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1955-06-28 第22回国会 衆議院 商工委員会木材利用の合理化に関する小委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十年六月二十八日(火曜日) 午後二時二十五分
開議
出席小委員
小
委員長
中崎
敏君 齋藤 憲三君 笹本 一雄君 首藤 新八君 山手
滿男
君 小平 久雄君
永井勝次郎
君
松平
忠久
君 小
委員外
の
出席者
議 員
阿左美廣治
君 議 員
佐々木良作
君
通商産業事務官
(
軽工業局建材
課長
) 川田
博通
君
通商産業事務官
(
公益事業局ガ
ス課長
) 荒居 清蔵君 参 考 人 (
日本瓦斯協会
会長
)
本田
弘敏
君 参 考 人 (
山陽パルプ株
式会社社長
)
難波
経一君 専 門 員 谷崎 明君 専 門 員 越田 清七君 ――
―――――――――――
六月二十五日 小
委員田中伊
三次君同月二十四日
委員辞任
につ き、その補欠として
篠田弘作
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同月二十八日
松平忠久
君同月二十日
委員辞任
につき、
委員長
の
指名
で小
委員
に補欠選任された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
木材利用
の
合理化
に関し
参考人
より
意見聴取
――
―――――――――――
中崎敏
1
○
中崎
小
委員長
これより
会議
を開きます。 本日は
木材
の
高度利用
の
見地
から、
パルプ産業
について、また
薪炭材
の
節約
から
ガス事業
について、それぞれ御
出席
の
参考人
の
方々
よりその現況並びに
対策
に関する御
意見
を伺いたいと存じます。御
出席
の
参考人
の
方々
は
山陽パルプ株式会社社長難波経
一君及び
日本瓦斯協会会長本田弘敏
君であります。
参考人
の
方々
には、御多用中のところ特に本小
委員会
に御
出席
下さいまして、厚くお礼を申し上げます。 まず
難波参考人
よりお願いいたします。
難波経一
2
○
難波参考人
私
難波
でございます。本日は
木材
の
利用合理化
の件に関しまして特に
参考人
としてお呼び出しを受けましたので、
一言
私から、
パルプ材
、すなわち
木材
の
利用合理化
の今
パルプ業界
としては一番の焦点になっております
広葉樹利用
の点につきまして述べさしていただきます。 御存じの
通りパルプ業界
は、戦後急速に
戦前
の姿を回復しつつありまして、現在では
戦前
以上になっておりまして、その
稼働率
も非常に高いのでございます。しかしながら
木材
の
高度利用
の
見地
から、
木材
の
パルプ需要
というものは急速に
増加
しておりまして、非常に回復してしかも高度の能率を上げておるにもかかわらず、
パルプ
は年年
不足
を告げておる
状況
であります。昨年は
人絹用パルプ
におきましても、七、八万トンの
輸入
があったと存じます。また紙の方についても
相当量
の
輸入
があったのでございます。今年は幸いに昨年来急速に
設備
も
増加
いたしましたので、
輸入量
はやや減って参りましたが、それでも現在
人絹用パルプ
につきましては四万トンの
輸入
をきめられておりますし、さらに
不足分
を考慮いたしまして、現在二万トンだけは
輸入
の
予備分
としてとってございます。なお
製紙用
の
パルプ
に関しましては、一応昨年末以来在庫がありましたので
輸入
は
スト
ップされておりましたが、昨年秋以来また
製紙用パルプ
も
相当不足
を告げて参りましたので、現在少しく
輸入
の
計画
もありまして、近く少し
製紙用パルプ
も
輸入
されるという
状況
でございます。従いまして、どうしても
パルプ
を増産しなければ
日本
の
重要産業
であるところの化繊あるいは
製紙業界
に
不足
を告げておる
現状
でありますので、これをふやすにつきましては、御
承知
のように
針葉樹
の
需要
というものはもう
相当
な
限度
に来ておるのであります。従いましてどうしても
闊葉樹
の部面を開拓いたしまして――これは御案内と思いますが、
広葉樹
が
工業
の原料になったことは従来あまりございません。大体家具とか
薪炭用
に使われておりましたので、重要な
工業資源
とはなっておりませんでした。しかしどうしてもこの
広葉樹
の
利用
をはからなければ、
日本
の材の蓄積から申しましても
パルプ
は
不足
するという
状況
が数年前からはっきりして参りましたので、われわれ
業界
におきましては、数年前より
広葉樹利用
の
見地
から、いわゆる
KP
、
クラフト
・
パルプ
の
工場
の増設に邁進して参りました。幸いにして現在までに
相当
見るべき成果をあげておりますが、これは世界的に
広葉樹
の
利用
をはかっております
技術
の
進歩
と同時に、われわれとしてももっともっと
広葉樹
を使わなければならないと考えております。これが本日参りまして
広葉樹利用
に関して
一言皆様
にお訴えしたいということでございます。 と申しますのは、なるほど
広葉樹
を使うについて、その
技術
も
相当
進歩
いたしました。しかしながらこの
技術
は
米国
を中心として最近非常に発達したものでございます。従いまして
日本
でこれを実行するには、どうしても
最新式
の
設備
をもってやらなければなりませんし、ある機械は
米国
から
輸入
しなければならぬというような
関係
もございまして、
設備
をするのに
相当
の金がかかるのでございます。従いましてこれの一部を
国家資金
によって、せっかく今まで芽ばえてきたこの
産業
を何とかしてもっともっと軌道に乗るように御奨励願いたいのがわれわれの
趣旨
なんであります。詳しいことは時間をとりますので、御
質問
によりましてお答えをしたいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
中崎敏
3
○
中崎
小
委員長
次に
本田参考人
よりお願いいたします。
本田弘敏
4
○
本田参考人
ただいま御
指名
を受けました
本田
でございます。私は東京瓦斯の
社長
で、
日本瓦斯協会
の
会長
を兼ねておるものでございます。本日は、
皆様方
の御
配慮
によりまして、さきに
重要国策
として
閣議決定
を見ました
木材資源利用合理化方策
の
推進状況
について御
調査
になるため、御
指名
をいただきまして、われわれ
ガス事業者
が当面しております重要問題について、
参考意見
を申し述べる機会をお与え下さいましたことに対しまして、
ガス事業者
を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
国会
におかれましては、去る第十九
国会
以来、
木材資源
の
消費節約
並びにその
利用合理化
は、
国家
的にきわめて重要な問題であるといたされ、また当
委員会
におかれても、この問題についてはかねてから広く各界から
意見
を徴せられて、慎重に
調査検討
をなされましたところであります。その結果、緊急に
木材資源利用合理化方策
を確立すべきであるとの結論に達せられまして、すみやかにその
方策
を確立するよう
決議
されましたところ、
政府
は、去る一月二十一日の
閣議
において、
木材資源利用合理化方策
を決定されるに至ったのであります。しかしながら、この種の
閣議決定
は、しばしばなされているにかかわらず、これを具体的に実行する
段階
になりますと、その具体的な施策が今日なお、なされていないため、その効果が一向現われない
現状
であります。たとえば
政府資金
の
融資
は、鉄鋼、
石炭
、
電気等
の
基幹産業
が常に優先しておりまして、
ガス事業
に対しましては、昨年度の
開銀融資
のごときはわずか二億円にすぎなかったのであります。
政府
のこのような政治のあり万につきましては、当
委員会
におかれまして特に御心配になり、昨年十二月六日には、
石炭
、
ガス
の
普及
のみでも、毎年二千三百万石に達する
木材
が
節約
せられ、毎年一千億前後にも達します山林の過伐による
風水害関係国費
が節減されるなど、
都市ガス
の
拡充
は
国民経済
