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1955-05-21 第22回国会 衆議院 予算委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月二十一日(土曜日)     午前十一時四十四分開議  出席委員    委員長 牧野 良三君    理事 上林榮吉君 理事 重政 誠之君    理事 中曽根康弘君 理事 小坂善太郎君    理事 西村 直己君 理事 赤松  勇君    理事 今澄  勇君       阿左美廣治君    井出一太郎君       稻葉  修君    今松 治郎君       宇都宮徳馬君    楠美 省吾君       小枝 一雄君    福田 赳夫君       藤本 捨助君    古井 喜實君       眞崎 勝次君    松浦周太郎君       三浦 一雄君    村松 久義君       山本 正一君    米田 吉盛君       相川 勝六君    愛知 揆一君       植木庚子郎君    北澤 直吉君       倉石 忠雄君    周東 英雄君       野田 卯一君    橋本 龍伍君       平野 三郎君    福永 一臣君       足鹿  覺君    淡谷 悠藏君       久保田鶴松君    田中織之進君       田中 稔男君    芳賀  貢君       福田 昌子君    武藤運十郎君       柳田 秀一君    稲富 稜人君       岡  良一君    小平  忠君       杉村沖治郎君    西村 榮一君       三宅 正一君  出席国務大臣         内閣総理大臣  鳩山 一郎君         法 務 大 臣 花村 四郎君         外 務 大 臣 重光  葵君         大 蔵 大 臣 一萬田尚登君         厚 生 大 臣 川崎 秀二君         農 林 大 臣 河野 一郎君         通商産業大臣  石橋 湛山君         労 働 大 臣 西田 隆男君         国 務 大 臣 川島正次郎君         国 務 大 臣 杉原 荒太君         国 務 大 臣 高碕達之助君  出席政府委員         内閣官房長官  根本龍太郎君         内閣官房長官 松本 瀧藏君  委員外出席者         専  門  員 小林幾次郎君         専  門  員 園山 芳造君         専  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 五月十九日  委員綱島正興君、篠田弘作君及び中村時雄君辞  任につき、その補欠として北澤直吉君、橋本龍  伍君及び三宅正一君が議長指名委員に選任  された。 同月二十日  委員井出一太郎君、小島徹三君及び平野三郎君  辞任につき、その補欠として齋藤憲三君、稻葉  修君及び川村善八郎君が議長指名委員に選  任された。 同月二十一日  委員北村徳太郎君、河本敏夫君、纐纈彌三君、  齋藤憲三君、川村善八郎君、阿部五郎君、伊藤  好道君、志村茂治君及び井堀繁雄辞任につき、  その補欠として今松治郎君、山本正一君、阿左  美廣治君、井出一太郎君、平野三郎君、芳賀貢  君、足鹿覺君、淡谷悠藏君及び稲富稜人君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十年度一般会計暫定予算補正(第1号)  昭和三十年度特別会計暫定予算補正(特第1  号)  昭和三十年度政府関係機関暫定予算補正(機第  1号)     —————————————
  2. 牧野良三

    牧野委員長 これより会議を開きます。  昭和三十年度一般会計暫定予算補正(第1号)外二案を一括して議題といたします。  この際、昭和二十九年産米に対する減収加算の問題につきまして、農林水産委員会から当委員会に対して申し入れがありましたので、これにつき委員長より御報告をいたします。  昨五月二十日付、農林水産委員長から予算委員長あてに、   本委員会において別紙の通り決議したので申し入れる。   本文   本委員会は、予算委員会に対し、昭和二十九年産米に対する減収加算支出が適正に解決するまで、昭和三十年度食管特別会計等関係予算審議を中止するよう申入れる。 右の通りでございます。  この際委員会の御意見を一応承わりたいと存じます。  小坂善太郎君より議事進行に対する発言があります。これをお許しいたします。小坂君。
  3. 小坂善太郎

    小坂委員 私は、この際左の決議案を採択せられんことを動議として提案いたします。決議案趣旨を朗読いたします。   当委員会昭和二十九年産米に対する減収加算に付て政府が適正なる措置決定し之を当委員会に報告せらるるまで食管特別会計等関係予算に付ての審議を中止する。 こういうのであります。(拍手)  この趣旨を簡単に申し上げますが、御承知のように、昨年におきましても九一%の減収率を見ておるのであります。これは、一昨年度の減収率八四%の際に石当り五百五十七円の支出をいたしました趣旨にかんがみましても、百四十円は少くとも出されるべきであるというような論議が、国会内において行われておったことは委員長承知通りであります。これに対しまして、政府措置はきわめてあいまいでありまして、もしこれをいたしますとするならば、私どもが指摘いたしておりますような食管特別会計へのインベントリー・ファイナンス百億円の取りくずしということが当然問題になるのでありまして、政府の基本的な態度が明確でない今日において、われわれは予算審議に非常に重大なる疑義を感ずるのであります。その趣旨においてこの決議案を採択せられんことを望みます。動議として提案いたします。(拍手
  4. 牧野良三

