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1955-03-28 第22回国会 衆議院 本会議 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年三月二十八日(月曜日)     —————————————  議事日程 第七号   昭和三十年三月二十八日     午後一時開議  第一 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員選挙  第二 裁判官訴追委員及び同予備員選挙  第三 皇室会議予備議員選挙  第四 皇室経済会議予備議員選挙  第五 検察官適格審査会委員及び同予備委員選挙  第六 国土総合開発審議会委員選挙  第七 北海道開発審議会委員選挙  第八 首都建設委員会委員選挙  第九 鉄道建設審議会委員選挙  第十 日本ユネスコ国内委員会委員選挙  第十一 飼料需給安定審議会委員選挙  第十二 積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員選挙  第十三 湿田単作地域農業改良促進対策審議会委員選挙  第十四 海岸砂地地帯農業振興対策審議会委員選挙  第十五 畑地農業改良促進対策審議会委員選挙  第十六 離島振興対策審議会委員選挙  第十七 中央青少年問題協議会委員選挙  第十八 自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第十九 捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)     ————————————— ●本日の会議に付した案件  中央選挙管理会委員指名  中央選挙管理会予備委員指名  土地調整委員会委員任命につき事後承認の件  文化財保護委員会委員任命につき同意の件  日程第一 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員選挙  日程第二 裁判官訴追委員及び同予備員選挙  日程第三 皇室会議予備議員選挙  日程第四 皇室経済会議予備議員選挙  日程第五 検察官適格審査会委員及び同予備委員選挙  日程第六 国土総合開発審議会委員選挙  日程第七 北海道開発審議会委員選挙  日程第八 首都建設委員会委員選挙  日程第九 鉄道建設審議会委員選挙  日程第十 日本ユネスコ国内委員会委員選挙  日程第十一 飼料需給安定審議会委員選挙  日程第十二 積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員選挙  日程第十三 湿田単作地域農業改良促進対策審議会委員選挙  日程第十四 海岸砂地地帯農業振興対策審議会委員選挙  日程第十五 畑地農業改良促進対策審議会委員選挙  日程第十六 離島振興対策審議会委員選挙  日程第十七 中央青少年問題協議会委員選挙  日程第十八 自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十九 捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件  昭和三十年度一般会計暫定予算  昭和三十年度特別会計暫定予算  昭和三十年度政府関係機関暫定予算     午後八時五十九分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 中央選挙管理会委員が一名欠員となりましたので、この際同委員指名を行います。
  4. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 中央選挙管理会委員指名については、その手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって議長中央選挙管理会委員山崎広君を指名いたします。      ————◇—————
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) つきましては、予備委員欠員を生じましたので、その指名を行います。
  8. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 中央選挙管理会予備委員指名については、その手続を省略して議長において指名されんことを望みます。
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって議長中央選挙管理会予備委員藤牧新平君を指名いたします。      ————◇—————
  11. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) お諮りいたします。内閣から、土地調整委員会委員津田広君を任命したので、その事後承認を得たいとの申し出がありました。右申し出の通り承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって承認するに決しました。      ————◇—————
  13. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 内閣から、文化財保護委員会委員川北禎一君を任命するため本院の同意を得たいとの申し出がありました。右申し出の通り同意するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって同意するに決しました。      ————◇—————  第一 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員選挙
  15. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第一、裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員選挙を行います。
  16. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員選挙は、その手続を省略して議長において指名せられ、予備員職務を行う順序議長において定められんことを望みます。
  17. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に    山本 粂吉君  浜地 文平君    菅野和太郎君  松山 義雄君    福永 健司君  猪俣 浩三君    田中幾三郎君を指名いたします。  また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員に    米田 吉盛君  木村 俊夫君    木原津與志君  堀内 一雄君を指名いたします。  なお、予備員職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。      ————◇—————  第二 裁判官訴追委員及び同予備   員の選挙
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第二、裁判官訴追委員及び同予備員選挙を行います。
  20. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 裁判官訴追委員及び同予備員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられ、予備員職務を行う順序議長において定められんことを望みます。
