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1955-03-29 第22回国会 衆議院 大蔵委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年三月二十九日(火曜日)    午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 松原喜之次君    理事 加藤 高藏君 理事 遠藤 三郎君    理事 内藤 友明君 理事 大平 正芳君    理事 横路 節雄君 理事 春日 一幸君       有馬 英治君    宇都宮徳馬君       小畑虎之助君    杉浦 武雄君       中山 榮一君    夏堀源三郎君       早川  崇君    福井 順一君       坊  秀男君    前田房之助君       森下 國雄君    山村治郎君       山本 勝市君    山本 粂吉君       淺香 忠雄君    小山 長規君       薄田 美朝君    古川 丈吉君       石村 英雄君    石山 權作君       木原津與志君    横山 利秋君       井上 良二君    田万 廣文君       平岡忠次郎君    町村 金五君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 一萬田尚登君         文 部 大 臣 松村 謙三君  出席政府委員         大蔵政務次官  藤枝 泉介君         大蔵事務官         (主計局次長) 正示啓次郎君         大蔵事務官         (主税局長)  渡辺喜久造君         大蔵事務官         (理財局長)  阪田 泰二君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     緒方 信一君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      村上孝太郎君         通商産業事務官         (通商局次長) 大堀  弘君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 三月二十九日  理事山村治郎理事辞任につき、その補欠と  して加藤高藏君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事の互選  国営競馬特別会計法廃止する法律案内閣提  出第一号)  期限の定のある租税に関する法律につき当該期  限を変更するための法律案内閣提出第二号)  国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特  例の期限を変更するための法律案内閣提出第  六号)     —————————————
  2. 松原喜之次

    松原委員長 これより会議を開きます。  国営競馬特別会計法廃止する法律案期限の定のある租税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例期限を変更するための法律案の三法律案一括議題として質疑に入ります。質疑は通告によりまして順次これを許します。大平正芳君。
  3. 大平正芳

    大平委員 ただいま審議を付託されました三法案につきまして、二、三政府見解を伺っておきたいと思います。  第一は、国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律改正案でございますが、一体この段階で、つまり暫定予算段階でこの法律期限を延長しなければならぬという理由は、どこにあるのでございましょうか。本予算をお待ちになっても差しつかえないように思うのでございますが、まずこの点を伺いたいと思います。
  4. 村上孝太郎

    村上説明員 ただいまの御質問に御説明申し上げます。国債整理基金への繰入に関する法律を四、五の両方月延ばしていただきたいと申します趣旨は、この法律三つ条文からなっております点て、いささか誤解を招いたのではないかと存じますが、この法律び三つ条文の中で、二条、三条につきましては、電電公社及び国鉄公社から国債整理残金特別会計に利息を四月及び五月に直ちに繰り入れますことについて必要が発生いたしますので、それで本予算を待たずして、暫定予算でその利子の繰り入れが直ちに一般会計からの繰り入れとみなされるがごとき措置をお願いしたわけであります。
  5. 大平正芳

    大平委員 今の日本国有鉄道日本電信電話公社公社債は、現在幾らあるのですか。
  6. 村上孝太郎

    村上説明員 これは公社債の問題ではございませんで、国鉄特別会計電電特別会計公社になりますときに、従来両方合せて大体千億、大体半分ずつとお考えになってけっこうでございますけれども、約五百億程度国債を両特別会計から発行いたしております。その発行いたしておりました国債を、特別会計から公社に移りますについて、公社では国債を発行するわけに参りませんので、一般会計がこれをすべて肩がわりいたしまして、その肩がわりしましたものにつきましては、一般会計国債整理基金に対して負っております国債債務と同じ債務電電、及び国鉄一般会計に対して負っておる、こういう形になっております。従って通常の決済関係ならば、国鉄及び電電公社から一般会計繰り入れまして、それから一般会計から国債整理基金繰り入れるという格好になるわけでございますけれども、これは実体的に経理手続を複雑にするゆえんでございますので、直接電電公社及び国鉄公社から国債整理基金繰り入れるというふうにいたしておるわけでございます。御質問金額は、大体国鉄の方とそれから電電も、一般会計が肩がわりいたしましたものは、大体五百億ずつ程度でございます。合せて一千億くらいであります。
  7. 大平正芳

    大平委員 その点は了解しました。それから補助金等臨時特例に関する法律でございますが、この法律は、十九国会当時ずいぶん問題になった法律でございまして、特別委員会までつくりまして、いろいろ苦心してでっち上げたもののように記憶いたしておるのでございますが、一体そういう苦心の結果でき上りましたこの案を、今度延長しようということについては、基本的には反対でございませんが、できることなれば、これをもう一ぺんこのまま当分の間やるというぐあいにいかないものでしょうか。政府の方では、何でも目下鋭意恒久立法を考究中のようでございますが、こうなりますと、十九国会当時の問題をもう一ぺん蒸し返すということになりはしないかと思うのであります。けれどもどうせ延ばすならば、当分の間延ばしてしまうというような考えはないのでございますか。
  8. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 お答えいたします。ただいまの御意思もごもっともなのでありますが、ただ何と申しましても、一方において補助金等に関しまして、お話もありましたように、鋭意目下全体の検討をいたしておりまして、この暫定予算の性質からいたしまして、大体暫定予算期間中、一応二十九年度でやっております行政状態をそのまま延長することが適当じゃないか、そういうふうに考えたのであります。十九国会でこの補助金等臨時特例に関する法案が御審議になりましたときにいろいろ問題がありまして、われわれといたしましては、当分の間というような気持を持っておりましたが、国会の御意思で、本年の三月三十一日までというふうな時限立法に御修正になりましたその御趣旨もありますので、一応町定予算期間だけこれを延長するというふうな気持をもちまして、御提案申し上げたような次第でございます。
  9. 大平正芳

    大平委員 目下鋭意検討中のものは、大体の見当はおつきなんでしょうか。
  10. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 目下検討中でありまして、まだ最終的な結論に至っておりません。
  11. 大平正芳

    大平委員 国営競馬廃止法案、あれは資産負債一般会計に引き継ぐことになっていますが、大体金額はおわかりでございますか。
  12. 村上孝太郎

    村上説明員 国営競馬廃止になりまして一般会計に引き継がれます資産負債について概要御説明申し上げます。  資産の方につきましては、まず動産がございます。これは国営競馬特別会計に属しておりまして、中央競馬及び地方競馬監督をいたしておりました職員の机とか、いすとか、そういうものでございまして、監督業務は依然として農林省に残りますので、これを見積りますと大体七百万円ばかりございますが、これの動産類が引き継がれます。  その次に資産のうちの債権でございますが、債権は大体七百五十万円程度あると考えております。この七百五十万円と申しますのは、名古屋競馬場を貸し付けました貸付料でございますが、これも名古屋競馬の力の収益が思わしくなくて、すぐに入っておりませんので、一般会計に引き継がれましてから徴収されることになるだろうと思います。  その他は現金でございまして、これは特別会計から国への納付金になるものでございますけれども、これが特別会計としまして、競馬をいたしておりました当時の益金と合せまして、約九億の益金が交付されることになっています。  それから債務でございますが、債務は約一千万円、これはほとんど勝馬投票券の取りに来ない残りでございまして、今後も取りに来るかどうかわかりませんが、約一千万円程度債務一般会計に承継されまして、もし取りに来ますれば、一般会計で支払うということになるだろうと思います。
  13. 大平正芳

    大平委員 これに関連しまして、二、三日前の新聞でしたか、競馬競輪を休日に限るというような政府の決定があったということでしたが、マージャンやゴルフの禁止というような思想をだんだんと政府は延長されまして、こういった射倖的な事業に対してある程度規制を加えようというような意図が見えるかのように思えるのでございますが、一体競馬競輪、あるいはパチンコ、そういった射倖的な事業に対して、今後政府はどのような規制を加えようとするのか、一つ伺っておきたいと思います。
  14. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 大体射倖的なこうしたものは、なるべくない方がいいと申しますか、遠慮していただきたいという気持はあります。しかし競馬とか競輪とか、特に地方競馬競輪等地方財政との問題もありますので、一挙にこれをどうするということは、なかなかむずかしい問題だと思います。それで、まずなるべくこうしたものを平日にやらないで、日曜、祭日、土曜日というような、一般の人も休養をしておるときにやる方が適当でないかということが、現在内閣方針として考えられておるわけでありまして、なおその他の射倖的な遊技等につきましては、これは営業の自由の問題もありますので、今後なお研究をいたして、方向としては、できるだけ射倖的な遊技その他につきましても、それが国民生活や、あるいは国民思想に対しましての悪影響がない方向に進めて参りたいという気持を持っております。
  15. 大平正芳

    大平委員 その競馬競輪国営でないわけですね。それで、それを平日を避けて休祭日にしようということは、何か法律でもお作りになるおつもりですか。
  16. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 目下のところ規制法律を作るという気持は持っておりません。できるだけ指導の面でその方向に進めて参りたい、そう考えております。
  17. 大平正芳

    大平委員 そうしますと、政府法律を作らないまでも、指導していくとなりますと、それだけ政府に責任ができます。従って、地方財政に対してそれを穴埋めしていくようなことについては、十分覚悟の上でおやりになるのですね。
  18. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 お話のように、これを指導したために地方財政にも相当影響のあることであります。従いまして、地方競馬あるいは競輪等につきまして、今後地方財政とのにらみ合せも考えながら、今申しましたような指導をしていきたい、こう考えております。
  19. 大平正芳

    大平委員 よろしゅうございます。
  20. 松原喜之次

  21. 横路節雄

    横路委員 これは委員長お尋ねしますが、大蔵大臣出席をなさるわけですか。実は、私は昭和三十年度減税について、一体大蔵大臣はどういうようにお考えになっているか、大蔵大臣お尋ねをしたいわけです。
  22. 松原喜之次

    松原委員長 あと四十分ばかりしたら出席せられる予定になっております。
  23. 横路節雄

    横路委員 それでは、私は大蔵大臣出席をされましてから、昭和三十年度政府考えている減税についてお尋ねをしたいと思います。  政府委員お尋ねしますが、この補助金等臨時特例に関する法律ですが、きのう予算委員会自由党の方から附帯決議がついて、補助金については四月、五月分も組むのだということになったわけです。そこで私どもは、初め政府昭和三十年度予算を出してきた場合に、補助金を組んでいない。これは昭和三十年度の本予算で組むので、補助金については全面的に検討をするのだろうと思っておったわけです。ところが、きのうの自由党からの附帯決議で、補助金については、昭和二十九年度に組んだものについては組むということになったわけですが、問題はこの臨時特例にある。いわゆる時限立法であったこの二十牧件に及ぶ補助金については、全くやらないのか、やるのか、それとも何をやるのか、やるとすればどこをやるのか。ただ何とはなしに成り行きを見ておるというのでは、ちょっと納得できないと思う。一つ一つ、これはやる、これはやらない、これは考慮中であるという政府考え方についてお述べいただきたい。
  24. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 この時限立法である補助金等臨時特例に関する法律関連してのお尋ねでありますが、これは先ほど大卒委員お尋ねにもお答え申し上げましたように、補助金全般検討を現在やっております。まだ最終的な段階に入っておりませんので、少くとも暫定予算期間中この状態を継続させていただきたい。こういう意味でこの法律案は出したわけであります。従いましてただいまお尋ねの、この時限立法に盛られました各省にわたるところの補助金のどれを落し、どれを救うか、あるいは全部落すかというような最終的な結論に、実はまだ至っていないという段階でございます。
  25. 横路節雄

    横路委員 きのうの予算委員会並びに本会議におきまして、自由党の方から出た附帯決議は、昭和二十九年度補助金を組んだものについてはやれということなんです。それは政府与党も認めたわけである。そうすると、これはやらないということなんですか。この補助金等臨時特例に関しては、これは昭和三十年度は見ないというのですか。それともどれかは見るというのですか、その点はどうなんですか。
  26. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 昨日の予算委員会における自由党提案附帯決議は、二十九年度で見たもので、二十九年度限りで必要のなくなったもの以外は組みなさいという意味でありまして、従って、二十九年度には御承知のようにこの特例法に盛られた補助金は組んでおりませんので、その点は昨日の附帯決議とは関連がないと思います。ただ最初のお尋ねの、これらに盛ってあるところの各省補助金を見るか見ないかということは目下検討中である、こうお答えいたすのであります。
  27. 横路節雄

    横路委員 今あなたが御答弁になっている点が大事なのです。昭和二十九年度に盛った補助金のうち、昭和二十九年度限りのもの以外は盛れ、こういうことで、その点は政府与党も認めたのです。私もそれはそれなりにわかるわけですが、それならば、これは附帯決議に入ってないわけですね。だから、そうなれば政府の方の考え方としては、これは組まないのではないかと思う。組む意思があるかどうかと聞いているのです。検討中だというけれども、すでにきのう−補助金については、あれが昭和三十年度の本予算で出てきたらいいのです。初めから政府補助金についての基本的な態度は、昭和三十年度の本予算でやるというのでありますから、われわれもそれを了承しておった。ところがきのうの附帯決議をあなたたちも賛成したのです。だから昭和二十九年度で組んだ補助金で、昭和二十九年度限りで打ち切りになっていないものは、昭和三十年度で組むということについて約束してしまったわけです。そうすれば、これについてはどうなるか、やる意思はないのではないか、それとも幾分やる意思があるのか、このことを私は聞いているのです。
  28. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 昨日の予算委員会における附帯決議との関連でなくて、むしろこの臨時特例法に盛られた各種の補助金をやるかやらぬかということになると思うのであります。その点は、先ほどから申し上げておりますように目下検討いたしまして、そうして三十年度の本予算においてその結論を出して御審議を願いたい、こういう意味であります。
  29. 横路節雄

    横路委員 私の言っているのは、昭和三十年度補助金について、われわれは大幅に検討するものだと思っていた。ところがもう検討する余地はないわけです。なぜないかというと、きのう自由党の方からひもをつけられてしまったのだから、昭和二十九年度で組んだ補助金で、二十九年度限りのものなんていうのは初めから政府が組むわけはない。二十九年度で打ち切られる補助金昭和三十年度に組むはずがないのです。また昭和二十九年度に組んで継続した補助金についても、昭和三十年度においては全面的に検討するものだと思っておった。ところがきのう自由党の方からひもをつけられて、昭和三十年度に継続するものはみんな見ることになっておる。きのうそういうようなひもをつけられてしまったのです。そうすれば、政府は今の補助金については、全面的に検討するのだという、昭和三十年度の四月、五月の暫定予算については見ないのだという方針がくずれてしまったのではないですか。私の話、わかりましょう。初めの考え方では、昭和三十年度に継続するものだってどっかで打ち切るんだということたったのが、全部見るのだということにきのうきまったのです。そういうように、政府考え方と、きのうの予算委員会との附帯決議とは話が違っておる。そうすれば、この補助金等特例に関しては一体どうなるかと聞いているのです。きのうの晩になって附帯決議が通ってしまった。事態が違ってきたのです。だからこれはどうなさるのかと聞いている。それとも政府としては、初めの補助金考え方と、きのう自由党からああいうように附帯決議をつけられた場合の補助金考え方とは、初めからそういうようにきまっていたのかどうか、その点もあわせてお答えいただきたい。
  30. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 昨日の附帯決議の解釈について、多少横路委員見解を異にするのかもしれませんのですが、私どもは、昨日の附帯決議は、二十九年度に盛られた補助金で、しかも継続するもので、二十九年度以降必要のなくなったと見られるものを除いて組め、従って必要がなくなったかどうかという判断はやはり残されておるものというふうに考えておりますので、暫定予算を提出したときの、本予算につきましては十分補助金検討して御審議をお願いいたしますということと、実は矛盾をしていないというふうに考えておるわけであります。
  31. 横路節雄

    横路委員 それではもう一度お尋ねしますが、昭和二十九年度に組んだ補助金昭和三十年度継続するものについては、やはり大幅に整理する考えでございますか、その点はどうなのです。
  32. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 大幅に整理するという言葉はどうかと思いますが、根本的に検討をし直すという考え方でございます。
  33. 横路節雄

    横路委員 それでは政務次官お尋ねしますが、昭和三十年度は、昭和二十九年度から継続してくる補助金で大体どれくらいの額を節約なさろうとするわけですか。何でしたら、だれか担当の説明員でもいいですが。
  34. 村上孝太郎

    村上説明員 先ほどから政務次官もお答えになっておられますが、目下三十年度予算につきましては編成業務の途中でございまして、大体幾ら補助金が整理できるだろうかという見通しはまだついておりません。
  35. 横路節雄

