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1955-05-10 第22回国会 衆議院 農林水産委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年五月十日(火曜日)     午前十時二十七分開議  出席委員    委員長 綱島 正興君    理事 井出一太郎君 理事 白浜 仁吉君    理事 松浦 東介君 理事 鈴木 善幸君       安藤  覺君    五十嵐吉藏君       伊東 岩男君    石坂  繁君       楠美 省吾君    笹山茂太郎君       野原 正勝君    本名  武君       足立 篤郎君    大野 市郎君       川村善八郎君    田口長治郎君       松野 頼三君    赤路 友藏君       有馬 輝武君    淡谷 悠藏君       石田 宥全君    楯 兼次郎君       芳賀  貢君    伊瀬幸太郎君       川俣 清音君    佐竹 新市君       中村 時雄君    日野 吉夫君       久保田 豊君  出席政府委員         農林政務次官  吉川 久衛君         農林事務官         (農林経済局         長)      大坪 藤市君         農林事務官         (農業改良局         長)      小倉 武一君         農林事務官         (畜産局長)  原田  傳君         農林事務官         (蚕糸局長)  塩見友之助君  委員外出席者         農林事務官         (事務次官)  平川  守君         農林事務官         (大臣官房総務         課長)     樽垣 好文君         農林事務官         (農林経済局統         計調査部長)  野田哲五郎君         農林事務官         (農地局総務課         長)      正井 保之君         農林事務官   亀長 友義君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 五月六日  委員伊東岩男辞任につき、その補欠として中  嶋太郎君が議長指名委員に選任された。 同月十日  委員中嶋太郎君及び足鹿覺辞任につき、その  補欠として伊東岩男君及び有馬輝武君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 五月九日  開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣  提出第二九号)(予) 同月七日  耕土培養対策経費予算確保に関する請願荒舩  清十郎紹介)(第三三五号)  南方向針葉樹の輸出解禁に関する請願川野芳  滿君紹介)(第三八九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  漁業に関する日中両国民間協定に関し、参考  人招致に関する件  昭和三十年度農林水産関係予算に関する説明聴  取     —————————————
  2. 綱島正興

    綱島委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。鈴木水産小委員長よりの申し出に基きまして、昨日の理事会におきまして協議いたしましたところでございますが、去る四月十五日に取りきめられました日本国日中漁業協議会と中華人民共和国の中国漁業協会との黄海・東海の漁業に関する協定に関して、日本側代表よりその経過及び結果等を聴取するため、代表参考人として明日本委員会出席を求めることにいたしたいと思いますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認めます。なお参考人として出席を求める人は、副団長の山崎喜之助君、代表高橋熊次郎君、同じく谷村高司君をお願いいたしたいと思います。都合によりましては変更する必要があるかもしれませんが、この点委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 綱島正興

    綱島委員長 御異議なしと認めまして、さように決定をいたします。
  5. 綱島正興

    綱島委員長 引続きこれより昭和三十年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。本日は昨日の申し合せの通り内部部局関係についてまず政府説明を願いたいと存じますが、四、五月分暫定予算との関係も含めて御説明を承わり、しかる後質疑を行いたいと存じます。  それではこの際農林事務次官から昭和三十年度農林関係内局予算の御説明を求めます。
  6. 平川守

