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1955-07-22 第22回国会 衆議院 内閣委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月二十二日(金曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 宮澤 胤勇君    理事 高橋 禎一君 理事 辻  政信君    理事 床次 徳二君 理事 高橋  等君    理事 森 三樹二君       大村 清一君    長井  源君       林  唯義君    眞崎 勝次君       松岡 松平君    粟山  博君       山本 正一君    大坪 保雄君       小金 義照君    田中 正巳君       福井 順一君   茜ケ久保重光君       飛鳥田一雄君    石橋 政嗣君       下川儀太郎君    渡辺 惣蔵君       鈴木 義男君    田原 春次君       矢尾喜三郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 杉原 荒太君         国 務 大 臣 高碕達之助君  出席政府委員         内閣官房長官 田中 榮一君         法制局次長   高辻 正巳君         防衛政務次官  田中 久雄君  委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 七月二十一日  委員福井順一辞任につき、その補欠として保  利茂君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日 委員保利茂君及び渡辺惣蔵辞任につき、その補  欠として福井順一君及び櫻井奎夫君議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員櫻井奎夫君辞任につき、その補欠として渡  邊惣藏君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国防会議構成等に関する法律案内閣提出第  一〇〇号)     —————————————
  2. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 これより会議を開きます。国防会議構成等に関する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。質疑の通告がありますので、順次これを許します。福井順一君。
  3. 福井順一

    福井(順)委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  4. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  5. 福井順一

    福井(順)委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  6. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  7. 福井順一

    福井(順)委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  8. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  9. 福井順一

    福井(順)委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  10. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  11. 福井順一

    福井(順)委員 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  12. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
  13. 福井順一

    福井(順)委員 外国の例と言われましたけれども外国の例では国防会議と同等なものは議決機関になって、そしてもう一つ別個に有能練達民間人を入れた諮問機関というものがイギリスフランスの例でもあります。従いまして今防衛庁長官外国の例と言われたのは私は当らないと思いますが、その点一つどうでしょう。
  14. 杉原荒太

    杉原国務大臣 アメリカにおきましても国家安全保障会議というものは大統領に対してアドヴァイスするというのが主眼になっておるように承知いたしておるのであります。またイギリスにおきましても主として、そういうことに建前はなっておる。ただ一部内閣から委任された事項については実施的な任務を持つように規定されておると私承知いたしております。しかしこの制度なるものは必ずしも外国がこうだからこうだというわけではなく、全般の機構建前もございますからして、それを日本の場合にそのまま当てはめて、それを標準にしてこれは妥当かどうか、私、そういう意味で申し上げたわけではございません。日本の場合におきましては、やはり根本の建前はまず諮問機関として、その本旨からいたしまして、国防重要性にかんがみまして慎重の上慎重を期する、そして法律に基づいた一つ機関を作って、そのときそのときの都合で集まるとかいうのではなくして、常時ちゃんとした機構を作ってそこでこれを審議する、その結果をさらに閣議において決定する、こういうふうにするのが適当だと考えておる次第であります。
  15. 福井順一

    福井(順)委員 防衛庁長官が仰せのごとく、これはまことに重要なるところの機関であります。この国防会議運営いかんによっては、日本民族興亡にかかわる確かに重要な機関でありますので、私は特にこれは議決機関としたい、諮問機関としたくないという意見を申し上げるのであります。と申しますのは、この防衛庁設置法の第四十二条の中にあるところの防衛出動可否、それから国防基本方針防衛計画大綱、この三項目というようなものはまことに重大なことである。従いましてこれが決定をして遂行するには非常に火急の場合が多い。またこの機密を守るということは非常に重大なことでありますから、これはなるべく民間人などを入れないで、秘密が守れるように、また意見が早急にまとまるように、力の強い国防会議を作ろうということから、また内閣責任制というような見地から民間人を入れない方がいいということにしたのであります。そういう見地からいいましても、こういう三項目の重大なことを決定する機関でありますので、諮問機関では全く意味をなさない、また民間人が入らないということになれば諮問機関である必要はないのであります。これは閣僚の、最も有力なポストにいる一部が国防会議のメンバーでありますから、これは明らかに議決機関でよろしいという解釈を私はしておるのであります。そこでこれはどうしても議決機関にした方がよろしい、そう私は申し上げて、そうして防衛庁設置法第四十二条の「産業等調整計画大綱」を責める、こういうことは広く民間意見を徴した方がいいのでありまして、それには識見の高い練達民間人を入れ、その機関をもう一つ国防会議のほかに作るのであります。こうすれば私はまことにこれはうまく行くと思うのでありますが、これに対する御所見を承わりたい。
  16. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ただいまのこれを議決機関にした方が適当だという御意見でございますが、との点いかがでございましょうか、その議決機関という意味でございますけれども、そこで決定したことは、すぐ国家意思決定といいますか、そういうふうな意味においてでございますれば、最も大事な内閣責任制閣議決定というものとの関係等について、私どうも疑問があるように存じます。もちろんそこで審議せられたことが実際上きわめて重要な意義を持つということは、これはこの設置趣旨からいたしましても当然だと思いますけれども、そのこと自体意思決定機関であるとするのは、この機構の立て方としてはどうかと実は考える次第でございます。
  17. 福井順一

