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1955-06-04 第22回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月四日(土曜日)     午前十時四十九分開議  出席分科員    主査 重政 誠之君       井出一太郎君    小枝 一雄君       三浦 一雄君    北澤 直吉君       福永 一臣君    福田 昌子君       今澄  勇君    小平  忠君  出席政府委員         農林政務次官  吉川 久衛君         農林事務官         (大臣官房長) 安田善一郎君         農林事務官         (大臣官房会計         課長)     武田 誠三君         農林事務官         (農地局長)  渡部 伍良君         農林事務官         (農業改良局         長)      小倉 武一君         農林事務官         (畜産局長)  原田  伝君         農林事務官         (蚕糸局長)  塩見友之助君         食糧庁長官   清井  正君         林野庁長官   柴田  栄君         水産庁長官   前谷 重夫君         通商産業政務次         官       島村 一郎君         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (大臣官房会計         課長)     出雲井正雄君         通商産業事務官         (通商局長)  板垣  修君         通商産業事務官         (重工業局長) 鈴木 義雄君         通商産業事務官         (軽工業局長) 吉岡千代三君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君         中小企業庁長官 記内 角一君  分科員外出席者         農林事務官         (農林経済局統         計調査部長)  野田哲五郎君         予算委員会専門         員       園山 芳造君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十年度一般会計予算経済審議庁、外務  省、農林省及び通商産業省所管  昭和三十年度特別会計予算農林省及び通商産  業省所管     —————————————
  2. 重政誠之

    重政主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  本日は、まず昭和三十年度一般会計予算及び同特別会計予算中、通商産業省所管について質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。北澤直吉君。
  3. 北澤直吉

    北澤分科員 最初に石油の問題について、二、三御質問申し上げたいと思います。今度の国会には、日本石油政策に関連しましていろいろ新しい法案が出ておるわけであります。一つ原油重油に対する関税の問題、それから揮発油税を一部下げて地方道路税を創設する問題、それから漁業用石油輸入に対する外貨割当の問題、国内石油資源開発する特殊の会社を作る、いろいろな新しい構想が法案となって出ておるわけでありますが、これは日本石油政策一つの大きな転換であろうかと思うのであります。それでまず第一に伺いたいのは、原油重油に対する関税の問題でございますが、今回の政府の提案によりますと、原油には二%、B、C重油には六・五%の輸入関税をかけるということになっておりますが、これは一体どういう目的でこういう関税をかけますか、その点を伺ってみたいと思います。
  4. 川上為治

    川上政府委員 原油あるいはその製品関税につきましては、実は二十五年ごろからかけるということになっていて、そのままストップになっておるわけでございます。その当時の事情としましては、フレート、すなわち運賃が相当高かったために、石油価格相当高かったのでありますが、非常に石油価格が高いということで、関税をかけるということは見合わした方がよくないかということで、今日まできておるわけでございます。ところが最近においてはフレート相当低くなり、従って石油価格も、現在においてはその当時よりも相当低くなっておるわけでございます。そういう当時の事情と現在においては違うという点が一点でございますが、最近においては石炭不況関係から、石油価格石炭価格をある程度調整すべきではないかという考えもございまして、従来かけることになっていてかけなかったこの関税について、それをそのまま全部復活することも、最近の国家情勢その他の点からどうかと思いますので、そのうちの特に石炭と最も競合するB重油C重油についてある程度かけたらということで、原油については二%、B、C重油については六・五%の関税をかけることにいたしたわけでございます。ただいまどういう目的でかけるかという御質問に対しては、従来かけるということになっていて、そして延ばした理由が最近においては消滅しておるということ、もう一つは、であるけれども、従来の率をそのまま実行するということになりますと、いろいろ波及する点もございますので、そのうち特に石炭関係と競合するB、C重油だけをかけることにいたしたわけでございます。
  5. 北澤直吉

    北澤分科員 ただいまのお話によりますと、最近だいぶ石油類値段が下ったので、原油重油の免税をする必要があまりなくなったということと、石炭産業が困った状態になっておりますので、それとの関係でB、C重油関税をかけることにしたというお話でございますが、これは通産省考えておりますように、日本の現在におきましては、貿易振興が最も大事である、そこで貿易振興の施策としてはいろいろありますが、その中で一つの大きな方針として、日本国内におけるコスト引き下げということを大きく打ち出しているわけであります。そういうような世界的な貿易競争場裏におきまして、日本産業競争力を強化するという点から申しまして、ぜひともコスト引き下げなければならない。特に今後の国際関係から見まして、だんだん国際緊張が緩和されて、貿易競争がますます激しくなる。またイギリスなどでは保守党が選挙に勝ちまして、そういう面からもポンド地域貿易競争相当激しくなることが予想される。こういういろいろな点から考えましても、日本におけるコスト引き下げは刻下の急務であると思いますが、そういう点から申しますと、こういう動力源に対して関税をかけることは、先ほど申しました通産省コスト引き下げという大きな方針に逆行するのではないかと思いますが、その点について御説明を聞きたいと思うのです。
  6. 川上為治

    川上政府委員 ただいまお話になりましたことは、まことにごもっともでありまして、私どもの方としましても、そういう貿易振興のためのコストを切り下げることを考えまして、従来原油につきましては一割、製品につきましても大体において一割かけるというものを、原油につきましては二%、製油につきましては六・五%というふうに率を実は引き下げたのでございます。しかもその率を切り下げるだけではなくて、そういう貿易振興関係方面に対しましては、極力関税をかけた影響がないように、私どもの方としましては行政指導をしたいと考えているのであります。それはB重油C重油のうち、C重油につきましては、鉄鋼関係相当使っているわけでございますが、私どもの方としましては、関税をかけましても、そういう方面影響がないように、C重油関係につきましては、極力精製業者、あるいは元売業者、そういう石油業者の方で値上り分は極力吸収するように行政指導をいたしまして、鉄鋼関係とか、その他輸出に非常に関係のあるものに影響がないようにしたいと考えております。それからB重油につきましては、海上関係、たとえば漁船とか、あるいは船舶方面相当程度使っておりますが、こうした方面に対しましても、そう影響がないように、行政指導で、先ほどC重油について申し上げましたような措置を講じたいと考えております。一番問題になりますのは、石炭と最も競合するボイラー関係、これはB重油の大部分を占めているわけでありますが、このボイラー関係のものにつきましては、私どもの方としましては、石炭との調整関係から見まして、ある程度値上りになってもやむを得ないじゃないかというふうに考えているのでありまして、ボイラー関係のものについては、輸出方面に大きな影響を与えるというふうに私ども考えていないわけでございます。今申し上げましたような行政的な措置によりまして、極力貿易関係影響がないようにいたしたいと考えております。
  7. 北澤直吉

    北澤分科員 ただいまのお話によりますと、こういうふうに関税をかけましても、その関税精製業者その他が負担をして消費者には転嫁されない。従って国内におきまするそういう種類の石油類値段は上らない、こういうふうなお話でありますが、そうしますと、別段石炭業保護にはならないと思うのでありますが、その点はどうなんですか。
  8. 川上為治