  21. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、裁判官訴追委員に    古島 義英君  高木 松吉君    高橋 禎一君  小島 徹三君    灘尾 弘吉君  藤井 盛太君    江崎 真澄君  古屋 貞雄君    坂本 泰良君  菊地養輔君指名いたします。  また、裁判官訴追委員予備員に    野田 武夫君  大坪 保雄君    林   博君  小松  幹君    田万 廣文君を指名いたします。  なお、予備負職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。      ————◇—————  第三 皇室会議予備議員選挙
  23. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第三、皇室会議予備議員選挙を行います。
  24. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 皇室会議予備議員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられ、その職務を行う順序議長において定められんことを望みます。
  25. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長皇室会議予備議員大野伴睦君及び原彪君を指名いたします。  なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。      ————◇—————  第四 皇室経済会議予備議員選挙
  27. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第四、皇室経済会議予備議員選挙を行います。
  28. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 皇室経済会議予備議員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられ、その職務を行う順序議長において定められんことを望みます。
  29. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長皇室経済会議予備議員松永東君及び高津正道君を指名いたします。  なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。      ————◇—————  第五 検察官適格審査会委員及び   同予備委員選挙
  31. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第五、検察官適格審査会委員及び同予備委員選挙を行います。
  32. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 検察官適格審査会委員及び同予備委員選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  33. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、検察官適格審査会委員に    池田正之輔君  稻葉  修君    馬場 元治君  細迫 兼光君を指名いたします。  また、山本利壽君を池田正之輔君予備委員に、椎名隆君を稻葉修君の予備委員に、熊谷憲一君を馬場元治君の予備委員に、飛鳥田一雄君を細迫兼光君の予備委員指名いたします。      ————◇—————  第六 国土総合開発審議会委員の   選挙
  35. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第六、国土総合開発審議会委員選挙を行います。
  36. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 国土総合開発審議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  37. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、国土総合開発審議会委員に    志賀健次郎君  石坂  繁君    川崎末五郎君  松澤 雄藏君    竹尾  弌君  八木 一郎君    原   茂君  赤路 友藏君    竹谷源太郎君を指名いたします。  第七 北海道開発審議会委員の選   挙
  39. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第七、北海道開発審議会委員選挙を行います。
  40. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 北海道開発審議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  41. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、北海道開発審議会委員に    椎熊 三郎君  林  唯義君    川村善八郎君  森 三樹二君    小平  忠君を指名いたします。      ————◇—————  第八 首都建設委員会委員選挙
  43. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第八、首都建設委員会委員選挙を行います。
  44. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 首都建設委員会委員選挙については、その手続を省略し、議長において指名せられんことを望みます。
  45. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、首都建設委員会委員末崎茂男君を指名いたします。      ————◇—————  第九 鉄道建設審議会委員選挙
  47. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第九、鉄道建設審議会委員選挙を行います。
  48. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 鉄道建設審議会委員選挙については、その手続を省略して議長において指名せられんことを望みます。
  49. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、鉄道建設審議会委員に    岸  信介君  清瀬 一郎君    石井光次郎君  大野 伴睦君    正木  清君  淺沼稻武郎君を指名いたします。      ————◇—————  第十 日本ユネスコ国内委員会委   員の選挙
  51. 益谷秀次

  52. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 日本ユネスコ国内委員会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  53. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、日本ユネスコ国内委員会委員に    星島 二郎君  須磨彌吉郎君    伊藤 郷一君  風見  章君を指名いたします。      ————◇—————  第十一 飼料需給安定審議会委員   の選挙
  55. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第十一、飼料需給安定審議会委員選挙を行います。
  56. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 飼料需給安定審議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  57. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、飼料需給安定審議会委員に    遠藤 三郎君  内藤 友明君    足立 篤郎君  永井勝次郎君    西村 彰一君を指名いたします。      ————◇—————  第十二 積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員選挙
