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灘尾委員 交付税の税率というものをそう簡単に動かすべきものでないということはこれは私も了承いたします。そういうつもりで交付税というものはできておるはずであります。毎年毎年そのために率が変るとかなんとかいうふうなことを
考える必要はないと思います。しかし今
年度の交付税の問題は実は去年からの引き続きの問題があるのです。昨年の交付税の税率を決定する際にも、
主計局長は十分記憶していらっしゃると思いますが、衆議院といたしましては二五%を必要とするという修正をしたのであります。これが参議院に行きまして、また参議院の方で修正になり、
国会の会期の
関係その他がありましてあまり議論する余地もなかったので、一応二二%ということで折り合いをつけたのであります。そのときにたばこの方から何とかしたらどうかというような話も出まして、当時の
大蔵大臣が善処するということが出て、ここにことしはたばこの三十億円というものが繰り入れられておるようであります。そういうふうないきさつがある。昨年初めて交付税率を決定した際から実は基礎について問題がある。あれは衆議院といたしましては、みな十分なりと
考えて賛成した人は一人もおらぬのです。もっと高い率を出すべきであるということが実は強く主張せられたのでありますが、いろいろないきさつでこういうことになっておるわけであります。従いましてこの三二%という問題につきましては、われわれ自身があまり権威を感じておらない。これは必ず是正を要すべきものであると実は
考えておる。ちゃんとした基礎の上に立ってできました交付税でありますならば、今
主計局長の仰せになりましたように、これを軽々に動かすべきものじゃないと
考えております。しかしながら基礎そのものに重大な問題がある。その当時の財政需要というものを基礎として立てられたものでありますけれども、それ自体にすでに問題を含んでおる。そういうことでありますので、この問題は軽々に動かさないという御
趣旨につきましては私も了承しますが、しかしただいまの交付税の税率につきましてはもっと
一つお
考えを願いたいと実は私は
考えております。ことに今回の場合のように、基礎となるべき法律が改正せられ、それによって明らかに減収になってくるというような場合におきましては、大蔵省におかれましても、ただ国の財政だけでなくて、この問題は同時に
地方財政に響く問題であるということくらいは
考えてほしいと思う。税率を下げられました結果、少くとも今日の計算で七十一億円の差異が生じてくるならば、その点については私はお
考えを願っておくのが適当じゃないかと思う。もっと基礎を正す理由が明らかなものについてはやはり計算をして、そうして税率の問題について
考えていただきたい。もしこれがほかの都合によって、ほかの事情によって所得税の税率は下げたけれども、ほかの方の収入がたくさんあるからいじらぬでいいのだ、こういうふうなお
考えがあるといたしますならば、地方交付税というものと
地方財政平衡交付金というものとが同じようなことになってしまうのじゃないか。ほかのものがあるから、差し引きしてみたところで結局これだけなんだ、だからこれでもってやっていくというふうなことを
考えられるといたしますならば、私は平衡交付金的になってくると思う。大蔵省のせっかくのお
考えではむしろ矛盾した結果となってくると思うのでありますから、年々の上げ下げということをかれこれ申すわけじゃございませんが、正すべき理由の必要なものについては
一つちゅうちょすることなく絶対正していただきたいというのが私の言いたいところであります。
だんだん時間が過ぎて参りまして、同僚諸君にも御迷惑をかけておるようでありますから私は次の
質問に移りたいと思うのであります。とにかく今まであまり不十分でありましたが、今度の財政
計画においては、本来正すべき基礎を正さないで、今までのままに財政
計画を作っておられる、今までの財政
計画の基礎が不で分であるがゆえに地方が大きな
赤字を出している、この点に対しましては、
政府としては考慮が払われておらないというような気持が私はいたすのであります。
それからもう
一つ伺いたいと思いますが、今度のこの財政
計画の樹立に当りまして、どういういきさつがあったかは存じませんけれども、自治庁で初めにお立てになりましたところの財政
計画においては、
歳入歳出においてバランスがとれておらない、歳出の方より
歳入が百四十億ほど足らぬという勘定が出ておったように思うのであります。これは
政府部内のことでありまして、部内のことをかれこれ申し上げるのもどうかと思いますけれども、しかしこれも世間へ出ておる。百四十億ほど足らぬという
計画を自治庁では一応お作りになったように思う。それがどういういきさつか存じませんけれども、一夜にして歳出面を約百四十億減らして、そうしてバランスのとれた
計画として
国会に御提出になった。このいきさつは一体どういうことでありましょうか。