    福井(順)委員 国防会議でこれは議決してきめてしまってかまわないと私は思います。そうしてこれを内閣に報告して承認を得るという制度で私はいいと思います。というのは、内閣の長が内閣総理大臣でありますし、国防会議議長がやはり内閣総理大臣でありますから、これは同じことだと私は思う。そこでかりに国防会議で議決したことを内閣に報告しても、これを承認しないという閣僚はなかろうと私は思う。それは承認をしないのは工合が悪ければ、総理大臣罷免権を持っているのでありますから、そういう閣僚罷免をしてしまえば、閣内の意見というものは統一できるわけでありますから、国防会議諮問機関にするということは、はなはだこれは弱い。こういうような防衛出動可否だとか、国防基本方針防衛計画大綱というような、こういう民族興亡に関する、一国の浮沈にかかわる重大問題を決定する機関が、その性格諮問機関であるということは、いかにもこれは弱い。そこでこれを議決機関にして、そうしてきまったことを閣議に報告して承認を得るということで私はいいと思います。承認を得れば、これに反対する閣僚があれば、それはいつでも罷免ができるわけでありますから、これは不統一はないと思いますが、これに対する御所見を承わりたい。
  18. 杉原荒太

    杉原国務大臣 御意見でございますが、ここできめたことが直ちに内閣を法的に拘束する力を持つというようなことになって、そうして最終的に閣議において決定することができなくなるというような結果になることは、これは法制建前といたしまして私はそうでない方が適当だと考えておる次第でございます。その点は、せっかくの御意見でございますが、見解を異にするように存じます。
  19. 福井順一

    福井(順)委員 私が民間人は入れない方がよろしいという意見を申し上げるのも、これは全く同一の意向でございまして、こういう重大なことを決するには、それはそれだけの権威を持たなければならない。秘密も保持しなければならない。可及的すみやかに物事をきめなければならないというようなことから、これは民間人を入れるべきではない。それだけ権威のある、力強いものを作らなければならないというような見地に立って申し上げるのでございまして、それには諮問機関できめたことをまた閣議に諮るというようなことでは、これははなはだ力の弱いものであるというようなことで、民間人を入れないことにした趣旨もそこにあるわけでありますから、これは一つ十分お考えをいただきたいと思う次第であります。  それから民間人から広く意見を徴するということで、もう一つ国防会議に付属する諮問機関を作るということにつきましては、いかなる御意見をお持ちでありましようか。私の知れる範囲では、イギリスフランスにおいては、別にそういう諮問機関を設けております。日本でも、防衛庁設置法の、産業等調整計画大綱をきめるというようなことは、これは民間人から広く意見を徴してやったがいい、これを諮問機関として設けたがいいと思いますが、これに対する御所見を承わりたい。
  20. 杉原荒太

    杉原国務大臣 その点につきましては、現在のところまだ案を持っておりませんが、将来の問題としては研究してみたいと思っております。なおこういうことは考えております。それは幹事というものを設けまして、この法律の条文に即して申し上げますと、今度の法案に規定しております以外のことで国防会議に関することは政令をもって定めることができるという委任規定がございますが、その政令でもって幹事というものを設けて、これは関係省の、たとえば次官クラスとか、そういうものを総理大臣が任命して、そういう幹事というか、それが国防会議の議員を補佐する、そういう考案は持っております。
  21. 福井順一

    福井(順)委員 それは各省次官構成された幹事会とでもいうようなものでありますか。
  22. 杉原荒太

    杉原国務大臣 さようでございます。
  23. 福井順一

    福井(順)委員 それは私ははなはだ事務的に堕するきらいがありはしないかと思います。この国防会議というものの性格はもっと大きなものであるということで、私が今論議している問題とだいぶかけ離れた問題だと思います。私が民間人を入れた諮問機関を作りたいと申し上げるのは、国防会議から民間人を除いてこれを議決機関にしたいということでございますので、そうでなくても、総理大臣権限というものが非常に広範なものになっております。従いましてこの国防会議議長権限も広範なものになっておりますから、この国防会議議長権限をチェックするというような意味合いが、民間人を入れないということになると、だいぶ薄くなってくる。それでは広く民間から意見を徴するというようなことや、総理大臣権限をチェックするということが至って工合が悪くなりますので、これは民間人諮問機関を作ろう、こういうわけでありますが、これに対する御所見を承わりたい。今の次官を集めた幹事会とはだいぶ意味が違います。
  24. 杉原荒太

    杉原国務大臣 その点は今後国防会議の実際の運営等状況等を見まして、一つ将来の研究問題といたしたいと思います。
  25. 福井順一

    福井(順)委員 私は、民間人責任ある意見を聴取する方法として、その資格とか待遇、機密保護というようなものは、法律で定めればりっぱにできることと思います。そこで私のこの案に対しては十分一つ審議を願って、また十分御考慮を願って、できる限りそういうふうにしていただきたいと思うのでありますが、御所見を承わっておきます。
  26. 杉原荒太

    杉原国務大臣 先ほど申し上げた通り、今後の実際の国防会議運営状況等を見まして、将来の研究問題といたしたいと存じます。
  27. 福井順一

    福井(順)委員 事務局の問題でありますが、国防会議内閣に置いて、国防会議事務局内閣総理大臣官房に置くということになっておりますが、一体これはいかなる理由によるものでありましょうか。
  28. 杉原荒太

    杉原国務大臣 実際の事務局仕事をやっていきますに当りまして、各省とも連絡その他において実際上この方が適当だろう、こう考えた次第でございます。
  29. 福井順一

