運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-06-23 第22回国会 衆議院 予算委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十三日(木曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 三浦 一雄君    理事 上林山榮吉君 理事 重政 誠之君    理事 中曽根康弘君 理事 西村 直己君    理事 今澄  勇君       赤城 宗徳君    赤澤 正道君       今松 治郎君    臼井 莊一君       宇田 耕一君    遠藤 三郎君       北村徳太郎君    高村 坂彦君       椎熊 三郎君    渡海元三郎君       楢橋  渡君    福田 赳夫君       藤本 捨助君    仲川房次郎君       松浦 東介君    牧野 良三君       丹羽 兵助君    三田村武夫君       村松 久義君    相川 勝六君       荒舩清十郎君    生田 宏一君       植木庚子郎君    大島 秀一君       太田 正孝君    北澤 直吉君       倉石 忠雄君    周東 英雄君       野田 卯一君    橋本 龍伍君       平野 三郎君    松野 頼三君       松山 義雄君    足鹿  覺君       阿部 五郎君    有馬 輝武君       淡谷 悠藏君    石田 宥全君       川村 継義君    志村 茂治君       滝井 義高君    福田 昌子君       柳田 秀一君    山本 幸一君       横路 節雄君    渡邊 惣藏君       稲富 稜人君    井堀 繁雄君       細田 綱吉君    大西 正道君       小平  忠君    杉村沖治郎君       西村 榮一君    久保田 豊君  出席国務大臣         内閣総理大臣  鳩山 一郎君         法 務 大 臣 花村 四郎君         大 蔵 大 臣 一萬田尚登君         文 部 大 臣 松村 謙三君         農 林 大 臣 河野 一郎君         運 輸 大 臣 三木 武夫君         郵 政 大 臣 松田竹千代君         国 務 大 臣 高碕達之助君  出席政府委員         法制局長官   林  修三君         大蔵事務官         (主計局長)  森永眞一郎君  委員外出席者         専  門  員 小林幾次郎君         専  門  員 園山 芳造君         専  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 六月二十三日  委員赤城宗徳君、稲葉修君、宇都宮徳馬君、小  川半次君、木村文男君、河本敏夫君、福田赳夫  君、古井喜實君、松浦周太郎君、三田村武夫君、  太田正孝君、倉石忠雄君、小坂善太郎君、橋本  龍伍君、赤松勇君、伊藤好道君、久保田鶴松君、  福田昌子君、武藤運十郎君、和田博雄君、井上  良二君、岡良一君及び川上貫一辞任につき、  その補欠として赤澤正道君、今松治郎君、遠藤  三郎君、松浦東介君、丹羽兵助君、椎熊三郎君、  臼井莊一君渡海元三郎君、高村坂彦君宇田  耕一君、生田宏一君、荒舩清十郎君、松山義雄  君、大島秀一君、有馬輝武君、川村継義君、淡  谷悠藏君、滝井義高君、石田宥全署渡邊惣藏  君、西村榮一君、大西正道君及び久保田豊君が  議長指名委員に選任された。 同 日  委員赤澤正道君、臼井莊一君北村徳太郎君、  大島秀一君、石田宥全君渡邊惣藏君及び大西  正道辞任につき、その補欠として赤城宗徳君、  福田赳夫君、宇都宮徳馬君、仲川房次郎君、山  本幸一君、横路節雄君及び細田綱吉君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  予算実施状況に関する件     —————————————
  2. 三浦一雄

    三浦委員長 これより会議を開きます。  今澄勇君。
  3. 今澄勇

    今澄委員 私は当予算委員会開会に当り昨日から予算委員会開会の経過について委員長に一言申し上げて、私ども予算審議を進める上において委員長に善処を要望したいと思っております。  その第一は当予算委員会開会野党三派の正式書類による要求によって開会したものであって、しかも参議院審議とにらみ合して、最初の日は午前九時から正午まで、次の日は午後一時から午後五時までと、国会全体の審議とにらみ合して予算委員長報告をわれわれは了承して、ここに予算委員会開会になったのであります。しかるに昨日は予算委員会開会したけれども要求大臣出席がなくて、ついに関連質問のみをもろて当予算委員会休憩のまま流会をいたしました。その後の理事会において、私ども野党三派は再三再四委員長に念を押した結果、本日の午前九時から正午まで三時間、当予算委員会において米価の問題を審議して、午後は参議院における予算委員会その他の方面等もにらみ合して、確約をして、本日の予算委員会になったのであります。しかるに本日の予算委員会においては、午前九時から十時二十分まで、予算委員長からも政府からも、当衆議院予算委員会には何ら連絡がない。私ども予算委員会において待ちっぱなしのまま十時二十分に至ったのである。しかも理事会においては、われわれ予算委員会における野党側の第一陣として質問する平野議員要求大臣たる、総理大蔵農林経審の四大臣出席については不可能であるとの委員長からの懇請については、ついに理事会において話の妥結を見るに至らないまま、ここに予算委員会開会をして、私どもはこれらの大臣に対する出席要求の決議を、ここに動議として提出いたします。  すなわち自由、両派社会党三派を代表して、私は、当衆議院予算委員会の権威のため、三日も前から計画されましたこの予算委員会においては、要求大臣たる総理大蔵農林経審の四大臣を当予算委員会出席せしめられたい。右当予算委員会は決議する。  以上の動議について委員長の採決をお願いいたしたいと思います。
  4. 三浦一雄

    三浦委員長 ただいまの今澄勇君の動議賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  5. 三浦一雄

    三浦委員長 起立多数。よって動議のごとく決定しました。  この際根本官房長官から発言を求められております。これを許します。根本官房長官
  6. 根本龍太郎

    根本政府委員 昨日来の本委員会要求に基きまして、参議院予算委員会並びに外務農林連合委員会の方に連絡をいたしまして、その間の調整が三者とも円満にできるような方法を見出すべく努力いたしたのでございます。昨日午前中にややそれに対する御理解ある見通しがあったのでございますが、昨日の参議院における外務農林委員会における質疑の途中に、さらに問題が深刻に転換いたしまして、予定の通りに進行できなくなったために、本委員会において要求されておりまする大蔵経審農林大臣が、向うから退席することが不可能になってしまった次第でございます。そのために参議院における審議状況も無視することができず、こちらに対しましても要求せられました大臣が全員そろって参ることができなくなったことは、まことに遺憾にたえない次第でございます。かような事情でありまするために、昨日から、また本日にかけましても、政府側から参議院側の御同調を求めたのでございますが、参議院予算委員会といたしましては、会期末に迫っておる今日、しかも予算の成立が何よりも重大なので、どうしてもやはり大蔵経審、さらに農林大臣についても出席を求められており、また本日参議院における外務委員会におきましては、余剰農産物の協定を承認する件につきまして、時間的に制限されておるために、どうしても大蔵経審の両大臣だけは出席してもらわなければ審議が進められない、こういうような状況になりましたために、本院において要求されておる、最も要求の強い大蔵経審の両大臣出席不可能になった次第でございまして、この点はわれわれとしてまことに不手ぎわといえば不手ぎわでございますが、両院の委員会においてその点の妥結がつかないために苦慮している次第でございます。こういう次第でございまして、政府といたしましては、本委員要求は非常に尊重して善処しようとしたのでありますが、事態このようになりましたことは、政府側のまことに力の足らない点でございまして、この点深くおわび申し上げる次第でございます。
  7. 三浦一雄

    三浦委員長 ただいまの御動議の趣旨によりまして、委員長におきましてもこの問題について善処いたしたいと存じます。  暫時休憩いたします。    午前十一時二十七分休憩      ————◇—————    午後六時五分開議
  8. 三浦一雄

    三浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  予算実施状況に関する件を議題といたします。質疑を継続いたします。平野三郎君。
  9. 平野三郎

    平野委員 本日は予算実施状況に関する件を議題として本委員会が開かれたわけでありますが、当面予算と重大なる関係を持ちまする米価の問題、これがどうきめられるかということは、今や全国民が注視いたしておるところでありますが、この問題に対する政府の態度がきわめて不明確でありますので、私は自由党を代表いたしまして、ここに本問題に関して政府の所信をお尋ねいたしたいのであります。  まず政府は、先般本年産米集荷に関しては事前売り渡し申し込み制度を採用する、こういうことを決定せられたのでありますが、この制度がうまくいくかいかないかということは、一に米価にかかっておるわけであります。しこうしてこの米価をすみやかに決定することが必要であり、農林大臣国会に対し、先般、六月十五日までにはこれを決定するというような言明もあったのでありますが、今もってこれが明確を欠いておる。そこでまず農林大臣お尋ねを申し上げたいのでありますが、政府は一昨日二十一日に、ようやく米価審議会を開いてそれに諮問をされたということでありますが、仄聞いたしますに、政府は何らの案を持たずして、ただ審議会意見を聞く、こういうような前代未聞の諮問形式をとられたということでありますが、果してそうでありますかどうか、まずこれをお尋ね申し上げたい。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 二十一日に米価審議会を、御承知通り、開きまして、それに対しては、三十年産米米価はどういうふうにきめたらよろしいかということの諮問をいたしました。
  11. 平野三郎

    平野委員 政府が何ら案を示さずして諮問する、こういうことであったようでありますが、それならば、それに対する審議会答申というものはどういうふうになりましたか。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 審議会の方からは、二十一日の審議会におきまして、なるべく早く三十年産米米価と麦価をきめて、内示するようにということでございました。
  13. 平野三郎

    平野委員 それは当然のことですよ。何も政府が案を持たずしていかがいたしたらよろしいか、そんなばかなことはない。従って審議会が、すみやかに政府案決定して、それを参考資料として審議会に出せ、それをするまでは審議会審議をしない、休会するんだ、こういうことになったわけなんです。要するに政府に対し顔を洗って出直せ、卒直に申しますと、こういうことであります。あなたは六月十五日にはきめるんだということを言明せられ、全国に対して、閣議決定の線によって、おそらく単協のすみずみまで、この予約集荷制度というものが徹底しておるわけであります。ただ米価がきまらないだけなんです。それをあなたは、今もって米価がきまらないで、そうして米価審議会に何も持たずに、いかがでございましょうかといって諮問をして、そうして顔を洗って出直せという答申を受けた。まず私はお尋ねいたしたいが、あなたはそれで恥かしくありませんか、醜態だとは思いませんか、どうお考えになっておりますか。
  14. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。なるべく早くきめて、農民の希望にこたえなければいかぬと思っておりますが、何分御承知のような事情でございまして、鋭意すみやかに決定するために努力をいたしておる次第でございます。
  15. 平野三郎