  59. 益谷秀次

  60. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  61. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員に    松浦 東介君  田中 彰治君    奧村又十郎君  石田 宥全君    中居英太郎君を指名いたします。      ————◇—————  第十三 湿田単作地域農業改良促進対策審議会委員選挙
  63. 益谷秀次

  64. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 湿田単作地域農業改良促進対策審議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  65. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、湿田単作地域農業改良促進対策審議会委員に    山村新治郎君  小枝 一雄君    青木 一正君  小川 豊明君    吉川 兼光君を指名いたします。      ————◇—————  第十四 海岸砂地地帯農業振興対策審議会委員選挙
  67. 益谷秀次

  68. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 海岸砂地地帯農業振興対策審議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  69. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、海岸砂地地帯農業振興対策審議会委員に    赤澤 正道君  大森 玉木君    徳安 實藏君  川村 継義君    中崎  敏君を指名いたします。      ————◇—————  第十五 畑地農業改良促進対策審議会委員選挙
  71. 益谷秀次

  72. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 畑地農業改良促進対策審議会委員選挙については、その手続を省略して議長において指名せられんことを望みます。
  73. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、畑地農業改良促進対策審議会委員に    赤城 宗徳君  笹山茂太郎君    永山 忠則君  有馬 輝武君    松平 忠久君を指名いたします。      ————◇—————  第十六 離島振興対策審議会委員   の選挙
  75. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第十六、離島振興対策審議会委員選挙を行います。
  76. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 離島振興対策審議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  77. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、離島振興対策審議会委員に    櫻内 義雄君  白浜 仁吉君    伊東 隆治君  大橋 武夫君    吉田 重延君  櫻井 奎夫君    今村  等君を指名いたします。      ————◇—————  第十七 中央青少年問題協議会委員選挙
  79. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第十七、中央青少年問題協議会委員選挙を行います。
  80. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 中央青少年問題協議会委員選挙については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  81. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。  議長は、中央青少年問題協議会委員に    並木 芳雄君  中山 マサ君    山崎 始男君を指名いたします。      ————◇—————  第十八 自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  83. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第十八、自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。商工委員会理事内田常雄君。     〔内田常雄登壇
  84. 内田常雄

    内田常雄君 ただいま議題となりました自転車競技法等臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審議経過並びに結果について御報告を申し上げます。  さきに第十九国会において制定されました自転車競技法等臨時特例に関する法律は、補助金等臨時特例等に関する法律が一年間の限時法として成立しましたのに歩調を合せて本年三月三十一日までの限時法として成立したものでございます。従いまして、自転車競技法等臨時特例に関する法律が本月末をもって効力を失いますと、四月以降何らかの善後措置を講じなければ、基本法たる自転車競技法等目的が達せられなくなるものと考えられるのであります。かかる見地から、暫定予算期間中はとりあえず現行臨時特例法効力を一応延長する措置をとりまして、一時的に法律予算との矛盾から生ずる混乱を防止することが必要となるのでございます。以上が本法案が提出されました理由であります。  本法案は、去る二十四日当委員会に付託せられ、二十五日政府委員より説明を聴取し、二十六日質疑を行い、討論を省略し、採決に付しましたところ、全員をもって可決せられた次第でございます。  右御報告申し上げます。
  85. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  86. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  第十九 捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  87. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第十九、捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。運輸委員長原健三郎君。     〔原健三郎登壇
  88. 原健三郎

    原健三郎君 ただいま議題となりました捕獲審検所検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず本法案の趣旨を簡単に御説明いたします。現行法は、日本国との平和条約第十七条に規定する義務を履行するため、旧捕獲審検所検定いたしました事件に対して連合国より要請があった場合、これを国際法に従って再審査することを目的とするものでありますが、事件の性質上、法律存続期間は、平和条約発効の日から三カ年、すなわち本年四月二十七日までと規定されておるのであります。しかしながら、連合国の再審査要請状況を見ますと、今後なおその要請があるものと予想されますので、これに対応して、存続期間をさらに一カ年延長いたそうとするものであります。  本法案は去る三月二十四日本委員会に付託され、二十六日政府より提案理由並びにその内容について説明を聴取の後、質疑に入りましたところ、何らの質疑もなく、引き続き討論を省略して採決の結果、本法案全会一致をもって政府原案通り可決した次第であります。  以上御報告を申し上げます。