    牧野委員長 足鹿君よりただいまの動議に対して発言を求められました。
  5. 足鹿覺

    足鹿委員 ただいま自由党小坂委員から提案をせられました議事進行決議案に対しまして、日本社会党を代表いたして賛意を表するものであります。(拍手)私の賛成理由を大体三つないし四つに分類して申し上げてみたいと思います。  昨年の凶作指数、すなわち作況指数におきましては平年次を下回って九二%になっているのでありますが、この統計面に現われた数字は実情よりも相当はるかに下回っているのでありまして、これではとうてい実情に沿わないのでありますが、そのような事態においてすらさような大減収を見ておるのであります。従って、これを従来とられてきたところ措置によって、正規の方法に基いて支出すべきことは政府の当然の責任であると私どもは断ぜざるを得ないのであります。(拍手)すなわち昭和二十八年産米におきましては、当時米価審議会等においてこれが問題となわ、かつての自由党政府概算払いとして五百円を支出し、後に米価審議会においてその算定方式決定を見るや、続いて五十五円の精算払いをいたしておる過去の実例もあるのであります。当時の実情から見ますならば、九百三十二円を当然二十八年産米に対しては支払うべきでありましたが、凶作加算については分散度調整係数等を考慮して、政府はこの措置に出ました。私どもはこの措置賛成をいたしたものではありませんが、一応の政府のとった措置としては、私ども必ずしも妥当でないと断ずることはできなかった。こういう経過から考えてみました場合におきまして、この米価審議会において決定をされ、政府もこれを正式に取り上げた算定方式に基いて、昭和二十九年の作凶指数に照らし合してみた場合においては、政府は当然石当り百四十円支出最小限度責任を負っておることはもはや明らかであります。(拍手)  すなわちその一つの事例として申し上げますならば、去る一月十一日、当時の民主党内閣農林省を代表して平川事務次官は、百四十円を支出すべきことを正式に大蔵省申し入れをしておる事実もあるのであります。また昨年十二月二十一日の衆議院農林委員会におきまして、私が河野農林大臣にお尋ねを申し上げました際に、河野農林大臣は、二十五日の作凶指数を見た上で、当然これは出すべきものであれば、指数に基いて出すべきであると御言明になった事実も速記録に明らかであります。その後二十五日において、作凶指数は九二と決定いたしたことは、農林当局自体が御発表になった指数でありますから、その指数に基いて分散度調整係数を加味した試算をいたした場合に百四十円が出、この百四十円を省議として時の大蔵大臣申し入れをされたことを今になってくつがえさんとすることは、農民に対するところの、あるいは一般国民に対するところの不信的な行為であると断ぜられても、私は弁明の余地はないと思います。(拍手)  こういう過去の経過から衆議院農林委員会におきてましては、先日来この問題をきわめて慎重に検討をいたしました結果、五月十九日、農林委員会理事会河野農相はみずから御出席になり、この支出すべきことは認める、ただその金額についてなお検討の余地ある旨を発言をせられました。そこで農林委員会事情を了といたしまして、当然政府——解散前の第一次民主党内閣農林省省議として決定された案は、ただつかみ分け的に決定されたものでなくして、理論的な算定方式に基いて算出をされたものであり、一度は農林省省議決定を見たものでありますから、これをよもや変革されるようなことは私どもはないものと信じ、政府並びに民主党の出方を注視して待機をいたしたのであります。ところが昨日に至りましても、この問題に対しては何ら政府は誠意ある態度を示さず、大蔵省と折衝がなかなか難航することを理由といたされまして、ついにこの問題に対するところ金額あるいは支出方法、時期等について言明を避けられんといたされましたので、昨日、ただいま予算委員長から御朗読になりましたごとき申し入れを、農林委員会は遺憾ながら予算委員会に対して申し入れざるを得ない立場になったことを、私はここに経過を明らかにし、われわれがきわめて真摯率直にまじめにこの問題を取り上げ、政府善処を要求してきた経過を、全国民にこの機会を通じて発表いたしておきたいと存ずるものであります。  第三点としましては、石当り百四十円の支出を適当とする、その根拠についてでございます。御存じのように、昨年の全国にまたがる凶作が問題となりまするや、農業団体その他においては、九千百二十円の米価基準とし、分散度調整係数を適用して、二百七十二円を要求した一つの案がありました。その後九千百二十円米価をもととして、分散度調整係数を適用いたした場合には百六十五円となる案を提示されたのであります。この案をめぐっていろいろと検討が行われた結果、先ほど述べましたような百四十円の支出額を定めるべきことが農林省議によって決定を見たことは事実であります。その内容を見ますと、百四十円は八千百二十円米価基準といたしております。私どもは九千百二十円の基準米価で行くべきことが妥当であると思いますが、先ほども述べたごとく、私どもはこれを真摯に検討し、財政事情等ともにらみ合せて、当然支出可能な程度において話し合うべきである、そういう確信から二百七十二円の農業団体の要求についてもこれを御検討し、百六十五円の分散度調整係数を適用したものについても十分検討をし、そして第三案である、農林省が一たび省議決定し、八千百一十円の不当な米価基準とし、分散度調整係数を加えておるけれども、これは刻下の現状から見てやむを得ない、こういう考え方から百四十円を算定方式に基いて当然支出すべきことを決意し、昨日の決議となり、今日の事態となっておる次第でございます。  以上の経過から見まして、これは財政的に見まするならば、大体において百四十円を二千三百五十万石の二十九年産米供出全量にこれを当てはめてみますならば、わずかに三十二億九千万円にすぎないのでありまして、これが国家の財政を危険に陥れるがごときは断じてあり得ないことを私は指摘しておきたいと思います。(拍手)そういう事情に基きまして、食管会計予算に余裕のないことは予算案に明らかでありますので、当然政府一般会計より三十二億九千万円を繰り入れるべきである。にもかかわらず、予算の範囲内において、支出せんとするがごときは、全くつまみ金でもって農民を愚弄せんとする政府の野望にすぎないとしか私には考えられません。  よって農林委員会決議趣旨政府は尊重し、かつ本予算委員会決議に従い、予算案修正を決意し、もって深刻な窮乏にあえぐ災害農民を初め、全国農民期待最小限度といえどもこたうべきである。もし政府にして善処を怠るときは、われわれは断固として政府責任を追及する重大決意に向って邁進することを表明し、ここに賛成意見を終りたいと思います。(拍手
  6. 牧野良三

