい点などについてはゼネバ会議の後になる。本質的なことについてはゼネバ会議の前にやってしまうということになるので、学術会議のせっかくの御決定というものを政府がまったく無視されるということになる。従ってなぜそういうことを政府がなさろうとするのか、その根拠を伺いたいと思う。  それでこれは申し上げるまでもなく、外務省ではすでに十分に御苦労になっていることです。本日はなんですが、日米安保条約その他急がれたために、後日に至って取り返すことのできない問題が多々起っているのです。濃縮ウラニウムの問題についても、すでによく政府でも御了承になっていると私は信ずるのですが、この際急いですることが、後日にいかに国家及び国民の利益を害することになるかということについては、慎重にお考えになる理由があると思う。しかもゼネバ会議前に仮調印をしないことによって、わが国なり、わが国民なりの失うところはほとんどないだろうということは専門家の承認せられるところでもあるのです。私はこの際むしろそうした三百代言的な態度を一擲せられて、この仮調印というものと正式調印というようなことを分けて、国民の注目をそらすということをなさらないで、その本質的な意味を含むような仮調印というものも、やはりゼネバ会議において十分にいろいろな諸般の事情を研究せられた上で、万遺漏のない措置をとられるということが必要にして十分な措置だと思うのですが、まずこの点について一つ慎重なお答えをいただいておきたいのです。
  84. 園田直

    政府委員園田直君) 仮調印と正式調印の問題でございますが、仮調印は御承知のごとく憲法第七十三条の二によって政府事務となっておるところでございまして、仮調印はあくまでも効力は生じないものでございます。従いまして、政府としては五月二十耳の閣議了解に基いて、適当な条件のもとに米国政府とすみやかに交渉したいということでございまして、アメリカの議会でも大統領宣言に基く原子の平和利用の方針に従って、できるだけ日本の方で準備ができれば、これを進めていきたい、かような意図を持っておるようでございまするし、われわれの方としてもできるだけ早く交渉を進めたい、こういうわけで仮調印の運びになるわけでございます。正式調印は従いまして事務的な問題ばかりでなく、いろいろな問題等においてのいろいろな検討その他がございまするから、見通しとしてはゼネバの会議よりもあとになるのではなかろうかというような見通しでございます。
  85. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 お言葉とも思えないのですが、この仮調印が効力を持たないものであるというふうにおっしゃいますけれども、しかし国際上の儀礼として、仮調印が効果のないものである、従って正式の調印の場合に、仮調印が全くくつがえされることがあるのだというような考えで仮調印をなさることは、わが国外交を担当せられる当局のなさるべきことじゃありません。われわれはアメリカに対しても、やはり正々党々と信義を重んじた態度をとるべきであって、対米依存ということを脱却せられなければならない。と同時に、しかしアメリカに対して信義を重んじないような、仮調印は効力は持たないのだというようなことで、仮調印をお進めになるならば、アメリカの議会に対してもこれは非常な失礼ということになるのじゃないか。仮調印は効力のないものだから、それでやってよろしいなんということを政務次官ともあろう方が日本国会においておっしゃるならば、アメリカ国会に聞えたらどういうことになるか。私はそういうようなお言葉でなくて、やはりただいまおっしゃる御趣旨というものは、その学術会議そのほか世論、あるいは国会の慎重な審議というものを尊重せられるという意味で、現在は単に一応のことをやるというような意味におっしゃるのだというふうに伺いますが、しかし、それならば、仮調印というふうな形式までおとりにならない方がよろしいのじゃないか。アメリカ国会アメリカの議会の御都合というふうなこともありましょうけれども、しかしわれわれがそれに対して最高の敬意を払うということであるならば、やはり日本の世論というもの及び国会の決定というものを尊重して、それに従って、できるだけ早いことを希望されるにしましても、それにまだ遺漏があるのに、アメリカの議会に対して行動をとられるようなことをこちらがするということは、これはどうしても私は納得するということはできないのです。もう一度その点についてお考えを願うわけにいかないでしょうか。十分これは昨日も、政務次官は本委員会の討議の模様をお聞き下すったと思いますが、曽祢委員の御質問に答えられて藤岡参考人からの御意見も、現在急がなければならないという理由がないということを繰り返して申しておられたわけで、仮調印は効果がないものだから、やってもかまわないというようなことでなく、もう少し慎重な態度を、お考え直しを願うというわけにはいかないでしょうかどうでしょうか。
  86. 園田直

    政府委員園田直君) 仮調印は効力がないから勝手にやってもいいという意味のことを申し上げたのではなくて、仮調印と正式調印の関係を申し上げただけでございまして、仮調印は権利義務が発生しないので、国会承認を受けなくても憲法で委託をされておるから政府ができるという意味発言でございました。政府といたしましては、濃縮ウランの問題は、他の国々との関係等も考えまして、非常に遅れておりますので、一日も早く受け入れたいというのが政府の基本方針でございまして、そういう意味から今日の仮調印という問題が出てきておるわけでございます。