    平川説明員 昭和三十年度農林関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。  本予算案は、米麦等主要食糧を初め、畜産物、水産物を含めて総合的に国内食糧自給力を高めるよう各施策を効率的に実施して合理的な増産をはかり、あわせて食生活改善を進めることによって国民食生活の安定に資しまするとともに、農林畜水産物価格安定と農林漁業経営生産性向上及び多角化を進める等諸般の措置を講じて、その所得確保を期し農山漁家の安定をはかりまするほか、農畜水産物等の集荷その他流通取引改善及び消費増進をはかる等の施策をもその重点といたし編成したものであります。  三十年度農林関係要求予算につきましては、一般会計及び特別会計を通じ、従来の施策であって引き続き実施すべきものはその継続実施をはかりますとともに、新規に看守実行すべきものはあとう限りこれを実施することとし、重点的効果的な運営をはかるよう特に留意して参りたいと存じておるのであります。  まず一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。農林省所管合計といたしましては八百四十九億五千二百万円となっております。また総理府所管公共事業費五十七億九千六百万円及び大蔵省所管農林漁業金融公庫出資九十五億円を加えました農林関係予算合計は一千二億四千九百万円となり、金額において前年度千百十八億六百万円に対し百十五億五千七百万日の減となるのであります。  かように関係予算におきまして減額を見ましたのは、一つには災害復旧事業費において四十四億三千六百方円の減、第二には農業保険費において赤字補てん金繰り入れ減少等による二十六億三千八百万円の減、第三には食糧増産及び公共事業費において九億四千百一万円の減、第四には開拓者質金融通特別会計に対する一般会計からの繰り入れ、これが前年度十五億一千九百万円でありましたのが、本年度資金運用部よりの借り入れ十億円に切りかえられたことによる減、第五には農業委員会補助会において十四億七百万円の減、第六には二十八、九年度における被害農家に対する米麦安売に伴う損失補てん費において四億七千六百万円の減等、計約百十四億円に達する減額となる実質上の原因があったことによるものであります。従ってこれらを除けば、農林省関係予算は実質的にはおおむね前年度に近い規模になっておると存じます。  関係予算の小で比較的に重要な地位を占める補助金につきまして申し上げますと、前年度公共事業関係で四百二十億九千五百万円、公共事業以外の一般経費で百五十二億四千二百万日、計五百七十三億三千七百万円の補助金が計上されておりましたが、今回の予算案では公共事業関係三百七十四億四百万円、一般経費で百三十八億八千百万円、計五百十二億八千五百万円となりまして、六十億五千二百万円の減少と相なったのでありますが、これは災害復旧事業費補助及び農業委員会補助の大幅な減少によるものでありまして、その他は特に大幅な減額はなかったものと考えます  次に主要経費について簡単な説明を申し上げたいと存じます。まず第一に食糧増産対策経費についてであります。いわゆる土地改良開拓事業等農地拡張改良による食糧増産経費は、関係予算としましては二百三十七億五千百万円で、前年度二百四十五億三千四百万円に比し七億八千三百円の減となっております。しかし一方財政投融資計画中において余剰農産物見返り円資金より農業開発用資金三十億円が予定せられておりますので、これを加えますと前年度に比し二十二億一千七百万円の増加といえるわけであります。なお、右のほか本年度におきましては世界銀行から農業開発のための資金も別途考慮しております。  土地改良事業費は、関係予算に関する限りでは百十六億八千八百万円で、前年度百二十三億九千九百万円に比し七億一千百万円の減となっております。そのうち国営灌漑排水事業は五十五億五千五百万円、都道府県営灌漑排水事業は二十九億九千万円、団体営灌漑排水事業は十四億工千九百万円でありまして、いずれも前年度に比し若干の減額を見ているのでありますが、継続事業早期完了をはかる等重点的に配分し、事業実施はできるだけ効率的に行うように努めて、食糧増産基本施設造成確保を行いたいと考えておるのであります。特に三十一年度以降におきまして一段と食糧自給度向上を期するための準備として、土地改良調査計画費は前年度一億五千万円でありましたが、これを二億一千六百万円に増加し、その他防災関係事業につきまして九億六千五百万円、前年度八億四千百万円を増額いたしております。  次に耕地整備事業費につきましては暗渠排水、客土、区画整理、農道、索道等従来の事業のほかに新たに区画整理確定測量費を加えまして二十一億三千百万円を計上いたしておりますが、前年度二十三億二千五百万円に比し一億九千四百万円の減となっております。  次に開拓事業につきましては前年度七十億三千九百万日に対し七十億七千六百万円を確保しております。このうち開墾建設事業が三十八億六千万円、干拓建設事業が二十五億八千四百万円、計画費が二億三千八百万円、開拓事業費補助が三億九千三百万円計上されております。開拓に伴う新規入植戸数としましては五千五百戸を予定いたしましたが、前年度の七十戸に含まれておりました一部非助成、これは一千戸)ありましたが、この制度は、取りやめまして、全部が助成入植となっております。入植助成のためには以上の開拓事業費のほかに、開拓実施費として二十五億四千三百万円を計上いたしております。  なお開拓事業に関連いたしまして開拓者資金融通及び開拓融資保証の点について一言申し上げますれば、営農資金及び役畜乳牛導入のための中期資金につきましては、十四億五千九百万円を従来通り開拓者資金融通特別会計で貸し付けることとなっております。これは別に申し述べますように本年度一般会計からの繰り入れによりませんで同特別会計資金運用部資金十億円を借り入れる方法によることとなっておるのであります。  さらに開拓者短期資金融通円滑化をはかるため、前年度の五千万円に引き続き中央開拓融資保証協会への一般会計からの政府出資を今回も五千万円計上いたしております。  以上の一般的な食糧増産対策経費のほか鉱害復旧事業といたしまして九億四千万円、災害関連事業といたしまして八億三千万円を計上いたし、これら事業促進をはかることといたしております。従って前述の食糧増産経費二百三十七億五千百万円にこれらを加えますと、二百五十五億二千百万円と相なります。  なお新規経費として小団地開発整備促進に必要な経費一億一千六百万円を計上いたしましたが、これは農山漁村の小団地を対象として該当市町村等が計画的に行う小規模の土地改良等に要する事業費補助を行うものでございます。  第二に耕種改善に要する経費でございますが、まず農産物種子対策につきましては、米麦、大豆、緑肥作物の原原種圃原種圃設置災害対策用農産物種子予備貯蔵のほか、米麦等主要食糧農作物原種決定試験事業を引き続き実施いたすこととし、総額において五億八百万円を計上しております。なお、稲以外の採種圃については前年度限り国補助事業を休止し、地方公共団体等の自主的な実施にまかせ、国としてはそのための指導にもっぱら力を入れることといたす方針でありますが、水稲健苗育成のための保温折衷苗代設置補助につきまして、さきの国会で成立を見ました水稲健苗育成施設普及促進法に基き右の経費のうちに二億二千六百万円を計上いたしております。  次に土壌対策につきましては、低位生産地解消のための調査費秋落ち水田及び酸性土壌並びに特殊土壌対策経費として三億七百万円を要求いたしております。  次に農業改良普及事業につきましては、十六億七千五百万円を要求いたし、農業改良普及員生活改善普及員及び専門技術員給与単価を引き上げますとともに、普及事務所運営費として新規に四千三百万円を計上いたしております。  次に植物防疫事業につきましては、総額において五億四百万円を要求いたしておりますが、前年に引き続き、病害虫の発生予察防除組織整備に努めるとともに農薬備蓄制度を強化することといたしました。  次に農業関係試験研究事業につきましては、その整備内容充実強化に努めることとし、農業技血研究所及び農業試験場経費として十二億七千百万円、都道府県指定試験育種試験旋肥改善試験営農試験地事業及び都道府県農業試験場拡充強化等試験研究関係補助として二億百万円を計上いたしております。  なお西南暖地における水田生産力増強のため水稲早植え栽培施設助成のため五千五百万円を計上いたしております。  次に北海道農業振興につきましては、前年度に引き続き六千六百万円をもって心土耕混層耕用機械購入をはかるとともにテンサイの生産確保のために前年度同額の一千三百万円を計上いたしております。  以上のほか耕種改善事業としては輸出振興の一翼として特殊農作物及び園芸農作物生産確保改善経費として二千四百万円を計上いたしております。  第三に畜産振興経費につき御説明申し上げます。まず家畜導入についてでありますが、集約酪農地区の設定につきましては二億円を計上し、継続地区一のほか、新規地区を加え計六地区に千八百頭のジャージ種乳牛導入することといたしております。また品種改良のための種畜購入費として二千三百万円、同じく補助とし二、一千五百万円を計上いたしますとともに、有畜農家創設資金利子補給に必要な経費として二億九千三百万円を計上しておりますが、これにより本年度約九億八千万円の融資が行われるものと考えております。  次に自給飼料対策でありますが、まず牧野改良対策として草地改良に一億五千三百万円、牧野改良センターに四千四百万円、北海道補助として八百万円を計上いたし、牧野改良事業機械化を急速に推進することといたしましたほか、自給飼料増産のため飼料自給経営施設補助として前年度同額の一千五百万円を計上しております。また畜産技術振興をはかるため畜産技術振興補助として新規に二千万円を計上いたしましたが、これは全国及び県における畜産共進会及び畜産技術講習会経費等内容とするのであります。  次に第四といたしまして、蚕糸業振興に要する経費についてであります。生糸の輸出増進のため昨年設置されました中央蚕糸協会ニューヨーク事務所における宣伝事業費を七千万円に増額いたしますとともに、国内における原料繭合理的増産生産費低減措置として、従来の経営改善特別指導施設費補助として六千五百万円、老朽桑園の改稿の推進を目的とする桑園能率増進施設に対する補助として六千二百万円を新規に計上いたしましたほか、蚕糸技術改良関係経費として二億三千七百万円を計上いたしております。  第五といたしまして、農蓄水産物等、並びに生産資材流通改善及び価格安定に関する経費について御説明申し上げます。農林漁業経営の安定と所得確保をはかりますためには、農畜水産物等価格安定、生産費の低下をはかることが何よりも急務であると存ずるのであります。これらに関する予算措置といたしまして、まず化学肥料につきましては一般会計におきまして臨時肥料需給安定法に基き、まず需給調整のための肥料保管措置による欠損補てん経費、及び肥料市況調査等経費として一億四千五百万円を計上いたしました。購入飼料につきましては、食糧管理特別会計において海外の市況調査費として百万円を計上いたしましたほか、同会計におきまして輸入飼料売買操作により需給及び価格の安定をはかることといたし、そのために要する欠損額約四億四千万円を負担することとなっています。また生鮮食品流通改善対策としまして、生鮮食料品取引を公正にし、生産者及び消費者の利益を増進するための流通施設等の新増設の経費補助として一般会計において一億円を計上いたしました。砂糖につきましては、特殊物資納付金処理特別会計大蔵省所管設置され、農林省その他関係省において所要の施策を講じたいと考えておりますので、一般会計におきまして、その適正な標準価格を設定するための調査費四十五万六千円を計上いたし、関係措置に資することとした次第であります。また牛乳乳製品につきましても、現在の需給事情改善に資することが緊要と認めしては、一般会計において農業協同組合に簡易な牛乳処理施設設置助成することとし、その経費を二千二百万円計上いたし廉価な牛乳の供給と消費の拡大をはかることといたしておりますほか、今般国内産脱脂粉乳学童給食に使用されることとなりまして、その購入費補助として六千六百万円を計上いたし、この面からも消費促進に資したいと存じております。  第六に農林漁業関係団体経費について御説明申し上げます。まず農業委員会関係につきましては、全国農業会議所都道府県農業会議に対する事業活動促進に必要な助成を前年に引き続き行うことといたし五千万円を計上しておりますが、市町村農業委員会補助につきましては、本年度からは職員二人の担当する事務のうち二分の一人分の事務に相当するものに対し補助することといたしまして、残り一・五人分については地方財源計算に組み入れることといたしました。これによりまして前年度二十四億一千六百万円に対し十億一千三百万日に縮少をいたしております。  次に農業協同組合につきましては、同中央会事業活動促進補助五千万円を要求いたしますとともに、農林漁業組合検査指導につきましては九千七百万円を要求いたし、その監督に遺憾なきを期しております。またそれらの組合に対する増資奨励金等に充てるため、四億五千七百万円を要求いたし、その再建整備促進するとともに調整勘定益金見返りとしまして、農業協同組合役職員奨学資金としまして七千万円、全国養蚕農業協同組合信用保証協会基金補助としまして三千二百万円を要求いたしております。  第七には農業災害補償関係経費であります。農業災害補償制度につきましては、前年度以来農業災害補償制度協議会を設けて制度改善につき検討いたして参りましたがいまだ全面的結論を得るに至らず、また一部中間答申がありましたが、これについても実施上なお研究準備を要しますので、三十年度現行制度に即した形で予算を編成いたすとともに、現行制度につきましてはその運用指導面においてできる限りの考慮を払うことといたしたく存じております。この関係予算総額百四十五億八千五百万円を計上しております。このうち農業共経保険特別会計繰り入れ分としては、水稲、陸稲、麦、蚕繭家畜保険料国庫負担分及び業務取扱費として、九十二億八千七百万円を、同特別会計保険金支払財源不足補てん金として二十八億円を計上いたしました。なお以上のほか農業共済事業事務費負担金として、二十三億一千百万円を要求いたしております。  第八には農林漁業における財政投融資営農資金等利子補給関係経費について申し上げます。まず農林漁業金融公庫でありますが、一般会計出資九十五億円、これは前年度同額であります。資金運用部からの借入金百五億円、前年度同額であります。これに償還金五十五億円を加えて二百五十五億円を確保し、従来に引き続き土地改良林業漁業並びに農林帯水産共同利用施設等に対する融資を行うほど、自作農維持営農施設増強をはかるため、新たに農地担保金融の道を開き、本年度はさしあたり右のわく内において二十七億円を充てることとし、将来の拡充を期することといたしたのであります。特別会計による農林省関係政府融資ないし融資保証制度としましては、開拓者資金融通及び中小漁業融資保証保険の両特別会計がありますが、開拓資金融通特別会計融資予定額としては十四価五千九百万円を計上いたし、また中小漁業融資保証保険特別会計におきましては年間百五十億円の保証を予定しております。一般会計による利子補給金といたしましては、昭和二十八年及び二十九年発生災害被害農家に対する営農資金利子補給十勝沖地震による農業施設災害復旧資金に対する利子補給並びに水産関係ルース台風十勝沖地震カムチャッカ沖地震等による漁業災害及び昭和二十九年発生漁業災害に対する復旧資金利子補給等を含めて十八億九千二百万円を計上いたしましたほか、有畜農家創設資金利子補給につきましてはさきに述べた通りでございます。  次に農地、林野、漁港関係災害復旧費について申し上げます。農地及び農業公共施設災害復旧に百二十七億七千六百万円、治山施設及び林道の災害復旧に七億三千百万円、漁港災害復旧に十三億二千六百万円、合計百四十八億三千三百万円を計上いたしましたが、前年度百九十二億六千九百万円に比し、四十四億三千六百万円の減少となっております。もっとも前年度予算には補正予算で計上された当年度分災害復旧費十七億九千百万日が含まれておりますので、これを差し引きますと、減少額は二十六億四千五百万円となるわけであります。本年度におきましてはこれによりまして二十七年以前の災害につきましては残事業量の三分の一を完了し、二十八年災害につきましては総事業量の六五%、二十九年災害につきましては同じく五五%まで完了いたすことを目途としておるのでございます。以上をもちまして農林省関係一般会計における主要な経費についての御説明を終ります。  続いて昭和三十年度農林関係特別会計予算のうちで、内局関係について御説明いたします。  第一に農業共済保険特別会計について申し上げます。この会計の各勘定を通じまして、歳入歳出はともに百四十六億六千二百万円となっております。このうちまず農業勘定でありますが、三十年度特別会計予算では前年度の同会計予算に比べまして、予算算定上の米の基本価格と繭の推定価格が変更いたしまして、その結果共済掛金国庫負担額増加を来しております。また二十九年度の風水害、冷害によります再保険金支払い財源不足補てん分としてさしあたり二十八億円を予定いたすこととし、この経費を含めまして百十四億二千二百万円を一般会計より受け入れることといたしております。  次に家畜勘定につきましては死亡、廃用事故疾病傷害事故共済掛金国庫負担額につきましては、一応予算上におきましては、前年度程度を予定いたし、五億七千四百万円を一般会計より繰り入れることといたしております。次に自作農創設特別措置特別会計につき申し上げます。この会計歳入歳出は二十五億五千八百万円でありまして、土地買収につきましては既墾地四町歩未墾地一万七千百町歩牧野千五百町歩を、またその売渡しにつきましては、既墾地六町歩未墾地四万九千町歩牧野三千町歩を予定いたしております。なお、従来この特別会計余裕金によりまして自作農維持のため農地買収売渡しの方式による資金融通を行なっておりましたが、三十年度よりは農林漁業金融公庫において農地担保金融を行うこととし、その資金計画中に施設に対する融資も含めて二十七億円のわく確保することといたしましたことは、さきに申し述べた通りでございます。  第三に開拓者資金融通特別会計について申し上げます。この会計歳入歳出は十七億三千八百万円でございます。三十年度は、新規入植者五千五百戸を予定いたしております。二十八、二十九年の入植者を含め、これらに対し富農資金及び共同施設資金として十億七千五百万円を貸し付けることといたしております。また営農促進対策資金のうち乳牛の貸付につきましては、従来入植後五カ年以降の者に限っていたのでありますが、特に一年早め入植後四年目の者に対しても融資いたすこととし、乳牛三千二百頭、役畜四千八百頭、計大家畜八千頭を導入させるため三億八千四百万円を計上し、既入植者の安定をはかることといたしました。これらの資金は、従来一般会計よりの受け入れによりまかなっておりましたが、三十年度償還金と借入金によりこれをまかなうこととし、十億円を資金運用部より借り入れることといたしております。  第四に、糸価安定特別会計につきましては歳入歳出ともに六十八億九千二百万円を予定いたしております。生糸の価格は現在のところ急激な変動はないかと思われますが、本特別会計予算におきましては、三十年度政府の買い入れは一応三万俵とし、買上価格は一応十九万円と予定して算定いたして、買入費として五十七億円を計上することといたしたのであります。これは現状に即し、特に繭糸価格の安定措置を強化するために、この会計の現在保有する資金のみでは事態発生の際は買入費に不足を来たすおそれがありますので、別途糸価安定特別会計法を一部改正し、借入金の道を開くことを予定しております。また蚕糸業経営の安定をはかるため繭価が異常に低落のおそれある場合には、養蚕農業協同組合連合会をして乾繭の共同保管をなさしめることといたしました。このために要する経費は本特別会計の予備費より適時支出する方途を講じて参りたいと考えております。  以上をもちまして農林省関係のうちの内局分の一般会計及び特別会計予算のおもな事項についての概要の御説明を終ります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  7. 綱島正興

