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1955-07-14 第22回国会 衆議院 商工委員会 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年七月十四日(木曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 田中 角榮君    理事 首藤 新八君 理事 長谷川四郎君    理事 山手 滿男君 理事 内田 常雄君    理事 前田 正男君 理事 中崎  敏君       阿左美廣治君    秋田 大助君       小笠 公韶君    菅野和太郎君       齋藤 憲三君    笹本 一雄君       椎名悦三郎君    鈴木周次郎君       中村庸一郎君    野田 武夫君       山本 猛夫君    江崎 真澄君       加藤 精三君    鹿野 彦吉君       神田  博君    小平 久雄君       堀川 恭平君    南  好雄君       村上  勇君    加藤 清二君       片島  港君    櫻井 奎夫君       多賀谷真稔君    田中 武夫君       帆足  計君    八木  昇君       伊藤卯四郎君    菊地養之輔君       佐々木良作君    田中 利勝君       松平 忠久君  出席国務大臣         通商産業大臣  石橋 湛山君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     横田 正俊君         通商産業政務次         官       島村 一郎君         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (通商局次長) 大堀  弘君         通商産業事務官         (繊維局長)  永山 時雄君         中小企業庁長官 記内 角一君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    秋山 武夫君  委員外出席者         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君         専  門  員 円地与四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ————————————— 七月十四日  委員篠田弘作君、佐々木更三君、田中稔男君及  び松本七郎君辞任につき、その補欠として江崎  真澄君、多賀谷真稔君、加藤清二君及び松平忠  久君が議長の指名指名委員に選任された。     ————————————— 七月十三日  発明事業の振興に関する請願(植木庚子郎君紹  介)(第四一三八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  輸出入取引法の一部を改正する法律案内閣提  出第一三一号)  中小企業安定法の一部を改正する法律案小笠  公韶君提出、衆法第二四号)  科学技術に関する件     —————————————
  2. 田中角榮

    田中委員長 これより会議を開きます。  この際議事に入ります前に御報告申し上げます。昨十三日、農林水産委員会より、中小企業安定法の一部を改正する法律案について修正意見を申し入れて参りました。この際この修正意見を朗読いたします。   昭和三十年七月十三日      農林水産      委員長     綱島 正興   商工委員長 田中角榮殿    修正意見申入れの件  中小企業安定法の一部を改正する法律案について、別紙の通り修正せられるよう申入れる。  (別紙中小企業安定法の一部を改正する法律案に対する修正意見  一、中小企業安定法中「通商産業大臣」とあるを、指定業種に属する事業所管大臣たる「主務大臣」と修正すること。  二、第三十条の二を削除すること。  三、本法中「通商産業省令」とあるを「主務省令」と修正すること。以上であります。  本修正意見につきましては、各派において御検討を願うことといたします。     —————————————
  3. 田中角榮

    田中委員長 輸出入取引法の一部を改正する法律案及び中小企業安定法の一部を改正する法律案の各案については、すでにいずれも質疑を終了いたしておりますので、これより両案について順次討論、採決を行いたいと存じます。  まず輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。この際民主党山手滿男君より、一昨十二日提出した本案に対する修正案追加部分があるとのことでありますので、この際山手滿男君に発言を許します。山手滿男君。
  4. 山手滿男

    山手委員 一昨日輸出入取引法に関する法律案について修正案を提出いたしましたが、その後多少字句の修正等もありますし、これを撤回いたしまして、この際民主党、自由党両党の共同修正案提案をいたしたいと思います。  まず修正案文を朗読いたします。    輸出入取引法の一部を改正する法律案に対する修正案   輸出入取引法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  第五条の二第一項中「前条第一項の規定による届出をして協定を締結するとともに、」を削り、「当該仕向地輸出すべき当該貨物国内取引」を「特定仕向地輸出すべき特定種類貨物国内取引」に改め、同条第二項中「次の」を「前条第二項」に改め、第一号及び第二号を削り、同条に次の二項を加える。  3 通商産業大臣は、第一項の認可申請があつたときは、当該申請を受理した日から起算して二十日以内に当該申請に係る協定について認可又は不認可処分をしなければならない。  4 前項期間内に同項の処分がなされなかつたときは、当該期間が満了した日の翌日において、当該申請に係る協定について第一項の認可があつたものとみなす。   第五条の三第一項中「であつて政令で定めるもの」を削り、同条第二項を次のように改める。  2 前条第二項から第四項までの規定は、前項協定に準用する。   第六条第二項及び第三項中「同条」を「第五条」に改める。   第十一条第四項中「同項の規定による届出をして組合員の遵守すべき事項を定めるとともに、」を削り、「当該仕向地輸出すべき当該貨物国内取引」を「特定仕向地輸出すべき特定種類貨物国内取引」に改める。   第十九条第一項の改正に関する部分中「に改める。」を「に改め、「「五分の一」と、」の下に「同条第七項中「第二号若しくは第四号」とあるのは「第二号」と、」を加える。」に改める。   第十九条の四の改正に関する部分中「に改め、」を「に改め、同条第二項中「所属員輸入組合を直接又は間接に構成する者をいう。以下同じ。)」を「組合員」に改め、」に改める。   第二十八条第一項中「次の各号の一に該当する場合に限り、」及び第一号から第四号までを削る。   第三十四条第一項及び第二項中「の同意を得なければならない。」を「に協議しなければならない。」に改める。  以上であります。  本修正案の要旨は、第一は、生産業者輸出業者との国内取引につきまして、協定認可申請がありました場合に、二十日以内においてまたは不認可処分がなされない場合においては、当然二十日過ぎますると、その協定認可されたものとみなされるということが、その重要な問題であります。  それともう一つは、この認可をする場合において、第三十四条第一項の公取同意を得なければならないことになっておりましたのを、今度は通商産業大臣が協議して、認可するしないを決定する、こういうことに修正をしたい、こういうことがこの修正案の骨子でございます。  どうぞ御賛成をお願いいたします。
  5. 田中角榮

    田中委員長 ただいま日本社会党両派共同提案として、本案に対する修正案が提出せられました。この際本修正案について提出者より趣旨説明を求めます。帆足計君。
  6. 帆足計

    帆足委員 両派社会党を代表いたしまして、両派社会党共同提案による一部修正案をご説明いたします。  それでは最初修正案を朗読いたしまして、しかる後趣旨説明させていただきます。    輸出入取引法の一部を改正する法律案   輸出入取引法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  (1) 目次中「第四十条」を「第四十一条」に、「四十一条−四十七条」を「四十二条−四十八条」に改める。  (2) 第二十三条第一項中「次の各号の一に掲げる理由がある場合において、それぞれ各号に掲げる事由」を「特定地域との貿易に関する決済のための政府間の取極が実施されている場合において、当該特定地域仕向地として輸出する貨物輸出額当該特定地域船積地として輸入する貨物輸入額との間に不均衡を生じ、当該特定地域仕向地として輸出する貨物輸出取引当該特定地域船積地として輸入する貨物輸入取引との関係調整しなければ、当該取極の円滑な実施が困難となり、当該特定地域との貿易の健全な発展に著しい支障を及ぼし、国内関係事業者または一般消費者利益を著しく害し、または害するおそれがある場合において当該理由」に改め、第一号及び第二号を削り、同条第二項第一号中「各号の一」を削る。  (3) 第三十一条第一項中「各号の一」を削る。  (4) 第四十七条中「第四十二条、第四十三条」を「第四十三条、第四十四条」に、「第四十五条」を「第四十六条」に改め、同条を第四十八条とし、第四十六条を第四十七条とし、第四十五条中「第四十条」を「第四十一条」に改め、同条を第四十六条とする。  (5) 第三十八条を第三十九条とし、以下第四十四条まで順次一条ずつ繰り下げ、第三十七条の次に次の一条を加える。   (中小企業者意見尊重)第三十八条第二十八条第一項若しくは第二項(第三十一条第二項において準用する場合を含む。)、第二十九条第一項、第三十条第一項若しくは第二項(第三十一条第二項において準用する場合を含む。)又は第三十一条第一項の通商産業省令の制定又は改廃をしようとするとき、又は第六条(第七条の二第三項(第十九条の四第三項において準用する場合を含む。)、第十一条第三項若しくは第五項又は第二十三条第三項において準用する場合を含む。)の規定による処分をしようとするときは、通商産業大臣又は当該貨物についての主務大臣は、あらかじめ、当該制限又は処分に係る輸出業者輸入業者生産業者又は販売業者のうち中小規模のものに意見を述べる機会をあたえなければならない。   2 第五条の二第一項、第五条の三第一項、第七条の二第一項、第十一条第四項、第十九条の四第一項又は第二十三条第一項の認可を受けようとする者は、当該認可を受けようとする事項について少数意見があるときは、これを当該認可申請書に附さなければならない。第五条第一項又は第十一条第二項の届出をしようとするときも、同様とする。  修正案の原文はこのようなことでありますが、要点をかいつまんで申し上げますと三点ございます。  第一は、組合法と申しますものは同業者の集まりでございますから、その意見尊重されて、官僚独善を牽制する作用も持つことは当然であります。しかしとかく組合の幹部が運営を壟断いたしまして、財閥大資本に偏重するおそれがありますことは、皆様の御承知の通りでございます。しかるがゆえに、その運営に当りましては、その組合員の中の中堅の産業、または小規模の産業意見も公正にくみ取り、そして公平な運営をしてもらいたいということは、最も痛切な要望の一つでございます。このことは大部分運営にあるのでありまして、自己の権利に関する限り一歩も譲らず、自己の責任に関する限り完全に果すという独立自主の気が国民にあれば、あえて過去のごときことをこれほどまで心配しないでよいでありましょうけれども、由来泣く子と地頭にはかなわぬという弊風国民にあります上に、財閥支配の強い国、こういう支配の強い国でありますため、中小企業者利益並びにその発言は不当に抑圧される傾向にあるのでございます。従いましてかかる通弊を少しでも修正いたしますために、この二ページ目の「中小企業者意見尊重」という項目、すなわち第三十八条を挿入いたしまして、政府調整に関する事項を決定しようといたしますときには、中小規模のものに十分に意見を述べる機会を与え、その立場尊重するようにしてもらいたい。これはおそらく党派を越えまして、同僚議員の皆さんのひとしく御同感のことであろうと考えまして、このような条項修正案として出しました。  第二は、組合には多数の組合員がおりまして、多数と少数に分れるわけでございます。由来この国におきましては、ささたる意見の相違にも非常にかどが立ちやすい国でありまして、一たび多数になったならば、少数意見を無視して顧みないという弊風が非常に強い国柄でございます。従いまして少数意見に対しましても、くむべき点は十分にくんでもらって、組合の公正な運営を期してもらいたいという趣旨で、最後のページの第五条に、行政機構に対して組合経由によって意見を上申しまする場合には、少数意見もこれを上申するようにしておいてもらいたい、こういうことでございます。  最後に、最初項目に第二十三条として長々しく書いてありますことは、これは中国に対して輸出入調整組合を設立するということを予想して書かれた条項でございます。御承知のように、中国は、進出口公司統制のもとに、窓口が一本に近い形で貿易がされておりますので、日本側においても、輸出または輸入について、少くとも品質と価格の問題については統一的行動が必要であるということは、世論のほぼ一致するところでございます。しかしながらそのような操作であるならば、輸出入取引法今次の改正案の中の輸出統制輸入統制事項を適用すればよいのであって、今直ちに輸出入調整組合を作る必要は、中国に対してはなかろうと思うのであります。現に輸出入両方合せた組合は、中日貿易会等適当な機関が自主統制の実をあげ、両国間で円滑な運営が行われておりますので、むしろ業界の自主統制尊重いたしまして、そして輸出について統制が必要であり、輸入において統制が必要であります場合は、輸出入取引法のそれぞれの条項を適用いたしますならば、輸出における乱売の弊も防止し、輸入における買いあさりの弊も防ぐことができると思う次第でございます。しかるがゆえに、中国に対して輸出入取引法を適用いたします時期は、むしろバトル法が緩和されまして、全面的にその必要が生じ、両国間に通商協定が結ばれまして、インドネシアと同じような政府相互間の協定が結ばれましたときで十分であるまいかという趣旨をもちまして、第二十三条の第一項は削ったわけでございます。しかしながら、インドネシアとの取りきめ等がございます。そういう国に対しまする輸出入調整組合というものはあってよかろうということで、その項はもちろん残しておるのでございます。  このような趣旨でございまするから、どうか各党同僚議員皆様の御賛成を切に要望する次第でございます。
  7. 田中角榮

    田中委員長 これにて両修正案趣旨説明は終りました。  これより両修正案に対し質疑を許します。質疑は、理事会の申し合せによりまして、各党おおむね二十分ずつでありますから、発言者は適宜御質疑願います。南好雄君。
  8. 南好雄

    南委員 修正案につきまして一言だけ、これは質問並びに意見を申し上げたいと存じます。  現在の日本の置かれた状況から考えますると、この改正案趣旨につきましては、私個人といたしまして、非常に時宜を得た改正だと考えておるのでありまするが、法律体系の上から見ますると、非常に大きな意味を持っておるのであります。事輸出入関係いたしますると、その商品が輸出品でありまする場合におきましては、内地におきましてもいわゆるメーカー協定ができる、こういうところまでこれが広がっておるところから考えますると、いわゆる独占禁止法との関係におきまして、今度の改正は非常に大きな意味を持っておるのであります。今まで現行法におきましても、輸出または輸入組合メーカーとは、輸出品につきまする協定はできたのでございますが、今度の改正の結果、いわゆるメーカーだけが、輸出品について内地協定もでき、しかもそれが全国的な場合といえども独禁法違反にならないというところに、非常に大きな意味があるのであります。こういう場合には、法律上いわゆる組合の形を作らずに、単なる協定によるカルテルのようなものができるというところに、今度の改正の非常に大きな意味があるのであります。これは公取横田さんにお聞きしたいのでありますが、もし組合メーカーとが協定をいたします場合に、個別的にメーカー協定するのか、それとも任意な組合とその組合との協定をするのか、どちらの方にするのか、それが一点。  それから事輸出関係する場合におきましては、任意的な、メーカー主要部分の連中が任意に作られるいわゆる協定独禁法から除外する関係が、私は非常に大きな意味を持って参ると思う。ここまで参りますると、どちらかと申しまするならば、今までの公正取引委員会の動きと申しますものは、私は少し間違っておるのじゃないかとさえも考えるのであります。従来この公正取引委員会と申しますものは、どちらかと申しますならば、法律規定によって……。   〔発言する者あり〕
  9. 田中角榮

