運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1955-06-21 第22回国会 衆議院 本会議 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月二十一日(火曜日)     —————————————  議事日程 第三十号   昭和三十年六月二十一日     午後一時開議  一 恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明     —————————————  第一 昭和二十八年度一般会計予備費使用調書(その2)     昭和二十八年度一般会計災害対策予備費使用調書(その2)     昭和二十八年度特別会計予備費使用調書(その2)     昭和二十八年度特別会計予算総則第十条に基く使用調書     昭和二十九年度一般会計予備費使用調書     昭和二十九年度特別会計予備費使用調書     昭和二十九年度特別会計予算総則第八条に基く使用調書     昭和二十九年度特別会計予算総則第九条に基く使用調書承諾と求めるの件  第二 昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為調書  第三 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案内閣提出)     ————————————— ●本日の会議に付した案件  日程第一 昭和二十八年度一般会計予備費使用調書(その2)       昭和二十八年度一般会計災害対策予備費使用調書(その2)       昭和二十八年度特別会計予備費使用調書(その2)       昭和二十八年度特別会計予算総則第十条に基く使用調書       昭和二十九年度一般会計予備費使用調書       昭和二十九年度特別会計予備費使用調書       昭和二十九年度特別会計予算総則第八条に基く使用調書       昭和二十九年度特別会計予算総則第九条に基く使用調書承諾と求めるの件  日程第二 昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為調書  日程第三 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案内閣提出)  少年院法の一部を改正する法律案内閣提出)  農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件     午後一時四十五分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。
  3. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第一、昭和二十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外七件(承諾を求めるの件)、日程第二、昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為調書、右九件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。決算委員会理事吉田賢一君。     〔吉田賢一登壇
  4. 吉田賢一

    吉田賢一君 ただいま議題となりました昭和二十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外七件の承諾を求めるの件並びに昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為調書について決算委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  まず、昭和二十八年度一般会計予備費予算額は三十億円でありまして、このうち、財政法三十五条の規定により、昭和二十八年四月二十五日から同年十二月二十八日までの間において使用決定いたしました八億二千九百余万円につきましては、第十九回国会において本院はこれに承諾を与えましたが、その後昭和二十九年一月九日から同年三月二十三日までの間におきまして二十一億三千九百余万円を使用決定いたしております。そのおもな事項は、生活保護及び児童保護に必要な経費租税払い戻しに必要な経費検察費不足補充に必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度一般会計災害対策予備費予算額は百四十五億円でありまして、このうち昭和二十八年五月三十日から同年十二月二十五日までの間において使用決定いたしました百十五億一千五百余万円につきましては、第十九回国会において本院は承諾を与えておりますが、その後昭和二十九年二月十六日から同年三月二十六日までの間におきまして二十九億五千七百余万円の使用決定いたしております。そのおもな事項は、第二号台風並びに第十三号台風等災害復旧に必要な経費簡易水道施設、屠畜場及び国立公園施設災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度各特別会計予備費予算総額は四百十億八千九百余万円でありまして、このうち昭和二十八年七月三十一日から同年十二月二十五日までの間に使用決定いたしました四十六億八千六百余万円につきましては、第十九回国会において本院は承諾を与えておりまするが、その後昭和二十九年二月九日から同年三月三十一日までの間に予備費使用決定いたしました特別会計資金運用部外十二特別会計でありまして、その使用決定した総額は三十五億六千三百余万円であります。