    川上政府委員 先ほども申し上げましたように、石炭と一番競合する面はB重油でございます。B重油ボイラー関係につきましては、今申し上げましたように、これがある程度上りましても、そう貿易振興に響くようなことはないと考えておりますし、また一面においては、石炭とこの面において調整することが一番適当ではないかと考えておりますので、貿易関係に非常な影響のあります、あるいはまた零細漁民という立場から見まして非常に問題があります、たとえば鉄鋼関係とか、あるいは漁業関係とか、そうした方面に対しましては、関税値上り分が響かないように行政指導いたしまして、B重要のボイラー関係方面に対しましては、ある程度これが値上りになりましてもやむを得ない。むしろこれは石炭との調整からいいまして、その方がかえっていいんじゃないかと考えておるわけでございます。
  9. 北澤直吉

    北澤分科員 一応政府側説明はわかるのでありますが、世間におきましては、今回のこの原油重油に対する関税の賦課は、一面においては、石炭業保護するために石油値上りを認める。それからこれによって国内産の石油業保護する一種の保護関税でありますが、そういうような二つの意味で今度の関税がかかっている。こういうふうな誤解を持っている人が非常に多いのでありますが、今の局長お話では、必ずしもそうでないようであります。私ども考えでは、石炭業保護という見地から申しますれば、結局これは重油石炭との競合関係でありますが、これは重油消費を規正し、どの分野重油を使い、どの分野石炭を使うというふうにちゃんと分野をきめれば、あえて関税をかけなくても石炭業重油との調整はできる。それから国内産油保護という見地から申しますれば、今度政府考えておられるような、国内石油資源開発に関する特殊な会社を作るという面で、政府が補助を与えて国内産油を奨励するという方法をとれば、必ずしも石油関税をかけなくてもそういうふうな目的は達し得るのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、政府のお考えでは、どうしてもこの石炭業重油との調整については関税をかけなくてはいかぬというお考えでありますかどうか、もう一応お伺いいたします。
  10. 川上為治

    川上政府委員 石炭との調整につきましては、重油につきましていろいろ消費規正をすればいいんじゃないかというお話でありますが、これはまことにもろともでございまして、私どもの方としましては、従来から行政指導によりましてそういうような措置を講じております。また今回におきましては、石炭を使う分野、それから野油を使う分野ということをある程度はっきりしようじゃないかというような考え方で、近いうちにこの重油規正についての、これは主としてボイラー関係制限する、そういう法律でございますが、そういう法律が近いうちに国会に提案されると思うのです。ただそういう法律だけでは、またそうした行政指導だけではどうしてもうまくいかないという点があるわけでございまして、非常に厳格にやりますと、またその目的を達するということにするためには、私は少くとも切符制なり、そういうような制度をとらなくてはなかなかむずかしい問題ではないかというふうに考えるのでありますけれども、今直ちに切符制までやることがいいかどうかという点につきましては、いろいろ問題もございますので、先ほど申しましたそういう行政指導なり、あるいは近いうちに出ますある程度消費規正と申しますか、ボイラー関係制限というような法律にあわせまして、やはりある程度関税をかけまして、そうして特にB重油ボイラー関係の油をある程度値上げをいたしまして、石炭との価格調整をするということが、私は現在の状況におきましては最も適当な方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから国産原油保護関係につきましては、この程度関税をかけましても、実は国産原油保護ということにはそれほどなりません。というのは、現在国産原油キロリットル当り九千三百円程度でございますが、輸入原油につきましては、大体七千円程度でございます。その間に二千何百円という開きがあるわけでございまして、今回の関税をかけるということにいたしますと、大体五百円程度値上りになりますので、これは保護関税ということにはそれほど役立たないのではないかというふうに考えます。ただこれは決して目的税ではありませんけれども、従来は約一億円程度でありましたが、今年の予算におきましては三億円程度国産原油開発の資金を出すことになっておりますので、これは関税収入の中から一部そういうのがふえたというふうにとってもまたいいのではないかというふうに考えますれば、それは、一面においては国産原油のためにある程度関税をかけたということにも相なるのではないかというふうに考え  ておるわけであります。
  11. 北澤直吉

    北澤分科員 それでは次の問題に移ります。今度の揮発油税は一キロ一万三千円を一万一千円にするわけですが、ところが一方地方道路税においては四千円増税、従って両方合せると結局ガソリン消費についてはキロ当り二千円の課税の増徴になるというふうに了解しておるわけであります。そうなりますと、そのガソリン一般市販におきましては、もしそれが消費者に転嫁されると見ますれば、結局二千円高くなる、こういうふうに思うのでありますが、政府におきましては、今の二千円は転嫁されない、業者が負担する、こういうふうにお考えでありますか、あるいは消費者に転嫁されるというお考えでありますか、その点伺いたいと思います。
  12. 川上為治

    川上政府委員 このガソリン税につきましては、今お話がありましたように、現在大体一万三千円程度の税がかかっておるわけでございますが、これにさらに二千円ということに相なっておるようでありますけれども、この二千円というものがそのまま値上りとなるかどうかという点につきましては、いろいろ問題があるわけでございます。現在このガソリン重油などと違いまして、市場は比較的だぶついておるというような傾向になっておりまして、価格につきましても、どちらかといいますと軟弱ぎみになっておりますので、二千円をかけましても、果してその分だけ値上り増するかどうか、その点は相当疑問ではないかというふうに考えております。ただこの税は、御承知の通り関税と違いまして、性質そのもの消費税でありますので、これはやはり消費者に転嫁されるべき性質のものではないかというふうに私どもの方では考えておるわけでございます。しかしながら実際問題としては、そんなに上らないであろうというふうに考えておるわけでございます。
  13. 北澤直吉

    北澤分科員 もう一点伺って、私はこの質問を打ち切りますが、この政府石油政策に最も大きな関係のある問題としてもう一つあるのであります。それは今問題になっておりまする元の軍の所有であったところの四日市、それから徳山、岩国、この三つの燃料廠払い下げの問題があるようであります。これをどう利用するかということは、日本石油政策に大きな関係を持つことと思うのでありますが、私ども新聞などで拝見するところでは、四日市燃料廠は、将来日本石油化学事業の拠点とすると申しますか、そういうことで、シェル昭和石油、あの系統の会社払い下げて、あそこで石油化学事業をやるというような政府の御方針がきまったということであります。新聞などでも、そういうふうに政府方針がきまったということがずっと前に発表になったのでありますが、これがその後どうもはかどらないというふうに新聞には書いてあります。昭和石油の方から回答がなかなか来ないというようなこともあるようでありますが、ずっと前にそういう政府方針がきまったにもかかわらず、それがなかなか遅々として進まないという裏には、相当問題があるのではないかと思うのでありますが、あるいはどういうふうな事情でおくれておりますか。その事情を伺っておきたいと思います。
  14. 川上為治

