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1955-06-14 第22回国会 衆議院 農林水産委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年六月十四日(火曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 綱島 正興君    理事 井出一太郎君 理事 白浜 仁吉君    理事 松浦 東介君 理事 大野 市郎君    理事 鈴木 善幸君 理事 足鹿  覺君    理事 稲富 稜人君       赤澤 正道君    安藤  覺君       五十嵐吉藏君    伊東 岩男君       石坂  繁君    大森 玉木君       楠美 省吾君    笹山茂太郎君       原  捨思君    本名  武君       足立 篤郎君    川村善八郎君       助川 良平君    田口長治郎君       中馬 辰猪君    平野 三郎君       松山 義雄君    赤路 友藏君       淡谷 悠藏君    井谷 正吉君       石田 宥全君    楯 兼次郎君       芳賀  貢君    伊瀬幸太郎君       川俣 清音君    佐竹 新市君       中村 時雄君    日野 吉夫君  出席政府委員         農林政務次官  吉川 久衛君  委員外出席者         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 六月十三日  委員久保田豊辞任につき、その補欠として岡  田春夫君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員松野頼三君辞任につき、その補欠として平  野三郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 六月十日  食生活改善に伴うパン食普及に関する請願(大  西正道紹介)(第二一三二号)  防災ため池事業促進に関する請願田中利勝君  紹介)(第二一三三号)  山梨県のひよう害対策確立に関する請願(古屋  貞雄君紹介)(第二一三四号)  相知町の水害対策確立に関する請願八木昇君  紹介)(第二一五八号) の審査を本委員会付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  自作農維持創設資金融通法案内閣提出第六二  号)  砂糖価格安定及び輸入に関する臨時措置に関  する法律案内閣提出第九六号)  農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣  提出第一二四号)  砂糖価格安定及び輸入に関する臨時措置に関  する法律案特定物資輸入に関する臨時措置  に関する法律案及び特殊物資納付金処理特別会  計法案について、大蔵委員会及び商工委員会と  連合審査会開会に関する件農産物に関する日本  国とアメリカ合衆国との間の協定締結につい  て承認を求めるの件について、外務委員会に連  合審査会開会申入れに関する件  租税特別措置法等の一部を改正する法律案につ  いて、大蔵委員会連合審査会開会申入れに関  する件  日本学校給食会法案について、文教委員会に連  合審査会開会申入れに関する件  昭和三十年産米価格に関する件     —————————————
  2. 綱島正興

    綱島委員長 ただいまより委員会を開きます。  去る五月二十日付で付託になりました自作農維持創設資金融通法案、五月二十七日付付託になりました砂糖価格安定及び輸入に関する臨時措置に関する法律案及び六月六日付託になりました農業災害補償法の一部を改正する法律案の各内閣提出法律案を順次議題といたし、審査に入ります。まず各案の趣旨について逐次政府の説明を求めます。吉川政務次官
  3. 吉川久衛

