○中井
委員 私は
地方財政が非常に困難であるから、当分の間一千億くらいという
考え方、これについてはあながち反対ではありません。しかし今日本の財界で一審大きな問題になっておりますのは、いわゆる国債を発行するかしないかということでありまして、このことについては前の吉田内閣も、また現在の民主党内閣も
大蔵大臣が口をきわめて——きのうも参議院あたりでも、国債は発行しない、こういうことを言っておるのです。ところが国民
経済に及ぼす
影響は、
一般財源の分については国債であろうが
地方債であろうが変りはないので、実質上に及ぼす
影響というものは変りはない。そういう面からいうと、
赤字公債を発行しないしないとは言いながら、現実には
地方債という形でどんどん発行しておる。しかもその
地方債の利払い——これは総額よりも金利が問題だろうと思うのですが、いわゆる
地方税に何らかの形で転嫁され、これがしり抜けになっておると私は思うのです。そんなふうに
地方債のことはしりを向けて、国債は
一つも発行しませんと言っておりますが、国民の
負担は
地方税といい、
国税といい同じであるという
考え方からいえば、この辺のところでこれは
一つどうしても総合的に判断をしてもらわなければいかぬ、かように私は思うのであります。その意味において、この
地方財政計画というものが、一国の予算と密接に
関係を持たねばならないと私は
考えておるのです。そういう意味からいって、一千億が多いとか少いとか、過去の日本の自治体のあり方からいってどうだとか、現在の
赤字の
関係からとか、自治体だけでもってこれの収支を
考えていくということは、非常に危険だと私は
考えるのです。そういう意味で国の方は国債を発行しない、
赤字で行く、
減税々々と言いながら、
地方の方は
地方債を一千億ずつふやしていけば、金利だけで六分五厘で六十五億、十年たてば六百五十億というふうになるのでありますから、これは一国
経済のたいへんな盲点がここにあるように思います。それについて
自治庁あたりではそこまでよくお
考えの上、大蔵省とともに総合的な
起債計画の一環として
考えていただきたい。大蔵省の理財局あたりでは、他の
一般の私企業に対する社債とこの
地方債とは多少は違うが、国債と
地方債とは本質的に同じであるにもかかわらず、それを切り離してむしろそっちの方へ振わ向けておる。ワクを
考える場合にも、社債より多少
地方債は優先的である、金利も安い、しかし国債との総合的な勘案において
考えられておらぬように私は思います。特に私が申し上げたいのは、
事務当局におかれてこれまでそういう話が出たかどうか、またそういうことについての大蔵省あたりの見解を伺ってみたいと思います。