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1955-07-07 第22回国会 衆議院 大蔵委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月七日(木曜日)     午前十一時四分開議  出席委員    委員長 松原喜之次君    理事 加藤 高藏君 理事 内藤 友明君    理事 森下 國雄君 理事 大平 正芳君    理事 奧村又十郎君 理事 横路 節雄君    理事 春日 一幸君       有馬 英治君    宇都宮徳馬君       遠藤 三郎君    菅  太郎君       杉浦 武雄君    竹内 俊吉君       夏堀源三郎君    早川  崇君       坊  秀男君    前田房之助君       山本 勝市君    淺香 忠雄君       川野 芳滿君    黒金 泰美君       小山 長規君    薄田 美朝君       古川 丈吉君    石村 英雄君       木原津與志君    八木  昇君       横山 利秋君    井上 良二君       川島 金次君    田万 廣文君       平岡忠次郎君    石野 久男君  出席国務大臣         通商産業大臣  石橋 湛山君  出席政府委員         大蔵政務次官  藤枝 泉介君         大蔵事務官         (主税局長) 渡邊喜久造君         大蔵事務官         (主税局税関部         長)      北島 武雄君         大蔵事務官         (管財局長)  窪谷 直光君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         国税庁長官   平田敬一郎君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君  委員外出席者         専  門  員 椎木 文也君     ――――――――――――― 七月七日  委員中山榮一君及び小川豊明辞任につき、そ  の補欠として夏堀源三郎君及び八木昇君が議長  の指名委員に選任された。 同 日  委員八木昇辞任につき、その補欠として小川  豊明君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 七月五日  三級清酒設定反対に関する請願早川崇君紹  介)(第三三四九号)  同(木下哲紹介)(第三三五〇号)  同(石坂繁紹介)(第三三五一号)  同(野依秀市紹介)(第三三五二号)  同(廣瀬正雄紹介)(第三二五三号)  同(櫻内義雄紹介)(第三三五四号)  同(小松幹紹介)(第三三五五号)  同外一件(坊秀男紹介)(第三三五六号)  同(薩摩雄次紹介)(第三三五七号)  同外二件(渡海元三郎紹介)(第三三五八  号)  同(宇田耕一紹介)(第三三五九号)  同(川村継義紹介)(第三三六〇号)  同外五件(吉川久衛紹介)(第三三六一号)  同(木崎茂男紹介)(第三三六二号)  同外一件(山本利壽紹介)(第三三六三号)  同(小川半次紹介)(第三三六四号)  同外一件(中村三之丞紹介)(第三三六五  号)  同外五件(川崎末五郎君紹介)(第三三六八  号)  同(世耕弘一紹介)(第三三六七号)  同(楠美省吾紹介)(第三三六八号)  漆器に対する物品税減免に関する請願植原悦  二郎君紹介)(第三三六九号)  児童用乗物類に対する物品税撤廃に関する請願  (稲葉修紹介)(第三三七〇号)  法人税法の一部改正に関する請願古島義英君  紹介)(第三三七一号) 同月六日  三級清酒設定反対に関する請願久保田豊君紹  介)(第三四九三号)  同(田口長治郎紹介)(第三四九四号)  同(河野正紹介)(第三四九五号)  同(伊藤好道紹介)(第三四九六号)  同(加藤清二紹介)(第三四九七号)  同(勝間田清一紹介)(第三四九八号)  同(穗積七郎紹介)(第三四九九号)  同(青野武一紹介)(第三五〇〇号)  同(滝井義高紹介)(第三五〇一号)  同(多賀谷真稔紹介)(第三五〇二号)  同(石山權作君紹介)(第三五〇三号)  同(北山愛郎紹介)(第三五〇四号)  同(山口丈太郎紹介)(第三五〇五号)  同(五島虎雄紹介)(第三五〇六号)  同外二件(長谷川保紹介)(第三五〇七号)  同(下川儀太郎紹介)(第三五〇八号)  同外八件(唐澤俊樹紹介)(第三五〇九号)  同(木崎茂男紹介)(第三五一〇号)  同(有馬英治紹介)(第三五一一号)  同(楢橋渡紹介)(第三五一二号)  同(中村寅太紹介)(第三五一三号)  同(淵上房太郎紹介)(第三五一四号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第三五一五号)  同外一件(纐纈彌三君紹介)(第三五一六号)  同(三浦一雄紹介)(第三五一七号)  同(夏堀源三郎紹介)(第三五一八号)  同(河野金昇紹介)(第三五一九号)  同(丹羽兵助紹介)(第三五二〇号)  同(横井太郎紹介)(第三五二一号)  同(馬場元治紹介)(第三五二二号)  同(野田卯一紹介)(第三五二三号)  同(平野三郎紹介)(第三五二四号)  同(戸塚九一郎紹介)(第三五二五号)  同外二件(足立篤郎紹介)(第三五二六号)  同(西村直己紹介)(第三五二七号)  同(神田博紹介)(第三五二八号)  同(木村俊夫紹介)(第三五二九号)  同(田村元紹介)(第三五三〇号)  同外一件(南好雄紹介)(第三五三一号)  同外一件(椎名悦三郎紹介)(第三五三二  号)  同外二件(志賀健次郎紹介)(第三五三三  号)  同外五件(山本猛夫紹介)(第三五三四号)  同(三田村武夫紹介)(第三五三五  同(原健三郎紹介)(第三五六号)  同(首藤新八紹介)(第三五七号)  同(徳田與吉郎紹介)(第三五三八号)  同(大野伴睦紹介)(第三五三九号)  同(田中伊三次君紹介)(第三五四〇号)  同(松野頼三君紹介)(第三五四一号)  同(坂田道太紹介)(第三五四二号)  同(奧村又十郎紹介)(第三五四三号)  同(村上勇紹介)(第三五四四号)  同外二十四件(前尾繁三郎紹介)(第三五四  五号)  同(高見三郎紹介)(第三五四六号)  同(牧野良三紹介)(第三五四七号)  同外十件(植原悦二郎紹介)(第三五四八  号)  同外四件(田子一民紹介)(第三五四九号)  同外四件(鈴木善幸紹介)(第三五五〇号)  同外一件(平岡忠次郎紹介)(第三五五一  号)  同外一件(山下榮二紹介)(第三五五二号)  同外一件(岡良一紹介)(第三五五三号)  同外四件(中居英太郎紹介)(第三  五五四号)  同(松本七郎紹介)(第三五五五号)  同外三件(小澤佐重喜紹介)(第三五五六  号)  同(中井徳次郎紹介)(第三五五七号)  同(田中幾三郎紹介)(第三五五八号)  同外一件(大森玉木紹介)(第三五五九号)  同(辻政信紹介)(第三五六〇号)  同(白浜仁吉紹介)(第三五六一号)  同(北村徳太郎紹介)(第三五六二号)  同(前田房之助紹介)(第三五六三号)  同(中嶋太郎紹介)(第三五六四号)  同(山手滿男紹介)(第三五六五号)  同(濱地文平紹介)(第三五六六号)  同(井出一太郎紹介)(第三五六七号)  同(長井源紹介)(第三五六八号)  同(田中久雄紹介)(第三五六九号)  同(小笠原八十美紹介)(第三五七〇号)  同(綱島正興紹介)(第三五七一号)  同外七件(小西寅松紹介)(第三五七二号)  同(山崎巖紹介)(第三五七三号)  同(熊谷憲一紹介)(第三五七四号)  同(久野忠治紹介)(第三五七五号)  同(江崎真澄紹介)(第三五七六号)  同(小林かなえ紹介)(第三五七七号)  同(中垣國男紹介)(第三五七八号)  同(加藤鐐五郎紹介)(第三五七九号)  同(小笠原三九郎君紹介)(第三五八〇号)  同(川野芳滿紹介)(第三五八一号)  酒税率引下げに関する請願奧村又十郎君紹  介)(第三五八二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  税制に関する件  金融に関する件  関税定率法等の一部を改正する法律案内閣提  出第六〇号)  国有財産特別措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一一六号)     ―――――――――――――
  2. 松原喜之次

    ○松原委員長 これより会議を開きます。  税制に関する件を議題として調査を進めます。質疑を許します。川島金次君。
  3. 川島金次

    川島(金)委員 まことに恐縮ですが、若干の時間を拝借いたしまして、税務行政関係のある事柄でありますので、国税庁長官並びに主税局長にお尋ね申し上げたいと思います。  先般来埼玉県の浦和税務署中心といたしまして、これに関東信越国税庁職員労働組合が協力をいたしまして、浦和並び川口税務署署員の中の各一名に対しまして、突如昇給停止を指令いたしましたことから端を発しまして、引き続き今日まで十日に余る争議形態が継続されております。そのために、川口はもとより、浦和税務署中心とする税務行政の上に非常に好ましくない事態納税者の耳目に映っておるような次第でありますが、このことについて、国税庁当局はこれを承知しておられるかどうか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
  4. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいまお話しのありました川口税務署浦和税務署におきまして、昇給に関連しまして問題が起きているということは私どももよく承知いたしております。ただ今御発言の中に、突如昇給をやめたというようなお話しがございましたが、そういうことはございません。五月ごろ、四月の昇給につきまして発令しましたその件につきまして、最近になって問題が生じておる、こういう状態でございます。
  5. 川島金次

    川島(金)委員 そこで重ねてお尋ねいたします。今長官からお話しになりました昇給ストップをされました職員の二人のことでありますが、川口職員は、ことに昨年の十月、自分の所轄いたしております草加町のラジオ商組合などから、その職員納税者に対して指導がよろしい、きわめて親切である、こういったことから、わざわざ川口署長あて感謝書状まで届けられたという事実がある署員であるそうであります。さらにまた浦和のやはり昇給停止になっておりまする職員も、これはただ単に署長だけが一人知っておることであって、他の全職員は、あげてその署員に対しましては、実に勤勉な署員であって、昇給を停止するような根拠は何ものもない、こういうことで、署員人々昇給を停止された浦和職員に対して、きわめて大きな同情を寄せておる。事態はそういうところから発しておるのでありまして、川口税務署長浦和税務署長意見と多数の職員との間に、見解の著しい相違があることが今日のような事態を引き起しておるというように私は見聞をして参ったのでありますが、そういうことに対しまして、長官は何らか再調査をするというような考えを持っておらないかどうか、その点をお尋ねしたい。
  6. 平田敬一郎