    福井(順)委員 実際の事務処理上非常にスムーズにいくという意味のことを言われましたが、それは現状ではそうかもわかりませんけれども国防会議というものはこれから新たに設けるのでありますから、私は現状を言う必要はないと思います。内閣総理大臣官房に置くということは、これは総理府の一部局でありますから、これはまことに小さい権威のない部局になります。従いまして、これで最も重大な国防会議事務処理ができるとは私は思わないのでありますが、その点について御答弁を承わりたい。
  30. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ただいまのところ、さしあたり十名内外の者をもってこれをやりたいと考えておりますが、それは総理府職員及び各省から出しまして、各省からの兼務者として、これは事実上はそこに専任的に働くのでありますが、そういう者をもって当てることによって、さしあたり事務局の職責を果し得ると考えておる次第でございます。     〔委員長退席高橋(禎)委員長代理着席〕  将来につきましては、今後の国防会議運営状況等を勘案いたしまして、必要があれば事務局をもう少し現実に必要な程度まではふやすことも考え得られるかと存じております。
  31. 福井順一

    福井(順)委員 それはとんでもない話で、わずか十名内外総理府職員を当てようというようなことは、とんでもない話だと思います。再々申し上げるように、国防会議というものは、これは日本民族興亡に関する大問題でありますから、そんなよそにおるやつをちょっと借りてきて、十名ばかりで間に合せようなどということは、実にこれは軽率もはなはだしいことだと私は思うのでありますが、もう一回これに対する御答弁を承わりたい。
  32. 杉原荒太

    杉原国務大臣 この機構の問題を考えます場合に、それが頭の中で最初考えた場合と、実際運営してみた場合と、かなり違う場合があることは、われわれよく経験することでございますが、これは最初のことでございますので、実際の運用等を見ました上で必要があればふやす、こういう行き方を実はとりたいと考えておる次第でございます。
  33. 福井順一

    福井(順)委員 それも私は実に驚くべき話を承わるもので、国防会議は、日本で一番重大な、一番権威のある会議でなければならないことは申すまでもないことであります。それをまずやってみて、場当りできめるんだ、今防衛庁長官答弁を極端に解釈すれば、そういうことになります。いろいろ構想を練って計画をして毛、実際にその衝に当ってみるとなかなかうまくはいかないので、大体十名程度にしておいて、その増減はできてから現実に即して考えるんだ、こういうことでありましょうけれども、これははなはだたよりない話であります。何となれば、私がなぜ小さい総理府の一部局としてこの事務局を置かれることに大反対をしているかと申しますと、これは統合幕僚会議というようなものに押されてしまうのではねいか、統合幕僚会議を押えるだけの十分権威のある事務局を作らなければ何にもならぬじゃないかということが、私の論点でありますから、その点どうお考えになるか、御答弁を承わりたい。
  34. 杉原荒太

    杉原国務大臣 今統合幕僚会議との関係のととがございましたが、統合幕僚会議は、御承知通り防衛庁長官補佐機関でございます。統合幕僚会議意見がそのまま直通的に総理大臣のととろにいくとか、あるいは国防会議へいくとか、構成建前上実際にそういうことには相ならぬわけでございます。もっとも今おっしやいました御意見の背景には、軍事に対する政治の優先という点が大事だという御趣旨が含まれていると思います。私はその点はまさしくそうだと思います。そういう点は、国防会議それ自体の機能も、一つはそういうところに大きな意味があることだと考えます。
  35. 森三樹二

    ○森(三)委員 議事進行発言を求めます。私はこの際動議を提出したいと思います。私どもはこの重要なる国防会議法案審議に当りまして、聞くところによりますと、自民両党間においては、民間人を削除して国防会議法案を成立せんといたしているそうでありますが、われわれはこのような楽屋裏の取引あるいは修正ということは、まことに遺憾にたえないと思うのであります。国民はひとしくこの国防会議法案について重大なる関心を持っているのでありまして、杉原長官は、ただいまこの委員会答弁において、民間人を除く意図を明らかにせられたのであります。従いましてわれわれは、政府が確信と責任を持って提示された国防会議法案を、すでに修正して提出する用意あることを認めたのであります。この際われわれはこの国防会議法案修正案政府がみずから認め、これを提出してから審議をしたいと思うのであります。そうでなければわれわれは、この民間人五名を除くというようなことが民自両党の間において成立すると同時に、政府もこれを了承しておるのでありますから、従いまして現在の段階においては私は審議することはできない。従いまして、政府より民間人を除外するという修正案を提出したる後において、本委員会審議を進められんことを望みます。以上の動議を提出いたしますから、直ちに採決をお願いします。
  36. 小金義照

    小金委員 動議に関連して一つ今森三樹二君から動議が出ましたが、一体この政府提案の本法律案について、まだ修正するとも削除するともきまっておらないのですから、それを前提にして、もしそういう修正意見があれば尊重するとかしないとかいうことは、審議の過程において混乱を生ずると思う。今森君の動議にありましたように、果して政府はどういう修正案を予想して、これならばのむというのか、その説明がまずなければならぬ。もしそれをのむならば、ここで修正点として一般に論議されている問題を除いて、ほかに同僚福井委員質問される筋があれば、その点は別にして審議を進められたらどうかと思うのです。     〔「採決々々」と呼び、その他発言する者多し〕
  37. 高橋禎一

