○黒金委員
大蔵大臣にお尋ねしておきたいと思います。
予算が成立いたしまして、
予算に
関係する特別会計法もかなり通過しました今日、いわばけんか済んでの棒ちぎりというたとえのようであります。私は別に
大蔵大臣とけんかする意思もございません。何とかして一般会計と特別会計の間をすっきりしたりっぱなものにして参りたい。りっぱな正しい
予算を組んでいただきたい。かような将来の念願から
一つ承わりたいと思うのであります。私はあえてことしだけとは申しません。近年一般会計と特別会計の会計整理の問題が次第にルーズになっておる。一兆億というような
予算のワクに縛られます
関係上、故意かあるいは偶然かわかりませんが、だんだんにルーズになってきて、ことしなどは最もはなはだしいのではないか。このルーズさにもいろいろな
程度がありますので、いろいろ申すことができると思いますけれ
ども、一例をあげますならば、今まで何も問題も起らずに済んでおりましたアヘンの先買を分けて特別会計に持っていく。このような事業を一々全部特別会計に分けてしまいますならば、あるいは一般会計の金額も減すことができる。あるいはまた地方道路税を新設いたしまして、揮発油税の
税収入の一部を、地方道路税という名前で、一般会計を通さずに、交付税及び譲与税配付金特別会計に直接入れてしまう。このようなやり方をだんだんやって参りますならば、所得税の中に地方所得税というものを作りまして、その額をすぐに交付税及び譲与税配付金特別会計に入れてしまうというように、幾らでも一般会計の歳入歳出を両建で移していくことができるのであります。このような点につきましては、昨年には入場税の例がございます。従ってこれのみをとがめることはできませんけれ
ども、だんだんにこれが激しくなってくる傾向があるように思うのであります。あるいはバナナや砂糖のようなものの特殊物件の処理に関します金も、これは議論のしようによっては一般会計に入れて、それから特別会計に入れる方が私は適当ではないかというような議論もかなり有力ではないかと思います。今までのような点は、先例があったとか、あるいはまた多少の言いわけは立つかもしれませんが、特に私は今度の
予算の整理の上で非常におかしいと思いますのは、先ほ
ども質問いたしましたが、理解できる、納得できる御
答弁は得られませんでしたが、たばこの利益金の問題でございます。益金処分のうち一部を直接に交付税及び譲与税配付金特別会計に入れております。もしもたばこの専売益金でありますならば、当然に一般会計に入れて一般会計から地方の財源として特別会計にお入れになることは一向差しつかえありませんけれ
ども、直接入れるのはおかしいのじゃないか、こう申しますると、これは、実はたばこ
消費税と同じような実質のものだからと、こういうふうにお逃げになっておられる。しかしお逃げになってみても、それは経費処分で落ちておらない、益金処分でやっておられる。これは一体どういうわけでありますか。一向に理屈は立たないのであります。私は、もう
予算も
通りました際でありますから、過去のことは何も申し上げませんけれ
ども、私はおそらく民主党の
内閣が続く限り、せっかくこれだけ勉強なさった一萬田
大蔵大臣が、来年の
予算もお組みになると思いますが、その際におきましては、来年からはこのようなことはなくて、ほんとうに正しい、すっきりした
予算をお組みになる御決意があるかどうか。人の説によりますならば、このようないろいろな疑義のある金を集めて参りますると、実は一兆円の一般会計
予算ではなくして、一兆四百億になっておるとさえいっております。このように、頭隠してしり隠さずの一兆円
予算を作りましても、心理的に多少の
意味はあっても、大した
意味はないと思う。そういったことよりは、法律制度を最も正確に守って、一番大切な会計経理の問題でありますから、これをきちんと整理されることが国家百年の大計だろうと思います。この点について、
大蔵大臣の確たる御決意を
一つ承わりたいのであります。