    田中委員長 速記がとりにくいようでありますから、できるだけ御静粛に願います。
  10. 南好雄

    南委員 形式的違反ということだけを目標にして法律運用された傾きがあるのであります。たとえて申しますならば、そば屋の全国的な値段の取りきめあるいは地域的な取りきめを、独禁法違反として処罰する、あるいはふろ月理髪屋もというように、単に法規的に形式的に、地域的なあるいは全国的な協定について、非常にシビヤーに独禁法を適用される反面におきましては、通産大臣の勧告さえあれば、紡績連合会の、いわゆる加盟大生産者におきまする協定などは、これは明確に独禁法違反をしておりましても、今日法の運用を非常にちゅうちょされるというようなことで、私は、公正取引委員会法律運用につきましては、多大の疑問を持っておったのであります。今日の日本の置かれた輸出入状態から見て、ここまで広げることは非常に必要ありと私も思いますけれども、今後あの私的独占禁止に関する法律を適用する場合において、あなた方の職責というものは非常に大きい。いわゆる消費者利益をどの点においてこの法律調整を求めていくかという点になって参りますると、私は、今までのような考え方で公正取引委員会が動いては、これは必要のない法律になって参ると思うのであります。そこで消費者利益と申しますことを十分に頭に置かれて、単なる形式的の違反ばかりでなく——これは法律運用によって形式的な違反を追及することは非常に簡単で、だれでもできることでありますが、そういうような法の運用をせずに、ほんとうに、消費者利益を度外視するような場合は、相手がだれであろうと、信念を持って私的独占禁止法律運用に当っていただきたい。貿易状況によりまして、やむを得ずここまで広げて参りまするが、今後におけるあなた方の法律運用につきましては、一段の留意を願いたい。さらに進んで公正取引委員会といたしましては、独占禁止法をいわゆる審判体系に変えていく必要があるのではないか、ほんとう消費者利益を度外視する、たといそれは貿易上必要であっても、公共の利益に反するような場合におきましては、たとい法律違反はなくても取り上げて、これを禁止し得られるような、上からながめていくようなものに今後は独占禁止法を変えていく必要があるのではないか。今の横田さんの個人見解でけっこうでありますから、できるだけすみやかな機会において、私的独占禁止のこの法律を、今私が申し上げましたような趣旨改正する意思があるかどうか。ぜひともそういうふうにやっていただかなければ、ただ単に独禁法法律の領分において変えていくことは、非常に公取の仕事をしにくくするというように考えられてならないのであります。第一点のお答えと、第二点のあなたの見解を率直に回答されることを望んでやみません。
  11. 横田正俊

    横田政府委員 ただいま南委員の叱吃御激励のお言葉を伺いまして、非常に感激いたす次第でございます。  第一点につきましては全く同感でございまして、力及ばずして成績の上らないことを恥かしく存ずる次第でありますが、私どもの考えも南さんの御指摘になったとごうも変らないのでございます。  第二点といたしまして、今審判体系とかおっしゃいましたが、もう少し独占禁止法のやり方について工夫してはどうかというお言葉だと思います。数年間の経験によりましてわれわれもいろいろ考えておることはございますが、しかし今この場において果してどういう形に持っていったらわれわれとして日本経済界に最も役立つような独占禁止法運用ができるかということにつきまして、ここではっきり申し上げる用意はございませんが、その点につきましてもただいまいろいろ検討いたしておりますことを申し上げておきます。
  12. 中崎敏

    中崎委員 議事進行について。きわめて重要な部分にわたっての修正案が突如として民主党から提案されたのであります。そうなりますと、われわれはこの問題についてさらに基本的、根本的にさかのぼって検討しなければならぬと思いますので、私はすみやかに通産大臣出席を要求いたしたいと思うのであります。
  13. 田中角榮

    田中委員長 速記をやめて。   〔速記中止
  14. 田中角榮

    田中委員長 速記を始めて。伊藤卯四郎君。
  15. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 修正案提案者山手君に質問いたします前に、公取委員長に先に質問をいたしたいと思います。というのは、この輸出入取引法の一部を改正する法律案は、公取委員会ときわめて重大な関係があることは申し上げるまでもありません。従って政府から一部改正案提案されるに当って、横田公取委員長十分意見を聞かれ、またみずからの意見をお述べになって改正案が出されたものかどうかという点について私が非常に疑問を持って参りましたのは、ただいま山手君から修正案提案され、その説明によると、公取委員会の権限というものを剥奪する、いわばカニの手足をもぎとってしまって公取委員会は無用である、こういう結論を下す意図をもって山手君の修正案が出されておると思うのであります。従って横田公取委員長としては重大なる関心を持ち、決意をされなければならぬ立場であると思う。こういうものがこのままの形で出されて、公取委員会の存在というものに何ら不安を感じられないのか、その使命を果され得るのかどうか。これは非常に重大な関係を持つので、この政府改正案山手君の修正案がもし国会で議決されたとするならば、公取委員会は重大な関係に立たされるのであるが、そういう点について率直なる御意見を御発表願いたい。
  16. 横田正俊

    横田政府委員 今回政府から提案になりましたこの改正案につきましては、昨年の暮れからことしにかけまして主として通産当局公正取引委員会との間にきわめて慎重な検討が行われました結果、二、三の点につましていろいろ意見の食い違いがございましたが、それらの点が一つ一つ解決されまして、最後の形におきましては完全に両者の意見の一致ということになりましてこの提案になったわけでございます。  ところで先ほどの山手委員からの修正案でございますが、この修正案につきましては、こまかな点につきましていろいろございますが、しかしそれらの点は大体運用において何とかできるものと私は考えておりますが、ただ公正取引委員会といたしましてどうしても御同意できません点は、認可に当りまして公正取引委員会同意を必要といたしておりますものを、協議で足りるということに修正せられんとしておる点でございます。この輸出入取引法におきまする協定等につきまして、認可をいたします際に、あるいは届出をいたしましたものにつきましてこれを認めます際に、法律上の要件がいろいろ規定してございまして、この中には通産当局の主として関係部分と、それから主として公正取引委員会独占禁止法的な観点からいたしまする要件とがあるわけでございます。この独占禁止法的な要件は、条文について申しますれば、その内容が不当に差別的でないこと、この点は先ほど社会党の御案の中にもございましたように、カルテルが結成されました場合に、それがすべての業者に差別的でなければけっこうでございますが、これがえてして不当に差別的になるおそれがないではない。この点は独占禁止法の面から厳重に考えなければならぬ点でございます。第二点といたしまして、協定に参加し、またはその協定から脱退することを、不当に制限する点も、やはり独占禁止法的な観点からよほど注意をしなければならぬ点でございます。最後に、最も重要視しなければならぬ点は、国内関係事業者または一般消費者利益を不当に害するおそれがないこと、これはただいま南委員から特に御発言がございましたように、この点が独占禁止法の点から申しまして、こういう輸出入に関しまするカルテルを認める際に最も注意をしなければならない点でございまして、この三点を検討いたしますことが、公正取引委員会の重要なる役になっておるわけでございます。従いまして、たとえば認可に当りましてこの三つの点につきまして不幸にして通産当局意見が食い違いました場合は、やはり主たる主管庁でございます公正取引委員会意見尊重していただかなければならない筋合いでございまして、この点が単なる協議というふうなことで、公正取引委員会から申し入れましたことを通産当局で採用しなくてもいいという形になりますることは、どうしても御同意がいたしかねるのでございます。これはもちろん現在の通産大臣あるいは現在の通産当局は、この改正案の折衝の際におきましても、おそらくこれらの点について、公正取引委員会からいろいろ申し上げますれば、十分にそれを尊重していただけるという自信はございます。しかし一国の一つの制度といたしましては、やはりその点についての法律上の保障がなければならないと私は考える次第でございまして、その意味におきましてこの協議という点に対しましては、あくまでも原案の通りにしていただきたいというのが公正取引委員会といたしましての強い要望でございます。
  17. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 なお横田委員長にお尋ねしなければならぬ点が多々ございますけれども、ただいま横田委員長の御意見を伺いまして非常に重大なことであると感じましたので、この点委員長に私の意見を申し上げ、委員長はこれをどのように処理されるかをお伺いしたいのでございます。それは横田委員長からお聞きのように、民主党、自由党からの修正案、いわゆる山手修正案に対しては同意ができないということを御発表になったのでございます。さらにまた公取委員会意見尊重されてないということも明らかにされたのであります。従ってこれは民主党と自由党とが一緒になって採決をされるということになれば、この公取委員会同意をしない、意見尊重されない、反対であるというこれも、この委員会では通過するのである。そうすれば民主党は御存じの通り与党である、それで与党民主党が自由党の同調を得てこの修正案を本委員で可決をされるとするならば、通産省と公取委員会とのその関係というものは、私はきわめて重大なる関係がここにあると思うのであります。従って与党である民主党からこのようなものをお出しになる場合には、通産省はもちろん公取委員会との間においてもそういう点等は私は十分了解があって出されなければならないものであると思うのであります。そういう食い違いのある修正案をここに出して、これを直ちに議決をされようというようなことをやられることになれば、われわれは重大なる決意をしなければならぬ。従って石橋通産大臣がどのようなお考えを持っておられるのか、公取委員会と与党との関係をどのように調整されるのか、そういう点について委員長はどのようにお考えになるのか、この矛盾の点をこのまま、議事進行されるつもりであるかどうか。私はそれらの調整がつくまで暫時休憩をされて話し合いをされる必要があると思いますので、暫時休憩をしてこの調整をはかられんことを提案をいたします。
  18. 田中角榮

    田中委員長 ちょっと伊藤君に申し上げますが、ただいま石橋通産大臣出席を求めておりますので、先ほど私が申した通り、石橋通産大臣に関する以外の質問をまずお続け願いたい。
  19. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 私らはただいま議題として提案をされてあるこの法律案を審議しておるのである。この法律案についての扱い方の問題を私はただいま意見を申し上げた。これを処理されないうちに、これはそのままにしておいて、何かほかにあったら議事を進行されるということは、私の意見を軽視されるもはなはだしいのであります。その意味においては私の意見等を尊重して、私の申し出の通りに処理されんことを委員長に強く要望いたします。
  20. 田中角榮

  21. 田中角榮

    田中委員長 速記開始。
  22. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 石橋通産大臣がお見えになりましたからお伺いをいたさなければなりませんが、大臣もお聞きになっておると思います。多分御相談になったのでもあろうと思いますが、実は先ほど山手君から輸出入取引の法律の一部改正について修正案を出された。ところがその修正案について横田公取委員長から、公取委員会意見尊重しておらぬ、従って同意はできない、こういう発言をされてあるのです。それは私も考えてみまして、横田公取委員長の御意見はごもっともである、そういうことを発言されております。従って山手君の修正案は、民主党と自由党とが共同の修正案を出されておるのでありますから、これを無理に押し切ろうと思えば、この委員会で採決すれば通る。ところがさてこの公取委員会では、ただいま申し上げたようなことである。そうすると、従って今後この法律運営されるに当って当然行政上において問題が起ってくることを考えなければならぬ。そういう点から与党と通産省と公取委員会あるいは通産大臣横田公取委員長あるいは与党幹部との間に、十分こういう点において調整をはかって、しかる後に私は修正案を出されるということが妥当であると思う。従ってこの三者の調整がつくまで暫時この委員会を休憩して、それらの間の調整をはかってもらいたい。こういうことを私は委員長提案をしておる。一体通産大臣は主管大臣として、当然今出された修正案について私は御意見を求められてあると思うが、もし求められておって、横田委員長からの発言のようなことを無視してやられるとするならば、石橋通産大臣公取委員会は要らないのだ、もうあれは実はやっかいものなのだ、あれがあるのではなはだ迷惑するからだんだんカニの手足をもぎあげ、もぎあげて、これはまずカニの親指をもぎあげてやるのだ、こういう公取委員会に対するお考えがあるのじゃないかと思う。公取委員会に対する通産大臣の考え方をまず先に伺いたい。
  23. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 公取委員会としては、もちろん建前を守らなければならぬ。私もしばしば申し上げるように、公取委員会の今の独禁法の適用は確かに必要だ。かように信じておるものでありますから、決して公取委員会をないがしろにするなんて気持はありません。従って今回議員修正で今の公取に承認を受けるというのを協議をするというふうに変えられることは、これは議員でおやり下さったのでありますから私は何ら異論はございませんが、同時に行政上の措置といたしましては、たとい協議になりましても、私どもとしてはあくまでも公取委員会立場尊重して公取委員会を軽視するようなことのないように努力するということだけを申し上げ得ると思います。
  24. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 山手提案者にお伺いいたしますが、お聞きのようなことであるが、なお今のような食い違いをそのままにして山手提案者はこれを説明し、この審議を進めてもらおうとお考えになるのであるかどうか。もしこのままの形であなたが今後この御説明の任に立ってやられるということであれば、今の答弁を通じてだんだんあなたの立場は苦しい立場に追い込まれていくであろうことを私は信ずるのである。従って提案者みずからが通産大臣横田公取委員長との間で十分意見調整をなされた上でわれわれにこの審議を求められるということが、この委員会尊重されることになると思うのであるが、そういう点についてどのようにお考えになるか。私はあなたがりっぱな政治家として委員会尊重されるなら、今私が申し上げたようなことをあなたみずから先に申し出て、そういう調整をはかっておいて、われわれに審議を求められることが当然であると思うが、その点についてどうですか。
  25. 山手滿男