    高橋(禎)委員長代理 ちょっと速記をやめて下さい。     〔速記中止
  38. 高橋禎一

    高橋(禎)委員長代理 速記を始めて下さい。     〔発言する者多し〕     〔高橋(禎)委員長代理退席委員長着席
  39. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 暫時休憩いたします。     午前十一時十五分休憩      ————◇—————     午前十一時二十九分開議
  40. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 それでは会議を再開いたします。午後一時まで休憩いたします。     午前十一時三十分休憩      ————◇—————     午後一時四十一分開議
  41. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 休憩前に引き会議を開きます。  小金義照君。
  42. 小金義照

    小金委員 この国防会議構成等に関する法律案審議に当りまして、委員質問並びに政府当局答弁がいささか食い違ったためか、委員長は、午前中審議の途上において休憩されたのでありますが、私は、各委員がその立場において自由に発言をし、活発な質疑を行うことはけっこうなことだと思う。その意味において、われわれ同僚委員発言せられたのでありますが、たまたまその答弁をめぐって、委員のこの原案について修正をした場合にはどうかというような意味発言に、政府当局が、それは尊重するというような趣旨のお答えがあったそうでありますけれども国会委員会の本質にかんがみて、われわれ委員発言は自由であります。しかしながら、これにはおのずから順序と権威を持たして、委員会運営をはかっていかなければなりません。そこで、いやしくも政府が最善の案なりとして提出した議案について、まだ修正どころじゃない、わずかに一日、各党の代表的な質問さえ十分終らないというような段階において、そういうような空気が発散されるということは、私は国会委員会審議上きわめて遺憾と考えるのであります。自由党は、この法律案をわれわれ委員審議すべく決定しているのでありますけれども、まだいかなる意図のもとに、またいかなる計画のもとに、この法律案法律として成立した場合に運営されるかを、これから突きとめるのがこの委員会本筋仕事だと私は思うのであります。従って今自由党としては、何らの修正案も持っておりません。また修正するかしないかは、本案を関係当局から十分聞きただして、その上にこの法律案を通すとか通さないとか、賛成するとかしないとか、また修正する場合においても、いかなる程度修正を加え、どういう範囲修正をすべきかを決定するのでありまして、今日の段階においては、原案について忠実に慎重審議を重ねていくことが、私は本筋だと思うのであります。従ってわれわれ自由党といたしましては、委員発言がいかようありましょうとも、原案土台として審議を重ねていきたいと、かく信じかく私はここで主張するものであります。どうかその意味におきまして、われわれの質疑を続行せられんことを私は委員長にお願い申し上げる次第であります。     〔「休憩々々」と呼ぶ者あり〕
  43. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 このままの状態で、暫時休憩いたします。     午後一時四十五分休憩      ————◇—————     午後二時二分開議
  44. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。午前中における福井委員杉原国務大臣との質疑応答に関連いたしまして、先ほど自由党を代表して、小金君から自由党の態度に関してはっきりした御発言がありました。つきましては、本審議はそれを土台として当然審議さるべきものと思いますので、午前中の発言中、杉原国務大臣発言に不明瞭な点が看取せられましたので、それを委員長から大臣にただし、またそれに関連する福井委員質問につきましても、その部分の、小金君の質問と矛盾する点を委員長において速記から省くことにいたしたいと思いますから、さよう御承知をお願いいたします。
  45. 森三樹二

    ○森(三)委員 ただいま委員長より午前中の福井委員質疑並びにこれに対する杉原国務大臣答弁につきまして、これに対する善処の御発言がなされました。つきましては、私どもといたしましてはただいまの委員長の御発言を信頼し、その善処をわれわれは確信いたしまして、私の先ほどの議事進行に関する動議を撤回することにいたします。
  46. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 それでは質疑を継続いたします。福井君。
  47. 福井順一

    福井(順)委員 先ほど防衛庁長官は、国防会議事務局総理大臣官房に置いて、わずか十名程度の人員でやるのだ、こう言われましたが、これはとんでもない話であります。そんなわずか十人くらいの事務員でこの重大な国防会議事務処理ができるわけがないのであります。それにもまして最も私が反対するゆえんのものは、統合幕僚会議というものがあって、ここで議案や資料の収集、判定、その他あらゆることがやられる。そうすると、この統合幕僚会議というものはすべてヴエテランぞろいでありますので、どうしてもこの案によって国防会議というものが左右されるようになる。統合幕僚会議防衛庁の中にあるのでありますから、これは国防会議には影響を及ぼさないということを言っておられますけれども国防会議事務局本名程度のはなはだ弱体であれば、どうしても統合幕僚会議で出してきたものがそのまま国防会議で用いられることになるのは当然のことであります。そうなるに違いないということでありますから、私は総理府の中の一部局として国防会議事務局を置くということは反対であります。これに対する長官見解を承わりたい。
  48. 杉原荒太

    杉原国務大臣 ただいま統合幕僚会議の案がそのまま出てくるというような御懸念のようでございますが、これは防衛庁内部の組織といたしましても、陸海空の各幕僚監部、それから各幕僚長及び統幕議長をもって構成する統幕会議の案が、そのまま国防会議に出てくるというふうにはなっていないのでございます。もとより統幕議長防衛庁長官補佐機関でございますが、御承知通り、政治の軍事に対する優先ということは防衛庁の組織においてもその意味が出るような構成になっているわけでございます。内局なるものがありまして、そこで基本的なことは全部やるわけでございます。そこを通して基本的な重要なことは防衛庁長官を補佐する、こういうことになっているわけでございまして、現在の構成をごらんになればわかりますように、各幕僚監部、統幕等においてのなまのものが直ちに防衛庁長官のところに来るというふうにもなっていないわけであります。そして防衛庁長官の職責といたしましても、今言いましたように、単に軍事的方面の要求のみでやるというわけではありません。適当にその任務とするところはもちろん生かしていかなければなりませんが、ただその各幕や統幕でやったものがそのまま防衛庁意見として出るということには相ならぬわけであります。また防衛庁からかりに出ます案にいたしましても、国防のことは非常に大事でございますから、総合的に、また大所高所から誤まりのないようにすることが非常に大事でございます。国防会議国防について大所高所から判断を誤まらないように、妥当なところに持っていくための一つ諮問機関でございますから、御懸念のような点は実は私はないと考えております。  それから今おっしやいました事務局があまりに小さ過ぎるという御意見、これもいろいろ御意見はありましょうが、私どもといたしましては、さしあたりともかく先刻も申し上げましたような大体の規模で発足して、そしてやってみて、もし必要であればそのと遂になお拡大することを考えてもおそくはない、こういうふうに考えておる次第でございます。
  49. 福井順一