    横路委員 政務次官お尋ねしますが、補助金等臨時特例のうち、文部省関係の新たに入学する児童に対する教科用図書給与に関する法律施行の停止の分です。これは、前に第一次鳩山内閣のときには、安藤前文部大臣はぜひやると言っておる。ところがこれは、本来からいえば、あなたの方がもう少し教育に対して熱心であれば、当然この法律は三月三十一耳で廃案にしておいて、新しく四月一日から入学する子供にやらなければならぬ。このことはやるのですか、やらないのですか、これも検討するというのですか、どうなんです。
  36. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 教科書無償配付の問題につきましても、先ほどからお答え申し上げておりますように、目下検討中でありまして、まだ結論に至っておりません。
  37. 横路節雄

    横路委員 政務次官、あなたは検討中はいいのですが、子供は四月一日に入るのですよ。四月一日に入るのに、無償配付というのは現物でやることなんです。だから、これは三月三十一日に廃案にしておいて、やらなければやらないでいいのです。政府の方は、この無償配付についてはやめたのだ、こう言うならばわかる。しかし、これを六月三十日まで延ばしておいて、また次のときに検討してもらうなんといっても、子供は四月一日から六月三十日まで本を持たないで勉強するわけにいかぬのですから、やらないのですか、やるのですか。ほかの問題と違って、こういう問題ははっきりしているのですから、やらなければやらないと言ってもらいたい。やらないのだけれども、そのほかの法律との関係があるから、六月三十日までやむを得ず延ばしたというならばわかる。いかにもやるようなやらないようなことを言わないで、ひとつやらないならやらないと、その点はっきりしてもらいたい。
  38. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 この問題、なるほど横路委員のおっしゃる通りに、四月一日に決定してなければ非常にいろいろ困る問題、あるいは学童に対する影響等のあることはお話通りであります。しかし、何分にも予算全体の編成業務がおくれておりますので、この問題自体も、これだけを中止して、今はっきりやらないとか、あるいはやるとかいう結論になっておりません。従いまして、この問題に関連いたしましては、行政指導によりまして、これがまだ決定いたしておりませんことを、文部省方面で各都道府県教育委員会等指導をしていただいて、この法律がベンディングになったために混乱の起らないような処置は、とっていただいております。
  39. 横路節雄

    横路委員 今のお話はどういう意味なんですか。それは、何か都道府県教育委員会で立てかえて教科書を渡しておくのですか。今のお話で、何か支障がないようにするというのはどういう意味ですか。
  40. 村上孝太郎

    村上説明員 ちょっと、事務的にお答えいたしまして恐縮でございますが、実際の運営面について申し上げますと、新たに入学する児童に対する教科用図書給与に関する法律によりますと、第五条によりまして、まず国が教科書出版会社に対しまして、その教科書の代価を支払いますという契約をいたすことができるようになっております。この契約をいたしますと、その契約始動点といたしまして、その年度に入ります児童に対して、ただいま政務次官のおっしゃいましたように、各都道府県管理機関を通じまして給与するという形になります。もしこの臨時特例、延期の法案を御協賛願いますと、四月、五月の両月の間には、国が教科書出版会社に対する対価を支払う契約ができないことになります。従って、この契約ができませんと、管理機関から児童への給与もできない。こういうことになりまして、事実上本年度教科書は、この四月、五月の間におきまして第五条の契約ができないという結果、施行されないことになるかと存じます。
  41. 横路節雄

    横路委員 それでは、いま一度政務次官お尋ねしますが、今の話ではできないという結論じゃないのですか。説明員の話では、実際はできないということなのだ。できないのであるならば、政府はやらないのだということにしてもらいたい。それを、そういうふうに六月三十日まで延期して、四月一日にいかにもできそうな話なのですが、説明員の話を聞けば、実際できないと言うのだから……。
  42. 村上孝太郎

    村上説明員 ただいま政務次官がおっしゃいましたのは、新入学児童に対する教科書給与制度を、恒久的にどうするかという問題だろうと存じます。要するに、本予算におきまして種々の補助金制度というものをいろいろ根本的に検討いたしまして、われわれが当初考えておりましたのは、こうした貧富を問わずに教科書を一律に給与するということよりは、むしろ困っている児童とか、身体障害者に集中的に教科書給与する方がいいのじゃなかろうかというような考えも、事務的に持っておるのでありますが、そういういろいろな点から考えまして……、(「政治的答弁はいけない」と呼ぶ者あり)恒久的にどういたすかということを、今政務次官はおっしゃったのでありまして、私は、この法律を御協賛願いますれば、四月、五月はこういうふうに法律的にはなるという、法律関係を客観的に御説明申し上げたのであります。
  43. 横路節雄

    横路委員 政務次官お尋ねしますが、そうすると、これはやらないというのですね。今の説明員の話を聞くと、教科書無償配付ということはどうも思わしくない、それよりは、貧困な児童とか、そういう者にやるのだと言う。何かものの考え方が根本的に変ったことを話している。そうするとやらないのですね。どうなのです。
  44. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 先ほどから申しておりますように、やるかやらぬかということは、まだ最終的な決定に至っておりません。今法規課長が申し上げたのは、そういう意見もあるということでありまして、こうした意見をいろいろ検討した結論を、本予算において御審議を願いたいという意味でございます。
  45. 横路節雄

    横路委員 政務次官、あなたも御存じのように、子供が四月一日に入るのだから、あまり政治的な答弁をしないで下さい。説明員の話を聞いても、ことしはできませんと言うのだから、そうすれば、昭和三十年度に関してはやらないという政府方針が明確になったのだから、その点あなたから、昭和三十年度については、残念なことにやれないのですと、それならそれなりに一つ答弁してもらいたい。正直にやれないのですと言ってもらいたい。
  46. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 法律的に申しますれば、先ほど法規課長からお答え申し上げたような法律関係にはなります。しかしこの問題は、第一次鳩山内閣時代にも問題になっておることでありするから、今の法律のままの四月に無償配付するということは、法規的に相当困難になって参りましょうが、その他のいろいろな要素の考慮もありますから、そういう点は予算とにらみ合せて考えたい、こういうことであります。
  47. 横路節雄

    横路委員 政務次官が、その他のいろいろな点を考慮すると言うから、また問題が出てくる。それじゃその他のいろいろな点を考慮するというのは何か、一つ明らかにしてもらいたい。私がこれを聞いているのは、民主党は文教政策を重視している。その民主党が、何か話によると民編国管とかいって、だんだん国定教科書方向に移行して、いかにも教科書はもっと安く、ただくれてやるようなことを言うから、やることと逆だから私は聞いている。だからこれは大事なことだから、私はあとで委員長に話をしますが、ぜひここに文部大臣に来てもらって、一体松村さんが何を考えているか問いただしたいのですが、大蔵当局がいろいろなことを考慮しているというのは何ですか。
  48. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 いろいろ文教政策の問題に関連いたしまして、文部省の考え方もございます。そうしたものを目下検討いたしている、こういうことでございます。
  49. 横路節雄

    横路委員 実は補助金等臨時特例に関する中には、この昭和二十九年度時限立法で打ち切ったために、地方財政が非常に圧迫されているものがあるわけです。たとえば公立高等学校定時制課程職員費国庫補助法の施行停止等のために、実際地方財政は非常に赤字になっている。こういう問題等もございますから、委員長、一つここへ文部大臣に来てもらって−今の政務次官の話では、民主党が考えている文教政策なんというものは、一体どこが根幹なのか、ぐらついているわけです。だから、そういう意味で、教科書無償配付については、このことくらいできないようでは、民主党も処置がございませんので、大へん恐縮ですが、文部大臣に来てもらって、文部大臣からやるのかやらないのか、この点について明確にしておきたいので、文部大臣出席方をお願いします。  主税局長お尋ねしますが、この期限の定のある租税に関する法律云々についてですが、この中には載っておりませんけれども、重油の関税については、一体どういうような方針でことしおやりになるのか、その点を一つお尋ねしたいと思うのであります。
  50. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 重油関税の問題につきましては、現在いろいろな意見があるわけでございます。一つは、石炭の方の値段が相当下った。従って、今重油転換が極度に行われているが、そういう意味からしまして、やはり重油関税は現在としては復活したらどうか、こういう意見があるわけです。それに対しまして片方には、主として水産関係の方々は、われわれはそれとは関係がないのだから、そういうふうな意味なら水産関係の重油の関税をとるのほおかしいじゃないか、こういうような御意見もあるわけです。それで事務的に、税関の方のいろいろな仕事の面でみて参りますと、いわゆる用途免税といいますか、同じ重油でも、ある特定の用途に使います場合に、その用途のものだけは関税をとらないという制度、これが一応考えられるのでございますが、これは事務的にいろいろ検討してみますと、それが適正に行われるということについては、全然自信がないわけでございます。かつてそういうことを一時やったことがございますが、いろいろな意味において弊害が多くてやめられました。そういうふうに政府部内におきましても、必ずしもまだ意見が一致しておりませんし、同時に関係のいろいろな業者の方からも、いろいろ意見が出ております。従いまして、本予算を決定するまでの間に、この間の意見をできるだけ調整するつもりでありますが、少くとも政府考え方としては、とるかとらないか、あるいはとるとしても、どういうとり方をするかといったような結論を出した上で、本格的な御審議をお願いしたい。遺憾ながら現在の段階におきましては、まだそこの結論が出ておりませんので、それまでの間−大体新しい税法は七月一日から施行したい、こういうふうなつもりで減税案なども考えておりますので、それと歩調を合せまして、本予算を組む機会にその結論を出しました上でお願い申し上げることにしまして、現在としましてはとりあえず現状維持ということで、この三月間はこの特例を延長していただきたい、かように考えております。
  51. 横路節雄

    横路委員 政務次官に一つお尋ねしますが、これは何も鳩山内閣の責任ではないので、実際は吉田内閣の責任であるわけなんですが、それは今まで燃料に対するところの総合的な対策が立ちませんでしたために、あるときは石炭に重点を置き、あるときは重油に重点を置きというので、総合的な燃料対策が混乱をしましたために、今日のようないわゆる中小炭坑−労働者は石炭をうんと増産をしたいという意欲もある、それからまたどんどん掘っていけばそれが滞貨していくというので、昨年以来の中小炭坑のああいう大きな崩壊という悲惨な現状が生まれてきたわけです。どこの国でも、大体においてこの地下資源の開発というものについては非常な重点を置き、特にそのうちの石油等の関係においても、相当な力を注ぐためには、どこでも重油には関税をかけて、そのうちの一部を地下資源の開発に充てておるというような現状も見られるわけです。当然鳩山内閣は、吉田内閣と何ぼか性格も違うのでしょうし、そういう意味では、総合的な燃料対策というものを立てられると思うのですが、そういう観点に立って、これは大蔵大臣にも聞かなければなりませんが、政務次官としては、この重油の問題をどうお考えになっておるのか。今主税局長からお話もあります、いわゆる漁船等に対しては免税してもらいたいという話が多く出ていることは、われわれも承知しているわけです。しかしそういうことによって全面的に重油に関税をかけないということは、燃料の総合的な対策という点からいってもおかしいじゃないか。さらに地下資源の開発というものについては、どこの国でも国家が助成をしているわけです。その助成の根幹というものは、関税をかけて、それによって上ってきたものについて地下資源の開発に国家が補助をしておる。そうでなければ、国の独立ということは言えないわけなんであって、そういう点は、政務次官はどうお考えになっておるか、一つあなたのお考えを、事務的でなしにお述べいただきたい。
  52. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 石炭の対策、その他総合的な燃料対策は、もちろん樹立しなければなりませんが、この石炭対策の一環として、石油関係に関税をかけるということがはたして正しいかどうかということは、相当検討しなければならぬじゃないかと思います。むしろ日本の石油の資源を開発するという意味において、最後の結論として関税をかけることの方が正しいということになれば、これはその方がよろしいんだと思いますが、石炭対策の一環として石油関係に関税をかけるということは、必ずしもにわかに賛成できない問題じゃないか。そういう意味で、総合燃料対策の樹立を待って、これとにらみ合せて関税の問題を解決して参りたいというふうに考えております。
  53. 横路節雄

    横路委員 主税局長にこれは私希望しておきますが、昨年度の月別の重油の入ってきた割合について、きっと資料がおありだろうと思いますので、この点は一つ早急に出していただきたい。  それから先ほどお話がございました漁船関係はぜひ免税してもらいたいという話は、われわれも聞いておるわけですが、もしもこれが用途別といいますか、一年間を通して、用途別にどういうところにどう使われておるかというような集計等がもしありましたならば、これもあわせてお出しいただきたい。このように思います。  なお政務次官にもう一度お尋ねしたいのですが、私ども考えておりますのは、総合的な燃料対策が一つと、それから日本の地下資源、特に石油資源開発の問題については、これは将来の日本の経済の自立という点からいって何としてもやらなければならぬ。そういう二つの観点から、重油については関税をかけるべきではないか、こうわれわれも思っておるわけなので、この点は検討中だと言いますが、これはどうなのですか。これは全く考慮しないというのではなしに、かけたいという方向へ努力するわけなのですか。その点はどうなのですか。
  54. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 これは日本の石油資源が全体の消費量に対するパーセンテージがあまりにも低いという現状などから考えて、果して関税をかけて、それを財源として石油資源の開発の助成をすることがいいかどうかということについては、必ずしもかける方向の方がよろしいのだという意味には、まだそこまでの結論に至っておりません。
  55. 横路節雄

    横路委員 主税局長お尋ねしますが、今年は勤労所得その他合せて三百億の税の軽減をはかるというのですが、しかし三百億円税の軽減をはかっても、やはりどこかでふえてくるという見通しがあるわけですね。その点は一方では減らしても、どこかではふえてくるという見通しなんでしょう。そのふえてくるのは自然増収もありましょうが、その上に、この重油についてかりに一0%かけるとすると、何ぼくらいになりますか。
  56. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 現在の関税定率法にあります規定のままに復活する、これは揮発油などは免税にしないで、税率を下げておりますが、原油、重油、揮発油全部復活しますと、それによる収入額は年六十七億という見込みを持っております。
  57. 横路節雄

    横路委員 私はあとで大蔵大臣が御出席のときに、昭和三十年度減税についての総体的なお考えを一つお聞きしたい。それから文部大臣がおいでのときに、現在留保しております教科書の無料配付等についてお尋ねをすることにしまして、一応これで私の質問を終りたいと思います。
  58. 松原喜之次