そのおもな事項は、厚生保険船員保険、漁船再保険労働者災害補償保険及び失業保険の各特別会計における保険金等支払いに必要な経費並びに厚生保険船員保険及び国立病院の各特別会計における西日本水害及び第十三号台風等災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度特別会計予算総則第十条の規定に基き、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました時別会計郵政事業でありまして、その内訳は、業務量増加等に伴い必要な経費六億六千八百万円であります。  次に、昭和二十九年度一般会計予備費予算額は八十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和二十九年四月六日から昭和三十年三月二十八日までの間において七十九億九千六百余万円の使用決定いたしております。そのおもなる事項は、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費農業災害対策及び冷害対策に必要な経費等であります。  次に、昭和二十九年度各特別会計予備費予算総額は三百六十億六千八百余万円でありまして、このうち昭和二十九年四月二十七日から昭和三十年三月二十九日までの間において使用決定いたしました総額は五十八億九千余万円であります。そのおもな事項は、厚生保険船員保険農業共済保険等の各特別会計における保険金等支払いに必要な経費並びに国有林野事業特別会計における第五号台風等災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和二十九年度特別会計予算総則第八条及び第九条の規定に基き、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出しました特別会計は、郵便貯金簡易生命保険及び郵便年金、及び郵政事業の三特別会計でありまして、その内訳は、郵便貯金特別会計において支出しました支払い利子増加に必要な経費四億七千万円、簡易生命保険及び郵便年金特別会計において支出しました保険金及び還付金等増加に必要な経費九億二千百余万円、及び郵政事業特別会計において支出しました業務量増加に必要な経費九億九千万円であります。  次に、昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為調書について申し上げます。昭和二十九年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国庫債務負担行為をすることができる金額は三十億円でありまして、このうち、日本国及びオーストラリア連邦間の真珠貝漁業紛争を国際司法裁判所に提訴するため弁護士を依嘱することにつきまして、昭和二十九年十月二十九日閣議の決定を経、総額六千百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしております。  以上が右九件の大要でありますが、本件は去る六月一日本委員会に付託せられ、同月十一日政府当局説明を聴取の上審議いたしましたが、その詳細は速記録に譲りたいと存じます。  六月十七日、社会党片島委員から、このたび提出せられた予備費使用調書内容を見るのに、予備費使用決定が常会たる第二十一回国会開会前に行われたものが多く、これらはいずれも第二十一回国会に提出し得たものと認められるのに、これを怠つたのははなはだ遺憾であり、今後内閣は憲法第八十七条第二項、財政法第三十六条第三項の規定を厳守すべきであるとの決議をなすべしとの動議が提出せられ、これを全会一致をもって可決いたしました。  次いで採決に入り、昭和二十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外七件に対してはそれぞれ承諾を与えるべきもの、昭和二十九年度一般会計国庫債務負担行為調書に対しては異議がないと議決いたした次第であります。  以上、御報告を終ります。(拍手
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより採決に入ります。  まず、日程第一の八件を一括して採決いたします。八件は委員長報告通り承諾を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって八件とも委員長報告通り承諾を与えるに決しました。  次に、日程第二につき採決いたします。本件委員長報告異議がないと決したものであります。本件委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本件委員長報告通り決しました。      ————◇—————  第三 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案内閣提出)  少年院法の一部を改正する法律案内閣提出