    綱島委員長 この出ている資料に基いて、分担の各局長から説明をしてもらいたいと思います。     〔委員長退席、白浜委員長代理着席〕
  8. 小倉武一

    ○小倉政府委員 配付になりました資料の昭和三十年度概算要求事項別一覧表(除公共事業費)というのがありますが、この一表のまん中ごろに、農業改良局というのがございます。これでごらんになりますように、二十九年度予算額は四十八億五千五百万円、三十年度要求額が四十九億三千九百万円となっております。この内訳は四の十九ページに載っておるわけでございます。  まずアウト・ラインを申し上げますと、四十九億三千九百万円の内訳を大きく分けますと三つに分れると思いますが、一つは農産、特産、防疫関係等の奨励、助成関係事業でございます。もう一つは農林省直営でやっております試験場、あるいは県の試験場に対する補助等試験研究に関する事項でございます。もう一つは改良普及事業関係でございます。奨励関係の仕事を全部合わせますと、三十年度の要求額は十六億二千三百万円になります。これに対しまして前年度は十七億九千万円でございまして、そこに若干の減があるのであります。  次は試験研究の方でございますが、三十年度の要求額は十五億三千九百万円でございます。これに対しまして二十九年度は十四億四千六百万円であります。試験研究の方は、多少でございますが増加になっております。  普及事業関係につきましては、三十年度の要求額は十七億六千二百万円、これに対しまして二十九年度は十六億五百万円となっておりまして、これも多少の増額になっております。  以上のようなことでございまして、全体の予算としましては、先ほど申しましたように前年度の四十八億五千五百万円に対しまして三十年度は四十九億三千九百万円、わずかながら増額ということに相なるのでございます。以下おもな事項について十九ページに書いてあるところに従いまして御説明を申し上げます。  第一の農業改良行政事務、これはいわば庶務的な事項に関する人件費等の経費でございます。二番目は農作物の種子対策でございまして、これも本省費でございまして、農産課の事務費あるいは旅費でございます。耕土培養についても同じことでございます。四番目の農業研究運営調査、これは改良局の研究部のいわゆる行政事務費的なものでございます。五番目は都道府県の農業試験場に対する補助金でございまして、これには臨時的なものと恒久的なものとがございまして、A、Bと分れております。Aはいわば恒久的なもので、指定試験と申しまして育種とか病虫害の防除とか土壌といったようなおもな事項についての事業でございます。なお中味はAの中に書いてあるような事項でございます。Bは多少臨時的な意味のものでございまして、耕土培養の基礎調査であります低位生産地の調査、あるいは特殊土壌対策のための調査、あるいは西南暖地の水田の稲作等の生産力増強のための作付の体系の研究、新品種の育成といったようなことに対する補助金、それから二、三年前から実施いたしております営農試験に対する助成、こういったようなものでございます。  全体を通観いたしまして、この項に上っておりますものはほぼ前年度を踏襲いたしております。若干の減を見たところもございますが、ほぼ前年度の規模で実施できる見込みであります。  次は二十一ページの農機具検査、これは農林省が農業機械化促進法に基いて検査いたしておる分でございます。  次は種子の関係でありまして、これは菜種の原種の補助金あるいは蔬菜等の種苗の検査に対する金でございます。それから種子の改良につきましては、先ほど次官からも御説明がございましたが、稲以外の麦、大豆、それから飼肥料作物に対する改良が前年度に比べて落ちております点が、減額の理由になっております。  十番が特殊農作物生産確保でございますが、これによって各種の特殊作物に対しましての原採種圃あるいは極値の供給等をする仕事でございます。  十一番目は農業生産力増強施設普及奨励と書いてございますが、これは備考欄に書いてございますように、一つは水稲健苗の補助金でございまして、二億二千六百万円でございます。私どもの当初の要求額よりは相当下回った金額になっておるのでございますが、できるだけ新規の地方に重点を置いて処置して参りたい、かように考えております。これはいわば形の上から新規事業になっております。  次は耕土培養でございますが、これはほぼ前年通りの規模をもって実施ができるつもりであります。  次は二十四ページに参りまして、特に重要事項だけを申し上げますが、米作日本一表彰事業あるいは特殊土壌対策北海道農業振興等につきましては、ほぼ前年度程度で実施できるつもりでございます。ただ特殊土壌対策につきましては、これは要求内訳に書いてございますように、果樹急傾斜地帯改善促進費がわずかでございますが、新規でございます。  次は植物防疫に参りますが、この点につきましても先ほど事務次官から御説明がありましたが、まず発生予察関係でございます。防疫の基礎的な調査のことでございますが、これは若干金額は減になっておりますが、運用のやり方といたしましては、ほぼ前年通りできはしないかというふうに考えております。それから次のページになりまして、四、五というところに書いてある点でありますが、四の防除機共と申しますのは、農薬を用いまして病害虫を防除する機具を、府県に対しまして三カ年計画で設置助成いたして参っておりますが、その二年度に三十年度は当るのでございます。それに必要な台数を整備して参りたい、こういう金でございます。農薬管理費補助金は農薬の備蓄でありまして、農薬を不時の必要に備えまして、前年度よりか相当規模を拡大して農薬の手当に遺憾のないようにいたしたい、かようなものでございます。六の特殊病害虫緊急駆除予防費補助金、これは前年度に比べまして相当増額になっておりますが、これは外国から新しく侵入して参った病害虫につきまして、これを防除するために必要な経費でございまして、最近はジャガイモがおもなる防除の対策になろうかと思っております。七の指定病害虫防除費補助金というのは、従来の農薬代の補助でございまして、残念ながら三十年度は農薬代の補助は一応奨励の目的を達したという理由で廃止になっております。  次は農業改良普及事業でございますが、全体といたしましては前年と変っておりませんが、変った点を申し上げますと、一つは専門技術員、改良普及員の補助単価を引き上げたことでございます。現実の俸給と予算的な積算の基礎にいたしております俸給の単価とに相当の隔たりがありましたが、それをできるだけ現実に引き上げ、普及事業の発展を期したいというので、ほぼ現実に近い状態にこれによってなろうかと考えております。  次は二番目の普及事業普及事務所運営費でございます。普及員が駐在する事務所につきましては、いろいろ費用がかかるのでございますが、これについては従来補助金がなかったのでございます。わずかでございますけれども、一事務所約二万円ぐらいの補助をこれでやって参りたい、かようなつもりでおります。その他は多少増減がございますけれども、全体の仕事としては大きな変りはない、かように考えております。  次は二十七ページの最後のところにございますが、生活改善普及につきましては、専門技術員、改良普及員につきましての補助単価の引き上げは、農業の関係と同じようにいたしております。この中で前年度との違いを若干申し上げますと、一つは県の試験場に生活関係の展示実験施設助成して参ったのでございますが、これは一応目的を達しましたので、三十年度からは助成をいたしませんが、他方生活技術の改良研究をいたしまして、適正な生活改善のための技術を農家に普及いたしておくための補助金につきましては、若干の増額をいたしております。  二十九ページに参りまして、農業講習関係でございます。これは改良普及員とその他の技術員を養成の目的をもって、農業試験場に併置してあります講習所の施設に対する助成、それから農家の子弟の教育訓練を目的とする経営伝習農場等に対する施設費の補助でございます。前年度より全体として若干減っておりますけれども、これは施設費は補助金の整理の対象となったような関係でございまして、やむなく前年度よりは若干減額になっておるのであります。  次は農業機械化促進でございますが、これは農業機械化促進法に基いて促進しておるものでございますが、前年度より減っておるのでございます。その一つの理由は、動力耕転機展示のために県に助成をいたしておったのでございますが、だんだんと動力耕転機が普及して参りまして、相当普及したところは今さら展示でもないということで、なおまだあまり動力耕転機が普及していない地方に特に重点を置いて設置する意味で、個所数が前年度よりは減少しておりますのが、おもなる理由でございます。  それから最後の欄の機械化研修、これは動力耕転機等についての操縦なり、あるいは多少の修理的な知識を普及させるための研修費でございますが、これは先ほどの上の方の農業講習費の方に特別の講習費を計上してございますので、そういうところでもって補うということで、この点は本三十年度からはやめることにいたしたのであります。  次は試験研究の方のことでございますが、初めの農業技術研究所の運営、これは農業技術研究所の費用でございます。  次の農業試験場運営、これは各地域に農林省設置してあります農業試験場の要用でございます。  二十一の農業試験場研究機関施設整備とございますのは、国立の試験場の施設が非常に老朽いたしております。また戦争中あるいは戦争直後の施設にかかわりますものは非常に施設が貧弱でございます。これを一つ三十年度から、三カ年計画でもって整備して参りたい、かような意味合いをもちまして、仕事としてはいわば新しい仕事でございます。そのために相当の増額に相なっておるのであります。  次の農薬検査所の運営、植物防疫所の運営、馬鈴薯原々種農場の運営等につきましては、ほぼ前年度通りでございます。  概括でございますが、改良局関係の要求予算の大要は以上の通りでございます。
  9. 白浜仁吉