    川上政府委員 四日市燃料廠払い下げの問題につきましては、最後的に政府におきまして決定されておるということにはなっておりません。これは通産省におきましては、こういう考えでいきたいということでございまして、その通産省考え方に対しまして、あるいは昭和石油、あるいはシェル石油というような会社なり、あるいは精製八社と申しますか、そういう業界の方がどういう意見をこれに対して持つかという点につきまして、現在これらのものに対しまして、どういうふうに考えるかということを聞いておるわけでございまして、そうした方面回答もまだ正式には来ておりませんので、そういう事情からこの問題はおくれておるわけでございます。先ほども申しましたように、政府で最後的に決定されているという段階にはまだ来ておりません。
  15. 北澤直吉

    北澤分科員 この燃料廠の問題は、三カ所とも全部一括して政府として決定する、こういうふうなことでございましょうか。
  16. 川上為治

    川上政府委員 一緒にやった方がいいか、あるいは個々別々にやった方がいいかという問題につきましては、これは最高のところで決定されると思うのですが、私どもの方として事務的に考えますと、燃料政策なり、あるいはその石油化学に対する政策という方面からいいまして、こういうものはなるべく一緒に解決した方がよくはないかというふうに考えております。
  17. 北澤直吉

    北澤分科員 この燃料廠の問題は、まだ今後相当時日を要するという見込みですか。大体いつごろまでには決定する、そういう見込みでありますか。その見込みを伺いたいと思います。
  18. 川上為治

    川上政府委員 その見込みを申し上げることは、非常にむずかしいと思うのでございます。大体まだ正式に回答が各方面から来ておりませんが、中間的な報告と申しますか、意見と申しますか、そういうものは来ておりますので、そういう意見を総合いたしますと、そう非常に特別に全面的に反対という意向もないようでありますので、この問題につきましては、私どもの方としましてはなるべく早く解決した方がよくはないかと思いますが、さらに半年かかるとか、あるいは一年かかるというようなことはないようにした方がよくはないかというふうに考えております。
  19. 北澤直吉

    北澤分科員 これは非常に大きな問題でありますので、この問題について政務次官からも一言見通しを伺いたい。
  20. 島村一郎

    島村政府委員 大体におきましては、今鉱山局長が申し上げた通りだと思います。こういう問題は、個々に扱うことはいろいろなトラブルが起りやすい。それでできる限りまとめて早く処理する方がいいのだろうと私は考えております。
  21. 北澤直吉

    北澤分科員 それでは貿易問題についてちょっと伺っておきます。本年の四月までは、日本輸出貿易もだいぶ順調に進んだようでありますが、五月に入りましてからドル地域、それから清算勘定地域に対する輸出貿易がどうも思わしくない。五月の中ごろの統計では、日本輸出全体として、四月に比べて一千万ドルぐらい下回っておる、こういうふうな新聞報道があるのであります。年々この上半期は、季節的に輸出がそう多くないということは承知いたしておるわけでありますが、去年以来ずっと上り坂にあった輸出が、五月になってそういうふうに下ってくるというふうなことについては、何か特別の事情があるかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
  22. 板垣修

    板垣政府委員 ただいま御質問のありました通り、本年四月の輸出が、為替受け取りベースで一億五千万、それから五月はまだはっきりした統計ができておりませんが、推定によりますと一億四千二百万、約一千万ドルの減少傾向になっております。特需の方も少し低かったようでありますが、この原因につきましては、まだ私どもの方として確たる原因を突きとめておりませんけれども、ただいまお話通り季節的理由がございますのと、それからポンド地域におきまして、やはり多少輸入引き締め政策というようなものの影響も若干あるのじゃないかというふうに考えております。それからオープン・アカウント地域につきましては、特に私どもが、日本が買っておりまする米などの買付状況等関係から、多少減っておるということもございますが、全般的に言いましては、季節的理由の方が大きいように考えておりまするし、それから数字から見ましても、一億四千二百万ドルという数字は、本年度の輸出目標でありまする月平均一億三千五百万ドルから見ますると、やはり相当に上回っておる数字でございますので、年間全体といたしましては、私ども考えておりまする輸出目標は達成し得るものというふうに考えております。
  23. 北澤直吉

    北澤分科員 去年は、例の日英支払い協定通商会談の結果、ポンド地域において輸入制限を緩和をしたというようなことがあって、ポンド地域に対する日本輸出相当ふえたわけであります。ところがその後一年間の日英間の貿易じりを見ますと、日本の方から相当輸出超過になっておる。従ってイギリスの方では、今度の日英間の貿易におきましては、日本ポンド地域からもっと輸入をふやすように主張するのじゃないかと思います。あるいは日本からの輸出制限する、そうして貿易のバランスをとるということを主張するのじゃないかと私は思います。そのほかにも、最近イギリスにおきましては、例の大規模の鉄道ストライキとか、いろいろなことがありまして、だいぶポンド為替が弱くなってきておるということ、それからそういうふうに英国の国際収支がだんだん悪化してきておるということから、輸入制限をしようという空気になっておるそうであります。そういうことから考えまして、日本ポンド地域に対する輸出というものに対しては、どうも私は楽観できないのじゃないかと思いますが、その点について政府はどういうふうに考えておりますか。
  24. 板垣修

    板垣政府委員 今お話通りのような傾向が確かにあるのでありまして、去る三月の日英中間会談におきましても、そういう気配が見えますし、今月の末ごろから開かれまする本格的な日英交渉につきましても、おそらくイギリス側は、昨年の日本輸出超過に対しまして、日本輸入促進ということを相当強く主張するのではないかと思います。私どもといたしましては、少くとも昨年程度の対ポンド地域への輸出のレベルを維持するために、現在考えておりますのは、もう少しポンド地域からの輸入を促進する方向を樹立いたしますれば、イギリス輸入制限というような措置をとるようなことはないように私どもは聞いておりますが、そういう方向に向かないように善処いたしたいと考えております。
  25. 北澤直吉

    北澤分科員 今のポンドが弱くなるために、日本輸出が少くなるのではないかという点はどうですか。
  26. 板垣修

    板垣政府委員 その点につきましては、英本国の方で、いわゆる金融引き締め政策というような見地から、多少弱含みの傾向はあるのじゃないかというふうに考えております。
  27. 北澤直吉

    北澤分科員 最近の新聞によると、例の鉄道ストライキやその他があって、イギリス国内が多少不安な状態になっておるので、イギリスに来ておる外国の短期資本がだいぶ逃げ出しておるというような関係で、ポンド為替がだいぶ弱くなっている。ポンド為替が弱くなれば、日本の対英輸出はうまくないわけでありますが、そういうような日本の対英貿易の点から、ポンドの問題は非常に大きな問題だと思うのですが、これについては今の保守党内閣が、ポンドの交換性回復の見地から、何とかしてポンドを維持しようという努力はするでありましようが、今のようなイギリス国内状態、あるいは短期資金が国外に逃げるというような関係から、ポンドが弱くなるということを心配しておるわけであります。そういう面からくる対英輸出伸び悩みというふうな心配がありますか。その点はどうですか。
  28. 板垣修