    山手委員 伊藤さんの御心配、いろいろごもっともと思いますが、この修正案を作ります上においては、公取の方にも連絡し、公販の担当課長そのほかの意見を十分聞き、あるいは通産省の考え方も十二分にお聞きをいたしまして、この修正案の作成をいたしたわけであります。御承知のようにこの輸出入取引法のできましたのは占領の終結直後でありまして、あの当時はずいぶんきびしい、何もできないようながんじがらめの輸出入取引法であったのであります。このようにがんじがらめなことをやっておりながら、なおあの当時公正取引委員会消費者利益を害するとか何とか公取立場で不満足を云々された。そのあとまた修正をしたときも、それはある程度の緩和でありましたが、公正取引委員会はこれでは公正取引委員会の機能が十二分に果せないというふうなお話をずいぶんされた。今度またいろいろ通産省の立場、ことに実際の輸出の第一線に立っておる人々の立場も考慮いたしまして、こういう修正案を出そうといたしますと、公正取引委員会はもう台なしになってしまうのではないかという御心配があるようでありますが、終戦後十年たった今日、日本輸出貿易を盛んにする以外には生きていく道はないのでありまして、関係業者が十二分に機動的に動けるような立場を作り上げてやらなければ、日本輸出はどうしても伸張しない。御承知のようにイタリアやドイツなど非常にうまく機動的にやってきておるのでありまして、それでやらなければいけない。小さな商売をやるのでも、あらかじめ何でもかでも公正取引委員会意見を聞いて、その同意を求めなければ商売ができないというこの法律の建前では、私はこれから先の日本輸出振興は望まれないと思う。公正取引委員会独占禁止法の番人でございまして、この修正案が通りましても、もしもそれが公正取引を害したり、国内消費者利益を非常に害するようなことがあれば、それを禁止したり、あるいは相当の処罰ができるわけでありまして、私どもは今大臣からお話がありましたように、公正取引委員会は今後とも十二分にそういう裁判所的といいますか、検察的な立場は発揮をしていただくようにお願いをしたいと思っておるのであります。あらかじめ何でもかでも公取同意を得なければ商売ができないということでは機動性がない。だから協議はいたしますけれども、公取の完全な同意を得なければ何も動けないというような体制は修正しよう、こういうことであります。
  26. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 山手君は私の率直に聞いておることに一言で答えられることをはずして、間違ったことを合理化する意味で長々とお説教のようなことを言われましたが、私はそういうことを求めておるのではない。求めておるのは、先ほどからお聞きの通り、石橋通産大臣は、とにかく公取委員会は無視しない、横田公取委員長意見は十分尊重するというお考えを多分言われたものであろうと思うのであります。そうすれば与党である民主党は大臣の意見に反し、横田公取委員長意見は聞いておるというけれども、それを尊重しておらない。従ってこの法案を無理に与党として押し切ってやろうとするならば、横田公取委員長の首を切らない限りはできない。それだけの腹をきめておられるのかどうか。もしそこまで腹をきめておられないとするならば、大臣と横田公取委員長山手君なり与党幹部の諸君の間で、まず調整をはかってから、これの審議をわれわれに求められることがきわめて穏当であると思うが、もしこのまま押し切られようとするなら、私どもはこの矛盾したものをこのままの形で審議はできませんぞという意見を私はここで出しますから、そこまでいかぬうちにどうです、おとなしく円満に審議をしてもらうように提案者から求めたら……。
  27. 山手滿男

    山手委員 伊藤さんの方に非常な誤解があるようですが、私と大臣とは全然意見が相違しておりません。私どもも公正取引委員会尊重するという建前には何ら変りはないのだが、事前に公正取引委員会に何でも持ち込んで、その同意を得る。今まで公取へ持ち込んで議論しておって、商売をやるのに、通産省から許可を得るのに非常に長い間ひまがかかったというようなことをさせないように、もっと機動的にやろうということであって、しかしそうやってやったことが公正取引に反したり、あるいは消費者の重大な利益を害するということになれば、当然公取が出動してはばかることはないのでありますから、これは全然私どもと大臣は意見が一致しておりまして、公取を十二分に尊重するつもりでございます。
  28. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 どうも私は、山手君は多分暑い関係で少しのぼせておられるのではなかろうかと思うが、そんなにのぼらぬでもいいです。問題は私は非常に簡単なことを何へんも繰り返しておるわけなんであって、私は法案の修正案の内容にわたって言っているのではない。内容にわたってなら私は非常に意見がある。あなたは今内容を言おう、言おうとされるが、内容にわたってなら私は反対の意見を持っておる。あなた方はとにかくこの修正案によって共食い、共倒れは国家的に放任できないぞ、そういうことに名をかって大きなものに漸次強い力を与えて、小さいものをつぶしていこうとするのである。公取は多分この点に重大な関心を持っておられるであろうと私は思っておるのである。横田委員長がその点を尊重されない、同意されないということであろうと思うのであります。私は内容の点はあとで十分論議をいたしますが、今扱い上の問題を言っておるのである。だから扱い上の問題についてあなたがなおこだわってやられるということであれば、私は委員長に再度お尋ねをし、私の意見を申し上げる。お聞きのようなことで、このままの形で私どもはこれを審議をすることはできません。このままの形で審議をする結果は採決をしなければならぬでしょう。採決をする場合に今の矛盾のままをそのままにして採決はできません。それでやられるとするならば民主主義は多数決の原理ですから数でやられるかもしれません。おそらく自由党の諸君は一緒の共同修正提案者であるけれども、この矛盾が明らかになった以上は、自由党の皆さんはそれは賛成できませんということにきっとなるだろうと思う。だから委員長に対してどうせできるだけ時間的に上げてやろうという協力はするのである。ただし賛成、反対は別であるけれども、早くやはり片をつけなければならぬとも思っておるのである。だから一応一つ今の調整をはっきりして、横田委員長からもこれならば公取委員会意見尊重されてあります、同意もできますということをはっきり答弁ができるように、そういう調整をはかられた上でこの審議を進められるように委員長に動機としてこれを求めます。
  29. 田中角榮

    田中委員長 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止
  30. 田中角榮

    田中委員長 速記を始めて。  午後一時まで休憩をいたします。    午後零時七分休憩      ————◇—————    午後一時二十一分開議
  31. 田中角榮

    田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際横田公正取引委員会委員長より発言を求められております。これを許します。
  32. 横田正俊

    横田政府委員 先ほど山手委員修正案に関しまして、公正取引委員会といたしましての見解を申し上げたのでございますが、要は通産大臣認可に当りまして公正取引委員会の意向が十分に尊重されますならば、われわれといたしましても異存がないのでございますが、先ほど通産当局ともいろいろお打ち合せをいたしました結果、十分に公正取引委員会意見尊重していただくということによりまして、われわれもしいて「同意」という点を主張いたさないことにいたしました。ただし先ほど通産大臣から同趣旨のお話がございましたが、できますならばこの際同趣旨のことを国会の意向として附帯決議の形式なり何なりでお漏らし願えれば、われわれといたしましてまことに幸甚に存ずる次第でございます。先ほどの意見の開陳後の処置につきまして、この点御報告申し上げます。
  33. 伊藤卯四郎

    伊藤(卯)委員 横田公取委員長からただいま御意見を伺ったのでありますが、どうも察するところ、あまり釈然とはしないけれども、まあ泣く子と地頭には勝てないという気がいたします。そこで公取委員会として先ほど横田委員長からお述べになったことは、この法案について非常に憂慮される点が多々あるところから、私は申されたことを非常に尊重していたのであります。御存じのようにやはり貿易の問題は、わが国の狭い国土で多くの人口に職を与え、生活を与えていくためには、貿易を伸ばす以外に道がないことは申すまでもありません。けれども横田委員長も私どもと同じ意見ではないかと思いますのは、ややともすればそういうことを理由づけて、大きいもののみを伸ばし、いつの間にかこれに独占的な力を与えて、そのために中小業者、弱い者が圧迫されてくる。法律の力で自然につぶされていくという結果が絶えず起ることは申すまでもないと思う。おそらく横田委員長はこういう点を深くお考えになって、先ほどああいう発言をされたものであろうと私は尊重しているのでございます。あなたのところでは通産大臣あるいは通産省がどうあろうと、独自の法律上における権能をお持ちになっているのであるから、やろうと思われればあなたのところでは何ものもおそれないでおやりになることができますけれども、しかしながら法律ができて参りますと、実際上ものが運んでいくときには、あなたの方の独自の見解による裁定によってやられる前に、事実問題が先にどんどんと進行していってしまうのである。だからそういう点もあなたはこの法案に対して深くお考えになったものであると思うのであります。そういう点からいまだ十分割り切ることができないから、附帯決議でもつけて、強くこれを牽制しておいてくれという御注文であろうと私はお察しするのでございます。もちろん私どもが同意をする場合においても、附帯決議をつけますけれども、しかしながら与党側で出されている修正案に私どもは同意できない。私どもが独自の見解から修正案を出すことになれば、あなたの御注文を私どもは入れるわけにいかないので、その場合にはたぶん山手君らの与党側の方であなたの御注文を入れてきっと出されるようになるだろう、こう私は思う。そこらが山手君らの、悪かった、間違っておりましたという良心的な現われであろうと思うのです。だから横田委員長におかれましてはあなたのところで、申し上げましたように独自の権能、力があるのですから、それをもって一つ十分にあなたの方の解釈、見解の上に立って、少数者が独占して多くの中小業者がこのために法律の力でつぶされてしまわぬように十分そういう点をお考えになって、これと取り組んでやられるよう強くこれは再度あなたに御希望を申し上げておきます。石橋通産大臣はただいま横田公取委員長からお聞きになったこと等について、たぶんあなたと打ち合せの上であろうと思いますが、法がどうであろうとも、横田委員長の御心配になっている点はあなたも十分おわかりになっているのだから、それらの点について運営上、行政処置の上において十分遺憾なくお二人の間において運営されていくように私は強くその点の希望を申し上げておきます。
  34. 田中武夫

    田中(武)委員 先ほどから大体われわれの考えておった点につきましての質問が出ておりますので、ただ一、二の点だけをお伺いいたします。まずこの改正独禁法の緩和のための改正でありまして、独禁法からいうならばその特別の例外を規定する改正であります。従いまして例外規定はできるだけシビヤーに、できるだけ小範囲が望ましいと思うのでありますが、今の民主党から出されておりますところの改正案はより一そうこれを緩和するという傾向に移っているようでございますが、それらの点について独禁法とこの例外規定との関係について、どのようにお考えになりますか。提案者及び政府から一つ……。
  35. 山手滿男

    山手委員 仰せのようにこの輸出入取引法で問題になります点は、独禁法政策と貿易政策とをどういうふうに調和していくかという技術の問題になるのだと私は思うのであります。最近国際貿易が非常にシビヤーになって参りました関係もあるし、もう少し機動的に日本国内で対抗できるような態勢を整えさせたいというのが、修正案のねらいでございます。何でもかんでも広く一般的に除外例を認めようということではなしに、貿易だけに関して、輸出にかかる物件だけについてこのカルテルを認めよう、協定を認めようということでございまして、一般的に無制限にカルテルや何かな認めようという趣旨でもないのでありますから、その点は御了承を願いたいと思います。
  36. 田中武夫

    田中(武)委員 提案者にお伺いしますが、この改正が、独禁法から見るならば、その例外を規定するものであるということはお認めになるかどうか認められるならば、法の原則としてできるだけ例外規定はシビヤーの方が望ましい。原案におきましてすでに輸出関係からの必要な措置をとられておるわけです。それをなお二十日間以内で認可がなければ発効するとかなんが、とかいったような日限を切っておられる。こういうような点が少し緩和が行き過ぎではないか、こういうように考えるのですが、それもただ貿易あるいは輸出の特別な理由、これだけの理由で裏づけられるのか、お伺いいたします。
  37. 山手滿男

    山手委員 二十日間の日限を切りましたことについては、従来からも通産省の方で受け付けまして、公取と相談をする、あるいはその間にいろいろな雑音が入るというふうなことでだらだらしておる。片一方日本国内の取引きでございますと、さまで問題はないし、お互いに了解はすぐつくのでありますが、外国との貿易関係をいたしますことでございますと、どうしても機動的にある一定の期間内にすみやかに返事をするものは返事をする、あるいは条件を整えるものは整えるということでなければいけませんので、むしろ行政事務を簡素化するというか、すみやかに能率的にいけるようにすることによって、さらに一そう貿易の振興に役立つようにしていきたい、こういう趣旨であります。
  38. 田中武夫

    田中(武)委員 今の私の質問について、ちょっと大臣の見解をお伺いいたします。
  39. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 ただいま山手委員からお答えしたように、二十日間にお期限を切る、これはだらだらしておってもいけませんから、二十日あれば十分だと思いますので、けっこうだと思います。
  40. 田中武夫

    田中(武)委員 大臣は二十日間あれば十分だと思う、こういうことであるならば、事務的にこういう趣旨でなるべく必要なものなら早く調査をし、取り調べて認可をする、こういうことにしてやるなら、別に二十日というような日限を法律で切る必要はないとも思うのですが、その点どうですか。
  41. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 通産省としては本法の趣旨によって急いでやることはむろんですが、しかし日限を切られても一向差しつかえないのでありまして、あるいは今後の事務をとる上において、日限を切られた方が事務の進捗上いいかもしれませんからけっこうであります。そういう例はあると思います。
  42. 田中武夫