  8. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。すなわち、日程第三とともに、内閣提出少年院法の一部を改正する法律案を追加して、両案を一括して議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  日程第三、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案少年院法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。法務委員長世耕弘一君。     〔世耕弘一登壇
  11. 世耕弘一

    世耕弘一君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案少年院法の一部を改正する法律案につき、委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  まず裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について申し上げますと、本案は、一般行政機関の例にならい、裁判所職員二百八十名の整理をしようとするものでありますが、委員会質疑一、二点を申し上げますと、今回の整理によって裁判事務影響するようなことはないかというのに対し、今回の整理行政機関に比し低率であり、しかも司法行政事務面の者の整理であって、本来の裁判事務影響はないとの答弁があり、また、検察審査会職員について整理の多い理由いかんとの質疑に対し、検察審査会を軽視するのではなく、現在比較的事務のすいている検察審査会について整理が多くなつた次第である、また退職手当通常の二倍を支給し、本人の任意の退職による方針で、意に反しては整理を行わないとの答弁でありました。  本案は、六月二十日、討論省略、多数をもって政府原案通り可決されました。  次に、少年院法の一部を改正する法律案でありますが、この法律案要旨は、少年院在院者に対し死傷手当金を支給できるようにすること、次に、逃走少年の連れ戻しについての措置を明かにすること、第三に、暴行逃走、自殺のおそれある場合に、その少年手錠使用できるようにすることなどであります。  第一の死傷手当金については、今後職業補導を受ける際死亡または負傷した場合に手当金を給与できることといたしました。第二に、少年院在院者逃走した場合の連れ戻し措置を明確にして、少年院在院者がもし逃走した場合にも、敏速かつ適切な措置ができるようにしたのであります。第三に、最近集団的脱走や騒擾が起るので、在院少年逃走暴行、自殺するような場合に、それらを防止するため手錠使用できることとしたのであります。  以上が提案理由及びその要旨であります。  法務委員会審議においては、第一に、今回の改正により強制連れ戻しや手錠使用することになると、少年院は本来保護処分として少年を収容しこれを矯正するのが目的であるにかかわらず、刑罰を適用する少年刑務所に逆戻りするのではないかとの質疑がありました。これに対しまして、政府から、最近は二十才以上の青年も在院するようになり、集団的に凶悪犯罪を犯す者も出るので、厳重なる処遇をすることもやむを得ないとの答弁がありました。次に、連れ戻しは、逮捕と違い、矯正保護内容として少年を元の少年院に復元する行為であるから、逃走して四十八時間後は、警察官が連れ戻す場合だけ裁判官の連戻状を必要とすることにしてはどうかとの質疑がありました。これに対と、政府から、少年院職員が連れ戻す場合にも裁判官の連戻状を必要とする方が、その少年のためにも人権擁護のためにもよいとの答弁がありました。  かくて、六月二十一日質疑を終了し、討論省略の上採決に入りました。この際、各派共同提案にて修正案が提出されました。その内容は、連れ戻しに関する条文の準用に関するもので、原案条文通りでは国民一般にわかりがたいので、「少年院に収容中の者」とあるのを「少年院から逃走した者」と読みかえるものとしたのであります。採決の結果、まず修正案全会一致にて可決されました。次に、修正部分を除く政府原案全会一致にて可決されました。結局、少年院法の一部を改正する法律案修正議決された次第であります。  右、御報告申し上げます。(拍手
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 両案を一括して採決いたします。日程第三の委員長報告は可決、少年院法の一部を改正する法律案委員長報告修正であります。両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって両案は委員長報告通り決しました。  この際暫時休憩いたします。     午後二時三分休憩      ————◇—————     午後四時十八分開議
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ————◇—————  農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件
  15. 大石武一

    大石武一君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。すなわち、農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 大石君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  17. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を議題といたします。委員長報告を求めます。外務委員長植原悦二郎君。   [植原悦二郎登壇
