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1955-07-29 第22回国会 衆議院 農林水産委員会 第50号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月二十九日(金曜日)    午後一時五十七分開議  出席委員    委員長 綱島 正興君    理事 安藤  覺君 理事 白浜 仁吉君    理事 松浦 東介君 理事 鈴木 善幸君    理事 中馬 辰猪君 理事 足鹿  覺君    理事 稲富 稜人君       五十嵐吉藏君    井出一太郎君       伊東 岩男君    石坂  繁君       木村 文男君    楠美 省吾君       小枝 一雄君    笹山茂太郎君       丹羽 兵助君    原  捨思君       本名  武君    足立 篤郎君       川村善八郎君    助川 良平君       田口長治郎君    平野 三郎君       松野 頼三君    赤路 友藏君       淡谷 悠藏君    井谷 正吉君       石田 宥全君    芳賀  貢君       伊瀬幸太郎君    川俣 清音君       佐竹 新市君    中村 時雄君       日野 吉夫君    久保田 豊君  出席政府委員         農林政務次官  吉川 久衛君         農林事務官         (農地局長)  渡部 伍良君         食糧庁長官   清井  正君         林野庁長官   柴田  榮君  委員外出席者         大蔵事務官         (国税庁直税部         長)      村山 達雄君         農 林 技 官         (農地局建設部         災害復旧課長) 大塚 常治君         農林事務官         (食糧庁業務第         一部需給課長) 大口 駿一君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 七月二十九日  委員石田宥全君辞任につき、その補欠として小  川豊明君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 七月二十八日  北海道における国有林野風害木等売払代金  の納付に関する特別措置法の一部を改正する法  律案綱島正興君外三名提出衆法第七三号)  中央卸売市場法の一部を改正する法律案(田中  啓一君外六名提出参法第二八号)(予) 同月二十九日  農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定  措置に関する法律の一部を改正する法律案(芳  賀貢君外三十八名提出衆法第七六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  小豆の取引及びその価格安定措置等について参  考人出頭要求に関する件  昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家  に対する米麦売渡特例に関する法律案(綱  島正興君外七名提出衆法第六八号)  北海道における国有林野風害木等売払代金  の納付に関する特別措置法の一部を改正する法  律案綱島正興君外三名提出衆法第七三号)  農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定  措置に関する法律の一部を改正する法律案(芳  賀貢君外三十八名提出衆法第七六号)  農業課税に関する件  主要農産物検査規格改正に関する件     —————————————
  2. 綱島正興

    綱島委員長 これより会議を開きます。  北海道における国有林野風害木等売払代金納付に関する特別措置法の一部を改正する法律案議題なし審査を進めます。まず本案趣旨について提案者説明を求めます。川俣清音君。
  3. 川俣清音

    川俣委員 ただいま提案となりました北海道における国有林野風害木等売払代金納付に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  昭和二十九年五月及び九月の暴風雨によりまして北海道に生じた国有林野の未曾有の風害木処理につきましては、おおむね二十九年度以降三カ年に整理する計画に基きまして、その生産は比較的順調に進捗しておりまするが、その消化につきましてはすこぶる低調でありますので、その需要面を喚起する意味から風害木の使用につきましては、一般災害復旧公共施設等用途にも広く充当して風害木等緊急処理の円滑をはかる必要があり、このためその買い受け機関としての地方公共団体等に対しましては風害木等の売り払いについて代金延納期同等特例を認めんとするものであります。  これは昨年十二月成立を見ました北海道における国有林野風害木等売払代金納付に関する特例措置法の一部を改正しまして、その用途面を拡大いたしまして風害木等の総合的な処理の完璧を期する目的をもって本法改正提出する次第であります。  次に本法改正案内容の要旨を御説明申し上げます。まず現行法風害木等の売り払いを受けるものの資格として、北海道における災害救助法に基き救助が行われたものに限定していること、及び買受機関が市町村としていることに対しまして、改正案におきましては北海道内地を含め、かつ災害救助法適用以外の災害を受けたもの及び一部一般施設にまで拡大していること、及び買受機関につきましては都道府県及びその地方公共団体並びに日本住宅公団範囲を拡大したことであります。  なおこれが適用の期限は風害木処理搬出路関係で一部三十二年度にまたがって生産されるものに対処してさらに一年半の延長を行わんとするものであります。  以上が本改正案提出理由並びに内容の概要でございます。  御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 綱島正興

    綱島委員長 これより質疑に入ります。御質疑はございませんか。——なければこの際、井出委員より、本案に対する修正案提出いたされております。趣旨説明を求めます。井出一太郎君。
  5. 井出一太郎

    井出委員 ただいま提案岩代表川俣委員より提案理由の御説明がありましたが、私はここに本案に対しまして修正案提出いたすものでございます。案文はただいまお手元へ配付申し上げてありまするので、それをごらん願うことにして、朗読は省略いたします。  本修正案につきましてその趣旨を御説明申し上げますると、第一点は本文第三項を削除することであります。地方公共団体公共用災害復旧用等以外の個人または一般業者施設資材に対してまでその代金支払いの責任を負うことにつきましては、地方公共団体性格等にかんがみまして、別途立法措置を講ずることがより適切と考えられますので、次期国会においてこれが立法化を考慮することにいたし、従いましてこの際は同項々削除することであります。  第二点は付則第三順々新たに加えることであります。都府県への風害木の国による直営輸送販売木材の円滑なる流通を促進することによりまして、間接ではありますが、風害木に対する需要を喚起いたそうとするものであります。  以上修正案趣旨についての御説明を終ります。何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。
  6. 綱島正興

