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1955-06-04 第22回国会 衆議院 予算委員会第二分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月四日(土曜日)     午前十時三十五分開議  出席分科員    主査 藤本 捨助君       有馬 英治君    纐纈 彌三君       櫻内 義雄君    中曽根康弘君       三田村武夫君    周東 英雄君       八田 貞義君    柳田 秀一君       岡  良一君  出席国務大臣         文 部 大 臣 松村 謙三君         労 働 大 臣 西田 隆男君  出席政府委員         文部政務次官  寺本 広作君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     緒方 信一君         文部事務官         (大学学術局         長)      稻田 清助君         文部事務官         (社会教育局         長)      寺中 作雄君         文部事務官         (調査局長)  内藤誉三郎君         文部事務官         (管理局長)  小林 行雄君         厚生事務官         (大臣官房会計         課長)     堀岡 吉次君         厚 生 技 官         (公衆衛生局         長)      山口 正義君         厚生事務官         (薬務局長)  高田 正巳君         厚生事務官         (社会局長)  安田  巌君         厚生事務官         (保険局長)  久下 勝次君         労働事務官         (大臣官房総務         課長)     堀  秀夫君         労働事務官         (大臣官房会計         課長)     澁谷 直藏君         労働事務官         (労政局長)  中西  實君         労働基準監督官         (労働基準局         長)      富樫 總一君         労働事務官         (婦人少年局         長)      藤田 たき君  分科員外出席者         厚 生 技 官         (公衆衛生局環         境衛生部長)  楠本 正康君         労働事務官         (大臣官房労働         統計調査部長) 百田 正弘君     ――――――――――――― 六月四日  分科員中曽根康弘君及び松浦周太郎君辞任につ  き、その補欠として櫻内義雄君及び有馬英治君  が委員長の指名で分科員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十年度一般会計予算中部省厚生省及  び労働省所管昭和三十年度特別会計予算中、厚  生省及び労働省所管     ―――――――――――――
  2. 藤本捨助

    藤本主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昨日に引き続き、昭和三十年度一般会計予算中、文部省、厚生省及労働省所管並びに昭和三十年度特別会計予算中、厚生省及労働省所管を一括して議題にいたし、質疑を続行いたします。岡良一君。
  3. 岡良一

    岡分科員 厚生大臣がお見えになりましてから原則的な点で多少質問をいたしたいと思いますが、その先に政府委員の皆さんから参考として具体的な数字等についてお聞きをいたしたいと思います。  まず国保事務費の問題でありますが、私は主として御提出の昭和三十年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案についての説明と、予算要求額事項別調べ、これに基いてお尋ねをいたすのでありますが、この説明書によれば社会保険事務費全額国庫において負担をする。そこで四十億九千百余万円が計上されておりますが、国保団体方面の計算によりますと事務費全額国庫負担になっておらない、なお九億七千五百七十七万四千円の不足である、こういう陳情を受けておるのでありますが、この数字食い違いはどういうところにあるのでございますか。
  4. 久下勝次

    久下政府委員 まず、国民健康保険事務費国庫負担事務費補助積算基礎を最初に申し上げたいと思います。国民健康保険事務費補助につきましては、例年保険者一人当り単価に換算をいたしまして補助をいたしておるのでございます。そこで一人当り単価が変りますことと、被保険者の総員によりまして、総額に開きが出てくるわけでございます。まず単価について申し上げますと、昭和二十九年度までは被保険者一人当りに換算して六十二円七十銭の単価で、それに被保険者総数をかけまして補助費を算出しておったのでございますが、昭和三十年度予算の編成に当りましては、その単価のうち大部分人件費でございますが、その単価人件費物件費にわかれておりまして、そのうちの人件費は前年度通りとして、物件費について国の一般事務費節減にならいまして五%の節減をいたしましたために、単価六十二円七十銭の分が六十二円三十銭になっておるのでございます。これに被保険者総数二千六百八十五万人としてかけ合せて出したのが、ただいま国会に提案されております予算数字でございます。従いまして、国保団体関係者が申しますのは、まず第一は、人件費見方が少い、同時にまた物件費も少いことを実は私ども毎年しばしば聞いておるのでございます。その主張においては無理からぬ点があるようにも考え例年この予算単価引き上げについては財務当局交渉を重ねておる次第でございますけれども、いろいろな事情から政府としては前年度単価に対して、先ほど申し上げたような一般事務費の節約の例にならう物件費節減を加えたもので積算をするということに話が落ちついた次第でございます。  もう一つは、国保関係者の申しますのは、かけ合せるもう一つの要素である被保険者総数見方でございます。これは助成交付金につきましても同様でございますが、私どもとしては昨年六月の被保険者数実績基礎といたしまして、そうして昭和三十年度増加を見込んで二千六百八十五万人という数字を出したのでございます。これにつきましては国保関係者主張としては、この数字見方も低くないかというような主張もあるのでございまして、両方かけ合せました積算基礎が御指摘のように開いておるわけでございます。
  5. 岡良一

    岡分科員 御説明を承わりますれば一応お取扱いの筋はわかるわけなんですが、とにもかくにもデフレ予算の影響で物価が下ったとはいうものの五分程度の値下りであり、かつまた物によっては値上りの傾向にもあるので、天引き的な物件費の五%削減という処置が妥当であるかどうかという点では十分御勘案を願いたいし、国保団体の方の被保険者数というものと厚生省調べの数というものに食い違いが出てくるということは、これは国保の運営上もまことに重要な問題であろうと思いまするので、こういう点は民主的にやはり国保団体調査実数等は十分尊重されるようにお取り扱いがあってしかるべきではないかと思うのです。そのようにお願いをいたしたいと思います。  それから厚生年金は本年度は大体どれくらいの受給人員ということに相なっておりましょうか。そしてまた平均受給年金額はどの程度でありましょうか。それから軍人恩給が今度予算増によって多少の引上げがあります。その一般兵士並みの遺家族の年金及び普通の文官恩給の最近の平均年金額、このようなものを資料としてお伺いいたしたい。
  6. 久下勝次

    久下政府委員 まず厚生年金保険の現況について申し上げてみたいと思いますが、最近の数字がここに出ておりまするので、これによって申し上げたいと思います。老齢年金は御承知通り一部支給されておりまして、三月末現在で支給しております件数は千三百十三人であります。支給一件当り金額は四万一千五百四十一円になっております。遺族年金につきましては今年三月末現在の支給件数は八万四千九百五十九人でありまして、一件当り金額は二万二千四百八十五円になっております。それから障害年金は同じく三月末現在の支給人員が四万六千二百四十四人でございました。一件当り金額は三万一千九百五十円になっております。このほかに障害手当金脱退手当金その他の一時金がございます。簡単に申し上げますと障害手当金昭和三十年三月末までの二十九年度累計が二千二百十二件でございまして、一件当り金額は五万八千五百七十三円でございます。それから脱退手当金は、これも一時金でございますので、二十九年度累計を申し上げますと十六万七百八十三件の支給件数になっておりまして、一件当り金額が一万三千九百八十八円、これは全体の平均ではございませんで、最近の平均金額でございます。それからその他の一時金が累計四百四十五件支給されておりまして、その金額一件当り一万八千四百八十六円、こういった状況でございます。  昭和三十年度予算積算当りましては、これらの実績基礎といたしまして老齢年金遺族年金寡婦年金障害年金障害手当金脱退手当金、女子特別一時金というようなものにわけまして、それぞれ金額積算いたしたのでございますが、もし御必要でございますれば、こまかい数字になりますが、申し上げてもよろしゅうございます。
  7. 岡良一

    岡分科員 けっこうです。それから文官恩給、旧軍人恩給についてはどうなっておりますか。
  8. 堀岡吉次

    堀岡政府委員 ただいま資料を持ち合せございませんので、後刻調べまして申し上げます。
  9. 岡良一

    岡分科員 それではすぐお願いいたしたいと思います。  次に健康保険赤字の問題、これは昨日もプライベートにお話ししておったのですが、どうもこの説明書を見てもわかったような、わからないようなことなので念のためにお尋ねいたします。  去年は五十八億の赤字であった。そこで、十八億を積立金から繰り入れたのですが、操作した。そこで四十一億の赤字があった。その中から十億は国が負担するのですかしないのですか、去年の跡始末ですが、四十億は長期借入金でまかなうのですか。その辺。それから今年度はほっておけば九十億余の赤字になる。そこで健康保険法改正して、その結果千分の六十を六十五に引き上げた場合、どれだけの収入増になるのか。標準報酬引き上げたときどれだけの収入増になるのか、あるいは三親等以外を適用除外したという場合というようなことで、九十余億の赤字がどの程度に押えられるのか。そこで十億国が負担をして、残りが三十億ということになる。そこで二十九年度の三十億と本年度の三十億と合せて六十億を長期に借り入れて、来年度から、厚生保険特別会計一般会計から十億ずつ繰り入れて、借入金の償還の財源補てんに入れる、こういう説明になっておるので、その辺が何だか頭がはっきりしないわけです。一つもっとわかるように御説明を願いたいと思います。
  10. 久下勝次

    久下政府委員 まず第一に厚生保険特別会計のうちの健康勘定経理の仕方を申し上げます。一応予算を立てまして、その予算に基きまして収入を上げ、支出をして参るわけでありますが、昨年度昭和二十九年度のように赤字が生じました場合には、予算上はそれだけの赤分につきましては支払いをいたさない。そうして翌年度支払いを繰り越しまして、決算としては赤字のない決算をするというようなやり方をしているわけでございます。そこで御指摘のように、昭和二十九年度収支の純計をいたしますと五十八億の赤字でございますが、十八億の積立金からの繰り入れと申しますのは、昭和二十七年度までに生じました剰余金が積み立ててあったのでございます、この積立金のうちから十八億を受け入れることにいたしまして、そうして経理をいたしますために、差引四十億の赤字ということになるわけでございます。そこでこの四十億の赤字は、先ほど申し上げたような予算経理関係から、昭和三十年度において支払いをすることになりますので、昭和三十年度支出予算の中には、赤字繰り越しの四十億分は支出の方に組んでございます。具体的に申し上げますと、三十年度予算書をごらんいただきますと、医療給付費が四百三十一億五千万円になっておりますが、そのうちの四十億は前年度赤字の繰り越でございます。従いまして差引三百九十一億というのが、昭和三十年度医療給付費になるわけでございます。そういうふうに御承知をいただきたいと思います。そこで問題は前年度からの赤字が繰り越されて、今年度において支払いをいたさなければならないわけでございますが、ただいま御指摘のように、昭和三十年度におきましては、いろいろ行政措置を強化いたしましても、収支差引六十億程度赤字になるのでございます。前年度赤字が四十億繰り越されておりますから、昭和三十年度としては百億の赤字を始末しなければならない、こういう結果になるわけでございます。この百億の赤字の始末につきまして、まず予算書の上で一番大きな部分を占めておりますのは、借入金の六十億を収入に立てておる点でございます。次は一般会計からの受け入れの十億円というのが一つ上っております。そのほかに保険料率を千分の五たけ引き上げることによります収入増が二十五億七千八百万円、標準報酬等級改訂をいたしますことによって収入増考えておるのでございますが、その分が五億七千八百万円でございまして、申し上げたものを合わせまして百一億五千万円ほどになっております。借入金六十億、一般会計よりの受け入れ十億、料率引き上げにより二十五七千八百万円、標準報酬等級改訂が五億七千八百万円、合計百一億五千万円というのが予算上の特別な計数として考えられておるわけでございます。これは先ほど申し上げました前年度の四十億と、今年度生ずる赤字六十億を約と申し上げましたが、六十一億五千万円になるわけでございます。それで先ほど申し上げた百一億五千万円という端数が出るのでございますが、これに対応する数字でございます。従いまして、説明の仕方はいろいろになるわけでございますが、いずれにいたしましても、前年度赤字全額借入金なり、一般会計からの受け入れでまかない得る、こういうことになるわけでございます。のみならず、さらに本年度赤字につきましても、以上申し上げたような対策を総合して収支償い得るような計画を立てたのでございます。  そこで、この借入金に計上いたしました六十億をどういうふうに将来返還をしていくかということでございますか、この点につきましては、別に厚生保険特別会計法の一部改正案国会に提案をされておるのでございます。それによりまして昭和三十一年度以降一般会計から毎年十億円を限つて補てんすることができるという規定になりまして、この毎年十億ずつ入る金によりまして六十億の金を返済する。ただ法律の書き方は、もうすでに本年度予算に組んでございます十億の根拠をつけようというので三十年度以降という表現がございまして、七年にわたってと書いてありますが、実際は本年は十億入っておりまして、来年度以降において入ってきますものは借入金六十億を返済する分でございます。このように御承知願いたいと思います。  なおこまかいことでございますが、申し上げておきますと、借入金六十億につきましては、現在のところまだ資金運用部運用計画には載っておらないのであります。これはさしあたり国庫余裕金の繰りかえ使用でやっておきました方が、利子もいりませんので、年度末までに資金計画の変更によって計上されることになると思いますが、それまでは六十億の借入金はさしあたりそれまでの所要分につきましては、国庫余裕金の繰りかえ使用でしのいでいくということに事務当局と話し合いをいたしておる次第でございます。なお借入金利子につきましては、来年度以降の予算の折衝の際に解決を期待しておるわけであります。
  11. 岡良一