    板垣政府委員 その点につきましては、英国の国内政策の問題でございまして、御承知の通り見通しは立てがたいのでございます。そういう傾向があればあるほど、私どもといたしましては貿易上の観点から、日本といたしましてもポンド地域からの輸入を促進し、ポンド地域日本の商品を従来通り買い得るような態勢に持っていきたい。こういうように考えております。
  29. 重政誠之

    重政主査 他に質疑の通告もありませんので、通商産業省所管に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  30. 重政誠之

    重政主査 次に、昭和三十年度一般会計予算及び同特別会計予算中、農林省所管に対する質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。小平忠君。
  31. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 吉川農林政務次官に、農林省関係予算につきまして若干質問いたしたいと思います。  先般の総括質問並びに一般質問の際にも、私なりあるいは同僚議員から、農林省関係予算については、相当具体的な質問をいたしたのでありますが、その質問を通じまして、いよいよ予算も最終的な段階に入ろうといたしておる今日におきまして、きわめて重大な問題が二、三点ございます。  第一点は、先般問題になりました減収加算については、食管特別会計の中でいかなる操作をするかということ、次は、本年度は米の集荷制度について新たなる予約制度を実施いたそうということであります。この予約制度が政府考えておる通り成功するかしないかは、かかって米価を初めとするところの二、三の条件が伴っております。これらの問題がやはり非常に大きな問題だろうと思うのでありますが、私は第一にお伺いいたしたいのは、食管特別会計の中で最も大きないわゆる問題点であるところの本年度の米価でございますが、過般も米価問題だけ取り上げて全国農民大会を開催し、その席上において、本年度生産者価格一万二千四百円というものを決議して、政府当局なり、あるいは国会の各政党にも強き要請がありました。この問題に関しまして、政務次官農林省の本年度のこれから米価を決定するまでの大体のスケジュール、すなわち米価審議会に対して農林省が諮問せんとするところの大体の日程とか、あるいは構想、こういう問題についてまず私はお伺いいたしておきたいと思います。
  32. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 三十年度の米価の決定についてのスケジュールと申しますか、それはこういうように考えております。実は先月末までになるべく決定をしたいというような目途を定めまして、大蔵省と折衝をいたしていたのでありますが、例の減収加算の問題とあわせて折衝をいたしておりましたところが、これが切り離されて御案内の通りの結果を見ましたので、その後大蔵省との折衝はただいま停頓をいたしております。そこで米価審議会の委員の方々を早急にお願いをいたしまして、先月の三十日から懇談会を催していただきまして、そこで審議会の委員の方方の御意見を伺っております。なおそれに先だちまして、前年の米価審議会の専門委員の方々にお願いをしまして、生産費計算の方式についての御検討をいただいて、その答申を参考にしたいということで計画を立てていたのでございます。ただいまのところでは、本月中旬までに農林省としての考え方を具体的に出しまして、米価審議会に諮問をしてその答申を尊重して決定したい、おそくとも六月十五日を目途といたして準備を進めておりますので、大体その前後において決定を見るものと考えております。
  33. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 大体政府の本年度米価の機構というか、原案はどのようにお考えでございますか。
  34. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 ただいまのところは、農林省としての具体的な考え方は目下検討中でございますが、十五日を目途として準備を進めておりますので、それまでに閣僚懇談会を開きまして、そこで政府の具体的な考え方を出したい、かように考えております。
  35. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 きょうの新聞にも出ておりましたが、一万円を相当上回るような予定を実際に立てておられるのですか。
  36. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 政府部内におきましては一万円——新聞にありましたような考え方を持っている向きもございますし、またそれ以下の考え方を持っている者等もございまするので、ただいまのところでは、その点はまだはっきり申し上げかねますので、御了承願いたいと思います。
  37. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 政務次官おわかりでなければ、政府委員からでもけっこうでありますが、食管特別会計の中に、本年度の国内産米の買い入れ数量と予定価格を計上されておりますので、買い入れ予定価格は、食管特別会計の中で予算米価九千七百三十九円にどのくらいプラスした金額で実際の買い入れ予定をいたしておりますか。
  38. 清井正

    ○清井政府委員 ただいまの御質問でございますが、予算は九千七百三十九円で、二千三百五十万石を三十年度産米は買い入れるということで計上いたしておりますので、従ってただいまの予算上の単価は九千七百三十九円ということになるわけであります。従いまして、かりに米価がきまりまして、米価が予算米価より上回った場合においては、その差額分についての問題が起って参る、こういうことになります。
  39. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 食管特別会計の予算書に計上されておる金額は、予算米価九千七百三十九円で計算をされておりますか。
  40. 清井正