  87. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 権利義務が発生しないというふうにおっしゃいますけれども、しかし事実上においては、そこからやがて権利義務が発生するのです。その端緒をなすことはいうまでもないことであると思う。そういう形式論理というか、はなはだ失礼な言葉でもありますが、民間でそういうことをいわゆる三百代言というふうに一般にわれわれは言いますが、そういうようなことでこの重大な問題を扱われる、濃縮ウランの受け入れは石炭を買うくらいのものだなんということを閣僚が放言せられたということを新聞でも読みますが、そういう簡単な問題ではありません。重大な問題であるということは昨日の本委員会の討議の場合にも繰返しいろいろな方から申されたことでもありますから、今のような点は一つお考え直しを願いたいのです。それで急ぐことはもちろんですが、先へ行ってすぐ行き詰ってしまうような急ぎ方を現在すれば、急がば回れということもありますが、急ぐためにかえって先へ行って、将来の発展というものをはばんでしまうようなことになるということは政府の毛頭意図せられるところではないと思います。私は政府のお考えになっておるところも十分考えまして、どうしてもこの際ゼネバ会議前に、今月中旬以降に仮調印をなさるという点についてはお考え直しを願っておきたい。どうぞこれはお願いしておきます。  続いて、それでは今なさろうとしておりますその仮調印というものはいかなる内容を含むものであるか、それを伺っておきたい。
  88. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) 現在アメリカ側と交渉いたしておりまする協定内容の主たる点は、実験用の原子炉に対するアメリカの技術援助でございまして、それに伴うその実験用の原子炉で用います燃料でありますところの濃縮ウラニウムを六キロ程度アメリカから貸与を受けるということが主眼でございます。
  89. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 その仮調印としてお考えになっておるようなものの案文のようなものはまだできておいでにならないのですか、その大体の輪郭だけでももしお示し願えるならば、それを伺っておきたいと思います。
  90. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) 目下まだ案文の細目はアメリカ側と協議中でございまして、協議がまとまりますれば発表できると思いますが、今の段階ではまだ交渉中で、字句の修正その他毛ございますから、まだ協定全文は確定いたしておりません。
  91. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 その根本的な趣旨が何点かあると思うのですが、こまかい字句の修正などについて伺いたいと思っておるのではないので、その原則的な点ですね、そういう点はこの点とこの点とこの点というようなものはあるのじゃないか。それはこの本委員会に要求があれば御説明になるのが当然だと思いますが、どうでしょうか。
  92. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) 目下交渉中の協定内容は、ただいまも申しまするように、濃縮ウランを、実験用の原子炉のために六キロのウランを受け入れる、貸与を受けるということ、この協定の期限が五カ年であるということ、それが主たる点でございます。
  93. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 もう少し詳しく御説明になるのが私は当然だと思いますが、しかし今おっしゃっておる中にも、権利義務に関係してくる点があるのではないか。現にその貸与を受けるとすれば借り料を払わなければならない。借り料を払うとすればやはり国民の税金からそれを払わなければならぬということは明らかなことであると思う。またその貸与を受けたものは、あちらにもあるこちらにもあるというものの貸与を受けるのではないのですから、そうした貴重なものの貸与を受ければ、その貸されたものに対して国際法上の慣例というものもあるし、また国内においても立法しなければならぬということも起ってくると思う。そうすれば国民の権利を制限しなければならないということも起ってくることは当然でしょう。その国民の税金に関する点、及び国民の権利に関する点、それらの点を含んでいないというふうにおっしゃられるのですかどうですか。
  94. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) 協定文はアメリカとトルコの間に結ばれました協定がいわゆるスタンダード・アグリーメントになっておりまして、それがいわゆる標準型でございまして、自来トルコ、イタリア以下すでに八カ国は調印いたしております。まだ今明週中にさらに十カ国が同様の協定アメリカと調印するのでございますが、これらの国々アメリカとの協定はほとんど全部このトルコ・アメリカ協定内容は同一でございます。従いましてトルコ協定の案文は皆さんのお手元に差し上げておるはずでございますが、ウランの賃借料につきましても、目下アメリカ側に幾らであるかということを問い合せ中でございます。