    松原委員長 春日一幸君。
  59. 春日一幸

    ○春日委員 私は、まず最初に本委員会を通じて、大蔵当局に厳重に警告を発しておきたいと思うのであります。それは、少くとも法律案を出すからには、その法律案が適当であるか、あるいは不当であるかをわれわれが判断するに必要な資料をこれに添えてお出しにならなければ、われわれが審議するにしても、われわれ自体が、その関連事項についての資料の収集等に大へんな時間を要することは、あなた方もかっての御経験でよくおわかりと思うが、今後法律案をお出しになるときは、これに関連する一切の資料を取りそろえて、われわれがその書類そのものによって十分な判断ができるような処置を講じていただくことを強く要望しておきたいと思うのであります。  そこでお尋ねいたしたいのは、期限の定のある租税に関する法律の中で、この法律の適用を受けるところの項目は一体何と何であるか。すなわち租税特別措置法、その他租税の軽減、免除の特例期限が三月三十一日で到来するというものは一体何であるか、この機会にそれを全部明らかにしていただきたい。
  60. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 お答えいたします。条文がそのまま引いてございますので、内容がわかりにくくて非常に恐縮しておりますが、そこに第一条にございます「第二条の二第一項中「昭和二十九年十二月三十一日」並びに同条第二項及び第三項、第二条の四並びに第二条の五第一項中「昭和三十年三月三十一日」をそれぞれ「昭和三十年六月三十日」に改める。」この関係のものといたしましては、まず第一が預金の利子などの支払いの際に源泉徴収する場合、本法によりますと、これは二〇%の税率でもって源泉徴収する、こういう規定になっておるのでございます。これが現在この三月三十一日までの場合におきましては、この源泉徴収の二割が一割に一応下げられております。これを、三月三十一日までの分を六月三十日まで一応延長したい。これが第一点でございます。  それから配当の所得の課税でございますが、これがやはり本法によりますと、二割の源泉徴収ということになっておるのであります。これが三月三十一日までは、この二割が一割五分に引き下げられております。この一割五分の引き下げを一応三ヵ月延長したい。これが第二の点でございます。  第三の点は、この両者が実はからみ合っての問題でございますが、投資信託というのがあることは御承知の通りでございますが、投資信託の場合におきましては、これは、その所得が配当所得と、それから利子所得と譲渡所得、この三つからなっているというふうなことから考えまして、三月三十一日までの時限立法としまして、現在の課税としましては、その投資信託の所得の三分の一は譲努所得からできておるものだという観点に立ちまして、源泉徴収の税率を一応一0%に下げております。それは先ほどの配当の二0%を一五%に下げているということとも見合っているわけでございまして、この点を一応三ヵ月間延長したい。これが第三の点でございます。  それから物品税の関係といたしましては、昨年テレビジョンに課税をする機会におきまして、ブラウン管が十四インチ以下の小型のテレビジョンの特別税率を一応きめまして、二0%が一二%の特別税率になっているわけでございますが、これは三月三十一日までに切れるのですが、これはいろいろ議論がありまして、そのまま三0%に復活させたらどうかという考え方もあるのでございます。いろいろ論議がまだございますので、それはいずれ本予算を出したあとの場合に譲りまして、この際としては、一応現状をそのまま維持したらどうか。これが物品税関係のものであります。  それから関税定率法の関係でございますが、これには幾つかございまして、重要機械類、これが関税定率法の税率でありますと一五%から三0%になっていますが、これが三月三十一日まで免税になっております。これを三ヵ月免税を継続したい。それから乾燥脱脂粉乳、これが関税定率法でございますと二五%になっておりますが、これを免税したい。それから大豆が一〇%になっていますが、これを免税を続けたい。それから原油、重油、粗油、この税率が一0%になっていますが、これも免税を続けたい。それからピグメント・レジン・カラー用のエキステンダーというのがございます。私にもよくわかりませんので、もし必要ならばいずれ説明員に説明させますが、これの税率が二割になっておりますが、これも免税を続けたい。それから四エチル鉛、これが二割になっていますが、これもやはり同じことです。それからピグメント・レジン・カラー・ベースというのがありますが、定率法の税率が一五%、石油コークスが五%、鉄鋼板の発生品、これが一五%、それから航空機及びその部分品が一五%、航空機用内燃機関一五%、せん孔カード式統計会計機械が一五%、ツガ属の木材が五%、これをいずれも免税したい。それから同じ石油の類でございますが、揮発油、灯油及び軽油等については、定率法では二割になっておりますが、これが特例法で一割になっております。それから潤滑油及びグリース等は、定率法では三割が特例法で二割になっております。建染染料二割五分が特例法で一割五分になっております。カーボン・ブラック二割が一割になっております。新聞用紙一割が七分五厘になっております。こうした特例をそのまま延長したい、こういう考え方でございます。なおこの点説明だけでは不十分と思いますので、資料として至急提出したいと思っております。
  61. 春日一幸

    ○春日委員 そういうようないずれも重要な項目に対して、本法の適用が行われるということなのでありますが、これは当然いずれの項目についても、重大な政策にかかわる問題であろうと思うのであります。そういうようなもので、本法によって適用を受けるものは何であるか、それから本法の適用によってどの程度の減収を来たすのであるか、そういうような事柄もいずれも明記して、そうしてわれわれが判断をあやまつことなきように資料を提出なさるのが当然のことでありますが、われわれが要求して初めてそういう御説明をなさるようなことでは、われわれの審議がはなはだはかどらないことになると思いますから、これは政府の方において今後十分一つ御善処を願いたい。
  62. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 ちょっと訂正いたしますが、これは金曜日に国会の方には提出してあるそうでございます。ただお手元に配付になっていないようでございまして、至急調べましてお手元に届くようにしたいと思っております。
  63. 春日一幸

    ○春日委員 それからこの法律案の提案理由の説明の中には、たとえば利子所得に関する所得税の免除、それから配当所得に対する課税の軽減を明年度において行いたいから、従ってその法律案が成立するであろうという見込み期限の六月三十日までと、こういうことに相なっておるわけであります。それはすなわち利子所得、配当所得に対する軽減措置については、将来はさらにこれを軽減する意図であるから、とりあえずこの三ヵ月間は現状を維持していきたいという説明が付せられてあるのでありますが、ただいまあなたがそこで列挙されたところの各品目に対しては、その軽減措置を六月三十日以後においても継続される意思であるのか、あるいは六月三十日限りにおいてこれを打ち切られる意思であるのか、その事柄も、いずれもこの法律案審議する上においてわれわれが十分判断していかなければならぬと考えております。従ってそれらの各項目についてのあなた方の見解はどういう工合になっておるのか、これをお伺いいたしたい。これが一点。  それから三ヵ月を延期することによって収納し得べき税額が減収を来たすでありましょうが、その減収額の総額は幾らになるのであるか、それも一つ御答弁願いたい。
  64. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 利子配当等につきましては、一応提案理由で説明したような意味考え方を持っております。しかしその他の措置につきましては、今検討しており、同時に関係各省などともまだ意見の調整をしなければならぬ部面もございます。従いまして、そういう状態でございますので、とりあえず三ヵ月延長していただきたい、こういう趣旨でございまして、全部その後におきましても、同じような措置をとるという結論が出ているわけではございません。御了承願いたいと思います。  第二の御質問でございます、これによる減収額の問題でございますが、利子所得に対する源泉徴収税額の減択見込みとしましては、十四億円が一応予定されます。それから配当所得に対する源泉徴収税額の減が十億円、テレビジョンの物品税関係で一億円、それから関税の関係でございますが、これは総額としまして三十三億という数字が予定されます。
  65. 春日一幸

    ○春日委員 そういたしますと、これはこの法律によって減収を来たす額の総額が大体において六十億という大きな法律であることが、初めてわれわれにわかったわけであります。いずれ資料の提出を待って十分慎重に検討さしていただこうと思うのだが、そういうような法律案は、どうかこういうような事柄をもあらかじめ添えて、そうして国会審議にあやまちなきを期するように、提案者は十分それだけの措置を講じられたいと思うのであります。特に重油関税の問題なんかは、燃料対策としても、あるいは石炭鉱業対策としても大きな政治問題に相なっております。ただいま横路君が質問したことによって、初めてこの中に重油関税の問題がひそめられておるのだということを知るに至った委員もないではない。こういうような問題は、やはりこのような出し方をされないで、もう少し明瞭に、淡白に出していただかないと困る。さらにこの法律案の説明の仕方だって私はけしからぬと思う。たとえば利子所得、配当所得に対する措置だけは、われわれはこうしようと思うのだというて、みずからの決定を打ち出しておいて、他のものについてはまだどうするかわからないのだがというような、そういう片手落ちのやり方でなく、いずれにしても一切のそういう政策審議はあとの特別国会に譲る、予算審議と並行してこれをやるならやるのだということで、一律の取り扱いをなさるべきてである。あるいはまた一つの項目に対してこういうような方法を添えるならば、他の法律についても延期するなら延期する、あるいはこれは六月二十日限りで打ち切りたいとか、それだけの責任ある意向を添えて、そうして政府の態度を明らかにするのが私は提案者の当然の義務であると思う。これは選挙が済んだから、必ずしも選挙活動とは思わないけれども、あるものについては廃止するんだという意向を明確にしている、他のものはまだ考えておらぬ、いずれにしても三ヵ月ずらすんだ、こういうような提案の仕方というものは不公正であろうと思われます。どうかそういう意味合いにおいて、すみやかに資料をお取りそろえ願いますと同時に、今後について十分一つ厳重に御注意を願いたいと思うのであります。  さらに私は、この際関連をいたしまして、主税局長にお伺いをいたしておきたい。先般来予算委員会等において一萬田君がいろいろなことを言っているが、そこの中で、農業課税が過重であるので、従ってその納税期限を五月に延期するということを言明しておられた。納税者の過重負担等から考えて、これは適切な措置ではあろうと思いまするが、しかしながら、これは税法上どういうような法律の根拠によってこのことを行わんとしているのであるか、この点を一つ主税局長から伺いたい。
  66. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 農業課税の問題でございますが、それはこういうふうに私は理解しております。昨年の農業の所得税に比べまして、本年の農業の所得税が相当上った。ここに問題がいろいろあるようでございます。課税の問題といたしましては、国税庁がやっておるわけでございますが、われわれの方がいろいろ数字を集めて参りましても、御承知のように一昨年は非常な凶作であった。昨年は多少作は悪うございましたが、かなり平年作に近かった。それから農家の手取りの問題でございますが、御承知のように各種の早場奨励金とか超過奨励金とか、いろいろな問題がからみ合ってくるわけでございますが、課税の対象になるものは、御承知のように基本米価というものだけが一応課税の対象になりまして、他のものは免税措置がとられておる。基本米価は、一昨年に比べますと昨年は相当上っておるといったような関係からいたしまして、作の関係と基本米価の関係からしまして、農業所得がある程度ふえてくる。これは二十七年分の税金を見ますと約百二十七億のものが、二十八年分の税金は四十五億に激減しておるわけでございます。これは当然でございますが、昨年はそういうようなわけでありまして相当ふえておる。ただ個々の農家にしますと、当然とはいいましても、やはり相当の税負担がふえるわけでございますから、従いまして、そういう払う税金が急にふえて、いかにも払いにくいという事情にある場合におきましては、五月まで一応徴収を猶予することを考えたい、これが大蔵大臣の御答弁だと思います。それで今春日委員のおっしゃいました、どういうところに法律的な根拠があるかという点につきましては、これは昨年当委員会の御審議を得まして改正した分でございますが、所得税法の三十条の二という規定がございます。この規定によりますと、結局現在御承知のように予定納税——二十九年分の税金でございますと、二十八年分の所得を基準にしまして税額を算出したその三分の一ずつを、一期と二期に予定納税してもらっております。そして最終の期に精算をするわけでございますが、予定納税の額と確定申告による税額とが、確定申告の方が二割をこえて、いわば相当大きくふえている、こういったような場合におきまして、第三期の納期限までに税金を完納することが困難だということが認められるような場合におきましては、その十分の二相当額までは、これを全部納めましたならば、その超過額に相当する部分については五月三十一日まで猶予することができるという規定がございますので、この規定を活用しまして処置したい、こういうつもりでございます。
  67. 春日一幸

    ○春日委員 幸いに法律の基準がそういう工合になっておって、困った人にそういうような救済が行われるということは私も賛成でありますが、私はこの機会に、やはり法律は片手落ちになってはならぬと思う。折しも中小商工業者が同じような困窮にさらされておる。取った手形が不渡りになったものもあろうし、売掛代金徴収不能のものもあろうし、いろいろそういう困窮者があろうと思うわけであります。そういう中小企業者に対しても、この農民諸君に救済が行われていると同じような徴収猶予を行って行かれる御意思がないかどうか、あなたは主税局長でありまして、国税庁の所管事項かもしれませんが、そういうことが行われるかどうか、制度上どういうふうにお考えになっているか。
  68. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 今のお話は、農業課税のことが問題になりましたので、農業課税につきましてこういう規定があるから云々ということで大臣がお話しし、それからわれわれも御説明しているわけでございます。この規定は農業所得だけについて適用するようにできているのではございませんで、申告納税制度をとっておりますすべてについて、そういうふうに予定納税と確定申告による税額とが、あとの方が相当激増したという場合におきましては、この規定が適用できるようになっておりますので、国税庁としましては、この規定はひとり農業課税だけについての対象というよりも、全般的に、申告納税の分につきましてこれを活用するように心がけているものと存じております。
  69. 春日一幸

    ○春日委員 次は補助金等に関する特例期限を変更するための法律案、これまた資料が何もないので、われわれ審議しようにも、こんなものじゃしょうがない。従いまして、この法律の対象となりまするものの項目、それからその実際の金額予算額、それがどの程度の実額に相なっているものか、これもおわかりならば一つお示しを願いたい。おわかりでなければ、資料をすみやかに御提出願いたい。
  70. 村上孝太郎

    村上説明員 ただいま御質問のございました臨時特例法は、私どもとしては配ってあるはずだと思ったのでございますが、配ってございませんければ、その内容を御説明申し上げます。そこで簡単に御説明しますと、この対象になっております法律案は約六章にわたりまして、十五本ばかりあるのでございます。  まず文部省関係でございますが、これは事項だけ申し上げますと、公立高等学校の定時制の課程の職員の国庫補助の問題、これは交付税に含んでございますので、停止いたします。あとは公民館、図書館、博物館、これはみな同じようなものでありますが、これらの補助のやり方を少し変えるという規定、あとは産業教育の振興、これは産業教育教科書がございまして、これの発行部数が非常に少くて困るというので、これの補助金、それから先ほど問題になりました新たに入学する児童に対する教科用図書給与に関する法律の施行の停止、文部省に関しましてはこの六本でございます。  それから厚生省関係では四本でございますが、一つは児童福祉法の関係の母子手帳、例の妊産婦手帳から移りました母子手帳に関する経費を、補助から交付税に変える。性病診療所、それから公立の精神衛生相談所、これらの補助率を下げる。それから母子福祉資金の貸付等に関する法律の中に規定してございます母子相談員の補助金を交付税に切りかえる、この四本でございます。  それから農林省に関しましては、これも四本でございまして、こういうふうに約十五本ここに掲示してございます。これはあとから特例法の内容を差し上げます。それから金額といたしまして、昭和三十年度予算としましては、まだ正確に計算しておりませんが、約十九億くらいになる予定であります。
  71. 春日一幸

    ○春日委員 何も資料なしでは、こんなものはめくらめっぽうで審議のしょうがない。全部資料を出してから、おもむろにわれわれが審議に取りかかるということにいたしたい。  最後に一問だけ伺っておきたいのだが、ただいま説明員の御答弁によりまして、競馬特別会計債務一般会計が引き継いだ中の債務は、だれが取りに来るかわからぬというのだが、政府一般会計に引き継ぐ場合、その債権者の氏名が明確でないようなものを引き継いで、会計法上何ら疑義はないのかどうか、一体それを引き継いでどういうふうに処理すべきものか、この点を明確に御説明願いたい。
  72. 村上孝太郎

    村上説明員 先ほどもちょっと御説明いたしましたが、競馬特別会計から引き継ぐ債務でございますが、これはいわゆる勝馬投票券の払い戻し金でございまして、当選してないと思って破って捨てたりするものが大部分でございます。これは政府といたしましては、一体だれが馬券を買ったか一々わからないのでありまして、ただ正当債権者に対する支払いと申しますか、会計法の関係につきましては、勝馬投票券を持って来られた方に払うわけでございますから、その点におきましては、証拠を持っているわけでございます。ただこの債権も、競馬法によりまして一年で時効が完成いたしますので、そう長い間めんどうくさい支払いに応ずる必要もないわけであります。
  73. 春日一幸

    ○春日委員 私が聞いておるのは、この法律上の問題として政府債務を継承する場合、その債務について、相手債権者の氏名が明確でないものを引き継いで会計法上疑義はないのかという、この点を伺っておるわけです。
  74. 村上孝太郎

    村上説明員 先ほど申しましたように、会計法上は、国の支払いは正当債権者に対してしなければならぬことになっております。正当債権者がだれであるかわからないわけでございますが、勝馬投票券を持ってくれば、勝馬投票券でそれが当り番号でありますれば、それが正当債権者を証明するわけでありますから、それに対して支払うわけでございまして、いわゆる会計法上の問題としては差しつかえないと思います。
  75. 春日一幸

    ○春日委員 大体私の質問はまだ序の口にも入っていない。資料がなければわからない。目をふさいでおいて、これを見よというようなものだから、いずれ資料が出てからおもむろに質問を始めたい。いずれ一萬田大蔵大臣が出られるそうでありますから、税制一般について大臣に質問することを留保いたしまして、私の質問を終ります。
  76. 松原喜之次

    松原委員長 横山君。
  77. 横山利秋

    ○横山委員 最初に国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例期限を変更するための法律案について伺いたいのであります。この国債整理基金への繰り入れ補助金等に関する特例期限を変更する二つの問題について、どういう関連性があるのでありましょうか。
  78. 村上孝太郎

    村上説明員 この国債整理基金補助金等特例は、一見非常に関係はないようでございますが、御承知のごとく、このたびの暫定予算の編成方針は、二十九年度の補正後の予算を二ヵ月引き延ばすというような格好になっております。従って、このうらはらであるところの行政の実態も、二ヵ月暫定予算期間延ばしていただきたいというような趣旨のものでございます。そこでこの際国債整理基金特別会計繰り入れの問題も、補助金等特例に関する時限法も、すべてそうした意味におきまして、本予算におきましてはそれぞれしかるべき処遇を受け、新たなる法的措置に包摂されるわけでありますが、それまでの問二ヵ月閥、暫定予算の執行に支障なきよう延ばしていただきたい、こういう意味において御審議願う次第であります。
  79. 横山利秋