    田中(武)委員 それではこの点は見解の相違ですからおきます。  もう一つの点は、先ほどから問題になっております点でございますが、第三十四条関係ですが、原案では同意となっており、今度は協議となっておる。このことについて午前から問題が出ておるわけなんです。それについて先ほど来何らかの話し合いができたか、——できなかったかもしれませんが、できたかのごとき発言もあったのです。そこでお伺いしたいのですけれども、もし協議ということを文字通り見ますれば、あくまで協議であって、協議が整わなかった場合、もちろんこれに対して公取委員会意見尊重するとか、附帯決議とかなんとかいう話も出ておるようでありますが、結局のところは主導権といいますか、協議が整わなかったときは、通産大臣の方において決定をせられるということになるのですが、そうでございますか。
  43. 山手滿男

    山手委員 私はさっきも公取委員長及び大臣が言明をされましたように、十二分に公取通産当局とが協議をいたしまして、具体的な案件は処理をすることになると思います。非常に皆さんが御心配になっておられますように、いたずらに不当な制限を付した場合とか、国内消費者を不当に圧迫をするような、不利になるような協定をするという顕著な事例でございますと、これは当然不公正な取引になりますから、公取が独自の立場でカルテルや何かに干渉していくことができるわけであります。と申しますのは、輸出業者に対しましてもメーカーに対しましても、協定の変更を命じたり、破棄をさしたりするようなことができるわけでございますから、見解がほとんどすれすれ、紙一重というようなことについては、それは十二分に相談をした上うまく話し合いはついていくものと私たちは考えております。
  44. 田中武夫

    田中(武)委員 私がお伺いしている点は協議がうまく整う場合は問題はない、協議が整わなかった場合に最終的な決定権はだれが持つのか、もちろん原案によりますと同意ということになっているので、最終的な決定権は公取委員会にある。ところが協議と変ることによってその地位が転換せられて通産省にある、こういうことになるわけです。そういうことについてどう思うのかということ、それから先ほど提案者のお答えになっている協定を破棄するとかなんとかすることができるということはどういう意味なんです。
  45. 山手滿男

    山手委員 前段の御質問はその通りであります。最後的には通産大臣の方で決定をするということになりますが、十二分に協議をして決定をするということであります。  それからあとの御質問でありますが、それは不公正な取引に属するわけでありますから、皆さんが非常に御心配になるような問題については、独禁法そのものが発動いたしますからこれは問題ではないわけであります。
  46. 田中武夫

    田中(武)委員 それは一般的な場合で、これができるとその例外をなすのだから、これはワクがはずされるのではないですか、協議したものは……。
  47. 山手滿男

    山手委員 修正案をごらんになりますとわかりますが、五条の第一項が「前項協定に準用する。」ということになっておりまして、五条の第一項がそれらに準用されることになりますとそういう解釈が出て参ります。
  48. 田中武夫

    田中(武)委員 同じことについて公取委員長にちょっと御意見を承わりたいのですが、私の考えはあるいは間違っておるかもわかりません。今提案者が言われた点は一般的な問題である。その一般的な問題に対する輸出という点から、特別例外規定を設けたのがその改正あるいはこの修正であります。従ってこれによって協議がなされてなお公取委員会として不満であっても、最終的に通産省において決定権がある、これによってでき上ったところの協定が不公正取引であるということで破棄するような権限があるのか、ないのか、お答えを願いたいと思う。
  49. 横田正俊

    横田政府委員 ただいま山手委員から申されましたことを補充して申し上げますと、認可になりましても不公正な取引方法に関する独占禁止法規定は排除にならないのでございます。従いましてその点は公正取引委員会が終始自由な活動のできる範囲として保留してあるわけであります。ただけさほどからいろいろ申し上げておりますのは、認可の際に一定の条件がございまして、その条件について意見が一致しない場合に、法律の建前から申しますと公取が協議にノーと申しましても通産省で認可されるのでございますが、しかしこの場合につきましても、その後の事情によりまして、その協定が、けさほど私があげましたような三個の条件に触れて参りますと、公正取引委員会はまたその間にその手続を踏みさえすれば独占禁止法を活用し得るようになっている。この二つの手段によりまして大体は私どもの仕事はやっていけると思いますが、けさほど申しましたのは、認可の際にももう一ペん進みましてその際にすでによくないことがはっきりわかっているものについては、こちらがノーと申し上げたときにそれを認可されないように、同意ということにつきましてはその点が法律上確保されるわけであります。しかしその点は一歩譲りまして、事実上公取意見を十分に尊重していただくということでございますので、まずこの三つの点におきまして公正取引委員会の権限は確保されておるというふうに私は考えております。
  50. 田中武夫

    田中(武)委員 今おっしゃるようであるならば、私はこの修正なりは意味をなさぬと思う。協議をしたがいれられなくて、最終的に意思に反してきめられた、しかしながら独禁法によって公正取引委員会としてその協定を破棄さすことができる、そういうことであるならこの修正意味をなさぬと思うのです。また協議の際においてもし異議があると公正取引委員会が考えられるのは、勝手気ままな意見ではなくて、公正取引という観点から見て異議があるということで協議が整わないということになると思うのです。協議がととのわない場合に勝手に通産省できめられたならば、とりもなおさずそれは公正取引を害する協定であるということになると思うのですが、そうなると意味をなさぬと思うのです。その点はどうなるのですか。
  51. 山手滿男

    山手委員 従来は問題のないようなものまで全部このむずかしい手続を踏んで、公正取引委員会と通産省や何かが協議をし、同意を求めるような手続をしておりましたので、従来の実際の慣例は非常に長く時間的な浪費をしなければ認可がされない、公取との手続が完了しないというのが、実際の今までの姿でございましたので、今後はこういう問題をできるだけ簡素に、自動的にスピーデーにしようというのが本修正案趣旨であります。
  52. 田中武夫

    田中(武)委員 手続の簡素化という点からだ、こういうふうに提案者は言っておられるのですが、私は問題は違うと思うのです。もう一つは、かりに公取委員長が今言われたように、最終的に協議をせられてやるといっても、一応協議ということをやった、そのあとは法律的な問題でたく政治的な問題としてそういうことができる、こうおっしゃっている。その後期間を経て情勢の変化があった場合、これは問題はないと思う、しかしながら現実に協議をする段階において、公取委員会として不公正だと考えられた協定がどのようなコースをたどるのかということです。
  53. 山手滿男

    山手委員 公取の方で明らかに不公正な取引と認定を下されるような問題は、おそらく通産省の方で協議をいたしまして、公取の方からそういう話が出れば当然不許可になるものと私は思います。
  54. 田中武夫

    田中(武)委員 それなら同意を協議というふうに変える必要はないと思う。おっしゃるようなことがあれば修正の必要はないと考えます。
  55. 山手滿男

    山手委員 そうではないのでありまして、従来から紙一重といいますが、あやふやなといえば語弊がありますけれども、そこまで大した問題でないようないろいろな数多くの問題がこの書類を積み重ねてペンディングにずっとなってきたわけでございますから、そう大して問題のないものは事務を簡素化いたしまして処理させようということであります。
  56. 田中武夫

    田中(武)委員 おっしゃるように手続過程における時間的な問題なら、一項の方の修正の日時の制限だけでいいのではないですか。その上にまたこれを二つを手続の問題だけで屋上屋を架すことはない。おっしゃるように協議と同意との関係であるならば、私はなぜあえて修正をなされるのかということを伺いたい。
  57. 山手滿男

    山手委員 その点につきましては、業者かいろいろ申請をして参りました場合には、一応の目安はついておりますから、通産省が、公取と協議はいたしますけれども、自動的にスピーデーに自主的にできるだけ決裁をさす。公取はいわば独禁法の番人でございまして、今御懸念のような不公正な取引があれば、当然これは指摘をいたしまして、その協定の破棄を命じたり何かすることができるわけでございますから、その点は心配はないと私は思います。
  58. 田中武夫

    田中(武)委員 今の提案者の言われるようなことであるならば、ますます私は必要ないと思う。と申しますのは、いわゆる協議と同意を得る場合にどれだけ時間的な差があるかということです。公正取引委員会としても公正取引であるという観点がはっきりしない限り同意を与えないということはないと思う。また協議のときに強く反対をして協議が整わないというようなことは、公正取引上これはおもしろからぬものであるというように思う。そうであるならば、協議と同意との間にどれだけの時間的な差があるのか。おっしゃるように、時間的に急ぐからというだけの理由によって改正の必要があるということは、私は根拠にならないと考えます。
  59. 山手滿男

    山手委員 いろいろな例もあるのでありますが、公正取引委員会の方はいわば裁判所的な感覚でものを見ておるのです。通産省の方は、そうでない、やはり産業の助長行政を担当する責任者としては、できるだけこの見通しをつけてうまくスムーズにいけるようにという配慮もあるわけであります。もちろん通産省が認可をしてやらした結果が、非常な不公正な取引をするような協定であったりするような場合は、これは公取の方で今言ったようないろいろな手続が発動されますが、何でもかんでも事前に公取にすべて同意を求めるというふうな慎重過ぎるような手続を踏む必要はない。取引や何かは万般のことがたくさんあり、専門々々の分野が広いわけでありますから、何でも裁判所的なところの同意を得なければ商売や取引が行われないというようなことは、どうも筋が通らぬように思います。
  60. 田中武夫

    田中(武)委員 提案者のただいまの御答弁であるならば、先ほど休憩中以後のお話によって、公取委員会意見尊重云々という話も出ておりますが、私はそれは実行できないのではないかと思う。今のような御説明であるなら、取引の上では公取委員会は要らないという結論になると思う。ただ、その結果を裁判所的に見て、悪い場合にのみ発動したらよいのだ、こういうことのように聞えたのですが、そういう考えならこれは要らぬじゃないか。ですから不要論を唱えておるように聞えますが、言われるように、ただ結ばれたところの協定、カルテルが時期を経、あるいはあとから見て悪いということに対してこれを取り消すということは、これは同意であろうが協議であろうが何であろうが、事情の変更があれば当然起ってくる問題であります。私が今申し上げたのは、締結以後において起った事態に対して申し上げておるのではなくして、締結当時あり得る状態において協議と同意がどのように違うのか、おっしゃるように、ただ時間的な問題、手続上の問題だけが違うというなら、大してこの修正提案理由にはならない。こう申し上げておるのです。
  61. 山手滿男

    山手委員 この点はいろいろ議論の分れるところでありますけれども、しかし私どもは何でもかんでもいろいろな取引に全部公取の事前の同意を取り付けておくというふうなことが、従来の実際の面から見て非常に不合理な面があったという実情からこういう修正をしたいということでありますが、公正取引委員会の存在理由は、これも十分尊重し、協議をするに当りましても、さっき大臣からもお話がありましたように、その立場を十二分に尊重し、独禁法の精神をそこなわないように処していく、こういう態度に変りはないわけであります。
  62. 田中武夫

