○国務大臣(
三木武夫君) この付帯決議につきましては、私も
政府の見解を、付帯決議を議決されました後に、
衆議院におきましてもお答えをしておいたのでございます。これは全部が全部、
政府がこの付帯決議の趣旨に沿えるとは申しません。検討を要する趣旨もございますが、大体においてこの付帯決議の趣旨を尊重して参りたいという
考えでございますが、この機会にその八ヵ条の各項目について
政府の見解を今申し上げるとこが適当でございますならば、この機会に申し上げてもよろしゅうございますが……。
これは第一の附帯決議は「
保険金額を
政令で定めるにあたっては、本法制定の趣旨にかんがみ、一
事故あたりの
保険金額の
制限を行うとこなく、充分に被害者並びに被
保険者の利益を考慮すること。」というのが第一項でございます。それに対しては
政府は、
保険金額の
制限は行いませんという答弁をいたしております。
それから第二は、「
保険料率についてはこれが低廉化を図り、その算定にあたっては、無
事故に対する報償制の採用、交通繁雑なる地域と然らざる地域等との間における
料率に差等を付し、輸送の態様、業種別等による
事故率の差異に相応して
料率に差等を付すること。」これに対しては、
保険料の低廉化については御趣旨に沿い、加入者の納得し得る方法を講じたい。無
事故の報償制、
地域差、業種別等、公平適正な方法を採用いたしますというお答えをしておきました。
第三の項目は、「収受した
保険料総額から、支払った
保険金総額と附加
保険料総額との合算額を控除し、なお相当の残額あるときは、これを
一定の比率により
保険契約者に割戻すが如き方法を考慮すること。」ということになっておりますが、これについては、報償制とも関連して具体的方法を検討をいたしたい、こう答えておきました。
第四は、「
保険会社が
代理店契約を締結するにあたっては、特別な事情で止むを得ないと認められる場合の外、本
保険加入義務者の
組織する団体で運輸大臣の指定するものとの間にこれを行うものとすること。」というとこにつきましては、御趣旨については
大蔵省と協議して実行いたしたい。なお、本件については、すでに
委員会に提出した覚書について
大蔵省と協議済みであるという答えをしておきました。
第五は、「本法が多分に
強制保険の方法で被害者の保護を図る目的を有するものである点にかんがみ、更に国庫負担の増額を考慮すべきこと。」これについては、先般
早川委員にもお答えいたしましたごとく、今後一段の努力を払いますということを答えておきました。
第六は、「
自家保障については、速かに
一定の
基準の下に相互
保険へ移行せしめること。」こういう点がございます。これについては、本
制度は早急かつ円滑な実施のため、今回採用しなかったが、相互
保険などについてはこれを将来において善処したいとお答えしておきました。
それから第七は、「商品たる
自動車の
保険については、その特質にかんがみ、実情に即するよう特別の措置を講ずること。」ということがございますが、これについては、商品たる
自動車の
保険については、無理のない方法を実施いたしますということを約束しておきました。
第八は、「本
制度実施に伴い、運転者その他労働者の労働
条件の悪化を来さざるはもとより特に勤務時間の適正化と賃金
制度の改善を図ること。」これについては、御趣旨に沿うよう
関係官庁とも密接な連絡をとって、業者の指導その他適切な処理を検討して参りたい。
以上が
衆議院の付帯決議と、私が当日付帯決議が議決された後に申し述べました
政府の見解でございます。