    平田政府委員 この定期昇給につきましては、私どもなるべく全部の職員がまじめに普通通り勤務しまして、全部漏れなく昇給に該当することを実は心から望んでおるのでございますが、やはり多数の職員の中には、勤務成績勤務実績等が著しくよくない者が中には遺憾ながらあるのでございます。私どもいろいろな角度から指導訓練いたしまして、そういう職員は一人もないようにということで一生懸命やっておりますが、どうも遺憾ながらそういう該当者がおるのであります。従いまして私どもは、やはり公務員としての仕事を果す上におきましては、サボっておる者でも全部一律に昇給させるということは、どうもやはり公務員としての職責を果すゆえんでないんじゃないかという意味で、勤務成績の著しくよくない者――ごくわずかでございますが、定期昇給に当って若干昇給しないでいるという者がございます。私どもも、抽象的にはそういう方針で臨んでおるわけであります。しかしこのことは、決して今お話しがあったような前提条件と申しますか、非常にまじめに勤務しておる、仕事事績も上っておる、こういう者を停止するなどといった考え方は、全然実は私ども持っていないのでございまして、そのことは、特に部内部外に明らかにする意味におきまして、よく私の趣旨は徹底させておるわけでございます。そういたしまして、国税庁においては、署長級以上の、指定官職と称しておりますが、八級以上の職員につきましては、直接地方局長上申に基きまして本庁で見まして、決定をしておるのであります。それ以下の職員につきましては、署長上申に基きまして局長責任を持って決定する、こういう仕事の進め方をいたしておるわけでございます。今お話しのように、川口浦和につきまして問題がございましたので、局の見解をすぐに聞いてみたのでございますが、それによりますと、今お話し該当者は、そういうことに該当しないで、やはり今までの勤務実績から見て事績がよくないということの認定をした、こういう当該局長の説明であります。私どもある程度局長には、やはりそういうことにつきましては、判断責任をまかして現在やっております関係上、私もその局長判定が、今のところ妥当であったのではないか、こう一考えておる次第でございます。しかしながら、もちろん人事に関する苦情につきましては、私ども率直にいろいろな角度から常によく検討を加えまして、適正な人事をやるにやぶさかではないのでございます。そういう一般的な考え方を持っておりますことを、あわせて申し上げておきたいと思います。
  7. 川島金次

    川島(金)委員 公務員である職員に対する信賞必罰という根本的な方針には、われわれもあえて異論はないのであります。しかしながら、今申しました通り、また長官も聞いておる様子でありますが、川口職員は、わざわざその所轄管内湖店から、非常な感謝書状まで署長あてに届けられたというような職員である。また一方の浦和職員でありますが、これほどの職員が見ても、漏れなくの職員が、このような昇給停止を受けるような者ではない、こういうふうにかたく認識をいたしておる者で、こういう職員に対しまして、ただ一方的な、ひとり税務署長あるいは当該国税局長などとの秘密裏な打ち合せだけでそういうことを決定するということは、非常に好ましくないやり方ではなかろうかと私は思っておるのであります。一体長官は、こういう昇給停止等のごとき、その人の生活にも甚大な影響、また信用にも大きな影響のありまする事柄を、ひとり税務署長にだけその取扱い、あるいは認定をまかせていくという方式がよいと考えておるかどうか、その点はいかがですか。
  8. 平田敬一郎

    平田政府委員 御指摘の通り、私ども気持としましては、なるべく全部の職員昇給するようにありたいものだという気持仕事をやっておりますことを、まず申し上げておきます。従いまして、昇給をさせないような場合につきましては、よく客観的に公平に見て、その上で妥当な判断を下すということにつきまして、たびたび私からも現場のそれぞれの責任者に実は訓示したり、あるいはいろいろな観点からいたしまして、よく教育をいたしておるわけでございまして、人事行政は、やはりそれぞれの責任者が、自己の責任において物事を処理していくというとてろが、一番大事な点ではなかろうかと私ども思っておりますので、やはりある程度は、それぞれの責任者判断におきまして責任でやる、こういう全体としての動かし方は、これはやむを得ない、必要なことじゃないかと存じます。ただ今お話しのような場合におきましても、これは、決して署長一人の判断に実はまかしておるわけではございません。いろいろな角度から係長、課長、署長、そういう者の意見を総合しまして、局長がきめる、実はこういうやり方をやっておるわけでございます。  それからなお今のお話しの問題でございますが、川口税務署につきましては、実は発令した後間もなくお話しのような、いろいろな、税務署内におきまして署長組合の間に意見の差がありまして、若干議論と申しますか、交渉をしていたようであります。しかし署長局長に対しまして、自分判断は決して間違っていないということをたびたび上申しておるようでありまして、局としましても、それに基きまして、よく慎重にやった結果がやはり同じような意見のようでございます。それから浦和の方は、実はあまり問題がなかったのが、ごく最近になりましてから、実は突如問題になったというような事情がございます。まあいろいろその辺の事情は、もう少し私ども事態が冷静になった後におきまして、よく一つ双方の言い分を間きまして、そうしてそういうようなことが将来ないように持っていかなくちゃならぬ、こう思いますが、現在の段階におきましては、やはり責任のある局長なり署長がいろいろ注意を与え、さらによく慎重に考えた結果、やはり当初の判定は間違っていないということを私どもの方に言ってきておりますので、今の段階としましては、私どもとしましても、一応やはりそういう責任のある局長なりの意見を尊重するというのが当然の行き方ではないか、このように考えておるわけでございます。
  9. 川島金次

    川島(金)委員 長官は、署長の独断ではない、こういうふうに言われておるのですが、浦和の今の問題のごときは、係長とも相談をして、しかも係長もあわせて、この人は昇給停止をさせるような該当者ではない、昇給させる該当者であるということを話し合って、そうして署長は内申に、昇給該当者の書類の中につけ加えてあると言明しておるのだ。そうすると署長は、署内の係の人と相談をし、そうしてその人は昇給すべき該当者である、こういうふうに内申した。ところが局長の方から、昇給停止該当者として指定されてきた、こういう形に今はなっておる。そういうことを長官は知っておりますか。
  10. 平田敬一郎

    平田政府委員 私の方に局長から報告があったところによりますと、署長局長との間には意見の差はない、最初から同じ意見で処置したのだ、こういう報告を受けております。
  11. 川島金次

    川島(金)委員 あなたの方への局長を通じての報告ではそうでありましょうが、現地における実情というものは、その報告とはまるきり違うのでございます。それで、今度品川に転勤を命ぜられました劔持という前の浦和署長の言明と内容とが、大へんに違っておるということが組合の方の人々にもわかって、その上で一そう事態をこじらせておるわけです。そのために、もう十日以上になりますが、浦和税務署のごときは、毎日玄関前に十名以上の組合員たすきがけで居すわりを続けており、そうしてときどき集団で署長室に入っていって団交を続けておる、こういつたことが実情であります。私も近いので二回ほど見て参りました。そういう実情でありまして、長官の聞き及んでおるところとは、事態はまるきり違って、署長係長とは意見が違っておる。そのことにかかわらず、一方の職員昇給停止をされた。しかも先ほど言う通り、他の職員全体から見て、その職員は必ずしも昇給を停止するような勤務不良の成績を持った者ではない、こういう認識をあげて署内の職員が持っておるのであります。そこに理解と納得がいかない。であればこそ、組合同志諸君はきゅう然として、その停止処分者に対する同情的な争議が起ってきておる、こういう事態になっておるわけであります。従って今の長官の方に入っておりまする実情と、聞いておるところの現地様子とは、比較いたしますと全然違っておるというのが真相なのでありますが、その点について、局長を通じて調査をした事実があるんですか、その点はいかがでしょうか。
  12. 平田敬一郎

    平田政府委員 先ほど申し上げたように、川口の方は、少し前から署長交渉をやっていたようでありますが、浦和の方は、ほとんど問題がなかったのに、ごく最近になりまして、いろいろの方面からの働きかけがあったんじゃないかと思います。その辺からしまして急に問題が出てきまして、そして問題になっている。私どもに入った報告によりますと、実はそういうことになっております。どうして浦和で急にそういうことになったのか、真相は確かめなければならぬと思っておりますが、どうもその辺ふに落ちないところがある。それからああいう場合には、お話しのように、いろいろな情報が入りまじるのが普通でございまして、私川島さんのお話しになりましたことは、絶対違うとまでも今ここで断定するのは差し控えたいと思いますが、ああいうときになってきますれば、とかくいろいろなことをいろいろな人が言っておりますし、また職員の方も、事態推移に応じまして、言い方も、また話し方も色合いが若干変ってくるという場合もございまするので、こういう問題につきましては、できるだけ事態を早くおさめるとともに、事柄内容につきましては、事態がおさまった上でできるだけ正確にいろいろな事実を調べまして、その上で将来再びそういうことのないように対策を考えていくのが、実は正しい行き方ではないかと存じております。私は直接関東信越局局長から報告を受けました。その局長報告は、私が今申し上げましたことと決して違ったものではございません。しかしそういう際には、今お話し通り、いろいろな人がいろいろな角度から意見なり、情報を言うことは、よくあり得ることでありますから、私どもよく事柄真相をただすということを今後とも努めまして、正しい問題の処理に努めたい。重ねて申し上げますが、今私どもは、成績のいいのは当然でありまするし、普通の勤務をしている人にはみんな昇給をさせている、成績がほかの人と比べまして著しくよくない職員は、やはり昇給させない、こういうことは、私印刷物でもはっきり書いて部内へも流しておるのでございます。そういう情勢でありますので、その点の根本的な考え方川島委員と一致しておりますから、そういう意味において、私は意を強くするわけでございますが、そういう考え方におきまして、この問題につきましては、これは人事に関する具体的な問題でございますので、しばらく一つ私の方にこれらの処理をおまかせ願って、事態推移を見ていただきますと非常にいいのじゃないか。私ども、決して不公正なことなく、公正に、客観的にこのことを処理していく、こういう考えで今後とも対処していきたいと考えておる次第でございます。
  13. 川島金次

    川島(金)委員 今の平田さんのお話しによると、川口は別として、浦和のごときは、何か外部からの働きかけが主力となってこういう事態になってきたというふうに聞えるようなお話しであったと思いますが、どうもそういうことはちょっと穏やかでないと思うのであります。外部のいろいろな方面からの働きかけというようなことは、あなたは一体何をさすのか、これを一つ参考のために聞いておきたいと思います。
  14. 平田敬一郎

    平田政府委員 あるいは外部という言葉が、少し穏やかでなかったかもしれませんが、浦和税務署以外のところからいろいろ話があるということは、若干事実のようでございます。しかしその辺のことも、さっき申したように、ごく具体的に正確に申し上げますのには、地方事情をよく調べまして、その上で正羅にお答え申し上げた方がいいと思いますので、外部という言葉は少し言い過ぎでございますから、差し控えて、この機会に訂正いたします。
  15. 川島金次