  89. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件
  91. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件を議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  92. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件を議題といたします。委員長報告を求めます。逓信委員長松前重義君。     〔松前重義登壇
  94. 松前重義

    松前重義君 ただいま議題となりました、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件に関しまして逓信委員会における審議経過並びにその結果を御報告申し上げます。  本議案は、日本放送協会昭和三十年度収支予算事業計画及び資金計画につきまして国会承認を求めるために、去る三月二十四日内閣より提出されたのであります。  議案内容につき、まず収支予算から大要を御説明申し上げますれば、日本放送協会昭和三十年度予算総額は、前期から繰り越されるラジオ関係収支剰余金一億五千万円を収入に含めますと、収入支出おのおの百二十三億八千五百万円余でありまして、前年度予算に比較いたしまして約一割の増加となっているのであります。収入のうち資本収入は、ラジオ関係十億二千七百万円余、テレビジョン関係が八億八千三百万円でありまして、これには、放送債券としてラジオテレビジョン、この二つの関係おのおの二億円、長期借入金といたしましてテレビジョン関係に五億五千万円が含まれております。事業収入といたしましては、ラジオ関係九十九億九千三百万円余、テレビジョン関係が三億三千百万円余を計上しておりまするが、事業収入の大部分は申すまでもなく受信料収入でございます。昭和三十年度の受信料収入につきましては、受信料額ラジオでは月額六十七円、三カ月二百円とし、テレビジョンでは月額三百円とし、いずれも前年度同様にいたしまして、受信契約者数の年度内純増加ラジオ六十万、テレビジョン七万五千と見込んで算定しているのであります。  支出につきまして、資本支出といたしましては、ラジオ関係十七億二千万円余、テレビジョン関係三億三千三百万円でありまするが、うち、建設費としては、ラジオ九億二千万円、テレビジョン二億四千百万円余を計上してあるのであります。また事業支出といたしましては、ラジオ関係九十二億円余、テレビジョン関係八億六千百万円余でありまして、これは給与及び放送業務管理等の諸経費に充てられるのでありますが、このうちには業務量増加に伴う最小限度の増員に関する必要経費の増額を含んでいるのであります。  次に事業計画に移りまするが、計画の主眼といたしまして、ラジオについては既設放送局の増力及び中継放送局の新設による難聴地域の解消並びに老朽設備の改善及び放送番組内容の充実があげられ、テレビジョンについては、広島、福岡及び仙台における放送局建設既設設備の改善並びに放送番組の内容充実があけられ、さらに受信機、受像機の改善その他に関する技術研究、放送番組に関する調査研究、受信契約の維持増加、受信料の収納確保、職員の福祉増進等についてそれぞれの計画を立てておるのであります。  次に資金計画でありまするが、これは収支予算及び事業計画に照応する資金の出入に関する計画であります。  以上をもちまして本議案内容説明を終ったのでございまするが、逓信委員会におきましては、去る三月二十四日本案の付託を受け、翌二十五日以降数回にわたり長時間に及ぶ会議を開き、政府当局の説明を受け、質疑を行いましたほか、特に参考人として日本放送協会の会長及び理事の出席を求め、その説明をも聴取して、慎重審議を重ねたのであります。  質疑内容といたしましては、まずこの議案に関する予算等の取扱い方につきまして、もしも年度開始前に国会承認を得られなかった場合には、法律上いかような効果を生じ、実際上いかに措置されるかの点が究明され、また現に国家予算上未確定である国際放送政府交付金を収入に計上してあることに関し、事業計画の不安定が心配せられ、その結果に対する責任の帰属の点がただされたのであります。さらにまた、放送事業の経営につきましては、国際放送の拡充、中波放送の増力による大陸西南諸島に対する国内放送の可聴範囲の拡大、民間放送の発達に伴うNHKの番組編成方針の改革、巡回相談業務の状況、職員の給与体系及び給与に関する予算総則弾力条項の適用方などをめぐりまして、きわめて広範多岐にわたる質疑が展開されたのであります。  これら質疑応答の詳細は会議録に譲ることといたしますが、郵政大臣及び政府当局のこの間の答弁におきまして、国際放送に対する政府交付金については、政府は、本予算において責任をもってこれを計上するのみならず、国際放送の緊要性を重視し、これが拡充に対する予算を増額すること、中波放送の増力については、放送協会当局をして可及的すみやかにこれが実現をはからしむること、職員の給与体系及び給与に関する予算総則弾力条項の適用に関しましても、職員の実質的待遇改善を実現し得るように極力努力すること等を言明されましたことを特に申し添えておきたいと存じます。  かくして委員会は本日質疑を打ち切り、直ちに討論に入ったのでありますが、討論に際し、日本民主党を代表して廣瀬正雄君、日本社会党を代表して森本靖君及び日本社会党を代表して前田榮之助君は、いずれも、公共放送の使命にかんがみ、各般の施策に万全を期するよう、関係当局に一そうの努力を要望して、本議案承認を与えるに賛成の意見を述べられたのであります。  委員会は、次いで採決の結果、全会一致をもって本議案はこれに承認を与うべきものと議決した次第であります。  なお、委員会は、委員愛知揆一君の動議により、本件審議の過程における論議の動向に照らし、この際政府及び日本放送協会の注意を喚起する必要があるものと認めまして次のごとく全会一致をもって附帯決議を行なったのであります。     附帯決議   政府並びに日本放送協会当局は、左の各項に掲げる事項の達成に努むべきである。   一、国際放送を拡充すること。   二、経営の合理化、能率の増進等によって経費の節減を図り、協会従業員の待遇を改善すること。   右決議する。 以上でございます。  これをもって御報告を終ります。(拍手)
  95. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本件は委員長報告の通り承認するに決しました。  この際暫時休憩いたします。     午後九時二十八分休憩      ————◇—————     午後十時二十五分開議
  97. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ————◇—————  昭和三十年度一般会計暫定予算  昭和三十年度特別会計暫定予算  昭和三十年度政府関係機関暫定予算
  98. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 議事日程追加緊急動議を提出いたします。すなわち、昭和三十年度一般会計暫定予算昭和三十年度特別会計暫定予算昭和三十年度政府関係機関暫定予算、右三件を一括議題となし、この際委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  99. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  昭和三十年度一般会計暫定予算昭和三十年度特別会計暫定予算昭和三十年度政府関係機関暫定予算、右三件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。予算委員長牧野良三君。     〔牧野良三君登壇