    平野委員 あなたは今、御承知のような事情とおっしゃいましたが、私ども承知していないのです。一体どういう事情でございますか。きょうはもう六月の二十三日、今月は幾らもないのですよ。それを今もってきまらないということはどういうところに原因があるのでございますか。御承知のような事情とおっしゃいますが、私どもは知らないから聞いておるわけです。どうかその事情について御説明いただきたい。
  16. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。生産費を調べて、生産費指数を十分検討して、これを重要な資料にして考えろということもございますが、これについては専門家の方にお願いをいたしまして委員会を作って、算出方式についても検討いたしました。この中間報告も得まして、これを計数的に準備をいたしております。ないしはまた本三十年産米価決定に必要ないろいろな資料を取りそろえていたすとか、閣内においていろいろこれに対する相談をするとか、ないしはまたわれわれの与党でありまする民主党の方の意見調整をするとかいうようなことで、いたしておるわけでございます。
  17. 平野三郎

    平野委員 今閣内でいろいろ相談をするとか、あるいは民主党——与党とも相談をしなければならぬというお話でありますが、それでは、民主党の方ですでに米価に対する案というものができておるということを伺っておるのでありますが、その内容について御説明いただきたい。
  18. 河野一郎

    河野国務大臣 民主党の方の案と申しますか、康生党の方の御意見は、党の幹事長政務調査会長総務会長国会対策委員長、その四氏と、それに小委員長の廣川さんと、この五人の方に御一任になりまして、その五人の方からいろいろ意見があったわけでございまして、その意見を今伺っておるところでございます。
  19. 平野三郎

    平野委員 その意見内容を伺いたいのです。
  20. 河野一郎

    河野国務大臣 小委員会意見についてはあるようでございますけれども、この五人の方からまだ一致した意見は伺っておりません。
  21. 平野三郎

    平野委員 そんなことをあなたがおっしゃっても、これはもう天下公知の事実です。新聞には全部出ております。あなたは一番よく御承知になっておるはずです。  それではお尋ねいたしますが、予算米価でもっては絶対に集荷はできない、こう思いますが予算米価を相当上回る価格にきめる、こういう御意思でございますね。
  22. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいまのは私の意見お尋ねでございますか、党の方の意見がどうなっておるかということでございますか。
  23. 平野三郎

    平野委員 あなたの御意見です。
  24. 河野一郎

    河野国務大臣 私の考えは、今せっかく閣内意見を取りまとめ中でございますから、決定の上でお答えを申し上げたいと思います。
  25. 平野三郎

    平野委員 あなたは、農林委員会ですでに、予算米価を相当上回る価格できめたいこういうことを言っておられるのです。今また話が非常に変ってきましたが、民主党の案というものは、基本米価を一万六十円にして、そうして百円、二百円という格差をつけるわけでありますから、大体一万二百六十円、こういうのが民主党米価対策特別委員会決定であり、すでにこれは民主党総務会にもかけられておる、そうして政府の方へ申し出が行われておるはずです。これはすでにもうきまったことです。  そこで、今度は大蔵大臣お尋ねしたいのですが、もし一万二百六十円といたしますと、一万二百六十円から予算米価九千七百三十九円を引きますと五二十一円という差額が出るわけです。これに政府の予定しております二千三百五十万石というものをかけますと百二十三億の赤字になる。これに先般の減収加算赤字三十三億を加えますと百五十五億円の財源を必要とするということになるわけであります。これがかりに、これよりもっと少い場合でも、おそらく百億程度赤字は絶対に避けられない。それをしなければこの予約集荷制度というののは実行できない、こういうことであります。そこで、大蔵大臣は、予算は絶対に修正もしないし補正もしない、こういうことをすでに言明しておられるわけなんです。しからば一体、かりにこれをやるとしたら、どういう方法でおやりになるのか。あなたは予算米価で行くのだとおっしゃるならば、少くともこの予算については問題はないわけです。しかし、この予算米価を上回る米価をきめるということになれば、当然ここに赤字が生じてきて、それは予算修正あるいは、補正をしなければならないと私は思いますが、あなたは予算修正もしない、補正もしないのだということになりますと、予算米価でもっていくのだ、あるいは予算米価以下の線で米の集荷をするのだ、こういうお考えなのか、それとも何か別に名案でもありますか、その点を一つお伺いいたしたい。
  26. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。米価をどうきめるかということは、いろいろの問題が出てくるのでありますが、私は、特にことしの米価のきめ方は、例年と違いまして重要性を持っておるように考えるのであります。これは日本の経済の今日置かれておる地位から見ても、あるいは新しい制度がここに入れられておるが、この制度が一体どういうふうな発展をするのか、いろいろの問題があります。ですから、今度の米価決定については慎重に考慮しておるというのが米価に対する考え方一つであります。その米価がきまりませんから、こういうふうにきまったらどういうふうにするかというお尋ねでありますが、その点は、どういう、ふうにきまるかによって違いますし、それから、ずっと前からも申し上げておりますように、予算修正補正もしないのでありますから、自然私の考い方は、予算米価を大きく上回るような米価はなかなか困難であろう、こういうふうに考えて、できるだけそういう考え方を実現したいと今努めておるわけであります。
  27. 平野三郎

    平野委員 とにかく予算米価を上回る米価にすることは困難である、こういうあなたの御答弁ですが、それではこの予算米価で行く、こういうことですか。はっきりお答え願いたい。
  28. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。この米価がきまった場合に、予算米価との差額が赤になるのじゃないか、こういうことを一番お尋ねのようでありますが、まず今度の米価がどういう米価になるかわからないから、そのきめ方いかんによるわけで、そのきめ方が今言うように非常にむずかしいから、今ここでそれをどういうふうに埋めるか、どういうふうに赤が出るかということは、私はお答えを控えておきたいと思います。
  29. 平野三郎

    平野委員 あなた、お答えにならないですよ。米価がきまったら考えるのだ、そんなことを私どもは聞いておるのではない。米価のきめ方の問題が、どうやらだんだん範囲が縮小して参りましたから、予算米価を上回ればどうしたって財源が要るわけです。農林大臣は、もう予算米価では絶対に予約集荷制度はできない、だから相当の高米価政策をとらざるを得ないということを言っておられるわけです。それだからこそきまらない。予算米価ならば何も問題はないですよ。すなわち予算米価を上回る価格に今きめようとして政府も努力しておられる。農林大臣も言明しておられる。その場合には当然赤字が出るわけです。それを議論しなければ、要するにあなたは予算米価でいきます、これは動かしませんということなら、これはもう予算上の問題はなくなるわけです。それを聞いているのです。米価がきまらないとまだ何とも言えない、そんなばかなことがありますか。はっきり一つ御答弁いただきたい。予算米価を上回る価格にすれば赤字が出る、その赤字をどうして処理するかということなんです。こんなことは三才の童子でもわかることですよ。
  30. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。それは結局食管のうちでどういうふうに補てんができるかというその限界になると思います。
  31. 平野三郎

    平野委員 わかりました。要するに食管操作でやるということなんです。しからばどういう操作をおやりになりますか。私は消費者価格を値上げする以外は絶対にないと思っているのです。ところが先般減収加算のときに私はあなたにお尋ね申し上げた。ここにはっきり速記録がありますが、「消費者価格を値上げするというような御意思がありますか」という私の質問に対して河野国務大臣は「消費者価格をいじるかどうか、今いじるようなことを考えておりません。」消費者価格は値上げしないということをはっきり答弁せられておる。さらに私は念のために、「消費者価格を引き上げるという御意思がないということははっきりいたしましたので、この点は了承いたします。ただもう一言念のために伺っておきたいことは、消費者価格を名目上引き上げなくとも、実質的にこれを引き上げるというようなそうしたこともなさる御意思はないかどうか、」これに対して河野国務大臣はそれも絶対やりませんと「国民生活の安定ということを眼目にいたしております現内閣といたしましては、先ほどお答えいたした通りで御了承いただきたいと思うのでございます。ただいまの御質問でございますが、そういう細部にわたりましては今考えておりません。」こういうことを言っておられるから、これはもうはっきりと消費者価格を引き上げる意思はないということは明瞭なんです。ただ、今食管操作ということですが、日本経済新聞の一昨日の記事には、政府——これはおそらくうそだと思いますが、念のために読んでみますと、財源捻出の具体的な方法としては。配給米のうち百五十万石を希望配給に切りかえ、一升百九円の消費者米価をやみ米並みの百四十円と見込んで約四十億円、酒米売渡価格石当り千円引き上げて十億円、その他大麦の精白歩合の一割程度の引き下げ、在庫食糧ロス率調整、その他の中間経費操作などによって二、三十億円を捻出する、こういうことが新聞に出ておりますが。これは明らかに消費者価格の値上げです。こういうことをおやりになる御意思はおそらくないと思いますが。念のためにお尋ねいたします。
  32. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 消費者価格を引き上げる考えは持っておりません。
  33. 平野三郎

    平野委員 もう消費者価格を引き上げない、これははっきりいたしました。そうすれば食管操作でもってどういう方法があるでしょうか。私どもがあなたからいただいて審議いたしましたこの食管特別会計予算書は、この食糧買い入れ価格というところに約四千億ほど計上されておりますが、これは二千三百五十万石に対して九千七百三十九円といういわゆる予算米価をかけ合わしたものです。その中には麦もこれを含んでおります。予算米価を上げればこれから払うということはできないわけです。予備費三百億というものはありますけれども、この予備費三百億というものは、一方において三百億の損失が計上してありますから。これは一般会計の場合の予備費とは全然性質の違うものです。二千三百五十万石という数量は。これはわからないことなのです、これは動くということがありますから、その関係でここに三百億というものが計上してあるだけなのであって、これを使うということは直ちに赤字を生ずる。一方において三百億の欠損がさらにふえるということなのです。どこを見ましても、私は食管操作でもって財源を捻出するということは不可能だと思うのです。これは手品師か何かでなければできぬことだと私は思いますが、あなたは何かそういう名案があるのですか。これは具体的にお答えを願いたい。
  34. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。私は先ほどこういうふうな価格になった場合のこういう赤については、どこから補てんするかといえば、それは食管の中からしなくてはなるまい、こういうふうな一つ設題として——価格自体が御仮定でありましたから、そういう設題として御返事申し上げたのであります。今そういうふうないろいろな問題がありますから、私自身は価格について慎重に考慮いたしておる。こういうのが今の私の段階であります。
  35. 平野三郎

    平野委員 慎重に検討しているとか、そんなことを聞いているんじゃないんです。もうきょうは六月の二十三日ですよ。農林大臣は六月十五日までに決定すると言われたのです。全国民は注視しておるのです。いまだにあなたは検討々々とおっしゃるけれども、検討する範囲というものは狭まっておるわけです。何かどこかから財源を見つけてこなければできないことなんです。どうなんです、あなた。答弁ができなければできないとおっしゃって下さい。
  36. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。それはいよいよ価格がきまった上で考えなくてはならぬ問題だと思います。
  37. 平野三郎