    福井(順)委員 この最も重大な国防会議事務局が、たった十名の人員で処理されるなどということはとうてい常識では考えられないことでありまして、ただおざなりに十名の事務員程度のものを置いてごまかそうというようにしか考えられない、何かほかに理由があるのではないかと思われるのでありますが、こういう質問をしてもむろん長官は御答弁なさらないことと思いますけれども、大体国防会議事務局をなぜそんなところに持っていっておかなければならないかということが、私にはまことにふしぎであります。内閣に直属させればいいじゃないかということでありますが、その点について御答弁を願います。
  50. 杉原荒太

    杉原国務大臣 今の御質問の点は、午前のときにも御同様の趣旨の御質問があったように思いますが、現在こういうふうにすることが実際上便宜であろうと私は思うのであります。御承知通り、今非常に大きなものを作るといたしますれば、それはあるいは内閣というものに所属せしめる、そうすると、たとえば法制局とかあるいは人事院とか、そういうものと同格のものに、組織の形態としてはなると思いますが、そこまでのものではなく、今原案において考えておりますようなところが、各省との連絡にいいのではないか。これは、実際の事務というものは各省との密接なる連絡というものがなければこの運営はとうていむずかしいだろうと思う。そういう点からいたしましても、原案通りにすることの方が、国防会議議員の方々がその職責を果されるのに、それを補佐する者としてかえって適当だと実は考えておる次第であります。
  51. 福井順一

    福井(順)委員 だんだん長官の御答弁を伺いまして、私はまことに驚き入った次第でございますが、大体国防会議に対するスタンディング・ポイントというものが違う、私は国防会議というものはまことに重大なるものと考えておりますが、長官はどうもそう考えておられない、大へん重大な会議と口では言っておられるけれども、御答弁の御様子をうかがいますと、事務局は相変らず十人でいいという御答弁をされたり、あるいはやってみて悪ければふやしていいのじゃないかというような場当りの御答弁をなさる、何らの計画というものがなされていないと思うのであります。私はこの国防会議というものは最も重大な会議であると思います。先ほど申し上げました通りに、この運営によっては、これから先日本民族の何百年か何千年かの興亡に関する大問題に当面しないとも限らない。私は、戦争中も戦争前も日本国にとの国防会議というような機関がありまして、これが正しく運営されたならば今日の敗戦の苦杯をなめることはなかったと思う。それほど国防会議というものは大事なものだと思うのであります。だから私はかく多言を費すわけでありますけれども、どうも防衛庁長官の話を聞いておりますとまことに驚くべきことで、おざなりである。この国防会議重要性というものを、国家興亡に関する大会議であるということを認識しておられるのかどうか、私はそれを疑わざるを得ないのであります。事務局といいますとまことに簡単な話のように聞えますけれども、これはまことに重大なものであります。何となれば、国防会議事務局が充実していないと、あらゆるものがどうしても軍人優先になってくる。これは統合幕僚会議そのほかには旧軍人の方が大勢おられて、いわゆるベテランがおって、そのベテランの作った案によってほとんど左右されるというようなことに必ずなるであろうと思う。内閣国防会議の直結機関でなくても、それは防衛庁長官によってもたらされるというようなことでありまして、これはどうしても政治の優先ということは薄れていくであろうという懸念をいたしておりますので、私は内閣に直結した充実した事務局というものがほしい、こう考えるのであります。現に外国においても国防会議のもとに連絡直結機関がある。たとえばイギリスには国防委員会の下部機関として中央情報庁があります。外国でもこういう例があるのでありますが、先ほど防衛庁長官も言われましたが、何も外国にまねるわけではないけれども、一日の長のある外国に学ばなければならないと思うのでありますけれども、との点について一つ長官の御答弁を賜わりたい。
  52. 杉原荒太

    杉原国務大臣 大体は私の先ほどお答えしておるところに尽きるわけでございますが、その点は、実は原案を作る過程におきましては、大体どういうふうな規模にした方がいいかということについてはいろいろ研究を重ねました。これは申し上げるまでもなく、ものには何でも長所と弊というものを伴う。これは初めから膨大なものにすることについてはまだちゅうちょせざるを得ない。そうして果してそこだけですぐ実効を上げることができるかどうかも疑問じゃないかという感じを持っておるのであります。これが他の行政機関との重複を来たしたり、あるいはそこが今度は逆に一つの独自の意見を持って、その事務局なるものの意見によって推進するというところまでの力強いものになれば、福井委員の御懸念になるような結果がかえってそれによってもたらされる場合もなきにしもあらずということも考え得られますので、今のところはさしあたり、先ほどから申し上げておりますような程度でいって、さらに実際に国防会議の運用の状況等を見まして、これではその任務を達成するのにこういうところが不足だということを、もう少し見た上で考えてもおそくはないというふうに考えておる次第でございます。
  53. 福井順一