    岡分科員 そうしますと、三十年度以降ですね、厚生年金特別会計法改正は。すると今年度給付費補てんに充てる、来年度からは運用部資金から借りた金の返済の財源にする、こういうわけですね。
  12. 久下勝次

    久下政府委員 お話通りでございます。
  13. 岡良一

    岡分科員 そういう場合、健康保険法第七十条で健康保険事業事務の執行に要する費用は国が負担するとあって、給付費負担するということは書いてないわけです。そこで厚生年金会計に関するそのような訂正をなさっても、やはり本質的には健康保険法そのものにおいて第七十条に、国は給付費負担をすることができる、せめてできるくらいの表現ではっきりしておくことが、やはりこういう金の動かし方の問題であってみれば、いいんじゃないか、正しいんじゃないかと思うんですが、なぜそういう措置をとられなかったのでしょうか。
  14. 久下勝次

    久下政府委員 まず第一に申し上げておきたいと思いますことは、先ほど来申し上げましたように、今後年度割に一般会計からの繰り入れば行いますけれども、これは昭和二十九年度及び三十年度に生じました歳入欠陥補てんするためでございます。三十一年度以降の収支の問題につきましては、御指摘療養給付負担をするということにつきましては、政府部内におきましても全然方針としては決定しておらないわけでございます。そういう意味合いにおきまして、特別に法律的な根拠を設けることは、まだ政府としてはできない段階でございます。一方こういうような金を支出いたしますことは、御指摘のように、法律根拠があった方がいいということは言えましょうけれども予算指揮によりまして可能なことでもあると思います。特に禁止規定がございませんことも考えまして、予算上の措置として補助金なり助成金が出ますことも、御案内通りあるわけでございますから、しいて根拠がなければこういう金が支出できないということはないわけでございます。
  15. 岡良一

    岡分科員 久下さんは大蔵省代弁者のようなお話をされますが、しかし予算措置でやれるといたしましても、また従来の慣行上そういうことがやってあるといたしましても、あるいはまたしてはならないという規定がないといたしましても、そういうことじゃなく、これはあなたはその方のエキスパートだからおわかりと思いますが、来年だって歳入欠陥はおそらく出るのではないかと思うのです。これに対して何の手当もしない、ただ一時糊塗的に十億を入れて国庫負担の名目を立てたというような、言つてみれば非常にごまかし的なやり方である。そういうやり方じゃなく、やはり厚生省としては、こういう際にこそ国庫給付費の一部の負担ができるというくらいなことを入れておくべきではないかと思うのですが、大蔵省代弁者じゃなく、保険局長なりその方の当の責任者としてのあなたの率直な御所見はどうなんですか。
  16. 久下勝次

    久下政府委員 私も保険局長ではございますけれども、同時に政府の職員の一人でございますので、それ以上のことは私申し上げられないのであります。ただ、予算決定前に本本委員会におきまして率に私の考えを申し上げましたように、社会保険社会保障制度の一環でありますから、当然国において国庫負担をなすべきであると私は考えておるのでございます。その国庫負担のできます幅に応じて他の措置考えるという考え方で進んでおるということを申したのでございますが、来年度対策につきましても、やはり同様の考え方をもって進むべきであると私の立場としては考えております。
  17. 岡良一

    岡分科員 厚生年金保険積立金は、ことし総額どれくらいになるのでしょうか。それからその、いわば還元融資とでも言うべきものはどの程度になっておりますか、予算書を見ない怠慢は何ですが、この際、お聞かせ願いたいと思います。
  18. 久下勝次

    久下政府委員 実はけさこちらに参りますときに、一部また預託をいたしましたので、本日現在で一千百三十億に上っております。そこで本年度還元融資でございますが、資金運用部資金運用計画にすでに計上してございまするのは四十五億円でございます。ただいまのところ最終決定はいたしておりませんけれども、私どもといたしましては、四十五億円のうち、三十億円を勤労者の住宅に融資し、十五億程度を従来通り病院医療施設に融資するという考えで、政府部内でただいま交渉中でございます。
  19. 岡良一

    岡分科員 千百三十億の利息はどれだけですか。
  20. 久下勝次

    久下政府委員 千百二十億の利息は、一般資金運用部資金扱い方にならっておるのでありますが、御案内のように、五年の長期で預託いたしますと五分五厘の利子がつくことになります。大体私どもとしては、保険金積立金でございますので、年度途中のごく一時的なものを除きましては、大部分を最長期の五年で預託しておるのであります。
  21. 岡良一

    岡分科員 収入として見積られる利子収入は幾らなんですか。
  22. 久下勝次

    久下政府委員 昭和三十年度予算積算してございますのは七十億四百二十一万六千円でございまして、前年度、二十九年度利子収入は五十三億五千八百万円予定しておりますので、約十七億ほど多い金額になります。
  23. 岡良一

    岡分科員 たくさんの国でもないのですが、僕が行ったスイス、西ドイツ、英国など、この国民の支払った料金の積立金処置――大蔵省資金運用部に預入して、金融債だとか財政投融資だとか地方債に充てている国はないのです。これは何とかもう少し大幅に、やはり積み立てする者の福祉に還元する――理論だけではなく、実際各国の例を見てもやっておるのですが、なぜ日本ではできないのですか。あなた方は少し弱気ではないかと思う。こういう弱気では福祉は全く保てないと思うのですが、こういう点部内で何かまとまったお考えはないでしょうか。
  24. 久下勝次

    久下政府委員 この問題は、昨年厚生年金保険法全面改正の際にもいろいろ御指摘があった点でございます。そのときにも、またその後におきましても、私どもとして、厚生年金保険積立金運用につきましては政府部内においていろいろ相談いたしておりますけれども、現在のところ政府部内の一致した意見といたしまして、積立金資金運用部に預託しておくという基本方針はかわっておらないのでございます。
  25. 岡良一

    岡分科員 簡易保険どもはずされておるし、これを別途な運営に切り離すわけに本行きがかり上参るまいと思いますけれども、しかしこれは、やはり政府の方にも真剣にお考えをいただきたい。相当なものが社会保障資金として還元されるということになれば、日本社会保障制度はそれだけで見違えるものになるのですから、一つ十分御研究を願いたいと思うのです。これは国会の側においてもいろいろ具体的な案を考えておりますが……。  それから山口さんにお聞きしたい。結核対策の強化に必要な経費を計上されており、しかも先般の結核白書とでも言うべき驚くべき石川県における結核の実態に即してこの対策が立てられたものであると、かように説明されたのでありますが、予算数字について見ると、ベットには非常に重点が置かれている。ところが予防というようなことについては、経費が非常に乏しいのでありますが、この点はいかがなんでしょうか。非常に不均衡じゃないかと思うのですが、これでやれるのですか。
  26. 山口正義

    山口(正)政府委員 結核対策費全体のうちで、予防面に使える費用の占める部分が他の医療費とかあるいは病床の増設費に比較して非常に少いという御指摘でございました。これは、実際の数字の上でそういうふうに出ておりますことは事実でございます。しかし、従来の比重に比べまして、昭和三十年度におきましては、健康診断対象者を非常に大幅に広げますので、予算面昭和二十九年度は一億二千七百万円でございましたが、昭和三十年度には二億二千万円というようにそれ自体の数字といたしましては大幅にふえております。それから健康診断範囲拡充に従いまして、健康診断に必要な施設の整備につきましても、前年度に比べて相当増加計画して、案を立てておるわけでございます。それからまた単にベットだけでなしに、今回の予算でもお願いいたしております在宅患者に対する施設として、居宅隔離ということを徹底させますために、とりあえず昭和三十年度は、テスト・ケートとしてではございますけれども全国で二千三百床の療養室設置ということを計画いたしておるわけでございまして、そういうふうに全般の比重から見ますと、まだ少いのでございますが、これは事柄の性質上、医療室の建設費が相当金がかかりますので、どうしてもそういう比重になるのでございますけれども、従来に比べましては相当予防面の方に予算的にも力を入れるというような行き方をいたしているわけでございます。なお病床につきましては、現在入院を希望している者が非常にたくさんございますので、病床の整備も必要でございます。ただ全体の予算のワクもございますので、金額は昨年よりずっと減少いたしておりますし、その建設に当りましてはできるだけ効率よく予算を使うという目的で新設を一応抑制いたしまして、既設の療養所に病棟だけをつけるという方針で進んでおりますので、病床数は一応昨年通り計画いたしております。金額におきましては昨年よりずっと圧縮されておるわけでございます。それから健康診断を、予算的には従来の医師の能力等からしまして、対象者を広げましたものを全部消化するということはなかなか困難でございますので、大体その実施率を見込んで予算は計上いたしておるわけでございます。
  27. 岡良一

    岡分科員 とにかく厚生省結核白書のような状態で間違いがないわけですから、これはよほど力こぶを入れなければ、ほかの病気と違って結核は個人の生活力、生産力のみならず、家族の、国家の生産力にも大きな影響を及ぼす重大な国家的な関心事なのです。そこで一応在宅患者等についてはベッドをふやすとか、待機安静小屋のようなものを――そこまでいく金はとてもできないと思うのですが、そういうものを試験的につくられるというお気持もわかりますが、健康診断予防接種、早期発見ということなら、移動的な機動性のあるレントゲン自動車とか、あるいは保健所の充実ということが何としても必要だと思うのですが、保健所はどうなんですか。医師なり保健婦なり、必要な看護婦なりの定員というのは、今はどの程度まで充足されているのですか。百パーセント充足されておりますか。
  28. 山口正義

    山口(正)政府委員 ただいま御指摘結核予防面を強力に実施して参りますために、御指摘のように保健所の設備なり機能を向上させていかなければならぬということは仰せの通りでございます。ただいまお尋ねの保健所の人員の充足状況でございますが、これはまことに残念なことでございますが、現在の充足状況が非常に悪い。ことにその中核にならなければなりません医師の充足状況が非常に悪いという状況でございまして、各職種を全部ひっくるめまして、現実には大体七割程度しか充足されていないというような状況でございます。
  29. 岡良一

    岡分科員 そういうふうに保健所が十分な機能を発揮するに至っていないところへ、この要求事項を見ると、保健所の経費が減っているようなんですが、これはどういうわけなんですか。
  30. 山口正義