    ○横山委員 そういうことならば、ほかに同じようなことが幾らでもあるのではないですか。
  80. 村上孝太郎

    村上説明員 ほかには、先ほど申し上げましたように、歳入に関するものは一本になっております。歳出に関しましては、ただあと私の承知いたします時限法では、最初この補助金特例に関する法律の中に一緒になっておりました、競輪関係があると思うのでございますが、この競輪に関するものは議員立法でもありますし、それからその内容が補助金関係だけでなくて、自転車振興会連合会の業務等につきまして、いろいろ詳しい規定がございます。これはいろいろ沿革その他内容から申しまして、われわれがここに入れますのはまことに僭越な至りでございますから、それは別個になっておりますが、あとは大体これに尽きると思います。
  81. 横山利秋

    ○横山委員 期限が二ヵ月だからというわけでこういうふうにされるということは、全然関係のない法律案を一緒にした、あまりにも便宜措置だと思うのです。こういうことは今までにも例があり、また今後も続けられる方針でございましょうか。
  82. 村上孝太郎

    村上説明員 従来その一番極端な例は、これは昭和二十八年でございますが、あの緊急集会のときに、全部時限法を一括しまして、一本の法律にしたことがございますが、われわれの考えました点は、先ほど御説明申し上げましたように、暫定予算の執行に関するという、従来その内容についてはいろいろ御議論をいただきまして一応お認めいただいた法律を、いわば無色の暫定予算期間中だけ延期していただきたい、こういうふうな特別な条件のもとにお許しを願ったわけでございまして、今後もこういうふうな格好にするかどうかということにつきましては、これは今回のような非常措置と申しますか、そういう場合を除いては、もっと法律的に完備した形で御審議願いたい、こういうふうに思います。
  83. 横山利秋

    ○横山委員 審議の対象が違うのでありますから、今後はぜひ一つ別々にお願いをいたしたいと思います。  それから国債整理基金繰り入れに関することについて御質問をいたしたいのですが、二十九年度発行の各種の国債の消化状況はどんなふうになっておりますか。
  84. 村上孝太郎

    村上説明員 昨年度の消化状況について、私ちょっとただいま資料を持っておりませんので、いずれ資料にして差し上げます。
  85. 横山利秋

    ○横山委員 それではあとで出して下さい。特に遺族国庫債券の消化について、ここにやはり手持ちはございませんか。
  86. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 ただいまやはり……。
  87. 横山利秋

    ○横山委員 それでは資料を要求しておきます。
  88. 松原喜之次

    松原委員長 それではその問題を一応保留しまして、理財局長を呼びます。
  89. 横山利秋

    ○横山委員 この補助金につきまして、先ほどの御説明によりますと、大分多額になるようでございますが、暫定予算で大分削られておりますが、この法律そのものについては、二ヵ月は去年と同じだ、しかし予算の面では大分削る、こういうことなんでありますか。
  90. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お答え申し上げます。御質問の御趣旨は、今度臨時特例期限暫定予算の間だけ延ばしていただくことにお願いをいたしておるのでありますが、その場合に、法律上は去年の臨時特例をそのまま延ばしていただくことにしておるが、予算をどうするのかという御趣旨のように承わったのでありますが、私どもは、ただいま来年度予算案を鋭意検討いたしております。この補助金の中には、申すまでもなく、事業の量あるいは事務の状況等によりまして、年々当然に金額に変化の起ってくるものもございます。また人員その他が固定をいたしておりまして、あまり弾力性のないものもございます。ただこれらにつきましては、毎年国費を厳重に査定をする立場におりますわれわれといたしましては、最近の実績及び将来の見通し等を十分調査をいたしまして、予算の積算をいたすことに相なっております。昨日断定予算につきましての附帯決議その他もございましたので、その御趣旨等も十分尊重いたしながら、ただいま申し上げましたような最近までの実績及び将来の見通し等を十分勘案いたしまして、いずれ本予算におきまして個々の補助金に対する態度をきめて参りたい、従って、金額等もその上でごらんをいただくことになると思います。要するに御質問のように一律には参りません。あるものはふえ、あるものは減るということも考えられるということになると思います。
  91. 横山利秋

    ○横山委員 その答弁では私は納得がいかないのです。すでに予算委員会で、暫定予算の中でもこの補助金の問題がずいぶん議論をされておるところであります。先ほど質問が出たわけでありますが、きのうの附帯決議そのものについても、すでに解釈が違っておるような気がいたすわけです。自由党から出ました附帯決議は、なるべく去年通りに続けておけ、こういうふうに考えられる。ところが先ほどの御答弁を見ますと、政府としては、必要のないものはというあれがあるのだから、必要のないものは政府が勝手にやれるのだということは、根本的にはなるべく減らすのだ、こういうふうに理解されるのでありますが、そういうふうに理解して差しつかえないでしょうか。
  92. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 先ほどもお答え申し上げたのでありますが、補助金全体についての検討をいたしておりまして、その結論がまだ出ていないのであります。なるべく減らすと解釈してよろしいかというお尋ねでありますが、もちろん補助金制度ができましたのは、必事があってできたものでありますが、その中で、現在の段階においては必要度の少くなったものはできるだけ減らして参りたい、こういう考え方でございます。
  93. 横山利秋

    ○横山委員 すでに新聞紙上等で見ますと、政府補助金について徹底的にこれを削減する−根本的に検討をするということは、同時にそのうらはらの関係があって、徹底的にこれを切るということを発表されておるのでありますが、私の見たところは間違っておるのでありましょうか。
  94. 藤枝泉介

    藤枝政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、補助金そのものはいろいろな必要から出て参ったのでありまして、どれ一つをつかまえましても、決して全然必要がないというわけには参らぬと思いますが、しかしその間におきましても、必要度の非常に少くなったもの、あるいは従来長い間の慣習でそのまま続けておったというようなものも考えられますので、そうしたものは極力整理をして参りたい、こういう考え方でございます。
  95. 横山利秋

    ○横山委員 ちょうど大臣が参りましたから、引続いて大臣に補助金等について御質問をいたしたいと思います。
  96. 松原喜之次

    松原委員長 発言中でありますけれども大蔵大臣が発言を求めておられますので、この際これを許したいと思います。大蔵大臣萬田尚登君。
  97. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 今度私再び大蔵大臣になりました。特に大蔵委員会には何から何までお世話になると思います。どうぞ従来より以上に何かと御指導賜わりたいと思います。なおできるだけ委員会には出席をいたすつもりでございますが、今まで参議院の予算委員会がございましたので参ることがおくれまして、大へん恐縮いたしております。これもこの機会に申し上げて、御了承をいただいておきます。よろしくお願いいたします。
  98. 松原喜之次

    松原委員長 先刻大蔵大臣に対する質疑を保留されておりますので、順次これを許します。横路君。
  99. 横路節雄

    横路委員 大蔵大臣お尋ねをいたしますが、ただいま議題になっておりますのは、税に関しまして、三月三十一日までの時限立法を六月三十日までに延期をしたい、こういうのが政府からの申し出でございます。従って政府考え方としては、七月一日以降には減税を案施したい、こういうのですが、その減税の内容につきまして、大蔵大臣としてはどういうようにお考えになっておるのか。予算委員会でもだいぶ、いやこれは省議を経たとか、閣議を経てないとか、いろいろ問題がございましたけれども、一応われわれの手元に資料としては参っているのでございますが、大体どういうようなお考えなのか、その点を一つ明らかにしていただきたい。なおここには具体的な数字等もあげられている点等もございますので、できるだけ抽象的でなしに−もう予算編成につきましても、話によると総理大臣は四月十二日には出すなどということを、きのう予算委員会で言っておられるので、おそらく省議としても、昭和三十年度予算は四月の十二日に出すということになれば、私はもう近々きまると思う。そういう意味で、歳入になりますところのこの税に関する、しかもそのうちの減税について公約なすっている点を、できるだけ具体的にお話をしていただきたい。
  100. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 減税案につきましては、まず低額所得者の負担を軽減したいという意味をもちまして、所得税を軽減いたすことにいたしております。その具体的な点は、基礎排除額を、現行の七万円から八万円に引き上げる。なおこの給与所得控除額の最高限度を、現行の四万五千円から六万円に引き上げたいと思っております。なおさらに税率の緩和を若干はかる。これは主税局長に今考えさせております。なお青色申告者に対しまする専従者の控除額でありますが、この控除額を、基礎控除額と同じように七万円から八万円に引き上げるようにしたいと思っております。なお今日資本蓄積の強化がどんなに大事かということは、申すまでもないのであります。そこでこの資本蓄積を促進する意味合いをもちまして、預貯金等の利子所律に対する所得税を免除たしたいと考えております。  この点につきましては、いろいろとまたお考えがあると思うのですが、この機会に私の考え方を若干申し述べておきますと、結局こういうことをする目標は、雇用の機会をなるべくふやしたい、なるべく失業者を出さずに、言いかえれば経済を拡大均衡に持っていくその基盤を一つ作ろうというところにあるということだけを、つけ加えて申しておきます。これは結局民間資金の量景をふやして、金融を円滑にして−資金がふえればむろん金利が下る、また当然下ぐべきである。そうしますと、事業が興ることも言うまでもない。事業が興れば、ここでいわゆる雇用量の拡大に向けられる。今日金がないからということで、事業ができぬのはけしからぬじゃないかという声が非常に多い。しかしその金というものは、日本銀行の金は金でないことは言うまでもありません。どうしても蓄積した資金でなければならない。それをいかにして蓄積させるかが大事でありますことを、この機会に申し上げておくことが適当であろうかと存じて、つけ加えておきます。  なおこの関係から、配当所得に対する源泉徴収税率を引き下げることも、主税局長にどういうふうにあんばいをとるかを申しておいてあります。  なお輸出振興へについては、打たねばならぬ手が経済面にたくさんあるのですが、とりあえず税の面におきまして、輸出所得による控除限度の額は、今日五0%でありますが、これを八0%に引き上げていこう、かように考えております。なお法人税についても一応考えてみたいと思いまして、これは結局税率を引き下げることになるのでありますが、どういうふうに下げるがいいか、これも専門的見地から主税局長に命じてあるわけであります。  こういうふうなことが、大体私の減税案の構想といいますか、こういうふうにして減税をやろうという具体的な考え方であります。これを三十年度の七月から実施いたしますとすれば三百億円の減税になり、平年度においておよそ五百億円に上る、こういうふうになるのであります。これが私の減税に対する、今までにまとまっております、またこういうふうにしてやろうと思っております考え方であります。
  101. 松原喜之次

    松原委員長 この際申し上げておきたいことは、大蔵大臣は参議院の昼食休憩中の時間を利用してこちらへ見えておりますので、一時には参議院に出席する約束があるそうであります。それまでに十分ないし十五分昼食時間をとられるといたしまして、十二時四十五分まで本委員会に出席の余裕を持っておられるということを、御了承おき願います。
  102. 横路節雄

    横路委員 大蔵大臣お尋ねをしますが、そうすると、第一番目の低額所得者の中のいわゆる勤労所得につきましては、政府のこの案からいけば、いわゆる五人世帯の勤労者は、月収どの程度であれば一体税が全額免除になるのか、その点を一つ明らかにしていただきたい。
  103. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 主税局長より答弁させてよろしゅうございましょうか。
  104. 横路節雄

    横路委員 簡単に数字だけ言って下さい。
  105. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 夫婦子三人で、年額で二十二万六千円です。
  106. 横路節雄

    横路委員 次に、今大蔵大臣は、雇用量の拡大というところで、預金の利子所得に対する所得税を免除すると言われるのですが、この際大蔵大臣に一つお尋ねしたいのですが、雇用量をどういうようにして拡大をするというのですか。大蔵大臣の言葉がはっきり聞き取れないので、雇用量の拡大のためにやると聞いたのですが、そうであれば大蔵大臣は、今総体的に発生してきているところの失業群を、どうやって雇用量を拡大するのですか。そのうちの一つとしてこれをとったというならば、全般的な雇用量の拡大というものは、大蔵大臣としてどうお考えになっているのか、その点一つお尋ねいたしたい。
  107. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 雇用量の拡大ということは、結局私は、日本経済の拡大ということに求める以外にないと思っております。従いまして、どうすれば日本の経済が拡大の方向に行き得るか。これはしかし日本経済の特殊性によりまして、日本の経済が貿易に依存しておる、言いかえれば世界の競争にさらされて、それに勝った上でないとやはり日本の経済の拡大というものはできない、こういうふうな見地に立っておるのであります。従いまして、いかにすればそういうふうな見地において日本の経済が拡大されるか、そういうふうな見地から雇用量をふやしていこうと思っております。
  108. 横路節雄

    横路委員 今の大蔵大臣の言われた、一番大きな問題の日本経済の点からいって、失業者が非常に発生して来ているという点は、総理府の統計でも明らかなところです。毎月三万人ずつの失業群が出て来ている。そういう雇用量の拡大ということは、みな非常に関心を持っている重大な問題だが、今のお話では、貿易を盛んにするという、もちろん貿易を盛んにすることは必要ですが、もう少しその点具体的にお話していただけませんか。
  109. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 それは、要するに当面の今出ておる失業者をどうするかという問題と、少し長い目で見て、いわゆる失業者を出さないようにするとか、あるいは現在すでに出ておる失業者を吸収して、今後において失業者があまり出ないようにする。言いかえれば、これはよく言われる完全雇用といいますか、こういうふうな形に持っていくのにはどうするか、こういうようなことを区制をすればわかるのだろうと思います。御質問の点は、現在のこのデフレ政策遂行中に失業者が起りつつある、その失業者をどうするかという御質問だと思います。それはむろん私が今申し上げた点も、今後において考慮するのでありますが、それにはやはり時間をとることは申すまでもありません。従って、今起っておる失業者をどうするかということは、私はやはり失業対策費というものを、どうしても予算の面において考えていかなければならぬだろう。そのように今考えておるわけであります。
  110. 横路節雄

    横路委員 大蔵大臣お尋ねしますが、雇用量の拡大のうちで、平和産業に対するところの財政投融資については、昭和二十九年度は、昭和二十八年度よりも当初予算について約七百五十億ほど削ったのです。昭和二十八年度は約三千二百億、昨年はそのうちから七百五十億削ったわけでありますが、やはりこの雇用量の拡大という点からいって、あなたの方で今言われる所得税を免除するということも大事であれば、同時に財政投融資について拡大をするということもまた大事だろうと思うのでありますが、この財政投融資については、昭和二十八年度までのところに戻るのであるか。昭和二十九年度で圧縮したところにやはりとどまるのであるか。この点はどうなっておりますか。
  111. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 具体的な数字はなお今後において示すのでありますが、私が今日一応申し上げ得ることは、二十九年度よりもおそらく二百億程度はふえ得るだろう、こういうふうに考えておるのであります。しかし今日この雇用量をふやすために財政投融資を、ただ金があるから出してやってよろしいかといえば、必ずしもそうはいかないのであります。それは私が先ほど申し上げましたように、日本の産業が輸出に依存しておる、言いかえれば、ほんとうにいいものが安くできて、そうしてそれが国際競争に十分耐え得るかどうかということになるのでありまして、ごく瞬間を見れば、財政投融資をふやして事業をすれば、雇用量がその限りにおいては拡大し、失業者も吸収されますが、その事業はすぐ行かなくなる、行かなくなれば、またすぐ失業者として街頭に出されなければならぬ。そういう行き方は今日いたすべきではないのでありまして、どうしてもこれはやはり今日の日本経済の地固め政策をとりつつ、その地固め政策によって現われて来る効果をなるべく——この地固め政策によって、特別に苦しんでおる勤労大衆その他の人のための救済に手を差し伸べるべきであろう、こういうのが私の考え方なのであります。
  112. 横路節雄