  7. 稲富稜人

    稲富委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま小坂君より提出のありました動議に対しまして、賛成意見を申し述べる次第でございます。  御承知のごとく、昨年の米作の作況に対しましては、当然これは凶作加算額支出すべき事情にあることは政府も十分御承知であると思うのであります。しかも今日政府はこの作況に対する減収加算額支出に対しましては、今日まであいまいもことしてその態度決定されていないということは、私たちの最も遺憾とするところであります。私たちは一昨年のこの減収加算に対しましては、今日まで与党であります民主党の各位も賛同を得まして、そうして減収加算額決定されたのでありまして、かような点から申し上げましても、本日われわれが昨二十九年度の減収加算額を当然国が支出すべきものであるということは、あえてこれは与党諸君といえども反対はないと思うのであります。しかもその金額におきましても、二十八年度の算定方式によってこれを支出するというのでございますがゆえに、これも当然妥当な主張であると思うのであります。しかるに政府は今日大蔵省とのいろいろな予算関係等があるというような理由をほのめかされまして、今日までこれが決定を見ないということは、これは災害に泣く多くの被害農民期待に非常に反する行為であるとわれわれは言わなければならないのであります。私たちはかような見地から今日すみやかにこれを決定すべきにもかかわらず、大蔵省農林省意見の違いによってこれが決定されないということは、明らかにこれは鳩山内閣の、内閣の不統一であると同時に、鳩山内閣の無責任なる結果であると言わなければならないと思うのであります。かような見地から今日農林委員会がわが予算委員会に対してかような申し出をなされたということは妥当であると同時に、この申し出に対しまして、本予算委員会があいまいもこたるこの食管特別会計予算審議をなし得ないというような状態に置かれることも、また当然であると思いますがゆえに、私は本日ここに提案されました小坂君の動議に対しまして、心から賛意を表すると同時に、われわれこの予算委員会はかような問題を、しかも緊急なる問題をあいまいもこたる中に予算審議をやろうとする鳩山内閣の、この無責任行為をどこまでも追及しなければいけないという、かような見地から私たちはこれに対して賛意を表する次第であります。(拍手
  8. 牧野良三