    山口(正)政府委員 保健所の予算面につきましては、従来は大体保健所の、いわゆる私ども考えております定員の一〇〇%近く、約九五%くらいの定員の充足を見込んで予算を組んでおったわけでございますが、現実になかなかいろいろな条件がございまして充足しにくいという実情でございます。しかしながらそれを放置するわけには参りませんので、私どもとしては保健所の医師を初めとしての不足している人員の充実には極力努めていかなければならない、いろいろな対策を立てているわけでございますが、本年度予算におきましては、現実に充足しております実人員を基礎といたしまして、それに今後の充足して参ります見込みなどをある程度加えまして予算を組んでおりますので、予算面でそういうふうに減少しているわけでございます。しこうしてこれは昨日政務次官が御説明申し上げました当初の説明にもございましたように、充足をできるだけ促進する一助ともなるために、俸給の単価を相当大幅に上げてもらうというようなことをしているわけでございます。そういうように見込みました人員の差がそこに現われているわけでございます。そのほか保健所の建設費につきましては先ほど結核病床でも申し上げましたように、昭和三十年度は一応新設は見合せるというようなことのために全体としてやや減少しているのでございます。しかしながらこれは結核対策費の中に含まれているわけでございますが、保健所の機動力を十分発揮させたいという意味におきまして、県の費用で一定数のレントゲン自動車を購入し、県直属にこれを保健所に配属するわけでございますが、レントゲン自動車を回しまして保健所の機動力を向上させ、できるだけ健康診断の実施率を上げていきたい、そういうふうな計画をいたしております。
  31. 岡良一

    岡分科員 いろいろ御苦心のほどはわかるのでありますが、レントゲン自動車は今間接撮影の装置を持っている自動車が全国に幾らくらいあるわけでありますか、ことしはどのくらい作ってどういうふうな運営をされるわけでありますか。
  32. 山口正義

    山口(正)政府委員 現在全国で百四十台ございます。私どもの目標としまして現在Aクラスの保健所が全国二百カ所ございますので、その二百カ所にとりあえず設置したいというふうに考えているわけでございますが、一年にあと六十台ということはいろいろな全体のバランスで困難であります。とりあえず今年は二十台を増加して百大十台に持っていきたい、そうしてそれで保健所を数カ所受け持たせて巡回させるように持っていきたいと思っております。
  33. 岡良一

    岡分科員 結核の問題ですが、この医療費が公費負担に対する補助の必要なのが十六億一千二百万円ということに今なっているですが、それで健康保険も入院を要する被保険者療養給付費の総額の約六割です。久下さんの、結核関係療養給付が四割、生活保護法に基く医療扶助が六割です、そういうものがとにかく結核に食われているわけです。だから生活保護法とか健康保険制度とかいうような医療疾病の社会保険がこの結核によつて財政的にその基礎をくずされているというのが偽わらざる実情ですね。これをどう打開するかというところに、今日の社会保障制度結核を兼ねた総合的の統一的の強力な政策が必要だと思うのであります。ところがこれは何回かの国会にまたがってわれわれが小委員会をこしらえて結核に関していろいろ検討した結果、あの結核予防法が政府と協力してできたわけなのです。公費負担が十六億一千どれだけだということで、事実上健康保険の財政にも生活保護法の医療扶助費にも非常に大きな食い込みがある。ここのところに問題点が私は一つあるのじゃないかと思うのですが、こういうことについては、山口さんとしては、こういうふうにあった方がいいのじゃないかというような何か御意見はないでしょうか。
  34. 山口正義

    山口(正)政府委員 ただいま御指摘のように結核医療費が生活保護法あるいは社会保険の方に非常に大きな重圧を加えていることは事実でございます。従いまして、これは非常に先の話になることだと思うのでございますけれども、やはり結核対策としては先ほど御指摘のように予防面に重点を置いて新しい患者を作らないように、あるいは患者が出て参りましても早期発見、早期治療をして、短かい期間で効率よく治療を全うする、そうして長期の患者を作らないようにするということが根本策だと思うのでございますが、現実に存在している患者に対してどういう手を打つていくかということ、やはりこれは大きな問題として私ども今後も検討して参らなければならないと考えているのでございます。結核予防法による医療費の公費負担制度につきましては、昭和二十六年に制定していただきました結核予防法は同年十月施行以来いろいろの批判もあり、検討を加えて参っておるわけでございまして、昨年度、一昨年実施いたしました結核実態調査の成績に基きまして厚生省内でもこの問題を各方面からいろいろ分析し、従来の資料等もあわせて検討したわけでございます。できれば結核健康保険、あるいは生活保護法から離して、結核予防法による医療費公費負担の方で一本にしたらどうだというような議論も、相当突き進んでいろいろ検討してみたのでございますが、いろいろな障害あるいは難点もございまして、なかなかそこまで至らず、とりあえず昭和三十年度は現在のままでいこうということになったわけでございます。私どもといたしましては、この結核予防法による医療費公費負担制度が伸び悩んでいるという点には、やはり公費負担率の問題あるいは国庫補助率の問題もありますので、そういう点もいろいろ検討してみたのでございますが、財政的の関係もございましてとりあえず三十年度はこのままということになったわけでございます。しかしこの問題は先ほど御指摘のように生活保護法なりあるいは社会保険に対する関係等も考えまして、どうしてもできるだけ早い機会に根本的に考え方をまとめなければならぬということでございます。この結核予防法第三十四条による公費負担を義務制にしたらどうだというような御意見も出ているのでございます。これは私どもの方でもほかからもいろいろ御意見を伺っているのでございまして、そういう点検討しているわけでございますが、片一方においては結核保険の方からも出ておりますが、どの線が一番結核対策として、特に結核医療費という問題を取り扱う際に一番妥当性があり、所期の効果を上げ得るかということを検討しているわけでございまして、私どういうふうに考えているかというお尋ねでございますが、とにかく現在のままの結核予防法による医療費の公費負担制度このままでは、地方財政の関係もございまして、十分所期の目的を達せられない、これを何とかしなければならぬ。その方向は先ほどから申し上げましたようないろいろな点が出ておりますので、私どもも早急に何らかの結論を得なければならないというふうに考えているわけでございます。
  35. 岡良一

    岡分科員 いろいろ御心配をしておられるわけなんですが、結核保険の点は実は私も当初そういう主張を申し上げたこともありますけれども、いろいろ厚生省の方々のお知恵もお聞きすると、イタリアのムソリーニがたしか万対死亡率二三を三以下にしているはずです。あれはイタリアの結核予防保険という制度が非常に大きく貢献したように文献では言われておりますけれども日本のようにもう長い歴史のある国保や健保がある、結核予防法もあるという段階では、やはり結核予防法そのものを今御指摘のような、あるいは国の負担率を上げるとかあるいは義務支出にするというところで、もっと結核に対する国の責任を財政的にも制度的にも明確にし得るような打ち出し方にするように、この法律改正を断行するのがまず第一着手じゃないかと思うので、これはぜひ一つ真剣に、しかも力強く御研究を願いたいと思うのです。  それから覚醒剤の問題ですが、去年でしたか精神衛生法でヒロポン中毒の患者の措置入院をすることにいたしまして、自来二十九年度でどれくらいが措置入院によって入院しておりますか。それからまだなお野放しの、しかも他人を傷つけ、あるいは自己を書するおそれありと称せられる措置入院該当の有資格者としてのヒロポン中毒患者はどのくらいおりますか。
  36. 山口正義

    山口(正)政府委員 精神衛生法の措置入院に該当する覚醒剤の患者の数――ただいまここに正確な数字をつかんでおりませんで、まことに申訳ないわけでございますが、現在まで全国の三万数千床のうちに入っております覚醒剤の中毒患者は大体千五、六百というふうに見込んでいるわけでございます。しかしなお在宅で相当の患者が存在しているというふうに私ども考えているわけでございまして、それに対して本年度予算にも増床をお願いしているわけでございます。ただいまの御質問に的確にお答えを申し上げる資料を現在持っておりませんで、申訳ございません。
  37. 岡良一

    岡分科員 とにかく新聞なんかの報道によれば、土十万近いものが中毒患者だと言われておるようで、相当あるわけですね。二千百床の病床を併設するということでは九牛の一毛にも満たないというような格好なのです。  いま一つ、これは精神病院に病床を併置されるということ、そして分散的に覚醒剤中毒患者を配置されるということはけっこうなんですが、その管理について、厚生省としてもこれまでの御経験から何か適当な管理方式をお考えでしょうか。事実上精神病院にこれを預かってあちこちで非常な迷惑を受けておるわけなんですが、そういういろいろな体験からこうした方がいいというふうな何か管理の指導的な方針というようなものがありましょうか。
  38. 山口正義

    山口(正)政府委員 ただいま御指摘の点、私も各方面からいろいろ御注意を受けているわけでございます。最初は専門家の方々の御意見によりますと、分散するよりも社会的な関係等も考えて一カ所にした方がいいというふうな御意見があったのでございますけれども、やはり現実には分散させて精神病院に付設した方がいい、あるいはその中に溶け込ました方がいいというふうな御意見が多いようでございまして、その管理方式についてそれを取り扱われたいろいろな専門家の御意見がございますので、それを私ども精神衛生審議会あるいは精神衛生会の方でいろいろ検討していただいておるわけでございまして、ただいま御指摘のような点は、それを取り扱われました各専門家の御意見を集めて一つの管理方式を組み立てたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
  39. 岡良一

    岡分科員 とにかく結核患者もさることながら、特にああして被害妄想とか嫉妬妄想が激しいのですから、発作的に街頭で見も知らない赤の他人を川の中へほうり込んだり傷つけたりするという、言ってみればうかつに町の中を歩けないような者が野放しで十万も十五万もこの大都市を中心にいるのです。これをわれわれはやはり社会問題として考えなければならぬ。しかも彼らが非常に反社会的な根源をなしておることも考えられますので、もう少しこれに力を入れるべきではないかと思うのです。これもあとの祭りですが、一つもう少し奮発をしてもらいたいと思うのです。  それから簡易水道の予算ですが、私は簡易水道が、いなかの村や町に用水塔なんかができ上っているのを見ると、住民そのものが何かしら非常に明るい文化的な希望とでも申しましょうか、誇りとでも申しましょうか、そういうものを持たしめ得るに足ると思うのです。それが三億ばかりも減額になっているようですが、なぜこういうふうに減額になったのでしょうか。
  40. 楠本正康

    ○楠本説明員 お答えを申し上げます。御指摘のように若干減額になっております一二十九年度におきましては当初八億、節約で六千万円を引きまして七億四千万円、これが三十年度におきましては六億四千万円、ちょうど一億減額になっております。ただいまも御指摘のように、簡易水道は非常に要望も多く、従いましてこの程度予算ではなかなか要望の何分の一もおこたえできない点をまことに苦慮いたしておりますが、目下財政の関係もありまするので、できるだけ重点的に実施をいたしましてその御要望におこたえいたす以外に方法はないのでございます。しかし今後できるだけ努力をいたしまして予算の増額等には力を尽したい、かように考えております。
  41. 岡良一

    岡分科員 今政府の方で新生活運動というのを唱えられて、たしか文部省予算で五千万円が計上されておるようですが、農山漁村の新生活運動といえば、やはり多くの場合水の問題の解決が中心じゃないかと思うのです。食生活の改善もここに始まると言ってもいいと思うのですが、それが台所の能率化、主婦の負担の軽減、そして保健衛生の観点、あらゆる具体的な効果が水の解決にかかっておるとさえも言っていいと私は思うのです。こういうふうに倍も三倍もふやすくらいにするのが新生活運動を唱える政府のあり方じゃないかとさえ思う。これがこのように無慈悲に削られているということを私どもは納得いたしかねるわけなのです。これも一つ今後はぜひとも重点的にお取り扱いを願いたいと思っております。  それから安田さんにお尋ねをしたいのですが、生活保護法の医療扶助は本年度予算で大体やっていると思われますか。
  42. 安田巌

    ○安田(巌)政府委員 医療扶助は最近大体一月に十七億くらいの金になっております。それの八割が政府負担でございますので、大体現在の予算でやっていけるものと考えております。
  43. 岡良一