    福井(順)委員 他の行政機関と重複する憂いがあると言われましたが、その、他の行政機関というのはどういう機関でありましょうか。これはまことに重大な問題だと思いますので、ぜひ伺いたい。
  54. 杉原荒太

    杉原国務大臣 これは、たとえば防衛庁もございましょうし、それから通産省もございましょうし、あるいは経済審議庁のような関係もございましょう。これはいろいろそういった関係の各機関があると思います。
  55. 福井順一

    福井(順)委員 内閣内閣調査室や公安調査庁等がありますが、こういうものを国防会議事務局に吸収するお考えはございませんか。
  56. 杉原荒太

    杉原国務大臣 今のところございませんが、しかしそういうところとも密接なる連絡をとってやらなければならぬことは当然のことだと思っております。
  57. 福井順一

    福井(順)委員 そうすると、これはわずか十名くらいの事務員で、結局は連絡機関だとか、情報だとか、宣伝だとか、すべてあらゆる事務処理をされるわけでありますか。結論はそういうことになりますが……。
  58. 杉原荒太

    杉原国務大臣 御承知通り国防会議というものは諮問機関でございまして、いろいろな実施機関じゃございません。宣伝とか、そういうことをやるのが任務でございませんから、当然事務局の任務の中にそういうものは含まらないわけでございます。
  59. 福井順一

    福井(順)委員 私はこの案はとうてい承服できません。国防会議というものが実際に運用されるようになったならば、だれが考えてみても、わずか十名の事務員で処理できるわけがない。またそんな権威のない、そんなでたらめな小さな国防会議であってはならない、私はこう思います。事務員がおそらく百名も数百名もいる事務局を持っている国防会議でなければならぬだろう、私はそう思うのでありますけれども、そういう御見解でありますから、いずれこれは実施に待つといたしまして、防衛庁の予算執行に当って、不急不要のものが相当多数に組まれているように思われますが、この点について一つ所見を承わりたいと思います。
  60. 杉原荒太

    杉原国務大臣 従来会計検査院等から、不要不急のものとして批難された事件などがありましたことは、これは私きわめて遺憾なことだと存じております。それなどがどういうわけでそういうことになっているかという原因を十分探究する必要があるわけでございますが、会計検査院等から批難されましたその点についての原因を調べてみますると、大きな原因として、装備品等の調達計画立案の基礎となる編成装備表の検討、現に部隊における使用との照らし合せの実態把握の点が足りない、こういうことが原因をなして不要不急のものを買ったという結果になっているというようなことが、大きなこととして指摘されておるのでございます。その点につきましては、私らの方といたしましても深く反省いたしまして、実は一昨年からその編成装備表の根本的な再検討をいたしておりまして、部内にこれの再検討のための特別の委員会を作りまして、そうして装備品各種ごとに八つの分科会を設けまして検討し、そうして逐次実施に移し得るものから実施に移しております。すでに約五十品目くらいのものが実施に移されておるわけでございますが、そういう点の検討をするとともに、在庫の状況、それから消耗度の測定、そういう点に留意いたしまして、実態の把握というものに十分注意し、今御指摘のようなことのないように、その点にあらゆる努力を今傾注しておるところでございます。
  61. 宮澤胤勇

  62. 小金義照

    小金委員 今議題となっております国防会議構成等に関する法律案が、内閣各省庁に置かれる凡百の審議会だとか委員会とはおよそ性質を異にする非常に重大なものであって、今までの質疑応答を聞いておっても、その通り政府も認識されているようであります。そこで本来ならば、この法律案の第十一条に(主任の大臣)「国防会議に係る事項については、内閣法にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。」ということがありますが、総理大臣にお尋ねをして、それから逐次各省大臣の御意見を聞くのが筋でありますが、ここに国防会議構成の一員となる予定の経済企画庁の長官がお見えになっておりまして、時間の関係上この方を早く質問するようになりましたから、本末やや転倒の気味がありますが、細目からお尋ねいたします。経済企画庁の長官防衛庁長官とに関連することもございますので、両大臣から答えていただきたいのであります。  まず、先般この内閣委員会において審議せられました経済審議設置法の一部を改正する法律案で経済企画庁がでぎ上ったと思っておりますが、その設置法の内容によりますと、経済企画庁は長期経済計画の策定及び推進、こういうことであります。そうすると、この推進というのは一体どういうことをされるのか、どういうことを大臣としてお考えになっているのか、これを承わりたい。
  63. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 長期の経済計画を立てるだけでなくて、その立てた計画に全体の政府の事業を協調するように持っていきたい、こう思うわけであります。計画を立てるだけでなく、その計画を遂行するということも一任務といたしております。
  64. 小金義照