    平野委員 それは一体どういうことです。私はなおいろいろお尋ねしたいが、もうこれだけ質問すればわかっただろうと思うのです。そこで鳩山総理大臣お尋ね申し上げる。これは完全に大蔵農林大臣意見が食い違っておるじゃありませんか。閣内不統一を完全に暴露しておる。なぜこういうことが起ったかと申し上げますれば、予約集荷制度というものを政府が閣議で決定せられた場合、これは相当高い米価でなければ実行できないことなんです。これは今に始まったことでない。そのときにもうわかっていることなんです。すなわち食管法第三条というものが生きておりますけれども、本年は事前に農民と予約するわけですから、農民の自由意思によってやるわけです。だから色をつけなければだれも農民は予約しません。すなわち相当高米価にしなければこれはできない制度であるということは、そのときにはっきりわかっておるわけなのです。それをその点に政府は留意しないで、そうしてこういう実行不可能な予算米価をわれわれに審議させた。この期に至ってこれを上げれば、当然これは予算修正しなければならない。それを大蔵大臣はしないと喜べ。だから今もって米価はきまらない。このままいけばもうおそらく今月中かけてもきまりませんよ。だれがやってもきめようがない。こういうばかげたことに至ったということは、総理大臣あなたは聞いておられてもうよくおわかりでしょう。これはもう常識のある者ならばだれが聞いたってこんなばかげた、おかしいことはない。あなたはよくおわかりだ。これこそ実に鳩山内閣の責任じゃないですか。もう事ここに至っては予算修正しなければ絶対に米の集荷はできません。あの強制的な割当制度をした去年ですらも、千八百万石しか割当ができていない。ことしは事前売り渡し制度ですから、米価が安ければおそらくもう一千万石できないでしょう。そうすればもう配給はできないのです。国民の食生活の大問題です。こうなっては、もうこれは鳩山内閣全体の責任で、内閣として責任をとられるべきだと思いますが、その意思がありますかどうか、総理大臣お尋ねいたします。
  38. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 内閣全体の責任と考えております。
  39. 平野三郎

    平野委員 一昨日ラジオでもっていろいろ米価に関する討議がありました。そのときに農林大臣の話が出ておりました。私も聞きましたが、あなたは好きで農林大臣をやっておるわけじゃないということを言っておられる、あなたはいやいややっておられるのですか。いやいややっておられるような農林大臣を私はもう信用することはできないと思うのです。いやいややっておられるのか、どうなのですか。
  40. 河野一郎

    河野国務大臣 一生懸命やっております。
  41. 平野三郎

    平野委員 あなたは好きでやっておるのじゃないとおっしゃる。もういやいやなんですよ。私どもはとにかくあなたが一生懸命おやりになっておるとは思われない。一生懸命やっておられるならば、今もって米価がきめられない、そんなばかげたことはないはずです。予約集荷制度をきめたときに、もうそれはわかっていることなんです。今総理大臣内閣全体の責任であるということを言われましたが、それならばその責任をおとりになるかどうか、それをはっきり一つお答えいただきたい。
  42. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 むろん内閣全体の責任と考えております。
  43. 平野三郎

    平野委員 それでは内閣総辞職をする御意思ですか、どうですか。
  44. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 責任をとるということで御承知下さることを願います。
  45. 平野三郎

    平野委員 具体的にその責任のとり方です。じゃもうこの失敗はお認めになるわけですね。(「まだ失敗していないじゃないか。」と呼び、その他発言する者あり)君たちに聞いておるんじゃない。
  46. 三浦一雄

    三浦委員長 清粛に願います。
  47. 平野三郎

    平野委員 こういうように横から言われては——質問時間は一時間ということになっておりますが、こういうことではこれは妨害ですから、約束の時間ということはこれは私の方も遺憾ながら守りかねますから、この点委員長お許しいただきたい。  私はもうばかばかしくてこれでは質問もできない。こんなに閣内不統一ということが明瞭になっている。(「何が不統一だ、不統一じゃないか」と呼ぶ者あり)不統一じゃないか。農林大臣米価を上げるとおっしゃる。大蔵大臣はもう予算修正しない、ただいま予算米価を上回ることは困難であるという御答弁だ。これは上げないということなんです。そうするとこれはきまらない。きまらなければ予約集荷制度というものも実行できません。予約集荷制度が実行できなければ、もう国民に対する配給もできない。これは国家として一番重大なことですよ、食糧という問題は。これは政府の失態のために結局総くずれになってしまう。これに対する責任をどうおとりになるか。私はもう河野農林大臣は全く信用ができない。農林大臣はどうこの責任をお考えになりますか。
  48. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。先ほど申し上げました通りに、ごく近日中に政府意見を一致いたしまして米価決定して、この予約制度を完全に農民各位の御協力を得て遂行することにいたしたいと考えております。
  49. 平野三郎

    平野委員 いやあなたはごく近いうちにきめたい、そういう答弁はもう今月の初めから、何回となく繰り返しておられる。私農林委員会でも何回もあなたから同じ御答弁を聞いておるけれども、今日に至ってもまだ明瞭でないのですから、そこでもうあなたを信用することができないという気持にならざるを得ないのです。私どもはいたずらに政府を攻撃しようと思って言っておるわけではないのです。なるべくすみやかに適正なる米価政府決定をせられて、そうして円満にこの国民の食生活の安定が期し得られることを望んで、河野農林大臣を実は支持し鞭撻するわけなんです。しかしこれでは何ぼ何でもあなたが信用できないのです。しかもきょうの大蔵大臣の御答弁では、予算米価を上回るということは困難であるとおっしゃっておる。予算米価を上回ることが困難ならば、結局米価は上げないということなんです。農林大臣のおっしゃることと全然これは食い違っておる。なお私はいろいろお尋ねしたいことがたくさんあります。疑問がたくさんありますけれども、そういうことをお尋ねせぬでも、これだけでもうわかっておるじゃありませんか。これは完全に閣内の不統一、政府の無定見ということを暴露したことです。これは予約集荷制度を閣議で決定するときにもうわかっておることなんです。それを全然政府が留意しないで事ここに至ったということは、内閣全体の責任です。当然総辞職をすべきもんなんです。鳩山総理は責任をとるとおっしゃるが、どういう形で責任をおとりになりますか、具体的に御答弁いただきたい。
  50. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 責任をとるというくらい明瞭な答弁はないと思っております。
  51. 平野三郎

    平野委員 具体的にどういうふうにおとりになるかということです。内閣総辞職と了解してよろしいわけですね。(「内閣の責任は総辞職以外にない。」と呼ぶ者あり)——答弁を。
  52. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 責任はとるというのですから、責任の生じたときにいかなる責任をとるかということを判断いたします。
  53. 平野三郎

    平野委員 いや、責任はもう生じているじゃありませんか。もう六月十五日までに決定するということを国会で言明せられて、それがだんだん延びてきておる。二十一日には米価審議会を開きながら、政府案もない手ぶらでもっていかがでございましょう、それでは顔を洗って出直せという審議会答申を受けて、そうして今日に至ってもまだこれはきまらないわけです。大蔵大臣予算米価を上回ることは困難であると今おっしゃった。それが困難ならばこれは上げられないということなんですよ。(「困難とは言っていない」と呼ぶ者あり)いや、困難なんだ。それは速記録を調べればわかると思います。もうこれだけ明瞭な問題はないのです。もうあなた方の出された予算というものは実行不可能な予算であって、これを直さない限りは米は集まらない。こんなはっきりした問題で、しかも責任はもう生じておるのですよ。あなたはまだ責任は生じていないとお考えになっているのですか。
  54. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 その通りです。
  55. 平野三郎

    平野委員 責任はまだ生じてない。これは驚き入ったことです。もう明瞭にこの米価の問題は今困難であるということがわかったわけです。大蔵大臣予算米価を上回ることは困難であると御答弁になった。そうすればもう米価を引き上げるということはできないということですよ。そうすれば米は集まらない。米が集まらなかったら国民に配給はできない。これはもうはっきりしたじゃありませんか。これに対してまだ責任が生じないとおっしゃるのですか。もう明瞭に生じているじゃありませんか。
  56. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 私はまだ責任が生じているとは思っていないのです。
  57. 平野三郎

    平野委員 もうこれだけ私と政府との質疑応答を国民が聞いておれば、政府がいかに間違っておるかということは、これはもう私ははっきり全国民がわかると思います。もうこれ以上お尋ねしても政府はもう完全に閣内不統一、無定見、無方針ということをさらけ出したことは明瞭です。もうあとは国民の批判を受けるほかありません。私はこれ以上あなたに質問する気はありませんが、とにかくもう河野農林大臣——どもは早く適正米価をきめて、そうして米の集め方を早くやってもらいたい、こう思っておりました。もうあなたはいかに何ぼ何でも信用できない、こういう気持に遺憾ながらならざるを得ません。私はもうこれ以上申しましても、問題ははっきりしたのですから、あとは国民の批判に譲るということにして、質疑は、なお他の委員諸君からも関連の質問の申し出がありますから、終りますが、もう鳩山さん、はっきりしたのです。あなたはもう責任をおとりになるとおっしゃったから、私どもはすみやかに内閣を総辞職されることをここに勧告いたしまして、私の他の質疑を保留いたしまして、一応終ることにいたします。
  58. 三浦一雄

    三浦委員長 この際平野三郎君の質疑に関し松野頼三君より関連質疑の発言を求められております。これを許します。松野頼三君。
  59. 松野頼三

    ○松野委員 ただいま同僚平野君からまことに適切な質問がございましたが、答弁の方が的をはずれておりますので、見るに見かねまして、関連して二、三点お尋ねいたしますから、一つ明瞭に、正確に、しかも的をはずさないように私の質問に、順調な審議政府にお願いいたします。  第一に米価の問題ですが、米価審議会というものはいつごろから始まったと農林大臣はお考えでございますか。
  60. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。二十六年からと思っております。
  61. 松野頼三

    ○松野委員 二十六年からの慣例として、政府米価決定して審議会に諮ったと記憶しますが、今度のように米価を、政府案決定せずに審議会に諮った例がございましょうか。
  62. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。最近は米価を決意して諮問をいたしております。
  63. 松野頼三

    ○松野委員 最近はというのは、前にございましたという意味でございますか。
  64. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。米価審議会は最初は昭和二十四年に閣議決定で作られたそうであります。そして二十六年からか、政令でできたそうであります。最初の二十四年のときには、最初でありますから、政府米価決定せずに諮問をしたことがあるということだそうでございます。
  65. 松野頼三