    田中(武)委員 もうこれ以上申し上げません。要はものの見方の違い、こういうことになろうと思いますので、議論をいたしません。
  63. 田中角榮

    田中委員長 中崎敏君。
  64. 中崎敏

    中崎委員 今までの議論を通じてみまして、山手君外数名で提案されましたところの修正案なるものは、いわば独禁法というところの厳重なる法律を骨抜きにして、ことに輸出取引に関する限り全面的にこれを認めないという考え方の上に立っておるために非常に無理がある。言いかえますと、独禁法を認めながら、最低限度においてやむを得ない範囲においてこの取引法を改正するという考え方ならば話はわかるが、全面的にこれを否認する、しかも独禁法は厳然としてあるのだというところに非常に無理がある。そこでもしそういう必要があるならば、むしろ将来独禁法に根本的に改革を加えて、これはただ議員が思いつきでその場でぽっと行き当りばったりにするのではなしに、政府の方であらゆる角度から十分に検討を加え、そうしてほんとうにこの限度まで必要であるという方針と方向を決定されたときに取り扱うべき問題だと考えておるのであります。これ以上この問題に突っ込んでいくよりも、むしろ私は通産大臣に注文しておきたいことは、そもそもこの独禁法というものは、いわゆる占領行政として功罪相半ばするたくさんのことが行われた中において、ただ一つ日本の経済民主化のために、ことに中小企業者あるいは国民大衆、こういう弱い人の立場を守るための最後に取り残されたるところの厳然たる保護法であると考えておるのであります。ところがその後になりまして、政府の政治の行き方が漸次反動的になって、また何十年か前の、戦争に負けた前の日本の姿をひそかに恋い慕うの余り、ことごとくそういう方向に変えつつあるのでございまして、最後に取り残されたこの独禁法なるものが、またまたこの政府の与党並びにこれに同調するところの自由党の手によって、ついに最後のどたんばに追いやられてしまうというふうな状況に追い込まれたことは、非常に遺憾だと考えておるのであります。ことに私たちはその前に日本の経済の自立のために、そうして国家の真の独立をかち得るために、政府としてしなければならぬたくさんの事柄があるのではないかと思うのであります。たとえば輸出の面におきましても、あるいは輸入の面におきましても、先般も問題となったのでありますが、ココムの協定に基いて共産諸国にある品物に限って輸出ができる、ところがこの部品の輸出ができない、何たるナンセンスでありましょう。たとえば日本から自動車は輸出させるけれども、その部品は輸出させない、一体何たることでありましょうか。そういうことがそのまま目をつぶって見のがされておって、真に国の経済が守れるのか、真に日本経済の自立というものはあり得るのかということを考えたときに、こうした問題にもう少し真剣に取り組んで、そうしてまず外に持っていって全力を注ぐべきものである、やたらに日本の弱いところの中小企業者を——大きなる資本家のうしろだてとなって、陰に暗に、やみ取引の中にそういうものを保護するような反動的なことや、極度に生活に困っておるところの大衆の、その生活について著しく大きな圧迫を加えるところのトラスト、カルテルというものを大きく復活することによって、根本的にこれらの弱い人たちの血を最後まで吸うというような反動的な政策にうき身をやつさないで、もう少し外に持っていって国家の力というものを注ぐべきものではないかと思うのでございます。あるいは石油にいたしましても、日本のほとんど大部分は過半数を占めるところの外国資本によって独占されておる。また映画についてもそうです。二百何十本かの外国の映画が日本輸入されるが、その百八十本、約九割近いところの映画は、一本輸入すれば三千万円もうかる、そういうように占領政策の残りであるところのこの外国の映画資本によって独占されて、今に日本の内閣はこれに手をつけようとしない。ただ過去の実績、占領時代の実績にあまりに目を惑わされて、何らこれに対する対策を知らない。国民の膏血をしぼっておる。こういうふうな現実に目をおおってないで、真に腹を据えて、こういう問題に全力をあげて戦うべきである。国内ほんとうに弱い者を寄ってたかってたたきつぶすという反動的な政策というものは、この際大いに考えていただきたいと思うのであります。こういう意味において、一条をもってまた一条というような、こういう最後独禁法というものを全面的に変えるための突破口としてこの輸出入取引法に名をかりてやるというような、こういういき方に対しては私どもは賛成できないのであります。こういう意味において、通産大臣はもう少し対外的に力を結集して、全力を注ぐのであるというような考え方をお持ちかどうか、まずこの法案審議の過程において聞いておきたいと思います。
  65. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 御説は非常にごもっともでありまして、決してそれを閑却しておるわけじゃございません。大いにやりつつもあるし、また今後やるつもりであります。さりとてそれができるまでは国内の態勢はほうっておいていいというわけでもございませんから、従って今度の輸出入取引法のごときものも、やはり日本産業を助長し、輸出を伸ばすためには必要だと考えております。今の対外的の問題は、むろんやらなければなりませんが、しかしそれをやらなければ、国内の体制を整えてはならぬということはない、同時にやっていいのではないかと考えておる次第であります。  それから独禁法の問題も、私はいつも申しますように、独禁法独禁法として必要な部面があります。しかしそのためにあまりにぎこちなくなるのも困る。従って前のこの法案で公取の承認を受けるという場合にも、公取委員会とは十分連絡いたしまして、公取委員会においても、決して今日の実情にそぐわないことはやるという意思は持っておられないようでございます。従ってわれわれが承認を求める場合には、あくまでも実情に沿うようにやってもらいたいという注文をつけておるのであります。しかし今度はそれが修正によって、協議ということになりましたので、一そうその実情に沿うような取扱いを公取においてしていただけるもの、それは非常な有効な修正であると私は考えておるのであります。
  66. 中崎敏

    中崎委員 もう一言言うておきたいのでありますが、ただいま申し上げましたことは、国内のことをほうっておけというのではありません。ただ弱い者にいたずらにしわ寄せして、むしろやりやすい安易な道を選びつつあるのではないかということを言うておる。要は腹がまえなんです。きわめて困難ではあっても、ほんとうに国のためにやらなければならぬところの道をもう少し決意を固めて、腹を据えてやってもらいたい。それがためにはいかなる努力をされたかということは、国民のみなの目に映じていないということを私は言うのであります。まずそういうようなものにほんとうに重点を置いて、全力をあげて外へ持っていって、防ぎ、戦うんだ、失地を回復するんだ、失権を回復するんだという考え方の上に立ってやってもらいたいという腹がまえと信念を私は通産大臣に聞きたいというのであります。もう一度その点について御答弁願いたい。
  67. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 これは対外問題は御承知のように初めからあまり宣伝してはなばなしくやることが、必ずしも成功する道ではないと思いますから、われわれは逐次じみにやっていきたいと考えておりますから、外からごらんになって歯がゆい点もたくさんあろうと思います。しかし歯がゆいのを一つがまんして、しんぼう強くやらなければ、今のココムの問題もなかなか解決しないと思います。でありますから、むろん決して閑却しておるわけじゃなくて、昨日かも申し上げましたように、もう少し時間がとれるようになりましたら、そこに全力を注ぎたいと考えております。
  68. 中崎敏

    中崎委員 この問題はちょっと考え方が違うのであります。私はいたずらに排外感情をあおる、そういう考え方ではない。しかし国民外交の時代において、正々堂々と主張すべきことはやるんだ、ただこそこそこそこそ向うの顔色を見ながらやっておるのでは、われわれの正しい主張が貫徹し得ないのではないか、そこを言うのであります。もう少し腹を据えて、国民とともにどこまでも最後の一線である守るべきものは守らなければならぬ、主張すべきものは主張すべきではないか、こういうことを言うのでありまして、その点について一つほんとうにその心がまえでやってもらえるのか、われわれが安んじて政権がゆだねられるかどうか、そういうことを聞きたいのであります。
  69. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 同じことを繰り返すようになりますが、お話のように大いに国民の世論を起して戦わねばならぬというときにはさように処置いたしたいと思うのであります。それにはやはりよほど準備をしていきませんと、いたずらに世論だけ起して困難な立場に陥るということがございますから、むろん十分な準備をしてかからねばいかぬと考えております。
  70. 田中角榮

    田中委員長 八木昇君。
  71. 八木昇

    ○八木(昇)委員 二、三お伺いをいたします。今度の輸出入取引法改正に当っては、一般に日中貿易の正常な発展を阻害する、あるいは大企業が中国貿易を独占して中小企業者や一般のものに非常な犠牲をしいることになる、あるいは官僚統制を強化する、こういうような意味で非常に強い非難が上っておるということは御存じだと思います。そこでこの貿易問題についての根本認識をどういうふうに持っておられるかということをまず最初にお伺いしたいのです。長い間の信用を持ち、大きな資本を持ち、いろいろなものを生産し取引をやってきたところの大資本というものは、国際貿易の上において有利な立場に立ってきたし、今後もほっておけばやはりそういうようになっていく傾向があるのではないかと考えるわけです。それにもかかわらず、今度のような取引法の改正をいたしますと、結局中小企業者の外国貿易がこの法によってシヤット・アウトを食うことにたると思うのです。そこで特に中小企業の振興を任務としておられる中小企業庁の長官は一体いかなる見解を持っておられるかお伺いしたい。
  72. 記内角一

    ○記内政府委員 この法律が施行になりましてどういうふうな運用になって参りますか、これからの問題でございますが、われわれとしては幸いに通産大臣の管理のもとに一緒に仕事をいたしておりますので、個々の具体的な内容について、中小企業の面におもしろくない現象を生ずるというふうな場合におきましては、具体的な事案によってそれぞれの必要な申し出をして、適当な修正なり、場合によってはこれの不認可なり、適当に措置して参りたいというふうに考えております。
  73. 八木昇

    ○八木(昇)委員 ただいまのお答えによりますと、長官としても、この法を実施されると中小企業が非常に困ることになるおそれがあるということは感じておられるわけですね。
  74. 記内角一

    ○記内政府委員 協定の内容によっては、場合によったらそういう意味協定認可申請される場合もあり得る、そういう場合においては、今言ったようにこれに対し適当な措置を講じてもらうように部内で調整をとって参りたいというふうに考えております。従って認可される、あるいは不認可になりました結果におきましては、そういうことのないようにむろん努力するつもりであります。
  75. 八木昇

    ○八木(昇)委員 非常にまるい言い回しで言っておられますけれども、実際仕事をやっておられる中小企業者は、こういう取引法の改正は、貿易面における中小企業の自殺にもひとしいと一せいに非難しておるわけです。そういう点について長官はどう考えられますか。
  76. 記内角一

    ○記内政府委員 協定そのものが直ちに中小企業に非常な圧迫になり、不公平な扱いになるというふうには必ずしもわれわれは考えておらないのであります。その内容いかんによって、場合によってはあるいはそういう事態も起り得るかもしれません。しかしすべてがそういうふうになるというふうには考えておらないのであります。しかし不幸にしてそういう事態が生じた場合には、われわれとしては認可してもらわないように措置してもらいたいと考えております。
  77. 八木昇

    ○八木(昇)委員 それでは重ねてお伺いいたしますが、ただいまのようなお話でございましたけれども、特にこの中国貿易に対して非常に切実な要望を持って今日まで一生懸命努力を続けてきたものは、どちらかといえば大産業よりは中小企業者が多かったのであります。しかしてそれらの方々の希望は、果して輸入を望んでいたものであるか、輸出をしたいという切実な念願であったのか、これらについて大臣にお答えをいただきたいと思うのであります。
  78. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 この法律がどういうわけで中小貿易者にそんな不便を与えるというふうに解釈されるか、私にはよくわからないのであります。そんなはずばないと思います。そういうつもりでやっておるのではないのであります。これはむしろ中小企業もこれに参加することによって便益を得るものと私は信じております。  それからもう一つは、よく言われますが、これはよけいなことだけれども、生産者もありますから、その貿易の中小企業というものだけをごらんになるといろいろの問題が起りましょうけれども、さらにその背後の生産者まで考えれば、この輸出入取引法が中小企業を圧迫する目的でできたというふうに解釈されるのは少し曲解であろうと思います。
  79. 八木昇

    ○八木(昇)委員 これにつきましては非常に詳しい加藤さんがあとでさらに質問されると思うのですが、常識的に考えましても、品物を買いたいという相手側の立場は、やはり安全な品物を買いたい、質がよくて安いものを買いたい、特に中国においては重工業生産に関連のあるようなものがほしいという傾向が強いわけです。そうなってきますと、特に組合日本側は一本の窓口にして、直接中小企業者間の話し合う機会が薄くなって参りますと、たださえ大産業のものが売れやすい傾向にあるのに、さらに拍車をかけていくということになりませんか。今まで取引の実績も少く、今後優秀な製品をどんどん輸出したいというような中小企業者は、直接対中国との間にいろいろ取引をする機会が失われていくわけですが、そういうことにならないかということを再度お伺いいたします。
  80. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 こんな組合がなくて自由に放任しても伸び得るような業者なら、組合があってもむろん伸び得るのであります。それからこの表決権は、大企業であろうと小企業であろうと一なんですから、大きいものに特にたくさんな表決権を与えておるわけではありませんから、これはそういう点においても公正な取扱いをしておるのであります。その中で競争に負けたのならこれはいたし方がないわけであります。競争力があるものなら、この法律によってかえって保護される、かように信じております。
  81. 八木昇

    ○八木(昇)委員 それは大臣がそう御判断になっておるのであって、この間参考人として出席された方は、実際問題として中小企業者はそういう組合の中においては発言権が非常に乏しいということを率直に告白をしておられるのでありますから、そういう実情ではないと思うのです。この商工委員会に出てきた当事者の方が言われておるのですから、私は大臣のお答えにどうしても納得がいきかねるのです。そこで私考えますことは、今日本の特に対中国との貿易関係において、日本政府が全力をあげて努力をしなければならない点は、やはり輸出の振興ということである。それから第二の点は、特に国内での市場の行き詰まりにあえいで、外国貿易で息をつこうということに一生懸命になっておる中小企業の輸出の振興をはかっていく、こういう点に当面する施策の最重点が置かれなければならぬ、こう思うわけです。そうだとするならば、もしかりに窓口一本化をはかるこういう法案が通過するといたしましても、将来向うの中国の公司あたりから日本の中小企業の工場の実態を視察あるいはいろいろな製品を見て、これならば買いたいというような気持を起させるような機会をどんどん作らしてやらなくてはいかぬ、こう思うわけです。こういう点についていかがお考えですか。
  82. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 それはこの輸出組合の問題とは必ずしも関係がない。むろん中国の得意に対して日本産業の実情を知らして、中小企業のものでもあるいはそのほかのものでも同様でありますが、日本の製品に対する購買維持をさせる努力を大いにすることは、これは言うまでもないことであります。
  83. 八木昇

    ○八木(昇)委員 それは将来はどこまでもその機会を設けて、中国あたりの先方の人たちを日本にできるだけ自由に出入りをさせて、そうして特に中小企業また中国にいろいろな商品を売り込みたいということを念願しておる企業者の工場やあるいは製品を見てもらうような機会を与えるように積極的な努力をしたい、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。  それでは最後一つだけお伺いをいたします。先ほど横田公正取引委員長のお答えがあったのですが、実は私は国会のならわしというようなものはまだほとんど知りませんが、私は奇妙な感じを持つわけです。一回こういうふうな改正をして、そうして最初政府の原案を公取と協議しなければならないというように変えてしまうことは、これは独占禁止の建前その他から非常に困るということをはっきりと言っておられたにかかわらず、一時間休憩すると答えが少しばかり曲ってくる、こういうのはどうしても解しかねます。そういうならわしがもし国会のならわしであるとするならば、これは国民を愚弄するもはなはだしいと思う。私などは初めてこういうところへ出て参りまして、奇妙なことが行われるところだ、こういう印象を持っておる。そこで私がお伺いいたしたいのは、結局するところは公取があろうがなかろうが、通産省が自分の判断でもってどんどんやっていける、こういう道を開くような修正案提案になっておるわけなんです。そういうことになりますると、これは国際貿易の面だからある程度こういうこともやむを得ないというような言いのがれをされまするが、しかし国際貿易に扱われるところのいろいろな商品は、日本国内で生産されておるわけです。それが結局日本国内のいろいろな一般の産業取引面におけるところの独占禁止の態勢をやはりこれによって阻害をしてくる、こういうふうにこのはね返りが漸次及んでいきはしないか、こういうおそれを感じるわけであります。公取委員長の御見解を承わりたい。
  84. 横田正俊