    ○白浜委員長代理 次に経済局長。
  10. 大坪藤市

    ○大坪政府委員 ただいまの資料に基きまして、農林経済局関係の要求経費につきまして概要を御説明申し上げたいと思います。資料は四ページから十ページまであります。  十ページの一番あとのところに農林経済局計というのがありますが、昭和二十九年度予算の総請願が二百二十二億八千万円であります。昭和三十年度は百八十四億九千八百万円ということになっておりまして、約三十八億円減と相なっておるのであります。この減となっております最大の項目は、農業委員会経費におきまして約十四億減額に相なりましたのと、農業災害補償制度に基きまする国庫繰入金が二十六億減に相なりまして、総計それが四十億ということに相なっておるのであります。従いまして他の経費につきましては、おおむね前年通りかあるいは多少そこに減額に相なりましたり増額に相なりましたりした項目があるのでありますが、主として減額になりました根本の理由といたしましては、二つの経費が大幅に減ったからということに相なっておるのであります。  次に各項目につきまして概要を申し上げたいと思うのであります。四ページに戻りまして、農林経済局、本省ということになっておりまするが、その一から九までの項目は、農林経済局といたしまして行政事務を処理して参りますのに必要なる諸経費でありまして、おおむね前年度通りかあるいは多少減額になったという程度のものであるのであります。  次に補助金になりまして、十番目の農山漁村電気導入促進費でありますが、これは三十年度千二百八十万円ということになっておるのでありまして、離島振興法に基きまして、水力発電二ヵ所、小火力発電五カ所、配電設備八カ所の半額の経費助成いたしますための必要な経費であるのであります。  次に農業協同組合の講習所の教材作成費でありますが、これは府県に対しまする講習関係補助金であるのであります。  十二の輸出農林水産物資料作成費、これはわが国で最も必要でありまする農林水産物の輸出振興に特に力を入れる必要がありますので、これに必要な経費であるのであります。そのほか通産省所管に約七百万円というものが計上されておるのでありまして、これにつきましての使い方につきましては通産当局と目下折衝中であるのであります。  十三の農業委員会経費でありますが、これが十四億減額に相なっておるのであります。前年度におきましては一委員会当りの職員を二人といたしまして、その一人と三分の一人分を補助いたしておったのでありますが、本年度は二人分のうち一人の半分を補助するということになりまして、一人と二分の一人分は地方財政交付金にこれを計上することにいたしまして、本予算からはこれを削除いたしたのであります。従いまして約二十億というものが地方財政交付金の中に計上されておることに相なっておりますので、関係大蔵省並びに自治庁方面と連絡をとりまして、地方財源より計上していただくことにいたしまして、農業委員会の必要なる事務には支障を来たさないように措置いたしたい、かように考えておるのであります。  次に十四の農業協同組合検査でありますが、これは協同組合運営を的確に行わせますために、府県をして都道府県のいわゆる補助職員設置いたしまして、これに必要なる検査を行わしめておるのでありまして、大体前年度より多少減額に相なった程度でありまして、この程度の経費があれば、十分とはいきませんが、協同組合の地方の検査は可能である、かように存じておるのであります。  次に十五の農業協同組合中央会事業活動促進費でありますが、これは全国中央会が七百万円、都道府県の中央会総額四千三百万円であるのでございまして、この経費はもちろん十分とは参りませんが、協同組合中央会自体の事業には、この程度の経費があれば、曲りなりにもその活動が法の目的とするところは遂行できるのではないか、かように考えておるのであります。  次に十六の北陸震災地農業倉庫及び農業協同作業場復旧資金利子補給でありますが、これはここに書いてあります通りに、その利子を補給するに必要なる経費を計上いたしておるのであります。  次に十七の肥料保管団体欠損補てん一億三千九百万円、これは肥料需給安定法によりまして、全国購買農業協同組合連合会で十二万四千トンの肥料を法律の規定に基きまして調整肥料といたしまして保管をいたしておるのでありますが、この保管に要します倉敷並びに金利その他の必要な費用を補てんするための経費であるのであります。  十八の農林漁業災害営農資金利子補給でありますが、これは昭和二十八年並びに二十九年に起りました各種災害に基きまする営農資金利子補給に必要なる経費であるのであります。  次に十九の農業協同組合再建整備に必要な経費といたしまして二億七千六百万円計上いたしておりますが、これは農業協同組合並びに連合会が再建整備法に基きまして増資をいたしました場合に、その増資分に対しまして補助金を交付することに相なっておるわけでありまして、これは三十年度をもって打ち切りとなる経費であります。従って来年度からはこの経費はなくなるというような性質のものであります。  二十の農林漁業組合連合会整備促進でありますが、これは再建整備促進法に基きまして、連合会が再建整備計画を立てました場合に、信連等がその利子を免除いたしました場合、その免除いたしました金利の半額を法律の規定に基きまして補助することになっております。現在まで二十二の連合会が再建整備計画を立てておるのでありまして、これに必要なる経費でありまして、おもに二十九年度に計画を立てました二十九年度分の利子補給金であります。これはすでに確定をいたした経費であります。     〔白浜委員長代理退席、委員長着席〕  次に二十一の農業共済保険の実施経費でありますが、この経費は百四十五億であります。前年度の百七十二億に比較いたしまして二十六億減額になっておりますが、これは二十九年度におきます災害が二十八年度に比較いたしまして割合に少かったのでありますから、国庫が保険特別会計に納付する金額がそれだけ少くて済んだことに相なるのでありまして、もちろん本年度さらに大災害等が発生しました場合は、当然この経費が不足をして参りますので、繰り入れ等の問題が発生してくると思うのであります。これはおもに災害の実態に基きまして二十六億見当の経費減額に相なったのであります。従いまして本局といたしまして百八十二億、前年度は二百二十億でありますので、約三十八億ほどの減額ということに相なるのであります。  二十二以下場所関係経費は前年度とほぼ同じでありまして、肥料の検査所並びに輸出品検査所等の運営に必要な経費は、これで大体まかなっていける、かように考えておるのであります。簡単でありますが、以上御説明といたします。
  11. 綱島正興