に多大の利益をもたらすことになるのでありますから、
ガス
の
拡充貸金
五百億円のうち百数十億円は
政府貸金
の
融資
をなすよう、
木材使用
の
合理化推進
に関する
決議
がなされましたことは、ひとりわれわれ
ガス事業
に携わる者の
喜び
であるばかりでなく、
国民
の一人としても
喜び
にたえないところであります。また、当
委員会
の御要望によりまして、われわれ
民間側
で組織いたしております
木材利用合理化推進本部
の経費の一部、わずか八百万円の
国庫補助
をお願いしておりましたところ、
政府提出
の
予算
では、これを全額削減されてしまったのであります。当
委員会
におかれましては、
政府
のこのような行政に対しまして引き続き御
配慮
下さいまして、去る五月二十七日にこの
補助金
の
復活決議
をなされましたところ、
政府
は、ようやく
木材資源
の
利用合理化
の重要であることを認め、
補助金
を交付することになった次第でありまして、
委員各位
の種々の御
配慮
に深く感謝いたしている次第であります。
わが国
の
森林資源
の
現状
や、その将来の見通し、
森林
の過伐、乱伐によってもたらされました
災害
などは、私から申上げるまでもなく、
委員各位
におかれてはとくと御
承知
のことでございますので、省略させていただきますが、今年もすでに去る五月十八、九日両日に、九州は
梅雨前線
の北上に伴いまして、豪雨に見舞われ、家屋の全壊、浸水、田畑の冠水、橋梁の流失、
堤防
の決壊、がけくずれ、
道路損壊
、
般舶破損
、
交通機関
の
不通等
の
被害
が続出し、わけても尊い人命を失い、
重軽傷者
多数に及んだと報ぜられています。また今回の
東北地方
の
風水害
についても同様であります。このようにちょっとした
雨量
でも、大きな
被害
を生じますことは、これこそ天災ではなく、むしろ
人災
であると存ずるものであります。戦後たび重なる
風水害
の
被害
がいまだ復旧していない
状態
で、本格的な
台風期
を目前に控え、毎年各地にしょうけつをきわめたあの悲惨な
被害
を思い浮べ、まことに暗たんたるものがあります。
わが国
の
資源
のうち、
循環資源
であります
水力資源
と
森林資源
とが、
気候風土
の
関係
から
わが国
に与えられた
唯一
の
天然資源
でありますが、戦時中から今日に至るまで
森林
を過伐、乱伐しました結果、この
唯一
の、しかも尽きることのない
資源
すらも、
人災
によって失われようとしている
現状
であります。今にしてすみやかに
森林資源
と
国土
の
保全
について真剣に考え、
抜本塞源的対策
を講じなかったならば、禍根はいよいよ増大し、後世史家の非難するところとなろうかと存じます。
森林資源
は、切るのはいとやすいのでありますが、育てるには非常な
努力
と忍耐とを要しますので、
委員各位
の強力な御
指導
のもとに、中国のような轍を踏むことなく、われわれ
日本民族
に与えられていますこの貴重な
唯一
の
資源
を保持して、緑したたる
国土
として、後世に残すことが、われわれの重大な責務であると思うものであります。 一昨年の
風水害
では、
わが国
民の受けた
被害総額
は実に五千億円に達するものであったと
専門家
が計算しております。また某
報道機関
にあっては、七日間にわたって「水と闘う」という表題のもとに、貴重な紙面をさいて報道したのであります。その当事の記事の見出しは「毎年丸ビルの幾百倍分の
土秒
」「
カミソリ堤防
」「
水没部落
の惨禍」「復旧を追い越す
雨量
」「国の
予算
はさっぱり」というようなものでありました。
災害
というものは、忘れたころに襲来すると申しますが、これを未然に防止しますためには、
木材
の
有効利用度
を高め、
消費
の
節約
をはかることが最も緊要でありまして、その手段は種々あろうと存じますが、大量の
家庭燃料
を
節約
することが、最も有効適切な
方策
であると考えるものであります。
木材
を
家庭燃料
として大量に
消費
しているのは
わが国
のみでありまして、
わが国
の
ガス普及率
は、現在一三%内外にすぎませんが、
欧米
ではすでに二、三十年前に、
都市
はほとんど一〇〇%
ガス化
されております。各国の
ガス
の
普及率
は、現在イギリスでは九〇%以上、
アメリカ
では八〇%以上、独、仏でも五〇%に達しているのであります。従いまして
石炭
の
有効利用
、すなわち
ガス化
、コークス化される率は、
欧米諸国
では
石炭
の総
消費量
の二〇%以上を占めておりますにかかわらず、
わが国
ではわずか八%にすぎないのであります。御
承知
のように、
石炭
をなまたきする一次
エネルギー
の形態にとどめないで、
ガス化
、コークス化する二次
エネルギー
に
転形
いたしますと、その
転形
の
過程
におきまして、各種の
石炭
の成分が回収されまして、ただに
資源
の
有効利用
となりますばかりでなく、
生産過程
が長くなりますので、それだけ
雇用量
を増し、
付加価値
が
増加
しまして、
国民経済
の発展にも非常に貢献することになるのであります。
先ほど
も申上げましたように、われわれ
民族
に与えられている
唯一
の
森林資源
を保護育成して、これを存分に活用できるようにいたしますためには、
ガス
を
普及
させることが最も適切な
方法
であると思います。 これこそわれわれ
ガス事業者
がになうべき
最大
の
国家的使命
でありまして、この
国家的使命
を果しますことこそ、本来の
公益的使命
をも果すことになりますので、われわれ
ガス事業者
はこのような
国家的社会的重大使命
を十分自覚いたしまして、つとに
昭和
二十七年末に
都市ガス施設拡充
五カ年
計画
を策定しまして、
ガス
の
普及向上
に全力をあげている次第であります。五カ年
計画
の過去二カ年の
実績
は、各
事業者
とも当初期待いたしておりました
国家財政投融資
はほとんど得られなかったのでありますが、
増資
の繰り上げと、
社内留保
により何とか
設備資金
をまかないまして、大
都市
では
計画
を上回る
実績
を上げ、全国的に見ましてもほぼ
計画
を達成することができました。 なお、昨秋以来の
コークス市況
の軟化と、当初
計画
以上の
ガス需要
の激増に伴いまして、旧
計画
を一カ年繰り上げた
新規計画
を昨年十二月に策定いたしたのであります。新
計画
では三十二年度において
需要家
を約二百八十五万戸とし、二十八億七千万立方メートルの
ガス供給
を目標にいたしております。これは立案当初の二十七年度に比較いたしますと、
ガス量
で十四億立方メートルの
増加
となり、これを原木に換算いたしますと二千六百万石以上に
相当
するのであります。
わが国
の
薪炭材
の伐採は毎年八千六百万石余でありますので、その三割以上のものがわずか三年間で
節約
されることになるのであります。 しかしながらこの
計画
を遂行いたしますためには、今後三カ年間に
設備資金
に約三百八十億、これに社債及び借入金の
返済
約二百二十億円、
増加運転資金
約二十億円、合計六百二十億円に達する膨大な
資金
が必要とされるのであります。 この
資金調達
をいかにして行うかが
最大
の問題でありまして、
拡充計画
の
達成いかん
はひとえに
所要設備資金
が順調に
調達
できるかどうかにかかっているのであります。
先ほど
も申し上げましたように、今までは
増資
の繰り上げでまかなって参ったのでありますが、
増資
にもおのずから
限度
がありますので、今後はどうしても
長期低利
の
国家財政資金
を多額に御
融資
願わなければ
計画
を遂行することが非常に困難な
段階
に直面して参ったのであります。 次にいま
一つ
の大きな問題は、
新規投資
に伴って必然的に
資本費
が増大して参ることであります。
現行料金原価
では一立方メートル三円四銭の
資本費
が、
計画達成
の三十二年度においては五円九十四銭と、約二倍にはね上るのであります。 この
資本費
の
増加額
は三十二年度において
総額
実に百十九億円に達するのであります。 今その内訳を
現行料金原価
と比較いたしますと、
支払い利息
、
配当金
、
法定準備金
が三倍、
法人税
、
住民税
、
固定資産税
の
租税関係
が三・九倍、
減価償却費
が三・八倍となるのであります。これに対しまして、
ガス
の
販売量
は一・八倍にしか
増加