    ○清井政府委員 さようでございます。
  41. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 そういたしますと、政務次官にお伺いいたしますが、食管特別会計は九千七百三十九円で計算されておるということですが、大体買い入れ価格が本年度の米価一万円を相当上回るとすると、問題は食管会計自体の財源の問題だと思うんです。何か農林大臣は、外米麦の輸入について、いわゆるこれの価格差利益というか、安買いによる利益、そういったものを相当見込んでおられたようであるが、それもどうも思うようにいかぬ。先般の減収加算三十三億もまた出さなければならぬというようなことから、米価の決定については、なかなか苦慮しておるようであるというようなことを実際に聞くのでありますが、何かいい構想があるのでありますか。
  42. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 農林大臣が他の機会にお答えを申し上げてあったと思いますが、大きな食管会計のワクの中でございますから、その運用よろしきを得れば、相当な節約と申しますか、何か捻出の方法考えられるのではないかと思いますけれども、ただいまのところは、米価がはっきりきまった上でそれに対する措置方法考えなければならないと思っております。
  43. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 時間が非常に大切でありますから、私は結論を申し上げます。過日農民大会の実行委員が第一議員会館に集まった際に、農林政務次官はいろいろ質問に答えられている。大会で決議をした今年度の最低米価一万二千四百円は、一体農林政務次官どうお思いになるか、これに対して政務次官としては、なかなかこれは困難である、次に矢つぎばやに質問して、従来改進党時代から吉川さんの考えておられるところの、いわゆる日本の農業政策に対する考え方から言うと、ちょっとその答弁は不満足である、それじゃ吉川さん個人のお考えはいかがですかという質問に対して、私の個人的な意見は、一万二千四百円は、これは妥当な要求であると考えると、こう答弁されたのでありますが、これは農民大会の席上であって、私はよくそばで聞いておったのであります。この質疑応答を考えるときに、今いよいよ三十年度の予算を決定せんといたしておりますときに、私はあえてこういう席上であなたを苦しめるとかということではございませんが、率直にお考えになって、この農民大会で決議された一万二千三百七十六円ですか、四捨五入して一万二千四百円という米価の要求に対して、いかがお考えになりますか。
  44. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 先日の農民大会の際の私のお答えを引用されまして、はなはだ恐縮でございますが、私は、個人としてどういう考え方か、改進党当時の主張からすればということで、どうしても答えなければならないところへ追い込ましてああいうお答えはいたしましたが、しかしその際に、いろいろ内容について少し敷衍をしておいたつもりでございます。米価の決定ということは非常にむずかしい問題でありまして、私は長い間、パリティ計算が農家に非常に不利益である、従って生産費計算をとらないかということを、小平委員とも同じような立場で大いに主張をしてきたものでございます。しかし日本のような、南は九州の亜熱帯に近いところから、北は北海道、また標高からしますと、海岸地帯から私の郷里の長野県の八ケ岳のごとく、千二百メートルのところもあるというようなことで、非常に地理的に、地形的に複雑でございますので、生産費計算の非常にむずかしいことを考えると、これもなかなか容易に結論は出せないのだ、しかしインフレ傾向にあるときにはパリティ方式では非常に不利益であったが、デフレ傾向の情勢になってくると、パリティ方式もなかなか捨てがたい趣きがあるのではないか、その中で米価を決定するに当って、そういった問題も考え、また米価決定の際に特に問題になるのは、農業労働者の労働の対価の問題、あるいは自給肥料等の算定の問題等が上がってくるのであるけれども、そういう点を十分考慮して考えれば、個人としては、御要求はごもっともであるとも思いますが、ただ農業の立場だけを考えればさようなことが言われるが、今の世界経済の情勢から達観をして、わが国の農産物の大宗である米の価格はどうきめたらいいかということになると、それはただいまの予算米価のごときものであってはならない、少くとも昨年の農民の手取りに相当するものでなければならない、こういうことを結論的に申し上げたと思うのでございます。だいまの私の考え方も、個人的の場合のお答えは別といたしましても、政務次官としての考え方をその節も申し上げたと思いますが、大体考え方においては、今も変っていないことを申し上げて御了解を願いたと思います。
  45. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 非常に大事な問題ですから、少くとも政務次官としての立場とか、個人的な立場とか、そういう二重人格的な発言はなさるべきではなくて、個人的な考え方政務次官としての考え方も、全く同一の信念で進んでいただきたい。そういうことから、若干政府全体の意見とは食い違っても、日本の農業政策はかくあらねばならぬという信念のもとに、あなたが多年日本の農業に愛着を持たれて熱情を打ち込んでこられたその考え方は、ぜひ通してもらいたい。本年度の米価決定を誤まると、集荷制度の問題は一大暗礁に乗り上げるのですから、私はこの問題を真剣に伺っているわけでありますが、その話をもう少し掘り下げて聞く前に、先般減収加算三十三億に近い金を食管会計から出すことをきめたわけです。そこで予算書を編成されを当時、この減収加算は考えておられたかどうか、全然あの当時はこれを考えていなかったかどうか、伺いたい。
  46. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 農林省としては、組み入れたいという考え方を持っておりましたが、御案内の通り予算編成に当りましては、大蔵省と話し合いが妥結しないと予算に計上するわけには参りませんので、結論を得なかったので、計上することができなかった次第であります。
  47. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 そうしますと、あの食管特別会計の予算書を訂正されますか。
  48. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 予算国会に上程される以前でありましたならば当然訂正をいたしますが、提案をいたします前に結論を得なかったので、訂正をいたす考えはございません。
  49. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 その三十三億をどういう、ふうに処理されますか。
  50. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 三十年度の食管会計の運用によって解決をしたいと考えております。
  51. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 そういう政治答弁では許されない。予算をまだ提出していない前であれば修正をして出したけれども、出してしまったから修正しないと言われるが、今予算の審議中です。それから提出されている食管特別会計の予算書は正確なものであるという自信をお持ちですか。
  52. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 正確なものであると考えて上程をいたしました。
  53. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 そういたしますと、食管特別会計では三百億の予備金は持っておりまするが、今年度は損失見込みも三百六十九億九千万あります。結局予備金を差し引きましても食管会計は六十九億の赤なんです。先般予算委員会でも、大蔵大臣も農林大臣も赤字を出さないでやりくりすると言う。やりくりするということは、あの食管会計がでたらめだということなんです。あれが正確なものならば、どうしてやりくりするのです。できないのです。これはどういたしますか。
  54. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 これはもう小平委員に申し上げるまでもなく、十分その方にかけてはおわかりのはずでございますから、私から申し上げることはどうかと思いますけれども、一般会計と違いまして、この食管特別会計はいわゆる特別会計でありまして、事業をいたして参りますうちには、いろいろの事態がその中に出て参ると思います。そこで一般会計の場合と異なったと申しますか、坂扱い方において、幅のある運用のできるのがあの会計の特質であると考えております。これは私が申し上げる以上にすでに御案内だと思いますけれども、さように考えておるわけであります。
  55. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 そういうごまかしでは通されないのです。予算が通った後において不測の事態が起きた場合は、これはけっこうです。特別会計は、特に食管会計というようなものは、売ったり買ったりですし、七千億という膨大な会計をいじるのでありますから、当然です。しかし今は予算の審議の過程です。その過程において、現に三十三億という新たな支出ができた場合には、これは当然修正すべきなんです。それをやりくりでき得るということですが、それはわれわれは納得できない。食管会計は三百億の予備金を操作しても、六十九億からの赤字会計なのです。政府が出しております食管特別会計は、それに三十三億の減収加算金を出すという財源は、予算審議の過程においてはどこにも見当らないのです。それはあなたがいかに説明されてもだめです。ですから、食管特別会計を今修正してお出しになるというのならわかります。あの中身は実はずさんな点があったのだ、こういう点で財源が出てくるのだといって修正されるならわかります。さらに食管特別会計が正確なものであって、その財源はどうしても一般会計から求めなければ出てこないから、一般会計から繰り入れるということでもけっこうです。そういうことが明確にならない限り、われわれは了承できないのです。いかようにお考えですか。