    川島(金)委員 この問題は、一埼玉県下における川口浦和税務署に関する問題だけではないと私は思うのであります。それでしつこくお尋ねしておるのでありますが、今の実情で、そのまま打つ手がなくておりますと、争議形態が長引く。かつその範囲が広くなっていくおそれが十分にあるように私どもは見ておるのです。長官としても、一刻も早くこの事態を収拾する積極的な努力を私はなさるべきだと思うのであります。長官は、現場を見ておらないからわからないのでありましょうけれども、この種税務署職員が、自分の官庁の玄関にむしろを敷いて、はち巻姿ですわり込みをするというような形態が起ったところは、埼玉県下では少くとも初めてでございます。日本全体でも珍らしい事態ではないかと思うのであります。それほど事態は、長官考えているよりも深刻なものだと私は認識されておらなければならぬものだと思うのであります。しかも、先日まで浦和署長をしておりました剣持氏は、品川の税務署に突如として転勤されましたが、本日の新聞によりますと、品川の税務署に就任するのを拒否することを、職員組合は満場一致で決議しておる。こういったことにまで事態は発展いたしまして、国税庁はもちろん、長官としても重大な責任にまで波及するおそれなしとしないと私は考えておるのであります。そういう事態に対しまして、もう少し冷静になるまで――冷静になるのではなくして、日を経るに従って火はだんだんと燃え盛っていくのであります。そして事態は至るところに波及していくということは、税務行政責任者としてまことに捨て置けない事態である、責任を十分に感じなければならない事態だと私は思うのであります。従って一刻も早くこの問題の解決に積極的に乗り出す、こういうことにならなければならぬのであります。しかもその解決の方策は、一つあるわけであります。それは、あっさりと昇給停止を取り消したらいい、それも、解職した職員に対して組合の要求があったからといってすぐ復職するというような事態になる問題なら、なかなか重大なことだと思うので、そう簡単にわれわれも申し上げません。しかし事態は、一般の全体の職員は、昇給停止をするような勤務成続不良者じゃない、こういうふうに認識しておるのであります。しかも昇給停止といっても、その金額はそう大きな金額ではない。それを、一税務署長の単なる面子にのみとらわれて、あくまでも既定方針で臨んでいこうというような態度を改めない限りは、事態はますます深刻になり、拡大していくおそれがあろうと私は考えておりますので、事態を心配しておるのであります。そういう事態は、われわれ国民の立場から見ましても必ずしも好ましい現象ではございませんので、ここに特に早期解決の方法として、長官一つ思い切って、局長に命じて、一時昇給停止を取り消したらどうかと私は思う。そしてその後において、なおかつそういった当時の税務署長認識したような事態がありといたしますならば、それから最終的に決定してもおそくはない。この事態を当面切り抜ける方法としても、職員の人たちの勤務を一日も早く平常に復さして、そして税務行政の促進、円滑化をはかるという大きな建前からいたしましても、税務署長一人の面子にとらわれて事態をいたずらに紛糾させるということは、私は責任者のとらざるところであろう、こういうふうに考えます。その点はいかがでございますか。
  16. 平田敬一郎

    平田政府委員 税務行政につきましていろいろ御配慮願うことは、感謝にたえない次第でございます。先ほども申し上げましたように、私ども成績のいい、あるいはごく普通の成績を上げておる人、こういう者を昇給停止する気持は全然ないのであります。従いまして、そういう者が昇給停止になっているということでありますれば、これはよく私ども客観的に見まして、そうでない者が昇給停止になっておる、成績不良でない者が昇給停止になっておる、こういう場合が事実調査によって明らかになりますれば、私いつでもそういうような措置をやるのにやぶさかでございません。ただ今問題になっております点につきましては、私ども責任者から受けた報告によりますと、そういうことになっていないのであります。それはひとり署長のみでなく、署長を監督する立場におります局長意見がそういうことになっております。そういうことにつきまして、また軽々に取り消しますと、かえっておもしろくない問題も出てくるかと思いまして、私どもも、この問題はなるべく早く事態を円満に解決したいと思っておりますが、解決の方途につきましては、私どもお話しのありましたように、できるだけ早く解決しまして、税務行政影響しないようにという点につきましては同感でございます。そういう方向でせっかく努めたいと思っておりますので、御了承願いたいと思います。
  17. 川島金次

    川島(金)委員 平田さんの話を開いていると、長期戦に持っていって解決しようというような下心があるように私どもには聞える。そんなことであっては、私はかえって事態を悪化させるだけであろうと考える。それであればこそ、私は心配しておるわけなんです。国税局長並びに国税局の関係者が、私の伝え聞くところによると、さきおととい現地に行っているわけなんです。現地に行って、職員組合署長その他からいろいろ事情調査しておるらしいのです。その調査によって出た結果がそちらへ内申されているだろうと思う。ですから、国税局の内部だけの意見局長は聞いているから、従ってそういうゆうちょうな考え方を持っているんじゃないか。私はお互いに冷静になるのを待って問題を解決されるということは、かえって逆効果を生ずるだけだというふうに事態認識しておる一人なんでございます。  この際渡邊主税局長に伺っておきたいのですが、こういう事態は、浦和川口を出発点として、あるいは全国的にこういう問題が今後とも派生的に起らないとも限らない。そういうことから、ひいては税務行政の上に大きな障害となることはいなめないところであります。さらにまた、それがひいては納税者、国民の立場から、税務署に対する親愛感といったものに対しましても、大きな影響が起ろうと思う。そういうことで私は心配しておるのでありますが、こういう事態に対しまして、大蔵省としては、こういう問題に対する処置についての指示を与えるなり、あるいはサゼスチョンなりを与える責任があろうと思います。そういう点はいかがでしょうか。
  18. 渡邊喜久造

    ○渡邊政府委員 今お話しになりましたような問題は、私も聞きまして、できるだけすみやかにそれが円満に解決することを希望しているのであります。こういう事態が全国的にいろいろ問題になった場合、税務行政にも大きな影響があるのじゃないか、その点われわれも同じような気持を持っております。大蔵省といたしましては、国税庁がございまして、国税庁長官がその責任において、税務行政の第一線においての指導監督をやっておりますから、一応国税庁長官の善処に待つということで考えておりますが、われわれとしましても、 いろいろ意見があれば、国税庁長官お話しして参考にしてもらうということは、主税局長の立場ですから申します。なお大蔵大臣はどういう立場か、私が申し上げるのは少し僣越かと思いますが、国税庁も大蔵省の一つの役所なんですから、大蔵大臣としては同じような意味において、国税庁長官の瀞処に待つという気持でいるであろうということを考えております。
  19. 川島金次

    川島(金)委員 平田さんにさらに申し上げるのですが、先ほど私が言いましたように、問題を浦和川口のケースの中で解決しようとすれば、解決させる方法もあったと思うのですが、長引いてしまったので、たまたま異動期になって、浦和署長が品川に行った。品川に行けば、品川では職員組合がこぞって劔持署長の着任を拒否する決議をした。こういうふうに、現実の形において事態が混乱しているわけです。そういうことをみすみすさせるような態度をとるということは、責任者のとるべき道ではない。これまた品川の税務署長の問題をほうっておいて、両者の冷静を待つというようなことになると、そのような事態は進展して行きます。私は断言しておきます。今のあの空気ではそうなる。そういうことを、一体責任者が手をこまぬいて待つような手ぬるい態度であることは、責任を感じておるのか感じていないのか、むしろ疑わしいというふうに言わります上に、単にまかしてもあるからとるを得ないわけであります。だから私が申し上げた通り、解職するというような事態を元に戻すということは容易でないと思う。ところがこのヶ-スは、だれが考えてみてもいいとか悪いとかいう判断はむずかしいであろうけれども、少くともその役所の中の職員全体が、あげてこの人はあえて昇給停止をするほどの勤務の不良者ではない。しかも係長からも署長にはその旨が伝えられてある。こういう者をことさら昇給をストップさせるから、このようなことになる。しかも一その影響するところは、毎日々々重大な形になって発展しておることもまた事実なんであります。私は、火事はなるべくぼやのうちに消してしまうことが一番いいと思う。そうして面子の問題はあとでいい。そういうことに当局がならぬ限りは、ひとり埼玉県下の問題でなく、すでに東京の中にも火が移ってきておる。それほどだんだんに事態は悪化し拡大していると言っても過言でない様相を示しておる。それをもう少し火の手が少くなるのを待ってというようなゆうちょうな考えを持っておったんでは、逆効果をあげるだけだと思うの、でありまして、全体が昇給停止をするほどの成績不良の者ではないことを認めておるのですから、ひとり署長だけの面目や地位をかばってあげるという、それは責任者気持はわかります。わかりますが、たった一人の人間と、多数の、百人も二百人もの考えた利害と、そこに截然たる相違があることに端を発して、今日の事態になっておるわけであります。一体これらの職員行政といいますか、そういった行政をといって、一人だけの責任に帰させるようなことに人事行政を持っていくのか。それとも、なるべく多くの職員もそれに納得し協力するといったような方向に人事行政を持っていくことが、私は非常に大切な事柄であろうと思っておるのでありますが、一体その点、長官はどう考えておりますか。
  20. 平田敬一郎

    平田政府委員 先ほども申し上げたのでございますが、私の方も、なるべく早くああいう事態につきましては解決をはかりたい。これは川島さんのお話しと全く同じ考えでございます。すでにこれは組合の問題にもなっておりますので、組合との間にもいろいろ折衝をいたしまして、それによって事態をなるべく早くおさめるようにしたい。問題はその方法でありまして、方法は、今お話しのように直ちに撤回、あるいはやめたのをやめるということまで行きますのはどうかと思っております。しかしその辺のところは、よくこの問題の他に及ぼす影響等から考えまして、なるべく早く解決するようにしたい、こういうふうに考えておりますので、御了承願いたいと思います。  それから人事行政の問題ですが、先ほど申し上げましたように、署長だけにまかしておるわけではないのであります。署長意見によりまして、局長判断いたしてきめるのであります。その場合におきましては、普通の職員が納得するような人事行政をやるということは当然のことでありまして、そういう考えで全体をやる考えでございまするが、しかしいろいろな場合がありまして、ときによりますと見解の差があり、いろいろな問題がありまして、なかなかそう簡単にいかぬ場合もあります。これについては、いろいろ複雑な事情もございますので、そういう事情についてはよく事態を調べ上げまして、その上で私どもははっきりした御報告をした方がいいと思いまして、若干差し控えておるような次第でございます。その点は、私どもの申し上げておることを、気持をよくおくみ取り願いまして、よろしく御了承願いたいと思う次第であります。
  21. 川島金次

