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一松政二君
運輸大臣に伺いたいのですが、いわゆる
監督規定というものが、今までの
日航法においても、これを
監督し、
数字をとり、実際上にいろいろなことを言うのは、一係官なのだ、大蔵省の。そうして
大臣や
局長なんというものはほとんど最後の締めくくりかなんかに、その係官の属僚的な
考え方を聞いておやりになっておるのが、実際に近いのだろうと思うのであります。各省の担当官がいつも予算を取るのに、大蔵省へまるで物もらいに行くようなふうに行っておるのが実情であると思う。
監督規定を厳重にすればするほど、そこへそういう問題が起ってくる。今まででも私はかなり微に入り細をうがって、そうして場合によっちゃあ、結局、江戸のかたきを長崎でとるのか、あるいは自分の言うたことがさほど重点が置かれなければ何かはかのことですぐ当りちらすことが、人間だからありがちなんです。そうして肝心の
目的とする営業の成績を上げる方は、手足を縛ることによって気をくさらして、そうしてこれは
山縣委員も僕は同じ角度から論じられていると思うのですが、
事業の
経営というものそそんなものじゃない。
数字で表われて、そうして
数字をひねくり回して、いろいろ理屈はまあつくかもしれませんけれども、大蔵省の
一つの机の前におって何かきまりきったことをやる者と違いまして、それは実際、
経営上においてはあらゆるいろんなことが起ってくる。それをあとから結果から見て、これはもう必ずその結果から見て、どうだこうだ言うにきまっているのですよ。そうしてその言うことをきかなければ金を出してやらぬ、これはけしからぬじゃないかというのが、大体落ちになりはしないかを私は憂えるのです。
これは
運輸大臣でも、あるいは
航空局長でも、あるいは大蔵
大臣なり次官なりが、直接こうあるべきじゃないかと大局的にお互いに相談をして、そうして適当なところに落ちつくならば、私は何をか言わんやと思うのだけれども、多くの
法律を厳重な
監督規定にすればするほど、今度はその専門の係官ができてきて、その専門の係官はいかにも小じゅうと的存在になるわけです。これが私は官僚
機構なり
政府あるいは
公社等のふるわない
原因になると思う。それは人間でありますから、どうもその個人感情が、はさむなといったって場合によればそれははさむような事態が起ってきがちで、
社長や専務は、
会社の
経営よりは大蔵省の係官に頭を下げてその了解を求むることにきゅうきゅうとするような私は結果が心配になるわけなんです。今まででも私はあったと思うのですよ。それが今度は、
法律上さらにそれを、当然今までだって金を借りる――これは銀行で金を
民間の人が借りるにしても、何ら
法律上の規則がなくたって簡単には借りられない。それじゃあもうからぬじゃないかと思うが、銀行に金を借りに行けば、みんなそれなんです。
日本航空は、自分で借りるとなればどうしても
政府の保証が要る、あるいは
政府の口添えが要るということになれば、どうしても大蔵省の了解を得なければならない。これは
規定がなくても私は
資金面においてはもう現在
監督ができると思う。また、それをやらなかったら大蔵省が承知しませんから、どうも厳重な
規定ができると、かえってそれが所期の
目的を達しない。さっき
山縣委員の言われたように、
会社をしゃちこばらして、そうしてどうもこの
企業までかたくなってくるという心配があるので、おそらく
運輸大臣もその点は私は同
感じゃないかと実は思うのだけれども、その
運用の、係官の
考え方がまあ一番の問題になるので、私どもは、できればこういう問題はなるべく
経営者の良識に待って、そうしてもしあやまちがあれば、これを厳重に是正する方策はとらなければならぬけれども、
経営の微に入り細をうがって一々説明を求めるという方向には、なるべく
運営をやっていただきたくないと
考えるのですが、
運輸大臣の御
意見を承わっておきたい。