  9. 上林山榮吉

    上林委員 私は民主党を代表いたしまして、二十九年産米に対する減収加算を認めなければならぬという農林委員会申し入れ内容には反対ではありませんが、予算委員会の権威のため反対をいたしたいと思います。すなわち他の常任委員会から申し入れを行なって、予算審議を中止せよというようなことは前例もないし、またこれを認めることによって悪例となる、こういうように第一に考えるものであります。  第二の点については、私どもといたしましては減収加算を認めなければならないという、その内容については賛成をいたします。でありますから、これが実現のためには積極的に協力を惜しまないものでありますけれども、なおこの際においては暫定予算という緊急なる予算審議の途上にあるわけであります。本減収加算の問題は、暫定予算には関係はありません。だからこういう趣旨から私どもといたしましては、先ほど理事会において野党理事諸君とも申し合せをしたのでありますが、議事運営の状況を見ておりますと、申し合せの趣旨に反する運営が行われているように考えられるのであります。で反りますから、いずれにいたしましてもその内容についてはわれわれは賛成をいたしますから、いわゆる暫定予算審議を進めて、国民期待しておるところ暫定予算を一日も早く通すことが、それこそ単なる引き延ばし戦術であるという誤解を、野党諸君も受けないで済むのではないかというように考えるものであります。こういう見地から私ども減収加算の問題と本予算の問題とを並行して審議するという意味において、暫定予算を直ちに審議するという意味において反対を表明いたします。
  10. 牧野良三

    牧野委員長 この際本件に関し、政府より発言を求められております。   〔「採決々々」と呼び、その他発言する者、離席する者多し〕
  11. 牧野良三

    牧野委員長 この際政府より発言を求められております。   〔発言する者、離席する者多し〕
  12. 牧野良三

    牧野委員長 ちょっとその前に委員長委員諸君にお諮りをいたします。ただいまお聞きのように決議に関する意見を聞いたのでありまするが、この案件についてはいまだにこの予算委員会において十分の質疑応答ができていないと思います。この問題が農林水産委員会では非常に進行をいたしておるやに承わりますけれども、この委員会において重大に取り扱われていることはないと思います。従ってこの場合この御意見に対して政府より意見を述べたいと申し出られた以上は、一応決議の前に簡単に政府の意のあるところを聞いて、決議の賛否に資せられることが、委員会先例をつくるにまことに私はけっこうなことであるのみならず、(拍手議事規則にも先例にもそれは認められております。この際皆さんどうかかような重大な問題については、議事進行に対してあまり紛擾を重ねないで、どうぞ委員長の苦衷を察せられて、(笑声)この際政府より意見を述べることに御賛成を願いたいと思うのであります。(拍手、「反対」と呼ぶ者あり。)でありまするからこの際どうか皆さん、それでは……。   〔発言する者、離席する者多し〕
  13. 牧野良三

    牧野委員長 委員長の頭を冷やかにさしてくれなければいかぬ。だから静かに……。   〔発言する者、離席する者多し〕
  14. 牧野良三

    牧野委員長 だから皆さん、これは別段あなた方にお諮りして決議をするのじゃない。さような手続をとられることがこの重大なる問題に対して正しい順序だと思う。私はこだわるわけでも何でもないが、皆さんこれが常識の命ずるところであり、(「ノーノー」)決議の可否を決定する上の大事な前提だと思います。(拍手)よってこの際本件に関し政府より発言を求められました。これを許します。(拍手河野農林大臣
  15. 河野一郎

    河野国務大臣 農林委員会において、減収加算の問題につき御決議がありましたので、政府におきましては、この御決議趣旨を体して善処いたしたいと目下考究中でございます。この点を皆様方にお聞き取り御了解を願いたいと思うのであります。(拍手
  16. 牧野良三

    牧野委員長 それでは小坂善太郎提出動議を採決いたします。動議賛成のお方は起立を願います。   〔賛成者起立
  17. 牧野良三

    牧野委員長 起立多数。動議は可決せられました。  暫時休憩、ただちに……。   〔赤松委員委員長委員長」と呼ぶ〕
  18. 牧野良三

    牧野委員長 赤松君より発言を求められました……。   〔発言する者多し〕
  19. 牧野良三

    牧野委員長 暫時休憩いたします。午後零時二十七分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