しないのであります。 われわれ
ガス事業者
は
公益事業
の
使命
を痛感し、あらゆる
企業努力
を行なっているのでありますが、
金融
上、
税制
上の何らかの
措置
が講ぜられない限り、このような
資本費
の
飛躍的増加
はいかに
企業努力
を行なってもこれを全部吸収することは全く不可能であります。従来
ガス事業
は
電気事業
乙並んで
公益事業
の名で呼ばれて参ったのでありますが、
電気事業
が相次ぐ
スト
、停電によってその
重要性
を痛切に認められたのに対し、
炭労スト
のときにおいてさえ、
ガス事業者
は大きな犠牲を払って
ガス
の
供給
を続けて参ったのでありますが、今にして思えば、このようなわれわれの
努力
がかえって
一般
の
ガス
に対する関心を薄らげ、ひいては
事業
の
重要性
を認めていただくのにマイナスになったうらみがないではありません。
電気事業
が
基幹産業
として
政府部
内はもとより、広く
一般
に認識され、
税制
上、
金融
上の多くの
恩典
を受けていますのに反し、
ガス事業
はとかく
消費産業
であるとして、
政府部
内ですらいまだ十分な御認識を得られない傾向さえあるのであります。われわれ
ガス事業者
は、
税制
上、
金融
上において
電気事業
とはもとより、
一般産業
に比してさえ
恩典
どころか、ある点ではむしろ不当な
扱い
をさえ受けているのであります。これは
一つ
にはわれわれ
ガス事業者
のPRが
不足
していたためでもあるのでしょうが、
木材資源
の
保全
の観点よりしましても、
石炭利用
の
合理化
の点よりしましても、
都市ガス
の
拡充
は、今日では電力の
開発計画
と何ら遜色のない
重要国策
であると存ずるのであります。われわれ
ガス事業者
はこの
重要国策
に沿うよう日夜惜しみない
努力
を払っているものでありますが、今後の膨大な
設備資金
の
調達
にしましても、増高する
資本費
の軽減にしましても、
企業努力
のみではとうてい達成できない時期に到達しておりますので、
委員各位
の絶大なる御援助によりまして、われわれ
ガス事業者
が当面いたしております次の問題を解決いたされますよう願ってやまないものであります。 すなわち、
設備拡充
に必要な
資金
は少くとも
半額程度
は
日本開発銀行等
の
国家資金
より
融資
され、その
返済期間
は二十カ年、利率は年六分五厘以下とし、かつ確実に
融資
されるよう、
特別ワク
として
予算
に計上していただきたいのであります。また将来
ガス料金
の値上げを極力避けられますように、一、
都市ガス
を
法人税
の
免税物産扱い
にせられたい。二、
新増設備
の
固定資産税
は
電気事業並み
に減税せられたい。三、
ガス料金
と混同して
料金
を実体以上に不当に高いものと錯覚させております
電気ガス税
は、すでにその
創設
の
趣旨
を全く失っておりますので、これをすみやかに撤廃されたいのであります。 以上の
税制
上、
金融
上の
対策
が行われますならば、われわれ
事業者
の
企業努力
と相まって、増高する
資本費
をできる限り吸収し、
需要家
の負担の
増加
を
最小限度
にとどめることができると存じます。また、このような
減税措置
を講じますと、
国家
及び
地方財政
が減収となるから無理であろうと御考えになるかもしれませんが、われわれとしてはこのような
措置
をとられることによって、
既存事業
の
拡充
と
新規事業
の
創設
が誘致されまして、
重要国策
の線に沿うことができるものと確信いたしております。 われわれ
ガス事業者
は、この五カ年
計画
に引続き、今後さらに一層の
長期計画
を樹立し、
木材
の
利用合理化
の
国策
に沿いたいと存じております。われわれは今後ともあとう限りの
努力
を行なってこの大
事業
を推進する覚悟でございますので、
委員各位
にはこの上とも何かと御
指導
御鞭撻下さるようお願い申し上げます。 長い間御清聴下さいましてありがとうございました。
中崎敏
5
○
中崎
小
委員長
質疑
に入ります。
質疑
の通告があります。順次これを許します。
永井勝次郎
君。
永井勝次郎
6
○
永井
小
委員
難波
さんにお尋ねいたしたいと存じますが、現在
間葉繊維
を
針葉繊維
にまぜて最も多く使っておるところはどこの
パルプ工場
で、どういうふうな
状況
であるか、その内容をお聞かせ願いたいのと、それから
間葉繊維
を主にして
針葉繊維
を若干入れて、そして
間葉繊維
の
段ボール関係
の
製品
を多く使っているところは
計画
が
相当
あると聞いておるのでありますが、そういった
関係
の
状況
はどうであるか、ここにお話のございました
間葉繊維
を多く使う、そのための
最新式
の
設備
が必要であるということでありますが、これは
間葉繊維
をまぜる
施設
の
関係
でありますか、あるいは
間葉繊維
を主にした
設備関係
でありますか、この
関係
を
一つ
お聞かせ願いたいと思います。
難波経一
7
○
難波参考人
只今の御
質問
は正確を期するために、後ほどまとめて数字で
会社名
その他
工場名
を申し上げますが、概略のところを私から御説明申し上げます。これは紙の
パルプ
と
人絹パルプ
とに分けて考えなければならぬと思いますが、紙においては現在
大会社
で大きな
闊葉樹パルプ
を作っておりますところは全国に
相当
ございます。王子製紙の春日井を初めといたしまして、
日本パルプ
の
米子工場
、その他北海道では前から
北日本製紙
もございますし、その他も
相当
あると思います。これらの能力なり
工場名等
は後刻資料として差し上げます。 要するに今御
質問
の点の最後からお答えすることになりますが、
間葉樹
を
パルプ
にする
設備
に実は金がかかるのであります。つまり従来は
日本
の大きな
工場
は、大体
SP方法
と申しまして、
亜硫酸パルプ
で
針葉樹
を煮ておったわけでございます。それを今度最近行われております新しい
方法
によりまして、
闊葉樹
を煮る
KP
、つまり
クラフト
・
パルプ
の
工場
がぼちぼち
日本
にできてきておるわけでありまして、これをまぜることは、これは
製品同士
をまぜ合せるのですからあまり問題はございません。
使用度
に応じて適当にまぜ合せますが、
閥葉樹
を
パルプ
にする、言いかえれば
闊葉樹繊維
を煮る
方法
でございますが、この
製造設備
は新しいものでございますから、古くから
日本
にありましたけれども、画期的に大きく増産するには、
欧米
の、特に
アメリカ
の最近の
方法
を取り入れる必要があると私は申し上げたのでございまして、その点御了承を願います。 それから現在
KP
は――従来は御
承知
のように
包装紙
、従来の
技術
ではいわゆるさらしが十分できませんでした。それが最近では
SP
と同様に
KP
の
パルプ
も十分さらすことができる
技術
が
進歩
したわけなのでございます。これは非常に大きな
技術
の
進歩
でございまして、そのために現在では紙の
パルプ
の
需要
としては、
SP
も従来
通り
ございますが、
KP
も非常に広範囲にわたっております。従いまして従来の色の黒い
包装紙
のみならず、現在ではまつ白になっております
上等紙
でも
クラフト
でできます。いな、申し上げますと、ある程度
クラフト
をまぜた方が紙質がよくなって
上質紙
には向くとまでいわれているくらいに、つまり最近は
クラフト
・
パルプ
、
広葉樹パルプ
の
用途
が非常にふえたということでございます。従いましてどの
工場
でどのくらいまぜているかということは私は今存じませんけれども、大
工場
で
クラフト
・
パルプ
を
設備
をするところは
相当量紙
に使っておりますし、それから
用途
によりまして、つまり従来
通り
さらしてない色のついた
クラフト
・
パルプ
でございますが、これは非常に強靱な力を持っておりますので、従来
通り包装用紙
その他にも使われておるので、将来は米の
包装
にも向くのではないかと現在考えられております。そういう
状態
でございます。それから
人絹パルプ
につきましては、
日本
で
広葉樹
の
パルプ
を
人絹
に使っておるのは、現在のところ
東北パルプ
一軒でございます。
東北パルプ
は御
承知
のように
東北地方
の
工場
でございますので、
東北地方
に
相当