    川島(金)委員 どうもくどいようですが、長官お話しは、大蔵次官になってしまうのだから、私の責任じゃないという多少の気持もあるせいであろうかと思いますが、両者が冷静になるのを待ってということは、愚の骨頂だと私は思う。やはりその事態がだんだん発展していくということは現実の問題である。できるならば、埼玉県の問題は、埼玉県のケースの中で解決してしまった方が一番賢明である。それをほうっておいたら、東京にうつってしまう、こういう形になる。そういうことをやらせるのは、責任者のとる態度じゃない。こういうように私は思うから言うわけなんです。そこで、私はマンデス・フランスじゃないけれども、問題はいたずらに今のような考え方でほっておかないで、おそくとも今週中に問題は解決するというくらいな積極的な態度をもって当局は解決をはかるべきじゃないか。こういうことが全国的にだんだん広がることは、国にとっても、国民にとっても、税務署関係にとっても、好ましいことではないのですから、そういう問題は、とにかく一刻も早も片をつけるということで、長官は積極的に、熱意をもって事に当るべきであろうと思うのてす。  それで、私はついてに一言お聞きしておくわけですか、私は、この問題を機会に、久しぶりで署長だとか、係長だとか、職員の人たちにも接触したのですが、その接触している中で、私は不思議な言葉を耳にしたわけです。というのは、局長とか、署長だとかでも、政府あるいは長官の指令でもありましょうか、徴税事務、あるいは査定事務などの税務行政全般に対して、職員には、なるべく納税者に対して親切であって、納得納税をさせろ、こういうことを議会でもあなた方は繰り返してわれわれに説明をし、外でもそれを言っているわけです。どころが実際の行政の中に入ってたまたま耳にしたのですが、奇怪千万なことには、納税者に対して親切にしたり、あるいはなるべく納得のいく査定をしたり、納得ずくの納税をさせたりしたいと思って、職員が熱心に誠意をもって事に当るようにやると、どうしても時間がかかる。そういう時間がかかることはやむを得ない。しかし、税務職員としては、国の方針でもあるし、また長官の命令でもあるのですから、なるべくそういうことをしたい。にれは私は大いにいいと思っておる。ところがそういうことをする結果においては、徴税事務、あるいは査定事務においてもなかなか能率が上らぬ。そういう事態になりますと、これは必ずしも成績よからざるものである。こういう烙印がいつの間にか押されてしまう。これが下部における税務署の実態である。全体とは申しませんが、そういうことは間々ある。こういうことであっては、税務職員は、表面政府あるいは長官の方からは、できるだけ納得した査定をしてやれ、あるいは納得した納税をさせるように努力しろ、こういうことを言っておきながら、実際においては、その逆になるような事柄が非常に多い、こういうことが言われておるのですが、こういうことについて、長官などは何か聞いおるのかどうか。一体そういうのがよいのであるか。そういうことについても、この際ついでに長官としての最後の意見を聞いておきたいと思います。
  22. 平田敬一郎

    平田政府委員 重ねて申し上げますが、私どもも、この事態の収拾については、なるべく早く解決をするように努めるということは、先ほどから私申し上げておる通りでございます。  それから税務行政一般のことについては、いろいろな機会において御説明申し上げておるわけであります。やはり今のように、非常に税の負担が重くて、戦後後時非常に納税者との間の摩擦が多かった状況に顧みますと、日はかかっても、納税者に親切なやり方であるというのが、一番い方法じゃないかと考えまして、そういう方法で、できるだけ勉強いたしておるつもりでございます。今後とも私ども、そういう気持でできるだけ勉強いたしまして、職責を果したいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。
  23. 川島金次

    川島(金)委員 きょうの新聞等の報道するところによりますと、先ほど来から長官は、事態推移を待ってというようなおおようなことを言っておられるのですが、それと符節を合せるような報道があります。それは、この事態はもう労組としても一歩も引けない状態になっている。しかし一方国税庁側では、職場混乱の責任を追及して、処分問題も考えているという情報がある。こういうことが新聞などに伝えられているわけです。事の真否いかんにかかわらず、こういうことがまた職員の側に非常に深刻な刺激を与え、いよいよ事態が深刻になる、こういうことになっているのです。今の長宮の話によると、ばかにゆうちょうにかまえて、そのゆうちょうなかまえの中で長期戦で解決したい。そういう言葉の裏には、こういう新聞に報道されているような、もう少し時間を延ばしておいて、混乱したら、その混乱り先頭に立った責任者を処分したいというような反動的な考え方もあるのではないかと疑われても仕方がないことにもなるわけです。そういうことで、事態をほっておくことは、必ずしも長官の意図するようないい結果にはならない。こういうことになるわけでありますから、そういう点一体どう考えますか。はたして新聞に報道されている通り、長期戦にしておいて いたずらに事態を長引かしておいて、そこの中に混乱が起る、混乱したらその責任者を処分してやる。そうしてどうかつ行政をしてやるということになると、事態は重大だと思いますが、そういうことを考えているのか、そういうことは絶対に考えておらぬということになっているのか、その点をあわせて聞いておきたい。
  24. 平田敬一郎

    平田政府委員 今の段階におきまして、そういうことを話題にもいたしておりませんし、また話題にすること自体が、今の時期において適切じゃないと考えまして、早く解決をはかりまして、事態をよく調査した上で、いろいろな問題について適切な措置をとりたいということであります。むしろお話しのようなことは、先走って心配しているのでありまして、そういう問題に対して今触れるのは、適当でないと考え、なるべく早く事態をおさめることについて、できるだけの努力をしていきたいと思います。
  25. 川島金次

    川島(金)委員 長くなりますからやめますが、最後にもう一言申します。先般来組合の方では、直属の署長との懇談、交渉を続けている。さらに局長側にも交渉を申し入れているが、なかなか思うようにいかぬ。そこで事態の早期解決のために、思い切って労働組合側の申し出にこたえて、局長なり、さらに最高責任者である長官が、一方的な局長署長だけの意見を聞がないで、労働組合の真の見解なり、意見なり、あるいは希望なりについても十分聞いてやるという態度が、私は望ましいと思うのですが、そういう用意があるかどうか、その点をお尋ねしておきたい。
  26. 平田敬一郎

    平田政府委員 私は、組合とはあらゆる問題を話し合うことに今までいたしておりますし、この問題につきましても、組合が出ますれば、当然交渉の対象になろうと考えております。
  27. 川島金次

    川島(金)委員 それでは長官は、組合側から長官に面談申し入れがあった場合には、直ちにそれに応ずる用意があるという言明なんですね。
  28. 平田敬一郎

    平田政府委員 当面のいろいろな問題について、実はきょう午後組合と会見する約束をいたしております。
  29. 松原喜之次

    ○松原委員長 横山委員から関連質疑の要求がありますので、これを許します。横山君。
  30. 横山利秋

    ○横山委員 今川島委員から御質問がありました。これを省いた部分についてお伺いしておきたいのであります。私この問題をながめてみて、国税庁側が、労務行政についてどういう考え方を基礎に持っておられるか不思議な気がいたします。たとえば一つの例で申しますと、今度の昇給のことであります。今回の問題の一つの焦点である昇給について、六項目の基準があるをうでありますが、この基準もいろいろの問題があるのであります。係長が見て思わしくないという文句がありますが、こういう言葉の使用というものは、国家公務員法並びに各労働法を一貫してながめてみて、そういう言葉は今日あり得ない言葉です。こういう基準は、一体どなたが責任を持ってお作りになり、最終的にはどなたが責任を持っておられますか、まずそれをお伺いしたい。
  31. 平田敬一郎

    平田政府委員 今お話しのようなこと、私ども全然実は考えておりません。係長が思わしくないということは、常識的に考えましても、非常に主観的な判断で物事をきめるというよろなことで、とんでもないことであって、そういうことは全然考えておりません。
  32. 横山利秋

    ○横山委員 長官のその言葉を聞いて、この点については了解をいたしました。  そういたしますと、税務職員についての昇給基準は、このような気持でやっておるのではないし、こういうような文書というものは現存していないというふうに理解してよろしゅうございますか。
  33. 平田敬一郎

    平田政府委員 はなはだ恐縮でございますけれども、私は、この昇給につきまして、大分組合等でいろいろ質問がありましたので、それを兼ねまして、部内に流した文書をむしろ読み上げさせていただいた方が正確になると思いますが……。
  34. 横山利秋

    ○横山委員 わかっております。
  35. 平田敬一郎

    平田政府委員 よろしゅうございますか。私がさっき申し上げましたように、昇給につきましては、なるべく全職員昇給に該当することが望ましい。平素からできるだけ指導をうまくやりまして、そういうことになってもらいたい。しかし実際上、それじゃ全然サボつたり、仕事がなかなかうまくいかないという職員がないかというと、やはり遺憾ながらあるのであります。あるものにつきましても、何でもかんでも一々やっていくということは、公正な公務を執行するものといたしましては正しくない。やはりこれはある程度けじめをつけていくのが、公務員としての与えられた任務じゃないかと思います。それで部内でも、できるだけそういうことにつきまして徹底方をはかっております。ただその際におきましても、でき得る限り親身になって職員を指導をして、それでもどうしてもうまくいかぬという場合におきましては、やむを得ず昇給しないという場合があってもいたし方がない。しかしその場合には、できるだけ客観的に公正に判断をして、私的なことはないようにということを管理者側にも厳重に注意をいたしております。そういう気持で、こういう問題につきまして私といたしましても、今度に対処していきたいと考えておるということをお答え申し上げる次第でございます。
  36. 横山利秋

    ○横山委員 時間がありませんから、長官のおっしゃっている気持はわかりましたので、私の聞きたいことだけを簡単にお聞きしますから、簡単に答えて下さい。  そういたしますと、六項目については、こういうものはない。私としても、そういう立場で昇給をやっているということはわかりました。  その次に、今お話しがあった職員に対する通牒といいますか、何か広報に載った問題、この問題についても、労使関係というものは、労務行政の立場から私は疑問を感ずるのです。なぜならば、組合というものがある。組合から質問書が出て、その質問書に答える前に、その質問に対する答えを先に広報に出す。そして広報に出したから、これがお前たらに対する答えだといって、組合に、別紙の通り出した。こういうやり方というものは、率直に申しますと、これは戦闘状態における使用者のやり方です。そういう考え方が今あなたの方に初めからおありになったように思うのですが、そうですが。普通の労使関係であれば、組合から質問書あるいは要求書が出る、それに対し、使用者なり当局側の考え方はこうである、こういって出るものなんです。それを先へ、職員全般に対して答えを出してしまって、そして別紙のようなものを出したぞといって組合に通告するやり方を、いつもあなたは労務行政としておとりになるのであるか。これが、私は先ほどの六項目の問題とも相関連して、あなたの方の労務行政について非常に不可解なものを感ずるのです。
  37. 平田敬一郎

    平田政府委員 私の方も、まだ非常にふなれでありますが、組合等とは交渉はたびたびやっておりまして、一応の常識は持っておるつもりであります。従いまして、今のお話しのように、組合に答える前にやるようなことはいたしておりません。組合に先に答えまして、こういう趣旨で組合に答えたということを一般にも知らせる、こういうやり方をとっておるわけであります。その点、もう少し事実をお調べ下さればわかると思います。そういう非常識なことは今後もいたしませんし、今までもやっておりません。
  38. 横山利秋

    ○横山委員 それでは、国税広報に載った内皆というものは、国税広報に載る前に組合にお出しになった、こういうわけでございますね。
  39. 平田敬一郎

    平田政府委員 その通りです。
  40. 横山利秋

    ○横山委員 わかりました。それから次に、今日税務関係の中には、組合というものはあまりできておりません。ところができておらないところの税務署長なり、あるいは国税局長なりの考え方なりやり方なりを伝え附いておりますと、組合にかわるべきような協議会、あるいは親睦会というものを奨励しておいでになる。このことは非常に重大なことだと思うのです。一体あなたの方として、今未組織の税務職員に対して、健全なる労働運動の育成を暗に阻害するような結果を告んでおることにお気づきでありませんか。私、ある税務署長から、私のところには組合はいりません、こういう親睦会を最近でかしますから、こういう協議会をでかしますから、苦情なり不満なりというものはここでやりますから、組合の必要は認めません、こういう立場でやっておるという驚くべき話を聞いたのです。こういう点についてはあなたはどうお考えですか。
  41. 平田敬一郎