    吉川政府委員 自作農維持創設資金融通法案提案理由を御説明申し上げます。  御承知通り農地改革の結果といたしまして二百万町歩を越える小作地自作地となり、四百二十万戸を越える農家がその売り渡しを受け、自作農として農業に精進することになったのであります。この農地改革の成果の維持につきましては、現在農地法がその法制的部面を担当しているわけでありますが、自作地維持するため必要な資金融通措置についての制度はいまだ十分確立されるには至っておりません。これがためすでに政府昭和二十六年度から自作農創設特別措置特別会計余裕金の運用によりまして、農地または採算放牧地買い取り売り渡しの形式により、とりあえず農民の窮境を救う一助として参りましたが、とうてい農家資金需要を満たすには至らなかったのであります。  近年農村における資金難から、自然災害はもちろん疾病その他の個人的災害相続等による臨時支出をまかなうために、農地または採草放牧地を売却するのやむなきに至る自作農が逐年増加しており、特に経済的に弱い農家転落の危険にさらされておるのであります。従いまして、この際新たに農業経営の安定、農家転落防止のための措置制度的に確立することは刻下の急務と考えられるのであります。よって政府は、農地及び採草放牧地農業経営の基盤であり、かつ農業者がこれらを所有することがその農業経営の安定をはかるための要件であることにかんがみまして、農林漁業金融公庫がその取得、維持または細分化防止のために必要な資金を、長期かつ低利で貸し付けることにより、農家経営の安定をはかることとし、このための立法措置を講ずることといたしたわけであります。  この法律案のおもな内容について御説明申し上げますと、第一に貸付金といたしまして、農業経営を安定させるため農地または採草放牧地を取得するのに必要な資金、小作農が小作地または小作採草放牧地を取得するのに必要な資金農地または採草放牧地相続による細分化防止するのに必要な資金疾病、負傷、災害等のため自作地または自作採草放牧地維持することが困難な場合にこれらの土地を維持するのに必要な資金の四種類について貸付を行うことといたしました。  第二に、貸付条件につきましては、この資金の性格上、さきに申し上げましたように長期低利とし、年利五分五厘、償還期間は十五年以内といたしました。  第三に、貸付を受けようとする者の適否の認定都道府県知事が行い、その認定を受ける場合には、農業経営安定計画を作成せしめることといたしました。都道府県指導及び援助のもとにこの計画を確実に実施することによってその経営を安定せしめ、みずから償還財源を確保し得るようにし、もって本制度目的の達成をはかることといたしたいのであります。  なおこの法律案の施行に伴い、この法律案規定する業務公庫業務に加えることにいたし、これに伴い、農林漁業金融公庫法につきまして必要な改正を附則で行うことといたしました。  以上が、この法律案のおもな内容でございますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。  次に、砂糖価格安定及び輸入に関する臨時措置法案提出理由を御説明いたします。  申すまでもなく、砂糖供給は、国内で生産されるテンサイ糖及び一部黒糖を除いて、その大部分を海外に依存してをり、政府といたしましても、国内需要量を充足するため必要な輸入については、その確保に努めている次第でありますが、現下の外貨事情にかんがみまして、みずからその輸入量を大幅に増加することは制約を免れない実情にございます。従いまして、こうした事情にあるため、砂糖国内価格は主として外貨事情に起因し、変動常ない推移をたどっており、昭和二十九年度におきましても、その市場価格変動率は約二割五分にも達している次第であります。しかも供給量制約せられておる関係から、その市場価格は、国際価格に比して高位の水準にあり、結果的に砂糖輸入に伴って差益が発生し、これが国内市場価格の不安定の一因となっておると考えられるのであります。  政府といたしましては、こうした国内価格の不安定による国民生活への悪影響を排除するとともに、他方砂糖代替関係にあるテンサイ糖及び水あめの原料である澱粉、ひいてイモ類生産農家経営の安定を所期するためには、砂糖価格を適正な水準に安定させることが、当面肝要であり、また外貨資金制約に起因して砂糖輸入差益が生じ、それが特定業者に集中することは、社会公益の見地から適当でないと思量する次第であります。  この法律はこのような理由によりまして、砂糖安定価格帯を設け、必要量輸入措置と相待って、適正な水準価格を安定させるとともに、外貨資金割当に伴う輸入差益の徴収をはかることを目的といたしております。  しかしながら、政府は一方わが国経済力の充実に即応して、砂糖輸入量の増加をはかり、漸次砂糖国内価格水準を低下せしめつつその輸入差益を減少ないし解消させることを期しておりますので、この法律の効力を三ヵ年に限っている次第であります。  なお、申すまでもないことでありますが、砂糖価格の安定かつ適正化をはかって参る上において、国内生産にかかるテンサイ及びイモ類価格につきましても、十分な配慮をめぐらし、それらの国内産農産物自給度の向上にも遺憾のないよういたしたいと存じます。  次にこの法律内容を御説明いたします。まず砂糖価格安定につきましては、政府砂糖価格を適正な水準に安定させる指標といたしまして、主要銘柄砂糖について、砂糖需給事情輸入価格代替農産物価格その他の経済事情を参酌して安定価格帯を定め、これを公表することとし、砂糖価格安定価格帯に照応した水準を越えて変動し、またはそのおそれのある場合には、砂糖精製業者に対して、砂糖安定価格帯範囲内で販売すべき旨の勧告や、さらに販売または精製数量についての必要な勧告を行うことができることとするとともに、なお必要に応じては、販売業者及び輸入業者価格につきましても、特に安定価格帯に照応した価格砂糖販売すべき旨の勧告を行うことができることとし、もって砂糖価格安定をはかることといたしておるのであります。  また砂糖輸入に伴って生ずる特別輸入利益につきましては、砂糖輸入に関する外貨資金割当を受けたものから、輸入砂糖国内販売価格輸入価格との差額政府が徴収することができることとし、その手続を定めております。その際の徴収する差益につきましては、原則として政府安定価格帯に照応して定める国内販売価格船積地域市価等を参酌して定める輸入価格との差額をとることを建前といたし、なお市価悪影響のない範囲においては一部を精製業者等企業努力を刺激する意味におきまして、外貨資金割当を受ける者の競争による見積差額をとる余地を残すことといたしております。  なお、この法律によって徴収される特別輸入利益は、特殊物資納付金処理特別会計に納付せられ、同会計から産業投資特別会計へ繰り入れられて財政投融資財源として活用せられることになっております。  以上がこの法律案のおもな内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
  4. 足立篤郎