莫大に蓄積されておりますブナを使っております。現在ではおそらく四割から、場合によっては五割、
広葉樹
をまぜておるだろうと思います。しかしこれは
先ほど
申しました各社で新しく作りました
クラフト法
によって――現在では紙に使われておりますが、これも現在
アメリカ
では一、二の
工場
において、
クラフトそのもの
をさらしまして
人絹用パルプ
に使っておる例もあるのでございまして、将来
日本
は、いわゆる
資源
の面から
広葉樹
の
パルプ
を
人絹パルプ
にまで持っていきたいというのがわれわれの念願でございます。
永井勝次郎
8
○
永井
小
委員
施設
をすれば
施設
の
輸入
が必要なのか、あるいはその
施設
は
国内
で
生産
が可能なのか。それからその
施設
ができれば、その
技術
は
国内
に十分あるのかどうか。
本州パルプ
が現在北見で試験的にやっておるようでありますが、あれは、現在われわれの聞いておるところでは、
間葉繊維
については
本州
が一番
技術陣容
を持っておる、それも
アメリカ
の方へ行ってきた少数の人だけであって、
間葉繊維
についての
生産技術
というのはそう普遍化してない。特殊の
会社
の特殊な人が独占的な
状態
であって、これを広くするにはもっと
技術面
を切りかえなければならぬという
関係
にあるのかどうか。それからあわせて、たとえば
クラフト
・
パルプ
にしましても、
包装紙
その他の
需要
面で北
日本
その他でも行き詰まって、消流
関係
が思わしくなく、市場
関係
が思わしくないという事情が起っているんではないか。
生産
すればそれにつれて幾らでも
需要
が拡大できる市場
関係
なのかどうか、
一つ
間葉繊維
生産
の現在及び将来の見通し、そういう
関係
について伺いたいと思います。
難波経一
9
○
難波参考人
お答え申し上げます。まず第一に
設備
の
関係
でございますが、
設備
につきましては、その装置機械においてまだ
日本
ではできないような
最新式
のものがございます。これはどうしても能率の
関係
その他で
輸入
した方がいいという部分が
相当
あるのでございます。その他は全部
日本
でできるものでございます。 それから
技術
の点になりますが、ただいま御指摘の
本州
の北見の
関係
は、私詳細には存じませんけれども、これはセミ、ケミカルという、割合に新しい、そうしてまた
クラフト
とも違う
技術
を研究しておられると思います。
クラフト
は御
承知
の
通り
従来から
日本
にございまして、樺太等には
相当
大きな
クラフト
も
生産
されておりました。ただ
先ほど
もちょっと触れたと思いますが、これをさらすことが従来は
日本
では十分にいかなかったわけでございます。従いまして
用途
が
先ほど
御指摘になったような、
包装
用紙――その他殺ボールに一部使われますが、色が黄色くて白くはない
関係
で、力の強いところを
利用
しまして、
包装
用紙
関係
に大体限定されておった。ところが最近はこれをさらすことが非常にうまくなりまして、
先ほど
申しましたいろいろな
設備
を
日本
にいたしますれば、これは
用途
が普通の白い紙全般にわたるわけでございます。そういう
関係
で、
用途
はこれからどんどん伸びていくはずでございますし、この
技術
に関しましては、大体昔から
日本
にありましたので、これもたださらす
技術
が――最近
進歩
いたしておりますが、二、三年前から王子製紙が春日井にりっぱな
最新式
の
工場
を作られまして、これの
関係
者の
技術
は
日本
でもまず有数のものであろうと思います。その他
本州
、十条を初め大製紙
会社
あるいは中規模の製紙
会社
でも
相当
な
技術
の研究なり
技術
屋を養成しております。われわれ
パルプ業界
においても
日本パルプ
が数年前に米子にさらしの
設備
を作りまして、これに対する
技術
もよくわかりておりますし、各社それぞれ
技術
屋を養成もし、また現在持っております。従いまして
広葉樹
の
利用
に関しまして
相当
な規模の
工場
が将来できていけばこれに対する
技術
はよく勉強もし、最新のものを追わなければなりませんけれども、これに
不足
するとは考えておりません。十分に
日本
人でりっぱにやっていくと私は考えております。
需要
面は
先ほど
お問いになりました
クラフト
紙の、さらしてない
包装紙
関係
の
クラフト
は去年から大分荷もたれになりました。これは
先ほど
から申しましたような
用途
がきめられておるものでございます。しかしたびたび繰り返しますが、現在の
技術
をもって十分にこれをさらせば、この
用途
は
SP
と同様に紙全般、それから
先ほど
申しましたようにさらに進めば
人絹パルプ
までこの
広葉樹
でまかなっていけると考えております。その意味で
広葉樹
の
利用
ははなはだ
重要性
があり将来性があると考える次第でございます。
永井勝次郎
10
○
永井
小
委員
パルプ
とはちょっと
関係
がないかと思いますが、
パルプ
関係
でもボード
関係
はいろいろおやりになっておると思いますが、採算的に見て、現在の
日本
の
木材
の原料事情及び
生産
の
設備
、
技術
の態勢から見て、チップ・ボードの方が有利にいくのか、
パルプ
を原料にしていったら有利なのか、コ
スト
の点において、あるいはこれらのボードを使う建築
関係
のコ
スト
の
関係
から見て、どっちが
需要
があり
技術
的に容易であるか、
日本
の市場に適応したいき方であるかということについて、おわかりであれば
一つ
伺っておきたいと思います。
難波経一
11
○
難波参考人
お答え申します。実は
日本
のハード・ボードは
木材
加
工業
の
方々
が従来やっておられます。あるいはまた
日本
レーヨンのようにいろいろ戦時中の
施設
を
利用
いたしましてレーヨン
会社
がやっておられるのでございまして、実は紙
パルプ
の
会社
では、王子製紙の苫小牧
工場
で一個所やっておるだけで、他の製紙
工場
あるいは
パルプ工場
ではまだハード・ボードの製造はいたしておりません。しかしながら
パルプ
の製造をいたしますと、御
承知
のように木くずが
相当
出ます。これはチップにする
関係
で
相当
木くずが出ますし、皮をむきます。それから製造中に再三水で洗いますから原質が流れます。これが池にたまります。それから一番大きい数量は、かまの中で、松のごときは太いものになりますとしんが煮えにくいのであります。これは非常な
努力
を払って未蒸解の繊維をとっております。これは普通ノットかすと申しております。これはしん材のみならず節には非常に多いのであります。そのほかそういうさらしの工程におけるいろいろな流出の原質もございますし、そういうものを総合的に集めて、さらにわれわれどもの将来の考えは、松をとった場合も遠回りはだめですが、近回りの山林は枝のものでも集めてきて、そういうものを全部総合してハード・ボードの
工業
に進むことは現在当社においても研究中でございます。遺憾ながらまだ現在
パルプ
会社
としてはやっておりませんし、大製紙
会社
としても王子一軒だけでございますので、はなはだどうも知識が不十分で申しわけございませんが、ハード・ボードに関してのお答えは少し正確を期するために保留させていただきたいと思う次第でございます。
永井勝次郎
12
○
永井
小
委員
本田
さんにちょっとお尋ねしたいと思いますが、私の方では
石炭
鉱業の
合理化
促進のために
石炭
消費
の
需要
を刺激し拡大していく、こういう立場で
都市ガス
の
設備
の新設を強力に推進しなければならない、こういう
計画
で近く立法提案の運びを進めておるわけでありますが この場合問題になりますのは、いろいろな
都市
の
状況
によりますけれども、コ
スト
の問題、薪炭と比較して
ガス
の価格の面で果してそれらの小
都市
において採算がとれる程度の第一次の
需要
が確保できるかどうか、こういった
関係
が非常に問題になるわけであります。
都市ガス
を強力に推進していくために、中
都市
、小
都市
と分けまして、小
都市
関係
ではどういう点を注意しなければならないか、中
都市
においてはどういう点が企業として進める上に注意をしなければならない点であるか、あるいは小
都市
で最小第一採算点までの
需要
がないにしましても、それをやっていますと漸次
需要
がふえて採算点に達する。ある一定の期間あるいは補助をするとかあるいは特別な