    横路委員 私、ほかの委員の方の御質問もあると思いますので、深くお聞きできないのは非常に残念ですが、別に機会を見てまたお伺いいたします。  そこで問題は、この減収の見込み額は三百億である。ところがその減税については、逆にその税の増収を見込んで、三百億と出してバランスをとったのか。三百億の減収の分がさらに五百億か六百億かの増収になるということは別といたしまして、当然どこかでその税の増収を見込んでいるわけですが、それはどこに求めようとしておるのか、一つ大蔵大臣から承わりたい。
  113. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 これはいろいろと租税理論におきましても、あるいは実際家においても議論があるところでありますが、しかし日本の税制は、私はそれ自体が悪いとは思わない。御承知のようにシャゥプ博士が来て、今日の日本の税制を確立いたしたのでありますが、シャゥプ博士の構想の基本は、すべてを直接税で一貫しようということで、直接税一本の租税制度を確立されたのであります。私はそれも一つの制度としていい考えであろうと思うのです。しかし一つの制度がいいか悪いかは、それ自体学問的である限りではやはり意味が少いので、そういうふうなことがよくても、それぞれの国の国情にどういうふうにそれをあんばいするか、適合するかということを考えてみなければならぬ。特にアメリカあたりで直接税が中心であることは、これは私はいいと思います。なぜかというと、アメリカの人はだいていの人は家も持っておる、被服も持っておる、またその他の所得があるのですから、たとえば勤労所得とかいろいろなものに相当取られても、生活というものにそうお困りにならない。しかし日本は、御承知のように今日はすべてが——それはいろいろ申分はありましょうが、日本の国民はすべて勤労者であると考えていいのじゃないかと思うのです。これは今の税制から見て、どんな人でも勤労者と同じじゃないでしょうか。たとえばたくさんお金をとるような富裕な人でも、結局税金を差引いてみると、残るものは幾らでもない。結局家族の多い者がかえって手取りが多いというような形になっております。従って、大きな家に住んでおる人はほとんどなくて、全部それを売るとか、あるいは公共のものに出すとかいろいろなことをしているという状況で、そういうふうにすべて勤労者です。こういう国柄において所得税ばかりに、いわゆる直接税ばかりに行くということは、必ずしも適当でないのでなかろうか。それである程度間接税に−これは議論がありますが、私の一応の考えでありまして、御批判は十分受けなくてはなりませんが、間接税にある程度持って行っていいのじゃないか。しかもその間接税を今度は増徴した場合に、これを目標なくしてただ使うというのならば、間接税というものがやはり観念的に見て大衆課税というふうな形になるならば、しかもその間接税を国民生活の必需のものについてかけるということになれば、これはまた取れませんが、間接税をある程度取りまして、それを、またかりに大衆課税になっても、その大衆の中で一番お困りになっている人のために還元をしてやる、そうしてその人の救済といいますか、あるいは福祉のために充てる。日本の今日の財政状況では、すべてが一から十までよくなくてはやるなということになると、ほんとうに何もできませんから、私の考えでは、ある程度一般的な考えに従ってやって参りたいというふうに考えております。そういうような意味で、間接税を若干増徴をする、こういう立場であります。
  114. 横路節雄

    横路委員 今大蔵大臣は、間接税は増徴するというのですが、たとえばたばことか酒とか、これは実際に働く労働大衆の生活に一体必要なのか必要でないのか、その点は大蔵大臣としてはどうお思いになりますか。
  115. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 私はたばこについては、今考えておらないのであります。理屈をいえばいろいろありましょう。のまない方が健康にもいいんですから、いろいろ理屈はあると思いますが、実際問題としてみんなのんでおるとすれば、やはりこれは生活必需品と考えていいと思います。特に高級のたばこをいうんじゃありませんし、新生というようなたばこであれば、私は生活必需品として考えていいと思う。私は無理なことを言うんじゃない。酒につきましては、今日やはり密造もあるんです。酒の増石をせぬから酒の消費量がきちっと減るかといえば、そうでなくて、いろいろとあの手この手でやる。砂糖なんかにつきましては、今日高いんです。これは輸入量をふやせば砂糖の値はずっと下るんで、物価政策から見ても、大衆の生活を擁護する上からいっても、私は少しも差しつかえないんじゃないかと思う。むしろ大衆の生活を助けることになる。こういうふうな見地から、こういう事態においてデフレというような政策をなお二年も引き続いてやらぬという前提なら別ですけれども、一兆円という予算を組んでいく。そうすると、力の弱いところにどうしてもしわが寄ることは、言うまでもないと思う。ですから、そういう人に少しでも手を差し伸べるため、今言うたようなことをやるについては、私は皆様方の御賛成をぜひとも得たいわけでございます。そういう意味で、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  116. 横路節雄

    横路委員 厚生大臣の川崎氏は、増税はやむを得ない、しかし増税されたものは社会保障関係に使えばいいんだ、だから自分としては増税−減税は反対だということを、厚生大臣として、それぞれの公けの機関に発表しているわけです。私はまことにおかしいことだと思っておった。減税はできないんだ、しかし増税をやった金は一部社会保障に回せばいいんだということは、減税をやるという鳩山内閣の建前からいっておかしいと思っておったら、今大蔵大臣も間接税ということを言われた。今あなたがお話のように、国民はほとんど勤労大衆なんだ。そうすれば、実際に大衆が消費しているものに税金をかけることになれば、大衆の負担になる。しかしそれが国民の生活に還元されればいいんだ。そうなると、やはり基本としては増税をやるということなんですね。鳩山内閣が住宅の問題だとか、その他いろいろ考えていたことは、結論としては増税をやらなければできないというように、今の大蔵大臣お話を聞いていて、お話は長かったのですけれども、そういう印象を受けた。この点について大蔵大臣の意見をよく開きたい。
  117. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 そういうふうに理屈をつけていけば、何とでもつきましょうが、しかし税率を上げるというわけじゃないんです。そうして酒を飲む人がすべて勤労大衆ばかりでもないと、私は思うんです。お飲みにならなくて、銀行に預金をして下されば、税はかからないのですし、酒は自分の意思でもって飲むのであって、何も強制するわけじゃありません。自分の自由意思で酒を飲もうと決意してお飲みになるときに、代金が出るわけなんです。税率は別に今までより高くするということじゃない。ですから、これからはそれほど飲まぬという決意をすれば、むしろ問題は、税はそれほど上らぬかもしれぬじゃないかということなら、実はなるほどと私は考えるわけです。間接税ですからね。もしも飲まなければ税があがらぬじゃないか、一体どうするつもりかということなら、私はよほど問題だと思うのです。
  118. 横路節雄

    横路委員 文部大臣は新生活運動を提唱したいという。新生活運動ということになれば、あなたのお話のように、酒とかなんとかについては相当規制されてくると思う。そうすれば—あなたが今三百億減税する、しかし同時に増収するということは、酒の税金を見込んでいるわけだが、一方において文部大臣が新生活運動をやって酒の規制をやるということと、一方において酒の税金を三百億以上、何百億になるかしらぬが、とってバランスをとるということは、同じ閣僚としておかしいじゃございませんか。今あなたが言ったように、酒を飲まないのなら飲まなくていいんだ。私も実際特級酒とか、そういうものは飲まなくていいと思う。しかし労働者が飲むしょうちゅうなどは、一面において生活必需品なんです。しかし新生活運動ということをあなたの一部の閣僚が提唱しておる。そうすると、酒のようなものは規制されてくる。片方で減税をして、同時にあなたの方の公約、たとえば住宅とかなんとかやる。一体何で税の増収をおはかりになるのですか。
  119. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 非常にごもっともな御意見なんでありますが、これは程度の問題で、先ほど皆さんがお話のように、酒やたばこは必需品じゃないか、なぜそれに税をかけるか。的なものになると、私は新生活運動といっても、どうしてもいるものまでどうということは、なかなか今日言うべくして行われないだろう。やはり新生活運動でなすべきことは、むだを省くということだろうと考えておるのです。私どもはこういうような税を考える場合は、単に理論とか抽象的なことばかりで政治をやっても、実際と食い違いができますから、大体実際にどうなるだろうかというような見通しでやるんですが、酒、たばこについては御批判があって、大衆課税、生活必需品じゃないかというお考え、私もその点はある程度認めるんですから、生活必需品であればそれほど減らぬだろう、ある程度認めていいだろう。それは何も新生活運動と背馳せぬだろうという議論は、あなた方の議論から立つんだろうと思います。
  120. 横路節雄

    横路委員 あとの方がありますから、これでやめますが、大蔵大臣に、実はきのうの予算委員会附帯決議になりました点について、政務次官から御答年があったのですが、ちょっとお話が違うような点がありますので、その点だけ聞いて終りたいと思います。それは附帯決議の第二項に「その他の補助金につき、昭和二十九年度予算に計上されたる項目のものについては、昭和二十九年度までに必要のなくなったもの以外は、四、五月分の補助費を計上すること。」こうなっておるわけです。それで今この大蔵委員会に補助金等特例に関する法律案が出ておりまして、それとの関連で聞いておったのですが、そうすると、私どもの理解しておった点は、大蔵当局としては、補助金については大幅に整理をするんだ、そういう意味で四月、五月の暫定予算にはかけないんだ、そうして昭和三十年度の本予算の中で大幅に整理されたものを出してくれるというように了解しておった。ところがきのう自由党から提案されて、政府与党も賛成したわけですが、この点は、一体補助金については、昭和二十九年度から昭和二十年度とずっと継続して行く補助金については、政府当局としては認めたということになるわけだと思うのですが、その点はどうなのか。この点は、なお公共事業については前年度からの継続のものも全部認めると、附帯決議の第一項にありますので、その点だけ一つお尋ねしておきたいと思います。
  121. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 附帯決議趣旨は、むろん私は体しまして最善を尽すわけでございます。それで今御指摘の補助金につきましては、この趣旨に基きまして十分今後考えて査定をして行こう。査定は、これはいたします。必要と不必要は、やはりこれはあるのですから、どうしてもいらなくなっておるというものもある、あるいはいらなくなるべきものも考えられるだろうと思います。
  122. 松原喜之次

    松原委員長 春日一幸君。
  123. 春日一幸

    ○春日委員 大臣に最初に申し上げておきますが、あなたの本会議答弁は、大体明確であって聞くに耐ると思うのだが、この委員会の答弁は、冗長漫にわたって何を言っておられるのかわからない。政府当局として、われわれはもっと明確端的に御答弁を願って、委員会の審議を進捗さしていただきたいと思います。これは政府答弁というよりは一萬田漫談みたいなものです。私が質問をいたしますから、もっと端的に明確に一つ御答弁を願います。でないと、たくさんのことが質問できませんから。  そこであなたの方が今度税制の一般改革について、すでに選挙公約その他について訴えられておるところでもあり、それを明年度予算の中にいろいろと組まれて参られると思うのでありますが、重要なる項目二、三項目について、特にこれは政策問題として、大臣からその所見を伺っておかなければならぬと思うのであります。あなたの御主張は、低額所得者に対して現在税が重過ぎる、従って減税のウェートはここに置くのだ、こういうことであったと思うのであります。そこでこの給与所得者に対して扶養控除、基礎控除、勤労控除の引き上げは当然の事柄でありますが、同時にお考えを願わなければなりませんのは、年末賞与に対する免税措置をどうするかという問題であります。この問題は、第一次鳩山内閣におきまして、あなたとともにこの問題をめぐっていろいろ論議をいたしました。すなわち私ども社会党両派の主張は、この給与所得君たちが受ける年末の賞与、これは越年資金として欠くべからざる実費である。こういうものに課税することはどうであろうというような考え方から、特に月給二万円以下の低額所得者が受ける年末賞与に対して、ある程度の基礎控除を行うか、あるいは何らかの措置を講ずるかという問題を私どもから提案をいたしまして、民主党ともどもにいろいろ協議をいたして参ったのでありますが、そのときのあなたの答弁は、いずれ低額所得者に減税を行わなければならぬと考えておるので、これは明年度の税制の一般改革のときにこれを取り入れて検討したい、こういうことで、私どもは深くあなたに期待を寄せておったのでございます。しかるところ、今回あなた方によって発表されておりまするこの税制改革の構想の中に、年末賞与に対する措置が何ら言及されてはおりません。一体これはどうしたことでありましょう。あなたは昨年われわれ社会党左右両派が上程をいたしましたこの法律案に対しまして、民主党もそれに対して深い理解と同情を示し、そうして次期の一般改革の中にこれを取り入れる、こういうあなたの言明があったことを私は記憶いたしておるのであります。今回これをどういうぐあいにお取り扱いになろうとしておるのであるか、この点一つ明確なる御答弁を伺いたいと思います。
  124. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 その点につきましては、基礎控除を引き上げて七万円を八万円にする、ここのところに考えが入っておるわけであります。
  125. 春日一幸

    ○春日委員 これは全く詭弁であると思う。すなわち月間所得二万円以下の人々に対しては、これは生活実費であるから、従ってこれに課税の及ばないように、できるだけ基礎控除、扶養控除、勤労控除等を引き上げることによって税負担を軽からしめるということは、これは月給を対象として考える、すなわち月間生活と月間収入というものを考えてこういう措置がとられておるのでありまして、私どもが年来主張いたしておりますのは、越年の準備に対して受ける給与に税金をかけるのはどうであろうという問題についてであります。従いまして、平常時におきまする生活の事柄と、それから越年をするに欠くことのできない出費に対する課税の事柄と、これは全然別の事柄であるのでございまして、当然これは別個の措置を受けなければならぬと思うのでございます。すでに御承知の通り、この問題をめぐって昨年の暮れのあの臨時国会においてこの法律案が上程されて、お互いにこの法律案を中心として論議を交えたことでございます。そのときあなたは、その問題は一つ次期の一般改革のときにこれを取り入れる、こういう事柄があって、深く期待を寄せられてこの問題は持ち越されております、従いまして今回の税制改革の中で、すなわち低額所得者にして、しかもそれが月間所得二万円以下の著に対して、これが受ける知夫賞与に対してはそれぞれ減税措置が講ぜらるべきであると思うが、そういう法律案をあなた方がお出しになる意思がないかどうか、全然ないということであるならば、それはわずかに百八十五名の民主党内閣では何事も私はなし得ないと思うので、私ども野党連合の力で議員立法としてこれを提出するのであるが、あなた方がお出しになるのであるならばわれわれはその議に及ばないと思う。お出しになるのかならないのか、出さなければわれわれが出すから、その点一つ御答弁を願いたい。
  126. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 今申し上げましたように、これはやはりどの部分について免税措置をとるというわけに行きかねるので、所得税全体でどういうふうにこれを負担するか、こういうふうに考えざるを得ないのでありまして、そういう意味において、そういう点も考慮いたしまして、特に低額のところにおいて基礎控除を引き上げる、むろん他面において所得税率も下げるのでありますが、基礎控除の引き上げというところを入れたわけであります。
  127. 春日一幸

    ○春日委員 そういたしますと、年末賞与に対する租税減免の特別措置は講じない、こういう点が明確に相なりましたので、昨年の臨時国会における大臣の言明というものは、これは食言されたものとして、われわれの方で心に銘記するでありましょう。  次は事業所得者の申告所得税に対する減免措置についてでありますが、これは零細所得君たちに対する税の減免、負担の軽減、こういう立場から、私はこの際これまた一つ特別の措置を講ずる必要がありはしないかと思うのであります。その理由は、この所得税では、基礎控除と扶養控除が低額所得者に対しては相当の引き上げが行われておりますが、これは申告所得の諸君に対してもこの恩典が及ぶでありましょう。ところが今回勤労者控除は四万五千円から六万円に引き上げられた、この恩典がこの事業所得の諸君には及ばない。これは明確に片手落ちに相なると思うのであります。そこで彼ら零細所得君たちが今までしばしば国会に陳情を寄せております焦点は、すなわちこれらの小さい商人衆や町工場の諸君は、とにかく日曜でも夜間でも働かなければならぬ。低額所得の諸君は、時間外に勤務すれば時間外勤務手当がつく、休日出勤をすれば休日出勤の手当がつく。しかしながら零細商工人たちはそのような特別の収入というものがなくて、そういう過重労働によって収入を上げ、しかも得る収入というものははなはだ少い。そういう場合に、そういうような特別勤労に対する何らかの税の救済を行ってもらいたいという陳情が行われ、われわれも全く筋の通った要求であると考えるのでございます。従って、私はこの際あなた方が勤労者控除を今回引き上げると同じように、特に項目を設けて、すなわち時間外作業だとか、あるいは休日の労役等に対する特別の軽減措置をとるという意味におきまして、かりに特別勤労控除というような制度を設けて、それでもってこの給与所得者と同じような均衡のとれた減免措置を講ずる意思はないか。これも政策問題と考えられますので、大臣から一つ御答弁を願いたい。しかし深くこの問題について御検討がないならば、即興的な御答弁は迷惑でありますから、御研究願って、あとからでもけっこうであります。
  128. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 それでは私は、今答弁し得る限りにおいて御答弁申します。それは、小さい事業についてはやはり低額所得者と同じような関係がありますので、別途において事業税について控除の引き上げを考えて実行いたしたいと思っております。
  129. 春日一幸