    足立委員 ただいま上程されました法案に関する資料要求いたしたいと思います。  過去三ヵ年における月別の次に申し上げる資料を御提出願いたいと思います。国内価格変動、この価格につきましては輸入価格卸売価格小売価格を、できるだけこまかに提出していただきたいと思います。それから過去三ヵ年間における月別輸入数量、なお国内における消費数量は明確にはわからないかもしれませんが、わかるだけあげていただきたい。つまりランニング・ストックになった分と消費された分、それから国内における砂糖価格変動の影響を受けて、どの程度澱粉あるいはブドウ糖、テンサイ糖、なおまたカンショ、バレイショ等価格変動したかというこの過去の実績を明示していただきたい。それから同じく過去三年間における月別国際価格、なるべく地域別に明らかにしていただきたい。  なお船賃の変動につきましても参考資料として添付していただきたい。  なお過去三ヵ年間における輸入数量の中で、いわゆるリンク制による輸入、これがどういう物資にリンクされて、どの程度原糖が輸入されたかという実績も明らかにしていただきたい。  以上の資料を御提出願いたいと思います。
  5. 吉川久衛

    吉川政府委員 足立委員のただいまの御要求資料はすみやかに調製いたしまして提出をいたします。  次に農業災害補償法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  農業災害補償制度改正については、かねて農業災害補償制度協議会において検討中であり、昨年十二月に至り農作物共済改正等について、中間申し合せが行われたのでありますが、その実施については、諸般の事情から制度改正に資するための基礎的な農作物被害調査の拡充、一筆石建のための準備措置としての基準収量調査等のみを本年度から実施することとし、その他については、なお慎重に今後検討を続けるごとといたしたいと存じているのであります。しかしながら、家畜共済臨時特例に関する法律が本年十月一日に失効することになりますので、その失効に伴う措置を定めることと、市町村合併にあわせて農業共済組合合併が望ましく、かつ合併後の運営円滑化のため法律措置が必要となりますので、この法律案提案する次第であります。以下この法律案主要内容について御説明申し上げます。  その第一は、農業共済組合総代会総会にかわって議決することができる事項範囲を拡張することであります。今日この制度運営の現状を見ますとき、農業共済組合規模の零細なものが多く、これが制度の十全な運営をはばんでいるところがあると考えられますため、本年三月原則として市町村合併後の市町村区域農業共済組合区域とするよう指導方針を定め、目下組合合併を進めております。これが行われますとその結果、組合規模の拡大に伴い事実上総会の開催が不可能に近くなる組合があることと、組合運営について組合員との連絡を緊密に保持する必要があることのために、今後は従前に増して総代会を活用する必要が生ずると考えられますが、現行の規定では総代会総会にかわることができる事項が限られておりますので、この際これを拡張し、組合の解散にかかる事項以外はすべて総代会で処理できるように改正いたそうとするものであります。  第二は家畜共済改正であります。家畜共済のうち死亡廃用共済疾病傷害共済とを一元化することにつきましては、臨時特例法に基き昭和二十八年十月以降一部の組合につき死廃病傷共済の実験を行なってきたのでありますが、その結果ほぼ所期の効果をあげることができ、これを全面的に実施しても差しつかえない段階に達しましたため、本年十月一日以降、家畜共済は、従来死亡廃用共済疾病傷害共済生産共済三種でありましたのを改め、臨時特例法に基いて実験いたしましたものにさらに一部内容改善を加えた死廃病傷共済と従来通り生産共済との二種とするよう改正をいたそうとするものであります。  臨時特例法に基く死廃病傷共済の場合には、疾病及び傷害共済金について診療費中のすべてを給付するものと診療技術料以外の診療費を給付するものとを定め、その選択はこれを組合員に行わせたのでありますが、今後は組合員に対しては疾病及び傷害事故にかかる共済金は、その損害に相当する金額を一率に給付し、前述の選択保険関係の成立の際に農業共済組合農業共済組合連合会協議して行わせることとし、疾病及び傷害共済事故にかかる組合員に対する給付の改善をはかったのであります。そのため、家畜共済共済掛金率共済金保険金保険料及び保険金等規定に必要な改正を加えた次第であります。  なお、臨時特例法に基く死廃病傷共済については、指定組合組合員に対し共済掛金の一部補助を行なっていたのでありますが、全面実施に際しましては、かかる指定組合組合員に対する補助金は、その交付の必要がなくなりますため、これを廃止し、そのかわり当分の間、農業共済組合に対し死亡及び廃用事故の低下に応じ算出される一定の補助金を交付することといたしたのであります。  以上がこの法律案の大要でございますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  6. 中村時雄