措置
をしなければならない事情が個別にはあると考えるわけでありますが、そういった
関係
を
一つ
総括してお話を伺わせていただきたいと思います。
本田弘敏
13
○
本田参考人
お答え申します。私ども
都市ガス
拡充
促進ということについて懸命の
努力
を払ってきている最中、今お話のございしたような私どもの仕事を側面からと申しますか、助成していただくような法案を出されるということはほんとうにありがたいことで、せひ
一つ
お願いしたいと思います。 それから御
質問
の点でありますが、先般の総合燃料
対策
小
委員会
のときに、同じような御
質問
がございました。一体どれくらい
需要家
があったらガズ
事業
は成り立つかということでごごいます。そのときも御返答申し上げまして、これは速記録に載っておりますが、大体最初に
需要家
が三千軒程度はなくてはいけないと思うのであります。この前の
質問
のときの御回答を大体申し上げますが、三千軒以上の
需要家
があれば、一応経営が成り立ちます。それについてはやはりそこに密集人口が二万ぐらいなくてはいけない。家数とこの
需要家
軒数の
関係
から密集人口が二万ぐらいなければいけない。自然その
都市
は人口五万ぐらいの
都市
でなければ成り立たないと思います。しかし私どもの今の
ガス
代が一立方メーター十五円七十銭程度でございますが、今度新しく
ガス事業
を建設される場合には、全部が
設備資金
が高いものにつきますから、どうしても
ガス
代は私どもの
ガス
代の倍くらい、三十円近くでなくてはおそらく採算がとれないと思っております。結局その三十円の
ガス
代と薪炭費の問題になりますが、その場所々々によりますが、最近新しくこしらえました
ガス
会社
では、どうしても一、二年は赤字を覚悟していなくてはいけないと思うのでございます。そうしておりますうちに
需要家
も自然ふえますし、経費の節減もだんだんはかることができますから、大体今申しましたように、新しく
計画
せられる場合には、人口五万、
需要家
三千軒程度を最低
限度
として御
計画
になったらどうかと思います。これで一応のお答えをいたします。
難波経一
14
○
難波参考人
まことに恐縮でございますが、ちょっと
先ほど
の答弁を訂正させていただきます。
先ほど
苫小牧の
工場
でハード・ボードを作っておると申しましたが、正確に申し上げますと、ハード・ボードというよりも、むしろソフト・ボートでございますから、その点訂正を願います。大体同じようなことでございますが、やわらかいものでございます。ソフト・ボードを王子で作っておる、それだけでございます。
松平忠久
15
○
松平
小
委員
最初に
難波
さんにお尋ねしたいと思うのでありますが、ただいまの
永井
委員
の御
質問
になるべく重複しない点を聞きたいのですが、まず第一に、こういう
広葉樹
処理の
工場
と
針葉樹
処理の
工場
ですが、
針葉樹
処理の
工場
を
広葉樹
処理の
工場
に機械を転用することができるのであるかどうか。つまり全然違った機械を新設しなければならないかということが
一つ
。それからその次は
SP
工場
にしても、あるいはRPにしても、
広葉樹
の方の
工場
を何トン単位にしましても建てる経費と、それから
針葉樹
の処理の
工場
を建てる経費との差――差といいますか、どの程度
施設
として高くつくものか、それが第二点。第三点は、今まで
KP
なりあるいはRPなり、
広葉樹
の
施設
を増設されたその
資金
というものは、どういう
資金
を使っておられたか。つまり民間
資金
だけでやっておられたのか、あるいは何か
政府
の
関係
の
資金
というものもその中に入っておるのかどうか、以上三点をまずお聞きしたい。
難波経一
16
○
難波参考人
第一の
針葉樹
の
設備
を
広葉樹
の
設備
に転用できるかどうかの問題でございます。これは原則としてできないと申し上げたいのであります。いろいろな付属
設備
その他はもちろん転用できますけれども、と申しますのは、
針葉樹
は
SP
法で煮るのが一番いいとされております。それから
広葉樹
はなるほど
SP
法でもある程度は煮えます。従いまして紙に二割、三割まぜる程度の
パルプ
は、一緒に煮ても必ずしも不可能ではございませんが、これはお互いに損をするわけです。つまり
針葉樹
にいいように煮れば
闊葉樹
は煮過ぎてしまうとか、いろいろな障害がございまして、全然不可能とは申し上げられませんが、これは
工業
的には不可能と申し上げた方がいいと思うのでございます。そういう意味で、枢要なる部分は転用が不可能であると同時に、
闊葉樹
は例の
クラフト法
は、薬で煮ますその薬の復活をはかるために別な
設備
がいるわけでございます。
針葉樹
の
SP
法には現在あまり金をかけておりません。そういう違いがございますので、両方の
工場
の
設備
費はどう違うか、こういうお尋ねでございますが、これはよほど正確を期さなくてはならないので、私も心配なんでございますが、大ざっぱに申しますと、どちらがかかるとも言えませんが、例の薬液を煮直してまた使い直しておりますから、
KP
の方が少しかかるのではないかと思います。しかしそれならば
KP
の方が非常に高いかと申しますと、これは
SP
の方がかまの能率がずっと劣るのでございます。従いまして二万トンの
工場
を幾らというふうに比べますと、片方はなるほどいろいろな副処理が要ますが、同時にそのかま自身の能率がいいのでございますから、その点を私
技術
屋でないものですから正確を期せられませんが、ほぼ同様か、少し
クラフト
・
パルプ
の方がよけいな
設備
が要るものですから、高くつくものでないかと考えております。御必要とあらば、いずれ一応の二万トン、三万トンの規模の建設
計画
をさっそくとりまして、御返事申し上げたいと思っております。
松平忠久
17
○
松平
小
委員
もう
一つ
伺いたい点は、
広葉樹
の樹令等に
関係
があるかどうか。つまり今の
広葉樹
のある場所は大体奥地であって、奥地に
相当
古い木が多いと思うのです。そういうものを切り出してきてやらなければならぬということになると思うのですが、一体樹令に
関係
があるか。古いものでもかまわないものであるかどうかということと、もう
一つ
はこういうものはGPというものに使えるかどうか。やはりRP、
SP
にかわる、つまり
KP
だけで処理するのであって、物理的な処理は不可能なものであるかどうか、この点について伺いたい。
難波経一
18
○
難波参考人
お答え申します。GPに関する
闊葉樹
の問題と、それから樹令の問題でございました。樹令の問題に関しましては、私は
KP
法でやるならば、あまり樹令に
関係
ないと思います。太い材も細い材もあまり極端にならなければ大体同様に行くのじゃないかと思います。たとえば極端に太い
闊葉樹
になりますと、中に腐れがあったり、処理に非常に困難をいたします。あまり大きいと、たとえば現在の
設備
ではチップにできない、いろいろな、割らなければならぬというような不便も出ますので、なるべく一定の太さがいいと思います。それから細のもかなり細いのまで
利用
できると思います。これは皮をむく際にあまりこまかいと感心できないので何とも申し上げられませんが、比較的樹令に
関係
ないと私は考えております。割合に融通性があると考えております。 それからグランド・
パルプ
の問題でございます。これは
日本
におきましては、従来
広葉樹
のグランド・
パルプ
はございません。しかしながら
アメリカ
その他世界中のことを考えますと、
広葉樹
でグランド・
パルプ
を作る場合は
相当
ございます。従いまして将来
広葉樹
のグランド・
パルプ
も考えようによっては私はでき得ると思うのでありますが、何しろ
日本
の
広葉樹利用
というものが現在までおくれておりますので、現在までのところは、
広葉樹
のグランド・
パルプ
はございません。しかし外国には多々例がございます。またこれに適しておる
広葉樹
の材種を
相当
大量に持っておる
関係
だと思うのでございます。
日本
は御
承知
のように、
広葉樹
と申しましてもいろいろな材料がまざっておりまして、あまり均一性がないものでございますから、これを直接物理的に処理してグランド・
パルプ
にするということは
相当
難色があるだろうと考える次第でございます。
松平忠久
19
○