    ○春日委員 それで大臣に申し上げておきますが、これは事業税というものの基礎控除が引き上げられると言っておられますけれども事業税は地方税であって、そうしてこの問題は所得税の概念で律すべきものでない。負担の軽減は所得税一本においてこれを考えて、事業税の問題は、これはやはり別の問題として軽減措置を考えられなければならぬのでありまして、彼らの要求は、そのような根拠の上に立っておらないのであります。あなたは税金については全然ずぶのしろうとであります。これがそのようなとっぴな御答弁をなさるゆえんであろうと思うが、これは一ぺんよく渡辺君と御研究の上、彼らの要請にかなうように十分御検討願いたい。  もう一つ、政策的な問題ですが、この際あなたは、一つ物品税を大英断をふるって、これを廃止される意思はないであろうか。私はこの事柄こそは、中小企業の危機を救済することのために必要欠くべからざる事柄として、あなたに強く要請をいたしたいと思うのでございます。そこで私が申し述べたいのは、北支事変特別税という形でこの物品税はスタートしたのです。当時この税がスタートをいたしました理由は、これは戦争中の消費規正、それから軍需資材の消耗を節減するというような意図からこの法律ができて、当時千四百何十品目という大きなものにこれが課税されてきた。戦争が済んで、その戦争目的というものがすでに完了いたしました。従いまして、今後日本は平和的文化国家を作るという形になってきたのであるから、この税は全面的に廃止さるべきものであったと思う。ところがその後は保守党がいろいろとよい政治をいたしまして、そうして陳情したものから、政治的に運動をしたものから逐次これを取りはずして、千四百何十品目のものが今日七十三品目となって残されておる。その七十三品目のものが二百七十億の税金を背負って歩いているのだから、まさしくこのことは私は政治悪以外の何ものでもないと思うのです。運動したものからとりはずしてきた、運動の微弱のもの、その業種業態に政治力のないものが今残されておる。そうしてたださえ金詰まりで不振で困っている人々が、物品税という重みで、七十三品目だけがこの二百七十億の重荷を背負って歩いていると思うのであるが、これはまさしく政治的不公正、政治悪の最たるものであると思うが、私はこの際物品税そのものを全廃して、そうして奢侈品に課税するという考えがあれば、これは奢侈税として別の形で、何人がながめてもこれは奢侈品だとおぼしきものを、現在の社会情勢にこれをよく照らし合せて新しく創設することがありとしても、とりあえずこの戦時悪立法の残滓たるこの物品税は、全面的にあなたの大英断で廃止すべきものであると思うが、これに対してあなたの所見はいかがであるか、この点をもう一つ伺っておきたい。
  130. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 今春日さんから御指摘のありましたように−私は今一生懸命税も勉強しておるのですけれども、御指摘のようにまたしろうとなんで、それで私は拝聴しておって、たいへんよい御意見だと思います。それで、これは税制調査会にかけまして、そうして税制調面会の御審議をまって、よいことは実行する、こういうことをお約束いたしましょう。
  131. 春日一幸

    ○春日委員 最後に申し上げますが、いずれにしても、あなたのこの税制改革の構想というものは、ほんとうにこれは立ち話と言おうか、即興的と言おうか、ほとんどが思いつきであって、実際各業種の団体から陳情されておる事柄がほとんど参酌されてはおりません。従いましてよく御検討願って、少くとも今横路君も触れておりましたが、いろいろな税収が減になったならば、これは酒を飲ましたりたばこをうんとのましたり、そういうようなことで穴埋めをしようということはむちゃくちゃでございまして、さようなことをしては大へんな事柄になる。しかし民主党が酒を飲め飲め、たばこのめのめ空までけぶせとか、どんちゃん騒ぎで政治をやろうというならば別だけれども、まじめに税の改革を考えるということなら、そんなむちゃくちゃなことをおっしゃらないで、もう少しいろいろな、今までの本委員会で懸案になっておる審議事項等もあるのでありますから、そういう国会の意見を大幅に取り入れられて、そうして国民の要望にこたえた税制の改革のために、あなたの勇断をふるわれんことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
  132. 松原喜之次

    松原委員長 なお先刻横山委員から大臣に対する質疑が保留されておりまするが、それは明日または明後日機会を得るといたしまして、午前中の会議はこの程度にとどめたいと思います。  午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十六分休憩      ————◇—————    午後二時三十五分開議
  133. 松原喜之次

    松原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国営競馬特別会計法廃止する法律案期限の定のある租税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例期限を変更するための法律案の三法律案一括議題として、質疑を続行いたします。横山委員。
  134. 横山利秋

    ○横山委員 最初に国営競馬特別会計法廃止法律案について御質問申し上げます。先ほど資産負債の現状を承わったのですが、これは一般会計のどういうところに帰属するわけですか。
  135. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 一般会計の雑収入の中に入るものと思っております。
  136. 横山利秋

    ○横山委員 競馬法によりますと、納付金額は畜産業の振興と民間社会福祉事業へ使われるということに修正になっておるのであります。これらは、具体的にどういう方法で民間社会福祉事業へ使われるのですか。
  137. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 さっそく関係の係官を今呼びに参りましたから、もうちょっとお待ちを願います。
  138. 横山利秋

    ○横山委員 それでは次の国債整理基金の問題でありますが、遺族国庫債券の交付状況は、今どういうことになっておるでしょうか。
  139. 阪田泰二

    ○阪田政府委員 遺族国債の交付状況は、ただいまちょっと最近までの数字を実はもっておりませんのですが、二十七年度には六百五十四億、二十八年度には百八十七億交付済みでありまして、昭和二十九年度においてもかなり交付は進んでおりまして、特別のものを除きまして、ほとんど大部分完了しておる。こういう状況になっておるというふうに承知いたしております。
  140. 横山利秋

    ○横山委員 これの遺族から現金化ということが盛んに要求されておるわけでありますが、この現金化の実情を承わりたいと思います。
  141. 阪田泰二

    ○阪田政府委員 この債券につきましては、お尋ねのように遺族の方のいろいろの御必要の場合等を考慮いたしまして、特別に買い上げ償還ということをいたしておるわけでありますが、大体この買い上げ償還で実行いたしました額は、昭和二十七年度では五億円くらい、二十八年度では四十億円、二十九年度では大体十六億円程度の額になるというふうに考えます。大体買い上げます方面は、やはり生活保護法の適用を受けておりまする遺族でありますとか、あるいは災害等によりまして特別に困窮しておる者といったようなものにつきまして、いろいろ各地の情況等を調べまして、それに応じて買い上げをいたしておるという状態でございます。
  142. 横山利秋

    ○横山委員 私どもの聞いておるところにおきましては、この現金化の手続の煩瑣であることと、それからなかなか要求に十分応じがたいという話を聞いておるわけでありますが、どうしてそういうような実情が起きるのでしょうか、ちょっと承わりたいと思います。
  143. 阪田泰二

    ○阪田政府委員 この遺族国債の買い上げにつきましては、小口の国債を全国の遺族のいろいろそういう特殊事情を考慮してやるわけでありますので、かなり手続上いろいろそういったような支障があるいはあるのじゃないかということも心配されますので、いろいろそういう点につきましては具体的な状況、こういう点に問題があるというようなことも伺いまして−これは三十年度におきましてもやはりある程度の買い上げは引き続きいたすことになっておりますから、いろいろそういう具体的の点がぐあいが悪い、こういう点に簡素化の余地があるということを伺いますれば、改善の措置を講じて参りたいと思います。
  144. 横山利秋

    ○横山委員 非常に抽象的なお答えでありますが、この遺族の生活の実情ということにつきましては、すでに大体御存じかとは思うのでありますが、特別な事情がない限りにおいては、十分に賢い上げを完全にしていただいて、生滅に困窮をいたしている遺族のために万全をはからねばならぬのであります。特別な事情がない限りにおいては、すべてこれが要求に応じ得るように、一つ御努力をお願いいたしたいと思うわけであります。  それから先ほど附帯決議の問題に関連して、重ねて恐縮でありますが、この附帯決議をどういう方法でこの予算の中で実行をされようとするのか、その点もう少し明らかにしていただきたいと思うわけです。
  145. 松原喜之次

    松原委員長 横山君に申し上げます。今主計局から係の人が来ますから、そうしたら詳しく答弁ができるそうですから、その問題はしばらく……。
  146. 横山利秋

    ○横山委員 私の質問することがどうもいない人、ばかりで恐縮でありますが、次の方にお譲りをして、来られてから質問することにいたします。
  147. 松原喜之次

    松原委員長 それでは井上委員。
  148. 井上良二

    ○井上委員 ちょっと主計局長主税局長に伺いますが、期限の定のある租税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案、これに関連して伺うんですが、いわゆる物品税法の附則で定められているというものと、関税定率法の附則で定められているもの、この二つは、いずれも前国会以来必要があることとしてきめたことでありますので、それを暫定的に六月まで延ばすというのは一体どういう根拠に立っておるのですか、これはいっそのこと、暫定措置を講ぜなくても、当然この二つは経常的にやって行く項目でございますから、よいではないかと考えますが、また政府の方では、関税定率の内容についても検討して相当改正を加える、特に石油数等につきましても、相当変更を加えられる予定の土でかような処置を講じたのですか、その点を伺いたい。
  149. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 物品税の方の関係は、これは昨年井上委員も御承知のように、テレビジョンにつきまして三割の課税をいたします際に、一応小型のテレビだけは一割二分にする、それはこの三月三十一日で期限が切れる、こういうふうな修正がございまして延びたものでございます。一応業会の方では、これをもう少し延ばしてくれないかという要望もございますし、われわれの方としましては、果してその必要があるかないかという点についてはいろいろ検討しておりますが、とにかく時間的に非常に差し迫っておりますので、七月以降についてどうするかということにつきましては、それはさらに検討を重ねた上で、一応政府提案として出すべきかどうかということはきめたいと思います。とにかく非常に差し迫った時期になっておりますので、とりあえず三月延ばすことを御提案申し上げたのであります。  それから関税定率法の問題につきましては、先刻もいろいろ御質問の際にお答えもいたしましたが、そのままでもって一年さらに延長してよいと、少くとも政府考えているものもございますが、同時に石油関税のような問題につきましては、いろいろな論議もございますので、一応最後の結論を得ての上に、本格的な提案といいますか、延長はまかせまして、ともかくこの三ヵ月間は従来の通りにとりあえずしておきたい、かような観点でもって御提案申し上げた次第でございます。
  150. 井上良二

    ○井上委員 この関税定率の問題に関連をして伺うのですが、砂糖の輸入関税がかけられておりますが、その上に砂糖には、砂糖消費税がとられている、ところがあなたの方は知っているかどうか知らぬが、通産省が輸出振興という名目で砂糖とのリンク制を採用いたしまして、輸入します場合の外貨割当に当って、その砂糖に対して何ぼかのプレミアムをつけて、それを別途に政府に納めさしておるということがございますが、このことについてあなたは御存じでありますか。
  151. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 砂糖の輸入に対しまして、昨年来一応輸入の権利と言い得るかどうかしれませんが、それをプラント輸出とか、そういう業者に与えまして、そうしてそれの輸入権をビッドによって輸入業者に認めて行く。そのために片方でプラント輸出の業者は、それによって特殊の代償を得ておる、それが別の面では砂糖の値段を上げておる、こういった経過になることは、これは私存じております。同時にそれにつきましては、いろいろな弊害もありますので、この四月からそれはやめるということも私承知しております。ただ井上委員のおっしゃっております、そういう金を政府に取り上げておる。これは、片方で砂糖の価格を安定させながら、同時に砂糖業者の特殊な利潤を何か取り上げるということを考えたらどうかという案の検討は別途しておりますが、過去においてその金を政府が取り上げたということは、これは聞いておりません。またないものと思っております。
  152. 井上良二

    ○井上委員 そうすると、通産省に伺いますが、通産当局では、ただいま渡辺さんから御説明がありましたような措置によって砂糖をリンクするに当って、原糖の砂糖の割当をする場合に、これこれの価格で輸入をせよ、そうしてこれだけは別途出してもらいたい、こういう措置をおとりになってきたと思いますが、それはどういう法律とどういう予算に基いてやってきておりますか、その法律予算費目を説明願いたい。
  153. 大堀弘

    ○大堀説明員 ただいまの御質問の点でございますが、先ほど主税局長からお話がありましたように、二十九年度の砂糖の輸入につきまして、プラント輸出の振興のために、この輸出した人に対して砂糖の外貨を割当する、こういう措置がとられたわけでございますが、本措置は、二十九年度の輸出の状況が非常に悲観的でありまして、当初十二億ドル程度の輸出しか期待できないんじゃないかという状況にありましたために、プラントの輸出振興のためにやむを得ずとられた措置でございまして、結果におきましては、二十九年度に相当程度プラントの輸出が振興されました状況でございます。しかしながら制度自身としまして、私どもは、対外的また対内的にも不適当な点もございますので、本措置は二十九年度限りで打切りまして、三十年度以降は、木措置を完全に打ち切って参りたいというふうに考えておる次第でございますが、過渡的な問題といたしまして、三十年度の問題は、今後国会の御相談をいただきます問題になるのであります。砂糖の輸入も、国内の必要とするだけ手に入れ得まするならば、糖価が下りまして、国際価格にさや寄せをされるわけでございますけれども目下の外貨の事情からいたしますると、砂糖の量をそう思い切って多額にふやすわけにも参りませんので、従いまして、糖価がある一定の点に安定する、その場合に砂糖の輸入価格と国内の市価との間にやはり依然として価格の差益というものが予想されますので、これは特別会計を新しく設置いたしまして、価格差益を特別会計に吸い上げまして国庫に繰り入れる。それをしませんと、一部の製糖工業者なり一部の中間の段階において不当な利潤が持たれることになりますので、これは、特別会計によりまして国庫に吸い上げて納めるという制度を新しく実施いたしたいと考えまして、目下法案等につきまして検討中でございますが、その間の暫定的な問題として、ただいま井上委員の御質問の問題等もありますが、リンクを実施いたしません、リンクからはずれましたものにつきまして、そのままほうっておきますと、製糖工業者なり中間の段階に利潤が流れてしまうことになりまするので、認可の条件といたしまして、一定の差額を今後指示するところへ納めてもらいたいという希望条件をつけておることはございます。法的根拠その他御異議があると思いますが、暫定措置といたしましてそういう措置をいたしたことはございます。
  154. 井上良二

    ○井上委員 主税局では、さような処置は妥当と考えておられますか。昨年砂糖の消費税の値上げの法案が本委員会に付託されましたときに、砂糖は今日主食化しておって、国民生活の必需品となっている。ぜいたく品にあらず、粉食を半月以上せなければならぬ一般国民の食生活の上から、砂糖の価格は、できるだけ国際的な価格より安くすべきである。それに砂糖の消費税を引き上げることは妥当でないということで、相当議論のあったことは御存じの通りであります。しかるにその法案が成立いたしました後において、何ら法律的な根拠も持たず、予算的な処置も講ぜず、会計法上きわめて疑義のある処置が砂糖をめぐって通産当局においてとられておることについて、主税局としては、それをこのままでいいとお考えになったのですか、それを伺いたい。
  155. 渡辺喜久造