  101. 牧野良三

    ○牧野良三君 ただいま議題となりました昭和三十年度一般会計暫定予算外二案につきまして、予算委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  これら三案はいずれも四月及び五月分の暫定予算であります。御承知の通りに、昭和三十年度の本予算案は目下政府において編成中でありまして、その本院提出は四月十五日ごろと予定されているようであります。従って、国会におけるこれが審議期間を勘案いたしますると、本予算の成立は五月以降と見られますので、その間の予算の空白を避けるため暫定予算が編成されたわけであることは御承知の通りでございます。この暫定予算三案には、四月及び五月中に支出を必要とする最小限度経費が計上されており、その性質上、新規の事務や事業に伴う諸経費は原則として計上されてはおりません。従ってこれはいわゆる事務的予算であると言い得るのでござります。  元来、暫定予算というものは、本予算成立後は当然これに吸収され、いわば本予算の一部前払いとでも申すべきものでありまするので、これと全然切り離して考えるわけには参りません。そこで、この暫定予算三案を審議するに当りましては、昭和三十年度本予算の大体の骨組みがどうなっておるかということを知る必要が出て参ってくるので、このことを政府に申し入れましたるところ、これに対して本予算の骨格に関する大蔵大臣の構想が委員会に提示されたのでございます。その構想によりますると、一般会計においては、一兆円のワクを堅持し、そのワク内において住宅対策、社会保障その他の重要な諸経費を重点的に計上しまして、一般の経費は極力圧縮し、かつ税収入に関しましては、平年度において五百億円、明年度は三百億円の直接税の減税を実施するというのでございます。  さて、暫定予算内容を申し上げますと、一般会計の歳出総額は一千六百八億円余、歳入総額は一千二百八十三億円余でありまして、差引三百二十五億円弱の歳入不足となるのでありますが、これは国庫余裕金をもってまかなうことといたしておりまして、予算の執行には支障がございません。なお、必要に応じまして大蔵省証券を百億円まで発行できることになっております。暫定予算の性質上、歳出入いずれも二十九年度補正後の予算とほぼ同一のべースによっておりまして、歳入については四、五月中の収入見込み額、歳出については原則として月割り計算二カ月分が計上せられておるのでございます。ただし、失業対策費のような経費は、最近の実績を勘案いたしまして前年度のベースを若干上回るというように仕組まれる注意が施されております。また反対に、庁費及び旅費等の経常的な事務費の類は、節約の見地に立ちまして、月割り額の八割以内しか計上せられておりません。補助費につきましては、義務的なものにして特に四月、五月中に現実に国からの資金の交付を必要とするものに限りまして計上されております。その他は原則として計上せられておりません。ただし、補助費のうちでも災害復旧費は、特に前年度予算額の四分の一程度が計上せられております。なお、補助費の計上を少くいたしましたる結果として、地方財政の資金繰りを悪化させるようなことが考えられることをおもんばかりまして、これを避けるため、地方交付税交付金、義務教育費国庫負担金、生活保護費等はそれぞれ三カ月分程度計上され、また必要に応じて資金運用部資金による短期融資も考慮せられることになっております。  次に、特別会計及び政府関係機関の暫定予算につきましては一般会計に準じて編成せられておりますが、その経費の計上に当っては、過去の契約実績等を考慮して、できるだけ経済界に悪影響を与えないような配慮が行われております。  以上が暫定予算三案の内容でございます。  さて、この予算三案は、去る三月二十四日委員会に付託せられまして、自来審査を続け、本日これが審査を終了いたしました。この間におきまして、委員会におきましては各委員より重要なる質疑応答が行われたのでございまするが、それらはすべて会議録によって御承知を願いたいと存じます。  討論に先だちまして、社会党両派より昭和三十年度一般会計暫定予算外二案の編成がえを求める動議が提出せられました。その内容もまた会議録によって御承知を願いたいと存じます。  討論の後、採決の結果、編成がえを求める動議は否決になりまして、暫定予算三案は政府原案通り可決せられました。  最後に、自由党より暫定予算に対する附帯決議案が提出せられまして、採決の結果可決されました。  その内容は  (一) 公共事業の補助事業につき、継続的な事業については、四、五月分の補助費を計上すること。  (二) その他の補助金につき、昭和二十九年度予算に計上されたる項目のものについては、昭和二十九年度までに必要のなくなつたもの以外は、四、五月分の補助費を計上すること。 というのでございます。詳細はこれもまた会議録をごらん願いたいと存じます。  以上をもって委員長報告といたします。(拍手)
  102. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 赤松勇君外十六名から、昭和三十年度一般会計暫定予算外二件の編成替を求めるの動議が提出されております。この際その趣旨弁明を許します。柳田秀一君。     〔柳田秀一君登壇
  103. 柳田秀一

    ○柳田秀一君 私は、日本社会党両派を代表して政府に対し昭和三十年度暫定予算の組みかえを要求し、以下その趣旨を簡単に述べんとするものであります。詳細なること、あるいは数字等に関しましては、お手元にお配りしてありまする印刷物を御参照願いたいと存じます。  元来、暫定予算そのものにつきましては、それが全く事務的な必要最小限度のものであるならば、われわれは、前国会の早期解散を主張した立場からも、やむを得ないものとしてこれを認めるに何らやぶさかでないことは、初めに申し上げておきます。しかし、今回政府提出にかかる暫定予算案は、遺憾ながら根本的に幾多の欠陥を持っておるのでありまして、われわれといたしましては、原案のままではとうていこれを了承するわけには参らないのであります。  過日の予算委員会において大蔵大臣は、今回の暫定予算には政策的な経費は含んでいない、人件費、事務費その他の経常費の最小限度の額であると説明されたのであります。ところが、防衛支出金は二十九年度予算そのままの三カ月分を計上じてあるのであります。この問題は、ただに三十年度予算編成の山であるばかりでなく、防衛分担金の削減分を住宅政策に回すと宣伝して選挙に臨んだ鳩山内閣の政治生命にも関する最も政策的な経費だとわれわれは見ておるのであります。(拍手)  両派社会党は、不平等条約を改廃して日本の完全な独立を達成するという建前から、防衛分担金に対しては根本的に否定するものでありますが、かりに政府の立場に立ったとしても、大蔵大臣言明のごとく政策的経費は計上しないというのならば、なぜこんなものまで暫定予算に繰り入れたのであるか。政府は、すでに幾たびも発表した通り、米軍一カ師団引き揚げで日本側分担金百八十億円は不要になると言っておる。さらに、特需ドル払いの減退傾向によって、本年の見通しでは、来軍側の分担金ドル払いは円貨換算で優に三百億円程度も減少するのではないかと推定される今日、何を苦しんで交渉過程においてこのような過大な支出を認める必要がありますか。繰り越し明許費をもって操作できるのでありますから、これはよろしく全額削除すべきが当然と考えるのであります。防衛庁経費についても同様であり、目下の日米交渉は分担金の削減と防衛庁費とからみ合って交渉されておることは周知の事実であります。われわれ社会党は、平和憲法違反のやみの再軍備は一切認めておりません。しかし、現実当面の問題として人員の給与維持についての最低所要額のみを計上し、その他の費用は一切削除いたしたのであります。以上による財源百五十七億円をもって政府が当然国民に義務として支出すべき費目にして支出をしていない、たとえば社会保障、義務教育、地方自治に対する政府支出を修正して、これを正真正銘の必要最小限度まで増額せしめようというのが、われわれの組みかえ案の主眼点であります。