  18. 植原悦二郎

    植原悦二郎君 ただいま議題となりました農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件に関し、外務委員会における審査経過及び結果について御報告申し上げます。  本件は、昨年七月米国議会において成立いたしました一九五四年の農産物貿易促進及び援助に関する法律に基いて締結された件でありまして、昨年国会において承認を与えました日米間の農産物購入に関する協定とほぼ同様に、米国余剰農産物を円により購入することができるとともに、一部贈与をも受けることができるようになっております。  本協定締結については、昨年来わが国具体的交渉を進め、日米両国間で意見一致を見ましたので、五月三十一日にわが外務大臣在京米国大使との間において署名を了したのであります。  本協定により、わが国は、八千五百万ドルまでの米国余剰農産物を円をもって購入するほか、現物贈与の形で千五百万ドルまでの余剰農産物贈与を受けることになっております。右の八千五百万ドル購入によって積み立てられる資金のうち、ドルに交換された七割を電源開発農業開発及び生産性向上のための借款として受け入れることになっており、また積立資金の残余の三割はわが国における駐留米軍の軍人、軍属用宿舎域外調達教育交換計画等に対する経費として米国日本国内使用することになっております。  本件が六月十一日に本委員会に付託されますと同時に、本委員会慎重審議を重ねるとともに、また外務農林水産商工委員会連合審査を行いました。審査の間に行われました質疑応答のおもなる点の二、三をあげて御紹介申し上げますと、委員側から、日本余剰農産物を受け入れることは、日本農業をこれによって圧迫することにならないか、なお、この買い入れにはひもがついていないのかとの質疑に対して、政府側は、日本食糧不足の現状である、いずれの国からも輸入しなければならない、しかも、米国から買い入れても、それはコマーシャル・ベースであるから、別にひもつきではないのみならず、わが農業を圧迫するおそれがないとの答弁でありました。次に、委員側より、米国贈与による脱脂粉乳学童給食に充てる場合、わが国酪農製品を圧迫し、また学童米国によって養われるという印象を与える心配はないかとの質疑に対して、政府は、贈与された脱脂粉乳価格わが国における市場価格と同一で学校給食者に引き渡すのみならず、特に学童に対しては米国依存印象を与えないように慎重に取り扱うから、教育上の影響はないとの答弁でありました。また、委員側より、年々計画的に米国余剰農産物輸入する計画であるかとの質疑に対し、政府側は、明年は明年の四囲の情勢により輸入農産物を検討し、日本にとつて最も有利な立場に立って決定するのであるから、次年度のことについて今あらかじめお答えできない旨の答弁でありました。その他審議の詳細については委員会会議録に譲ることといたします。ごらんを願いとう存じます。  質疑を終り、本件議題となして討論をいたしましたところ、日本社会党の細迫委員日本社会党戸叶委員、小会派の久保田委員から、それぞれ反対意見を述べられました。民主党の大橋委員、自由党の北澤委員よりおのおの賛成意見を表明されて、討論は終結いたし、採決いたしましたところ、本委員会賛成多数をもって本件承認を与えることに決定いたしたのであります。  以上、御報告いたします。(拍手
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより討論に入ります。穗積七郎君。     〔穗積七郎登壇
  20. 穗積七郎

    穗積七郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいまの日米間の農産物に関する協定に対し反対の態度を明らかにし、その趣旨を簡潔に申し述べたいと存じます。  本協定は、これを一言にして申しますならば、自由、民主両内閣が共同して、アメリカの二百十四億円ばかりの借款のえさに飛びつき、それによってアメリカ農業恐慌日本に持ち込もうという、おそるべきものでございます。(拍手)しかも、この二百十四億の借款に飛びつかざるを得なくなつた原因は、年々苦しくなって参りました軍事予算の中での財政投融資のやりくりのためでありますが、さらに、この予算の上で増兵義務を負つたのは、昨年のMSA協定に伴います三十六億円の小麦代金のプレゼントによってであり、また本年の防衛分担金交渉によって背負い込んだものであるとするならば、日本は、アメリカのあり余つて捨てるよりほかはない余剰農産物の巧妙なる操作にひつかかって、増兵義務農業恐慌の二つの荷物を一緒にになわされることになると言わなければなりません。(拍手)これは、アメリカにとつてはまさに一石二鳥の外交でありましょうが、わが国にとつてはエビでタイをつられたことになりますし、ますますアメリカ国に対する従属性を増すことになるのであります。われわれの根本的に容認し得ざるところは、ここにあるのでございます。(拍手)  今や、アメリカを中心とする世界的農業恐慌への危機は、すでにおおうべくもなくなりつつあります。アメリカにおいては、生産制限をいたしました昨年度においてすら、小麦九億七千万ブッシェル綿花において一千二百六十万俵の生産であり、一方、その対外輸出は減少するばかりで、小麦は、前年度におきまして三億六千万ブッシェルから、昨年度は一億一千万ブッシェルと激減をいたしております。従って、滞貨はふえるばかりでございます。