    綱島委員長 ただいま井出委員より提出されましたる修正案について質疑その他御意見がありましたら、この際これ々許します。
  7. 川俣清音

    川俣委員 提案者を代表いたしまして、修正案について賛成いたします。
  8. 綱島正興

    綱島委員長 御質疑はありませんか。御質疑がなければ、これより原案及び修正案を一括して討論に付します。討論はございませんか。   〔「討論なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 綱島正興

    綱島委員長 討論もなければ、引き続いて採決をいたします。  まず修正案について採決いたします。賛成者の御起立を求めます。   〔総員起立
  10. 綱島正興

    綱島委員長 起立総員。  次に修正部分を除いて、原案について採決をいたします。賛成の方の起立を求めます。   〔総員起立
  11. 綱島正興

    綱島委員長 起立総員。よって本案修正案のごとく修正すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお本案に関する報告書作成委員長に御一任願いたいと思います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 綱島正興

    綱島委員長 御異議がなければそのように取り計らいます。     —————————————
  13. 綱島正興

    綱島委員長 次に昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家に対する米麦売渡特例に関する法律案議題といたし審査を進めます。質疑はありませんか。足立委員
  14. 足立篤郎

    足立委員 安売りをなさるわけですけれども、その安売りをなさる価格、この一点だけお伺いします。生産者価格となっていますが、一体幾らで売られるのですか。
  15. 大口駿一

    大口説明員 政府の売り渡します価格は、法律に書いてあるのでございますけれども、二十九年産保有米麦を流失したことによって飯用米不足を来たした農家に売る場合は、二十九年産米生産者価格であるところの玄米三等一石当り九千百二十円。それから水害を原因といたしまして本年秋の米が減収になりまして、そのために明年までの飯用米不足を来たす農家に売り渡す価格は、本年の政府買い上げ価格でありますところの玄米の三等二石当り九十七百五十五円というものを基礎として、農林大臣が定める価格で売り渡すことを考えておるわけであります。外米、麦数等はおおむねその水準で考えております。
  16. 足立篤郎

    足立委員 そうしますと、現在成育しつつある水稲が今度の水害被害を受けた。それで期待される米がとれなくて減収になって、農家の生活に著しい影響を及ぼして、この法律適用を受けて、安売りを受ける場合には、三十年産米価格ということになるのですか。
  17. 大口駿一

    大口説明員 その通りでありまして、その場合に売り渡す価格は、三十年産米政府買入れ価格同様価格、九千七百五十五円ということになるわけであります。
  18. 足立篤郎

    足立委員 そういたしますと、今あなたがおっしゃったように、二十九年にとれた米を保有しておって、これが今度の水害で流失、埋没等によって農家が食糧がなくなって因った場合だけに限って、二十九年度の価格適用するのですか。
  19. 大口駿一

    大口説明員 その通り考えております。
  20. 綱島正興

    綱島委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  21. 綱島正興

    綱島委員長 速記を始めて。  昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家に対する米麦売渡特例に関する法律案について、この際国会法第五十七条の三の規定によりまして、内閣意見を述べる機会を与えることにいたします。古川政府委員
  22. 吉川久衛

    吉川政府委員 ただいまの昭和三十年六月及び七月の水害による被害農家に対する米麦売渡特例に関する案件につきましては、政府におきましては異存はございません。
  23. 綱島正興

    綱島委員長 質疑はございませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 綱島正興

    綱島委員長 質疑がなければ、次に討論に入りますが、討論はございませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 綱島正興

    綱島委員長 なければ直ちに採決をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、採決いたします。本案賛成諸君の御起立を求めます。   〔総員起立
  27. 綱島正興

    綱島委員長 起立総員。よって本案原案通り可決すべきものと決しました。  なおお諮りをいたします。本案衆議院規則第八十六条の規定による報告書作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。     —————————————
  29. 綱島正興

    綱島委員長 本日付託になりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案議題といたし、審査に入ります。まず本案趣旨について提案者説明を求めます。芳賀貢君。
  30. 芳賀貢

    芳賀委員 ただいま提案と相なりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由の御説明を申し上げます。  東北北海道は、本年六月及び七月の水害によりまして、農林水産業施設に多大の被害をこうむったのであります。御承知のごとく、東北北海道は大部分寒冷単作地帯であります上に、昭和二十八、二十九年の両年にわたり、冷害による災害をこうむりまして、一般農家疲弊困窮はなはだしいのでございます。従いまして現行国庫補助をもってしましては、これら農地等災害の十分なる復旧は不可能でありますので、この際これら復旧事業に対する補助程度を高めることといたそうとするのであります。すなわち現行法では、一カ所の工事費十万円以上のものに対しまして補助することとなっておりますのを一七万円以上に改め、補助範囲を拡大するとともに、補助率を引き上げて十分の七といたそうとするのであります。これにより、今次水害による災害復旧事業を急速に促進いたし、もって農林水産業生産力維持向上に資そうといたすものであります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  31. 綱島正興

    綱島委員長 本案に対して質疑をなさる方に発言を許します。質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 綱島正興

    綱島委員長 質疑がなければ本案予算を伴う法律案でありますので、この機会内閣意見を述べる機会を与えたいと存じます。吉川政務次官
  33. 吉川久衛

    吉川政府委員 本件に関しましては政府部内においてただいままで意見一致を見ることができないのでございます。農林省といたしましても、この程度災害では特別立法の要を認めがたいのでございます。今後の発生災害もこの程度のものは増発することが予想されます。よって次々にこの特別立法適用されていくと思われるのであります。  第二に政令で指定されない地区の十万円以上の災害が、小災害より低率であるのは不適当であると考えるのであります。  次に小災害は経費が少いにかかわらず、府県並びに事務局係官事務量か漸増するのでありまして、実地査定が十分に行われないために、大蔵省予算が認められがたいという、まことに残念でございますが、かような見解でございます。
  34. 綱島正興