    ○松野委員 だいぶ答弁が違います。たしか米価審議会は昭和二十六年と御答弁になった。ただいまの話では昭和二十四年の話を持ち出された。そんなことを聞いているのではない。昭和二十四年に米価審議会が開かれたことは一ぺんもないではありませんか。一ぺんでもありましたか。昭和二十四年は本令による米価審議会ではない。それを聞いているのです。何もあなたの記憶違いではない。第一回は昭和二十六年、ただいまの御答弁は昭和二十四年、昭和二十四年の話を問いているのではない。昭和二一六年というのが正確なのです。昭和二十四年に米価をきめずに諮問したというのが間違っている。今回が初めてではないですか。今までの慣例にないですよ。ありましたか。あったらもう一ぺんお尋ねいたしたい。本制度において一ぺんも、米価決定せずに政府米価審議会を招集したこともなければ、またそれに諮問をしたこともない。前例のないことだと私は言いたい。ありますか。あれば一つお尋ねいたしたい。ないです。それじゃなぜあなたは早く米価審議会——米価決定するのに五日という前例を言われたのですが、十五日がないではないですか。そういう十四日には農林委員会から早く米価決定しろという万場一致の決議が出ている。じんぜん日を送っていまだに決定しない。努力したと言われるが、それでは具体的にどういう努力をあなたはされておりますか。この一週間でもけっこうだ。あなたが思い出せなければ、一週間あなたはどういうふうに努力されたのですか。
  66. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。先ほども申し上げました通りに党の方でいろいろと御研究でございましたし、また閣内におきましても大蔵大臣その他といろいろ折衝いたしているわけでございます。
  67. 松野頼三

    ○松野委員 それでは努力されたならば、どの程度米価を目標に置いてあなたは努力をされているのですか。まさか米価決定の権限と責任がある農林大臣が全然構想なしに努力されたというわけには参りますまい。それでは努力の目標とは、どういう目標でおやりになったのか伺いたい。
  68. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。先ほど申し上げました通りに、近日のうちに決定いたしましてから申し上げることにいたしたいと思います。
  69. 松野頼三

    ○松野委員 近日のうちに決定の前に、努力されたという実績がなければ、おそらく全国の農民もわれわれも承知できない。従ってあなたの努力の弁明というものは、あなたの立場として努力されたというのだから、努力された内容、あるいはどれを目標にされたということがなければ今日の場合では間に合わない。きょうこの委員会でわざわざ米価を取り上げたというのもそこにあるのです。従ってそれは包み隠さずに——あなたの努力が足りなかったことをむろん責めるわけではない。しかし一応あなたの今までの努力を明らかにしなければ、今日まで米価を延引しておったことは断じて許せない。私の記憶によりますれば、おそらくあなたは五月にあの集荷制度閣議決定をされた。そのときに五月中にも米価決定するという構想であったはすです。いわゆる田植え前という構想があったはずです。ところが全国ほとんど田植えが終了しつつある今日、いまだに延引しておるというところに疑義がある。もう少し御丁寧な御答弁をお願いしたい。
  70. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいま申し上げました通り、いろいろ努力をいたしましたが、微力にして所期の目的が達成できないことをはなはだ残念に思っておりますが、これで御了承いただきたいと思います。
  71. 松野頼三

    ○松野委員 あなた個人を責めているわけではないのです。どういう努力と目標をされたかが明らかにならなければ、あなたの責任は果されない。これはあなたの一身上の責任の問題なんだ。だからこうやって親切に、丁寧にあなたにお聞きしているのです。努力が明らかならば、あえてこれを追究しようという考えは今日はございません。今のような何かわからないような答弁では断じて承服できない。では目標はどの程度という値段くらいならわかるでしょう。
  72. 河野一郎

    河野国務大臣 お答え申し上げます。それは先ほどから申し上げます通りに党の方の方針もございますし、各方面の意見を参酌して、自分としても考えなければなりませんということでやっておるのでございます。
  73. 松野頼三

    ○松野委員 はなはだこれは妙な質問ですが、米価決定は、党の方の行政上の責任ではないはずなんです。農林大臣の所管事項であり、また農林省設置法に明記されておることなんです。あなたが党を補佐機関としていかに有効にお使いになろうと、それは御自由です。しかし最後の責任は、われわれ国会に対する責任はあなたなんです。——そうでしょう。党は補佐機関で、いかにそれをお使いになっても、それは御自由。だからあなた御自身がどういう御努力をされたか。少くとも米価は常識的に申しましてパリティ計算で五月末、七月末という既定の数字が出ておる。従ってそれに応じてあなたが今日こういう目標に努力したが、いまだに落着しないというのならけつこう。米価も言わずに努力したというのは、これはまことに赤字のようなことです。それではあなたの責任は済みますまい。少くともあなたの今日まで努力されたいきさつ、あるいは価格の目標は明らかにされなければ断じて許せません。御答弁をお願いいたします。
  74. 河野一郎

    河野国務大臣 米価は、御承知通り食管法の規定によりまして、それに基いていろいろ計算をして、諸般の情勢を考えてきめるのでございます。従って党におかれましても、それらの条件を十分に御検討して御指示があると考えておりますので、これらの意見を聞いてやっておったのでございます。
  75. 松野頼三

    ○松野委員 それでは農林大臣は大事な自分の責任で、党の指示を待つ以外に自発的に、独立的に行政する能力がないのですか。こんな失礼な質問はしたくないのです。しかしながらあなたの話を聞いておると、何となしに党の指令がなければ何ら自分は発言できないのだというような感じを受ける。ことに河野さんは、かっては農政通といわれた方です。今日でも農政の第一任者と自認されておる方なんです。多少今の答弁はおかし過ぎはしないかと思う。あるいは私に対する侮辱かもしれない。どっちなんです。
  76. 河野一郎

    河野国務大臣 政党内閣の建前からいたしまして、党の意見は重要なる参考資料として御指示をちょうだいすることは当然だと思うのであります。もちろん決定の責任は私が持っております。この点は松野さんも御了解していただけるものと思います。
  77. 松野頼三

    ○松野委員 それでは党で発表されておる案は、あれはもうすでに指示を畳けたというお考えですか、あるいはまだ指示を受けていないというお考えですか。廣川構想の、小委員会の一万二百六十円とか、あるいは一万六十円とかいろいろ出ておりますが、あれはまだ指示がないから、自分は党の指示をじっと待っておるというのですか。それに対してあなたは自主的に善悪あるいは高低あるいは適否ということはお考えにならないのですか。せめてそれを議題に取り上げて御参考までに御努力の片りんを見せていただきたい。
  78. 河野一郎

    河野国務大臣 それは先ほど中野さんに申し上げました通り、本日党の五名の方からいろいろ党の方の事情を拝聴いたしました。しかしこれはまだ最終的に具体的な数字がございませんでした。
  79. 松野頼三

    ○松野委員 それではもう党の方の方に、大臣の職責もすべておまかせになった方が早道のように感じますが、ほとんど自主性の御答弁もない。  それでは一つこの際、今の問題は別として、あらためてもう少し私は丁寧に御質問申し上げます。大蔵大臣にお伺いいたしますが、米価というものは、昨年のパリティと本年のパリティと、どっちが高くなっておりますか。
  80. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 本年が下っておるように考えております。
  81. 松野頼三

    ○松野委員 米価決定は五月末と思いますが、五月末でパリティは昨年の九月末と比較して下っておりますか、もう一ぺん念のために……。
  82. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 下っておるように私考えております。ここに数字がありますが、何でしたら、これを政府委員から読ましても……。
  83. 松野頼三

    ○松野委員 政府委員からお読ませにならなくても、どうせこれは政府の数字ですから、私の方から申し上げます。昨二十九年の八月末、いわゆる二十九年産米決定のときのパリティは一二〇・〇四、本年の三十年五月末のパリティは一二〇・四四なんです。上っているのですよ。それをよく政府委員から教えていただいて、その点だけ認識していただいたならば、次の質問に移ります。よろしゅうございますか。
  84. 森永眞一郎

    ○森永政府委員 先ほど大臣が下っているというお答えがございましたのは、年平均のパリティ指数と比べまして最近は下っているということを申し上げたのでございますが、八月のパリティということでお話がございますれば、一二〇・〇四が一二〇・五〇そういうことに相なっております。下っていると申しましたのは、昨年の傾向から考えまして最近は低落の傾向にある、そういう意味でお答え申し上げたことと補足いたす次第でございます。
  85. 松野頼三

    ○松野委員 ただいま明白になりましたように、いわゆる米価というのは、一番最近の月末をとって米価決定するのが慣例であり、これ以外にない。従って昨年は八月末のパリティをとりました。本年はさしあたり一番近いのは五月末、すなわち一二〇・四四、確かに上っております。そうなれば、あなたのいわゆる予算米価というものは少くとも上るということは、これはまず原則的にお認めにならざるを得ないでしょう。あなたはパリティを尊重されるならば、上ることは事実なんです。これはいかがですか。
  86. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。予算米価をきめましたときは、当時パリティはまだはっきりいたしておりません。それで昨年の米価を基本価格にいたしまして、それに早場供出その他の奨励金、それから等級の格差、こういうものを加除いたしまして、そしてこの予算米価を作ったわけでございます。
  87. 松野頼三

    ○松野委員 まことに丁寧過ぎた答弁ですが、私の質問は多少違うのです。予算米価をおきめになったときにパリティがきまらないことはわかっておるのです。今日パリティがきまったのですから、予算に異動を生ずるということは、これは事実だろう。パリティを基礎とする以上は、異動は認められましょうねという質問なんです。
  88. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 その予算米価に対しましてその後のパリティを実際に当てはめ、特にこのパリティについて投下資本、物量、それから消費水準の上昇、こういうものを見てますと、予算米価は決して低過ぎるというものではないことが証明されております。
  89. 松野頼三

    ○松野委員 あらためて米価決定の問題を論議することもございませんが、御承知のように米価決定はパリティを基準とし、その他経済状況を参酌してきめるのです。パリティが基準であることは食管法に明記してあるのです。従ってその基準であるパリティが上った以上は、まず上るということが考えられるのは常識なんです。従ってあなたの米価が幾ら上るかは別として、予算のとききまらなかったので昨年の米価を一応予算にあげられたんです。ところが昨年の米価の標準が一二〇・〇四、今度一二〇・四四になった以上は大なり小なり上るという事実は、米価の常識をおわかりならば、御承認いただかなければ方法がありますまい。これを上げないというならば食管法無視ですよ。上げないと言われますか。どうなんです。
  90. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。先ほどからも申し上げましたように、消費水準の上界とか、あるいはまた投下物量、こういうものもやはり入れていかなければならぬと思います。
  91. 松野頼三

    ○松野委員 もう少し具体的にお尋ねいたしまするが、昨年の農家の平均手取り価格は九千九百九十九円というのがいわゆる昨年産米における農家の手取り価格なんです。この米価決定するときの最も大きな要素であるパリティは一二〇・〇四なんです。従って本年一二〇・四四という最も新しい物価指数のパリティを使うならば、九千九百九十九円より上るのが当然でしょう。もし上げないというならば、食管法を無視した、よほど無理な低米価を農民に押しつけられるものである。上る率も、これからまだ論議いたしますが、上るか下るかくらいのことは、これからよくお考え願わなければならぬ。大蔵大臣としてまず予算をお組みになったんですから、この点どうですか。あなたの考えと私の考えとはまず違いはありますまい。
  92. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 このパリティだけが一方が上っておる、一方は低い、それだけだとすればむろん私はそれだけ高くなければならぬと思うのでありますが、その他の要素が含まれておることを考えますと、必ずしも一方が高くなくてはならぬという理由にもならぬように思います。
  93. 松野頼三