松平
小
委員
最後にもう
一つ
お伺いしたいのですが、
広葉樹
を処理していくと
相当
金がかかると思うのですが、従ってこの
資金
計画
の可能なところはどんどんやっていけるけれども、そうでないところはますます困難になってくるということで、中小のメーカーがだんだんこれを進めていくと、やはり
針葉樹
ばかり使っている連中がだんだん手をあげてくるのじゃないか。ことに静岡あたりの丸網などというものはほとんどだめになりはせぬか。そういう懸念があるわけですが、そこらの見通しですね。いいことはいいにきまっておるけれども、一方において非常に社会問題が起きるような気もするわけだけれども、そこらの見通しをちょっとお聞かせ願いたい。
難波経一
20
○
難波参考人
産業
規模の重大な問題でございまして、私がここで即座にあまりいろいろなことを申し上げるのもどうかと思いますが、私はそういう意味で
相当
の
国家資金
の裏打ちがあれば、大企業で銀行方面に
通り
のいい
会社
のみならず、中規模のまじめな
会社
でもこういう
国家
的な助けがあれば、たとえば大きな
KP
は無理にしても、セミ・ケミカルのような最近非常に簡便に行われておるようなものがどんどん出てくるのじゃないかと考えておりますが、その意味からいってもある程度の裏づけをしていただいて、これを
政府
においてどこどこに貸しつけるかを十分に研究していただければ大体御心配の点はないんではないかと考える次第でございます。
松平忠久
21
○
松平
小
委員
さっきちょっと聞き落したが、今の
国家資金
の裏づけという点なんですが、今までやられておったところの各
会社
の
資金
計画
というものは、自己
資金
であったか、あるいは
政府
で何かめんどうを見たことがあったかどうか、それをちょっと落したので……。
難波経一
22
○
難波参考人
御
質問
に対しまして落しましてはなはだ申訳ございません。その点は私も詳しくは存じませんが、私の知っている範囲内、つまり
パルプ業界
におきましては、
日本パルプ
の
米子工場
はある部分のものを
国家資金
でまかなっておられると思います。それからもう
一つ
目につくのは王子製紙の春日井の
工場
でございますが、この点に関しましては私ここで責任を持ってお答えする内容を存じませんものですから、ごかんべん願いたいと思います。
松平忠久
23
○
松平
小
委員
次に
本田
さんに伺いたいのですが、
先ほど
お聞きしておると、五カ年
計画
と申しますか、三十二年度になりますと三円のものがちょっと倍近くなる、こういうお話しがあったわけなんですが、倍近くなるということになりますと、
一般
の中小
都市
の
需要家
ですね、これは
先ほど
永井
君もそういう
質問
があったと思うのですけれども、現在まきや炭や何か使っておる家庭の燃料
消費
、これはどういうような
関係
になっていますか。やっぱり
ガス
の方が高くなるということになりますかどうですか、平均いたしましてですね……。
本田弘敏
24
○
本田参考人
お答え申し上げます。
先ほど
申し上げました三十二年度になりますと、現在の
資本費
を
料金
に織り込んで三円が倍になる、六円近くなります。その場合のほかの燃料費との
関係
でありますが、東京の場合、現在の
状況
を申し上げますと、燃料費、つまり
ガス
が一〇〇といたしますと、電気が二七五、木炭が二〇一、まきが一七五、石油が九三となっております。こういう
状況
で現在では
ガス
がほかの燃料に比べまして大体安い。地方に参りますと、ほかの薪炭との比が、手に入りにくい、あるいは安く入るというようなことでかなり条件が違って参ると思います。その場合に
資本費
が倍になるということは、結局
先ほど
私かお話ししましたように、
料金
の問題でございますね、つまり普通の
状態
で参りますとどうしても
料金
にはねかえらざるを得ない、これは上らざるを得ないということでございまして、結局低利
資金
の
調達
あるいは租税公課の減免ということが、ここにおきましても絶対に必要だ、それで
ガス
代が上ればほかの燃料との比較が非常に不利になってきますから、結局この点を考慮していただかないと地方の小
都市
における
ガス事業
経営は
相当
困難になってくるという見通しを持っております。大へん簡単でございますが……。
松平忠久
25
○
松平
小
委員
そういたしますとこの
拡充計画
ということをやっていただくという場合におきまして、三円が五円になっていくということについて、
先ほど
ちょっと税金とかそういうようなお話しがあったわけなんですが、その中で一番大きな問題つまり
ガス料金
を下げていくのに当面の問題といたしまして何が一番必要かということについて御
意見
を伺いたいと思うのです。
本田弘敏
26
○
本田参考人
お答え申し上げます。第一番は低利長期な
資金
を貸していただくことでございます。これは絶対に必要だと思います。われわれ今開銀からの
融資
は一割でございます。
電気事業
その他は六分五厘でございます。この金利の大きさというものは、かりに百億円の場合、一分違っても一億円の差になります。これは非常に大きなものでございます。次は、
先ほど
も冒頭に申し上げました租税公課の軽減でございます。
法人税
あるいは
固定資産税
、そのほかほんとうに皆さん方が
ガス
代としてお払いになっておる
電気ガス税
、これは一割でございます。こういうものを考慮していただけば、
ガス料金
にはね返りがなくて十分採算がとれていくと思います。一番大事なことは、繰り返して申し上げますけれども、低利長期な
資金
の融通、これが一番でございます。その次に租税公課の軽減、この二つのわれわれの希望が達成されれば、
料金
にはね返ることなしに
現状
のままでやっていけると私はそう感じます。
松平忠久
27
○
松平
小
委員
政府
の方に御
質問
申し上げたいのですが、現在
石炭
合理化
法案を
政府
はお出しになっておるわけでございます。そのためにも総合燃料
対策
が必要であることはもちろんであって、重油に対する
対策
とか、あるいは
ガス
に対する
対策
とか、電気、またあわせて
木材
の燃料等に対する
対策
まで考えなければならぬと思うのであります。そこでお伺いしたい点は、
木材利用
の
合理化
に関する
決議
において、
ガス
の五カ年
計画
の
資金
として
政府資金
が
相当
必要であるという
決議
がなされておるわけでありますけれども、今の公述によりますと、大体昨年でありますか、たった一億円しか出していない、こういうような
状態
であって、
決議
が全然無視されておるわけでありますが、これに対して通産当局におきましては、大蔵省にどういう交渉をしたか、どういう態度をもって臨んだが、何ゆえにこの
決議
が無視されてたった一億になってしまったかということも
承知
したいのであります。
荒居清蔵
28
○荒居説明員 お答えいたします。先般の
都市ガス
拡充
五カ年
計画
は、通産省におきまして昨年省議決定いたしました。また
木材
利用合理化
の
見地
から
閣議決定
なされた点は、先生かお話しの
通り
でございます。私どもといたしましては、
先ほど
本田参考人
の陳述の
通り
、これに低利かつ長期の金を
供給
することが最も急務と考えておるわけでございます。目下のところ
ガス事業者
は全国で八十七社でございまするけれども、それに対するただいままでの開銀からの
融資
残は十一億見当かと思います。二十九年度における
融資
決定額
政府
原案は二億五千万かと存じます。現実において
融資
されたものは二億かと存じます。三十年度につきましては、通産省の諸種の会及び経済審議庁と折衝いたしまして、目下鋭意
努力
中でございまするが、私どもの目下のところの折衝の経過といたしましては、決定には至りませんけれども、少くとも二十九年度の実現額の約二倍ないし三倍程度は、本年度は実現し得るのではないかと期待しておるのでございまするが、まだ正式決定には至っておりません。目下そのように
努力
中でございます。
松平忠久
29
○
松平
小
委員
これは経審かどこかで一応話をまとめるということになっておりますか。それとも経書の発言権は大してなくて、大蔵省に一方的にただ査定される、こういうことになっておりますか。その点お伺いしたいと思います。
荒居清蔵
30