  95. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 私の申し上げておるのは、実質的に国民の権利義務に関係があるということを申し上げておる。今申し上げた点は、その濃縮ウランを借りることについて予算の支出を伴わない、それからそういうものを借りることについて国民の権利を制限しなければならないような立法の必要はないというふうにお考えになっておられるか、この二点をはっきりお答えを願いたい。税金、予算の支出というものは要しない、国民の権利は制限しないということであるならば、先ほどの御説明を一応納得する。こういう程度の話し合いであるということになるかもしれませんが、先ほどの御説明でも、国民の権利義務というものと直接関係がないからとおっしゃっておりますが、実質的にはそういう関係があるのではないか。それはないというふうにおっしゃることはできますか。予算の支出を要しない、また国民の権利を制限しないというふうにはっきりおっしゃることができるのかどうか。
  96. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) トルコ・アメリカ協定を見ましてもわかるのでございまするが、現在交渉いたしておりまする協定によりましては、現行の日本法律ですべてが律せられるのでありまして、新たなる立法措置を必要としないのでございます。その点ははっきり米側も明言いたしております。それから将来実験炉なりウランを購入あるいは貸与を受ける場合の財政負担につきましては、先方と賃借料その他を確めた上で、財政的負担が必要であればもちろん国会承認を求めたいと思っております。
  97. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 その予算の支出を要するということは明らかなことではないでしょうか、初めからね。ただで借りるのではないでしょうから。そうしてそれを幾らで借りるかというようなことについてはまだ明らかでないかもしれませんが、しかし国民の税金を使うということは最初から明らかなんです。従ってその仮調印というものは、先ほど政務次官が御説明になったような意味で国民は納得することはできません。議会の予算審議権、あるいは国民の税金に関する権利義務というものを、形式上は別としまして、実質上は踏みにじるものと言わなければならない。それから第二に、立法措置を要しないというふうに政府はほんとうにお考えですか。  第一の点は、予算の支出を要することが明らかであるようなものを、さっきおっしゃるような意味において仮調印することができるかどうか。それから第二に、立法措置というものを絶対要しないということを確言せらるるかどうか。もし、将来それがそうでなかった場合においてはどういう責任をおとりになるか。
  98. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) この協定調印の結果、新たなる立法措置を要しないことは先ほども御説明申し上げた通りでございます。  それから財政的負担につきましては、原子炉購入についてはすでに本年度の予算にも一応原子炉予算は通産省についております。その範囲でできまするものか、あるいはさらに値段を確かめました上で、その範囲でできますれはいいですし、もしできなければ明年度の予算を請求いたしたいと思っておる次第であります。
  99. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 予算の点は、やはり実質的に新らしい予算支出を要するのですから、私は仮調印というものが、さっきおっしゃるように、政府の行政権の範囲内で行われ得るものとは考えません。そこで、今まで伺っておるような予算に関する御説明というものは、予算についての正しい考え方ではないと私は思う。しかし、特に問題になるのは、立法措置が必要でないという考え、それではどういう既存の法律でまかなわれるつもりですか、それを伺っておきたい。
  100. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) どういう法律というのは、もう少し具体的に……。どういう問題を規律するためにどういう法律が必要かという御質問でございましょうか、その点少し御説明願いたいのでございます。
  101. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 アメリカとトルコとの協定などにも現われていますが、一々それによるまでもなく、アメリカの原子力法に基きましてもそうでありますが、二つの点で私は立法の措置が必要であろうと思う。第一は、これは軍事的に用いられない、借り入れられた濃縮ウランが軍事的に利用されないという明らかな安全の措置をするためには、やはりそれに対する立法が必要です。法的な保護が必要であります。  第二は、やはり原子力法にも述べられておりますように、その貸与せられた濃縮ウランその他のものを確保しなければならない。それがなくなったり、あるいはよそに、許可されていない人の手に渡ったりすることを防がなければならない。つまり盗まれることを防がなければならない。それについてのやはり立法措置が必要である。私はこの二つの点について現在日本にありますいかなる法律によってこの二つがまかなわれるか、私の研究した限りでは、この二つをまかない得る法はないように思います。政府は、その二つの点については、今まである何の法律によってそれをまかなわれるつもりでありますか。
  102. 下田武三