    ○松野委員 あまりこまかいことを聞きたくございませんが、その他の要素と大臣が言われるその他とはどういうその他でございますか。大臣の言われるその他というのは、どういうその他でございますか。
  94. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 先ほどからしばしば申し上げましたように、消費水準の上昇の関係、それから投下資材の物量、こういうものを考えなければならぬと思います。
  95. 松野頼三

    ○松野委員 統計をごらんになればわかりますように、岳産者からいうならば、消費物価は横ばいです、しかし農村の生産消費物価というのは非常に上昇しているのです。従ってどちらかといえばパリティは甘過ぎるのです。この平均指数はパリティなんです。生産者からいうならばこのパリティは非常に辛いのです。消費水準よりもいわゆる物量投下の一番大きな——消費というものが上っている場合の物価よりも、肥料、農薬、農機具、そういうものが上っているのです。特に必要だというところの生産財が標準パリティ以上に上っているということなんです。なお経済状況というならば、私たちは経済状況は昨年よりももっと加味しなければいけない状況だと思います。これはあなたの御答弁に対して私は関連して言うのですから、あなたの御構想でどんどん大胆に御答弁いただきたい。
  96. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。たびたび繰り返しますが、昨年と同じ方式でやれば、それはパリティ額が上れば上るということになると思います。しかしまだ米価はきまっておるわけではないのであります。
  97. 松野頼三

    ○松野委員 きまっていないから今どういう構想でおきめになりますかという論議なんで、それはわかっておるのです。昨年の要素と違う計算をされるならばというような印象を受けますが、昨年の米価決定の計算方法とどこをお変えになるのですか。それぐらいおわかりになっているのでしょう。どこをお変えになりますか。昨年と同等ならば上る。昨年と同等でないところが今年あるのですか。新しい事実としてお伺いいたしたい。
  98. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 予算米価決定さるべき米価と若干混同しておりました。決定される米価は今後どういう方式でやるかなお今検討を加えております。私が申し上げましたのは予算米価について申し上げたわけであります。
  99. 松野頼三

    ○松野委員 大蔵大臣、それではもう少し端的にお伺いいたします。つい先般の米価審議会農林大臣から、予算米価にとらわれず米価決定をしてくれ、こういう御諮問があったわけです。それでは、本年は米価審議会予算にとらわれずに米価決定したら尊重するかと言ったら、もちろん尊重する。たしかこれは大蔵大臣も、記者会見で尊重するとおっしゃったのです。それでは予算米価にとらわれず、米価審議会がいかなる米価を出そうともそれを尊重し、なおかつ予算に関連がございますかございませんか。
  100. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。私はしばしばお答えしますように、予算米価にとらわれずにというふうな言い方をしたこともありませんし、またそうあるべきものではないだろうと思います。特に今回の予約買い入れ制度、こういうような場合におきまして、前もって米価決定する必要のあるような場合においては、特に予算米価というものは意義は大きいだろうと私自身は考えております。
  101. 松野頼三

    ○松野委員 話が多少食い違いましたが、農林大臣は、確かに米価審議会においてそういう発言をされておるのです。お隣にいらっしゃいますからお聞きになってけっこうです。あなたは絶対そういうことは言わない、農林大臣は育ったということになると、まず第一に出発点から狂ってくるのです。値段の問題まで行かない間に、出発点が今日このように狂っておるということは、私はこの委員会として重大な発表をしたという感じがするのです。お隣にいらっしゃいますから、ちょっとお聞きいただきたい。そういう発言をされたのです。全部報道に載っております。私もおりましたから拝聴しております。あなたはどういうお考えですか。それは、農林大臣の言う方が間違っておるというお考えですか。あなたの言う今の言葉を取り消されるか、どっちですか。これだけお聞きしておきたい。
  102. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 私は、農林大臣のお考えについてかれこれそんたくするのじゃむろんありません。農林大臣も決して予算米価を無視するという意味でないことは言うまでもないと思います。ただ予算米価とあるいは違った米価——審議会では、こういうふうなことにとらわれない立場で考えてみてほしい、こういう意味ではなかろうかと私は想像いたします。
  103. 松野頼三

    ○松野委員 そうじゃないのです。これはだいぶ違います。予算米価にとらわれす——米価審議会は、小委員会を作って作業しておるのです。この言葉がなければ、米価審議会はもっと別な結論が出る。これはおそらく米審に対する最大の悔辱であり、最大の食言である。はっきりそうなんです。もし私の言葉が違うとすれば、隣にいらっしゃるからお聞きになればいい。お聞きになっても同じだと言われれば、これは確かに違っているのです。予算米価にとらわらず、米価審議会米価決定答申を求められている。あなたはいつまでも、あくまでも予算米価にとらわれておるというならば、とても話にならない。これはもう一ぺん、どちらの大臣からでもけっこうですが、言われた農林大臣からお聞きいたしましょう。
  104. 河野一郎

    河野国務大臣 予算米価は、御承知通り予算編成当時におきまして、過去の予算米価の設定の要素に基いてきめられたものでございます。ところが、今の三十年産米米価決定は、食管法の規定に基いて算出し、勘案してきめるものでございますから、結果が逸脱するとか、結果が同じになるとかいうことは、結果のことであって、私の考えといたしましては、予算米価決定いたしますことは、当時予算の編成において過去の例にならいまして、そしてやっておるということは松野さん御承知通りでございます。そこで御判断をいただきたいと思うのであります。
  105. 三浦一雄

    三浦委員長 松野頼三君に申し上げますが、大体協定の時間は一ぱいになりましたから、簡潔にお願いします。
  106. 松野頼三

    ○松野委員 農林大臣米価審議会で、予算米価にとらわれずに米価を御審議、御答申を願いたいと発言をされたでしょう。今のようなことを言うなら、米価審議会満場を侮辱されたことになりますよ。ただあなたの希望として、予算米価にとらわれず、米価決定答申すみというお言葉だった。いかがですか。
  107. 河野一郎

    河野国務大臣 私は今のように考えておりますから、今のようなこと言うたはずでございます。
  108. 松野頼三

    ○松野委員 それでは、米価審議会に対するあなたの気持は、予算通り米価答申してくれという意味なんですか。それとも当然諮問を白紙で出された以上、米審の自主的な意見米価答申をまず受けて、それから政府決定するという意味なんですか。まるで根本が少しぼけて来た。米価審議会には、政府案決定して出すべきであるが、本年はまだかつて前例のないような、政府決定はできないから、一つあなた方は予算米価にとらわれず、まず純粋な適正来価をきめてくれという意味の発言をあなたはされている。今の大蔵大臣は違うのです。あくまで予算米価というものは、私の思想だと言う。全然両大臣の思想はここで分裂しているのです。この一点だけでも私は驚いたことです。これではきまりっこありません。ことに農林大臣は、党からの指令がない限りきまらないとおっしゃるのですから、自主性がない。大蔵大臣は、大いに自主性を発揮されているけれども、なかなかそれがうまくいかない。  もう一つ農林大臣にお伺いしておきますが、先般たしか予約制と申しますか、新しい供出制度を五月七日決定された。新しい予約制度を実施されたときにた、しか自由党内閣当時のものを引き継いで自分は出したんだという答弁を本会議でされた。私は自由党員で、当時政調副会長をしておりましたが、私はそれを存じないのですが、自由党の引き継ぎという言葉はどういう意味なんですか。
  109. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。私は議会でそういうことを申したことはございません。
  110. 松野頼三

    ○松野委員 そうおっしゃるだろうと思って、ちゃんと持ってきた。私に対する答弁ですよ。「予約制度のことについていろいろお話がございましたが、今までの割当供出制度でやることはすでに行き詰まっておりまして、この制度をもってしては十分な目的を達することはできない羽目に陥って、前内閣の当時すでに予約制庭をやるようにそれぞれの委員会等の答申もあった」、こういう言葉なんです。もしこの速記録がうそならば、本会議で取り消してもらいたい。この速記録がほんとうならば、自由党のときにどういうことをそれぞれの委員会から答申を得たか。おそらく大臣引き継ぎのときの引き継ぎ事項に、こういう重要なものがないことはない。大臣引き継ぎ事項のどこにありましたか、お尋ねいたしたい。
  111. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。私は自由党内閣当時、食糧対策審議会ですか、協議会からそういう答申があったということを記憶しておりますので、そう申し上げたのでございます。
  112. 松野頼三

    ○松野委員 ただいま言われた協議会は、いつまで続いておったのですか。あなたの引き継ぎ事項にございましたか。
  113. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいま正確に記憶いたしませんが、この内閣になってやめたと記憶いたしております。
  114. 松野頼三

    ○松野委員 前内閣当時の答申は、このたび閣議決定されたのとは雲泥の違いがあるのです。しかもあなたはそれを是とせずに、就任早々にこの委員会を廃止されたということは、当然これに対するまず一つの挑戦じゃありませんか。それで、あなたは別なものをお作りになった。そして前内閣当時の責任を、今ごろになって自由党へ転嫁しようとするような卑怯なことは、われわれは断じて許しません。明白にお尋ねいたします。わが党内閣当時に答申があったと言うが、それなら答申はどんなであったか。全文を言えとは言いませんが、要綱だけでも、こんな発言をされたと、あなたの頭にあるだけでもけっこうであります、全部言えとは言いませんが、どういうことが前内閣当時の答申であったか。今度のとは雲泥の差があります。それはどうです。
  115. 河野一郎

    河野国務大臣 答申文の中に、予約集荷をすることがよかろうというように書いてあったように思うのであります。
  116. 松野頼三

    ○松野委員 予約集荷をやれという言葉があるから、あとは全部自由党のときの引き継ぎだと言われるのですが、内容は違うのです。雲泥の差がある。もう少しその点、一つ御答弁を願いたい。あなたがこういうように、堂々たる自由党当時の引き継ぎだとおっしゃるならば、少くとも要綱の骨子くらいはお考えの上での御発言でしょう。
  117. 河野一郎

    河野国務大臣 私は引き継ぎだということは申しておりません。その当時の審議会にもそういう答申がありましたと記憶いたしておりますと私は申しておるのでありまして、決して自由党内閣から引き継いだとは申しておりません。
  118. 松野頼三

    ○松野委員 その内容はどうなのですか。どんな内容なのですか。あったと記憶されている、そのあったというのは、ただ審議会があったという意味なのですか、予約制度答申があったという意味なのですか。予約制度の中で、どういう点が今度のものと同じだというのですか。やはりこれはわれわれ自由党として大事なことなんで、ことにこの不人気の制度の責任を転嫁されては困る。どこなのですか。
  119. 河野一郎