    岡分科員 いずれ足りなければまた当然追加しなければならないということになっておるわけですから、途中でまた足りないからといって結核患者が厚生省の前で死ぬようなことのないように一つお気をつけ願いたいと思うのです。  それから世帯更生運動の推進についての経費が計上されておりますが、このボーダー・ラインの階層というのは一体全国でどのくらいおりますか。
  44. 安田巌

    ○安田(巌)政府委員 ボーダー・ライン層というのはなかなか調べ方がむずかしいのでありますけれども、二十八年の三月に厚生省の厚生行政調査という調査をいたしましたときには、全国で百四十万世帯というものがボーダ一・ライン層だということでございます。五人世帯にいたしますと七百万人という数字が出るわけでございます。これに対する対策でございますが、これはボーゼー・ライン層に属するものを調べてみますとわかるのでありますが、たとえば農家で言いますと、五反未満の専業農家というのが大体これに属するものと見ていいかと思います。それから三反未満のいわゆる第一種兼業農家、つまり三反未満の農業をおもにやっておりまして、その他の方を少し兼業いたしておるような農家もそれに属する。あるいは常用の労働者なり日雇い労働者、あるいは未亡人の世帯なり身体障害者の世帯なりそれぞれのものが出てくるわけであります。そういったものに対する対策は、それぞれの産業行政なりあるいは労働行政において当然考慮されるべき大きな問題でございますが、しかしいずれにいたしましても、そういう人たちが貧困階級に落ちてくるということもこれは重大な問題でございますので、社会福祉の上における地域の組織事業として何とかそれを食いとめる方法はないかというのが今度の世帯更生運動のねらいなんでございます。これは二、三年前から民生委員を主といたしまして、民生必要の自主的な運動として現れて参ったのでありますが、私どもはそれを、民生委員を主といたしまして、同時にその知域の社会福祉協議会と協力をいたしました運動にいたしたいということで、その際に一番要望されておりますのが、何と申しましてもこの更生資金でございます。それで本年それに要しますところの資金を、大へんわずかでございますけれども三千万円ばかり計上いたしまして、これを府県に配りますと、府県はそれと同額の金を計上いたしまして、そうしてそれを社会福祉協議会に渡す。社会福祉協議会が今度さらに末端にその金を貸していくという形をとる。これは主としてボーダー・ライン層をねらっておる、こういうふうな考え方でございます。
  45. 岡良一

    岡分科員 しかし今おっしゃった百四十万世帯、七百万人というのでしゃう。そうすればそれがいろいろ他の産業政策等でもって自活の道を講ずるとしても、かりに落して三百万人としたところで地方負担の三千万円と合せて六千万円でしょう。そうすれば一人一日に二十円じゃないですか。というのは、このボーダー・ライン層に対する対策といっても、それはうっちゃっておけばみんな生活保護に転落してくるわけでしょう。その階層を何とかもう少してこ入れをして転落せしめないようにする。三千万円、六千万円ではこれば何にもできないのではないかと思うのですが、何か多少こういうことができるというめどはありますか。
  46. 安田巌

    ○安田(巌)政府委員 いろいろ申しわけをいたしましても三千万円が多いというふうな理屈は決して出て参りませんけれども、ただボーダー・ライン層が全部貧困階級にいつも落ちてくるとは限りませんし、またボーダーライン層に属するものを全部三千万円で救おうということもこれはできない相談でございますので、そういったような世帯の中で更生資金を出すことによりまして、またそれに適切な指導後援をすることによりまして更生できるような世帯をねらって世帯更生運動の対象にしたいということでございます。全般的な問題といたしまして、とにかく百四十万世帯のボーダー・ライン層、それになおまた二百万に近い生活保護を受けている世帯、これを合せますと九百万でございます。これはやはり日本の経済から見て非常に大きな問題でございまして、これはどういう手を用いましてもすぐに即効的な手段というものはなかなか見つからない。ましてや社会福祉の方面から何か手を打ってそれを全部救うということはとうてい思いもよらないことであります。しかしながらそうは申しましても、恥域的にそういう困った人が多い、その中でちょっと手をかしますと、呼び水をさすことによって自分の力を出すことができるというような世帯を見つけて、それをあと押しをしていきたい、大へんささやかな願いでありますけれども、そういうことをやりたいというのが三千万円の世帯更生運動のねらいでございます。
  47. 岡良一

    岡分科員 公益質屋の方は、今度はどの程度補助金を出されましたか。
  48. 安田巌

    ○安田(巌)政府委員 公益質屋は前年の通り千三百五十万円でございます。
  49. 岡良一

    岡分科員 地方では労働金庫などができて、対人信用で相当大口の三万円とか五万円見当の貸付がありますが、なおやはりこういう情勢になってくると、物件担保でささやかな二千円、三千円の配給の米を受け取りたいというような質の申し入れが相当あると思うのですが、そういう予算で応じられますか。
  50. 安田巌

    ○安田(巌)政府委員 公益質屋の補助は仰せの通りに非常に市町村から希望がございます。と申しますのは、今おっしゃったように困っておる人たちが、質屋ができて金を貸してもらえればありがたいという希望が非常に切実であるということ、それから市町村もこの仕事は社会福祉の力であります赤字を出さないで済む唯一の仕事である、そういった点があるわけでございます。そこで設備にこれだけ補助がございますが、大体十倍近い申し込みがやってくるというような状況でございます。そのほか資金関係で金さえあればもっとフルに利用されるというようなところもございますが、これも小さい町村なんかではいろいろやりくりに困っておるのが実情じゃないかと思います。
  51. 岡良一

    岡分科員 最近は労働金庫などが公益質屋の運転資金の融通などをやろうということをだいぶあちこちで聞いておるのです。従って政府の方でもっと設立に奨励的な意味をかねて補助金をうんと奮発してもらうと、相当公益質屋などは普及すると思うのです。今や質展に行くといったって、昔のように肩身狭く行くのではなく、みな堂々と肩で風を切って行く者が多いのですから、三千万円、六千万円の世帯更生運動もさることながら、緊急な事態においてわずかな生活の資金をほしいという場合の公益質屋は、やはり簡易水道と同じやうにもっともっと奮発してもらわなければいかぬと思う。こういうことではまことにおぼつかないと思うのです。  それから八田さんからきのうお話がありましたが、原子力の平和利用とかいうことが最近アップ・ツー・デートの問題になっているようだが、アイソトープの問題は厚生省の方では扱っておらないのですか。
  52. 山口正義

    山口(正)政府委員 原子力の平和利用ということになりますと、非常に幅の広い問題でございまして、決して厚生省だけの問題ではないのでございます。しかしながら厚生省でもこの問題をそれぞれの立場でいろいろ取り上げなければならないと思うのでございます。昨日医務局長から八田委員の御質問に対してお答え申し上げましたように、医療の方面につきましてもこの問題を取り上げていっておるわけでございます。現に昨日も医務局長からも申し上げましたように、国立病院では破り扱ってやっているわけでございます。今後これをどういうふうに利用の範囲を拡大していくか、診断並びに治療についてどういうふうにやっていくかというようなことは当然進めて参らなければならないと思っているのでございます。国立病院関係の仕事につきましては、医務局長の所官でございますので、私からこれ以上申し上げることは差し控えたいと思います。なおそのほかにこれを研究問題としていろいろ検討しなければならぬという点が多々あると思うのでございます。公衆衛生あるいは医学に関する研究方面につきましては、公衆衛生局におきまして取り扱っておりますので、私からその点を申し上げた方がいいと思うのでございますが、ただいま私どもの方で研究問題として取り上げておりますことは、アイソトープによって食品の防腐をどういうふうに処置できるかというようなことを昭和二十九年から研究のテーマとして取り上げて、これをそれぞれの専門家の方々に班を作っていただきまして研究をしていただいているわけでございます。ただいままで私どもの伺っております成績によりますと、非常に有望であるというようなことを伺っているわけでございます。これは私どもも現在取り上げております一つの部面でございますが、今後アイソトープをどういうふうに利用していくかという問題を、各方面についてそれぞれの立場から検討していかなければならないと考えております。
  53. 岡良一

    岡分科員 これは山口さんの所管とちょっと離れるかもしれませんが、食品衛生もさることながら、これは不治といわれたガンとか細胞の破壊に非常に有効適切だということが定説になっておるわけであります。一体厚生省としては、アイソトープをことしはどれだけ輸入してどこで研究をさせるかという予算的な、あるいは計画的な措置をとられているのですか。
  54. 山口正義

    山口(正)政府委員 アイソトープの輸入につきましては、政府全体に関係いたしますので、総理府の科学技術行政協議会――俗にスタックと申しておりますが、そこで輸入計画を立てるわけでございます。その際に各省からそれぞれの要望をとりまして、それをまとめて全体の計画を立てるということでやっているわけでございます。
  55. 岡良一

    岡分科員 そこでことしも輸入されるわけだが、それについて厚生省としてはこうもしたいという何か具体的な御計画があるかどうか、ちょっと伺っておきます。
  56. 高田正巳

    ○高田政府委員 アイソトープの輸入につきましては、ただいま公衆衛生局長からお話がございましたように、国全体といたしましては、科学技術行政協議会でまとめておるわけでございますが、厚生省関係部面でこれに希望いたします向きにつきましては、私どもの方でこれを取りまとめまして、一応の審査というようなこともございまして、これは科学技術行政協議会の方に申請する、大体さようなシステムで考えております。  今日、これに対して何か政策的なものを持っておるかどうかという御質問もあわせて入っておったように思います。この問題全体についての国の方針なりなんなりというものもまたいろいろ論議されておるところでありますが、私どもとして、特に政策的なものをこれに加味してさような破りきめをやっておるようなところまでは至っておりません。
  57. 岡良一

    岡分科員 もうすでに原子力利用準備調査会ですか、副総理を会長にして発足しておるわけです。それで濃縮ウランを受け入れようが受け入れまいが、アイソトープは利用できる、そしてこれは治療医学上画期的な効果を持っておるということもわかっておるのだから、厚生省としては、アイソトープがどれだけ必要か、ガン研ならガン研にこれをやつて、そうして学者と相談して、こういう面でアイソトープの平和利用をやるという計画くらいもないというのは非常に怠慢だと僕は思うのですが、どうなんですか。
  58. 山口正義

    山口(正)政府委員 ただいま岡先生が例としておあげになりましたガン研に対することでございますが、現在のやり方では、設置療養所以外は全部科学技術行政協議会の方に申請が参ります。しかしながらただいま岡先生の御指摘のように、国が、特に医療方面を担当しておる厚生省としては、これをどういうふうに利用したらいいかというようなことについて、単に現在の各所の施設に――直接科学技術行政協議会に要求するという形だけでなしに、一つ方針を持ってここにどういうふうに要求させるようにするとか、あるいは方法を考えるというようなことは、今後やはり考えていかなければならないというふうに存じております。現在の段階は、今御説明申し上げたような段階であります。
  59. 岡良一

    岡分科員 八口四日からジュネーブで開かれる国際原子力会議に、日本政府が議題として提出しております医学、生物学におけるアイソトープの重要性、それから放射能障害及び保護、放射能放射に関する生理、科学及び生物学上の問題、大規模な原子力利用に当る者の公衆衛生、こういうものは一体だれが出すのですか。この議題はどこで作るのですか。
  60. 山口正義

    山口(正)政府委員 その議題の選定は学術会議でまとめまして、そうしてそれを外務省に委託して先方に送るということになっております。
  61. 岡良一

    岡分科員 手続上はそうでしょうが、ビキニの問題なんかかなり本腰を入れて厚生省も御努力になりましたので、やはりいろいろと御連絡、密接な関係はあるのでしょうね。
  62. 山口正義