○荒居説明員 はなはだ不勉強でございまして正確に覚えておりませんので、万一誤まりがありますれば後ほど訂正させていただきたいと存じまするが、御案内の
通り
一般
会計の
予算
と同時に
政府
の財政投
融資
計画
がきまりまして、それに伴うで開発銀行の
融資
総額
のワクが大体大蔵省においてきまりまして、それに基いていわゆる特契約と申しまする鉄鋼、
石炭
、電力等、いずれ大筋の額につきましては経済審議庁当局において決定しておるかと記憶いたしております。
松平忠久
31
○
松平
小
委員
この
ガス
の五カ年
計画
は今度あらためて短縮するというお話なんですが、これは
政府
の策定しておるところの経済六カ年
計画
というものとは何か関連があるわけですか。
荒居清蔵
32
○荒居説明員 お答えいたします。私どもの立案いたしました炭
ガス
拡充
五カ年
計画
は
昭和
二十八年度より三十二年度にわたる五カ年
計画
でございますが、その後経済六カ年
計画
が策定されました。直接的な関連はないようでございまするけれども、もちろんこの五カ年
計画
におきましては、大きな
エネルギー
源たる
石炭
を三十二年度末におきまして約三百九十万トン程度使います。その他諸
エネルギー
を材料として使いますので、その関連におきまして
相当
程度密接な連関を持たし、また六カ年
計画
策定後その間の調整を炭
ガス
五カ年
計画
との間にとっておるわけでございます。
松平忠久
33
○
松平
小
委員
もう
一つ
伺いたいのは、税金の問題については何らか通産省と大蔵省との間に話し合いがなされたかどうか。
荒居清蔵
34
○荒居説明員 お答えいたします。ただいま
本田参考人
から一部御説明があったのでございますが、補足的に説明させていただきますると、御案内の
通り
ガス料金
は
昭和
二十七年十一月に策定されました。今日まで何らの変更を見ることなく至っておるのでありまするが、その間
税制
面につきましては、同じ
公益事業
であります電気と格段と申しますか、電気に与えられている
恩典
が
公益事業
たる
ガス事業
に与えられておりません。今全国八十七社の
ガス
会社
の平均
料金
は十六円三十四銭でございまして、それを
電気事業
が受けておると同じような
恩典
を
ガス事業
に与えた場合におきましては、一立方メートル大体四十銭見当の値下げができるかと推算いたしております。このような目標に向いまして、
税制
と申しましても、具体的には
法人税
法の第六条によります免税、これに伴う
固定資産税
の減免、さらには
電気ガス税
の減免、その他の諸般の
税制
上の減免をするわけでございます。先般来大蔵の税務当局と鋭意折衝を重ねております。通産省におきましては、特に一番
税制
面の大宗をなしまする
法人税
につきましては、これを免除すべきものと決定いたしました。省として意思決定いたしまして、企業局というセクションを通じまして大蔵当局と目下鋭意折衝中でございます。向うにおいてそれぞれ審議しておられるのではないかと存ぜられます。
松平忠久
35
○
松平
小
委員
税金のことについてはいずれ大蔵当局をこの
委員会
に呼んでもらってお尋ねしたいと思いますので留保いたしますが、
委員長
にちょっと申し上げたいのであります。この
木材利用
についてお二人の
参考人
がきょう来られております。
委員
の
出席
率がまことにまずいのであります。非常に重大なる
関係
のあるものでありまして、しかもこれは本年一月の幾日かに
閣議
で決定したというので、この
委員会
が設けられた、こういうわけでありますけれども、
委員
の人たちは来たと思ったらどこかへ行ってしまう、あとからのこのこやってくるというような
状態
でありまして、まことに
参考人
に対しても申しわけないと思いますけれども、これは
委員長
一つ
委員
に警告を発してもらって、次会にはこういうことのないように特にお願いいたしたいと思うのであります。
中崎敏
36
○
中崎
小
委員長
委員長
から申し上げます。実は今
松平
委員
の御発言ごもっともでありまして、私たちは
木材利用
に関するところの問題の
重要性
にかんがみまして、熱心に審議を進めておるところでありますが、本日あいにく本
会議
もありまして、そういう
関係
もありまして
委員
の顔ぶれが前後して非常に残念だと思うのでありますが、次の機会におきましては、十分に徹底をいたしましてそうして
出席
率がよくなるように
努力
していきたいと思います。
齋藤憲三
37
○齋藤小
委員
私もおしかりを受けたのでございますが、あいにく本
会議
その他がございましたので大へん……。あるいは
質疑
が重複するかもしれませんが、この
ガス事業
及び
木材利用
に対しましては、私ども選良の末席を汚す者として非常に重大関心を払っておるものでございます。特に今拝見いたしますと、「
ガス
の
普及向上
がなぜ
重要国策
となったか」という
日本瓦斯協会
からのパンフレットを、よく拝見しないのですが、ざっと目を通しましたところにも、二ページの三のところに、「
石炭
鉱業の安定と
石炭
資源
の
有効利用
」これなどは刻下
日本
における最も重点を置かなければならぬポイントでありまして、特に私も
日本
の高度の
生産
体制を
石炭
化学と石油化学と――これはこの前も御
質疑
を申し上げたと思うのでありますが、並行的に考慮する必要があるのじゃないかという点から考えてみますると、
石炭
を
ガス
に
利用
いたしまして、その乾留から出る一切の
石炭
化学に原料を高度に
利用
する
国家
の体制というものは、将来の
日本
の力を生み出す上において非常に大きなファクターになると私は考えておるんです。ここにも数字が並べられてあるのでございますが、二十九年度二百五十二万トン、原料炭の三二・四%となっております。しかも
石炭
資源
の
有効利用
の面では、
わが国
の
ガス事業
は、
石炭
乾留
工業
であり、
ガス
を
供給
するとともに、コークス、コールタール、ベンゾール、硫安、硫黄等を
生産
し、
石炭
の持つ成分を
最大
限に
利用
している
工業
でもあり、また従来
わが国
においては
エネルギー
資源
の総合
利用
対策
が等閑視され、自然の推移にゆだねられていたため、その弊害が終戦後あらゆる方面に続出して、
国民経済
に莫大な損害をもたらしている、私もこの点を従来から非常に憂えておったのであります。それでありますから、すべての
資源
の乏しい
わが国
にあっては
生産
体制の確立ということは全部総合的に効率的に考えていかなければならぬ。特に大衆の生活に密接不可分の家庭
ガス
、その他
工業
用の
ガス
、これを大量に
生産
して、その高度の
利用
を持ち来たすということは文化生活において必要欠くべからざるものであります。それでありますから、これを高度に拡大して参りますときに、そこに出て参りますものは、バイ・プロダクションであるかあるいはそうでないかは別問題といたしまして、そこから
日本
の将来の
生産
体制に大きな影響をもたらすいろいろな化学原料が出てくるということになれば、
ガス
の必要性以上に
国策
として
石炭
化学
工業
を作り上げる原料を獲得するという意味合いにおいて、もっと大々的に
石炭
の
ガス化
をはからなければならぬ、こういうことにも考えが及ぶと思うのであります。われわれしろうとでよくわかりませんが、えてして今日
石炭
化学
工業
というものはコ
スト
高でもって、石油化学
工業
には及ばないのだ、こういう声を聞くのであります。しかし私の聞いておりますところによると、九州地方において何低トンと積み重ねられているあのボタ山の整理によってさえも
相当量
の
ガス
ができると同時に、
石炭
化学
工業
の原料が出る、アッシュの多いものはアッシュを肥料化するということにおいても土壊の改良その他において大きな役割が演ぜられるのであるというように、いろいろ話を聞くのでありますが、どうもそういうところがなかなかつかみにくいのであります。いろいろなところへ行っていろいろなことを聞きますとたくさん説がございまして、
国策
を樹立すべき的確な理論的な根拠がつかみ得ないのであります。まことにわれわれの勉強の足らざるところかと残念に思っておるのでありますが、こういう点に対して毎日
石炭
を用いて
ガス
を発生しておられる瓦斯協会として、徹底した何らかの見通しがおありならば――
日本