    綱島委員長 ただいま内閣よりは通常災害の十万円以上のものと、それからこのたびのような災害の七万円より十万円のものとの間における均衡がとれなくなるというような御意見もありまして、継続的にこういう災害がだんだん起ってくると、どうも不公平になっていくようだという御意見のようでありますが、それらについて委員諸君の御意見がありましたら伺うことにいたします。
  35. 足立篤郎

    足立委員 吉川政務次官のただいまの内閣としての御見解を承わったのでありますが、内閣内部で不統一である、同時にまた農林省内部にも異論があるという趣旨のようでございます。しかし本案各派共同提案になっておりまして、与党委員諸君はこの提案に当って政府側といかなるお打ち合せをなさって提案者になり、あるいは賛成者になられたか、私は与党のお考えをまず参考に伺っておきたいと思います。委員長においてお取り計らいを願いたいと思います。
  36. 本名武

    本名委員 ただいまの政府の御意見を承わりますと、私ども考えとだいぶ違うようでございます。数字に対する観念は一応筋が通るようでございますけれども、まず第一に災害実情ということをあまり深く御存じなくてこういう意見が出たのではないかと思います。ここで深く災害実情を申し上げる必要はないと思いますけれども、その点を一つ御勘案いただきたい。さらにまた、私どもはこれを提案するに当りましても、党内の意見調整はもちろんのこと、ことに全会一致提案いたしたのでございます。これについて政府は当然善処すべきものであると私は確信いたします。どうかあらためて御意見を承わりたいと思います。
  37. 吉川久衛

    吉川政府委員 私ども意見を申し上げたのでございますが、ただいま足立委員から御質疑もございましたり、それに対して本名委員から与党野党を問わず全会一致での共同提案であるということでもございますので、善処いたしたいと思います。
  38. 綱島正興

    綱島委員長 ほかに御質疑はございませんか。——質疑がなければこれより討論に入ります。討論はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 綱島正興

    綱島委員長 討論がなければこれより採決をいたします。本案賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  40. 綱島正興

    綱島委員長 起立総員。よって本案原案通り可決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。本案委員会報告書作成につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。     —————————————
  42. 綱島正興

    綱島委員長 次に足立委員より発言を求められておりますからこれを許します。足立委員
  43. 足立篤郎

    足立委員 私はこの際各派の御了承と御賛成を得まして、主要農産物検査規格改正に関する決議案を動議として提出いたしたいと存じます。  まず決議案案文を朗読いたします。    主要農産物検査規格改正に関する件(案)  主要農産物検査等級は出廻りの実態に即せず政府買上げ価格実質的引下げとなっている実情に鑑み、政府は、昭和三十年産米より適用するため速かに検査規格整理改正し、もって生産農民実質所得を保障する措置を講ずべきである。   右決議する。  案文は以上朗読した通りでございます。また本決議案趣旨につきましても、決議案内容において明確になっておる通りでございますが、最近の主要農産物検査実態を見まするに、検査等級の低位のものが非常に多く、一等、二等というような級位のものはほとんど出回っておりません。過去五年間における統計を見ましても、一等級のものは毎年ほとんど〇%でございます。二等級が、米についてもわずか二%程度で、四等級以下のものが過半数を占めるという実情にございます。私も地元の関係で各町村について調査してみましたけれども、はなはだしい村におきましては九五%あるいは九三%というものが四等あるいは五等になっております。これは昔と比べて一般的に品質が落ちたということがあるいは言えるかもしれませんけれども、この等級価格の問題が表裏不可分関係にあることは申すまでもないのでありまして、政府は三等米を基準にして米価を決定しておきながら、検査規格があまりにも厳粛であるがために、実質的には農民所得の引き下げになっておるということは見のがせない事実でございます。この検査規格関係から不測損害をこうむっております全国農家損害を計算いたしますれば、おそらく莫大な金額に上るのであろうと推察いたすのであります。特殊な災害があった場合はいざ知らず、いやしくも平年作ないしはそれに近いできばえの年におきましては、少くとも価格基準になっております三等米というものがほぼ中心をなしていなければならぬ。その前後に二等、一等あるいは下に四等、五等というものが触れておりまして、大体三等米が基準になっていなければならないにかかわらず、四等ないしは五等が全国平均におきましても約六〇%を占めるということは、いかに農民がこの検査規格によって不測損害をこうむっているかということが言えると思うのであります。麦につきましても同様でございます。従いまして、この際検査規格を出回りの実態に即するように改めていただきたいというのが、この決議案趣旨でございます。この決議案が幸いにして満場一致可決せられました場合には、委員長におかれまして、政府に対して強力にこの措置を要請され、本文にあります通り、この昭和三十年産米からこれを必ず適用いたしまして、調整、是正を行いますように善処されんことを委員長に対して特につけ加えてお願いをいたしまして、趣旨の弁明といたします。
  44. 綱島正興

    綱島委員長 ただいまの足立委員決議案に対して別に御質疑はございませんか。——質疑がなければ、これを本委員会決議となすことに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め足立委員提案通り委員会決議とすることに決定をいたします。なおこの決議の取扱いについては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なければ、さように決定いたします。  なおこの際農林大臣食糧庁長官等にこの決議に関する御意見を伺っておきます。
  47. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいま御決議になりました主要農産物検査規格改正に関する問題につきましては、特に米の検査規格等級につきましては、御趣旨の点十分了承いたしました。ただ、私は決してここで理屈を申そうというのではございませんけれども、御承知通りに米の品質を保持するために現在の規格政府といたしては設けてあり、検査を励行しておると私は存じております。これがあとからその規格基準して米価を決定いたしたという順序にはなっておりますけれども、ただいまお示しの通り実態はあらためて申し上げませんが、四等、五等が半数以上になるようなことになっておりまして、必ずしもこれが実情に沿わないことになっておりますので、先般麦の検査規程を変えましたことは御承知通りであります。諸般の点につきまして十分研究調査をいたしまして、御趣旨に沿うように三十年産米買い上げに間に合いますように、政府といたしましては善処いたしますように努力いたしますことを申し上げておきたいと思います。
  48. 石田宥全