    平田政府委員 私ども健全な組合ができまして、健全な活動をしていくということに対しましては、非常にけっこうなことでありまして、別にそれをどうこう言う気持は全然ございません。それから最近古い署長級の中に、いろいろな意見を持っておるものもございますので、幹部講習等を行いまして、そういう点についていろいろ訓練教育をいたしております。大体今のところ全国的にございますが、大阪、名古屋、北九州に実は組合がなかったのでございます。元はあったのですが、一時非常に組合で問題が起りましたので、組合自体が解散する立場になったのでございますが、その後できておるところがあるようでございます。最近ぼつぼつ作る機運があるようでございます。そういう際におきましては、ぜひとも健全な組合ができることにつきまして、これは非常にけっこうなことである、こういう態度で臨んでおるわけであります。
  42. 横山利秋

    ○横山委員 簡単にいたします。今三公社、五現業並びに国家公務員昇給の問題、夏季手当の問題は話がつきました。ただひとり国税庁のみが話がついていないのです。国税庁一つ残って、しかも火の手が次々と広がるような形勢にあるのです。まことに私は残念なことだと思うのです。税務行政について経験の深い、良識のあるあなたのことでありますから、話は急速に解決するとは思ってはいますけれども、しかし今あなたが全然知らない、そんなことは考えてもいないというような六項目の基準なるものが、組合側に言わせると、これが署長なり、あるいは局長から言われておるので、これがどうしても納得できないということを言っておるのです。そういたしますと、この点は、あなたの意に反した局長なり署長なりのやり方が行われておると私は思わざるを得ないのであります。ぜひともこの際、すべての公務員、あるいは公社職員なりが解決をしてしまいました昇給とか夏季手当の問題が、ひとり国税庁だけに出ておって、そして次々と全国的に火の手が蔓延をする。こういうことはひとり税務職員の問題ではなくて、国民の納税者の立場からしても、きわめて遺憾なことだと心配しておるわけでありますから、先ほど川島君からも話がありましたが、すみやかにこの問題の円満解決のために、一つ長官としてはお骨折りを願わなければならぬと思います。一番気持の上で大事なことだと思いますのは、あなたが、ほとぼりがさめてから円満に冷静に解決したいというようなことをおっしゃったのです。これは労働問題の扱いとしては、私は間違っておると思うのです。熱しておるうちに双方が話をつける、そこに多少の損得があっても、そこで気持よく双方が手を握る、こういうふうになりませんと、労働問題のほんとうの解決はありません。ところが冷静になったあとで処理をつけるといったら、またそこから焼けぼっくいに火がつくことを心配するのです。この際急にすべての問題を一つ全部解決をして、あしたなり、あさってから気持よく仕事をしてもらい、サービスを一つ十分に納税者にやってもらう。そのためにこの問題をひっかかりなく解決してもらうことを特に要請し、この点について最後にあなたの御見解を向いたいのです。
  43. 平田敬一郎

    平田政府委員 実は私も、この夏季手当の問題その他はなるべく早く解決するつもりで、組合の方にも、そういうことにつきましてはいろいろ話をしましたことがあるのですが、なかなかいろいろな事情があるのでしょう、まだ妥結を見ておりません。しかしこの問題は、なるべく早く解決するように努めたいと思っております。それから今申し上げましたように、事柄の性質だと思いますが、すべての問題が一ぺんに解決できるかといえば、解決する問題を解決しまして、あとの問題はまたあとではっきりした方がいいということもありますので、その辺のところは、よく私も事柄内容事態を見まして、私ども全体といたしまして、早く解決したいという気持は山々でございますから、そういう気持で対処したいと思います。御了承願います。
  44. 松原喜之次

    ○松原委員長 黒黒委員より資料要求の発言を求められておりますので、これを許します。黒金君。
  45. 黒金泰美

    ○黒金委員 原油、重油の関税定率につきまして、いろいろと議論もあり、また質疑を重ねて参りました。大分時もたちましたが、一つ政府から根本的な資料の御提出を願いたいと思います。と申しますのは、初めの案によりますると、重油は表向き六・五%、これは陸上部門にしわ寄せいたしまして、実効税率を八%、このような御説明で進んで参ったのでありますが、このほど来通産省からのいろいろな御説明を承わりますと、陸上部門の中におきましても、いろいろな格差をつけていく。たとえば殷賑産業。あるいはまた輸出産業、この方にはできるだけ低くして参りましょう。あるいはボイラーにつきましては、石炭をもって変えてもいいんだから、そちらにできるだけしわ寄せいたしましょうというわけで、いろいろとその中に格差があるように伺うのであります。このようなことでありますれば、初めに伺った陸上にならして大体全部が八%ずつの課税を受けると同じような結果になるという点と非常に違って参りますので、通産省御当局とよくお打ち合せになりまして、どういう部門別にお分けになるか。お分けになった結果、ある部門では実効負担の税率があるいは六・五%を下回るのもありましょうし、あるいはボイラーその他に至っては一〇%をこえるかもしれませんし、一体どうなるのか全然わからないのであります。私どもから言わせますならば、大蔵省の関税におきまして、このように実効税率がどうなるかわからないで、これをよその省のいわゆる行政措置におまかせになるというようなことは、いまだかって例がないことではないか。税関では六・五%を取っておるつもりでありながら、実際の負担は変なところにしわ寄せになりまして、非常に実効税率の相違が出てくる。まあ非常におかしなことになりますので、私どもは、初めは表面は六・五%、陸上部門について八%、こういう実効税率の資料で検討いたしておりましたが、だんだんの質疑応答の間では、そうではない、もっと部門にこまかく分けて、価格をいろいろ調整していく間に実際の負担の税率が変ってくるような御答弁でありますが、この点どうか至急に、どういう部門にお分けになって、その結果おのおのの部門の実効税率の負担率が幾らになるか、この資料を御提出願いたいと思います。一つ委員長からもお願いいたします。
  46. 渡邊喜久造

    ○渡邊政府委員 資料の御要求がございましたが、われわれの方で通産省と打ち合せまして、一応関税として考えておりますのは、当初御質問に対する答弁として、陸上部門に大体八%、水上部門にはかからないというか、負担が行かないように考えていく。その結論として一応六・近%である。これは通産当局からいろいろ話がございましたが、その点についてはその通りだと思っております。ただ問題は、これは黒金委員よく御承知だと思いますが、関税をかけましたとき、その後においての重油なら重油の値上りの関係、これはほかの関税などにもよくあるところでございますが、一割の関税をかけたらそれだけすぐ値上りするかというと、これは経済関係によって、そこにいろいろな差が出てくるわけであります。現在として問題になっておりますのは、たとえば鉄鋼部門でありますとか、あるいは輸出部門でありますとか、そういう部門におきましては、値上りについては、石油業者とよく話して、その値上りを抑制するような措置を講じたい、こういうような話でございまして、関税の実効税率といったような関係とは多少話が違うのじゃないか、かように考えております。
  47. 黒金泰美

    ○黒金委員 今のは資料の要求でありまして、質問でもなければ討論でもありませんから、繰り返すのは恐縮でありますけれども、ただ輸入された重油というものが流れていく際に、これがどういうふうに転嫁されるかという点だけであるならば、何もこんな資料を要求いたしません。しかるに通産省におきましては、たとえばボイラーにつきましては、ボイラー規制法の第六条でありますか、これをうしろだてにいたしまして、あるいはまたその他のものにつきましては、輸入外貨の割当をうしろだてにいたしまして、行政措置によって価格をきめよう、こうおつしゃるのであります。これは転嫁ではございません。従いまして、一体通産省では幾らの値におきめになろうとするのか。このおきめになり方によりまして、個々の業態に対して転嫁される前の税の負担の率が出てくるわけでございます。ちょうど初めに八%とおっしゃったものが、価格の値上りその他を逆算なさって、六・五%の関税をかければ八%になるのと同じようなことが、行政指導の結果の価格に対して、どういう部門に幾らで尭られるかによって実効の負担率が出てくると思います。これがもしも行政措置がなければ、われわれ何も申しませんけれども、行政措置によって出て参りますから、その基準となるものは、通産省では一体どういう方面に幾らの値段でお尭りになるつもりか。この部門別につきましては、今通産省の方はおられませんけれども、非常にときどきにあいまいに変って参ります。その部門は、一体どこに安くしてどこに高くするのか。この部門別に伺わなければわれわれ審議ができませんし、同時に、一体どれくらいの値上りを認め、どの部門にはどのくらいの例幅しか認めないか。これも行政措置を伺わなければ、実効の負担がわからないので伺っておるのであります。いろいろな御議論はありましょうが、どうか一つまげて資料を御提出願いたい。御提出がなければ、われわれは実際の結果がわからないので、審議ができないのであります。どうかよろしくお願いいたします。
  48. 渡邊喜久造

    ○渡邊政府委員 実効税率というお言葉がちょっとわれわれどもに納得いかないので、つい言棄を返して恐縮でありますが、実効税率ということになりますと、たとえば六・五%は、ほかの方で安くするものがあれば、ほかの方で高くしなければならぬところがあるはずだ、こういうふうな結論になるのじゃないかと思いますが、われわれには実効税率という言葉がわからない。結局石油業者が負担してし支えば、税としては六・五%になりましても、ある部門は安くしつ放しにしただけで済むわけでありまして、結局黒金委員の御要求になっておりますのは、あえて実効税率というお言葉をここでやりとりするのもいかがかと思いますが、一体関税がかかったあとで、陸上部門は五百円上る、ボイラーなら一体どれくらい上るのか、鉄鋼ならどれくらいの見込みでいるのか、こういう御質問じゃないかと思います。その点につきましては、通産省がおりませんので、すぐに通産省に伝えまして、あるいは時間の関係で資料になるかどうか知りませんが、できるだけのことをお答えするようにいたしたいと思います。
  49. 黒金泰美

    ○黒金委員 誤解があるといけませんから、もう一回繰り返しますが、通産省では、いろいろな部門別に分けられて価格の値下げその他をおきめになったのですが、一体どういう仕分けをなさって、現在の値段をどうお上げになるのか。その結果何%の値上げになるのか。私の実効税率という名前が悪ければ、その値上げ率、いわば税の負担がそこに来ますから、率と申し上げたような次第で、そういう表を一つ至急にお出し願いたい。     ―――――――――――――
  50. 渡邊喜久造

    ○渡邊政府委員 至急通産省と連絡をとります。     ―――――――――――――
  51. 松原喜之次

    ○松原委員長 次に、金融に関する件を議題として調査を進めます。質疑を許します。春日一幸君。
  52. 春日一幸

    ○春日委員 河野銀行局長。昨日の読売新聞の社会面のトップ記事によりますと、頼母子講は相互銀行法違反である、宗教団体もこれを取り締っていく、こういうことに大蔵省の意見が法務省との打ち合せによってきまった、こういう事柄が報道されておるのであります。そういうような法律に違反すると大蔵省が断定するに至ったところの、そういうような頼母子講または無尽、そういうものの実態は一体どういうことであるか、それからまたこれを相互銀行法の違反であると当局が断定するに至った法的な根拠は何であるか、この際一つ明らかにしていただきたいと思います。
  53. 河野通一