    政府委員下田武三君) 予算の点と立法の点を問題になさいましたが、第一の予算の点につきましては、およそいかなる条約でも何らかの意味予算を必要としないものはございません。これは国家活動でございまするから、たとえて申しますと、先般御承認を願いました文化協定のごときですらも、教授、学生を交換いたしますることになりますと、やはり予算が要るわけでございます。しかし、これは外務省経費に入っているのもありますし、また将来大きな経費を要します場合には、特に予算として計上いたしまして、国会の御承認を得ればよいという関係になっております。しかし、これは協定が発効いたしまして、国家間の権利義務となって初めて必要に相なるわけであります。  そこで、先ほど政務次官が申し上げましたように、憲法は、条約締結するについて国会承認を求めることを必要といたしております。条約締結すると申しますことは、その条約日本国を拘束するということでございます。そこで仮調印と申しますのは、交渉当事者が、当筆者の間ではこういうように内容をきめましたといって、その証拠のためにサインするのでありまして、まだ国家を縛るに至っていないのであります。でありますから、この協定ができて、いよいよ国津拘束を受け、財政義務を現実に負担するというときに、国会承認権を持っておられるわけでありますから、死活の権利を持っておられるわけであります。その段階に至ります前に政府部内、あるいは交渉当事者限りで、将来発効するかもしれない内容は一応こうしましょうときめますことは、これは完全に行政権の範囲内で、憲法第七十三条第二号に申しまする外交案件の処理に属するものであります。その外交案件を処理しましたものを生かすか死なすかという活殺の権を国会がお持ちになっておるのでありますから、その間に国会が態度をおきめ下すっていいと思うのであります。ただいまの段階はそういう段階ではないのであります。  第二の立法の問題でありますが、これは御指摘になりました軍事的の使用禁止、これは日本のただいまの国の建前として、そういうものを平和的にしか利用しないという大方針でございますから、これは事実それを軍事的に使用しなければいいのでありまして、何らこれを禁ずるための法律を設ける必要はないと思います。またセキュリティの問題、これは、まわりの人がそのために放射能を受けてけがしたりしないという意味のセキュリティは、これはまわりの者が注意すればよろしいのであります。つまり、これは官庁の場合には、官庁の物品取扱者というものがございますし、民間会社でもやはり物品の取扱いの取締り者というものがございます。また、これが盗まれたり何かしないようにするという点は、これは、人の物を盗めば刑法の窃盗罪に該当するわけでございますから、こういうように一々調べてみますと、トルコとアメリカとの協定で規定されたよう九事項を国内的に実施するにつきまして、何らの立法措置を要さないで、現行法ですべてまかなえるというのが政府部内の結論になっております。
  103. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今政府のお考えになっておるような仮調印が、今御説明になりましたような意味において政府の行政権内で行えるものかどうかということについて御説明ですが、その御説明の御趣旨に従いますと、もし正式の調印を国会が否決をした場合には、外務省はどういう責任をおとりになるのか、それを伺っておきたいと思います。しかし、これは外務省がどういう責任をおとりになるかというだけの問題ではないと思う。これは、もう条約局長はよく御承知のことだと思いますが、憲法において究極の点が明らかにされているというように考えることはできない。すなわち、もしも条約というものを政府が結んだ、それが国会において承認が得られなかったという場合にはどうなるのかということは、サンフランシスコ条約の討議の当時からなかなかこれが決定せられない問題であって、国際的な儀礼という点から申せば、国会がこれを否認するということは容易でないことです。従って国会としては、せっかく国際的に話合いのできたものを日本国会承認を与えないということは容易でないことです。これはよく御了解下さると思う。  従って、国会としては、相当問題があるけれども、国際的にある程度まで話し合いの進んだものだから承認をしようということにならざるを得ないのです。事実上これは憲法においても、その条約とそれから憲法及び法律といずれが優先するかということが明らかになっていませんから、従って条約が優先するというようにも解釈できるし、憲法及び法律が優先するというようにも解釈できるし、それについては定説もないし、明らかな解釈もないのですから、そうならばどうしてそうなっておるかといえば、やはり国際的な取りきめというものは、わが憲法及びわが法律というものに明かに違反するものでない限り、また政府もそういうようなわが憲法やわが法律に明かに違反するような取りきめをなさるような相談をなさるはずはないし、従って国会がそれを承認を与えないということもないだろうという希望的な考え方のしに立って今まで運ばれているんです。しかし今回のような場合には、あるいはそれが明かにわが憲法あるいはわが法律に触れるということでないかもしれないけれども、しかし国の外交方針として、あるいは国の学問、技術の発達という面から、場合によって正式調印という場合にそれが国会承認を得られないということが起るかもしれない。起った場合にはあるいは日本外務省は責任をおとりになる、日本政府が責任をおとりになるつもりがあるかないかは、今から仮定の問題だからわかりませんが、かりにおとりになったとしましても、国際的にはあまり好ましいことじゃない。そういうアメリカと話の進んだものを日本国会が否認するということになることは好ましくないことだということは、これは政府もよく御了承下さることだろうと思う。