の亜炭であろうが低品位炭であろうが、これをもっと大きな角度から押し進めていって、たくさん亜炭の出る地方においてはあるいは山元においてこれを
ガス化
して、小さな町にでも
供給
する。そしてそこの薪炭
消費
を
節約
して、備蓄された
薪炭材
を
工業
原料として
供給
するならば、単に燃料として
消費
する場合よりも、その価値は最高三千五百倍にも及ぶと書いてある。これはいろいろな角度があると思うのです。これを高度の特殊鋼に使うとか、あるいはまたはもっと角度の違った方面に
利用
するということから三千五百倍の価値というものが出てきたのではないかと思うのでありますが、もしほんとうに木炭あるいはまきというものが三千五百倍にも及ぶ
利用
価値をこの際生み出すということであったなら、これは非常に大きな問題であると思うのであります。たとえて申しますならば、一俵三百円の三千五百倍の価値ということになったならば、これは非常に大きな価値を生み出すということにもなるのであります。この点のお見通しをきょうここで御説明願えなかったならば、後刻もう少しわれわれにはっきりとわかるような材料を御提供下さるならば非常にありがたいと思うのでありますが、この点についてお伺いしておきたいと思います。
本田弘敏
38
○
本田参考人
齋藤先生の総合燃料
対策
に対しまする非常に高邁な御識見と該博な知識を傾倒されてお話がございまして、私どもまことに御同感の至りにたえない次第であります。 ただいま御
質問
の点につきましては、なかなか私がここで即答を申し上げるほど簡単な容易な問題ではないと思います。十分われわれとして検討を尽しまして、後日あらためて御参考になる資料を差し上げたいと思います。御了承願いたいと思います。
松平忠久
39
○
松平
小
委員
この次の
会議
に肥料審議会の
委員
、あるいは通産省の通商局長、企業局長、経審の担当の部長の
出席
を要求していただきたいと思います。それらの責任者に対してなお
質問
を続行したいと思います。
中崎敏
40
○
中崎
小
委員長
松平
君の
意見
の
通り
当局の最高責任者の
出席
を仰いで、引き続いてこういうような問題について検討を加えたいと考える次第でございます。
齋藤憲三
41
○齋藤小
委員
難波
さんは久しぶりにお見えになったので、ちょっとお伺いしたいのですが、山陽
パルプ
で廃液の処理、あるいは廃液からアルコールをとる処置は今日とっておられますか。
難波経一
42
○
難波参考人
廃液の
高度利用
については、われわれずっと研究を続けて参りましたが、私の
会社
におきましては、この秋、十一月と思いますが、十一月までにはアルコール約二千キロの
設備
が稼働する予定でございます。この廃液のアルコールに関しましては、数年前から商工当局ともいろいろ折衝を重ねておりました。何といっても廃液というものは現実にあるわけで、これは場合によっては油とも考えていいような廃液でございますので、この廃液をむだにすることは
国内
資源
の上から私は大きな問題だと思うのでございます。ただ現在では苫小牧あるいは
国策
旭川それから今度は私の方と三軒ほどしかまだできておりません。その理由は御存じのように、アルコールは専売になっておりまして、適当な収買価格で収買していただくのでございますが、何といっても過去十年ぐらいは、終戦後十年足らずの間は、終戦の痛手を回復すべく
生産
設備
の方にわれわれは全力をあげたわけであります。従いまして皆さんの方からおしかりを受けるかもしれませんが、どうしても廃液のところまで手が及ばなかったわけであります。そこで三、四年前に商工御当局にもいろいろ御相談しまして、何とかして
国家資金
を回してもらえぬか。われわれの方はこの終戦で大半を失ったこの
設備
を
戦前
以上に回復しつつあるので、とてもそこまで金が続かぬし、市中銀行としてもなかなか金を貸してくれませんからおくれておったわけであります。ところが最近にもう
一つ
問題が起って参りました。それは
先ほど
御
質問
のありました石油化学
工業
であります。石油化学
工業
が直接エチル・アルコールを作ることは、現在の
計画
ではございません。その点は競合はいたさないわけでありますが、しかしイソプロピル・アルコールのようなほとんど類似の品物が
相当
多量に出ます。おそらく病院の消毒用とか衛生用の
相当
部分、
工業
用のアルコールの大部分は将来これに食われるのではないかという心配すらあるのでございます。しかしながら私は
国家
資源
の有効活用、極端に限定して言えば
木材資源
の
有効利用
において、これは廃液でございますから、
相当
の競争力を持っておりますので、われわれの方はこの十一月には二千キロの
生産
を開始する覚悟でございますが、この点に関しても将来いろいろ御援助を願いたいと思っております。
首藤新八
43
○首藤小
委員
資料の要求をいたしますが、終戦直後の各
ガス
会社
の資本金、それから現在の資本金、それから二十六年以降の毎年四月を対象とした
石炭
の価格、それから各社の終戦後の増設の工事量、それの建設費、それから各社の外部からの
融資
の額、これらを資料として提出していただきたい。
齋藤憲三
44
○齋藤小
委員
ただいまの山陽
パルプ
の
事業
計画
ですが、それを
一つ
お示し願いたい。大体どのくらいのアルコールがどのくらいの価格で出てきたかということ。同時にそのアルコールの処理をやりますと、今までの廃液がどういうふうに変化して、そのまま流しておくよりは廃液の影響というものがなくなるかどうか。 もう
一つ
は、これは私もよく存じ上げないのですが、
パルプ
廃液からアルコールをとるのは、イソプロのペトロ・ケミカルから行くのと違って、こっちは醗酵
工業
に属するわけで、菌を入れるわけです。そうするとその菌種により
生産
率が非常に違う。その菌種はどういうところで出しておるのですか。ここでお答え願えればけっこうですが、お答え願えないところは資料として出していただきたい。
難波経一
45
○
難波参考人
私のわかっております点をお答え申します。廃液からアルコールをとりましても、廃液自身の外部に対する
関係
は、そう著しく変化いたしません。実は廃液の問題は
相当
莫大な金がかかりますが、濃縮して燃料として燃すのが、なくなってしまう一番早道であります。私どもの岩国の
工場
にはあの程度の
設備
はございますが、全部はとても手が回りません、今これを濃縮するだけでおそらく四、五億は優にかかると思います。現在は少し
生産
量が上っておりますから、もっとかかるかもしれません。そういうわけで、アルコールをとったら廃液が非常に変るということはないのでありまして、廃液の中の糖分だけを抽出して有効に使うだけであります。なおこまかい点は、後刻私の方から資料を差し上げます。 最後に、醗酵菌の問題について、実は私はしろうとでございまして、あまり大きなことは申せませんが、もちろん
最新式
の最もいい菌を
利用
して、実はこれは特許の問題もあるのでございますが、これでやろうと思っております。菌の発達は、御
承知
のように
日本
においてもどんどん進んでおります。それからこれを扱う醗酵のいろいろの要所々々は非常に新しいものがございます。私のところは、実は東洋紡績の犬山
工場
で外国の
最新式
の特許を買い入れられていろいろの酵母を使っておられますので、その式に目をつけまして、東洋紡さんにいろいろお願いしまして大体その式をとりたいと思うのです。その式の中には東洋紡さんの最近の特許すら入っております。それを大体使いたいと思います。現物は北欧から
輸入
いたします。そういうわけであります。
首藤新八
46
○首藤小
委員
今の資料にもう二つ追加いたします。それは各社の配当それから各社別の
ガス料金
の終戦後の毎年の推移の二つであります。
中崎敏
47
○
中崎
小
委員長
参考人
の
方々
には暑さのみぎり御多用中にもかかわらず長時間にわたり貴重な御高見の開陳をいただき、本問題の
調査
に多大の参考になりましたことを厚く御礼を申し上げる次第であります。ただいまいろいろお聞きしました
意見
に関して、ことに
資金
に関する問題その他税金
措置
に関する問題等につきましては、さらに十分に検討を加える必要があると考えるのでございますが、これはいずれあらためてまた必要に応じて御
意見
を承わりたいと思うのであります。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時五十八分散会