    小金委員 その計画を遂行すると言われますが、経済企画庁設置法の中では、たしか各省大臣の分担する仕事については勧告しかできないんじゃないか。これは先般の企画庁設置法の質疑の際に私申したことであって、重ねてこれを追及しても、満足な答弁は得られないと思いますから、この点はこの程度にしておきますけれども、われわれこういう一国会の会期において二つの法律案審議するのに、一体長期の経済計画の中にいわゆる防衛産業といわれるようなものが入っているはずでありますが、それはどうですか。
  65. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 長期計画を立てます上におきまして、防衛の六カ年計画というものが確立すれば、それは非常にやりやすいわけなんでありますが、防衛六カ年計画現状においてはまだ相立ちかねるわけであります。といって、これを全然無視しているわけではございません。大体防衛というものは、国民の経済力に応じてその規模をきめなければならぬという建前のもとに、経済力が増大すればそれだけ防衛もふえるというふうなもとに、この経済の六カ年計画を立てているわけであります。防衛産業とかいうふうなものは、従って自然にその鉱工業の中に織り込んでいるわけであります。
  66. 小金義照

    小金委員 もっと具体的な答弁を得たいのでありますが、お答えにならないところを見ると、答えられないのだろうと思うのですが、私は今試みに防衛産業という言葉を使いました炉、今日産業の中で、これが防衛産業であって、これが非防衛産業というものはない。ことに輸出産業と、しからざるものとを区別すればはっきりわかる。だから防衛産業といわれるものは、われわれ国民の間の生活必需品にも関係があるし、また作っているものが防衛産業。輸出産業も同様なんです。国内で消費されるようなものだけを作る輸出産業などはあり得ない。私が防衛産業を取り上げましたのは、今議題になっておる法律案の基礎となる防衛庁設置法の第三章、四十二条の第二項の二号、三号を読んでみますと、「二、防衛計画大綱、三、前号の計画に関連する産業等調整計画大綱」について国防会議に諮問しなければならない、こうなってくると一体どこが主管になるのか。今同僚福井委員質問にもありましたが、十名そこそこの審議会の事務局職員でこういうものができるはずがない。そうすると一体経済企画庁が中心になるのか、防衛庁の防衛局が中心になるのか、これが大きな問題なんです。これを一体どう考えておられますか、杉原長官からでもいいからお答えを願いたい。
  67. 杉原荒太

    杉原国務大臣 これはおそらく通産省及び経済審議庁が大体主だろうと思います。
  68. 小金義照

    小金委員 私がどうも納得がいかないのは、今の長官のお答えでもおそらくということでありますが、国防会議構成等に関する法律案をごらんになりますと、第四条に、第一が内閣法にいう副総理であります。第二が外務大臣、第三が大蔵大臣、第四が防衛庁長官、第五が経済企画庁長官であって、通産大臣は入ってないのです。そうすると内閣の官房その他から手が届く範囲の通商産業省しかつかまえられない。あなた方政府は、いつでも閣議できめる、次官会議できめる、関係局長会議できめると言われる。しかしながら、これだけの五人の大臣を並べておいて、通産大臣が除かれておるということはどういう意味か、このことを承わりたい。
  69. 杉原荒太

    杉原国務大臣 この範囲を、どこで線を引くかという点は、実は原案作成の過程におきましてもいろいろと検討したところでございまして、非常にむずかしい問題でございます。農林大臣、運輸大臣、労働大臣と線の引きどころが非常にむずかしいのでございますが、ここでは経済全般に関するいわば代表者というような意味合いで、経済企画庁長官というところで切ったわけでございます。しかしただいまおっしゃいますような非常に大事な防衛生産、しかもそれは必ずしも厳格に区別できないようなことが多いわけでありますので、そういう場合につきまして確かに通産大臣などは特に関係が深い面が多いわけでありますが、この法案におきましても実はそういう場合を見まして、この議員のほかに第八条を設けた次第でございます。
  70. 小金義照

    小金委員 そういう答弁だと私は承服できないのです。ここに統合幕僚会議議長関係の国務大臣とを並べておる。それならばなぜはっきりとその他の大臣を全部統合幕僚会議議長と同列にしたかという問題なんです。統合幕僚会議議長は、国防会議等で決定したものをどうして実施するかを担任する人じゃないのですか。ところが通商産業大臣はそうじゃない。この基本的な防衛計画の物資の方面を担当する大臣だと私は思う。しかしいかにも苦しそうな答弁で、まあ意見があれば通商産業大臣を加えてもいいというような気になられても困る。ただ私はここで第四条の第六号の「識見の高い練達の者のうちから、内閣が両議院の同意を得て任命する者五人以内」の中にそういう実業人でも持ってくる考えがあったのではないか、これを聞きたい。
  71. 杉原荒太

    杉原国務大臣 いわゆる民間議員なるものの人選につきましては、具体的にはもちろんまだ全然考えていないのでありますが、実はこの会議の目的からいたしまして、国防という全く国家国民にとってその運命を決するような重大なことであるから、広い視野からしてこの問題を見ていくという人、そういうところを主にして考えておりまして、ある特定の専門家というところを主眼に実は考えていない次第でございます。
  72. 小金義照