    ○渡辺政府委員 問題は二つに分れると思います。一つは輸出リンクの関係で一応輸入権を輸出業者に与えた。それで、それが糖価の値上りの原因になったといったような一つの点につきましては、われわれの方といたしましても、そういう措置がいろいろな意味におきまして弊害があるということで、われわれの方も話しまして、これは本年度一ぱいでやめるということで一応政府としての方針はきまった、こういう点を御了承願いたいと思います。われわれもそこに弊害があるということで、こういうことはおもしろくないのではないかという話し合いを進めまして、一応本年度一ぱいといいますか、この三月でおしまいになる。片方で輸出振興というような一つの大きな目的はありましても、やはりいろいろな意味で弊害を持つがゆえに、これはやめるべきではないかということで、これはやめになった。この点が一点だと思います。  それから第二の点は、一体特別会計を使って、そういう特殊な金を税以外の形でもって砂糖から取るのがよいか悪いか、この点の問題だと思っております。もしあらゆる砂糖についてある一定の負担をするんだというなら、これは砂糖消費税と同じ性格のものではないか、従いましてその場合におきましては、これはもう砂糖消費税としてむしろ御審議を願うべき問題ではないか、かように考えております。ただ、たとえばキューバ糖は九十五ドルで入ってくるが、台湾糖は百十五ドルしている。そこに二十ドル差があるので、キューバ糖の割当を受けた者は非常に有利な立場に立つ、あるいはこれに相当利権的な関係が立つ、こういう事態が一つあるわけであります。同時にいろいろ伺いますと、将来砂糖の輸入は、ドル価が現在のような状態にある限りにおきましては、むしろ台湾糖なり、そういった方向に輸入を向けざるを得ない、こういう点を考慮いたしますとき、たとえばキューバ糖と台湾糖との開きに相当する部分を、要するにキューバ糖を輸入する者から取り上げる。これはもちろんそれ相当の法的措置は要ると思いますが、そういう考え方がある場合、これは砂糖消費税の領域の問題の外にありますので、従ってそういう措置がよいか悪いかまだ議論しておりますが、それを取り上げるという考え方があった場合、これは砂糖消費税とは別個の問題ではないかというふうに考えております。  それからもう一つ今議論されておりますのは、台湾糖のようなものにつきましても、そう早急に値段が下らないかもしれぬ。従って一つのきわめて短期間の過渡的な措置として、そのまま輸出リンクをやめてしまって、なまの割当でもって砂糖業者にやったとき、砂糖業者にいたずらにもうけさせることにならぬか、従って過渡的な措置でそういうことを考え、将来糖価をだんだん落ちつけていく過渡的な期間、そういうことで考えられぬか、この問題が一つございます。これは私の方といたしましては、その理由がはっきりして、同時にきわめて短期間の過渡的な措置というなら、これも砂糖消費税の領域の外ではないかというふうに思っております。ただ砂糖消費税を引き上げるかわりに、その為替に対して一定の金を取る。これは砂糖消費税とまさに目的も競合しますし、やり方も競合しますから、それはどうしてもそういう必要があるなら、砂糖消費税の引き上げという姿において御審議を願うべきもので、特別会計という何か妙にまぎらわしい姿でもって処置すべきものじゃないんじゃないか、これが私の意見であります。
  156. 井上良二

    ○井上委員 私が一番この問題について遺憾に思いますのは、砂糖消費税という正当な法的根拠に基いて取られるならともかくとしまして、通産行政の一つの行政のワク内において特殊な産業、特殊な種目に限ってこの益金が使われておるということです。そういうべらぼうなことが、法的な裏づけもなしに、予算的措置も講ぜずに、一体通産省の一官吏の職権においてやれるかということです。しかも国会が開かれてないときにそういうことを勝手に政府の方で政策的にきめられて、そうしてそれが何ら国会の事後承認を得ず、一官吏が法律の命ずるところにも従わず、予算的措置としてもきめられておらぬものを、たとえばこの業者にはこれだけのドルを割り当てる。このドルによってこれだけの砂糖を買い入れたときには、これだけの特別の金を払うかどうか、払わなければ許可しない、しかもその割当が非常に不明朗なんです。いろいろな問題が至るところに起っておる。そういうことが一体許されましょうか。行政措置としてそういうことは絶対許されないとわれわれは考える。そういう点について、何ら責任のある明確な線が打ち出されていない。これが単に百万や二百万の金なら、われわれも何をか言わんやでありますけれども、数億の金が−おそらく数億でないかと私は推定いたしておりますが、数億の余が特定業者のために、一般国民の血の出るような犠牲において使われている。それが国会の承認を経て予算化し、また国策としてやるのならば、われわれはまた政府を大いに鞭撻して、その方向に仕事をしてもらいたいけれども、法的に何ら国会の承認を得ずに、特定の人が特定の方向に条件をきめて、特権的地位を利用してやるということは、あまりにそれは行き過ぎじゃないかということをわれわれは考えるわけであります。そこで問題は、この法律によらず、予算的措置によらずにやったことについて、通産省当局は一体どういう責任をおとりになりますか。この点に対して明らかな御答弁を願いたい。これは全消費国民の上に大きくかぶさっておるところの犠牲の上に行われておりますから、これが税金の形で吸い上げられて、そうして補助金の形で出されているということなら、われわれは何も言わぬのであります。ところが税金の形ではないのです。一部局の考え方一つによって左右されておるのです。そういうことが国の政治として、一体許されましょうか。この点について責任のある御答弁を願いたい。
  157. 大堀弘

    ○大堀説明員 私、事務当局の者といたしまして、ただいまの問題の措置の容につきまして、御説明申し上げたいと思います。先ほど御説明申し上げましたように、リンク制そのものは三十年度から打ち切ることにいたしまして、二十九年度中は、従来輸出振興のためにやむを得ずとって参りました方法でありますので、過渡的な整理として下期にやったのでありますが、その整理の段階で、ただいま御質問のようなリンクいたしません部分について、そのまま放置いたしますれば、結局国内の価格は、現在の価格から見ますると、やはり一定の利潤が割当を受けた人にいくわけであります。これはリンク制度との切りかえの段階といたしまして、やむを得ずその差額だけは積み立てておいて一これは本来税金で国家に入るべきものと考えておりますが、これは一つそういう意味におきまして、会社の利益としないで供出していただきたいということの条件をつけて措置いたしておりますものが若干あります。この措置につきましては、いろいろ御批判があるかと思いますが、私どもとしましては、リンク制度ないしそういった制度を打ち切ります過渡的措置といたしまして、やむを得ずそういう措置をいたしておる次第でございます。
  158. 井上良二

    ○井上委員 大堀さんにその責任を追及するということは、政府委員でもありませんから、はなはだどうも遺憾に存じますけれども、しかし事態をもっとはっきりしていただいて、責任のある政府委員出席を願いたい。御承知の通り、この問題については、実は昨年の臨時国会においても、私が当時委員長をしております時分にも問題にしておるのです。その当時、今あなたがお答えになりましたように、輸出振興の非常措置としてやむなく行政的にとった措置であるから、三十年度からはもうやらないという話であった。従って、今後は一切そういうことはやめます、国際的にもダンピングその他の関係もあって、いろいろ問題になっておるときであるし、国内的にもいろいろ問題があるから、そういうことはやめます、こういうことであった。ところがあなたも御承知の通り、最近インドネシアとの清算勘定をいたしますに当って、トル地域の砂糖を輸入する際に、トン当り六十ドルのプレミアムをこれにつけておるでありましょう。つけてないですか、一体その誓約はしてないということになっておりますか。私は先日もこの問題をうわさに聞きましたから、わざわざ通産省に、さようなことははなはだおかしいから、国会も開かれていることであるし、もし通性省がその方向が妥当であるとするならば、法的な根拠をお持もちになったらどうですか、法案を至急に提出して、国会審議を得た上でおやりになったらいいではありませんかということを注意してあるのです。ところがその性意をした後において、あなたの方では貿易業者との間に誓約書をかわしておるじゃありませんか、誓約書をかわしてないとここで申されますか、どうでございますか。インドネシアとの清算勘定をするに当って、砂糖輸入について、トン当り六十ドルのプレミアムをつけて、それを政府の指定する特別の機関に納めることを誓約をせいという誓約書を、業者にあなたの方は出させておるじゃありませんか。そういうことが一体許されますか。どの法律によってさようなことができるのですか、それを明らかにしてもらいたい。
  159. 大堀弘

    ○大堀説明員 インドネシアとの関係は、御承知のように非常に出超で、滞貨債権がたまっておりますので、これからなるべく債権を回収する意味におきまして、年度末に一万数千トンの砂糖だけでございますが、これをキューバ糖にスイッチいたしまして、輸入許可をいたしております。キューバ糖ば今主税局長が申しましたように非常に格安でありまして、非常な価格差益が生ずるわけであります。リンク制度を打ち切ったのでありますが、この際それをストレートで輸入業者に与えますことは非常に問題である。価格差益をそのまま利潤として与えることは問題がありますので、私どもははなはだ不本意でありましたけれども、一定の差益だけは積み立てておいていただくというお約束をいただいて取扱っておるような事実はございます。
  160. 井上良二

    ○井上委員 私はあなたの方の部下の方から出た資料をここに持っておる。それによると、三月二十八日付で行われておるように考えておる。一体国会が開かれておるのに、そういうことがどうしてできます。それであなたの方は特別な機関にその差益金を積み立てろと言うが、その金はどこで使おうというのです。そんなことが一行政機関によって勝手にできますか。そんなことなら大蔵省もくそもいらないじゃないか、勝手にみなおやりになったらいいのだ。そうでしょう。ここには利益があるからというて、一部局が勝手に業者と契約して誓約書を入れさせて、その利益は政府の指定する機関に積み立てろ、そういうことを一体どういう法律予算的措置によってやっているのです。そんたことはできませんよ、あなた。それから積み立てた金は一体どこへ使うのです。使うのは法的にも予算的にも明らかにされていないです。インドネシアに焦げついておる債権の処理は急を要する仕事でありますから、これに対してあなた方が、通商局としていろいろな観点から、この債権取り立てに必要な措置を講ぜられることは当然の義務であります。義務でありますが、それはあくまで必要なる法的措置をせなければなりませんし、予算的措置をする必要があれば予算的措置を講じた上でやるべきである。その手続がとられていないじゃありませんか。私どもはすべきであるということをたびたびあなたの方に要求してある。しかるに、国会が開かれていたければともかくも、国会は開かれておる、開かれておるから、あなた方の構想に伐る新しい特別会計の制度なり、あるいは他の制度なり、何かの制度によってあなた方はやられたらいいのです。その処置をとらずに、一体どういうことでそういうことをされるのですか。そして積み立てた金はどこで使い、だれがそれを使うことを命令するのです。どの法律を根拠にして、予算的措置によってそれをやろうというのですか、全然それは明らかじゃないじゃありませんか。それは、もう大堀さんはちょっと無理かわかりませんから、通産大臣なり、あるいは通産次官の出席を願いたい。この問題は国会を無視し、法花と予算を無視したやり方でありますから、簡単に私はこれを打ち切るわけには参りませんから、委員長において、しかるべくこの問題については処置をとっていただきたい。これ以上大堀さんを責めてみても仕方がないし、また大蔵当局は、かようなやり方に対してどうも筋道が通らぬという考え方をお持ちのようでございますし、やるならば、やはり税金の上ではっきりしておいてやるがよいという明らかな見解もとられておるようでありますから、大蔵当局に対して私はこれ以上質問はいたしませんが、通産当局としては重大なミスをやられておりますから、この点については究明していかなければいけませんから、責任ある政府委員出席を要求いたします。
  161. 春日一幸

    ○春日委員 本問題はまことに重要な政治問題でありまして、すみやかに問題の真相を明らかにいたさなければ相ならぬと思うのでございます。従いまして、この問題をこのまま等閑に付するわけには相なりませんので、井上委員が要求されたがごとく、すなわち直ちに通産大臣、通産大臣がどうしても御都合が悪ければ、少くとも次官が本委員会に出席されて、事柄の詳細を明らかにされたいと思いますので、その当事者が本委員会に出席ができますまで、委員会は暫時休憩されたいという動議を提出いたします。
  162. 松原喜之次

    松原委員長 この際暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  163. 松原喜之次

    松原委員長 しからば休想いたします。    午後三時十七分休憩      ————◇—————    午後三時二十九分開議
  164. 松原喜之次

    松原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国営競馬特別会計法廃止する法律案期限の定のある租税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例期限を変更するための法律案の三法律案一括議題として、質疑を続行いたします。横路委員
  165. 横路節雄

    横路委員 文部大臣お尋ねいたしますが、ただいま当委員会に、補助金等臨時特例等に関する法律案がかかっておりまして、文部省関係は六件でございます。一つは公立高等学校定時制課程職員費国庫補助法の施行の停止、第二番目には社会教育法に基く補助の特例、第三番目は、図書館法に基く補助の特例、第四番目は産業教育振興法に基く補助の特例、第五番目は博物館法に基く補助の特例、第六番目は小学校の一年生に対する教科用図書の供給に関する法律の施行の停止でございますが、これは前の安藤文部大臣から松村文部大臣は引き継ぎがあったのではないかと私どもは新聞では了承しているわけです。それは、新たに入学する児童に対する教科用図書給与に関する法律の施行につきましては、ことし小学校の一年生に入る二百四十万の生徒、そのうちの教科書の一部、約五億二千万については、前安藤文部大臣はとにかく文部行政を担当している主務大臣として、あくまでもこれをやりたい、こういうわけなんです。ところが今度の四、五月の暫定予算には出ていないわけです。今参議院で審議中であります。そこでこの補助金特例に関しましては、政府の方としては六月まで延期をしてもらいたい。六月まで延期をすれば、実際には昭和三十年度に入る生徒についてはやれないということになる。政府は実際にはやる腹がないのに、いかにもやるようなことを言うておる。三月三十一日でこれを延期をするというのでなしに、ほんとうにやれないのであるならば、いっそのこと停止でなしに、これはやらないのだ、こういうことにすべきでないか。やれないのにやれるような顔というと大へん失礼ですが、そういう考え方のもとに六月三十日まで当分の問延期してもらうということはおかしいじゃないか。大蔵当局は実際にやれないといっておる。やれないものをどうして六月三十日まで延期なさるのか。それとも文部大臣は、新しく文部行政を担当するという意味でおやりになるのか。どうもいろいろ新聞では、民主党は文教政策のうちの重要な点として、教科書問題については何か非常な関心を持っておる。こういう点等もございますので、文部大臣に私は、やれないならばやれない、やるならやるということをはっきりしてもらいたい。検討中だということは、事務的にはできないという点がはっきりしておりますので、この点を明らかにしてもらいたいと思います。
  166. 松村謙三

    ○松村国務大臣 お答えを申し上げます。教科書の無料配付の法律は一年間停止になっておる。それを安藤前任大臣がぜひ復活したいということで、熱心に大蔵当局に要求されましたけれども、それが実現をいたしませんで、すでに安藤さんの御在任中に、これはいたし方ないということも申されております。従って私は、これに対する引き継ぎを受けておりません。しかし何とかしてできればと思ってなにをしましたが、すでに暫定予算は組み上っておりますし、緊縮政策に対する補助の一定の停止の方針もきまっておりますので、遺憾ながら暫定予算にこれを細み入れることはできませんでした。私はもうこれでやらないんだとは思いません。もちろんこの法律は生きていて、停止しているだけでありますから、財政の都合が許さるるときには必ずこれを復活される、こういうふうに考えておりますけれども、今年度内においては、すでに四、五という教科書の要る月に予算を組むことはできませんから、従ってお話通り、きっぱり申しますれば、遺憾ながら教科書の無料配付は四、五にはやり得ないのでございまして、六となりますと、私は本予算に組むように努力をいたしたいと思いますが、しかしそのときになって買わねばならぬ教科書はほとんどないというようなことになるおそれもありますので、現在の実情をありのままに申し上げますならば、さようなことでございます。
  167. 横路節雄

    横路委員 文部大臣からしごく率直に御答弁をいただいたわけですが、そうなると、これは主計局の次長にお尋ねをしたい。どうして昭和三十一年の三月三十一日まで停止するというふうにしないのです。これは実際にできないのに、いかにも七月一日からできるようなことを考えて出されるのは、はなはだ私は奇怪しごくだと思う。それならば当然この提案を直して、文部関係については、昭和三十一年三月三十一日までこれを停止するとなさるべきで、いかにも七月一日以降に検討を加えて、できそうだという格好でなされることについては、今の文部大臣答弁とあわせて、はなはだおかしいと思う。そうすればこの法案については、今委員の方もお聞きのように違うのですから、これは別途にはずしてやってもらいたい。この点はどうですか。
  168. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 この補助金等臨時特例等に関する法律暫定予算期間中延期することにつきましては、すでに提案現出の説明にも申しております通りでございまして、現内閣といたしましては、ただいま文部大臣も仰せになりましたが、いろいろと補助金の問題については、本予算その他の機会においてなお根本的に検討を加えられるはずでございますので、とりあえず暫定予算の編成に関連をいたしまして、予算法律との間のギャップをなくするということが先決問題でございます。従いまして、この特例法の成立を見ました国会からの状態を一応暫定予算期間中継続さしていただく、こういうきわめて事務的な考え方をもちまして、時限法の延長をお願いいたしている次第であります。すなわち暫定予算の編成方針並びにこの法律の提案の趣旨といたしましては、まだ政策的にどうする、こうするという方針を打ち出さないで、要するに暫定予算期間中、法律もその予算に合せておいていただく、こういうきわめて事務的な考え方から、この提案を申し上げているような次第でございます。ただいまの文部大臣お話は、私どもとしましても十分御趣旨はわかっているのでありますが、さような事務的な関係からこの法律の提案をしている次第でございます。
  169. 横路節雄