  56. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 省内でこの点についてもいろいろ検討してみたのですが、ただいまのところは、この特別会計の運用によってうまくやっていかれる、そういう見通しをもってやっております。ただやって参りました結果、予算の補正を要するような場合、あるいはまた赤字が出まして年度末に繰り越さなければならないような場合等、あり得ることであろうとは思いますけれども、三十二億九千万くらいのものでございましたら、どうやらやっていかれるんじゃないかという見通しを持っておりますので、ただいまのところは、修正というようなことは考えていないのであります。
  57. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 くどいようですが、それでは食管特別会計の国会に提出されております予算はでたらめですね。すでに六十九億赤字が出るというのに、見通しがつくというのですから……。
  58. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 でたらめであるとは考えておりませんが、いろいろ情勢等も変ってくることも予想されますので、その点は運用で切り抜けられるのではないかという見通しの上に立っている次第でございます。
  59. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 それではだめなんです。今まで予算の審議をずっと繰り返してきて、これほどでたらめな予算審議はないのです。私は農林省が、この問題についてはこのような悪例を残してはいかぬと思う。現に三十三億という金は膨大な金であります。そういう大きな新たなる支出を必要とするものが具体的に出てきた場合において、予備金にしろ予備費にしろ、それを支出するという名目が明瞭に立てば別でありますが、立たない。現に六十九億の赤字が食管会計の中で出るという、そういう予算の審議の過程においては、食管特別会計を修正するか、その財源を一般会計から求めるか、いずれかにしなければならないものです。それを、あの食管特別会計の中で何とか操作するんだ、やりくりするんだというふうにごまかすことは、非常に悪例を残すことになるのです。皆さんにも私と同様に、その苦しい立場なり、また忍の言っていることが無理なことではないということを政務次官はお認めになっているようですから、私はこの問題は舞台を別なところに変えます、ここは分科会ですから。  そこで政務次官にお願いしたいことは、その三十三億を今度の米価決定の際にしわ寄せしてもらっては困るということです。同時に私があなたにお聞きしたいと思ったことは、本年度の米価の決定であります。なぜ私がこれを聞きたかったかというと、先般の農民大会の代表委員があなたに質問した際にも、米価は、引き上げるべき生産者価格をなるべく抑制して引き下げてきた、なるべく国際価格にだんだんと接近させてきた、これはかつて自由党がよく主張してきた点であります。あなたの改進党時代の主張と違うんです。というのは、ここで私はあまり意見を申し上げることは差し控えますが、結論を簡単に申し上げますと、生産者価格を引き上げることによって低物価政策はとれない、デフレ政策はとれないということは、農民だけを犠牲にして日本のデフレ政策を行うという結論になるということなんです。それは一万二千四百円という生産費と、労働賃金を科学的に計算した数字というものが最低の要求なんです。ですから、今かりに生産者価格を一万二千四百円に引き上げた場合に、現在の消費者価格キロ当り七百六十五円というものは、石に換算して一石一万七百円でありますが、現在予算米価と消費者価格は、ちょうど一千円ほど消費者価格が高いのです。それを、生産者価格一万二千四百円にプラス千円の一万三千四百円では、これはさらにものすごいインフレを招来することは明らかであるから、そこであなたも前から主張いたしておりまするように、二重米価制をとるのである。それは国の責任において、全体の国家財政の負担においてその差額を国が負担する。その負担の仕方は、食管特別会計の操作によって、決して五百億、六百億というその財源を使わなくてもやり得る道はあると思うんです。ですから、それはあなたが先般おっしゃったような、すなわち生産者価格引き下げて、国際価格にこれをだんだんと接近せしめていくのだということは、農民を犠牲にした政策だということになるのです。この考え方は、私はあの答弁を聞いておって、ははあ、吉川さんも保守党の政務次官になったとたんに、すっかり従来の自由党の政策と同じような考え方になったなあとこれを受け取って、まことに残念でした。そこで、あのときにあなたがその答弁をしたら、どうですか、全農連、全日農の各組織の代表が手をあげてそれに対して反駁した、あの顔というものは真剣です。というのは、農民を犠牲にしてデフレ政策、低物価政策をとってはいかぬということなんです。私はけっこうです。やはり低物価政策をとるということに対して、生産者価格もだんだんと国際価格に接近せしめていく方向はけっこうだけれども、それには段階を経なければならぬ。農民がやはり翌年度の再生産を償う価格、その農民の生産を補償する価格政府考えなければならぬという意味で、私はどうしても本年度の米価は、やはり現在の予算米価よりも相当上回った価格でなければ、これは大問題であるということが第一点である。  その次は、今度のいわゆる予約売り渡し制を実施する場合に、これは名前が変りまして、事前売り渡しというような名前になるようでありますが、その際、この予約をしたものに対する価格と予約をしないものとの値開きをどのくらいにするか、これがまた大きな問題となってくると思うのであります。もちろん奨励金、あるいは免税措置、あるいは前渡金等々たくさんありますけれども、まず何といってもこの米価の問題は、最後にあなたの見通しとして、本年度の米価は、米価審議会ですったもんだしたあげく、政府は最後の線はどの辺に持っていきたいか。大体の見当でけっこうです。それからもう一つは、今の予約をしないものとの価格の値開きを、一体どの辺で持ちたいとお考えになっておるか。
  60. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 ただいまの御質問の中に、農民大会のときの私の発言に関連をしていることを引き合いにお出しになられましたので、多少誤解があるようにも思いますので、ちょっと申し上げておきますが、私は、大きな日本経済の方向については申し上げたのですが、そのために農民にしわ寄せをする、犠牲をしいるということになってはならないので、日本の米価を国際価格にだんだんと近づけていくんだという考え方ではございません。すべての物価が下る傾向にあるときに、日本の米価というものがひとり逆にいつまでも上昇を続けているということは、日本経済が立ち遅れる原因にもなるのであるから、やはり将来は、すべての物価に伴って下っていくような方向をたどるであろう。しかし三十年度の米価については、今私は小平委員の御指摘のように、予算米価を上回ったものでなければならないということは、ただいまもさような考え方を持っております。日本の米価決定に当っては、少くとも三十年度の米価をきめるに当りましては、国際価格と関連を持って考えておりません。日本国内の諸事情によって決定すべきものだと考えておりますので、その点は一つ誤解のないようにお願いしたいのであります。  それから新しい集荷制度によりまして、米価をどのくらいにするか。君は一体どのくらいに考えるか、こういうことでございますが、これまたもろもろの事情を勘案いたしまして、できるだけ農家の皆さんの御期待に沿うように、ただいませっかく努力中でございますので、まだ具体的にはっきり申し上げられる段階でございませんから、この点は一つ御了承願いたいと思います。
  61. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 やむを得ないでしょう。大体大まかなところくらい聞きたかったのですが、時間もございませんから、あと一点で私の質問を終りたいと思います。各局長さん方も出ておられますし、予算問題ではいろいろただしたいことがたくさんあります。しかしこれは、さらに総括的には農林大臣から総括質問で多少お伺いいたしたいと思っておりますし、さらに具体的な問題は、農林委員会におきまして、同僚委員からも質問してもらおうと思っておりますから、きようはあと一点で終りたいと思います。  その点は、民主党、自由党の間におきまして、予算修正の妥結がなったと報道されています。その基本的な妥結に基いて、目下計数の折衝に入っている。そこで問題点はたくさんありますが、歳出増について、大体百億以上の話し合いがついておりますが、問題はわれわれ本年度の予算を見て、農林大臣に遺憾の意を表するだけでなく、大蔵大臣には、一体この農林予算は何ですかと言いたい。全体で百十四億も削減している。特に食糧増産あるいは蛋白資源の培養の見地からも、畜産問題、あるいは全体の問題について大削減を行なったこの予算を見るときに、私はまことに残念である。そこで、これはいよいよ最後の追い込みになったこの予算の修正をめぐって、最後の論戦がかわされると思うのでありますが、今度民主党と自由党の両党間において折衝されて結論を得つつあるとすれば、農林省関係で大体どのくらい修正の見通しがおつきなのでございますか、もしその点が、ここであなたからそれをお聞きすることができなければ、私から希望を申し上げておきたいと思います。
  62. 吉川久衛