    中村(時)委員 議事進行について。実は最近米価の問題が非常に高く評価されて来、参議院ではすでにこの米価中心としてあらゆる課題を問い詰めているわけでありますが、当委員会におきましてもいろいろな法案提出が出ておりますけれども、今最も大きなピークになっている米価問題は、すでに河野農林大臣は十五日ないし六日に米価発表をするというように時期も切迫しているのであります。一応ほかの法案あと回しにいたしましても、米価という問題に関してその米価発表のあるときまでは、あくまでも米価課題にして今後とも審議をされんことを望むわけであります。同時に農林大臣あるいは経審庁の長官あるいは大蔵大臣等出席を求めまして、この米価決定を急いでいただきたい。このように考えているわけなんです。お諮り願いたい。
  7. 綱島正興

    綱島委員長 ただいま中村委員から、米価の問題を優先して審議をしろという御発言がございましたが、実は理事会でこの点はやはり問題になっておりましたので、委員長の方で農林大臣出席を求めましたところ、農林大臣参議院予算委員会に呼ばれているのでただいま出席がいたしかねるという返答でございます。そこでその点もあらためて皆様にお諮りをしようかと思っておったところでございましたが、ただいま中村委員の御意見はそうするというと——それはもちろんのことでございますけれども、方法といたしましてはどういうふうに……。ただいま申し上げる道りの事情農林大臣は……
  8. 中村時雄

    中村(時)委員 なおいろいろなことも考えられるのでありますが、米価に関してはもう期日もないのであります。あと旬日に迫っているこの重大な問題に対して、一応ほかの問題を取り上げるよりも、当委員会といたしましても、米価の問題はあくまでも農林大臣出席を求め、いらっしゃらないときには休会をして、これはあくまでも強硬な態度をもって、米価の問題にとっ組まんことを切に訴るわけです。
  9. 綱島正興