    河野国務大臣 私が記憶いたしまするところでは、その当時の審議会委員の一部の方——私がこの制度を今後どうするかということをきめます際に、いろいろ御相談申し上げました人たちから、そういう予約制度でやろうじゃないかというような御意見の御答申を受けましたので、その当時そういうふうに話を自分でも了承したのであります。
  120. 松野頼三

    ○松野委員 自由党内閣当時の答申の思想と、このたびの問題とは全然雲泥の差があって、違います。従って、今後自由党内閣当時やったのだ、自分は当然前内閣——当時の内閣に責任の一端を負わせようということは、この際おやめをいただきたい。  それからもう一つ最後に、時間が参りましたが、重要なことです。もうぼつぼつ大蔵大臣米価の先ほどの数字も事務当局とお打ち合せが済みましたでしょうが、いずれこの動き方は予算に響くのですね。動かせば響きます。幾ら上げるにしても、パリティの基本というものが上った以上は予算米価は上ります。そうなれば予算に響きますね。御答弁を願いたい。
  121. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。パリティだけでなく、先ほど申しましたように米価の計算にはほかの要件も加わります。またこの米価自体が今後きまっていくわけでありますから、今予算をどうということは、私は考えていないのであります。
  122. 松野頼三

    ○松野委員 米価決定の要素をお伺いしておるのではないのです。御承知のように米価が上れば——それではいわゆる民主党案による一万三十円という米価がきまった場合、昨年の米価との差額が出る。これは予算に響きますか響きませんか。これならおわかりになるでしょう。御答弁をお願いいたします。
  123. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。先ほどから申しますように、米価がまだきまっていないのでありますから、きまった上で——予算にどうなるかは、どういうふうにきまるかによっても違うのでありますから……。
  124. 松野頼三

    ○松野委員 米価のことにあまりとらわれると、大蔵大臣少し神経質な御答弁ですが、予算が動くならば、当然これは予算数字が動くでしょう。だから私は、幾らにしろと言っているんじゃない。かりに民主党案によればという前提なんですから、あなたはおそらく予算を提出されたんですから、予算内容を御存じのはずなんです。動くのでしょう。特に私が言うことは、これは、当然米価が変動すれば予算に響くのでしょう。従って、今日まだ予算が成立しない間にこの米価決定して、そうしてしりぬぐいをちゃんと審議中にやることが、政府及び大蔵大臣に対する好意なんです。今ならまだ手直しができる時期だと、こう考えるから、早く米価をきめなさい、そうして予算に対する方針をおきめなさい、もしこれをきめなければ、すぐ補正予算をお出しになるか、臨時国会を召集するかなんです。それでは、せっかくのかつての一萬田法王の大蔵大臣がはなはだつらに泥を塗るようなことがあってはいけない。今が時期なんです。好感で私は言っているんです。だから予算に響くんでしょう。響かないとは言えない。響く限度はあるかもしれない。限度の問題じゃない。少くともパリティの数字だけは上るにきまっている。それだけは動くでしょう。その操作の方はまた別な話なんです。動くということは事実でしょう。あなたは動かないと言われるのですか。
  125. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 御好意は大へんありがたいんですが、やはり私は、米価がきまってからこれがどうというふうに考えるべきで、米価が何万円になるからどう、これに今答えはいたしかねます。
  126. 松野頼三

    ○松野委員 それじゃ米価はだれがおきめになるんですか。議会できめていいものなんでしょうか。あるいは農林大臣がきめれば、あなたはその数字の計数整理をされればいいんですか。あなたは、米価はだれがおきめになるとお考えなんですか。
  127. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。結局これは閣議できめることであると考えております。
  128. 松野頼三

    ○松野委員 閣議も当然あなたは御出席なさるのですから、米価決定の重要な衝にあるわけなんです。米価がきまれば米価がきまればと言うけれども、もう今日きめないということは、政府の重要な怠慢ですよ。ことに予約制度というものが新たに発足された以上、これは行政上の閣議決定における怠慢なんです。あなもその一員なんでしょう。あなたはのほほんとして、米価はよその者がきめて、そのあとで計数整理をするような態度はよくない。従ってあなたのお考えを聞いておるのです。予算米価でぴしゃっときめるお考えですか。あるいは諸条件が変るから動くというお考えですか。先ほど論議いたしましたように、ある程度今後において興動ずるという点は、あなたも十分お認めなんです。だから、米価がまるでどこかの人がきめてくれるようなお話しじゃなしに、あなたも閣僚の一員ですから、自分の責任の範囲一つお答えを願いたい。
  129. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。決して米価決定を怠っておるわけではないのであります。できるだけ早い機会にきめたいと一生懸命になっているのですが、先ほど申しましたように、何分にも今回の米価がどう定まるかということは、実に重大な意義を日本の財政経済の上にも、あるいは将来の米の集配等についても、特に今回は新しい制度も導入されているようであります。これはどういうふうな展開を約束されているか、いろいろと今回は考えてきめないと、禍根を将来に残すことが私は非常に多いと思うのです。そういう意味におきまして、私は今一生懸命になりまして、自分のあるべきところを皆さんと御相談を申し上げておるわけであります。
  130. 松野頼三

    ○松野委員 はなはだ時間も過ぎましたけれども、ただいま重要な米価の問題で、なかなか実は当を得ないので、それでは十円上ったら日本の経済に重要な影響がきますか。重要な経済影響があるからというのは、十円上ったら経済影響がくるのか、百円上ったら経済影響がくるのか。では経済影響の方から聞きましょう、どうなんです一鶴田大蔵大臣
  131. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 これはそういう点になると、私はいろいろな観点から考えなくちゃなりません。十円なるがゆえに、その影響が少いともいえない。これは一つの方針を示すことになるのでございます。むろん大きな金額であれば、一層それが具体的に大きな影響があるでありましょうが、これは私は考え方として、そう軽々に考えるべきことではないと考えております。
  132. 三浦一雄

    三浦委員長 松野頼三君に申し上げますが、すでに約束の時間を十五分過ぎました。どうぞ簡潔にお願いします。
  133. 松野頼三

    ○松野委員 私も簡潔にやりますけれども、この答弁では……。ではもう少し突っ込んで聞きますから、そのかわり的確な答弁を願いますよ。では大蔵大臣米価決定食糧管理法による、食管法による規定を順法されますか。
  134. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 むろんであります。
  135. 松野頼三

    ○松野委員 順法されれば、パリティを尊重されますか。
  136. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 むろんパリティを尊重しますが、しかしそれだけでは私はないと思います。
  137. 松野頼三

    ○松野委員 先ほどの質問にまた戻りますが、パリティを尊重されるならば、パリティが上った以上は米価が上るということをお認めでございますか。その他の経済条件ともし言われるならば、その他の経済条件を示してもらいたい。その他その他とあなたは架空なことを言っちゃいけない。その他があるならはっきり示しなさい。何が幾ら上って何が幾ら下った、その他その他が上った下ったではしょうがない。では何が下ったか、米価計算上におけるパリティをお示し下さい。
  138. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 先ほど申し上げましたが、たとえば物財投下量、それから農村における消費水準の動向、またはパリティについても家計用品、用材、それぞれウエートがある。やはりいろいろな条件があるようであります。
  139. 松野頼三

    ○松野委員 農村の消費水準というのは、では幾らが幾らに上ったのですか、下ったのですか。
  140. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 今秋が記憶しておるところでは、農村の上昇を一〇〇とした場合に都市は九八くらいで、農村の方が上昇率が高いように思います。なお数字でありますから、政府委員から御答弁いたします。
  141. 松野頼三

    ○松野委員 政府委員の答弁を求める時間もございませんが、あなたの答弁は、ほとんど米価決定に対する知識のいろはなんです。私もこんな質問をここでしたくない。しかしあなた自身が一つ一つ言わなければわからない。あなたは予算をこわすことを非常におそれていらっしゃる。しかし衆議院は通過したのですから、盛んに予算をおそれるおそれるといっても、衆議院は通適しておるのです。そうして今参議院審議中に米価決定するのが一番いい時期なんです。まだ間に合いますから、一つ予算が成立する前に、こういう不確定なものは確定して、国会における予算審議を十分意義あらしめてもらわなければ、大事な大きなものをあなたが延引しようとすることは断じて許されません。それでは、予算が通過前に、あなたは必ず米価決定されますか。この点を一つ、あまりこまかい問題でないからお尋ねいたします。
  142. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 先ほどから申し上げますように、できるだけ早く決定できますように、現に努力をするつもりであります。
  143. 松野頼三

    ○松野委員 農林大臣はたしか十五日というのを目途とされたのですが、だいぶ目途も狂いましたけれども、少くとも今月中に米価決定はされるという御言明もあったようですが、あらためて、農林大臣は今月中に米価決定をされるだろうと思いますが、いかがですか。
  144. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。予算の成立前に米価決定をいたさなければならぬと考えております。
  145. 松野頼三

    ○松野委員 大蔵大臣、それではあなたもこの国会中に米価決定をされますね、農林大臣が言われましたから……。なお、その他の事情中には、本米価決定すれば予算修正することになるのをおそれる、それならば、予算参議院を通過してから米価決定するおつもりなのか、どっちなんですか。
  146. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 先ほどから申し上げますように、できるだけ早く……。
  147. 松野頼三

    ○松野委員 それでは予算審議には関係なしにできるだけ早くきめたい、かりに予算の方が先に上ってもそれは別に自分の方は関連がないという意味ですか。予算に関連して私はお聞きしているのだから、予算の成立に関係なしにあなたは米価決定の時期をお考えなのか、予算に関連してお考えなのか、どっちなんですか。
  148. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 予算審議後に米価決定するというようなことは考えておりません。
  149. 松野頼三

    ○松野委員 そうすると、予算成立前に必ず決定されますね。
  150. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。あらゆる努力を払うつもりであります。
  151. 松野頼三

    ○松野委員 最後に総理大臣にお伺いいたしますが、鳩山総理大臣ただいまお聞きの通りだいぶ農林大臣大蔵大臣の見解に相違がある。たびたび米価決定の問題が閣議にも出たと思いますが、お聞きのようにだいぶ差がございます。根本的に差があるのです。農林大臣は党からの指令がなければ自主的に自分は発言ができないとおっしゃる。河野農林大臣はかつては肥料審議会というものがあるのを無視して、肥料を決定されたほど蛮勇ぶりを発揮されたが、今日は米価審議会どころか自分の権限、自分の責任さえも党の指令がなければ発電ができないとおっしゃる。だいぶ差があります。ことに大蔵大臣はあくまで予算ということが頭にこびりついて、予算さえ通せばという大きなお考えでございましょうが、大事な米価をお忘れなく。約四、五十分でございましたが、お聞きのように私としては驚くような御答弁で不満足でございましたが質疑をやったわけです。総理大臣としてもこの点十分お考えの上、閣議において一つ善良な両大臣を十分監督されて、このようなことがないように総理大臣もお考えをいただきたいと思いますが、少くとも予算成立前には総理大臣も御決定いただくだろうと思いますが、これに対する御答弁だけお伺いいたします。
  152. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 米価決定について大蔵大臣農林大臣とが必ず意見が一致するものと予測しております。そうして予算決定前に決定するものと想像をしております。
  153. 松野頼三