    ○吉川政府委員 三十年度の農林予算が大きな削減を受けまして、小平委員初め、皆さんの非常な御協力を得て、大蔵省の第一次査定をあれまでに復活を見たのでございますが、農林予算に対して大きな斧鉞が加えられましたことは、いろいろの事情はあったにいたしましても、まことに私は遺憾に思っている一人でございます。しかし不十分ながらも、何とか一つ少い予算で十分に効果をあげるような努力をしなければならないと考えておりましたところ、たまたまただいま御指摘のような予算の修正の問題が持ち上りました。私はまだはっきりした内容を承知をいたしておりませんが、今朝ほど来の話では、そのうちに大まかなワクを示すから、内容については一つ検討してもらうようになるかもしれぬ、こういうことでございましたので、小平議員の御希望、御意見がございましたら、それも伺って、その御意見を尊重して、その配分等については考慮いたしたいと考えております。
  63. 小平忠

    ○小平(忠)分科員 それでは率直に申し上げますが、実は政党的の立場から申しますと、われわれ両派社会党も、昨日共同組みかえの原案を決定いたしまして、発表いたしました。そのことは新聞にも出ておりますから、ごらん願っていると思うのであります。私はいよいよこのいまだかってないじゅうりんされた農林予算に対して、農林大臣もこの予算を審議をする閣議において、農林大臣がどのような発言をされたかは、このことについては閣僚の一人から私は聞いている。従って農林大臣がそれはどういうことをしゃべったか、どういう人から聞いたとかいうことは、私は言うべきでありませんから申しませんが、実に農林大臣、大きな責任がある。もう一つは、今度の予算は、申し上げるまでもなく、これはいまだかってない日本の農業に対してほんとうに軽視という言葉でなくて、鳩山内閣が選挙のときにも、あるいは常日ごろ言っている公約とは全く逆な反対な、具体的な面が現われているこの予算に対しては、これは真剣に考えなければならぬ。民主党と自由党の保守両党が話し合って予算の修正をして、少くとも増額するという考え方はわれわれは賛成です。問題はその中身なんです。もしその話し合いによって生れ出るところの内容のものが、与党として、自由党をかかえ込まなければ予算は通らぬというような党利党略のために、スズメの涙ほどの若干の予算の修正を持ち込まれて、これをのむというようなことがあったならば、私は鳩山内閣の農業政策何ぞやと言いたい。政務次官は、もし希望があったならとおっしゃられたので、私は希望を申し上げたい。農林大臣は、この原案は、日本のデフレ政策を強行する段階においては、これ以上仕方がないのだ、この原案で通すのだ、ことしは苦しいが来年からやるのだ、こう言っておるのですけれども、河野さんが農林大臣になったというものだから、あの人は閣内においても相当発言力もあるし、農政通でもあるというので、全国の農民は非常な期待を持っておりました。しかしその際現われた予算はこうなんですから、少くともこの修正に乗るというならば、今まで原案通りやるのだ、修正もしないのだ、補正もしないのだと言っておきながら、政府の原案をひっくり返すならば、私は十分なる予算の増額があるならけっこうです。もしそうでないなら、それを返上なさい。私の希望はそれであります。  以上申し上げまして私の質疑を終ります。
  64. 重政誠之

  65. 北澤直吉

    北澤分科員 時間もありませんから、一点だけ農地局長に伺いたいと思います。それは、現在茨城県その他の県において問題になっております未墾地の開拓の問題であります。御承知のように、昭和二十七年の農地法の施行に関する政令によりますと、未墾地の買収価格について規定があります。現在茨城県あたりで問題になっておりますのは、平地林の開墾の問題でございます。実際には、そういう平地林は一反歩当り四万円、五万円で売れているのでありますが、未墾地の買収になりますと、一反歩二千円くらいで買収されている。従って未墾地の開墾を申請して、そして開墾ができますと、それを今度は他に売って差額をもうける。しかもその裏には、赤の系統が入っておりまして、それを盛んに使嗾している。選挙の際には、それを道具にしてやっているのです。現に私の選挙区の近くでありますが、一反歩について七千円くらいの金を農民から出させて、そして自分が大いに骨を折って未墾地の買収をしてやる、そうなると、二千円のものが五万円で売れる、そういうことで、今盛んに農民をつっている。現にそういう運動があり、そういうことで問題を起しているわけでありまして、小さな郡でも、三百町歩くらいの未墾地の開拓の申請が出ているのであります。県の方でも、非常にこの問題を重大視しまして、いろいろ対策を考えているわけでありますが、こういうふうに、未墾地開墾の裏に、政党が党利党略のために、党勢拡張のために農民をつっているという運動が非常に多いのであります。増反が合理的に行われているということについては、もちろん異存はないのでありますが、そういうふうに一部の者がそれを使嗾して未墾地の開墾の申請をするということは、非常におもしろくないと思うのでありますが、これを防ぐためには、どうしても今の非常に不合理な買収価格をある程度上げなければならぬ。とにかく四万円、五万円で売れるものを二千円でとるというのは、これはほとんど略奪にもとしいので、その買収価格をぜひ適当なところにまで引き上げて、こういうような不合理な未墾地開墾運動をできるだけ抑制したいと思うのでありますが、それについて農地局長のお考えを承わりたいと思います。
  66. 渡部伍良

    ○渡部政府委員 未墾地の買収につきまして、買収価格が安過ぎるという問題はお話通りであります。私の方でも、これを合理的に解決する方法について今研究しております。しかし一方におきましては、入植、あるいは増反される方の営農の成り立つ限度というものがありますので、現在一般の土地の価格にしましてもそうでありますが、特に関東地方あたりの平地林の価格が非常に高いのであります。このことは、その価格が必ずしも営農関係とマッチしないようになっておりますので、その関係の間の調整をどうするかということで頭を悩ましているのであります。営農の成り立つ限度というものが、これからの検討の一つの目標になるのではないか、こういうふうに思っております。しかし、できるだけ早くこの問題は解決しなければいかぬと思いまして、鋭意研究中であります。
  67. 北澤直吉