(拍手)  正直なところ、われわれは、失業対策、社会保険、生活保護等、二十九年度においてすでに大幅の赤字を出しておる社会保障費については、あれほど社会保障の拡充を強く叫ばれた現内閣のことでありますから、当然公約の実行を予算という数字をもってお示しになるだろうと、われわれの政治常識はさよう期待しておったのであります。ところが、今回の政府予算案には、それらのほとんどが赤字を出した昨年のままの数字の月割りしか計上されておりません。これでは羊頭を掲げて狗肉を売ったと言われても一言半句の弁解もございません。(拍手)  すなわち、失業対策費について見まするに、二十九年度予算の対象人員十七万人をわずかに二万増の十九万人しか見込まれておりません。政府発表によりましても、現在完全失業者は六十万をこえておる。これでは、少々の失業保険でまかなっても、この深刻なる失業対策には九牛の一毛にしか当りません。われわれの組みかえ案の三十億円増をもってしてもなお少しとさえわれわれは考えておるくらいであります。しかも、予算説明書によりますと、これで失業対策に万全を期したと書いてあります。万全というのは、政府にとっては非常に重宝な言葉のようであります。  さらに、社会保険、特に健康保険の赤字は今日重大な社会問題となっておりまするが、現在すでに四十億、本年末には九十億を上回るでありましょう。これは、生活保護費の赤字とともに、いずれも主として結核の治療費が結核治療の画期的進歩とともに著しく増大したことに基因しておることは明白であります。そもそも、近代国家においては、貧乏と病気を防ぐのは国家社会の責任であるというのが通念であります。(拍手)さればこそ憲法第二十五条が生きてくるのでありますが、とりわけ、失業といい、結核といい、いずれも社会国家の連帯責任でこそあれ、決して個人の責めに帰せらるべきものではありません。従って、われわれは、当然国家の義務支出として組みかえ案については、その最低必要額を二十九年の実績を基準として積算いたした次第であります。  第二に、義務教育費国庫負担金につきましては、政府案には児童数七十万人増による教職員一万七千人の増員分を見込んでおりません。これは明らかに政府の怠慢であり失策であります。かような純事務的費用は、当然年度当初からその半額を国庫負担として計上すべきであると思います。これらの政府の義務支出増に当然地方自治体の財政負担となって参るのでありますが、御承知のごとく、地方財政は、自治庁の発表によりましても、二十八年度決算におきましてすでに四百六十二億の赤字をかかえ、今や破産寸前にあると言っても決して過言ではございません。これは当面国庫からの交付税交付金の増額によってカバーすべきものと思いまして組みかえ案は政府原案より約七十二億の増と相なっております。  以上が社会党両派組みかえ案の骨子でございますが、すでに申し述べました通り、政府は、四、五月中に支出を必要とする最小限度の事務費を計上したと言いながら、緊急一日もゆるがせにできない社会保障、義務教育等の関係において、その最小額すら計上していない。しかも、これらは赤字に悩む地方自治体の財政をより一そう苦しめるものばかりであります。このように完全な骨格すら組み立てられていない予算に、ふしぎなことには、防衛分担金のような肉だけは御丁寧についておるのであります。しかも、この肉は、国民のカロリーを奪い取る贅肉という肉であります。これでは、国民は健康に育つわけにはいきません。今からでも決しておそくはございません。われわれの要求通り組みかえ作業をお始めになるならば、私たちは明日、明後日の二日間で審議を完了するだろうことをお約束申し上げますから、政府のためというよりは、生活にあえぐ国民のために、赤字に悩む地方自治団体のためにも、何とぞ各党各派も御賛同下さらんことを望みます。(拍手)  さらに、終りに当り、この組みかえ案に付帯する二、三の事項について付言いたしておきます。  その第一は、地方財政に対する短期資金の問題であります。今日窮迫しておる地方自治体のために、年度初め約三百億円くらいの融資は、早急に資金運用部資金あるいは預託金等から資金繰りをなされたいのであります。  その第二は、公務員の地域給の是正措置であります。これに関しましては、前国会でほぼ法案成立の運びに至ったまま、解散によって今日までペンディングになっておるのでありますが、法案も遠からず成立すると思いますから、法案成立次第、本予算においては当然四月にさかのぼって支給すべきであることを強く要求いたしておきます。  その第三は、各種の補助金について政府の態度はまことにあいまいであります。すみやかに明確にせられた上、本予算において繰り上げ支給すべきものをこの際明示されるべきであることを要求するのであります。  これらの諸点を付帯事項として要求して、提案理由説明を終ります。(拍手)
  104. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより討論に入ります。赤城宗徳君。     〔赤城宗徳登壇
  105. 赤城宗徳

    ○赤城宗徳君 私は、日本民主党を代表し、ただいま議題となっております暫定予算三案に対しまして、政府原案に賛成し、社会党両派から提出されました編成がえを求めるの動議に対し反対の意見を表明せんとするものであります。  本案はこの四月、五月中の国政運用のために必要な最小限度の経常的経費を計上してありますことは、すでに御承知の通りであります。その内容を検討いたしましても、原則として政策的な諸経費、新規事業に伴う経費の計上はいたしてありません。しかしながら、生活保護費において三カ月分を計上するとか、失業対策費において、一日の吸収人員を、二十九年度予算においては十七万人のところ、最近の事情を勘案して二万人増しの十九万人とし、また保険金給付実人員を、二十九年度予算の月平均四十九万四千人を五十万三千人に予定するなど、社会保障的経費について慎重かつ細心の工夫を講じております。あるいはまた、義務教育国庫負担金を第一・四半期分を計上して地方財政の経理に支障なきを期し、あるいは公共事業関係費の直轄事業については、季節的見地から、北海道、東北、北陸などの寒冷地帯には、当該期間に特に事業の促進をはかるため、前年度予算の四分の一の経費を計上するなど、技術的に格別なる考慮が払われております。  われわれは、年間予算のすみやかなる提出を希望いたします。そしてまた、日本民主党の公約を年間予算に盛り込むことを強く期待しております。しかし、過般の総選挙の結果、年間予算が三月中に成立することが困難である事情にかんがみるとき、本暫定予算をもって四月、五月をまかなわざるを得ないことを認めるとともに、その内容についても特別の考慮を払われていることを認めまして政府原案に賛成するものであります。  次に、自由党より提案されました附帯決議に対しては、この際同意すべきものとして賛意を表します。  社会党両派の編成がえの動議については反対いたすものであります。この動議において指摘しているように、社会保障関係経費昭和二十九年度予算の月割り比率より見てはるかに減額されているという事実はありません。義務教育費国庫負担金についても同様であります。編成がえの動議によれば、これらを増額し、その財源を防衛支出金の削除及び防衛庁経費の減額に求めています。  その理由として、防衛支出金は現在進行中の日米交渉によって日本側の分担額が決定するまで支出を繰り延べよというのでありますが、これは全くおかしな話であります。これらの経費は条約や行政協定に基いて支出されるものであることは言を待ちません。目下進行中の日米交渉によっても全額負担なしという結論に達し得ないことは明らかである以上、前年度予算に比率をとって暫定予算に計上すべきことは、国際信義の上からも当然過ぎるほど当然であります。要するに、社会党両派の編成がえを求むる動議は、その根拠に乏しく、理由ないものと存じます。  すなわち、私は、昭和三十年度暫定予算案に対し、政府原案に賛成し、社会党両派提出の編成がえを求むる動議に反対し、討論を終ります。(拍手)