    綱島委員長 ちょっと速記をやめて。     〔速記中止
  10. 綱島正興

    綱島委員長 それでは速記を始めて下さい。     —————————————
  11. 綱島正興

    綱島委員長 この際お諮りをいたします。連合審査会開会の件についてであります。目下商工委員会におきまして、バナナ、パイナップル等特定物資輸入に関する臨時措置に関する法律案審査中でありますが、さらに砂糖輸入に関しましても関連があるとの理由から、また大蔵委員会特殊物資納付金処理特別会計法案付託になっておりまして、当委員会砂糖法案商工委員会の先ほどの法案規定しておりますところの納付金に関しまして特別会計を設けて処理しようとしております関係から、商工大蔵の両委員会から本委員会に対し砂糖価格安定及び輸入に関する臨時措置に関する法律案について連合審査会開会を申し入れて参っております。なお両委員会におきましては関係三案について同時に連合審査をいたしたいとの意向もありますので、この際これら三案について関係委員会連合審査会を開催するように取り計らいたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認めます。  なおその開会日取り等につきましては、関係委員長とも協議の上、追って公報をもってお知らせすることにいたします。     —————————————
  13. 綱島正興

    綱島委員長 次に外務委員会におきましては、農物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を、また文部委員会におきましては日本学校給食会法案を、また大蔵委員会におきましては租税特別措置法等の一部を改正する法律案をそれぞれ審査中でありますが、これらの法案は御承知通り委員会の立場からいたしましても重大な関係を有するところでありますので、それぞれ連合審査会開会を求めたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なおこの連合審査会開会日時等につきましても、追って公報をもってお知らせいたします。     —————————————
  15. 中村時雄

    中村(時)委員 議事進行に対する動議を出したいと思います。  第一に、現在米価の問題をめぐりまして、参議院におきましてもこの重大な米価にかんがみまして審議を継続しておるわけでありますか、当委員会におきましても、当然この問題を早急に取り上げましてこれらの審議に入られることを望むとともに、米価に関しましてはすでに政府当局は十五日に米価発表をする、このように言っていらっしゃるわけです。あと米価決定旬日を待つというような状態になっておる。少くともわれわれはこの米価決定するまでは、あくまでも米価審議に専念することを望みます。と同時に、農林大臣が不出席なのでありますが、農林大臣出席要求するとともに、不出席の場合においてはわれわれはこの委員会休会にし、そうしてかたい決意のもとにこの米価審議に当られんことを望みます。
  16. 綱島正興

    綱島委員長 ちょっとお諮りいたしますが、ただいま中村委員から動議が出されましたけれども、農林大臣は民主党の理事諸君のお骨折りですぐ出席されるそうでありますから、その動議をさっそく採択するかいなかのことは留保いたすことができますか。中村委員にもう一度お尋ねいたします。
  17. 中村時雄

    中村(時)委員 私が今言った中には二つの重大な要件を含んでおるのであります。一つは米価決定までは——あくまでも米価審議中心にいたしまして、この決定が済むまでは他の法案審議しないというかたい決意に基いた審議のあり方を望んでいるわけであります。だからこの動議を御採択願いたいと思います。
  18. 綱島正興

    綱島委員長 ただいま中村委員提出されました動議、すなわち本委員会においては自今米価に関する審議をこの際優先いたすことにいたし、その審議において本年度の米価審議の結果が得られるまでは他の審議を差し控えるという意味動議であるようでありますが、これを動議として取り扱うことに御異議はございませんか。     〔「異議なし」「委員長理事会」と呼ぶ者あり〕
  19. 綱島正興

    綱島委員長 理事会要求がありますが……。     〔「必要なし」「採決々々」と呼ぶ者あり〕
  20. 井出一太郎

    井出委員 ただいま中村委員の御提出になった動議意味でありますが、米価審議を尽すまでは本委員会は他の諸問題にはわたらない、こういう意味に拝承しましたが、審議を尽すということはどこまでが限界なんですか、その点を委員長から明瞭にしていただきたい。
  21. 綱島正興

    綱島委員長 委員長から中村委員にお尋ねいたしますが、今の動議審議を尽すまではという意味は、一体どういう範囲であるか、これを明瞭にしてもらいたいという井出委員からの質問がございます。
  22. 中村時雄

    中村(時)委員 米価決定を見るまで審議を尽すということです。政府米価に対しましては十五日に発表すると言っておる。当委員会においては、米価に関する限りはまだ何も審議をやっていない。そこで米価決定するまで審議を尽すということを私は動議として出しているのです。
  23. 足鹿覺