    山口(正)政府委員 昨年のビキニの実験を契機として、従来国立予防衛生研究所に設置してございました研究協議会をさらに大きくいたしまして、関係の各省全部集まりまして、厚生省に原爆対策の研究協議会というものを作ったわけでございまして、それで行政上必要ないろいろな研究を連絡調整してやっておるわけでございます。その中に学術会議のメンバーの都築博士、中泉博士も入っておられます。その間の連絡は十分とって仕事を進めているわけでございます。
  63. 岡良一

    岡分科員 あまりはやりものにあせる必要もないけれども、しかしジュネーヴ会議なんかでは治療医学的なあるいはそういう厚生関係に非常に関連のある報告が各国から集まるだろうと思うのです。代表が出ればみんなそれを持って帰るのです。中には国の政策の中に生かさなければならぬ問題がたくさんあると思うのです。何もはやりものに取っつく必要はありませんけれども、こういう問題については事前にやはり厚生省の側でも十分御研究になつて、そのデータを入手した場合いかにそれを活用するかというところまで思いをいたされるくらいのことは、濃縮ウランと違ってアイソトープですから、十分御研究になってしかるべきではないかと思うのです。これは一つぜひやっていただきたい。厚生大臣が一向お見えになりませんので、そこで……。
  64. 藤本捨助

    藤本主査 ちょっと申し上げます。今文部政務次官が見えておりますから、よろしければその方を……。
  65. 岡良一

    岡分科員 文部省のことは私しろうとなんですけれども、たびたび陳情を受けますので勉強さしていただきたいと思うのです。最近県の方から盛んに陳情の申し出があるのですが、それはこういうことなんです。去年も赤字で、今年も地方財政が赤字になっている。今年も七千四百億といって、事実上百四十億ばかり赤字を想定した地方財政規模で縛られている。従って三十年度赤字になる。ところがそのうちで一番大きな幅を占めるのは教育費だというのです。それで、この問題について何とか国会で再検討してくれないかという意見を繰り返し私は受けておるのです。いわば義務教育費国庫負担法という法律の問題にかかわると思うのですが、文部省はどういうふうにお考えなのでしょうか。こういう問題は地方財政との関連で、現実にこれは私どもの県だけでなく、多くの県において教育費、少くとも義務教育費に非常に大きな財政負担をする。しかもそれが地方財政の赤字の大きな原因になっているという。税制の改革やいろいろなことで地方財源を与えるといたしましても、やはりこれが重荷になっておる。これを何らか少し軽くしてやる方法はないかどうかということを率直に教えていただきたいと思うのです。
  66. 寺本廣作

    ○寺本政府委員 地方財政が大きな赤字を出している、その原因は教育費の負担にあると一般によくいわれるのでありますが、終戦後の地方行政の様子を見ますと、必ずしも教育費だけで大きな赤字が出たものとは私たちは見ておらぬわけであります。これはその他の費用をごらんになりましてもずいぶん大きく膨脹して参っておる。行政機構も複雑になっておりますし、警察費の負担も戦前よりははるかに多くなっている。いろいろな点で地方財政が圧迫されているのは事実だと思います。教育費も戦前に比べますると、いろいろ行政機構が複雑になっているということで、批判の対象になる部分はありますけれども、教育費が特に地方財政の大きな重荷になっているというのは、私たちは見方が片寄っているのではなかろうかと考えます。そういう見方が現われて、今度の地方財政再建整備法で教育委員会の原案送付権の問題などがいろいろ検討されたわけでございますが、地方財政全体が非常に苦しいときでありますので、私どもも教育行政自体が地方財政の重荷にならぬように、地方財政全体との調和をとって検討さるべきものとは考えます。しかしその問題はやはり地方財政の再建に協力するという教育行政の立場から考えらるべきものであって、地方財政の立場からだけこの教育問題を検討していくという考え方にはにわかに同意しかねるものがあると考えるわけでございます。  教育委員会制度はいろいろ批判の対象になっておりますが、まだ発足して以来第一回の委員の方が在任中でありますし、その功罪はその任期の終るまでには十分検討されて、その上で制度の改革が考究さるべきものだと考えております。文部省としても鋭意地方教育委員会制度発足以来の実績を検討中でございます。そういう点から、教育行政の立場で地方財政の整備に寄与するという考え方から問題を取り上げて参りたい、こういうふうに考えております。
  67. 岡良一

    岡分科員 寺本さんもわれわれとI・L・Oに行かれて、社会保障制度の視察に行かれたことがあると思うのですが、英国でも西ドイツでも義務教育というものをもう社会保障制度の中に入れているのです。国民の物心二面における支持が社会保障制度だという考えです。だから義務教育費というものは全額国が負担するという建前なんですが、そうはいかないとしましても、地方財政――私は教育行政ということをいっておるのではない。地方財政における教育に要する費用というものが現実に地方財政の重荷になっているということを申しているのですが、各府県、特に赤字を出している府県が三十七、八府県ありますが、昨年これらの県財政において教育費が占めた割合、特に義務教育費の占めた割合を御調査になったことがあると思いますが、あったらその数字一つお知らせ願いたいと思います。
  68. 寺本廣作

    ○寺本政府委員 地方財政の中に占める教育費の割合を調査した資料はございますが、今ここに持ち合せがございませんので、資料として差し上げたい存じます。
  69. 岡良一

    岡分科員 その問題はその資料をいただいてから私の考え方をまとめたいと思いますからお願いしたいと思います。  育英事業の点で伺いたい。育英事業は今度は少し月額も引き上げていただいたりしたのでありますが、大体希望人員は全国でどれくらいありますか。それからそれに対して事実上資金の交付を受ける人たちはパーセントでどれくらいになりますか、特に大学の方をお聞きしたいと思うのです。
  70. 稻田清助

    ○稻田政府委員 大体年々予算におきましてパーセンテージがきまっておりますので、申請者の方もそれを見越していたしますから、申請の何割ということにつきましてはあまり問題がないと思います。しからば学生絶対数についてどれくらいになるかと申しますと、大学につきましては二〇%、それから高等学校については三%、こういう割合になっております。
  71. 岡良一

    岡分科員 それでは大学学生の最近の実態から見て、育英資金を交付すべきものであろうと思われる推定と、現在事実交付を受けておる者との間のズレがあると思うのです。そういう点について何かお考えがありませんか。
  72. 稻田清助

    ○稻田政府委員 これは単価につきましてもまたパーセンテージにつきましても、二面の考察が必要だと考えております。単価につきましては大都会あたりで暮しております者が大体一万円前後、それから自宅通学、寮舎その他下宿等で非常に違いますが、七千円から一万二千円くらいまでの開きが月額あるといたしますならば、今大学の奨学資金は普通が二千円、また上級学年に継続します者は、今御審議願います予算におきましては継続者の三〇%が三千円という程度でありまして、まだ相当開きがあるわけでございます。ただその場合、その開きのどの程度まで金を貸し得るかということは、将来返す場合のことを考えなければなりません。かりに今の倍額の月額四千円程度貸したといたしますならば、二十年の償還におきましては年々一万円ずつ返さなければならぬ。あまりよけい貸し過ぎますと、これは償還について破綻を生ずるわけであります。従って大体どのくらいという点につきましては、償還金額年額一万円以下でなければ無理なのじゃないかというようなことも考え合せますれば、大よそ四千円程度というようなことを考えるわけです。しからばそのあとどうするかといえば、適正なアルバイトの非常なうまいあっせんとかあるいは寮舎その他住宅の方にもいろいろな保健施設考えなければならぬと思っております。  それからパーセンテージの問題でございますが、年々金額につきましては御考慮いただきまして、この程度ふえて参りましたけれども、これらにつきましてもわれわれといたしましては年年の経済界の好不況によって相違がございますけれども、やはりもっとパーセンテージは増していただきたいものと考えております。
  73. 岡良一

    岡分科員 そのパーセンテージをお聞きしておるのですよ。何しろこんなに貧乏な国ですから、頭のいい者はできるだけやっぱり好みの学校に入れて伸ばしてやりたいと思うのです。僕は育英資金について相当相談を受けるのです。ところが教育委員会に行くと、該当資格がないとかなんとかいうことで断わられるというのか、受けられないという羽目の人も耳にするのですが、これは該当資格というか何か基準のようなものはあるのじゃないですか。
  74. 稻田清助

    ○稻田政府委員 これはやはり優秀性とそれから経済上援助を必要とするというこの二点でございます。  それから後段につきましては、今重ねて御質疑のお言葉があって、パーセンテージが問題だと言われておりましたが、現在アルバイトを必要とする学生のパーセンテージでございます。これは終戦後一番ひどかったときには約七五%がアルバイトが必要だったのでございますが、ごく最近の調査によりますと、四〇%が必要だということになっております。大体アルバイトの可能な金額が月額二千円を限度として考えたとき、やはりパーセンテージといたしましてもできればもう一〇%くらいはなるべく早い機会に増したらばたいへん学生は助かるのだと思います。
  75. 岡良一

    岡分科員 何でもあれは県か学校に何名というような割当がくるんじゃないですか。そのワクの外に出てくるもりは非該当ということになって、はっきりしたパーセンテージがつかめないというような格好になるのじゃないのですか。
  76. 稻田清助

    ○稻田政府委員 つまり年々の実績によりまして、国立大学につきましてば割当といったような数字が内示せられます。それからやはり実績によりまし、高等学校につきましては各都道府県教育委員会にその割当的な実績が示されるわけであります。それが割当と申せば割当でございますが、大体みな実績を知っておりますので、申請する方も大体席次とか家庭の事情、その他まり採用額と申請額と差のないように取り扱われております。
  77. 岡良一

    岡分科員 一つできるだけ御奮発を願いたいと思うのです。
  78. 藤本捨助

    藤本主査 岡君にちょっと申し上げますが、文部大臣がお見えになりました。それから労働大臣が、あなたも御質問がございますので今御待機になっておるのですが、一時から衆議院本会議に労働省所管の重要法案が上程になりますので、その説明、御質疑等を受けられる関係上、時間があまりないのでございます。ですから、文部大臣に対する御質疑はたいへん恐縮ですが、重点的にしぼってお願いいたしたいと思います。
  79. 岡良一

    岡分科員 私が文部大臣にお尋ねをしたいことは、最近の地方財政の窮乏と地方財政における義務教育費負担部分のウェートというものが非常に関連があるので、地方財政の現在の危機を切り抜けるためには、国として何らか適当な対策がなかろうか。それには府県財政における義務教育費負担のウェートというようなものを計数的に一ついただいた上でいろいろと御当局の御意見を承わりたい、こう申し上げておったわけなんですが、この点について、さらに文部大臣としても達識の方でおられますのでいろいろお耳に達しておる向きがあろうと思いますが、この問題に関連して文部大臣としての御意見はございませんでしょうか。
  80. 緒方信一

    ○緒方政府委員 先ほど義務教育費の地方財政における負担のパーセンテージはどれくらいかというお話がございましたが、これは各団体間において区区であると思いますけれども、大づかみに申し上げますと、大体三〇%くらいの比重じゃないかと考えております。これは自治庁の力の関係でございますので、正確に私から申し上げることは、ちょっとその点御了承いただきたいと思いますけれども、最初に申し上げましたように、地方団体の状況によりまして相当区々になっておると思います。
  81. 内藤誉三郎

    ○内藤政府委員 これは府県と市町村によって違いますが、府県ではただいま緒方局長が申し上げましたように二割五分から三割程度であります。この中には経常費と臨時費を含めたものであります。市町村の場合ですと一五%から二〇%程度教育費が占めておるのであります。そこで文部省といたしましては、今度の予算におきまして、従来平衡交付金でありましたのを二十八年から義務教育費を半額国庫負担にいたしました。平衡交付金のときには、お話のように、全体の地方財政が交付金で占められましたので教育費の赤字が出たのですが、二十八年から義務教育費国庫負担法によりまして実績主義の半分を国が負担するという建前にいたしたわけであります。ところが特別の事情があって、富裕府県につきましては、実績主義でなくて、ある程度政令で最高限度をきめておりますので、その分の不足額が本年約十億くらいあったのですが、ことしの予算で幸いに十四の府県は政令をはずしまして実績主義に戻しましたので、この点からも地方財政の赤字については解消するのに相当役立つのではないかと考えております。
  82. 岡良一