    横田政府委員 この同意を協議に改めますことにつきまして、私どもとしましては独占禁止法の理論上から申しまして、やはり原案の方がいいということをけさほど申し上げたのでございますが、しかし協議となりましても、公取意見が通るということでございますれば、実質において変りがないということで、一応公取といたしましても修正案を了承いたしたわけでございます。しかしこういう考え方がだんだんに輸出以外のいろいろな面に及んでいくということにつきましては、これはよほど考えなければならないと私は考えております。なお私どもが輸出について非常に神経質でございますのは、要するにそれがひいて国内取引に当然影響の及ぶ面がございまするので、その点で非常に心配をいたしておるわけでございますが、この国内の面につきましてはまた別途独占禁止法規定があるわけでございまするから、かりに輸出に関しまして若干のゆるみがございましても、国内の問題はまた別途公正取引委員会としては考えていきたいというふうに思っております。
  85. 八木昇

    ○八木(昇)委員 結論として一つだけ聞きますが、やはり今のような傾向が国際取引の面においても独禁法公取委を軽視するようなかっこうで行われてくれば、国内取引の面においても将来それか影響してくるおそれは多分にある、そういうふうにお考えでございますか。
  86. 横田正俊

    横田政府委員 そういうふうに考えておりますが、けさほどからいろいろ公取の権限ができるだけ自由に働けまするようにとわれわれは主張いたしておるわけであります。
  87. 田中角榮

    田中委員長 申し合せ時間が非常に過ぎておりますので、なるべく簡潔にお願いをします。加藤清二君。
  88. 加藤清二

    加藤(清)委員 委員長のお言葉でなるべく簡潔にやりまするが、今まで時間が延びた原因は私にはありません。またきょうこれは当然上るにきまっているのですから、そう私だけをいじめぬように……。
  89. 田中角榮

    田中委員長 あなたをいじめませんけれども、委員長の宣言は各党二十分ずつと言っておったのですが、社会党の左派は四、五十分やるのですから少しは党内で調整してもらわないとしようがない。
  90. 加藤清二

    加藤(清)委員 ではしようがないから私の方にしわ寄せして、ただいま上程されております輸出入取引法の一部改正、特にきょう追加されました山手案、これについて二、三お尋ねしたいと存じます。先ほど山手案となるものはすでに、公取委と通産省とそれから提案者との三者の間にもなお十分な話し合いが行われていない、バランスがとれていない、こういうことがはっきりしたわけでございまするが、何をどう間違いなさったか、同じ通産省の中でもバランスのとれていないという点にがまだあるのでございます。この点について一つぜひ承わりたいのでございまするが、民主主義の原則は大きい方も小さい方も平等に行わなければならぬ、今大臣は決してアンバランスじゃない、平等に行われておる、こうおっしゃった。ところが私の調べましたものによりますると、大きなアンバランスがここに生じているわけであります。たとえて申しますると、輸出入取引法の一部改正山手案が出ない前のものと、それから同時に出されておりまする中小企業安定法と比較いたしましてもさようでございます。これは両者ともそのカルテル行為を一部許すという法律であったのでございまするが、今までは中小企業安定法の方はメーカーのみでございました。ところで輸出入取引法の方は輸出入のみであったわけでございます。ところが今度の改正によりまして、中小企業安定法の中に輸出入の取引の協定が行われるようになっております。それから逆に、山手案の追加によって輸出入取引法の中でメーカー協定が行われるようになった、こういうことでございます。そうすると同じ仕事を二つの法律が許すということに相なるわけでございます。これはよくおわかりだと存じます。  そこでこの両者を比較検討してみますと、まず手続の上におきまして、輸出入取引法改正案でいきますと、輸出業者のみが協定を結ぼうとしますと、これはすぐにできます。二十日以内にちゃんとできるようになっておる。理由は事務の簡素化だという話です。ところでこれがうまくいかない場合には生産業者をこれに加えて行うことができます。これも二十日以内でできます。それでもなおできないときには、うまくいかないときには——いやうまくいっても、なお山手案によれば生産業者の今まで認可制であったのを、今度は、言葉はそのままでございますが、言葉認可と残しておいて、実質は届出と同じ二十日以内、こういうことに相なっておるわけでございます。その理由はといえば、いわく両者の機動性を持たせるためだ、事務の簡素化だ、こういうお話でございます。ところが同じことを中小企業安定法で行なってみましょう。どういう手続が要るか。まず業種指定が要ります。次に調整組合の結成が必要でございます。次に規定を作らなければなりません。次に認可、次に二十九条の発動、そしてアウトサイダーの規制、こういう六段階を必要としているわけでございます。一体これでもバランスがとれておると言えるでございましょうか。大きな業界が結ぶ場合には二十日以内で、届け出ただけで、その許可がなくてもすでに許可をしたものと認められるようにできておる。ところが片や中仙小企業が行なう場合には、この形式その手続でいきますと、今までに最短距離をいったものでも一年以上かかっておるのでございますが、その間にはもう景気の変動が参りまして必要がなくなる、こういうことが多く行われておるのでございます。大臣、これでもアンバランスがないということがどの口をたたくと出てくるのでございましょうか、はっきりしていただきたい。
  91. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 私は中小企業安定法の方の今度の皆さん御修正については実はよくわからないのです。けれどもこれは御承知で御修正になったのでしょう。この輸出入取引法は安定法の方とは範囲が違います。これは貿易に関するものです。従って業者の数も少い。安定法の方は業者の数が非常に多い。そしてこれは中小企業に限る法律でありますから範囲が違っている。仕事はどこかが二重になるところもあるように思いますが、目的は非常に違う、こう考えております。
  92. 加藤清二

    加藤(清)委員 目的が違うのではなくして、同じ仕事を許すことになるのです。大企業がカルテルを結ぶ場合にはいとやすやすとできて、中小企業が同じカルテルを結ぶ場合には手続上これほど困難がある。これでもアンバランスがないということが言えますかどうか、聞いておるのです。
  93. 山手滿男

    山手委員 加藤さんのただいまの御質問でございますが、中小企業安定法の場合はいわゆる国内で消費する物資が非常に多くて、それが大多数であります。それを主として目がけておるわけでありますが、そういう国内消費物資や何かを作る一般的な中小企業者の安定法は皆さんと一緒に議員立法をしたわけであります。これは輸出する品物だけを対象にした場合に協定を認めようというわけでありまして、業者の数も少いし、中小企業者といえども輸出する品物でそういう品物があった場合には、この法律によって組合を結成しカルテルを認めるような行為に出ることもできるわけでありますから、中小企業者だけを特に押しはずすということではないと思います。ちっとも矛盾しておらぬと思います。
  94. 加藤清二

    加藤(清)委員 言いのがれをしてはいけません。それは過去の頭です。今度改正された法律を見ますと、中小企業安定法の中に中小企業の輸出入取引の協定が結ばれるようにちゃんとなっています。そんなことはあなたの方がよく御存じのはずなんです。それから輸出入取引法改正案では、あなたが今上程されたその中に国内カルテルをメーカーが結べるように改正したのでしょう。そんな古い頭ではいかぬ。きのうまでの頭では困る。  さてそこで、それを比較すると、今のような大きな相違があるということを言うておる。私は現実を言うておる。それで中小企業安定法輸出はやらないとおっしゃるけれども、再実陶器の輸出は全部これで今まで行われておる。そのためにアメリカ輸出で非常な困難性のあることを知らぬと言えば男子とは蓄えません。
  95. 山手滿男

    山手委員 中小企業安定法につきましても、できるだけこの二十九条の発動——そのほかについても機軸的にといいますか、スピーデーに行えるように、この法案が通ったあと、さらに議員の方でこの取引法に関する修正案と同様の修正案を上程することになっておるようでございます。だから頭を並べるようになるのだろうと私は思います。もっとも安定法の場合は、国内消費物資が非常にたくさんで、この取引法の場合は輸出に関するものでございますから、全然分野が違うというふうに私どもは解釈しております。
  96. 加藤清二

    加藤(清)委員 そういうふうに言われるから質問が長くなるので、輸出入取引法メーカーのカルテルの中で、国内の場合を許すと言っているのでしょう。それを除くのですか。
  97. 山手滿男

    山手委員 国内メーカー協定は、輸出にかかわる物件についての協定です。
  98. 加藤清二

    加藤(清)委員 だから私の言うのと比較して考えているとちぐはぐなところがあるのです。ところで中小企業安定法修正案は皆さんから出されている。それによればこれでよろしい、こういうお話ですが、大臣みずからが修正案を出したのではない。大臣はそこに気がつかなかった。皆さんの良識によれば、これではアンバランスが大き過ぎるから何とかしなければならぬということで、こういうことを今あなたがやろうとしている。後ほど出されます中小企業安定法の一部改正に関する法律案を見ましても、そうした認可だけに片や二十日以内、片や一ヵ月以上かかることになっておる。しかもその間大臣がその組合に諮問をした場合の日数は別に扱われることになっておる。おまけにどうかというと、大きな企業の方は全部届け出ただけで、通知か来なければ認可と認める。こういうふうにしておきながら、中小企業の方たけば認可かまたは不認可処分をしなければならない、こういうふうになっている。こうなった場合に、これで平等でございます、アンバランスはありませんということは、およそ日本の文字を読む人なら考えられない。いかがでございますか。
  99. 山手滿男

    山手委員 加藤さんはいろいろ誤解もあるようですが、中小企業でも、輸出しようとする場合は、輸出物件については、この取引法によって協定が結べるわけです。ですから中小企業だけを別個に扱っているということにはならない。中小企業もこの法律の適用を受けるわけです。ただ安定法は、中小企業の安定そのものて、国内の消費物件や何かをたくさん扱っております業界人の数も多いから、これはおのずから違った分野で出てくるわけであります。
  100. 加藤清二

    加藤(清)委員 答弁が私の質問意味と食い違いが生ずるので、質問がだんだん長くなる。そうだと答えたらそれでもういいのです。それでもう文句はないのです。  そこで今の問題ですが、中小企業が御厄介になる法律は、いずれの方が多いかということはあなたの方がよく御存じのはずなんです。そうでしょう。輸出入取引法に御厄介になるか、中小企業安定法に御厄介になるかといえば、中小企業安定法に御厄介になる数の方が多い。その御厄介になる法律が、手続がきわめて煩雑にして、内容から見ましてもそうです。同じだといいます。あなたが同じだとおっしゃる。輸出入取引法によりますと、いいですか、協定は価格から、あるいはその品質から、意匠に至るまで協定ができることに相なっておりますか、中小企業安定法によりますと、価格と品質の協定はできても意匠の協定はできないようになっている。事実そうじゃございませんか。出したものを見てごらんなさい。そうなりますると、さなきだに日本の意匠がイギリスから、あるいはカナダから……。
  101. 田中角榮

    田中委員長 質問だけ一つ……。
  102. 加藤清二

    加藤(清)委員 盗用だの何だので問題が起きてきているやさきに、何がゆえにこの中小企業の方のみこれを協定できないような法律をあえて通そうとしていらっしゃるのか。大臣どうですか。
  103. 田中角榮

    田中委員長 修正は議員がやっておられるのですから、大臣に答弁を求めても無理だと思いますが……。
  104. 加藤清二

    加藤(清)委員 中小企業安定法の答弁……。
  105. 田中角榮

    田中委員長 大臣、答弁されますか。
  106. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 その点は、皆さんの良識に訴えて一つ検討を願いたいと思います。
  107. 加藤清二

    加藤(清)委員 では良識によって、中小企業安定法輸出入取引法とのアンバランスがはっきりして、そうしてなるほど中小企業安定法は直さなければならない、こうなった場合に、大臣はいさぎよくこれを認めますか認めませんか。
  108. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 但しこういうことだけは申し上げていいと思います。これは輸出入に関することで、特に貿易でありますから、その点を考慮をしていただきたい。一般の国内の消費物資等については、輸出品におけると同じような取扱いをすることがよろしいかどうかということは、また別途考究を要するとは考えます。
  109. 田中角榮

  110. 帆足計

    帆足委員 一言お尋ねいたしますが、二十日以内に政府認可、不認可をきめねばならぬということでありますが、一切の許可認可事項について長い間ほうりっぱなしになっている例が非常に多いのです。戦時中は許可認可の手続簡素化に関する特別立法が出たことも記憶しておりますが、たとえば旅券法の問題なんかでも、あれは二ヵ月かかっても返事がなくて、身元調べなど、私などはちゃんと資格審査が通って、国会議員ですから、二十四時間で決定できるのを二ヵ月たっても返答しない。当人の苦労は大へんです。しかしその他許可認可を必要とする事項について無期限のものが非常に多い。これは直さねばならぬと思います。もちろん二週間のもの、二十日間のもの、また一週間のもの一月のものというふうに範疇は分れてもいいでしょうが、当然直すべきである。しかしこれを直しましたのは、独占的な大資本が国内に多少連関のあることでありますので、認可は慎重にするために届出制でなくて認可制度にした、これは相当慎重な審査を要するものであります。従いまして多少時間が長くなってもいたし方ないようにわれわれ思っておりますが、それでも放置しておきますよりも、一定の日数内でばりばり手続をやってくれというのは、私は合理的要求であると思いますけれども、この問題だけに元気をお出しになって、認可が実際は届出同様な効果を持つくらい事務は簡素化されて、他の多くの庶民階級の困っている多くの許可認可事項については非常にほったらかしにされておってどうにもならぬということは、これまた不均衡の一つだと思いますが、もし政府当局においてそういうことについて良識がおありならば、他の許可認可事項というものをお調べ下さいまして、この委員会は特に商工関係委員会でありますから、旅券法のことまで触れようと思いませんが、商工関係のことでそういう事例がありましたならば、そうして不届きなものがありましたならば、何らかの意味の手続簡素特別法でも御準備なさって、または行政の施行上の手続でも御制定になって、そうしていたずらに長引くようなことのないように、公平になさるお考えがおありかどうか、この際お尋ねしておきたいと思います。
  111. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 ただいまただちにその準備はいたしておりませんが、御意見はまことにごもっともで、私もかねがねさように思っておりますから、機会がありましたら、一つ御趣意に沿いますようにいたしたいと思います。
  112. 田中角榮