    足鹿委員 私の先ほど中村委員議事進行に関する発言を通じて聞いておったことは、米価審議会を開催して、その意見を尊重して、十五日までに米価決定するということは、大臣がしばしば言っておられる。十五日は明日なんです。従って十五日に政府米価に対して正式態度決定することを当委員会は期待しておったわけです。だから大臣が本委員会に御出席になって、米価に対する政府の正式な態度を当委員会に御報告になるまでは、当委員会としては他の一切の法案その他の審議——主として法案審議を停止する、こういうふうに私は理解しておったのですが、それは違うのですか。審議を尽すということは、中村君どういうことですか。審議を尽すということではなしに、政府の正式な米価に対する態度が当委員会報告があるまでは、当委員会としては法案審議を停止するという動議だと思うのですが、その点はっきりしてもらいたい。
  24. 綱島正興

    綱島委員長 中村委員、もう一ぺん動議意味を明瞭にして下さい。
  25. 中村時雄

    中村(時)委員 私の言うことが不明瞭であったのかもしれませんが、私の言うのは、米価に関する本委員会審議を尽すということを意味していたのです。
  26. 足鹿覺

    足鹿委員 僕は中村委員にちょっとお伺いしますが、米価について審議を尽すということは、他の法案審議を停止して審議をやるということなのでしょう。だからまず政府が十五日までに米価を正式にきめて、当委員会にその政府態度を表明せしめるということなのでしょう。従ってそれではわれわれは米価について論議をして、他の問題については審議を進めない、こういうことなのですね。
  27. 中村時雄

    中村(時)委員 そうなのです。そういうことですよ。
  28. 足鹿覺

    足鹿委員 そういう意味です。
  29. 綱島正興

    綱島委員長 委員長から一つお尋ねをいたしますが、そうするともしその十五日までに政府米価をきめなかった場合はどういうことになりますか。
  30. 中村時雄

    中村(時)委員 それはきまるまでになるわけです。
  31. 綱島正興

    綱島委員長 きまるまで本委員会の他の審議は一切差し控える、こういう動議ですか。
  32. 中村時雄

    中村(時)委員 そうです。
  33. 綱島正興

    綱島委員長 それじゃ理事会を一応開きます。速記をとめて下さい。     〔速記中止
  34. 綱島正興

    綱島委員長 速記を始めて。  委員会は午後一時まで休憩をいたします。     午前十一時四十七分休憩      ————◇—————     午後五時七分開議
  35. 綱島正興

    綱島委員長 休憩前に引き続いて、これより会議を開きます。  この際中村時雄君より発言を求められておりますから、これを許します。中村時雄君。
  36. 中村時雄

    中村(時)委員 この際私は、午前中の当農林委員会における発言をさらに明確にするために、あらためてここに動議提出いたします。  すなわち、本委員会といたしましては、次のごとき決議をいたし、これを政府に申し入れたいのであります。  まず案分を朗読いたします。   政府は、昭和三十年産米米価に対する態度を、速かに決定すべきである。  さらにこれに関連いたしまして、米価問題が生産者、消費者、全国民の重大な関心を寄せている時期であり、しかも政府は十五日には米価発表を行うと言明しているのであります。すなわち米価対策は本委員会として当面する最も緊急な問題でありますので、本委員会の自主性の上に立って、   本委員会米価対策に関し他の案件に優先して納得のいくまで審議を尽すべきである。  右の動議提出する次第であります。
  37. 綱島正興

    綱島委員長 委員長から伺いますが、動議の本分だけを最後に読み上げていただきたいのであります。説明と区切りがはっきりいたしませんでしたから、動議だけをお読み上げを願います。
  38. 中村時雄

    中村(時)委員 この動議を二つにわけまして、一つは政府に対し、一つは農林委員会の自主性の上に立って行なっていきたいと思います。そこで政府に対しては「政府昭和三十年産米米価に対する態度を速かに決定すべきである。」第二の農林委員の自主性の上に立っては、「本委員会米価対策に関し他の案件に優先して納得の行くまで審議を尽すべきである。」以上であります。
  39. 綱島正興