    河野(通)政府委員 最初にお断わりをいたしておきますが、昨日でしたか、読売新聞に出ました頼母子講に関する記事は、全部が正しくございません。と申しますのは、私どもこの問題につきましては、現在いろいろ検討はいたしております。関係の各省、ことに法務省等と打ち合せをいたしておることは事実でございますが、結論はまだ出ておりません。従いましで、大蔵省としてはっきりした具体的な結論を得たということではございません。従いまして、記事は必ずしも正確でないということをまずお断わり申し上げておきます。  頼母子講と申しますのは、実は非常に沿革も古く、そのやり方がいろいろございます。特に、これは春日さんもよく御承知だと思いますが、いわゆる無尽講というものの中には、親のある無尽講とか、親のない無尽講とか、あるいは発起設立によってやりますものとか、募集によってやるものとか、いろいろ実は分れるわけであります。そのうちで今問題になっておりますものは、相互銀行法の第二条の第一項に書いてある相互銀行業務に、昔いっておりました無尽講が該当するかしないかというのが一点であります。もう一点は、昨年でありますか、成立を見ました出資の受入、預り金等の取締等に関する法律というものがございますが、この法律の第二条に該当するかしないか、この二点が問題になるのであります。これを先に申し上けますと、その第二点の、出資の受入預り金等の取締等に関する法律の第一条にいっておるあの条文には、これらの頼母子講は該当しないということに相なるわけであります。これは、あの法案の御審議をいただきました際に御説明申し上げたと思うのでありますが、頼母子講等につきましては、いわゆる掛金の形になるのでありますが、これは特にあの条文の中から除いてございます。従って業として頼母子講を行う場合にはあの法律には該当しない。ただそれが営利を目的とする。つまり営業として行われる場合に、初めて相互銀行法第二条の第一項第一号に触れるか触れないかという問題に相なるわけであります。本日は、さような意味におきまして、相互銀行法第二条第一項の相互銀行業務に該当するかしないかという点に集約して、現在まで私どもの研究いたした結果について簡単に申し上げたいと思います。  問題になりまする頼母子講の相互銀行法に違反するかしないかの問題の分れ目は、大体三つの点にあると思います。第一点は、営利の目的をもってやっておるかどうか、第二点は、そういう行為を反復継続してやっておるかどうかということ、第三点は、相手方が不精定多数であるかないか、この三点に問題が帰着すると思うのであります。従いまして、これらの個々につきましては、営利の目的とは何ぞや、あるいは反復継続とは何ぞや、不特定多数とは何ぞやということを、われわれもいろいろの観点から研究いたしておりますが、この三点について、これをいかに考えるかによって、今御指摘になりました頼母子講のうち、相互銀行法の違反になるかならないかということがきまってくる、こういうふうに御了解いただきたいと思うのであります。なお今申し上げました三点の意味あるいは範囲等について御質問がさらにございますれば、お答え申し上げたいと思います。
  54. 春日一幸

    ○春日委員 この読売新聞の報道しておるところによりますと、東北や北海道地方では、これが特に流行しておる。その資金量は、株主相互金融の場合の五百億円を相当上回るものと推定されておる。従って、これは大きな社会問題、経済問題、特に金融行政に関連した重大問題となっておることがここに指摘されておるわけであります。  そこで河野銀行局長にお伺いいたしたいことは、あなたの御答弁によると、まだ大蔵省としては結論を得たわけではないといっておられる。私が緊急にここで質問をする理由もまたそこにあるわけであります。先年保全経済会における伊藤斗福の問題、あるいは殖産金庫の下ノ村一家の事件、こういうような問題が一般大衆に大きな迷惑を与えたことではありましたが、しかしこの問題は、あたかもただいまあなたの御答弁されたように、本委員会においてしばしばあなたに、この問題は法律に照らしてどうであるか、金融法規に照らしてどうであるかという質問をしたわけであります。ところがあなたは両三年にまたがって、これに対して結論をよう出されなかった。これは匿名組合としていいか悪いか研究中である。あるいは大蔵省の所管でなくて、むしろ法務省の所管である。こういうようなことでもってあなたが結論を出されなかった。その結果、保全経済会は日とともに太りに太って、資金量は七十数億になり、また下ノ村何がしのやっておった殖産金庫はあのように膨張して、そして何十万という大衆が零細な金を瞞着された形で、大きな被害を及ぼした。そこで私が今申し上げたいことは、この読売の報道によると、資金量がすでに五百億をこえて、かつての相互銀行を上回るような金額がこれによって動いている、このような段階においてもなおかつあなたの方は、相互銀行法、あるいは出資、預り金等の取締等に関する法律、こういうものに違反しているかいないか、まだ結論を得ていないという。このことがすなわち保全経済会における前車の轍を踏むおそれなしとはしないと思うわけであります。私は専門的にお伺いをいたしたいと思います。相互銀行法の第二条第一項でありますか、とにかく法律に明文でもって、そういう行為をした者は相互銀行法違反であるということが明記されているものとするならば、それに抵触する行為があるならば、これは早期にこれに対する当局の権威ある解釈を明らかにして、そして大衆がこれによって損掛を受けることのないように、あらかじめ防衛の措置をとることが、私はあなたの当然にして欠くべからざる任務であると思うのだが、本日なおこれに対して権威ある結論を下すことができないというのは、一体どういうことであるか。この点を、疑義のあるところを明らかにされていただきたいのであります。
  55. 河野通一

    河野(通)政府委員 ごもっともな意見であります。私どももこの問題を放置することがいけないと湾えまして、現在鋭意これらの問題の結論を急いでいるわけであります。先ほど申し上げましたことは、最終的の結論に到達しておらぬと申し上げたのでありますが、大体関係各省、特に法務省及び法制局との間の意見の調整は、もう長い期間を要しないでできる見通しを立てております。従いまして、なるべくすみやかに方針を決定いたしたい、かように考えております。ただ一つだけお断わりいたしておきたいと思いますのは、いわゆる頼母子講といわれているものがすべてこれらの法律に違反するということではないのでありまして、違反するものは、頼母子講の中でもむしろ数が少いのではないかと思います。従いまして、先般来問題になりましたような、ああいったような問題とは、程度の差異でもりますけれども、若干異にして考えて差しつかえない、かように考えます。しかしながら、こういうことは適当でないということはお話し通りでありますので、一日も早く結論を出して、適切な措置をとりたいと考えております。
  56. 春日一幸

    ○春日委員 それでは、この点明らかに権威ある解釈をこの際述べられたいと思うのであります。特に疑義の存する点は、宗教団体、あるいは教育団体等の首脳部が講元となつて、信者または関係者を講員として、建築資金あるいは事業資金、こういうものを調達するために、講を行なっておる者があると思うのであります。これについては、その講の目的から見た場合に、先ほど指摘された三つの点、すなわち営利性と、それから宗教団体、教育団体の場合は、不特定多数の者を請負とするのでなく、それはすべてその団体に関係のある特定の者を対象とするのであるから、不特定多数にも疑義があると思う。この営利性についても、これは営利を目的とするものではない。それから事業資金を得るための講でありまするから、反復継続して行うか、あるいは一回だけにとどまるか、こういう反復継続性についても重大な疑義の存するところだと思うのであります。  昨日の読売の報道によりますと、大蔵省の見解は、これら教育団体あるいは宗教団体等がその事業計画に基いて行うところの講等についても、これを一切相互銀行法違反とか、貸金業等の取締りに関する法律違反とか、こういうことで断を下したかのごとく報道されておるのでありますから、この際大蔵省としての権威ある解釈を、本委員会を通じて明らかにしておいていただきたいと思うのであります。すなわらこういうような営利性のないもの、それから反復継続性において疑義のあるもの、それから所属の団体員を対象にする場合には、不特定多数については、特定少数という形になっておりますが、これは法律が規制しておる対象とは違うと思う。従いまして、これらの団体が行う頼母子講というものは、われわれの見解では差しつかえないと思うが、当局はこれに対してどういう解釈をいたしておるのであるか、この際大蔵省としての権成ある解釈をお述べ願いたい。
  57. 河野通一

    河野(通)政府委員 先ほどお答えいたしました通り、まだ大蔵省としても最終的結論に到達しておりません。従いまして、権威あると申しますか、最終的なことはまだちょっと申し上げるわけには参りませんが、大体私ども考え方について、今御質問の点をお答え申し上げます。  第一の、営利の目的とはどういうふうに考えておるかと申しますと、頼母子講の場合におきましては、講元が頼母子講を行うについて、経済的な利益を得ることを目的とすることが必要である。ここにいう経済的利益と申しますのは、頼母子講を行うことから生ずる余裕金の運用による利益、入札差益金、掛益金の収得等がこれに該当する。頼母子講を行う目的が営利であれば足りる。結果的に利益を得たかどうかは問わない、頼母子講を行う目的が営利であればいいのであって、その結果がたまたま利益を得なかった場合においても、それは営利の自的を持っておるということになる、こういうことであります。また講元がその利益を収得する以上は、その得た利益の使途を問わない。収得金を宗教、教育、公益等の目的に使用しても、営利性自体は消失しない、その利益をいかなる使途に使おうと、その営利性は消失しない。こういうのが現在まで私どもの得た営利の目的ということに対する解釈の内容であります。ただこれは、先ほどもお断わりいたしましたように、最終的結論にまだ到達しておりませんから、もう少し研究を要すると思います。  それから第二の、不特定多数という点につきましては、昨年でありますか、出資金、頻り金の法律の際にいろいろ当委員会でも御議論がありましたが、この点につきましては、単に同窓会、PTA、あるいは信徒といったような提携的地位にあるというだけでは、特定と言うことはできない。これは先般の出資の取締りに関する法律の際にも申し上げたわけでございます。この特定ということはどういうことかと申しますと、その講元と契約者との間に、契約者が講元を人格的に信頼する、従って万一それによって損害を受けても、その損害に対しては、講元に対する信義関係から、その責任を追及しないといったような関係があることが、この場合における特定関係である。こういうふうに私どもは解釈いたしておるわけであります。  それから反復継続、これは特に御説明申し上げることもございません。数回にわたって繰り返して行うということであります。これも数回にわたって繰り返す意図があればいいわけであります。結果として一回しか行わなくても、繰り返して行う意図があれば、これは反復継続するということになるわけであります。しかしながら、当初から一回だけの行為をする場合におきましては、それがいかに大規模に行われても、反復継続にはならないというのが、今までの私どもの結論であります。ただ何度も繰り返して申しわけないのでありますが、まだ大蔵省としての最終結論ではございません。
  58. 春日一幸