    綱島委員長 次に農地局総務課長の説明を求めます。
  12. 正井保之

    ○正井説明員 資料の十四ページをごらん願います。農地関係の一般公共事業以外の関係経費の御説明を申し上げます。  第一番目の農地行政事務処理に要する経費、これは農地局の職員に伴う経費であります。  二番目の土地改良法施行でございますが、この内容は非常にこまごまとたくさんございまして、そのおもなものは農地の集団化の関係経費、これは集団化の計画に対する補助でございまして、事務費の補助でございます。御承知のようにいろいろな権利関係が錯綜しておりますし、相当の経費がかかりますので、その事務費に対する助成をいたしておりまして、全体で百七十五万町歩ばかりの交換分合を促進するという計画のもとに年次的に進めております。前年に比べまして、面積が十八万町歩から十六万町歩に若干減っておりますが、内容的には大体各府県の計画を受けましてその程度にいたしたわけであります。なお経費の点では、従来若干不足しておりました点を補正いたしております。その他はここにございます土地改良施設事務費でございますが、これは国営関係施設が完成しました際に、その委託をいたしましたり、あるいは農林漁業資金の融通をいたしておりますが、その関係事務を処理いたしましたり、あるいは電源開発法による電源開発地点の調査、こういったものの経費等が含まれております。  三番目の農業移民でございますが、これは二十七年に初めてブラジルへ移民を送りまして以来、年々ふえて参ったわけであります。昨年度は六百七十四戸でございましたが、来年度は一千戸の送出を見込んでおりまして、これに要する募集、選考、それから訓練に要する経費と、それから現地の調査のための経費、二十九年度も二名中南米からブラジルの方面へ参りましたが、三十年度におきましても、その現地調査をやりまして、企業移民として適地調査あるいは経営の見通し、そういったものの調査をいたす経費でございます。  四番目の開拓地営農指導でございますが、これは建設工事があり、入植をいたしました後の営農指導に要する経費で、大部分が人の経費であります。そこにございますように、現在営農指導のために六百人の人を配置いたしておりまして、各地区を絶えず回って指導いたしております。そのほかに保健婦と、それから非常にお医者さんの遠い所には開拓医を置きまして、衛生管理に従事をいたしておるわけであります。その次に資金融通事務というのがございまして、備考の二番目に出ております。これは先ほど次官から御説明がございましたが、開拓者資金融通関係事務経費を、従来は一般会計の方に含まれておりました。これが三十年度は二千九百万円、県に対する委託費でございますが、前年に比べまして相当の減額になっております。それは十月以降は特別会計の方に事務費を計上する、こういう建前で実は金額が減っておるわけであります。四番目のところにございますが、開拓地営農指導費、これは実は従来も営農指導なりあるいはその他の指導等に出かけました際には絶えず留意はいたしておりましたけれども、必ずしも開拓農協に対する指導が十分でなかった、開拓農協は比較的こまかくなっておりまして、しかもいろいろと国家から流れてきます補助金等も扱いますので、そういった経費の適正をはかるということと、さらに非常に細分されております農協を、できるだけ適正規模に統合して参る、こういうふうな趣旨をもちまして、本年度新たに計上いたしまして御審議を願うことになったわけであります。  その次の開拓融資保証法でございますが、これは中央保証協会に対する出資でございます。政府出資でございまして、現在一億五千万円出資がございますが、それにさらに五千万円をふやす、これによりまして、開拓者に対しましては、開拓資金融通特別会計で入植三カ年間の基礎的営農資金を供給いたしておりますが、短期の営農資金につきましては、従来も横手等の利用ができないで非常に困難いたしておりましたので、主として企業資金につきまして必要企業資金の半分程度について農林中金からの融資に対して保証する、こういう建前で短期資金の円滑を期しておるわけであります。だんだんと開墾が進みますし、新たな入植者がふえましたので、資金の需要量が多くなり、それにこたえるために五千万円追加され、これによりまして、従来十四億の資金額が十七億と三億ふえるわけであります。  六番目の開拓者資金融通特別会計でありますが、先ほども次官の御説明がございまして、ここに三千三百九十八万九千円という二十九年度の数字がございますが、これは実従来一般会計からの繰り入れは十五億一千九百五十五万四千円でございまして、これはそのうちの国債利子の繰り入れ経費の一部がここに載っておるわけでありまして、実質的には十五億参っております。なお備考の方にございますように資金運用部資金で十億をまかなう、そういうことにしまして、その借入金に対する利子補給分、これを計上されたのであります。十五億から十億と非常に減っておるようでありますが、後ほど御審議を願う開拓者資金融通特別会計法の改正によりまして、従来償還金がありました場合にはそれを一般会計繰り入れておったのを、繰り入れないでそのままその会計で使う、こういう関係運用資金からの借り入れも十億にとどまっておるわけでございます。内容的には先ほど次官の説明がございましたが、基本営農資金については同様でございまして、むしろ家畜導入資金につきましては、前年度三億一千万円、これによる導入頭数が役畜五千五百、乳牛が七百七十頭、それが役畜を四千八百頭、乳牛が三千二百頭というように、約四倍にふやしまして、むしろ強化いたしております。  次の農村建設青年隊でございますが、これは農家の二三男で職がない人あるいは入植等を希望しておるような人がおるわけであります。これを私どもの方で実施いたしております建設事業に隊として出てもらいまして、いろいろ建設工事に従事しながら営農のためのこと、工事のこと、あるいは機械の知識、そういったことを初め、いろいろ教養をつけまして、そうして適格者については入植してもらう、こういうわけでありまして、二十八年から始まっておりまして、非常にいい成績をおさめております。来年度は約三百万円ふえておりますが、従来十五隊実施いたしておりましたのを、五隊ふやしまして二十隊にする予定にしております。  その次の自作農維持でございますが、これは自作農創設維持特別会計農地買収、売り渡しをいたしておりますが、その関係経費特別会計で負担する以外の経費、それから農地法に基く調整事務をいたしております。減っておりますのは、おもなものは三番目にございます小作料の決定調査費補助金、これが二十九年度約五千万円ついておりまして、この調査が大体終りましたので、ただいま取りまとめ中でございますが、その関係経費が落ちましたのと、あとは戦前実施しておりました自作農創設の資金に対する国庫負担分、これも償還が、金額が減った、こういうことに基くものであります。  次の未墾地、これは大体先ほども開拓についてお話がありましたが、三十年度の入植の戸数は七千戸から五千五百戸に減りまして、その関係未墾地買収面積も三万八千町から二万七千町に減っておりますが、これに伴う経費が減でございますのと、従来各府県に二千五名配置されておりました地方減員、二百名を平衡交付金の方にまわした、こういうことに伴う減でございます。  十番目の経理事務、これは特別会計の経理運用に要する経費繰り入れるわけでありますが、未墾地買収面積等の減その他によりまして、事務的な経費が少くて済む、こういうことでございます。  十一番目の臨時石炭鉱害対策でございますが、これは北九州と山口県で鉱害のために陥没しまして、非常に水田等もいたんでおります。それを復旧するための経費は、公共事業費の方に鉱害復旧事業費としてございますが、その際に工事が行われましても、ただちにもとの状態にはなりませんので、暫定補償、もとに復するまでの間の損害に対する補償をいたすわけであります。これに対しては通産省が主管しておりますが、農林省、農林大臣に協議いたしまして、補償額等が決定されるわけでありまして、それの調査等の経費であります。  その次の十二番目の、土地改良基礎調査、これが七百万円から二百七十万出に減っておりますが、実質的には同様でございまして、一部公共事業費の方に振り向けられたわけであります。これは全国の頭首工でありますとか、小さなため池でありますとか、あるいは水路、こういったものの基礎的な調査をいたしておりまして、増産対策費の事業実施する際に、そういう基礎調査に基きまして、合理的にやって参るわけであります。そういう意味合いの経費でありまして、実質的にはかわりません。  十三番目の農業水利実態調査でありますが、これは現在のいろいろの河川の水の利用の関係や、最近電源開発の促進等に伴いまして、あるいは工業用水、上水道、こういったふうの関係と非常に競合する場合が多く、農業の妥当な線を打ち出さなければ非常に迷惑する場合が多いわけであります。そういうために、そこにございますように前年度に引き続きまして、八つのそういった問題を多く含んでいる河川を選びまして、その実態調査をやるのであります。非常に詳細な調査でございまして、これをもとにしまして、河川管理あるいは水の利用の関係、そういうものの調整をいたし、また農業水利の制度の確立のための基礎資料にする、こういうふうな考え方の経費でございます。  十四番目の建設機械技術の訓練でございますが、これは最近国営の事業等におきましてもあるいは府県におきましても、非常に機械を使うことが多くなって参ったのでございますが、それの操縦、管理、修理、そういった面で機械の使用について、それを効率化するための講習等の経費でございます。  十五、水理実験所、これは二千四百万円が千七百万円になっておりますが、平塚に水利実験所がございまして、いろいろ具体的な工事を設計する際に、理論的に出されたものを一応小さなひな型を作って水を流してみて、それによりまして、足らざるところを訂正しまして、いい設計をもって経済的にやっていく、こういう趣旨であります。一部運営費のほかは大部分が施設費でございます。  十六番目の技術者訓練でございますが、これも年々進歩して参ります技術を、現に仕事をやっている人たちに徹底させる、こういう趣旨でございます。  以上で大体農地関係の……。
  13. 川俣清音

    ○川俣委員 前年度限りの経費というのをちょっと説明して下さい。
  14. 正井保之

    ○正井説明員 これは先ほど申し上げました十五ページの開拓者資金融通特別会計、これが十五億一千九百万円の経費になると申し上げたわけでありますが、これの関連の経費であります、こちらで二つに分かれて載っかっておりますのは、実は計算の基礎がちょっとはっきりいたしませんので、その関係でございます。  以上で、農地局の関係一般経費について見ますと、三十三億二千九百万円が十五億八千五百万円になります。ところで開拓者資金の先ほどの十四億、これがおもなものでございまして、その他はあるいは小作料の調査事務が終った、あるいは自作農創設の維持の政府繰入金が減った、そういったことに伴うものでございまして、内容的には大体昨年程度のものを維持し得ておるわけでございます。  なお、このほかに従来自作農特別会計実施いたしておりました農地担保金融、一時金融が一般会計から農林漁業公庫の方に二十億繰り入れを見まして、非常に強化されておるわけでありまして、大体そういう面での強化のほかは前年度程度となっている、こういうことになろうかと思います。
  15. 松野頼三

    ○松野委員 今の川俣君の質問の、前年度限りの経費というやつの十五億、これとさっき君が説明した六番の開拓者資金融通とは別にあげておりますよ。計算上これは済んでないので、別なものじゃないかと思うのですが、もう一ぺん説明して下さい。
  16. 亀長友義

    亀長説明員 最初に、三千三百万と三千九百万とを比較しておりますが、前年度開拓者資金特別会計に対する一般会計からの繰入額は、約十五億繰り入れておるのでございます。正確に申し上げますと、貸付金の財源として十四億八千五百五十六万五千円、国債利子その他の支払い財源といたしまして三千二百五十二万円、償還金の収納手数料といたしまして百四十七万円入れてございますが、本年度はこれに対しまして三千九百万円の資金運用部資金から借り入れます十億に対する利子のみを計上することにしまして、従来貸付財源は一般会計から繰り入れておりましたものを資金運用部からの借入れ資金によってまかなうということにしました。比較すべき数字といたしましては、従来の国債の利払い関係の約三千二百万円と、償還金収納手数料約百万円の合計が約三千三百九十万円になるのを、今度の三千九百万円と比較いたしたのでありまして、貸付財源の点につきましては、従来の一般会計から受け入れるという制度を今回は資金運用部から貸し付けるという制度に改めましたので、その分については前年度限りの経費とみなしまして、前年度限りの経費十五億という数字のところに入れてございます。若干そこに約千四百六十万円ほどの差額がございますが、これは重要経費としては列記いたしておりませんような、他の前年度限りの比較的軽少なものの額が約千四百六十万円というわけでございます。
  17. 綱島正興

    綱島委員長 先ほど事務次官説明されたのと同じものだということでプリントをもらっておりますが、ページが飛んでいる。二の十六というところから二の十九となっておるのですが、これは続いておるのですね。ページをこのままそろえておけばいいのですね。抜けておるのじゃないですね。
  18. 亀長友義

    亀長説明員 印刷の関係でページが間違っております。
  19. 綱島正興

    綱島委員長 それでは午前中はこれだけにいたしておきまして、午後一時再開いたしまして昨日の理事会の申し合せの通り、引き続いて説明を求むることにいたします。  午前中はこれにて終ります。     午後零時六分休憩      ————◇—————     午後一時五十二分開議
  20. 綱島正興

    綱島委員長 午前に引き続いて会議を開きます。  政府より引き続いて説明を求めます。公共事業関係、正井総務課長。
  21. 正井保之

    ○正井説明員 農地関係公共事業につきまして御説明申し上げます。資料は三十年度農林省関係公共事業費内訳表でございます。農地局の関係は第一ページに全体の姿が出ております。  昨年度総体をくるめまして、四百二十七億六千七百万円でございましたが、今回提出いたしまして御審議を願う予算は三百八十四億八千四百万円、約四十二億ばかり減になっております。その内訳のおもなものを申し上げますと、Aの食糧増産経費ということで整理をいたされております関係で、その内容土地改良事業費開拓事業費、農業機械整備費、耕地整備事業助成開拓実施費になっておりますが、この関係で七億八千三百万程度減になっております。災害関係経費では、農業施設災害復旧と、それから鉱害復旧事業費、災害関連事業費、それに昨年度経費の中には二十九年の補正によりまして、当該年度経費が入っておりますが、そういうものを含めまして百八十億五千四百万、それが本年度の要求は百四十五億四千六百万円、約三十五億減になっておりまして、先ほどの食糧増産経費の七億八千万円とただいまの三十五億を合計いたしまして四十二億ばかり減っておるわけであります。  この内容について御説明申し上げたいと存じますが……。
  22. 川俣清音

    ○川俣委員 予算説明に当って一つ注意して御説明願いたいのですが、特に食糧増産経費の中には二十九年度に発生いたしました災害費が含まれておす、この災害のために一般経費が削減せられて補正が行われたのであるが、これを比較検討するには、二十九年度の当初予算を含めた説明をしないと比較にならないのです。このくらいのことはわかっていなければならないはずだから、そのつもりで御説明願いたい。
  23. 正井保之