ですからそういうことが起らないようにしていただきたいというのが私の質問の要点なんです。そういうことが起らないようにするにはどうしたらいいかといえば、現在考えておるような仮調印に当然将来国会承認するかしないかという、条約局長のお言葉を拝借すれば、国会が活殺の劍を握らなければならないような事態が発生することが明かであるような仮調印を結ばれることは、つつしまれた方がよろしいのじゃないかというのが第一点。  それから第二の点は、十分御研究の結果の御答弁と思いますけれども、トルコその他の国々においてはこういうものをまかない得る法律がございます。御承知のように日米相互防衛協定に基きますアメリカから日本に武器を貸与せられました場合も、御承知のようにその日米相互防衛協定の中には日本に立法措置を求めるということがなかった。これは当時は岡崎君が外務大臣でありましたが、アメリカ側から日本に向って立法措置は要求していないけれども、日本にはこれをまかない得る法律がない。従って日本としては立法しなければならないということで、御承知の防衛秘密法というものを作らざるを得ないということに追い込まれたのですが、現在のトルコなどをもし政府がモデルになさっておるとすれば、それはどうでもアメリカの原子力法に従えば、私は今御説明のようなことではいかないのではないか、今御説明のようなことでゆくのならば、私は自分の杞憂であることをむしろ幸いとするものなのですけれども、実際問題としては今御説明の第一の点ですが、軍事目的使用しない、わが憲法がそういうふうにいっておるけれども、それにどういう罰則があるか。もし軍事目的に使った人がある場合には、これはどうもはなはだ済まんことをしたということで済むのです。  それから次に、これは放射能その他の関係もありますが、もう少し重要なのは、いわゆるそれが盗まれたりあるいは許可されていない人の手に渡ったり、それからもう少し具体的には濃縮ウランが燃焼してそこにできたもの、いわゆる灰、その灰の分量及び性質を変えないということを約束しなければならないのですが、その分量及び性質を変えた、変ってしまったようなことがある場合は、あるいはその濃縮ウランが盗まれたような場合に、これはいわゆる刑法にいう窃盗罪に関する法律だけでまかなえるものでしょうか。そしてアメリカに対してはどうも相済みませんが、盗まれました。盗んだ本人は窃盗犯として取調べ中でございますということで済むというお考えでございましょうか。これらの点についてやはりもう少し慎重にお答えを願っておかなければならんと思うのです。
  104. 下田武三

    政府委員下田武三君) 第一点につきましては仰せごもっともでございますが、これは法律問題と政治問題とが両面あると思うのでございます。法律問題といたしましては、先ほど私が申しましたように、条約というのは国会承認なくしては締結できないものでございますから、全く国会が活殺の剣を握っておられるわけであります。しかし現実の政治問題といたしまして、外国政府がすでに約束してしまった既成事実を作ったから、それをくつがえしては悪いではないかというようなことは、これは私はそういう態度で政府条約締結をなすべきものではないと考えております。これはウィルソンが締結いたしましたベルサイユ条約アメリカ国会批准しなかったという大きな例もございますけれども、いかなる国の立法府といえども、立法府の協賛を得て条約締結する制度をとっている国では、これはほんとうに法律問題でなしに、現実政治の問題としても、国会の政治的御意見から条約を殺してもこれはかまわないものだろうと思います。ただ現実の問題としましては、議院内閣制度のもとにおきましては、政府の背景に多数党、または少数党でありましても、それと提携し得る政党というものがございますので、実際の例といたしましては、条約国会でくつがえされる例というものはそうはないことは仰せのように事実でございますが、しかしこれは何も例が少いというだけの話でありまして、理論的にそういうことをしてはいかんということには私は相ならないと思いますし、あくまでも国会というものは、ただいまの制度である以上は条約に対しては活殺の剣を握っておられるべきものであろうと存じております。  第二の立法の点につきましては、私の申しましたのはさしあたりの問題でございまして、遠い将来永久に立法を必要としないということは申し上げられないと思います。これは工場ができまして、煙突を出せば工場取締り法規も必要になりますし、鉱毒を流せば鉱毒の取締りも必要になります。遠い将来発電用の原子炉でもできました場合には、やはり工場取締りと同じ意味におきまして都市や何かを防護するという立法は必要になると思いますが、さしあたり小さな実験炉で実験をするという段階においてはそういう意味の立法は必要ないと存じます。また灰をなくしたとか、あるいはその分量や性質を変えてしまったとか、あるいは盗まれてしまったというような場合には、なるほど日本政府アメリカ政府に対して責任を感じなくてはなりません。しかし日本政府外国政府に対して責任を感じなければならないということと、それを犯した個人を罰するということとはやはり別問題でありまして、外国に対して責任を感じなければならないような事態をしでかした個人は、必ず常に罰則をもって刑罰に処するという必要は実はないのでありまして、たとえば善意でもってそういうことをしでかす場合もあるのでありまして、その場合善意でありましても、国と国との関係では政府としては遺憾の意を表するということは必要になって参ります。しかしながら、かといって国内的にその者を現行の法律の罰する以上に特別に罰するという責任は政府にはないものと思っております。