    ○松野委員 想像では今日の時期は過ぎております。なおただいま質疑の中にありましたように、大蔵大臣考えが正しいのか農林大臣のお考えが正しいのか、今日は一致しておりませんが、総理大臣はどちらの方が正しいとお考えでございますか。
  154. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 最後には両大臣が一致するものと確信をしております。
  155. 松野頼三

    ○松野委員 問題は一致できれば幸いですが、御承知のようにこれは予算審議に重要な関係もございます。米価決定によっては予算に重大な変更もあるのですから、従ってこの問題を、今日すでにこのような状況になったときには、少くとも予算に関連を持たせて予算成立をぜひとも期せられるという御決心ならば、米価もせひとも予算審議前に御決定いただくと思いまするが、重ねて御答弁をお伺いいたします。
  156. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 さようになるものと確信をしております。
  157. 三浦一雄

    三浦委員長 足鹿覺君。
  158. 足鹿覺

    足鹿委員 私は米価問題につきまして鳩山総理、一萬田大蔵大臣河野農林大臣に主として、お伺いをいたしたいと思います。  まず最初に鳩山総理にお伺いをいたしますが、鳩山総理民主党の総裁とされまして、現政局下において最大の問題ともいうべき農業問題につきまして、どの程度の御認識を持っておられるか、私は二点について伺いたいのであります。その第一は、ただいま問題になっております米価問題であり、その第二は、アメリカ余剰農産物の輸入問題でありますが、本日は米価問題が中心でありますので、余剰農産物の問題については他日また機会を得て伺いたいと思います。  アメリカの農産物価格及び過剰生産の処理問題は、アイゼンハワー政権の根底をもゆすぶる最大の国内問題となっております。一九五四年農業法の成立をめぐりまして非常な論戦がアメリカにおいて行われたことは、鳩山総理もさだめし御存じのことであろうと思います。アメリカにおいてはほとんどこの農業問題が内閣をゆすぶる大きな問題となり、また大統領みずからがこの農業問題に対しては、直接自分の見識に基き裁断を下し、対策を練っておる。しかるに日本の総理大臣は、農業問題になりますと、ほとんど勉強もなさっておらないようでありますし、党の機関なりあるいは閣僚まかせで、無関心に過ごしておられるような印象を、ただいまの委員との質疑応答を通じてみましても感ぜられるのであります。ここ数年間米麦価問題をめぐりまして数人の閣僚の首が飛んだ事実は、鳩山さんも御存じでありましょう。今年産米価をめぐりまして今また若干の閣僚が非常な苦境に陥りつつある事実も、率直にお認めになっておると思います。総理みずからの真剣なこの問題に対するところの御所見を以下二、三伺ってみたいと思うのであります。  まず第一に伺いたいことは、本年度から予約制度という新制度を採用するわけになったのでありますが、この制度の是非については私どもはいろいろ意見を持っておりますが、とにもかくにもこの制度を施行させて国民食糧を一応確保させるためには、どうしても適正米価を早期にきめなければならない、これは厳然たる事実であります。当の責任者でありまする河野農相も、従来しばしば六月十五日ごろはきめると簡明をしておられます。また六月十七日の衆議院農林委員会におきましては、「できればきょうにもきまれば一番よろしいというふうに考えておるのでありまして、」「先ほどからたびたびお答え申し上げましたように、できればきょうにもきめたいと思ってります。」こういうふうに農林大臣はしばしば育っておられるのであります。しかるに政府は、この米価については何ら今日まで正式の態度の決定を行わず、  一昨日の米価審議会におきましても、白紙で臨むという大失態を犯しておるのであります。鳩山総理内閣の総括主宰者といたされまして、米価をいつおきめになりますか。ただいまの御答弁を聞いておりますと、ほとんど一萬田、河野大臣まかせとして、首相みずからの御所信というものを一つも伺うことができませんことを遺憾といたしますが、どのようにあなたとしてはお考えになっておりますか、まずその点を伺いたいのであります。
  159. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 米価は早急に決定の方針で、目下検討中でございます。
  160. 足鹿覺

    足鹿委員 私の知る限りにおきましては、民主党内閣は、米価がきまらない、きまらないと言っておりますが、あなた方はきめないのではありませんか。きまらないのではなしにきめないのではないですか。その一つの証左として、私は一つ資料を提供して申し上げます。六月二十一日の産経一面トップをにぎわしておる「首脳者間のやりとり」という一文によりますと、要するに岸幹事長やその他いろいろな政府与党の首脳が、この米価問題について検討を加えられて、最後に岸幹事長は、「それでは二十五、六日に党の態度を、二十八、九日に政府が決めることにしよう。それで米価については松村さん、一萬田蔵相の説得をお願いします。」こういう意味の発言をしたと、具体的にずっとこのやりとりが響いてあります。要するに大体において政府一つの案を持っておりながら、ただ国会に対していかにして切り抜けるかということについて苦心をして、このような態度に出ておるのではないか。河野農林大臣はこの会合におきまして「米価審議会には小委員会案を参考資料として出しておけばよい。参議院予算委員会がうるさいので、党の方は二十五、六日頃に政府の方は二十七、八日頃に決めればよいだろう。」こういう意味のことも育ったと伝えられております。私はこの新聞記事のみをもってただちにこれを類推することを慎みたいと思いますが、このような会談内容がいかに国会を侮辱しておるかということは言うまでもありません。おそらく政府は、党の腹も、この記事のごとく大体考えておると私ども考えておる。参議院予算審議が一応目鼻のつくまではぺこぺこと頭を下げて、そうしてうしろを向いては赤い舌を出すという状態を続けて、月末に至って突如として決定するという御段取りではないかと思われます。かように国会を軽視する態度は不明朗もはなはだしいと思いますが、総理はこの問題についてすみやかにきめるとおっしゃるということは、一体いかなることでありますか。伝え聞くところによりますと、一時開会されました米価審議会は、二十八日に再開の通達を出されたそうであります。総理は御存じでありますか。
  161. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 先刻申しましたように、米価は早急に決定の方針でございます。目下米価審議会の小委員会で検討中と聞いております。
  162. 足鹿覺

    足鹿委員 要するに二十八日に、米価審議会の再開をされるという通知を出されたのでありますから、その米価審議会には具体的な米価諮問される意味でもって招集されておるのでありますか。これは農林大臣に伺いたい。
  163. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。実は麦の価格を早く決定しなければなりませんので、大体二十八日の米価審議会に麦の価格決定を目途としてこれを御相談願おう、こういうつもりで二十八日の通知を出しておるわけであります。
  164. 足鹿覺

    足鹿委員 そういたしますと、二十八日の米価審議会をやるということは事実でありますな。それには麦価のみを諮問されるのでありますか。
  165. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。大体その予定でおりまして、まだ通知は発送をしておらぬそうでございます。大体そういうつもりでおります。麦の値段をきめて米はあと回しにするつもりだろうということでありますが、決してそういうことは考えておりません。
  166. 足鹿覺

    足鹿委員 そういたしますと二十八日の米価審議会は、麦価のみに限定して麦価案を御諮問になる。米価については一体どういうふうになさるおつもりでありますか。
  167. 河野一郎

    河野国務大臣 米につきましては、先ほど来お答え申し上げました通りに、私は一日を争うほど早くしなければいかぬと考えておりますから、せっかく米価審議会の方も小委員会でいろいろ検討願っておりますが、私といたしましては極力早くきめるようにせっかく各方面と折衝しておるわけでございます。
  168. 足鹿覺

    足鹿委員 きょうは大体二十三日でありますよ。米価審議会は二十八日と申しますと、中もう風味四日しかありません。すみやかにということは、先ほどの質疑応答を通じてわれわれが感じたことは、大体今月を過ぎることはなかろうというふうに印象を受けました。あなた方の言われる、総理なりまた農相の言われるすみやかに、一日も早くということは、どこを基準にして言っておられるのでありますか。これだけの問題をこのように手間ひまをかけて論議をしなければならないということは、国会審議国民から笑われやしませんか。もう少し具体的に御答弁願いたい。
  169. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。私は先ほども申し上げました通りに、予算参議院の成立の前にぜひきめなければいけないということを、自分ではかたく信じておるわけでございます。
  170. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、二十八日の米価審議会は麦価について諮問をする、そういたすと、その間に米価のみについてさらに米価審議会を開催して米価諮問する用意と決意がありますか。
  171. 河野一郎

    河野国務大臣 米価審議会に対する米価決定に関する諮問は、今二十八日は一応麦価を想定いたしておりますが、米価につきましては今お考え申し上げました通りに、政府の方針のきまり次第すぐにやることに考えております。
  172. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますとだいぶんはっきりして参りましたが、二十八日の米価審議会は麦価である。その間には米価審議会というものは今のところお考えになっておらないようだ。そういたしますと参議院予算が成立云々ということは、今月一ぱいの成立ということでありますか。来月になってもいいというお考えでありますか。どちらでありますか。
  173. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。もちろん今月中に参議院予算の成立を期待いたしておりますから、今月中に米価決定をいたさなければならぬと考えております。
  174. 足鹿覺

    足鹿委員 そういたしますと、二十九、三十両日中に米価決定するということでありますか。具体的に……。
  175. 河野一郎

    河野国務大臣 お答えいたします。二十八日も決して麦価だけとは申したのではないのでございます。二十八日は麦価ということに一応想定しておりますが、それまでに米価がきまれば、むろん二十八日に一緒に御審議願うことはいたしたいと考えております。
  176. 足鹿覺

    足鹿委員 そういたしますと、農林大臣は過日米価はどうしてきめたらよろしいか意見を問うという前代未聞の諮問案を米審に諮られましたが、今の御心境によりますと、具体的なものが二十八日にでもできたならば諮る、もしできなかったならば二十九、三十両日中に米価をきめますか。
  177. 河野一郎

    河野国務大臣 そういうふうにいたしたいと考えております。
  178. 足鹿覺

    足鹿委員 そういたしますと大体三十日までには米価をきめる——ただいまは大蔵大臣も黙っておられますから御異存がないようであります。さように解釈してよろしいか。ただいまの農林大臣の御答弁大蔵大臣いかがですか。
  179. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 私もさように努力いたします。
  180. 足鹿覺

    足鹿委員 米価決定の中心であるところの農林大臣は、今具体的に三十日までにきめる、こう言った。あなたもそれに努力するということでありますが、米価問題が今日のごとく紛糾をいたしておるのは、第一あなたにも大きな責任があるのですよ。米価問題の収拾の責任は必ずしもあなたにないとはだれも言っておりません。あなたにも米価問題収拾の一半の責任があるではありませんか。何か閣外者のように努力をいたしますということではなくして、農林大臣の方針をあなたには確認されるかどうかということを聞いておる。
  181. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。米価決定には私もやはり一半をやることになっておることでもありますので、私としては月末までにきまるように努力するという以外にはないと思います。
  182. 足鹿覺