    岡分科員 今大臣もお聞きのように、地方の府県で義務教育費の府県負担部分がその府県の一般会計支出の三割くらいを占めておるということなんです。そこで御存じの通り、現在各府県、約三十七県ばかりが二年越し三年越しの赤字をかかえておる。昨年度だけでも六百三十億ばかりの赤字を出しておる。ことしも自治庁は地方財政規模を七千四百億に押えられておる。これでは本年度全体の都道府県として百四十億の赤字はこの規模の中では当然免れないということです。そういうことから、各都道府県、特に弱小の府県は何とかこの赤字を切り抜けたいということで非常に焦慮しておる。そうなりますと、義務教育費国庫負担法で半額国が負担し、半分は府県が持つというようなことではなく、ここのところを義務教育であるから何とかもう少し国の負担分を増していくというようなことをすれば、最も端的に地方財政の現在の赤字が緩和されるじゃないかと思います。これはしろうと考えですが、よく切実な陳情を受けますので、こういう機会に大臣の御抱負を承わりたいと思うのです。
  83. 松村謙三

    ○松村国務大臣 今お話通りでございまして、文教、ことに義務教育費の地方財政負担というものは私どもも過重であると考えております。それかといいまして、御承知通り国庫負担を非常に増大することは、ただいまの財政状態としては直ちに増額ができないというところに苦しみがあるわけであります。大体私はやってみましてこういうことを痛切に感じます。それは六・三・三の制度というものが日本の国力に不相応のものであることだけは間違いのない事実でございまして、かって戦争前の教育審議会で六・三・三の制度を理想的のものとして実行しようとしたことがあったのですが、その当時でさえ国力不相応であるというのでやれなかったのであります。それをこの戦後にやったということでありまして、これはもう国力不相応であることだけはきわめて明らかであります。ただすでにやって八年もたち、日本ほど父兄の人たち、地方の人たちが教育に熱心な国民は世界にないと思うくらいでありますので、そういう国力不十分の中にもここまで築いてきたのでございまして、今さらこれを後退させるということは絶対にやるべきことでございません。何とかこれを盛り立てていかなくちゃならない。それには、政府ももちろん十分できるだけの範囲においてやらなくちゃなりませず、また父兄、地方ともども苦しい算段をしてこれを仕上げていくより仕方がない、こういう事態ですべてを考えなくちゃならぬと思うのであります。ただ義務教育費の問題について、私は、漸次これを増していくということはぜひやらなくちゃならないと思います。今度東京、大阪、神奈川と、この三県にしわ寄せいたしたような形になりましたことは、これは年を追うて解消いたし、その上、さらに率を引き上げてやらねばならぬことと思いますが、ただいまのところはまだそういうところへ達しておりません。ただ、これはまだまとまったことじゃありませんから、責任を持ちかねますけれども、今地方の赤字整理のための法案も出ております。こういう法案が出て、整理をやるひどい県に対しては、特別に教育費を国が多少心配するというような制度が何とかしてできないものかということを、ひそかに考えているのでございます。あの脚力制度の中に、教育委員会の権限をこの整理のためにしばらく眠らせるということがありましたが、これには同意をいたしませんでした。なぜかならば、教育の大本を地方の整理の方針できめるということは、これは穏やかなことではございませんので、これには同意をいたしませんでしたけれども、別途そのようなことを考えなくちゃいけないのではないか、こういうように考えております。
  84. 岡良一

    岡分科員 私は、教育問題というよりも地方財政の窮乏のことからお尋ねをしておるのですが、重ねてお伺いします。今伝えられておる地方財政再建促進特別措置法、あれでは、私ども考え方では、下手にいくと非常に中央集権が強化されて、地方自治の本来の精神がそこなわれるのじゃないかという懸念が多分にある。財政的にも中央依存度が非常に高くなってくる。指揮監督権が財政的な面から中央に与えられるというような格好になると思うので、これはなかなかいろいろ問題が多いと思うのです。地方財政の三割もこの義務教育費を負担しておるという。これから、今年も七十七万人ばかりの学童がふえる、来年も再来年もふえると思うのですが、そうなれば当然地方の負担もやはりふえてくるのじゃないかというようなことになって、このことから地方財政がいよいよ悲鳴をあげてくるというようなことになってくるわけなんです。これは国務大臣としての松村さんにお尋ねするのですが、交付税交付金の率でも上げて、二十二を二十七にするとか二十五にして地方財政を安定に持っていくのがいいのか、さしあたり三割という大きな負担を受けておる地方財政のこの義務教育負担をもっと軽減するのが筋として通るのか、どっちがいいのでしょうか、この考え方について……。
  85. 松村謙三

    ○松村国務大臣 私は整理県に対して義務教育の費用として補助をいたすのが最も適切であろう、こくいうふうに孝えております。なぜかならば、一般の何になりますと、それがぴったりと教育の面へこないわけでありますので、これは、教育の面から見ますと、特別の給付をするというようなことを考うべきではなかろうか、こういうふに考えております。
  86. 岡良一

    岡分科員 稲田さんにお伺いします。国立大学の件ですが、これはすべてがすべてとは言えないと思いますが、私ども一、二耳にするところでは、講座はあるけれども、教授は常時いないとか、あるいは研究室があっても施設が不十分で研究もできないとか、そういうことを学生に聞くわけです。私も実は金沢大学の大学院へ研究しに行っているわけですが、金沢大学にもあります。これは全国的に相当あると思いますが、その実態はどうなっておりますか。
  87. 稻田清助

    ○稻田政府委員 ただいまの点でございますが、御指摘のようにいわゆる不完全講座というものがあるわけであります。私どもも大学院設置に際しまして、なるべくこの不完全講座をなくしたいと考えまして、年次的に前年度から、ある年は百人、ある年は七十五人、またただいま御審議願います予算におきましては百四人というように、不完全講座充足のための増員を願っております。また特に大学における諸研究設備につきましても、昨年は理工方面、本年は生物方面を年次的は充足しております。しかし御指摘のように決して十分でないので、将来ともこの充足という点につきましては十分力をいたしたいと考えます。
  88. 岡良一

    岡分科員 大臣にお伺いしますが、このように教授陣なりまた研究等に必要な施設等において不十分な、しかも七十有余のいわゆる総合的な国立大学をかかえておるということについては、再検討が必要じゃないかという気持も実はするのですが、いかがでしょう。
  89. 松村謙三

    ○松村国務大臣 これはきわめて率直に申し上げますと、その通りだと私は考えます。大体大学の上に大学院があり、その大学院も前の大学院と違って教授をする科目も普通の大学と同じくやるというようなふうになって、昔とすっかり形が違ってきており、下にはまた短期大学というのがあり、大学がまだ広がりつつあるわけです。こういうことでは内容の充実なんか全然できませんので、それでお話しの通りに整理の必要がありますけれども、今日の政治情勢といたしまして、どの県の大学をつぶす、どの県の大学をどうするということは、これはなかなか容易にできぬことでございまして、これに対して世論が起ってきたときに考えませんと、今のところではちょっとやれないと思います。ただやり得ることは、これからまだ乱設の傾向にあるのをとめるということがまず第一と思います。文部省といたしましては今後大学の新設をできるだけ阻止いたしたいと思います。大学設置審議会などにおける審議の標準も相当に高めまして、そうしてやっていきたいものだと思うのでありまして、今年幾つかの大学の新設の予算も要求してございますが、これはすでに準備のための費用をもうすでに前年度において出しておったとか、いわゆる約束ができて用意ができておるのだけに限りまして、それだけを今度で一掃いたして、この次からは一切原則といたしては大学の新設はいたさない。そしてその金は新しい今日までの大学の内容充実に使いたい、こういうふうに考えております。全くお話通りのことでございます。
  90. 岡良一

    岡分科員 とにかく教育の問題ですから、ほんとうに多感な、しかも知識欲のたくましい若い者が狭い門をくぐって入った。入って彼らの知識欲が正当に報いられなかったり、満たされないということになれば、これは実に大きな損害だと思うのです。大学を一つつぶすつぶさぬの問題ではなく人間の問題です。私はつぶせと申し上げるのではないが、できるならば内容の充実、設備の改善、教授陣の充足等に努力を願いたいのです。現在の姿ではどうも私どもはその点に遺憾な点を感じますので、善処を願いたいと思うのです。  話は違いますが、文部省の予算で新生活運動の関係予算五千万円というものがございますが、大臣は具体的にどういうふうな御抱負でこの予算を活用されるのですか。
  91. 松村謙三

    ○松村国務大臣 これは大体の考え方は、政府の事業としてはやらぬつもりでおります。民間の各階級の方々が新生活推進本部と申しますか、とにかく一つの団体をお作り願って、それで一つやっていただきたい。それでやられることに政府は援助をいたしまして、効果を上げたい、こういう大体の考え方でございます。なぜかといいますと、政府の責任でやりますと、ちょうど翼賛体制のような形を今日にやることになりますので、これは許されないことと考えまして、そういう形をとりたいと思います。それでただいまやっておりますことは、各賞の方面へ、公式ではございませんけれども、私個人といたして、いろいろ話をいたしておるわけでございます。各党の責任者の方へ、全く白紙で一つ各党が超党派的にやっていただきたい、そしてほんとうに国民の生活の締め直しを願いたいということを申しておるのでございまして、大体どの党派も、全く白紙でということならば超党派的に考えてよかろうというところまでいっておるようでございます。いずれこの予算が衆議院を通りましたすぐそのあとくらいに正式に各党の方へお話を申し上げまして、そして超党派的にこれを運んでいただきたいと考えております。私一人の希望でございますけれども、これはぜひやらなくちゃならぬことと思いますので、各派の間でその点において御一致でありますならば、あるいは国会の決議として、そしてそれをもととしし発足するというようなことでもできますならば、大きな国民運動としてそり徹底を期することができるのじゃないか。これはただ私の私見でございますけれども、そういうことも考えておりのでございます。
  92. 岡良一

    岡分科員 新生活運動の内容についての私どもの党の考え方については、先般予算委員会で三宅正一君からいろいろ意見を申し上げましたので、十分御参考願いたいと思うのですが、承わればまだやっとこれからという段階でありまするので、文部大臣のおっしゃるように、いわゆる上意下達一点ばりで国民の生活を規制するような翼賛会型では困るけれども、といって、かけ声やスローガンだけでも困ると思うのです。十年たったとはいうものの、経済的にも文化的にも政治的にも国民の生活そのものが大きな断層期にありまして、やっとこれを立て直そうという、まだおそきに失するくらいでありますので、具体的なめどを掲げて、そうして必要とあらば相当な予算措置も講じというようなことで、やっぱり何といったって国民の自覚と同時に政府の大きな実行への責任感が必要だと思いまするが、一つ具体的な生活の運動として、単に精神運動じゃなく、空転をしないで、生活に結びついて、生活を立て直していく運動にしていただきたいと思います。内容がありましたら私どもの意見を申し上げたいと思ったのでありますが、一つ今後も御善処をお願いいたしたいと思います。  それから予算の大要と称する御提出の説明書の中で、原子核放射能障害の研究費として五千万円を増額計上いたしました、これはどういう機関をつくられて、どういうふうな人たちがやることになるのでございますか。
  93. 稻田清助

    ○稻田政府委員 科学研究費の中に御承知のように機関研究費というのがございまして、これは各研究機関において相当大規模な研究調査をいたします。その費用の中に特に原子核関係あるいは原子に関しまする障害調査研究というような点について、年々相当多額な費用の要求がございますので、それらに対応いたします意味において費用の増額をいたしたわけでございます。これはやはりほかの科学研究費の配分と同様に、申請によりまして委員が審査して配分いたすことになっております。
  94. 岡良一

