○一萬田国務
大臣 昭和三十年度暫定
予算補正(六月分)についての御説明を申し上げます。
昭和三十年度
予算につきましては、目下
国会において御
審議をお願いしているわけでありますが、諸般の情勢からいたしまして、五月中に、その成立を期待することは困難と認められますので、今回四・五月分の暫定
予算に追加いたしまして、六月分の暫定
予算を提出することといたした次第であります。本日から
予算委員会において御
審議をお願いするに当りまして、その概要を御説明申し上げたいと存じます。
一般会計の六月分暫定
予算は、歳入総額六百六十億円、歳出総額千二百八十九億円でありまして、差引六百二十九億円の歳出超過となりますが、これは国庫余裕金の使用によりまして十分まかなえる見込みであります。なお、万一不足を生ずるような場合に備えまして、大蔵省証券を二百億円の限度内におきまして発行できることといたしております。
四・五月分の暫定
予算は、その編成当時いまだ本
予算案ができ上っておりませんでしたし、その内容は
政策的なものは除外し、ごく事務的な経常費の人について最小限度の所要額を計上するという方針をとっておりましたが、今回の六月分暫定
予算におきましては、三カ月間にわたる暫定
予算に伴いまする
経済界等への影響をも考慮いたし、原則としてただいま御
審議中の三十年度の本
予算案を
基礎といたしまして、それぞれの経費につき、六月中に支出または支出負担を必要とする額を計上いたしたわけであります。
ただ新規経費につきましては、法律の制定ないし改正を必要といたしますものを除いておりますことは言うまでもありませんが、その他のものにつきましても、時期的な
関係その他の理由により、特に六月中に支出負担を必要といたしますものに限り、所要額を計上することといたしております。
以上が今回の暫定
予算編成の基本方針でありますが、この基本方針に基く編成要領につきまして、なお若干御説明を加えたいと存じます。
まず人件費、事務費、その他の経常的経費につきましては、一カ月分を計上することといたしておりますが、人件費におきましては、六月に支給する職員特別手当〇・七五月分をあわせて計上いたしております。
補助費につきましては、四、五月分の暫定
予算には原則として計上せず、義務的なものであって、特に四、五月中に支出を必要とするものに限り計上することといたしましたが、今回は原則として、すでに計上いたしました額と合せ第一・四半期分の所要額となるように補助金を全般的に計上することといたしております。
次に公共事業費及び食糧増産
対策事業費につきましては、四、五月分の暫定
予算と合せて、年額の三分の一
程度となることを目途とし、また北海道その他の積雪寒冷地の事業費及び災害復旧事業費につきましては、四、五月分の暫定
予算と合せて年額の二分の一
程度となることを目途として、今回の暫定
予算に合計三百六十六億円を計上いたしております。これらは年間の事業
計画が円滑に遂行できるようにとの配慮のもとに、過去の実績等を勘案して所要額を計上することといたしたことによるものであります。
住宅施設費、文教施設費、官庁営繕費等の施設費につきましても、公共事業
関係費に準じまして、その所要額を計上したすことといたしております。
失業
対策事業費につきましては、特別失業
対策事業費をも含め、一カ月分
程度を計上し、公共事業等への就労とあわせ、失業者の吸収に遺憾なきを期しております。
地方
財政につきましては、公共事業
関係費及び一般の補助費等につき前に申し上げました
通り、所要額を計上いたしますとともに、地方交付税交付金のうち打通交付税分につきまして年額の四分の一、三百十九億円を計上いたしました。
特別会計及び
政府関係機関の六月分の暫定
予算につきましても、一般会計に準じ所要額を計上することといたしておりますが、特に企業会計につきましては、事業の円滑な遂行を阻害することのないようにに配慮することといたしております。
さらに
財政投融資につきましては、年間
計画、過去の実績、原資の状況等を勘案いたしまして、資金運用部資金等により所要資金の配分をいたすこととしております。そのうち、
政府関係機関または特別会計に関するものは、農林公庫十億円、国民、
中小企業、住宅各公庫五億円ずつ、国有鉄道三十億円、特定道路二億二千万円、
開拓者資金二億六千万円でありますが、電源会社、金融債、地方債等につきましても、原資の状況等を勘案いたしまして、年間
計画の一部として必要に応じ所要資金を配分することといたしております。
以上をもちまして六月暫定
予算の概要の説明を終ります。何とぞ
政府の方針を了とせられまして、本暫定
予算案に対し、すみやかに御
審議、御賛成あらんことを特にお願いいたす次第であります。