  105. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 条約局長の御答弁は、条約局長の職務の範囲を逸脱せられているように私は思う。第一の点ですが、政府としては当然国会承認を得られないような話し合いを外国との間に進めるべきではない、その一点に尽きている。まずかったら国会が否認してくれたらいいなんていうことを条約局長が御答弁になるということは、私は聞き捨てならないことだと思う。そんなことで国際交渉をなさるということでは、とうてい日本国際的に信頼せられる位置を回復することはできません。ですから今の御答弁は私は伺うことはできない。政府はあくまで国会承認を得られないような取りきめを結果するような話し合いは進めていないということでなければ相ならんと思う。しかも今の問題は、決して今おっしゃる程度に簡単な問題ではないのです。これは条約局長もよく御承知のように、現在はアメリカにおいても憲法改正の問題が議会ごとに問題になっています。そういうふうに実際国内の法律あるいは憲法というものと国際外交上の問題は、ことに最近のように国際関係が複雑になってくるにつれて非常な重要な問題を含んでいる。それだけ私が今申し上げたように、政府としては国会承認を得られないような結果を招来するような話し合いを進めないという点ははっきりしておいていただかなければならない。まあとにかくやっていきます。まずかったら否認していただきます。そういうことはできますというようなお答えをなさるということは、私は許されがたいことではないかというように思います。  第二の点、遠い将来においてとおっしゃるけれども、現在トルコとアメリカと結ばれているようなモデルによりましても、あるいは原子力におきましても、おそらくはこれはMSAの場合と同様に、原子力法をアメリカにおいて持っておるような立法と同じ立法を日本で持たなければならぬことは当然です。そうすればアメリカでは現在原子力法は国内の方においてどういうような法律によってまかなわれている、法律上まかなわれているといえば、御承知のように非常に厳重なセキュリティに関する法律の適用があるわけです。その結果が御承知のようにあるいはオッペンハイマー教授が原子力委員会を追われるというようなことにまで立ち至っているのですから、アメリカではそれほどに厳重な国内の法律による規制をやっているのに、日本がそれと全くバランスのとれない、それこそいわゆる野放し的なことでやっていけるという話は全く納得することができない。これはおそらくは当然、いわゆる仮調印というか、その話し合いを進めていかれる場合にも、この濃縮ウランの取扱いにおいては、アメリカの国内においてなされているのと大体同じようなことを日本でしなければならぬということになるだろうと思う。それはなぜそういうことになるのだろうと推測するかというと、単なる臆測ではない。さっきも聞きましたMSAに伴う武器貸与の場合全く同様です。この場合にはセキュリティ・メジャーということになって、別に日本の国内立法を要求しているのではありませんが、しかしアメリカにおいてとられているのと同じような措置日本でもとってほしいということで、国会では防衛秘密保護法案というものを審議するようになったのです。ですから今おっしゃったように、灰の性質が変らない、灰の分量が変らないということについては、御承知のように先般のビキニの灰をくぐった第五福龍丸の灰の日本における研究というものが公表された事実と、アメリカにおいてそういうものの研究は公表されていない事実とのこの食い違いが、アメリカにおいてしばしば問題になってきたことです。従って今度濃縮ウランを借り入れるについてそれから発生する灰の処理について、アメリカにおいてその灰の処理に関する、いわゆるセキュリティ・メジャーというものがとられているのと同じセキュリティ・メジャーを、遠い将来においてじゃない、この仮調印なり話し合いを進められていく過程においてすでにそれが考えられなければならないということは明らかなことだろうと思う。従って発電をやるとか、工場を作るとかいうような遠い将来の問題ではない。現在の問題として、私はアメリカでとられていると同じ程度のやはり法律による保護をしなければならないのじゃないか。もしそうでないということを政府はお考えになるとすれば、ただいままでのお答えでは私は不十分だろうと思う。従って今ここで立法措置の必要は全くなしというように断言せられる根拠は私ははなはだ薄いのじゃないかと思う。けれども、先ほどから政府は重ねて、現在進めておる仮調印というものの範囲内においてそれが当然国内立法をしなければならないというようなことを含んでいないというようにお答えになったのは、既定の事実ですから、それについては私はその政府の言明を信ずるものでありますけれども、しかしながら、今私が心配しているような点はあるのじゃないか。その点についてもう少し慎重なお答えが必要じゃないかと思うのですが、まあ今のような点をも考慮して、しかも結論として濃縮ウラン借り入れについては国内立法の必要なしというように明言されますか。
  106. 下田武三

    政府委員下田武三君) 行政協定の場合の例をお引き合いにお出しになりましたが、行政協定の場合は御承知のように、二十七条で立法上の措置を必要とするものについては立法上国会に提出するという義務を実は協定中に持っておりまして、その通りに実は実行いたしたのであります。今回の協定の場合には、交渉過程におきましてアメリカ側から日本側に立法を求めるようなことは全然申しません。そうしてまた従いまして立法するかどうか、完全に日本側の自由に決し得るところでございますが、政府部内におきまして検討いたしました結果では、先ほど申し上げましたように、何らの立法措置を必要としない、そういう結論に達したわけであります。