    石田(宥)委員 ただいま大臣は善処すると言われましたが、先般この三十年産米に対する検査規格整理改正は行わないという達しが出ておるはずでありますが、その点一つ明らかにしておいていただきたいと思います。
  49. 河野一郎

    河野国務大臣 政府改正をする意図を持たずに今日まで参ったのであります。しかし本委員会においてこういう御決議がありましたので、そこで私といたしましては、ただいま申し上げたように善処いたします。その通達はもう出したか出さぬか、ちょっと取り調べなければわかりませんけれども、申し上げた通りいたしますから御了承願います。
  50. 石田宥全

    石田(宥)委員 検査のことは、規格整理改正ということになると、等級の問題になる。それから実際の検査になりますと、規格そのものは動かさないが、標準米のとり方は年々変えておられるのです。ですからこの点は、規格そのもの整理改正しなくても、その年の産米実情に応じて、その年の産米の大部分標準の三等米に該当するように標準米査定をしんしゃくをする、この二通りの処置がある。今大臣のお考えになっておられるのは、どっちの方で善処するということですか。
  51. 河野一郎

    河野国務大臣 そういうお尋ねならば、両方だと申し上げるわけでありますが、問題は配給価格の方を据え置きにいたしまして、買上価格を先般決定いたしましたようにいたしまして、その差額が先般一応申し上げたような推定になるわけでございます。それをここで今委員会の御決議通り考えますれば、たとえば現在の一等、二等を一等とし、以下三等を二等とし、四等を三等とするということにいたしますれば、食管会計が相当にまた困難な実情になるということになりますので、それで諸般の情勢を十分勘案いたしまして、善処いたしたいと思いますから、しばらく一つおまかせおきを願いたいと思います。
  52. 足立篤郎

    足立委員 私は提案者ですからあえて質問しないつもりだったのですが、今の大臣のお話を聞きますと、ちょうど大蔵省の答弁のような感じがして、語るに落ちたような気がするのです。これは実は見のがせない問題なんです。農林大臣自身が、今年の米価の実質的な価格を算定されるのに、米価を一万百六十円とされても、実際はそれよりずっと下回るのだということをお出しになっておるということをみずから白状していらっしゃる、これが問題なんです。この点をもう少し良心的に考えていただきたい。いろいろ技術的にむずかしい点もあると思います。私は専門家じゃありません。しかし一万百六十円ならば、これはいろいろ奨励金もありますが、農民が期待するものを農民平均的に与えていただきたいということなんです。少くとも規格改正等が技術的に非常に困難で、あるいは農林省がお考えのように品質を落したくないというお考えで、規格規格で置くのだというならば、少くとも出回った数量の等級平均平均米価でなければならぬわけです。従ってそれはおそらく四等と三等の間になる、四等に近いものになる。これは何らかの、数量の平均がほんとうに平均米価で買われるのだという処置をとっていただかぬと、農民はいつもペテンにかかっているわけです。これはぜひ一つ直していただきたい。
  53. 河野一郎

    河野国務大臣 私は諸般の情勢も多少は心得ておりまして、ペテンにかけるというような意思は毛頭持っておりません。おりませんが、あまり明確に答弁をいたしますと、何かまたあと味が残りますので、その点のことは一つおまかせを願いたい。善処いたしますから、どうか御了承いただきたいと思います。
  54. 綱島正興

    綱島委員長 それではこの際暫時休憩いたします。    午後二時五十一分休憩      ————◇—————    午後六時一分開議
  55. 綱島正興

    綱島委員長 午前に引き続いて会議を開きます。  この際お諮りをいたします。明日午後一時より小豆の取引及びその価格安定措置等に関する問題について、穀物取引所の関係者に参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じます。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認めさように決定いたしました。なお参考人の選定につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認めさように取り計います。  次にお諮りをいたします。目下本委員会において審査中の台風常襲地帯における農林水産業の災害防除に関する特別措置法案、この法案は過般の本委員会の懇談会等において大体各派の御了解がありました通り閉会中も継続してこれを審査することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしとすれば、その旨議長に申し出ることにいたします。     —————————————
  59. 綱島正興

    綱島委員長 引き続き農業課税問題について質疑を行います。発言を求められておりますからこれを許します。石田委員
  60. 石田宥全

    石田(宥)委員 部長さんに伺いますが、本委員会におきまして、二十九年度農業所得税の賦課の標準のきめ方について遺憾の点があり、これがために各地において紛争を生じておりましたために、これに対してすみやかに適切なる措置を諸ぜられるべしという決議が行われ、また大蔵委員会並びに参議院農林水産委員会においても同様趣旨決議が行われたことは、部長もよく御承知のところであります。また政府を代表いたしまして、吉川政務次官からも、この決議趣旨を尊重して善処する旨の言明が行われたのであります。その後これに対しまして、国税庁長官名をもって、各地方の税務署長まで、それぞれ適切なる措置を講ずべき旨の指示が行われたことは、その後の国税庁長官の報告によって明らかなところであります。しかしながらその後地方の実情を見ますると、少しも進展しておらない。さらに五月下旬になりまして、国税庁より、各町村長を通じて納税者に対して申し立ての書式等をも付しまして、われわれの方の決議は五月の末日までという決議であったのでありますが、六月十五日までを期して再審等の申し立てをすることができる旨の通知が行われたのであります。   〔委員長退席、稲富委員長代理着席〕 しかるに一面において、地方の税務職員が町村役場を回りまして、このような達しは出ておるけれども、さような再審の申立を行なっても事実上何ら効力のないものであるから、かような再審の申し立て等を出さないように御手配を願いたいということを言って、町村役場を回っておるのです。この事実は部長御承知なんですか、どうですか。
  61. 村山達雄