昨年度の夏の在庫を調べてみますと九億二千九百万ブッシェルに達し、これは年間アメリカ消費量の四割以上も上回るものでございます。そこで、二十五億ドル余剰農産物市場から凍結する政策をとり、また、CCC、すなわち商品金融会社融資限度を八十五億ドルに引き上げても、なおかつその市場価格は常に支持価格を下回っておるのであります。  このようなアメリカ農業事情にあるのに対しまして、日本は今日世界最高買手国でありますが、このたびの協定の分約五十万トンは、もとより通常輸入の上積みとしてしいられたものでございます。このことは本協定基本法であります一九五四年法百一条、百六条によって明瞭でありますが、政府はすでに、この通常輸入量として、年間小麦七十五万トン、大麦二十万トン、米二十万トン、綿花二十七万五千俵、葉タバコ二千九百トンは必ず輸入いたしますとアメリカに約束しておることは、われわれ外務委員会審議においても明らかとなっているのでございます。政府は、農産物は今後ますます買手市場になることを認め、本協定も必ずしも来年度に継続して締結しなくともよいと答弁いたしておるのでありますが、このたびの借款が世界銀行との借款となり、長期国内におきまする財政投融資計画に織り込まれておるのでありますから、やめようといってもやめられるものではないし、またやめるつもりのないことも審議を通じて明瞭となつたのでございます。(拍手)さすれば、政府がいかに食糧自給政策を唱え、国内農家経済保護宣伝いたしましても、それをわれわれは信ずるわけには行かない。  このたびの協定伴つてアメリカ日本国内使用するところの九十二億円のうち、最低七億二千万円が日本国内における農産物市場開拓のために使用されること、さらに政府は米の統制撤廃政策を指さしていること等をあわせ考えますならば、低賃金政策の下積みとしての低米価政策をあえてねらつていることが明瞭となるのでございます。低賃金のための低米価は、保守党の諸君の背景たる独占資本の最もこいねがうところでございましょう。遠い将来と言わず、すでに昨年度のMSA小麦によってわが国内の麦価が圧迫を受けたことは隠れもない事実でございます。また、乳製品も、すでに需要停滞のために、その関係中小企業家酪農家が四苦八苦していることは政府も否定し得ないではございませんか。われわれは、全国五百五十万戸の農家とともに、このような協定に強く反対の意思を表明するものでございます。(拍手)  さらに進んで、今後日米間の経済並びに物価の諸情勢を判断いたしますならば、円とドルとの為替レートは、彼に有利、われに不利であることは言うまでもありますまい。そういたしますならば、このたびのドル決済またはドル換算決済は、ただ単に円価の国際信用にかかわるという面子の問題ばかりではなく、もし一ドル三百六十円のレートが五百円に変るような場合を仮定するならば、このたびの借款二百十四億は、元金だけで一躍三百億にはね上るのであります。このたびの協定交渉中の大きな問題点の一つは、このいわゆるドル条項でございました。ところが、結局、ドル借款ドル決済を原則とし、ドル資金の不足したときは円換算払い撰択権が認められましたが、実質的にはドル条項をのまされたと同じことになつたのであります。従って、ドルを使わずに円で買えるという政府宣伝は大半がから宣伝となりましてたとい長期払いにいたしましても、ドルで買わざるを得ない羽目になつたのであります。これまた、われわれの賛成し得ざる主要な点でございます。  次に、本協定わが国貿易促進立場に立ってながめますならば、今日われわれが行うあらゆる輸入は、常にその裏側に輸出への利益のことを考えていかなければなりません。輸入の大宗たる農産物輸入アメリカ一辺倒に傾けることは、見返り輸出を考えていない片手落ちと言われても弁解の余地はございませんでしよう。このたびの協定促進に対しまして、カナダ、アルゼンチン、オーストラリア、その他東南アジア諸国等、米麦の輸出国がことごとく心よからずながめていたことは事実であり、さらに、ある意味におきましては、このことは当然でございます。これら諸国への輸出上の打撃は、わが国輸出への打撃となってはね返つてくるのでございます。特に、経済交流を推進しようと言っておる東南アジア諸国は米を主要輸出品といたしておりますから、これを圧迫することは、これに対するわが国見返り輸出をみずからふさぐものでありまして、これまた、われわれの断じてとらざる政策であると信じます。  最後に、本協定の外交政策上のねらいについて一言いたしておきたいと存じます。  本協定は、言うまでもなく、昨年のMSAによる協定とは異なり、農産物に関する一九五四年法を基本法とするものでありますが、この法律のねらいとするところは、アメリカ農業市場の自己防衛を目的とするのみならず、特にその第百四条において共同防衛の強化を要求しており、さらに、第三百四条等においては、受け入れ国とソ連や中国など共産主義諸国との経済的離間策を明確にうたつておるのでございます。かかる二つの世界の対立と抗争を目的とする経済外交政策に対しては、われわれと根本的に相いれないものがあるのでございます。現政府といたしましても、独立外交を標榜し、中ソとの国交回復または貿易促進を唱えておる以上、その外交政策とははなはだしく矛盾するものではありませんか。  なお、協定の細目につきましては、たとえば、焼き捨てる以外にない過剰農産物の、しかも品質の粗悪なる在庫品を市場価格で買い取らなければならぬという不利な点、また、アメリカの商船法九百一条に拘束されまして、最低五〇%のアメリカの積み船を用いなければならないという点、さらに千五百万ドルもの贈与分の加工賃十八億を日本国民が負担しなければならないという点等々、ことごとくわれわれの不満とするところでありますが、これらは時間の都合上割愛いたしましても、すでにさきに述べました根本的なもろもろの理由によって、本協定に対する反対理由としては十分であるとわれわれは確信いたします。  今からでもおそくはありませんから、自由、民主両党の議員諸君にも御賛同を得まして本協定が否決されることを願いまして、私の討論を終る次第でございます。(拍手