    岡分科員 原子核の研究費は、今原子核を研究しているのはたしか一カ所じゃないかと思うのですが、そこでまるまるこの補助とでもして交付されるわけですか。
  95. 稻田清助

    ○稻田政府委員 原子核研究所の方はそれとは別に三億三千万円程度計上いたしております。ただいまのは今まで方々の大学、たとえば大阪大学とか東北大学とか、その他でいろいろサイクロトロン等を持って研究しておる。それについての特別の研究費がいるとか、あるいは放射能障害で広島大学その他でいろいろ研究している、その方面にまきます費用で、原子核研究所の力は、まとまって別項に計上しております。
  96. 岡良一

    岡分科員 今、濃縮ウランの受け入れというような問題をめぐって、特に日本関係の学者の間にはいろいろ意見があるようであります。大臣は学術会議が原子力の研究についていわゆる三原則というものを決議いたしたことを御承知だと思います。学問の公開性、研究の自由、そしてその自主性というこの三原則は、私どもはやはり科学者の良心的な正しいプリンシプルとして大いにその通りであると思うのでありますが、大臣のお考えはいかがでしょう。
  97. 松村謙三

    ○松村国務大臣 存じておりますが、ある原則としておられるところは尊重すべきであろうと考えます。しかしながら学問の研究につきましては、これは日本はおくれておりますので、できるだけ早く世界の水準にいかなくちゃならないと考えておりまして、できるだけ広義に応用をいたすべきであろうと考えております。  それから先ほどお話の新生活運動のことにつきましては、三宅君の具体的の御質問、ああいう建設的のお考えは、もちろん取り入れるにやぶさかではございませんで、文部省といたしましても、あれらについてまともに研究をいたしております。ただ文部省としてはその運動の主体となりませんで、その手伝いをせよということでありますならば、十分手伝いをいたすつもりで、いろいろの研究をいたしております。まだ具体的な何はいたしませんけれども、さようなことと御了承を願います。
  98. 岡良一

    岡分科員 私もさっき厚生省の方にお話しておったのですけれども、たとえば簡易水道なんかが農山漁村にできております。あれは特に大臣もよく御承知通り、農山村に入ったら、ああいうありがたいものはないのです。これこそ生活の合理化、能率化、保健衛生というような観点で一石三鳥である。大臣は学校給食は一石五鳥だといわれますが、全くあれも一石三鳥だと思う。家族設計なんか厚生省でやっておりますが、ああいう無計画な多産の傾向をあのままで放置しておいたのでは、多産に追いつく何はなしということで、これは家族生活自体にもいろいろと破綻が出てくるわけで、そういう場合、いわゆる新生活運動も具体的な目標が出たら、具体的な目標を裏打ちする政府としての施策と財政的措置がなければ生きてこない。そういう具体的にやるべきことで、しかも政府が財政的にも法制的にも責任を持つというような形で新生活運動をやっていただきたいということをさっきお願いしたわけです。  学術会議の三原則の問題ですが、今政府の方では、濃縮ウランを受け入れるということに閣議で御決定になって、その協定の御相談をお進めになろうとしておられます。あれを受け入れるということとになると、あの三原則が、あるいはその一部がほごになりはしないかということを学者の間でも心配をしておられる向きもあるようですが、この点大臣の方では、どういうふうにお考えでございましょうか。
  99. 松村謙三

    ○松村国務大臣 これは文部省の所管でございませんけれども、御相談にはあずかっております。ただいままでのところでは、大体そういう心配はないだろうという判断のもとに、ないならば何も毛ぎらいすることはない、できるだけ原子研究の早道を行くべきであるということで、そういうことがないならば受け入れをしようという政府方針でございまして、ただいま御承知通り向うとその折衝中にありますから、何ですが、そういう日本に不利な条件がありますれば、これはできない。それでないならば受け入れてしかるべきだという方針のもとに、ただいま外務省において交渉をいたしておるような次第でございます。
  100. 柳田秀一

    ○柳田分科員 私は先般予算委員会の総括質問で、ただいま開かれております放射線影響国際学術懇談会、これに政府の方で多少物心両面――物的の援助をお与えになる御意思がございますかという質問をしたわけでございます。そのときに大臣の方では、これはまだ申し出もありませんので、その際はよく考えましよう、こういう御返答だった。これはもとより公的な機関がやっておるというわけではございませんが、とかく日本は公的の機関の場合は金を出す、少し私的だと非常に金を出し渋る。私考えますのに、広島、長崎、ビキニと、多くの被災を受けた日本としては、むしろ文部省等が率先されてここに一つの国際学術会議を開かれて、そうして科学の進歩によるところの人類の幸福でなしに、人類の不幸の方にいっているこの被害というものを、全世界の学者を通じてつぶさに全人類に知らしめて、このような誤まった、人類に幸福をもたらすべき科学を、不幸をもたらす科学にしているというようなことのないようにせしめるのは、むしろ日本政府としては世界の人類に対する責務としてもこれはおやりになる必要があるのではないか、こういうふうに考えているのですが、たまたま昨年のウイーンにおける国際医師会議の話からとんとん拍手に話が進みまして、去る五月三十日から東京で開かれ、現在は大阪、広島、長崎等に実地見学、さらに東京に戻られて、締めくくりをされる、こういうことで、ベルギー、ドイツ、チリー、イタリア、イギリス、チェッコ、ソビエト、中国というところから来ておられます。幸いビザの問題も外務省の方で快く出していただきました。問題は費用で、今非常に困っているのです。全部で約一千万円くらいの予算でこれをやっているのですが、まだ約百万円どうにも費用が捻出できないといっているのです。これを一つ文部省の御援助にあずかりたい、こういう意図が多分にありまして、近く正式に申し出をするというふうにいっておりますが、文部省としてはこれくらいの費用一つ快く出してやっていただきたいと私は思うのですが、いかがでしょう。
  101. 松村謙三

    ○松村国務大臣 実はこの懇談会の重要性はよくわかっているのでございまして、けっこうなことであると考えまして、これにつきましては、参加者の入国でありますとか、会議の開催について学界と連絡をとって今日まで便宜をはかってきたつもりでおります。ただこの経費の点につきましては、事が大体もう終ったあとでありますのと、この予算措置も実はないものですから、従来の例から申しましても、こういうことに助成をいたした先例もございませんで、ただいまでここで交付をするということは実は申し上げかねるのでございます。ただ、また御相談でもございますならば、それはお目にかかりまして十分心配はいたしたいと思いますけれども、ここでそれができるということ嫁ちょっと申し上げかねる次第であります。
  102. 柳田秀一

    ○柳田分科員 先例ということになると、先例のないものは何もできないということであって、悪い先例のあとを継く必要はありませんが、いいことなら、先例がなくてもやっていかなくちゃならぬ。たとえば日本で国際的なスポーツの大会を開く。従来先例はなかった。ところが先般の内閣のときにもやはり予備費から出していただく、こういう措置をとっていただいておる。これも億というような金を出すわけでなしに、わずか百万円というくらいのものですから、予備費支出もできると私は思う。文部省の中では、あるいは款項目節その他にこういう予算を組んでないことは知っております。政府の方でほんとうにこういうものを助成して、日本政府のそれに対する熱意をお示しになる意思があるならば、予備費から出ると思う。今度来ている中には、相当知名な方もあって、チリーからは元総理大臣をやった方が来ている。各国からそれぞれ権威がお集りになって、先般学士院会館でやった会議は、各国から非常に感謝されて、わざわざ日本に来てよかったと言っている。非常に成果は大きかった。これはある意味における民間外交とも言えると思う。これはほんとうにおやりになるならば、私は予備費からでも百万円くらい出せると思う。ここで大臣に言質を取ろうとは思いませんけれども、ただ前例とかそういうようなことではなしに、大臣の政治的のお含みで、一つお取りはからいを願いたい。決して大臣に御迷惑をかけない。現在の内閣にも御迷惑がかからないし、むしろこういうところに積極的な御意図を示される方が、内閣が大きな構想で世界の平和のためにお尽しになっておる意味においても、単なる学問の問題だけではなしに、私は国際的にも非常にいいと思いますから、これは一つ大臣の腹でお考えを願いたいと思います。
  103. 岡良一

    岡分科員 労働大臣に若干のお尋ねをいたしたいと思います。実は不勉強なので、お教え願う向きが多いわけなんですが、この予算説明要旨の中に、「新たに特別失業対策事業として建設的な事業を大規模に実施する」とうたってあります。私どももいつも失業対策、失業対策ばかりで予算の大きな数字を見るのはほんとうは不快なんで、もっと建設的な事業に吸収して、希望のある職場を与えるということが、政策としては適切だと思うのですが、特別失業対策事業とか、住宅とか、いろいろ書いておりますが、具体的にはどういう事業であり、そしてどの程度のものがここに動員可能なのかという数量をちょっとお伺いしたいと思います。
  104. 西田隆男

    ○西田国務大臣 お答えいたします。特別失業対策事業で予定しております吸収人員は、一カ月二十五日間の稼働日数を基本にして三万人収容する。事業といたしましては、港湾、道路の改修、これに重点を向けてやる。経費は三十五億円計上しております。今までの失業対策事業費は、半分とか三分の二とかの補助率でありましたけれども、これは補助率を五分の四に引き上げる。それから今までの失業対策事業費の材料費が非常に少なかったために、作業が完全に行われないということでありましたので、四十五円の材料費を二百十円に引き上げました。そして同じ道路の鋪装工事をやりましても、それが半永久的な鋪装工事になって、やったあとすぐまたやり直さなければならないというようなことのないように、計画的に主要幹線道路の補修をやりたい、こういう考え方で計上いたしております。
  105. 岡良一

    岡分科員 その道路そのものについては、まだ具体的な建設省筆との話合いはないのでございますか。
  106. 西田隆男

    ○西田国務大臣 御承知のように、特別失業対策と申しましても、失業者を対象とした事業でありますので、各地に発生しておる失業状態に即応するような、その地方における重要道路、こういうものを労働省の方で案を作りまして、そして建設省と連絡をとって行うという具体的な方針を決定して、今労働省で具体的な問題を建設省と打ち合せをいたしております。
  107. 岡良一

    岡分科員 これまでの失業対策事業は、今も御指摘がありましたが、地方へ参りますと、地方財政が非常に窮乏しておりますので、材料費の問題等についての国の補助率ではとてもまかない切れないという声をお聞きだと思います。これはもう少し失業対策事業を生かすという意味でお考えの余地があろうと思いますが、いかがでしょうか。
  108. 西田隆男

    ○西田国務大臣 最初にお答えしましたように、今まで四十五円であったものが今度は二百十円に材料費を引き上げて――約五倍程度引き上げをして、これならある程度の材料費のまかないができるという見解を今とっております。
  109. 岡良一

    岡分科員 それからこれはわれわれのただ上すべりな観測かもしれないのですが、職業紹介所で日々職業を得ている人たちは、だんだんとそれが一種の職業化するというのですか、固定化する形になりまして、そこに職業紹介所の本来の機能が一つの抵抗を受けているような感じがするのですが、これは労働省のあたりもお察しじゃないかと思うのです。とすれば、そういう点についてどういう対策が必要とお考えなのかという点を伺っておきたい。
  110. 西田隆男

    ○西田国務大臣 お説のようなことが現実にあると考えられます。それは失業者が同一人で相当長期間にわたって失業しているということになりますと、職安の窓口に行きますものは、いつもきまった人間であるという現実的な姿が現われるのであります。私が考えておりますのは、労働能率の非常に低い失業者、それから完全な労働能力を持っている失業者、これはただ単に言葉の上では失業対策という表現をいたしましても、実質的な内容は今までやっておったように、きょうはAという場所に行く、あしたはBという場所に行くというように、場所的に非常に距離の遠いところに行つてするというような状態をなるたけ少くして、失業対策とは申しながらも、一種の安定した一定の雇用状態を作り出すような失業対策をやってみたい、こういう考え方によって特別失業対策というものを私の方では全額国庫負担で要求いたしましたけれども、財政的な見地から五分の四補助で三万人というのが、今度の予算で初めて具体化されたような状態であります。職業安定所といたしましても、そういう事業が継続的に一定の雇用の継続の状態を続けていきますと、いろいろな関連した問題が起きてくると思います。これに対しては研究して、十分善処したいと考えます。
  111. 岡良一