    北澤分科員 この買収価格を引き上げる問題は、法律の改正を必要としません。昭和二十七年のその政令を改正すればいいわけでありますが、私ども考えでは、今の二千円はあまりにひどいと思うのです。とにかく四万円、五万円で売れますものを二千円で買収して、悪質な者は、それから二、三年たって売ってもうけるということになっているのでありますが、私ども考えでは、せめてこれを一万五千円ぐらいまで引き上げれば今のようなそういう悪質の例はなくなると思うのであります。問題は、その引き上げの問題をなるべく早く解決しないと、いかに一方において政府なり農林省の林野局の方が造林とか植林とかいいましても、その方の未墾地の開墾のことがありますので、急いで山を切ってしまうというふうなことがありまして、山が全部坊主になってしまう。そうすると、耕地の水源の問題に関係しますということで問題が起っておりまして、ほとんど毎日われわれのところに陳情が来るのでありまして、応接にいとまがないほど来るわけであります。問題は、なるべく早くその価格を引き上げてもらうこと、できればその価格を一万五千円ないし二万円ぐらいまでに引き上げてもらうことが必要であると思いますが、その点に対する具体的なお答えをいたたきたい。
  68. 渡部伍良

    ○渡部政府委員 この問題を早く解決しなければいかぬということは、私どもの方でも大いに考えておりますので、できるだけ早くしたいと思っております。価格の点は、先ほど申し上げましたように、各方面からの要素の調整によってきまるので、まだいかほどにしたらいいかという結論が出ておりませんので、今後研究を進めたいと思っております。
  69. 北澤直吉

    北澤分科員 そうしますと、政府の出しましたあの政令を改正して価格を引き上げるということになりまして、別にこの農地法の修正というふうな考えを持っておりませんか。
  70. 渡部伍良

    ○渡部政府委員 農地方の修正の考えは持っておりません。
  71. 北澤直吉

    北澤分科員 この問題についての最もひどい人の例があります。それは、森林法によって平地林の伐採を禁止している。ところがその平地林を持っている地主が、いろいろの経済上の関係から金が要るということで、その立木を担保にして農林中金から融資を受けているということになっているわけでありますが、そういうふうな農林中金の融資に対して担保になっている土地を、県の開墾審議会で開墾地に指定した。そうしますと、一体地主の方は借りた金を返す何もない、今言ったように担保になっている土地は、一反歩二千円ぐらいで買収される、金を借りて担保がなくなるというような例が現に出まして、だいぶ問題になっているようでありますが、農林省としましては、農林中金の担保になっているような土地を開墾指定地にする問題については、もっと真剣にお考え願わなければならぬと思うのでありますが、そういう点についてはどうお考えになりますか。
  72. 渡部伍良

    ○渡部政府委員 お話のような点は、なるほどあまりうまくないと思います。そういう問題こそ、県の開拓審議会で十分検討してきめてもらいたいと思うのでありますが、せんだって、伐採資金を融通しておる林野を未墾地として買収するというようなお話がございまして、今調査しております。どうしてもそこが要るのであるならば、法理的には、伐採資金を返すだけの金はそこで出るんですから、必ずしもできないことはありませんけれども、両方とも農地局の仕事、あるいは林野庁の仕事でお互いに奨励している制度がぶつかってるわけでありますから、そういう問題は慎重に措置するようにいたしたいと思います。
  73. 北澤直吉

    北澤分科員 先ほど局長お話では、なるべく早く買収価格引き上げの問題を解決したいということでありますし、ぜひそうお願いしたいのでありますが、茨城県では、この七月に開拓審議会がありまして、今たくさん出ております未墾地開墾申請を審議することになっておりますが、できれば、その七月までに価格を引き上げる問題を解決してもらわぬと、小さな郡で三百町も出ているということで、茨城県では大へんであります。こういうことは栃木県、新潟県でもあるようであります。今すぐ私どもが希望しておるような価格にできないならば、まず第一段階として、ある程度上げてもらうということをぜひお願いしたいと思うのでありますが、その点について局長のお考えを伺いたいと思います。
  74. 渡部伍良

    ○渡部政府委員 未墾地の買収価格は、先般から問題になっております一般既耕地の小作料との関係において、いずれにしましてもできるだけ早く解決しなければならぬ問題でありまして、急ぎたいと思います。ただ非常に慎重にやらなければいけませんので、お話の開拓審議会に間に合いますかどうか、ただいまのところはっきり申し上げるわけに参りません。
  75. 北澤直吉

    北澤分科員 林野庁長官おいでのようでありますが、どうもこの問題については、林野庁と農地局と意見が違うようでありますが、一つ林野庁の方の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  76. 柴田栄

    ○柴田(栄)政府委員 お答えいたします。この問題につきましては、実は森林法の規定と農地法の規定との競合ということになりまして、指導上非常に困る点があるのでございますが、根本的には、土地全体をより集約的に利用されるという場合においては、林地をさらに集約度の高い利用法に切りかえていただくということは当然だと思っております。利用の集約化については、極力私どもも積極的に協力いたして参りた、と思いますが、農林省の指導が二途にわたって混乱を生ずるということは、まことに申しわけない点だと存じますので、常々農地局とは十分連絡をいたしておりますが、これらの点につきましては、林野といたしましての価格の基礎等についても農地局と十分連絡いたしまして、早急解決をいたしていただきたい、こういうふうに実は連絡をいたしております。未懇地買収対象全体の再調整に関しましても、既往の分、今後の分等につきましても、スムーズな調整のできますように、具体的に御相談をいたすということを進めておりますので、順次円滑に進めるように努力をいたすつもりでございます。
  77. 北澤直吉

    北澤分科員 県の開拓審議会でありますが、その構成を見ますと、もちろんこれは知事が指名するわけでありましょうけれども、農地関係の代表者は多いのでありますが、森林関係の代表者が少いのです。従って開拓審議会を見ますと、どうも農地関係意見に押されて、森林関係意見が圧倒されるという点が多いのでありますので、もちろんこれは県の方の仕事でありましょうけれども一つ林野庁の方からも開拓審議会の方に、できるだけ森林関係の代表者、森林関係意見が反映するように組織をお考え願いたいと思うのであります。
  78. 柴田栄

    ○柴田(栄)政府委員 仰せのごとく、開拓審議会の委員としては、実際林野関係は比較的少いと思います。妥当な主張は十分にいたしまして御審議を願うということは、従来も注意いたしておりますが、お説のような結果になっている場合が相当多いと存じます。農地局と十分連絡をいたしまして、少数の主張が不当に圧迫されないような方向に何とかそれを進めたいと思っております。
  79. 重政誠之

    重政主査 他に質疑はございませんか——ないようでありますから、これをもって農林省所管に対する質疑は終了いたしました。  従いまして、これをもって昭和三十年度一般会計予算中、経済審議庁、外務省、農林省及び通商産業省所管並びに昭和三十年度特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管に対する質疑は、これにて終了いたしました。  この際お諮りをいたします。本分科会所管の予算両案に対する討論採決は、先例によりまして、予算委員会に譲るものといたしたいと存じますが、これに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 重政誠之

    重政主査 御異議なければ、さよう決定いたします。  主査予算委員会に対する報告は、先例によりまして御一任をお願いいたしたいと思います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 重政誠之

    重政主査 それではさよう取り計らわせていただきます。  委員各位の非常な御協力によりまして、円満に議事を進行することができましたことを感謝いたします。  これをもって第三分科会を散会いたします。(拍手)    午後零時三十九分散会