  107. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これはなかなか重大な問題でありますから、私は総理大臣か外務大臣からもこの点についてははっきり伺っておきたい。今の条約局長の御答弁は、政府を代表しての御答弁でありますから、そういうふうに伺っておきますけれども、政府の公式のお答えとして伺っておきますけれども、この問題に関連して、なお私の心配している点を総理大臣なり外務大臣にただしたいというように考えます。  私は結論としましては、今のような政府の態度というものはやはりわれわれに対して若干の疑念を与えておられる。また国民もそういう点を心配している。で幸いにして果して政府が今お考えになっているように、国民の権利義務というものに関係するような……、全く関係しないような話し合いでもって仮調印ができるということであるならば、政府のただいままでの御説明を伺うということもできますけれども、私はどうもそういうことはむずかしいように思う。で、あとになりましてから、そういうことであって、それでただわれわれとしては外務省の責任を追及して事は足れりというようには考えない。外務省をそのとき罵倒してみても始まらない。私どもとしては、そういう困ったことがあとに起らないように現在慎重な態度をとっていただきたい。その意味からも現在政府のお考えになっている仮調印ということをゼネバ会議以前になさるということには多々疑問があるのではないか。政府の今のお考えは、先ほどからのお答えでよくわかりましたが、しかし私がただいま心配している点もるる申し上げましたので、十分おわかり下すったことだと思いますので、御再考を願いたいと思うのであります。私としましては特に国内立法を必要とするようなことになりはしないか、そうすれば仮調印ということでなさると、仮調印したものを正式調印する場合に国会がそれを否認するということは、なかなかむずかしくなってくる。そうするとそれを承認するということになる、承認すると国内立法をしなければならない。そうしてその灰の取扱いについて、あるいは濃縮ウランの取扱いについてやはり刑罰を伴う立法をしなければならなくなるのではないか、私は法務委員としての体験からもどうもその心配が強い。  ことにこの問題がいわゆる科学者、学者がこれらの濃縮ウランにタッチせられるので、その濃縮ウランに直接タッチせられる学者に向って刑罰を伴うような法律で安全措置をしなければならない。そしてその学者の行動というものを取り締らなければならないということは、日本の学問の進歩、発達に非常に害がある。そのために学術会議でもいわゆる三原則というものについて繰り返してその意見を発表しておられるのです。どうか一つ私の今申し上げている点が単なる杞憂であれば仕合せですが、しかし将来において外務省が苦しい思いをなさることがないように、現在の仮調印を急がれるという態度を再検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  108. 園田直

    政府委員園田直君) 濃縮ウランを早急に受け入れたいという方針は、すでに閣議も決定しておりまするし、政府部内の意見も一致をしております。ただし調印についての細部の問題等についてはまだ検討する部面もございまするが、ただいまの御意見は御意見として承っておきます。
  109. 羽生三七

    羽生三七君 この協定を結んでおる国が——現在アメリカ協定を結んでおる国ですが、これは現在トルコにコロンビアですか、それから先日デンマークがアメリカとイギリスと西国と結んだと思うのです、それ以外ではどんな国がありますか。それから近くどんな国が結ばれようとしているのか、先ほどのお答えでは何か十カ国というようなことを言われたと思いますが、ちょっと御説明を願います。
  110. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) ただいま列挙になりました国以外にブラジル、イスラエル、それからその他八カ国はすでに協定に調印をしておる。それからイタリーももちろん入っております。それ以外に今、明週中には予定されておるのがベルギー、カナダ、オランダ、スイス、ビルマ、インドネシア、エジプト等でありまして、全部で大体十八大国であります。
  111. 羽生三七

    羽生三七君 近く結ばれようというこれらの国々は、大体今日本と時期的に同じころということをいわれたのですが……。
  112. 河崎一郎

    政府委員(河崎一郎君) 昨日のワシントンからの通報によりますると、大体今、明週中ということであります。
  113. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 先ほどの羽仁さんの御質問に関連するのですが、仮調印と正式調印との関係です。政務次官お話のように、仮調印には両国政府の一応の話し合いがあって、仮調印がすぐに政府自体を拘束するものじゃない。これは当然そうであろうと思うのです。正式調印があれば政府はそれによって拘束される。今度は仮調印と正式調印との二段がまえになっているのですが、アメリカ国会との関係ですね、事を急ぐのは、アメリカ国会の会期の関係に関連するということを聞いておるわけなんです。そうしますとアメリカ国会では今回の仮調印を基礎にして、それに対して承認を与える、こういうことになるのですか、どうなのですか、その点ちょっと条約局長に。