    ○春日委員 通産大臣が来られておりますから、いずれまた後刻に譲ることといたしまして、ただこの機会に、銀行局長に特に警告を発しておきたいことは、数次の大蔵委員会で、こういう問題が惹起されるつど、強く申し述べておりまする通り、こういうような事柄に対する当局の見解が、ただいま御答弁のような、いわば中途半端な御見解しかいつも示されていない。最終的な結倫には到達していないが、当面の解釈はこうであるというようなことであって、権威あるこの委員会を通じて、この速記録を通じて、人々は明確なる判断を得ることができない。河野さんは、こうは答弁しておるが、しかしこれは大蔵省としての権威ある最終的な解釈ではない、その他の解釈もあり得るということで、あるいは法律に違反をするかもしれないような事柄がどんどんと許されて、そうしてこれがさらに膨張し、発展していく。読売新聞の報道によると、今日この頼母子講によるところの資金量というものが、五百億円をこえると言われておる。私はまさに重大な段階に立ち至っておると想うのであります。従いまして、庶民大衆の金がこういうような方式によって集められ、しかもその講元の破産その他によって被害が大衆に及ばんとしている現段階におきまして、その監督の衝に当られる大蔵省の見解が、本日なお最終的な解釈を得るに至っていないというがごときは、私ははなはだもって職務怠慢だと思う。私が本問題を特に強調いたしますのは、保全経済会におけるあなた方の態度が、三年にわたってあいまいもことして、権威ある最終的な見解を発表することを、ことさらに避けたのか怠ったのか、その結果数十万人という大衆があんな大きな被害を受けた。あなたは、この前車の轍を踏むことのないように、少くとも読売新聞に報道されたことを一つの契機として、こういう無尽あるいは頼母子講に対する法律の限界を明らかに示されて、そうして災いが大きくならない先に、早期に収拾する、こういう措置に出られることを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。     ―――――――――――――
  59. 松原喜之次

    ○松原委員長 次に、国有財産特別措置法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を続行いたします。春日君。
  60. 春日一幸

    ○春日委員 国有財産特別措置法の一部改正法律案につきまして、ごく簡単に伺います。今回政府案によりますと、国の機械を三割引きにするといっておるが、これは民間から供出する場合には、何ら割引をしないものと理解しておるが、その通り相違ありませんか。
  61. 窪谷直光

    窪谷政府委員 その通りでございます。
  62. 春日一幸

    ○春日委員 それからもう一つは、現在この国有財産の交換に対する処理が、本省からの通達が、抽象文字が非常に多い。それだから、制限列挙主義で、、具体的に明記をしでいただいて、末端官庁でこれを解釈しなくても、読んで文字通り処理のできるような、詳細かつ具体的な通達を出してもらいたい、こういう要望があるわけであります。特に今回の法律は、これこれの期間以内に交換されないものはすべてくず鉄化される、こういり立場におきまして、特に末端出先において解釈を必要とするような通達は、いたずらにその処理を遷延せしめるの心配なしとはしない。従いまして、従来のような通達ではなくしで、具体的に一つ通達をしてもらいたいという要望があるし、またわれわれ自体としても、そういうことによって敏速な処理をいたしたい、こういうふうに希望いたしておるわけでございますが、政府において、これに対してどういう心がまえをお持ちになっておりますか、この機会に一つ伺っておきたいと思います。
  63. 窪谷直光

    窪谷政府委員 中央から地方に出します通達が抽象的に過ぎるというお話、しでありますが、私ども従来やっております仕事やり方といたしましても、そういうことはできるだけ避けて参ったつもりでおります。しかしながら、御指摘になつでおります具体的な点はどういうことでございますか、はっきりはつかめまけんけれども、もしそういうふうに地方において現実に解釈されておる、いろいろ解釈に迷っておるということがありますれば、これまた私どもの反省をいたさなければならない点でございまして、将来におきましては、さらに十分の配意をこれについていたして参りたいというふうに考えます。
  64. 松原喜之次

    ○松原委員長 淺香忠雄君。
  65. 淺香忠雄

    ○淺香委員 関税定率法とか、いろいろな議題があとにあるようでありますので、きわめて簡単に管財局長に要点だけ伺っておきますが、実はあなたも御承知の通り、大阪の枚方並びに寝屋川におきまして、元の砲兵工廠の跡の敷地でありますが、これが終戦以来ずっと今日まで休閑地になっておりました。それが今度住宅公団が発足するに当って、これを住宅地に転用したい、こういう考えのもとに、大蔵省の方にその下交渉方、調査方等の交渉があるやに聞いておるのですが、そういう意思があるかどうか、またその交渉の過糧、そういったものをこの際一つ明らかにしていただきたいと思います。
  66. 窪谷直光

    窪谷政府委員 大蔵省に対して交渉があるかというお話しでありますが、私はまだ交渉は受けておりません。むしろ私どもの方から、積極的に住宅敷地として活用することはどうであろうかという提案を出しておるのであります。住宅公団ができまして、住宅公団の陣容が整って、現実にそれが住宅敷地として適当かどうかという判定をしてもらいました上で、適当だという判定が出ますれば、むしろそれに全面的に大蔵省としては協力してやるから、そういうことを考えたらどうだということで、こっちから提案をしているような段階でありまして、まだ別に地元の方から、具体的にこういうふうにしたい、ああいうふうにしたいというお話しは聞いておりません。ただ何といいますか、そういうふうな抽象的なお話しは、従来もたとえば一部公園にしたいとかいうようなお話しはございましたけれども、住宅公団の設立に関連しての問題としては、まだ承知はいたしておりませんが、大蔵省といたしましては、そういう方面に活用することが適当であろうというふうには考えております。ただこれが交通の関係でありますとか、土地の関係でありますとかいうことは、やや専門的に検討してもらいませんと、私どもが押しつけがましくやるのもいかがというふうに考えております。
  67. 淺香忠雄

    ○淺香委員 それで大蔵省の考え方がわかりましたが、御承知の通り、あそこは終戦以来休閑地にしておりました。そして両三年前に民間の火薬製造会社から、あの敷地を払い下げてくれ、火薬の製造に使いたいというような要望が出まして、そうして地元から非常な反対がありました。反対があったということは、過去工廠時代に爆発事件が起って、非常な被害があった。しかもあの周辺は住宅が密集しておりまして、それがために大挙して陳情団が上京した等大騒ぎをいたしまして、当時通産委員が実地調査に派遣されまして、通産委員会等でもずいぶん問題になったような土地でございます。従ってただいま大蔵省のお話しを聞きますと、進んで住宅公団の方にこれを使ったらどうだというような意思表示があるということを聞きまして、私どもは非常に安易な気持になっております。ところが、これが今後どういう交渉の過程を踏んでいくかわかりませんけれども、何といいましても、四十数万坪に上るところの広大な土地であります。従って京阪神急行の近いところは非常に便利がいいのでありますけれども、奥地に参りました場合には、かなり不便なところもあるわけであります。しかも行政区域としては枚方市並びに寝屋川市の二つにまたがっておりまして、広大な土地を住宅地に転用するとしますと、教育の問題、あるいは交通の問題、水道その他の施設も完備していかなければ、住宅地としていろいろ研究の余地もあると思いますので、こういった点につきましては、地元の寝屋川市並びに枚方市の意向を一つ聞いてもらいたい。あるいは大阪府当局の意向も聞いてもらって、そうして今後これを積極的に推進をしていただきたいことを要望いたしまして、詳細は、また今後の交渉の過程に伴いましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
  68. 松原喜之次

    ○松原委員長 この際小山長規君より、資金委員会設置の問題につきまして、政府側に対する質疑の要求がありますので、これを許します。小山長規君。
  69. 小山長規

    ○小山(長)委員 この間政務次官から御答弁があったことでありますが、銀行局長に事務的なことをお伺いしたいのであります。自由党と民主党との予算折衝の通程におきまして、例の民間銀行の預金の一定割合を蓄積せしめて、そうして金融債その他の消化に充てさせる、こういう構想のもとに法律案を作ることが協定され、それは政府の方でただいま用意をしつつある、こういう御答弁でありました。ところがきのうでありますか、東京新聞を見ますと、大蔵省は、そういうことはなるたけやりたくないのだといって、民主党と自由党、あるいは大蔵省をやゆするような記事が出ておる。これはおそらくそういう空気が大蔵省にはあるんじゃないか。またきょうの新聞を読みますと、郵便貯金の集まりが悪いので、財政投融資会計、一般会計の実行予算を組まなければならないというようなことが出ております。郵便貯金の集まりが悪いというならば、なおさら民間の銀行預金の蓄積にたよらなければならない面が出ると思うのでります。郵便貯金の集まりが悪いから、民間資金はどうでもいいとして、まず実行予算上投融資会計の方を削ってしまえ、そういう考え方では、予算の趣旨とは違うのでありまして、郵便貯金の集まりが悪いというならば、銀行預金の集まりを期待して、金融債その他の消化をはかって投融資計画を進める、当然そうしなければならないと思うのですが、今の問題の法案は、銀行局当局ではいつ省議にかけ、あるいはこの国会に出されるような手順になっておりますか。事務的な運び方をぜひお伺いしておきたいと思います。
  70. 河野通一

    河野(通)政府委員 お話しの法案につきましては、なるべく早く御提案する目途のもとに、現在検討いたしております。ただこの問題は、実は非常に技術的な問題が多い。これは小山さんも御承知のことと思うのでありますが、問題の多い仕組みになる法案だと思います。これらの点につきまして、目下鋭意検討をいたしております。この検討の結論がいつごろ得られますか、いわば一つの新しい方式の規制のやり方でありますから、従来からこういう問題については検討して参っておったのでありますが、いよいよ法案として具体化するということになりますと、相当問題が多いのであります。これらの問題をできるだけ早く整理をいたしまして、提案をするように運びたい、かように考えております。ただこの問題につきましては、先般も政務次官から御答弁申し上げました通り、最終的にこの問題をどう取り上げるかという問題につきましては、やはりこの問題の起りが両党の間のお話し合いから出発しておるように、私は聞いておるのであります。これらの点につきまして、私はもう少し具体的に両党の間の話し合いを伺った上でないと、ただ私どもが事務的に準備ができたから提出するというわけにもいかないのではないかと存じております。これからの運び方について、十分両党との間の打ち合せを済ましてからでなければ提案できない。それでありますから、かりに事務的に準備ができたといたしましも、そういう事柄を含めて、最終的な国会に提出するまでの手続がどのくらいかかりますか。新聞がいろいろ書いておると言われますけれども、私どもは別にサボっておるわけでも何でもないのであります。事務的にはできるだけ尽く問題点の整理をして、成案だけは作りたい。あと提案するかどうか、政治的に解決されるのを待つという態度で進めておるのであります。
  71. 小山長規

    ○小山(長)委員 その問題は、民主党と自由党との間で法律案を作るということがきまったのでありますから、あなた方で問題点が出てきたら、積極的に民主党なり自由党の政調会に提案さるべきです。それを怠っておるなら、政治家が作るんですから、非常にラフなものであるかもしれませんが、われわれの方で作って国会に出さなければならぬ。これは銀行行政にも関係のある問題であり、金融全般にも関係する問題なので慎重に考えなければならない。われわれも慎重に考えておるわけでありますが、問題点を早くあなたの方から出されて、この国会で審議できるようにしてもらわないと非常にラフなものができてあなた方困ると思います。その点一つ御注意申し上げておきます。
  72. 松原喜之次

    ○松原委員長 この際暫時休憩いたします。    午後零時四十七分休憩      ――――◇―――――    午後一時九分開議
  73. 松原喜之次

    ○松原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  関税定率法等の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。加齢高城君。
  74. 加藤高藏