    田中委員長 これにて両修正案に対する質疑を終了いたします。  これより民主党山手滿男君提出の修正案両派社会党共同提案帆足計君提出の修正案及び政府原案を一括して討論に付します。討論の通告がありますので、順次これを許します。片島港君。
  113. 片島港

    ○片島委員 私は政府の原案につきましても非常に賛成をいたしかねる部分がたくさんありますし、特に山手君の修正案に対してはまっこうから反対をいたしておるのでありまするが、しかしこれらの論議は、今までの質疑応答によって相当明確になっておりますので、きわめて簡単に政府原案に対しては反対、さらにまた山手君の修正案についても反対、社会党両派提出の修正案につき賛成社会党両派の修正部分を除く政府原案について賛成意見を申し述べたいと思います。  第一点は、この法の改正案につきまして、私たちが一番懸念をいたしますのは、中小規模のものがこの組合を作ることによって、今度の改正によって仲間からはずされる危険性があるということであります。私どもはやはりこういう改正によって、中小規模のものの意見が十分に尊重せられて、締め出しを食わないという一項をはっきりとここに見出すことができるならば、これについて反対をいたすものではありませんが、そういう項目がないばかりか、この法が実施せられるならば、私たちが懸念いたしております通り、独占はますます強化せられるが、中小規模のものはこれから仲間はずれとして締め出しを食うということが第一点であります。  さらに第二点は、この特殊地域すなわち中共向けの輸出組合の問題でありますが、御承知のように、今日ココムの制限が非常に強く縛りつけておる。これを撤廃するために努力をし、ないしはこれを緩和するために真剣に努力をしていかなければならない、そのためには常駐の通商代表部を相互に設定するとか、あるいは政府当局も両国間における貿易協定の促進について努力をしていかなければならぬ。それについては通産大臣は先ほどから非常に努力をしておると言っておられますけれども、努力をしておられる姿が一向われわれの目には映らない。やっておられないようにしかわれわれには感じとれないので、こういうような輸出について人為的に非常な制限がある場合に、このような組合による調整、すなわち輸出輸入の均衡ということに気をとらわれますれば、かえって大臣の言われる拡大均衡にいかないで、縮小均衡にいくのではないか。われわれは輸出を伸ばし、輸入を伸ばし、これがシーソー・ゲームをやって、だんだんと拡大していくことこそ望んでいるのであるが、かえって二十三条の一項を設けることによってそれが阻害せられて、縮小均衡になるおそれがあるという考えを持っておりますがために、私どもはこれが削除の修正案を出しているのであります。こういう点についても政府の原案について反対をいたしております。特に日中貿易が大企業の独占するところとなって、中小を締め出すということになりますならば、私たちの懸念はますます具体化して参るのであります。社会党両派が、二十三条の規定を、原案を改正し、さらに三十八条において命令発動の処分等をする場合に、中小企業の者の意見を十分に尊重する、あるいは三十八条二項において各種認可申請なり届出の場合に、少数意見尊重するというような修正案を出したのもこれがためでありまして、もちろんこれをわれわれが修正いたしますならば、政府原案については満腔の賛意を表するものであります。ところが山手君から修正案が提出せられました。この案に至りましては、全く政府もたじたじするくらいの独占擁護の修正案でありまして、何か事があればそれに便乗して独禁法の精神を骨抜きにしようという民主党、自由党の精神をここに完全に暴露したものと私は考えるのであります。特に質疑応答の過程におきまして、伊藤卯四郎君の質問によって、大臣と公正取引委員会横田委員長との間に非常なる意見の食い違いがありましたのを、わずかの時間にどういうことでありますか、何が何だかわからないような意見調整が行われたということは、これは今後実行において非常にいろいろな問題を残すものであると考えるのであります。先ほど山手君の「同意」と「協議」特に公坂との「協議」と「同意」とをだんだんと突き一詰めて参りましたところが、ほとんど「協議」と「同意」は同じようなことについに相なってしまった。ところがこれは山手君の全く追い詰められたやむを得ない答弁でありまして、実は「協議」と「同意」は完全に違うのであります。「同意」は同意を得られなければこれを実行することができないのに、「協議」というのは、協議をしても、その協議が整わないときには、公取意見をいれないでこれを実行することができるというのでありますから、窮余の一策で同じような答弁をいたしましたが、これは完全に公取の存在を無視した修正案といわなければなりません。こういう意味におきまして、私は山手君の修正案に反対し、またそれを除く部分につきましても、社会党修正案を入れざる部分について政府原案については反対をいたし、社会党両派の修正案に対して賛成をし、社会党両派の修正案を除く政府原案について賛成意見を述べたいと存じます。皆さんの御賛成をお願いいたします。
  114. 田中角榮

    田中委員長 首藤新八君。
  115. 首藤新八

    ○首藤委員 私は自由党並びに民主党を代表いたしまして、ただいま提案された山手君の修正案に対して賛成社会党提案された修正案に対して反対、さらにまた山手君の修正部分を除いた政府原案に対して賛成の意を表明いたしたいと存じます。  今回の輸出入取引法案は今日まで日本の置かれたる至上命令ともいうべき輸出の振興途上におきますあらゆる障害を一掃いたし、そうして健全にして安定した思想のもとに輸出を振興いたしたい、これを目的として立法されたものでありまして、まだ十分とは言えませんが、大体目的を達した法案だと考えるのであります。特に注目すべきは、今日まで日本経済の発展の一つのブレーキとされておりました公取の方が、その後日本経済の実態に対するところの考え方が非常に進歩して参った。そうして今回のこの輸出入の取扱いに対しましてもこれに同調するところの精神がはっきり表明されているのでありまして、今回の輸出入取引法の最も大きな特徴は、要するに公取の考え方が日本経済の実態にマッチしてきたという点にあるということをいわざるを得ないのであります。そういう意味から今回の輸出入取引法に対しましては、山手君の修正部分を除いた政府原案に賛成いたしますとともに、山手君の修正案はこれまたただいま申し上げたように公取の許可権を一そう簡明にいたしたい、政府案は輸出業者並びに問屋業者は任意に協定ができ、そうして実行ができるのでありますが、メーカーの方にはまだ一つの制約が置かれておったのであります。今日の貿易の実態から考えますと、この協定貿易業者あるいは問屋業者よりもメーカーそのものの協定が最も効果的でありまして、これが前提でなければならぬことは議論の余地がありません。従って率直に申し上げますれば、輸出業者、問屋の協定よりも、まず先にメーカー協定をなるべく簡明にできるような措置を講ずべきではないかと考えます。この面において山手君の修正案はその目的を達成いたしておりますがゆえに、山手君の修正案賛成いたしますとともに、社会党修正案は遺憾ながらわれわれの目途と去ることはなはだ遠いのでありますから、反対せざるを得ないのであります。
  116. 田中角榮

    田中委員長 これにて討論は終局いたしました。  ただいまより採決に入ります。採決の順序はまず両派社会党共同提案修正案について採決し、次に民主党修正案について採決し、次に政府原案について採決いたします。それではまず両派社会党提案にかかる帆足計君提出の修正案につき採決いたします。本修正案賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  117. 田中角榮

    田中委員長 起立少数。よって本修正案は否決せられました。  次に民主党山手滿男君提出の修正案について採決いたします。本修正案賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  118. 田中角榮

    田中委員長 起立多数。よって本修正案は可決せられました。  次に、ただいま決定いたしました修正部分を除く政府原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  119. 田中角榮

    田中委員長 起立多数。よって本案民主党山手君提出の修正案の通り修正議決すべきものと決しました。  ただいま小笠公韶君より民自共同提案にかかる本案に対する附帯決議案が提出せられました。まず提案者よりその趣旨説明を求めます。小笠公韶君
  120. 小笠公韶

    小笠委員 附帯決議の案文を朗読いたします。    附帯決議(案)   通商産業大臣は、本法の実施に当って、公正取引委員会意見を十分尊重し、私的独占禁止及び公正取引の確保に関する法律の精神を損なわざるよう特に留意すること。  以上であります。御承知の通りに本決議案を提出いたしました理由は、今朝米の論議から見まして十分明らかであります。そういう意味におきまして今後の運用上の指針といたしまして、右の附帯決議案を提出いたした次第であります。
  121. 田中角榮

    田中委員長 本附帯決議案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  122. 田中角榮

    田中委員長 起立多数。よって本案は民自共同提案にかかる附帯決議案の通り附帯決議を付することに決しました。  この際通商産業大臣より発言を求められております。これを許します。石橋通商産業大臣
  123. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 輸出入取引法修正の上御可決いただきましてありがとうございました。同時にただいまの附帯決議については十分私どもも最初からさような覚悟でおりますから御趣旨尊重いたしますことを申し上げておきます。     —————————————
  124. 田中角榮

    田中委員長 次に中小企業安定法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対しましては、民自両党の共同提案にかかる修正案が提出されております。この際その趣旨説明を求めます。南好雄君。
  125. 南好雄

    南委員 中小企業安定法については、小笠公韶君その他から一部を改正する法律案が提出されております。その一部を改正する法律案に対しまして、自由党、民主党を代表いたしまして、一部修正の動議を提出いたします。  まずその案文を朗読いたします。    中小企業安定法の一部を改正する法律案に対する修正案   中小企業安定法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第一条の改正規定の前に次のように加える。   本則(第三十条第二項及び第三十三条を除く。)中「通商産業大臣」を「通商産業大臣及び当該指定業種に属する事業についての主務大臣」に、「通商産業省令」を「省令」に改める。第十五条の改正規定中「品質」を「品質、意匠」に改める。  第十六条の改正規定を次のように改める。  第十六条第一項中「生産設備に関する制限」の下に「若しくは原材料の購入数量に関する制限」を加え、同条第三項第一号中「各号」を「第二号」に改め、同条策三項の次に次の三項を加える。  4 通商産業大臣及び当該指定業種に属する事業についての主務大臣は、第一項の認可申請があったときは、当該申請を受理した日(第三十五条の二の規定により当該申請について都道府県知事を経由させる。場合に布いては、都道府県知事から通商産業大臣及び当該指定業種に属する事業についての主務大臣当該申請が到達した日)から起算して一月以内に、認可又は不認可処分をしなければならない。  5 前項期間内に同項の処分がなされなかつたときは、当該期間が満了した日の翌日において第一項の認可があったものとみなす。  6 通商産業大臣及び当該指定業種に属する事業についての主務大臣が第一項の認可申請に関し申請者に報告を求めたときは、その日からその報告を通商産業大臣及び当該指定業種に属する事業についての主務大臣が受理するまでの期間は、これを第四項の期間に算入しない。  第二十六条及び第二十九条の改正規定中「品質」を「品質、意匠」に改める。  第二十七条の改正規定を削る。  第三十条の改正規定を次のように改める。  第三十条のうち第二項中「通商産業大臣は、」を「通商産業大臣及び当該指定業種に属する事業についての主務大臣は、第十六条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の認可又は」に改め、第三項中「第十六条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の認可又は」及び「若しくは同条第三項但書の規定による期間の延長」を削り、第四項の次に次の一項を加える。5 公正取引委員会は、前項規定による請求をしたときは、遅滞なく、その旨を官報に公示しなければならない。  第三十条の二の改正規定を次のように改める。  第三十条の二を削る。  第三十条の二の改正規定の次に次のように加える。  第三十二条に次のただし書を加える。   但し、左の各号に掲げる場合は、この限りでない。  一 不公正な取引方法を用いるとき又は組合員若しくは会員に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにするとき。  二 第三十条第五項の規定による公示があった後一月を経過したとき(同条第四項の請求に応じ、通商産業大臣及び当該指定業種に属する事業についての主務大臣が第十八条第一項又は第二項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による処分をした場合を除く。)   第三十二条に次の一項を加える。  2 第三十条第四項の規定による請求が調整規程又は総合調整計画の定の一部について行われたときは、前項第二号の規定にかかわらず、私的独占禁止及び公正取引の確保に関する法律規定は、その調整規程又は総合調整計画の定のうちその請求に係る部分以外の部分に基いてする行為には、適用しない。   第三十四条の改正規定の次に次のように加える。   第三十五条の三中「通商産業局長又は」を削る。   附則第二項を附則第三項とし、附則第一項の次に次の一項を加える。  2 改正後の第十六条第四項から第六項までの規定は、この法律の施行後になされる認可申請について適用する。   附則に次の一項を加える。  4 中小企業等協同組合法の一部を改正する法律昭和三十年法律第号)の一部を次のように改正する。   附則第二十条のうち第十四条の改正規定の次に次のように加える。   第二十七条中「から第十四条まで」を「、第十四条」に改める。   附則第二十条のうち第二十八条の改正規定中「通商産業大臣」を「通商産業大臣及び当該指定業種に属する  事業についての主務大臣」に改める。  大へんむずかしい文章になっておりますが、法律改正の条文の点からこういうむずかしいことになったのであります。  この趣旨を簡単に御説明申し上げますると、先般改正になりました輸出入取引法との均衡を考えますと、中小企業安定法につきましても、当然こういうふうにしなければならぬ結果が生じて参りますので、修正を提議したような次第であります。  なお農林水産委員会からの通牒もございましたので、通商産業大臣専管を、いわゆる主務大臣並びに中小企業庁が中小企業に関する一般権限を持っております関係から、通商産業省と共管という形に法律改正する必要があるので、今の修正案を提出したような次第であります。
  126. 田中角榮