  114. 下田武三

    政府委員下田武三君) 米国の方ではこの協定アメリカ国会に提出して、その承認を求めることは必要になっておりません。ただインフォメーションとして書類を見せるというだけの話でありまして、見せるためにはまあ内容がとにかくきまっていなければなりませんので、一応イニシアルしたものをお見せする、そういう関係になっております。それで仰せの通りアメリカの議会の会期だけの関係アメリカ側が非常に急いでおるわけで、ただいま局長が申しました十八カ国が今、明週中にやろうというのも、やはり全部アメリカの会期の関係で急いでいるわけです。
  115. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 そうしますと、正式調印後もアメリカ国会としては承認するしないの問題はないわけなんですね。
  116. 下田武三

    政府委員下田武三君) 仰せの通りでございまして、ございません。
  117. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 さっき総理大臣あるいは外務大臣から伺いたいと思った問題なのですが、これは今お答えを願えればその方がなおいいと思うのです。二点でありますが、それは今お進めになっております濃縮ウラン受け入れに関する交渉の間に、濃縮ウランの受け入れば日本アメリカからだけでなく、ほかからも受け入れるということができるというようなことが明らかにされておられますかどうか。そしてそれが議事録の上でなり何なりにおいて、あるいはさらに願わしくばその仮調印せられまする文書の上にそれが明らかにせられるのでありましょうかどうか。  それから第二点は、この濃縮ウラン受け入れに関しまして、日本国内において秘密保護立法、つまり刑罰を伴うようなそういう立法をしなければならないということは全くないということは、やはり交渉の過程において明らかにせられておりますか。そしてそれが議事録なり何なりにおいて記録されておりますか。あるいはさらに望ましくは、それが仮調印せられまする文書の上に、トルコなどの場合と違って、そういう点が明らかにされるでありましょうか。その点についてお答えが願えれば伺っておきたいのです。
  118. 園田直

    政府委員園田直君) ただいまのお尋ねの点は両方とも議事録その他のことに書く必要のないことでございまして、第一も、第二番目の立法の問題も……。第一のアメリカ協定を結んでも他国から受け入れてもいいかということは、これは当然のことだと考えておるばかりでなく、ただいままでの交渉の過程中に向うの意思は明確になっている問題でございます。
  119. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これは私が今伺った二点とも、それについてのお話し合いはあったのですか、そうして日本からそれを尋ねたことに対して、向うから正式にそれらの必要がないという答えがあったということなんでしょうか、もしそうであるとするならば、これは議事録に載せる必要がない。あるいは仮調印せられる文書に載せる必要がないというようにお考えになるのは、私はどうかと思うのです。これは当然のことのようでありますけれども、しかしながら、外国の場合には先ほど申しましたように、トルコその他の場合には国内にそういう秘密保護立法があるでしょう。日本の旧刑法第八十五条以下のような、それに類似したような法律があるのですから。甘木にはそういう法律がないのですから、まかなえる法律がないということをアメリカは十分に知らないかもしれない。そのときによく調べてみたら、日本にはまかなえる法律がないそうだということになったら、それでは日本はやらなければならないということになると思いますから、そういう疑念の問題がある、コントロヴアシーのあり得る問題ですが、私は議事録なり、あるいはさらに願わしくは正式な文書なりにそれが記されていることが望ましいことであると思いますので、ただいまのように当然のことであるから必要ないということは御再考願いたい。
  120. 園田直

    政府委員園田直君) ただいまのことは当然のことであると解釈しておるばかりでなく、ただいままで交渉経過中の向うの説明にその点は明確になっておりますし、文書の公開はしておりませんが、こちらはいろいろな説明あるいは意見の交換等は文書に残しておりますので、それをさらに議事録なりその他に書くことは不必要だと考えております。  第二番目の立法の問題は、わが国独自の見解からそういう必要が出てくるようなことがあれば別でございますが、向うからはその点もはっきりしております。
  121. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 しかしこれは両方とも大切な問題で、そうして外国の場合と日本の場合と違う点もありますし、それから国民がそういう点について心配していることは、政務次官もよく御承知通りですから、単に口頭でそういう話が出たという程度だけでは私は不十分ではないかと思います。そういう点もう少し明らかに証拠を残して、記録を残しておかれることが必要ではないか。それは日本側だけの記録であっては、単に口頭で述べられた雑談であったというふうなことになってしまえばそれだけのことですから、そういうことではないようにしていただきたい。
  122. 石黒忠篤

    委員長石黒忠篤君) それでは本日はこれをもって外務委員会を散会いたします。    午後零時二十八分散会