  21. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 大橋忠一君。     〔大橋忠一君登壇
  22. 大橋忠一

    ○大橋忠一君 私は、これから、民主党を代表いたしまして、農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結賛成する理由を簡単に述べたいと思います。  本協定は、昨年度のMSAに基く協定とは違いまして、昨年新たにできました農産物貿易促進及び援助に関する法律に基く経済的の協定であります。この協定により、わが国は八千五百万ドルまでのアメリカ農産物購入することになりますが、同時に、わが国学校児童の福祉計画を拡大するため、一千五百万ドルに上る余剰農産物贈与を受けることとなるのであります。この八千五百万ドルを見返りとしてわが国に積み立てられたる資金のうち、三割は駐留米軍使用し、七割は電源開発農業開発等のため低利長期借款として受け入れることになっております。  この協定の実施がわが国にもたらす利益は、本来外貨による輸入を必要とする農産物を円で購入することができ、また、贈与を受ける農産物によりまして、現在の児童福祉計画を一段と拡大することができること、農産物購入代金の七割、すなわち六千万ドル近くに上る額を、四十年という長期年賦で、年三分ないし四分という低い利息でもって、これを借款として、そうして食糧増産、電源開発等、わが国の基礎産業の発展に利用することができること、これだけの農産物はどつちみち外貨をもって輸入しなければならないものでありますので、それだけ外貨の節約になること、現物贈与の形で千五百万ドルまでの余剰農産物わが国学童の福祉増進に使用し得ること等、いろいろな利益があります。  本協定実施の結果、わが国農業及びわが国経済の対米従属性を強める、食糧自給の努力に悪影響を及ぼすと言う者がありますが、われわれをもってすれば、この膨大なるアメリカ余剰農産物を利用いたしまして、食糧の増産及びわが国の基礎産業を発展させまして、アメリカに対する経済的の従属性から一日も早く脱却するようにしなくてはならぬ。また、そうすることができる。私は、日本経済自立のためには、これは最も適当なる協定であると思うのであります。(拍手)  なお、その農産物はどうせ外貨をもって輸入しなくてはならぬものであります。従いまして、これを輸入いたしましても、決してわが国農業を圧迫するものではありません。(拍手)また、これらの農産物は、結局、今までもアメリカから輸入しておったものであります。また、アメリカから輸入しなくてはならぬものであります。従って、これだけ輸入したがために、決して東南アジアその他の方面に対するわが国輸出影響するものではないと思います。  第三に、この贈与分についていろいろな批判がありましたが、これは劣等感に基くひがみ根性でありまして、われわれは、これはアメリカわが国民に対する好意として、率直に感謝をもって受け入れるべきものだと思うのであります。(拍手)  とにかく、この協定の実施ということは、わが国の実情において最も必要なものであり、かつ、わが国経済自立をはかる上において非常に有力なる協定であると私は思うのであります。従いまして、私は、この協定わが国外交の成功であるとして、大賛成を表せんとするものであります。(拍手
  23. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 戸叶里子君。     〔戸叶里子君登壇
  24. 戸叶里子

    ○戸叶里子君 私は、日本社会党を代表して、ただいま上程されました農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について反対意見を述べんとするものであります。(拍手)  この協定は、向米一辺倒の自由党内閣が昨年アメリカとの間に大体の話をきめた協定であります。民主党としても知性ある人々はおそらく賛成しがたい協定でありましょうが、政局乗り切りの手段として、保守連合の建前から、反対するわけにも行かず、そのまま自由党から受け継がざるを得ないということは、まことにお気の毒にたえません。(拍手)  今回の協定の中には一千五百万ドル贈与があるゆえに、日本にとつて有利であるかのごとく政府説明するのでありますが、幾ら贈与分があつても、一億ドルのうちの五千九百五十万ドルまでは借款であることは間違いなく、それがいかに長期のものであろうとも、日本国債務となります。債務額が多くなればなるほど、いやおうなしに従属性が強まることは、だれが何と言っても理の当然でございます。(拍手)私は、自主独立の日本を一日も早く打ち立てることを希望する国民の意思と反対の方向に導いていく政府のこの態度に、まず反対せざるを得ません。(拍手)  民主党は、六カ年の計画食糧増産をはかり、輸入を徐々に削減すると公約いたしております。ところが、今回の協定により、八千五百万ドルの物資買付は通常輸入量の上積みとなることを必要とし、従って、小麦の例をとつてみるならば、通常アメリカから輸入するものが七十五万トンであり、余剰農作物で予定しているものは三十四万トンであります。