    綱島委員長 中村君の動議に対し御意見があれば発言を許します——発言がなければこれより採決をいたしますが、中村君の動議昭和三十年産米価に関し早急に政府態度決定を求むる旨の本委員会の決議に関する動議と、本委員会米価問題に関して他に優先して調査すべしという委員会の議事に関する動議のようであります。便宜この両者を一括して採決いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  40. 綱島正興

    綱島委員長 起立総員。よって動議は可決されました。  なお、政府に送付すべき委員会の決議の取扱いに関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認め、そのように取り計らいます。
  42. 吉川久衛

    吉川政府委員 ただいまの御動議まことにごもっともに存じまして、政府といたしましては誠心誠意ただいまの御趣旨に沿うように最善の努力をする決意でございますので、なおその他の法案の御審議等につきましても、どうぞよろしくお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえます。
  43. 綱島正興

    綱島委員長 なおこの際佐竹君より発言を求められておりますから、これを許します。佐竹委員
  44. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 先般本委員会で私が農林当局に対して信連の問題で資料提出要求したのです。それは昭和二十六年広島県信連が定款を変更して、二分の一という項を削っておるわけであります。従いまして、それ以後銀行に預金をした余裕金の預金の資料を出していただきたいということを言っておるわけであります。本委員会としてはそれを要求いたしまして、大坪経済局長はこれを承認したが、ただいま大坪経済局長に個人的に早く出すようにと言いましたところが、このこまかい資料については銀行の秘密関係にわたるので、どうも出せないということでありましたので、重ねて申し上げておきたいと思います。そういうことであったなれば、この余裕金の行方というものは本委員会で明らかにすることができません。その問題をわれわれはついておるのでありますから、これは農協の金融協会あたりから農林省に圧力をかけておる、かように思うのでありますが、こういうことで、国会の審議をいたしまする上におきまして、どうしてもそういう資料が来ないということになりますれば、審議は十分尽せないのであります。この際委員長に申し上げておきますが、重ねて農林省に対して、先般の委員会で申し上げた通り資料提出してもらうように委員長から特に御配慮願いたいと思います。
  45. 綱島正興

    綱島委員長 ただいま佐竹委員から資料要求に関する御請求がございましたが、委員長において便宜これを取り計らいたいと存じます。もしまた委員会において、そういうものが出てこないので非常に不都合だからという委員会の意思表示をなさるというなら格別でありますが、そうでない限り委員長から厳重に督促をいたしたいと存じております。——異議なければ、さように取り計らうことにいたします。  ただいま足立委員から発言を求められております。足立君。
  46. 足立篤郎

    足立委員 ただいま懇談中に委員長からお話のありました本委員会運営につきましては異存はございませんが、ただ当面問題になっております四月、五月における凍霜害対策等につきましては、これは緊急を要する問題でございますから、この委員会が自主的に協議をするなり、委員会を開くなり、あるいは懇談会でやるなり、いかような方法ででもその審議を進めていただきますように、これを皆さんにお諮り願いたいと思います。
  47. 綱島正興

    綱島委員長 ただいま足立委員から動議がございましたが、この動議について御発言をお求めになる方がありますか。
  48. 中村時雄

    中村(時)委員 その問題には根本的に賛成ですが、先ほどの動議の採決の結果もあるので、でき得れば、たとえば話し合いをするとか、そういう方向に持っていっていただきたいと思います。
  49. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ただいまの足立委員の御意見は、先ほどの議決と性質において背反するものがあるのではないかと私は考えるわけです。今委員長も言われた通り、今後当委員会審議が渋滞するという場合には、これはかかって政府の誠意の欠除に基因するということになるわけでありますが、当然災害対策に対する決定も急ぐわけでありますが、そういうことを促進しなければならぬという政府の熱意がある場合には、当然今日中村委員提出した動議に対する明らかなる態度政府が表明すれば足りると私は考えるので、あくまでもその動議の線に沿って今後当委員会運営を行うべきであると私は考えるのであります。  なお、委員長は何らかの決意のほどを表明されるというふうなことも言われておりましたので、その表明を願いたいと思います。
  50. 綱島正興

    綱島委員長 いかがでしょうか。この取扱いについては、委員長に大体おまかせを願えませんでしょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 綱島正興

    綱島委員長 しからば、さように御一任願ったことに決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時十九分散会