    ○正井説明員 実はただいま資料を持ち合せておりませんので……。
  24. 綱島正興

    綱島委員長 それではまたあらためてやってください。  では畜産関係。原田畜産局長
  25. 原田傳

    ○原田政府委員 畜産関係予算の御説明を申し上げます。  まずお手元の資料の四の三十五ページをごらんいただきますと、畜産局の計といたしまして、二十九年度予算額は二十一億三千八百十一万八千円となっております。それに対比いたしまして、隣に三十年度の要求額が出ておりますが、これが二十億一千八百四十九万一千円でありまして、差引一億二千万円ばかりの減という形に一応なっておるわけでございますが、しかしながらこの畜産関係予算につきましては他の費目に若干計上されておる分があるのでありまして、その第一といたしましては資料の四の四十一ページの五番のところに、学校給食経費といたしまして、国内産脱脂粉乳購入費補助費六千六百万円が計上されておるわけでございます。その他先ほど事務次官からも御説明申し上げました際に出ておりますように、生鮮食料品流通改善のための補助費が約一億円でございまして、そのうちに一部畜産関係流通改善補助というものが入っておる次第でございます。これらを総合いたしますと、前年度との比較におきましてほぼ似たような数字になりまして、若干下回っておるという程度になるわけでございます。さらにそのほかに、これは後日食管会計の御説明の際に出て参るかと思いますが、購入飼料需給の安定のために、従来飼料需給安定法によりまして食管会計の負担において外国の飼料を輸入いたして、国内におきまして需給調節のために売り渡しをいたしておったのでございますが、その分におきまして従来は収支大体とんとんになるようにという予算の立て方でございましたものが、飼料の需給安定の重要性並びに運用上の効果を十分に上げますために約四億四千万円ばかり欠損を見込むという計上のいたし方をいたしておりますので、実質上におきましては、畜産の関係におきましてそれだけの国家の財政負担というものを考えておる次第でございます、これらを総合いたしますと、結局におきましては実力においては前年度以上の財政上の措置が考慮されるというふうに考えられるわけでございます。  次に予算の各費目につきまして主要な点を御説明申し上げます。資料の四の三十一ページでございます。  まず最初に畜産行政事務処理の経費でございまして、これは畜産行政一般の事務費を計上いたしておるわけでございます。  次に北海道畜産振興経費でございますが、この分につきましては、三十年度におきましては荒廃永年牧草地の更新の部分を計上いたしまして、前年に比べますと若干減少という形になっておるわけでございます。次に家畜改良増殖の経費でございます。仕事の内容といたしましては、ここに掲げてございますように、従来と同様の仕事を続けるわけでございますが、種畜の購入費の補助金が前年に比べまして若干減少もやむを得ないという事態になっておるわけでございます。  その次に四番の集約酪農地域とございますが、地区設定の誤りでございます。集約酪農地区の設定に関する経費でございまして、これは集約酪農地区にジャージー種の導入をいたしますための経費でございまして、ここにもございますように、前年度から導入を始めました四地区継続分と、本年度新規の二地区の分と合せまして一千八百頭のジャージー種を豪州並びにニュージーランドから輸入する計画になっております。前年度におきましては金額は少し多いのでございますが、この差額は主といたしまして、前年度においてはアメリカからジャージー種を入れるように計画いたしておったのでございますが、アメリカからの輸入は単価の点におきましても少し高くなっておりますし、そのほかに輸送距離が長いので海上運賃も少し高くなっております関係上、並びに最近の外貨の窮屈な事情等も考えまして、アメリカからの輸入を豪州、ニュージランドに振りかえたための減少でございます。  その次の草地改良経費でございますが、草地の改良につきましては従来からいろいろやってみましたが、実際の状況にかんがみまして、今後におきましては草地の改良はできるだけ重点的にかつ能率的に行うことが適当ではないか、かような考え方から主といたしまして草地の改良を機械力によって行い、しかもその対象を集中的にいたしたい、こういう考えから機械の施設補助という形をとりまして、大体二十三地区というものを考えまして、その一地区当りについて草地改良用の機械の購入費、二組でありますが、二組ずつの購入費一千三百万円の二分の一補助という立て方をいたした次第でございます。  その次の牧野災害復旧費でございます。九州方面におきまする牧野災害復旧は大分進んで参っておるわけでございますが、なお被害激甚の地帯が残っておりますので、その分につきまして二千万円の補助費を計上いたしたような次第でございます。  次に飼料需給経営となっておりますが、これは間違いでありまして、自給経営の普及の経費であります。この経費につきましては前年度分三千二百六十五万三千円計上いたしてありましたものが、本年度の分といたしましては千五百二十二万六千円に減少いたしておるのでございます。その減少の原因は、飼料作物の採種圃に対しまする補助費というものが従来三カ年にわたりまして補助が行われ、大体その補助の効果を上げるに至ったという考え方から、この分が本年度予算には計上されておらないということが原因であります。  次の有畜営農の確立でありますが、これにつきまして先ほど事務次官からの御説明でも申し上げましたように、三十年度分といたしまして約融資額九億八千万円というものを考えまして、これに対しまする利子補給の分が二千四百五十九万五千円であります。それと過年度分の利子補給の必要額とを合計いたしまして、二億九千二百八十三万七千円というものが計上されておる次第でございます。  次の流通飼料の需給及び価格安定の経費でございますが、これは飼料需給安定法の運用のために必要な審議会の運営のための経費、そのほかに国内におきまする飼料の取引の事情を調査するための調査費内容になっております。  次の飼料の品質改善経費でございますが、これは前年度に比べまして約五百万円ばかり減少という形になっておりますが、この五百万円の減少は飼料の検査を行いますための施設施設費が、前年度におきまして施設が大体でき上りましたので、その分が本年度には計上されておらない、それが減額のおもなる理由でございまして、この四百万円の内容は飼料の品質を改善するために必要な検査の経費でございます。  次の酪農振興経費でございますが、これは酪農振興法の運営のための経費でございまして、その内容といたしましては、審議会の運営経費、そのほかに酪農に関しまする講習の経費でございます。  次の家畜及び畜産物消費流通改善並びに価格安定の経費でございますが、これはほぼ前年度同額を計上いたしておりまして、その内容といたしましては、おもなるものは農村におきまする食肉の利用の促進をはかりますために、昭和二十八年度以来三ケ年計画で農村にその利用促進施設に対して補助をいたしておりましたものの継続の分でございまして、ここにございますように本年度も十ケ所を予定しておる次第でございます。  その他、家畜並びに畜産物取引価格の調査の経費でありますとか、それから出荷調整協議会というものを設けまして、生産者並びに生産者団体に有利なる出荷の措置を講ずるための経費でございます。その次の家畜疾病予防の経費でございますが、これは大きく約一億円ばかり減少の形になっておりますが、この家畜疾病予防の経費は、家畜伝染病予防法を中核といたしました予防の経費でございまして、従来から、この疾病予防の仕事をやって参りますと、だんだんその成績と申しますか、効果が現われて参りまして、家畜の殺処分等に対しまする手当金等が、予算に見込みましたほど必要でなくなる、またこれに関連しました旅費でありますとかその他の経費も余裕が出て参ります状況にかんがみまして、本年度におきまする事情を勘案してここに計上いたしました程度一応用意すれば、これで間に合うという見当がついておりますので、かような計数にまとめておる次第でございます。ただこの家畜疾病予防費のうちにおきまして、実は従来は計上しておりませんでした部分がございますのでそれを申し上げますと、ミツバチにつきまして腐蛆病という病気が数年前からだんだん頭を持ち上げて参りまして、昨年の秋ごろの状況から判断いたしますと非常に危険な状態になって参っておる。しかもこれが今年の春になりまして猛烈な勢いで広がって参る徴候が現われて参りましたので、特にこの問題につきまして研究をいたしまして、急を要するという趣旨から家畜伝染病予防法の規定に基きまして、政令をもちましてこのミツバチの腐蛆病というものに対して、家畜伝染病予防法中必要な規定を準用することにいたしましたための分、並びにそのための予算措置といたしまして、ミツバチの腐蛆病の防遏のために必要な経費といたしまして、約七百七十万円ばかりを特に計上しておる次第でございます。  次の家畜薬事の経費でございますが、これは前年度に比べまして若干減少いたしておりますが、仕事の内容といたしましては従来と同程度の仕事を続けて参るという趣旨でございます。  その次の競馬の監督の経費でありますが、これは昨年におきまして国営の競馬を民営に移管いたしましたことに関連いたしまして、先般競馬の特別会計という制度を廃止いたしましたので、これに関連いたしまして中央競馬並びに地方競馬の監督のための経費一般会計に計上する必要を生じて参りましたので、そのための所要額を計上しておる次第でございます。  その次の牛乳、乳製品消費普及促進経費でございますが、この経費はいわゆる高温殺菌等の牛乳の簡易な処理施設を農協等の団体施設いたします場合に補助をいたすのでございまして、実は前年度におきましても、当時におきまする牛乳、乳製品の需給並びに価格の状況にかんがみまして、応急の措置といたしましてかような補助をいたすことが必要だと考えられましたので、予算の科目流用等の便宜の措置によりまして、二カ所分の予算を設けましてこれによって応急の措置を講じた次第でございますが、今後におきましても、かような施設によりまして牛乳の流通を改善いたしまして、できるだけ低廉なる牛乳を集団的に飲用せしめる等の方法によって牛乳消費面を拡大するというために適当な措置であるという考えから、さらにこの規模を大きくいたしまして二百七十六カ所分、二千二百万円ばかりを計上いたしておる次第でございます。  その次の畜産の技術振興に関する経費でございますが、畜産の振興をはかりますために畜産技術振興をはかることが必要であるという考えから、技術の講習会でありますとか、共進会でありますとか、特殊な調査でありますとか、こういうものにつきまして適切な計画を持ちました場合は、これに対して補助を出したいという考えから二千万円を計上いたしておる次第でございます。  次の家畜家禽飼養実態調査の経費でございますが、これは昨年度までにすでに二カ年この趣旨によりまして調査を行なって参りました結果、一応のデータが得られるという建前になっておりますので、三十年度におきましては減額となっておる次第であります。  その次の草資源の造成改良の経費でございますが、この経費は先ほど五番の草地改良につきまして申し上げましたような関係で、新しい考え方の経費に振りかわりまして減額ということになった次第でございます。  以上が畜産の実体的な行政費でございますが、そのほかに小計から以下は主として場所の関係経費でございまして、これが種類といたしましては三つに分類できるのでございまして、家畜衛生試験場関係と動物検疫所の関係と種畜牧場との関係とに分れるわけでございまして、この場所関係合計いたしますと前年度が八億一千百六十一万四千円になっておりましたものが、本年度の分といたしましては七億七千七百七十二万九千円というふうに若干下回っておりますが、事業内容といたしましてはほぼ従来程度の仕事は続けられるという建前になっておる次第でございます。そのうち特に御説明申し上げたいと思いますのは、二十二番の馬の伝染性貧血の研究に関する経費でございますが、この馬の伝染性貧血症いわゆる馬の伝貧という問題につきましては、二十九年度におきましては九百十三万五千円の経費を計上いたしまして、この伝貧の問題の解決につきまして家畜伝染病部門の一つとして取り上げて研究を続けて参ったのでございますが、特にこの病気の性質上総合的な多角的な研究をいたさなければ病理の根源をつくこともできないし、またそれに対する療法というものの解明もできないという考えから、特にこの点につきましては今後強力なる総合的な研究をいたしたいという考え方からいろいろ折衝をいたしたのでありますが、結局経費におきましては千九百四万三千円というふうに増額になりまして、そのうち従来ございませんでした委託研究費というものを三百万円計上することになりまして、こういう委託研究費というようなものの活用によりまして、用に獣医学的な見地のみならず、他の科学の方面からの総合的な援助研究を仰ぐ、こういう道が開ける次第でございます。と同時に直接試験場で従来から行なって参りましたような経費につきましても、相当増額を見まして、直接の分が一千百五十万七千円というふうに増額になっておる次第でございます。大体場所関係につきまして特に必要があると思いました点を申し上げまして、一応説明を終ります。
  26. 川俣清音