このほか大麦、米、綿花等の輸入もありますが、特に小麦に関しましては、日本小麦の方がどうしても品質が劣るため、外麦をよけいに入れる傾向がますますふえ、日本小麦の品質改良に対して熱意を示さず、その結果日本農村の小麦生産が減少し、必然的にアメリカよりの輸入を助長する結果になるではありませんか。これをどうして食糧輸入の漸減政策と言えるでありましょう。さらに、米の場合にも、通常輸入量のほかに、この協定に基いて輸入することになるのでありますが、このことは東南アジアの国々との摩擦をすでに起しております。タイは、以前より、日本が米を買わないならば日本の商品は買わないと申し入れしてきているといわれ、ビルマも、本協定がアジアの経済交流を妨げるものであると非難しております。これは日本にとつて大きな貿易市場を失うことでありまして、これまた反対せざるを得ません。(拍手)  この協定の第五条の一項の三号には「合衆国の農産物の新たな市場を両国の利益になるように発展させることを助長するため」云々とありますが、この新たな市場とは日本をさすといたしましても、アメリカは、自国の農産物市場を発展させ、アメリカ農業をいかにして保護するかということに必死になっております。わが国もまた、わが国農業保護しなければなりません。いかに協定の中で両国の利益になるように発展させることを助長すると言ってみても、国力の劣る日本、弱い立場にある日本が、どうして強大なアメリカに太刀打ちできるでありましようか。結局あり余つた農作物を売りつけられるという形になって、条文の意味するものと実質的には異なつた方向に持って行かれるのであります。従ってこの八千五百万ドルの七割の借款電源開発農業開発生産性本部に向けられるときめられてみても、日本農業の開発が行われれば行われるほどアメリカの余剰農作物の市場は閉ざされる点を考えて参りますると、この協定内容に幾多の矛盾を指摘せざるを得ないのであります。(拍手)  そのほか、輸送の問題があります。米国規定によれば、五〇%は米国船が運ぶことになっております。従って、わが国が高い運賃を払わなければなりません。ところが、わが国と違つて、デンマークにおいては、米船、自船半々の原則をあくまでアメリカが固持するので、本年は余剰農作物受け入れを拒否するという強い態度に出ました。さらに、見のがすことのできないことは、この協定内で大麦、小麦、米の輸送費は日本が四百万ドルを支払うことをこの協定に述べてありますが、綿花の輸送費は、議事録で、このワクに入らぬことのみを記録し、どうなっているか明確にされておりません。また、学童用の贈与にいたしましても、運賃は明確に示されず、結局、質問によってはっきりしたことは、日本側の負担となっております。この点、まことに了解に苦しむものでありまして、全部の運賃を表示しておくならば、あまりに日本の負うべき額が多くなるため、この点カムフラージュしたのではないかとの疑惑を抱くのは、私のみではないと思うのであります。  本協定中、わが国学童の福祉計画を増大するために小麦、脱脂乳、米綿等が千五百万ドル贈与されることは、すでに述べました。ところが、他の農産物は販売価格で日本輸入するのに対し、この贈与分は、CCC、すなわち商品金融会社の建値で値段が定められております。この価格は前者より高くなるのであります。いかに贈与とはいえ、もっとあたたかい気持がこの面になぜ現われなかったか、私は一まつのさびしさを覚えるものであります。(拍手)この贈与分に対しては加工賃と運賃を必要とするために、実際に学童小麦製品、綿製品を買うことになるのでありまして、このいきさつを知らない子供たちは、アメリカ贈与とはお金を払つてもらうものと、その真意のほどを判断するのに苦しむような場合が出てこないとも限りません。もし政府がこの贈与に魅力を感じたとするならば、まことに幼稚と言わざるを得ないのであります。むしろ、この贈与物資に要する加工賃を他に使つた方が、子供の将来において卑屈感を抱かせないという意味かちしても、より賢明であるとさえ思うのであります。  さらに、六条におきましては、積立金の七〇%は日本銀行を通じて合衆国ドルに交換することができるとして、日本国内法にない権限を条約によって与えております。このことは、将来国内法でできないことを条約できめるという悪例を残すものでありまして、容易に承認することができません。  以上申し述べました理由からのみしても、政府がこの協定を今月中に有効ならしめようとするのは、まるでどこかからむちうたれているような感じを国民に抱かせておるのでございます。(拍手)しかも、日本の受け入れ総額は、アメリカがこれまでに十一カ国と協定を結んだ中で最高最大量の輸入約束をしたということは、アメリカヘの迎合以外の何ものでもないとしか言えません。政府もこの際もう一度考え直されんことを強く要望いたしまして、私の反対討論を終る次第でございます。(拍手
  25. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 北澤直吉君。     〔北澤直吉君登壇
  26. 北澤直吉

