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春日委員 それはあなたがおっしゃる
通りなら、私はこんな質問も何もしないのです。ただ
現実には一ぺんも調べに来ない。門口に
税務署員が来たこともなくて、昨
年度より多く、本
年度はこれこれという
お知らせがくる。そういう問題が、これは凡百にわたってあるわけです。私は党の
中小企業部長として、この陳情を全国各地からはなはだ多く受けておるから申し上げるのであって、私はただ漫然と観念的にこういうことを言っておるのではないのです。私が申し上げたいのは、実は昔中学のずぼらな教師が、答案に採点するときに、一々採点するのはめんどくさいから、答案用紙を家に持っていって、扇風機の前で吹き飛ばして、遠いところから八十点、九十点とつけていったという話もあるんだが、あたかもそんな調子で、ちょっとあそこは景気がよさそうだから、この
実態はどうだから、去年は安過ぎたから二割増し、三割増し、あるいは五分増し、こういうようなことで、全然
調査なく
お知らせが行われておるのです。これは、私
ども今
基礎控除を一万円引き上げてみたり、あるいは
扶養控除を五千円引き上げてみたり、そんなわずかな
制度上の
減税が行われてみても、実質的に、そのような
お知らせによって水増し
課税が天下り的に
現実に行われれば、結局このような
制度、法規は何にもならぬ。私
どもは、だから
制度を深く論ずるとともに、実際
徴税の執行をやっておられる国税庁、その所管にある
税務署の
あり方が、その
法律に
規定していないことは断じてやっていただいては困るということなのです。
お知らせ制度はあくまでもやった方がいいということなら、
法律を直していただかなければならぬ。
法律も直さないで、かりに
調査をしたといったところで、
調査をしたからそれでは
お知らせをしてもいい、こういうようなことは
法律は許していないのです。だから今ここでわれわれが慎重に論議をしておることは、五千円の
扶養控除引き上げをどうするか、あるいは
基礎控除をどうするか、こうするかというような非常にささいな問題を論じておるのだが、ところが
末端では、去年五十万の人はことしは七十万だという
お知らせが、ずっと扇風機式に飛んでいっている。これではわれわれの慎重な論議というものは全然効果を現わさないのです。だから、私はこの際強く申し上げておくが、今ここで申し上げてあなたが執行に移さなければ、これは別途の
法律案か、あるいは決議案か、何らかの形で国会の権威を示さなければならぬと思うが、
法律で
規定していない執行は、あなたにはゆだねられていないのです。ただいま
井上委員から、かつて特高の警察たちが、主観の判断によってむちゃくちゃなことをやったといっておるけれ
ども、今こそ全く
税務署員が一あらゆる官僚
制度は民主化されてきたけれ
ども、しかしながら、いわゆる捜査臨検権というような大きな権限を付与されておる税務官吏というものは、全然といってもいいくらい民主化されていない。いわんやこのような
お知らせ制度というような
法律に
規定をしていない執行が行われて、しかも数年に及んでおる。われわればこの問題を指摘して、累次あなたに反省を求めたんだが、本日までそれが改められる気配はない。今あなたのところへの報告は、
お知らせをするときには必ず
調査をして
お知らせをせよ、こういうような通達が行われておるそうでありますけれ
ども、しかし白色
申告というものはなお五十何パーセントというものは残されておる。その何十万という人々を対象にして、今の
税務署員が一々その
調査ができるわけはない。ところがその
お知らせというものは、全面的に機械的に発行されておるではありませんか。従いまして、現在あなた方がやっておることは明らかに
法律違反であり、のみならず、さらにまた
実情を
調査した上に
お知らせをしたんだ、こういう親切をおもんぱかってやっておるんだと言われておるけれ
ども、しかしながら五三%にわたっておるところの事業
所得に対する
申告者たちに、あなたの
税務署員をもってあまねく正確な
調査が行われておるはずはないのです。そのような不正確な
お知らせというものが今
所得額という形になってくるならば、それはわれわれが今ここでわずかなパーセンテージの問題を論議したところで、何にもこれは実効がおさまらない。従いまして、この問題はさらに結論を本国会においてこそ得なければならぬと思いますけれ
ども、ただいま
井上委員がほかへ行かなければならぬから、ちょっとほかの質問をやるということでありますので、私は一応
井上委員に譲りますけれ
ども、この問題は引き続いて徹底的にこの際論じて、そうして、あなたがあくまで
お知らせ制度をやるならば、
法律をもって臨んでいらっしゃい。
法律によることなくして現在の執行はあなたにゆだねられていない。請負であなたに
税金をこれだけ取れというのではなくて、こういう
法律の定めるところによって執行せよという権限をあなたにゆだねておるのであった、何でもいいからこれだけ取れというようなことにはなっていけい。
法律の範囲を越えた執行は、
法律を無視した職権乱用のそしりを免れない。従いまして、この問題はどうして毛結論を得なければなりませんが、
井上委員が急いでおりますから、私はこれでおきます。