    ○川俣委員 畜産局の説明説明になっていない。これは重要な説明をしなければならぬのは、日本競馬法が改正になりました結果、当然畜産局の予算は大幅に変らなければならぬはずなんです。この点説明では見落としている。ただ監督費だけを一千万円程度のものを出しておいて、これは前の予算には国営競馬は監督費なんかないのだね。
  27. 原田傳

    ○原田政府委員 従来は特別会計でありました。
  28. 川俣清音

    ○川俣委員 特別会計だった。当然ない。支出の面でこれが出てきている。あなたが今馬の伝貧の説明をされたけれども、これは大蔵省にそんなに頭を下げぬでも、競馬会から入ってくる予算で当然見なければならぬと法律で義務づけられておる。これは得々と説明する必要がない。ちゃんと法律できまっている。これでまた足りないはずなんだ。大いにやられたということだけれども、これはあなた方がしよいようにちゃんと法律を作ってある。それに対しては、まだ足りないなら足りない、こういう説明をしなければいかぬでしょう。それからあれは畜産奨励のために国庫に納付するはずで、納付された金は畜産奨励に使われるはずです。どこへ使ったかという説明がなければ、去年の説明と同じ説明だけでは満足されない、その点を詳しく説明願いたい。
  29. 原田傳

    ○原田政府委員 ただいまのお話の点でございますが、日本中央競馬会法が制定されました際に、競馬の馬券の売上高の一定割合が国庫に納入になる、またその地利益金につきましても、一定の割合で国庫に納付されるという建前になっておりまして、その国庫に納付されました金につきましては、その用途につきまして規定が設けられまして、ただいまお話の馬の伝貧の研究に関しまする経費でありますとか、酪農振興に関しまする経費でありますとか、社会福祉事業に関しまする経費でありますとか、またその他畜産振興のための経費にこれを振り向けるということになっておるのでございまして、その点につきましては実際の国庫の納付金の額と、畜産関係予算との見合いになるわけでございまして、現在ここに予算案として計上せられておりまする金額は、その法律の規定を一応満たしておる、こういう形になっておるのであります。
  30. 中村時雄

    ○中村(時)委員 それはちょっと話がおかしい。畜産局できめられた予算設置の上にプラス・アルファ家畜振興という名目で、あの場合は数字をきめてきっちりしておったはずなのだ、それをあなた方の方は一般会計繰り入れてしまって、その予算のワク内において云々するという見解なのか、どちらの見解か、それを一つ伺いたい。
  31. 原田傳

    ○原田政府委員 ただいまの国庫納付金の取扱いの問題でございますが、法文といたしましてこれこれの経費その他畜産振興に必要な経費に向けるという規定になっておりますので、その国庫納付金というものが、いわば最低の保証という形になっておるのであります。かように考えております。
  32. 中村時雄

    ○中村(時)委員 ここでこの問題を取り上げると時間がかかりますので、いずれこれは期日を改めて質問したいと思いますが、それに伴うところの資料をすみやかに全委員に提供してもらいたい。
  33. 川俣清音

    ○川俣委員 競馬会から入って参りまする納付金の仕訳を資料として出していただきたい。その上で質問しますから。
  34. 綱島正興

    綱島委員長 今度は蚕糸局長に願います。
  35. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 蚕糸予算について御説明をいたします。一の蚕糸行政事務処理経費、これは本省における一般事務の処理に必要な経費でございますので、内容は御了解いたしていただきたいと思います。  二の生糸の需要増進に関する経費、これは従来国際絹業協会と対応いたしまして、日本中央蚕糸協会においてニューヨークにおける海外市場の開拓のための宣伝及び調査をやっております。本年二千万円ふやしまして、それでこのうち海外事務所費、海外調査員費等は従来通り委託費といたしまして、生糸需要増進補助金となっておりますところの従来宣伝事業をやっておりました部分につきましては、これは本年度は弾力性を持って使えるように補助金にかえてもらいまして、総額として二千万円の増加を見ました。  三の生糸の需給調査、この経費は繭糸調査規則というものがございまして、それに基いて糸の需給状況につきましての月報、年報等を編さんしております。その調査用紙であるとか結果の取りまとめの印刷費等でございます。  四が蚕糸業指導監督費でございます。これは第一が繭検定所の補助金でございまして、蚕糸業法の第十五条の規定に基きまして、都道府県に繭の強制検定を従来から実施させておりますところのその繭検定所に対して、設備費、建物であるとかその他の付帯工事費、あるいは繭の検定用の操糸機械が、従来は座繰りでございましたものが大半多条機に変っておりますので、それを多条機にかえるとかいうふうなこと、あるいは煮繭の設備等もそれに伴いまして変更しなければならないので、年度計画を立てながらそれを各県直しておりますが、その経費でございます。そのほかに繭の調査試験委託費というものがこの項の一番最後に千二百四十三万円載っておりますが、これは従来三年計画でやっておりますところの水引きに関する試験と、そのほかに新たに国際的な生糸に対する品質についてのいろいろ注文がございますので、これに対応して、繭についても検定格付方法等を研究しておかなければならないので、その経費として四百万円ほど新たに追加されております。  五が養蚕振興対策経費でございます。これは前年に比べて幾らかふえましたが、これは第一にございますところの養蚕経営改善特別指導施設費補助金、これは従来やっておりますところのモデル地区と言われておりますかなり進んだ優秀な組合に対しまして、稚蚕共同桑園であるとか、稚蚕共同飼育所であるとか、あるはい蚕桑病害虫の共同防除であるとかいうふうな部分に対しての補助金でございます。これが約半分ほどを占めております。そのほかに昨年はございませんでしたけれども、老朽化桑園が非常に多くなって、戦後それの改植が十分進んでおりませんので、その桑園能事増進補助金といたしまして、やり方といたしましては従来よりも速成的に桑園を仕立てられるというふうな方法を——試験等においてはそういう結果が出ておりますので、それを促進しまして、ただそれの欠点といたしましてはカイガラ虫等の虫害がつきやすいというような関係からして、共同防除をやってもらうように考えまして、その蚕桑病害虫の共同防除事業を共同でやったり、あるいは展示圃を作ったりするというふうなことで改植を奨励する経費でありまして、これはそういうふうな必要の最も多いような町村を対象といたしまして、重点的にやっていくことを考えておりますが、新しく六千百九十五万円ばかりの予算を組んだわけでございます。  それから六といたしまして、蚕糸の技術改良でございますが、都道府県の蚕業試験場の試験費補助金、これは従来は少かったのでございますが、本年度は桑園改良の指定試験と蚕品種の改良指定試験と、それに加えまして桑の収穫予想の試験方法が、大体見通しがつきましたので、これに対する補助金及び施肥の改善合理化のための補助金というふうな点で、桑を重点的に考えまして、桑の能率を増進することが養蚕桑園改善及び増産になるというふうな点からしまして、本年度新たにそれらの補助金をつけ加えたわけでございます。  それから二の蚕業技術改良普及事業費補助金、このイは蚕業技術指導所の補助金でございまして、三十年度に比べまして二十カ所だけふやすというふうなことになっております。それから蚕業講習所あるいは蚕業普及員の再教育費、これは大体改良局等の仕事と同じような種類のものでございまして、技術負の素質を上げていくというふうなことに必要な経費でございます。  三の蚕業技術指導強化費補助金、これは養蚕団体の持っておりまするところの蚕業技術員の補助金でございまして、従来のものと大体変りはございません。  それから蚕糸の試験場の運営費及び生糸検査所の運営費、これは大体従来と大差ない運営なので予算としては取り立てて御説明するほどのものはございません。  蚕糸局としまして一般会計で総計が九億四千百三十二万円であったものが、わずかにふえまして十億一千六百五十二万円となっております。  これのほかに他局の計上分といたしまして関係がありますので御説明をいたしますると、七ページの農林漁業組合連合会整備促進となっておりまするそのうしろの、八ページにございまする口としまして、全国養蚕農業協同組合信用保証協会基金補助金としまして、これは閉鎖機関の中央蚕糸業会の金がございますので、これは三千二百万円、これは乾繭共同保管その他のいろいろな農業団体のいろいろな経済交流をやる場合の信用基金といたしまして計上いたしてございます。  それと二十四ページに特殊土壌対策の中でハとしまして防災桑園設置費といたしまして二千百三十五万円、これは前年通り西日本の非常に災害のひどい地帯に対する桑園の設置補助金としまして、前年は蚕糸局にありましたものを改良局の方に計上してございます。  それからもう一つ昭和三十年度一般会計予算の概要を見ていただきます。三十四ページにございまするが、これは特別会計の方に関係したものでございます。それで繭糸価格安定の対策といたしまして今までは一万七千俵の生糸の買入れしかできなかったわけでございまするけれども、本年度は三万俵までできるように一応予算は組んでございます。ただしその予算の裏づけになるところの資金につきましては、これは別途国会の方で御審議を願いますところの繭糸価格安定法の改正法案あるいは糸価安定特別会計法の改正法案において、この会計に借入金の制度を認めていただくことになりますれば、これが生きて実際運用できるというような形になっておりまして、予算的には法律さえ制定されますれば、それが従来から養蚕、製糸の方からの強い要望でありました糸価の最低をしっかり押えてもらうというふうな意味の要望には沿えると思います。それからやはり今度の繭糸価格安定法の改正に盛り込まれまするが、農民団体増産をやる場合に、一番心配なのは最低繭価でございまして、最低繭価の維持制度を考えております。このやり方といたしましては、乾繭共同保管を農業団体がやりまして、金利、倉敷等に対して助成をするというふうな考え方をやっております。それの経費は約二億円ばかりかかるわけでございますが、この特別会計の予備費の中から支出できるというふうなことに大蔵省とは了解をつけてございますので、その点もまた法律が制定されますれば、多年の農民団体の要望でございましたことが実現できる、こういうふうに考えられる状態でございます。  大体蚕糸関係予算について御説明申し上げました。
  36. 中村時雄