    足鹿委員 鳩山さんに伺いますが、大体ただいまの両大臣の答弁は、の一致したものと解釈してよろしゅうございますか。総理大臣はどういうふうに御解釈になりますか。今月中にきめるという河野農林大臣の方針については、努力をして協力をする、大蔵大臣はこういう答弁をいたしております。首相は先ほどの質問者に対しまして、両者の意見の一致したときに自分も裁断をする、一致するものだと思う。こういう御答弁でありましたが、もうこういう機会はめったにありますまい。従ってただいまの両大臣が御答弁になったことをもって意見の一致したものとして総理は認められるかどうか。
  183. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 両大臣とも早急に米価決定する必要ありと考えておると確信をしております。
  184. 足鹿覺

    足鹿委員 そうではないです。河野農林大臣は三十日までにきめるということを今言ったのですよ。どうですか、それは具体的に……。
  185. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 三十日までに決定ができれば非常な仕合せだと思っております。   〔「予算委員会を侮辱するな、何を言っておるのだ、しっかりした返事をしろ」と呼ぶ者あり〕
  186. 足鹿覺

    足鹿委員 ただいまの総理大臣の御答弁を聞いておりますと、何か米価をよそごとのように言っておられる。あなた自身の責任においてこれはおきめにならなければならないことですよ。先ほども申し上げております。もしそのように決定になるならば幸いだと思うなどというような御答弁は少し不見識ではございませんか。あなた自体としてそうする、こう言明ができませんか。
  187. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 先刻来申し述べますがごとく、早く決定すべきものと私は考えております。
  188. 足鹿覺

    足鹿委員 早くということは——私はこういうことで、長い時間を費したくはありませんが、長いの短かいのといってももう期限は来ております。きょうは二十三日ではありませんか。長い時間というのは、一月よりも二月の方が長いにきまっている。もう現在十日足らずの、わずか一週間の間、その間において長い短かいを論ずることは今さらもう聞くまでもないではありませんか。わずか一週間の間、一日早かったからといって、一日おそかったからといって、長短を論ずることはできますまい。すでにもう三十日という——参議院において、今月中に予算の成立することを政府は確信しておる、それを希望する、それまでに米価をきめると言ったではありませんか。そういたしますれば、あえて早いもおそいもないではありませんか。それまでにきめる、首相の裁断としてきめるということが御言明できませんか。
  189. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 きめるべきものと思います。
  190. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは私は、この問題はその程度にいたしまして、大蔵大臣に重要な点を一つ伺います。去る六月十二日、大蔵省主計局と銘を打ちまして、生産者米価据置を主張する理由なる文書をこの院内に配付いたしておりますが、大臣は御存じでありますか。
  191. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えいたします。あるいはそういうことが事務当局であったかとも思いますが、私、配付したこと自体はよく存じませんので、政府委員から答弁いたさせます。
  192. 足鹿覺

    足鹿委員 配付したことは知らないが、そのものの内容については大臣は御存じありますかどうか。
  193. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。事務から聞いたように記憶いたしております。
  194. 足鹿覺

    足鹿委員 しかも私は、今の大蔵大臣の御答弁をはなはだ遺憾と思います。このことにつきましては、六月十二日、参議院のある会派に説明しておられる。なおこの問題については、六月九日、民主党大蔵省から申し入れをしている文書でありますよ。それを聞いておるとかあるいは知っておるように思うとかいうようなことで事が済みますか。こういう重大な——この内容についてはこれから申し上げますが、こういう重大な文書を、あなたは民主党大蔵省として申し入れをし、また参議院一つの政党に対して、大蔵省主計局と銘打ってこれを発表しておきながら、所管大臣たるあなたが知っているとか知っておらぬとかいうことで事が済みますか。
  195. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えいたします。今これを見ましたのですが、この文書は知っております。ただ配ったということは私存じなかったのであります。
  196. 足鹿覺

    足鹿委員 大蔵大臣に伺いますが、ただ単なる簡単な資料を配付するとかいうことではなしに、この文書の内容がいかに重要なものであるかということは、あなたがごらんになってもわかるでしょう。すなわち大蔵省は、九千六百二十九円の米価を妥当と認めてこれを主張している。そうして予算米価の九千七百三十九円を批判し、また農業団体、農民団体の一万二千四百円の米価を批判し、あらゆる角度から米価問題について論断を下して、大蔵省の妥当米価と認めるものは九千六百二十九円、すなわちあなた方が責任を持って出した予算案より下回ること実に百十円の米価を党々と今回主張しているのであります。国会を侮辱するもはなはだしいではありませんか。そういうことが許されますか。予算案はすでに国会審議——衆議院の審議を了し、参議院に回付されているではありませんか。その予算案に盛られた予算米価を批判するがごとき態度が一主計局の名においてなされることは僭越しごくではありませんか。大蔵大臣としての責任はどうおとりになりますか。
  197. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。これは私の考えでは、事務当局はこういうふうな考えを持っておる、予算米価がああいうふうに出ております、これはこういうふうな根拠で、こういうふうに考えておるという、皆さん方の御理解に資するために、私は資料の意味で提出したのであろうと考えております。
  198. 足鹿覺

    足鹿委員 この印刷物の四枚目にいろいろ米価を批判して、最後に石当り九千六百二十九円案の概要(大蔵省案)と記しておるのであります。九千七百三十九円米価で閣議を経て予算書となって国会に提出を終って国会審議を終えて参議院に回付されたときには、その後においては大蔵省案も何もないはずではありませんか。まだそのあとにも大蔵省案というものが残っておるのでありますか。そういう二重政権のごとき態度が許されますか。最近の大蔵省の態度を見ておりますと、この文書に見るがごとく予算を批判する、衆議院においてはすでに成立をした予算に対して批判を加え、またさながら政府が二つあるような印象、二重政権のような印象を与えておることは否定できないではありませんか。こういうべらぼうなことが私はこのまま見のがされていいはずはないと思います。予算は衆議院で通っておるではありませんか。そのことの善悪は別として——善悪は別ですよ。参議院において審議中のものに対して政府はいまだにまだ大蔵省案なるものを固執して、ある一つの会派にこの案を提示して説明する理由は、何の目的を持ってやったのでありますか、どういう目的でありますか。
  199. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 そういうような疑惑を(「疑惑ではない」と呼ぶ者あり)起したことは私ははなはだ遺憾に思いますが、私の理解する限りでは予算米価がそれほど安くない。予算米価というものがどういうふうな状況にあるかということを立証したいという、そういうふうな資料の意味で私は出したに過ぎぬと思うのであります。文字通りでは、あるいは幾らか妥当でないものが残っておるかもしれませんが、これをどういうふうな考えで書いたか、一つ主計局の者に一応御説明させまして御納得を得たいと思います。
  200. 足鹿覺

    足鹿委員 説明の必要はありません。あなたはあなたの責任においてこれをなされたというのでありますから、あえて事務当局の説明を必要といたしままん。ただ一点、私はこの資料について、文書について伺いたいのでありますが、二枚目に米価を低く押えていくいろいろな方向を述べ、そうして「今の米価では生産費を償い得ないとする説がある、この考え方生産費の計算の仕方のいかんではもっともだと言えるけれども、常識的には認めがたい。まず農林省統計調査部の米の販売農家生産費調査に基いて算出される平均生産費を」云々という前文の下に一つの表が載っている。その表によりますと、石当り平均生産費として、二十七年は四千九百十五円、二十八年は五千九百八十七円、二十九年は五千七百三十八円という数字を出しておる。われわれはいまだかって政府が二十九年産生産費米価を発表したことを聞いておらない。大蔵大臣はどこからこの資料をとりましたか。
  201. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 お答えします。これは、一つとりました事務当局がいますから説明をさせます。
  202. 足鹿覺

    足鹿委員 事務当局の意見を必要といたしません。大蔵大臣の責任において御説明を願いたい。
  203. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 これはたびたび申しますように、予算米価が必ずしも安くないということを証明するのにいろいろな資料をそろえまして、そうして皆さん方の御参考に資したのでありまして、私はこういうことは決して悪いことではない、こういうふうに考えておるわけであります。
  204. 足鹿覺

    足鹿委員 私の聞いておりますのは、二十七、二十八年の石当り平均生産費(A)は、これはわれわれも知っておる。二十九年の五千七百三十八円なる米価算出は、われわれはいまだ聞いたことはない。一体統計上出たものを、国会なり国民一般に統計法によってこれを公示する前に、ある一つの会派に対してこのような一つ資料を配付することが妥当であるかどうか、その出所はどこかということを聞いておるのです。どこから手に入れましたか。
  205. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 この資料農林調査統計部から出た資料でありまして、ての当時そういう資料がほしいということであったので配った、こういうここであります。
  206. 足鹿覺

    足鹿委員 農林大原に伺いますが、ただいまお聞きのように、この資料農林省の統計調査部からもらったと言われますが、大臣はお認めになりますか。
  207. 河野一郎

    河野国務大臣 私はまだ今まで聞いておりませんから、よく調査いたしまして後刻お答えいたします。
  208. 足鹿覺

    足鹿委員 後刻調査では私は了承できません。現在米価は焦眉の急に迫っておる問題ではありませんか。あなた方はあらゆる資料を渉猟し、調査し、これをまとめて、そしてこれを国民の前に明らかにして、すみやかに米価決定せられる責任があるのであります。このようないまだ未発表の昭和二十九年の石当り生産費米価の発表を、あなた方農林省がやっておることを、主管大臣であるあなたが知らないはずはありますまい。しかも内閣の屋台骨をもゆするというこの大きな問題、あなた方の責任問題にまで及ぶというこの米価問題について、このような重大な資料大臣の了解もなしにどこから得たのでありますか、即刻御答弁を願いたい。
  209. 河野一郎

    河野国務大臣 内部で調査中でございまして、まだ外部に発表する段階になっておらないのであります。(発言する者多し)そういう性格のものであります。
  210. 柳田秀一

    ○柳田委員 議事進行について。(発言する者多し)ただいま小野君、松野君、さらに足鹿君が、今日当面の急務であります米価の問題を政府にただしました。委員諸君もお聞きの通り政府からはいまだに確固たる責任ある答弁が全然行われておりません。(「その通り」)国民食糧として、あるいは集荷に、あるいは配給に、最も重大な関係のある米価の問題が、しかも本年から新たに予約買付制度を行われるというのです。しかもこの予約買付制度の成否は一にかかって米価決定にありと、言われておる。この米価の問題は今日この責任のない答弁のていたらくでありまして、われわれはこのような政府の無責任なる態度では、予算委員会を継続して審議することができません。よって私は次の動議を提出いたします。河野農林大臣不信任決議案……。
  211. 三浦一雄

    三浦委員長 暫時休憩いたします。    午後八時四分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