○河野国務
大臣 お答えいたします。問題は二つになると思います。第一は
余剰農産物を買ってくることがいいか、悪いか。この点は先ほどお答え申し上げました
ように、
アメリカにおいては
余剰農産物であって、
アメリカが
農産物価格の維持のためやっておる。そのために出た産物であることはこれは間違いありません。それは間違いありませんが、先ほど私がお答え申し上げました
通り、どこの余剰のものであろうと、どこの産物であろうと、わが国の食糧維持のために必要な米麦は
輸入して参らなければならないことは御
了承いただけると思います。それが
アメリカの
余剰農産物であろうが、中共のお米であろうが、台湾のお米、朝鮮のお米であろうが、そのお米がどこのものであるから、どういうものであるからといってこれは食わない、これは買わないということは、政治的には私は
考えたくないのでありまして、質と価格という両面から
考えて、商品価値のあるものであればこれを買ってきてよろしいのではないかと私は
考えるのであります。それを今言う
通り、
アメリカの
農民を救済するために、よってもって生じたものであるから、それを
アメリカは売らなければならぬので、押しつけられて買うのだ、わが国に必要のないもの、それを入れることによってわが国の
農民を圧迫する
ようなものを承知の上で買ってくるということ、これが
足鹿さんの言う
ような事態であれば、これは断じて反対しなければならぬと思いますが、これは所見は違うかもしれませんが、私は商品としてこれは取り扱う、よってこれは私の所管に関する米麦
輸入の数字の範囲内である。そうしてそれがたとえて申しますれば、準内地米に該当する
ようなものであって、品質は比較的優良であり、価格が安いという
ようなことに目途が一致いたしますれば、これは持って参ることは決して私はそう論議すべきものではないのではなかろうかと
考えております。
それからそれによって生じました
資金は、今仰せになります
ように、軍需生産に使われる、何に使われる、いろいろその用途については
考えなければなりません。これについての使途については無論論議しなければなりませんけれ
ども、私はさしあたり愛知用水その他わが国の食糧増産に資するために金を、今の
ところは三十五億
ドルと実は約束いたしております。お示しの
ように、三十億となっておりますけれ
ども、私の要求いたしておりますのは三十五億、三十五億でも三十億でも、どっちでもよろしいが、その金額が多い少いということは今申します
通り、これは別でありますが、今買ってきておりますものはわが国の食生活を維持するに必要なる物資であります。でございますから、そういう
意味合いからしてどこの国、どこからか
輸入しなければならないものであるという見地に立ってこれは
考えていきたい。先ほど申し上げました
ように、わが国へ入れることによってわが国の米麦価の決定に非常なる障害になるというものであれば、私は断じて賛成も共鳴もいたしませんという
考え方で御理解願えるのではないかと思うのであります。また
電源開発等は、決して私は農村の側から申しまして、今の愛知用水、その他開墾、干拓もしくは田畑の造成等だけが農村の
関係ではないのであって、一般国民の立場からして
電源開発等は非常にやらなければならぬ問題だと
考えておるわけであります。