    ○北澤直吉君 私は、自由党を代表し、ただいま議題となりました農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件について、左記理由により賛成の意を表明せんとするものであります。(拍手)  第一に、日本食糧の自給度を高めるためにあらゆる努力を払つているのでありますが、年々百万をこえる大幅な人口増加のために、毎年三百五十数万トンの食糧を外国より輸入しなければなりません。そのために、年々約五億ドルに上る貴重な外貨を外国に支払わなければなりません。また、綿花等の、日本産業に絶対必要な原材料は、どうしても外貨によって輸入しなければなりません。本件協定によりますれば、これらわが国に必要な食糧及び原材料を、八千五百万ドルだけ、外貨によらず、円通貨で買い付けることができるわけでありまして、それだけわが国としては外貨を節約することができ、わが国経済自立に必要な国際収支の改善に寄与するところが少くないのであります。  第二に、この協定によりまして、千五百万ドルに相当する小麦脱脂粉乳及び綿花を、わが国学童の福祉計画に充当するために、無償で給付を受ける次第でありまして、これによってわが国の受ける利益については、ここに多言を要しません。  第三に、この協定によりまして、わが国の買い付ける農産物の代金として支払われる八千五百万ドルに相当する円通貨は日本銀行に積み立てられ、そのうち三割は米国政府日本国内において住宅の建設その他の必要物資の買付のために使用することとなっておりまして、いわゆる米国の域外買付の一部として日本の物資及び役務に対する有効需要を喚起する次第でありまして、日本産業に対する好影響も少くないのであります。  第四に、この積立円通貨の七割はドルに交換して、あらためてドル借款として米国から供与を受け、日本の基礎産業でありまする電源の開発、愛知用水、生産性本部等にそれぞれ百八十二億五千万円、三十億円、一億五千万円すつ使用することに相なっておりまして、一億ドルに上る世界銀行借款とともに外資導入の有力な一環であるばかりでなく、わが国財政投融資計画に必要な資金の確保に貢献するところ大であります。(拍手)特に、愛知用水事業は、世界銀行借款とこの協定による借款の二本立によって促進せられ、わが国食糧増産に寄与することは特筆大書すべきことであろうと思うのであります。  第五に、この協定日本米国に従属せしむるものであるとして反対する者もあるのでありまするが、これは当らないと信ずるのであります。何となれば、日本の独立の裏づけとなる経済自立のためには外資の導入が必要でありますることは申すまでもありません。また、今回の協定によりまする借款日米対等の立場に立つ経済借款であるからであります。(拍手)  以上の理由によって、私は、自由党を代表し、この協定賛成するのでありまするが、この機会に次の諸点について政府当局の注意を喚起したいと思うのであります。  第一は、本件交渉は吉田内閣の手によって始められ、吉田内閣時代に順調に進んでおつたのでありまするが、旧臘鳩山内閣成立後は、いわゆるドル条項の問題等をめぐつて、わが方の方針が二転、三転し、ほとんど半年の間空費されたことであります。結果から見れば、もっと大局的の見地から交渉を進め、すみやかに交渉をとりまとめて協定を実施した方が日本のために有利であったことを信ずるものであります。じんぜん今日まで交渉妥結をおくらせました鳩山内閣の不手ぎわを指摘せざるを得ないのであります。(拍手)  第二に、この協定によります農産物の買付は通常取引のワク外になっておりまするが、過去数年間の平均による通常取引量のワク外でありますから、日本の必要量をこえるものではありません。従って、特に日本農業を圧迫するものとも思われませんが、本件協定の運用に当りましては、いやしくも日本農業の利益を害しないように、万全周到な注意を政府当局に要望いたします。  第三に、今回の協定によって米約十万トンを買い付けることになっておりまするが、現在世界の米の市場はいわゆる買手市場であり、日本が東南アジア、中近東方面等から米を輸入することによりまして、これと見合つて日本商品の輸出を少からず増大することも可能でありますから、今後余剰農産物として米国より米を買い付けることにつきましては、輸出増進の見地から格段の注意を希望いたします。  第四に、この協定による借款の使途については、合意された目的の範囲内で随意に使用することができることとなっておりますが、昨年のMSAによる小麦協定によって贈与を受けた一千万ドルの使い方とも関連し、名実ともに日本側が自主的に使用し得るよう政府の善処を希望いたします。  以上をもちまして私の賛成討論を終ります。(拍手
  27. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本件委員長報告通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立]
  28. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって本件委員長報告通り承認するに決しました。(拍手)      ————◇—————
  29. 大石武一

    大石武一君 恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案趣旨説明は延期し、本日はこれにて散会されんことを望みます。
  30. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 大石君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって動議のごとく決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時六分散会