    ○村山説明員 ただいま石田委員からお話がありましたように、先般の国会の審議を通じまして、二十九年の農業課税の問題について、二つ問題があったわけでございまして、一つは確定申告の当時まだ税務署と納税者の間に話し合いがつかないで、申告が出ていない人たちがあったのであります。もう一つの問題は、すでに申告が出て、税務署ではその申告でけっこうですといっておったが、納税者の言い分としては、それはいわば若干強制されて出されたことだ、必ずしも結得していないのだ、だから自後の課税に対する不服を認めてもらいたい、こういう二つの問題がございまして、これにつきましては、前平田長官が、最初の問題についてはできるだけ実情をよく調査して善処する、それから後の問題につきましては、これは筋としては、そういう間違っておることがはっきりいたしますれば、直すにやぶさかではないけれども、まあそこまで話がきまるについてはいろいろ経緯があるから、できるだけ納税者の方々もしんぼうできる点はしんぼうしてほしい。しかし明らかに間違いであるものにつきましては、申し出があればよく調べましょう、こういうことも答弁いたしまして、その後その旨を税務署の方に通知いたしたわけでございます。ただいま石田委員からお話のありました、その後税務署が地方の役場を回って、すでに申告済みになっておる分についてはなるべく出さないようにというようなことを言ったという事実があったやにわれわれも聞いておりまして、この点は関係国税局並びに税務署に対して、そういう行政の仕方はこの問題の対処の仕方としては間違っておるから、本来の筋でいくようにということを今申しておるわけでございまして、その点はわれわれも十分承知をしておりまして、やり方について税務署が間違わないようにというので、目下指導しつつある現状でございます。
  62. 石田宥全

    石田(宥)委員 今の御答弁でありますと、国税庁としては、決議趣旨を体してその措置をなされたように聞えるのであるけれども、国税庁からの指示に従って、それぞれ町村役場を通じて周知徹底方の手配をしておきながら、二面において、そのようなことをやってもむだであるから、なるべくそれを押えてもらいたいと言って回るようなことは、これは税務署が単独でやったとは考えられない、国税庁は、表面は今申しましたような手配をしておきながら、実はそういうことははなはだ因るからというので、表と裏を変えて、内面的にはそれを抑圧するような措置をすべきであるという指導を行なったのではないかと疑われるのですが、その点どうですか。率直に答えてもらいたい。
  63. 村山達雄

    ○村山説明員 ただいま石田委員が御懸念なさるようなことはありませんから、どうぞそういうふうに御了承願いたいと思います。
  64. 石田宥全

    石田(宥)委員 そういう点がないとすれば、徴税上の手続やその措置は国税庁その他の機関がやられるけれども、税金を徴収するという行政上の事務と徴税というものの区分があるのですかないのですか。はなはだ不勉強でどうもはっきりわからないのですが。
  65. 村山達雄

    ○村山説明員 徴税上の問題につきましては、原則といたしましては個々の納税者のそれぞれの実情に応じて課税並びに徴税のやり方もきめていくのが建前であります。ただ一般的なことにつきまして、つまり大勢の納税者に共通の事柄についてはそこに共通の取扱い方針というものが生まれるわけでありまして、そういう共通の事柄について気がつきました点は国税庁が国税局に、また国税局が税務署に一般的な共通事項として取扱い方を指示しているわけであります。しかし最後はいずれにいたしましても個々の納税者に、それらの精神を生かして、具体的にどうしたらその精神が生きるかということで適用を行うべきものだと考えておりますし、また現にわれわれはそのつもりで行政に当っているわけであります。
  66. 石田宥全

    石田(宥)委員 そういたしますと、今回問題になっているような問題に関しては、個々の問題については署長の権限であるけれども、その取扱いの方針というものについては国税庁または局の方針に基いてやるべきだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  67. 村山達雄

    ○村山説明員 さようでございます。
  68. 石田宥全

    石田(宥)委員 そういたしますと今回新潟県内だけで、その紛争が続いているのが一万二正月ほどあるわけですが、そういう共通した大きな問題について、国税庁並びに国税局がこれが解決のために尽力されることは私は当然だと思うのです。しかるに新潟県内の税務判長会議において、二十九年度農業所得税のことに関しては、国税庁や局からあまりよけいなおせっかいをしてもらいたくない、われわれはわれわれ独自でこれを処理していこうじゃないかという申し合せが行われたと聞いておりますが、御承知ですか。
  69. 村山達雄

    ○村山説明員 そういう申し合せがあったことは国税局からも税務署長からも聞いておりません。
  70. 石田宥全

    石田(宥)委員 これは私直接新涼の税務署長に会って聞いたのでありますが、紛争が非常に解決が困難になっているので、国税局の方から解決のために手伝いに行くという話があったけれども、これはお断わりした、こう言っているのです。少くとも国税庁または局が、こういう紛争について一税務署長にまかしておいては解決が困難だということで、庁なり局がそれに参画して解決を促進しよう、こういう方針のもとに手伝いというか指導というか出かけようというのにこれを拒否している。こういうことは私は先ほどの部長さんのお話からいたしまして非常に重大だと思うのです。いやしくも徴税の方針なり、あるいは紛争が起ったときのその処理なりについて、国税庁または国税局が一定の方針をもって臨んでいるのに、税務署長がこれに従わない。こういうことが起るということは税務行政上重大な問題だと思う。そういう事実が明らかなのでありますが、部長はそういう明らかな事実に対して一体どういうお考えで臨まれているか承わりたい。
  71. 村山達雄