  106. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 杉村沖治郎君。     〔杉村沖治郎君登壇
  107. 杉村沖治郎

    ○杉村沖治郎君 私は、社会党両派を代表して政府提出の昭和三十年度一般会計暫定予算等三案に反対して、これが撤回を要求し、かつ両派社会党提出の政府予算案組みかえの動議に賛成するものであります。(拍手)  今回提出された政府予算案の最大の特質は、第二次鳩山内閣暫定予算編成方針がまことにずさんきわまっており、国会予算審議の権威をそこなうことはなはだしかったのであります。(拍手)申すまでもなく、暫定予算は年度予算に包含される性格のものでありますから、年度予算の編成方針、骨格予算の概要、年度間の財政投融資計画等については政府はできるだけ忠実に国会報告して、暫定予算審議をして十分ならしむべきが至当であります。しかるに、鳩山内閣は、第一次内閣を組織して以来三カ月以上を経由し、かつ第二次内閣の主要閣僚は引き続き留任して国政に参与しているにもかかわらず、予算編成の基本方針に関しては閣議にもかけていない。一萬田蔵相の構想なる、わら半紙三枚ほどのガリ版刷り資料を提出しただけであります。しかも、その内容たるや、総選挙の最中に繰り返された民主党のいわゆる公約の羅列があるばかりであります。すなわち、政府は、明年度予算を一兆円のワク内にとどめて、そのうちで住宅四十二万戸の建設、社会保障費の増額、中小全業向け貸付資金の増額、貿易向け融資の増額等を行い、かつ一方では平年度換算五百億円の減税を行う等のから手形を乱発しております。しかも、一兆円予算の効用を高めるため物価引下げに努力すると言っております。  しかしながら、まず第一に、物価引き下げについて政府がいかなる所信を持っておるか、今までに少しも明らかにされておりません。最近の国内物価は一月以来上昇気配を続けており、海外物価も、西欧の景気好転の結果として、鉄、鋼を初め、原料相場が全般に値上りしております。加えて海上運賃も値上りしてきたので、わが国に輸入される原料品の日本到着価格は割高になってきておるのであります。このために、国内物価全般、特に輸出品価格の上昇を来たし、この影響は食料品を中心として消費財にも波及しつつあります。このために、生産におけるコスト高と賃金引き上げの必要が本年の物価の前途に大きく課題として横たわっておるのでありますが、政府は、このようにきびしい経済の現実に目をそむけて、相変らず、言葉だけで、いわゆる公約なるものをもてあそんでおるのであります。  一萬田蔵相は、年度予算の編成構想のうちで、財政投融資資金は前年度並みの二千八百億円と余剰農産物見返り円資金二百億円とを合算した三千億程度と述べてお歩ますが、従来の経験から見れば、余剰農産物と見返り円資金の使用は、アメリカ側の指示によって初めて融資される、いわゆるMSAひもつき資金であります。これをわが国政府側の自主的資金計画のうちに繰り入れて考えることはできません。従って、昨年並みの二千八百億円程度の資金で実質的な財政投融資計画を立てるとすれば、住宅建設、貿易振興、中小企業向け融資等の総花式な盛りだくさんの鳩山内閣の公約は、全面的に資金不足となって公約実現不可能となることは、まことに明らかであります。(拍手)  しかも、これに加えて、目下進行中の日米交渉における防衛支出金の分担額について、もし鳩山内閣が公約している通り削減することがアメリカ側から拒否されれば、各種公約実現のための財源をこの分担額の削減分に期待することは不可能になり、この面からも鳩山内閣は明年度予算の編成難に陥るのであります。また、万一分担額の削減に一応成功したとしても、対米外交においては吉田内閣と同じく米国追随の鳩山外交では、かえってその裏に隠されたアメリカ側との取引条件によってわが国経済をますますアメリカに従属する方向に陥れるほかはないのであります。(拍手)  このように、明年度予算編成について何ら方針も明らかにし得ない政府の手によって提出された暫定予算が年度予算編成方針から全く遊離したのは当然の結果であります。政府はこの結果を純事務的な暫定予算編成という体裁のいい言葉でごまかしておりますが、純事務的な予算編成としてはまことに不完全きわまるものであることは、両派社会党の共同提出にかかる組みかえ動議説明で柳田議員が指摘された通りであります。すなわち、社会保障関係費、義務教育国庫負担金、地方財政に対する交付税交付金等について当然に暫定予算において昨年度予算月割り額に比べて増額すべき理由が明らかに存在している事実を、政府はこれを無視しているのであります。しかも、一方では、これも柳田議員が指摘された通り、防衛支出金や防衛庁経費については、事務的予算編成の範囲を逸脱するような経費を計上しているのであります。従って、わが両派社会党が政府提出案を組みかえんとするのは、国会議員としての責務上当然の任務を遂行せんがためにほかありません。  私は、今回提出された政府予算案のように、純事務的予算案の名に隠れて年度予算編成との関係を明らかにしないような予算提出は、予算審議上の重大な悪例を残すものとして断固として反対し、これが撤回を求め、両派社会党提出の組みかえ動議に賛成するものであります。(拍手)
  108. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 倉石忠雄君。     〔倉石忠雄君登壇
  109. 倉石忠雄

    ○倉石忠雄君 私は、ただいま議題となりましたる昭和三十年度暫定予算三案に対して、自由党を代表して、わが党提出にかかる附帯決議案の可決を条件として政府原案に賛成し、両派社会党の組みかえ案に反対の意を表明せんとするものであります。(拍手)予算委員会におけるわが党同僚の質問に対しまして、政府の答弁はすこぶるあいまいでありましてしかも一貫性を欠き、とうてい了承いたしがたきものでありますので、当然修正組みかえを要求いたすべきが本筋ではありまするが、かくては、年度末が数日に迫っておりまする今日、明年度初頭より財政的空白を生ずるおそれがありますので、われわれはこの際忍びがたきを忍んでこれを承認いたし、三十年度本予算案編成の際、わが党の指摘いたしましたる諸点に、特にその附帯決議案の継続的補助事業国庫負担金に対し、本暫定予算の補正を要求せんとするものであります。  以下、数点を指摘いたしまして、政府及びその与党の反省を促さんとするものであります。(拍手)  第一に申し上げたいと存じますことは、今回予算委員会に資料として政府より提出されましたる「昭和三十年度予算の骨格に関する大蔵大臣の構想」なる文書であります。これを拝見いたしますれば、それには数字的裏づけは全くございませんで、ただ数字の表示されておりまする点は、予算の総ワクを一兆円以内に押える、減税は三百億と申されているのみであります。これでは、わが自由党内閣がやって参りました緊縮財政を現在もなおそのまま踏襲いたしたにすぎないのでありまして、しかも内容的には、三十年度の国民所得額や物価の見通し、あるいはさらに国際収支の見通し等につきまして全然見当もつけておらず、ただ漫然とその規模を一兆円と押えたにすぎないのであります。しかるに、政府及びその与党は、過般の総選挙においては国民大衆の飛びつきそうな好餌を盛りだくさんに掲げましたために、国民の方がかえって公約過多症に陥りましたことは御承知の通りであります。(拍手)この盛りだくさんの公約を、政府は一兆円予算というワク内で果していかに処理せらるるお考えでありましょうか。このたびの大蔵大臣の構想なるものは、これについて何らの数学的説明がございません。おそらく、これは、政府自体に何らの確信も見通しもない証左であろうと思われるのであります。  このように、昭和三十年度本予算案にいまだ何ら具体的な見通しのないままに編成されましたる暫定予算案でありますので、この予算案が、筋の通ったものではなく、多くの欠陥を持ったものであるのは当然と申さなければならないのであります。