    小金委員 それは私はいかなる人を予定しておるかということを聞いたわけじゃない。こういう並べ方をすればそういう疑いを抱かれても仕方がないのじゃないか。ことにこの法律案の第六条には「国務大臣以外の議員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合」とか、「又は国務大臣以外の議員に職務上の義務違反その他議員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。」かくのごとき不見識な国防会議は持つことはできないと私は思う。こういうような規定を置かなければならないということは、国防会議秘密を売ったり経済計画の内容が漏れたりすることを前提としておるものではないか。ことに議員たるに適しない非行を前提とするような国防会議は、私は非常な疑問があると思う。が、あなたを責めてみても——これは主任の大臣総理大臣とあるから、防衛庁長官に意地の悪い質問をするつもりは毛頭ない。  そこで経審長官にお尋ねしたいのですが、私は産業というものは今日の状態では実はウオー・ポテンシャルであると思う。この産業自体がウオー・ポテンシャルであるとするならば、凡百の経済審議庁で取り上げられるものはことごとく——日本は戦力を持たないといいますが、一般の戦力がただ自衛力の基礎だと思う、そういう点について経済審議長官としてはどういう心がまえでこの国防会議に対処するつもりか、その覚悟を承わりたい。
  73. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 今後の日本の産業というものは、この種類のものは国防産業であるとか防衛産業であるとか、これは輸出産業であるとか、これは国内産業であるとかいうふうに分けることはできない、また分けるべきものでないということは、先ほど小金委員のおっしゃったことと全く私は同感であります。そういうふうに私は今後進んでいきたいと存じまして、もしもそれが必要であるということになれば、いつでもこれは転換し得るような方向をとりたい、これが今後の日本の産業の立っていくべき道であろう、こう存ずる次第であります。
  74. 小金義照

    小金委員 どうも漠然たるお答えで、これ以上はただいじめるだけの質問になるおそれがありますから、ここらでほこを転じますが、大体飛行機とか弾薬とか、そういうようなものは、戦力としては、あるいは自衛力としては、氷山の一角であって、これらを生産する産業そのものが、今ウオー・ポテソシャルということがよいか悪いかは別として、生産力自体が大事だと思います。そこでいろいろな議論が出るのでございまして、極端にいえば自衛力というものは、ただのそういう産業上の生産力ばかりではない。雇用の増大をはかって、生活の安定を実現する、そうして国土を愛する愛国心を起させれば、それがウオー・ポテンシャルになる、こういう意見もあることは長官よく御承知だろうと思います。この防衛計画といいますか、特に経済企画庁における総合国力の分析及び測定に関することとか、原子力の経済的利用に関する基本的な政策及びその計画の総合調整に関することというようなことは、非常に広い意味を持つのであって、経済企画庁の長官は、との四条に経済閣僚の代表としてあげられておるから、それは一応それとして、私は杉原長官の説明を聞きたいと思いますが、こういうような広い権限を持つ経済企画庁長官が、国防会議に対してどういう態度をとるかということは、非常に大きな問題であり、民生の安定にもすぐ響いてくる。この事務局を膨大にして、または防衛庁防衛計画を担当する人の意見だけを聞いて防衛計画を立てるということは、またびっこのものになるから、そこでこういう会議を置こうということで私どもは議論を進めていきたいのです。今の企画庁長官のお話ですと、具体的にまだこの国防会議の議員としての計画をお持ちになっていないと認定せざるを得ない。こういうことでは、この画期的だといわれ、また非常に重要だといわれるこの国防会議構成法案について、直ちにわれわれは賛意を表するわけにはいかなくなる。だからこれを解明するのが、この委員会の職務でありまして、これから通産大臣にも聞きますが、まず今のような経済企画庁の長官の心がまえだけでは、すこぶる心もとないと思います。それでは、経済企画庁では、航空機の製造とか艦船の建造とか、また戦車とか、あるいは鉄、アルミニウムの生産というようなものについて、どういう権限を持ち、仕事をしておられますか。それを承わりたい。
  75. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 大体の計画を立てまして、その計画に即応するように予算その他の編成について、大蔵大臣にはこれを勧告いたします。また各部門における生産については、鉄鋼においてもアルミニウムにおいても、これらについての計画は一応総合的に立てまして、その総合的に立てた計画を実行し得るように通産大臣に勧告する、こういう方針をとっております。
  76. 小金義照

    小金委員 飛行機といえば、ほとんど今後はジェット機の時代になると思いますが、今のジェット機でも音速を越えているんじゃないか。音速を越えるということになると、レーダー——電波探知機、こういうもの以外には私は防衛することができないと思う。この電波探知機その他電波兵器といわれるようなものについて、企画庁の長官はどういうお考えを持っておられますか。
  77. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 防衛問題につきましては、防衛庁長官の意向をよく聞きまして、それに即応するように——たとえばジェット機あるいは測定機といったふうのものは、長官意見を聞いた上において、その計画を立てることにいたしております。
  78. 小金義照

    小金委員 それじゃ政府として、これらのものが著しくおくれているような場合には、何らかの方法をとって進歩発達の促進をはかる意思がありますか。
  79. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 現在においては、航空研究所というものを持ちまして、企画庁の長官がこれを見ることに相なっております。
  80. 小金義照

    小金委員 企画庁長官は企画庁の長官であるから、製造方面その他については通産大臣であります。今包括的な問題について伺ったのですが、通産大臣にも承わるほかはないかと思います。しかし閣議決定されたこの法案の四条に、大蔵大臣と経済企画庁長官が経済閣僚として二人だけ出る以上は、私は全責任が企画庁長官になければならぬと思う。これは通産大臣の所管だとか、あるいは郵政大臣の所管だとかいうことでは、私は済まされないと思う。これについてどうお考えですか。やはり大臣とよく連絡するという程度ですか。
  81. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 工鉱業生産については通産大臣、農業生産については農林大臣、艦船については運輸大臣とよく連絡をとっていたします。
  82. 小金義照

    小金委員 私の質問はここで中止いたしまして、明日また時間をいただきたい。
  83. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 企画庁長官は、もうよろしゅうございますか。
  84. 小金義照

    小金委員 よろしゅうございます。
  85. 宮澤胤勇

    宮澤委員長 それじゃこれにて休憩いたします。     午後二時四十八分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかった〕