    加藤(高)委員 先般来当委員会におきまして、漁業用重油の問題について質問がありましたことは、大臣すでに御承知の通りであります。これに対しまして政府側の所見を決定いたしまして、当委員会で弁明を願うことになっていたのであります。この際これに対しまする政府の意見をお漏らし願いたいと思います。
  75. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 昨日もお尋ねのありました漁業用の石油につきましては、かようにいたしたいと存じます。  政府は、全漁連と契約をした石油輸入業者に、別に全漁連向けとして外貨を割り当てる。この外貨は、昭和三十年度においては十万キロリットル分といたしまして、本年度の既定の重油輸入外貨割当のワク外といたすことにいたします。なおこの輸入の石油の重油並びに原油の割合等につきましては、農林・通産両省当局の打ち合せによってさせていただきたいと存じます。  それから次に全漁連及び県漁連の直売にかかる従来の取扱い分に対しては、今まで通りといたしまして、漁業用重油については、通産当局はできるだけ低価格をもって供給するように措置をいたす覚悟であります。農林省及び全漁連は、特約店または小売店に対する漁業需要者の負債の返済については、特別の指導協力をしていただきたい。農林通産当局は、横流し防止と価格の適正について万全の措置を講ずるつもりであります。
  76. 横路節雄

    ○横路委員 私は第一番目に、政府側の出席についていささか遺憾な点があるのです。この漁船用重油の問題は非常に重大な問題なのですが、水産庁長官がきょうここに見えておらないのはどういうのです。この点は非常に遺憾です。(「要求してないのだ」と呼ぶ者あり)要求してないというよりは、この問題はただ単に通産省だけの問題ではないのでありますから、この点は委員長から後刻注意をしていただきたい。  そこで通産大臣に第一点についてお尋ねをしますが、今お話しのございました第一点の、政府は全漁連と契約をした石油輸入業者に、特別に全漁連向けに外貨を割り当てるという点につきましては、こういうような措置であると思うので、その点私はお尋ねしておきたいと思います。これは全漁連に外貨を割り当てるべきところを、書面上通産省は、全漁連の指定する輸入商社に割り当て、この際全漁連は、輸入商社に発注内示書を呈示する、そして輸入されたものは、そのまま全漁連に渡すというそういう行政上の措置をするものと思いますが、この点さように解釈してよろしゅうございますか。
  77. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 その通りに解釈いたしております。
  78. 横路節雄

    ○横路委員 第二の点についてお尋ねをいたしますが、今通産大臣からは、右の外貨については、昭和三十年度において十万キロリットル分とするというお話しでございましたが、今年度の重油の輸入外貨割当のワク外であると思いますが、この点はどうでございますか。
  79. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 先ほど申しました通りワク外です。
  80. 横路節雄

    ○横路委員 今の点について、私はさらにお尋ねをいたしたいと思うのでございますが、それは十万キロリットルといいましても、価格で大分違うのであります。これはドル地域に例をとりますと、A重油相当の製品のFOB価格は、キロリットル当り約二十ドル見当であると思います。それは軽油がキロリットル当り約二十一ドルないし二十二ドル、B重油のキロリットル当りが約十ハドル、これを折半して、A重油にするのが当りまえですから従って、これはキロリットル当り二十ドルとして、そうして十万キロリットルを割り当てしたものだというように解釈しておかなければ、十万キロリットルであるというように話をしても、実際にこの点については、輸入価格をキロリットル当り十二ドルくらいのことで入れられたのでは、十万キロリットルといっても、実際には五万キロリットルにしかならない。こういう点については、われわれも委員会で質疑を重ねて、政府側もここまで話を進められたのですから、明らかにしておきたいと思います。
  81. 川上為治

    ○川上政府委員 私の方は、十万キロということでありますれば、その数量を尊重いたしまして、十万キロに該当する外貨を必ずこれに与えるようにしたいと思っております。
  82. 横路節雄

    ○横路委員 鉱山局長に、その点ちょっと確かめておきたいと思いますが、そうすると、漁船用のA重油について十万キロリットルに相当する分の外貨を割り当てる、こういう意味ですね。
  83. 川上為治

    ○川上政府委員 これは今大臣からお話ししました中で、A重油だけに限定しておりませんので、A重油その他のものも入っておりますから、それを含めてということでございます。
  84. 横路節雄

    ○横路委員 重ねて私は鉱山局長にお尋ねしますが、しかし結論としては、輸入されるA重油、それから原油から精製されるA重油、それが結局十万キロリットルにならなければ、せっかくここまで皆さんの方で行政上の措置をしたことにならないので、この点をはっきりしておきたいと思います。
  85. 川上為治

    ○川上政府委員 大部分の御要望が、A重油というのを中心お話しがありましたので、私の方としましてはA重油、これは原油を入れましても、出るA重油ということにおいて、合せて十万キロというふうに考えております。
  86. 横路節雄

    ○横路委員 第三点につきましては、通産大臣にお尋ねをしますが、実はきょうの通産大臣からの御回答では、この間も鉱山局長が明らかにされましたように、漁船用の重油は九十七万三千キロリットル使っている。ところが今十万キロリットル輸入していただく、それから全漁連及び県漁連の直売にかかる従来の取扱い分は従来通りといたしましても、その点は十万ないし十二、三万であろうと思う。そういたしますと、残りの約七十万キロリットルについては、そのうしろの漁業用重油については、通産当局は可及的低価格をもって供給することができるように措置する。通産大臣もこの間私の提示いたしました数字で、いささか驚かれたようでございますが、この点については、本来からいえば、きょう大体三千円方下げるとかなんとかという御答弁があれば納得をしたのですけれども、(笑声)この点はどうもいささか遺憾であるとは思いますけれども、十万キロリットルまで踏み切った通産大臣ですから、なお漁業用重油の残り約七十万キロリットル近いものについては、どういうような措置で下げられるのか、ちょっとそのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  87. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 これは調べてみましたが何ゆえお話しのように、第一次基地から直接のものが一万一千円見当であって、どうして北海道とか、あるいは北海道どころではない、清水あたりへ行きましても、それが一万四千何百円になるのかということを一応調べてみましたが、これにはそうなるべき理由もある。運賃、諸掛り、ロスというものがありまして、一応の理屈がつきますが、なおこの間には十分節約をさせる道もあろうと思います。できるだけこういう運賃とか、ロスとか、諸掛りというものを軽減するような措置をいろいろ講じて行きたいと思います。
  88. 横路節雄

    ○横路委員 今の通産大臣の御答弁で、私は将来に一つ期待を持ちたいと思います。なお全漁連及び県漁連の直売にかかる従来の取扱い分については、従来通りとするという点については、いささかも従来の権益を侵害されないように、特段の処置をしていただきたいと思います。  その次に、農林省及び全漁連は、特約店または小売店に対する漁業需要者の負債について、これを返済するよう特別の指導、協力をなすこととなっております。この点は、負債等も相当あるということは承知しております。しかし、これは零細な漁民の諸君が、不漁と、さらに値段の高いA重油等から割り出された今日の負債でございまして、これをただ返せといっても返せるものではありませんので、従って農林系統の金融機関――この点について政府は、そういう点から特別の長期資金等においてこれを返済する措置をとるのが、私は行政上の指導として正しいと思うのでございますが、この点、通産大臣は担当ではございませんが、大臣としてどうお思いになりますか。
  89. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 今漁業者に借金がたくさんあるということは、一つは石油が高い理由でもありますから、どうしても早い機会にこの負債を償却させるようにしなければならない。それにはあらゆる手段を講じたいのでありますが、お話しのように、農林省及び全漁連等ともよく話し合いまして、できれば今のような農村関係の金融機関その他から資金を出して借金を解消させるということに努力いたします。
  90. 横路節雄

    ○横路委員 私は、本委員会におきまして、漁業用のA重油につきまして、その値上げの抑制、それから値下げ、特別外貨の別ワク等についてわれわれが委員会で希望いたしました点は、通産大臣から誠意のある御回答をいただきましたが、なおこの零細な漁民が、果してこれだけで負債が返還できるかどうか、なおこれをもって、行政上の指導で今日非常な高い値段のA重油が下るかどうかもやや疑問等もございますけれども、石橋通産大臣の行政上の手腕に信頼をして、このA重油については、なおこれが外貨が割り当って実際に運営されて、さらに政府の行政上の指導で下るという段階において、再度大蔵委員会に御出席いただいて、実態の上に立って適当な機会に質問いたしたいと思いますが、今回の措置に対しまして、われわれも政府の意のあるところを了といたしまして、これで私は質問を終りたいと思います。
  91. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ただいまの横路委員の質疑に関連して一点だけお尋ねいたします。ただいまの通産大臣の言明は、当然今日までになされるべきことであったのであります。ただしかし、今までの大蔵委員会における質疑の経過をもかんがみて今回の言明になったので、おそまきながらもけっこうであると思います。しかしこれは、昭和三十年度において十万キロということを言っておられますが、昭和三十一年度以降については何ら触れておらぬ。これは昭和三十一年度以降も十万キロ以上にふやすべきであるし、またただいまの言明では、今までの外貨割当以外に余分に渡すということでありますが、昭和三十一年度以降は、一年々々こういうわずらわしい問題が起らないように、恒常的に制度としてはっきりさせておきたいと思います。昭和三十一印度以後十万キロ以上は考慮するということを、この際ここで同じように言明しておいていただきたいと思います。
  92. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 御承知のように、要求は十万キロリッターではなく、もっとたくさんあるのでありますが、とにかく三十年度には十万キロリッターということにしたわけであります。これは今横路君が言われたように、実施してみて、その成績によりまして、なお必要な数量は三十一年度から増額するつもりであります。
  93. 奧村又十郎

    ○奧村委員 実行した成績によってはやめるかもしれない、あるいはふやすかもしれないということになれば、今年度限りということにも解釈ができるわけです。これでは、おそらく系統団体としても将来を見通しての対策は立たぬ。水産庁としては、継続してやってもらいたいという要望をたびたび繰り返しているので、来年度以降十万キロ以上にふやす、あるいは十万キロでもいいが、十万キロを減らすことはないということだけははっきりしておいていただきたい。その御答弁によってわれわれも態度を決したいとい思ますので、はっきりしておいていただきたい。
  94. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 先のこと、来年のことを言うと鬼が笑うというので、これはなかなかきめにくいのでありますが、われわれの今の気持では、三十毎度の十万キロをさらにちょん切ろうというような考えは毛頭持っておりません。ただこの成績が非常に良好であることを希望しているわけであります。ですから、その成績によりましては、もっとこれ以上に考慮するという気持はありますが、非常に不成績で、十万キロも要らないということになることはないのではないかと思いますが、それを減らそうというような気持は今ありませんから、御了承を願います。
  95. 松原喜之次

    ○松原委員長 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。    午後一時二十六分休憩      ――――◇―――――    午後三時二十三分開議
  96. 松原喜之次

    ○松原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  本日はこの程度にとどめ、次会は明八日金曜日午前十時より開会することといたします。これにて散会いたします。    午後三時二十三分散会