○
石田(宥)
委員 ただいまの点は
米価審議会の懇談の際に、品質等が
決定をした場合にはすみやかに対策を講ずるという言明があったので、
米価審議会はこれを了として御承知の
ような申答をしたわけであります。ですから今
山本委員が
指摘されました点については徐々に実績が現われて参っておるので、これは遠からず適切なる
処置を願いたいと思うわけであります。
私、この機会に
米価審議会の
答申を中心といたしまして、
米価についての
考え方の点を明らかにしておきたいと思うのです。それは昨日も
足鹿委員から質問がありましたが、明確なる答弁を大臣は避けておられる。午前中の各
委員の質疑の中にも出ておりますけれども、この点はやはり明確になっておらないのであります。
一体米価に対する
考え方でありますが、私どもは
米価というものはやはりいわゆる
基本米価——いろいろな格差であるとか、
奨励金であるとかいうものを取り除いた裸
米価を中心に考うべきであると思う。過去において食管法のもとにおいて
米価が
決定されましたけれども、いいろろ付随的なものがありまして、たとえば早場米
奨励金があり、あるいは完遂
奨励金があり、さらにまた超過供出
奨励金という
ようなものがあって、非常な複数
米価になっておる。こういうふうな複数
米価であったということが、一面からいえば供出の制度を失敗に終らしめておる。失敗しておるから、思う
ように供出がいかないからといって、さらにまた
奨励措置としていろいろな金額をくっつける。ますます悪くなる。こういうことになったと私は思うのです。こういうふうな
考え方からいたしまして、
米価というものを単数
米価にする。きわめて特殊の時期別格差という
ように、端境期の食いつなぎのためにどうして必要であり、また早期に供出する
ような米々作ることによって減収があったり、特別な費用がかかったりするという
ような面については、これは別に
考えなければならないけれども、そうでない限りにおきましては単数
米価でいくべきだと私どもは
考えているのです。そういうふうな
考え方から参りますならば、三十
年度の
政府の参考案として
米価審議会に示された
考え方というものは、総
手取り平均という
ような、ああいう一万六十円というきめ方は非常に間違いだと思う。しかしながらいろいろな
奨励金的なものを整理されたという点について私は賛成できるのですが、そういうふうに
考えて参りますと、今度の
答申の中の主要な問題は一、二、三とりあますが、一は
政府の提案の買入価格は不適当であるというのですから問題ではないし、三はやはりこれも
政府が消費者価格を上げないということになっておりますから、この点も問題ではない。そこで二項の問題でありますが、大臣は
米価審議会に臨むに当って、これは本
委員会においてもしばしば言明されたことでありますが、
米価の
決定は
米価審議会の
答申を尊重して
決定したいということをしばしば繰り返しておられる。特に今年の
米価審議会はあまり前例のない諮問の出し方であって、
政府原案の諮問案なるものを出さずに、三十年産の
米価はいかに
決定すべきかという諮問をなされたわけでありますから、従って
米価審議会もそれに即応する
ような
答申の仕方をいたしたわけであります。他の
委員によって質疑が行われておりまするから、何回もやりとりする必要はないと思いますので、繰り返しませんが、そういう経緯にかんがみまして本
年度の
米価審議会の
答申というものは、これはただ諮問に基いて
答申をしたという
ようなものでなしに、これは昨年の
審議会の
答申に端を発しているのであります。たとえば昨年の
審議会の
答申の中にパリティ
米価というものは時宜に即さないから、
生産費を中心とする
米価でなければならないという
答申をし、それに基いて
政府は専門
委員会なるものを設置して
米価の算定方式について論究をしておられた、さらに
米価審議会で小
委員会を作って、そうして
答申をしたわけでありますが、その小
委員会を作るという
過程におきましても、
米価というものは政治的な
米価であったり、ことしの
ようなつかみ勘定の
米価——これは大臣はいろいろ理屈をつけておられるのでありますけれども、明らかにつかみ勘定なんです。一万円
米価という以上は、少し日に当てなければならないだろうというので、総
手取り平均価格で一万六十円というつかみ勘定、こういうふうに政治的に左右される
米価であったり、あるいはまた財政面から
決定される
ような
米価であってはならない。こういう点を考慮いたしまして、特に
米価審議会の中における小
委員会を設置する場合におきまして、私ども政党の代表は一応遠慮をし
よう、そうして経済学者を中心として、権威ある算定方式についての
答申をし
よう、こういうことになったのでありまして、その
経過も十分大臣は承知をしておられるはずであります。従ってこの小
委員会の
報告も、まだ十分討議を尽したとはいわれませんけれども、とにかく一応の中間
報告的なものが出て参ったのでありますが、少くとも金額がどういう結論になるかということは、第二次的に
考えまして、少くとも本
年度の
米価審議会の
答申にありますこの
生産費所得補償方式という
米価の算定方式だけは、これは画期的な
一つの問題点であり、将来にこの
答申を十分に生かさなければならないと
考える。この点について
米価のあり方という観点から、大臣の率直な
考えを承わっておきたいと思うわけであります。