    ○村山説明員 今おっしゃるような話は実は初耳でありますが、おそらくこういうことではないかと想像いたすわけであります。われわれが国税局から取っている報告によりますと、三条税務署のように当時その標準率で申告することについて争いがあった地区について、これはその後調査をいたしまして適切な標準率でその後指導しておりますので、当該地区においては問題がほとんど片づいていると思います。ただその後段の問題でありまして、すでに形の上では税務署と納税者の間で申告時期に争いがないという一応形式になっておった。ただ納税者の方から申しますと、これは自分は不本意ながら厭々ながら出した、こういうものについてその後いろいろな苦情も書面にして出されているわけであります。これがただいま先生のおっしゃった一万何件という数字であろうと思います。問題はその場合、その処理の方針につきましては、国税庁から言っておりますのは、そういうのはなるほど再調査の請求の権限はないけれども、しかし国会の決議もあることであるし、事実またそういう意思に反して不本意ながらやったという事実関係があるのだから、よく調べて、間違っておったというならば直すべきではないか、だから特にそういうように考えるよう、これはわれわれが示した方針でございます。そこでそれに基きまして個々の苦情が出ているわけでございまして、その苦情が事実に合っているかどうかということを調査していきますいわば事実の認定の問題でございますが、これは原則といたしまして当然第一線の税務官署が当るわけです。もちろんその事実認定の問題について、国税庁ないし国税局から見ましてあまりに当を得ていないというはっきりしたことがわかりますれば、その個々の認定についてもまた指導することがあるわけでございますけれども、今の段階では不平が出ておりまして、その不平が正しいかどうかということの調査中だというのが実情でございます。なお付言して申し上げますと、現在報告に出ておりますところでは、概してその種の納税者からの申し出は非常に抽象的で、税務署の方ではもう少し具体的に言ってもらいたい、たとえば標準率はどの経費がどのくらい、どの経費がどのくらいというのでお示しになるわけでございますが、個々の農家につきまして自分のところのこの経費は標準率に含まれたこの金額よりもこれだけ多い、これだけ低い、こういったことを個々に言ってきてほしい、およそ今まで言われたのは、概して所得が二、三割方高いということで、これは地元の農業者のしろうとの方でございますからやむを得ないと思いますけれども、そうしますと全面的に収入と経費の個々に当って全部調べ直さなければならないということになりますので、   〔稲富委員長代理退席、安藤(覺)委員長代理着席〕  もう少し問題点を詰めていただきたいということを今納税者の方に個々に言っているという段階だろうかと思います。そういう意味でおそらくもし国税局の方から行くことについて、まだけっこうですと言ってきたとすれば、まだ国税局をわずらわす段階まで来ていないので、もう少し納税者と話し合って問題の焦点を合わした上で、国税局の指導を仰ぎたいものは仰ぐ、こういう意味で税務署の方では逆に申し入れているのではないかと、私は今までの報告を聞いて察しているわけであります。
  72. 石田宥全

    石田(宥)委員 ただいまお話の前段の二条税務署管内の問題は、片づいたようにお話しになっておりますが、片づいておりません。また税務署もその実情については、統計事務所その他について経済的ないろいろな調査を行なっております。これは一応標準を作って農民に押しつけてみたけれども、自信がないので、今ごろになって二十九年度の農業所得税の経済的な実態を把握するための調査であると私どもは判断せざるを得ないのです。それほど自信を持っておらないのです。  それから農民の方が抽象的なものが多いというお話でありますが、これは実はずっと前に具体的な数字をもって折衝したのでありますけれども農民団体等の調査いたしました数字については、ここ数年来ほとんど一顧も与えない。そうしてもうそれを無視して、独断的に、天下り的に押しつけられてきておるので、そういう数字を出しておらないものも相当にあるわけでありますが、実際はやはり今申し上げるように、税務署も自信を持っておらないことは、われわれが会って話をしても明らかなんです。問題はそういう実情にあるのでございますから、今もう八月になるわけでありますが、なお一万二千戸の農家が紛争を継続しておる。しかも税務署は局なり庁の方針に相反するような、当局に対しても反発的な態度であると同時に、農民に対しても非常な威嚇的な態度をもって臨み、ことに税務署長会議をもって国税庁や局の方針に対して反発する、そういう申し合せをしておるというようなことは、税務行政上許しがたい問題であると考えるのであります。この点については一つ長官とも協議せられまして、早急に対策をお立て願いたい。  もう一点お伺いいたします。これは一度部長を訪問いたしまして話をしたことがあるのでありますが、やはり地方の税務署長はそのように解釈をしておらないようであります。たとえば今部長が言われたように、具体的な数字を出さないところの再審査の申し立て等が多いということでありますが、それが明瞭になって、たとえば必要経費の算出が税務署の方では非常に辛い。いろいろ用人費であるとか、あるいは農薬等の点について、算定がどうも無理であるというようなことがある。これは事実全般的に言い得ることでありますが、そういう点について冬農家が個々に再審査の申し立てはいたしますけれども、それが数石人、数千人というものが同じ個々の申し立てをした場合においては、やはり共通の一つの問題として、税務署の算定の基礎が間違っておるということができると思うのです。そういえ場合においては、やはり共通の問題としてこれを取り扱う。また反収のごときもそういうことが言い得るのであります。もちろんこれは個々の農家ごとに相違する場合もありましょうし、部落ごとに違う場合もありましょうし、町村単位で違う場合もありましょうが、そういう場合にどうしても反収の面において納得がいかないという多数の人たちがあった場合において、その反収というものの算定の基礎について十分話し合いをしなければ解決点に至らないと思う。そういう場合は、その申し立てば個々の問題であり、問題点は個々の問題であっても、やはり共通の問題として、これは農業協同組合なりあるいは農業委員会なり、あるいは農民組合というような団体がこの折衝に当ることが、解決を促進する上において重要な点であろうと考えるのでありますが、そういうふうな考え方と取扱い方についての部長の所見を伺っておきたい。
  73. 村山達雄