    岡分科員 職業安定所の窓口に集まっている諸君の体力テストをされて云々といったような、非常に不安な気持をされているようですが、私どもそういうふうに考えないで、やはり善意に政府の行き力に協力すべきだと考えているのです。  それからここにも出ておりますが、「新たに家庭婦人、未亡人等を対象とする」云々、これは厚生省でも同じことをやっているんです。こういうものは二つでやるものでなくて一つでやればいいし、どっちか一方で一元的に、こういう未亡人や家庭婦人の職業補導と申しましょうか、内職なり、こういう問題のあっせんなり補導をやる力が政府としていいんじゃないでしょうか。どうしてこういうふうに二つに分れていつもやっているんでしょうか。
  112. 西田隆男

    ○西田国務大臣 お説のごとくこれは統一された機関でやればもっといいことであろうと考えておりますが、ただいまのところ各省間の連絡は労働省としても十分にとって、各省にまたがっておりますけれども、統制された方法で現在やっておるつもりでございますが、厚生省でやっておりますのと労働省でやっておりますのは、労働する婦人を主たる対象としてやっておる点が多少厚生省でやっておることとは内容としては違うと考えておりますけれども、将来は一つにまとめてやることの方がいいことには間違いないと思います。その内容につきましては婦人局長から詳しく御説明いたします。
  113. 藤田たき

    ○藤田政府委員 ただいま大臣から厚生省と労働省との行き方におのずから相違があるということを申し上げたのでございますが、たとえば今年度三十年度予算に御要求いたしておりますところの家内職業補導所などのことを考えましても、私どもとしては、たとえば内職に関しましての賃金の問題、それから苦情処理の問題、その他内職に関するところの情報、いろいろの職業の面、賃金の面という方に重きを置きましていたそうといたしておるわけでございますし、それにまた私ども労働省の方の仕事の一つといたしまして、連絡調整というところの機能を持っておるわけでございます。それでその連絡調整の機能を発揮いたしまして、できる限り重複いたしませんように努力いたしておるのでございます。今後ともなお一そういたしたいと思っております。
  114. 岡良一

    岡分科員 どうか一つ制度も経費も一本で、何とか気の毒な人たちに対して、切実で誠意のある補導をいただくことを念願いたします。  それから「国際労働憲章に規定されている義務を履行し」とありますが、この間も新聞で何かILO協会を日経連が脱退するとかしないとか、あの結末はどうなったんですか。
  115. 中西實

    ○中西政府委員 ただいまの問題でございますが、仰せのごとく日経連は一応脱退するということをきめまして、そうしてあとこれをどうするかということにつきましては、本来協会のことでございますので、協会が自主的に立て直しを考えておるわけでございますが、これにつきましてはまた従来と若干変った格好で――会そのものにつきましてはやはり存続の理由もございますので、それに対しては労働省もある程度の援助はしたい。ただいまのところその立て直しの計画、これを協会において作りつつございます。
  116. 岡良一

    岡分科員 まだ国連に加盟しておらないけれども、ILOやそのほかWHOや農業機構等、二、三の国連関係機関に入っておる。その中でもやはりILOは目下一番大きな関心を国民からも呼んでおるし、国民的な協力態勢が必要だと私は思うのです。そういうふうなことが内部事情、特に経営者側が協会から脱退するというふうなスキャンダルというものは、やはり日本の名誉と申しますか、権威の上から何となく私どもは面はゆい気がするので、政府の方でもこういう問題については何とか一つ円満な解決策を見出せるような御努力があってしかるべきではないかと思うのです。それからこれは一九五二年の六月でしたか、ILOの総会で社会保障の最低基準に関する条約というのが採托されました。日本の労使双方の代表も出て、この決議に参加しておられますが、あれはいまだ批准になっておらない。批准の期日は過ぎたのではないですか、あれはどうなったんですか。
  117. 堀秀夫

    ○堀政府委員 ただいまお話社会保障の最低基準に関する条約については、これは御承知のごとく内容が九つの部から成り立っております。この条約は非常に特殊なものでございまして、世界各国の社会保障の大体の水準を総合して、集大成したものでございます。その結果からたいしまして、九部の中の三部を満たせば批准できるということになっております。わが国の関係では、ただいま検討しておりますが、大体疾病、失業及び廃疾の三部についてはその基準を満たしておるように考えております。ただ、検討しておりますと、非常に膨大な条約でございまして、その用語等につきまして、技術的にまだ意味の不明な点が若干あるわけでございます。日本政府といたしましても、ただいまILOの事務局の方に照会しております。これはただいま申しましたように、大体基準に達して批准できるという見通しでございますので、なるべく早い機会に批准いたしたいと思っております。
  118. 岡良一

    岡分科員 あれは去年の十二月で批准の期限は済んだんじゃないですか。
  119. 堀秀夫

    ○堀政府委員 批准の期限は別に制限はついておりません。ただILOの条約あるいは勧告につきましては、一年以内にその各国の国会に何が採択されたかという点を御報告申し上げることになっております。ただいまお話の点はその期限だと思いますが、この点につきましては、さきの国会におきまして御報告申し上げたわけであります。批准はその次の段階になるわけでありますが、これはただいま申し上げました通り検討中でございます。いつでも批准ができるようになっております。
  120. 岡良一

    岡分科員 先般ジュネーヴで、私ILOのソシアル・セキュリティのセクションの方でいろいろお話を聞いたのですが、正直のところ日本政府のソシアル・セキュリティというものに対する熱意が非常に薄いということを指摘されて、恥かしい思いをしたのです。特にこういう批准の問題は、私の記憶するところでは去年の十二月中には国会で批准をしなければならないことになっておったと思ったんですが、これはお調べを願いまして――すぐに最低基準の批准がかかってくるわけです。最低基準の批准を了するなら了するということで、期限をつけておるわけだと思ったんですけれども、これは一つ調べを願って善処していただきたいと思います。  それから、この「労働金庫の適正なる運営等の施策」というのは、具体的に何をなさるのでしょうか。
  121. 西田隆男

    ○西田国務大臣 具体的に申しますと、労働金庫は現在の法制下においては間接的に政府資金を流して、資金の足りない場合にそれを融通するというのが大体のねらいでございますが、もし資金の需要が多くて自分自体でまかなえないというような場合に、必要に応じて政府資金を十分に労働金庫に流すことによって、労働金庫の機能を、育成、助長という言葉は悪いかもしれませんが、そういうような意味合いで、十分に労働金庫の使命が達成できるように労働省としては考えていきたい、こういうふうな考え方からこういうふうに表現したわけであります。
  122. 岡良一

    岡分科員 労働金庫は御存じの通り、おおむね健全に歩一歩、堅実に発展をしておると私は見ておるのですが、それでは去年労働金庫の資金の方で、政府資金をあっぜんされたのは、どの程度、どこからどうされたのでしょうか。
  123. 西田隆男

    ○西田国務大臣 二十九年度中に資金のあっせん、融資をしましたのは、造船関係に回すということで二億三千万円、年末の賃金対策に四億円、これだけを融通いたしております。それで労働福祉行政の見地から、金庫に対しまして資金の預託、貸付等をやっておるのでありますが、現在の額はおよそ六億五千万円程度融資いたしております。
  124. 岡良一

    岡分科員 たとえば年末の賃金等についての、これは政府資金を預託されたのですか。
  125. 西田隆男

    ○西田国務大臣 御承知のように、これは法律規定がそうなっておりますので、府県を通じて労働金庫に資金を回したという格好になっております。
  126. 岡良一

    岡分科員 実はさっきも厚生省の方といろいろお話をして驚いておるのですが、厚生年金積立金昭和二十九年度千百三十億ある。その利息が七十億なんです。ところが去年はこのうち十億が医療機関の融資に充てられた。残りの二十五億が勤労者厚生住宅の資金になった。去年の予算書では五十四億だったのですが、五十四億の中で三十五億しか、積み立てておる労働者の福祉に還元されず、利息もまるまる還元されておらない。一方千百三十億という莫大な、いわば労働者の強制貯蓄のような金が運用部資金の中に入って、金融債とか国の財政投融資に使われておる。これも私は社会保障制度の確立された国では見ないところだと思う。これが労働者の福祉に還元されるということになれば――何もまるまる持ってこいというわけではないが、日本の労働行政なり福祉行政には非常に大きなプラスになると思うのですが、労働大臣何かお考えになっておることありませんか。
  127. 西田隆男

    ○西田国務大臣 労働省といたしましては、いろいろな積立金利息一般会計の歳入としてみられておりますが、そのうちの利息の五割――今年に限りましては実は全額労働者の福祉対策に使わしてもらいたいということを大蔵省に要求したのでありますけれども、折衝の結果、預金の利息を五割だけ労働者の福祉施設の方に使うべく予算に計上して大蔵省との話が進んで予算に計上しておるのであります。私の考えでは、結局預金されておる預金そのものをどうするかという問題は、これは国全体として考えなければならぬ問題であるが、少くとも各省のそういう特殊な関係における国民積立金の金利ぐらいのものは、各省の自由に使われるようにして、労働者の福祉増進に充当したい、こういうような基本的な考え方をもつて対処しております。
  128. 岡良一

    岡分科員 私どもは各国の事例に見てもこういう社会保険の労働者の醵出した積立金のようなものは、やはり総合的な基金を特殊法人でも作りまして、もっとその運営の民主化をはかって、努めて醵出者の福祉に還元する、これがやはり政策の大筋ではないかと思うのです。利息のまるまるなどということではなくて、もっと力強く大臣も大蔵省に談判をしてもらいたいと思うのです。  それからこれは厚生関係ではよく問題になることですが、社会保障制度の統合、それにはいろいろの道行きもありまするが、社会保障制度審議会も勧告しておるように、社会保険等の統合をやるべきではないかということをうたっておるわけです。この意見には一応異議がないという考え方でおられるようでありますが、日本の現行の社会保障制度を前進をさせる一つのキー・ポイントは、今直ちにというわけには参りますまいが、社会保障制度社会保険の統合というものは、やはり大切な一つのテーマだと思うのですが、この点について大臣のお考えを承わりたいと思います。
  129. 西田隆男

    ○西田国務大臣 お答えいたします。御承知のように、日本社会保障制度というものは個々に時期的に積み上げられていって現在まできておりますので、現段階としましては、やはりもう体系づけて社会保障制度そのものを一元化して運営するという方向に持っていくところに時期的にももうきておるのではないかと考えております。従って労働省としてもその問題については検討もしておりますし、厚生省としても厚生大臣がいろいろ答弁しておりますように、何らかそういう措置をとりたいという考え方を持っておるようでございます。厚生省とよく打ち合せて具体的な方針を決定したいと考えております。
  130. 岡良一

    岡分科員 これで一応終りました。
  131. 藤本捨助

    藤本主査 それでは午前はこの程度にとどめまして二時半まで休憩いたします。    午後一時十六分休憩      ――――◇―――――    午後三時十二分開議
  132. 藤本捨助

    藤本主査 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  本分科会に付託されました事項の質疑は、以上をもって終了いたしたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 藤本捨助

    藤本主査 御異議ないものと認めます。  この際お諮りいたします。この第二分科会における昭和三十年度一般会計予算中、文部省、厚生省及労働省所管、並びに昭和三十年度特別会計予算中、厚生省及労働省所管の各案についての討論採決は、先例によりまして予算委員会に譲るべきものと決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 藤本捨助

    藤本主査 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  終りにあたりまして、委員各位の御協力をつつしんで感謝いたします。  第二分科会はこれをもって散会いたします。    午後三時十三分散会