    横路委員 文部大臣お尋ねいたしますが、文部大臣就任以来、私ども別に委員会、あるいは本会議等で文部大臣の文教政策についてお尋ねする機会はもちろんありませんでした。しかし補助金等臨時特例等に関する法律の中の文部省関係は、大臣が新聞等で発表されている、いわゆる一般的な社会教育というものに対して非常に関心の深いものが多く入っているのです。たとえば公立高等学校定時制課程職員費国庫補助法の施行の停止です。この公立高等学校の定時制課程というのは、大臣も御承知のように、いわゆる勤労青年に対する教育機関として最も充実をしなければならぬ。それが昭和二十八年度においては、国庫が都道府県において要する経費の十分の四を補助することになっておりましたのを、昭和二十九年度はこれを停止したのであります。今日市町村における財政が非常に負担が過重だというのは、教育費の負担が過重になっているわけです。だから大臣としては、この勤労青年に対する教育を熱心にするということになれば、当然こういう問題は、この時限立法については復活させなければならぬ。その次は社会教育法に基く補助金特例です。これも公民館を設置する市町村に対する公民館の職員費だとか、事業費その他の問題。あるいは図書館法に基く補助金特例法、産業教育振興法に基くもの、あるいは博物館法に基くものというように、これは大臣の、われわれが新聞で承わっているいわゆる社会教育について非常に関心の深いものなんです。これはもう大臣御承知のように、昭和二十九年度においては、保安隊から自衛隊に切りかえられたために、急速に膨大になりました防衛費の負担が急激であったために、こういう措置をとられたものと思う。従って私は大臣が、いわゆるこの文部省関係補助金特例についても—教科書のいわゆる無償配付については、大臣今率直にとてもだめだというようなお話でございましたが、その他五つの社会教育関係のものについても同様にお考えになられるのか。またはこの点については、社会教育という広汎な立場、あるいは勤労青年の教育という立場において−これは六月三十日までの暫定であるが、大臣としては責任を持って、七月一日以降において、昭和三十年度の本予算の中にこの補助金等を再び生かしておやりになるのか、この点について、一つ大臣のお考えを承わりたいのであります。
  170. 松村謙三

    ○松村国務大臣 私が社会教育について重大な関心を持っておりますことは、お話通りでございます。今の定時の何は、暫定予算関係上やむを得ませんと心得ておるのでございますが、本予算の編成にあたりましては、それをそのまま復活する線は別といたしまして、この社会教育の面には相当に新たなる予算を得たいと現在努力をいたしておるわけでございます。
  171. 横路節雄

    横路委員 大臣も参議院の予算委員会との関連もございましょうから、あと簡単にお開きしたいと思いますが、うすると社会教育関係につきましては、いずれ大臣が御自分の所見をもつて、この補助金の復活に直接つながるかどうかは別として、別途に考えるというお話でございまして、この教科書の無償給付については、昭和三十年度についてはやらないということははっきりしましたが、昭和三十一年度については考えるのか、それとももうこの教科書の無償給付というものについては全然やめて、何か特別な教科書の制度というものを大臣はお考えになっているのか。昭和三十年度はやらないということはわかりました。しかし三十一年度についてはこれを復活なさるのか、もうこれはこれで廃案にしてしまって、全然別な教科書制度というものをお考えになるのか、その点は大臣はどうお考えになりますか。
  172. 松村謙三

    ○松村国務大臣 私はこの制度を維持いたしたいと考えております。復活いたしたいと考えております。従って、それは三十年度におきましても、今度の本予算にはかりにほんの一部のものだけしか−もう時期を失しているから無料給付はできませんでも、この法の復活だけでもはかりたいとただいまは考え、努力をいたすつもりでございまして、従って四、五ということで一応区切ったということも、その意味においてなお努力をいたす余地を持ちたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  173. 横路節雄

    横路委員 今の大臣の御答弁を聞いていますと、一番最初のとはちょっと御答弁が違ったといいますか−この法律についてはあくまでも復活を考えて、中間においてもおやりになるということなんです。中間でもやろうと思えばやれないわけではないのでございます。公企業のことだってあるのでございますから。そうすると大臣は、この点については昭和三十年度先ほどお話では、昭和三十年度についてはやれないというお話、率直にそういうふうに承わったのですが、しかし今のお話では、昭和三十年度の中間においてもやれるというお話、これはどちらがほんとうというとおかしいのですが、どちらの方を承わっておけばよろしいのでしょうか。
  174. 松村謙三

    ○松村国務大臣 もしもさきに申したことがそういうふうに御印象になりましたならば、私の申し上げ方が悪かったと思います。やはりこういうふうに二回に区切ってのことになりますれば、本予算のときにはぜひその復活に努めたいと考えておるわけでございまして、もうこれでそういう無料の配付はあきらめたという意味ではございません。続いて努力をいたし、教科書の無料配付をやっていきたい、こういうふうに考えておることを御了承願いたいと思います。
  175. 横路節雄

    横路委員 それではお尋ねいたしますが、かりに国会で、六月三十日までの延期でなしに、三月三十一日でこの時限立法廃案になってしまった。こういう場合にでも−これは国会でそういうふうにきまれば、当然三十年度予算に組まなければなりませんね。その点はどうでございますか。
  176. 松村謙三

    ○松村国務大臣 政府の一員といたしまして、責任上四、五は無料配付をやらない、従ってその法律を出しました以上は、この事情を了としていただきまして、ぜひこれを通していただきたい。これが否決せられた場合のことは、今案は私としては想定いたしておりませんのでございます。なお事務の方からも御説明申すことがありましたら……。
  177. 横路節雄

    横路委員 どうも大臣はこの点−きのう予算委員会通りました附帯決議補助金の問題、これはきのうこういうことにきまったのです。初めから私たちは、四、五月の暫定予算については、補助金が計上されないものと了解しておった。ところがきのうの予算委員会自由党の方から附帯決議がつきまして、昭和二十九年度からずっとつながっている補助金については、これを昭和三十年度の本予算に計上することになった。そうすると、これもやはり補助金なんです。補助金なんですから、従って当然昭和三十年度の本予算において−これは今は六月三十日まで延期してもらいたいという時限立法であっても、四月一日からいわゆる法律が生きるものならば、技術的な問題は別にして、法の精神からいけば、当然昭和三十年度においては、四月一日以降にこの補助金特例が生きてくれば、当然昭和三十年度の本予算には、法の建前としてはほ新入生のこれは組まなければならぬ。大臣、その点どうですか。だからどうしても四月において、やれないというのであるならば、これは来年の三月三十一日までこの時限立法は延期しなければならぬ。法の精神から行けばそうなんです。この点はどうなんですか。
  178. 松村謙三

    ○松村国務大臣 私からお答えをいたしますか、あの附帯決議ですべてのものが復活するというわけではございませんで、さらにいろいろ検討をいたしてするわけでありますから、今ここでこの問題について申し上げることは、ちょっと遠慮させていただきたいと思います。
  179. 横路節雄

    横路委員 大臣、そうではないのです。私のお聞きしておるのは、この三月三十一日までの時限立法を六月三十日まで延期して、大臣はこれをぜひとも復活したいというのならば−そこで四月一日からこの法律が復活してくれば、当然昭和三十年度の本予算の中には、新入学の生徒に関するところの教科書を見なければならない。法の建前からいえばそうではありませんかと聞いておる。だから昭和三十年度については、事実上できないのであるというのならば、六月三十日までの時限立法は、来年の三月三十一日までに延期をしなければならぬ。法律上はそうではないですか。
  180. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 文部省の事務当局から御説明をいただくのがあるいは適当かと存じますが、この点につきまして、午前中私の方の法規課長がお答えを申し上げたようでございます。第五条に「管理機関が当該小学校の校長を通じて児童に対し給与した教科用図書について、その対価を第六条に定める方法により支払うべき旨の契約を締結することができる。」という規定がございますが、今回の暫定予算には予算が計上されておりません。また特例法案が延期になりますると−その御講決を願っておるわけでございますが、かりにこの法律が提案通りお認めいただけますれば、これは法律によってもその規定が停止になるわけであります。そこで実際問題といたしまして、四月、五月、私どもとしては契約権がないわけでございます。しかし児竜が教科書なしに一日として過ごせるわけではございませんので、実際問題としては、各父兄が全部御自分の負担でお賢いになる。もとより生活困難な方々については、生活保護法によって教育扶助が行われるわけであります。そこで私どもといたしましては、事務的な現実の解釈としては、昭和三十年度に新たにお入りになる学童の方々には、実際問題として教科書を無償でお配りするということは考えられないのではないか、かように実は存じております。
  181. 横路節雄

    横路委員 それでわかりました。文部大臣、今の主計局次長答弁文部大臣の最初の答弁とは同じなんです。それをあとで文部大臣が、いかにもまた復活しておやりになるようなことを言うから、私は聞いたわけなんです。今主計局次長が言ったように、昭和三十年度においては、遺憾ながらできませんと大蔵当局が言うのだから、できないわけです。それであるならば、私はこの法律は来年の三月三十一日まで延期すればいいと思う。それでも差しつかえないんじゃないですか。来年の三月三十一日まで延期することが、昭和三十年度においてはできないということの意味をより的確にすると思う。
  182. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 この点につきましては先ほどお答えを申し上げましたように、なるほどこれは四月早々に配るという規定でございますから、一度だめならば年度間だめじゃないかという御質問だと思います。実はそういう補助金はほかにもあるのであります。たとえば農業関係で、四月に金を出さないと一年間だめだというのがあるわけであります。それを一々書き分けてはたいへんな手数でございまするから、先ほど申し上げましたように、暫定予算期間中この法律をさらっと延ばしていただくという事務的なわれわれの考えからいたしまして、やはりそこは二ヵ月なら二ヵ月というふうに一律にお延ばしを願っておいて、さて本予算を出しますときにどうするかをおきめいただいてつないでいただく、これは引続き国会が開会中でございますから、そういうふうにお取扱いいただくのが便利ではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。
  183. 横路節雄

    横路委員 次長にお尋ねしますが、これは昭和三十年度に限ってできないということにはならないのです。この法律が四月一日から生きてくれば、教科書は何も前期ばかりではない、後期もあるのですから、後期だって、二百四十万の生徒について五億二千万組んだって差しつかえない。私は先ほどから文部大臣の話を聞いておると、後期用についてはやるのかと思ってみたり、今主計局の次長の話を聞いてみると、まるっきりやらないと言う、これは一体どうなんですか。
  184. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 最初にお答え申し上げましたのは、学年の初めのことをお答え申し上げたわけでありまして、これは文部省の事務当局から詳しくお話があるかと存じますが、あとの問題につきましては、かりに二回にわけてということになりますと、おのずからそれに対する予算なり法律の措置はいまだできておらぬのでございますから、いわば将来の未定の問題として、今後大蔵省と両方で御相談を申し上げなければならぬ、かように存ずる次第であります。
  185. 横路節雄

    横路委員 そうすると、実は私ども午前中にいろいろお聞きしていて、また政府が出されて来たこの補助金等特例を見て、何か途中で復活なさるのではないか、このことについてはそういうかすかな期待を持っておったんです。期待を持っていたから聞いたのです。ところがお聞きしてみると、昭和三十年度に関してはまるっきりやりませんと言う。これは六月三十日まで延期して、四月一日以降この法律が生きて何かやるような印象を受けたわけです。しかしそれが、新入学の二百四十万の児童に対するわずか五億二千万の金もここで削ってしまわなければならぬということについては、どうも私は松村さんの前なんですけれども、民主党の文教政策としてはまことに残念しごくだと思うのです。自由党もずいぶんいろいろ非難されましたが、昭和二十八年度に関しては、自由党はこのことだけはよいことをやったわけなんです。それが二十九年に停止を食っている。せめて民主党はこれを生かすのかと思いましたが、実際におやりにならないという点が明確になったのですから、そういうふうに承わって私の質問を終ります。
  186. 松原喜之次

    松原委員長 石村委員より関連質問の申し出があります。これを許します。石村委員。
  187. 石村英雄

    ○石村委員 文部大臣お尋ねいたしますが、あるいは技術的に不可能な問題もあるかと思うのですが、文部大臣は大いに復活に努力したい、こういうお話で、国民も非常に期待を持つと思うのですが、しかしその点に対する文部大臣としてのお心がまえなんですが、大いに大蔵省と折衝せられて、だめだったから仕方がないということでは期待はずれになると思うのです。文部大臣として、あるいは職を賭しておやりになる、あるいは民主党を脱党してでもやるというだけのお考えがあっての御努力であったかどうか。その点をはっきりお聞きしたいと思います。
  188. 松村謙三

    ○松村国務大臣 その経過はさきにお答えを申した通りでございます。私は努力いたしましたが、この問題で進退をかけるというようなかた帯しい考えではやっておりませんけれども、できるだけの努力をいたしました。しかしすでに暫定予算の骨格ができたものでありますから、いかんともすることができませんで、今度四、五の予算に計上することができなかったことは遺憾に存じます。
  189. 石村英雄

    ○石村委員 私が質問したのは、この五月三十一日まで延ばすという問題ではなしに、本予算のときにどういう処置をおとりになるか、そのときも努力せられるという御趣旨に聞いたものですから。本予算のときにはあきらめてしまって、やらないという意味の御答弁だと考えられるのですが、その通りに解釈してよろしいのですか。
  190. 松村謙三

    ○松村国務大臣 それは、私の考えが先刻のお話で間違っておったかもしれませんけれども、私の気持は、四、五はいたし方ない。しかしながらそのあとにも、またやはり教科書給付の場合が本年度内にあると思いますから、それで本予算のときには努力をいたしたい、こういうふうに申したつもりでございまして、それが事務的に何か間違いがあるならば……。
  191. 石村英雄

    ○石村委員 教科書の問題だけではないと思うのでありますが、本予算についてはおやりにならないのかどうか。暫定予算の点は、もう予算が出ておるのですから、これはあきらめられたということがわかっておるのですが、本予算になると、またこれを繰り返して、一つ大いにやろうと考えておるというような御趣旨に受け取ったもんですから、お伺いするのですが、本予算では、補助金を整理した文教政策については、何も大蔵省と折衝されないという意思なんですか、どうですか。
  192. 松村謙三

    ○松村国務大臣 教科書ばかりの問題でなく、先刻お話のいろいろのものが何しておりますが、このうち必要なものは、できるだ本け予算に努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
  193. 石村英雄

    ○石村委員 それはあとの問題で、そういうかた苦しいことは考えないというお考えなんですか。
  194. 松村謙三

    ○松村国務大臣 かた苦しいというのは何ですけれども、これはやはりいろいろなあれがありますから、私だけで、これはどうしても地位を賭してでも通すんだとか、通さないとかいうようなところまでは申さなくても、社会教育なら社会教育を充実する意味において、できるだけの努力をいたしたい。それで教科書の問題でも、これからあとのことについては、また努力いたしたい、この程度に御了承願いたい。
  195. 横路節雄

    横路委員 今の教科書のことだけは、やはり事務当局が、何といっても法律的にできないんだと言う。できないんだというものを、また本予算のときに大臣が復活することに努力するというから話がおかしくなる。だから教科書についてはできない。そのほかここには五つの補助金その他あるのですから、この点については一つ別途努力したいという大臣と、事務当局の、ことに主計局の次長が法律的に絶対できないと言っていることは……。
  196. 緒方信一

    ○緒方政府委員 文部省事務当局として補足して申し上げますが、先ほど主計局次長から御説明がありましたように、現在の法律の第五条に基きまして、予算に基きまして政府教科書会社と契約をすることになっておるわけであります。従いまして、先ほどお話がございましたように、三十年度教科書を給付することにつきましては契約ができませんでした。これは非常に無理でございました。これはまだ大臣新任御早々でございますので、こまかい事務の説明等がまだ不十分でございました。そのことを……。   〔「そんなことを言ってはいけない「今のは取り消せ」「それは大臣をばかにすることじゃないか」と呼び、その他発言する者多し〕
  197. 松村謙三

    ○松村国務大臣 それでは、私の先刻申し上げましたことが私の思い違いであるようでありますから、一番初めに申し上げました通りに訂正をいたしますから、どうぞよろしく……。     —————————————
  198. 松原喜之次

    松原委員長 この際お諮りいたします。理事である山村治郎君より、理事を辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  引き続き理事の補欠選任を行いたいと存じますが、これは選挙の手続を省略して、委員長より御指名いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  200. 松原喜之次

    松原委員長 御異議なしと認めます。それでは委員長におきましては、加藤高蔵君を理事に指名いたします。  本日はこの程度にとどめ、明三十日は午前十時より開会することといたします。  これにて散会いたします。    午後四時九分散会