    ○村山説明員 ただいまの最初の問題の、税務署がなかなか当局の国税庁なり、国税局の言うことを聞かないという御指摘でございますが、われわれふだん行政に当っておる者としてちょっと信じがたい事実でありますけれども、せっかく御発言がありましたので事実を調査いたしまして、もしそういうことがございましたらそういうような措置、指導をやりたいと思います。それからあとの問題でございますが、これはおっしゃるように、なるほど個々の方からいろいろな申し出をいただくわけでありますが、それがもし共通的な問題であるならばこれは共通の問題として問題にするのが当然でありますので、その処理の仕方もそれに適当な措置というものはおのずからあり得るので、その場合に農業協同組合の方々の御意見を聞くなり、その計算の根拠を便宜一つ議題にして話を進めていくことも当然あっていいと思います。ただ私先ほどから申し上げておるのは、問題が共通的であるか、個別的であるかということでなくて、どちらにしても抽象的であるとなかなか話が進まない、いずれにしても具体的にしてほしい、また具体的な説明をしてほしい、こういうことを申し上げておるわけであります。石田委員のお話の通り、この問題はできるだけ早く片づけたいと思っておるわけでございますが、またそのつもりで現地を指導しておりますので、われわれの受けた報告によりますと、今納税者からの申し入れを聞きましてそれですぐ調査に当れるものと、もう一つその点については、こういう点はどうかということをいわば再照会をして、不服の趣旨を具体的にして、その上で再調査をやる分と二段に分けて手配を進めておるようでございますので、せっかくそういう線に従ってできるだけ急速にかつ円満裏にこの問題を処理して参りたい、かように考えておりますので、一つ御了承を願いたいと思います。
  74. 石田宥全

    石田(宥)委員 大体了解いたしましたが、結局このままに放置しておきますならば、来年度の問題とからんでしまって、お互いに非常に迷惑なことだと思うのです。それで実は関信国税局にもこの実情を以前に訴えまして、開信局の方でも早急解決のために係官を派遣して解決に当ろうとされたんです。ところが先ほど申しましたように、部長の耳には正式には入っておらないかもしれませんが、署長会議等において国税庁や局の言うことは聞くまいという申し合せのもとに、指導に出張するという連絡に対してもこれを拒否するというような態度をとっておられるので、がぜん問題は悪化して、解決に近づこうとしたものが逆転しておる。この点は一つ表面上の報告だけでなしに、実態を部長の方で把握されまして、解決についてお考えを願いたいし、でき得るならば開信局の係官等が——大体地元といたしましても、県農業会議の農政部の諸君が非常に心配をいたしまして、主張の通るべきものは通る、通らないものは通らないでよろしい、いずれにしても早急解決を欲しておるわけでありますから、そういうふうな課税対策協議会というようなものもできておるわけでありますから、そういう団体と協議をされて、税務署長などの中で話のわからない者がおって、上級官庁に反撃を食わせるというような不心得な者があった場合においては、適切な措置をされて、解決のために助力されたいと思いますが、国税局の係官等が地方に出張し、そうしてそれぞれの段階における団体の代表と懇談して解決を促進するという方針について、部長はどういう御見解ですか。
  75. 村山達雄

    ○村山説明員 共通の問題につきまして調査を進める場合に、いわば納税者側の適当な代表機関の御意見なり、そこへ集まっているデータを調べた上で調査に臨むということは、調査上の参考になるだろうと思うわけでありまして、税務署内の資料だけにとらわれずに、できるだけ広く、作報の資料とかあるいは経済統計資料であるとか、各種の資料を集めて実情の認識に誤まりなきを期するということが望ましい方法だと思いますし、そういう意味で国税局から、こういうような問題が起きました場合に、農業団体なり農協なりの意見々聞くことはけっこうだと思うのです。いずれにいたしましても石田委員の御発言通り、ことしも豊作が伝えられて、もうそろそろ来年の課税問題も近づいて参りますので、何とかこの夏中にせめて片をつけまして、また来年は来年で納税者も税務署の方もお互いに理解の行き届いた、息の通った気持で来年また新しいスタートをしたい、かように考えております。
  76. 日野吉夫

    ○日野委員 関連して。この期に至ってもうあす一日しかないので十分審議する時間はございませんが、過般来引続きの問題で、私の関係の方にも若干のものがありまして、今折衝をやっております。過般来問題になっておりますように、課税標準の作り方が作報の標準より非常に高くて、個々の実情にはなはだ遠いものがあるけれども、一度作成した標準をくずすことを非常におそれて、個々の実情々具体的に申し出ても、標準の点になると一歩も譲らない。こういうようなことで折衝が行き悩んでいるという実情にあるのです。国税庁の方から、過般の決議に基き指示を出してもらったのですが、あれ以外に標準をくずしてはならぬ、国税庁の方針々厳守するようにというような指示でも与えておられるのかどうか、そういうことがあるかないか、伺いたい。
  77. 村山達雄