    田中委員長 討論の通告があります。これを許します。田中武夫君。
  127. 田中武夫

    田中(武)委員 ただいま議題となりました中小企業安定法の一部を改正する原案並びに修正案に対し賛成するに当りまして、政府並びに提案者に、社会党を代表して若干要望申し上げ、これを条件といたしまして賛成いたしたいと存じます。  先日来の質問の際にも申し上げたのでありますが、言うまでもなく本法改正の目的は、中小企業の安定と輸出の振興にあるのでありますが、本法においては中小企業の実態はおそらく救われないので、政府はすみやかに中小企業救済の対策を樹立せられたい。先日も申し上げたように、本改正により零細な企業が圧迫を受けるおそれがあり、中小企業の内部のより小の部分を振り落す結果とたるおそれが多分にあるので、このような結果を来たさないような措置と、調整組合運用組合員中の小企業の権利を侵したり、非民主的にならないように格段の指導が必要と考えます。また調整組合に中小企業に対する政府の救済責任を転嫁するというようなことのないように注意していただきたいと思います。またただいまの修正案は、先ほど採択せられました輸出入取引法の一部改正案に対する修正案との間に不均衡の点もありますので、この不均衡な点もすみやかにしかるべき機会に是正していただくよう政府の方で考慮していただくことを強く要望いたし、以上の点を申し上げて賛成といたします。
  128. 田中角榮

    田中委員長 これをもって討論は終了いたしました。  直ちに採決に入ります。  まず民自共同提案にかかる修正案について採決いたします。本修正案に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 田中角榮

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって本修正案は可決をせられました。  次にただいま決定いたしました修正部分を除く原案について採決をいたします。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 田中角榮

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって本案は民自共同提案にかかる修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。  ただいま首藤新八君より民主党及び自由党共同提案にかかる本案に対する附帯決議案が提出せられました。この際提出者趣旨弁明を求めます。首藤新八君。
  131. 首藤新八

    ○首藤委員 私はこの際この中小企業安定法の一部を改正する法律案に対して附帯決議を付することを提議いたします。  まず案文を朗読いたします。    中小企業安定法の一部を改正する法律案附帯決議(案)  一、本法及び中小企業等協同組合法等において、その中小工業者たる事業者とは、常時使用する従業員が三百人をこえないものをいうのであるが、本法及び協同組合法等施行の実情にかんがみるとき、業種によってはいささか過小にして、これらの制度を利用できない企業もあるので、近い将来これを引き上げるよう措置すること。  二、現下の中小工業のうちには、自主統制の手段をもつてしてはとうていその不況の深刻性と慢性化とを打開克服し得ないものがいまだ相当多数あるにかかわらず、調整組合結成の業種に指定せられないものがある。    よつて、政府は、所定の要件を具備するものについて、業界の実情に則して、すみやかに業種指定を行うよう措置すること。  以上であります。  第一番の三百人をこえないものということが現行法の根本でありまするが、業種によりますると、経営の実態は中小企業でありまするにもかかわらず、これが手工業でありまする関係上、往々にして四百人あるいは五百人の従業員を雇用しているものが相当あるのであります。しかも今日の経済不況に直面いたしまして、どうしてもこの安定法を適用いたしたいと強く要望しながら、この三百人という制限に制約されて安定法の適用が不可能になつておる、かような実情にかんがみまして、この際かような特殊の業種によりましては三百人以上を適当に認めることが穏当であろうという考え方に立っておるのであります。第二の業種指定でありまするが、これは今さら私から詳しく申し上げるまでもなく、今日安定法の適用をいたすものはあらかじめ業種の指定が行われておりまするが、最近における日本の経済は全くパニックの前夜と申し上げてもあえて過言でないほど不況は深刻化しておるのであります。よって今日までは指定しなくてもよかろうという考え方から指定されなかった業界も、今日におきましてはこの実態ではどうしても指定いたし、安定法を適用しなければならぬという業種も相当ふえておりますがゆえに、この際これらの業種もできるだけすみやかに指定すべきである、かような考え方からこの附帯決議を提案いたした次第であります。何とぞ御賛成下さることをお願い申し上げます。
  132. 田中角榮

    田中委員長 お諮りをいたします。本案に首藤新八君提出の附帯決議を付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 田中角榮

    田中委員長 御異議なしと認めます。よって本案に首藤新八君提出の附帯決議案の通り附帯決議を付することに決しました。  お諮りいたします。本日議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 田中角榮

    田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  135. 田中角榮

    田中委員長 次に科学技術に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。前田正男君。
  136. 前田正男

    ○前田(正)委員 この際石橋通産大臣及び高碕経審長官に質問をいたしたいと思うのであります。この科学技術行政及び原子力の問題につきまして、過日この商工委員会におきまして全会一致をもって決議をいたしまして、両大臣からその決議には賛成であるという趣旨の御答弁をいただいたのであります。従いまして私たちは政府がこの原子力の問題、科学技術行政の問題について御提案になるものと思って待っておったのでありますけれども、いずれにしても一向に御提案の御様子がないようであります。そればかりではありません、過日小委員会におきまして実は通産省の官房長の意見を求めましたところが、われわれの小委員会の決議にはあまり賛成しないで、経済審議庁と一緒に科学技術をやったらいいのだ、こういうことを申されました。われわれといたしましては、事務当局の意見でありますけれども、はなはだ不本意であります。そこで過日私は小委員会におきましてこの決議案の趣旨に基くところの法律要綱を作成いたしまして、各委員のお手元にお配りをいたしたのであります。さらにその要綱に基きまして、ただいまお配りいたしましたような、法律案の要綱及び原子力平和利用審議会設置法案の原案とを作りまして、これを衆議院法制局と相談いたしまして、こういうような法案の準備をいたしたわけであります。この法案につきましては、私どもの方の自由党におきましては、政務調査会に諮りましたところ、この内容については全員賛成でありまして、商工関係及び行政部門においても賛成であります。またわれわれの方から提案するならば内閣委員会においても迅速にこの問題を処理しようという協力的な申し出もあるわけであります。しかしながらわが党におきましては、こういう科学技術の新しい役所を作るというのは極力政府提案すべきものではないか、こういうような話がありますので、私はこの際緊急質問をいたしまして、政府でこの法案は提出するお考えがあるかどうかということを聞きまして、政府がこれを提出するお考えがないならば、私はあらためて議員提出をいたさなければならぬというような重大な決意をしなければならぬと思うのであります。そこでこの際両大臣から政府の誠意ある答弁をお願いしたいと思うのであります。まず科学技術行政につきまして問題になるところは、何と申しましても一部政府の事務官僚が考えておりますような経済と科学をつなごうというような考えでは、私は日本科学技術の行政を確立することができないと思うのであります。私たちの日本で一番、また世界的にもすぐれておると思われることは、応用の問題ではなくて基礎研究の問題であります。基礎科学の方は世界的にも相当有力な地位を持っております。しかしながらそれが応用ができないために、たとえばレーダーの点等を申しましてもおわかりの通り、日本で学問的に考えられましたものが、よその国において実用化されて、しかもわが国の敗戦の一つの原因になったというような実例まであるのであります。従いまして私たちは日本の発展のためには学問と科学とをいかに結ぶかということが重要な問題である、こう考えておるのであります。従いまして政府の役人が考えておるような経済と科学を結ぶということはそう重大な問題ではないと考えておるのであります。そこでこの学問をいかに科学技術と結びつけるかということについては、ぜひとも総理府の外局といたしまして、総合調整するような科学技術庁というものを設けなければできないと思うのであります。また私どもは経済審議庁の人たちにもいろいろお話を伺っておりますけれども、現在の学術会議科学技術行政協議会その他の問題をそのままにいたしまして、経済審議庁とこれをくっつけて——今度経済企画庁と名前が改められます官庁が果して十分にこの問題を処置していけるかというと、私はできないと思うのであります。やはり私は、これらの学問と科学技術をいかに結びつけるかという問題を解決しないで、日本科学技術の行政というものはあり得ないと思うのであります。  次に大きな問題といたしましては原子力の問題でございます。この原子力の問題につきましては、かねてから学者その他各方面におきまして、当然これを統括する機構を作るのがほんとうではないかということを考えておるのであります。また政府もこの統括機構を早く作りたいということを申しておられたのであります。高橋大臣はまだ御出席になりませんけれども、そういうことをたびたび明確に申されておる。ところがこの統括機構ができる前に、御承知の通り原子力の濃縮ウランを受け入れるところの仮条約を結ばれた、ところがそれが新聞に出ておりますように、その条約には誤訳があったということで騒いでおるのであります。これはなぜかと申しますと、政府の責任あるところの行政官庁に原子力の審議をする機関というものがないのであります。いわゆる閣議決定の利用準備会というようなものがあるにすぎない。私はこれではこういうような誤訳問題が起ってくると思うのであります。さらに最近におきましては、高碕大臣の言といたしまして、財団法人の原子力研究所を作るというようなお話が出ておりますが、原子力研究所を作ることは私たちも賛成でありますが、この問題についてもまた問題点が別にあるわけであります。すなわち濃縮ウランを受け入れられましても、その濃縮ウランに使うところの炉とか濃縮ウラン受け入れのための予算というものが現在ありません。現在あります予算というものは第一炉の予算であります。従ってこの予算というものを早く実用化しなければならぬ、またこの濃縮ウランを受け入れるについても、政府としては早くその方式をきめられて予算化のための努力をしなければならぬと思います。従いましてこれらの問題を審議する機関というものをどうしても早く作らなければ、単に財団法人の原子力研究所というものを作って、それでもって話を進めていくわけにはいかないと私は思うのであります。従いましてこの原子力問題におきましては、何といたしましても国論を統一するための原子力の平和利用に関する審議会というようなものを早く作る必要があると思うのであります。ところがこの問題につきましては、学者側は行政委員会を作る、あるいは官庁の方におきましては単なる審議機関を作るというようなことで意見が不統一のためにこの問題が延び延びにされまして、条約の締結であるとかあるいは財団法人であるとか、こういうようなことを進められておりますので、今日いろいろと入りまじった問題があると思うのであります。せっかく国会を開いておる最中でありまして、しかもこの商工委員会においては全員一致をもって原子力機構というものを含めた科学技術行政を確立しようじゃないか、こういうように決議されておりますから、そういうような法案を提出されて、この国会において少くとも政府は原子力の統括機構を確立され、科学技術を確立されるという必要があるのじゃないかと思うのであります。そのままにしておいて単なる既成事実を作っていきますと、今日問題になっておりますような条約の誤訳問題とか、さらに財団法人の研究所におきましてはいろいろとつまらない問題が起ってくると思います。これはやはりこういう統括機構というものを早く作って、国論を統一いたしまして、それに沿って官民その他学界もみなあげて協力して日本の発展のために努力していくべきであると私は思うのであります。そういう意味におきまして、ただいまお手元に配りましたように、大体われわれの決議に基きまして衆議院の法制局において両法案はいつでも提案できるような態勢を整えつつあるのであります。この問題につきましては両派社会党の諸君も、党の方の態度はまだ未決定のようでありますけれども、しかしながら決議の趣旨もありますので、大体決議に御賛成のようでありますし、また資料として配りました通り、新たに十月から出発いたしましても、予算は三年で二千五百万円ほどしか要らない、しかもこれはじきに要るわけではありません。人員が充足されてから要るのですから、実際には千五、六百万円の金を予備金から支出すればできる、しかも来年度の科学技術の予算の重要な査定ができるということでありまして、政府といたしましても大して問題のないことであると私は思うのであります。こういうような意味におきまして、大体私たちの党におきましても、この内容については商工、行政部門等の政務調査会においては賛成である、社会党の諸君も多分今までの経過から見て賛成されると思います。もし政府が提出されないというならば、われわれも党の正式機関に諮りまして、議員提出の手続を進めたいと思うのであります。もしこれを提出するということになりますれば、私はこの国会において通過することはむずかしくないと考えておるのでありまして、私たちも好んでみずから提出いたしたいとは思っておりません。行政機関でありますから、なるべく政府が御提案になるのがほんとうであると思っております。しかし政府の方では一向に進められない、ことに過日のお話ではあまり賛成でないような答弁を伺いましたので、私はこの際政府提案されるのに必要なように、法案も資料も整えて、あしたにでも政府提案できるように用意いたしたのでありますから、この際政府が御提案になるかどうか、また民主党の諸君の中には、一部経済企画庁に賛成であるような話も出ておるようでありますけれども、またわれわれの聞いておる範囲の中には、私たちの科学技術庁の方に賛成である方もあるように私たちは聞いております。そういうようなことで、民主党の中では党議はまだきまっておらないようでありますけれども、そういう決議案の趣旨もありますので、これはいよいよ御提出になるということになれば、多分賛成されるように思います。大体国会の情勢はそういうような状況でありますから、一つこの際大臣の率直な御意見をお伺いいたしたいと思うのであります。
  137. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 大へん御努力で、こういうような案ができまして、これはさっそく研究をいたしますが、実は先般御決議の科学技術庁の問題については、経審を中心に研究してもらっております。何とか結論を早く出したい、それから原子力の問題でも同様であります。どこにどういう機関を置いて統轄するかという問題につきましては、経審を中心にして研究中でございますから、今度のこの起草の案も十分参酌いたしまして、できるだけ早い機会政府の態度をきめたいと思います。
  138. 田中角榮

    田中委員長 この際委員諸君に申し上げます。さきに決定いたしました石炭鉱業合理化臨時措置法案についての社会労働委員会との連合審査会は、社会労働委員長と協議いたしました結果、来たる十九日午前十時より開会することに決定いたしましたから御了承願います。  残余の質疑は後日に行うことといたしまして、本日の会議はこの程度にとどめます。次会は明十五日午前十時より開会することといたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後三時十九分散会