私は、まずこの点を指摘して以下、その内容につきわれわれの所見を申し述べてみたいと存ずる次第であります。  第二には、本暫定予算案は、政策を盛り込んだものではないと称しながら、実は大きな政策を含んでおることであります。しかも、それは、地方行財政に重大なる影響を及ぼす性質のものであることは御承知の通りであります。すなわち、地方財政に対し、生活保護費、義務教育費、地方交付税交付金、災害復旧補助金等が三カ月分計上され、他の公共事業は直轄事業の二カ月分だけが計上されておりまするけれども、一面においては災害復旧費を除く公共事業の補助金及び普通補助金が全部落されておることであります。昭和二十八年度暫定予算の前例を見ましても、継続的な補助事業や普通補助につきまして必要最小限度経費はりっぱに暫定予算に計上をいたしておいたのであります。しかるに、この前例を破って、かかる補助金を全然削除いたしました政府の本来の意図するところは、昭和三十年度本予算案において大幅に補助金を整理せんとする下心の現われであると断定いたして差しつかえないのであります。(拍手)このような大幅なる補助金整理ということは、きわめて重大なる政策でありましてこれを前提としての暫定予算案は、政策的内容を盛ってはならないとする暫定予算本来の性質よりして、わが党のとうてい承認しがたいところであります。(拍手)  また、このような暫定予算が地方の財政、行政に及ぼす影響もきわめて重大であります。第一には、従来補助金に依存いたして参りました各種の事業や事務が全くお先まっ暗となり、事業や行政の非常な混乱及び停滞を来たすのみならず、かりに地方団体が独自の見解で事業を遂行するといたしましても、地方財政の現状はとうていこれを許さないのであります。御承知のごとく、地方財政は二十八年度決算においてもすでに四百六十二億円の赤字を出しており、二十九年度決算においてはおそらく六百億円に近い赤字の累積となるものと推察されるのであります。なるほど、交付税、義務教育費国庫負担金等は三カ月分を計上いたしてはありまするけれども、これをもってしても、都道府県の赤字団体は、わが党の調査によりますれば、おそらく四、五の二カ月で約九十億の財源不足を生ずる見込みであります。このような実情を考えまするときに、今回の暫定予算は地方財政を困窮に追い込む以外の何ものでもないとわれわれは断言せざるを得ないのであります。(拍手)私どもは、国家財政のあり方を考えまするときに、今日のいわゆる補助金と称されるものは、予算総額の三分の一、すなわち約三千億円余となっておりまするので、これが不当不急なるものの整理の必要のありますることを痛感いたすものではあります。しかしながら、ことに継続事業等必要性のあるものは事欠かないよう補助金の支出はやむを得ないものであると存じまするので、わが党提出の附帯決議案のごとく善処せらるるよう、強くここにこれを要望いたす次第であります。  第三に指摘いたしたいと存じますことは、防衛支出金の点であります。鳩山内閣は、総選挙中、防衛分担金の大幅削減を陰に陽に宣伝いたされまして、あるいはこれによって住宅建設費を増額するがごとき口吻をもしばしば内閣総理大臣みずから漏らされましたことは、いまだ私どもの耳に新たなるところであります。(拍手)しかるに、本暫定予算を拝見いたしまするに、防衛支出金は二十九年度予算の三カ月分を機械的に計上いたしておるにすぎず、かかる重大なる事項が現在に至るまでなおいまだ未解決に残されておりますことを、私どもははなはだ心外に存ずる次第であります。(拍手)事柄は現在なお交渉中に属する問題でございまするがゆえに、私はこれについて多くを申し述べることを御遠慮いたしますが、今後の交渉を十分に監視し、本予算案において追及すべきは徹底的に究明いたしたいと存ずる次第であります。  第四には、義務教育費国庫負担額についてであります。およそ小学校児童は昭和三十年度において約七十五万人の増加を見込まれるのでありますが、これがため、校舎の増築も必要ではありまするけれども、さしむき教職員の増員約二万人が必要であると称せられておるのであります。しかるに、本暫定予算案には、その考慮を何ら払われた跡がございません。このようなことがまた地方財政をますます圧迫する結果に相なってくることは当然であります。(拍手)わが党は、当面地方財政の困窮を切り抜けるために特別なる融資の道を講ぜられるよう強く要望いたす次第であります。  第五には、農村民に対する不当課税の問題であります。御承知のごとく、政府の米の買い上げ額は、二十九年度産米は二十八年度産米に比しわずかに一割五分ないし二割を増加いたしておるのに対し、その税金は二倍から三倍になっておることであります。これがために、地方農村の人々は、その負担に悲鳴を上げておるのは御承知の通りでありまして政府によって何らの措置がとられておらないことを、私どもはこの際強く指摘せざるを得ない次第であります。  第六には、国際収支の悪化と物価値上りの問題でありまするが、自由党内閣の緊縮政策により物価は漸次国際価額に近づき、輸出も次第に好転して参りましたことは御承知の通りであります。しかるに、旧臘鳩山内閣が成立いたしまするや、時を同じゅうして、卸売物価は平均二%の騰貴を示し、国際収支は次第に悪化の傾向を来たし、輸出は漸次落潮を示しつつ今日に及んでおるのであります。かくのごとく物価は高騰の足取りを示しておるにもかかわらず、本暫定予算に計上されておる物件費の基準は昭和二十九年度補正後の価格より二割天引きをいたしておるのは、いかがなものでございましょうか。私どもは、経費の節減に対して何ら異論を略えるものではありません。しかしながら、予算算出の根拠において、三十年度の物価の見通しもなく、漫然とただ二割天引きをせらるるがごとき不合理かつ非科学的態度につき、政府の反省を求むる次第であります。(拍手)  以上申し述べましたごとく、本暫定予算は、補助金の大幅整理という重要なる政策の一端を盛り込みっつ、しかも、その他の点については、思いつきの責めふさぎの予算としか思われませんので、この際私どもは修正組みかえを要求すべきではありまするが、当初申し述べました理由により、この際附帯決議を付して原案の成立に賛成いたさんとするものであります。附帯決議につきましては、委員長報告がございましたので、これを省略いたす次第であります。  次に、両派社会党の組みかえ提案でございますが、防衛分担金百四十七億円の全額を削除し、これを社会保障費、義務教育費その他に振り向けようとせられるのでございますけれども、たとい防衛分担金減額の交渉中とは申しながら、これは日米行政協定に基くわが方の義務でございますので、私は遺憾ながら両派社会党の理念には賛成を表しかねる次第であります。  本暫定予算案に対するわが党の立場を明確にいたし、私は自由党の討論を終結いたす次第であります。(拍手)
  110. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、赤松勇君外十六名提出、昭和三十年度一般会計暫定予算外二件の編成替を求めるの動議採決いたします。赤松勇君外十六名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  111. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立少数。よって赤松勇君外十六名提出の動議は否決されました。  次に、昭和三十年度一般会計暫定予算外二件を一括して採決いたします。三件の委員長報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  112. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって三件とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)  明二十九日は定刻より本会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後十一時十六分散会