    ○村山説明員 ただいま標準の話が出ましたので、参考に申し上げておきますが、全国の税務署の標準を作った場合の収穫品の見方でございますが、これは五百三ばかり税務署がありますが、五百三の税務署のプール計算でございます。税務署単位のプール計算で見まして、作報の収穫見込高よりも上回っている税務署は多分ないと思っております。ただ問題は、収穫高の見方がそうであるにいたしましても、経費の見方とかそういうものがどうかという点が若干問題になるのと、それから何しろ今の統計は税務署単位の話でございまして、個々の人ということになりますと、これは必ずしも今私が大きなことを言ったようなことは言えるわけではないのでありますけれども、全体としては収穫見の見方については少くともそういうことになっておりますので、御了承を願いたいと思います。  それから、標準を絶対にくずすなというようなものの言い方はしておりませんが、先般この国会の審議を通じまして、間違っておる課税は直せ、そのときに標準を改めるかどうかと言ったときにお答えしておったと思うのでございますが、間違ったものを改めることは少しもやぶさかではない。しかし標準を改訂するということは——これは標準を改訂してみたところで、また改訂した標準に問題がある。ですから、その標準に当てはまらない人について、その当てはまらない点をはっきりさせて、その分だけを直しましょう、こういうふうに申し上げておるわけでございます。標準がある程度平均的に計算されておりますので、すべての人について一々厳格な意味では、すべてその通りであるということにならないということは、標準の性質上初めから予測されるわけでございます。それで例年でございますと、およそのところでしんぼうしていただくことのできるところはそれでしんぼうしていただく。同時にまたその標準では少し安目の方もあるわけでございますので、その辺もある程度のんでおるというのが実情でございます。ことし特にこういう問題が出たということは、標準がそうであるにいたしましても、ことしはやはり相当数の人にとって経費とかそういったことに問題があったのではないかと思っておるわけでございまして、そういったものにつきましては、もとより初めから標準というものはそういう性質のものと考えておりますので、間違った分は課税措置を直す。標準を直してみてもまた今度はほかの人に当てはまらない標準になってくるという点で、それはそのようにお答えしておるので、標準は絶対に直さないというのはがんこで直さないという意味ではなく、標準というものは初めからそういうものである、しかし間違いは直します、こういう意味で申し上げておるわけであります。
  78. 日野吉夫

    ○日野委員 あなたの方でそういうお気持でそういう御指示を与えたとすれば、絶対にこれを守ろうという気持に下僚がなることは大体想像ができるのでありますが、これは申告所得税の精神から申しまして、実情をつまびらかに具申あった場合は十分考慮すべきものである。若干の間違いがあっても、これは標準だからというので、今言われたように、ことしだけしんぼうしてくれ、こういうようなことが強く打ち出されて、この折衝が妥結を見てないというのが実情であります。今若干のものが残っておりまするが、先刻来言っておられますように、来年の所得の問題が問題になる時期にもなっておるので、これを二つ改めて、二十九度分の所得税のまだ未解決のものは早急にきめろ、こういう一つの指示をお出し願いたい、こう思っておるのですが、そういうお気持はございませんか。
  79. 村山達雄

    ○村山説明員 全く今お話のように、われわれの方としてもできるだけ早く解決したいという気持に燃えておるわけでございまして、今後そういう方針で急速に指導して参りたい、かように考えております。
  80. 日野吉夫

    ○日野委員 これはあとのことになりますので、あとの国会で、こう忙しいときでなく、じっくりと相談したいと思うのですが、やはり課税標準がどこまでも問題になると思うのです。そこで課税標準を作る場合に、従来は農民団体の代表として民主的な農民組合の代表等も招致して、いろいろの意見も聞いておったのですが、いつのころからそうなりましたか、農協や農業委員会等の諸君は呼びますが、うるさく意見等を述べる農民組合等の代表がすっかりこの相談を受けなくなった。そういうところにいろいろの不合理が出ているのです。申告所得税になってこの相談会を持つようになってからも相当長くなって、税務署とそれらの農協幹部や農業委員会幹部との間にいろいろのくされ縁がついているような事情もよく例がございます。先刻来のお話のように、来年の標準はもっといいものを、合理的なものを作ろうというお考えがあるようでありますから、来年度の標準を作る場合には、申告所得税の趣旨に沿うようにもっと合理的な、過般のような過誤を犯さないように、できるだけ広く民主的な農民団体の代表等も入れて、一つよりよい標準を作ることを希望しておきますが、そういう民主的な団体の代表をも入れて相談をしてみよう、こういうお考えがおありでございましょうか、どうですか。
  81. 村山達雄

    ○村山説明員 標準作成のやり方につきまして、今後できるだけ合理的な線に持っていきたいという点は全く同感でございまして、現にこの国会の解義を通じまして、われわれ国税庁自身も、標準作成の技術的の問題についてことしは再検討を加えてみたい、かように考えておるわけであります。現地でそれらの標準を作る場合に、各方面よりデータをとるということはもちろん必要なことであります。その場合に外部の資料としていかなる資料が適正な標準を作るのに適当であるか、こういう問題の一環として、いろいろお話を承わる方面はおのずからきまってくるものと思います。これはむしろその土地々々の実情によって、どこが一番そういう適正なデータを持ち得る組織を持っておるか、また事実持っておるかということでおのずからきまってくるわけでございまして、どこの団体はいかぬとか、どこの団体はやっぱり推薦に値するということを一がいに国税庁から国税局ないし税務署に言うことは、一般には言うことがかえって機械的になり、結果に妥当性を欠くおそれがありますので、差し控えておりますが、適正な資料を得られる方面に十分聞くように、こういう線で今までも指導しておりますし、今後も指導して参りたいと思います。
  82. 日野吉夫

    ○日野委員 時間もありませんから簡単に申しますが、まず今未解決になっておるものの早急解決と、次期の合理的な標準作成のために、多少気ぎらいされたような感じがありますが、農民組合の代表等も今や成長しております、むちゃなことは申し上げませんから、できるだけ入れてもらいたい、こういう注文をつけておきます。  あとのことは一つ次期の国会で十分研究、論議いたしたいと思います。
  83. 安藤覺

    ○安藤(覺)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十四分散会      ————◇—————