    ○中村(時)委員 ちょっとお尋ねしたいのですが、生糸の需要増進の中に、海外生糸市場調査宣伝委託費とあるのですが、この委託の対象はどういうものを対象としてやっておるのですか。
  37. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 従来から中央蚕糸協会という養蚕、製糸、輸出問屋、蚕種、そういうふうな蚕糸業関係団体をもって構成した団体がございます。それがニューヨークに事務所を設置しておりまして、三人ほどの人を派遣しまして、向うの市場調査、それから向うにおける海外宣伝——この海外宣伝の方は国際絹業協会というのがございまして、それに約一億あまりの金が日本からも醵出されておりますし、生糸の輸出国は各国とも出しております。それの半分ほどのものが大体消費地の半分以上を占めておるところのアメリカに渡っておりますので、それがISA、国際絹業協会というので宣伝費に使われております。この宣伝費の使い方につきまして、こちらから持って行ったところの宣伝費と、向うの宣伝費と合せてそれを利用し、それを最も有効な方法で使わせるように話し合ったり、指導といいますか、そういう仕事をするような形でニューヨークに事務所を設置しておりますが、その経費でございます。
  38. 中村時雄

    ○中村(時)委員 そうするとその対象としては中央蚕糸協会というものを対象としておるのですか。あるいは直接に、ニューヨークにある蚕糸協会を対象としておるのですか。
  39. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 日本にあります中央蚕糸協会に補助しております。国際機関の方は別に国際的なそういう醵出金を集めたものが分配されて行っておりますので、それはそれでもって相当これに相応するくらいな金を持っております。それとこっちの金を合しまして、こっちの最も欲する方向へリードしながら有効な宣伝をやってもらうようにしております。別でございます。
  40. 中村時雄

    ○中村(時)委員 その次に生糸需要増進補助金というのがあるのですが、これとの関係、それからもう一つ、海外事務所費、海外調査員費、これは公務員として行っておる人たちのことを称しておるのですか。
  41. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 これは前の年は補助であったのですけれども、委託にした方がいいということで、昨年宣伝事業の方を委託に切りかえたわけです。それで内容宣伝事業費は本年度はゼロになっておりまして、そのかわり補助金としまして生糸需要増進補助金というような形で五千万円プラスされて形が変ったわけであります。この内容は、宣伝事業費も需要増進補助金も同じものでございます。ただ費目が委託費から補助金に変ったので、ここでちょっと変った形になっておるというわけであります。それから駐在しております者は、これは公務員ではございません。中央蚕糸協会の職員でございます。
  42. 中村時雄

    ○中村(時)委員 どうも質疑になりそうですから、いずれ後日することとして、本日はこれでやめます。
  43. 綱島正興

    綱島委員長 それでは次に統計調査部の方の御説明を聴取したいと思います。
  44. 野田哲五郎

    ○野田説明員 お手元にあります資料の十一ページから十三ページにある統計調査部関係についで御説明申し上げます。まず十三ページを開いていただきますと、統計調査事務所の項の下の小計の次に統計調査部計というのがございます。これは総額でございます。前年度の三十六億七千万円に対しまして本年度の要求額は三十六億ということになりまして、六千四百万円の減ということになるわけでございます。前のページにあります本省関係は、実は統計調査部関係事業に関連するので、事務所の方について簡単に御説明させていただきます。  第一に統計調査事務所費一般行政費は、前年度二十五億円であったものが、本年度は二十六億円になっております。その大部分は人件費でございます。人件費につきましては、前年度二十四億円のものが本年度二十五億円になりまして、六千七百万円の増額になっております。そのほかに当委員会で御指摘をいただいております自転車等の分としては、前年度に比べて一千二百万円の増額要求となっております。次は農作物調査関係でございますが、面積調査、作柄調査、被害調査、この三つからなっております。面積調査におきましては前年度九千九面方円に対しまして、本年度五千四百万円とかなり大幅に削減を受けたのでございますが、これは一部財源といたしまして通信費の増額に持ち込まれたのでございます。作柄調査につきましては、前年度四千三百万円であったものが本年度四千万円になっております。被害調査につきましては、前年度八千九百万円であったものが本年度一億二千九百万円ということになりまして、ここで四千万一の増額になったわけでございます。これは昨年来農作物共済関係におきまして、被害調査の一つの客観的な標準として、統計調査部でやったらどうかという御意見があったのでありますが、それに基きまして要求した経費でございます。予算関係をもちまして本年度は米だけについて行いたいと思っております。それも被害秘類別ということをやめまして、被害によります増減収の程度別ということを郡単位までおろしてやるつもりでございます。  それから三番の農林経済調査でございます。これは経済調査、経営調査、生産費調査、物価賃金調査、かようなものをやっているのでありまして、大体前年の金額に見合うのでございます。  四番目の農林統計調査でございますが、これは農業動態調査、畜産証査、養蚕調査、林業調査、お茶の調査、かようなものをやっておりまして、これもほぼ前年と見合うものでございます。  次に水産統計でありますが、これは漁獲高の調査と、それから魚価経済の調査及び漁業センサス関係の調査というものをやっておりまして、これも大体前年度と見合うものであります。  統計結果の編纂公表と申しますのは、これは地方におきまして調査いたしました結果を主として町村別あるいは郡別に結果を印刷して配付する経費でございます。  十番目の土地改良による増加生産量調査でありますが、これはおもなる土地改良地区を選択いたしまして、そこにおける増産効果を測定している経費でございます。  十一番が臨時農業基本調査でございまして、これは前年度に実際調査をやりまして、本年度以降両三年を経まして集計をやるわけでございます。本年度経費は集計の経費でございます。  十一ページをお開きいただきまして、本省関係の他の経費はすべて統計調査事務所と対応する本省経費分でございますが、七番と八番が本省だけの経費になっております。七番が国立国会図書館農林省支部の経費でございまして、八番が農業観測の経費でございます。農業観測の経費につきまして約五百万円ばかり増額になりましたが、これは集計賃金の増加と報告書の印刷費の増加によるものであります。  簡単でありますが、御報告を終ります。
  45. 有馬輝武

    有馬(輝)委員 事務所の方の人件費は六千七百万増ということでしたが、その内容をちょっと御説明願いたいと思います。
  46. 野田哲五郎

    ○野田説明員 これは定員に対しまして一定の昇給率を見ました定期昇給の金額でございます。
  47. 川俣清音

    ○川俣委員 この際資料の提出を願いたいと思います。資料と同時に説明を願いたいのですが、農林漁業資金ワクの説明、昨年度並びに今年度の予定、それから農林中金の今までの貸出実績を各別に資料として出していただきたい。さらに御説明によると、ごくわずかな軽減であるということになっているが、一体農林省では若干の軽減というのはどういうふうなことを指しているのであるか。局長によりますと一割ぐらいのものを若干と言う。若干というのはどういうふうな内容をもって説明されているか、この説明をあらためて願いたい。きょうでなくてけっこうです。  さらにいろいろ節約をしておられますが、外郭団体に直接間接にいろいろ補助をしておられる、あるいは奨励金なんか出しておられるようですが、農林省関係している外郭団体の名前と出している補助奨励額を団体別に全部出していただきたい。
  48. 綱島正興

    綱島委員長 その団体のおもなる役員も書いてもらいたい。
  49. 樽垣好文

    樽垣説明員 それでは最後に官房関係予算案につきまして概略御説明申し上げます。  二ページないし三ページが官房であります。まず第一番目に農林本省一般行政費であります。これは人件費、事務費、施設費でございます。三番目に国際協力等とありますが、これは国際食糧農業協会の協会が日本にできておりますが、それに対します海外関係の資料の調査作成のための補助金が主体になっております。三番目に農林行政弘報事務でありますが、これは特殊の農林関係事務につきまして弘報事務を行なっておりますが、その関係経費でございます。四番目に特定農業地域振興対策でございますが、これは積寒法その他の各種特別法律がございますが、それに関する仕事の連絡調整並びに審議会開催等の経費でございます。五番目に国際会議出席その他海外払等でございますが、特殊の国際会議農林省の公務員等が出ておりますが、それに関する予想されております会議出席旅費、それから会議の国際団体に入っております加入分担金でございます。六番目は農林漁業試験研究でありますが、これは農林漁業に対する重要研究農林漁業関係の企業合理化のための試験研究のための補助金でございます。七番目に総合助成施設実施であります。積寒関係振興計画を実施するための総合施設に対しまして助成をいたしておりますが、継続二百町村と新規二百町村、それの補助金が主体をなすものであります。八番目に小団地開発事業促進でありますが、これは先ほど次官の方から御説明申し上げましたように、従来補助対策となっておりませんでした小規模の事業につきましての開発整備補助金が主体となっているのであります。九番目は農林水産業施設災害復旧でありますが、これは御承知の二十八年六月ないし九月の災害に対します農業倉庫その他の共同施設等に対する災害復旧補助金でございます。十番目は農林行政考査でありますが、特に各種の公共事業等を初めとしまして、農林関係事業並びに補助金等が相当多いのでありますが、これの適正なる運用を期しまして、行政考査をいたしております。それの経費であります。十一番目に、農村青壮年海外派遣でありますが、これはアメリカあるいはデンマーク等の海外農業技術の習得のために農村の青壮年を派遣いたしておりますが、これの渡航費の一部補助経費になっております。十二番目は、国土総合開発等の連絡調整、これは本省の事務費であります。十三番目に、生鮮食料品流通改善施設、これは新たに本年度計上されておるのでありますが、六大都市その他大都市における中央卸売市場等の施設が非常に狭隘になりまして、生産者あるいは消費者あるいは中間業者のそれぞれに、運営面に非常に困難を来たしておるのでありますが、これが市場施設整備改善のための補助金でございます。十四番目に、前年度限りの経費としまして、昨年第四回国際米穀委員会が東京で行われたのでありますが、その関係経費が本年は落ちておるのであります。以上であります。
  50. 綱島正興

    綱島委員長 では本日はこれをもって終了いたします。     午後三時一分散会